IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特開2024-177175バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車
<>
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図1
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図2
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図3
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図4
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図5
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図6
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図7
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図8
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図9
  • 特開-バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177175
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/213 20210101AFI20241212BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20241212BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/55 201
H01M50/291
H01M50/244 A
H01M50/507
H01M50/271 Z
H01M50/503
H01M50/271 S
H01M50/242
H01M50/249
H01M50/588
H01M50/593
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024152291
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2022528281の分割
【原出願日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0073140
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ブム・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ユン・クム
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ファン・シン
(57)【要約】
【課題】部品数を減らし、エネルギー密度及び製造効率を高めたバッテリーパックを提供する。
【解決手段】本発明は、部品数を減らし、エネルギー密度及び製造効率を高めたバッテリーパックを開示する。上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーパックは、電極端子が上部に位置して上下方向に立てられた形態であり、少なくとも一方向に配列された複数の電池セルと、複数の電池セルを収容する収容空間を有し、複数の電池セルのそれぞれの下部が内面に接着されたパックハウジングと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極端子が上部に位置して上下方向に立てられた形態であり、少なくとも一方向に配列された複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容する収容空間を有し、前記複数の電池セルのそれぞれの下部が内面に接着されたパックハウジングと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記パックハウジングは、接着剤が収容された複数の固定突起であって、前記複数の電池セルのそれぞれの下部が挿入された複数の固定突起を備える、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記パックハウジングの内部には、前記複数の電池セルの側部をそれぞれ囲むように充填材が充填される、請求項1又は2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記パックハウジングは、前記複数の電池セルを内部に収容する下部フレームと、前記下部フレームと結合され、前記複数の電池セルの上部に位置する上部フレームと、を備え、
前記バッテリーパックは、前記上部フレーム上に載置された複数のバスバーであって、前記複数の電池セルの電極端子とそれぞれ接触するように構成された複数のバスバーをさらに含み、
前記バスバーには、複数の伝導性ワイヤが備えられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記上部フレームには、前記複数の電池セルの電極端子のそれぞれの一部分を覆うように、前記電極端子に向かって突出した突出部が備えられる、請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーパックは、
前記パックハウジングの内部下面、内部上面、及び内部側面のうちいずれか一つ以上に固定された補強部材をさらに含み、
前記補強部材は、
前記内部側面に向かって延びた本体部と、
前記本体部の両端部のそれぞれから前記パックハウジングの内部側面と対面するように折り曲げられ、前記パックハウジングの内部側面に接合された折曲部と、
を備える、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記補強部材は、
前記充填材が内部に充填されるように前記本体部の一部分が内側に凹んだ収容溝と、
前記充填材が収容されるように前記折曲部の一部分が打ち抜かれた結合孔と、
を備える、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記補強部材は、それぞれ一方向に延びて互いに所定の距離で離隔して離隔空間を形成する一対のプレートを備え、
前記一対のプレートには、それぞれ前記一対のプレート同士の間の内部空間と外部とが連通するように構成された開口が備えられ、
前記一対のプレート同士の間の内部空間には、前記充填材が充填される、請求項6又は7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含む、電子デバイス。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車に関し、より詳しくは、部品数を減らし、エネルギー密度及び製造効率を高めたバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2020年6月16日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0073140号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化されるにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、例えば電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
そのうち、缶型二次電池は、電極組立体が収納される金属缶を円筒型に製作する場合がある。従来のバッテリーモジュールは、複数の二次電池を収容するモジュールケース、及び複数の缶型二次電池を電気的に接続するように構成されたバスバーを備え得る。
【0008】
また、従来、バッテリーパックは、このような複数の二次電池を1次的にモジュールケースの内部に収容し、複数の二次電池を収容したモジュールケースをパックハウジングにさらに収納した後、パックハウジングとモジュールケースとを結合する過程を経て製造した。
【0009】
しかし、このようにバッテリーパックがモジュールケースとパックハウジングを二つとも備える場合、パックのエネルギー密度が低下し、製造過程が複雑になり、また、製造コストが嵩む要因になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、部品数を減らし、エネルギー密度及び製造効率を高めたバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーパックは、
電極端子が上部に位置して上下方向に立てられた形態であり、少なくとも一方向に配列された複数の電池セルと、
複数の電池セルを収容する収容空間を有し、複数の電池セルのそれぞれの下部が内面に接着されたパックハウジングと、
を含む。
【0013】
また、パックハウジングは、接着剤が収容された複数の固定突起であって、複数の電池セルのそれぞれの下部が挿入された複数の固定突起を備え得る。
【0014】
さらに、パックハウジングの内部には、複数の電池セルの側部をそれぞれ囲むように充填材が充填され得る。
【0015】
そして、パックハウジングは、複数の電池セルを内部に収容する下部フレームと、下部フレームと結合され、複数の電池セルの上部に位置する上部フレームと、を備え得る。
【0016】
また、バッテリーパックは、上部フレーム上に載置された複数のバスバーであって、複数の電池セルの電極端子とそれぞれ接触するように構成された複数のバスバーをさらに含み、バスバーには複数の伝導性ワイヤが備えられ得る。
【0017】
さらに、上部フレームには、複数の電池セルの電極端子のそれぞれの一部分を覆うように、電極端子に向かって突出した突出部が備えられ得る。
【0018】
そして、バッテリーパックは、パックハウジングの内部下面、内部上面及び内部側面のうちいずれか一つ以上に固定された補強部材をさらに含み得る。
【0019】
さらに、補強部材は、
内部側面に向かって延びた本体部と、
本体部の両端部のそれぞれからパックハウジングの内部側面と対面するように折り曲げられ、パックハウジングの内部側面に接合された折曲部と、
を備え得る。
【0020】
また、補強部材は、
充填材が内部に充填されるように本体部の一部分が内側に凹んだ収容溝と、
充填材が収容されるように折曲部の一部分が打ち抜かれた結合孔と、
を備え得る。
【0021】
さらに、補強部材は、それぞれ一方向に延びて互いに所定の距離で離隔して離隔空間を形成する一対のプレートを備え、
一対のプレートには、それぞれ一対のプレート同士の間の内部空間と外部とが連通するように構成された開口が備えられ、
一対のプレート同士の間の内部空間には、充填材が充填され得る。
【0022】
そして、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様による電子デバイスは、上述したバッテリーパックを含む。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、上述したバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、複数の電池セルを収容し、複数の電池セルのそれぞれの下部が内面に接着されたパックハウジングを含むことで、別途のモジュールケースなしに、複数の電池セルの下部をパックハウジングに直接固定できるため、製造工程を簡素化し、部品数を減らし、エネルギー密度を高め、さらに製造コストを節減することができる。
【0025】
さらに、本発明の一態様によれば、パックハウジングの内部に複数の電池セルの側部をそれぞれ囲むように充填材が充填されることで、複数の電池セル同士の間の短絡を防止することができる。さらに、バッテリーパックの使用中に外部衝撃または異常作動によって、複数の電池セルのうちいずれかが発火し、電池缶の側部から破裂及び火炎が発生する場合、発火した電池セルに隣接した複数の電池セルに火炎や高温のガスが伝達されて熱暴走や連鎖発火が起きることを予め防止することができる。すなわち、充填材は、複数の電池セル同士の間の熱移動を遮断する役割を果たすことができる。
【0026】
そして、本発明の一態様によれば、パックハウジングの内部下面、内部上面及び内部側面のうちいずれか一つ以上に固定された補強部材をさらに含むことで、振動や外部衝撃によるパックハウジングの変形を効果的に防止することができる。すなわち、補強部材は、複数の電池セルの荷重によるパックハウジングの変形を防止することができる。特に、補強部材は、パックハウジングが上下方向に撓む変形を効果的に防止することができる。
【0027】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図である。
図3】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した平面図である。
図4図3のC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
図5】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
図8】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した平面図である。
図9】本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの補強部材を概略的に示した部分斜視図である。
図10】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックの補強部材を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0030】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示した斜視図であり、図2は本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図である。参考までに、図1のX軸方向が右方向であり、Y軸方向が後方向であり、Z軸方向が上方向である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本発明は、バッテリーパック200は、複数の電池セル100、及びパックハウジング210を含み得る。
【0033】
ここで、電池セル100は、上下方向に立てられた形態であり得る。電池セル100の上部には電極端子が備えられ得る。
【0034】
具体的には、電池セル100は、円筒型電池セルであり得る。電池セル100は、電池缶116、及び電池缶116の内部に収容された電極組立体(図示せず)を含み得る。電池缶116の本体には負極端子112が形成され、電池缶116の上部に結合された電池キャップには正極端子111が形成され得る。
【0035】
さらに、複数の電池セル100は、少なくとも一方向に配列され得る。複数の電池セル100は、所定の間隔で離隔して配列され得る。例えば、図1のF方向から眺める場合、複数の電池セル100は前後方向と左右方向に配列され得る。
【0036】
一方、本明細書において、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語は、観測者の位置や対象が置かれた形態によって変わり得る。ただし、本明細書では、説明の便宜上、F方向から眺めたときを基準にして、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示すことにする。
【0037】
さらに、複数の電池セル100は、例えば、約3mmの間隔で離隔して配置され得る。また、一つの行に位置した複数の電池セル100と他の一つの行に位置した複数の電池セル100とは、前後方向の位置が互いにずれるように配置され得る。そして、一つの列に位置した複数の電池セル100と他の一つの列に位置した複数の電池セル100とは、左右方向の位置が互いにずれるように配置され得る。すなわち、複数の電池セル100は、全体的に前後左右でジグザグに配置された形態であると言える。
【0038】
また、パックハウジング210は、複数の電池セル100を収容する収容空間を有し得る。パックハウジング210は、図2を参照すると、複数の電池セル100を内部に収容可能な内部空間を形成し得る。
【0039】
具体的には、パックハウジング210は、内部上壁、内部側壁、及び内部下壁を備え得る。下壁の上面には、複数の電池セル100のそれぞれの下部が接着され得る。このとき、接着剤230を用いて電池セル100の下部をパックハウジング210の内側底面214aに接着し得る。
【0040】
具体的には、接着剤230は、パックハウジング210の内部に注入された後、固化した接着剤230であり得る。接着剤230は、電気絶縁性を有し得る。接着剤230は、グルー(glue)またはホットメルト樹脂(hot-melt resin)であり得る。例えば、接着剤230は、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びアクリル系樹脂のうち少なくとも一つを含み得る。
【0041】
したがって、本発明のこのような構成によれば、複数の電池セル100を収容し、複数の電池セル100のそれぞれの下部が内面に接着されたパックハウジング210を含むことで、別途のモジュールケースなしに、複数の電池セル100の下部をパックハウジング210に直接固定できるため、製造工程を簡素化し、部品数を減らし、エネルギー密度を高め、さらに製造コストを節減することができる。
【0042】
図3は本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した平面図であり、図4図3のC-C’線に沿った概略的な縦断面図である。
【0043】
図2とともに図3及び図4を参照すると、パックハウジング210の内側底面には、複数の電池セル100の下部が挿入されるように構成された複数の固定突起Pが備えられ得る。固定突起Pは、複数の電池セル100の載置位置をガイドするように、パックハウジング210の内面から電池セル100に向かって(上方に)突出した形態を有し得る。
【0044】
すなわち、固定突起Pは、電池セル100の下端部の外周部を囲むように、平面上で円形状であり得る。また、円形の固定突起Pの内部に一つの電池セル100が搭載され得る。
【0045】
また、固定突起Pには接着剤230が収容され得る。接着剤230は、複数の電池セル100それぞれの下部と固定突起Pの内面との間を接着するように構成され得る。
【0046】
したがって、本発明のこのような構成によれば、パックハウジング210の内面に固定突起Pが備えられることで、複数の電池セル100を正位置に配置し易いだけでなく、パックハウジング210の内面と複数の電池セル100との間の接着面積を増やすことができ、接着力を効果的に向上させることができる。
【0047】
さらに、固定突起Pに接着剤230を収容することができ、無駄使いなく、少量の接着剤230を用いて複数の電池セル100を固定することができる。これにより、バッテリーパック200の製造コストを低減することができる。
【0048】
図5は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0049】
図2とともに図5を参照すると、本発明のバッテリーパック200のパックハウジング210は、内部に充填された充填材240をさらに含み得る。パックハウジング210には、電池セル100の上部に位置した電極端子が覆われないように充填材240が充填され得る。すなわち、充填材240は、電池セル100の水平方向の側部を囲むようにパックハウジング210の内部に充填され得る。
【0050】
また、充填材240は、パックハウジング210の内部に充填された後、硬化するように構成された高分子樹脂であり得る。例えば、充填材240は、エポキシ樹脂であり得る。
【0051】
したがって、本発明のこのような構成によれば、パックハウジング210の内部に複数の電池セル100の側部を囲むように充填材240が充填されることで、複数の電池セル100同士の間の短絡を防止することができる。さらに、バッテリーパック200の使用中に外部衝撃または異常作動によって、複数の電池セル100のうちいずれかが発火し、電池缶の側部から破裂及び火炎が発生する場合、発火した電池セル100に隣接した複数の電池セル100に火炎や高温のガスが伝達されて熱暴走や連鎖発火が起きることを予め防止することができる。すなわち、充填材240は、複数の電池セル100同士の間の熱移動を遮断する役割を果たすことができる。
【0052】
一方、図1及び図2をさらに参照すると、本発明のパックハウジング210は、下部フレーム214及び上部フレーム212を備え得る。具体的には、下部フレーム214は、複数の電池セル100を内部に収容する収容空間が形成されるように、複数の電池セル100が固定される下壁214c、及び下壁214cの外周縁部から上方に延びた側壁214dを備え得る。側壁214dの高さは、電池セル100の高さに対応する。
【0053】
複数の電池セル100は、下部フレーム214の内側底面214a、すなわち下壁214cの上面に固定される。下部フレーム214内に充填材240を満たし、下部フレーム214上に固定された複数の電池セル100同士の間に充填材240を介在させる。充填材240は、電池セル100の上端に備えられる正極端子111及び負極端子112を覆わないように充填される。
【0054】
また、上部フレーム212は、充填材240が満たされた下部フレーム214上に結合される。すなわち、上部フレーム212は、下部フレーム214の側壁214dの上端と結合され得る。上部フレーム212は、複数の電池セル100の上部に位置し得る。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した部分平面図である。図6には、バスバー250と複数の電池セル100とが電気的に接続された様子を示すため、バスバー250と複数の電池セル100のみが示され、他の構成は示されていない。
【0056】
図2とともに図6を参照すると、本発明のバッテリーパック200は、複数のバスバー250をさらに含み得る。バスバー250は、複数の電池セル100同士の間を電気的に接続するように構成され得る。バスバー250は、伝導性金属を含み得る。バスバー250は、例えば、銅、ニッケル及びアルミニウムのうち少なくとも一つを含み得る。
【0057】
また、複数のバスバー250は、上部フレーム212上に載置され得る。バスバー250は、複数の電池セル100の電極端子とそれぞれ接触するように構成され得る。例えば、バスバー250は、複数の電池セル100に沿って長く延びた本体プレート251、及び複数の伝導性ワイヤ252を備え得る。
【0058】
さらに、上部フレーム212には、複数の電池セル100の上部が外部に露出するように、打ち抜かれた露出部T2が備えられ得る。
【0059】
そして、本体プレート251と伝導性ワイヤ252とは互いに連結され得る。伝導性ワイヤ252は、上部フレーム212の露出部T2を通して複数の電池セル100の上部に形成された正極端子111または負極端子112と接触し得る。バスバー250は、複数の電池セル100同士を電気的に直列及び/または並列で接続できる。
【0060】
本発明の電池セル100は、一対の電極端子111、112が同じ方向に備えられた構造を有する。このような構造は、電気的接続を簡素化することができる。また、このような構造は、電極端子111、112が形成された面の反対側の面を冷却フレーム260上に直接結合した構造を適用可能にする。上述したように、本発明に適用される電池セル100の正極端子111及び負極端子112はすべて電池セル100の一側に備えられる。例えば、電池セル100が円筒型電池セルである場合、電池缶116の上端の周縁領域が負極端子112として機能し、電池缶116の上端開口部を覆う電池キャップが正極端子111として機能する。電池缶116の上端の周縁領域は、例えば、電池缶116の上端開口部を覆い、正極端子111として機能する電池キャップを固定するために形成される圧着部(crimping portion)の上面を意味し得る。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、バスバー250が複数の伝導性ワイヤ252を備えることで、複数の電池セル100の上部に備えられた電極端子111、112と精密に接触できる。すなわち、バスバー250は、複数の電池セル100同士の間に短絡が発生しないように構成される必要がある。ただし、複数の電池セル100の正極端子111と負極端子112との間の距離が非常に近い場合は、バスバー250と電極端子との間の精密な連結作業が必要となる。本発明によれば、伝導性ワイヤを通じてバスバー250が電極端子同士の間を精密に連結でき、短絡による爆発や火災の発生を減らすことができる。
【0062】
さらに、本発明のバッテリーパックは、図1及び図2に示されたように、上部カバー216をさらに備え得る。上部カバー216は、複数のバスバー250の上部を覆うことで、他の伝導性導体がバスバー250と接触することを防止することができる。上部カバー216は、水平方向に延びたプレート状であり得る。
【0063】
図7は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した部分平面図である。
【0064】
図2及び図6とともに図7を参照すると、本発明のパックハウジング210の上部フレーム212は、複数の電池セル100の電極端子の一部分を覆うように構成された突出部Kを備え得る。すなわち、突出部Kは、正極端子111及び/または負極端子112の一部分を覆うように突出し得る。突出部Kは、露出部T2内で電極端子に向かって突出した形態を有し得る。
【0065】
例えば、図7に示されたように、複数の突出部Kのうちいずれか一つは、電池セル100の上部に備えられた負極端子112の一部が上部に露出しないように突出して延びた形態を有し得る。そして、他の一つは、電池セル100の上部に備えられた正極端子111の一部が上部に露出しないように突出して延びた形態を有し得る。
【0066】
例えば、バスバー250の複数の伝導性ワイヤ252のうち、正極端子111との接触が必要な伝導性ワイヤ252と隣接した上部フレーム212の一部分には、伝導性ワイヤ252が負極端子112と接触する可能性を減らすため、負極端子112の一部を覆うように突出した突出部Kが備えられ得る。
【0067】
逆に、バスバー250の複数の伝導性ワイヤ252のうち、負極端子112との接触が必要な伝導性ワイヤ252と隣接した上部フレーム212の他の一部分には、伝導性ワイヤ252が正極端子111と接触する可能性を減らすため、正極端子111の一部を覆うように突出した突出部Kが備えられ得る。
【0068】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部フレーム212には、複数の電池セル100の電極端子の一部分を覆うように、電極端子に向かって突出した突出部Kが備えられることで、バスバー250と電極端子とを連結する作業中に発生し得る電池セル100同士間の短絡の危険を効果的に低減することができる。これにより、バッテリーパック200の製造効率が高くなって、製造過程で事故の発生を効果的に減らすことができる。
【0069】
図8は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示した平面図である。
【0070】
図2とともに図8をさらに参照すると、本発明のバッテリーパック200は、補強部材220をさらに含み得る。具体的には、補強部材220は、パックハウジング210の内部に位置し得る。補強部材220は、パックハウジング210の内面に固定され得る。ここで、補強部材220がパックハウジング210に固定される方法は多様であり得るが、例えば、溶接、接着などであり得る。補強部材220は、機械的剛性に優れた金属であり得る。例えば、補強部材220は、ステンレス鋼、鋼鉄、またはアルミニウム合金などであり得る。
【0071】
特に、補強部材220は、パックハウジング210の内部下面、内部上面及び内部側面のうちいずれか一つ以上に固定され得る。例えば、補強部材220は、パックハウジング210の内部を左右方向に横切るように延びた形態であり得る。補強部材220の上部は、内部上面に固定され、補強部材220の下部は内部下面に固定され得る。
【0072】
さらに、補強部材220は、屈曲した形態B1を有し得る。すなわち、屈曲した形態B1は、前後方向に交互に折り曲げられた形態であり得る。このような屈曲した形態B1は、補強部材220の機械的剛性を高めることができる。
【0073】
したがって、本発明のこのような構成によれば、パックハウジング210の内部下面、内部上面及び内部側面のうちいずれか一つ以上に固定された補強部材220をさらに含むことで、振動や外部衝撃によるパックハウジング210の変形を効果的に防止することができる。すなわち、補強部材220は、複数の電池セル100の荷重によるパックハウジング210の変形を防止することができる。特に、補強部材220は、パックハウジング210が上下方向に撓む変形を効果的に防止することができる。
【0074】
これにより、パックハウジング210の頻繁な変形による損傷を低減できるだけでなく、パックハウジングの内部に収納された複数の電池セル100または内部構成の振動や外部衝撃による損傷を防止することができる。
【0075】
さらに、本発明は、パックハウジング210の中心部分が機械的に弱くないため、多数の二次電池が備えられた大容量のバッテリーパック200を具現し易い。これにより、バッテリーパック200のエネルギー密度を高め、部品数の節減によって製造コストを低減することができる。
【0076】
また、図2及び図8をさらに参照すると、補強部材220は、一方向に延びた本体部221、及び本体部221の両端部のそれぞれに備えられた折曲部223を備え得る。折曲部223は、パックハウジング210の内部側面と対面するように折り曲げられ得る。例えば、図8に示されたように、補強部材220の本体部221の左側端に備えられた折曲部223は、前方に向かって折り曲げられ得る。本体部221の右側端に備えられた折曲部223は、後方に向かって折り曲げられ得る。このような補強部材220は、パックハウジング210の変形を抑制することができる。
【0077】
また、図5及び図8に示されたように、補強部材220は、折曲部223が充填材240によってパックハウジング210の内部側面に接合され得る。これにより、折曲部223の外面とパックハウジング210の内部側面214bとは互いに接合され得る。
【0078】
したがって、本発明のこのような構成によれば、補強部材220が、本体部221、及び本体部221の両端部のそれぞれからパックハウジング210の内部側面と対面するように折り曲げられ、充填材240によってパックハウジング210の内部側面に接合された折曲部223を備えることで、補強部材220とパックハウジング210の内部側面214bとの接触面積を効果的に増加させることができる。これにより、補強部材220の固定力を効果的に高めることができる。したがって、本発明は、より強い固定力で外部衝撃によるパックハウジング210の変形を防止することができる。
【0079】
図9は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーパックの補強部材を概略的に示した部分斜視図である。
【0080】
図9を参照すると、他の一実施形態によるバッテリーパック200の補強部材220Aには、収容溝G1及び結合孔G2が形成され得る。具体的には、収容溝G1は、充填材240が内部に満たされるように本体部221の一部分が内側に凹んだ形態であり得る。例えば、複数の収容溝G1が本体部221の上部及び下部のそれぞれに所定の間隔で互いに離隔して形成され得る。
【0081】
また、結合孔G2は、折曲部223の外面に形成され得る。結合孔G2は、充填材240が一部収容されるように、折曲部223の一部分が打ち抜かれて形成され得る。例えば、図9に示されたように、折曲部223の外面には2個の結合孔G2が形成され得る。
【0082】
したがって、本発明のこのような構成によれば、補強部材220Aが、充填材240が内部に満たされるように本体部221の一部分が内側に凹んだ収容溝G1、及び充填材240が収容されるように折曲部223の一部分が打ち抜かれた結合孔G2を備えることで、補強部材220Aの収容溝G1及び結合孔G2に適正量の充填材240を収容することができ、パックハウジング210の内部上面及び内部側面との結合力を高めることができる。これにより、バッテリーパック200の耐久性を効果的に高めることができる。
【0083】
さらに、折曲部223には、パックハウジングの側壁214dとボルト結合される結合孔H2が備えられ得る。パックハウジングの側壁214dには、結合孔H2と連通するボルト孔(図示せず)が形成され得る。
【0084】
図10は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーパックの補強部材を概略的に示した斜視図である。
【0085】
図10を参照すると、さらに他の一実施形態によるバッテリーパック200の補強部材220Bは、一方向に延びて互いに所定の距離で離隔して内部空間を形成する一対のプレート225a、225bを備え得る。一対のプレート225a、225bの間には充填材240が充填され得る。例えば、図10に示されたように、補強部材220Bは、左右方向に延びた一対のプレート225a、225bを備え得る。一対のプレート225a、225bは、所定の間隔で離隔しており、その離隔した空間S1には充填材240が充填され得る。
【0086】
したがって、本発明のこのような構成によれば、補強部材220Bが一対のプレート225a、225bを備えることで、十分な量の充填材240を一対のプレート225a、225bの間に充填できて補強部材220Bの剛性をさらに高めることができるだけでなく、十分な量の充填材240を内部に収容した補強部材220Bによって、パックハウジング210の下面及び上面の結合力をそれぞれ一層高めることができる。
【0087】
また、一対のプレート225a、225bのそれぞれには、一対のプレート225a、225b同士の間の内部空間と外部とが連通するように構成された開口P1が形成され得る。開口P1は、複数の電池セル100同士の離隔した空間に充填材240を満たせるように形成され得る。すなわち、開口P1は、複数の電池セル100の前後方向の離隔した空間と対応する位置に形成され得る。これにより、一対のプレート225a、225bの間に充填された充填材240の一部が、開口P1を通って複数の電池セル100の離隔した空間へと流れ得る。
【0088】
したがって、本発明のこのような構成によれば、補強部材220が一対のプレート225a、225bを備え、一対のプレート同士の間に充填材240が充填されることで、補強部材220Bの内部に適正量の充填材240を注入することができ、補強部材220Bとパックハウジング210の内面との結合力を効果的に高めることができる。結果的に、補強部材220Bは、より高い固定力でパックハウジング210の内面と結合できるため、バッテリーパックの耐久性を効果的に高めることができる。
【0089】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック200は、バッテリーパック200の充放電を制御するための各種の装置(図示せず)、例えばBMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0090】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーパック200を少なくとも一つ含む。電子デバイスは、バッテリーパック200を収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)、及びユーザがバッテリーパック200の充電状態を確認できる表示部をさらに含み得る。
【0091】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック200は、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に含まれ得る。すなわち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に上述した本発明の一実施形態によるバッテリーパック200を少なくとも一つ含むバッテリーパック200が搭載され得る。
【0092】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0093】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0094】
100 電池セル
111 電極端子、正極端子
112 電極端子、負極端子
116 電池缶
200 バッテリーパック
210 パックハウジング
212 上部フレーム
214 下部フレーム
216 上部カバー
220 補強部材
221 本体部
223 折曲部
225 プレート
230 接着剤
240 充填材
250 バスバー
251 本体プレート
252 伝導性ワイヤ
260 冷却フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】