(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177191
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】多列展開領域拘束デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/90 20130101AFI20241212BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024157221
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2022577314の分割
【原出願日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】63/039,834
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェイ.スタツカ
(57)【要約】
【課題】取り外し可能な拘束体を備えたデリバリーシステムを提供する。
【解決手段】デリバリーシステムは、取り外し可能な拘束体を備えたカテーテルを含む。取り外し可能な拘束体はニットチューブ状構造である。取り外し可能な拘束体は、例えば、メディカルデバイスをデリバリー構成に拘束するために使用することができる。取り外し可能な拘束体は、デバイスを拘束又はデリバリー構成に維持するように、デバイスの周りに配置された1つ以上の繊維又はストランドを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、ニットチューブ状構造。
【請求項2】
前記少なくとも2つのニット列のそれぞれのニット列内の対応するニットは、前記少なくとも2つのニット列が前記本体の長手方向の長さに沿って次第に解放するのと実質的に同時に解放するように構成されている、請求項1記載のニットチューブ状構造。
【請求項3】
前記複数の繊維の第一の繊維は、前記少なくとも2つのニット列のうちの1つの中でチェーンニットを画定している、請求項1又は2のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
【請求項4】
前記複数のニットは、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を形成し、前記第一の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列の各々と相互作用している、請求項3記載のニットチューブ状構造。
【請求項5】
前記複数の繊維の第二の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列と前記第二のニット列との間で交互になっている、請求項4記載のニットチューブ状構造。
【請求項6】
前記複数の繊維は、第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維を含み、前記第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維の各々は、対応するチェーンニットを画定する、請求項1又は2記載のニットチューブ状構造。
【請求項7】
前記少なくとも2つのニット列は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記第一の繊維及び前記第二の繊維は、前記第一のニット列における対応するチェーンニットを画定し、そして前記第三の繊維及び前記第四の繊維は、前記第三のニット列における対応するチェーンニットを画定する、請求項6記載のニットチューブ状構造。
【請求項8】
前記繊維は、前記第一のニット列において前記第二の繊維と、前記第二のニット列において前記第三の繊維と、そして前記第四のニット列において第四の繊維と相互作用する、請求項7記載のニットチューブ状構造。
【請求項9】
前記複数のニット列は、前記本体の表面の周りで側方方向に離間されている、請求項1~8のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
【請求項10】
前記複数の繊維は、それぞれ0.0060インチ未満の直径を有する、請求項1~9のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
【請求項11】
第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能部材、及び
該拡張可能部材を半径方向に解放可能に拘束するように構成されたニットチューブ状構造、
を含んでなる、メディカルデバイスであって、
該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは前記本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、メディカルデバイス。
【請求項12】
前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維及び作動繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列においてニットの少なくとも一部を形成し、そして前記作動繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列のうちの2つのみでニットの少なくとも一部を形成する、請求項11記載のメディカルデバイス。
【請求項13】
前記ニットチューブ状構造は、少なくとも2つの協調繊維を含む、請求項12記載のメディカルデバイス。
【請求項14】
前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも3つにおいてニットの少なくとも一部を形成する、請求項12記載のメディカルデバイス。
【請求項15】
前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも1つにおいてチェーンニットを形成する、請求項14記載のメディカルデバイス。
【請求項16】
前記複数の繊維は複数の協調繊維を含む、請求項15記載のメディカルデバイス。
【請求項17】
前記協調繊維は、前記ニット列が実質的に同時に展開されないときに、展開に対する抵抗を増加させるように動作可能である、請求項12~16のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項18】
前記協調繊維は、前記ニットチューブ状構造の最大拘束力を増加させるように動作可能である、請求項12~17のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項19】
前記ニットチューブ状構造の前記少なくとも2つのニット列は、前記本体に沿って長手方向に実質的に同時に解放するように動作可能である、請求項11~18のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
【請求項20】
メディカルデバイスを展開する方法であって、
拡張可能部材を患者内に配置すること、ここで、該拡張可能部材は、圧縮構成でニットチューブ状構造によって拘束され、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されており、該複数の繊維は展開部分を含む、
該拡張可能なメディカルデバイスから離れた該複数の繊維の展開部分を保持すること、及び
該複数の繊維の展開部分に十分な力を加えて、該ニット列の少なくとも一部を解放すること、
を含んでなる方法。
【請求項21】
拡張可能部材を半径方向に圧縮して圧縮プロファイルにすること、及び
該拡張可能部材の周りにニットチューブ状構造を提供して、該拡張可能部材を該圧縮プロファイルに拘束すること、
を含んでなり、ここで、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、メディカルデバイスを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月16日に出願された仮出願第63/039,834号の利益を主張し、全ての目的でその全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイスのデリバリーのための装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、デバイスデリバリー中のインプラント可能なメディカルデバイスのためのカバーを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インプラント可能なメディカルデバイスのための低侵襲デリバリー技術には、減少した外傷、感染のリスク及び回復時間などの様々な利点がある。インプラント可能なメディカルデバイスの例としては、動脈、静脈、気道、胃腸管及び胆道を含む、体内の管状通路を放射方向に支持し、治療し及び/又はさもなければ増強するために利用されるステント及びステントグラフトが挙げられる。インプラント可能なメディカルデバイスの追加の例としては、人工弁(例えば、人工心臓弁)が挙げられる。経カテーテルデリバリーは、そのようなインプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするための技術であり、ここで、デリバリーされるメディカルデバイスは、デリバリーのために直径方向に圧縮された状態で開始され、その後、患者の体内の治療部位で拡張される(例えば、自己拡張又は手動拡張可能)。
【0004】
ステント、ステントグラフト、人工弁、フィルタ及び他のインプラント可能物は、可塑的に変形させることによって(例えば、膨張可能なバルーンを使用して)展開されうるか、又は、崩潰又は拘束されたデリバリー直径から、拡張され、展開された直径に自己拡張しそして弾性的に回復することを可能にすることによって展開されうる。
【0005】
例えば、1998年6月15日に出願された「遠隔的に取り外し可能なカバー及び支持体」という発明の名称の米国特許第6,224,627号明細書は、とりわけ、高い内圧を保持できる薄いチューブ状の複数のフィラメント(フィルム又は繊維)構造について記載している。所望のときに、フィラメントの延長部分を任意の方向に引っ張って、構造を広げることができる。この構造は、自己拡張型ステント又はステントグラフトデリバリーシステム、バルーン拡張カテーテル、カテーテル用の取り外し可能なガイドワイヤ管腔、薬物注入又は吸引カテーテル、ガイドワイヤーバンドルケーシング、取り外し可能なフィルタ、取り外し可能なワイヤ絶縁、取り外し可能なパッケージング及びその他の用途に役立つことができる。
【発明の概要】
【0006】
1つの例(「例1」)によれば、ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている。
【0007】
別の例(「例2」)によれば、例1のデバイスに加えて、前記少なくとも2つのニット列のそれぞれのニット列内の対応するニットは、前記少なくとも2つのニット列が前記本体の長手方向の長さに沿って次第に解放するのと実質的に同時に解放するように構成されている。
【0008】
別の例(「例3」)によれば、例1又は2に加えて、前記複数の繊維の第一の繊維は、前記少なくとも2つのニット列のうちの1つの中でチェーンニットを画定している。
【0009】
別の例(「例4」)によれば、例3に加えて、前記複数のニットは、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を形成し、前記第一の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列の各々と相互作用している。
【0010】
別の例(「例5」)によれば、例4に加えて、前記複数の繊維の第二の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列と前記第二のニット列との間で交互になっている。
【0011】
別の例(「例6」)によれば、例1又は2に加えて、前記複数の繊維は、第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維を含み、前記第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維の各々は、対応するチェーンニットを画定する。
【0012】
別の例(「例7」)によれば、例6に加えて、前記少なくとも2つのニット列は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記第一の繊維及び前記第二の繊維は、前記第一のニット列における対応するチェーンニットを画定し、そして前記第三の繊維及び前記第四の繊維は、前記第三のニット列における対応するチェーンニットを画定する。
【0013】
別の例(「例8」)によれば、例7に加えて、前記繊維は、前記第一のニット列において前記第二の繊維と、前記第二のニット列において前記第三の繊維と、そして前記第四のニット列において第四の繊維と相互作用する。
【0014】
別の例(「例9」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記複数のニット列は、前記本体の表面の周りで側方方向に離間されている。
【0015】
別の例(「例10」)によれば、上述の例のいずれかに加えて、前記複数の繊維は、それぞれ0.0060インチ未満の直径を有する。
【0016】
別の例(「例11」)によれば、メディカルデバイスは、第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能部材と、該拡張可能部材を半径方向に解放可能に拘束するように構成されたニットチューブ状構造とを含み、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている。
【0017】
別の例(「例12」)によれば、例11に加えて、前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維及び作動繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列においてニットの少なくとも一部を形成し、そして前記作動繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列のうちの2つのみでニットの少なくとも一部を形成する。
【0018】
別の例(「例13」)によれば、例12に加えて、前記ニットチューブ状構造は、少なくとも2つの協調繊維を含む。
【0019】
別の例(「例14」)によれば、例12に加えて、前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも3つにおいてニットの少なくとも一部を形成する。
【0020】
別の例(「例15」)によれば、例14に加えて、前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも1つにおいてチェーンニットを形成する。
【0021】
別の例(「例16」)によれば、例15に加えて、前記複数の繊維は複数の協調繊維を含む。
【0022】
別の例(「例17」)によれば、例12~16に加えて、前記協調繊維は、前記ニット列が実質的に同時に展開されないときに、展開に対する抵抗を増加させるように動作可能である。
【0023】
別の例(「例18」)によれば、例12~17に加えて、前記協調繊維は、前記ニットチューブ状構造の最大拘束力を増加させるように動作可能である。
【0024】
別の例(「例19」)によれば、例11~18に加えて、前記ニットチューブ状構造の少なくとも2つのニット列は、前記本体に沿って長手方向に実質的に同時に解放するように動作可能である。
【0025】
別の例(「例20」)によれば、メディカルデバイスを展開する方法は、拡張可能部材を患者内に配置すること、ここで、該拡張可能部材は、圧縮構成でニットチューブ状構造によって拘束され、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されており、該複数の繊維は展開部分を含む、該拡張可能なメディカルデバイスから離れた該複数の繊維の展開部分を保持すること、及び、該複数の繊維の展開部分に十分な力を加えて、該ニット列の少なくとも一部を解放することを含む。
【0026】
別の例(「例21」)によれば、メディカルデバイスを製造する方法は、拡張可能部材を半径方向に圧縮して圧縮プロファイルにすること、該拡張可能部材の周りにニットチューブ状構造を提供して、該拡張可能部材を該圧縮プロファイルに拘束することを含み、ここで、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている。
【0027】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から、さらに他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的ではなく、本質的に例示的であると考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を示し、記載と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0029】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、取り外し可能な拘束体及び拡張可能部材を有するデリバリーシステムである。
【0030】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による、拡張可能なデバイスの周りに配置された取り外し可能な拘束体である。
【0031】
【
図3】
図3は、1つの実施形態による、3つのニット列及び様々なニットを含む取り外し可能な拘束体である。
【0032】
【
図4】
図4は、1つの実施形態による、
図3に示されるとおりの取り外し可能な拘束体のために実装されるニットパターンである。
【0033】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による、4つのニット列及び様々なニットを含む取り外し可能な拘束体である。
【0034】
【
図6】
図6は、1つの実施形態による、
図5に示されるとおりの取り外し可能な拘束体のために実装されるニットパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図していない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野でそのような用語に帰属する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0036】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために、交換可能に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さい量だけ逸脱する。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の検量の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実施シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さい差の値を容易に確認できないと判断される場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解することができる。
【0037】
参考までに、「周囲長さ(circumference)」という用語は、円形の断面を必要とすることを意味するものではなく、代わりに、取り外し可能な拘束体の外面、外形寸法又は周長を指すものとして広く理解されるべきである。
【0038】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている可能性があり、その点で、図面は限定的であると解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0039】
図1に示されるシステムは、システムの様々な特徴の例として提供され、図示されたこれらの特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であるが、その例及びその図は、 本明細書で提供される発明概念が、より少ない特徴、追加の特徴、又は代替の特徴から、図に示されるそれらの特徴の1つ以上に限定されることを示唆することを意図しない。
図1は、幾つかの実施形態による、取り外し可能な拘束体104を有するカテーテル102を含むデリバリーシステム100の平面図である。幾つかの実施形態において、取り外し可能な拘束体104はニットチューブ状構造である。
図1に示されるように、取り外し可能な拘束体104は、インプラント可能なメディカルデバイス106をデリバリー構成に拘束するように構成されている。取り外し可能な拘束体104は、デバイス106及び取り外し可能な拘束体104を拘束又はデリバリー構成に維持するために、デバイス106の周りに配置された1つ以上の繊維又はストランド108を含むことができる。カテーテル102は、様々なポート、例えば、第一のポート112、第二のポート114及び第三のポート116を含むことができる。ポート112、114、116のうちの1つ以上は、所望に応じて、1つ以上の特徴(例えば、管腔)へのアクセスを提供し、又は、1つ以上の機能(例えば、拘束体解放)を操作するように構成されうる。
【0040】
取り外し可能な拘束体104は、デバイス106の長さに沿って配置される。取り外し可能な拘束体104はまた、デバイス106の周囲に配置され、デリバリーのためにデバイス106を実質的に覆うことができる。1つ以上のストランド108は、カテーテル102の管腔(図示せず)内に配置されることができ、カテーテル102の近位端に向かって延在することができ、これは、同様に、デバイス106のデリバリー中に患者に対して体外に配置されうる。1つ以上のストランド108は、取り外し可能な拘束体104を解放し、デバイス106を展開するために、使用者が張力をかけることができる近位端110を含むことができる。例えば、1つ以上のストランドは、1つ以上のポート112、114、116を通してアクセス可能であることができる。
【0041】
特定の例において、1つ以上のストランド108は、インターロッキング部分(例えば、オーバーラッピング繊維又はニット)がデバイス106の長さに沿って連続的かつ次第に解放するように解放する。以下により詳細に説明されるように、取り外し可能な拘束体104は、デバイス106の周りに延在している1つ以上のストランドを一緒にインターロッキングすることより形成される。1つ以上のストランド108は、1つ以上のストランド108が互いに相互作用するニット列130を形成することができる。ニット列130及び該ニット列130を形成する1つ以上のストランド108の構成は、デバイス106の拘束構成での拘束、及び取り外し可能な拘束体104から展開構成へのデバイスの解放又は展開を容易にする特定の特性を提供する。幾つかの実施形態において、デバイス106は、ステント、ステントグラフト、バルーン、人工弁、フィルタ、吻合デバイス、閉塞器又は同様のデバイスであることができる。
【0042】
図2は、1つの実施形態による、取り外し可能な拘束体104を含むデバイス106の側面図である。デバイス106は、デリバリー直径D1から、該デリバリー直径D1より大きい展開直径D2(図示せず)に移行するように構成されている。様々な例において、取り外し可能な拘束体104は、デリバリー直径D1でデバイス106の周りに配置される。取り外し可能な拘束体104がデバイス106から取り外されると、デバイスは展開直径D2まで拡張可能である(例えば、自己拡張及び/又はバルーン拡張などの強制拡張によって)。展開直径D2はデリバリー直径D1よりも大きい。幾つかの実施形態において、展開直径D2は、拘束されていないときのデバイス106の直径である。他の実施形態において、展開直径D2は、デバイス106が標的部位にデリバリーされ、標的部位で管腔壁と係合したときのデバイス106の直径である。
【0043】
デバイス106は、例えば、約5mm~15mm、又は6mm~9mm、又は6mm~12mmの所望の展開直径D2と、展開直径D2より小さいデリバリー直径D1とを有することができる。例えば、幾つかの例において、デバイス106のデリバリー直径D1とデバイス106の展開直径D2(図示せず)との比は、約0.3未満、約0.29未満、約0.28未満、約0.27未満、又は約0.26未満である。
【0044】
図2に示されるように、取り外し可能な拘束体104は、たて編みの形態でインターロッキングする少なくとも2つのストランド108を含む。例えば、取り外し可能な拘束体104は、第一のインターロッキングストランド108a及び第二のインターロッキングストランド108bを含むことができる。第一のインターロッキングストランド及び/又は第二のインターロッキングストランド108a、108bの部分は、例えば、第一の展開ライン部分に加えられる展開力に応答して、取り外し可能な拘束体104を解放し、デバイス106をデリバリー直径D1から展開直径D2に解放するように構成された展開部分120として動作しうる。取り外し可能な拘束体104はまた、第三のインターロッキングストランド108c及び第四のインターロッキングストランド108dを含むことができる(例えば、
図5及び6に見られるとおり)。第三のインターロッキングストランド及び/又は第四のインターロッキングストランド108c、108dは、同様に、例えば、展開部分120として動作することができる。2、3、4、5、6、7、8、9、任意の偶数のインターロッキングストランド又は任意の奇数のインターロッキングストランドを含む取り外し可能な拘束体を形成することは本開示の範囲内である。1つの実施形態において、展開部分120は互いに結合されて単一の展開セグメント121を形成する。幾つかの実施形態において、単一の展開セグメント121を画定するために組み合わせることができる展開部分120は、1つ以上のストランド108の近位端110を含む。
【0045】
幾つかの例において、デバイス106は、展開直径に向かって自己バイアスされて、デリバリー直径D1で拘束されると、半径方向外向きの力を及ぼす。幾つかの例において、デバイス106に作用する拡張力が拘束体に半径方向の力を加えるように、拡張力(例えば、バルーン)を追加的又は代替的にデバイス106に加えることができる。また、デバイス106に拡張力を加える前に、拘束体104を解放することができる。デバイス106が自己拡張する場合、半径方向の力は、一般に、デバイス106の展開中の任意の時点で取り外し可能な拘束体104に作用するデバイス106によって引き起こされる力を指す。
【0046】
上述のように、インターロッキングストランド108は、展開部分120に適用される展開力で取り外されるように適合されている。デバイス106が標的位置から意図せずに変位する可能性がある大きい力を展開部分120に付加する必要なく、デバイスが展開されうるように、取り外し可能な拘束体106の解体を可能にするために、低い展開力が好ましいことがある。幾つかの例において、より大きなストランド単一ニット列展開からの同様の展開力(又は拘束力)と比較して、より小さなストランドを有する複数(例えば、2、3、4)のニット列を利用することによって、所与の展開力に対してより低いプロファイルを達成することができる。ストランドは、約0.0010インチ~約0.0100インチまでの直径を含むことができる。例えば、取り外し可能な拘束体104を形成するために使用されるインターロッキングストランド108は、約0.0038インチ~約0.0054インチの直径を有する。低プロファイルを維持するために、インターロッキングストランド108はそれぞれ、0.0060インチ未満の直径を有することができる。さらにより低いプロファイルでは、インターロッキングストランド108はそれぞれ、0.0040インチ未満の直径を有することができる。インターロッキングストランド108は、本明細書で論じられるように係合されるため、プロファイルは、十分な拘束力(及び適切な展開力)を維持しながら最小限に抑えることができる。幾つかの例において、デバイス106のこの半径方向力と展開部分120に加えられる展開力との比率は、約500:1未満である。他の例において、デバイス106のこの半径方向の力と展開部分120に加えられる展開力との比率は、約475未満である。さらに、デバイス106のこの半径方向力と展開部分120に加えられる展開力との比は、約450未満である。さらに、デバイス106のこの半径方向力と展開部分120に加えられる展開力との比率は、他の例では約425未満である。さらに、半径方向力と展開力との比率は、例えば、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)と約500との間、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)と約475との間、約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)と約450との間、又は約10、20、30、40、50、100、200、300、400(又はその間の任意の数)と約425との間であることができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、インターロッキングストランド108a、108b、108c、108dを含む1つ以上のストランド108は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエステル、 ポリウレタン、ペルフルオロエラストマーなどのフルオロポリマー、シリコーン、ウレタン、アラミド繊維及びそれらの組み合わせを含む様々な材料から形成されうる。ストランド108の他の実施形態は、超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、Spectra(登録商標)、Dyneema Purity(登録商標)など)又はアラミド繊維(例えば、Technora(登録商標)など)などの高強度ポリマー繊維を含むことができる。
【0048】
様々なストランド108は、ストランドの厚さ、ストランドのデニール、ストランドの摩擦係数、ストランドの材料、ストランドの処理、ストランドのコーティング及びストランドの剛性などの特定の特性を有するように選択されうる。ストランドの厚さと同様に、ストランド108に異なるストランド材料を使用すると、第一のインターロッキングストランド及び第二のインターロッキングストランド108の間の摩擦が増加又は減少し、デバイス106をデリバリー構成に維持又は最適化するのに役立つことができる。様々なストランドのそれぞれは、取り外し可能な拘束体が使用される用途に基づいて、同じストランド特性又は異なるストランド特性を含むように選択することができる。ストランド108の特性は、材料の選択に加えて、処理、構成及び変性によっても変更できることが認識される。例えば、ストランドは、フィラー又はコア材料を含むことができ、適切なコーティング材料でコーティングすることを含む他の処理タイプの中でも、エッチング、蒸着、又はコロナ又は他のプラズマ処理によって表面処理することができる。
【0049】
拡張可能なデバイス106を拘束する取り外し可能な拘束体104の例示的な実施形態を提供する
図2を参照すると、取り外し可能な拘束体104は、様々なストランド108の編成によって形成されたニット列130を含む。取り外し可能な拘束体に関連して、任意の数のニット列130を実装することができる。例えば、取り外し可能な拘束体104は、第一のニット列130a、第二のニット列130b及び第三のニット列130cを含むことができる。
図2に見られるように、参照用に取り外し可能な拘束体104にニットパターンが重ねられている。
図2に示されるニット列130a、130b、130cのそれぞれは、取り外し可能な拘束体104が拡張可能なデバイス106を解除して解放し又は展開するように動作可能である解放領域として作用する。ニット列130は、取り外し可能な拘束体104の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って画定されうる。幾つかの実施形態において、ニット列130は、取り外し可能な拘束体104の長手方向の長さに沿って同一の広がりを有する。ニット列130はまた、取り外し可能な拘束体104の外寸法又は周囲に沿って互いに周方向に離間していることができる。ニット列130は、取り外し可能な拘束体104の周囲にほぼ等距離に離間していてもよく、あるいは、所望に応じてオフセットされてもよい。
【0050】
ニット列130間の周方向距離は、取り外し可能な拘束体がデバイス106を取り囲む実施形態において、弧角の用語で記載することができる。幾つかの実施形態において、ニット列130は、すべてのニット列130が取り外し可能な拘束体104の約180度以内に配置されるように、取り外し可能な拘束体104の第一の面に配置されうる。ニット列130は、取り外し可能な拘束体104の周囲に、約10度~約180度、約20度~約30度、約30度~約45度、約45度~約60度、約60度~約75度、約75度~約90度、約90度~約105度、約105度~約120度、約120度~約135度、約135度~約145度、約145度~約160度、約160度~約180度だけ互いに対して離間されうる。例えば、ニット列は、互いに約180度離れて、互いに約90度離れて、互いに約60度離れて、又は、所望に応じて任意の他の距離で離間されていることができる。
【0051】
図2を参照すると、幾つかの例によれば、取り外し可能な拘束体104は、3つのニット列130a、130b、130cを含む。ニット列130a、130b、130cは、上述の様々なストランド108a、108b、108cをインターロッキングすることによって形成される。取り外し可能な拘束体104は、3つのニット列のみに限定されず、第四のニット、第五のニット列又は任意の数のニット列を含む、任意の数のニット列が実装されうることが理解される。幾つかの実施形態において、ニット列の数は、取り外し可能な拘束体104を形成する際に実装されるストランドの数に対応する。
【0052】
取り外し可能な拘束体104は、単一展開セグメント121を一緒に形成する展開部分120を含むことができる。単一展開セグメント121は、デバイス106から取り外し可能な拘束体104を外すことによって、デバイス106を展開するように構成されている。このことはニット列130を解除し、その結果、取り外し可能な拘束体104の本体の部分を解除することにより起こる。1つの実施形態において、第一の展開ライン108aは、第一のニット列130aから延在し、第一のニット列130aと係合し(例えば、その一部を形成し)、それにより、第一の展開部分120は第一のニット列130aの少なくとも第一の部分を外し又は解除するように動作可能である。単一展開セグメント121は、ニット列130を含むストランド108のそれぞれの部分を含む。ニット列130のそれぞれは、単一展開セグメント121が係合されると、順次解除するように動作可能である。
【0053】
1つの例を
図3に示し、ここで、取り外し可能な拘束体104は、第一のニット列130a、第二のニット列130b及び第三のニット列130cを有する。
図3に見られるように、第一のニット列130a及び第二のニット列130bは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約90度離間して配置される。第二のニット列130b及び第三のニット列130cも同様に取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約90度離間する。したがって、第一のニット列130a及び第三のニット列130cは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約180度離間している。
図3に示されるように、ニット列130の3つすべては、実質的に、取り外し可能な拘束体104の前面140上に配置されうるが、ニット列は背面142上には配置されない。ニット列130の間隔は、上述のように変更されてもよい。
【0054】
図3に見られるように、取り外し可能な拘束体104の長手方向の長さに沿って、様々なニットをニット列130のそれぞれの内部に配置することもできる。例えば、第一のニット列130aは、第一のニット132a、第二のニット132b、第三のニット132cなどを含む。第二のニット列130bも、第一のニット132a、第二のニット132b、第三のニット132cなどを含む。第三のニット列130cも、第一のニット133a、第二のニット133b、第三のニット133cなどを含む。ニット131、132、133のそれぞれは、ストランド108のうちの少なくとも1つの織り合わせ部分を含む。
【0055】
図4を参照すると、ニットパターンの例示的な実施形態が提供される。
図4のニットパターンは、第一のストランド108a、第二のストランド108b及び第三のストランド108cを含む。第一のストランド、第二のストランド及び第三のストランド108は、それぞれ、第一のパターン150、第二のパターン152及び第三のパターン154によって表される別個のパターンを含む。幾つかの実施形態において、各パターンは、編機(例えば、丸たて編み機、ストレートバー、フラットバー、ラッシェル、ミラネーゼ、トリコットなど)で実装することができる。特定のパターンを実装するために、編機は複数のバーを含むことができる。例えば、第一のストランド108aは第一のバー200に対応することができ、第二のストランド108bは第二のバー202に対応することができ、第三のストランド108cは第三のバー204に対応することができ、ここで、各バーは1つ以上の異なるパターンを実装する。幾つかの実施形態において、異なるパターンは、互いに対する位相シフトを含むことができる。
【0056】
取り外し可能な拘束体104は、特定の製造プロセスに限定されないが、以下のニット構造は、編機に関連して提供され、編機(例えば、丸たて編み機、ストレートバー、フラットバー、ラッセル、ミラネーゼ、トリコット)上で実装される。以下のニット構造は4コースリピートである。この例における第一のバー200は、以下の繰り返しニット構造:1-2/0-2/0-1/2-1を含む。ニット構造が繰り返されると、ニット構造の最初のコースと最後のコースの間にチェーン又はピラーニットが形成される。チューブ状構造が形成されているので、ニットコース0-2、次いで0-1は、第一のストランド108aが0-2と0-1の間で2と1を横切って延在するようなものであることに留意されたい。チューブ状構造を形成するために、2つのニードルバー(図示せず)が実装されうることが理解される。この例における第二のバー202は、以下の繰り返しニット構造:0-1/2-1/1-2/0-2を含む。4コース構造が繰り返されるときに、第一のバー200と同様に、ニットコース0-2、次いで0-1は、第二のストランド108bが0-2と0-1の間で2と1を横切って延在するようなものである。この例では、第一のストランド108a及び第二のストランド108bは、互いに位相がずれた同様のニット構造を含む。この例における第三のバー204は、2-0/1-0/2-0/1-0の繰り返しニット構造を含む。第三のストランド108cは、ニット構造内の2つの位置の間で交互になる。換言すれば、第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、共通のニット列(例えば、第二のニット列130b)にチェーン又はピラーニットを有し、次いで共通のニット列を横切る2つの隣接するニット列(すなわち、共通のニット列に隣接する)の間で交互になるもの(例えば、第二のニット列130bを横切る第一のニット列及び第三のニット列130a、130c)と記載されうる。第三のストランド108cは、2つのニット列の間(例えば、第一のニット列と第三のニット列130a、130cの間であるが、第二のニット列130bを横切るのではなく、ニット構造がチューブ状であるため、互いの間)で交互になる。したがって、この例でにおいて、第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、ストランドがニット列130のうちの少なくとも3つと相互作用するときに協調ストランドと考えることができ、第三のストランド108cは、3つ未満のニット列と相互作用するときに作動ストランドと考えることができる。このニット構造における各ニットはオープンニットであることに留意されたい。オープンニット構造は、取り外し可能な拘束体104の解除を容易にし、その結果、拡張可能なデバイス106の展開を容易にする。
【0057】
上記で開示された実施形態は、3の倍数である多数のストランド(例えば、6ストランド、9ストランド、12ストランドなど)を有する実施形態を含む、3つより多くのストランドで実装されてもよいことに留意されたい。それらの実施形態において、第一のニット列及び第三のニット列130a、130cがループバックして互いに接続する代わりに、第三のニット列130cは代わりに第四のニット列(図示せず)まで延在することができ、ここで第四のニット列は開示されたパターンの繰り返しを開始する。
【0058】
ここで
図5を参照すると、取り外し可能な拘束体104が、第一のニット列130a、第二のニット列130b、第三のニット列130c及び第四のニット列130dを有する例が提供されている。
図5に見られるように、ニット列130の各々は等間隔に離間されている。具体的には、第一のニット列130a及び第二のニット列130bは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約90度離間して配置される。第二のニット列130b及び第三のニット列130cは、同様に、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約90度離間される。したがって、第一のニット列130a及び第三のニット列130cは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約180度離間している。第三のニット列103c及び第四のニット列103dは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約90度離間される。したがって、第二のニット列130b及び第四のニット列130dは、取り外し可能な拘束体104の外寸法に沿って互いに約180度離間される。上述のように、ニット列130の間隔は、ニット列が等間隔に離間しないように変更することができる。
【0059】
図5に見られるように、取り外し可能な拘束体104の長手方向の長さに沿って、ニット列130のそれぞれの内部に様々なニットを配置することもできる。例えば、第一のニット列130aは、第一のニット131a、第二のニット131b、第三のニット131cなどを含む。第二のニット列130bも、第一のニット132a、第二のニット132b、第三のニット132cなどを含む。第三のニット列130cも、第一のニット133a、第二のニット133b、第三のニット133cなどを含む。第四のニット列130dも、第一のニット134a、第二のニット134b、第三のニット134cなどを含む。 ニット131、132、133、134のそれぞれは、ストランド108のうちの少なくとも1つの織り合わせ部分を含む。
【0060】
図6を参照すると、ニットパターンの例示的な実施形態が提供されている。
図6のニットパターンは、第一のストランド108a、第二のストランド108b、第三のストランド108c及び第四のストランド108dを含む。このニットパターンにおいて、第一のストランド及び第三のストランド108、108cは、第二のストランド及び第四のストランド108b、108dとは別個のニットパターンを有する。第一のニットパターン150は第一のバー200上に示され、第二のニットパターン152は第二のバー202上に示されている。第一のストランド及び第三のストランド108a、108cは同じ第一のパターン200を含むので、それらは同時に同じバー上で製織されうる。ここで、ストランドは互いに側方方向に離間している。同じことが、第二のストランド及び第四のストランド108b、108dにも当てはまる。幾つかの実施形態において、各パターンは、編機(例えば、トリコット、ミラネーゼ、ラッシェルなど)で実装することができる。第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、類似の全体パターンを有するが、この実施形態では、互いに対する位相シフトを含み、したがって、別個のバー上で実装されることに留意されたい。この実施形態において、第三のストランド及び第四のストランド108c、108dについても同じことが当てはまる。
【0061】
取り外し可能な拘束体104は、特定の製造プロセスに限定されないが、以下のニット構造は編機に関連して提供され、編機上で実装される。以下のニット構造は4コースリピートである。この例における第一のバー200は、第一のストランド108a及び第三のストランド108cについて、それぞれ以下の繰り返しニット構造:1-2/3-2/0-1/2-1及び3-0/1-0/2-3/0-3を含む。ニット構造が繰り返されるときに、ニット構造における繰り返しパターンの最終コースとパターンの最初のコースとの間にチェーン又はピラーニットが形成される。チューブ状構造が形成されているので、ニットはチューブ状構造を形成するように延在することができることに留意されたい。これは、幾つかの実施形態において、2本のニードルバー(図示せず)を実装することによって達成することができる。この例における第二のバー202は、第二のストランド108b及び第四のストランド108dについて、それぞれ以下の繰り返しニット構造を:0-1/2-1/1-2/3-2及び2-3/0-3/3-0/1-0を含む。見られるように、チェーン又はピラーニットは、第二のストランド及び第四のストランド108b、108dの両方に含まれる。この例において、第一のストランド108a及び第二のストランド108bは、互いに位相がずれた同様のニット構造を含む。第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、互いに位相のずれた同様のニットパターンを含むため、第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、共通のニット列(例えば、第二のニット列130b)にチェーン又はピラーニットを有し、次に、共通のニット列を横切る2つの隣接する(すなわち、共通のニット列に隣接する)ニット列(例えば、第二のニット列130bを横切る第一のニット列及び第三のニット列130a、130c)の間で交互になると記載されうる。同様に、第三のストランド及び第四のストランド108c、108dは、互いに位相のずれた同様のニットパターンを含むため、第三のストランド及び第四のストランド108c、108dは、共通のニット列(例えば、第四のニット列130d)、次に、共通のニット列を横切る2つの隣接する(すなわち、共通のニット列に隣接する)ニット列(例えば、第四のニット列130dを横切る第一のニット列及び第三のニット列130a、130c)の間で交互になると記載されうる。したがって、この例において、第一のストランド、第二のストランド、第三のストランド及び第四のストランド108a、108b、108c、108dはすべて、チェーン又はピラーニットが形成されるニット列に隣接する両方のニット列とストランドが相互作用するので、協調ストランドと考えることができる。このニット構造における各ニットはオープンニットであることに留意されたい。オープンニット構造は、取り外し可能な拘束体104の解除を容易にし、その結果、拡張可能なデバイス106の展開を容易にする。
【0062】
図6を参照すると、ニット列130a、130b、130c、130dのそれぞれは、たて編物を含む。取り外し可能な拘束体104は、4つのニット列のうちの2つ(例えば、第一のニット列及び第三のニット列130a、130c)にチェーン又はピラーニットを含むことに留意されたい。4列のニット列のうちの2つにチェーンニット又はピラーニットが含まれているので、同じニット列にチェーンニット又はピラーニットを含む2つのストランドは同じパターンを含み、パターンのみが2つのコースだけ位相ずれしている(例えば、第一のストランド及び第二のストランド108a、108bは、第三のニット列103cにチェーン又はピラーニットを含み、互いに2コースだけ位相がずれた同じパターンを有する)。同じニット列におけるチェーン又はピラーニットを形成するストランドのみが互いに相互作用して、それらがチェーン又はピラーニットを形成するニット列においてニットを形成することに留意されたい(例えば、第一のストランド及び第二のストランド108a、108bのみが相互作用して、第三のニット列103cにおいてニットを形成する。
【0063】
上述のように、
図6に示される実施形態は、単一のバー上で製織される2つのストランドを含む(例えば、第一のストランド及び第三のストランド108a、108cは第一のバー200上で製織される)。ストランドは同じパターンを使用して製織されているが、異なるニット列でオフセットされているため、2つのストランドを1つのバー上に実装することができる。これらのストランドは、互いに同相であると考えることができる。2つのストランドは互いに同相であり、他の2つのストランドは2つのコースだけ位相がずれているため、2つごとのコース間(例えば、コースIIとIIIとの間、及びコースIVとコースVとの間)で取り外し可能な拘束体にチェーン又はピラーニットが形成される。これは、2つのバー150、152が2コースだけ位相がずれているニットパターンを含む結果である。チェーン又はピラーニットを含むニット列では、チェーン又はピラーニットは、4コースごとの間のニット列で生じる(例えば、第三のニット列103bは、コースIVとVとの間及びコースVIIIとIXとの間にチェーン又はピラーニットを有する)。この実施形態において、ストランドのそれぞれが残りのストランドのそれぞれとニットを形成するように相互作用することにも留意されたい(例えば、第一のストランド108aはニットを形成するように第二のストランド108bと、ニットを形成するように第三のストランド108cと、そしてニットを形成するように第四のストランド108dと相互作用する)。様々なストランドが互いに相互作用し、様々なニット列で相互作用するため、取り外し可能な拘束体104の拘束力が増加する。これはまた、ストランドの各々が実質的に同時に作動して、ニットパターンによって指示される順次パターンで取り外し可能な拘束体104を展開するため、制御されない、自発的な又は加速された展開の発生を低減する。各ストランドは異なるニットパターンを含むか、互いに位相がずれていることができるため、同じコースからのニットが展開された後に、各ストランドのたるみは等しくないことができ、これも、制御されていない、自発的な又は加速された展開の発生を低減することができる。
【0064】
上記で開示された実施形態は、2の倍数である数のストランドを有する実施形態(例えば、2本のストランド、6本のストランド、8本のストランド、10本のストランドなど)を含む、4本より多くのストランドで実装されてもよい。
【0065】
再び
図2を参照すると、取り外し可能な拘束体104は、各ニット列130を形成する各ストランドの延長部又は自由端を含む単一展開セグメント121を含むことができる。各ストランド108の自由部分が取り外し可能な拘束体104から離れて前進するように単一展開セグメント121が係合し又は張力がかけられているときに、各ニット列(例えば、第一、第二、第三及び第四のニット列130a、130b、103c、130d)の第一のニット(例えば、第一のニット131a、132a、133a、134a)は解除する。単一展開セグメント121が引き続き張力をかけられ、取り外し可能な拘束体104から離れて平行移動すると、各ニット列の第二のニット(例えば、131b、132b、133b、134b)は解除される。これは、ニットの各列が部分的又は完全に解除するまで行われる。
【0066】
幾つかの実施形態において、織り合わされたストランド108は、ニット列の解除を容易にするためにニット列130が実質的に同時に展開されるように編まれる。ストランド108がすべて織り合わされているため、ニット列のいずれかが他のニット列とは異なる速度で前進し又は解除されると、他のニット列を形成しているストランドは前のニット列の適切な解除を妨げることができる。これは、他方のニット列が十分に前進して、他方のニット列からストランドを解放するまで、一方のニット列でのストランド108の結合又は制限によって生じる。ストランド108のすべてが織り合わされることができるので、この展開の制限は、ニット列130のいずれか1つが互いに対して不均一に解除されるときに生じることができる。
【0067】
例えば、第一のニット列130aの第一のニット131aが解除され、第一のストランド108aが引き続き張力をかけられ、対応する第一のニット(例えば、第二のニット列130bの第一のニット132a)が解除されないように、第一のストランド108aが張力をかけられるならば、第一のニット列の第二のニット131bと相互作用している対応する第一のニットからのストランドは、第二のニット131bの解除を妨害することができる。この例において、第一のストランド108aは、第一のストランド108aを拘束している他のニットを形成する他のストランドが該他のニットの解放又は解除により該他のニットから解放されるまで、第一のストランド108aがさらに前進することができないように、いずれか1つのニット列130における残りのストランドと織り合わされていることができる。しかしながら、他のニットが解除されるならば、第一のストランド108aは、第一のストランド108aを横切る張力が後続のニットの展開を開始し、次いでそれが解除されるように、制限された位置で他のストランドから解放されることができる。このように、各ニット列130内の様々なストランド108の織り合わせによって、様々なニット列130の不均一な展開が制限される。
【0068】
幾つかの実施形態において、ニット列130のそれぞれの対応するニットは、ニット列内の後続のニットが順次展開される前に展開されなければならない。協調ストランドは少なくとも3つのニット列と相互作用するので、協調ストランドは、安定性の向上、拘束力の向上、及び拡張可能なデバイスに関連する加速展開及び取り外し可能な拘束体104のニット列130の展開に対する抵抗の増加を提供することができる。協調ストランドはまた、本明細書に記載の相互作用に基づいて、取り外し可能な拘束体104の最大拘束力を増大させることができる。他の実施形態において、ストランド108は、後続のニットが他のニット列の対応するニットが展開されていないときに展開されうるように織り合わされる。さらに別の実施形態において、ストランド108は、対応するニット(例えば、対応する第一のニット133a)が展開されていないときに、ニット列内の後続のニット(例えば、第二のニット131b)が展開できるように織り合わされる。しかしながら、後続のニットに続くニット(例えば、第三のニット131c)は、対応するニットが展開されていないときに拘束されうる。様々なストランドを織り合わせるパターンを変更して、解除を制限するためのニット列間の様々な相互作用を提供することができる。例えば、ニット列は、製織又は製編パターンに基づいて、他のニット列の対応する無傷のニットの解除を超えて、2ニット、3ニット、4ニット又は5ニットで前進又は解除されうる。ニットの列が解除時に他のニット列を超えてどれだけ前進できるかを変えることによって、デバイス106をデリバリー及び展開するときの展開の精度を変えることができる。
【0069】
ここで、取り外し可能な拘束体を作成及び使用する方法の議論に移ると、開示された取り外し可能な拘束体を含むデバイスを展開する方法が提供される。上述のように、メディカルデバイスは、第一の拘束直径D1及び第二の拡張直径D2を含む様々な直径に拡張及び収縮できる拡張可能なデバイスを含むことができる。拡張可能なデバイスは、取り外し可能な拘束体によって拘束構成に維持されることができ、該取り外し可能な拘束体は、織り合わされて第一の解放ゾーン及び第二の解放ゾーンを形成する複数のストランドを含み、それぞれが複数のニットを有するニット列を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの展開ラインは、解放ゾーンのそれぞれから延在している。
【0070】
メディカルデバイスを展開する方法は、デバイスを治療部位に静脈内デリバリーすることを含むことができる。拡張可能なメディカルデバイスは、患者内に配置され、ここで、拡張可能なメディカルデバイスは、圧縮構成で取り外し可能な拘束体によって拘束される。ニット列は、単一展開セグメントを介して拡張可能なメディカルデバイスから取り外し可能な拘束体を外すように構成されている。ユーザは、単一展開セグメント(例えば、取り外し可能な拘束体を形成するストランドの自由端を含む)を、拡張可能なメディカルデバイスから離れた、すなわち静脈内アクセス部位の外部に保持することができる。 次に、ユーザは、単一展開セグメントに十分な力を加えて、ニット列を解放することができる。ニット列が解放されると、メディカルデバイスは取り外し可能な拘束体から解放され、患者の解剖学的構造内で展開することができる。したがって、ニット列が解放すると、取り外し可能な拘束体は少なくとも部分的に分解され、拡張可能なデバイスは拘束直径から展開直径まで拡張することができる。
【0071】
幾つかの実施形態において、方法は、ストランドの自由端に十分な力を同時に加えること、又はそのような力を比較的に近い時間的順序で加えることを含む。上述のように、この工程は、ニットが対応するニットの解放又は展開を妨げるように、複数のストランドが織り合わされるときに重要であることができる。ストランドの自由端が活性化されると、それらはデリバリー部位から離れるように平行移動されうる。複数のラインは、カテーテルを介して除去することができる。
【0072】
本開示は、拡張可能なメディカルデバイスを製造する方法にも関する。この方法は、拡張可能部材を半径方向内側に第一の圧縮直径まで圧縮することを含むことができる。含有する複数のストランドを織り合わせて、取り外し可能な拘束体を形成することができる。ストランドが少なくとも3列のニット列を形成するように、取り外し可能な拘束体を織り合わせることができる。この方法は、各ストランドの少なくとも一部が取り外し可能な拘束体から離れて延在するように、ストランドの自由端を提供することを含むことができる。自由端は、実質的に同時に展開されると、取り外し可能な拘束体を解体するように動作可能であることができる。この方法はまた、自由端が単一展開セグメントを形成するように自由端を結合することを含むことができる。
【0073】
幾つかの実施形態において、製造方法は、複数のストランドが拡張可能部材の周りに織り合わされるときに、複数のストランドが拡張可能部材に圧縮力を提供するように、取り外し可能な拘束体を形成する工程と同時に、拡張可能部材を圧縮する工程を行うことを含む。
【0074】
幾つかの実施形態において、カバー部材はマンドレル上で製織されうる。カバー部材が製織され、幾つかの実施形態においては、部分的に展開されると、カバー部材はマンドレルから取り外され、半径方向に圧縮されたインプラント可能なメディカルデバイス上に適用されることができる。
【0075】
本出願の発明は、一般的にそして特定の実施形態に関して両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を行うことができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
本出願の発明は、一般的にそして特定の実施形態に関して両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を行うことができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。以下、本発明の態様を列挙する。
(態様1)
長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、ニットチューブ状構造。
(態様2)
前記少なくとも2つのニット列のそれぞれのニット列内の対応するニットは、前記少なくとも2つのニット列が前記本体の長手方向の長さに沿って次第に解放するのと実質的に同時に解放するように構成されている、態様1記載のニットチューブ状構造。
(態様3)
前記複数の繊維の第一の繊維は、前記少なくとも2つのニット列のうちの1つの中でチェーンニットを画定している、態様1又は2のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
(態様4)
前記複数のニットは、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を形成し、前記第一の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列の各々と相互作用している、態様3記載のニットチューブ状構造。
(態様5)
前記複数の繊維の第二の繊維は、前記本体の長手方向の長さに沿って、前記第一のニット列と前記第二のニット列との間で交互になっている、態様4記載のニットチューブ状構造。
(態様6)
前記複数の繊維は、第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維を含み、前記第一の繊維、第二の繊維、第三の繊維及び第四の繊維の各々は、対応するチェーンニットを画定する、態様1又は2記載のニットチューブ状構造。
(態様7)
前記少なくとも2つのニット列は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記第一の繊維及び前記第二の繊維は、前記第一のニット列における対応するチェーンニットを画定し、そして前記第三の繊維及び前記第四の繊維は、前記第三のニット列における対応するチェーンニットを画定する、態様6記載のニットチューブ状構造。
(態様8)
前記繊維は、前記第一のニット列において前記第二の繊維と、前記第二のニット列において前記第三の繊維と、そして前記第四のニット列において第四の繊維と相互作用する、態様7記載のニットチューブ状構造。
(態様9)
前記複数のニット列は、前記本体の表面の周りで側方方向に離間されている、態様1~8のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
(態様10)
前記複数の繊維は、それぞれ0.0060インチ未満の直径を有する、態様1~9のいずれか1項記載のニットチューブ状構造。
(態様11)
第一の直径から第二の直径に向かって半径方向に拡張するように構成された拡張可能部材、及び
該拡張可能部材を半径方向に解放可能に拘束するように構成されたニットチューブ状構造、
を含んでなる、メディカルデバイスであって、
該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは前記本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、メディカルデバイス。
(態様12)
前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列及び第三のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維及び作動繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列においてニットの少なくとも一部を形成し、そして前記作動繊維は、前記第一、第二及び第三のニット列のうちの2つのみでニットの少なくとも一部を形成する、態様11記載のメディカルデバイス。
(態様13)
前記ニットチューブ状構造は、少なくとも2つの協調繊維を含む、態様12記載のメディカルデバイス。
(態様14)
前記ニットチューブ状構造は、第一のニット列、第二のニット列、第三のニット列及び第四のニット列を含み、前記ニットチューブ状構造の前記複数の繊維は協調繊維を含み、前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも3つにおいてニットの少なくとも一部を形成する、態様12記載のメディカルデバイス。
(態様15)
前記協調繊維は、前記第一、第二、第三及び第四のニット列のうちの少なくとも1つにおいてチェーンニットを形成する、態様14記載のメディカルデバイス。
(態様16)
前記複数の繊維は複数の協調繊維を含む、態様15記載のメディカルデバイス。
(態様17)
前記協調繊維は、前記ニット列が実質的に同時に展開されないときに、展開に対する抵抗を増加させるように動作可能である、態様12~16のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様18)
前記協調繊維は、前記ニットチューブ状構造の最大拘束力を増加させるように動作可能である、態様12~17のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様19)
前記ニットチューブ状構造の前記少なくとも2つのニット列は、前記本体に沿って長手方向に実質的に同時に解放するように動作可能である、態様11~18のいずれか1項記載のメディカルデバイス。
(態様20)
メディカルデバイスを展開する方法であって、
拡張可能部材を患者内に配置すること、ここで、該拡張可能部材は、圧縮構成でニットチューブ状構造によって拘束され、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されており、該複数の繊維は展開部分を含む、
該拡張可能なメディカルデバイスから離れた該複数の繊維の展開部分を保持すること、及び
該複数の繊維の展開部分に十分な力を加えて、該ニット列の少なくとも一部を解放すること、
を含んでなる方法。
(態様21)
拡張可能部材を半径方向に圧縮して圧縮プロファイルにすること、及び
該拡張可能部材の周りにニットチューブ状構造を提供して、該拡張可能部材を該圧縮プロファイルに拘束すること、
を含んでなり、ここで、該ニットチューブ状構造は、長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは、該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成し、該少なくとも2つのニット列は、該本体の長手方向の長さの少なくとも一部に沿って次第に解放するように構成されている、メディカルデバイスを製造する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の長さを有する本体を形成する複数の繊維を含み、該複数の繊維は複数のニットを画定し、該複数のニットは該本体に沿って長手方向に延在している少なくとも2つのニット列を形成している、ニットチューブ状構造。
【外国語明細書】