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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177218
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】硬化性組成物の充填方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20241212BHJP
   B65B 61/22 20060101ALI20241212BHJP
   B65B 61/24 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65B3/04
B65B61/22
B65B61/24
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024168600
(22)【出願日】2024-09-27
(62)【分割の表示】P 2019063080の分割
【原出願日】2019-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000103541
【氏名又は名称】オート化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 必勝
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 剛志
(72)【発明者】
【氏名】村岡 亮
(57)【要約】
【課題】缶体内の外周縁部において充填(収納)した硬化性組成物と湿気防止フィルムとの間に空隙を防止し、容器内に充填(収納)した硬化性組成物の保存安定性を向上させる。
【解決手段】密封可能な容器に硬化性組成物を充填する工程と、硬化性組成物の表面に湿気防止フィルムを敷設する工程と、底面が凸状の押し板で押圧し湿気防止フィルムと硬化性組成物を一体化させる工程と、蓋で容器を密封させる工程、を含む硬化性組成物の充填方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封可能な容器に硬化性組成物を充填する工程と、
硬化性組成物の表面に湿気防止フィルムを敷設する工程と、
底面に凸部を有する押し板の前記凸部を、前記湿気防止フィルムと対向させた状態で、前記押し板で前記湿気防止フィルムを押圧し、湿気防止フィルムと硬化性組成物を一体化させる工程と、
蓋で容器を密封させる工程、
を含む硬化性組成物の充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物の容器への充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築用、土木用、自動車用のシーリング材、接着剤、パテ材として硬化性組成物が使用されている。これらの硬化性組成物は、イソシアネート基含有樹脂、架橋性シリル基含有樹脂等の硬化性樹脂に硬化触媒、充填剤、揺変性付与剤等の添加剤を配合している。硬化性組成物は、その使用方法に鑑み、カートリッジやペール缶等の密閉容器に収納されている。
【0003】
例えば、硬化性組成物をペール缶に収納する場合、硬化性組成物を外気(湿気)から遮断するため硬化性組成物表面にフィルムを敷設したのち、容器本体と蓋を嵌合させて密封している(例えば、特許文献1~2)。これらの先行文献には、収納した硬化性組成物と空気中の湿気を遮断するための方法が開示されている。具体的には、特許文献1では、硬化性組成物の表面を湿気遮断フィルムで覆いフィルム周縁部にシール面を形成して湿気を遮断する方法、特許文献2では、硬化性組成物の表面を湿気遮断フィルムで覆いつつ、該フィルムの周縁部付近をあえて空気中の湿気に晒すことでシール性能を有する硬化物を形成し、湿気遮断フィルムと硬化物によって空気中の湿気を遮断している。これらの先行文献に記載の方法は、硬化性組成物と湿気を遮断するには有効である。
【0004】
さて、シーリング材、接着剤、パテ材等に使用される硬化性組成物は、一般的にチクソトロピー性を有する粘稠物であることから、硬化性組成物の表面を湿気遮断フィルムで被う際に押し板等による押圧が不十分であると、湿気遮断フィルムの周縁部と硬化性組成物との間(容器内の周縁部)に空隙を生じることがある。また、押圧が十分で湿気遮断フィルムの周縁部と硬化性組成物との間に空隙が生じていない場合であっても、経時的に空隙が生じて、空隙部の硬化性組成物が増粘したり、リング状に硬化したりすることもあるため改善が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3-162269号公報
【特許文献2】特開平9-150866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、容器内の周縁部において、充填(収納)した硬化性組成物と湿気防止フィルムとの間に空隙が生じることを防止して、空隙部にて硬化性組成物が増粘したり、リング状に硬化したりすることを防止できる硬化性組成物の充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究の結果、密封可能な容器に硬化性組成物を充填する工程と、硬化性組成物の表面に湿気防止フィルムを敷設する工程と、底面に凸部を有する押し板で硬化性組成物を押圧し湿気防止フィルムと硬化性組成物を一体化させる工程と、蓋で容器を密封させる工程、を含む硬化性組成物の充填方法により、容器内の周縁部において、充填(収納)した硬化性組成物と湿気防止フィルムとの間に空隙が生じることを防止できることが分かった。すなわち、本発明は、下記(1)~(14)に示される態様である。
【0008】
(1)密封可能な容器に硬化性組成物を充填する工程と、
硬化性組成物の表面に湿気防止フィルムを敷設する工程と、
底面に凸部を有する押し板の前記凸部を、前記湿気防止フィルムと対向させた状態で、前記押し板で前記湿気防止フィルムを押圧し、湿気防止フィルムと硬化性組成物を一体化させる工程と、
蓋で容器を密封させる工程、
を含む硬化性組成物の充填方法。
(2)前記凸部が、前記底面全体に側面視円弧状に形成された曲面部である(1)に記載の充填方法。
(3)前記凸部が、前記底面の周縁に形成された側面視円弧状の曲面領域と、前記曲面領域から連続した前記底面の周縁から中心部にわたって形成された側面視直線状の平坦領域を有する(1)に記載の充填方法。
(4)前記凸部が、前記底面の周縁に形成された側面視円弧状の第1の曲面領域と、前記第1の曲面領域から連続した前記底面の周縁から中心部にわたって形成された、側面視円弧状の第1の曲面領域の曲率半径よりも大きい曲率半径である側面視円弧状の第2の曲面領域と、を有する(1)に記載の充填方法。
(5)前記密封可能な容器が、下部を底面とする円筒状、楕円筒状または角筒状の形状であり、容器の上部に開口部が設けられ、開口部と蓋が嵌合することにより密封可能な容器となる(1)~(4)のいずれかに記載の充填方法。
(6)前記湿気防止フィルムが、アルミニウムと樹脂の複合フィルムである(1)~(5)のいずれかに記載の充填方法。
(7)引張性能試験で測定される前記湿気防止フィルムの強度が、20~100N/mmである(1)~(6)のいずれかに記載の充填方法。
(8)引張性能試験で測定される前記湿気防止フィルムの伸びが、5%以上である(1)~(7)のいずれかに記載の充填方法。
(9)前記硬化性組成物のE型粘度計を用いて1rpmで測定した25℃の粘度が、150~400Pa・sである(1)~(8)のいずれかに記載の充填方法。
(10)前記硬化性組成物のE型粘度計を用いて1rpm/10rpmで測定した25℃のチクソトロピックインデックスが、3~6である(1)~(9)のいずれかに記載の充填方法。
(11)前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物を一体化させる工程により、前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物が一体化し、前記硬化性組成物が湿気から遮断される(1)~(10)のいずれかに記載の充填方法。
(12)前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物を一体化させる工程により、前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物が一体化し、前記硬化性組成物が湿気から遮断され、かつ、前記湿気防止フィルムを密封可能な前記容器の内周側面に全部または一部密着させる(1)~(11)のいずれかに記載の充填方法。
(13)前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物を一体化させる工程により、前記湿気防止フィルムと前記硬化性組成物が一体化し、前記硬化性組成物が湿気から遮断され、かつ、前記湿気防止フィルムおよび前記硬化性組成物が前記容器の底面に向かって凸状となることを特徴とする(1)~(12)のいずれかに記載の充填方法。
(14)(1)~(13)のいずれかに記載の充填方法によって、前記硬化性組成物を密封可能な前記容器内に充填し、前記蓋によって前記容器を密封させた構造体。
【0009】
上記態様において、「側面視」とは、押し板の押し方向に対して鉛直方向から視認した状態を意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の硬化性組成物の充填方法により、容器内の周縁部において、充填(収納)した
硬化性組成物と湿気防止フィルムとの間に空隙が生じることを防止できるため、空隙部の硬化性組成物が増粘したり、リング状に硬化したりすることを防止できる。このため、容器内に充填(収納)した硬化性組成物の保存安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第1の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。
図2】本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第2の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。
図3】本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第3の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。
図4】本発明の硬化性組成物の充填方法の手順1を示す側面断面図である。
図5】本発明の硬化性組成物の充填方法の手順2を示す側面断面図である。
図6】本発明の硬化性組成物の充填方法の手順3を示す側面断面図である。
図7】本発明の硬化性組成物の充填方法の手順4を示す側面断面図である。
図8】本発明の硬化性組成物の充填方法の手順5を示す側面断面図である。
図9】第1の実施形態例に係る押し板を用いて、本発明の硬化性組成物の充填方法により充填した硬化性組成物の密封構造を示す側面断面図である。
図10】第2の実施形態例に係る押し板を用いて、本発明の硬化性組成物の充填方法により充填した硬化性組成物の密封構造を示す側面断面図である。
図11】第3の実施形態例に係る押し板を用いて、本発明の硬化性組成物の充填方法により充填した硬化性組成物の密封構造を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる底面に凸部を有する押し板について、図1~3を参照しながら説明する。図1~3に示す底面に凸部を有する押し板は、密封可能な容器に硬化性組成物を充填(収納)した後にその表面に湿気防止フィルムを敷設し、押し板で湿気防止フィルムを押圧して硬化性組成物と一体化させることで硬化性組成物の表面を湿気防止フィルムで覆い、硬化性組成物を空気中の湿気から遮断するために使用する。本明細書において、湿気防止フィルムによる湿気からの遮断とは、湿気防止フィルムにより湿気を完全に透過させない、または、湿気が透過しても硬化性組成物が著しく増粘したり硬化したりすることを防止できる状態を意味する。
【0013】
まず、第1の実施形態例に係る押し板について説明する。図1は、本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第1の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。図1に示すように、第1の実施形態例に係る押し板18は、底面1と、底面1に対向した上面12と、底面1と上面12を繋ぐ側面2と、上面12に取り付けられた把手3と、を備えている。底面1には、上面12とは反対方向へ突出した凸部13が設けられている。後述するように、押し板18の凸部13を、湿気防止フィルム(図1では、図示せず)と対向させた状態とし、押し板18で湿気防止フィルムを押圧する。
【0014】
押し板18では、凸部13は、底面1全体に側面視円弧状に形成された曲面部14となっている。すなわち、底面1全体が曲面であり、底面1は、その中心部15から外周縁16に向かって略凸型円弧状(湾曲状)となっている。側面視円弧状である凸部13の曲率半径は、底面1全体にわたって略同じとなっている。上記から、底面1の中心部15が、最も突出している態様となっている。側面視円弧状である凸部13の曲率半径は、特に限定されないが、例えば、50~15000mmであり、好ましくは100~7000mmである。
【0015】
底面1に対向した上面12の形状は、特に限定されないが、押し板18では、上面12
全体が平坦となっている。上面12の中央部には、押し板18を容器内の湿気防止フィルムの所まで持ち運び、湿気防止フィルムを押圧し、また、湿気防止フィルムから押し板18を離す際に、作業者が掴む把手3が設けられている。把手3により、上記作業の利便性が向上する。
【0016】
図1に示すように、底面1と上面12を繋ぐ側面2は、底面1の外周縁16に沿って設けられている。側面2は、底面1の外周縁16から上面12方向に上面12に対して垂直に設けられている。
【0017】
次に、第2の実施形態例に係る押し板について説明する。図2は、本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第2の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。なお、第1の実施形態例に係る押し板と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0018】
第1の実施形態例に係る押し板18では、凸部13は、底面1全体に側面視円弧状に形成された曲面部14となっていた。これに代えて、第2の実施形態例に係る押し板28では、図2に示すように、底面1に形成された凸部23は、底面1の周縁26に形成された側面視円弧状の曲面領域21と、曲面領域21から連続した底面1の周縁26から中心部25にわたって形成された側面視直線状の平坦領域22を有する。押し板28では、曲面領域21のみが曲面部となっている。従って、押し板28では、底面1の周縁26のみが曲面部であり、底面1は、その周縁16のみが円弧状(湾曲状)となっている。底面1の周縁26が曲面領域21となっていることで、底面1に凸部23が形成されている。側面視円弧状である周縁26の曲率半径は、略同じとなっている。側面視円弧状である曲面領域21の曲率半径は、特に限定されないが、例えば、10~26mmが好ましい。
【0019】
一方で、平坦領域22は平坦面(平坦部)であり、底面1の中心部25は、平坦となっている。平坦領域22は、同じく平坦面である上面12に対し平行となっている。上記から、底面1は、その中心部25から周縁26に向かって略凸型状となっている。曲面領域21の範囲は、特に限定されないが、例えば、底面1全体の面積に対して10%以上50%以下の面積を有している。
【0020】
次に、第3の実施形態例に係る押し板について説明する。図3は、本発明の硬化性組成物の充填方法に用いる第3の実施形態例に係る押し板の側面断面図である。なお、第1、第2の実施形態例に係る押し板と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0021】
第1の実施形態例に係る押し板18では、凸部13は、底面1全体に側面視円弧状に形成された曲面部14であり、凸部13の曲率半径は底面1全体にわたって略同じとなっていた。これに代えて、第3の実施形態例に係る押し板38では、図3に示すように、凸部33が、底面1の周縁36に形成された側面視円弧状の第1の曲面領域31と、第1の曲面領域31から連続した底面1の周縁36から中心部35にわたって形成された、側面視円弧状の第1の曲面領域31の曲率半径よりも大きい曲率半径である側面視円弧状の第2の曲面領域32と、を有している。第1の曲面領域31と第2の曲面領域32は、いずれも底面1に形成された曲面部である。
【0022】
すなわち、押し板38では、底面1全体が曲面であるが、底面1の周縁36の曲がりの程度は、中心部35の曲がりの程度よりも大きくなっている。側面視円弧状である第1の曲面領域31の曲率半径は、第1の曲面領域31全体にわたって略同じとなっている。また、側面視円弧状の第2の曲面領域32の曲率半径は、第2の曲面領域32全体にわたって略同じとなっている。上記から、押し板38でも、底面1の中心部35が、最も突出している態様となっている。側面視円弧状である第1の曲面領域31の曲率半径は、特に限定されないが、例えば、10~26mmが好ましい。また、側面視円弧状である第2の曲
面領域32の曲率半径は、特に限定されないが、例えば、50~15000mmであり、好ましくは100~7000mmである。
【0023】
第1の曲面領域31の範囲は、特に限定されないが、例えば、底面1全体の面積に対して10%以上50%以下の面積を有している。
【0024】
把手3の形状は、押し板18、28、38の持ち運びや押圧が可能であれば特に制限なく、公知の形状とすることができる。
【0025】
押し板18、28、38の底面1の直径は、硬化性組成物を充填(収納)する容器(例えば、缶体)の内径に対し、1~20mm小さいことが好ましく、特に1~10mm小さいことが好ましい。容器の内径が開口部から底面へ向かって小さくなるテーパー缶の場合は、押し板18、28、38で押圧し、硬化性組成物と湿気防止フィルムを一体化させた位置の容器の内径に対し、1~20mm小さいことが好ましく、特に1~10mm小さいことが好ましい。
【0026】
押し板18、28、38の材質は、湿気防止フィルムを押圧し、湿気防止フィルムと硬化性組成物を一体化させて、硬化性組成物の表面を湿気防止フィルムで覆うことが可能であれば特に制限はない。押し板18、28、38の材質としては、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、磁器、陶器、セラミック、木、天然石、人工石、コンクリート、ガラス、プラスチック、硬質紙が挙げられる。
【0027】
次に、本発明の硬化性組成物の充填方法について、図4~8を参照しながら手順に沿って説明する。なお、下記に示す硬化性組成物の充填方法の手順は一例であり、本発明がこの手順に限定されて解釈されるものではない。また、ここでは、説明の便宜上、押し板として、第1の実施形態例に係る押し板18を用いて説明する。
【0028】
硬化性組成物の充填方法の手順1
図4は、密封可能な缶体4(容器本体)内に硬化性組成物6を吐出可能な充填ノズル5を設置する概念の側面断面図を示すものである。充填ノズル5は、缶体4の底面中心部上に設置することが好ましい。この場合、充填ノズル5から硬化性組成物6を吐出した際に硬化性組成物が缶体4内で偏ることなく充填(収納)される。缶体4を計量装置(図示せず)上に置き、硬化性組成物を缶体4内に充填しながら計量することができる。
【0029】
硬化性組成物の充填方法の手順2
図5は、密封可能な缶体4(容器本体)内に吐出可能な充填ノズル5を介して硬化性組成物6を充填(収納)する概念の側面断面図を示すものである。缶体4を設置した計量装置(図示せず)を充填ノズル5の吐出制御装置(図示せず)と連動させて硬化性組成物6を予め設定された容量となるよう自動で充填することができる。また、充填ノズル5に流量計を設置し硬化性組成物6を予め設定された容量となるよう自動で充填することができる。
【0030】
硬化性組成物の充填方法の手順3
図6は、密封可能な缶体4(容器本体)内に硬化性組成物6を充填(収納)し、湿気防止フィルム7を硬化性組成物6の表面に敷設する概念の側面断面図を示すものである。湿気防止フィルム7は、湿気防止フィルム7の(平面)中心部が缶体4の底面中心部と一致するように敷設する。湿気防止フィルム7の大きさは、缶体4の内径と同じであってもよく、または、缶体4の内径よりも大きくてもよい。
【0031】
硬化性組成物の充填方法の手順4
図7は、密封可能な缶体4(容器本体)内に硬化性組成物6を充填(収納)し、硬化性組成物6の表面に敷設した湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を押し板18で押圧して、湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を一体化させる概念の側面断面図を示すものである。押し板18の凸部13を、湿気防止フィルム7と対向させた状態で、押し板18で湿気防止フィルムを押圧する。押し板18は、湿気防止フィルム7と硬化性組成物6との間に空隙が生じないよう注意深く押圧することが好ましい。図7に示すように、湿気防止フィルム7の大きさが缶体4の内径より大きい場合は、押し板18で押圧した際に湿気防止フィルム7が押し板18の側面2に沿って折れ曲がり、湿気防止フィルム7が缶体4の内周側面に全部または一部密着する。湿気防止フィルム7が缶体4の内周側面に密着すると、硬化性組成物6を空気中の湿気から防止する効果が高まるため、押し板18で湿気防止フィルム7を押圧する際に押し板18の側面2により、折れ曲がった湿気防止フィルム7を缶体4の内周側面に接触させて、湿気防止フィルム7と缶体4の内周側面を密着させることが好ましい。また、押し板18で湿気防止フィルム7を押圧した後に折れ曲がった湿気防止フィルム7と缶体4の内周側面の密着が不十分である場合は、指触やヘラ等の用具で湿気防止フィルム7と缶体4の内周側面を密着させることが好ましい。
【0032】
湿気防止フィルム7と缶体4の内周側面を密着させることが困難な場合は、湿気防止フィルム7と缶体4の内周側面の間に空気中の湿気を遮断できる程度の液状物を入れることもできる。液状物は、硬化性組成物6および湿気等の水と反応しない化合物であることが好ましい。液状物としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の可塑剤、数平均分子量が300~5,000のポリオキシアルキレンポリオールやポリオキシアルキレンモノオールの水酸基をイソシアネート化合物やカルボン酸化合物と反応させてウレタン化、エステル化した樹脂が挙げられる。また、上記液状物に代えて、これらの可塑剤や樹脂に重質炭酸カルシウム、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ等を配合し均一に混合してペースト状にしたものを使用してもよい。本明細書における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数値である。
【0033】
硬化性組成物の充填方法の手順5
図8は、密封可能な缶体4(容器本体)内に硬化性組成物6を充填(収納)し、硬化性組成物6の表面を湿気防止フィルム7と一体化させた缶体4(容器本体)と、シール10を備えた缶蓋9とを嵌合させる概念の側面断面図を示すものである。硬化性組成物6の表面に敷設した湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を押し板18で押圧して、湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を一体化させた後、押し板18を湿気防止フィルム7から離し、缶体4に蓋缶9を取り付ける。缶体4は、シール10を介して缶蓋9と嵌合することで密封構造となる。缶体4と缶蓋9とをシール10を介して嵌合させる前に、エアガン等を用いて缶体4内に乾燥空気や乾燥窒素を吹き込み、缶体4内の(湿気を含む)空気と置換させることができる。
【0034】
図9は、本発明の充填方法により充填した硬化性組成物6の密封構造を示す側面断面図の一例である。図9の密封構造体は、図1に示す第1の実施形態例に係る押し板18を使用している。図9において、押し板18で押圧し一体化した硬化性組成物6と湿気防止フィルム7の、缶蓋9と対向した面は、押し板18の凸部13の形状に対応した形状となり、缶体4の底面に向かって略凸型円弧状となる。湿気防止フィルム7上には、空気中の湿気を除去する目的で乾燥剤11を敷置している。
【0035】
図10は、本発明の充填方法により充填した硬化性組成物6の密封構造を示す側面断面図の一例である。図10は、図2に示す第2の実施形態例に係る押し板28を使用している。図10において、押し板28で押圧し一体化した硬化性組成物6と湿気防止フィルム7の、缶蓋9と対向した面は、押し板28の凸部23の形状に対応した形状となる。
【0036】
図11は、本発明の充填方法により充填した硬化性組成物6の密封構造を示す側面断面図の一例である。図11は、図3に示す第3の実施形態例に係る押し板38を使用している。図11において、押し板38で押圧し一体化した硬化性組成物6と湿気防止フィルム7の、缶蓋9と対向した面は、押し板38の凸部33の形状に対応した形状となる。
【0037】
図4~8に示す硬化性組成物の充填方法により、缶体4の周縁部において発生する硬化性組成物6と湿気防止フィルム7間の空隙を防止することができる。空隙発生の防止により、空隙部周辺に硬化性組成物の増粘物や硬化物が発生することを防止できるので、容器内に充填(収納)した硬化性組成物の保存安定性が向上する。
【0038】
缶体(容器本体)内の周縁部に発生する硬化性組成物と湿気防止フィルム間の空隙の発生機序は、次の通りと推察される。缶体内に充填(収納)される硬化性組成物は、充填時の流動性を確保するため充填作業場の外気温より高いことが多い。硬化性組成物を充填し缶蓋で缶体を密封した後、硬化性組成物は缶体内の周縁部から冷えて体積収縮を生じる。この際、硬化性組成物と一体化した湿気防止フィルムが硬化性組成物の体積収縮に追従できないと、缶体内の周縁部において硬化性組成物と湿気防止フィルムとの間に空隙が発生しやすくなる。空隙を発生させないために湿気防止フィルムを軟らかくする方法もあるが、湿気防止フィルムを軟らかくした場合、硬化性組成物の表面に湿気防止フィルムを敷設する際のハンドリングが悪いことや押し板で押圧する際に湿気防止フィルムにシワが発生することもある。また、湿気防止フィルムを軟らかくするためにフィルムの厚さを薄くするとフィルムの湿気防止性能が低下してしまうため好ましくない。
【0039】
これに対し、本発明の硬化性組成物の充填方法を用いると、一体化した硬化性組成物と湿気防止フィルムは、缶体底面に向かって凸部を有する形状、すなわち、押し板の凸部の形状に対応した凹部を有し、該凹部の周縁部が缶体上面へ向かって盛り上がる形状となるから、硬化性組成物の体積収縮に伴い発生する缶体内の周縁部の空隙を防止することができる。
【0040】
缶体4(容器本体)の形状としては、硬化性組成物6を充填(収納)し缶蓋9を用いて密封できる形状であれば特に制限なく使用することができる。具体的に例えば、硬化性組成物6を容易に充填でき、入手や運送がしやすく、硬化性組成物6を使用する際の作業のしやすさから、缶体4の下部が底面であり(底面を有し)、缶体4の上部(天井面)が開口した円筒状、楕円筒状または角筒状の形状が挙げられる。
【0041】
缶体4(容器本体)の材質としては、硬化性組成物6を充填(収納)し、缶蓋9を用いて密閉した後に外気(特に湿気等の水分)から遮断できるものであれば特に制限なく使用することができる。具体的に例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ブリキ、銅等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂を挙げることができる。
【0042】
缶体4(容器本体)の内周側面(内壁面)には、剥離剤を塗布し剥離層を設けることもできる。剥離剤としては、カルナバワックス、みつろう、パラフィンワックス等の天然系のワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ステアリン酸アミド、シリコーン系またはフッ素系の樹脂を挙げることができる。剥離層を設けることにより、缶体4(容器本体)の内周側面に密着させたアルミフィルム7を容易に剥がすことができる。
【0043】
缶体4(容器本体)の外周側面(外壁面)には、缶体4の持ち運びを容易にするため、針金手環、プラスト手環等の把手を備えることもできる。
【0044】
缶蓋9の形状としては、硬化性組成物6を充填(収納)した缶体4(容器本体)と嵌合し密封できる構造であれば特に制限なく使用することができる。具体的に例えば、缶蓋9の天板部が平面でその周縁部から略垂直の側面を有するものが挙げられる。缶蓋9は、缶蓋9側面の内周縁部にシール10を備えて缶体4と嵌合可能なものとすることもできる。この場合、缶体4(容器本体)開口部の外周側面(外壁面)とシール10とが密着することにより缶体4内部が外気(空気中の湿気)から遮断された密封構造体となる。
【0045】
缶蓋9の材質としては、缶体4(容器本体)の材質と同様のものが挙げられる。なお、缶蓋9と缶体4の材質は同一のものを使用してもよく、異なるものを使用してもよい。
【0046】
湿気防止フィルム7としては、例えば、アルミニウム単層フィルム、アルミニウムと樹脂の複合フィルムを挙げることができる。湿気防止性能と強度と伸びのバランスがよいことから、アルミニウムと樹脂の複合フィルムが好ましい。アルミニウムと樹脂の複合フィルムに使用できる樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロン(NY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
湿気防止フィルム7の厚さとしては、特に限定されないが、30~200μmが好ましく、特に50~150μmが好ましい。湿気防止フィルム7がアルミニウムと樹脂の複合フィルムの場合、複合フィルム中のアルミニウムの厚さは、5~50μmが好ましく、特に5~40μmが好ましい。
【0048】
湿気防止フィルム7の強度としては、20~100N/mmが好ましく、特に30~80N/mmが好ましい。本明細書における湿気防止フィルムの強度は、引張性能試験で測定される最大点強度の数値である。
【0049】
湿気防止フィルム7の伸びとしては、5%以上が好ましく、さらに10~50%が好ましく、特に15~50%が好ましい。本明細書における湿気防止フィルムの伸びは、引張性能試験で測定される最大点伸びの数値である。
【0050】
なお、湿気防止フィルム7の強度および伸びとは、湿気防止フィルム7を用いてJIS
K 6251「加硫ゴムの引張試験方法(1993)」に規定するダンベル状4号形を作製し、23℃50%RHの環境下において速度500mm/minで行って測定した強度および伸びを意味する。ダンベル状4号形の厚さは、湿気防止フィルム7の厚さとした。
【0051】
湿気防止フィルム7の強度および伸びが上記の範囲であると、湿気防止フィルム7を硬化性組成物6の表面に敷設し、押し板18、28、38で押圧して湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を一体化させる際に湿気防止フィルム7にシワが発生しづらく、かつ、硬化性組成物6と湿気防止フィルム7との間に空隙が発生しづらくなる。また、缶体4等の容器に硬化性組成物6を充填した後に硬化性組成物6が外気温によって体積収縮してもその体積変化に追従しやすく、容器内の周縁部の空隙発生を抑制できる。
【0052】
硬化性組成物6としては、例えば、ウレタン系硬化性組成物、変成シリコーン系硬化性組成物、ポリサルファイド系硬化性組成物を挙げることができる。
【0053】
ウレタン系硬化性組成物は、イソシアネート基含有樹脂を硬化樹脂として含有する組成物である。イソシアネート基含有樹脂は、その樹脂中に1個以上のイソシアネート基を有
する樹脂であり、イソシアネート基が活性水素(基)と反応しウレタン結合、ウレア結合等を形成して架橋硬化する。イソシアネート基含有樹脂としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを好適に挙げることができる。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物とを、イソシアネート基/活性水素のモル比が好ましくは1.2~10、さらに好ましくは1.2~5.0となる範囲で一括あるいは逐次に反応させて、ウレタンプレポリマー中にイソシアネート基が残存するようにして製造することができる。
【0054】
変成シリコーン系硬化性組成物は、架橋性シリル基含有樹脂を硬化樹脂として含有する組成物である。架橋性シリル基含有樹脂は、その樹脂中に1個以上の架橋性(加水分解性)シリル基を有する樹脂であり、架橋性シリル基が活性水素(基)と反応してシロキサン結合を形成し架橋硬化する。
【0055】
架橋性シリル基は、変成シリコーン系硬化性組成物の硬化性や硬化後の物性の点から、分子内に1個以上含まれるのが好ましく、さらに1~5個含まれるのが好ましく、特に1~3個含まれるのが好ましい。さらに架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【化1】
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基または炭素数7~20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基およびアミノオキシ基より選ばれる加水分解性の基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。aは0、1または2の整数であり、0または1が特に好ましい。)
【0056】
架橋性シリル基含有樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラス等のゴム物性の点から、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル系共重合体が好ましい。
【0057】
本発明において、「(メタ)アクリル変性されていてもよい」とは、ポリオキシアルキレン系重合体に(メタ)アクリル系単量体をブロックまたはペンダント共重合したもの、ポリオキシアルキレン系重合体に(メタ)アクリル系共重合体を混合したもの、架橋性シリル基を導入したポリオキシアルキレン系重合体中で(メタ)アクリル系単量体を重合したものを意味する。
【0058】
ポリサルファイド系硬化性組成物は、ポリサルファイド樹脂を硬化樹脂として含有する組成物である。ポリサルファイド樹脂は、ポリサルファイド骨格と末端にメルカプト基を有する重合体である。メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂としては、一般式: HS-(R′/-Sy)z-R″-SHで示される構造のものが好ましい。この一
般式中のyは1~4の整数であり、その平均値は1.5~2.5である。zは1~120であり、好ましくは6~50である。また、この一般式中のR′およびR″は2価の脂肪族炭化水素基であり、具体的に例えば、-C-、-C-、-C-が挙げられる。特にエーテル結合を有するものが好ましく、具体的に例えば、以下のものが挙
げられる。
-C-O-C
-C-O-C
-C-O-C
-C-O-CH-O-C
-C-O-CH-O-C
-C-O-CH-O-C
【0059】
ウレタン系硬化性組成物、変成シリコーン系硬化性組成物、ポリサルファイド系硬化性組成物は、前述の硬化性樹脂に加え必要に応じてさらに添加剤を配合することができる。
【0060】
添加剤は、硬化性組成物に配合して硬化性組成物の粘度調整、硬化促進、接着性等の各種の性能を向上させるために使用する。具体的には、硬化促進触媒、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性向上剤(脱水剤)、着色剤および有機溶剤を挙げることができる。これらは、いずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0061】
これらの硬化性組成物は、主に空気中の湿気と反応させて硬化する一成分形硬化性組成物、主剤を硬化剤と混合し反応させて硬化する二成分形硬化性組成物に大別することができる。本発明の充填方法は、一成分形硬化性組成物および二成分形硬化性組成物のいずれにも適用することができる。本発明の充填方法は、湿気防止フィルム7と硬化性組成物6を一体化させて硬化性組成物6の表面を湿気防止フィルム7で覆い硬化性組成物6を空気中の湿気から遮断する工程を含むため、適用する硬化性組成物6としては、一成分形硬化性組成物、および二成分形硬化性組成物において空気中の湿気と反応する樹脂を含有する硬化性組成物であると保存安定性の効果が高い。
【0062】
硬化性組成物6の粘度としては、E型粘度計(25℃)の測定において、1rpmで150~400Pa・sが好ましく、特に200~350Pa・sが好ましい。また、E型粘度計(25℃)の測定において、10rpmで40~100Pa・sが好ましく、特に50~80Pa・sが好ましい。
【0063】
硬化性組成物6のチクソトロピックインデックスとしては、3~6が好ましく、特に3.5~5が好ましい。硬化性組成物6のチクソトロピックインデックスは、E型粘度計(25℃、1rpm、10rpm)の測定において、硬化性組成物6の1rpmと10rpmの粘度比(1rpmの粘度/10rpmの粘度)として求めることができる。
【0064】
シール10としては、缶体4(容器本体)と缶蓋9を嵌合し、缶体4を密閉できるものであれば特に制限なく使用することができる。
【0065】
シール10の材質としては、例えば、天然ゴムまたは合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴムを挙げることができる。
【0066】
缶体4(容器本体)と缶蓋9の嵌合について、図8~11に示すシール10でその方法を説明したが、シール10による嵌合以外にも従来公知の方法で嵌合を行うことができ、缶体4と缶蓋9で密封できればその方法に制限はない。
【0067】
乾燥剤は、密封した缶体4等の容器内の湿気等の水を除去(吸湿・吸水)させるために
使用する。乾燥剤としては、例えば、シリカゲル、シリカアルミナゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウムを挙げることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 底面
2 側面
3 把手
4 缶体
5 充填ノズル
6 充填物(硬化性組成物)
7 湿気防止フィルム
9 缶蓋
10 シール
11 乾燥剤
13、23、33 凸部
18、28、38 押し板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11