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特開2024-177413撮像装置及びその制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177413
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241212BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N23/63 300
G03B17/18
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024174531
(22)【出願日】2024-10-03
(62)【分割の表示】P 2022122016の分割
【原出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲澤 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 利道
(57)【要約】
【課題】 撮像装置において、複数の異なる特定の状態をそれぞれ示す表示を、それぞれの状態を容易に区別できるように表示すること。
【解決手段】 撮像手段で撮像された画像を取得する取得手段と、画像を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を有する撮像装置であって、当該撮像装置を含む複数の撮像装置の中から当該撮像装置が選択されたことを示す第1の表示の表示形態と、予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更手段を備え、変更手段は、画像に第1の表示と第2の表示を重畳させない場合の第1の表示の表示形態と第2の表示の表示形態に対して、画像に第1の表示と第2の表示とを重畳させる場合に、第1の表示の表示形態と第2の表示の表示形態とが互いに異なる表示形態となるように、第1の表示の表示形態と第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段で撮像された画像を取得する取得手段と、前記画像を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を有する撮像装置であって、
当該撮像装置を含む複数の撮像装置の中から当該撮像装置が選択されたことを示す第1の表示の表示形態と、予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更手段を備え、
前記変更手段は、前記画像に前記第1の表示と前記第2の表示を重畳させない場合の前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態に対して、前記画像に前記第1の表示と前記第2の表示とを重畳させる場合に、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態とが互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の表示は、外部装置からタリー信号を受信している状態を示す表示であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の表示の表示形態は、画面を囲う表示と、前記画面の一辺でのバー表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画面を囲う表示と、前記画面の一辺でのバー表示は、前記表示手段の端部に沿って表示されることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の表示は、フォーカス位置が、予め登録したフォーカス位置に対して所定範囲内に入ったことを示す表示であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2の表示の表示形態は、画面を囲う表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1の表示の表示形態は、複数の表示形態のうち、いずれかを選択可能であり、
前記変更手段は、前記第2の表示の表示形態と、選択された前記第1の表示の表示形態とが、同じ表示形態である場合に、互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2の表示の表示形態は、固定であり、
前記変更手段は、前記第2の表示の表示形態と、選択された前記第1の表示の表示形態とが、同じ表示形態である場合に、互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態を変更することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2の表示として第2の表示アイテムを表示する表示モードにおいて、前記第1の表示として第1の表示アイテムを合わせて表示する場合に、前記変更手段は、前記第1の表示の表示形態を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2の表示アイテムを表示する表示モードにおいて前記第1の表示アイテムを合わせて表示する場合に、前記第1の表示の表示形態では、前記特定の撮影状態を示すテキストを表示することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像手段で撮像された画像を取得する取得手段と、前記画像を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
当該撮像装置を含む複数の撮像装置の中から当該撮像装置が選択されたことを示す第1の表示の表示形態と、予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態とを表示する表示工程と、
前記画像に前記第1の表示と前記第2の表示を重畳させない場合の前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態に対して、前記画像に前記第1の表示と第2の表示とを重畳させる場合に、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態とが互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法、プログラム及び記憶媒体に関し、撮像装置における状態を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フォーカス位置をビューファインダー上に表示することで、ビューファインダーから目を離すことなくフォーカス位置を確認できるカメラが存在する。また、予め所定のフォーカス位置を登録しておき、登録した位置に合焦したときに、合焦したことをユーザーに通知する構成が存在する。この表示は、ビューファインダー上に表示される画面を囲う枠を表示することによって行われることがある。このような枠による表示によって、ユーザーはVFの一点を注視せずとも、登録したフォーカス位置に合焦したことを知ることができる。このような枠表示は、合焦を知らせる目的以外にも用いられる。例えば、タリー信号の入力を通知するためにそのような枠を表示するカメラが存在する。
【0003】
特許文献1には、アイコン同士が重なる場合に、アイコンを縮小することで重なりを回避する方法が開示されている。特許文献2には、被写体にアイコンが重なる場合に、アイコンを移動することで重なりを回避する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5534856号公報
【特許文献2】特開2013-85178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成において、画面を囲う枠表示を、登録したフォーカス位置に合焦したことを通知する目的だけでなく、タリー信号の入力を通知する目的でも使用する場合がある。このような場合、双方の枠表示が重なるため、ユーザーは枠表示が登録したフォーカス位置への合焦を示しているのか、タリー信号の入力を示しているのかを区別することが困難になる。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、撮像装置において、複数の異なる特定の状態をそれぞれ示す表示を、それぞれの状態を容易に区別できるように表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮像手段で撮像された画像を取得する取得手段と、前記画像を表示手段に表示するように制御する表示制御手段と、を有する撮像装置であって、当該撮像装置を含む複数の撮像装置の中から当該撮像装置が選択されたことを示す第1の表示の表示形態と、予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更手段を備え、前記変更手段は、前記画像に前記第1の表示と前記第2の表示を重畳させない場合の前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態に対して、前記画像に前記第1の表示と前記第2の表示とを重畳させる場合に、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態とが互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置において、複数の異なる特定の状態をそれぞれ示す表示を、それぞれの状態を容易に区別できるように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態にかかるビデオカメラの機能構成を示すブロック図。
図2】実施形態における表示制御処理を示すフローチャート。
図3】実施形態におけるタリー表示設定処理を示すフローチャート。
図4】実施形態におけるフォーカスポジション強調表示設定処理を示すフローチャート。
図5】実施形態における表示画面例を示す図。
図6】実施形態における表示画面例を示す図。
図7】実施形態における表示画面例を示す図。
図8】実施形態における表示画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1は、実施形態における撮像装置として、ビデオカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
ビデオカメラ100は、レンズ101、撮像素子102、カメラ信号処理部103、記録媒体104、電源105、操作部106、タリー信号入力部107、入力I/F109、ROM110、RAM111、CODEC112を有する。更に、OSD(On Screen Display)描画部113、出力I/F117、LCDパネル114、EVF115、外部出力端子116、CPU118、通信部119を有する。
【0012】
CPU118は、ROM110等に記憶された各種プログラムを実行して、ビデオカメラ100全体を制御し、データバス120を介して、相互間のデータの入出力を行う。
【0013】
レンズ101は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り機構等を含む撮影レンズ群(光学系)であり、入射する被写体の光学像を撮像素子102上に形成する。撮像素子102は、CMOSセンサやCCD等により構成され、A/D変換器を含み、レンズ101により形成された光学像をアナログ電気信号に光電変換した後、デジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号には、カメラ信号処理部103によって、画素補間処理や縮小処理といったリサイズ処理や、色変換処理、各種補正処理等が行われる。さらに、後述するCODEC112によって、所定のビットレート、フォーマット形式で圧縮符号化される。
【0014】
記録媒体104は、撮影した映像と、映像に付随するメタデータを記録する。電源105は、AC電源やバッテリーであり、ビデオカメラ100の各部に必要な電力の供給を行う。
【0015】
操作部106は、ビデオカメラ100の電源105のON/OFF制御を行うスイッチや、メニュー表示ボタン、十字キー、あるいはタッチパネルのようなポインティングデバイス等のうちの1つ、または複数の組み合わせにより構成される。操作部106は、表示モードとして、後述するフォーカスポジション専用モードと通常モードとを切り替えるスイッチ、フォーカスポジションガイドのフォーカス位置の登録を指示するためのスイッチ、動画の記録を指示するための動画記録スイッチを含む。動画記録スイッチは、例えば、ユーザーが押下すると動画の記録が開始され、ユーザーが動画記録中に再度動画記録スイッチを押下すると動画の記録を終了する。なお、動画の記録の開始と終了を指示するスイッチをそれぞれ設けても良い。
操作部106で受け付けた操作情報は、入力I/F109及びデータバス120を介して、CPU118に入力される。
【0016】
タリー信号入力部107は、外部装置からタリー信号を入力する。タリー信号は、ビデオカメラ100の撮影状態をビデオカメラ100に知らせるために用いられる。なお、本実施形態では、タリー信号入力部107からタリー信号を入力するものとするが、タリー信号の入力部はこのような専用の入力部に限定されるものではない。例えば、通信部119を介して無線通信によって受け取っても良いし、外部出力端子116を介してSDIケーブルやHDMIケーブルといった有線ケーブルから受け取っても良い。
【0017】
レンズ通信部108は、レンズ101が着脱可能なレンズである場合にレンズ101と通信して、例えば、レンズ101の装着情報やフォーカスレンズの位置、焦点距離、画角等の情報を取得する。なお、レンズ101は、ビデオカメラ100と一体的に構成されたものであっても良い。
【0018】
ROM110には、ビデオカメラ100を制御するプログラムが格納されており、CPU118はこのプログラムに基づいて各部を制御する。RAM111は、CPU118のワークエリアとして機能する。
【0019】
CODEC112は、上述した撮影して得られたデジタル信号の圧縮符号化の他に、RAM111や記録媒体104に記録されている圧縮符号化された映像データ及び音声データを復号する。復号された映像データは、後述するLCDパネル114、EVF115、外部出力端子116に接続されたモニタ等に表示され、音声データは不図示のスピーカーにより再生される。
【0020】
OSD描画部113は、CPU118が生成したOSDアイテムの表示データに基づき、ビデオカメラ100の状態や設定を表す文字列やアイコン、各種の枠やマーカー、各種設定を行うためのメニューといったOSDアイテムをRAM111上のVRAMへ描画する。OSDアイテムを構成する文字やアイコン等のリソースデータはROM110に格納されており、それらをOSD描画部113が読み出してVRAMへ描画する。
【0021】
出力I/F117は、ミキサ回路を含み、撮像素子102及びカメラ信号処理部103によって生成された映像データに、VRAMに描画されたOSDアイテムを重畳した表示データを生成し、LCDパネル114、EVF115、及び外部出力端子116に出力する。また、出力I/F117は、各出力に合わせてリサイズした信号を出力することができる。各出力先では、同じ内容のOSDアイテムを表示することもできるし、後述の方法で別々の内容を表示することもできる。
【0022】
外部出力端子116は、SDIやHDMI(登録商標)規格を満たす、撮像素子102及びカメラ信号処理部103によって生成された映像データを外部機器に出力する端子である。
通信部119は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器との間で、映像信号や音声信号、その他各種情報の送受信を行う。
【0023】
次に、図2のフローチャートを参照して、上記構成を有するビデオカメラ100により実行される、本実施形態における表示制御処理について説明する。この処理は、CPU118がROM110または記録媒体104に記憶されたプログラム、あるいは通信部119を介して取得したプログラムに基づいて動作し、ビデオカメラ100の各部を制御することによって実現されるものである。また、図2のフローチャートは、ビデオカメラ100が起動することで開始される。
また、本実施形態では、表示モードとして、フォーカスポジション専用モードと通常モードとがあるものとし、操作部106への操作により、ユーザーが切り替えることができる。
【0024】
S201では、表示モードがフォーカスポジション専用モードに設定されたか否かを判定する。フォーカスポジション専用モードとは、フォーカスポジションガイドの表示に特化したモードである。
【0025】
ここで、フォーカスポジションガイドについて説明する。フォーカスポジションガイドは、マニュアル操作で焦点調節(MF)処理を行う際に表示される指標であり、過去にピントを合わせた際のフォーカス位置を記憶しておき、当該位置と、現在のフォーカスレンズの位置を表示することで、MF処理を支援する機能である。例えば、ある被写体にピントを合わせたときのフォーカス位置を登録しておき、別の被写体にピントを合わせた後、また元の被写体にピントを合わせ直す場合を想定する。このとき、ユーザーは登録したフォーカス位置と、現在のフォーカスレンズの位置を表示画面上で目視で比較しながら、現在のフォーカスレンズの位置を登録したフォーカス位置へ近づけることが可能となる。このように、現在のフォーカスレンズの位置と登録したフォーカス位置までのマニュアル操作量をユーザーが視覚的に把握できるため、再合焦が容易となり、ユーザーへの負担及びタイムロスを低減することができる。なお、複数のフォーカス位置を登録して表示してもよい。
【0026】
このように、ユーザーは、任意のフォーカス位置をフォーカスポジションガイドに登録しておくことで、OSD表示されるフォーカスポジションガイドによって、ビデオカメラ100のフォーカス位置を確認することができる。フォーカスポジション専用モードでは、ODS表示するアイテムを、フォーカスポジションガイドの表示に関わるものや、撮影に最低限必要なものに限定して表示する。従って、通常モードよりも表示アイテム数が少ないため、フォーカスポジションガイドを、他の表示オブジェクトと重なること無く表示することができる。また、映像の表示面積が大きくなるため、ユーザーは映像を視認しやすくなる。図5(a)は、通常モードにおける画面の一例を示し、図5(b)は、フォーカスポジション専用モードにおける画面の一例を示す。
【0027】
S201でYESであればS202へ進み、NOであればS203へ進む。
S202では、フォーカスポジション専用モードであることを示す設置値をRAM111に保存して、S203に進む。
【0028】
S203では、撮像素子102及びカメラ信号処理部103によって撮像された映像を順次表示する処理(ライブビュー)を行う。ここでは、出力I/F117に映像を入力し、入力された映像は出力I/F117によってOSDアイテムと重畳され、表示信号としてLCDパネル114やEVF115、外部出力端子116に出力される。
【0029】
S204では、タリー信号がタリー信号入力部107に入力されたことを示す、タリー表示の設定処理を行う。
【0030】
ここで、図3のフローチャートを参照して、S204で行われるタリー表示の設定処理について説明する。
まず、S301において、タリー表示の表示形態の設定に変更操作があったか否かを判定する。本実施形態では、タリー表示の表示形態として、画面を囲う枠、画面上部のバー、及び画面下部のバーの中からユーザーが選択可能であるものとし、初期状態では、上述したいずれかの表示形態が予め設定されているものとする。
【0031】
図6は、通常モードにおけるタリー表示の表示形態の例を示す図である。図6(a)は、タリー表示の表示形態として画面を囲う枠が選択されている場合に、タリー表示602が表示されている画面の一例を示す。601は映像を示す。図6(b)は、上部バーが選択されている場合に、タリー表示603が表示されている画面の一例を示す。図6(c)は、下部バーが選択されている場合に、タリー表示604が表示されている画面の一例を示す。
【0032】
なお、本実施形態では、タリー信号の表示形態として、画面を囲う枠、画面上部のバー、及び画面下部のバーの中からユーザーが選択可能とするが、これら以外の表示形態であってもよい。例えば、画面左右等、画面のいずれかの一辺にバー表示しても良い。
【0033】
S301において、タリー表示の表示形態の変更操作がされていれていればS302へ進み、されていなければS303へ進む。
S302では、S301で設定された値をRAM111に保存することで、タリーの表示形態を保存する。
S303では、タリー信号入力部107にタリー信号が入力されているか否かを判定する。入力されていればS304へ進んで、タリー表示の設定値をONに設定し、設定値をRAM111に保存して、処理を終了する。これにより、CPU118は、タリー信号が入力されている間は、常時タリー表示を表示する。
一方、タリー信号が入力されていなければS305に進んで、タリー表示の設定値をOFFに設定し、設定値をRAM111に保存して、処理を終了する。
【0034】
S204のタリー表示設定処理が終了すると、S205に進み、フォーカスポジション強調表示設定処理を行う。フォーカスポジション強調表示とは、ビデオカメラ100のレンズ101に含まれるフォーカスレンズの現在の位置が、予め登録された所定のフォーカス位置近傍にある場合に、その旨を通知するためのフォーカスポジションガイドの表示である。
【0035】
ここで、図4に示すフローチャートを参照して、S205で行われるフォーカスポジション強調表示設定処理について説明する。
【0036】
S401では、ユーザーによる操作部106への操作により、フォーカス位置の登録操作があったか否かを判定する。登録操作がされていればS402へ進み、S401で登録操作されたフォーカス位置をRAM111に保存して、S403に進む。登録操作がされていなければそのままS403へ進む。
【0037】
S403では、フォーカスポジションガイドを表示する。ここで、フォーカスポジション専用モードの場合には、例えば、図5(b)に示すような表示がなされ、また、通常モードの場合には、例えば、図5(a)に示すような表示に加えて、図5(b)に示すフォーカスポジションガイド501が表示される。フォーカスポジションガイド501の表示では、RAM111からS402にて登録されたフォーカス位置を読み出し、登録されたフォーカス位置に対応するフォーカスポジションガイド501上の位置に、登録マーカー502、503を描画する。描画されたOSDアイテムは、出力I/F117を介して各出力先へ出力する。
【0038】
次に、S404において、RAM111からS402にて保存されたフォーカス位置を読み出し、レンズ101に含まれるフォーカスレンズの現在の位置が、保存されたフォーカス位置と一致しているか否かを判定する。ここでは、保存されたフォーカス位置から予め決められた範囲内(例えば、被写界深度の整数倍の範囲)にある場合に、一致していると判定する。一致していればS405へ進み、一致していなければS406へ進む。
【0039】
S405では、フォーカスポジション強調表示の設定値をONに設定し、設定値をRAM111に保存して、この処理を終了する。一方、S406では、フォーカスポジション強調表示の設定値をOFFに設定し、設定値をRAM111に保存して、この処理を終了する。
【0040】
図2に戻り、S205の処理を終えると、S206では、RAM111からフォーカスポジション専用モードの設定値を読み出してフォーカスポジション専用モードで画面を表示中か否かを判定する。フォーカスポジション専用モードで表示中であればS207へ進み、フォーカスポジション専用モードで表示中でなければS214へ進む。
【0041】
S207では、RAM111からS405またはS406で設定されたフォーカスポジション強調表示の設定値を読み出し、ONであるか否かを判定する。ONであればS208へ進み、OFFであればS209へ進む。
【0042】
S208では、フォーカスポジションの強調表示を行う。OSD描画部113によってOSDアイテムとしてフォーカスポジション強調表示を描画し、描画したOSDアイテムを出力I/F117を介して各出力先へ出力する。
【0043】
図7はフォーカスポジション専用モードにおいて、フォーカスポジションガイド及びフォーカスポジション強調表示が表示されている画面の一例を示す。701はフォーカスポジションガイドのスライドバー、702及び705は登録されたフォーカス位置に対応する登録マーカー、703はビデオカメラ100のフォーカスレンズの現在のフォーカス位置、704はフォーカスポジション強調表示を示す。ここでは、フォーカスポジション強調表示として、画面を囲う太枠が表示される。
【0044】
S209では、RAM111からS304またはS305で設定されたタリー表示の設定値を読み出し、ONであるか否かを判定する。ONであればS210へ進み、OFFであればS201に戻る。
【0045】
S210では、RAM111からS302で設定されたタリー表示の表示形態の設定値を読み出し、表示形態がフォーカスポジション強調表示と同じであるか否かを判定する。同じであればS211に進み、同じでなければS212へ進む。なお、本実施形態では、表示形態がフォーカスポジション強調表示と同じであるか否かを判定するが、タリー表示の表示形態が画面を囲う枠であるか否かや、フォーカスポジション強調表示と表示が重なっているか否かを判定しても良い。
【0046】
S211では、タリー表示を図6(b)に示す上部バーまたは図6(c)に示す下部バーの表示形態で表示する。OSD描画部113によってOSDアイテムとして上部バーまたは下部バーを描画し、描画したOSDアイテムを出力I/F117を介して各出力先へ出力する。このとき、描画する上部バーまたは下部バーを通常よりも太く描画し、上部バーまたは下部バーの近傍に、タリー表示であることを示すテキストを描画してもよい。これにより、タリー表示がフォーカスポジションの強調表示と同時に表示された場合であっても、ユーザーはタリー表示であることを認識し易くなる。なお、本実施形態では上部バーまたは下部バーの表示形態で表示するが、フォーカスポジション強調表示と表示形態が同じであったり重なっていたりしなければ、タリーの表示形態として選択可能なその他の表示形態であってもよい。
【0047】
図8(a)は、S211においてフォーカスポジション強調表示とタリー表示とを同時に表示した場合の画面の一例を示す。通常より太く表示された上部バー801はタリー表示を示す。テキスト802は、上部バー801がタリー表示であることを示す。
【0048】
S212では、RAM111からS302で設定されたタリー表示の表示形態の設定値を読み出し、設定されている表示形態でタリーを表示する。OSD描画部113によってタリー表示を設定されている表示形態で描画し、描画したOSDアイテムを出力I/F117を介して各出力先へ出力する。
【0049】
また、S206でフォーカスポジション専用モードで画面を表示中でない場合、S214においてS207と同様の判定を行い、フォーカスポジション強調表示がONであればS215へ進み、OFFであればS220へ進む。
【0050】
S215では、S209と同様の判定を行い、タリー表示の設定値がONであればS216へ進み、OFFであればS217へ進む。
S216では、S212と同様の処理を行い、その後S201に戻る。
S217では、S210と同様の判定を行い、同じであればS218へ進み、同じでなければS229へ進む。
【0051】
S218では、フォーカスポジションの強調表示を通常と異なる形態で行う。例えば、通常と異なる形態をフォーカスポジションガイドのスライドバーを一色で塗りつぶす表示形態とする。フォーカスポジションガイドのスライドバーを塗りつぶすことによって、ユーザーはフォーカス位置が所定の位置に合焦したことに気づきやすくなる。OSD描画部113によってフォーカスポジションガイドのスライドバーを一色で塗りつぶす形態で描画し、描画したOSDアイテムを出力I/F117を介して各出力先へ出力表示する。
【0052】
図8(b)は、S215でタリー表示の設定値がOFFである場合にS218で表示される画面の一例を示す。フォーカスポジションガイド803は、通常と異なる形態で表示された強調表示状態を示す。なお、通常と異なる表示形態であれば、フォーカスポジションガイドを一色で塗りつぶす表示形態でなくても良い。
【0053】
S219では、S208と同様の処理を行い、S201に戻る。この場合、タリー表示の設定値がONであれば、例えば、図8(a)に示すような画面となる。
【0054】
S220では、S209と同様の判定を行い、タリー表示の設定値がONであればS221へ進み、OFFであればS203に戻る。
【0055】
S221では、S212と同様の処理を行い、S201に戻る。この場合、図5に示すフォーカスポジションガイド501と、S302で設定されたタリー表示の表示形態に応じた図6(a)~(c)のいずれかの表示が行われる。
【0056】
上記の通り、フォーカスポジション専用モードに設定され、タリー表示の表示形態とフォーカスポジション強調表示とが同じである場合は、フォーカスポジション強調表示を優先し、タリー表示をフォーカスポジション強調表示と異なる表示形態に変更して表示する。これにより、ユーザーはフォーカスポジション強調表示とタリー表示とを区別することができる。このとき、フォーカスポジション強調表示の表示形態を、画面を囲う枠とすることで、ユーザーは、フォーカスポジション専用モードにおいて、当該モードと関連性が高いフォーカスポジション強調表示を、一点を注視することなく認識することができる。
【0057】
また、フォーカスポジション専用モードでは、フォーカスポジション強調表示が表示されていないときにも、タリー表示をはフォーカスポジション強調表示とは異なる表示形態で表示される。これにより、ユーザーは、タリー表示もしくはフォーカスポジション強調表示のどちらか片方が表示された場合でも、その表示が何を示すのかを認識し易くなる。
【0058】
一方、通常モードに設定され、タリー表示の表示形態とフォーカスポジション強調表示とが同じである場合は、タリー表示を優先し、フォーカスポジション強調表示を通常と異なる形態で表示する。これにより、ユーザーはフォーカスポジション強調表示とタリー表示とを区別することができる。このとき、タリー表示の表示形態を、画面を囲う枠とすることで、ユーザーは、通常モードにおいて、撮影状態を把握するために重要性が高いタリー表示を、一点を注視することなく認識することができる。
【0059】
また、通常モードでは、タリー表示が表示されていないときにも、フォーカスポジション強調表示をタリー表示とは異なる表示形態で表示される。これにより、ユーザーは、タリー表示もしくはフォーカスポジション強調表示のどちらか片方が表示された場合でも、その表示が何を示すのかを認識し易くなる。
【0060】
なお、図2のS206において、フォーカスポジション専用モードで画面を表示中であると判定した場合は、それ以降に実施されるS301における変更可能なタリー表示の表示形態の選択肢から、フォーカスポジション強調表示の表示形態と同じ表示形態の選択肢を省いても良い。あるいは、ユーザーにタリー表示の表示形態を選択できなくさせる、また、フォーカスポジション強調表示の表示形態と同じ形態が選択された場合はS302において変更を受け付けない、といった処理を行っても良い。これによって、ユーザーはフォーカスポジション専用画面においてフォーカスポジション強調表示と同じ表示形態でタリー表示ができないことを把握することができる。
【0061】
なお、上記実施形態においては、タリー表示の表示形態とフォーカスポジション強調表示の表示形態が同じ表示形態である場合に、いずれかの表示形態を変更するものとして説明したが、これに限られるものではなく、互いに異なる表示形態になればよい。従って、タリー表示の表示形態とフォーカスポジション強調表示の表示形態が互いに異なる表示形態となるように、両方、変更してもよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、タリー信号が入力したことを示す表示と、現在のフォフォーカスレンズの位置が、登録されたフォーカス位置から予め決められた範囲内にあることを示す表示とを行う場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、画素の飽和や黒潰れが発生しているといった予め決められた特定の撮影状態を表す表示と、画像から抽出した特定の被写体に合焦しているといった予め決められた特定の焦点状態を示す表示としても良く、適宜組み合わせることが可能である。
【0063】
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0064】
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0065】
<まとめ>
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0066】
(構成1)
予め決められた特定の撮影状態を示す第1の表示の複数の表示形態のうち、いずれかを選択する選択手段と、
予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態と、前記選択された第1の表示の表示形態とが、同じ表示形態である場合に、互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【0067】
(構成2)
前記第2の表示を優先するかどうかを設定する設定手段を更に有し、
前記設定手段により前記第2の表示を優先する設定がされている場合に、前記変更手段は、前記第1の表示の表示形態を変更し、前記第2の表示を優先する設定がされていない場合に、前記変更手段は、前記第2の表示の表示形態を変更することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
【0068】
(構成3)
前記設定手段により前記第2の表示を優先する設定がされている場合に、前記変更手段は、更に、前記第1の表示の面積を前記第2の表示を優先する設定がされていない場合よりも大きくすることを特徴とする構成2に記載の撮像装置。
【0069】
(構成4)
前記設定手段により前記第2の表示を優先する設定がされている場合に、前記第1の表示の表示形態では、前記特定の撮影状態を示すテキストを表示することを特徴とする構成2または3に記載の撮像装置。
【0070】
(構成5)
前記特定の焦点状態は、予め設定されたフォーカス位置の予め決められた範囲内に、フォーカスレンズが位置している状態であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【0071】
(構成6)
タリー信号を受信する受信手段を更に有し、
前記特定の撮影状態は、前記タリー信号が入力している状態であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
【0072】
(構成7)
前記第1の表示の表示形態は、画面を囲う表示と、前記画面の一辺でのバー表示を含むことを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
【0073】
(構成8)
予め設定されたフォーカス位置と、現在のフォーカスレンズの位置との差を示すフォーカスポジションガイドを更に表示し、
前記第2の表示の表示形態は、画面を囲う表示と、前記フォーカスポジションガイドの異なる色による表示を含むことを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
【0074】
(構成9)
前記第1の表示と前記第2の表示とを表示する表示手段を更に有することを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
【0075】
(構成10)
光学系を介して入射する光を光電変換する撮像手段を更に有し、
前記撮像手段により光電変換して得られた画像を、前記表示手段に表示することを特徴とする構成9に記載の撮像装置。
【0076】
(構成11)
予め決められた特定の撮影状態を示す第1の表示の複数の表示形態のうち、いずれかを選択する選択工程と、
予め決められた特定の焦点状態を示す第2の表示の表示形態と、前記選択された第1の表示の表示形態とが、同じ表示形態である場合に、互いに異なる表示形態となるように、前記第1の表示の表示形態と前記第2の表示の表示形態の少なくともいずれか一方を変更する変更工程と
を有することを特徴とする表示制御方法。
【0077】
(構成12)
コンピュータを、構成1乃至8のいずれかに記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0078】
(構成13)
構成12に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【0079】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0080】
100:ビデオカメラ、101:レンズ、102:撮像素子、103:カメラ信号処理部、104:記録媒体、105:電源、106:操作部、107:タリー信号入力部、108:レンズ通信部、109:入力I/F、110:ROM、111:RAM、112:CODEC、113:OSD描画部、114:LCDパネル、115:EVF、116:外部出力端子、117:出力I/F、118:CPU、119:通信部、120:データバス、501,701,803:フォーカスポジションガイド、502,503,702:登録マーカー、601:映像、602,603,604,801:タリー表示、703:フォーカス位置、704:フォーカスポジション強調表示、802:テキスト
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8