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特開2024-177194マルチチャネルマニホルドを有するステアリングハンドル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177194
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】マルチチャネルマニホルドを有するステアリングハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/94 20060101AFI20241212BHJP
   A61B 18/22 20060101ALI20241212BHJP
   A61B 17/221 20060101ALI20241212BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20241212BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20241212BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20241212BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A61B17/94
A61B18/22
A61B17/221
A61M25/092 510
A61B1/307
A61B1/018 515
A61B1/018 511
A61B1/00 621
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024158267
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2021541491の分割
【原出願日】2020-01-20
(31)【優先権主張番号】62/794,328
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/868,271
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501012517
【氏名又は名称】アイピージー フォトニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・アルトゥシュラー
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・ヤロスラフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリ・ボウトウソフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトリヤ・アンドレヴァ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・トレクサー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・バレンボイム
(72)【発明者】
【氏名】アイザック・オストロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】アナスタシヤ・コヴァレンコ
(57)【要約】
【課題】オペレータが、潅注、吸引、またはそれらの両方を含む様々なタスクのために内視鏡システムを現場構成することが可能となるマニホルドを有するステアリングハンドルを提供する。
【解決手段】開示の内視鏡システムは、カテーテルアセンブリ内におけるレーザ光ファイバの位置の迅速な再設定を容易にする。例えば、レーザ光ファイバは、レーザ砕石術の間に内視鏡システムの潅注チャネルから取り外され、吸引チャネル内に再挿入されることが可能となる。いくつかの実施形態では、この取外しおよび再挿入は、患者または治療対象の器官からカテーテルを取り外すことなく現場実施され得る。本開示のシステムのこれらの態様は、レーザ砕石手技を実施するために必要な時間を短縮すると共に、患者に対する外傷をより軽減する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡外科用器具であって、
マニホルドを収容するハウジングを備えたステアリングハンドルであって、前記マニホルドは、主作業チャネル出力ポートと流体連通状態にある主作業チャネル入力ポートと、副作業チャネル出力ポートと流体連通状態にある副作業チャネル入力ポートと、を備えた、ステアリングハンドル、
を備え、
前記マニホルドは、潅注入力ポートを、前記主作業チャネル出力ポートまたは前記副作業チャネル出力ポートから選択的に遮断し、且つ潅注流体の送達を制御するように構成された1つ以上の弁を備え、これにより、
前記潅注流体は、前記潅注入力ポートを通じて前記主作業チャネル出力ポートへと向けられるか、または
前記潅注流体は、前記潅注入力ポートを通じて前記副作業チャネル出力ポートへと向けられる、内視鏡外科用器具。
【請求項2】
前記1つ以上の弁は、前記潅注入力ポートが前記主作業チャネル出力ポートから遮断されるように構成されており、主作業チャネル回路は、前記主作業チャネル入力ポートおよび前記主作業チャネル出力ポートを含み、前記主作業チャネル回路は、自身を通じて少なくとも1つの作業デバイスを通過させるように構成されている、請求項1に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの作業デバイスは、作業デバイスとしてのレーザ光ファイバ、バスケット、ガイドワイヤ、および生検鉗子の中の少なくとも1つである、請求項2に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項4】
前記潅注入力ポートと流体連通した潅注源、および
前記主作業チャネル入力ポートと流体連通した吸引源、
をさらに備えている、請求項3に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項5】
前記1つ以上の弁は、前記潅注入力ポートが前記副作業チャネル出力ポートから遮断されるように構成されており、副作業チャネル回路は、前記副作業チャネル入力ポートおよび前記副作業チャネル出力ポートを含み、前記副作業チャネル回路は、自身を通じて少なくとも1つの作業デバイスを通過させるように構成されている、請求項1に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの作業デバイスは、作業デバイスとしてのレーザ光ファイバ、バスケット、ガイドワイヤ、および生検鉗子の中の少なくとも1つである、請求項5に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項7】
近位端部部分および遠位端部部分を備え、前記近位端部部分から前記遠位端部部分まで延在した中心軸を画定したカテーテルシャフトであって、前記カテーテルシャフトは、前記中心軸に対して平行に延在した主作業チャネルと、前記中心軸に対して平行に延在した副作業チャネルと、を画定し、前記マニホルドの前記副作業チャネル出力ポートは、前記副作業チャネルと流体連通状態にあり、前記マニホルドの前記主作業チャネル出力ポートは、前記主作業チャネルと流体連通状態にある、カテーテルシャフト、
を備えた、請求項1に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項8】
前記主作業チャネルは、前記カテーテルシャフトの前記遠位端部部分を通じて延在している、請求項7に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項9】
前記1つ以上の弁は、前記潅注入力ポートが前記主作業チャネル出力ポートから遮断されるように構成されており、且つ
前記潅注入力ポートおよび前記副作業チャネルと流体連通した潅注源、ならびに
前記主作業チャネル入力ポートおよび前記主作業チャネルと流体連通した吸引源、
をさらに備えている、請求項8に記載の内視鏡外科用器具。
【請求項10】
内視鏡外科用システムであって、
中心軸を画定したカテーテルシャフトであって、前記中心軸は、前記カテーテルシャフトの近位端部部分から遠位端部部分を通じて延在し、前記カテーテルシャフトは、各々が前記中心軸に対して平行に延在した主作業チャネルおよび副作業チャネルを備えた、カテーテルシャフトと、
マニホルドを収容したステアリングハンドルであって、前記マニホルドは、前記主作業チャネルと流体連通状態にある主作業チャネル出力ポート、および前記副作業チャネルと流体連通状態にある副作業チャネル出力ポートを備え、前記マニホルドは、少なくとも1つの作業デバイスが、前記主作業チャネル出力ポートを経由して前記主作業チャネルを通じて送られるように構成された、ステアリングハンドルと、
潅注流体の送達を制御するように構成された1つ以上の弁であって、これにより
前記潅注流体が、前記主作業チャネルを通じて導かれるか、または
前記潅注流体が、前記副作業チャネルを通じて導かれる、
ように構成された、1つ以上の弁と、
を備えた、内視鏡外科用システム。
【請求項11】
前記マニホルドは、前記主作業チャネル出力ポートを経由して前記主作業チャネルを通じた、前記少なくとも1つの作業デバイスの通路のための主作業チャネル入力ポートを備えている、請求項10に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの作業デバイスとしてのレーザ光ファイバを備えている、請求項11に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項13】
前記主作業チャネルは、前記レーザ光ファイバを永久的に収容している、請求項12に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項14】
前記1つ以上の弁は、前記潅注流体が、前記副作業チャネルを通じて導かれるように構成されており、前記内視鏡外科用システムは、潅注源および前記副作業チャネルと流体連通した潅注入力ポートをさらに備えている、請求項12に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項15】
吸引源および前記主作業チャネルと流体連通した吸引入力ポートをさらに備えている、請求項14に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項16】
前記マニホルドは、潅注入力ポートおよび吸引入力ポートを備え、前記1つ以上の弁は、前記副作業チャネルおよび前記主作業チャネルの一方を前記潅注入力ポートから遮断するように構成されている、請求項10に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項17】
前記潅注入力ポートと流体連通した潅注源、および
前記吸引入力ポートと流体連通した吸引源、
をさらに備えている、請求項16に記載の内視鏡外科用システム。
【請求項18】
前記1つ以上の弁は、前記主作業チャネルが前記潅注入力ポートから遮断されるように構成されており、前記潅注流体は、前記副作業チャネルを通じて導かれ、前記吸引源は、前記吸引入力ポートを通じて前記主作業チャネルと流体連通している、請求項17に記載の内視鏡外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/794,328号と、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,271号とに基づく利益を主張するものである。これらの仮特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般的には可撓性カテーテル用のステアリングハンドルに関し、より詳細にはマルチチャネルマニホルドを有するレーザ砕石尿管鏡用のステアリングハンドルに関する。
【背景技術】
【0003】
腎結石は、毎年500人中1人の米国人が罹患し、激しい痛みを引き起こし、医療費の増加を招く。症候性腎結石を患う患者に対する外科オプションには、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、尿管鏡法、および経皮的腎砕石術(PCNL)が含まれる。ヒトの腎臓の解剖学的構造、結石の組成、および体型のいずれもが、成果および手術アプローチの決定に大きな役割を果たす。
【0004】
過去10年間において、尿管鏡法の役割は、可撓性カテーテルシャフトの直径の縮小化、ステアリング性能および偏曲性能の向上、ビデオイメージング、バスケットおよび機器の小型化、ならびにホルミウム(Ho):YAGレーザ、ツリウム(Tm):YAGレーザ、およびツリウムファイバレーザの出現による砕石(結石破壊)術の進化によって改善されてきた。現在、腎結石外科手術の45%超は、小型尿管鏡技術およびレーザの使用により実施される。
【0005】
尿管鏡法は、結石を直接見て治療するために尿管鏡と呼ばれる小型の可撓性または剛性のデバイスの使用を伴う。ビデオ画像の撮影表示ができ小型の「作業」チャネルを有するこの尿管鏡デバイスは、膀胱内へおよび尿管まで挿入され、最終的に結石に直面する。次いで、結石が、光ファイバを経由して標的部位へと伝送されるレーザエネルギーで破壊されるか、または作業チャネル内に挿入される小型バスケットを使用して引き出されることが可能となる。
【0006】
このタイプの外科手術の利点は、体孔がアクセスのために使用されることにより切開が不要となる点である。
【0007】
尿管鏡法は、尿管内または腎臓内の小さな結石に対しては多くの場合、良いオプションとなる。これらのタイプの結石を除去する場合の尿管鏡法の成功率は、衝撃波砕石術の場合よりも一般的に高い。しかし、衝撃波砕石術と比較すると、尿管鏡法は時として術後の不快感の高さを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
レーザ砕石術に付随するこの不快感は、尿管鏡が患者の体内に留まる時間に相関する。手技時間の短縮を可能にするレーザ内視鏡システムが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の様々な実施形態は、オペレータが、潅注、吸引、またはそれらの両方を含む様々なタスクのために内視鏡システムを現場(in situ)構成することが可能となるマニホルドを有するステアリングハンドルを備える。さらに、開示の内視鏡システムは、カテーテルアセンブリ内におけるレーザ光ファイバの位置の迅速な再設定を容易にする。すなわち、例えば、レーザ光ファイバは、レーザ砕石手技の間に内視鏡システムの潅注チャネルから取り外され、吸引チャネル内に再挿入されることが可能となる。いくつかの実施形態では、この取外しおよび再挿入は、患者または治療対象の器官からカテーテルを取り外すことなく現場実施され得る。いくつかの実施形態では、複数の作業デバイスが、複数の作業チャネルを介して同時に使用され得る。本開示のシステムのこれらの態様は、レーザ砕石手技を実施するために必要な時間を短縮すると共に、患者に対する外傷をより軽減する。
【0010】
いくつかの実施形態では、マニホルドは、第1の作業チャネルすなわち主作業チャネルから第2の作業チャネルすなわち副作業チャネルへ潅注を転換するように構成され得る。同様に、いくつかの実施形態は、一方の作業チャネルから他方の作業チャネルへ吸引を転換することを可能にする。さらにいくつかの実施形態は、両作業チャネルが「潅注のみ」動作モードまたは「吸引のみ」動作モードのいずれかに構成されるように構成することを可能にする。内視鏡外科用システムをこれらの様式で再構成することが可能であることにより、オペレータは、流れ調節および/または吸引調節を現場実施することが可能となる。例えば、作業デバイスが、潅注に使用される作業チャネル内に配設される場合には、この作業デバイスは、潅注が不十分である箇所への作業チャネルの妨げになる場合があり得る。占有されている作業チャネルから占有されていない作業チャネルへ潅注を転換することが可能であること(または両作業チャネルを用いて潅注することが可能であること)により、オペレータは、例えば一時的になど潅注の不十分な導管を改善して潅注を吸引に対して「調節する」ことが可能となり得る。同様に、作業デバイスが、吸引に使用される作業チャネル内に配設され、吸引が不十分である箇所への作業チャネルの妨げになる場合には、いくつかの実施形態は、マニホルドが「吸引のみ」構成で構成されることにより、吸引が潅注に対して調節されるのを可能にし得る。均衡した潅注流および吸引流を経時的に維持することが可能であることにより、内視鏡手技の完全排石率(すなわち手技後のある特定の時点ベンチマークにおいて患者内残留結石が存在しない確率)が上昇する。
【0011】
上述の態様は、カテーテルステアリングハンドル内に配設され得るコンパクトなマニホルドにおいて実現され、したがって文字通りオペレータの手のひらの中での使用が可能となり得る。そのため本開示のシステムは、事態が展開した場合にその事態に対して迅速かつ容易に実施される改善法を提供する。これは、オペレータにより自発的に行われ得るものであり、多大な時間のかかる潅注源および/または吸引源の連結部の再構成の必要を伴わず、一方でカテーテルが定位置に残置される。
【0012】
構造的には、本開示の様々な実施形態は、内視鏡外科用システムを図示および説明するものであり、この内視鏡外科用システムは、中心軸を画定するカテーテルシャフトであって、中心軸が、カテーテルシャフトの近位端部部分から遠位端部部分を貫通して延在し、カテーテルシャフトが、中心軸に対して平行に延在する主作業チャネルおよび中心軸に対して平行に延在する副作業チャネルを備える、カテーテルシャフトと、マニホルドを備えるステアリングハンドルであって、マニホルドが、主作業チャネルと流体連通状態にある主作業チャネル出力ポートおよび副作業チャネルと流体連通状態にある副作業チャネル出力ポートを備え、マニホルドが、主作業チャネル出力ポートを経由して主作業チャネルを通りおよび副作業チャネル出力ポートを経由して副作業チャネルを通る選択的な経路指定のための光ファイバを受けるように構成される、ステアリングハンドルと,を備える。いくつかの実施形態は、マニホルドは、主作業チャネル出力ポートを経由して主作業チャネルに光ファイバを通過させるための主作業チャネル入力ポートを備える。また、マニホルドは、副作業チャネル出力ポートを経由して副作業チャネルに光ファイバを通過させるための第2の光ファイバ入力ポートを備えてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトは可撓性である。レーザ光ファイバは、工場で設置済みであり得る。いくつかの実施形態では、主作業チャネルおよび副作業チャネルの一方が、レーザ光ファイバを永久的に収容する。光ファイバが、マニホルドを介して主作業チャネルおよび副作業チャネルの一方の中に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、レーザシステムが、光ファイバに対して動作可能に結合される。レーザシステムは、アブレーションレーザシステムであってもよく、ホルミウム:YAGレーザ、ツリウムファイバレーザ、ツリウム:YLFレーザ、およびツリウム:YAGレーザの中の1つを備えてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、マニホルドは、潅注入力ポートおよび吸引入力ポートを備え、マニホルドは、潅注入力ポートおよび吸引入力ポートから副作業チャネルを選択的に遮断するように構成される。マニホルドは、潅注入力ポートから主作業チャネルを選択的に遮断するように構成されてもよい。また、内視鏡外科用器具は、潅注入力ポートと流体連通状態にある潅注源と、吸引入力ポートと流体連通状態にある吸引源とを備えてもよい。
【0014】
本開示の様々な実施形態では、内視鏡外科用器具が開示され、この内視鏡外科用器具は、マニホルドを収容するハウジングを備えるステアリングハンドルであって、マニホルドが、潅注入力ポート、副作業チャネル入力ポート、主作業チャネル入力ポート、主作業チャネル出力ポート、および副作業チャネル出力ポートを備え、マニホルドが、主作業チャネル出力ポートおよび副作業チャネル出力ポートから潅注入力ポートを選択的に遮断するための1つまたは複数の弁を備える、ステアリングハンドルを備える。いくつかの実施形態では、マニホルドは、潅注入力ポートと主作業チャネル出力ポートとの間、および潅注入力ポートと副作業チャネル出力ポートとの間に流体連通を選択的に確立するための複数の弁を備える。いくつかの実施形態では、複数の弁は、主作業チャネル入力ポートと主作業チャネル出力ポートとの間、および副作業チャネル入力ポートと副作業チャネル出力ポートとの間に流体連通を選択的に確立するように構成可能である。いくつかの実施形態では、潅注入力ポートは、複数の弁の中の第1のものにより主作業チャネル出力ポートから選択的に遮断され、潅注入力ポートは、複数の弁の中の第2のものにより副作業チャネル出力ポートから選択的に遮断される。
【0015】
いくつかの実施形態では、主作業チャネル回路が、主作業チャネル入力ポートおよび主作業チャネル出力ポートを備え、主作業チャネル回路は、中に光ファイバを通過させるように構成される。主作業チャネル回路は、主作業チャネル出力ポートから主作業チャネル入力ポートを選択的に遮断するために複数の弁の中の第3のものを備えてもよい。いくつかの実施形態では、主作業チャネル回路は、主作業チャネル入力ポートの近位に圧縮継手を備える。いくつかの実施形態では、副作業チャネル回路が、副作業チャネル入力ポートおよび副作業チャネル出力ポートを備え、副作業チャネル回路は、中に作業デバイスを通過させるように構成される。副作業チャネル回路は、光ファイバ、バスケット、ガイドワイヤ、および生検鉗子の中の任意の1つを作業デバイスとして通過させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、副作業チャネル回路は、副作業チャネル出力ポートから副作業チャネル入力ポートを選択的に遮断するために複数の弁の中の第3のものを備える。副作業チャネル回路は、副作業チャネル入力ポートの近位に例えばTUOHY BORSTアダプタなどの圧縮継手を備えてもよい。いくつかの実施形態では、マニホルドは、吸引入力ポートを備え、副作業チャネル入力ポートおよび吸引入力ポートは、複数の弁の中の第3のものにより副作業チャネル出力ポートから選択的に遮断される。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の弁の中の第1のもの、複数の弁の中の第2のもの、および複数の弁の中の第3のものは、複数位置切替スイッチに対して結合され複数位置切替スイッチにより選択的に位置決めされる複数位置弁である。複数位置切替スイッチは、ステムを備えてもよく、このステムは、ステム軸を中心として回転し、複数位置切替スイッチに対して複数位置弁を連結し、複数位置弁のそれぞれが、ステム軸を中心として回転可能である。いくつかの実施形態では、複数位置切替スイッチは、3位置切替スイッチであり、複数位置弁は、3位置弁である。
【0017】
マニホルドは、副作業チャネル出力ポートと流体連通状態にある吸引入力ポートを備えてもよく、複数の弁の中の第4のものが、副作業チャネル出力ポートから吸引入力ポートを選択的に遮断する。いくつかの実施形態では、複数の弁のそれぞれが、ステムと、ハウジングを貫通して延在する手動アクチュエータとを備える。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態では、可撓性カテーテルシャフトが、近位端部部分および遠位端部部分を備え、近位端部部分から遠位端部部分まで延在する中心軸を画定する。可撓性カテーテルシャフトは、中心軸に対して平行に延在する主作業チャネルと、中心軸に対して平行に延在する副作業チャネルとを画定し、マニホルドの副作業チャネル出力ポートは、副作業チャネルと流体連通状態にあり、マニホルドの主作業チャネル出力ポートは、主作業チャネルと流体連通状態にある。主作業チャネルは、可撓性カテーテルシャフトの遠位端部部分の遠位面を貫通して延在してもよい。
【0019】
本開示の様々な実施形態は、カテーテルの遠位端部に位置するレーザ光ファイバの位置を変更するための方法を提供する。この方法は、可撓性カテーテルに対して動作可能に結合されたステアリングハンドルを用意するステップと、有形の非一時的媒体上において使用される命令を用意するステップとを含む。これらの命令は、ステアリングハンドルおよび可撓性カテーテルの第1の流体回路からレーザ光ファイバを取り外すステップであって、第1の流体回路が可撓性カテーテルの遠位端部を貫通して延在する、取り外すステップと、ステアリングハンドルおよび可撓性カテーテルの第2の流体回路内にレーザ光ファイバを挿入するステップであって、第2の流体回路が可撓性カテーテルの遠位端部を貫通して延在する、挿入するステップとを含む。第1の流体回路は、第2の流体回路とは別個であり異なるものである。いくつかの実施形態では、これらの命令は、取り外すステップの前に、第1の流体回路の第1の圧縮継手からレーザ光ファイバを外すステップと、挿入するステップの後に、第2の流体回路の第2の圧縮継手でファイバレーザを封止するステップとを含む。また、これらの命令は、取り外すステップおよび挿入するステップの前に身体器官内に可撓性カテーテルの遠位端部を配置するステップと、取り外すステップおよび挿入するステップの間に身体器官内に可撓性カテーテルの遠位端部を残置するステップとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、配置するステップの後、ならびに取り外すステップおよび挿入するステップの前に、潅注源から第1の流体回路および第2の流体回路の一方または両方を遮断するステップ。また、これらの命令は、配置するステップの後、ならびに取り外すステップおよび挿入するステップの前に、吸引源から第1の流体回路および第2の流体回路の一方または両方を遮断するステップを含んでもよい。身体器官は、膀胱、尿管、および腎臓の中の1つであってもよい。
【0020】
本開示の様々な実施形態では、カテーテルの少なくとも1つのルーメンを通る流れ方向を変更するための方法が、マニホルドが取り付けられたステアリングハンドルを用意するステップであって、マニホルドがカテーテルに対して動作可能に結合される、ステップと、有形の非一時的媒体上で使用される命令を用意するステップとを含む。これらの命令は、マニホルドの第1の弁を閉じることにより吸引源および潅注源の一方からカテーテルの第1のルーメンを遮断するステップであって、第1の弁がステアリングハンドル上でアクセス可能である、ステップと、マニホルドの第2の弁を開くことにより吸引源および潅注源の他方に対してカテーテルの第1のルーメンを流体連通させるステップであって、第2の弁がステアリングハンドル上でアクセス可能である、ステップとを含む。いくつかの実施形態では、第2の弁を開くステップは、カテーテルの第2のルーメンから潅注源を遮断する。いくつかの実施形態では、第1の弁および第2の弁は、ステアリングハンドル上でアクセス可能である単一の切替スイッチを用いて作動される。
【0021】
これらの命令は、マニホルドの作業デバイス入力ポートにより第1のルーメンから作業デバイスを取り外すステップをさらに含んでもよく、作業デバイス入力ポートは、第1のルーメンと流体連通状態にあり、ステアリングハンドル上でアクセス可能である。これらの命令は、第1のルーメンから作業デバイスを取り外すステップの後に、作業デバイス入力ポートを封止するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの命令は、マニホルドの第3の弁を用いて第1のルーメンから作業デバイス入力ポートを遮断するステップを含み、第3の弁は、ステアリングハンドル上でアクセス可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、これらの命令は、マニホルドの第3の弁を用いて第1のルーメンおよびマニホルドの作業デバイス入力ポートを流体連通させるステップを含み、第3の弁は、ステアリングハンドル上でアクセス可能である。これらの命令は、作業デバイス入力ポートを用いて第1のルーメン内に作業デバイスを挿入するステップを含んでもよく、作業デバイス入力ポートは、第1のルーメンと流体連通状態にあり、ステアリングハンドル上でアクセス可能である。いくつかの実施形態では、これらの命令は、第1のルーメン内に作業デバイスを挿入するステップの後に、作業デバイスの周囲で作業デバイス入力ポートを封止するステップを含む。これらの命令は、ステアリングハンドルのマニホルドの作業チャネル入力ポートに対して吸引源を連結するステップを含んでもよく、作業チャネル入力ポートは、第1のチャネルと流体連通状態にある。
【0023】
本開示の様々な実施形態では、カテーテルを通る潅注流を選択的に増加するための方法が、マニホルドが取り付けられたステアリングハンドルを用意するステップであって、マニホルドがカテーテルに対して動作可能に結合される、ステップと、有形の非一時的媒体上で使用される命令を用意するステップとを含む。これらの命令は、マニホルドの潅注ポートに対して潅注源を結合するステップであって、潅注ポートがステアリングハンドル上でアクセス可能である、ステップと、潅注源から潅注ポートを経由してカテーテルの第1のルーメンを通る潅注流を確立するステップと、マニホルドの弁を開いてカテーテルの第2のルーメンと潅注ポートとの間の流体連通を確立するステップであって、第2の弁がステアリングハンドル上でアクセス可能である、ステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の一実施形態による内視鏡システムの概略図である。
図2】本開示の一実施形態による外部システムおよびカテーテルに対して動作可能に結合される「W字」形状を有する第1のマニホルドの概略図である。
図3】本開示の一実施形態による外部システムおよびカテーテルに対して動作可能に結合される第2のマニホルドの概略図である。
図4】本開示の一実施形態による外部システムおよびカテーテルに対して動作可能に結合される第3のマニホルドの概略図である。
図5】本開示の一実施形態による図4の第3のマニホルドの3位置弁調整の一構成の概略図である。
図6】本開示の一実施形態による図4の第3のマニホルドの3位置弁調整の一構成の概略図である。
図7】本開示の一実施形態による外部システムおよびカテーテルに対して動作可能に結合される第4のマニホルドの概略図である。
図8】本開示の一実施形態による外部システムおよびカテーテルに対して動作可能に結合される第5のマニホルドの概略図である。
図9A】本開示の一実施形態による内視鏡システムのカテーテル内において作業デバイスの位置を変更するための方法の流れ図である。
図9B】本開示の一実施形態による内視鏡システムのカテーテル内の流れを反転させるための方法の流れ図である。
図9C】本開示の一実施形態による内視鏡システムのカテーテルを通過する潅注流を選択的に増加させるための方法の流れ図である。
図10】本開示の一実施形態による図2の概略図の第1のマニホルドを備える第1のステアリングハンドルの斜視図である。
図11】本開示の一実施形態による図3の概略図の第2のマニホルドを備える第2のステアリングハンドルの斜視図である。
図12】本開示の一実施形態による図4の概略図の第3のマニホルドを備える第3のステアリングハンドルの斜視図である。
図13】本開示の一実施形態による図7の概略図の第4のマニホルドを備える第4のステアリングハンドルの斜視図である。
図14】本開示の一実施形態による図8の概略図の第5のマニホルドを備える第5のステアリングハンドルの斜視図である。
図15】本開示の一実施形態による作動弁が開構成にある状態における図10のハウジングの部分側面図である。
図15A】本開示の一実施形態によるレバーアクチュエータを有する2位置弁アクチュエータの単体の斜視図である。
図15B】本開示の一実施形態によるハウジング内において第1の回転配向にある図15Aの2位置弁アクチュエータの断面図である。
図15C】本開示の一実施形態によるハウジング内において第2の回転配向にある図15Aの2位置弁アクチュエータの断面図である。
図16】本開示の一実施形態による作動弁が閉構成にある状態における図10のハウジングの部分側面図である。
図17】本開示の一実施形態による代替的な作動弁が開構成にある状態における図10のハウジングの部分側面図である。
図18】本開示の一実施形態による代替的な作動弁が閉構成にある状態における図10のハウジングの部分側面図である。
図19】本開示の一実施形態による切替スイッチアクチュエータの斜視図である。
図19A】本開示の一実施形態によるマニホルド内のアセンブリ内の図19の切替スイッチの部分斜視図である。
図20A】本開示の一実施形態による切替スイッチが第1の位置にある状態における図13のステアリングハンドルの部分立面図である。
図20B】本開示の一実施形態によるハウジングが除去された第1の位置にある図20Aの切替スイッチの部分図である。
図20C】本開示の一実施形態による図20Aの第1の位置にある3位置弁の概略断面図である。
図21A】本開示の一実施形態による切替スイッチが第2の位置にある状態における図13のステアリングハンドルの部分立面図である。
図21B】本開示の一実施形態によるハウジングが除去された第2の位置にある図21Aの切替スイッチの部分図である。
図21C】本開示の一実施形態による図20Aの第2の位置にある図21Aの3位置弁の概略断面図である。
図22A】本開示の一実施形態による切替スイッチが第3の位置にある状態における図13のステアリングハンドルの部分立面図である。
図22B】本開示の一実施形態によるハウジングが除去された第2の位置にある図22Aの切替スイッチの部分図である。
図22C】本開示の一実施形態による図21Aの第3の位置にある図22Aの3位置弁の概略断面図である。
図23】本開示の一実施形態による図2の概略図の第1のマニホルドの導管をソリッドモデルで示す図である。
図24】本開示の一実施形態による図23の収容された導管が仮想線で図示された図10の第1のステアリングハンドルの拡大部分図である。
図25】本開示の一実施形態による図2の概略図を具現化したマニホルドの立面図である。
図26】本開示の一実施形態によるハウジングに対して取り付けられた図25のマニホルドの部分斜視図である。
図27】本開示の一実施形態による図3の概略図のマニホルドの導管のソリッドモデルを示す図である。
図28】本開示の一実施形態による図27の収容された導管が仮想線で図示された図11のステアリングハンドルの拡大部分図である。
図29】本開示の一実施形態による図3の概略図を具現化したマニホルドの斜視図である。
図30】本開示の一実施形態による図7の概略図を具現化したマニホルドの断面図である。
図30A図30のマニホルドの拡大部分断面図である。
図31】本開示の一実施形態による図30の収容された導管が仮想線で図示された図13のステアリングハンドルの拡大部分図である。
図32】本開示の一実施形態による図7の概略図を具現化したマニホルドの斜視図である。
図33】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータを有する図8の概略図を具現化したマニホルドの斜視図である。
図34】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータが第1の潅注のみ構成で構成された状態における図33のマニホルドの端面図である。
図34A】本開示の一実施形態による図34の面A-Aにおける断面図である。
図35】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータが第2の潅注のみ構成で構成された状態における図33のマニホルドの端面図である。
図35A】本開示の一実施形態による図35の面A-Aにおける断面図である。
図36】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータが吸引のみ構成で構成された状態における図33のマニホルドの端面図である。
図36A】本開示の一実施形態による図36の面A-Aにおける断面図である。
図37】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータが吸引+潅注構成で構成された状態における図33のマニホルドの端面図である。
図37A】本開示の一実施形態による図37の面A-Aにおける断面図である。
図38】本開示の一実施形態によるプッシュ/プルアクチュエータが第1の潅注のみ構成で構成された状態における図33のマニホルドの端面図である。
図38A】本開示の一実施形態による図38の面A-Aにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、本開示の一実施形態によるレーザ砕石術のための内視鏡システム40の概略図が示される。この内視鏡システム40は、カテーテル44および様々な外部システム46に対して結合されたステアリングハンドル42を備える。ステアリングハンドル42は、外部システム46の中の少なくともいくつかに対して連結するように構成されたマニホルド48を備える。いくつかの実施形態では、マニホルド48は、潅注システム52、吸入システムまたは吸引システム54、およびレーザシステム56(例えばアブレーションレーザシステム)から様々に入力を受領するおよび/またはそれらへ様々に出力を送出する。このレーザシステムとして、例えばホルミウム:YAGレーザ源、ツリウムファイバレーザ源、ツリウム:YLFレーザ源、またはツリウム:YAGレーザ源などが含まれ得る。他の外部システム46は、ステアリングハンドル42も通過する経路をとる場合があるが、必ずしもマニホルド48を通過する経路をとるとは限らない(例えば図示される光システム62およびイメージングシステム64)。カテーテル44は、カテーテルシャフト66を備え、このカテーテルシャフト66は、カテーテルシャフト66の近位端部部分72から遠位端部部分74を通り延在する中心軸またはカテーテル軸68を有する。いくつかの実施形態では、カテーテル44は、カテーテルシャフト66の遠位端部部分74に対して結合された遠位ヘッド部分76を備える。いくつかの実施形態では、カテーテル44およびカテーテルシャフト66は、可撓性を有する(図を参照)。
【0026】
図2を参照すると、本開示の一実施形態による潅注システム52、吸引システム54、レーザシステム56、およびカテーテルシャフト66の近位端部部分72ならびにカテーテル44に対して動作可能に結合されたマニホルド48aの概略図80が示される。本明細書では、マニホルドは、参照符号48では全般的または集合的なものとして示され、文字の添え字が後に続く参照符号48(例えば「マニホルド48a」)では個別的または具体的なものとして示される。マニホルド48aは、複数の導管90を介して複数の出力ポート94と流体連通状態にある複数の入力ポート92を備える。複数の遮断弁96が、マニホルド48aの複数の導管90に対して動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、複数の遮断弁96のそれぞれが、複数の導管90のそれぞれ1つに対して結合される。遮断弁96は、「オン」(例えば流通を可能にする)または「オフ」(例えば流通を遮断または阻止する)のいずれかである「2位置」弁またはバイナリ弁であってもよい。入力ポート92の中の1つまたは複数が、圧縮継手98を備えてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の入力ポート92が、主作業チャネル入力ポート102、潅注入力ポート104、および副作業チャネル入力ポート106を備え得る。マニホルド48aの複数の出力ポート94が、主作業チャネル出力ポート122および副作業チャネル出力ポート124を備える。主作業チャネル入力ポート102は、アブレーションレーザシステム56に対して動作可能に結合され得る。潅注入力ポート104は、潅注システム52に対して結合され得る。副作業チャネル入力ポート106は、吸引システム54に対して結合され得る。いくつかの実施形態では、副作業チャネル入力ポート106は、吸引システム54の代わりに作業デバイス148に対応する。本明細書では、「作業チャネル」は、例えばレーザファイバおよびバスケットなどの作業ツールに対応するように構成されてもよく、または潅注流もしくは吸引流またはそれらの両方に対応するように構成されてもよく、あるいはそれらのすべての組合せに対応するように構成されてもよい。
【0028】
複数の流体回路110が、入力ポート92、導管90、出力ポート94、およびカテーテルルーメン140の固有の組合せにより決定され、流体回路110は、それぞれの遮断弁96を開くことによりイネーブルになる。マニホルド48aの場合には、複数の回路110としては、主作業チャネル回路112、第1の潅注回路114、副作業チャネル回路116、および第2の潅注回路118が含まれる。主作業チャネル回路112は、主作業チャネル入力ポート102、主作業チャネル導管90a、主作業チャネル出力ポート122、および主作業チャネル142からなり、これらは遮断弁96aを介して選択的に連結される。第1の潅注回路114は、潅注入力ポート104、第1の潅注導管90b、主作業チャネル出力ポート122、および主作業チャネル142からなり、これらは遮断弁96bを介して選択的に連結される。副作業チャネル回路116は、副作業チャネル入力ポート106、副作業チャネル導管90d、副作業チャネル出力ポート124、および副作業チャネル144からなり、これらは遮断弁96dを介して選択的に連結される。第2の潅注回路118は、潅注入力ポート104、第2の潅注導管90c、副作業チャネル出力ポート124、および副作業チャネル144からなり、これらは遮断弁96cを介して選択的に連結される。
【0029】
複数の流体回路110および遮断弁96は、複数の入力ポート92と複数の出力ポート94との間の流体連通を選択的に確立するように操縦され得る。いくつかの実施形態では、複数の遮断弁96は、主作業チャネル入力ポート102と主作業チャネル出力ポート122との間、潅注入力ポート104と主作業チャネル出力ポート122との間、潅注入力ポート104と副作業チャネル出力ポート124との間、および副作業チャネル入力ポート106と副作業チャネル出力ポート124との間の流体連通を選択的に確立するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数の導管90は、4つの導管90a~90dからなり、複数の遮断弁96は、対応する4つの遮断弁96a~96dからなる。これらの実施形態では、主作業チャネル入力ポート102は、複数の遮断弁96の中の第1の遮断弁96aにより主作業チャネル出力ポート122から選択的に遮断され、潅注入力ポート104は、複数の遮断弁96の中の第2の遮断弁96bにより主作業チャネル出力ポート122から選択的に遮断され、潅注入力ポート104は、複数の遮断弁96の中の第3の遮断弁96cにより副作業チャネル出力ポート124から選択的に遮断され、副作業チャネル入力ポート106は、複数の遮断弁96の中の第4の遮断弁96dにより副作業チャネル出力ポート124から選択的に遮断される。代替的には、単一の3位置弁(図示せず)が、2つの遮断弁96bおよび96cの代わりに使用されてもよく、この3位置弁は、潅注ポートを主作業チャネル出力ポート122および副作業チャネル出力ポート124のいずれか一方または両方と流体連通状態におく。
【0031】
カテーテル44は、複数のルーメン140を備え、これらのルーメン140は、カテーテル44を貫通しておよび少なくともカテーテルシャフト66の長さにわたって延在し、中心軸68に対して平行である。複数のルーメン140は、主作業チャネル142および副作業チャネル144をそれぞれ備える。いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト66は、主作業チャネル142および副作業チャネル144を画定する。主作業チャネル142および副作業チャネル144のそれぞれが、カテーテルシャフト66の遠位端部部分74を貫通する。
【0032】
いくつかの実施形態では、光ファイバ入力ポート102は、圧縮継手98の中の第1の圧縮継手132を備え、第1の圧縮継手132は、アブレーションレーザシステム56のレーザ源に対して動作可能に結合されるレーザ光ファイバ150を受けるように構成される。第1の圧縮継手132は、光ファイバ入力ポート102と遮断弁96aとの間に取り付けられ得る(図面を参照)。代替的には、遮断弁96aは、光ファイバ入力ポート102と第1の圧縮継手132との間に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、第1の圧縮継手は、光ファイバ入力ポート102を画定する。圧縮継手98の中の1つまたは複数が、1つまたは複数の作業デバイス148と共に使用するように構成されたTUOHY BORSTアダプタであってもよい。いくつかの実施形態では、副作業チャネル入力ポート106は、代替構成に対応し、副作業チャネル入力ポート106は、吸引システム54または圧縮継手98の中の第2の圧縮継手134のいずれかに対して結合される。第2の圧縮継手134は、バスケット、ガイドワイヤ、または生検鉗子(いずれも図示せず)などの様々な作業デバイス148の中の1つで構成され得る。また、第2の圧縮継手は、作業デバイス148として光ファイバ150(図面を参照)を受けるように構成されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ステアリングハンドル42およびカテーテル44は、所定位置にレーザ光ファイバ150と事前に組み立てられるまたは工場で設置済みである。工場で設置済みの光ファイバ150は、本明細書において開示されるように除去可能なものであってもよく、または永久的に設置されてもよく、作業チャネル142、144の一方が、レーザ光ファイバ150の収容専用となる。
【0034】
機能的には、ステアリングハンドル42は、カテーテル44に対する制御および送達を目的として様々な外部構成要素または外部システム46を組み込む。複数の遮断弁96は、マニホルド48aが潅注入力ポート104および/または吸引入力ポート106から副作業チャネル144を選択的に遮断するように構成されるのをイネーブルにし、またマニホルド48aが光ファイバ入力ポート102および/または潅注入力ポート104から主作業チャネル142を選択的に遮断するように構成されるのをイネーブルにする。圧縮継手98は、レーザ光ファイバ150または他の作業デバイス148の通過をイネーブルにする一方で、動作中に潅注液体および/または吸引液体が作業デバイス148の周囲で漏出するのを防止する。レーザ光ファイバ150以外の作業デバイス148を導入するこの自由度により、内視鏡システム40をアブレーション治療以外に使用するように実装することが可能となる。光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106の両方に対して圧縮継手132および134を設けるオプションを有する実施形態は、レーザ光ファイバ150が、カテーテル44の主作業チャネル142または副作業チャネル144のいずれかから標的ゾーンにアクセスするように選択的に構成されることを可能にする。
【0035】
動作時に、複数の遮断弁96は、固有の入出力の組合せをそれぞれが呈する複数の動作構成を画定するように操縦され得る。マニホルド48aに関する弁組合せの例を作表したものが、Table 1(表1)に示され、以下において説明される。
【0036】
マニホルド48aの第1の構成では、遮断弁96a、96b、および96cが開かれ、遮断弁96dが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第1の構成は、「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介した潅注を可能にし、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0037】
【表1】
【0038】
マニホルド48aの第2の構成では、遮断弁96b、96c、および96dが開かれ、遮断弁96aが閉じられ、光ファイバ150が遮断弁96dに挿通される。この第2の構成では、吸引システム54は連結解除され、第2の圧縮継手134は副作業チャネル入力ポート106に対して結合され得る。また、第2の構成は「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介した潅注を可能にするが、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0039】
マニホルド48aの第3の構成では、遮断弁96a、96b、および96dが開かれ、遮断弁96cが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第3の構成は「潅注/吸引」構成であり、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になり、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0040】
マニホルド48aの第4の構成では、遮断弁96aおよび96dが開かれ、遮断弁96bおよび96cが閉じられる。この第4の構成は、「吸引のみ」構成であり、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0041】
マニホルド48aの第5の構成では、遮断弁96bおよび96cは閉じられ、一方で遮断弁96aおよび96dの位置が可変的であり不特定である。この第5の構成は「移行」構成であり、カテーテル44およびマニホルドの出力ポート94は、潅注システム52および吸引システム54から遮断され、一方で光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、開かれ得るまたは閉じられ得る。図7に関連して以下で説明されるように、移行構成は、例えば主作業チャネル回路112から副作業チャネル回路116へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合、または副作業チャネル回路116から主作業チャネル回路112へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合などに実施され得る。
【0042】
マニホルド48aの第6の構成では、遮断弁96a~96dのすべてが閉じられ、レーザ光ファイバ150が引き抜かれる。この第6の構成は、潅注システム52、吸引システム54、およびアブレーションレーザシステム56からカテーテル44を完全に遮断する「閉」構成である。
【0043】
図3を参照すると、本開示の一実施形態による潅注システム52、吸引システム54、アブレーションレーザシステム56、およびカテーテル44の近位端部部分72に対して動作可能に結合されたマニホルド48bの概略図180が示される。マニホルド48bは、図2のマニホルド48aと同一の構成要素および属性の多くを備え、これらの構成要素および属性は同一番号の参照符号で示される。
【0044】
さらに、マニホルド48bは、複数の入力ポート92の中の1つとして専用吸引ポート182を備える。いくつかの実施形態では、副作業チャネル入力ポート106および吸引ポート182の両方が、同一の導管90(すなわち副作業チャネル導管90d)にアクセスする。また、マニホルド48bは、複数の遮断弁96の中の1つとして遮断弁96eを備え得る。遮断弁96dは、副作業チャネル入力ポート106と第2の圧縮継手134との間に取り付けられ得る(図面を参照)。代替的には、第2の圧縮継手134は、副作業チャネル入力ポート106と遮断弁96dとの間に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、第2の圧縮継手134は、副作業チャネル入力ポート106を画定する。
【0045】
マニホルド48bの場合に、複数の流体回路110は、吸引回路184を含む。吸引回路184は、吸引ポート182、副作業チャネル導管90d、副作業チャネル出力ポート124、および副作業チャネル144からなり、これらは遮断弁96eを介して選択的に連結される。
【0046】
機能的には、専用吸引ポート182は、作業デバイス148が吸引を損なわずに副作業チャネル144にアクセスするのを可能にする。そのため、副作業チャネル144は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)を収容し、また吸引チャネルとしての役割を果たすことが可能である。
【0047】
動作時に、複数の遮断弁96は、固有の入出力の組合せをそれぞれが呈する複数の動作構成を画定するように操縦され得る。マニホルド48bに関する弁組合せの例を作表したものが、Table 2(表2)に示され、以下において説明される。
【0048】
マニホルド48bの第1の構成では、遮断弁96a、96b、および96cが開かれ、遮断弁96dおよび96eは閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第1の構成は、「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介した潅注を可能にし、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0049】
マニホルド48bの第2の構成では、遮断弁96b、96c、および96dが開かれ、遮断弁96aおよび96eが閉じられ、光ファイバ150が遮断弁96dおよび第2の圧縮継手134に挿通される。また、この第2の構成も「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介した潅注を可能にするが、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0050】
【表2】
【0051】
マニホルド48bの第3の構成では、遮断弁96a、96b、および96eが開かれ、遮断弁96cおよび96dが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第3の構成は「潅注/吸引」構成であり、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になり、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0052】
マニホルド48bの第4の構成では、遮断弁96b、96d、および96eが開かれ、遮断弁96aおよび96cが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96dおよび第2の圧縮継手134に挿通される。この第4の構成も「潅注/吸引」構成であり、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になるが、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0053】
マニホルド48bの第5の構成では、遮断弁96aおよび96eが開かれ、遮断弁96b、96c、および96dが閉じられる。この第5の構成は「吸引のみ」構成であり、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0054】
マニホルド48bの第6の構成では、遮断弁96dおよび96eが開かれ、遮断弁96a、96b、および96cが閉じられる。この第6の構成は「吸引のみ」構成であり、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0055】
マニホルド48bの第7の構成では、遮断弁96b、96c、および96eが閉じられ、一方で遮断弁96aおよび96dの位置が可変的であり不特定である。この第7の構成は「移行」構成であり、カテーテル44およびマニホルドの出力ポート94は、潅注システム52および吸引システム54から遮断され、一方で光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、開かれ得るまたは閉じられ得る。図7に関連して以下で説明されるように、移行構成は、例えば主作業チャネル回路112から副作業チャネル回路116へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合、または副作業チャネル回路116から主作業チャネル回路112へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合などに実施され得る。
【0056】
マニホルド48bの第8の構成では、遮断弁96a~96eのすべてが閉じられ、レーザ光ファイバ150が引き抜かれる。この第8の構成は、潅注システム52、吸引システム54、およびアブレーションレーザシステム56からカテーテル44を完全に遮断する「閉」構成である。
【0057】
図4図6を参照すると、本開示の一実施形態による潅注システム52、吸引システム54、アブレーションレーザシステム56、およびカテーテル44の近位端部部分72に対して動作可能に結合されたマニホルド48cの概略図200が示される。マニホルド48cは、図3のマニホルド48bと同一の構成要素および属性の多くを備え、これらの構成要素および属性は同一番号の参照符号で示される。
【0058】
マニホルド48cは、複数の遮断弁96の中のいくつかまたはすべてを作動させるための切替スイッチ202を備える。マニホルド48cの場合に、切替スイッチ202は、遮断弁96b、96c、および96eに対して結合されるリンク204を備える。切替スイッチ202は、3位置スイッチであってもよく(図面を参照)、遮断弁96b、96c、および96eのそれぞれが、3つの固有の流れ/遮断配向に構成され得る3位置弁206であってもよい(これもまた図面を参照)。切替スイッチ202のこれらの3つの位置は、図面では1、2、および3で示される。各位置において、それぞれの3位置弁206は、それぞれの回路110の遮断またはイネーブルのいずれかを行う。
【0059】
機能的には、マニホルド48bと同様に、マニホルド48cの専用吸引ポート182は、作業デバイス148が吸引を損なわずに副作業チャネル144にアクセスするのを可能にする。切替スイッチ202は、遮断弁96b、96c、および96eを同時に作動させ、一方で遮断弁96aおよび96dは、個別に作動される。切替スイッチ202の位置はそれぞれ、3位置弁206のそれぞれの位置の中の1つに対応する。
【0060】
動作時に、切替スイッチ202ならびに遮断弁96aおよび96dは、固有の入出力の組合せをそれぞれが呈する複数の動作構成を画定するように操縦され得る。マニホルド48cに関する弁組合せの例を作表したものが、Table 3(表3)に示され、以下において説明される。
【0061】
マニホルド48cの第1の構成では、切替スイッチ202が「潅注のみ」構成212に対応する位置1に設定され、ここでは遮断弁96bおよび96cは開構成に構成され、遮断弁96eは閉構成に構成される。この潅注のみ構成212は図4に示される。遮断弁96aが開かれ、遮断弁96dが閉じられ、レーザ光ファイバ150は遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第1の構成では、潅注は、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介して可能になされ、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0062】
【表3】
【0063】
マニホルド48cの第2の構成では、切替スイッチが、位置1にて第1の構成と同一の潅注のみ効果へと設定される。遮断弁96dが開かれ、遮断弁96aが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96dおよび第2の圧縮継手134に挿通される。この第2の構成では、潅注は、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介して可能になされ、レーザ光ファイバ150は、副作業チャネル144内に位置する。
【0064】
マニホルド48cの第3の構成では、「潅注+吸引」構成214に対応する切替スイッチ202が位置3に設定され、ここでは遮断弁96bおよび96eが開構成に構成され、遮断弁96dが閉構成に構成される。潅注+吸引構成214は図6に示される。遮断弁96aが開かれ、遮断弁96dが閉じられ、レーザ光ファイバ150は遮断弁96aおよび第1の圧縮継手132に挿通される。この第3の構成では、潅注および吸引の両方が、カテーテル44に対して可能になされ、レーザ光ファイバ150は主作業チャネル142内に位置する。
【0065】
マニホルド48cの第4の構成では、切替スイッチは、第3の構成と同一の潅注+吸引効果に対応する位置3へと設定される。遮断弁96dが開かれ、遮断弁96aが閉じられ、レーザ光ファイバ150が遮断弁96dおよび第2の圧縮継手134に挿通される。この第4の構成では、潅注および吸引の両方が、カテーテル44に対して可能になされ、レーザ光ファイバ150は、副作業チャネル144内に位置する。
【0066】
マニホルド48cの第5の構成では、遮断弁96b、96c、および96eが閉じられ、一方で遮断弁96aおよび96dの位置が可変的であり不特定である。この第5の構成は「移行」構成であり、カテーテル44およびマニホルドの出力ポート94は、潅注システム52および吸引システム54から遮断され、一方で光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、開かれ得るまたは閉じられ得る。図7に関連して以下で説明されるように、移行構成は、例えば主作業チャネル回路112から副作業チャネル回路116へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合、または副作業チャネル回路116から主作業チャネル回路112へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合などに実施され得る。
【0067】
マニホルド48cの第6の構成では、切替スイッチが位置2に設定され、遮断弁96b、96c、および96eを閉じる。遮断弁96aおよび96dが閉じられ、レーザ光ファイバ150が引き抜かれる。この第6の構成は、潅注システム52、吸引システム54、およびアブレーションレーザシステム56からカテーテル44を完全に遮断する「閉」構成である。
【0068】
図7を参照すると、本開示の一実施形態による潅注システム52、吸引システム54、アブレーションレーザシステム56、およびカテーテル44の近位端部部分72に対して動作可能に結合されたマニホルド48dの概略図230が示される。マニホルド48dは、図4図6のマニホルド48cと同一の構成要素および属性の多くを備え、これらの構成要素および属性は同一号の参照符号で示される。
【0069】
マニホルド48cとは異なり、マニホルド48dは、遮断弁96aおよび96dを備えない。光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106を遮断する代わりに、圧縮継手132および134は、作業デバイス148(例えば光ファイバ入力ポート102の位置に図示されるような光ファイバ150)の存在、またはキャップもしくはプラグ232(副作業チャネル入力ポート106の位置に図示される)を用いてのいずれかにより、封鎖される。
【0070】
動作時に、切替スイッチ202は、図4図6に関連して説明されるように操縦される。光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)により占有されるか、またはキャップもしくはプラグ232で選択的に封止されるかのいずれかとなる。マニホルド48dに関する弁組合せの例を作表したものが、Table 4(表4)に示され、以下において説明される。
【0071】
【表4】
【0072】
マニホルド48dの第1の構成では、切替スイッチ202が、「潅注のみ」構成212に対応する位置1に設定される(図7)。第1の圧縮継手132は、作業デバイス148(例えば図示されるレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止される。第2の圧縮継手134は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第1の構成では、潅注は、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介して可能になされ、作業デバイス148が、主作業チャネル142内に位置する。
【0073】
マニホルド48dの第2の構成では、切替スイッチは、位置1にて第1の構成と同一の潅注のみ効果へと設定される。第2の圧縮継手134は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止される。第1の圧縮継手132は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第2の構成では、潅注は、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介して可能になされ、作業デバイス148が、副作業チャネル144内に位置する。
【0074】
マニホルド48dの第3の構成では、切替スイッチ202は、「潅注+吸引」構成214に対応する位置3に設定される(図6)。第1の圧縮継手132は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止される。第2の圧縮継手134は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第3の構成では、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になされ、レーザ光ファイバ150が主作業チャネル142内に位置する。
【0075】
マニホルド48dの第4の構成では、切替スイッチ202は、第3の構成と同一の潅注+吸引効果に対応する位置3へと設定される。第2の圧縮継手134は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止される。第1の圧縮継手132は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第4の構成では、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になされ、レーザ光ファイバ150が副作業チャネル144内に位置する。
【0076】
マニホルド48dの第5の構成では、遮断弁96b、96c、および96eが閉じられ、一方で遮断弁96aおよび96dの位置が可変的であり不特定である。この第5の構成は「移行」構成であり、カテーテル44およびマニホルドの出力ポート94は、潅注システム52および吸引システム54から遮断され、一方で光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、開かれ得るまたは閉じられ得る。図7に関連して以下で説明されるように、移行構成は、例えば主作業チャネル回路112から副作業チャネル回路116へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合、または副作業チャネル回路116から主作業チャネル回路112へ光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)を切り替える場合などに実施され得る。
【0077】
マニホルド48dの第6の構成では、切替スイッチ202が位置2に設定され、遮断弁96b、96c、および96eを閉じる(図5)。圧縮継手132および134は、キャップまたはプラグ232で封止され、レーザ光ファイバ150が引き抜かれる。この第6の構成は、潅注システム52、吸引システム54、およびアブレーションレーザシステム56からカテーテル44を完全に遮断する「閉」構成である。
【0078】
図8を参照すると、本開示の一実施形態による潅注システム52、吸引システム54、アブレーションレーザシステム56、およびカテーテル44の近位端部部分72に対して動作可能に結合されたマニホルド48eの概略図240が示される。マニホルド48eは、図7のマニホルド48dと同一の構成要素および属性の多くを備え、これらの構成要素および属性は同一番号の参照符号で示される。
【0079】
マニホルド48dと同様に、マニホルド48eは、遮断弁96aおよび96dを備えず、図7に関連して説明されるように回路遮断用の代替構成を有する。マニホルド48dとは異なり、残りの遮断弁96b、96c、および96eは、単一の切替スイッチに対して結合されない。代わりに、遮断弁96b、96c、および96eは、図3の概略図180と同類の個別の2位置弁である。
【0080】
動作時に、遮断弁96b、96c、および96eのそれぞれが個別に動作される。光ファイバ入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106は、光ファイバ150(もしくは他の作業デバイス148)で占有されるか、またはキャップもしくはプラグ232で選択的に封止されるかのいずれかである。マニホルド48eに関する弁組合せの例を作表したものが、Table 5(表5)に示され、以下において説明される。
【0081】
マニホルド48eの第1の構成では、遮断弁96bが開かれ、遮断弁96eが閉じられ、遮断弁96cが開かれ得るまたは閉じられ得る。遮断弁96cが閉じられると、第1の潅注回路114のみが潅注流体で満たされ、遮断弁96cが開かれると、潅注回路114および118が潅注流体で満たされ得る。第1の圧縮継手132は、作業デバイス148(例えば図示されるレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止される。第2の圧縮継手134は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第1の構成では、潅注は、主作業チャネル142および副作業チャネル144の両方を介して可能になされ、作業デバイス148は主作業チャネル142内に位置する。
【0082】
【表5】
【0083】
マニホルド48eの第2の構成では、遮断弁96b、96c、および96eが、第1の構成の場合と同じように構成され、第2の圧縮継手134は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止され、第1の圧縮継手132は、プラグまたはキャップ232で封止される。また、この第2の構成も「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および/または副作業チャネル144を介した潅注を可能にするが、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0084】
マニホルド48eの第3の構成では、遮断弁96bおよび96cが閉じられ、遮断弁96eが開かれる。作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)は、第1の圧縮継手132内に位置し、第2の圧縮継手134は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第3の構成は、「吸引のみ」構成であり、吸引回路184のみがイネーブルにされ、作業デバイス148は主作業チャネル142内に位置する。
【0085】
マニホルド48eの第4の構成では、遮断弁96b、96c、および96eは、第2の構成の場合と同じように構成され、第2の圧縮継手134は、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止され、第1の圧縮継手132は、プラグまたはキャップ232で封止される。また、この第2の構成も「潅注のみ」構成であり、主作業チャネル142および/または副作業チャネル144を介した潅注を可能にするが、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0086】
マニホルド48eの第5の構成では、遮断弁96bおよび96eが開かれ、遮断弁96cが閉じられる。作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)は、第1の圧縮継手132内に位置し、第2の圧縮継手134は、キャップまたはプラグ232で封止される。この第5の構成は「潅注/吸引」構成であり、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になされ、作業デバイス148は主作業チャネル142内に位置する。
【0087】
マニホルド48eの第6の構成では、遮断弁96bおよび96eが開かれ、遮断弁96cが閉じられ、第2の圧縮継手134が、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、それで封止され、第1の圧縮継手132がプラグまたはキャップ232で封止される。また、この第6の構成も「潅注/吸引」構成であり、潅注および吸引の両方がカテーテル44に対して可能になされ、レーザ光ファイバ150は副作業チャネル144内に位置する。
【0088】
マニホルド48eの第7の構成では、遮断弁96b、96c、および96eが閉じられ、一方で圧縮継手132および134の配設が可変的であり不特定である。この第7の構成は「移行」構成であり、カテーテル44およびマニホルドの出力ポート94は、潅注システム52および吸引システム54から遮断され、一方で第1の圧縮継手132および第2の圧縮継手134の一方が、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)により占有され、第2の圧縮継手134および第1の圧縮継手132の他方が、プラグまたはキャップ232で占有される。この移行構成は、例えば主作業チャネル回路112から副作業チャネル回路116へ作業デバイス148を切り替える場合、または副作業チャネル回路116から主作業チャネル回路112へ作業デバイス148を切り替える場合などに実施され得る。
【0089】
マニホルド48bの第8の構成では、遮断弁96a~96eのすべてが閉じられ、レーザ光ファイバ150が引き抜かれる。この第8の構成は、潅注システム52、吸引システム54、およびアブレーションレーザシステム56からカテーテル44を完全に遮断する「閉」構成である。
【0090】
図9A図9B、および図9Cを参照すると、本開示の実施形態による内視鏡システム40を操作する方法250が示される。方法250aは、カテーテル44の遠位端部部分74に位置する作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)の位置を変更することに関する。方法250bは、カテーテル44内の流れを反転させることに関する。方法250cは、カテーテル44を通る潅注流を選択的に増加することに関する。これらの方法250は、本願の内視鏡システム40に関連して説明されるが、任意のカテーテルおよび適切に備えられるステアリングハンドルが、これらの方法250では使用され得る。
【0091】
方法250は、キット252の形態で具現化され得るものであり、ステアリングハンドル42およびカテーテル44が、有形の非一時的媒体256上において使用される命令254と共に提供される(図1)。有形の非一時的媒体256の非限定的な例としては、紙の文書(図面を参照)、またはコンパクトディスクおよび磁気記憶デバイス(例えばハードディスク、フラッシュドライブ、カートリッジ、フロッピードライブ)を含むコンピュータ可読媒体が含まれる。これらのコンピュータ可読媒体は、ローカル接続のものであってもよく、またはインターネット経由でアクセス可能であってもよい。命令254は、単一の媒体上に完備されてもよく、または2つ以上の媒体の間で分割されてもよい。例えば、キット252は、インターネットを介して方法250のステップの中の1つまたは複数にアクセスするようにオペレータに命令する紙の文書上に記載された命令254を備えてもよく、これらのインターネットアクセス可能なステップは、コンピュータ可読媒体上に格納される。これらの命令254は、記載された文字、図、および/または動画表示の形態であってもよい。方法250は、命令254の補助を伴わずにまたはキット252の提供を伴わずに実行されてもよい。したがって、方法250のステップ261、271、および281は、オプションとしてみなされる。なぜならば、方法250は、ステアリングハンドルおよびあらかじめ用意されたカテーテル上で実行されてもよいからである。
【0092】
図9Aを参照すると、方法250aは、身体器官内にカテーテル44の遠位端部部分74を配置することと(ステップ262)、方法250aの残りのステップの間に身体器官内に遠位端部部分74を残置することとを含み得る。この遠位端部部分74が挿入される身体器官の例としては、膀胱、尿管、および腎臓が含まれる。ステップ262はオプションである。なぜならば、方法250aは、身体器官外で実行されてもよいからである。
【0093】
方法250aは、潅注源および吸引源の一方または両方から第1の流体回路および第2の流体回路の一方または両方を遮断すること(ステップ263)を含む。内視鏡システム40に関して、第1の流体回路は、第1の潅注回路114または吸引回路116のいずれかに対応するものであっ
てもよく、第2の流体回路は、吸引回路116または第1の潅注回路114の他方に対応するもの
であってもよい。また内視鏡システム40に関して、潅注源は潅注システム52に対応し、吸
引源は吸引システム54に対応する。ステップ263に関する構成例としては、Table 1(表1)
~Table 4(表4)の「移行」構成が含まれる。ステップ263はオプションである。なぜなら
ば、方法250は、潅注源および/または吸引源に対して連結されないカテーテルおよびステ
アリングハンドルの上で実施されてもよいからである。
【0094】
いくつかの実施形態では、方法250aは、第1の流体回路の第1の圧縮継手から作業デバイスを外すこと(ステップ264)を含む。内視鏡システム40に関して、作業デバイスは、作業デバイス148(例えばレーザ光ファイバ150)に対応し、第1の圧縮継手は、方法250aの開始時に作業デバイス148が中に位置する圧縮継手98(例えば第1の圧縮継手132または第2の圧縮継手134)に対応する。ステップ264はオプションである。なぜならば、方法250aは、圧縮継手を備えないシステム上で実行されてもよいからである。
【0095】
作業デバイス148は、ステアリングハンドルおよびカテーテルの第1の流体回路から取り外される(ステップ265)。内視鏡システム40に関して、作業デバイス148は、方法250aの開始時に作業デバイス148が中に位置する主作業チャネル回路112または吸引回路116のいずれかから取り外される。
【0096】
作業デバイス148は、ステアリングハンドルおよびカテーテルの第2の流体回路に挿入される(ステップ266)。内視鏡システム40に関して、作業デバイス148は、方法250aの開始時に作業デバイス148が中に位置しない主作業チャネル回路112または吸引回路116のいずれかに挿入される。
【0097】
いくつかの実施形態では、方法250aは、第2の流体回路の第2の圧縮継手で作業デバイス148を封止すること(ステップ267)を含む。内視鏡システム40に関して、第2の圧縮継手は、方法250aの開始時に作業デバイス148が中に位置しない副作業チャネル回路116または主作業チャネル回路112の圧縮継手134または132に対応する。ステップ267はオプションである。なぜならば、方法250aは、圧縮継手を備えないシステム上で実行されてもよいからである。
【0098】
機能的には、方法250aは、適切に備えられたステアリングハンドルおよびカテーテルの作業デバイスがカテーテル44の遠位端部部分74にて変更されるのを可能にする。この点により、オペレータは、標的におけるアブレーションレーザビームのアプローチおよび衝突角度を変更することが可能となり得る。かかる自由度により外科的成果が改善され得る。カテーテル44の遠位端部部分74に視覚性能を備える内視鏡システムの場合には、この点により、作業デバイスおよび標的ゾーンにおけるレーザビーム衝突のオペレータによる視認もまた改善され得る。カテーテル44が人体内に挿入された状態での変更の実施を可能にする実施形態の場合には、この変更は、カテーテル44の除去および再挿入に付随する追加時間および外傷を軽減または回避しつつ行うことが可能となる。
【0099】
図9Bを参照すると、カテーテル44内の流れを反転させる方法250bが示される。この方法250bは、ステアリングハンドル42のマニホルド48の作業チャネル入力ポート102に対して吸引源54を結合すること(ステップ272)を含み得る。いくつかの実施形態は、専用吸引入力チャネル182(例えばマニホルド48b)を備え、したがってこのステップの必要性が解消される。したがって、ステップ272は、吸引源54および作業デバイス148が作業チャネル入力ポート102(例えばマニホルド48a)を代替的に共有する実施形態に関連するオプションのステップである。
【0100】
いくつかの実施形態では、カテーテル44のルーメン140の中の第1のものの中の流れを反転させることは、以下の2つのステップ、すなわちマニホルド48の複数の遮断弁96の中の第1のものが閉じられ、それにより潅注源52または吸引源54のいずれかからルーメン140を遮断するステップ(ステップ273)と、マニホルド48の複数の遮断弁96の中の第2のものが開かれ、それによりルーメン140の中の第1のものと潅注源52または吸引源54のいずれかとが流体連通されるステップ(ステップ274)とを伴う。
【0101】
例えば、マニホルド48aを参照すると(図2)、副作業チャネル144内の流れを吸引流から潅注流へと反転させるために、ステップ273にて遮断弁96dが閉じられ、ステップ274にて遮断弁96cが開かれる。副作業チャネル144内の流れを潅注流から吸引流へと反転するために、ステップ273にて遮断弁96cが閉じられ、ステップ274にて遮断弁96dが開かれる。
【0102】
機能的には、カテーテルのルーメンの中の1つの中の流れを反転させることが可能であることにより、潅注流と吸引流との間の不均衡を改善することが可能になる。例えば、吸引流量が潅注流量を超過する場合に、治療対象の器官が収縮する場合があり、これが疼痛および損傷を引き起こし得る。この例では、吸引流を反転させ潅注流を導入することが可能であることにより、潅注質量を吸引質量に対して「調節する」(例えば内視鏡システム40を「潅注のみ」構成にすることにより)ことが可能となる。潅注質量が吸引質量に対して十分に調節されると、器官の過充満を回避するために流れが再び反転され得る(例えば内視鏡システム40を「潅注+吸引」または「吸引のみ」構成にすることにより)。この自由度により、オペレータは、例えば吸引チャネル内に置かれた作業デバイス148または結石破片の存在により引き起こされる障害などによって流れ不均衡が生じている期間も作業することが可能となる。また、流れを反転させることは障害となる結石破片を移動させる役割も果たし得る。
【0103】
図9Cを参照すると、カテーテル44内の潅注流を増加させる方法250cが示される。方法250cは、ステアリングハンドル42のマニホルド48の潅注入力ポート104に対して潅注源52を結合すること(ステップ282)を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル44のルーメン140の中の第1のものの中の流れを増加させることは、以下の2つのステップ、すなわち基準潅注流が、潅注源52から潅注ポート104を経由してカテーテル44のルーメン140の中の第1のものを通り確立されるステップ(ステップ283)と、マニホルド48の複数の遮断弁96の中の1つを開いて潅注源52に対してカテーテル44のルーメン140の中の第2のものを流体連通させるステップ(ステップ284)とを伴う。
【0104】
例えば、マニホルド48aを参照すると(図2)、カテーテル44を通る潅注流を増加させるためには、ステップ283にて、最初に、流れが第1の潅注回路114および主作業チャネル142を通り確立される。ステップ284にて、遮断弁96cが開かれて、潅注入力ポート104を介して第2の潅注回路118および副作業チャネル144を通る流れが確立される。
【0105】
機能的には、カテーテルを通過する潅注流を増加させることが可能であることによっても、潅注流と吸引流との間の不均衡を改善することが可能になる。ここでも、吸引流量が潅注流量を超過する場合に、治療対象の器官が収縮する場合があり、これが疼痛および損傷を引き起こし得る。この例では、潅注流量を増加させることが可能であることにより、潅注質量を吸引質量に対して「調節する」(例えば内視鏡システム40を「潅注のみ」構成にすることにより)ことが可能となる。潅注質量が吸引質量に対して調節されるまたは超過すると、潅注流は基準流量へと戻され得る。この自由度により、オペレータは、例えば潅注チャネル内の作業デバイス148の存在により引き起こされる障害などによって流れ不均衡が生じている期間も作業することが可能となる。
【0106】
図9A図9Cの方法250は、同時に、連続的に、またはそれらの何らかの組合せでなど、共に実行されてもよい。例えば、流れ反転方法250bまたは潅注流増加方法250cが、作業デバイス位置変更方法250aと組み合わせて実施されてもよい。同様に、流れ反転方法250bは、潅注流増加方法250cを伴ってもよい。したがって、方法250のステップは、図9A図9Cにおいて図示および説明されるもの以外の方法で組み合わされてもよい。
【0107】
図10図14を参照すると、図2図8のマニホルド48a~48eをそれぞれ収容する本開示の一実施形態によるステアリングハンドル42a~42eがそれぞれ示される。本明細書において、ステアリングハンドルは、参照符号42では全般的または集合的なものとして示され、文字の添え字が後に続く参照符号42(例えば「ステアリングハンドル42a」)では個別的または具体的なものとして示される。
【0108】
ステアリングハンドル42は、本体部分308により隔てられるヘッドアセンブリ304およびベース部分306を有するハウジング302を備える。本体部分308は、ハンドル軸310を有し、ヘッド部分304、本体部分308、およびベース部分306がこのハンドル軸310に沿って配置される。ヘッドアセンブリ304は、本体部分308の近位に位置し、ベース部分306は、本体部分308の遠位に位置する。本明細書において、ステアリングハンドル42のコンテクストで、「近位」は、カテーテル軸68およびハンドル軸310に沿ってヘッドアセンブリ304に向かう方向312を示し、「遠位」は、カテーテル軸68およびハンドル軸310に沿ってヘッドアセンブリ304から離れる方向314を示す。ヘッドアセンブリ304は、カテーテル44の遠位端部74を関節連結するためのサムレバー316と、内視鏡システム40の特徴部を作動させるための1つまたは複数の押しボタンアクチュエータ318とを備え得る。
【0109】
ベース部分306は、バルクヘッド332を備えてもよく、主作業チャネル入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106が外部システム46と連携するためにこのバルクヘッド332を通り送られる。いくつかの実施形態では、潅注入力ポート104および吸引ポート182は、ベース部分306を通りバルクヘッド332の遠位まで延在する(図10および図11)が、さらにバルクヘッド332を通り送られてもよい(図12図14)。任意には、潅注入力ポート104または吸引ポート182(あるいはそれらの両方)が、LUERテーパ継手に適合可能となるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、潅注入力ポート104または吸引ポート182(あるいはそれらの両方)が、止水栓弁などの外部弁を備えてもよい。ベース部分306は、カテーテル44が結合されるカテーテルポート334と、電気配線の経路指定のための電気ポート336とを備え得る。
【0110】
ステアリングハンドル42a、42b、および42cは、遮断弁96を操縦するための複数の回転式2位置弁アクチュエータ338を備える。いくつかの実施形態では、この弁アクチュエータ338は、ハウジング302のベース部分306を貫通して延在する。ステアリングハンドル42cおよび42dは、図4図7のマニホルド48cおよび48dに関して図示される切替スイッチ202のための切替スイッチアクチュエータ360を備える。また、ステアリングハンドル42dは、副作業チャネル入力ポート106を封止するためのキャップまたはプラグ232を備える。ステアリングハンドル42eは、遮断弁96を操縦するための複数の押しボタン式2位置並進式弁アクチュエータ340を備える。
【0111】
図15図17を参照すると、本開示の実施形態による回転式2位置弁アクチュエータ338が示される。ステアリングハンドル42aおよび42bについて、遮断弁96のすべてが2位置弁またはバイナリ弁342であり、例えば回転式止水栓弁344である。ステアリングハンドル42cについて、遮断弁96aおよび96dのみが2位置弁342である。回転式2位置弁アクチュエータ338および入力ポート92は、識別の容易化のためにカラーコードを付されてもよい(例えば潅注はオレンジ色、作業デバイスは青色、および吸引は白色など)。代替的にまたは追加的に、各弁アクチュエータ338および/または入力ポート92は、ハウジング302上にプリントで識別されてもよい。
【0112】
図15A図15Cおよび図15に示すように、回転式2位置弁アクチュエータ338は、ハウジング302を貫通して延在してもよく、オペレータによる回転操縦用のレバーアクチュエータ346を備えてもよい。レバーアクチュエータ346は、ステム348に対して結合され(図15A)、遮断弁96の流れオリフィス349を通過する流れ方向に対して平行になるように配向され得る。この流れオリフィス349は、ステム348内に画定される。ステム348は、ハウジング302と一体であるまたは単体をなすものであり得る弁本体343に挿入される。いくつかの実施形態では、各レバーアクチュエータ346がフランジ345を備え、フランジ345は、ステム348を部分的に囲み、弁本体343またはハウジング302の上に形成されたストッパ347と共同して回転式2位置弁アクチュエータ338の回転を固定角度(例えば図15Bおよび図15Cに示す90度など)へ限定する。
【0113】
図示する実施形態では、マニホルド48は、流体回路110が近位方向312および遠位方向314へと概ね延在するように配向される。そのため、図示する遮断弁96は、レバーアクチュエータ346が近位方向312および遠位方向314に対して実質的に平行に延在する場合には「開いて」おり(すなわち流れ可能配向)(図15)、レバーアクチュエータ346が近位方向312および遠位方向314に対して実質的に垂直に延在する場合には「閉じられて」いる(すなわち流れ遮断配向)(図16)。
【0114】
代替的には、図17および図18に示すように、止水栓弁344は、ツール(図示せず)を用いて遮断弁96を作動させるためのツールレセプタクル350を画定し得る。ツールレセプタクル350は、例えば平頭ねじドライバ(図示せず)を挿入するためのスロット(図示せず)などであってもよい。ツールスロット350を有する止水栓弁344は、ハウジング302の内部に位置してもよく、ハウジング302の一部分を除去することにより(図面を参照)、またはハウジング302上に形成されたアクセスアパーチャを介して(図示せず)アクセス可能であってもよい。
【0115】
図19を参照すると、本開示の一実施形態による切替スイッチアクチュエータ360が示される。切替スイッチアクチュエータ360は、ハンドル部分362およびステム部分364を備え、ステム部分364は回転軸366を有する。切替スイッチアクチュエータ360は、遮断弁96b、96c、および96e用のバルブコア368と、保持クリップ374を受けるように構成された接線方向溝372を画定する端部軸受368とを備え得る(図30)。また、切替スイッチアクチュエータ360はカム376を備えてもよい。バルブコア368は、流れ軸384を有する流れオリフィス382を画定する。流れ軸384は、回転軸366に対して直交方向に延在し、回転軸366から外側へオフセットする。
【0116】
図20を参照すると、切替スイッチアクチュエータ360は、本開示の一実施形態によるアセンブリ内に示される。図20では、切替スイッチアクチュエータ360のハンドル部分362は明瞭化のために取り除かれている。切替スイッチアクチュエータ360は、マニホルド48c、48dと一体であり得る切替スイッチ本体386内に配設される。いくつかの実施形態では、マニホルド48c、48dは、外方へ延在し切替スイッチアクチュエータ360のカム370を囲む特徴部388を備える。カム370は、特徴部388と相互作用して、切替スイッチ202の3つの位置の中の1つに切替スイッチアクチュエータ360をスナップ保持し、それによりバルブコア368を所望の回転配向に保持する。特徴部388は、ストッパ392を備えてもよく、カム370は、このストッパ392に対して位置合わせされることにより所与方向における切替スイッチアクチュエータ360のさらなる回転を防止する。
【0117】
機能的には、切替スイッチアクチュエータ360は、切替スイッチ本体386およびマニホルド48c、48dの特徴部388、392と協働することにより、3位置切替スイッチ394を画定する。図示するような3位置切替スイッチ394の位置は、マニホルド48cおよび48dの「潅注のみ」構成、「閉」構成、および「潅注+吸引」構成に相当する。
【0118】
図20A図22Cを参照すると、本開示の一実施形態による3位置切替スイッチ394および3位置弁206の動作が示される。同一の操作がステアリングハンドル42dに対しても適用されるという了解のもとに、ステアリングハンドル42cがこれらの図面に示される。上記で200および230に関連して説明されるような「位置1」が、図20A図20Cに示され、これはハウジング302上にマーキングされるように「潅注のみ」構成に相当する。位置1では、カム370は、特徴部388の中の第1のものおよびストッパ特徴部392の中の1つに係合する(図20B)。
【0119】
図20C図21C、および図22Cの概略断面396a~396c(集合的かつ全般的には断面396と呼ぶ)は、弁切替スイッチ本体386内のバルブコア368に相当する。断面396のバルブコア368は、2つの流れオリフィス382および382'を示し、流れオリフィス382'は、オプションであり仮想線で示される。例として、断面396a~396cは、マニホルド48cおよび48dに関して図示および説明されるように遮断弁96bおよび96eの3位置構成に対応する。オプションの流れオリフィス382'は、遮断弁96bの場合に存在し、遮断弁96eの場合には存在しない。断面396では、切替スイッチ本体386は、マニホルド48c、48dの導管90を部分的に画定し、これらの導管90は、3位置弁206が流れ可能構成にある場合に、切替スイッチアクチュエータ360の回転軸366から外側へオフセットされ流れオリフィス382と整列状態になる位置にて、切替スイッチ本体386を貫通する(図22A)。
【0120】
上記で概略図200および230に関連して説明されるような「位置2」が、図21A図21Cに示され、これはハウジング302上にマーキングされるように「閉」構成に相当する。カム370は、特徴部388の中の第2のものに係合して、切替スイッチアクチュエータ360を位置2に固定する(図21B)。断面396bでは、バルブコア368が導管90を塞ぎ、それにより導管90を阻止して回路110を遮断する。
【0121】
上記で概略図200および230に関連して説明されるような「位置3」が、図22A図22Cに示され、これはハウジング302上にマーキングされるように「閉」構成に相当する。カム370は、特徴部388の中の第3のものおよびストッパ特徴部382の中の1つに係合して、切替スイッチアクチュエータ360を位置3に固定する(図22B)。断面396cでは、バルブコア368は、オプションの流れオリフィス382'が存在するか否かに応じて導管90を通る流れを阻止するかまたは可能にするかのいずれかを行う(図20C)。すなわち、2つの流れオリフィス382および382'を有する遮断弁96bについては、図22Cで流れが可能になされる。1つのみの流れオリフィス382を有する遮断弁96eについては、図22Cで流れは阻止される。遮断弁96cの動作は、遮断弁96bの動作の逆となる(すなわち位置1で遮断構成にあり、位置3で流れ可能構成にある)。
【0122】
このようにして、スイッチアクチュエータ360は、切替スイッチ本体386およびマニホルド48c、48dの特徴部388、392と協働して、マニホルド48cおよび48dの3位置弁206を実現する。
【0123】
図23図26を参照すると、本開示の一実施形態による概略図180の様々な態様を物理的領域において示すマニホルド48aのレイアウトおよび構造が示される。図23では、導管90からマニホルド48aにかけてのソリッドモデル表現420が示される。図24では、導管からハウジング302にかけての経路が隠線で示される。図23および図24では、マニホルド48aの導管90は、文字Wに類似し、3つの入力ポート102、104、および106がWの頂部に位置し、出力ポート94が、Wの底部の先端部に位置する。マニホルド48aは、図25では単独で(取付具を有する)示され、図26では設置状態で示される。また、図24図26では、弁アクチュエータ338は、弁アクチュエータ338a~338dとして、対応する遮断弁96a~96dと共に個別に識別される。
【0124】
図27図29を参照すると、本開示の一実施形態による概略図200の様々な態様を物理的領域において示すマニホルド48bのレイアウトおよび構造が示される。図27では、導管90からマニホルド48bにかけてのソリッドモデル表現440が示される。図28では、導管からハウジング302にかけての経路が隠線で示される。図29では、マニホルド48bが単独で示される。図示する実施形態では、マニホルド48a、48bは、マトリクス構造体424を備え、導管90はこのマトリクス構造体424を貫通し、マトリクス構造体424は弁96を支持する。バルクヘッド332、導管90、およびマトリクス構造体424は、単体であってもよい。また、図28および図29では、弁アクチュエータ338は、弁アクチュエータ338a~338eとして、対応する遮断弁96a~96eと共に個別的に識別される。
【0125】
マニホルド48aおよび48bに関して、導管90、ならびに具体的には主作業チャネル回路112および副作業チャネル回路116の作業チャネル導管90aおよび90dは、漸進的変曲を特徴とする。導管90は、バルクヘッド332も貫通する。機能的には、主作業チャネル回路112の主作業チャネル導管90aおよび副作業チャネル回路116の副作業チャネル導管90dの漸進的変曲は、作業デバイス148のクリンピングを防止して、平滑な挿入を可能にする。潅注導管90bおよび90cに鋭角コーナが存在しないことにより、潅注回路114および118内における圧力降下が軽減される。マトリクス構造体424は、マニホルド48に十分な強度および取付け特徴部を与え、3次元印刷製造技術が容易である。
【0126】
図30図32を参照すると、本開示の一実施形態による概略図230の様々な態様を物理的領域において示すマニホルド48dのレイアウトおよび構造が示される。図30では、3位置切替スイッチ394を経由して送られる導管90b、90c、および90eの断面図460が示される。図31では、ハウジング302を貫通する導管90の経路が隠線で示される。図32では、マニホルド48dが単独で示される。マニホルド48dもまた、マトリクス構造体424を備え、導管90はこのマトリクス構造体424を貫通し、マトリクス構造体424は弁96を支持する。バルクヘッド332、導管90、およびマトリクス構造体424は、単体であってもよい。
【0127】
主作業チャネル142は、内径462および外径464を有する(図30A)。同様に、副作業チャネル144は、内径466および外径468を有する。いくつかの実施形態では、作業チャネル144、142の一方が、作業チャネル142、144の他方の内径462よりも大きな内径466を有する。図示する実施形態では、副作業チャネル144がより大きな内径466を有し、主作業チャネル142がより小さな内径462を有する。しかし、この構成は逆であってもよく、または実質的に同等サイズである内径462、466を有することにより否定されてもよい。いくつかの実施形態では、内径466は、1.0ミリメートル~1.4ミリメートルの範囲内(1.0ミリメートルおよび1.4ミリメートルを含む)である。いくつかの実施形態では、内径462は、0.6ミリメートル~0.8ミリメートルの範囲内(0.6ミリメートルおよび0.8ミリメートルを含む)である。それぞれの外径は、0.08ミリメートル~0.1ミリメートルの範囲内(0.08ミリメートルおよび0.1ミリメートルを含む)の壁部厚さに対応し得る。この構成は、マニホルド48dに関して図示されるが、任意の本開示のマニホルド48について実施されてもよい。
【0128】
主作業チャネル回路112の主作業チャネル導管90aおよび副作業チャネル回路116の副作業チャネル導管90dは、3位置切替スイッチ394を迂回する(図32)。マニホルド48cは、マニホルド48cが主作業チャネル入力ポート102および副作業チャネル入力ポート106の上に遮断弁96aおよび96dを備える点を除いては、マニホルド48dと同様である。
【0129】
図33図38Aを参照すると、本開示の一実施形態による、図14で具現化されるようなおよび概略図240の様々な態様を物理的領域において示すマニホルド48eのレイアウトおよび構造が示される。マニホルド48eは、マニホルド48dと同一の構成要素および属性の多くを備え、これらの構成要素および属性は同一番号の参照符号で識別される。切替スイッチ202または回転レバーアクチュエータ346を有する回転式2位置弁アクチュエータ338の代わりに、マニホルド48eは、2位置(押し/引き)並進式弁アクチュエータ340を有する複数の2位置弁342を備える。この2位置弁342は、スライド弁472であり、いくつかの実施形態では、これらのスライド弁472は、並進式弁アクチュエータ340が外方に(マニホルド48eから離れる方向に)引かれた場合には各回路110を遮断し、並進式弁アクチュエータ340が内方に(マニホルド48eに向かって)押された場合には各流れ回路110をイネーブルにする。いくつかの実施形態では、スライド弁472の押し/引き動作が逆であってもよく、すなわちスライド弁472は、並進式弁アクチュエータ340を引くことにより流れを可能にし、並進式弁アクチュエータ340を押すことにより流れを遮断するように構成されてもよい。
【0130】
図34図38はそれぞれ、Table 5(表5)の構成の中の1つまたは複数にマニホルド48eを構成する組合せで並進式弁アクチュエータ340を示す。図34A図38Aはそれぞれ、対応する図34図38のマニホルド48eの断面図である。これらの断面図は、導管90およびスライド弁472を示す。Table 5(表5)に関して、図34および図34Aならびに図35および図35Aは、構成(1)および(2)の「潅注のみ」の組合せを示し、図36および図36Aは、構成(3)および(4)の「吸引のみ」組合せを示し、図37および図37Aは、構成(5)および(6)の「潅注+吸引」組合せを示し、図38および図38Aは、構成(7)および(8)の「移行」および「閉」組合せを示す。
【0131】
機能的には、切替スイッチ202の代わりに複数の2位置弁342を使用することにより、オペレータは操作のためのより多くの組合せを得ることができる。一例は、「吸引のみ」構成であり、これは、本明細書において示すような切替スイッチ202の構成ではない。より大きな内径466およびより小さな内径462は、カテーテル44のルーメン140を貫通して延在するより大きな直径スループットを作業チャネル144(図面を参照)または142の一方に対してもたらす。カテーテルシャフト66の所与の断面積に対して、より大きな内径466およびより小さな内径462の割当は、内径462および466の両方が均等な直径からなる場合に得られるものよりも大きな隙間が作業チャネル142、144の一方に得られる。より大きな内径466は、作業デバイス148とルーメン140との間により大きな隙間をもたらすかまたは少なくともより少ない干渉をもたらすことが可能であり、これにより作業デバイス148の挿入がより容易になる。また、より大きな隙間により、作業デバイス148とルーメン140の壁部との間に画定された環状部内の流れをより良好なものにすることも可能となる。さらに、より大きな内径462が吸引回路116に使用される場合には、カテーテル44は、吸引されつつある結石破片のサイズに起因する閉塞または詰まりを生じる可能性がより低い。
【0132】
本明細書において開示されるさらなる特徴および方法はそれぞれ、改良されたデバイスおよび方法を実現して作製および使用するために、別個にまたは他の特徴および方法との組合せで使用ことが可能である。したがって本明細書において開示される特徴および方法の組合せは、そのもっとも広い意味において本開示の実施に必須ではない場合があり、むしろ代表的かつ好ましい実施形態を具体的に説明するために開示されるにすぎない。
【0133】
以下の参考文献は、そこに含まれる特許請求の範囲および表現の定義を除き、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2019年6月28日に出願され本願の譲受人が所有する米国仮特許出願第62/868,105号、同日出願であり本願の所有者が所有するAltshulerらの「Efficient Multi-Functional Endoscopic Instrument」と題する国際特許出願、2019年7月18日に出願され本願の所有者が所有するAltshulerらの国際出願PCT/US19/42491、Irby, IIIの米国特許第9,775,675号。文献参照による本願への組込みはいずれも、本明細書において明瞭に開示されたものに矛盾する対象はいずれも組み込まれないという限定を被る。
【0134】
本開示を読むことにより、これらの実施形態に対する様々な修正が当業者には明らかであろう。例えば、種々の実施形態に関して説明される様々な特徴が、単独でまたは種々の組合せにおいて、適切に組み合わされる、組合せ解除される、他の特徴と新たに組み合わされることが可能である点が、関連技術の当業者には理解されよう。同様に、上述の様々な特徴はいずれも、本開示の範囲または趣旨に限定されず、例示の実施形態としてみなされるべきである。
【0135】
様々な実施形態は、上述の各実施形態に図示されるものよりも少数の特徴を備えることが可能である点が、関連技術の当業者には理解されよう。本明細書において説明される実施形態は、様々な特徴が組み合わされ得る様式についてその排他的表現となるようには意図されない。したがって、これらの実施形態は、特徴の組合せについて相互に排他的ではなく、むしろ特許請求の範囲は、当業者により理解されるような種々の各実施形態から選択された種々の各特徴のある組合せを備えることが可能である。
【0136】
別途示唆しない限り、本明細書に含まれる「実施形態」、「開示」、「本開示」、「本開示の実施形態」、および「開示の実施形態」等への参照は、認可済みの先行技術ではない本特許出願の明細書(特許請求の範囲を含むテキストおよび図面)への参照である。
【0137】
特許請求の範囲の解釈において、「~するための手段(means for)」または「~するためのステップ(step for)」という具体的表現が各請求項において使用されない限り、米国特許法第112条(f)の条項には抵触しない点が明確に意図される。
【符号の説明】
【0138】
40 内視鏡システム
42 ステアリングハンドル
42a ステアリングハンドル
42b ステアリングハンドル
42c ステアリングハンドル
42d ステアリングハンドル
42e ステアリングハンドル
44 カテーテル
46 外部システム
48 マニホルド
48a マニホルド
48b マニホルド
48c マニホルド
48d マニホルド
48e マニホルド
52 潅注システム、潅注源
54 吸引システム、吸引源
56 アブレーションレーザシステム、レーザシステム
62 光システム
64 イメージングシステム
66 カテーテルシャフト
68 中心軸、カテーテル軸
72 近位端部部分
74 遠位端部部分、遠位端部
76 遠位ヘッド部分
90 導管
90a 主作業チャネル導管
90b 第1の潅注導管
90c 第2の潅注導管
90d 副作業チャネル導管
90e 導管
92 入力ポート
94 出力ポート
96 遮断弁
96a 遮断弁
96b 遮断弁
96c 遮断弁
96d 遮断弁
96e 遮断弁
98 圧縮継手
102 主作業チャネル入力ポート、光ファイバ入力ポート
104 潅注入力ポート、潅注ポート
106 副作業チャネル入力ポート、吸引入力ポート
110 流体回路、流れ回路
112 主作業チャネル回路
114 第1の潅注回路
116 副作業チャネル回路、吸引回路
118 第2の潅注回路
122 主作業チャネル出力ポート
124 副作業チャネル出力ポート
132 第1の圧縮継手
134 第2の圧縮継手
140 カテーテルルーメン
142 主作業チャネル
144 副作業チャネル
148 作業デバイス
150 レーザ光ファイバ
182 専用吸引ポート、専用吸引入力チャネル
184 吸引回路
202 切替スイッチ
204 リンク
206 3位置弁
212 潅注のみ構成
214 潅注+吸引構成
232 プラグ、キャップ
252 キット
254 命令
256 有形の非一時的媒体
302 ハウジング
304 ヘッドアセンブリ、ヘッド部分
306 ベース部分
308 本体部分
310 ハンドル軸
312 近位方向
314 遠位方向
316 サムレバー
318 押しボタンアクチュエータ
332 バルクヘッド
334 カテーテルポート
336 電気ポート
338 弁アクチュエータ
338a 弁アクチュエータ
338b 弁アクチュエータ
338c 弁アクチュエータ
338d 弁アクチュエータ
338e 弁アクチュエータ
340 並進式弁アクチュエータ
342 バイナリ弁
343 弁本体
344 回転式止水栓弁
345 フランジ
346 回転レバーアクチュエータ
347 ストッパ
348 ステム
349 流れオリフィス
350 ツールレセプタクル、ツールスロット
360 切替スイッチアクチュエータ
362 ハンドル部分
364 ステム部分
366 回転軸
368 バルブコア、端部軸受
370 カム
372 接線方向溝
374 保持クリップ
376 カム
382 流れオリフィス
384 流れ軸
386 切替スイッチ本体、弁切替スイッチ本体
388 特徴部
392 ストッパ、ストッパ特徴部
394 3位置切替スイッチ
396 断面
396a 断面
396b 断面
396c 断面
420 ソリッドモデル表現
424 マトリクス構造体
440 ソリッドモデル表現
462 内径
464 外径
466 内径
468 外径
472 スライド弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図19A
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図30A
図31
図32
図33
図34
図34A
図35
図35A
図36
図36A
図37
図37A
図38
図38A
【外国語明細書】