(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177421
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスに搭載されるアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20241212BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
H01Q13/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024174613
(22)【出願日】2024-10-03
(62)【分割の表示】P 2020186926の分割
【原出願日】2020-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 侑紀
(72)【発明者】
【氏名】大石 禎利
(57)【要約】
【課題】少ないデッドスペースでウェアラブルデバイスに搭載できるアンテナを提供することである。
【解決手段】アンテナは、互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、第一の誘電体基板の第一の平面に設けられたグラウンド板と、互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、第三の平面は、第二の平面と張り合わされ、かつ、第二の平面の輪郭の内側に少なくとも部分的に位置する第二の誘電体基板と、第二の誘電体基板の第四の平面に設けられた放射素子とを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスに搭載されるアンテナであって、
互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、
前記第一の誘電体基板の前記第一の平面に設けられたグラウンド板と、
互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、前記第三の平面は、前記第二の平面と張り合わされ、かつ、前記第二の平面の輪郭の内側に少なくとも部分的に位置する第二の誘電体基板と、
前記第二の誘電体基板の前記第四の平面に設けられた放射素子とを有する、
アンテナ。
【請求項2】
前記放射素子は、前記第一の平面への投影において、少なくとも部分的に前記グラウンド板と重なっている、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記放射素子は、前記第一の平面への投影において、前記グラウンド板の輪郭の内側に位置している、
請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記グラウンド板は、前記第一の平面の全体を覆っており、
前記放射素子は、前記第四の平面の周縁部を除いて、前記第四の平面を覆っている、
請求項3に記載のアンテナ。
【請求項5】
デバイスとバンドを有するウェアラブルデバイスの前記デバイスの内部に、前記デバイスに対する前記バンドの取り付け部の反対側に前記放射素子が位置するように搭載されている、
請求項1から4までのいずれかひとつに記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェアラブルデバイスに搭載されるアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブルデバイスは、たとえば、通信機能を有する。この種のウェアラブルデバイスは、アンテナを搭載している。また、ウェアラブルデバイスは、小型に構成されることが望まれる。このため、アンテナは、少ないデッドスペースでウェアラブルデバイスに搭載されることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、少ないデッドスペースでウェアラブルデバイスに搭載できるアンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ウェアラブルデバイスに搭載される実施形態のアンテナは、互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、第一の誘電体基板の第一の平面に設けられたグラウンド板と、互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、第三の平面は、第二の平面と張り合わされ、かつ、第二の平面の輪郭の内側に少なくとも部分的に位置する第二の誘電体基板と、第二の誘電体基板の第四の平面に設けられた放射素子とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係るウェアラブルデバイスを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1とは異なる方向から見た実施形態に係るウェアラブルデバイスを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、センサーデバイスを分解して示す実施形態に係るウェアラブルデバイスの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示されたアンテナを裏側から見たアンテナの平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るウェアラブルデバイスの装着例とセンサーデバイスによる読み取り範囲を示す図である。
【
図8】
図8は、センサーデバイスからUSBカバーが取り外された実施形態に係るウェアラブルデバイスの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示されたB-B線に沿ったセンサーデバイスの断面を示す図である。
【
図10】
図10は、
図8に示されたC-C線に沿ったセンサーデバイスの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素は、同一の参照符号で示される。図面は、模式的または概念的なものである。
【0008】
図1は、実施形態に係るウェアラブルデバイス10を示す斜視図である。また、
図2は、
図1とは異なる方向から見た実施形態に係るウェアラブルデバイス10を示す斜視図である。
【0009】
図1と
図2に示されるように、ウェアラブルデバイス10は、腕時計型デバイス20と、腕時計型デバイス20に取り付けられるセンサーデバイス50とを有する。
【0010】
腕時計型デバイス20は、スマートデバイス30と、スマートデバイス30を使用者の前腕の前端部に装着可能とするバンド40とを有する。ここで、前腕の前端部は、前腕の末端、すなわち、手に近い側の前腕の端部を意味している。これに伴い、以下の説明では、前後に関する表現はこれに従う。つまり、手に近い方を前方、肘に近い方を後方とする。ここで、手とは、手首よりも前方の部分を意味している。
【0011】
たとえば、スマートデバイス30は、スマートウォッチである。スマートデバイス30は、日付や時刻の表示機能、健康管理機能、着信通知機能、音声通話機能、情報通信機能、音楽再生機能等、多様な機能を有する。
【0012】
スマートデバイス30は、情報を表示する表示部31(
図2参照)を有する。たとえば、表示部31は、液晶等を利用したタッチスクリーンを有する。つまり、表示部31は、情報の入出力デバイスとして機能する。また、図示しないが、スマートデバイス30は、表示部31への表示情報や表示部31からの入力情報の処理等をおこなうマイコンを内蔵している。マイコンはまた、必要なデバイスと協働して、前述した多様な機能を実施する。
【0013】
スマートデバイス30は、バンド40を取り付けるための一対の取り付け部32,33を有する。各取り付け部32,33は、一対の突出部と、一対の突出部に支持されたピン(図示せず)とを有する。
【0014】
実施形態では、バンド40の一方の端部は、図示しないピンによって、取り付け部32に連結されている。たとえば、バンド40は、一方の端部に貫通孔が設けられており、この貫通孔に、一対の突出部に支持されたピンが通されることによって、取り付け部32に連結されている。
【0015】
バンド40は、取り付け部33のピンを回って折り返される。バンド40の他方の端部には留め部42が設けられており、この留め部42によって、バンド40の他方の端部は、バンド40の中間部の所望の位置に留められる。
【0016】
センサーデバイス50は、無線通信によって情報を読み取る機能を有する。たとえば、センサーデバイス50は、RFIDリーダである。センサーデバイス50は、RFタグに書き込まれた情報を、電波や電磁波を用いて読み取る機能を有する。センサーデバイス50はまた、電波や電磁波を用いてRFタグに情報を書き込む機能を有していてもよい。また、センサーデバイス50は、読み取った情報を無線通信によってスマートデバイス30に送信する機能を有する。
【0017】
センサーデバイス50は、丸みを帯びた直方体状の外観形状を有する。ここで、丸みを帯びた直方体とは、直方体が全体的に丸められた形状を意味している。たとえば、丸みを帯びた直方体は、本来の直方体であれば3つの平面が交わる角部および2つの平面が交わる角部に相当する部分が丸められている。さらには、丸みを帯びた直方体は、本来の直方体であれば平面である部分が外側に凸な滑らかな曲面で構成されている。
【0018】
以下では、便宜上、ウェアラブルデバイス10の装着時に、前腕に向き合うセンサーデバイス50の面を下面と称し、下面の反対側の面を上面と称する。また、ウェアラブルデバイス10の装着時に、前腕に沿って延びるセンサーデバイス50の辺を長辺と称し、前腕を横断して延びるセンサーデバイス50の辺を短辺と称する。さらに、センサーデバイス50に関して、下面に対する上面の方または側を上方または上側と称し、反対に、上面に対する下面の方または側を下方または下側と称する。加えて、長辺に沿う方向を縦、短辺に沿う方向を横と称する。
【0019】
センサーデバイス50は、ウェアラブルデバイス10の装着時に、使用者の前腕に対してスマートデバイス30の反対側に配置されるように、バンド40に取り付けられる。センサーデバイス50は、センサーデバイス50の短辺がバンド40に沿って延びるように、腕時計型デバイス20に取り付けられる。言い換えれば、センサーデバイス50は、センサーデバイス50の長辺がバンド40に直交して延びるように、腕時計型デバイス20に取り付けられる。
【0020】
センサーデバイス50は、センサーデバイス50の下面の近くに、バンド40に取り付けられる取り付け部56を有する。たとえば、取り付け部56は、バンド40が通される細長い貫通孔である。貫通孔は、センサーデバイス50の短辺に沿って、センサーデバイス50を貫通して延在している。
【0021】
しかし、取り付け部56の構成は、これに限定されない。センサーデバイス50をバンド40に取り付け可能であれば、取り付け部56は、どのような構成のものであってもよい。たとえば、取り付け部56は、センサーデバイス50に固定された一対のU字状のピンであってもよい。この構成例では、バンド40は、センサーデバイス50とU字状のピンの間のすき間に通される。
【0022】
図3は、センサーデバイス50を分解して示す実施形態に係るウェアラブルデバイス10の斜視図である。
【0023】
図3に示されるように、センサーデバイス50は、ボトムカバー51と、ユニットベース52と、ミドルパーツ53と、トップカバー54と、USBカバー55と、内部パーツ60とを有する。
【0024】
ボトムカバー51は、センサーデバイス50の下面を有し、トップカバー54は、センサーデバイス50の上面を有する。ボトムカバー51は、センサーデバイス50の下面の近くに、バンド40が通される細長い貫通孔からなる取り付け部56を有する。ボトムカバー51とトップカバー54は、ミドルパーツ53を介して、互いに接合されている。
【0025】
ミドルパーツ53は、センサーデバイス50の長辺に沿った一辺の一部を除いて、センサーデバイス50の周囲に沿って延在する。すなわち、ミドルパーツ53は、センサーデバイス50の長辺に沿った切り欠き部を有する。USBカバー55は、ミドルパーツ53の切り欠き部にちょうど収まり、ミドルパーツ53の切り欠き部を補間する。すなわち、ミドルパーツ53とUSBカバー55は、ボトムカバー51とトップカバー54の間に配置され、センサーデバイス50の側周面を形成する。
【0026】
ユニットベース52は、ボトムカバー51の内部底面に固定される。また、ユニットベース52は、内部パーツ60を保持する。
【0027】
内部パーツ60は、たとえば、RFIDモジュール61と、I/F基板62と、充電基板63と、バッテリ64と、アンテナ70とを有する。
【0028】
RFIDモジュール61は、アンテナ70と協働して、無線通信による情報の読み取り機能を達成する。
【0029】
I/F基板62は、たとえば、外部と接続されるUSB端子65とマイクロUSB端子66を有し、電力や情報の供給を受ける。バッテリ64は、RFIDモジュール61に電力を供給する蓄電素子であり、充電基板63によって充電される。
【0030】
図4は、
図3に示されたアンテナ70の平面図である。
図5は、
図4に示されたアンテナ70を裏側から見たアンテナ70の平面図である。
図6は、
図4と
図5に示されたA-A線に沿ったアンテナ70の断面図である。
【0031】
図4~
図6に示されるように、アンテナ70は、第一の誘電体基板71と、第二の誘電体基板72と、グラウンド板73と、放射素子74を有する。
【0032】
第一の誘電体基板71は、互いに反対側に位置する第一の平面711および第二の平面712を有し、グラウンド板73は、第一の誘電体基板71の第一の平面711に設けられている。
【0033】
第二の誘電体基板72は、互いに反対側に位置する第三の平面721および第四の平面722を有し、放射素子74は、第二の誘電体基板72の第四の平面722に設けられている。
【0034】
第二の誘電体基板72の第三の平面721は、第一の誘電体基板71の第二の平面712と張り合わされている。
【0035】
第二の誘電体基板72の第三の平面721の面積は、第一の誘電体基板71の第二の平面712の面積よりも小さい。第二の誘電体基板72の第三の平面721は、第一の誘電体基板71の第二の平面712の輪郭の内側に位置している。
【0036】
たとえば、第二の誘電体基板72は、第一の誘電体基板71の第二の平面712の中央に配置されている。このため、たとえば
図6に示されるように、アンテナ70の断面は、凸形状を有している。
図6は、横に沿ったアンテナ70の断面を示している。したがって、
図6は、アンテナ70の横方向における断面が凸形状を有することを示している。しかし、たとえば
図4から容易に想像できるように、アンテナ70の縦方向における断面も凸形状を有している。
【0037】
しかし、第二の誘電体基板72の第三の平面721は、必ずしも、第一の誘電体基板71の第二の平面712の輪郭の内側に位置している必要はない。すなわち、第二の誘電体基板72の第三の平面721は、第一の誘電体基板71の第二の平面712の輪郭の内側に少なくとも部分的に位置していればよい。言い換えれば、第二の誘電体基板72は、少なくとも部分的に第一の誘電体基板71と重なっていればよい。
【0038】
図4に示されるように、放射素子74は、第二の誘電体基板72の第四の平面722よりも一回り小さく形成されている。放射素子74は、互いに平行に延びる一対の切り欠き部が形成されている。これにより、放射素子74は、一対の切り欠き部の間に延びる一本のストリップ線路741を有している。
【0039】
したがって、放射素子74は、第二の誘電体基板72の第四の平面722の周縁部と一対の切り欠き部を除いて、第二の誘電体基板72の第四の平面722を覆っている。
【0040】
しかし、放射素子74は、必ずしも、第二の誘電体基板72の第四の平面722よりも一回り小さく形成される必要はなく、第二の誘電体基板72の第四の平面722の周縁部をも覆っていてもよい。
【0041】
ストリップ線路741の先端部は、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72を貫通して延びる導電部76を介して、第一の誘電体基板71の第一の平面711に設けられた給電端子77と電気的に接続されている。給電端子77は、グラウンド板73から離間して形成されており、グラウンド板73から電気的に絶縁されている。
【0042】
放射素子74は、ストリップ線路741の先端部の両側に位置する一対の部分の各々において、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72を貫通して延びる一つの導電部75を介して、第一の誘電体基板71の第一の平面711に設けられたグラウンド板73と電気的に接続されている。
【0043】
図5に示されるように、グラウンド板73は、給電端子77およびその周辺部分を除いて、第一の誘電体基板71の第一の平面711の全体に形成されている。つまり、グラウンド板73は、給電端子77およびその周辺部分を除いて、第一の誘電体基板71の第一の平面711の全体を覆っている。
【0044】
しかし、グラウンド板73は、必ずしも、第一の誘電体基板71の第一の平面711の全体に形成される必要はなく、第一の誘電体基板71の第一の平面711を部分的に覆っていてもよい。
【0045】
図5から分かるように、放射素子74は、グラウンド板73が設けられた第一の誘電体基板71の第一の平面711への投影において、グラウンド板73の輪郭の内側に位置している。しかし、放射素子74は、必ずしも、これに限定される必要はなく、第一の平面711への投影において、少なくとも部分的にグラウンド板73と重なっていればよい。
【0046】
たとえば、グラウンド板73は、第一の誘電体基板71の第一の平面711に部分的に形成されており、放射素子74は、第一の平面711への投影において、グラウンド板73と重ならない部分を有していてもよい。
【0047】
アンテナ70は、放射素子74が、第一の平面711への投影において、グラウンド板73と重なる部分を有してさえいればよい。その限りにおいて、アンテナ70は機能する。もちろん、放射素子74とグラウンド板73の重なり部分の面積は大きいほど好ましい。
【0048】
実施形態に係るアンテナ70において、アンテナ70による情報の読み取り範囲は、放射素子74の上方、すなわち、第二の誘電体基板72を基準にして、第一の誘電体基板71の反対側の空間に広がる。
図7は、実施形態に係るウェアラブルデバイス10の装着例とセンサーデバイス50による読み取り範囲を示す図である。
【0049】
図7に示されるように、ウェアラブルデバイス10は、バンド40によって、使用者の前腕90に装着される。アンテナ70は、センサーデバイス50の内部に、前腕90に巻き付けられるバンド40の取り付け部56の反対側に放射素子74が位置するように搭載される。前述したように、バンド40の取り付け部56は、センサーデバイス50の下面の近くに設けられている。したがって、アンテナ70は、センサーデバイス50の内部に、放射素子74が上面の側に位置するように搭載される。
【0050】
これにより、前腕90に装着されたウェアラブルデバイス10において、センサーデバイス50の内部に搭載されたアンテナ70は、第一の誘電体基板71が内側すなわち前腕90に近い側に配置され、第二の誘電体基板72が外側すなわち前腕90から遠い側に配置される。その結果、アンテナ70による読み取り範囲Rは、前腕90に重なることなく、センサーデバイス50の上方の空間に好適に広がる。
【0051】
図8は、センサーデバイス50からUSBカバー55が取り外された状態における実施形態に係るウェアラブルデバイス10の斜視図である。
【0052】
図8に示されるように、ミドルパーツ53の切り欠き部から、USB端子65とマイクロUSB端子66が露出している。前述したように、USBカバー55は、ミドルパーツ53の切り欠き部にちょうど収まる。USBカバー55は、磁性体で形成されている。ミドルパーツ53の切り欠き部からの露出部には、複数の磁石57が設けられている。USBカバー55は、これらの磁石57によって、ミドルパーツ53の切り欠き部に保持される。
【0053】
図9は、
図8に示されたB-B線に沿ったセンサーデバイスの断面を示す図である。また、
図10は、
図8に示されたC-C線に沿ったセンサーデバイスの断面を示す図である。
【0054】
図9と
図10に示されるように、センサーデバイス50は、前述したように、丸みを帯びた外観形状を有している。このため、トップカバー54の外側面は、丸みを帯びている。これに伴い、トップカバー54の内側面も、丸みを帯びている。このため、センサーデバイス50の内部空間は、特にトップカバー54によって規定される部分は、中央から端に近づくにつれて大きく低減されている。
【0055】
アンテナ70は、内部パーツ60の最も上側に配置されている。また、アンテナ70は、前述したように、断面が凸形状を有している。このため、アンテナ70は、アンテナ70の端部において、センサーデバイス50の内部を占有する空間が少なくて済む。このため、アンテナ70は、センサーデバイス50の内部空間に、都合良く、言い換えれば、少ないデッドスペースで収容されている。
【0056】
以上に説明したように、実施形態に係るウェアラブルデバイス10においては、アンテナ70は、第一の誘電体基板71にグラウンド板73が設けられ、第一の誘電体基板71よりも小さい第二の誘電体基板72に放射素子74が設けられ、グラウンド板73と放射素子74を外側にして、第二の誘電体基板72が第一の誘電体基板71の輪郭の内側に位置するように、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72が張り合わされている。
【0057】
このため、アンテナ70は、凸形状の断面形状を有し、丸みを帯びた外観形状のセンサーデバイス50に少ないデッドスペースで搭載することが可能である。
【0058】
したがって、実施形態によれば、少ないデッドスペースでウェアラブルデバイス10に搭載できるアンテナ70が提供される。
【0059】
実施形態では、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72は、矩形の板部材として図に描かれている。しかし、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72の形状は、これに限定されるものではなく、任意の形状であってよい。たとえば、第一の誘電体基板71と第二の誘電体基板72は、矩形の角部が丸められた板部材であってもよい。
【0060】
また、第一の誘電体基板71の第一の平面711および第二の平面712の面積は、必ずしも同じである必要はなく、互いに異なっていてもよい。同様に、第二の誘電体基板72の第三の平面721および第四の平面722の面積は、必ずしも同じである必要はなく、互いに異なっていてもよい。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10…ウェアラブルデバイス、20…腕時計型デバイス、30…スマートデバイス、31…表示部、32…取り付け部、33…取り付け部、40…バンド、42…留め部、50…センサーデバイス、51…ボトムカバー、52…ユニットベース、53…ミドルパーツ、54…トップカバー、55…USBカバー、56…取り付け部、57…磁石、60…内部パーツ、61…RFIDモジュール、62…I/F基板、63…充電基板、64…バッテリ、65…USB端子、66…マイクロUSB端子、70…アンテナ、71…誘電体基板、72…誘電体基板、73…グラウンド板、74…放射素子、75…導電部、76…導電部、77…給電端子、90…前腕、711…第一の平面、712…第二の平面、721…第三の平面、722…第四の平面、741…ストリップ線路。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスに搭載されるアンテナであって、
互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、
前記第一の誘電体基板の前記第一の平面に設けられたグラウンド板と、
互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、前記第三の平面が前記第一の誘電体基板の前記第二の平面と張り合わされた第二の誘電体基板と、
前記第二の誘電体基板の前記第四の平面に設けられた放射素子と、
前記第一の誘電体基板と前記第二の誘電体基板を貫通して延び、前記グラウンド板と前記放射素子を電気的に接続する第一の導電部とを有する、
アンテナ。
【請求項2】
前記第一の誘電体基板の前記第一の平面に設けられた、前記グラウンド板から電気的に絶縁された給電端子と、
前記第一の誘電体基板と前記第二の誘電体基板を貫通して延び、前記放射素子と前記給電端子を電気的に接続する第二の導電部とをさらに有する、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第二の誘電体基板は、前記第二の平面への投影において、前記第一の誘電体基板よりも小さく、前記第一の誘電体基板の内側に位置している、
請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記第一の誘電体基板および前記第二の誘電体基板は、横方向に沿った断面が凸形状を有する、
請求項3に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記第一の誘電体基板および前記第二の誘電体基板は、縦方向に沿った断面が凸形状を有する、
請求項4に記載のアンテナ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
ウェアラブルデバイスに搭載される実施形態のアンテナは、互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、第一の誘電体基板の第一の平面に設けられたグラウンド板と、互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、第三の平面が前記第一の誘電体基板の第二の平面と張り合わされた第二の誘電体基板と、第二の誘電体基板の第四の平面に設けられた放射素子と、第一の誘電体基板と第二の誘電体基板を貫通して延び、グラウンド板と放射素子を電気的に接続する第一の導電部とを有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ウェアラブルデバイスに搭載されるアンテナであって、
互いに反対側に位置する第一の平面および第二の平面を有する第一の誘電体基板と、
前記第一の誘電体基板の前記第一の平面に設けられたグラウンド板と、
互いに反対側に位置する第三の平面および第四の平面を有し、前記第三の平面は、前記第二の平面と張り合わされ、かつ、前記第二の平面の輪郭の内側に少なくとも部分的に位置する第二の誘電体基板と、
前記第二の誘電体基板の前記第四の平面に設けられた放射素子とを有する、
アンテナ。
[2]
前記放射素子は、前記第一の平面への投影において、少なくとも部分的に前記グラウンド板と重なっている、
[1]に記載のアンテナ。
[3]
前記放射素子は、前記第一の平面への投影において、前記グラウンド板の輪郭の内側に位置している、
[2]に記載のアンテナ。
[4]
前記グラウンド板は、前記第一の平面の全体を覆っており、
前記放射素子は、前記第四の平面の周縁部を除いて、前記第四の平面を覆っている、
[3]に記載のアンテナ。
[5]
デバイスとバンドを有するウェアラブルデバイスの前記デバイスの内部に、前記デバイスに対する前記バンドの取り付け部の反対側に前記放射素子が位置するように搭載されている、
[1]から[4]までのいずれかひとつに記載のアンテナ。