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  • 特開-画素定義層の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177147
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】画素定義層の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20241212BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20241212BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 71/12 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 71/40 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 59/173 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 85/10 20230101ALI20241212BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20241212BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241212BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241212BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G03F7/40 501
G03F7/38 501
H10K50/84
H10K71/12
H10K71/40
H10K59/122
H10K59/173
H10K71/20
H10K85/10
H10K50/86 865
G03F7/20 501
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/00 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092900
(22)【出願日】2024-06-07
(31)【優先権主張番号】10-2023-0074505
(32)【優先日】2023-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515127979
【氏名又は名称】ドク サン ネオルクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョンサン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン ス
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H196AA28
2H196BA01
2H196DA01
2H196EA02
2H196GA08
2H196HA01
2H196HA03
2H196JA02
2H196JA04
2H197CA05
2H197CE01
2H197HA04
2H197HA05
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC32
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD97
3K107EE27
3K107FF15
3K107GG12
3K107GG26
3K107GG28
5C094AA06
5C094AA08
5C094AA31
5C094AA42
5C094AA43
5C094BA27
5C094ED02
5C094FB01
5C094FB02
5C094GB10
5C094HA05
5C094HA07
5C094HA08
5C094JA08
5C094JA11
5C094JA20
5G435AA02
5G435AA14
5G435AA17
5G435BB05
5G435GG12
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1回のコーティング;プリベーク;露光;現象;後露光;後熱処理工程を介して1つ以上の層を作り、工程時間を減らすことができる着色パターンを電極基板上に実現し、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。
【解決手段】着色剤を含んで、有機発光ダイオードパネルのPDLとCSの2つの層の工程を1つに統一し、現象工程まで終った後のパターンの段差を作るために、フォトマスクのuv活性線透過率を0%(非露光部)、20~50%(Half-tone)、100%(Full-tone)の3つの区間に調整して一度に2つの層を形成することにより工程時間を短縮させる。着色剤を含んで、後熱処理工程まで終った後のHalf-toneの厚みを1.00μm~1.90μmに合わせるために、使用する顔料の大きさが80nm~120nmである顔料分散液を使用するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒度サイズが60nm~140nmの着色剤を含む感光性組成物を塗布及びコーティング;プリベーク;露光;現像;後露光;及び後熱処理;する段階を含む画素定義層の製造方法であって、前記後熱処理段階が200℃~300℃のオーブン温度で30分~120分間行われ、後熱処理段階以後に、Full-toneの厚みが2.80μm~3.20μmであり、Half-toneの厚みが1.00μm~1.90μmであり、残渣がないことを特徴とする画素定義層の製造方法。
【請求項2】
前記着色剤が、無機染料、有機染料、無機顔料及び有機顔料の1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項3】
前記着色剤は、分散剤;または水溶性無機塩及び湿潤剤;を利用して前処理されることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項4】
前記現象段階後、パターンのhalf-toneの厚みが1.40~2.00μmであることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項5】
前記現象段階後、パターンのfull-toneの厚みが3.20~3.42μmであることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項6】
前記プリベーク段階のホットプレート温度が90℃~120℃であることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項7】
前記プリベーク段階が100秒~150秒であることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項8】
前記現象段階が35~55秒であることを特徴とする請求項1に記載の画素定義層の製造方法。
【請求項9】
前記露光段階は、80~110mJ/cmエネルギーを照射することを特徴とする請求項1に記載の画素素定義層の製造方法。
【請求項10】
前記後露光段階は、前記露光段階と同じ190~600nmの活性線を、体面積にマスクなしに100~900mJ/cm露光エネルギーを照射することを特徴とする請求項1に記載の画素素定義層の製造方法。
【請求項11】
前記感光性組成物が、アクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むパターニング用樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の画素素定義層の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の製造方法により製造された画素定義層。
【請求項13】
請求項12に記載の画素定義層を含む有機発光表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部を含む電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物を利用して発光表示装置の画素定義層を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置には液晶表示装置(LCD:Liquid crystal display device)、有機発光表示装置(OLED:Organic light emitting display device)などが広く使用されている。このうち、有機発光表示装置は低電力消費と速い応答速度、そして高色再現率、高輝度及び広い視野角などの長所を有している。
【0003】
前記有機発光表示装置の場合、外光が入射されてパネルから反射される光を遮断するために偏光フィルムを使用するが、前記偏光フィルムをフレキシブルデバイスに適用するには曲げ特性の不足により適していないという短所がある。
【0004】
前記問題点を解決するための方法として、カラーフィルタとブラックマトリックスだけでなく上部基板に光の遮断のための無機膜を形成する方法などが提案されている。しかしながら、前記方法は所望のレベルの反射防止効果を得るに限界があり、偏光フィルムを代替するための方法を具体的に提示していない。
【0005】
一方、着色パターンが赤色、緑色、青色カラーフィルタであって、液晶ディスプレイだけでなく、有機発光ディスプレイでも使用されている。
【0006】
前記着色パターンの製造の時、着色剤として色々な種類の有機顔料等だけでなくカーボンブラック及び無機顔料が使用され、これらが分散されている顔料分散液が他の組成物と混合されてパターンを形成するようになり、有機発光層が蒸着される前、蒸着用金属マスクを支持するためにフォトリソグラフィ工程が追加された後、蒸着工程が進まれる。
【0007】
このようなパターンは外部から透過された光または下部から反射される光を遮断するために適切な厚み(Thickness)のパターンを形成しなければならず、このように形成された画素により作られた有機発光ディスプレイはより鮮明な色を実現することができる。
【0008】
しかし、着色パターンに使用される無機顔料等の粒子が大きいほどパターンの厚みが高くなり、視認性が落ち、粒子が小さいほどパターンの厚みが小さくなり、輝度信頼性低下の原因になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術の問題点を解決しようとして、本発明の一実現例は、無機顔料の大きさを調整してパターン厚みを調整することで、有機発光ディスプレイを実現し、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。
【0010】
さらに他の一実現例は、パネルの損傷を減らすために、2つの層を作るための工程を1つの工程に統合して、工程時間が短い着色パターンを電極基板上に実現し、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。
【0011】
すなわち、光を透過して硬化させるネガティブタイプのフォトマスクに一部区間の透過率を低めて照射量を異なるようにすると、現像後、照射量による硬化度に差が出ながらパターンに段差が生じる。
【0012】
さらに他の一実現例は、前記方法で製造された画素定義層を含む有機発光表示装置を提供するためのものである。
【0013】
さらに他の一実現例は、前記有機発光表示装置を含む電子装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る画素定義層の製造方法は、平均粒度サイズが60nm~140nmの着色剤を含む感光性組成物を塗布及びコーティング;プリベーク;露光;現像;後露光;及び後熱処理;する段階を含む画素定義層の製造方法であって、前記後熱処理段階が200℃~300℃のオーブン温度で30分~120分間行われ、後熱処理段階以後に、Full-toneの厚みが2.80μm~3.20μmであり、Half-toneの厚みが1.00μm~1.90μmであり、残渣がないことが好ましい。
【0015】
前記平均粒度サイズが70nm~130nmであることがより好ましい。
【0016】
前記平均粒度サイズが80nm~120nmであることがさらに好ましい。
【0017】
前記着色剤は、無機染料、有機染料、無機顔料及び有機顔料の1つ以上を含むことが好ましい。
【0018】
前記着色剤は、感光性組成物総量に対して1~40重量%で含まれることが好ましい。
【0019】
前記着色剤は、分散剤;または水溶性無機塩及び湿潤剤;を利用して前処理されることが好ましい。
【0020】
前記現像段階後、half-toneの厚みが1.40~2.00μmであることが好ましい。
【0021】
前記現像段階後、full-toneの厚みが3.20~3.42μmであることがより好ましい。
【0022】
前記後熱処理段階後、パターンのhalf-tone厚みが1.20~1.80μmであることが好ましい。
【0023】
前記後熱処理段階後、パターンのfull-tone厚みが2.90~3.10μmであることがより好ましい。
【0024】
前記プリベーク段階のホットプレート温度が90℃~120℃であることがより好ましい。
【0025】
前記プリベーク段階が100秒~150秒間行われることがより好ましい。
【0026】
前記現像段階が35~55秒間行われることがより好ましい。
【0027】
前記後露光段階で100~900mJ/cmの活性線を照射することがより好ましい。
【0028】
前記後熱処理段階で温度が230~270℃であることがより好ましい。
【0029】
前記感光性組成物は、アクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むパターニング用樹脂を含むことが好ましい。
【0030】
前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量は、3,000g/mol~150,000g/molであることが好ましい。
【0031】
前記カルド系バインダー樹脂は、下記の化学式1の繰り返し構造を含むことが好ましい。
【0032】
【化1】
【0033】
前記化学式1において、
1)R及びRは互いに独立的に、水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基:C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
2)R及びRは隣接した基同士で環を形成することができ、
3)m又はnは互いに独立的に0~4の整数であり、
4)A及びAは互いに独立的に下記の化学式2又は化学式3であり、
【0034】
【化2】
【0035】
前記化学式2及び化学式3において、
4-1)*は連結部位を示し、
4-2)R~Rは互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
4-3)R~Rは隣接する基同士で環を形成することができ、
4-4)Y及びYは互いに独立的に下記の化学式6又は化学式7であり、
【0036】
【化3】
【0037】
前記化学式6及び化学式7において、
4-4-1)*は結合位置を示し、
4-4-2)Rは水素またはメチルであり、
4-4-3)R10~R13は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
4-4-4)L~Lは互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアリレン;C~C30のヘテロ環;C~C30のアルコキシレン;C~C30のアルキレンオキシ;C~C30アリールオキシ基;C~C30のポリエチレンオキシ基であり、
4-4-5)q及びrは互いに独立的に0~3の整数であり;ただし、q+r=3であり、
5)化学式1で表示される繰り返し単位を含む樹脂の高分子鎖内にAとAの比率は9:1~1:9であり、
6)Xは単一結合;O;CO;SO2;CR’R”;SiR’R”;下記の化学式4;または化学式5であり、
6-1)R’及びR”は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基、O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C6~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
(6-2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0038】
【化4】
【0039】
前記化学式4及び化学式5において、
6-3)*は結合位置を示し、
6-4)R~Rは互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
6-5)o及びpは互いに独立的に0~4の整数であり、
7)Xは、C~C30のアリール基、O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基、C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基、C~C20のアルキル基、C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
8)前記R’、R”、X、L~L、R~R及びR10~R13は、それぞれ重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基又はC~C30のアリール基で置換又は非置換シラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールアルコキシ基;C~C30のアルキル基、C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素で置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリールアルキル基;C~C30のアリールアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上の置換基でさらに置換されることができ、隣接した置換基同士で環を形成することができる。
【0040】
前記カルド系樹脂の重量平均分子量は1,000~100,000g/molであることが好ましい。
【0041】
前記カルド系樹脂は、前記感光性組成物の総量に対して1~30重量%で含まれることが好ましい。
【0042】
前記感光性組成物は、その総量に対して1~40重量%の反応性不飽和化合物を含むことが好ましい。
【0043】
前記感光性組成物は、その総量に対して0.01~10重量%の光開始剤を含むことが好ましい。
【0044】
また他の具体例として、本発明は前記製造方法により製造された画素定義層を提供することが好ましい。
【0045】
また他の具体例として、本発明は前記画素定義層を含む有機発光表示装置を提供することが好ましい。
【0046】
また他の具体例として、本発明は前記表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部;を含む電子装置を提供することが好ましい。
【発明の効果】
【0047】
本発明は、適当な厚みの着色パターンを電極基板上に実現して、色相が鮮明なだけでなく、ディスプレイの信頼性及び寿命を高めるためのものである。すなわち、後熱処理後のhalf-toneの厚みが1.90μm超過、あるいは1.00μm未満であれば、後工程での密着性減少、視認性減少、輝度減少、寿命減少の原因になる恐れがあるので、本発明に係る着色剤を含んで、後熱処理工程まで終った後の視認性を高め、輝度減少及び寿命減少を低めるために使用される無機顔料の大きさを80nm~120nmに作るものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】実施例及び比較例の画素定義層の断面を走査電子顕微鏡で撮影して概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加する時、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示されていてもできる限り同一の符号を有する。
【0050】
本発明に関する説明において、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明は省略してもよい。本明細書において言及された「含む」、「有する」、「成る」などが使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数で表現した場合に特別な明示的な記載事項がない限り、複数を含む。
【0051】
また、本発明の構成要素に関する説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質、順番、順序又は個数などが限定されない。
【0052】
構成要素の位置関係の説明において、2つ以上の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されると記載されている場合、2つ以上の構成要素が直接的に「連結」、「結合」または「接続」されることもあるが、2つ以上の構成要素と他の構成要素がさらに「介在」されて「連結」または「接続」されることもあると理解しなければならない。ここで、他の構成要素は互いに「連結」、「結合」または「接続」される2つ以上の構成要素の1つ以上に含まれてもよい。
【0053】
また、層、膜、領域、板などの構成要素が他の構成要素「の上に」または「上に」あるとする場合、これは他の構成要素の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に別の構成要素がある場合も含むと理解されるべきである。逆に、ある構成要素が他の部分の「真上に」あるという場合には、中間にまた別の部分がないことを意味すると理解されるべきである。
【0054】
構成要素や、動作方法や製作方法などに関連した時間的な流れ関係の説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などと時間的な前後関係または流れ的な前後関係が説明される場合、「直ちに」または「直接」が使用されない限り連続的でない場合も含まれる。
【0055】
一方、構成要素に対する数値又はその対応情報が言及された場合、別途の明示的記載がなくても、数値又はその対応情報は各種要因(例:工程上の要因、内部又は外部衝撃、ノイズなど)により発生しうる誤差範囲を含むものと解釈できる。
【0056】
本明細書及び添付の請求の範囲において使用された用語は、本発明の思想を逸脱しない範囲内で、他に言及しない限り下記の通りである。
【0057】
本出願において使用された用語「ハロ」または「ハロゲン」は、別の説明がない限りフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)を含む。
【0058】
本出願において使用された用語「アルキル」または「アルキル基」は、別の説明がない限り単一結合で連結された1~60の炭素を有し、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環族)基、アルキル-置換されたシクロアルキル基、シクロアルキル-置換されたアルキル基をはじめとする飽和脂肪族作用基のラジカルを意味する。
【0059】
本出願において使用された用語「ハロアルキル基」または「ハロゲンアルキル基」は、別の説明がない限りハロゲンが置換されたアルキル基を意味する。
【0060】
本出願において使用された用語「アルケニル」または「アルキニル」は、別の説明がない限りそれぞれ二重結合または三重結合を有し、直鎖型または側鎖型鎖基を含み、2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0061】
本出願において使用された用語「シクロアルキル」は別の説明がない限り3~60の炭素数を有する環を形成するアルキルを意味し、これに限定されるものではない。
【0062】
本出願において使用された用語「アルコキシ基」または「アルキルオキシ基」は酸素ラジカルが結合されたアルキル基を意味し、別の説明がない限り1~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0063】
本出願において使用された用語「アルケンオキシル基」、「アルケンオキシ基」、「アルケニルオキシル基」、または「アルケニルオキシ基」は酸素ラジカルが付着したアルケニル基を意味し、別の説明がない限り2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0064】
本出願において使用された用語「アリール基」及び「アリーレン基」は、別の説明がない限りそれぞれ6~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。本出願においてアリール基またはアリーレン基は単一環形、環集合体、接合された複数の環系化合物などを含む。例えば、前記アリール基はフェニル基、ビフェニルの1価作用基、ナフタレンの1価作用基、フルオレニル基、置換されたフルオレニル基を含み、アリーレン基はフルオレニレン基、置換されたフルオレニレン基を含む。
【0065】
本出願において使用された用語「環集合体(ring assemblies)」は、2つ又はそれ以上の環系(単一環または接合された環系)が単一結合または二重結合により互いに直接連結されており、このような環間の直接連結の数がその化合物に入っている環系の総数より1つ少ないことを意味する。環集合体は同一または異なる環系が単一結合や二重結合により互いに直接連結されることができる。
【0066】
本出願においてアリール基は環集合体を含むので、アリール基は単一芳香族環であるベンゼン環が単一結合により連結されたビフェニル、ターフェニルを含む。また、アリール基は芳香族単一環と接合された芳香族環系が単一結合により連結された化合物も含むので、例えば、芳香族単一環であるベンゼン環と接合された芳香族環系であるフルオレンが単一結合により連結された化合物も含む。
【0067】
本出願において使用された用語「接合された複数の環系」は、少なくとも2つの原子を共有する接合された(fused)環形態を意味し、2つ以上の炭化水素類の環系が接合された形態及び少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環系が少なくとも1つ接合された形態などを含む。このような接合された複数の環系は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環またはこれらの環の組み合わせであってもよい。例えば、アリール基の場合、ナフタレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基などになるが、これに限定されるものではない。
【0068】
本出願において使用された用語「スピロ化合物」は「スピロ連結(spiro union)」を有し、スピロ連結は2つの環が1つの原子のみを共有することにより成る連結を意味する。この時、2つの環に共有された原子を「スピロ原子」といい、1つの化合物に入っているスピロ原子の数に応じてこれらをそれぞれ「モノスピロ-」、「ダイスピロ-」、「トライスピロ-」化合物という。
【0069】
本出願において使用された用語「フルオレニル基」、「フルオレニレン基」、「フルオレントリイル基」は、別の説明がない限り、それぞれ下記の構造においてR、R’、R”及びR’”が全て水素である1価、2価または3価の作用基を意味し、「置換されたフルオレニル基」、「置換されたフルオレニレン基」または「置換されたフルオレントリイル基」は置換基R、R’、R”及びR’”のうち少なくとも1つが水素以外の置換基であることを意味し、RとR’が互いに結合されてこれらが結合された炭素とともにスピロ化合物を形成した場合を含む。本明細書においては、1価、2価、3価などの価数と関係なく、フルオレニル基、フルオレニレン基、フルオレントリイル基を全てフルオレン基と命名することもできる。
【0070】
【化5】
【0071】
また、前記R、R’、R”及びR’”はそれぞれ独立的に、1~20の炭素数を有するアルキル基、1~20の炭素数を有するアルケニル基、6~30の炭素数を有するアリール基、2~30の炭素数を有するヘテロ環基であり、例えば、前記アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンであり、前記ヘテロ環基は、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール,イミダゾール、トリアゾール、ピリジン,ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、インドール、ベンゾフランキナゾリン、キノキサリンであり得る。例えば、前記置換されたフルオレニル基及びフルオレニレン基は、それぞれ9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン及び9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]の1価作用基または2価作用基であり得る。
【0072】
本出願において使用された用語「ヘテロ環基」は「ヘテロアリール基」または「ヘテロアリーレン基」のような芳香族環だけでなく非芳香族環も含み、別の説明がない限りそれぞれ1つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。本出願において使用された用語「ヘテロ原子」は別の説明がない限りN、O、S、PまたはSiを示し、ヘテロ環基はヘテロ原子を含む単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを意味する。
【0073】
例えば、「ヘテロ環基」は環を形成する炭素の代わりに、下記化合物のようにSO、P=Oなどのヘテロ原子団を含む化合物も含んでもよい。
【0074】
【化6】
【0075】
本出願において使用された用語「環」は単一環及び多環を含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0076】
本出願において使用された用語「多環」はビフェニル、ターフェニルなどの環集合体(ring assemblies)、接合された(fused)複数の環系及びスピロ化合物を含み、芳香族だけでなく非芳香族も含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含む。
【0077】
本出願において使用された用語「脂肪族環基」は芳香族炭化水素を除いた環状炭化水素を意味し、単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを含み、別の説明がない限り炭素数3~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。例えば、芳香族環であるベンゼンと非芳香族環であるシクロヘキサンが融合した場合にも脂肪族環に該当する。
【0078】
また、接頭辞が連続して命名される場合、記載された順で置換基が羅列されることを意味する。例えば、アリールアルコキシ基の場合、アリール基で置換されたアルコキシ基を意味し、アルコキシカルボニル基の場合、アルコキシ基で置換されたカルボニル基を意味し、また、アリールカルボニルアルケニル基の場合、アリールカルボニル基で置換されたアルケニル基を意味し、ここで、アリールカルボニル基はアリール基で置換されたカルボニル基である。
【0079】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用された用語「置換または非置換された」において「置換」は重水素、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C~C30のアルキル基、C~C30のアルコキシ基、C~C30のアルキルアミン基、C~C30のアルキルチオフェン基、C~C30のアリールチオフェン基、C~C30のアルケニル基、C~C30のアルキニル基、C~C30のシクロアルキル基、C~C30のアリール基、重水素で置換されたC~C30のアリール基、C~C30のアリールアルケニル基、シラン基、ホウ素基、ゲルマニウム基、及びO、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されることを意味し、これらの置換基に限定されるものではない。
【0080】
本出願において各記号及びその置換基の例として例示されるアリール基、アリーレン基、ヘテロ環基などに該当する「作用基名称」は、「価数を反映した作用基の名称」を記載することもできるが、「母体化合物名称」として記載することもできる。例えば、アリール基の一種である「フェナントレン」の場合、1価の「基」は「フェナントリル(基)」、2価の基は「フェナントリレン(基)」などのように価数を区分して基の名前を記載することもできるが、価数と関係なく母体化合物名称である「フェナントレン」と記載することもできる。
【0081】
同様に、ピリミジンの場合も、価数に関係なく「ピリミジン」と記載するか、1価の場合はピリミジニル(基)と、2価の場合にはピリミジニレン(基)などのように当該価数の「基の名前」として記載することもできる。従って、本出願において置換基の種類を母体化合物名称に記載する場合、母体化合物の炭素原子及び/又はヘテロ原子と結合している水素原子が脱離されて形成されるn価の「基」を意味し得る。
【0082】
また、本明細書においては化合物名称や置換基名称を記載するにおいて、位置を表示する数字やアルファベットなどは省略する場合もある。例えば、ピリド[4,3-d]ピリミジンをピリドピリミジンに、ベンゾフロ[2,3-d]ピリミジンをベンゾフロピリミジンに、9,9-ジメチル-9H-フルオレンをジメチルフルオレンなどのように記載することもできる。従って、ベンゾ[g]キノキサリンやベンゾ[f]キノキサリンを両方ともベンゾキノキサリンと記載することができる。
【0083】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用される化学式は下記化学式の指数定義による置換基定義と同様に適用される。
【0084】
【化7】
【0085】
ここで、aが0の整数である場合、置換基Rは存在しないことを意味するが、すなわち、aが0である場合はベンゼン環を形成する炭素に全て水素が結合されたことを意味し、この時、炭素に結合された水素の表示を省略し、化学式や化合物を記載してもよい。また、aが1の整数である場合、1つの置換基Rはベンゼン環を形成する炭素のうちいずれか1つの炭素に結合し、aが2または3の整数である場合、例えば、以下のように結合でき、aが4~6の整数である場合も、これと類似した方式でベンゼン環の炭素に結合し、aが2以上の整数である場合、Rは互いに同一であるか異なることもある。
【0086】
【化8】
【0087】
本出願において別の説明がない限り、環を形成するということは、隣接する基が互いに結合して単一環または接合された複数の環を形成することを意味し、単一環及び形成された接合された複数の環は、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0088】
また、本明細書において別の説明がない限り、縮合環を表示する時、「数字-縮合環」において数字は縮合される環の個数を示す。例えば、アントラセン、フェナントレン、ベンゾキナゾリンなどのように3つの環が互いに縮合した形態は3-縮合環と表記できる。
【0089】
一方、本出願において使用された用語「架橋環化合物(bridged bicyclic compound)」は別の説明がない限り、2つの環が3つ以上の原子を共有して環を形成した化合物をいう。この時、共有する原子は炭素またはヘテロ原子を含む。
【0090】
本出願において有機電気素子は、正極と負極の間の構成物(ら)を意味するか、正極と負極、そしてその間に位置する構成物(ら)を含む有機発光ダイオードを意味することもできる。
【0091】
また、場合によっては、本出願においての表示装置は、有機電気素子、有機発光ダイオードとこれを含むパネルを意味するか、パネルと回路を含む電子装置を意味し得る。ここで、例えば、電子装置は、照明装置、太陽電池、携帯またはモバイル端末(例:スマートフォン、タブレット、PDA、電子辞書、PMPなど)、ナビゲーション端末、ゲーム機、各種TV、各種コンピュータモニターなどを全て含んでもよく、これに制限されることなく、前記構成物(ら)を含みさえすればいかなる形態の装置であってもよい。
【0092】
以下、本発明の実現例を詳しく説明する。ただし、これは例として提示されるもので、これにより本発明が制限されることではなく、本発明は後述する請求範囲の範疇により定義されるだけである。
【0093】
本発明の一実現例による着色剤(colorant)を含む組成物は、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンまたはブラックマトリックス、画素定義層(PDL)を製造するために使用される。
【0094】
本発明の一実現例によるブラック画素定義層(PDL)は、前述の着色剤に含まれた色材以外の追加色材として有機ブラック顔料またはブラック染料をさらに含んでもよい。例えば、有機顔料を単独で使用するか、有機顔料と着色顔料を混合して使用することができ、この時、遮光性が不足している着色顔料を混合するため、相対的に色材の量が増加しても膜(層)の強度または基板に対する密着性が低下しない長所がある。本発明の一実現例によるネガティブ画素定義層(Negative PDL(Pixel define layer))は、前述の着色剤に含まれた色材の代わりに追加色材としてブラック顔料またはブラック染料を含んでもよい。
【0095】
以下において、各構成要素について具体的に説明する。
【0096】
1. ネガティブ画素定義層の製造工程は次のようである。
【0097】
(1)塗布及びコーティング段階
感光性組成物は低粘度液状試料であり、基材に塗布した後に一定厚さでコーティングするためにスピンコーターまたはスリットコーターを使用する。スピンコーターは回転数が速いほど厚さは減るが、面積での平坦度偏差は減少する長所があり、大面積基材にコーティングをするためにはスピンコーターよりスリットコーターが好ましい。コーティングの後、残留している溶媒により表面に流動性を帯びるようになり、これにより、平坦性が悪くなる短所があり、これを克服するためにVCD(vacuum chamber dry)を使用して溶媒の一部を除去することにより表面での流動性をが低くする。
【0098】
(2)プリベーク段階
前記コーティングされた基材を一定温度及び時間でホットプレートまたはオーブンで加熱してコーティング膜に含まれた溶媒の一部を除去する工程である。コーティング膜の表面または深部が乾燥しないと、次の工程で露光時にフォトマスクの汚染が発生し、紫外線光照射時に露光部に硬化がうまく行われなくなり、未硬化により現像工程でパターンが形成されずに除去される。
【0099】
(3)露光段階
前記プリベーク工程が終了すると、パターンが形成されたフォトマストを利用して活性線(紫外線)を照射して形成された膜を硬化させる工程である。活性線を発生するランプの種類はLEDランプまたは金属(水銀)ランプがあり、波長はg-line(436nm)、h-line(405nm)、i-line(365nm)、Deep UV(<260nm)があり、それぞれまたは混合して使用可能である。
【0100】
(4)現像段階
前記露光段階で活性線照射時にフォトマスクにより露光部と非露光部に区分され、ポジティブ型(Positive type)の場合、露光部は現像液により溶けるようになり、非露光部は現像液に耐えてパターンが残る。ネガティブ型(Negative type)の場合、露光部は硬化して現像液に抵抗を有し、非露光部が現像される。本発明の着色剤を含む組成物で製造されるブラック画素定義層(Black PDL)はネガティブ型であり、露光部(硬化)、非露光部(現像)に区分されてパターンが形成される。
【0101】
(5)後露光段階
前記現像工程が終わると、パターンが形成された基材を、もう一度活性線(紫外線)を照射して形成された膜をさらに硬化させる工程である。活性線を発生するランプ種類は、LEDランプまたは金属(水銀)ランプがあり、波長は、g-line(436nm)、h-line(405nm)、i-line(365nm)、Deep UV(<260nm)があり、各々または混合して使用が可能である。
【0102】
(6)後熱処理段階
前記現像された基材を200℃以上300℃以下の高温で熱を加えて残留している溶媒とフューム(fume)を除去する工程である。該当工程で完璧に溶媒とフュームを除去しないと、後熱処理後の工程でアウトガスが発生して素子に影響を及ぼし、これにより暗点またはピクセル収縮に影響を与える。
【0103】
2.着色剤を含むネガティブ画素定義層を形成する組成物は下記の通りである。
【0104】
(1)パターニング用樹脂
本発明の一実施例によるパターニング用樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、カルド系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0105】
前記アクリル系バインダー樹脂は、第1エチレン性不飽和単量体及びこれと共重合可能な第2エチレン性不飽和単量体の共重合体であって、1つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。
【0106】
前記第1エチレン性不飽和単量体は、1つ以上のカルボキシ基を含むエチレン性不飽和単量体であり、その具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせがある。前記第1エチレン性不飽和単量体は、前記アクリル系バインダー樹脂の総量に対して5重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%で含まれてもよい。
【0107】
前記第2エチレン性不飽和単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリルレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、フェニル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸エステル化合物;2-アミノエチル(メタ)アクリルレイト、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸アミノアルキルエステル化合物、酢酸ビニルなどのカルボキシ酸ビニルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボキシ酸グリシジルエステル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド化合物;が挙げられ、これらを単独で又は2つ以上混合して使用することができる。
【0108】
前記アクリル系バインダー樹脂の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらを単独または2種以上を配合して使用してもよい。前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量は3,000g/mol~150,000g/mol、例えば、5,000g/mol~50,000g/mol、例えば、20,000g/mol~30,000g/molであり得る。
【0109】
カルド系樹脂は、下記化学式1のような繰り返し構造を含む。
【0110】
【化9】
【0111】
前記化学式1において、
1)R及びRは互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基;カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
3)m又はnは互いに独立的に0~4の整数であり、
4)A及びAは互いに独立的に下記化学式2又は化学式3であり、
【0112】
【化10】
【0113】
前記化学式2及び化学式3において、
4-1)*は連結部位を示し、
4-2)R~Rは互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C~C20のアルキル基、C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
4-3)R~Rは隣接する基同士で環を形成することができ、
4-4)Y及びYは互いに独立的に下記化学式6又は化学式7であり、
【0114】
【化11】
【0115】
前記化学式6及び化学式7において、
4-4-1)*は結合位置を示し、
4-4-2)Rは水素またはメチルであり、
4-4-3)R10~R13は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロを含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環の融合環基;C~C20のアルキル基、C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
4-4-4)L~Lは、互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアルキレン;C~C30のアリレン;C~C30のヘテロ環;C~C30のアルコキシレン;C~C30のアルキレンオキシ;C6~C30のアリールオキシ基;C~C20のポリエチレンオキシ基であり、
4-4-5)q及びrは互いに独立的に0~3の整数であり、ただし、q+r=3であり、
5)化学式1で表示される繰り返し単位を含む樹脂の高分子鎖内にAとAの比率は9:1~1:9であり、
6)Xは単一結合;O;CO;SO2;CR’R”;SiR’R”;下記化学式4;又は化学式5であり、
6-1)R’及びR”は互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
6-2)R’及びR”は隣接した基同士で環を形成することができ、
【0116】
【化12】
【0117】
前記化学式4及び5において、
6-3)*は結合位置を示し、
6-4)R~Rは互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
6-5)o及びpは互いに独立的に0~4の整数であり、
7)XはC~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C20のアルキル基;C~C20のアルケニル基;C~C20のアルキニル基;C~C20のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C20のアルコキシカルボニル基であり、
8)前記R’、R”、X、L~L、R~R及びR10~R13はそれぞれ重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基又はC~C30のアリール基で置換又は非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム紀;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールアルコキシ基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素で置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリールアルキル基;C~C30のアリールアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上の置換基でさらに置換されることができ、隣接する置換基同士で環を形成することができる。
【0118】
前記R’、R”、X、L~L、R~R及びR10~R13がアリール基である場合、好ましくは、C~C30のアリール基、より好ましくはC~C18のアリール基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなどであり得る。
【0119】
前記R’、R”、X、L~L、R~R及びR10~R13がヘテロ環基である場合、好ましくは、C~C30のヘテロ環基、より好ましくは、C~C18のヘテロ環基、例えば、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフトベンゾチオフェン、ナプトベンゾフランなどであり得る。
【0120】
前記R’、R”、R~R及びR10~R13がフルオレニル基である場合、好ましくは9,9-ジメチル-9H-フルオレン、9,9-ジフェニル-9H-フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレンなどであり得る。
【0121】
前記L~Lがアリーレン基である場合、好ましくは、C~C30のアリーレン基、よりに好ましくは、C~C18のアリーレン基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなどであってもよい。
【0122】
前記R’、R”、X、R~R及びR10~R13がアルキル基である場合、好ましくは、C~C10のアルキル基であり、例えば、メチル、t-ブチルなどであり得る。
【0123】
前記R’、R”、X、R~R及びR10~R13がアルコキシ基である場合、好ましくは、C~C20のアルコキシ基、より好ましくは、C~C10のアルコキシ基、例えば、メトキシ、t-ブトキシなどであり得る。
【0124】
前記R’、R”、X、L~L、R~R及びR10~R13の隣接する基同士が互いに結合して形成された環は、C~C60の芳香族環基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPの少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C60のヘテロ環基;またはC~C60の脂肪族環基であり、例えば、隣接する基同士が互いに結合して芳香族環を形成する場合、好ましくは、C~C20の芳香族環、より好ましくは、C~C14の芳香族環、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレンなどを形成することができる。
【0125】
前記カルド系樹脂は、例えば、9,9-ビス(4-オキシラニルメトキシフェニル)フルオレンなどのフルオレン含有化合物;ベンゼンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ナフタレンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ビフェニルテトラカルボキシル酸ジ無水物、ベンゾフェノンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ピロメリティックジ無水物、シクロブタンテトラカルボキシル酸ジ無水物、ペリレンテトラカルボキシル酸ジ無水物、テトラヒドロフランテトラカルボキシル酸ジ無水物、テトラヒドロフタル酸無水物などの無水物化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのアルコール化合物;プロピレングリコールメチルエチルアセテート、N-メチルピロリドンなどの溶媒類化合物;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物;及びテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジエチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどのアミン又はアンモニウム塩化合物のうち2つ以上を混合して製造することができる。
【0126】
前記カルド系樹脂の重量平均分子量は、1,000~100,000g/molであり、好ましくは、1,000~50,000g/mol、より好ましくは、1,000~30,000g/molであり得る。前記樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、遮光層製造時に残渣なしにパターン形成がうまく行われ、現像時に膜厚の損失がなく、良好なパターンを得ることができる。前記樹脂は前記感光性樹脂組成物総量に対して1~30重量%、より好ましくは3~20重量%で含まれてもよい。前記樹脂が前記範囲内に含まれる場合、優れた感度、現像性及び付着性(密着性)を得ることができる。
【0127】
(2)反応性不飽和化合物
ネガパターンに必ず必要な反応性不飽和化合物はエチレン性不飽和二重結合を有することにより、パターン形成工程において露光時に十分な重合を起こして耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れたパターンを形成することができる。
【0128】
前記反応性不飽和化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
【0129】
市販中の前記反応性不飽和化合物の製品の例は、次のようである。
【0130】
前記(メタ)アクリル酸の2官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-210、M-240、M-6200などと;日本化薬(株)のKAYARAD HDDA、HX-220、R-604などと;大阪有機化学工業(株)のV-260、V-312、V-335HPなどが挙げられる。
【0131】
前記(メタ)アクリル酸の3官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-309、M-400、M-405、M-450、M-7100、M-8030、M-8060などと;日本化薬(株)のKAYARAD TMPTA、DPCA-20、DPCA-60、DPCA-120などと;大阪有機化学工業(株)のV-295、V-300、V-360などが挙げられる。
【0132】
前記製品を単独使用または2種以上をともに使用することができる。
【0133】
前記反応性不飽和化合物は、より優れた現像性を付与するために酸無水物で処理して使用することもできる。前記反応性不飽和化合物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~40重量%、例えば、1~20重量%で含まれてもよい。前記反応性不飽和化合物が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて信頼性に優れ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れている。
【0134】
(3)光開始剤
フォトリソグラフィでネガパターンを実現するためには、光ラジカル開始剤を使用しなければならない。前記光開始剤は330~380nm領域でのモル吸光係数(molar absorption coefficient)が10,000(L/mol・cm)以上であり、5重量%減量が200℃以下で発生する光開始剤である。ここで、モル吸光係数は、beer-Lambert Lawにより計算できる。また、重量減量はTGAを利用して窒素雰囲気で毎分5℃の速度で300℃まで昇温しながら測定した。
【0135】
前記光重合開始剤は感光性樹脂組成物に一般的に使用される開始剤であり、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物などを使用することができる。
【0136】
前記アセトフェノン系の化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-(モルホリノフェニル)-プタン-1-オンなどが挙げられる。
【0137】
前記ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0138】
前記チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオクサントンなどが挙げられる。
【0139】
前記ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0140】
前記トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’、4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト1-イル)4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(ピぺロニル)-6-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジンなどが挙げられる。
【0141】
前記光開始剤は、前記化合物以外にもカルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、非イミダゾール系化合物などを使用することができる。
【0142】
前記光開始剤は、ラジカル重合開始剤として過酸化物系化合物、アゾビス系化合物などを使用することができる。
【0143】
前記過酸化物系化合物の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;2,4,4-トリメチルペンチル-2-ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルパーオキシ吉草酸n-ブチルエステルなどのジアルキルパーオキサイド類;2,4,4-トリメチルペンチルパーオキシフェノキシアセテート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ-3-メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス-4-t-ブチルシクロへキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシアリルカーボネートなどのパーカーボネート類などが挙げられる。
【0144】
前記アゾビス系化合物の例としては、1,1’-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、α、α’-アゾビス(イソブチルニトリル)及び4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)などが挙げられる。
【0145】
前記光開始剤は、光を吸収して励起状態になった後にそのエネルギーを伝達することにより化学反応を起こす光増減剤と共に使用されてもよい。前記光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート、ジペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。
【0146】
前記光開始剤は、前記感光性組成物総量に対して0.01~10重量%、例えば、0.1~5重量%で含まれてもよい。前記光開始剤が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて優れた信頼性を得ることができ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れ、未反応開始剤による透過率の低下を防ぐことができる。
【0147】
(4)着色剤(Colorant)
前記着色剤としては、有機顔料及び無機顔料、染料の全てが使用可能である。
【0148】
前記着色剤としては、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、黒色顔料などを使用することができる。
【0149】
前記赤色顔料の例としては、C.I.赤色顔料254、C.I.赤色顔料255、C.I.赤色顔料264、C.I.赤色顔料270、C.I.赤色顔料272、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料89などが挙げられる。
【0150】
前記緑色顔料の例としては、C.I.緑色顔料36、C.I.緑色顔料7などのハロゲンが置換された銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0151】
前記青色顔料の例としては、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料15、C.I.青色顔料15:1、C.I.青色顔料15:2、C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4、C.I.青色顔料15:5、C.I.青色顔料16などの銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0152】
前記黄色顔料の例としては、C.I.黄色顔料139などのイソインドリン系顔料、C.I.黄色顔料138などのキノフタロン系顔料、C.I.黄色顔料150などのニッケルコンプレックス顔料などが挙げられる。
【0153】
前記黒色顔料の例としては、ラクタムブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0154】
また、実現例による感光性樹脂組成物内の着色剤は顔料、染料またはこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、前記染料はフタロシアニン系化合物を含んでもよい。
【0155】
前記顔料及び染料は、これらを単独でまたは2つ以上混合して使用してもよく、これらの例に限定されるものではない。
【0156】
これらのうち、遮光層の光遮断を効率的に行うために前記黒色顔料を使用することができる。前記黒色顔料を使用する場合、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料などの色補正剤と共に使用することもできる。
【0157】
前記感光性樹脂組成物に前記顔料を分散させるために分散剤をともに使用することができる。具体的には、前記顔料を分散剤で予め表面処理して使用するか、前記感光性樹脂組成物の製造時に前記顔料と共に分散剤を添加して使用することができる。
【0158】
前記分散剤としては、非イオン性分散剤、陰イオン性分散剤、陽イオン性分散剤などを使用することができる。前記分散剤の具体的な例としては、ポリアルキレングリコール及びそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキサイド付加物、アルコールアルキレンオキサイド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキサイド付加物、アルキルアミンなどが挙げられ、これらを単独で又は2つ以上混合して使用することができる。
【0159】
市販中の前記分散剤の製品の例としては、BYK社のDISPERBYK-101、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171, DISPERBYK-182、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001など;EFKAケミカル社のEFKA-47、EFKA-47EA、EFKA-48、EFKA-49、EFKA-100、EFKA-400、EFKA-450など;Zeneka社のSolsperse5000、Solsperse12000、Solsperse13240、Solsperse13940、Solsperse17000、Solsperse20000、Solsperse24000GR、Solsperse27000、Solsperse28000など;又はAjinomoto社のPB711、PB821などがある。
【0160】
前記分散剤は、前記感光性樹脂組成物総量対比0.1重量%~15重量%で含まれることができる。分散剤が前記範囲内に含まれる場合、組成物の分散性に優れていることから遮光層製造時の安定性、現像性及びパターン性に優れている。
【0161】
前記顔料は、水溶性無機塩及び湿潤剤を利用して前処理して使用することもできる。顔料を前記前処理して使用する場合、顔料の平均粒径を微細化することができる。
【0162】
前記前処理は、前記顔料を水溶性無機塩及び湿潤剤と共にニーディング(kneading)する段階、そして、前記ニーディング段階で得られた顔料を濾過及び水洗する段階を経て行われる。
【0163】
前記ニーディングは、40℃~100℃の温度で行われ、前記濾過及び水洗は水などを使用して無機塩を水洗した後に濾過して行われる。
【0164】
前記水溶性無機塩の例としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0165】
前記湿潤剤は、前記顔料及び前記水溶性無機塩が均一に混合されて顔料を粉砕しやすくする媒介体としての役割を果たし、その例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのようなアルキレングリコールモノアルキルエーテル;エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンポリエチレングリコールなどのアルコールなどが挙げられ、これらを単独で又は2つ以上を混合して使用することができる。
【0166】
前記ニーディング段階を経た顔料は、D10~D90の平均値が60nm~120nm、好ましくは70nm~130nm、より好ましくは80nm~120nmの平均粒径を有することができる。顔料の平均粒径が前記範囲内である場合、耐熱性及び耐光性に優れながらも微細なパターンを効果的に形成することができる。すなわち、無機または有機顔料粒子の大きさが前記範囲を超過すれば、現像工程後、残渣が発生して視認性及び輝度が低下する。また、無機顔料粒子の大きさが前記範囲未満であれば、画素収縮(pixel shrinkage)による輝度減少と寿命減少の原因になることができる。
【0167】
前記顔料は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~40重量%、より詳しくは2~30重量%で含まれてもよい。前記顔料が前記範囲内で含まれる場合、色再現率に優れ、パターンの硬化性及び密着性に優れている。
【0168】
(5)溶媒
前記溶媒は、前記カルド系樹脂、前記反応性不飽和化合物、前記顔料、前記カルド系化合物及び前記開始剤との相溶性を有するものの、反応しない物質が使用される。
【0169】
前記溶媒の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチルグリコールモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチルなどのオキシ酢酸アルキルエステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチルなどのアルコキシ酢酸アルキルエステル類;3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチルなどの3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルなどの3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピルなどの2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチルなどの2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類;2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチルなどのエステル類;ピルビン酸エチルなどのケトン酸エステル類などがある。
【0170】
また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジへキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、オキサル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒も使用されることができる。
【0171】
前記溶媒のうち相溶性及び反応性を考慮して、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類を使用することができる。
【0172】
前記溶媒は、前記感光性樹脂組成物総量に対して残部量として含まれることができ、具体的には、40~90重量%で含まれる。前記溶媒が前記範囲内で含まれる場合、前記感光性樹脂組成物が適切な粘度を有することによりパターン層の製造時の工程性に優れている。
【0173】
(6)その他の添加剤
前記感光性組成物は、塗布時にシミや斑点を防止し、レベリング性能を改善するために、また未現像による残渣の生成を防止するために、マロン酸;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むシラン系カップリング剤;レベリング剤;フッ素系界面活性剤;ラジカル重合開始剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0174】
例えば、前記感光性樹脂組成物は、基板との密着性などを改善するためにビニル基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシラン系カップリング剤をさらに含んでもよい。
【0175】
前記シラン系カップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γイソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、βエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0176】
前記シラン系カップリング剤は、前記感光性樹脂組成物100重量部に対して0.01重量部~10重量部で含まれてもよい。シラン系カップリング剤が前記範囲内で含まれる場合、密着性、保存性などに優れている。
【0177】
また、前記感光性樹脂組成物は、必要に応じてコーティング性向上及び欠点生成防止の効果のために界面活性剤、例えば、フッ素系界面活性剤をさらに含んでもよい。
【0178】
前記フッ素系界面活性剤としては、BM Chemie社のBM-1000(登録商標)、BM-1100(登録商標)など;大日本インキ化学工業(株)のメガファックF142D(登録商標)、同F172(登録商標)、同F173(登録商標)、同F183(登録商標)など;住友スリーエム(株)のフロラードFC-135(登録商標)、同FC-170C(登録商標)、同FC-430(登録商標)、同FC-431(登録商標)など;旭硝子(株)のサーフロンS-112(登録商標)、同S-113(登録商標)、同S-131、同S-141、同S-145など;ドレイシリコン(株)のSH-28PA(登録商標)、同-190(登録商標)、同-193(登録商標)、SZ-6032(登録商標)、SF-8428(登録商標)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を使用してもよい。
【0179】
前記界面活性剤は感光性樹脂組成物100重量部に対して0.001重量部~5重量部で使用されてもよい。界面活性剤が前記範囲内で含まれる場合、コーティング均一性が確保され、シミが発生せず、ガラス基板に対する湿潤性(wetting)に優れている。また、前記感光性樹脂組成物は物性を阻害しない範囲内で酸化防止剤、安定剤などのその他の添加剤が一定量添加されることもできる。
【0180】
他の一実現例は、前述の感光性樹脂組成物を利用して有機発光素子電極の画素分離部にパターニングすることができる。
【0181】
以下、本発明に係る合成例及び実施例を具体的に記載するが、本発明の合成例及び実施例がこれに限定されるものではない。
【0182】
合成例1:(化学式8の9,9-Bis[4-(glycidyloxy)phenyl]fluoreneの製造)
9,9’-ビスフェノールフルオレン20g(Sigma aldrich社)、グリシジルクロライド(Sigma aldrich社)8.67g及び無水炭酸カリウム30gをジメチルホルムアミド100mlと蒸留管が設置された300mlの三つ口丸底フラスコに入れ、80℃に昇温して4時間反応させた後、温度を25℃に下げて反応液を濾過後、濾過液を1000mlの水に撹拌して滴加した後、析出した粉末を濾過してから水で洗浄し、40℃で減圧乾燥して、下記化学式8の9,9-Bis[4-(glycidyloxy)phenyl]fluoreneの25gを得ることができた。得られた粉末はHPLCで、純度分析の結果、98%の純度を示した。
【0183】
【化13】
【0184】
合成例2:カルド系バインダー樹脂の製造
合成例1から得られた化合物1を25g(54mmol)、アクリル酸8g(Daejung Chemicals & Metals)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.2g(Daejung Chemicals & Metals)及びヒドロキノン0.2g(Daejung Chemicals & Metals)をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート52g(Sigma aldrich社)とともに蒸留管が設置された300mlの三つ口丸底フラスコに入れ、110℃で6時間撹拌した。反応終了後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8g(Mitsubishi Gas社)及びテトラヒドロフタル酸1.8g(Sigma aldrich社)を追加した後、再び110℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液を回収して分析した結果、分子量4,580の固形分45%であるカルド系バインダー樹脂を得ることができた。
【0185】
製造例1:黒色顔料分散液の製造
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk163 8.5g(BYK社)、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して8時間分散させて分散液を得ることができた。該分散液は、粒度分析器(SZ-100Z、HORIBA社)を介して平均粒度(Mean)119.7nmサイズを確認できた。
【0186】
製造例2:黒色顔料分散液の製造
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk-163(BYK社)8.5g、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して9時間分散させて分散液を得ることができた。該分散液は、粒度分析器(SZ-100Z、HORIBA社)を介して平均粒度(Mean)105.6nmサイズを確認できた。
【0187】
製造例3:黒色顔料分散液の製造
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk 163 8.5g(BYK社)、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して10時間分散させて分散液を得ることができた。該分散液は、粒度分析器(SZ-100Z、HORIBA社)を介して平均粒度(Mean)81.8nmサイズを確認できた。
【0188】
製造例4:黒色顔料分散液の製造
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk 163 8.5g(BYK社)、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して7時間分散させて分散液を得ることができた。該分散液は、粒度分析器(SZ-100Z、HORIBA社)を介して平均粒度(Mean)136.8nmサイズを確認できた。
【0189】
製造例5:黒色顔料分散液の製造
Irgaphor Black S 100 CF(黒色顔料/BASF社)15g、Disperbyk 163 8.5g(BYK社)、及びSR-3613(SMS社)6.5gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと共に直径0.5mmのジルコニアビーズ100g(Toray社)のペイントシェーカー(浅田社)を利用して11時間分散させて分散液を得ることができた。該分散液は、粒度分析器(SZ-100Z、HORIBA社)を介して平均粒度(Mean)75.3nmサイズを確認できた。
【0190】
下記の表1のような組成で感光性組成液を製造した。
【0191】
具体的に、溶媒に開始剤を溶かした後、常温で攪拌した後、これにバインダー樹脂及び重合性化合物を添加して常温で攪拌した。続いて、得られた前記反応物に着色剤及びその他の添加剤を入れて常温で攪拌した。続いて、前記生成物を3回濾過して不純物を除去することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
【0192】
【表1】
【0193】
前記感光性組成物を利用したネガティブ画素定義層(negative PDL)の製造方法は次の通りである。
【0194】
(1)塗布及びコーティング段階
感光性組成物を洗浄した10cm*10cm金属が蒸着された基材にスピンコーターを利用して一定の厚みで塗布した後、VCD(vacuum chamber dry)を使用して溶媒の一部を除去することで塗膜を形成する。前記感光性組成物のコーティング厚みは、VCD後に3.3マイクロメートル~3.5マイクロメートルの厚みで膜を形成する。
【0195】
(2)プリベーク段階
前記得られた塗膜内に含有している溶媒を除去するために、ホットプレート(hot plate)の上で80℃~120℃で50秒~200秒間加熱する。該当工程で一定量の溶媒を除去することにより、次の工程(露光)段階時にピクセル形態のマスク汚染を減らし、きれいな形態のパターンを作ることができる。
【0196】
(3)露光段階
前記得られた塗膜に必要なパターン形成及び一定の厚さを得るためにピクセル形態のマスクを介在した後、露光機を利用して190nm~600nmの活性線、好ましくは、ghi-lineを有するメタルまたはLEDランプの光源を照射してパターンを形成することができる。パターン形成のために照射される露光量は20~150mJ/cmであり、形成されるネガティブタイプのフォトレジスト材料である。露光の際に使用されるフォトマスクの透過率は、0%(非露光部)、20~50%(Half-tone)、100%(Full-tone)の3つの区間の透過率を有してパターンを形成した。
【0197】
(4)現像段階
前記露光段階に続き、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)2.38wt%現像液により23±2℃で一定時間(分)浸漬(dipping)方法で30~60秒で現像した後、超純水(DI water)を利用して水洗すれば、非露光部分を溶解させて除去することにより露光部分だけを残存させて画像パターンを形成させ、塗膜の厚みは、Half-tone基準に1.30~1.95μm、Full-tone基準に3.20~3.40μmである。
【0198】
(5)後露光段階
前記現像段階に続き、後熱処理後、パターンが崩れることを防止するために、フォトマスクなしに全面積を光気を介して190nm~600nmの活性線、好ましくはghi-lineを有するメタルまたはLEDランプの光源を照射して塗膜の強度を高めることができる。強度を高めるために照射される露光量は、50~1,000mJ/cmである。
【0199】
(6)後熱処理段階
前記後露光処理により得られた画像パターンを得るために、オーブンで200~300℃、30分~120分間後熱処理(post baking)を行って溶剤を完全に除去し、パターンを硬化させて成膜を形成した後、走査顕微鏡で測定する。
【0200】
(7)パターン及びテーパ角度分析
感光性組成物で上記の(1)ないし(6)段階を経て基板にパターンを形成した後、走査電子顕微鏡(JEOL社)を利用して無機顔料の平均粒度の大きさ別パターン断面(half-tone)の厚みを比較した。
【0201】
(8)粒度測定
前記製造例1~5で作られた顔料分散液をPGMEA溶媒に3,000倍希釈して測定サンプルを製作し、HORIBA社のSZ-100Zで各々粒度を測定した。測定の際、D10、D50、D90値を得ており、全体の平均であるmean値で平均顔料サイズを定義した。
【0202】
【表2】
【0203】
前記無機顔料の平均粒度サイズ別に形成されたパターンの下部及び上部パターン断面の厚みを測定及び比較した。前記表2の比較例1を参照すれば、大きいsizeの粒度のため、half-toneの厚みは、1.91μm、full-toneの厚みは、3.22μmで、多少高いことが確認できた。Half-toneの厚みが1.90μm超過になると、照度が増加し、残渣が発生して視認性が落ちるという短所が発生する。
【0204】
前記比較例2を参照すれば、比較例1と反対の傾向を確認することができ、小さいsizeの粒度のため、half-toneの厚みは、0.99μm、full-toneの厚みは、2.78μmで、低いことが確認できた。Half-tone PDLの厚みが1.00μm未満になると、光遮断の側面から見た場合、下部TFT電極から反射される光を完壁に遮断しないため、色干渉または輝度が低くなるという短所が発生する。
【0205】
したがって、Half-toneの厚みは、必ず1.00μm~1.90μmの厚み維持が必要である。前記実施例1ないし3を参照すれば、無機顔料平均粒度の大きさが80nm~120nmであり、Full-toneの厚みが2.90μm~3.10μm、Half-toneの厚みが1.20μm~1.80μmである。前記実施例1ないし3は、残渣がないことが確認できた。
【0206】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な変形が可能である。
【0207】
従って、本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例により本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1