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特開2024-177273プログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177273
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241212BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20241212BHJP
   C12M 1/26 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
G06Q50/10
C12M1/34 B
C12M1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172015
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2023015144の分割
【原出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】521380340
【氏名又は名称】株式会社雷神の風
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】細田 悟
(57)【要約】
【課題】新たなプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】コンピュータ12を記憶手段20aと、受付手段20bと、出力手段20cとして機能させるプログラムであって、記憶手段20aは、集塵機10の識別情報を集塵機10の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させる。受付手段20bは、集塵機10の識別情報および集塵機10に取り付けられるフィルタ11に付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付ける。出力手段20cは、記憶部に記憶されている集塵機10の識別情報に対応する集塵機10の位置情報と、受付手段が受け付けた集塵機10の識別情報および病原微生物量とに基づいて、集塵機10の位置毎の病原微生物量に関する情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、プログラム。
【請求項2】
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、プログラム。
【請求項3】
前記病原微生物量に関する情報は、前記集塵機の単位稼働時間あたりの前記病原微生物量を含む、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記表示装置に送信する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力し、
前記送信手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図上で前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記表示装置に送信する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記印刷装置に送信する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力し、
前記送信手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図上で前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記印刷装置に送信する、請求項1または2記載のプログラム。
【請求項9】
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、コンピュータ。
【請求項10】
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、コンピュータ。
【請求項11】
フィルタが取り付けられる集塵機と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能し、
前記記憶手段は、前記集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、システム。
【請求項12】
フィルタが取り付けられる集塵機と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能し、
前記記憶手段は、前記集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記フィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、システム。
【請求項13】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておく工程と、
前記制御部が、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付ける工程と、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、情報処理方法。
【請求項14】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記制御部が、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記制御部が、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記制御部が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気中の浮遊ウイルスやエアロゾルを除去する空気清浄機等の集塵機として様々なものが知られている。例えば、特許文献1には、帯電部によってウイルスを帯電させることによりフィルタに引き寄せ、フィルタに対して紫外線を照射する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-171440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集塵機が設置される施設において、場所毎の病原微生物の量である病原微生物量の多寡が分かれば便利であるが、従来はこのような施設の場所毎の病原微生物量に関する情報を出力するシステムは存在しなかった。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、新たなプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、プログラムである。
【0007】
第2の側面は、
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、プログラムである。
【0008】
また、第1または第2の側面において、
前記病原微生物量に関する情報は、前記集塵機の単位稼働時間あたりの前記病原微生物量を含ませてもよい。
【0009】
また、第1または第2の側面において、
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力させてもよい。
【0010】
また、第1または第2の側面において、
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記表示装置に送信させてもよい。
【0011】
また、第1または第2の側面において、
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力し、
前記送信手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図上で前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記表示装置に送信させてもよい。
【0012】
また、第1または第2の側面において、
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記送信手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記印刷装置に送信させてもよい。
【0013】
また、第1または第2の側面において、
前記コンピュータを送信手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておき、
前記出力手段は、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を、前記第3記憶部に記憶されている前記地図情報に関連付けて出力し、
前記送信手段は、前記集塵機が設置される施設に関する地図上で前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、前記出力手段により出力された情報を前記印刷装置に送信させてもよい。
【0014】
第3の側面は、
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、コンピュータである。
【0015】
第4の側面は、
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、コンピュータである。
【0016】
第5の側面は、
フィルタが取り付けられる集塵機と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能し、
前記記憶手段は、前記集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記集塵機の識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、システムである。
【0017】
第6の側面は、
フィルタが取り付けられる集塵機と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能し、
前記記憶手段は、前記集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記フィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記出力手段は、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記受付手段が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、システムである。
【0018】
第7の側面は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておく工程と、
前記制御部が、前記集塵機の識別情報および前記集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付ける工程と、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、受け付けた前記集塵機の識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、情報処理方法。
【0019】
第8の側面は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、集塵機の識別情報を前記集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、前記集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を前記集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておき、
前記制御部が、前記フィルタの識別情報および前記フィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付け、
前記制御部が、前記第2記憶部に記憶されている前記フィルタの識別情報に対応する前記集塵機の識別情報と、前記第1記憶部に記憶されている前記集塵機の識別情報に対応する前記集塵機の位置情報と、前記制御部が受け付けた前記フィルタの識別情報および前記病原微生物量とに基づいて、前記集塵機の位置毎の前記病原微生物量に関する情報を出力する、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、新たなプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態におけるシステムの概略図である。
図2】本実施形態におけるコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態におけるプロセッサの処理の一例を示す概略図である。
図4】本実施形態におけるプロセッサの処理の一例を示す概略図である。
図5】本実施形態におけるシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態におけるシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔本実施形態〕
本実施形態のシステム1について、図面を参照して説明する。
【0023】
<システム1の説明>
図1に示すように、本実施形態のシステム1は、フィルタ11が取り付けられる集塵機10と、集塵機10により得られたデータを用いて各種の制御を行うコンピュータ12と、を備える。システム1では、コンピュータ12および1または複数の表示装置13がネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。コンピュータ12は、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム等のコンピュータを含む。
【0024】
<システム1の概要>
集塵機10は、各種ウイルス、細菌、真菌等の生物に感染症を引き起こす病原微生物を空気とともに吸引し、病原微生物を捕集するための機器である。集塵機10は、サイクロン、スクラバー、バグフィルター、電気集塵機等の集塵機能を奏する機器であり、集塵機10には、1または複数のフィルタ11をその外部または内部に取り付け可能である。
【0025】
フィルタ11はエアフィルタであり、粗塵フィルタ、HEPA(登録商標)、ULPAフィルタ、活性炭、光触媒等のフィルタ類である。フィルタ11は、集塵機10の外部または内部に取り付け可能である。また、フィルタ11は、病原微生物を捕集可能な網目構造を有しており、使用後であっても洗浄処理を施すことにより、少なくとも1回以上再利用できる。また、従来はフィルタ11を定期的に回収することは手間であったが、システム1では、フィルタ11を定期的に回収し、捕集された病原微生物の量をより細かい時間スケールで把握することができる。
【0026】
次に、システム1のハードウェア構成について説明する。
コンピュータ12は、プログラムPを実行することにより、システム1の動作を制御する。図2に示されるように、コンピュータ12は、プロセッサ20と、主記憶部21と、補助記憶部22と、入力部23と、通信部24と、を有する。ここで、主記憶部21、補助記憶部22、入力部23および通信部24は何れも、内部バス26を介してプロセッサ20に接続される。
【0027】
プロセッサ20は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等の集積回路であり、各種の演算処理、制御処理等を司る。また、プロセッサ20は、主記憶部21および補助記憶部22に保存されているプログラムPやデータを読み出し、プログラムPを実行することにより種々の機能を実現し、本開示に係る処理を実行する。このように、プロセッサ20は制御部として機能する。このように、プロセッサ20は、記憶手段20a、受付手段20b、出力手段20c、送信手段20d、データ取得手段60、演算手段70等として機能する。
【0028】
図3に示すように、プロセッサ20は、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を関連付ける処理を行う。また、プロセッサ20は、関連付けた1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を補助記憶部22に送信する。
【0029】
また、図4に示すように、プロセッサ20は、1または複数の集塵機10に取り付けられた、1または複数のフィルタ11のID等の識別情報50および1または複数の集塵機10のID等の識別情報30を関連付ける処理を行う。そして、プロセッサ20は、関連付けたフィルタ11のID等の識別情報50および集塵機10のID等の識別情報30を補助記憶部22に送信する。
【0030】
主記憶部21は、RAM(Random Access Memory)等のメインメモリである。主記憶部21には、プロセッサ20により補助記憶部22からプログラムPがロードされる。そして、主記憶部21は、プロセッサ20の作業領域として用いられる。
【0031】
主記憶部21は、1または複数の集塵機10に割り当てられたID等の識別情報30および1または複数の集塵機10に取り付けられた1または複数のフィルタ11により捕集された病原微生物量を規定する病原微生物の量に関する情報を、入力部23から受け付ける。
【0032】
また、主記憶部21は、プロセッサ20により関連付けされた、集塵機10の識別情報30および集塵機10に取り付けられた1または複数のフィルタ11により捕集された病原微生物の量に関する情報を記憶することができる。なお、病原微生物の量に関する情報は、後述のように、mRNA発現量によって表される。
【0033】
補助記憶部22は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリである。補助記憶部22は、プログラムPの他、プロセッサ20の処理に用いられる種々のデータを記憶する。
【0034】
補助記憶部22は、プロセッサ20の指示に従って、プロセッサ20によって利用されるデータをプロセッサ20に供給する。また、補助記憶部22は、プロセッサ20から供給されたデータを記憶する。
【0035】
補助記憶部22は、関連付けられた、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を格納可能な第1記憶部22aを含む。
【0036】
また、補助記憶部22は、関連付けられた、フィルタ11のID等の識別情報50および集塵機10のID等の識別情報30を格納可能な第2記憶部22bを含む。
【0037】
また、補助記憶部22は、集塵機10が設置される建物およびその内部の構造を表す地理空間情報(地図情報)を格納可能な第3記憶部22cを含む。
【0038】
また、補助記憶部22は、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30、集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ、その範囲等を表す位置情報40、1または複数の集塵機10に取り付けられた1または複数のフィルタ11のID等の識別情報50を記憶する。
【0039】
入力部23は、ハードウェアスイッチ、入力キー、キーボード、各種カメラ、スキャナおよびポインティングデバイス等の入力デバイスである。送信手段20dは、システム1のユーザによって入力された情報をプロセッサ20に送信する。また、送信手段20dは、各種情報を、主記憶部21、補助記憶部22、通信部24に送信する。
【0040】
受付手段20bは、補助記憶部22に記憶されている、集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ、その範囲等を表す位置情報40と、主記憶部21に記憶されている、関連付けられた1または複数の集塵機10に割り当てられたID等の識別情報30および1もしくは複数の集塵機10に取り付けられた1または複数のフィルタ11により捕集された病原微生物の量に関する情報と、を対応付けする処理を行う。
【0041】
また、出力手段20cは、送信手段20dを介して、通信部24に1または複数の集塵機10の設置ポイント毎の病原微生物の量に関する情報を出力する。
【0042】
また、受付手段20bは、補助記憶部22の第3記憶部22cに記憶されている地理空間情報と、前述の病原微生物の量に関する情報と、を対応付けする処理を行う。また、出力手段20cは、1または複数の集塵機10の設置ポイント毎の病原微生物の量に関する情報を出力する。そして、送信手段20dが出力された情報を表示装置13に送信し、地理空間情報により表される地図上にオーバーレイ表示する。
【0043】
通信部24は、システム1がプリンタ等の印刷装置といった外部装置および表示装置13と通信するためのインタフェース回路を含む。
【0044】
送信手段20dはまた、通信部24を介して、1または複数の集塵機10の設置ポイント毎の病原微生物の量に関する情報を規定する信号を外部装置および表示装置13に送信する。
【0045】
表示装置13は、LED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等により形成されるディスプレイ等の表示デバイス、各種プリンタ類、各種プロジェクタ、ブザーおよびスピーカ等の出力デバイスを含む機構である。
【0046】
表示装置13は、プロセッサ20の指示に従って、通信部24を介して送信手段20dにより送信される種々のデータ情報を、ユーザに視認可能な形態で提示する。
【0047】
上述のようなハードウェア構成が協働することにより、システム1は、集塵機10およびフィルタ11により捕集された病原微生物量を、集塵機10およびフィルタ11の位置関係に反映させる処理を行うことができる。そして、システム1は、病原微生物量を集塵機10およびフィルタ11の設置場所毎に視認可能に表示することができる。
【0048】
本開示におけるプログラムPは、サーバ等の他の装置からネットワークNを介してシステム1にダウンロードすることができる。また、プログラムPは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。そして、プログラムPを特定のまたは汎用コンピュータにインストールすることにより、コンピュータを制御コントローラとして機能させることができる。
【0049】
次に、システム1の動作について、図面を用いて説明する。
【0050】
[動作フロー1:集塵機10の識別情報30および捕集された病原微生物量を対応付け]
図5に示すように、システム1において、まず補助記憶部22に、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30、1または複数の集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40、1または複数のフィルタ11のID等の識別情報50を記憶させる(ステップS1)。
【0051】
補助記憶部22は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、HDD、SSD(Solid State Drive)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。プロセッサ20は、補助記憶部22からデータを読み出すことによりこれら情報を取得可能である。
【0052】
次に、受付手段20bは、入力部23による入力内容に基づいて、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を関連付ける処理を行う(ステップS2)。
【0053】
次に、送信手段20dは、関連付けた1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を補助記憶部22に送信する(ステップS3)。
【0054】
また、システム1の管理者は、予め1または複数のフィルタ11を集塵機10に取り付けておく。システム1の管理者は、このように準備した集塵機10を建物の居室および非居室毎に1または複数設置する。こうして、集塵機10が、居室および非居室における人の有無に関わらず、居室および非居室毎の病原微生物を捕集する(ステップS4)。
【0055】
集塵機10の稼働時間は、病原微生物の捕集対象エリアの容積率といった広さ、人口密度等に基づいて設定変更可能である。また、複数の集塵機10を異なる時間稼働させた場合に、複数の集塵機10の稼働時間を標準化可能である。例えば、ある集塵機10を5時間稼働させ、他の集塵機10を3時間稼働させた場合に、それぞれの集塵機10の稼働時間を1時間あたりに換算することもできる。
【0056】
集塵機10を設定時間可動させた後、システム1の管理者は、集塵機10から少なくとも1つのフィルタ11を回収する。システム1の管理者は、回収したフィルタ11を滅菌超純水に浸漬し、超音波洗浄処理を行う。
【0057】
システム1の管理者はこうして得られた洗浄液から、ろ過濃縮法を用いてフィルタ11により捕集された病原微生物を含む捕集体を濃縮する。
【0058】
濃縮した捕集体を用いて逆転写PCRを行い、cDNAサンプルを作製する。作製したcDNAから各遺伝子の発現を定量し、適宜補正を行った後、mRNA発現量を、病原微生物の量に関する情報として表す(ステップS5)。
【0059】
次に、システム1の管理者は各種情報を、入力部23を介してコンピュータに入力する。プロセッサ20は、フィルタ11を回収した集塵機10のID等の識別情報30および回収したフィルタ11毎の病原微生物の量に関する情報を受け付け、送信手段20dは受付手段20bにこれら情報を送信する(ステップS6)。
【0060】
また、出力手段20cは、補助記憶部22に記憶されている集塵機10の位置情報40を出力する(ステップS7)。
【0061】
受付手段20bは、補助記憶部22から送信された集塵機10の識別情報30の何れが、フィルタ11を回収された集塵機10の識別情報30に合致するのか探索する(ステップS8)。
【0062】
補助記憶部22から送信された集塵機10の識別情報30とプロセッサ20を介して送信されたフィルタ11を回収した集塵機10の識別情報30との合致を発見した場合、受付手段20bは、補助記憶部22から送信された集塵機10の識別情報30に関連付けされた集塵機10の位置情報40をフィルタ11により捕集された病原微生物の量に関する情報に対応付けする処理を行う(ステップS9)。
【0063】
そして、出力手段20cは、集塵機10の位置毎の病原微生物の量に関する情報を出力する(ステップS10)。
【0064】
また、受付手段20bは、出力された集塵機10の位置毎の病原微生物の量に関する情報を、補助記憶部22に記憶されている地理空間情報に対応付けする処理を行う(ステップS11)。そして、出力手段20cは病原微生物の量に関する情報を出力し、送信手段20dが地理空間情報により表される地図上にオーバーレイ表示する。
【0065】
送信手段20dからの情報は、通信部24を介して外部装置および表示装置13に送信される。
【0066】
その後、外部装置および表示装置13がプロセッサ20からの指示に従って通信部24を介して送信手段20dにより送信された情報をユーザに視認可能な状態に置き、一連の処理が終了する(ステップS12)。
【0067】
[動作フロー2:フィルタ11の識別情報50および捕集された病原微生物量を対応付け]
図6に示すように、システム1において、第1記憶部22aに、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30、および1または複数の集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を予め記憶させる(ステップS13)。
【0068】
そして、受付手段20bは、入力部23による入力内容に基づいて、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30および集塵機10が設置されたポイントを表す居室、廊下、トイレ等の位置情報40を関連付ける処理を行う(ステップS14)。
【0069】
また、第2記憶部22bに、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30、および1または複数のフィルタ11のID等の識別情報50を記憶させる(ステップS15)。
【0070】
そして、受付手段20bは、1または複数の集塵機10のID等の識別情報30、および1または複数のフィルタ11のID等の識別情報50を関連付ける処理を行う(ステップS16)。
【0071】
また、システム1の管理者は、予め1または複数のフィルタ11を集塵機10に取り付けておく。システム1の管理者は、このように準備した集塵機10を建物の居室および非居室毎に1または複数設置する。こうして、集塵機10が、居室および非居室における人の有無に関わらず、居室および非居室毎の病原微生物を捕集する(ステップS17)。
【0072】
集塵機10の稼働時間は、病原微生物の捕集対象エリアの容積率といった広さ、人口密度等に基づいて設定変更可能である。
【0073】
集塵機10を設定時間可動させた後、システム1の管理者は、集塵機10から少なくとも1つのフィルタ11を回収する。システム1の管理者は、回収したフィルタ11を滅菌超純水に浸漬し、超音波洗浄処理を行う。
【0074】
システム1の管理者はこうして得られた洗浄液から、ろ過濃縮法を用いてフィルタ11により捕集された病原微生物を含む捕集体を濃縮する。
【0075】
濃縮した捕集体を用いて逆転写PCRを行い、cDNAサンプルを作製する。作製したcDNAから書く遺伝子の発現を定量し、適宜補正を行った後、mRNA発現量を、病原微生物の量に関する情報として表す(ステップS18)。
【0076】
次に、プロセッサ20は、フィルタ11のID等の識別情報50および回収したフィルタ11毎の病原微生物の量に関する情報を受け付け、送信手段20dは受付手段20bにこれら情報を送信する(ステップS19)。
【0077】
また、プロセッサ20は、第1記憶部22aおよび第2記憶部22bに記憶されている集塵機10の識別情報30をそれぞれ出力する(ステップS20)。
【0078】
受付手段20bは、まず、第1記憶部22aおよび第2記憶部22bから送信された集塵機10の識別情報30の何れが合致するのか探索する(ステップS21)。
【0079】
第1記憶部22aから送信された集塵機10の識別情報30と、第2記憶部22bから送信された集塵機10の識別情報30と、の合致が認められた場合、受付手段20bは、この合致した第2記憶部22bの集塵機10の識別情報30に対応するフィルタ11の識別情報50に合致する、プロセッサ20を介して送信されたフィルタ11の識別情報50を探索する(ステップS22)。
【0080】
探索の結果、第2記憶部22bから送信された集塵機10の識別情報30に対応するフィルタ11の識別情報50と、プロセッサ20を介して送信されたフィルタ11の識別情報50と、の合致が認められた場合、受付手段20bは、第1記憶部22aから送信された集塵機10の識別情報30に関連付けされた集塵機10の位置情報40を、フィルタ11により捕集された病原微生物の量に関する情報に対応付けする処理を行う(ステップS23)。
【0081】
そして、出力手段20cは、集塵機10の位置毎の病原微生物の量に関する情報を出力する(ステップS24)。
【0082】
また、受付手段20bは、出力された集塵機10の位置毎の病原微生物の量に関する情報を、補助記憶部22に記憶されている地理空間情報に対応付けする処理を行う(ステップS25)。そして、出力手段20cは病原微生物の量に関する情報を出力し、送信手段20dが地理空間情報により表される地図上にオーバーレイ表示する。
【0083】
送信手段20dからの情報は、通信部24を通って外部装置および表示装置13に送信される。
【0084】
その後、外部装置および表示装置13がプロセッサ20からの指示に従って通信部24を介して送信手段20dにより送信された情報をユーザに視認可能な状態に置き、一連の処理が終了する(ステップS26)。
【0085】
[病原微生物量の予測]
次に、捕集された病原微生物の量に関する情報を用いた、将来に亘る病原微生物量の予測のためのコンピュータ12の変形例について説明する。
【0086】
病原微生物量の予測システムは、複数の集塵機10の識別情報30、集塵機10が設置される位置情報40および地理空間情報、集塵機10により捕集された病原微生物の量に関する情報を格納可能な記憶部21、22と、記憶部21、22に格納される集塵機10の識別情報30、位置情報40、病原微生物の量に関する情報をそれぞれ対応付ける受付手段20bと、集塵機10の設置場所において予測される病原微生物の量を規定する時系列データの候補を生成するデータ取得手段60と、時系列データの候補から説明変数を選定し、予測モデルに、選定した説明変数を入力し、病原微生物の量の演算を行う演算手段70と、を備える。なお、システム1と同様の構成については適宜説明を省略する。
【0087】
受付手段20bは、に示される、用いられた集塵機10の属性データをそれぞれ対応付けする。例えば、集塵機10の識別番号(No.)、集塵機10が設置されている場所の位置情報、集塵機10に取り付けられるフィルタ番号(No.)をそれぞれ対応付ける。
【0088】
【表1】

【0089】
データ取得手段60は、用いられた集塵機10の設置場所において、複数の集塵機10により経時的に捕集された病原微生物の量に関する情報(例えば、日付毎の病原微生物量)を取得する。
【0090】
演算手段70は、データ取得手段60により集められた病原微生物の量に関する情報から複数のデータを選定し、集塵機10の設置場所毎に、予測モデルに選定したデータを入力することにより、目的変数として、予測される病原微生物の量を算出する。
【0091】
予測モデルの作製には最小二乗法を適用し、回帰直線を求める。
【0092】
[発症率の予測]
次に、捕集された病原微生物の量に関する情報を用いた、発症率の予測のためのコンピュータ12の変形例について説明する。
【0093】
発症率の予測システムは、複数の集塵機10の識別情報30、集塵機10の位置情報および地理空間情報、集塵機10により捕集された病原微生物の量に関する情報、集塵機10の設置エリアにおける滞在者の識別情報(人物識別No)、滞在者の滞在時間(平均滞在時間)、滞在時間内での発症の有無に係る情報を格納可能な記憶部21、22と、記憶部21、22に格納される集塵機10の識別情報30、位置情報40および病原微生物の量に関する情報(例えば、日付毎の病原微生物量)を、滞在者の識別情報、滞在者の滞在時間および発症の有無に係る情報の少なくとも1つと対応付ける受付手段20bと、複数の滞在者の滞在時間および発症の有無に係る情報に基づいて、予測される発症率(%)の演算を行う演算手段70と、を備える。
【0094】
演算手段70は、集塵機10の位置情報40により特定される、滞在者毎の滞在時間、捕集された病原微生物の量に関する情報、を説明変数とし、発症の有無に係る情報を目的変数とする分析を行う。この分析にはロジスティック回帰分析が用いられ、R、SPSS等の統計解析ツールを適宜用いることができる。
【0095】
以上のような構成からなる本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法によれば、プログラムはコンピュータを記憶手段20aと、受付手段20bと、出力手段20cとして機能させる。記憶手段20aは、集塵機の識別情報を集塵機の位置情報に関連付けて記憶部に予め記憶させておく。受付手段20bは、識別情報および集塵機に取り付けられるフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付ける。出力手段20cは、記憶部に記憶されている集塵機の識別情報に対応する集塵機の位置情報と、受付手段が受け付けた集塵機の識別情報および病原微生物量とに基づいて、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を出力する。このようなプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法によれば、施設内に設置された集塵機の位置毎に、病原微生物の量に関する情報を簡易かつ自動で出力することができる。より詳細に説明すると、従来技術では、浮遊ウイルスやエアロゾルを除去する空気清浄機等の集塵機が知られており、例えば、帯電部によってウイルスを帯電させることによりフィルタに引き寄せ、フィルタに対して紫外線を照射する装置があった。しかし、これは浮遊ウイルスやエアロゾルの除去を目的とするものであり、それらの量を把握し、出力されたそれらの量に関する情報を視認できるものにするということを意図されているものではなかった。これに対し、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法では、施設内に設置された集塵機の位置毎に、病原微生物の量に関する情報を出力することができるため、集塵機の位置毎に病原微生物の量の多寡を視覚的に把握することができる。
【0096】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法によれば、プログラムはコンピュータを記憶手段20aと、受付手段20bと、出力手段20cとして機能させる。記憶手段20aは、集塵機の識別情報を集塵機の位置情報に関連付けて第1記憶部に予め記憶させておくとともに、集塵機に取り付けられるフィルタの識別情報を集塵機の識別情報に関連付けて第2記憶部に予め記憶させておく。受付手段20bは、フィルタの識別情報およびフィルタに付着していた病原微生物の量である病原微生物量に関する情報を受け付ける。出力手段20cは、第2記憶部に記憶されているフィルタの識別情報に対応する集塵機の識別情報と、第1記憶部に記憶されている集塵機の識別情報に対応する集塵機の位置情報と、受付手段が受け付けたフィルタの識別情報および病原微生物量とに基づいて、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を出力する。この場合は、フィルタの識別情報を集塵機の識別情報に関連付けておくことにより、予め記憶されている集塵機の位置と集塵機に取り付けられているフィルタを確実に対応付けさせることができる。これにより、簡易かつ確実に集塵機の位置毎におけるフィルタ毎の病原微生物の量の多寡を視覚的に把握することができる。
【0097】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、病原微生物量に関する情報は、集塵機の単位稼働時間あたりの病原微生物量を含む。この場合は、集塵機毎に稼働時間が異なっていても、同じ稼働時間に換算した場合における病原微生物量を把握することができる。
【0098】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、記憶手段20aは、集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておく。出力手段20cは、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を、第3記憶部に記憶されている地図情報に関連付けて出力する。この場合は、集塵機の位置毎の病原微生物量を施設内の地図に関連付けて把握することができる。
【0099】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを送信手段20dとして更に機能させ、送信手段20dは、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、出力手段20cにより出力された情報を表示装置に送信する。この場合は、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させることができる。
【0100】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを送信手段20dとして更に機能させ、記憶手段20aは、集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておく。出力手段20cは、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を、第3記憶部に記憶されている地図情報に関連付けて出力する。送信手段20dは、集塵機が設置される施設に関する地図上で集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させるよう、出力手段20cにより出力された情報を表示装置に送信する。この場合は、集塵機が設置される施設に関する地図情報と集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報とを対応付けて、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を表示装置に表示させることができる。
【0101】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを送信手段20dとして更に機能させ、送信手段20dは、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、出力手段20cにより出力された情報を印刷装置に送信する。この場合は、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷することができる。
【0102】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータを送信手段20dとして更に機能させ、記憶手段20aは、集塵機が設置される施設に関する地図情報を第3記憶部に予め記憶させておく。出力手段20cは、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を、第3記憶部に記憶されている地図情報に関連付けて出力する。送信手段20dは、集塵機が設置される施設に関する地図上で集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷させるよう、出力手段により出力された情報を印刷装置に送信する。この場合は、集塵機が設置される施設に関する地図情報と集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報とを対応付けて、集塵機の位置毎の病原微生物量に関する情報を印刷装置により用紙に印刷することができる。
【0103】
なお、本実施の形態によるプログラム、コンピュータ、システムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0104】
例えば、本実施の形態においては、補助記憶部22は、第1記憶部22a、第2記憶部22bおよび第3記憶部22cを含む形態を例示して説明したがこれに限定されない。例えば、第1記憶部22a、第2記憶部22bおよび第3記憶部22cは、別々のメモリであってもよい。
【0105】
また、本実施の形態においては、記憶部21、22はコンピュータ12に含まれる構成を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、記憶部21、22の一方がコンピュータ12の外部に設けられてもよいし、共にコンピュータ12の外部に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 システム
10 集塵機
11 フィルタ
12 コンピュータ
13 表示装置
20 プロセッサ
20a 記憶手段
20b 受付手段
20c 出力手段
20d 送信手段
21 主記憶部(記憶部)
22 補助記憶部(記憶部)
22a 第1記憶部
22b 第2記憶部
22c 第3記憶部
23 入力部
24 通信部
26 内部バス
30 集塵機の識別情報
40 集塵機の位置情報
50 フィルタの識別情報
60 データ取得手段
70 演算手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6