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特開2024-177119複数の異なるゴルフボールを提供する仮想ゴルフ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177119
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】複数の異なるゴルフボールを提供する仮想ゴルフ装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A63B69/36 522V
A63B69/36 522A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091917
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2023-0074437
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】323014764
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ジェフン
(57)【要約】
【課題】本発明は複数の異なるゴルフボールを提供する仮想ゴルフ装置を提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、ユーザが打撃する実際のゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段と、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが前記実際のゴルフボールを打撃すると、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、前記ゴルフボール提供手段は前記実際のゴルフボールとして複数の異なるゴルフボールを提供することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが打撃する実際のゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段と、
仮想ゴルフコースを表示する表示部と、
ユーザが前記実際のゴルフボールを打撃すると、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを
含み、
前記ゴルフボール提供手段は前記実際のゴルフボールとして複数の異なるゴルフボールを提供することができる
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記複数の異なるゴルフボールは第1および第2ゴルフボールを含み、
前記ゴルフボール提供手段は、前記第1ゴルフボールを提供する第1ゴルフボール提供手段と前記第2ゴルフボールを提供する第2ゴルフボール提供手段とを含む、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
前記複数の異なるゴルフボールは第1および第2ゴルフボールを含み、
前記ゴルフボール提供手段は、前記第1ゴルフボールを貯蔵する第1ハウジングと前記第2ゴルフボールを貯蔵する第2ハウジングとを含む、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記ゴルフボール提供手段は、前記複数の異なるゴルフボールの中でユーザが選択したゴルフボールを提供する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
前記異なる複数のゴルフボールは、色、重量、大きさ、表面の形態および製造会社の少なくともいずれか一つにおいて差異がある、請求項4に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
前記仮想ゴルフコースは異なる複数の領域を含み、
ユーザの打撃前に前記仮想ゴルフボールが前記複数の領域の中でどの領域に位置するかにより、前記複数の異なるゴルフボールの中でユーザに提供されるゴルフボールが決定される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
ユーザが前記実際のゴルフボールを打撃すると、前記実際のゴルフボールはユーザの打撃による物理的な状態値を有し、前記異なる複数のゴルフボールはユーザの同一打撃に対して異なる物理的な状態値を有する、請求項6に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項8】
ユーザが前記実際のゴルフボールを置いて打撃する打撃マットをさらに含み、
前記打撃マットは実際のゴルフ場のフェアウェイ領域に対応する単一領域からなる、請求項6に記載の仮想ゴルフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想ゴルフ装置に関するものであり、より詳細には、複数の異なるゴルフボールを提供することができる仮想ゴルフ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながらゴルフを楽しむ人口が増加している。ゴルフは屋外ゴルフ場でのゴルフだけでなく、仮想ゴルフ装置などを利用してゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフの人気も高まっている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているようなリアリティを体感することができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで屋外のフィールドでプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンゴルフを利用する人が増えるほど、ユーザの便宜のための設備がますます開発されて使用されている。しかし、スクリーンゴルフのユーザのニーズを満たすにはまだ不足な点がある。例えば、ユーザはフィールドでプレイする際に自分が主に使用するゴルフボールを直接準備して使用するが、スクリーンゴルフではスクリーンゴルフ場で提供するゴルフボールのみを使用しなければならない。しかし、スクリーンゴルフをプレイしながら自分がフィールドで使用したゴルフボールを使用したいユーザがあり得る。従来技術ではこのようなユーザのニーズを満たすことができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、様々な種類のゴルフボールを提供することができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、ユーザが打撃する実際のゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段と、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが前記実際のゴルフボールを打撃すると、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、前記ゴルフボール提供手段は前記実際のゴルフボールとして複数の異なるゴルフボールを提供することができる。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置において、前記複数の異なるゴルフボールは第1および第2ゴルフボールを含み、前記ゴルフボール提供手段は、前記第1ゴルフボールを提供する第1ゴルフボール提供手段と前記第2ゴルフボールを提供する第2ゴルフボール提供手段とを含む。
上記仮想ゴルフ装置において、前記複数の異なるゴルフボールは第1および第2ゴルフボールを含み、前記ゴルフボール提供手段は、前記第1ゴルフボールを貯蔵する第1ハウジングと前記第2ゴルフボールを貯蔵する第2ハウジングとを含む。
【0007】
上記仮想ゴルフ装置において、前記ゴルフボール提供手段は、前記複数の異なるゴルフボールの中でユーザが選択したゴルフボールを提供する。
上記仮想ゴルフ装置において、前記異なる複数のゴルフボールは、色、重量、大きさ、表面の形態および製造会社の少なくともいずれか一つにおいて差異がある。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記仮想ゴルフコースは異なる複数の領域を含み、ユーザの打撃前に前記仮想ゴルフボールが前記複数の領域の中でどの領域に位置するかにより、前記複数の異なるゴルフボールの中でユーザに提供されるゴルフボールが決定される。
上記仮想ゴルフ装置において、ユーザが前記実際のゴルフボールを打撃すると、前記実際のゴルフボールはユーザの打撃による物理的な状態値を有し、前記異なる複数のゴルフボールはユーザの同一打撃に対して異なる物理的な状態値を有する。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置はユーザが前記実際のゴルフボールを置いて打撃する打撃マットをさらに含み、前記打撃マットは実際のゴルフ場のフェアウェイ領域に対応する単一領域からなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の仮想ゴルフ装置によれば、様々な種類のゴルフボールをユーザに提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図2】ゴルフボール提供手段の例示的な構成を示す図である。
図3】ゴルフボール提供手段の例示的な構成を示す図である。
図4図1の仮想ゴルフ装置で提供することができる異なる複数のゴルフボールの例を示す図である。
図5図1の仮想ゴルフ装置で提供することができる異なる複数のゴルフボールの例を示す図である。
図6図1の仮想ゴルフ装置で提供することができる異なる複数のゴルフボールの例を示す図である。
図7】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図8】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図9】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図10】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図11】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図12】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図13】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図14】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図15】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図16】複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
図17】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図18】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0013】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0014】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0015】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)を含む。
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。打撃プレート(10)は別途具備されているプレート状物体から構成されたり、又は別途の物体ではなく仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。打撃プレート(10)には打撃用ゴルフボールが置かれる打撃マットが具備される。また、打撃マットの下にはゴルフボール提供手段(1)が設けられており、ゴルフボール提供手段(1)を介して打撃マットにゴルフボールを自動的に提供することができる。
【0016】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)はゴルフボール提供手段(1)を制御して、ユーザが打撃する時点に合わせて打撃用ゴルフボールを提供するようにすることができる。具体的には、ユーザが打撃マットに置かれているゴルフボールを打撃した直後に、制御部(20)は打撃が行われたことを感知してゴルフボール提供手段(1)によってネクストの打撃用ゴルフボールが提供されるようにする関連制御動作を行うことができる。また、ユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当ゴルフコースでプレイすることができるように関連動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を具備してユーザが選択した特定ゴルフコースの映像を形成した後、これを表示部(60)に伝達して表示されるように動作する。
【0017】
制御部(20)は算出部(21)と貯蔵部(22)とを備えている(算出部(21)と貯蔵部(22)等は制御部(20)と区分されて独立的に具備されるように構成することも可能である)。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、前記物理的状態でゴルフボールが実際のゴルフ場で移動すると仮定したときの軌跡を算出する算出過程を行う。貯蔵部(22)はメモリやハードディスクなどのような記憶装置を含み、制御部(20)や算出部(21)などの動作に必要な各種プログラムやデータを貯蔵している。
【0018】
感知部(30)はゴルフボールの打撃時にゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して算出過程に必要な情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなど様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。
【0019】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置を利用するためにまずログインが必要な場合にユーザがログインのための自分のIDやパスワードを入力するとき、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度などを選択するときなどに入力部(40)を用いることができる。
【0020】
サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを通じてユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのような表示動作用の機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールがスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。図面に図示されていないが、表示部(60)はスクリーン以外に補助ディスプレイの役割をするキオスクなどのような表示装置をさらに含むことができる。
【0021】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する場合があり得る。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0022】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)では算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を継続する。ユーザのネクスト打撃では上記動作過程を繰り返す。
【0023】
上記のスクリーンゴルフのプレイにおいて、従来技術では1つのゴルフボールのみがユーザに提供されたが、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置では複数の異なるゴルフボールをユーザに提供することができる。以下では、複数のゴルフボールを提供するための構成について図面を参照して説明する。
【0024】
図2及び図3はゴルフボール提供手段の例示的な構成を示す図であり、図4乃至図6図1の仮想ゴルフ装置で提供することができる異なる複数のゴルフボールの例を示す図である。
図2を参照すると、ゴルフボール提供手段(1)はティーユニット(1a)と連結管(1b)とゴルフボールハウジング(1c、1d)とを含む。ティーユニット(1a)には上下に移動可能なティー(Tee)が設けられている。ティーユニット(1a)は打撃マットの下に位置する。上記ティーにゴルフボールを配置した状態でティーユニット(1a)がティーを上側に移動させると、ティーが打撃マットの下方から上方に打撃マットを通過しながらティーアップ状態になり、ユーザにティーの上に置かれたゴルフボールを提供することができる(打撃マットにはティーが通過することができる穴が形成されている)。ユーザはティーショットをする場合にはゴルフボールがティーの上に置かれた状態でそのままゴルフボールを打撃し、ティーショット以外の打撃をする場合にはティーがある部分以外の打撃マットの他の部分にティーの上に置かれているゴルフボールを移動させる後にゴルフボールを打撃することができる。ユーザがゴルフボールを打撃すると、ティーユニット(1a)はティーを下方に移動させ、ティーは打撃マットの上方から下方に打撃マットを通過しながらティーダウン状態になる。その後、ティーアップとティーダウンの状態が繰り返され、ユーザはゴルフボールの打撃を継続することができる。連結管(1b)はティーユニット(1a)とゴルフボールハウジング(1c、1d)とを連結する管であり、連結管(1b)を経由してゴルフボールハウジング(1c、1d)にあるゴルフボールがティーユニット(1a)に供給される。ゴルフボールハウジング(1c、1d)はゴルフボールを有しているが収容空間であり、第1ゴルフボールを有する第1ゴルフボールハウジング(1c)と、第2ゴルフボールを有する第2ゴルフボールハウジング(1d)とを含む。第1および第2ゴルフボールは互いに異なり、状況によりティーユニット(1a)に第1ゴルフボールハウジング(1c)の第1ゴルフボールが供給されたり、または第2ゴルフボールハウジング(1d)の第2ゴルフボールが供給されたりすることができる。図面には図示されていないが、ゴルフボール提供手段(1)には他の構成がさらに設けられる。例えば、ゴルフボール提供手段(1)には、ティーをアップダウンさせる時期や第1及び第2ゴルフボールのうちにどのようなゴルフボールをティーユニット(1a)に供給するかをコントロールするコントロールユニットが設けられる。前記コントロールユニットは制御部(20)から制御命令を受信してこれに合わせて動作することができる。その結果、ユーザにゴルフボールが提供される時点や第1及び第2ゴルフボールのうちにどのようなゴルフボールが提供されるかなどを制御部(20)が制御することができる。
【0025】
図3を参照すると、図2に図示されているものとは他の実施例として、ゴルフボール提供手段(1)は第1ゴルフボール提供手段(2)と第2ゴルフボール提供手段(3)とを含む。第1ゴルフボール提供手段(2)は第1ティーユニット(2a)と第1連結管(2b)と第1ゴルフボールハウジング(2c)とを含み、第2ゴルフボール提供手段(3)は第2ティーユニット(3a)と第2連結管(3b)と第2ゴルフボールハウジング(3c)とを含む。第1及び2ティーユニット(2a、3a)にはそれぞれ上下に移動可能なティー(Tee)が設けられており、上記ティーにゴルフボールを配置した状態で第1及び2ティーユニット(2a、3a)がティーを上側に移動させると、ティーが打撃マットの下方から上方に打撃マットを通過しながらティーアップ状態になり、ユーザにティーの上に置かれたゴルフボールを提供することができる。第1及び第2ティーユニット(2a、3a)を通じてユーザに提供されるゴルフボールは第1及び第2ゴルフボールハウジング(2c、3c)にあり、上記ゴルフボールは第1及び第2連結管(2b、3b)経由して第1及び第2ティーユニット(2a、3a)に供給されることができる。第1ゴルフボール提供手段(2)の第1ゴルフボールハウジング(2c)には第1ゴルフボールがあり、第1ゴルフボール提供手段(2)によってユーザに第1ゴルフボールが提供される。第2ゴルフボールハウジング(3c)には第1ゴルフボールと異なる第2ゴルフボールがあり、第2ゴルフボール提供手段(3)によってユーザに第2ゴルフボールが提供される。図面には図示されていないが、第1及び第2ゴルフボール提供手段(2、3)には他の構成がさらに設けられる。例えば、第1及び第2ゴルフボール提供手段(2、3)には、ティーをアップダウンさせる時期をコントロールするコントロールユニットがそれぞれ設けられる。前記第1及び第2ゴルフボール提供手段(2、3)のコントロールユニットは制御部(20)から制御命令を受信してこれに合わせて動作することができる。その結果、ユーザにゴルフボールが提供される時点や第1及び第2ゴルフボールのうちにどのようなゴルフボールが提供されるかなどを制御部(20)が制御することができる。
【0026】
以上、2つの異なるゴルフボールをユーザに提供することができるゴルフボール提供手段の構成例を見てみたが、複数の異なるゴルフボールを提供する場合、ゴルフボールは必ずしも2つに限定されるものではなく、より多くの異なるゴルフボールが提供されるように構成することも可能である。例えば、図2に図示されているゴルフボール提供手段において、ゴルフボールハウジングがn個(nは3以上の自然数)設けられ、前記n個のハウジングに異なるゴルフボールがあるとすれば、異なるn種類のゴルフボールをユーザに提供することができる。又は、図3に図示されているゴルフボール提供手段が異なる第1乃至第nゴルフボール提供手段(nは3以上の自然数)を備え、各ゴルフボール提供手段が異なるゴルフボールをユーザに提供するとすれば、異なるn種類のゴルフボールをユーザに提供することができる。
【0027】
本実施例による仮想ゴルフ装置は、様々な「異なる」ゴルフボールをユーザに提供することができ、ここで「異なる」ゴルフボールとは一つの意味又は複数の意味で異なるという意味である。
【0028】
図4を参照すると、異なるメーカーで製造されたゴルフボールであるという意味での異なるゴルフボールがあり得る。ゴルフボールは、タイトルリスト、キャロウェイ、テーラーメイド、ブリヂストンなどの複数の製造会社で製造されており、ゴルフボールの打撃感はメーカーにより異なる。ほとんどのゴルファーは自分に適合したメーカーのゴルフボールを選択して通常そのゴルフボールだけを使い続ける。例えば、有名なゴルフ選手であるタイガーウッズが使用するブリヂストンゴルフボールは精巧で鋭いアプローチを可能にする特性を持っていると知られており、正確なアプローチショットを望むゴルファーが多く使用する。
【0029】
実際のフィールドゴルフでは、ゴルファーは自分が望むゴルフボールを直接準備して使用するが、スクリーンゴルフのプレイにおいてユーザはスクリーンゴルフ場で提供されるゴルフボールを使用する。スクリーンゴルフ場では一つのゴルフボールのみが提供され、ユーザは自分が望むゴルフボールでなくても仕方なくスクリーンゴルフ場で提供されるゴルフボールを使用しなければならない。しかし、本実施例のように複数の製造会社で作られた複数のゴルフボールが提供されると、ユーザは複数のゴルフボールの中で自分が望むゴルフボールを選択して使用することができる。この場合、ユーザはプレイを開始する前にプレイオプションを選択するメニューで自分が使用したいゴルフボールを選択することができ、仮想ゴルフ装置の制御部(20)は該当ユーザがゴルフボールを打撃する際に選択されたゴルフボールのみが提供されるようにゴルフボール提供手段(1)を制御することができる。
【0030】
図5を参照すると、表面の形態が異なるゴルフボールであるという意味での異なるゴルフボールがあり得る。ゴルフボールの表面には「ディンプル」と呼ばれる屈曲が形成されており、ディンプルはゴルフボールの空気抵抗を減らしてゴルフボールの方向性を改善し飛距離を増加させる役割をすることができる。ディンプルによる屈曲は、風がゴルフボールを通過するときの圧力を不規則にしてゴルフボールの前後に作用する圧力差を減らし、このような圧力差の減少が飛距離を増加させる要因として作用すると知られている。ディンプルの形態はゴルフボールごと異なり、ディンプルの形態によりゴルフボールの特性が変わる。ユーザ中には特定のディンプルの形態を有するゴルフボールを好むユーザがあり得、本実施例のように様々なディンプル形態の複数のゴルフボールが提供されると、ユーザは複数のゴルフボールの中で自分が望むゴルフボールを選択して使用することができる。この場合、ユーザはプレイを開始する前にプレイオプションを選択するメニューで自分が使用したいゴルフボールを選択することができ、仮想ゴルフ装置の制御部(20)は該当ユーザがゴルフボールを打撃する際に選択されたゴルフボールのみが提供されるようにゴルフボール提供手段(1)を制御することができる。
【0031】
図6を参照すると、ゴルフボールのカラーが異なるゴルフボールであるという意味での異なるゴルフボールがあり得る。ゴルフボールは過去にはホワイトカラーのゴルフボールが多く使用されたが、現在には様々なカラーのゴルフボールが使用されている。カラーゴルフボールはホワイトゴルフボールと比較して視覚的によく識別することができ、様々なカラーを使用することによってゴルフボールの表面に様々なデザインを表現することができる。ユーザ中にはシンプルなホワイトカラーのゴルフボールを好むユーザが有り得、また様々なカラーが使用されたゴルフボールを好むユーザもあり得る。本実施例のように様々なカラーの複数のゴルフボールが提供されると、ユーザは複数のゴルフボールの中で自分が望むゴルフボールを選択して使用することができる。この場合、ユーザはプレイを開始する前にプレイオプションを選択するメニューで自分が使用したいゴルフボールを選択することができ、仮想ゴルフ装置の制御部(20)は該当ユーザがゴルフボールを打撃する際に選択されたゴルフボールのみが提供されるようにゴルフボール提供手段(1)を制御することができる。
【0032】
以上、異なる複数のゴルフボールとしてメーカー/ディンプル/カラーが異なるゴルフボールを言及したが、前記複数の異なるゴルフボールは一つの要素によって区別することのみならず、複数の要素によって区別することも可能である。例えば、本実施例の仮想ゴルフ装置はメーカーとカラーによって区別される第1乃至第4ゴルフボールを提供することができ、ここで第1ゴルフボールはAメーカーのホワイトゴルフボール、第2ゴルフボールはAメーカーのイエローゴルフボール、第3ゴルフボールはBメーカーのホワイトゴルフボール、第4ゴルフボールはBメーカーのブルーゴルフボールとなることができる。メーカー/ディンプル/カラーは複数の異なるゴルフボールを区別する要素の例であり、これらに加えてゴルフボールを区別する他の要素がさらにあり得る。例えば、重量や大きさが複数の異なるゴルフボールを区別する要素になることができる。米国ゴルフ協会が定めるオフィシャルボールの規格は直径1.68インチ以上、重量1.6オンス(45.95グラム)以下であり、上記規格を満たす範囲内でゴルフボールの重量と大きさはゴルフボールごとに差異がある。ゴルフボールの規格はゴルフボールの飛距離などのような打球特性に影響を与えることができ、ユーザは自分のゴルフスタイルに合う打球特性を有する特定規格のゴルフボールを好む。本実施例によれば、様々な規格の複数のゴルフボールをユーザに提供することができ、ユーザは自分が好む規格のゴルフボールを選択してプレイすることができる。
【0033】
複数の異なるゴルフボールを提供する場合にこれを活用する方法は、上述したように、ユーザが複数のゴルフボールの中から自分が希望するゴルフボールを選択すると、当該ユーザに選択されたゴルフボールが提供されるようにする方法がある。または、ユーザの選択なく現在進行中のプレイ状況に合わせて特定のゴルフボールが自動的に選択されて提供されるようにする方法があり得る。以下では、複数のゴルフボールの中から現在のプレイ状況により特定のゴルフボールを自動的に選択して提供する方法について図面を参照して説明する。
【0034】
図7乃至図16は複数のゴルフボールの中からプレイ状況に付合するゴルフボールを選択して提供する一例を説明するための図である。
【0035】
図7図1の仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの一例を示す。図7を参照すると、スクリーンに表示される仮想ゴルフコースは実際のゴルフコースをそのまま再現して表現することができる。例えば、実際のゴルフコースにフェアウェイ、ラフ、バンカーなどのような様々な属性を有する地形があり、このような様々な属性を有する地形はスクリーンに表示される仮想ゴルフコースにもそのまま再現されて表現されることができる。上記フェアウェイは芝の長さが短く管理されてプレイが容易な芝領域である。上記ラフは芝が管理されずフェアウェイに比べて芝の長さが長くなっている芝地域である。芝が長いラフでは芝が短いフェアウェイよりも打撃が難しくて打撃難易度が高い。上記バンカーは主に砂からなる領域であり、バンカーでゴルフボールを打撃すると砂が飛び散るので打撃が非常に難しい。図7に図示されたように、スクリーンに表示される仮想ゴルフコースは、実際のゴルフコースのフェアウェイ、ラフ、バンカーなどに対応する仮想フェアウェイ、仮想ラフ、仮想バンカーなどのような様々な属性を有する地形を含み、実際のゴルフコースをそのまま再現して表示される。
【0036】
図8は仮想ゴルフ装置に使用可能な打撃マットの一例を示す。図8を参照すると、打撃マットとして互いに区分されている複数領域を有する複数領域打撃マットを使用することができる。複数領域打撃マットにおいて、各区分領域は実際のゴルフ場での様々な属性を有する地形に対応するように構成することができる。例えば、複数領域打撃マットは実際のゴルフ場でフェアウェイに対応するフェアウェイ領域と実際のゴルフ場で非フェアウェイ(フェアウェイ以外の領域としてラフ、バンカーなどのようにフェアウェイに比べて打撃難易度が高いトラブル領域を便宜上「非フェアウェイ」と命名する)に対応する非フェアウェイ領域とを含むように構成される。また、非フェアウェイ領域は実際のゴルフ場でのラフとバンカーにそれぞれ対応するラフ領域とバンカー領域とを含む。複数領域打撃マットを製造する場合、フェアウェイ領域とラフ領域は全て人工芝で形成するが、フェアウェイ領域とラフ領域における前記人工芝の長さが互いに異なるように形成し、バンカー領域は砂で打撃するような打撃感を与えることができる材料で形成することができる。実際のゴルフではウォーターハザードのようにフェアウェイ、ラフ、バンカー以外の他の地形があり、ラフやバンカーもライトラフ、ヘビーラフ、フェアウェイバンカー、グリーンバンカーのように細分化されるので、打撃マットは実際のゴルフ場の地形を様々な方法により反映することができるように様々な形態で構成することができる。従って、複数領域打撃マトラは図8に図示された構造にのみ限定されるものではない。
【0037】
スクリーンゴルフプレイにおいて、ユーザがゴルフボールを打撃する際に実際には打撃マット上の実際のゴルフボールを打撃するものであるが、スクリーンゴルフのプレイ上の設定ではスクリーンの仮想のゴルフボールが置かれている地点でゴルフボールを打撃すると想定する。打撃マットがスクリーンに表示される複数領域と対応するように複数領域に区分されている場合、スクリーンの仮想ゴルフボールが置かれている領域と打撃マットの実際のゴルフボールが置かれている領域とが対応するように、ユーザは実際のゴルフボールを配置した後に実際のゴルフボールを打撃する。
【0038】
例えば、図9(a)に図示されたように、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想フェアウェイに位置する場合、フェアウェイに置かれているゴルフボールを打撃すると仮定して、ユーザは実際のゴルフボール(RB)を打撃マットのフェアウェイ領域に置いて打撃する。また、図9(b)及び図9(c)に図示されたように、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が仮想ラフ/仮想バンカーに位置する場合、ラフやバンカーに置かれているゴルフボールを打撃すると仮定して、ユーザは実際のゴルフボール(RB)を打撃マットのラフ領域/バンカー領域に置いて打撃する。
【0039】
このように複数領域の打撃マットを使用することにより、ユーザはスクリーンの仮想ゴルフボールが置かれている状況(仮想フェアウェイ/仮想ラフ/仮想バンカーのいずれかに仮想ゴルフボールが置かれている状況)と対応する打撃マットでの打撃状況(フェアウェイ領域/ラフ領域/バンカー領域のいずれかに実際のゴルフボールが置かれている状況)を打撃マットに形成した後に実際のゴルフボールを打撃することができ、これによりユーザは実際のゴルフにおいてフェアウェイショット/ラフショット/バンカーショットをするような打撃感をスクリーンゴルフでも体感することができる。
【0040】
しかし、複数領域打撃マットを使用する時に、プレイ中にユーザはミス又は故意に実際のゴルフボールを打撃マットの間違った位置に置いて打撃する場合があり得る。例えば、スクリーンの仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボールが仮想ラフや仮想バンカーに位置するときに、ユーザが実際のゴルフボールを打撃マットのフェアウェイ領域に置いて打撃する場合がある。ユーザに実際のゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段が主に打撃マットのフェアウェイ領域にゴルフボールを提供するように動作するため、仮想ラフや仮想バンカーに仮想ゴルフボールが置かれているときに正しい打撃をするには、ユーザが打撃マットのフェアウェイ領域に提供された実際のゴルフボールを打撃マットのラフ領域やバンカー領域に移動させた後に打撃しなければならない。しかし、ユーザがミス又は故意にフェアウェイ領域に提供された実際のゴルフボールを正しい領域(ラフやバンカー領域)に移動させずに打撃する場合があり得る。複数領域打撃マットを使用する場合のこのような問題は、上記実施例による仮想ゴルフ装置において複数の異なるゴルフボールを提供することで解決することができる。
【0041】
図10図1の仮想ゴルフ装置に使用可能な打撃マットの一例を示し、図11乃至図17図10の打撃マットを用いながら複数の異なるゴルフボールを提供する際の仮想ゴルフ装置の動作過程を説明するための図である。
【0042】
図10を参照すると、複数の異なるゴルフボールを提供する仮想ゴルフ装置では、打撃マットとして単一領域のみで構成される打撃マットを使用することができ、ここで単一領域は主にフェアウェイ領域である。本実施例によれば、単一領域打撃マットを用いるため、ゴルフボール提供手段は単一領域であるフェアウェイ領域のみにゴルフボールを提供し、ユーザは提供されたゴルフボールを他の領域に移動させる必要なく打撃することができる。複数領域打撃マットを使用する際には、ゴルフボール提供手段によってフェアウェイ領域に提供されたゴルフボールを非フェアウェイ領域に移動させて打撃しなければならないにもかかわらず、ゴルフボールを移動させずに誤った位置で打撃するという問題があるが、本実施例ではこのような問題が発生しない。
【0043】
図11を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は異なる3つのゴルフボールを提供することができ、スクリーンに表示される仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイに位置する場合にユーザに第1ゴルフボール(B1)を提供する。図12を参照すると、仮想ゴルフ装置はスクリーンに表示される仮想ゴルフボールが仮想ラフに位置する場合にユーザに第2ゴルフボール(B2)を提供する。図13を参照すると、仮想ゴルフ装置はスクリーンに表示される仮想ゴルフボールが仮想バンカーに位置する場合にユーザに第3ゴルフボール(B3)を提供する。すなわち、仮想ゴルフ装置の制御部(図1の図面符号20を参照)は、ユーザの打撃前にスクリーンの仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイ/仮想ラフ/仮想バンカーの中で現在どこにあるかをチェックし、前記チェック結果に合わせて第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)の中にいずれかのゴルフボールを選択してユーザに打撃用ゴルフボールとして提供する。単一領域打撃マットを使用しながらスクリーンに表示される仮想ゴルフボールの位置により異なるゴルフボールを提供する方法と、一つのゴルフボールを使用しながら複数領域打撃マットを使用する方法とを比較すると、複数領域打撃マットを使用する場合には、スクリーンの仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイ/仮想ラフ/仮想バンカーにあるときの環境の違いを複数領域打撃マットにおける互いに区別されているフェアウェイ領域/ラフ領域/バンカー領域により形成するが、単一領域打撃マットを使用する場合には、スクリーンの仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイ/仮想ラフ/仮想バンカーにあるときの環境の違いを打撃マット自体により形成する代わりに、複数の異なるゴルフボールを通じて形成する。複数領域打撃マットを使用する方法では、スクリーンの現在環境と同一の実際環境を形成するためにユーザの行為(例えば、フェアウェイ領域に提供されたゴルフボールを非フェアウェイ領域に移動させる行為)が必要であり、ユーザの行為には問題(ユーザがミス又は故意にゴルフボールを正しい領域に移動させずに打撃する場合など)が発生する可能性があるが、複数ゴルフボールを使用する方法では、スクリーンの現在環境と同一の実際環境を形成するためのユーザの行為(例えば、フェアウェイ領域に提供されたゴルフボールを非フェアウェイ領域に移動させる行為)が不必要であるため、ユーザの行為に起因する問題は発生しない。単一領域打撃マットを使用しながらスクリーンに表示される仮想ゴルフボールの位置により異なるゴルフボールを提供する方法において、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)は打撃特性における違いがある。
【0044】
算出部(図1の図面符号21を参照)でゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う際には様々な方式を適用することができ、上記様々な方式中の一つ方式では打撃後のゴルフボールの物理的状態を示すパラメータ値を感知してそれから軌跡を算出することができる。図14を参照すると、上記パラメータの例としてゴルフボール(B)の速度(V)、打撃によって飛ぶゴルフボールの水平面上での方向を示す左右方向角(φ)、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角(θ)、ゴルフボールの回転状態を示すスピン(S)などがある。速度(V)、左右方向角(φ)、発射角(θ)、スピン(S)などのパラメータに基づいて物理法則を用いた計算モデルを適用すれば、ゴルフボールの軌跡を算出することができる。図面に図示されていないが、ゴルフボールの物理的状態だけでなく、ユーザがゴルフボールを打撃するときのゴルフクラブの動きを感知しゴルフクラブについて感知された情報を活用してゴルフボールの軌跡を算出することも可能である。
【0045】
第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)についてユーザが同一に打撃する(同一の スイングと同一のインパクト等でゴルフボールを打撃することを意味する)と仮定するときに、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)は打撃特性が異なるため、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)における打撃後の物理状態値が互いに異なることになる。すなわち、第1ゴルフボール(B1)の打撃後速度(V1)/左右方向角(φ1)/発射角(θ1)/スピン(S1)、 第2ゴルフボール(B2)の打撃後速度(V2)/左右方向角(φ2)/発射角(θ2)/スピン(S2)、第3ゴルフボール(B3)の打撃後速度(V3)/左右方向角(φ3)/発射角(θ3)/スピン(S3)は同一の打撃についてそれぞれ異なる値を有し、その結果、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)に対応する仮想ゴルフボールは同一の打撃について異なる軌跡を有する。ここで、 速度(V)/左右方向角(φ)/発射角(θ)/スピン(S)が互いに異なる値を有するという意味は、速度(V)/左右方向角(φ)/発射角(θ)/スピン(S)すべて異なる値を有する場合、またはこれらの一部のみが異なる値を有する場合を含む。
【0046】
第1ゴルフボール(B1)、 第2ゴルフボール(B2)、 第3ゴルフボール(B3)が互いに異なる打撃特性を有するようにするために、第1ゴルフボール(B1)、 第2ゴルフボール(B2)、 第3ゴルフボール(B3)は、サイズ、重量、強度、ディンプルの個数や形状などのうちに、少なくともいずれか1つに差異があり得る。上記サイズ、重量、強度、ディンプルの個数や形状などのようなゴルフボールの特性における差異によって、ユーザの同一打撃に対して第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)は感知される速度(V)/方向角(φ)/発射角(θ)/スピン(S)などにおいて差異が発生して算出過程での軌跡でも差異が発生することになる。
【0047】
図15を参照すると、上記軌跡差異に関連した例として、ユーザの同一の打撃に対して、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)は同一方向角(φ1=φ2=φ3)/同一発射角(θ1=θ2=θ3)/同一スピン(S1=S2=S3)を有し、速度(V1≠V2≠V3)にのみ差異があって、第1ゴルフボール(B1)の速度(V1)が一番大きく、第2ゴルフボール(B2)の速度(V2)は中間であり、第3ゴルフボール(B3)の速度(V3)は一番小さい場合を仮定する(V1>V2>V3)。この場合、前記速度差のために、同一の打撃に対して、第1ゴルフボール(B1)は最も長い飛距離を有し、第2ゴルフボール(B2)は中間の飛距離を有し、第3ゴルフボール(B3)は最も短い飛距離を有する。実際のゴルフでの打撃難易度がフェアウェイ(容易)、ラフ(中間)、バンカー(困難)の順序であり、打撃難易度が高いほど飛距離が短くなる点を勘案すると、フェアウェイショット(仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイにあるときの打撃)では第1ゴルフボール(B1)を提供することで最長飛距離となるようにし、ラフショット(仮想ゴルフボールが仮想ラフにあるときの打撃)では第2ゴルフボール(B2)を提供することで中間飛距離となるようにし、バンカーショット(仮想ゴルフボールが仮想バンカーにあるときの打撃)では第3ゴルフボール(B3)を提供することで最短飛距離となるようにすることができる。
【0048】
図16を参照すると、上記軌跡差異に関連した他の例として、ユーザの同一の打撃に対して、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)は同一速度(V1=V2=V3)/同一方向角(φ1=φ2=φ3)/同一発射角(θ1=θ2=θ3)を有し、スピン(S1≠S2≠S3)にのみ差異があって、第1ゴルフボール(B1)のスピン(S1)が一番小さく、第2ゴルフボール(B2)のスピン(S2)は中間であり、第3ゴルフボール(B3)のスピン(S3)は一番大きい場合を仮定する(S3>S2>S1)(説明の便宜上、ここでのスピンはサイドスピンを意味し、またスピンが大きいということはスピンの絶対値が大きいことを意味すると仮定する)。スピンが大きければ大きいほどフックやスライスが発生し、フックやスライスが発生するとゴルフボールがユーザが意図した経路から外れるようになる。前記スピンの差異のために、同一の打撃に対して、第1ゴルフボール(B1)はユーザの意図と最も類似した経路の軌跡を有し、第2ゴルフボール(B2)はユーザの意図から若干外れる経路の軌跡を有し、第3ゴルフボール(B3)はユーザの意図から一番外れる経路の軌跡を有するようになる。実際のゴルフでの打撃難易度がフェアウェイ(容易)、ラフ(中間)、バンカー(困難)の順序であり、打撃難易度が高いほどユーザが打撃したゴルフボールがユーザが意図した経路から外れることができる点を勘案すると、フェアウェイショット(仮想ゴルフボールが仮想フェアウェイにあるときの打撃)では第1ゴルフボール(B1)を提供することでユーザの意図に近い軌跡となるようにし、ラフショット(仮想ゴルフボールが仮想ラフにあるときの打撃)では第2ゴルフボール(B2)を提供することでユーザの意図から若干外れる軌跡となるようにし、バンカーショット(仮想ゴルフボールが仮想バンカーにあるときの打撃)では第3ゴルフボール(B3)を提供することでユーザの意図から一番外れる軌跡となるようにすることができる。
【0049】
上記では、ユーザの同一打撃に対して速度のみが異なるようになる場合又はスピンのみが異なるようになる場合の第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)の例を挙げたが、速度/発射角/方向角/スピンの中で少なくとも2個以上が異なるようになる場合もあり得る。この場合、第1乃至第3ゴルフボール(B1、B2、B3)に対する打撃結果は、飛距離とゴルフボールの移動方向などのように複合的な要素で差異が発生することができる。
【0050】
以上のように、本実施例では、サイズ、重量、強度、ディンプル個数や形状などのようなゴルフボールの特性が異なる第1ゴルフボール(B1)、第2ゴルフボール(B2)、第3ゴルフボール(B3)を提供することで、実際のゴルフでのフェアウェイショット/ラフショット/バンカーショットをスクリーンゴルフで再現する効果があり、複数領域打撃マットの代わりに単一領域打撃マットを使用することができるため、複数領域打撃マットを使用することによって発生する問題(ラフショットやバンカーショットで、ユーザがゴルフボールをラフ領域やバンカー領域に移動させずにゴルフボールを間違った領域に置いて打撃する問題)を防止することができる。
【0051】
図17は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図17を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されており前述の実施例において制御部の役割をすることができるコンピューター機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどの他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置には複数の異なるゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段が具備され、前記ゴルフボール提供手段を介して複数のゴルフボールの中でユーザが選択した特定ゴルフボールをユーザに提供するようにすることができる。あるいは、複数の異なるゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段を介して、単一領域打撃マットを使用しながらフェアウェイショット/ラフショット/バンカーショットなどのような様々な状況での打撃を再現することができる。
【0052】
図18は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図18を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として図1乃至図17などに図示されたような仮想ゴルフ装置などを使用することができる。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができる家庭用または公共用などのスクリーンゴルフ場に設置され、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設置されて全体的に複数個が具備される。仮想ゴルフ装置には複数の異なるゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段が具備され、前記ゴルフボール提供手段を介して複数のゴルフボールの中でユーザが選択した特定ゴルフボールをユーザに提供するようにすることができる。あるいは、複数の異なるゴルフボールを提供するゴルフボール提供手段を介して、単一領域打撃マットを使用しながらフェアウェイショット/ラフショット/バンカーショットなどのような様々な状況での打撃を再現することができる。
【0053】
仮想ゴルフ装置(100)はサービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。
【0054】
サービス装置(200)には貯蔵部(210)が具備されている。貯蔵部(210)はユーザ情報を含む様々な情報を貯蔵している。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザが上記サービスを受けるためにまずログインをする場合、サービス装置(200)はユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。上記ログインの承認可否の決定のために、貯蔵部(210)はユーザの身元を確認するための情報を貯蔵している。
【0055】
貯蔵部(210)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵される。各ユーザ別貯蔵領域には、ユーザの身元情報、プレイ情報、設定情報などが貯蔵されている。上記身元情報は当該ユーザの身元を確認するためのものであり、これはログイン過程等に用いることができる。上記プレイ情報は当該ユーザの過去プレイ記録や過去プレイ記録から得られるユーザの個人記録(クラブ別平均飛距離、平均打数等)等を含む。上記設定情報はユーザが設定した事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。毎回プレイするたびに様々な選択事項を入力することを煩わしいと思うユーザが有り得、このようなユーザが前記選択事項を入力しない場合、上記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。
【0056】
このように貯蔵部(210)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている複数の仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(210)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザの情報やその他の貯蔵部(210)が有している情報を別途貯蔵する必要がない。
【0057】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0058】
1:ゴルフボール提供手段
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
100:仮想ゴルフ装置
200:サービス装置
図1
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