(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017712
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】把手構造
(51)【国際特許分類】
B65D 75/56 20060101AFI20240201BHJP
B65D 71/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65D75/56
B65D71/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120536
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】夘野 絢子
(72)【発明者】
【氏名】惟村 晴美
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC14
3E067BA31A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067EE11
3E067FC05
(57)【要約】
【課題】包装用の樹脂の使用量を削減しても、掴みやすい把手構造を提供すること。
【解決手段】複数の衛生品収納箱を集積した集合体がフィルムまたはシートで包装されてなる集合包装体の把手構造であって、前記フィルムまたはシートは、前記集合体の第1方向に巻き付けられた第1帯体と、集合体の前記第1方向と直交する第2方向に前記第1帯体の上から巻き付けられた第2帯体と、で構成され、前記把手構造は、前記第2帯体の一部で構成され、前記把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛生品収納箱を集積した集合体がフィルムまたはシートで包装されてなる集合包装体の把手構造であって、
前記フィルムまたはシートは、
前記集合体の第1方向に巻き付けられた第1帯体と、
集合体の前記第1方向と直交する第2方向に前記第1帯体の上から巻き付けられた第2帯体と、で構成され、
前記把手構造は、
前記第2帯体の一部で構成され、
前記把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つの折り線は、谷折り線である、請求項1に記載の把手構造。
【請求項3】
前記折り線は、
少なくとも1つの山折り線と、
前記山折り線と前記把手構造の前記長手方向と直交する幅方向に所定の間隔で並ぶ少なくとも2つの谷折り線と、で構成されている、請求項1に記載の把手構造。
【請求項4】
前記幅方向の少なくとも一端寄りの前記折り線は、谷折り線である、請求項3に記載の把手構造。
【請求項5】
前記谷折り線は、前記幅方向の内側に湾曲する、請求項4に記載の把手構造。
【請求項6】
前記把手構造は、ポリプロピレン樹脂で形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の把手構造。
【請求項7】
前記把手構造の幅が、60mm以上120mm以下である、請求項6に記載の把手構造。
【請求項8】
被包装体がフィルムまたはシートの帯体で包装されてなる包装体の把手構造であって、
前記把手構造は、前記帯体の一部で構成され、
前記把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造。
【請求項9】
包装体の把手構造であって、
フィルムまたはシートの帯体で形成され、
前記帯体の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシューペーパーなどの衛生品は、厚紙等で作られた箱(カートンともいう)に収納され、該箱の天面に開口する取出口から引き出される衛生品収納箱の形態で使用される(例えば、特許文献1参照)。このような衛生品収納箱は、複数を集積した集合体の状態で、樹脂フィルムの包材でキャラメル包装またはガセット包装され、さらに樹脂フィルムの取っ手が取り付けられた集合包装体として流通する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
近年、CO2排出量削減・脱プラスチックの観点から、包装資材に用いられる樹脂の削減又は減量化が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-83866号公報
【特許文献2】特開2019-177938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
集合包装体に用いられる樹脂フィルムは、持ち運び用の取っ手または一時的な保管用の包材として利用されるものの、最終的には破棄されることになるため、集合包装体においても樹脂の使用量を削減することが望ましい。一方、集合包装体における樹脂フィルムの使用量を削減すると、集合体の包装が不安定になり、集積された集合体がずれやすくなる。また、取っ手の確保が十分にできず、把手構造の持ち運びが困難になる。
【0006】
本発明の課題は、包装用の樹脂の使用量を削減しても、掴みやすい把手構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、複数の衛生品収納箱を集積した集合体がフィルムまたはシートで包装されてなる集合包装体の把手構造であって、前記フィルムまたはシートは、前記集合体の第1方向に巻き付けられた第1帯体と、集合体の前記第1方向と直交する第2方向に前記第1帯体の上から巻き付けられた第2帯体と、で構成され、前記把手構造は、前記第2帯体の一部で構成され、前記把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造である。
【0008】
第1の態様では、フィルムまたはシートを構成する第1帯体が集合体の第1方向に巻き付けられることで、集合体を結束することができる。さらに、フィルムまたはシートを構成する第2帯体が集合体の第1方向と直交する第2方向に第1帯体の上から巻き付けられることで、集合体と該集合体に巻き付けられた第1帯体とを同時に結束することができる。そのため、樹脂の使用量を削減しながら、安定した包装を維持することができる。
【0009】
また、第1の態様では、集合体がフィルムまたはシートで包装されてなる集合包装体の把手構造が第2帯体の一部で構成されるため、第2帯体を取っ手に兼用できる。また、把手構造には、長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造は取っ手として掴みやすくなる。そのため、第1の態様では、樹脂が減量されても、集合包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0010】
また、第1の態様では、把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造の幅を大きくしても、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造を掴んだ際に把手構造の幅を縮めることができる。そのため、把手構造の幅を大きくすることで、把手構造の取っ手としての強度を高めることができ、把手構造を取っ手として容易に掴むことができる。
【0011】
さらに、第1の態様では、把手構造が第2帯体の一部を構成するため、第2帯体の幅が大きくなると把手構造の幅も大きくなるが、上述のように、把手構造の幅を大きくしても、取っ手として容易に掴むことができる。そのため、一部が把手構造となる第2帯体の幅を大きくすることができるので、取っ手としての掴みやすさを低下させずに、包装をさらに安定化させることができる。
【0012】
本発明に係る第2の態様は、前記少なくとも1つの折り線は、谷折り線である、第1の態様に記載の把手構造である。第2の態様では、把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が谷折り線であることで、把手構造が折り線に沿って谷折りに折り畳まれるため、把手構造が手にフィットしやすく、把手構造は掴みやすくなる。
【0013】
本発明に係る第3の態様は、前記折り線は、少なくとも1つの山折り線と、前記山折り線と前記把手構造の前記長手方向と直交する幅方向に所定の間隔で並ぶ少なくとも2つの谷折り線と、で構成されている、第1の態様または第2の態様に記載の把手構造である。
【0014】
第3の態様では、山折り線と谷折り線とが把手構造の幅方向に所定の間隔をあけて設けられていることで、把手構造が折り線に沿って谷折りおよび山折りに折り畳まれるため、把手構造が蛇腹状に変形することができる。そのため、第3の態様では、把手構造の幅を顕著に大きくしても、把手構造を掴んだ際に手の大きさに合わせて把手構造の幅が縮まるため、把手構造の強度を高めながら、把手構造を容易に掴むことができる。
【0015】
本発明に係る第4の態様は、前記幅方向の少なくとも一端寄りの前記折り線が、谷折り線である、第1乃至第3の態様のいずれか一つに記載の把手構造である。第4の態様では、把手構造の幅方向の少なくとも一端寄りの折り線を谷折り線にすることで、把手構造を掴んだ際に、把手構造の幅方向の谷折り線が形成された側の一端が手に当たりにくいため、把手構造を掴んだ手への負担を小さくすることができる。
【0016】
本発明に係る第5の態様は、前記谷折り線が、前記幅方向の内側に湾曲する、第1乃至第4の態様のいずれか一つに記載の把手構造である。第5の態様では、幅方向の少なくとも一端寄りの谷折り線が把手構造の幅方向の内側に湾曲することで、湾曲した谷折り線が、把手構造を掴んだ手の形に合わせて谷折りに折り畳まれるため、把手構造が手によりフィットしやすく、把手構造を安定して掴むことができる。
【0017】
本発明に係る第6の態様は、前記把手構造は、ポリプロピレン樹脂で形成されている、第1乃至第5の態様のいずれか一つに記載の把手構造である。ポリプロピレン樹脂は、フィルムまたはシートの材質としては、例えばポリエチレンと比較すると、硬く、伸びにくい材質である。
【0018】
第6の態様では、把手構造が、このようなポリプロピレン樹脂で形成されていることで、把手構造が持ち手として伸びにくくなるため、把手構造を安定して掴むことができる。また、把手構造が硬くなっても、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造は取っ手として掴みやすくなる。
【0019】
本発明に係る第7の態様は、前記把手構造の幅が、60mm以上120mm以下である、第1乃至第6の態様のいずれか一つに記載の把手構造である。第7の態様では、把手構造の幅を60mm以上120mm以下にすることで、一部が把手構造となる第2帯体の幅を大きくすることができるため、包装をさらに安定化させることができる。また、把手構造の幅が大きくなっても、把手構造を掴んだ際に把手構造の幅が縮まるため、把手構造を取っ手として容易に掴むことができる。
【0020】
本発明に係る第8の態様は、被包装体がフィルムまたはシートの帯体で包装されてなる包装体の把手構造であって、前記把手構造は、前記帯体の一部で構成され、前記把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造である。
【0021】
第8の態様では、被包装体がフィルムまたはシートの帯体で包装されてなる包装体の把手構造が該帯体の一部で構成されるため、帯体を取っ手に兼用できる。また、把手構造には、長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造は取っ手として掴みやすくなる。そのため、第8の態様では、樹脂が減量されても、包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0022】
さらに、第8の態様では、把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造の幅を大きくしても、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造を掴んだ際に把手構造の幅を縮めることができる。そのため、把手構造の幅を大きくすることで、把手構造の取っ手としての強度を高めることができ、把手構造を取っ手として容易に掴むことができる。
【0023】
さらに、第8の態様では、把手構造が帯体の一部を構成するため、帯体の幅が大きくなると把手構造の幅も大きくなるが、上述のように、把手構造の幅を大きくしても、取っ手として容易に掴むことができる。そのため、一部が把手構造となる帯体の幅を大きくすることができるので、取っ手としての掴みやすさを低下させずに、包装をさらに安定化させることができる。
【0024】
本発明に係る第9の態様は、包装体の把手構造であって、フィルムまたはシートの帯体で形成され、前記帯体の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている、把手構造である。
【0025】
第9の態様では、包装体の把手構造がフィルムまたはシートの帯体で形成され、該帯体の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造は取っ手として掴みやすくなる。そのため、第9の態様では、樹脂が減量されても、包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0026】
さらに、第9の態様では、帯体の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されていることで、把手構造を構成する帯体の幅を大きくしても、帯体が折り線に沿って折り畳まれるため、把手構造を掴んだ際に帯体の幅を縮めることができる。そのため、帯体の幅を大きくすることで、把手構造を構成する帯体の取っ手としての強度を高めることができ、帯体を取っ手として容易に掴むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様によれば、包装用の樹脂の使用量を削減しても、掴みやすい把手構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態の把手構造を備える集合包装体の斜視図である。
【
図3】第1実施形態の把手構造(
図2の一部)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部の縮尺は実際とは異なる場合がある。なお、各図では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、把手構造の長手方向(左右方向)をX方向とし、短手方向(前後方向)をY方向とし、厚み方向(上下方向)をZ方向とする。
【0030】
また、本明細書において、直交などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。直交には、略直交が含まれてもよい。
【0031】
<第1実施形態>
図1~
図3は、第1実施形態の把手構造を備える集合包装体を示す。第1実施形態の把手構造31は、複数の衛生品収納箱10を集積した集合体がフィルムまたはシートで包装された集合包装体100の把手構造を構成する。
【0032】
衛生品収納箱10は、衛生品の一例である複数枚のティシューペーパー(図示せず)が収容された略カートンである。本実施形態では、同一形状の衛生品収納箱(カートン)10が、上下方向(Z方向)に5つ積まれた(集積した)集合体を構成する。なお、集合体を構成するカートン10の個数は、限定されず、2個以上であればよい。
【0033】
衛生品収納箱10は、
図1に示すように、略直方体状に形成され、天面11、底面12、一対の側面13、14、及び一対の妻面15、16を有する。天面11と底面12は、衛生品収納箱10の高さ方向(Z方向)に対向する。側面13、14は、衛生品収納箱10の短手方向(Y方向)に対向する。妻面15、16は、衛生品収納箱10の長手方向(X方向)に対向する。
【0034】
衛生品収納箱10の材質は、限定されず、例えば、パルプを主原料とする原紙が用いられる。ここで、原紙は、衛生品収納箱10を組み立てるための材料となる堅くて厚い紙を示す。原紙のパルプ組成は、特に限定されず、例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。本実施形態では、原紙としてバージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙が用いられている。
【0035】
また、原紙の坪量は、限定されないが、使用に耐え得る十分な強度を確保する観点から、原紙の坪量が200g/m2以上500g/m2以下であり、好ましくは230g/m2以上450g/m2以下であり、より好ましくは270g/m2以上430g/m2以下である。なお、本明細書において、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準じて測定される。
【0036】
原紙の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、原紙がコートボール紙の場合、原紙の紙厚は、0.1mm以上3mm以下にすることができ、好ましくは0.3mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
【0037】
衛生品収納箱10の寸法は、限定されず、収納される衛生品の量や寸法などにより定めることができる。例えば、衛生品収納箱10の長手方向(X方向)の長さは、100mm以上300mm以下にすることができ、好ましくは150mm以上280mm以下にする。
【0038】
また、衛生品収納箱10の短手方向(Y方向)の幅は、100mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは100mm以上130mm以下にする。さらに、衛生品収納箱10の高さ方向(Z方向)の高さは、30mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上100mm以下にする。
【0039】
衛生品収納箱10に収容される複数枚の衛生品は、積層方向(Z方向)に積層された衛生品積層体(図示せず)で構成されている。
【0040】
衛生品の材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布または布等である。衛生品が紙製の場合のパルプ組成は、紙製の衛生品(例えば、ティシューペーパー)における公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0041】
また、衛生品の坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0042】
また、衛生品の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、衛生品が紙製の場合の紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライあたり)、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0043】
衛生品の形態は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品に適用可能である。なお、ペーパータオル、ティシューペーパー等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、衛生品の用途は、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。
【0044】
フィルムの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂フィルムを用いることができる。また、シートの材質としては、クラフト紙等の紙シートを用いることができる。なお、フィルムまたはシートの材質は、これらに限定されない。
【0045】
第1実施形態では、フィルムまたはシートは、第1帯体20と第2帯体30とで構成されている。
【0046】
第1帯体20は、集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)に巻き付けられている。第1帯体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、クラフト紙等の紙シートが用いられる。第1帯体20の両端(図示せず)は、第1帯体20が集合体10に巻き付けられた状態で接着されている。
【0047】
第1帯体20の寸法は、特に限定されない。例えば、第1帯体20の幅は、60mm以上120mm以下であり、好ましくは65mm以上115mm以下、より好ましくは70mm以上110mm以下である。また、第1帯体20の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0048】
第2帯体30は、集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)と直交する第2方向(X方向およびZ方向)に第1帯体20の上から巻き付けられている。第1帯体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、クラフト紙等の紙シートが用いられ、中でもポリプロピレンが好ましい。第2帯体30の両端(図示せず)は、第2帯体30が集合体10に巻き付けられた状態で接着されている。
【0049】
第2帯体30の寸法は、特に限定されない。例えば、第2帯体30の幅は、60mm以上120mm以下であり、好ましくは65mm以上115mm以下、より好ましくは70mm以上110mm以下である。また、第2帯体30の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0050】
第1帯体20と第2帯体30とは、相互に接着されていてもよい。この場合は、第1帯体20と第2帯体30とを、集合体10の底面12上で接着させることが好ましい。
【0051】
把手構造31は、集合包装体100の取っ手(または持手)を構成し得る。把手構造31は、第2帯体30の一部で構成されている(
図1参照)。すなわち、第2帯体30の一部が集合包装体100の取っ手を構成し得る。本実施形態では、把手構造31は集合体10上に配置され、且つ第2帯体30の第1帯体20と交差する部分に形成されている。
【0052】
把手構造31は、把手構造31の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40が形成されている。ここで、折り線は、該線に沿って把手構造が折り曲げ可能な折り目を示す。本実施形態では、長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40が3つの折り線(折り線41、42、43)で構成されている。
【0053】
本実施形態では、折り線40を構成する3つの折り線(折り線41、42、43)は、把手構造31の長手方向(X方向)と直交する幅方向(Y方向)に所定の間隔で並ぶ。折り線41は、把手構造31の幅方向(Y方向)の中央に配置され、折り線42、43は把手構造31の幅方向(Y方向)の両端31A、31B寄りにそれぞれ配置されている。
【0054】
また、少なくとも1つの折り線40は、谷折り線であることが好ましい。さらに、把手構造31の幅方向(Y方向)の少なくとも一端寄りの折り線(折り線42または折り線43)が、谷折り線であることが好ましい。本実施形態では、把手構造31の一端31A寄りの折り線42および一端31B寄りの折り線43のいずれも谷折り線Vで構成されている。なお、
図1~
図3では、谷折り線V(折り線42、43)を破線で示す。
【0055】
また、折り線40は、少なくとも1つの山折り線Mと、少なくとも2つの谷折り線Vとで構成され、2つの谷折り線Vは、山折り線Mと把手構造31の幅方向(Y方向)に所定の間隔で並ぶことが好ましい。ここで、所定の間隔は、任意であるが、好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上18mm以下、さらに好ましくは10mm以上15mm以下である。
【0056】
本実施形態では、折り線40のうち折り線41(把手構造31の幅方向(Y方向)の中央に配置された折り線)は山折り線Mで構成され、折り線42、43(把手構造31の幅方向(Y方向)の両端31A、31B側に配置された折り線)は谷折り線Vで構成されている。なお、
図1~
図3では、破線で示された谷折り線V(折り線42、43)に対して、山折り線M(折り線41)を実線で示す。
【0057】
把手構造31の幅方向(Y方向)の少なくとも一端(一端31Aまたは一端31B)寄りの折り線40(折り線42または折り線43)を構成する谷折り線Vは、把手構造31の幅方向(Y方向)の内側に湾曲することが好ましい。本実施形態では、折り線41(山折り線M)が把手構造31の幅方向(Y方向)の中央に直線状に形成され、折り線42、43(いずれも谷折り線V)が一端31Aまたは一端31B側から該中央の折り線41(山折り線M)に向かって凸となる円弧状に形成されている(
図1~
図3)。
【0058】
把手構造31の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、クラフト紙等の紙シートが用いられる。中でも取っ手としての強度および堅牢性を確保する観点から、ポリプロピレンが好ましく、さらに樹脂の減量化および強度を確保する観点から紙シートが好ましい。
【0059】
本実施形態では、上述のように、把手構造31は、第2帯体30の一部であり、第2帯体30がポリプロピレン樹脂で形成されることで、この第2帯体30の一部を構成する把手構造31もポリプロピレン樹脂で形成されたものとなる。
【0060】
把手構造31の幅Wは、60mm以上120mm以下であり、好ましくは65mm以上115mm以下、より好ましくは70mm以上110mm以下である。第2帯体30の幅が60mm以上120mm以下であることで、この第2帯体30の一部を構成する把手構造31の幅Wも60mm以上120mm以下となる。
【0061】
本実施形態の把手構造31は、上述のように、フィルムまたはシートを構成する第1帯体20が集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)に巻き付けられることで、集合体10を結束することができる。さらに、フィルムまたはシートを構成する第2帯体30が集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)と直交する第2方向(X方向およびZ方向)に第1帯体20の上から巻き付けられることで、集合体10と該集合体10に巻き付けられた第1帯体20とを同時に結束することができる。そのため、樹脂の使用量を削減しながら、安定した包装を維持することができる。
【0062】
また、本実施形態では、集合体10がフィルムまたはシートで包装されてなる集合包装体100の把手構造31が第2帯体30の一部で構成されるため、第2帯体30を取っ手に兼用できる。また、把手構造31には、長手方向に延びる少なくとも1つの折り線40が形成されていることで、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31は取っ手として掴みやすくなる。そのため、本実施形態では、樹脂が減量されても、集合包装体100を容易に持ち運ぶことができる。
【0063】
また、本実施形態では、把手構造31の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線40が形成されていることで、把手構造31の幅Wを大きくしても、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31を掴んだ際に把手構造31の幅Wを縮めることができる。そのため、把手構造31の幅Wを大きくすることで、把手構造31の取っ手としての強度を高めることができ、把手構造31を取っ手として容易に掴むことができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、把手構造31が第2帯体30の一部を構成するため、第2帯体30の幅が大きくなると把手構造31の幅Wも大きくなるが、上述のように、把手構造31の幅Wを大きくしても、取っ手として容易に掴むことができる。そのため、一部が把手構造31となる第2帯体30の幅を大きくすることができるので、取っ手としての掴みやすさを低下させずに、包装をさらに安定化させることができる。
【0065】
本実施形態の把手構造31は、上述のように、把手構造31の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40(折り線42、43)が谷折り線Vであることで、把手構造31が折り線42、43に沿って谷折りに折り畳まれるため、把手構造が手にフィットしやすくなり、把手構造31が掴みやすい。
【0066】
本実施形態では、上述のように、山折り線Mと谷折り線Vとが把手構造31の幅方向(Y方向)に所定の間隔をあけて設けられていることで、把手構造31が折り線40に沿って谷折りおよび山折りに折り畳まれるため、把手構造31が蛇腹状に変形することができる。そのため、本実施形態では、把手構造31の幅Wを顕著に大きくしても、把手構造31を掴んだ際に手の大きさに合わせて把手構造31の幅Wが縮まるため、把手構造31の強度を高めながら、把手構造31を容易に掴むことができる。
【0067】
本実施形態では、上述のように、把手構造31の幅方向(Y方向)の少なくとも一端(一端31A、31B)寄りの折り線42、43を谷折り線Vにすることで、把手構造31を掴んだ際に、把手構造31の幅方向(Y方向)の谷折り線Vが形成された側の一端(一端31A、31Bが手に当たりにくいため、把手構造31を掴んだ手への負担を小さくすることができる。
【0068】
第1実施形態の把手構造31では、上述のように、幅方向(Y方向)の少なくとも一端(一端31A、31B)寄りの谷折り線Vが把手構造31の幅方向(Y方向)の内側に湾曲することで、湾曲した谷折り線Vが、把手構造31を掴んだ手の形に合わせて谷折りに折り畳まれるため、把手構造31が手によりフィットしやすく、把手構造を安定して掴むことができる。
【0069】
本実施形態では、把手構造31が、上述のように、ポリプロピレン樹脂で形成されていることで、把手構造31が持ち手として伸びにくくなるため、把手構造31を安定して掴むことができる。また、把手構造31が硬くなっても、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31は取っ手として掴みやすくなる。
【0070】
本実施形態では、上述のように、把手構造31の幅Wを60mm以上120mm以下にすることで、一部が把手構造31となる第2帯体30の幅を大きくすることができるため、集合包装体100の包装をさらに安定化させることができる。また、把手構造31の幅Wが大きくなっても、把手構造31を掴んだ際に把手構造31の幅Wが縮まるため、把手構造31を取っ手として容易に掴むことができる。
【0071】
また、第1帯体20と第2帯体30とを相互に接着させることで、第1帯体20と第2帯体30とが相互に固定された状態で集合体10を結束することができる。そのため、第2実施形態では、集積された集合体10のずれを抑制することができる。また、第2帯体30を集合包装体200の持ち手として用いても、第2帯体30を安定的に掴むことができる。
【0072】
なお、第1実施形態では、複数の衛生品収納箱を集積した集合体が包装された集合包装体を対象として把手構造が用いられるが、把手構造を用いる対象は衛生品収納箱の集合包装体に限定されない。本実施形態では、第1実施形態の把手構造31を、被包装体がフィルムまたはシートの帯体で包装されてなる包装体の把手構造として用いてもよい。
【0073】
この場合、包装体は、衛生品収納箱の集合包装体以外の包装体であり、集合包装体、個包装体のいずれであってもよい。被包装体は、複数の衛生品収納箱以外の被包装体である。フィルムまたはシートは、第1実施形態の把手構造31と同様のフィルムまたはシートを用いることができる。また、帯体は、第1実施形態における第2帯体30と同様の帯体を用いることができる。
【0074】
本実施形態の把手構造31は、帯体30の一部で構成され、把手構造31の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている。この折り線は、第1実施形態の把手構造31における折り線40(折り線41、42、43)と同様に構成すればよい(
図2、
図3参照)。
【0075】
本実施形態では、被包装体がフィルムまたはシートの帯体30で包装されてなる包装体の把手構造31が該帯体30の一部で構成されるため、帯体30を取っ手に兼用できる。また、把手構造31には、長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40(折り線41、42、43)が形成されていることで、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31は取っ手として掴みやすくなる。そのため、本実施形態では、樹脂が減量されても、包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0076】
さらに、本実施形態では、把手構造31の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40(折り線41、42、43)が形成されていることで、把手構造31の幅Wを大きくしても、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31を掴んだ際に把手構造31の幅Wを縮めることができる。そのため、把手構造31の幅Wを大きくすることで、把手構造31の取っ手としての強度を高めることができ、把手構造31を取っ手として容易に掴むことができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、把手構造31が帯体30の一部を構成するため、帯体30の幅が大きくなると把手構造31の幅Wも大きくなるが、上述のように、把手構造31の幅Wを大きくしても、取っ手として容易に掴むことができる。そのため、一部が把手構造31となる帯体30の幅を大きくすることができるので、取っ手としての掴みやすさを低下させずに、包装をさらに安定化させることができる。
【0078】
また、上記の実施形態では、帯体30の一部を構成する把手構造31を対象としているが、帯体30とは別個の部材として把手構造を構成してもよい。本実施形態では、第1実施形態の把手構造31を、帯体30とは別個の部材として構成してもよい。
【0079】
本実施形態では、包装体の把手構造31がフィルムまたはシートの帯体30で形成され、該帯体30の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40(折り線41、42、43)が形成されていることで、把手構造31が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31は取っ手として掴みやすくなる。そのため、本実施形態では、樹脂が減量されても、包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0080】
さらに、本実施形態では、帯体30の長手方向(X方向)に延びる少なくとも1つの折り線40(折り線41、42、43)が形成されていることで、把手構造31を構成する帯体30の幅を大きくしても、帯体30が折り線40に沿って折り畳まれるため、把手構造31を掴んだ際に帯体30の幅を縮めることができる。そのため、帯体30の幅を大きくすることで、把手構造31を構成する帯体30の取っ手としての強度を高めることができ、帯体30を取っ手として容易に掴むことができる。
【0081】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の把手構造を示す。なお、
図4では、第1実施形態(
図3)と共通する部分に、
図3に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0082】
第2実施形態の把手構造31では、折り線40を構成する3つの折り線(折り線41、42、43)は、すべて把手構造31の幅方向(Y方向)に直線状に形成されている。すなわち、第2実施形態の把手構造31は、幅方向(Y方向)の両端31A、31B寄りの谷折り線V(折り線42、43)が把手構造31の幅方向(Y方向)の内側に湾曲する構成以外は、第1実施形態の把手構造31と共通する構成および効果が得られる。
【0083】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の把手構造を示す。なお、
図5では、第1実施形態(
図3)と共通する部分に、
図3に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。第3実施形態の把手構造31では、折り線40のうち折り線41(把手構造31の幅方向(Y方向)の中央に配置された折り線)は谷折り線Vで構成されている。
【0084】
そして、折り線41と折り線42(把手構造31の幅方向(Y方向)の一端31A側に配置された折り線)との間に折り線44が形成され、折り線41と折り線43(把手構造31の幅方向(Y方向)の一端31B側に配置された折り線)との間に折り線45が形成されている。折り線44、45はいずれも、直線状の山折り線Mで構成されている。
【0085】
第3実施形態の把手構造31では、把手構造31の幅方向(Y方向)の内側に湾曲する幅方向(Y方向)の両端31A、31B寄りの谷折り線V(折り線42、43)間に、2つの山折り線Mが配置されている。さらに、2つの山折り線Mの間に、1つの谷折り線Vが配置されている。これにより、第3実施形態では、3つの谷折り線V(折り線41、42、43)と2つの山折り線M(折り線44、45)が交互に配置されている。
【0086】
第3実施形態の把手構造31では、このような構成により、第1実施形態の把手構造31と共通する構成および効果が得られる。
【0087】
その上で、第3実施形態の把手構造31では、3つの谷折り線V(折り線41、42、43)と2つの山折り線M(折り線44、45)が交互に配置されていることで、把手構造31が蛇腹状に大きく変形することができる。これにより、把手構造31の幅Wをさらに顕著に大きくしても、把手構造31を掴んだ際に手の大きさに合わせて把手構造31の幅Wが縮まるため、さらに強度が高く、容易に掴むことができる把手構造31が得られる。
【実施例0088】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例の評価は、以下の試験により行った。
【0089】
[試験体]
複数のカートン10を集積した集合体の第1方向(Y方向およびZ方向)に、幅70mm、厚み30μmのポリプロピレン製の第1帯体20を巻き付け、第1方向(Y方向およびZ方向)と直交する第2方向(X方向およびZ方向)に第1帯体20と同様のポリプロピレン製の第2帯体30を巻き付けた集合包装体100を作製した。第2帯体30が集合体10の天面11で第1帯体20と交差する部分を、試験体(把手構造)31として規定した。
【0090】
[掴みやすさ]
試験体を持った際の把手構造の掴みやすさを確認した。掴みやすさは、5人が下記基準で確認し、その平均値から評価した。なお、評価がA、B、Cの場合は良好であり、Dの場合は不良とした。
<評価基準>
5:満足である
4:やや満足である
3:どちらでもない
2:あまり満足でない
1:満足でない
<結果>
A:4.6以上
B:4.1~4.5
C:3.6~4.0
D:3.5以下
【0091】
[持ち運びの安定性]
試験体を持った状態で1分間歩いた後のカートンの安定性(ズレの程度)を確認した。5人が下記基準で確認し、その平均値から評価した。なお、評価がA、B、Cの場合は良好であり、Dの場合は不良とした。
<評価基準>
5:満足である
4:やや満足である
3:どちらでもない
2:あまり満足でない
1:満足でない
<結果>
A:4.6以上
B:4.1~4.5
C:3.6~4.0
D:3.5以下
【0092】
以下、実施例および比較例について、説明する。
【0093】
[実施例1]
図4に示すように、折り線40を構成する3つの折り線(折り線41、42、43)を、すべて把手構造31の幅方向(Y方向)に直線状に形成した(折り線本数:3本、折り線両端:直線)。実施例1の試験体について、掴みやすさを評価した。結果を表1に示す。
【0094】
[実施例2]
幅方向(Y方向)の両端31A、31B寄りの谷折り線V(折り線42、43)が把手構造31の幅方向(Y方向)の内側に湾曲する以外は、実施例1と同様に試験体を作製し、評価した(折り線本数:3本、折り線両端:曲線)。結果を表1に示す。
【0095】
[実施例3]
図5に示すように、折り線41と折り線42(把手構造31の幅方向(Y方向)の一端31A側に配置された折り線)との間に折り線44を形成され、折り線41と折り線43(把手構造31の幅方向(Y方向)の一端31B側に配置された折り線)との間に折り線45を形成した以外は、実施例1と同様に試験体を作製し、評価した(折り線本数:5本、折り線両端:曲線)。結果を表1に示す。
【0096】
[比較例1]
図6に示すように、把手構造31に折り線を形成しなかった以外は、実施例1と同様に試験体を作製し、評価した(折り線本数:0本、折り線両端:-)。結果を表1に示す。
【0097】
【0098】
表1より、折り線の本数を3本または5本にした試験体は、掴みやすさが良好であった(実施例1~3)。さらに、折り線の両端を曲線にした試験体は、掴みやすさが向上した(実施例2、3)。
【0099】
これに対して、折り線を設けなかった(0本の)試験体」は、掴みやすさが不良であった(比較例1)。
【0100】
これらの結果から、第2帯体の一部で構成され、把手構造の長手方向に延びる少なくとも1つの折り線が形成されている把手構造は、樹脂を減量しても掴みやすいことが分かった。
【0101】
また、一部の実施例(実施例3のみ)について、把手構造31の幅(取手幅)に対する掴みやすさ及び持ち運びの安全性の関係を、以下に示す実験例で確認した。
【0102】
[実験例1]
実施例3において、取手幅を50mmとした。結果を表2に示す。
【0103】
[実験例2]
実施例3をそのまま用いた以外は、実験例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0104】
[実験例3]
実施例3において、取手幅を90mmとした以外は、実験例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0105】
[実験例4]
実施例4において、取手幅を110mmとした以外は、実験例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0106】
【0107】
表2より、取手幅が50mm~110mmの範囲で、掴みやすさは良好であった。また、取手幅が70mm~110mmの範囲で、持ち運びの安全性は良好であった。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。