(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177259
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/66 20230101AFI20241212BHJP
H04N 23/69 20230101ALI20241212BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20241212BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241212BHJP
G03B 17/00 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N23/66
H04N23/69
H04N23/695
G03B15/00 P
G03B17/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024171508
(22)【出願日】2024-09-30
(62)【分割の表示】P 2020189787の分割
【原出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水間 拳士郎
(57)【要約】
【課題】 制御対象ではない撮像装置が動作することを抑制するための技術を提供すること。
【解決手段】 制御対象として設定された撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断し、制御対象として設定された撮像装置を制御対象から外すためのユーザ操作が行われた場合であって、上記判断において、撮像装置が自動制御機能を実行していないと判断された場合、撮像装置の特定機能の制御を停止するための命令を撮像装置に送信し、撮像装置が自動制御機能を実行していると判断された場合、撮像装置の特定機能の制御を継続する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象として設定された撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断する判断手段と、
制御対象として設定された撮像装置を制御対象から外すためのユーザ操作が行われた場合であって、
前記判断手段において、
前記撮像装置が自動制御機能を実行していないと判断された場合、前記撮像装置の特定機能の制御を停止するための命令を前記撮像装置に送信し、
前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していると判断された場合、前記撮像装置の前記特定機能の制御を継続する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記特定機能が、前記撮像装置のパンを制御する機能であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記特定機能が、前記撮像装置のチルトを制御する機能であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記特定機能が、前記撮像装置のズームを制御する機能であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記自動制御機能が、前記撮像装置のプリセット、プリセット巡回ならびにトレースのうち少なくとも一つを制御する機能であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
制御対象として設定された撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断する判断手段と、
特定の操作がユーザによって実行された場合であって、
前記判断手段において前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していないと判断された場合、前記撮像装置のパンまたはチルトの制御を停止するための命令を前記撮像装置に送信し、
前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していると判断された場合、前記撮像装置の前記パンまたはチルトの制御を継続する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項7】
前記特定の操作は、制御対象として設定された前記撮像装置を制御対象から外すための操作であることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記自動制御機能は、前記撮像装置のプリセット、プリセット巡回ならびにトレースのうち少なくとも一つを制御する機能であることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
制御対象として設定された撮像装置を制御対象から外すためのユーザ操作が行われると、
前記撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断する判断工程において前記撮像装置が自動制御機能を実行していないと判断された場合、前記撮像装置の特定機能の制御を停止するための命令を前記撮像装置に送信し、
前記判断工程において、前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していると判断された場合、前記撮像装置の前記特定機能の制御を継続する制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
制御対象として設定された撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断する判断工程を有し、
特定の操作がユーザによって実行された場合であって、
前記判断工程において前記撮像装置が自動制御機能を実行していないと判断された場合、前記撮像装置のパンまたはチルトの制御を停止するための命令を前記撮像装置に送信し、
前記判断工程において前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していると判断された場合、前記撮像装置の前記パンまたはチルトの制御を継続する制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至8の何れか1項に記載の制御装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、映像制作市場において、より少ないカメラマンが複数台のカメラを制御できるように、ネットワークに接続した複数のリモートカメラ(以下、単に「カメラ」と称する)を遠隔から制御するシステムが増加している。このようなシステムにおいては、複数台のカメラの映像を表示しつつ、各カメラの設定変更や、PTZ(パン・チルト・ズーム)の制御などを行うことができるアプリケーションを用いる。PTZの制御やフォーカスの制御等においては、複数台のカメラに対して一括で制御することも可能である。このようなアプリケーションでは、複数台のカメラと接続できるという特徴から、各カメラに対して、制御対象とするかどうかを選択できる。特許文献1に開示されている発明では、制御対象のカメラからカメラ状態を取得し、カメラが制御不可と判断される場合に、カメラが制御不可であることを表示するカメラ制御システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PTZの制御やフォーカスの制御などの特定の機能は、制御の開始コマンドと制御の停止コマンドがセットで使用されるスタート/ストップ制御と呼ばれる制御方式での制御が行われる。上述したアプリケーションにおいて、特定の機能の開始コマンドを送信した後に該制御の停止コマンドが送信されていない状態で、そのカメラを制御対象から外してしまった場合、そのカメラに特定の機能を停止させるコマンドが送信されずに、その機能の可動域の限界まで到達してしまうという課題があった。操作者の意図に沿う動作としては、制御対象ではないカメラは動作を停止しているべきである。本発明では、制御対象ではない撮像装置が動作することを抑制するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態は、制御対象として設定された撮像装置が自動制御機能を実行しているかを判断する判断手段と、制御対象として設定された撮像装置を制御対象から外すためのユーザ操作が行われた場合であって、前記判断手段において、前記撮像装置が自動制御機能を実行していないと判断された場合、前記撮像装置の特定機能の制御を停止するための命令を前記撮像装置に送信し、前記撮像装置が前記自動制御機能を実行していると判断された場合、前記撮像装置の前記特定機能の制御を継続する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成によれば、制御対象ではない撮像装置が動作することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】撮像装置102のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図3】制御装置103のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図4】一次記憶装置202および二次記憶装置203に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示す図。
【
図5】一次記憶装置302および二次記憶装置303に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示す図。
【
図6】制御装置103による制御コマンドの送信処理のフローチャート。
【
図7】所望の撮像装置102のフラグ情報を編集するために制御装置103が行う処理のフローチャート。
【
図8】撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理のフローチャート。
【
図9】一次記憶装置302および二次記憶装置303に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示す図。
【
図10】撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理のフローチャート。
【
図11】撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
[第1の実施形態]
本実施形態に係るカメラシステム1000の構成例について、
図1を用いて説明する。
図1に示す如く、カメラシステム1000は複数の撮像装置(撮像装置102a、撮像装置102b、撮像装置102c、撮像装置102d)と、制御装置103と、を有し、該複数の撮像装置および該制御装置103はネットワーク101に接続されている。
【0010】
まず、ネットワーク101について説明する。ネットワーク101は、例えば、Ethernet(登録商標)の通信規格に準拠する複数のルータ、スイッチ、ケーブル等から構成される。なお、ネットワーク101は、複数の撮像装置と制御装置103との間でデータ通信ができるのであれば、その通信規格、規模、構成は特定の通信規格、特定の規模、特定の構成、に限らない。ネットワーク101は、インターネットや有線LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)、WAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの複合により構成しても良い。
【0011】
次に、複数の撮像装置について説明する。本実施形態では、複数の撮像装置である撮像装置102a、撮像装置102b、撮像装置102c、撮像装置102dは何れも同様の構成および同様の機能を有する装置であるので、以下では、これらの撮像装置を撮像装置102と称する。よって、以下の撮像装置102についての説明は、撮像装置102a、撮像装置102b、撮像装置102c、撮像装置102dのそれぞれに同様に適用される。また、
図1では撮像装置102の台数を4としているが、この台数に限らない。
【0012】
撮像装置102は動画像を撮像し、該動画像における各フレームの画像を撮像画像としてネットワーク101を介して制御装置103に対して送信する。また、撮像装置102は制御装置103から送信された制御コマンドに応じて各種の制御を行う。なお、撮像装置102は、定期的若しくは不定期的に静止画像を撮像し、該撮像した静止画像を撮像画像としてネットワーク101を介して制御装置103に対して送信する装置であっても良い。また撮像装置102は、撮像画像を圧縮符号化してからネットワーク101を介して制御装置103に対して送信しても良い。また、撮像装置102は、制御装置103からの要求に応じて撮像画像を該制御装置103に対して送信しても良いし、該要求を受けなくても撮像画像を制御装置103に対して送信しても良い。また、撮像装置102は撮像画像を制御装置103に加えて他の装置にも送信するようにしても良い。
【0013】
次に、制御装置103について説明する。制御装置103は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末装置、スマートフォンなどのコンピュータ装置である。なお、制御装置103は、撮像装置102を操作するための専用コントローラ機器等の装置であっても良い。
【0014】
制御装置103は、撮像装置102から送信された撮像画像を受信して格納したり、表示したり、他の装置に転送したりする。また制御装置103は、ユーザ操作に応じて入力された制御コマンドを撮像装置102に対して送信する。制御コマンドは、「撮像装置102に特定機能を実行させるための制御コマンド」である。このような制御コマンドには、例えば、撮像装置102のパン、チルト、ズームを制御するための制御コマンドがある。また、このような制御コマンドには、例えば、撮像装置102のフォーカスやホワイトバランスを制御するための制御コマンド、撮像装置102に撮像画像の送信を要求する制御コマンド(画像取得要求)などがある。また、制御コマンドには、例えば、撮像装置102に各種の設定を行わせるための制御コマンドも含まれる。このように、制御装置103は、撮像装置102の設定や制御を司る装置である。
【0015】
次に、撮像装置102のハードウェア構成例について、
図2のブロック図を用いて説明する。なお、
図2に示した構成は、撮像装置102に適用可能なハードウェア構成の一例であり、該構成に限定することを意図したものではない。
【0016】
CPU201は、一次記憶装置202や二次記憶装置203に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU201は、撮像装置102全体の動作制御を行うと共に、撮像装置102が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0017】
一次記憶装置202は、RAM等の「読み書き可能な高速の記憶装置」である。一次記憶装置202は、二次記憶装置203からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリア、画像入力I/F204を介して撮像部205から入力された撮像画像を格納するためのエリア、を有する。さらに一次記憶装置202は、ネットワークI/F207を介して制御装置103から受信した制御コマンドなどのデータを格納するためのエリア、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリア、を有する。このように一次記憶装置202は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0018】
二次記憶装置203は、HDD、フラッシュメモリ、SDカード等の不揮発性の記憶装置であり、撮像装置102内の記憶装置であっても良いし、撮像装置102に外付けされた記憶装置であっても良いし、撮像装置102に着脱可能な記憶装置であっても良い。二次記憶装置203には、OS(オペレーティングシステム)や、撮像装置102が行うものとして説明する各種の処理をCPU201に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。二次記憶装置203に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU201による制御に従って適宜一次記憶装置202にロードされ、CPU201による処理対象となる。
【0019】
撮像部205は、光学系、該光学系を駆動する駆動部、該光学系を介して入光した光を光電変換してディジタル画像信号に変換する撮像素子、該ディジタル画像信号に基づいて撮像画像を構成して該撮像画像に対する各種の画像処理を行う回路、などを有する。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどのセンサであり、その受光面上に形成された像を電気信号に変換する。撮像部205により撮像された撮像画像は画像入力I/F204および内部バス208を介して一次記憶装置202や二次記憶装置203に転送される。
【0020】
PTZ駆動部206は、CPU201による制御の元で不図示のモータ等を駆動させて、撮像部205のパン(P)、チルト(T)、ズーム(Z)を制御する。これにより撮像装置102は、いわゆるPTZカメラとして機能することになる。
【0021】
ネットワークI/F207は、撮像装置102を上記のネットワーク101に接続するためのインターフェースであり、撮像装置102は、ネットワークI/F207を介して制御装置103との間のデータ通信を行う。
【0022】
CPU201、一次記憶装置202、二次記憶装置203、画像入力I/F204、PTZ駆動部206、ネットワークI/F207、は何れも内部バス208に接続されている。
【0023】
次に、制御装置103のハードウェア構成例について、
図3のブロック図を用いて説明する。なお、
図3に示した構成は、制御装置103に適用可能なハードウェア構成の一例であり、該構成に限定することを意図したものではない。
【0024】
CPU301は、一次記憶装置302や二次記憶装置303に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU301は、制御装置103全体の動作制御を行うと共に、制御装置103が行うものとして説明する各処理を実行もしくは制御する。
【0025】
一次記憶装置302は、RAM等の「読み書き可能な高速の記憶装置」である。一次記憶装置302は、二次記憶装置303からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリア、ネットワークI/F305を介して撮像装置102から受信した撮像画像などのデータを格納するためのエリアを有する。さらに一次記憶装置302は、CPU301が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように一次記憶装置302は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0026】
二次記憶装置303は、HDD、フラッシュメモリ、SDカード等の不揮発性の記憶装置であり、制御装置103内の記憶装置であっても良いし、制御装置103に外付けされた記憶装置であっても良いし、制御装置103に着脱可能な記憶装置であっても良い。二次記憶装置303には、OS(オペレーティングシステム)や、制御装置103が行うものとして説明する各種の処理をCPU301に実行もしくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。二次記憶装置303に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU301による制御に従って適宜一次記憶装置302にロードされ、CPU301による処理対象となる。
【0027】
ユーザ入出力I/F304は、キーボード、マウス、タッチパネル画面などのユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU301に対して入力することができる。ユーザ入出力I/F304がタッチパネル画面を有する場合、該タッチパネル画面には、CPU301による処理結果(撮像装置102から受信した撮像画像を含む画面など)を表示することができると共に、ユーザからの操作入力を受け付けることができる。なお、ユーザ入出力I/F304は、ユーザからの音声を入力することができるマイクなどの音声入力デバイスであっても良く、その場合、該音声により入力されたユーザからの指示は周知の音声認識技術によって認識されることになる。また、ユーザ入出力I/F304は、ユーザが撮像装置102のパン、チルト、ズームを制御するために操作する入力装置として、ジョイスティックを含んでも良い。
【0028】
次に、撮像装置102の一次記憶装置202および二次記憶装置203に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例について、
図4を用いて説明する。
図4では、撮像装置102が処理を実行する際において、一次記憶装置202および二次記憶装置203のそれぞれに格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示している。以下では、一次記憶装置202に格納されているコンピュータプログラムを処理の主体として説明する場合がある。しかし、実際には、該コンピュータプログラムをCPU201が実行することで、対応するコンピュータプログラムの機能が実現される。
【0029】
まず、撮像装置102の一次記憶装置202に格納されているコンピュータプログラムについて説明する。
【0030】
OS401は、撮像装置102全体の動作制御を行うための基本プログラムである。一次記憶装置202におけるコンピュータプログラムやデータのアドレス(番地)やサイズ、二次記憶装置203におけるコンピュータプログラムやデータのアドレス(番地)やサイズ、は何れもOS401が管理する。
【0031】
撮像プログラム402は、制御装置103からの画像取得要求や他のコンピュータプログラムからの指示に応じて、撮像部205が撮像した撮像画像を画像入力I/F204を介して取得し、該撮像画像をJPEG等の符号化画像やH.264等の動画像に変換するためのコンピュータプログラムである。
【0032】
制御プログラム403は、ネットワークI/F207を介して制御装置103との間のデータ通信を制御するためのコンピュータプログラムである。データ通信の内容の一例としては、制御装置103からの制御コマンドの受信、制御装置103への撮像画像の送信、等がある。なお、制御装置103からの制御コマンド(リクエスト)は、例えばhttp(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)など、一般的な通信プロトコルを使用してもよい。
【0033】
管理プログラム404は、撮像装置102の制御状態を管理するためのコンピュータプログラムである。本実施形態では、「撮像装置102の制御状態」は、「撮像装置102がパンを制御中であるか否か」であるものとする。しかし、「撮像装置102の制御状態」が示す状態は特定の状態に限らず、「撮像装置102がチルト/ズームを制御中であるか否か」、「撮像装置102がフォーカス/タリーランプを制御中であるか否か」など、他の状態であっても良い。そして管理プログラム404は、制御装置103から撮像装置102の制御状態の送信要求を受信すると、該撮像装置102について管理している最新の制御状態を、制御プログラム403を制御して該制御装置103に対して送信する。
【0034】
PTZ制御プログラム405は、制御装置103から受信した「パン/チルト/ズームを制御するための制御コマンド」、「プリセット位置へ移動させるための制御コマンド」、「トレースの再生を制御する制御コマンド」などの制御コマンドに基づいてPTZ駆動部206を制御するためのコンピュータプログラムである。また、PTZ制御プログラム405は撮像装置102の動作状態の送信要求を受信すると、該送信要求に対する応答として、該撮像装置102の最新の動作状態を、制御プログラム403を制御して該制御装置103に対して送信する。
【0035】
ここで、プリセットを、撮像装置102の向き(PTZ値)およびフォーカスやホワイトバランスをはじめとする撮像パラメータを記憶しておく機能とする。プリセット位置への移動とは、記憶しておいたプリセットの撮像パラメータを読みだして撮像装置102を制御することである。
【0036】
ここで、トレースを、撮像装置102の向き(PTZ値)および撮像パラメータを実行した時間情報とともに記憶しておく機能とする。記憶したトレースを再生すると、記憶した通りのタイミングで撮像装置102がPTZや各種パラメータの制御を行う。
【0037】
また、複数個所のプリセット位置を順番に移動するプリセット巡回によって、撮像装置102自身で自動的にPTZを制御するようにしても良い。
【0038】
次に、撮像装置102の二次記憶装置203に格納されているデータ(情報)について説明する。
【0039】
種別情報406は、撮像装置102が特定の機能を実行可能な装置であるのか否かを表す制御可否情報を含む。種別情報406は、1以上の機能について、該機能に関する制御可否情報を含む。例えばパン、チルト、ズームに関する制御可否情報は、撮像装置102がパン、チルト、ズームが可能な撮像装置である場合には「PTZ機」を示し、ズームだけ可能であれば「ズーム機」を示し、パン、チルト、ズームの何れも不可能であれば「固定機」を示す。また、制御可否情報は、特定の機能を実行可能か否かをTRUE(実行可能)/FALSE(実行不可能)の2値で表現する情報であっても良い。
【0040】
なお、本実施形態では、撮像装置102の撮像方向を変更したり撮像部205の光学系を駆動させることでパン機能やチルト機能やズーム機能を実現させている。しかし同様の機能を、撮像画像から切り出す画像領域の範囲や該画像領域を切り出す位置を変更したり、切り出した画像の拡大/縮小を行ったりする、いわゆるデジタルPTZ機能により実現させるようにしても良い。
【0041】
動作状態情報407は、撮像装置102の動作状態を表す情報である。管理プログラム404は、撮像装置102の動作状態を収集し、該収集した動作状態を表す動作状態情報407を作成して二次記憶装置203に格納する。
【0042】
なお、
図4に示した一次記憶装置202および二次記憶装置203におけるコンピュータプログラムやデータの格納状態は一例であり、該格納状態に限定することを意図したものではない。例えば、種別情報406および動作状態情報407は処理の実行時にはすでに二次記憶装置203から一次記憶装置202にロードしておいても良い。また、一次記憶装置202に格納されているものとして説明した上記のコンピュータプログラムのうち1以上を必要に応じて二次記憶装置203から一次記憶装置202にロードするようにしても良い。
【0043】
次に、制御装置103の一次記憶装置302および二次記憶装置303に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例について、
図5を用いて説明する。
図5では、制御装置103が処理を実行する際において、一次記憶装置302および二次記憶装置303のそれぞれに格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示している。以下では、一次記憶装置302に格納されているコンピュータプログラムを処理の主体として説明する場合がある。しかし、実際には、該コンピュータプログラムをCPU301が実行することで、対応するコンピュータプログラムの機能が実現される。
【0044】
まず、制御装置103の一次記憶装置302に格納されているコンピュータプログラムについて説明する。
【0045】
OS501は、制御装置103全体の動作制御を行うための基本プログラムである。一次記憶装置302におけるコンピュータプログラムやデータのアドレス(番地)やサイズ、二次記憶装置303におけるコンピュータプログラムやデータのアドレス(番地)やサイズ、は何れもOS501が管理する。
【0046】
制御プログラム502は、ネットワークI/F305を介して撮像装置102との間のデータ通信を制御するためのコンピュータプログラムである。データ通信の内容の一例としては、撮像装置102への制御コマンドの送信、撮像装置102からの撮像画像の受信、等がある。
【0047】
表示プログラム503は、撮像装置102から受信した撮像画像、ユーザが制御コマンドを入力するために操作するGUI(グラフィカルユーザインターフェース)、等をユーザ入出力I/F304の画面に表示させるためのコンピュータプログラムである。なお、撮像画像やGUIなどを表示する画面はユーザ入出力I/F304に限らない。例えば、撮像画像やGUIなどを制御装置103の外部装置に表示させてもよく、その場合、制御装置103は表示プログラム503を有していなくても良い。
【0048】
制御プログラム504は、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して入力した上記の各種の制御コマンドを、制御プログラム502を制御して撮像装置102に対して送信する。
【0049】
次に、制御装置103の二次記憶装置303に格納されているデータ(情報)について説明する。種別情報505には、それぞれの撮像装置102から取得した種別情報406が登録されている。
【0050】
制御対象情報506は、それぞれの撮像装置102について、該撮像装置102が制御装置103による制御対象であるか否か(制御プログラム504が該撮像装置102に対して制御コマンドを送信するか否か)を示すフラグ情報を含む。制御プログラム504は、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して制御コマンドを入力すると、制御対象情報506を参照する。そして制御プログラム504は、フラグ情報が「制御装置103による制御対象である(制御プログラム504が制御コマンドを送信する)」に設定されている撮像装置102に対して制御コマンドを送信する。つまり、制御プログラム504は、フラグ情報が「制御装置103による制御対象ではない(制御プログラム504が制御コマンドを送信しない)」に設定されている撮像装置102に対しては制御コマンドを送信しない。この制御対象情報506は、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して適宜編集可能である。
【0051】
次に、制御装置103による制御コマンドの送信処理について、
図6のフローチャートに従って説明する。ステップS2では、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して制御コマンドを入力すると、制御プログラム504は、変数iの値を0に初期化する。以下では、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して入力した制御コマンドが「撮像装置102にパン動作を開始させるための制御コマンド」(パン開始コマンド)であるケースについて説明する。パン開始コマンドには、パンの方向や動作速度が含まれている。なお、制御コマンドが他の種類の制御コマンドであっても以下の説明は同様に適用される。また、制御コマンドの入力方法は特定の入力方法に限らず、例えば、ユーザがユーザ入出力I/F304に含まれるキーボード、マウス、タッチパネル画面、ジョイスティックなどを操作して入力しても良い。また例えば、ユーザがユーザ入出力I/F304に含まれるマイクに向かって音声で制御コマンドを入力しても良い。これは、制御コマンドに限らず、様々な情報を制御装置103に入力する場合であっても同様である。
【0052】
ステップS3では、制御プログラム504は、変数iの値が、現在制御装置103と通信可能な(接続されている)撮像装置102の台数未満であるか否かを判断する。この判断の結果、変数iの値が、現在制御装置103と通信可能な撮像装置102の台数未満である場合には、処理はステップS4に進む。一方、変数iの値が、現在制御装置103と通信可能な撮像装置102の台数未満ではない場合には、
図6のフローチャートに従った処理は終了する。
【0053】
以下では、現在制御装置103と通信可能な撮像装置102は「撮像装置102a、撮像装置102b、撮像装置102c、撮像装置102d」の4台であるケースについて説明する。よって、このケースにおいては、変数iの値が4未満であれば、処理はステップS4に進み、変数iの値が4未満ではない場合には、
図6のフローチャートに従った処理は終了する。
【0054】
ステップS4では、制御プログラム504は、撮像装置102aを0番目の撮像装置、撮像装置102bを1番目の撮像装置、撮像装置102cを2番目の撮像装置、撮像装置102dを3番目の撮像装置、とする。そして制御プログラム504は、二次記憶装置203に保存されている制御対象情報506におけるi番目の撮像装置(撮像装置[i])のフラグ情報が「制御装置103による制御対象である」を示すか否かを判断する。
【0055】
この判断の結果、i番目の撮像装置のフラグ情報が「制御装置103による制御対象である」を示す場合には、処理はステップS5に進む。一方、i番目の撮像装置のフラグ情報が「制御装置103による制御対象ではない」を示す場合には、処理はステップS6に進む。
【0056】
ステップS5では、制御プログラム504は、制御プログラム502を制御して、上記のパン開始コマンドをi番目の撮像装置に対して送信する。そしてステップS6では、制御プログラム504は、変数iの値を1つインクリメントする。そして処理はステップS3に進み、以降の処理を行う。
【0057】
このような
図6のフローチャートに従った処理を行うことで、制御プログラム504は、撮像装置102へのパン開始コマンドを送信する際には制御対象情報506を参照する。そして制御プログラム504は、制御対象に設定されている撮像装置102には該パン開始コマンドを送信し、制御対象に設定されていない撮像装置102には該パン制御コマンドを送信しない。
【0058】
次に、ユーザが二次記憶装置303に保存されている制御対象情報506に含まれているフラグ情報のうち着目撮像装置のフラグ情報を編集するために制御装置103が行う処理について、
図7のフローチャートに従って説明する。以下では、「着目撮像装置」を「撮像装置A」と称する。
【0059】
ステップS12では、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aを制御対象に設定する為の操作を行うと、制御プログラム504は、制御対象情報506において該撮像装置Aのフラグ情報を「制御装置103による制御対象である」に更新する。
【0060】
「撮像装置Aを制御対象に設定するための操作」には様々な操作方法が適用可能である。例えば、ユーザ入出力I/F304が有する画面に制御対象情報506に含まれるそれぞれの撮像装置102の識別情報(撮像装置102の名称など)をチェックボックスと共に表示する。そしてユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aに対応するチェックボックスをオンにして(チェックマークを付けて)から決定指示を入力すると、該撮像装置Aのフラグ情報を「制御装置103による制御対象である」に更新する。
【0061】
次に、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理について、
図8のフローチャートに従って説明する。
【0062】
ステップS22では、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aを制御対象から外す為の操作を行うと、制御プログラム504は、制御対象情報506において該撮像装置Aのフラグ情報を「制御装置103による制御対象ではない」に更新する。これにより、制御対象情報506を更新する。
【0063】
「撮像装置Aを制御対象から外すための操作」には様々な操作方法が適用可能である。例えば、ユーザ入出力I/F304が有する画面に制御対象情報506に含まれるそれぞれの撮像装置102の識別情報をチェックボックスと共に表示する。そしてユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aに対応するチェックボックスをオフにして(チェックマークを外して)から決定指示を入力すると、該撮像装置Aのフラグ情報を「制御装置103による制御対象ではない」に更新する。
【0064】
ステップS23では、制御プログラム504は、撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中であるか否かを判断する。撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中であるか否かを判断するための判断方法には様々な判断方法がある。
【0065】
ユーザ操作に応じて入力されたパン開始コマンドが撮像装置Aに送信された後、該撮像装置Aにパン動作を停止(終了)させるための制御コマンド(パン停止コマンド)を該撮像装置Aに送信していない場合、該撮像装置Aはパン動作を続けていることになる。このような場合、制御プログラム504は、「撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中である」と判断する。
【0066】
また、ユーザがユーザ入出力I/F304におけるボタン/ユーザ入出力I/F304の画面に表示されているボタンを押下し続けるなど、ユーザがパン動作を指示する操作を行っている間は撮像装置Aがパン動作を続けるとする。この場合、ユーザがパン動作を指示する操作を開始するとパン開始コマンドが撮像装置Aに対して送信され、該操作をやめるとパン停止コマンドが該撮像装置Aに対して送信される。このような場合、制御プログラム504は、ユーザがパン動作を指示する操作を行っている間は、「撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中である」と判断する。
【0067】
つまり、「撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中であるか否か」を判断することは、「撮像装置Aがパン動作を実行中であるか否か」を判断することにもなる。
【0068】
このような判断の結果、撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中である場合には、処理はステップS24に進む。一方、撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中ではない場合には、
図8のフローチャートに従った処理は終了する。ステップS24では、制御プログラム504は制御プログラム502を制御して、上記のパン停止コマンドを、撮像装置Aに対して送信する。
【0069】
このような
図8のフローチャートに従った処理を行うことで、制御プログラム504は、撮像装置Aを制御対象から外すためのユーザ操作が行われると、該撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中である場合には、該撮像装置Aを制御対象から外すと共に該撮像装置Aに対してパン停止コマンドを送信することで、該撮像装置Aにパン動作を停止させる。
【0070】
なお、
図6のフローチャートに従った処理と
図8のフローチャートに従った処理とは並列に動作可能であり、
図6のフローチャートに従った処理が実行中であっても、割り込んで
図8のフローチャートに従った処理を実行することができる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、撮像装置が制御対象から外れたときに、該撮像装置に特定機能を実行させるためのユーザ操作が行われている場合には、該特定機能の実行を停止させるコマンドを該撮像装置に送信する。したがって、特定機能を実行中の撮像装置が制御対象から外れてしまっても、該撮像装置が該特定機能を実行し続けることを防止することができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、パン制御を一例として取り扱ったが、制御の開始コマンドと制御の停止コマンドがセットで使用されるスタート/ストップ制御全般についても同様である。
【0073】
また、本実施形態では、撮像装置Aを制御対象から外した旨や、該撮像装置Aにて動作中のパン制御を停止させた旨をユーザ入出力I/F304の画面に画像や文字でもって表示して、これらの情報をユーザに通知するようにしても良い。
【0074】
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態との差分について説明し、以下で特に触れない限りは、第1の実施形態と同様であるものとする。第1の実施形態では、撮像装置Aを制御対象から外すユーザ操作が行われると、撮像装置Aにパン動作を実行させるための制御コマンドが入力中であるか否かを判断していた。本実施形態では、撮像装置Aを制御対象から外すユーザ操作が行われると、撮像装置Aの動作状態を参照して、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)であるか否かを判断する。
【0075】
制御装置103の一次記憶装置302および二次記憶装置303に格納されているコンピュータプログラムやデータの一例について、
図9を用いて説明する。
図9では、制御装置103が処理を実行する際において、一次記憶装置302および二次記憶装置303のそれぞれに格納されているコンピュータプログラムやデータの一例を示している。
【0076】
なお、
図9において
図5に示したコンピュータプログラムやデータと同じコンピュータプログラムやデータには同じ参照番号を付しており、該コンピュータプログラムやデータについての説明は省略する。
【0077】
まず、制御装置103の一次記憶装置302に格納されているコンピュータプログラムについて説明する。取得プログラム507は、撮像装置102に対して制御コマンドとして情報取得コマンドを送信し、該情報取得コマンドに応答して撮像装置102の制御プログラム502が送信した動作状態情報407を受信して動作状態情報508に登録する。取得プログラム507は、この一連の処理を定期的に行う。なお、撮像装置102は動作状態情報407が更新された場合に該更新済みの動作状態情報407を制御装置103に送信するようにしてもよい。その場合、取得プログラム507は、撮像装置102から動作状態情報407が送信された場合に、該動作状態情報407を受信して動作状態情報508に登録する。
【0078】
次に、制御装置103の二次記憶装置303に登録されているデータ(情報)について説明する。動作状態情報508には、制御装置103がそれぞれの撮像装置102から受信した動作状態情報407が登録されている。
【0079】
次に、ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理について、
図10のフローチャートに従って説明する。
図10において、
図8に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
【0080】
ステップS33では、制御プログラム504は、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)であるか否かを判断する。撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)であるか否かを判断するための判断方法には様々な判断方法がある。
【0081】
例えば、制御プログラム504は、二次記憶装置303に保存されている動作状態情報508に登録されている「撮像装置Aの動作状態情報407」を参照する。そして、制御プログラム504は、撮像装置Aの動作状態情報407が「撮像装置Aはパン動作中である」ことを示している場合には、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)であると判断する。一方、制御プログラム504は、撮像装置Aの動作状態情報407が「撮像装置Aはパン動作中ではない」ことを示している場合には、撮像装置Aはパン動作を実行中(パンの制御中)ではないと判断する。
【0082】
このような判断の結果、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)である場合には、処理はステップS24に進む。一方、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)ではない場合には、
図10のフローチャートに従った処理は終了する。
【0083】
このような
図10のフローチャートに従った処理を行うことで、制御プログラム504は、撮像装置Aを制御対象から外すためのユーザ操作が行われると、該撮像装置Aがパン動作を実行中である場合には、該撮像装置Aを制御対象から外すと共に該撮像装置Aに対してパン停止コマンドを送信することで、該撮像装置Aにパン動作を停止させる。
【0084】
なお、
図6のフローチャートに従った処理と
図10のフローチャートに従った処理とは並列に動作可能であり、
図6のフローチャートに従った処理が実行中であっても、割り込んで
図10のフローチャートに従った処理を実行することができる。
【0085】
このように、本実施形態によれば、撮像装置が制御対象から外れたときに、該撮像装置が特定機能を実行中である場合には、該特定機能の実行を停止させるコマンドを該撮像装置に送信する。したがって、特定機能を実行中の撮像装置が制御対象から外れてしまっても、該撮像装置が該特定機能を実行し続けることを防止することができる。
【0086】
なお、本実施形態では、制御対象から外された撮像装置の動作状態に基づいて、該撮像装置に実行中の機能を停止させる停止コマンドを送信するか否かを判断した。しかし、制御対象から外された撮像装置に対しては無条件で該停止コマンド(スタートストップ制御の停止コマンド)を送信するようにしても良い。
【0087】
<第2の実施形態の変形例>
以下では、第2の実施形態との差分について説明し、以下で特に触れない限りは第2の実施形態と同様であるものとする。第2の実施形態では、撮像装置を制御対象から外したときに、該撮像装置の動作状態に応じて特定機能を停止させる場合について説明した。本変形例では、撮像装置を制御対象から外したときに、該撮像装置において特定機能が動作中で且つ該撮像装置の自動制御機能が動作していない場合に、該撮像装置に対して該特定機能の動作を停止させるためのコマンドを送信する。なお、撮像装置の自動制御機能としては、プリセット、プリセット巡回、トレースなどが挙げられる。
【0088】
ユーザがユーザ入出力I/F304を操作して撮像装置Aを制御対象から外すための操作を行った場合に制御装置103が行う処理について、
図11のフローチャートに従って説明する。
図11において、
図10に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
【0089】
ステップS33における判断の結果、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)である場合には、処理はステップS44に進む。一方、撮像装置Aがパン動作を実行中(パンの制御中)ではない場合には、
図11のフローチャートに従った処理は終了する。
【0090】
ステップS44では、制御プログラム504は、動作状態情報508に撮像装置Aの動作状態として登録されている「撮像装置Aが自動制御機能を動作中であるか否か」を示す情報を参照する。そして、該情報が「撮像装置Aが自動制御機能を動作中ではない」ことを示す場合には、処理はステップS24に進む。一方、該情報が「撮像装置Aが自動制御機能を動作中である」ことを示す場合には、
図11のフローチャートに従った処理は終了する。本実施形態では、自動制御機能は、プリセット、プリセット巡回、トレースのうち少なくとも1つであるものとするが、これらに限らない。
【0091】
このような
図11のフローチャートに従った処理を行うことで、制御プログラム504は、撮像装置Aを制御対象から外すためのユーザ操作が行われると、該撮像装置Aがパン動作を実行中であり且つ該撮像装置Aが自動制御機能を動作中ではない場合には、該撮像装置Aを制御対象から外すと共に該撮像装置Aに対してパン停止コマンドを送信することで、該撮像装置Aにパン動作を停止させる。
【0092】
このように、本実施形態によれば、撮像装置が制御対象から外れたときに、該撮像装置が特定機能を実行中であり且つ該撮像装置が自動制御機能を動作中ではない場合には、該特定機能の実行を停止させるコマンドを該撮像装置に送信する。したがって、特定機能を実行中の撮像装置が制御対象から外れてしまっても、該撮像装置が該特定機能を実行し続けることを防止することができる。
【0093】
なお、上記の各実施形態や変形例では、一次記憶装置に格納されているコンピュータプログラムをCPUが実行することで上記の各処理を実行していた。しかし、該コンピュータプログラムの代わりに、該コンピュータプログラムの機能を実現するハードウェアを用いて上記の各処理を実行するようにしても良い。
【0094】
また、上記の各実施形態や変形例で使用した数値、処理タイミング、処理順、データ(情報)の送信先/送信元などは、具体的な説明を行うために一例として挙げたものであり、このような一例に限定することを意図したものではない。
【0095】
また、以上説明した各実施形態や変形例の一部若しくは全部を適宜組み合わせて使用しても構わない。また、以上説明した各実施形態や変形例の一部若しくは全部を選択的に使用しても構わない。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0097】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0098】
301:CPU 302:一次記憶装置 303:二次記憶装置 304:ユーザ入出力I/F 305:ネットワークI/F 306:内部バス