(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177101
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】液状またはペースト状の充填材料が充填された小袋を製造するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/207 20120101AFI20241212BHJP
【FI】
B65B9/207
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090211
(22)【出願日】2024-06-03
(31)【優先権主張番号】23178420
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503209940
【氏名又は名称】アルベルト ハントマン マシネンファブリク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シュリーサー, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ベクトル, マンフレッド
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050BA02
3E050CB01
3E050DD03
3E050DF02
3E050FB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液状またはペースト状の充填材料が充填された小袋を製造するための装置および方法を提供する。
【解決手段】本発明は、液状またはペースト状の充填材料、特に食品が充填された小袋を製造するための装置および方法に関する。装置は、充填材料が充填された包装材料のストランドを共押出しするための共押出装置と、その間でストランドを搬送することができ、充填材料を搬送することができる対向する循環分割プランジャとを有し、分割プランジャは、分割プランジャの軌道経路上で互いに向かって移動するとき、分割点で包装材料を剥ぎ取り、分割点で平坦になるように包装材料を押圧して小袋を形成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための装置(1)であって、
前記充填材料(14)が充填された包装材料(15)からストランド(10)を共押出しするための共押出装置(3)と、
対向する循環分割プランジャ(6a、6b)であって、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)間で前記ストランド(10)を搬送することができ、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)が前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)の軌道経路(U)上で互いに向かって移動するときに分割点(8)で前記包装材料(15)を剥ぎ取り、前記分割点(8)で平坦になるように前記包装材料(15)を押圧して小袋(2)を形成することができる、対向する循環分割プランジャ(6a、6b)と
により特徴付けられている、装置(1)。
【請求項2】
前記装置(1)が、
対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)を備え、前記対向する循環搬送手段(5a、5b)の各々に、離間した前記分割プランジャ(6a、6b)が配置され、
特に、前記搬送方向(T)における前記小袋(2)の搬送中に、前記分割プランジャ(6a、6b)が前記分割点(8)で前記包装材料をさらに押圧することができるように、配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記分割プランジャ(6a、6b)がそれぞれ、前記分割点(8)上の前記包装材料(15)を表面全体にわたって滑らかで皺なく押圧するために、平坦な押圧面(7)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記分割プランジャ(6a、6b)の前記押圧面(7)が、前記搬送装置(4)の前記搬送方向(T)に対して垂直に延在し、排出された前記ストランド(10)の幅(b)以上の長さ(l)を有することを特徴とする、請求項1~3の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記共押出装置(3)が、前記充填材料(14)を送り出すための充填パイプ(9)と、前記充填パイプ(9)に関連付けられ、前記包装材料(15)を送り出すための環状押出ギャップ(11)を有する押出ノズル(13)とを備え、好ましくは、
前記充填パイプ(9)が、前記包装材料(15)が前記押出ギャップ(11)を通って前記充填パイプ(9)上に押し出され、前記充填パイプ(9)に沿って固化することができるように、前記押出ギャップ(11)を越えて距離Xにわたって突出し、特に、
前記装置が、前記充填パイプ(9)と排出された前記包装材料(15)との間に潤滑剤を供給するための潤滑剤装置(19)を備える
ことを特徴とする、請求項1~4の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記充填パイプ(9)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記出口開口部(12)の高さ(h2)よりも大きく、前記出口開口部(12)が、特に楕円形の断面または角が丸い長方形の断面を含むことを特徴とする、少なくとも請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
パイプセクション(90)が、前記搬送装置(4)に面する前記充填パイプ(9)の端部(E)に形成され、前記パイプセクション(90)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記充填パイプの直径(h1)よりも大きく、前記出口開口部(12)の高さ(h)が、前記充填パイプ(9)の直径(d)よりも小さく、好ましくは、前記充填パイプ(9)および形成された前記パイプセクション(90)の断面積が本質的に同じであることを特徴とする、少なくとも請求項5または6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記搬送手段が上下に配置され、下側循環搬送手段(5b)が前記下側循環搬送手段(5b)の上方の搬送手段(5a)よりも長いか、またはさらなる搬送手段が前記下側搬送手段に隣接することを特徴とする、請求項2~7の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記搬送方向(T)に沿って見たときに、前記循環搬送手段(5a、5b)の上流に固定手段を適用するための装置(16)を有することを特徴とする、請求項2~8の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)が、前記分割点(8)の領域において連続する小袋(2)を互いに分離する分離装置(17)を備え、好ましくは、前記分離装置(17)が、前記分割プランジャ(6a、6b)に一体化されるか、または前記分割点において前記小袋(2)を穿孔する穿孔装置を備えることを特徴とする請求項1~9の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記対向する分割プランジャ(6a、6b)間の距離(s)、特に前記対向する搬送手段(5a、5b)間の距離が調整可能であることを特徴とする、少なくとも請求項2に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記充填パイプ(9)と前記搬送手段(4)とが空間的に重ね合わされ、特に前記充填パイプの前記出口開口部(12)が、前記搬送手段(5a、5b)間の偏向領域、特に前記搬送手段の前方反転点(P)の少なくとも1つが位置する、前記搬送方向に沿って見て前記搬送方向(T)に垂直な平面の背後の領域に配置される、少なくとも請求項2に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記搬送方向(T)に見た後端(E)における前記対向する循環搬送手段(6a、6b)間の距離が、最初よりも小さい、等しい、または大きい、特に調整可能であることを特徴とする、請求項1~12の少なくとも一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
特に請求項1~13または18の少なくとも一項に記載の装置(1)を用いて、液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための方法であって、
充填材料(14)が充填された硬化性包装材料(15)のストランド(10)が、共押出装置(3)を介して押し出され、前記ストランド(10)が循環分割プランジャ(6a、6b)間を案内され、
前記循環分割プランジャ(6a、6b)が、互いに向かって移動し、分割点(8)で、前記ストランド(10)に係合し、プロセス中に前記充填材料(14)を前記包装材料(15)から剥ぎ取り、まだ完全には硬化していない前記包装材料(15)を前記分割点(8)で平坦になるように押圧して小袋(2)を形成する
ことを特徴とする、方法。
【請求項15】
各々に複数の離間した分割プランジャ(6a、6b)が配置された対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)が、分離された前記小袋(2)を前記搬送方向(T)に搬送し、前記分割点(8)が前記分割プランジャ(6a、6b)によってさらに押圧されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記小袋(2)が前記小袋(2)の分割点で分離され、前記分離された小袋(2)が長方形の平坦な形状を有し、好ましくは前記小袋の高さ(u)が幅(r)よりも小さく、特に前記高さ(u)と前記幅(r)との比が好ましくは1:1.5~1:20の範囲内にあり、好ましくは前記小袋(2)の前後を封止する前記分割点(8a、b)が前記小袋(2)の前記幅(r)全体にわたって延在することを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記包装材料が食品片を含むことを特徴とする、請求項14~16の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項18】
前記充填パイプ(9)の前記出口開口部(12)から、前記搬送方向Tに垂直であり、前記搬送手段5a、5bがその周りを循環する前方軸線(A1a、A1b)の少なくとも1つがある平面E1までの距離が、約5~30mmであることを特徴とする、請求項1~13の少なくとも一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1および14の前文に記載の、液状の充填材料、特に食品が充填された小袋を製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる小袋に製品、例えば化粧品、食品などを包装することは、従来技術から既に知られている。小袋は、その端部に平坦な端部セクションを有する包装体である。そのような包装は、通常、チューブ状製袋機を使用して製造される。例えば、
図8は、そのような垂直チューブ状製袋機がどのように機能するかを示す。この目的のために、包装用包装材が製造され、成形パイプに巻き付けられ、長手方向の封止継ぎ目によって閉じられる。このようにして製造されたチューブに、成形パイプを介して、包装される製品、例えばケチャップが充填され、封止プランジャを使用して横断方向の封止継ぎ目で封止される。封止プランジャは、通常、充填プロセス中に一定時間閉じたままでなければならず、これにより製造量が低下する。一方、封止点に十分な強度を作り出すためには、十分な封止時間が必要である。包装材はまた、封止中に互いにくっつくことが多い。全体として、上述の方法は複雑であり、アルギネート包装材、ペクチン包装材またはコラーゲン包装材などの生分解性包装材料(共押出包装材)を使用する場合に限られた範囲でのみ適している。
【0003】
図9は、
図8に関連して示す垂直型充填封止機と同様の問題を有する水平フロー包装機を概略的に示す。特に、液体は水平フロー包装機で包装することができない。
【0004】
これに基づいて、本発明の根底にある問題は、液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品が充填された封止小袋の単純化された、より効率的で環境に優しい製造のための装置および方法を提供することであり、これにより、液密包装が可能になる。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、この問題は、請求項1および14の特徴によって解決される。
【0006】
本発明によれば、液状またはペースト状の充填材料、特に食品が充填された小袋を製造するための装置は、充填材料が充填された包装材料(ケーシング材料)のストランドを共押出しするための共押出装置を備える。このような共押出装置は、充填材料または食品および包装材料を同時に押し出す。そのような共押出装置はまた、固定液によって硬化させることができる包装材料、特にゲル、好ましくは生分解性包装材料、例えばアルギネートゲル、ペクチンゲルまたはコラーゲンゲルを押し出すのに特に適している。アルギネートゲルは、食品に特に好ましい。例えば、塩化カルシウム溶液が固定液として機能する。
【0007】
さらに、装置は、対向する周方向分割プランジャを有し、分割プランジャ間で、共押出装置によって製造されたストランドを搬送することができる。分割プランジャは、分割点で充填材料、特に食品を包装材料から剥ぎ取り、このとき、分割プランジャは、軌道経路上で互いに向かって移動し、ストランドに係合し、この時点でまだ完全に硬化していない包装材料を分割点で平坦に押圧して小袋を形成する。
【0008】
対向する分割プランジャが循環するとき、分割プランジャは、(共押出装置に面する)前方偏向領域において互いに平行に整列されていない。これは、分割プランジャが、再び互いに本質的に平行に整列するまで、偏向領域内で互いに向かって移動するとき、内部物質、すなわち充填材料を剥ぎ取り、その結果、分割点には内部物質がなく、純粋な包装材のみが存在することを意味する。したがって、分割点をクリーンな状態で押圧し、液密に封止することができる。硬化性包装材料の場合、包装材料は分割点で完全には硬化されてない、すなわち完全には架橋されていないので、包装材の上側および下側の硬化性包装材料は、分割点の内側で、特に均一に結合することができる。これは、分割プランジャが共押出しされたストランドに係合し、包装材料、すなわちフィルムが従来技術に記載されているように事前に製造されないために可能である。
【0009】
したがって、本発明による装置は、全面が押圧された滑らかで皺のない分割点による充填材料の液密包装を可能にする。
【0010】
例えば、ここでの液体は、例えば20℃で70,000mPas以下の粘度を有する充填材料、したがって例えば、ケチャップまたはマスタード、スープ、シャンプー、クリーム、ハチミツ、ジャムなどの、特に、例えば20℃で5000mPas未満(例えば、同様にアップルソース、ベビーフード、サラダドレッシング)、さらに、特に、例えば20℃で1000mPas以下(例えば、同様にジュース、油)の稠度を有する充填材料も意味する。しかしながら、装置は、より高い粘度を有するペースト状の充填材料が充填された小袋を製造するのにも適している。
【0011】
分割プランジャは、シャフト上に周方向に配置することもできるが、装置が、対向する循環搬送手段、特に搬送ベルトまたはチェーンを有する搬送装置を有し、循環搬送手段の各々に離間した分割プランジャが配置されることが特に好ましい。例えば、約1~100個の分割プランジャが搬送手段ごとに配置される。対向する分割プランジャは、ストランドに係合するときに分割プランジャの平坦な押圧面が最初に互いにある角度で整列されるように、搬送手段、特に搬送ベルトの偏向領域内で互いに向かって移動することができる。偏向領域からさらに移動すると、分割プランジャは、分割点が平坦になるように押圧され得るように、互いに平行になる。偏向領域から、分割プランジャの押圧面が互いに平行に整列される領域に移行する間、充填材料、特に食品は、これも上述したように、包装材料から剥ぎ取られる。このようにして製造された小袋を搬送方向に搬送する間、分割プランジャは、少なくとも搬送装置の第1のセクションで分割点を押圧し続けることができることが特に好ましい。このようにして、分割点は、搬送装置内での搬送中に硬化し続け、安定した状態で装置を出ることができる。
【0012】
いくつかの分割要素が同時に係合され、したがって固化プロセスが分割サイクルに依存しないため、小袋が従来技術よりも高い出力で製造され得ることが好ましい。
【0013】
分割プランジャがそれぞれ、平坦な押圧面を有する場合、好ましい。平坦な押圧面は、凸部または凹部がなく、滑らかである。平坦な押圧面は、押圧中の包装材料の表面全体に位置する。このようにして、特に皺のない分割点を形成することができるため、小袋に液体または低粘度充填材料、特に食品が充填されたときに、液体は分割点で逃げることができない。したがって、包装材料は、分割点において表面全体にわたって押圧され得る。
【0014】
好ましい実施形態によれば、分割プランジャの押圧面は、搬送装置の搬送方向Tに対して垂直に延在し、押し出されたストランドの幅と比較して大きい(すなわち、包装材料の押出ノズルの直径よりも大きい)長さを有する。これは、液密の分割点が形成され、例えば本質的に長方形の小袋が製造されることを保証し、同時に、分割プランジャが分割点で小袋の全幅にわたって充填材料または食品を剥ぎ取ることを保証する。
【0015】
好ましい実施形態によれば、共押出装置は、充填材料または食品を送り出すための充填パイプと、充填パイプに関連付けられ、包装材料を送り出すための略環状の押出ギャップを有する押出ノズルとを有する。好ましくは、充填パイプは、包装材料が押出ギャップを通って充填パイプ上に押し出され、充填パイプに沿って、すなわち、例えば、固定液が充填パイプに塗布されるときに、少なくとも部分的に固化することができるように、距離Xにわたって押出ギャップを越えて突出する。充填パイプと搬送装置との間の距離を最小にすることができるため、充填パイプが包装材料の押出ノズルを越えて突出する構成が特に好ましい。これは、押し出された材料が下方に垂れ下がらず、ストランドが可能な限り早い時点で分離されるという利点を有する。
【0016】
好ましい実施形態によれば、装置は、充填パイプと押し出された包装材料との間に潤滑剤(例えば、水または固定剤)を供給するための潤滑剤装置を有することができる。このような構成は、包装材が充填パイプ上でなだらかに製造され、充填パイプから取り外され得るため、小袋の製造に特に適していることが示されている。固定剤は、好ましくは、搬送装置の上流で、押し出された包装材の外側に塗布される。
【0017】
好ましい実施形態によれば、充填パイプの出口開口部の幅bは、出口開口部の高さh2よりも大きく、出口開口部は、特に楕円形の断面または角が丸い長方形の断面を有する。これは、製品、特に食品を既に平坦になるように押し出すことができ、したがって充填材料を分割プランジャによってより容易に変位させることができ、包装材をより良好に押圧することができるという利点を有する。別の利点は、押圧中に上側包装材料が下側包装材料と一緒にされたとき、固化プロセス中に接続を弱め、したがって小袋が互いに分離された後に漏れを招く可能性がある皺が形成されないことである。
【0018】
しかしながら、搬送装置に面する充填パイプの端部に、出口開口部の幅が充填パイプの直径h1よりも大きく、高さh2が充填パイプの直径h1よりも小さいパイプセクションを形成することも好適に可能である。これは、上述したように、出口開口部が特に楕円形の断面または角の丸い長方形の断面を有することができ、しかしながら、追加のパイプセクションが既存の充填パイプ上に成形または取り付けられる標準的な共押出装置を使用することができることを意味する。好ましくは、充填パイプおよび成形パイプセクションの断面積は本質的に同じであり、その結果、均一な体積の流れを維持することができる。
【0019】
さらなる実施形態によれば、搬送手段は、上下に配置することができ、下側循環搬送手段は、下側循環搬送手段の上方の搬送手段よりも長く(搬送方向に見たときに長く)することができる。この場合、製造された小袋は、搬送手段上にさらに長く位置して搬送することができ、さらに固化する。あるいは、小袋は、さらなる下側搬送手段に移送することができる。両方の実施形態において、小袋は、例えば、分離することもできる。
【0020】
固定剤を塗布するための装置は、好ましくは、循環搬送手段の上流、すなわち、搬送方向に沿って見たときに、包装材料の押出ノズルと搬送装置との間に配置される。固定手段は、プランジャが押圧中に包装材料を破壊しないように、包装材を既に十分に強固にする。しかしながら、包装材料は、依然として完全には架橋またはゲル化されていないため、押圧中に上側包装材料と下側包装材料との間の完全な材料結合が保証され得る。
【0021】
好ましい実施形態によれば、装置は、分割点の領域において連続する小袋を互いに分離する分離装置を有する。そのような分離装置は、例えば、搬送装置内または搬送装置の下流に配置することができるか、または好ましくは、分離装置は、分割プランジャに一体化することもできる。この場合、鋭いブレードを分割プランジャに恒久的に一体化することができる。あるいは、可動の鋭いブレードを分割プランジャの中心に一体化することができ、これは、例えば、部分を切断するためのゲートによって移動される。
【0022】
分離装置はまた、分割点が完全には切断されず、例えば穿孔装置を介して穿孔されるのみであるように構成することができる。
【0023】
対向する分割プランジャ間の距離、特に対向する搬送手段間の距離は、好ましくは調整可能であり、その結果、分割プランジャ間の距離はまた、それに応じて変化する。これは、製造される製品に距離および接触圧力を正確に適合させることができることを意味する。これは、高感度の包装材料のために、および適切な分割点を確保するために好ましい。
【0024】
好適には、共押出装置の充填パイプは、搬送装置と空間的に重なり、すなわち、搬送方向に沿って見たときに、充填パイプの端部と共押出装置に面する搬送装置の端部との間には距離がない。これにより、確実に近接するため、押し出されたストランドが垂れ下がって裂けることがなく、包装材料がまだ完全には硬化しない。
【0025】
好ましくは、充填パイプの出口開口部は、搬送手段間の偏向領域、特に搬送ベルトの前方偏向点Pの少なくとも1つが位置する、搬送方向に沿って見て、搬送方向Tに垂直な平面の背後の領域に配置され、充填パイプは、プランジャが充填パイプを通り過ぎることができるように搬送方向に突出することができる。偏向点は、搬送手段がその移動方向を変化させる、搬送手段の最前点である。
【0026】
好ましい実施形態によれば、対向する循環搬送手段間の距離は、搬送方向に見て後端において、最初よりも小さい。これは、搬送手段を使用した搬送中に、分割点がさらに強く押圧され得ることを意味する。
【0027】
液状またはペースト状の充填材料、特に食品が充填された小袋を製造するための本発明による方法によれば、充填材料、特に食品が充填された硬化性包装材料のストランドが、共押出装置を介して押し出される。ストランドは、循環分割プランジャ間を案内され、循環分割プランジャは、互いに向かって移動し、ストランドに係合し、分割点で包装材料から充填材料、特に食品を剥ぎ取り、分割点でまだ完全には硬化していない包装材料を押圧して小袋にする。硬化性包装材料は、ゲル、特に生分解性ゲル、好ましくはアルギネートゲル、ペクチンゲルまたはコラーゲンゲルであり得る。
【0028】
本発明による方法を用いて、皺のない、滑らかで、したがって密な分割点を有する小袋を、液体も包装され得るように改善された様式で製造することができる。
【0029】
好ましい実施形態によれば、各々にいくつかの離間した分割プランジャが配置された対向する循環搬送手段、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置が、分離された小袋を搬送方向Tに搬送し、分割点は分割プランジャによってさらに押圧される。
【0030】
製造され、分離された小袋は、長方形、場合によっては正方形の平坦な形状を有し、すなわち、小袋の高さは、幅よりも小さく、好ましくは、高さと幅との比は、1:1.5~1:20の範囲内である。小袋の前後を境界付ける分割点は平坦であり、袋の全幅にわたって延在する。
【0031】
包装材料は、食品片、例えばピーマン片またはスパイスを含むことができる。これは、特に魅力的な外観および特別な味、例えばピーマン片でコーティングされたクリームチーズをもたらす。
【0032】
好適には、充填パイプの出口開口部から、搬送方向Tに垂直であり、搬送手段がその周りを循環する前方軸線の少なくとも1つがある平面E1までの距離は、約5~30mmである。
【0033】
本発明は、以下の図を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】
図1の斜視図に示す実施形態の概略断面図を示す。
【
図3】本発明による3つの異なる充填パイプ上の充填パイプ出口の側面図および上面図を概略的に示す。
【
図4】チェーンに製造された小袋および別個の小袋を概略的に示す。
【
図5a】本発明の一実施形態による搬送手段の概略図を示す。
【
図7】延長された下側搬送手段および一体化された分離ユニットを有する別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、液状またはペースト状の充填材料または食品が充填された小袋2を製造するための装置1の概略的な実施形態を示す。以下の実施形態は、充填される食品を参照してより詳細に説明されるが、他の充填材料、すなわち非食品にも等しく適している。
【0036】
装置は、食品14が充填された包装材料15のストランドを共押出しするための共押出装置3を有する。液状の食品は、例えば、ケチャップ、マスタード、ジャムまたはハチミツであり得る。シャンプー、クリーム、液体洗剤などの非食品も液状の充填材料と考えることができる。しかしながら、より高い粘度を有する充填材料または食品も、本発明による装置で密に包装することができ、ここでも、製品が乾燥しないように液密包装が好ましい。
【0037】
アルギネートゲル、あるいはペクチンゲルまたはコラーゲンゲルは、硬化性包装材料として特に適している。このような材料は、生分解性であり、食用でもあり、プラスチック廃棄物の量を低減することができるので、特に好ましい。そのような材料は、例えばペーストとして、または水と混合される粉末として市販されている。
【0038】
図6は、そのような共押出装置3の可能な実施形態を示す。共押出装置3は、食品14を送り出すための充填パイプ9と、包装材料15を送り出すための好ましくは環状の押出ギャップ11を有する、充填パイプ9に関連付けられた押出ノズル13とを有する。ここには示されていないが、包装材料15を食品14の外面に直接送り出す共押出装置がある。しかしながら、これは、液状または低粘度の材料では困難である。したがって、
図6に示すように、包装材料15が押出ギャップ11を通って充填パイプ9上に押し出され、したがって充填パイプ9に沿って固化することができ、次いで押し出された食品14と共に充填パイプ9から引き出され得るように、セクションXにわたって押出ギャップ11を越えて突出する充填パイプが使用される。押し出された包装材料15が充填パイプ9上で既に固化し始めることを確実にするために、固定剤を塗布するための装置16を充填パイプのセクションXの領域に配置することができる。塩溶液、特に、例えば10%の塩化カルシウム溶液が固定剤として適している。
【0039】
追加的または代替的に、装置は、充填パイプ9と送り出された包装材料15との間に潤滑剤を供給するための潤滑剤装置19を有することができる。このようにして、充填パイプと送り出された包装材料との間の滑り値を最小にすることができる。例えば、水を潤滑剤として添加することができる。潤滑剤装置は、例えば、潤滑剤の供給装置19aを備える。供給部19aは、ここでは充填パイプ9内のチャネルとして形成されている。例えば、チャネルは、充填パイプの壁内を環状に通っている。押出ギャップ11の領域では、さらなる環状ギャップが充填パイプ9の外面の周りに配置されている。この目的のために、充填パイプ9は、さらなる環状ギャップ19bの前方の領域の充填パイプよりも、さらなる環状ギャップ19bの後方の領域の直径が小さい。送り出された包装材料と充填パイプ9の表面との間の潤滑剤の内部注入は、環状ギャップ19bを介して行うことができる。これにより、送り出された包装材料が充填パイプ上を容易に摺動することが可能になる。
【0040】
充填パイプ9が押出ギャップ11を越えて突出しているという事実に起因して、充填パイプ9は、その出口開口部12を、搬送方向Tの下流に配置された搬送装置4に特に近付けて、配置することができる。この場合、搬送装置は、対向する循環搬送手段5a、5b、ここでは例えば搬送ベルトを有し、搬送手段5a、5bの各々に離間した分割プランジャ6a、6bが配置される。この実施形態に関係なく、例えば1~約100個の分割プランジャを循環搬送手段上に配置することができる。
【0041】
この実施形態では、充填パイプ9の出口開口部12は、充填パイプの出口開口部12が、搬送手段間の偏向領域、すなわちこの場合は搬送ベルトの前方偏向点Pの少なくとも1つが位置し、搬送方向Tに垂直に、すなわちここでは画像平面に垂直に延びる平面E2の背後の領域に配置されるように、搬送方向Tに突出している。しかしながら、充填パイプ9は、分割プランジャ6a、6bとの衝突がない偏向領域までのみ延在する。出口開口部12から、搬送方向Tに垂直であり、搬送手段5a、5bがその周りを循環する前方軸線A1a、A1bの少なくとも1つがある平面E1までの距離は、約5~30mmである。
【0042】
分割プランジャ6a、6bがそれぞれの搬送手段5a、5b上を循環するとき、分割プランジャ6a、6bはそれぞれ偏向点Pを通過し、平面E1と平面E2との間の偏向領域ではまだ互いに平行に整列されていない。分割プランジャが互いに平行に整列されていないという事実に起因して、分割プランジャは、偏向領域内で互いに向かって移動されるときに包装材から内部物質を剥ぎ取り、その結果、分割プランジャ6a、6bが互いに平行に整列されて包装材料15を押圧するときに、分割点8において内部物質が存在せず、純粋な包装材のみが存在する。したがって、分割点8をクリーンな状態で押圧し、(均一に)結合することができる。硬化性包装材料の場合、包装材料は分割点でまだ完全には硬化されていない、すなわちまだ完全には架橋されていないので、包装材の上部および底部の硬化性包装材料は分割点で結合することができる。押圧中、分割プランジャ6a、6bは、例えば0.1~0.5mmの範囲内の距離sを有する。この距離は、例えば、充填パイプに面する一端の搬送手段間の距離が反対側の後端よりも大きい、または用途に応じてそれと等しいかもしくはそれよりも小さいという点で、搬送方向Tにおいて依然として変化し得る。例えば、前方および中央領域の距離は0.1~0.5mmの範囲内、後方領域の距離は0.1~1mmの範囲内とすることができる。分割プランジャ間の距離は、特に搬送手段5a、5b間の距離を設定することによって、搬送手段の両側で互いに独立して設定することができる。
【0043】
押圧された小袋2を搬送送方向Tに搬送する間、分割点8は分割プランジャ6a、6bによってさらに押圧され、その結果、分割点8は搬送中に硬化し続け、安定した状態で搬送装置を出ることができる。
【0044】
図1に示すような搬送装置の端部において、小袋2は、
図4に示すように、個々の小袋が分割点8を介して依然として接続されている小袋チェーンとして、または分離されて、装置を出る。小袋2は、搬送装置4内の分離装置17(
図7)によって、またはその後に分割点8で個々の小袋に分離することができる。このため、液体または食品が皺またはチャネルを介して小袋2から逃げることができないように、分割点8で、小袋が平坦で皺なく押圧されることが重要である。分離装置17がプランジャ6a、6bに既に一体化されていることも可能である。次いで、平坦な押圧面は、分離装置またはナイフによって2つの平坦な押圧面に分割される。
【0045】
しかしながら、既に説明したように、分割点の領域において、図示されていない穿孔装置によって接続された小袋を穿孔することも可能である。次いで、小袋は、チェーンとして装置を出て、消費者によって簡単に切り離され得る。
【0046】
図3は、本発明による異なる充填パイプの側面図および断面図を示す。
図3の上側領域には、充填パイプの直径がh1の充填パイプ9が示されている。
図3の中央には、本発明の好ましい実施形態による充填パイプ9が示されている。上記の図とは対照的に、出口開口部12は円形の断面を有さず、出口開口部12の幅bよりも小さい高さh2を有する断面を有する。したがって、出口開口部12は、特に楕円形または角が丸い長方形の断面を有する。出口開口部12の幅bは、好ましくは、搬送手段、この場合は搬送ベルト5aおよび5bに平行な方向に、すなわち分割プランジャ6a、6bの長さlに沿って(
図5a、
図5bを参照)延在する。これは、食品を既に平坦に押し出すことができ、したがって食品を分割プランジャ6a、6bによってより容易に変位させることができ、包装材をより良好に皺なく押圧することができるという利点を有する。皺は、固化プロセス中に接続を弱め、小袋の分離プロセス後の漏れをも招く可能性があるので、回避されるべきである。対応する出口開口部12を実現するために、例えば、中空円筒状の充填パイプ9に、出口開口部12の幅が充填パイプの直径よりも大きく、高さが充填パイプの直径h1よりも小さいパイプセクション90を形成することができる。このようにして、中空円筒状パイプを有する従来の押出ヘッドを使用することができる。
【0047】
以下の
図3に示すように、充填パイプ全体が既に対応する楕円形または正方形(丸い縁部を有する)の断面を有することも可能である。
【0048】
図5aおよび
図5bは、分割プランジャ6a、6bをより詳細に示す。分割プランジャ6aおよび6bは、互いからの距離kを有し、これは、小袋2における分割点8間の距離kに本質的に対応する(
図4を参照)。分割プランジャ6a、6bはそれぞれ、平坦で好ましくは滑らかな押圧面を有する。これはまた、皺のない分割点に寄与し、その結果、液状または低粘度の食品が充填された小袋の分割点8において、液体は逃げることができない。
【0049】
好適には、分割プランジャ6a、6bの押圧面は、搬送装置の搬送方向Tに垂直に延在し、排出されたストランドの幅よりも大きい、すなわち押出ノズル13の直径e(例えば、
図6を参照)よりも大きい長さlを有する。これは、本質的に長方形の小袋が製造されることを保証し、同時に、分割プランジャが分割点で小袋の全幅rにわたって食品を剥ぎ取り、小袋を確実に封止することを保証する。
【0050】
したがって、包装材料15は、分割点8においてその表面全体にわたって押圧され得る。分割プランジャ6a、6bは、ここでは
図5bに概略的にのみ示されている接続装置20を介して、搬送手段5a、5b、例えば搬送ベルトに取り付けることができる。例えば、プラスチックまたはステンレス鋼は、表面が包装材料にくっつかないため、分割プランジャの材料として特に適している。
【0051】
図7は、本発明の好ましい実施形態を示す。ここに示す実施形態は、前述の実施形態と本質的に同じであるが、下側搬送ベルト5bが上側搬送ベルト5aよりも長いか、または、さらなる下側搬送手段5bが搬送方向において第1の下側搬送手段5bに隣接し、その結果、製造された小袋2または小袋製品ストランドは、さらなる下側ベルトに移送され得る。この実施形態では、分離プロセスを個々の部分で行うことが可能であり、搬送は下側ベルト上でのみ行われる。例えば、回転分離装置17をこの目的のために使用することができる。下側搬送手段が、分離された製品を製造から分離プロセスに搬送するという事実は、移送の問題がないことも意味する。分離プロセスは、ほとんど機械的負荷を伴わずに分割点8の略中央で行われる。搬送要素、特に分割要素は、分離中に分離要素の支持体としても機能することができる。
【0052】
本発明による方法は、
図1~
図7を参照して以下により詳細に説明される。
【0053】
充填された小袋2を製造するための本発明による方法では、食品14が充填された硬化性包装材料のストランド10が、最初に、共押出装置3を介して押し出される。
【0054】
分離の前に、包装材料15は、固定液を塗布するための装置16を介して固定液で処理される。例えば、固定液は、装置16を介して、例えばリングの形態の、充填パイプ9に適用された包装材料9上に噴霧され、
図1に示すトレイに収集され得る。特に、塩化カルシウム溶液が固定液として使用される。上述のように、充填パイプと包装材料15との間に、潤滑剤も導入することができる。
【0055】
このようにして製造されたストランド10は、充填パイプ9の端部で送り出される。充填パイプ9の端部は、搬送方向Tに可能な限り、すなわち、好ましくは搬送手段5a、5bの偏向領域内に突出する。特に
図2から分かるように、分割プランジャ6a、6bは、ストランド10に係合するときに互いに角度αであり、次いで、最終的に互いに平行に整列するまで移動し続ける。したがって、分割要素6a、6bが再び本質的に互いに平行に整列するまで偏向領域内で互いに向かって移動するとき、分割要素6a、6bは、食品14、すなわち内部物質を剥ぎ取り、その結果、分割点8には食品はなく、純粋な包装材のみが存在する。この時点で、包装材料15はまだ完全には硬化されておらず、架橋されていないので、分割点8を整然と押圧して接着することができ、上面と底面とは材料係止式に結合する。このようにして製造された小袋2は、分割プランジャ6a、6bを介して搬送方向Tにさらに搬送され、搬送中にさらに押圧される。搬送装置4における搬送中、分割点8は、さらに固化させて安定化することができる。
【0056】
プロセスが繰り返され、後続の分割プランジャ6a、6bは、上述と同じ方法で製造されたストランドに係合する。分割プランジャ間の距離は、本質的に小袋2における分割点間の距離に対応する。
【0057】
次いで、個々の小袋は、分割点8において、例えば、延長された下側搬送手段5b、または第1の下側搬送手段5bに接合する第2の下側搬送手段上で分離装置を介して細分することができるか、または小袋は、特定のチェーン長さを有するチェーンとして製造することができ、すなわち、分離されないかもしくは特定の数の小袋の後に分離される。
【0058】
図4から分かるように、製造された小袋2は、長方形の平坦な形状を有し、すなわち、高さuは幅rよりも小さい。小袋2は、幅がmの分割点8a、8bによって前後が境界付けられ、幅mは、好ましくは、分割プランジャによってもたらされる分割点8全体の寸法の半分を有し、分割プランジャ6a、6bの幅の半分に本質的に対応する。押圧された端部領域、すなわち、小袋の前後を境界付ける分割位置8a、8bは、平坦であり、袋の全幅にわたって延在する。分割位置はまた、長方形の形状を有する。
【0059】
Kは、例えば15~200mmの範囲内であり、rは、好ましくは15~70mmの範囲内であり、uは、好ましくは4~40mmの範囲内である。これらの寸法は例示にすぎず、本発明はこれらに限定されない。
【0060】
別の可能な実施形態によれば、包装材料、例えばアルギネートペーストは、粉砕された食品、例えばピーマン片を含む。ピーマン片は、例えば、体積が1~4mm3である。したがって、包装材料の押出ギャップは、それに応じて適合されなければならず、食品片の最大寸法よりも大きいギャップ幅を有しなければならず、例えば、食品片は2mm未満の最大寸法を有し、ギャップ幅はしたがって例えば2mmである。まだ押し出されていない包装材料、例えばペースト中の粉砕された食品片の割合は、10~50体積%の範囲内である。
【0061】
さらなる実施形態によれば、装置は、充填パイプをその長手方向軸の周りでねじることができる追加のねじり装置を有する。例えば、充填パイプを、0.5~3回転、好ましくは1.5回転を超えて回転させて、2つの隣接する包装間に液密区画を形成する。次いで、交互に、平坦な分割点と、ねじれた、すなわち丸みを帯びた分割点とを製造して、例えば袋状製品を形成することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための装置(1)であって、
前記充填材料(14)が充填された包装材料(15)からストランド(10)を共押出しするための共押出装置(3)と、
対向する循環分割プランジャ(6a、6b)であって、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)間で前記ストランド(10)を搬送することができ、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)が前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)の軌道経路(U)上で互いに向かって移動するときに分割点(8)で前記包装材料(15)を剥ぎ取り、前記分割点(8)で平坦になるように前記包装材料(15)を押圧して小袋(2)を形成することができる、対向する循環分割プランジャ(6a、6b)と
により特徴付けられている、装置(1)。
【請求項2】
前記装置(1)が、
対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)を備え、前記対向する循環搬送手段(5a、5b)の各々に、離間した前記分割プランジャ(6a、6b)が配置され、
特に、前記搬送方向(T)における前記小袋(2)の搬送中に、前記分割プランジャ(6a、6b)が前記分割点(8)で前記包装材料をさらに押圧することができるように、配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記分割プランジャ(6a、6b)がそれぞれ、前記分割点(8)上の前記包装材料(15)を表面全体にわたって滑らかで皺なく押圧するために、平坦な押圧面(7)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記分割プランジャ(6a、6b)の前記押圧面(7)が、前記搬送装置(4)の前記搬送方向(T)に対して垂直に延在し、排出された前記ストランド(10)の幅(b)以上の長さ(l)を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記共押出装置(3)が、前記充填材料(14)を送り出すための充填パイプ(9)と、前記充填パイプ(9)に関連付けられ、前記包装材料(15)を送り出すための環状押出ギャップ(11)を有する押出ノズル(13)とを備え、好ましくは、
前記充填パイプ(9)が、前記包装材料(15)が前記押出ギャップ(11)を通って前記充填パイプ(9)上に押し出され、前記充填パイプ(9)に沿って固化することができるように、前記押出ギャップ(11)を越えて距離Xにわたって突出し、特に、
前記装置が、前記充填パイプ(9)と排出された前記包装材料(15)との間に潤滑剤を供給するための潤滑剤装置(19)を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記充填パイプ(9)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記出口開口部(12)の高さ(h2)よりも大きく、前記出口開口部(12)が、特に楕円形の断面または角が丸い長方形の断面を含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
パイプセクション(90)が、前記搬送装置(4)に面する前記充填パイプ(9)の端部(E)に形成され、前記パイプセクション(90)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記充填パイプの直径(h1)よりも大きく、前記出口開口部(12)の高さ(h)が、前記充填パイプ(9)の直径(d)よりも小さく、好ましくは、前記充填パイプ(9)および形成された前記パイプセクション(90)の断面積が本質的に同じであることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記搬送手段が上下に配置され、下側循環搬送手段(5b)が前記下側循環搬送手段(5b)の上方の搬送手段(5a)よりも長いか、またはさらなる搬送手段が前記下側搬送手段に隣接することを特徴とする、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記搬送方向(T)に沿って見たときに、前記循環搬送手段(5a、5b)の上流に固定手段を適用するための装置(16)を有することを特徴とする、請求項3に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)が、前記分割点(8)の領域において連続する小袋(2)を互いに分離する分離装置(17)を備え、好ましくは、前記分離装置(17)が、前記分割プランジャ(6a、6b)に一体化されるか、または前記分割点において前記小袋(2)を穿孔する穿孔装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記対向する分割プランジャ(6a、6b)間の距離(s)、特に前記対向する搬送手段(5a、5b)間の距離が調整可能であることを特徴とする、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記充填パイプ(9)と前記搬送手段(4)とが空間的に重ね合わされ、特に前記充填パイプの前記出口開口部(12)が、前記搬送手段(5a、5b)間の偏向領域、特に前記搬送手段の前方反転点(P)の少なくとも1つが位置する、前記搬送方向に沿って見て前記搬送方向(T)に垂直な平面の背後の領域に配置される、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記搬送方向(T)に見た後端(E)における前記対向する循環搬送手段(6a、6b)間の距離が、最初よりも小さい、等しい、または大きい、特に調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項14】
特に請求項1~13または18の少なくとも一項に記載の装置(1)を用いて、液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための方法であって、
充填材料(14)が充填された硬化性包装材料(15)のストランド(10)が、共押出装置(3)を介して押し出され、前記ストランド(10)が循環分割プランジャ(6a、6b)間を案内され、
前記循環分割プランジャ(6a、6b)が、互いに向かって移動し、分割点(8)で、前記ストランド(10)に係合し、プロセス中に前記充填材料(14)を前記包装材料(15)から剥ぎ取り、まだ完全には硬化していない前記包装材料(15)を前記分割点(8)で平坦になるように押圧して小袋(2)を形成する
ことを特徴とする、方法。
【請求項15】
各々に複数の離間した分割プランジャ(6a、6b)が配置された対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)が、分離された前記小袋(2)を前記搬送方向(T)に搬送し、前記分割点(8)が前記分割プランジャ(6a、6b)によってさらに押圧されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記小袋(2)が前記小袋(2)の分割点で分離され、前記分離された小袋(2)が長方形の平坦な形状を有し、好ましくは前記小袋の高さ(u)が幅(r)よりも小さく、特に前記高さ(u)と前記幅(r)との比が好ましくは1:1.5~1:20の範囲内にあり、好ましくは前記小袋(2)の前後を封止する前記分割点(8a、b)が前記小袋(2)の前記幅(r)全体にわたって延在することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記包装材料が食品片を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記充填パイプ(9)の前記出口開口部(12)から、前記搬送方向Tに垂直であり、前記搬送手段5a、5bがその周りを循環する前方軸線(A1a、A1b)の少なくとも1つがある平面E1までの距離が、約5~30mmであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
さらなる実施形態によれば、装置は、充填パイプをその長手方向軸の周りでねじることができる追加のねじり装置を有する。例えば、充填パイプを、0.5~3回転、好ましくは1.5回転を超えて回転させて、2つの隣接する包装間に液密区画を形成する。次いで、交互に、平坦な分割点と、ねじれた、すなわち丸みを帯びた分割点とを製造して、例えば袋状製品を形成することができる。
本開示は、以下の実施形態を含む。
(実施形態1)
液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための装置(1)であって、
前記充填材料(14)が充填された包装材料(15)からストランド(10)を共押出しするための共押出装置(3)と、
対向する循環分割プランジャ(6a、6b)であって、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)間で前記ストランド(10)を搬送することができ、前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)が前記対向する循環分割プランジャ(6a、6b)の軌道経路(U)上で互いに向かって移動するときに分割点(8)で前記包装材料(15)を剥ぎ取り、前記分割点(8)で平坦になるように前記包装材料(15)を押圧して小袋(2)を形成することができる、対向する循環分割プランジャ(6a、6b)と
により特徴付けられている、装置(1)。
(実施形態2)
前記装置(1)が、
対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)を備え、前記対向する循環搬送手段(5a、5b)の各々に、離間した前記分割プランジャ(6a、6b)が配置され、
特に、前記搬送方向(T)における前記小袋(2)の搬送中に、前記分割プランジャ(6a、6b)が前記分割点(8)で前記包装材料をさらに押圧することができるように、配置される
ことを特徴とする、実施形態1に記載の装置(1)。
(実施形態3)
前記分割プランジャ(6a、6b)がそれぞれ、前記分割点(8)上の前記包装材料(15)を表面全体にわたって滑らかで皺なく押圧するために、平坦な押圧面(7)を備えることを特徴とする、実施形態1または2に記載の装置(1)。
(実施形態4)
前記分割プランジャ(6a、6b)の前記押圧面(7)が、前記搬送装置(4)の前記搬送方向(T)に対して垂直に延在し、排出された前記ストランド(10)の幅(b)以上の長さ(l)を有することを特徴とする、実施形態1~3の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態5)
前記共押出装置(3)が、前記充填材料(14)を送り出すための充填パイプ(9)と、前記充填パイプ(9)に関連付けられ、前記包装材料(15)を送り出すための環状押出ギャップ(11)を有する押出ノズル(13)とを備え、好ましくは、
前記充填パイプ(9)が、前記包装材料(15)が前記押出ギャップ(11)を通って前記充填パイプ(9)上に押し出され、前記充填パイプ(9)に沿って固化することができるように、前記押出ギャップ(11)を越えて距離Xにわたって突出し、特に、
前記装置が、前記充填パイプ(9)と排出された前記包装材料(15)との間に潤滑剤を供給するための潤滑剤装置(19)を備える
ことを特徴とする、実施形態1~4の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態6)
前記充填パイプ(9)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記出口開口部(12)の高さ(h2)よりも大きく、前記出口開口部(12)が、特に楕円形の断面または角が丸い長方形の断面を含むことを特徴とする、少なくとも実施形態5に記載の装置(1)。
(実施形態7)
パイプセクション(90)が、前記搬送装置(4)に面する前記充填パイプ(9)の端部(E)に形成され、前記パイプセクション(90)の出口開口部(12)の幅(b)が、前記充填パイプの直径(h1)よりも大きく、前記出口開口部(12)の高さ(h)が、前記充填パイプ(9)の直径(d)よりも小さく、好ましくは、前記充填パイプ(9)および形成された前記パイプセクション(90)の断面積が本質的に同じであることを特徴とする、少なくとも実施形態5または6に記載の装置(1)。
(実施形態8)
前記搬送手段が上下に配置され、下側循環搬送手段(5b)が前記下側循環搬送手段(5b)の上方の搬送手段(5a)よりも長いか、またはさらなる搬送手段が前記下側搬送手段に隣接することを特徴とする、実施形態2~7の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態9)
前記搬送方向(T)に沿って見たときに、前記循環搬送手段(5a、5b)の上流に固定手段を適用するための装置(16)を有することを特徴とする、実施形態2~8の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態10)
前記装置(1)が、前記分割点(8)の領域において連続する小袋(2)を互いに分離する分離装置(17)を備え、好ましくは、前記分離装置(17)が、前記分割プランジャ(6a、6b)に一体化されるか、または前記分割点において前記小袋(2)を穿孔する穿孔装置を備えることを特徴とする実施形態1~9の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態11)
前記対向する分割プランジャ(6a、6b)間の距離(s)、特に前記対向する搬送手段(5a、5b)間の距離が調整可能であることを特徴とする、少なくとも実施形態2に記載の装置(1)。
(実施形態12)
前記充填パイプ(9)と前記搬送手段(4)とが空間的に重ね合わされ、特に前記充填パイプの前記出口開口部(12)が、前記搬送手段(5a、5b)間の偏向領域、特に前記搬送手段の前方反転点(P)の少なくとも1つが位置する、前記搬送方向に沿って見て前記搬送方向(T)に垂直な平面の背後の領域に配置される、少なくとも実施形態2に記載の装置(1)。
(実施形態13)
前記搬送方向(T)に見た後端(E)における前記対向する循環搬送手段(6a、6b)間の距離が、最初よりも小さい、等しい、または大きい、特に調整可能であることを特徴とする、実施形態1~12の少なくとも一つに記載の装置(1)。
(実施形態14)
特に実施形態1~13または18の少なくとも一つに記載の装置(1)を用いて、液状またはペースト状の充填材料、特に液状またはペースト状の食品(14)が充填された小袋(2)を製造するための方法であって、
充填材料(14)が充填された硬化性包装材料(15)のストランド(10)が、共押出装置(3)を介して押し出され、前記ストランド(10)が循環分割プランジャ(6a、6b)間を案内され、
前記循環分割プランジャ(6a、6b)が、互いに向かって移動し、分割点(8)で、前記ストランド(10)に係合し、プロセス中に前記充填材料(14)を前記包装材料(15)から剥ぎ取り、まだ完全には硬化していない前記包装材料(15)を前記分割点(8)で平坦になるように押圧して小袋(2)を形成する
ことを特徴とする、方法。
(実施形態15)
各々に複数の離間した分割プランジャ(6a、6b)が配置された対向する循環搬送手段(5a、5b)、特に搬送ベルトまたは搬送チェーンを有する搬送装置(4)が、分離された前記小袋(2)を前記搬送方向(T)に搬送し、前記分割点(8)が前記分割プランジャ(6a、6b)によってさらに押圧されることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
(実施形態16)
前記小袋(2)が前記小袋(2)の分割点で分離され、前記分離された小袋(2)が長方形の平坦な形状を有し、好ましくは前記小袋の高さ(u)が幅(r)よりも小さく、特に前記高さ(u)と前記幅(r)との比が好ましくは1:1.5~1:20の範囲内にあり、好ましくは前記小袋(2)の前後を封止する前記分割点(8a、b)が前記小袋(2)の前記幅(r)全体にわたって延在することを特徴とする、実施形態14または15に記載の方法。
(実施形態17)
前記包装材料が食品片を含むことを特徴とする、実施形態14~16の少なくとも一つに記載の方法。
(実施形態18)
前記充填パイプ(9)の前記出口開口部(12)から、前記搬送方向Tに垂直であり、前記搬送手段5a、5bがその周りを循環する前方軸線(A1a、A1b)の少なくとも1つがある平面E1までの距離が、約5~30mmであることを特徴とする、実施形態1~13の少なくとも一つに記載の装置。
【外国語明細書】