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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001772
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】棚
(51)【国際特許分類】
   A47B 57/48 20060101AFI20231227BHJP
   A47B 57/50 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A47B57/48 B
A47B57/50 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100645
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】512284033
【氏名又は名称】株式会社ダルトン
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】吉松 圭介
(57)【要約】
【課題】高さ位置可変の棚板の設置作業を容易化する。
【解決手段】棚は、少なくとも1つの棚板と、鉛直方向に延伸する第1及び第2鉛直構造要素(例えば左右の側板)とを備え、第1及び第2鉛直構造要素の各々に少なくとも1列の棚受け穴列が設けられ、各棚受け穴列は、上下方向に間隔を空けて並べられた異なる高さ位置に設けられた複数の棚受け穴からなり、第1及び第2鉛直構造要素の同じ高さ位置に設けられた棚受け穴に取り付けられた棚受けによって、棚板が第1及び第2鉛直構造要素の間に掛け渡された状態で支持されるように構成される。各棚受け穴列を構成する複数の棚受け穴は、複数のグループに分割され、複数のグループの各々に、鉛直方向に整列した連続する複数の棚受け穴が所属し、隣接するグループの棚受け穴の位置が水平方向にずれており、第1及び第2鉛直構造要素の対応する高さ位置にあるグループに所属する棚受け穴の数が互いに等しい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの棚板と、鉛直方向に延伸する第1鉛直構造要素および第2鉛直構造要素とを備えた棚であって、
前記第1鉛直構造要素に少なくとも1列の棚受け穴列が設けられ、
前記第2鉛直構造要素に少なくとも1列の棚受け穴列が設けられ、
前記各棚受け穴列は、上下方向に間隔を空けて並べられた異なる高さ位置に設けられた複数の棚受け穴からなり、
前記第1鉛直構造要素および第2鉛直構造要素の同じ高さ位置に設けられた棚受け穴に取り付けられた棚受けによって、前記棚板が前記第1鉛直構造要素および前記第2鉛直構造要素の間に掛け渡された状態で支持されるように構成された棚において、
前記各棚受け穴列を構成する複数の棚受け穴は、複数のグループに分割され、前記複数のグループの各々に、鉛直方向に整列した連続する複数の棚受け穴が所属し、隣接するグループの棚受け穴の位置が水平方向にずれており、
前記第1鉛直構造要素および第2鉛直構造要素の対応する高さ位置にあるグループに所属する棚受け穴の数が互いに等しいことを特徴とする、棚。
【請求項2】
前記各グループに所属する棚受け穴の数が等しい、請求項1に記載の棚。
【請求項3】
上下方向に隣接するグループに所属する棚受け穴の数が互いに異なる、請求項1に記載の棚。
【請求項4】
前記各グループに所属する棚受け穴の数が3~7個である、請求項1に記載の棚。
【請求項5】
全ての支持体保持列において、同じ高さ位置にあるグループに所属する棚受け穴の、最も上にあるグループに所属する棚受け穴に対する前後方向位置のずれ量が互いに等しい、請求項1記載の棚。
【請求項6】
隣接するグループの棚受け穴の位置の水平方向のずれ量が5mm~10mmの範囲内である、請求項1記載の棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板の高さ位置を変更可能な棚に関する。本明細書において、「棚」という用語は、ラック、シェルフ、キャビネット等とも呼ばれるものなどを包含し、水平方向に延伸する棚板と、この棚板を支える構造要素(これは多くの場合全体として略直方体である)とを備え、棚板の上に物が載置されるように構成された任意の構造物を意味する。棚板の上に載置される物は特に限定されるものではないが、例えば書籍、ファイルである。
【背景技術】
【0002】
棚板の高さ位置を変更可能な棚は公知である(例えば特許文献1を参照)。多くの従来技術においては、棚の左右の側板の側板の手前側および奥側にそれぞれ、上下方向に並んだ多数の棚受け穴(例えば「ダボ受け穴」などと呼ばれる)からなる棚受け穴列が設けられている。作業者は、棚板を設置したい高さ位置に対応する棚受け穴に棚受けを取り付けて、棚受けの上に棚板を載置することにより、棚板を水平に設置する。この作業において、左手前、左奥、右手前および右奥の同じ高さ位置にある棚受け穴に棚受けを取り付ける作業は意外に困難である。互いに異なる高さの棚受け穴に棚受けを取り付けたために棚板が傾いて設置されてしまい、いらだちを感じたという経験をした者も少なくはないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-325246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高さ位置可変の棚板の設置作業を容易に行うことができる棚を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの棚板と、鉛直方向に延伸する第1鉛直構造要素および第2鉛直構造要素とを備えた棚であって、前記第1鉛直構造要素に少なくとも1列の棚受け穴列が設けられ、前記第2鉛直構造要素に少なくとも1列の棚受け穴列が設けられ、前記各棚受け穴列は、上下方向に間隔を空けて並べられた異なる高さ位置に設けられた複数の棚受け穴からなり、前記第1鉛直構造要素および第2鉛直構造要素の同じ高さ位置に設けられた棚受け穴に取り付けられた棚受けによって、前記棚板が前記第1鉛直構造要素および前記第2鉛直構造要素の間に掛け渡された状態で支持されるように構成された棚において、前記各棚受け穴列を構成する複数の棚受け穴は、複数のグループに分割され、前記複数のグループの各々に、鉛直方向に整列した連続する複数の棚受け穴が所属し、隣接するグループの棚受け穴の位置が水平方向にずれており、前記第1鉛直構造要素および前記第2鉛直構造要素の対応する高さ位置にあるグループに所属する棚受け穴の数が互いに等しいことを特徴とする、棚が提供される。
【発明の効果】
【0006】
上記実施形態によれば、離れた位置にある同じ高さの棚受け穴に棚受けを取り付けることが容易になるため、棚板の設置作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る棚の正面図である。
図2図1の棚の側板に形成された棚受け穴列における棚受け穴の配置について説明する側板の部分側面図である。
図3】棚受け穴の配置の変形例を示す側板の部分側面図である。
図4】棚受け穴の形状の変形例を示す側板の部分側面図である。
図5図1に示した棚受けを拡大して示した斜視図である。
図6】棚受けの他の例を示す図である。
図7】棚受けのさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1に示すように、棚1(図1に示すようなものは「キャビネット」などとも呼ばれる)は、底板2と、天板4と、左側板6と、右側板8と、背板10とを備えている。棚1にはさらに、前面開口部を開閉するためのスライド式前面扉を装着することができるが、図1ではこれを取り外した状態が示されている。棚1の内部には、左側板6と、右側板8との間に掛け渡された少なくとも1つの棚板12が設けられる。棚板12の上には、書籍、ファイル等様々なものを載置することができる。
【0010】
図1に示すように、左側板6の手前側、左側板6の奥側、右側板8の手前側および右側板8の奥側にはそれぞれ1つずつ、概ね上下方向に延びる棚受け穴列20が設けられている。1列の棚受け穴列20は、上下方向に間隔を空けて並べられた異なる高さ位置に設けられた複数の棚受け穴22から構成されている。図1に示す実施形態においては、全ての棚受け穴列20において、棚受け穴22の位置関係(最も上にある棚受け穴22を基準とした他の棚受け穴22の位置関係)は全て等しい。
【0011】
図2は、図1に示した1つの棚受け穴列20の上部のみを抜き出して拡大して示したものである。図2に示した実施形態では、上下に隣接する2つの棚受け穴22同士の上下方向距離(Δh(図2を参照))は、全て等しい。図2において、参照符号22の後に付けた括弧の中の数字は、上から数えて何番目の棚受け穴22であるかを示している。
【0012】
全ての棚受け穴列20において、上からN番目(Nは任意の自然数)の棚受け穴22(22(N))の高さ位置は互いに同じである。つまり、4つの棚受け穴列20が設けられた図1の実施形態では、同じ高さ位置にある棚受け穴22が4つある。
【0013】
なお、上下に隣接する2つの棚受け穴22同士の上下方向距離(Δh)は前述したように全て等しいことが好ましいが、全ての棚受け穴列20において、上からN番目の棚受け穴22(22(N))の高さ位置が互いに同じであるという条件が満たされるならば、前記Δhが部位により異なっていても構わない。
【0014】
図1に示すように同じ高さ位置にある4つの棚受け穴22にそれぞれ1つの棚受け24(これは「棚受けダボ」あるいは単に「ダボ」などとも呼ばれる)を取り付け、棚受け24の上に棚板12を載置することにより、棚板12を左側板6と右側板8との間に掛け渡して水平に設置することができる。図1に示した実施形態では、1つの棚板12の左前端部、左後端部、右前端部および右後端部がそれぞれ1つの棚受け24に支持されることになる。同様にして、他の図示しない1つ以上の棚板を、同様に、左側板6と右側板8との間に掛け渡すことができる。
【0015】
各棚受け穴列20を構成する複数の棚受け穴22は、複数の(図1では7つの)グループGに分割されている。各グループGは、鉛直方向に整列した(鉛直線上に並んだ)連続する複数の棚受け穴22により構成されている。図1および図2に示した実施形態では、各グループGに3つの棚受け穴22が所属している。図2において、参照符号Gの後に付けた括弧の中の数字は、上から数えて何番目のグループGであるかを示している。
【0016】
図3に示すように、上からM番目(Mは任意の自然数)の棚受け穴22のグループG(G(M))に所属する棚受け穴22の数(例えば3)と、M+1番目の棚受け穴22のグループG(G(M))に所属する棚受け穴22の数(例えば4)とが異なっていても構わない。棚1に設けられた複数の棚受け穴列20の各々において、上からM番目(Mは任意の自然数)の棚受け穴22のグループG(G(M))に所属する棚受け穴22の数が互いに等しければよい。
【0017】
上下に隣接するグループGの棚受け穴22の位置は水平方向(図示された実施形態では前後方向)にずれている。このずれ量(Δd(図2を参照))は、例えば5mm~10mm程度とすることができる。人間の視覚によれば、ずれ量Δdが小さくても、十分にグループG間のずれを把握することが可能である。つまり、棚受け穴22をグループG単位で認識することができる。
【0018】
図2に示すように、好ましくは、上下に隣接するグループG間でのずれ量Δdは、全てのグループG間(つまり、任意のMに対するM番目のグループGとM+1番目のグループGとの間のずれ量Δd)で全て等しい。しかしながら、例えばM番目のグループGとM+1番目のグループGとの間のずれ量Δdと、M+1番目のグループGとM+2番目のグループGとの間のずれ量Δdが多少異なっていても構わない。
【0019】
また、図2の実施形態では、M+1番目のグループGがM番目のグループGに対して前方にずれ量Δdだけずれており、M+2番目のグループGがM+1番目のグループGに対して後方にずれ量Δdだけずれている。つまり、ずれの方向が交互に入れ替わっている。このずれの態様は、棚受け穴列20が全体として概ね鉛直方向に延伸しているように見えるため好ましい。しかしながら、ずれの態様は上記に限定されるものではなく、ずれの方向が、例えば「前、前、後、後、・・・」等であっても構わない。
【0020】
実際の棚板の設置にあたっては、通常、左側板6の手前側、左側板6の奥側、右側板8の手前側および右側板8の奥側にある4つの棚受け穴列20からそれぞれ目分量で同じ高さにあると思われる4つの棚受け穴22を選んで、各棚受け穴22に1つの棚受け24を取り付ける。このとき、棚受け穴22をグループG単位で認識すれば、同じ高さ位置にある4つのグループG(例えば上から3番目の高さ位置にあるグループG(3))を選ぶことは容易である。そして、各グループGにおいて、同じ高さ位置にある棚受け穴22(例えば当該グループGにおいて上から2番目の高さ位置にある棚受け穴22(この場合、棚受け穴22(8)である))を選ぶことは容易である。このことにより、同じ高さ位置にある4つの棚受け穴22に棚受け24を取り付けることを容易に行うことができる。
【0021】
すなわち、本実施形態によれば、棚受け穴22をまずグループG単位で認識し、その後に当該グループGに所属する比較的少数の棚受け穴22から目的の棚受け穴22を選択することにより、目的とする高さ位置にある棚受け穴22を容易に見いだすことができる。グループG単位での棚受け穴22の認識の容易性およびグループGからの目的の棚受け穴22の選択の容易性を考慮すると、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は3~7個程度が好ましいものと考えられる。
【0022】
グループGの構成の決定について適用し得る基本的な考え方について説明する。グループG単位での棚受け穴22の認識の容易性を考慮すると、1つのグループGの高さは100mm前後が好ましいと考えられる。
ここで、棚受け穴22のピッチ(Δhに等しい)を15~35mmの範囲で設定するとするならば、
- 棚受け穴22のピッチが15mmならば、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は7個、
- 棚受け穴22のピッチが20mmならば、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は6個、
- 棚受け穴22のピッチが25mmならば、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は5個、
- 棚受け穴22のピッチが30mmならば、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は4個、
- 棚受け穴22のピッチが35mmならば、1つのグループGに所属する棚受け穴22の数は3個、
と決定することができる。
なお、ここに示した数値は、好適な例ではあるが、これに限定されるものではない。
【0023】
背景技術の項で説明したように、1列の棚受け穴列を構成する棚受け穴が鉛直線上に並んでいる場合、同じ高さ位置(例えば上から8番目の高さ位置)にある4つの棚受け穴22に棚受け24を取り付けることはかなり困難であり、しばしば、異なる高さ位置にある棚受け穴22に棚受け24を取り付けてしまい、その結果、棚板12が傾いて取り付けられ、棚受け24の取り付けをやり直すことになり、作業者は少なからぬストレスを感じてしまう。この問題は、棚受け穴22間のピッチ(上下方向間隔)が小さい場合、より顕著となる。上記実施形態によれば、この問題を解決することができる。
【0024】
また、従来技術として、棚受け穴22の高さ位置を示すため、棚受け穴22の近傍に「1,2,3,・・・」のような目印(刻印、印字等)を設けることが知られている。目印を設けると棚の製造コスト増加に繋がり。また例えば、美観が重視されるタイプの(例えば美麗な木目調の)棚であれば、美観を損ねるという問題も生じ得る。上記実施形態によれば、そのような問題は生じない。
【0025】
なお、上下方向に隣接するグループGの棚受け穴22の位置を水平方向(ここでは前後方向)にずらすと(ずれ量Δd)、棚1内に複数の棚板12を設置した場合にこれらの棚板12の前後方向位置がずれる場合もある。しかし、棚板12は横方向に長く、かつ、上下に隣接する棚板12同士の間隔も一般的に数10cm程度と大きいため、人間の視覚で、棚板12の前後方向位置のずれ(数mm程度)を把握することは不可能であるか、あるいは非常に困難である。従って、棚板12の前後方向のずれにより使用者が視覚的に違和感を抱くことはない。
【0026】
なお、棚1が背板10を有している場合、棚板12の後端と背板10との間に隙間が生じるが、この隙間も、使用者の視点から遠くにあるため、目立つことはない。棚板12の後端と背板10との間に一切の隙間が許容されない特別な事情が無い限り、この隙間が問題となることはない。
【0027】
棚受け穴22は、図2図3に示したような円形のものに限定されるものではなく、図4に示すようなスリット形状のものであってもよい。
【0028】
棚受け24(棚受けダボ)は、図1および図5に示したような、ピンにL型の支持部が結合された形式のものに限らず、図6に示したような、概ね円筒形(または段付き円筒形)のものであってもよい。
【0029】
棚板12を構成する材料は、棚板12が棚受け24により支持可能である限りにおいて任意であり、例えば、鉄鋼薄板等の金属板を板金加工したもの、MDF、パーティクルボード等の木質材料、金属枠に金属網を装着したもの等を用いることができる。
【0030】
図1および図5に示す棚受け24を用いた場合、棚受け24が棚板12を前後方向にも拘束する。また、木質材料の棚においては、図6に示したような、概ね円筒形の丸ダボ(棚受け)が棚板の底面に設けられた半円状の窪みに係合するタイプのものが知られており、このタイプのものは棚受けが棚板を前後方向にも拘束する。また、棚受けが棚板を前後方向に拘束しないタイプのもの(例えば、棚受けの支持面25が平坦な水平面(図7参照)であり、棚板の底面も平坦な水平面であるタイプのもの)もある。上述した棚受け穴の配置技術はいずれのタイプの棚にも適用することができる。棚受けが棚板を前後方向に拘束しないタイプの場合には、複数の棚板12の前後方向の位置ずれをゼロにすることができる。
【0031】
棚1の形態は底板2、天板4、左側板6、右側板8および背板10(これらは全て板状体である)を備えたものに限定されず、例えば金属製(特に鉄鋼製)の形材(角パイプ若しくはL字型形材)からなる支柱および梁を備えたものであってもよい。この場合、左手前側、左奥側、右手前側および右奥側の支柱に、上述したものと同様の配列の棚受け穴22を設けることができる。つまり、棚受け穴列を設ける部材は、棚板12を支持しうる程度の強度および剛性を有し、かつ、鉛直方向に延伸する構造要素(鉛直構造要素)であればよい。また、木質材料からなる左側板6および右側板8に、棚受けレール等の名称で知られている金属製の細長いレール状部材(これに棚受け穴が上記の態様で設けられている)をネジ止め等により取り付けた構成も可能である。この場合、レール状部材が一体化された鉛直構造要素である左側板6および右側板8に棚受け穴が設けられていることになる。この場合、レール状部材に上述したものと同様の配列の棚受け穴22を設けることができる。
【0032】
上記の実施形態では、左側板6および右側板8に2列ずつ棚受け穴列20が設けられていたが、これには限定されない。例えば、比較的奥行きの狭い棚の場合、左側板6および右側板8の前後方向中央部に1列ずつ棚受け穴列20をもうけてもよい。この場合、例えば、棚受け穴22を図4に示すようなスリット形状とし(好ましくは幅広のスリット形状とし)、幅広で(棚の奥行き方向に長い)棚板を前後方向に拘束しないタイプの棚受けを用いることができる。
【符号の説明】
【0033】
6 第1鉛直構造要素(左側板)
8 第2鉛直構造要素(右側板)
12 棚板
20 棚受け穴列
22 棚受け穴
G 棚受け穴のグループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7