(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177295
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】部品供給ユニットの入出庫システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241212BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024172517
(22)【出願日】2024-10-01
(62)【分割の表示】P 2021571096の分割
【原出願日】2020-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 正隆
(57)【要約】
【課題】部品供給ユニットの倉庫からの出庫を伴う段取り作業を効率化した部品供給ユニットの入出庫システムを提供する。
【解決手段】部品供給ユニットの入出庫システムは、複数の部品を部品装着機に供給するときにテープリールが装填された形態で使用される部品供給ユニットを所定方向に複数並べて収納するユニット収納器と、ユニット収納器を保持する収納器保持台と、所定方向に収納器保持台と並んで設けられユニット収納器が収納するよりも多数の部品供給ユニットを保管するユニット倉庫と、ユニット収納器とユニット倉庫の間で部品供給ユニットを受け渡す入出庫ロボットと、収納器保持台からユニット倉庫に渡って設けられた移動ガイドと、を備え、入出庫ロボットは、移動ガイドに沿って所定方向に移動することで収納器保持台とユニット倉庫の間を移動するとともにユニット収納器上の収納位置に部品供給ユニットを収納する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を部品装着機に供給するときにテープリールが装填された形態で使用される部品供給ユニットを所定方向に複数並べて収納するユニット収納器と、
前記ユニット収納器を保持する収納器保持台と、
前記所定方向に前記収納器保持台と並んで設けられ前記ユニット収納器が収納するよりも多数の前記部品供給ユニットを保管するユニット倉庫と、
前記ユニット収納器と前記ユニット倉庫の間で前記部品供給ユニットを受け渡す入出庫ロボットと、
前記収納器保持台から前記ユニット倉庫に渡って設けられた移動ガイドと、を備え、
前記入出庫ロボットは、前記移動ガイドに沿って前記所定方向に移動することで前記収納器保持台と前記ユニット倉庫の間を移動するとともに前記ユニット収納器上の収納位置に前記部品供給ユニットを収納する、
部品供給ユニットの入出庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品供給ユニットの倉庫からの出庫を伴う段取り作業に対応する入出庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。さらに、対基板作業を実施する複数種類の対基板作業機を並べて設け、対基板作業ラインを構成することが一般的になっている。対基板作業機のうち部品装着機は、複数の部品を収容する部品収容器が装填された部品供給ユニットを使用する。部品供給ユニットに部品収容器を装填する装填作業、換言すると、部品供給ユニットの使用準備を整える段取り作業は、多くの場合に、稼働中の部品装着機から離れた段取りエリアで実施される(外段取り)。そして、段取りされた部品供給ユニットは、部品装着機に搬送されて装備される(内段取り)。
【0003】
上記した装填作業および部品装着機への装備作業は、従来、人手に頼って実施されており、多くの手間が必要であった。さらに、生産計画を確実に達成するために装填作業が前倒しで実施されることで、他の用途に転用できない仕掛りの部品供給ユニットが増加する。このため、管理が煩雑となり、さらに一層の手間が掛かっていた。近年では、省力化を目的として、装填作業の少なくとも一部を自動化した収容器ローダが実用化されている。装填作業および装備作業の自動化に関する一技術例が、特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1の第二実施形態には、リール(部品収容器の一例)を保管する保管庫、フィーダ(部品供給ユニットの一例)を保管する保管庫、リールセット装置、搬送装置、および管理部を備える構成が記載されている。リールセット装置は、フィーダにリールをセットする段取り作業を行う。搬送装置は、段取りされたフィーダを部品装着機まで搬送する。管理部は、リールおよびフィーダの出庫や段取り作業、搬送動作等を制御して、部品装着機の生産を管理する。これによれば、リールおよびフィーダの組み合わせおよび所在を容易に把握することができ、これらの管理が容易である、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のリールセット装置において、装填作業が自動化される点は好ましい。しかしながら、この装填作業は、一つずつ順番に行われるため、必ずしも効率的でなかった。
【0007】
本明細書では、部品供給ユニットの倉庫からの出庫を伴う段取り作業を効率化した部品供給ユニットの入出庫システムを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、複数の部品を部品装着機に供給するときに使用される部品供給ユニットを複数収納するユニット収納器と、前記ユニット収納器を保持する収納器保持台と、前記ユニット収納器が収納するよりも多数の前記部品供給ユニットを保管するユニット倉庫と、前記ユニット収納器と前記ユニット倉庫の間で前記部品供給ユニットを受け渡す入出庫ロボットと、を備えた部品供給ユニットの入出庫システムを開示する。
【発明の効果】
【0009】
本明細書で開示する部品供給ユニットの入出庫システムにおいて、入出庫ロボットは、複数の部品供給ユニットをユニット倉庫から出庫してユニット収納器に収納する作業を自動で行う。そして、ユニット収納器に収納された複数の部品供給ユニットは、後続の段取り作業にまとめて利用され、または、まとめて部品装着機に装備される。したがって、部品供給ユニットを一つずつ段取りしてゆく従来技術と比較して、段取り作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の部品供給ユニットの入出庫システムの構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の部品供給ユニットの入出庫システムの構成を模式的に示す正面図である。
【
図3】第1実施形態における制御の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】第1実施形態における入出庫制御部の制御動作を説明する動作フローの図である。
【
図5】第2実施形態の部品供給ユニットの入出庫システムを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.第1実施形態の部品供給ユニットの入出庫システム1の構成
第1実施形態の部品供給ユニットの入出庫システム1の構成について、
図1および
図2の構成図、ならびに
図3の機能ブロック図を参考にして説明する。入出庫システム1は、部品供給ユニット92に部品収容器91を装填する装填作業およびその前後の関連作業に対応する。入出庫システム1は、ユニット倉庫2、収納器保持台3、ユニット収納器(41、44)、および入出庫ロボット5などで構成される。
【0012】
部品収容器91は、複数の部品を収容しつつ、部品供給ユニット92に装填される。部品供給ユニット92は、部品装着機98が実施する装着作業において、部品収容器91に収容された部品を供給するときに使用される。部品収容器91および部品供給ユニット92には、それぞれの種別や個体を表す識別コードが貼り付けられている。部品収容器91の識別コードには、部品収容器91に収容されている部品の種類を表す情報が含まれる。識別コードには、バーコードや二次元コードなどが用いられる。部品収容器91を部品供給ユニット92に装填するときに、両者の識別コードは、コードリーダによって読み取られる。これにより、部品収容器91の個体と、部品収容器91が装填された部品供給ユニット92の個体とを対応付ける装填情報V(
図3参照)が作成される。
【0013】
部品収容器91としてテープリールを例示でき、部品供給ユニット92としてテープリールが直接装填される一体型のフィーダ装置を例示できる。テープリールには、多数の部品が所定ピッチで封入されたキャリアテープが巻回保持される。フィーダ装置は、テープリールが装填された形態で部品装着機98に装備される。フィーダ装置は、テープリールからキャリアテープを引き出して部品取り出し位置に送ることにより、部品装着機98の部品装着具に部品を供給する。部品の装着作業が進んで、テープリールの部品が消費され尽くすと、フィーダ装置の全体が交換される。
【0014】
フィーダ装置は、一体型に限定されず、分離型もある。分離型フィーダ装置は、キャリアテープの送り機構を有するフィーダ本体部、およびテープリールが装填されるリールカセットで構成される。フィーダ本体部は、部品装着機98に常設され、別体のリールカセットは、フィーダ本体部の近くに配置される。部品の装着作業が進んで、テープリールの部品が消費され尽くすと、リールカセットが交換される。リールカセットは、部品収容器91を装填する部品供給ユニット92に該当する。
【0015】
以降では、部品供給ユニット92が一体型のフィーダ装置であって、既に部品収容器91としてのテープリールが装填されている場合について説明する。なお、部品収容器91としてトレイ、部品供給ユニット92としてトレイ装填ユニットを用いることもできる。
【0016】
ユニット倉庫2は、後述するユニット収納器(41、44)が収納するよりも多数の部品供給ユニット92を保管する。
図1および
図2に示されるように、ユニット倉庫2は、大型の縦型の直方体の形状に形成されている。ユニット倉庫2は、前面に入出庫口21を有する。これに限定されず、入庫口および出庫口が別々に設けられてもよい。部品収容器91が装填された部品供給ユニット92は、作業者によって入出庫口21から入庫される。
【0017】
ユニット倉庫2の前面の入出庫口21の下側に、左右方向に延びる上側区間ガイド26が設けられる。ユニット倉庫2の前面の最下部に、左右方向に延びる下側区間ガイド27が設けられる。上側区間ガイド26および下側区間ガイド27は、例えば、前方に突出する凸形状や、上方に開口する溝形状に形成される。
【0018】
図3に示されるように、ユニット倉庫2の内部には、複数の保管位置、アクチュエータ22、およびコードリーダ23が設けられる。アクチュエータ22は、入出庫口21に入庫された部品収容器91を保管位置まで移送し、また、保管位置の部品収容器91を入出庫口21まで移送する。アクチュエータ22は、倉庫制御部29によって制御される。
【0019】
コードリーダ23は、入庫された部品供給ユニット92に貼り付けられている識別コードを読み取り、読み取った結果を倉庫制御部29に受け渡す。したがって、倉庫制御部29は、保管している全部の部品供給ユニット92の個体を、保管位置と対応付けて認識することができる。さらに、倉庫制御部29は、装填情報Vを参照して、部品供給ユニット92の各々に装填されている部品収容器91を認識することができる。ユニット倉庫2の上部の右前側に警告灯24が設けられている。倉庫制御部29は、異常発生時や故障時に警告灯24を点灯制御して、作業者に報知する。
【0020】
図1および
図2に示されるように、収納器保持台3は、ユニット倉庫2の左側に隣接して配置される。これに限定されず、収納器保持台3は、ユニット倉庫2の右側に配置されてもよい。収納器保持台3は、上側にユニット収納器(41、44)を保持する。収納器保持台3は、直方体の枠形状に形成される。収納器保持台3の前面の上部に、左右方向に延びる上側区間ガイド32が設けられる。収納器保持台3の前面の下部に、左右方向に延びる下側区間ガイド33が設けられる。上側区間ガイド32および下側区間ガイド33は、ユニット倉庫2の上側区間ガイド26および下側区間ガイド27と同じ高さに配置され、同じ形状に形成される。
【0021】
収納器保持台3は、増設が可能である。増設を行う場合、複数の収納器保持台3は、左右方向に隣接して配置される。また、複数の収納器保持台3は、ユニット倉庫2の左右両側に分散して配置されてもよい。これにより、複数の上側区間ガイド32は、左右方向に並んでつながり、さらにユニット倉庫2の上側区間ガイド26につながって、長い移動ガイドを形成する。同様に、複数の下側区間ガイド33は、左右方向に並んでつながり、さらにユニット倉庫2の下側区間ガイド27につながって、長い移動ガイドを形成する。
【0022】
図1および
図2に示される3台の収納器保持台3のうち右側および中央の収納器保持台3の上側に、全幅ユニット収納器41が保持されている。また、左側の収納器保持台3の上側に、2個の半幅ユニット収納器44が保持されている。全幅ユニット収納器41の幅寸法は、部品装着機98の幅寸法よりもわずかに小さい。半幅ユニット収納器44の幅寸法は、全幅ユニット収納器41の幅寸法の約半分である。
【0023】
ユニット収納器(41、44)は、部品供給ユニット92を複数収納する。ユニット収納器(41、44)の内側の底面に、左右方向に並ぶ複数の収納スロットが形成される。収納スロットは、例えば前後方向に延びる溝により形成され、部品供給ユニット92が前側から差し込まれて収納される。
図1および
図2において、右側の全幅ユニット収納器41に1個の部品供給ユニット92が例示されており、実際には、多数の部品供給ユニット92が左右に並んで収納される。半幅ユニット収納器44の収納スロットの個数は、全幅ユニット収納器41の半数である。
【0024】
全幅ユニット収納器41は、部品装着機98に装備されて、部品供給装置の主要部となる。同様に、2個の半幅ユニット収納器44は、部品装着機98に装備されて、部品供給装置の主要部となる。これに限定されず、ユニット収納器(41、44)は、部品装着機98に装備されず、収納した複数の部品供給ユニット92の段取り作業や運搬等をまとめて行い、効率化するものであってもよい。
【0025】
入出庫ロボット5は、ユニット収納器(41、44)とユニット倉庫2の間で、部品収容器91が装填された段取り済みの部品供給ユニット92を受け渡す。入出庫ロボット5は、縦長に形成されている。入出庫ロボット5は、後側にガイド部材および移動駆動部を備える。ガイド部材は、複数の区間ガイド(26、27、32、33)からなる移動ガイドに係合する。これにより、入出庫ロボット5は、全重量が移動ガイドによって支えられるとともに、移動方向が規定される。移動駆動部は、例えば、図略の非接触給電装置またはバッテリを電源として動作する。移動駆動部は、例えば、走行車輪と駆動モータの組み合わせや、リニアモータを応用した移動機構により構成される。これにより、入出庫ロボット5は、移動ガイドに沿ってユニット収納器(41、44)およびユニット倉庫2の前側を移動する。
【0026】
入出庫ロボット5は、さらに、ユニット保持空間およびユニット操作機構を備える。ユニット保持空間は、入出庫ロボット5の内部に区画されて後方に開口する空間である。ユニット保持空間は、搬送する部品供給ユニット92を一時的に保持する。ユニット操作機構は、ユニット保持空間とユニット収納器(41、44)の間、およびユニット保持空間とユニット倉庫2の入出庫口21の間で、部品供給ユニット92を受け渡す。このとき、ガイド部材と移動ガイドの係合によって入出庫ロボット5の高さが適正に保たれるので、受け渡し動作が安定化する。入出庫ロボット5は、入出庫制御部8によって制御される。
【0027】
2.入出庫システム1の制御に関する構成
次に、入出庫システム1の制御に関する構成について説明する。
図3に示されるように、入出庫制御部8は、効率化処理部95に通信接続される。効率化処理部95は、ライン制御部96に通信接続される。さらに、ライン制御部96は、対基板作業ライン97を構成する複数種類の対基板作業機にそれぞれ通信接続される。対基板作業ライン97は、基板に部品を装着して基板製品を量産する生産ラインである。対基板作業ライン97を構成する部品装着機98は、段取り済みのユニット収納器(41、44)が装備されて部品の供給が可能となる。
【0028】
効率化処理部95は、対基板作業ライン97における作業を効率化するための効率化処理を実施する。効率化処理の一環として、効率化処理部95は、部品装着機98における部品の装着作業を効率化するために、ユニット収納器(41、44)内の複数の部品供給ユニット92の収納位置を適正化する。この効率化処理は、最適化処理とも呼ばれ、各種の公知技術の適用が可能である。ライン制御部96は、効率化処理部95から受け取った効率化処理の結果に基づいて、対基板作業ライン97の動作を制御する。
【0029】
一方、入出庫制御部8は、ユニット倉庫2の倉庫制御部29と通信接続される。また、入出庫制御部8は、入出庫ロボット5を制御する。さらに、入出庫制御部8に付属された装填情報記憶部81は、装填情報Vを記憶する。入出庫制御部8は、作業者との情報交換を行うためのマンマシンインターフェース(入力部、表示部、無線通信部等)を備える。
【0030】
上記した各制御要素の間では、装填情報Vやその他の各種情報が適宜送受信される。したがって、入出庫制御部8は、装填情報Vをユニット倉庫2および部品装着機98で共有可能とすることができる。また、上記した各制御要素は、全てが独立したハードウェアである必要はない。例えば、入出庫制御部8および倉庫制御部29が、1台のコンピュータ装置の相違するソフトウェアで実現されてもよい。また例えば、入出庫制御部8は、効率化処理部95の部分機能として実現されてもよい。さらに、上記した通信接続や情報伝送は、無線通信装置を用いて行われてもよい。入出庫制御部8等の制御機能については、次の動作の説明の中で詳述する。
【0031】
3.入出庫システム1の動作
次に、入出庫システム1の動作について、
図4を参考にして説明する。
図4のステップS1で、入出庫制御部8は、効率化処理部95から効率化処理の結果を取得する。効率化処理の結果は、使用する部品供給ユニット92の識別コード、およびユニット収納器(41、44)内の収納位置の情報を含んでいる。収納位置の情報は、例えば、収納スロットの位置を示すスロット番号で表される。
【0032】
次のステップS2で、入出庫制御部8は、使用する部品供給ユニット92の識別コードを倉庫制御部29に指令する。倉庫制御部29は、指令にしたがってアクチュエータ22を制御し、当該の部品供給ユニット92を入出庫口21まで移送する。次のステップS3で、入出庫制御部8は、入出庫ロボット5に搬送を指令する。入出庫ロボット5は、指令にしたがって入出庫口21の部品供給ユニット92をユニット収納器(41、44)まで搬送する。
【0033】
次のステップS4で、入出庫制御部8は、入出庫ロボット5にユニット収納器(41、44)内の収納位置を指令する。入出庫ロボット5は、指令された収納位置に部品供給ユニット92を収納する。次のステップS5で、入出庫制御部8は、効率化処理の結果に含まれる全ての部品供給ユニット92がユニット収納器(41、44)に揃ったか否かを判定する。そして、否である間、入出庫制御部8は、ステップS2~ステップS5を繰り返して実行する。
【0034】
繰り返しによって全ての部品供給ユニット92が揃うと、動作フローは終了する。この時点で、ユニット収納器(41、44)の使用準備が整う。作業者は、1個の全幅ユニット収納器41または2個の半幅ユニット収納器44を部品装着機98まで運搬して装備する。この装備作業の一例で、作業者は、まず、運搬用の台車(図略)を収納器保持台3の入出庫ロボット5の反対側に接続する。作業者は、二番目に、ユニット収納器(41、44)を収納器保持台3から引き出して台車に乗せ換え、部品装着機98まで運搬する。作業者は、三番目に、台車を部品装着機98の装備位置に接続する。作業者は、最後に、ユニット収納器(41、44)を台車から部品装着機98に乗せ換える。これにより、部品装着機98において部品を供給する準備が整う。このとき、装填情報Vは、通信等によって部品装着機98で共有される。
【0035】
第1実施形態の部品供給ユニットの入出庫システム1において、入出庫ロボット5は、複数の部品供給ユニット92をユニット倉庫2から出庫してユニット収納器(41、44)に収納する作業を自動で行う。そして、ユニット収納器(41、44)に収納された複数の部品供給ユニット92は、後続の段取り作業にまとめて利用され、または、まとめて部品装着機98に装備される。したがって、部品供給ユニット92を一つずつ段取りしてゆく従来技術と比較して、段取り作業を効率化することができる。
【0036】
また、入出庫制御部8は、効率化処理の結果に基づいて、ユニット倉庫2から出庫する複数の部品供給ユニット92を選択制御し、さらに出庫した複数の部品供給ユニット92のユニット収納器(41、44)内の収納位置を制御する。これによれば、効率化処理に続いて、部品装着機98に装備するユニット収納器(41、44)の段取りをタイムリーに実施することができる。また、複数の部品供給ユニット92のユニット収納器(41、44)内の収納位置が自動的に制御されるので、収納位置を誤るおそれが生じない。さらに、部品供給ユニット92を保管するユニット倉庫2と、ユニット収納器(41、44)への収納を行う収納器保持台3とが隣接して配置されるので、省スペースなシステム構成が実現される。
【0037】
4.第2実施形態の部品供給ユニットの入出庫システム1A
次に、第2実施形態の入出庫システム1Aについて、
図5を参考にして、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図5に示されるように、第2実施形態では、第1実施形態の構成に走行路65および搬送車66が追加される。
【0038】
走行路65は、左側の収納器保持台3の後側から対基板作業ライン97に渡って敷設される。左側の収納器保持台3は、部品収容器91が装填された部品供給ユニット92を部品装着機98に向けて搬出するための搬出ステーション、および、部品装着機98で使用済みになった部品供給ユニット92を搬入するための搬入ステーションを兼ねる。搬送車66は、入出庫制御部8からの無線指令にしたがって走行路65を走行するとともに、半幅ユニット収納器44を積み下ろしする。搬送車66は、搬送動作の進行状況を入出庫制御部8に適宜報告する。搬送車66の待機位置は、左側の収納器保持台3の後側に設定されている(
図5に示す)。なお、走行路65が複数の対基板作業ライン97に渡って敷設され、複数台の搬送車66が衝突を回避しつつ走行してもよい。また、搬送車66は、物理的な走行路65が不要で、マップデータ上の走行路の情報を参照して走行する方式のAGVでもよい。
【0039】
上記の構成において、搬送車66は、使用準備が整った半幅ユニット収納器44を収納器保持台3から取り外して積載する。搬送車66は、次に、部品装着機98まで走行して半幅ユニット収納器44を搬送し、部品装着機98に装備する。または、搬送車66は、半幅ユニット収納器44を部品装着機98の傍らの作業者に受け渡す。さらに、搬送車66は、2個目の半幅ユニット収納器44を同様に搬送する。第2実施形態によれば、部品供給ユニット92の半幅ユニット収納器44への収納に加えて、半幅ユニット収納器44の運搬作業の自動化が達成される。
【0040】
5.実施形態の応用および変形
なお、第2実施形態において、搬送車66は、部品装着機98で使用済みになった半幅ユニット収納器44を収納器保持台3まで戻すようにしてもよい。この後、部品供給ユニット92は、ユニット倉庫2に戻されて保管される。このとき、装填情報Vは、通信等によってユニット倉庫2で共有される。また、搬送車66は、性能の制約により、半幅ユニット収納器44の搬送を2回行う。しかしながら、搬送車66を大型化して性能向上することにより、全幅ユニット収納器41を搬送することが可能となる。その他にも、第1および第2実施形態は、様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1、1A:部品供給ユニットの入出庫システム 2:ユニット倉庫 21:入出庫口 22:アクチュエータ 23:コードリーダ 26:上側区間ガイド 27:下側区間ガイド 29:倉庫制御部 3:収納器保持台 32:上側区間ガイド 33:下側区間ガイド 41:全幅ユニット収納器 44:半幅ユニット収納器 5:入出庫ロボット 66:搬送車 8:入出庫制御部 81:装填情報記憶部 91:部品収容器 92:部品供給ユニット 95:効率化処理部 98:部品装着機 V:装填情報