(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177491
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】浮腫を治療するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 60/13 20210101AFI20241212BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20241212BHJP
A61M 60/31 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
A61M60/13
A61M60/216
A61M60/31
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024175713
(22)【出願日】2024-10-07
(62)【分割の表示】P 2021549632の分割
【原出願日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】62/810,668
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/810,660
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/810,672
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/810,658
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/810,653
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519314560
【氏名又は名称】ホワイト スウェル メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコブ ニッツァン
(72)【発明者】
【氏名】ローナン キーティング
(72)【発明者】
【氏名】シャハフ マーマー
(72)【発明者】
【氏名】オア インバー
(72)【発明者】
【氏名】イーモン ブレディ
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー マキャフリー
(72)【発明者】
【氏名】リード ウィリストン
(57)【要約】
【課題】浮腫を治療するためのデバイスおよび方法の提供。
【解決手段】本開示は、羽根車筐体上に搭載され得るバルーンと羽根車を使用する、浮腫の治療のためのデバイスおよび方法に関する。本発明は、リンパ管の出口における圧力を低下させるための羽根車を伴う留置カテーテルと、血流を誘導かつ制限するための羽根車上のバルーンとを使用する浮腫の治療のためのデバイスおよび方法を提供する。バルーンは、頸静脈からの帰還流を制限し、その流動を羽根車ケージの中に誘導する。流動を羽根車ケージの中に流し込むことによって、血管を辿る流量が増加させられ、側方圧力減少をもたらし、リンパ出口をもたらし得る。リンパ出口が圧力減少を受けるので、リンパ系内の流体が、出口まで、かつ循環系の中に排出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、前記デバイスは、
近位部分と遠位部分とを有するカテーテルと、
前記遠位部分に接続されている羽根車アセンブリであって、前記羽根車アセンブリは、羽根車筐体と、前記羽根車アセンブリ内に動作可能に配置されている羽根車とを備え、前記羽根車アセンブリの近位部分は、再循環を伴うことなく前記羽根車アセンブリの入口の中への流動を促進するように構成されている、羽根車アセンブリと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記羽根車が血管内で動作するとき、血液は、再循環を伴うことなく前記羽根車アセンブリの前記羽根車筐体を通して流動する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記羽根車アセンブリは、前記カテーテルの遠位端にわたって位置付けられているキャップを備え、前記キャップは、前記キャップの遠位端が前記羽根車の近位端に隣接するように、前記羽根車アセンブリの中まで延びており、さらに、前記キャップは、前記入口を通して延びているガイド表面を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ガイド表面は、前記入口の中への流動および前記羽根車アセンブリの中への流動が再循環を伴うことなく達成されるように、前記入口における断面積を円滑に変化させるように構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、前記キャップから前記羽根車筐体まで遠位に延びている複数の支柱をさらに備え、前記複数の支柱の遠位端は、前記羽根車筐体に取り付けられている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記羽根車筐体は、前記キャップの直径よりも大きい直径を有し、さらに、前記羽根車筐体および前記キャップおよび前記1つ以上の支柱は、前記羽根車筐体の外側表面に沿って前記羽根車アセンブリの中に前記入口を画定する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記支柱は、前記支柱に沿って前記支柱の近位端から前記支柱の前記遠位端まで延びている膨張管腔を備え、前記膨張管腔は、前記羽根車アセンブリ上に搭載されているバルーンを膨張させるように構成されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記支柱は、前記羽根車の軸に実質的に平行であり、前記デバイスは、前記入口から少なくとも部分的に遠位の前記羽根車筐体の外側表面に取り付けられている拡張可能部材をさらに備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カテーテルは、管を備え、駆動ケーブルが前記管を通して延びており、前記キャップは、前記管の末端部分の周囲に接続されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、前記カテーテルを通して延びている薬剤管腔をさらに備え、前記薬剤管腔は、前記薬剤管腔から放出される薬剤が前記入口および前記羽根車アセンブリを通して流動するように、前記羽根車アセンブリの前記近位部分内で実質的に終端する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項11】
前記支柱は、前記羽根車アセンブリの中に羽根を画定し、前記羽根は、前記羽根車が動作するときに流体の流動を導き、これにより、再循環または渦を防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記羽根車の近位端は、前記入口の移行部において再循環を最小限にするように前記入口に隣接している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記入口は、前記羽根車と同軸である円錐形要素を備え、前記円錐形要素は、再循環を阻止するように、断面が遠位で円滑に低減する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記入口は、収束流動場を達成するように、断面が遠位で円滑に低減する、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮出願第62/810,653号(2019年2月26日出願)、米国仮出願第62/810,658号(2019年2月26日出願)、米国仮出願第62/810,660号(2019年2月26日出願)、米国仮出願第62/810,668号(2019年2月26日出願)、および、米国仮出願第62/810,672号(2019年2月26日出願)の利益を主張し、上記出願の各々の内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、浮腫の治療のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
鬱血性心不全は、心臓が血流を維持し、身体の必要性を満たすために十分に圧送することができないときに生じる。心不全を患っている人物は、息切れ、極度の疲労、および四肢の腫脹を被り得る。心不全は、一般的かつ潜在的に致死的な症状である。2015年に、それは、世界的で約4千万人、成人全体の約2%に影響を及ぼした。65歳以上の10%もの人々が、心不全の影響を受け得る。
【0004】
心不全では、心室および心房内の圧力が、過剰に上昇される。結果として、心臓は、血液を拍出するためにより懸命に働き、身体の間質コンパートメント内に形成される浮腫をもたらし得る血圧の上昇につながる。浮腫は、身体の組織内の流体の異常な蓄積を指し、上昇した血圧が、リンパ液が間質から排出することを妨げるときに結果として生じる。心臓の追加の働きは、時間に伴って、弱くなり、心臓を再構成し、したがって、適切に機能する心臓の能力をさらに低減させる。流体蓄積は、呼吸困難および急性非代償性心不全(ADHF)の入院につながる。それらの症状は、死亡を含む重度の健康上の結果をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、リンパ管の出口における圧力を低下させるための羽根車を伴う留置カテーテルと、血流を誘導かつ制限するための羽根車上のバルーンとを使用する浮腫の治療のためのデバイスおよび方法を提供する。バルーンは、頸静脈からの帰還流を制限し、その流動を羽根車ケージの中に誘導する。流動を羽根車ケージの中に流し込むことによって、血管を辿る流量が、増加させられ、側方圧力減少をもたらし、リンパ出口をもたらし得る。リンパ出口が圧力減少を受けるので、リンパ系内の流体が、出口まで、かつ循環系の中に排出する。これらの影響は、羽根車ケージの上または周囲にバルーンを配置させることによって、最適化されることができ、いくつかの実施形態において、バルーンは、ケージを包囲し、流動を羽根車ケージの中に流し込む環状体を形成して、羽根車ケージに直接接続され得る。展開状態時のバルーンの形状は、血流を羽根車の入口の中に導き、および促進する。カテーテル上のバルーンと併せて羽根車を使用することによって、リンパ出口における圧力を低下させるデバイスの能力が、最適化される。
【0006】
組み合わせられた羽根車ケージおよび環状形バルーンの幾何学形状は、流動力学を採用し、リンパ系を排出する。羽根車ケージは、バルーンと組み合わせて、血管(例えば、腕頭静脈)を通した流動の断面積に局所抑制(または閉塞)を生成する。この流動抑制は、リンパ管の出口に適用可能であるように、流体圧力が低減させられるベンチュリ効果をもたらす。リンパ出口によって経験される圧力減少に起因して、リンパ液が、リンパ系から循環系まで排出する。したがって、本開示のデバイスおよび方法は、羽根車に搭載されるバルーンを使用し、流体力学の法則を活用して、リンパ液を排出する。羽根車ケージに接続されたバルーンを伴って、リンパ出口の近傍の腕頭静脈内の羽根車を動作させることが、リンパ出口における圧力を低減させ、リンパ液を排出するために効果的であるため、本発明のデバイスおよび方法は、浮腫の症状を軽減するために有用である。故に、本発明は、羽根車ケージに搭載されるバルーンを使用し、浮腫および鬱血性心不全を治療する、方法およびデバイスを提供する。
【0007】
ある側面では、本開示は、浮腫を治療するためのデバイスを提供する。デバイスは、近位部分と、遠位部分とを有するカテーテルと、その中に配置された羽根車を伴う、カテーテルの遠位部分に取り付けられた羽根車筐体と、羽根車筐体の外側にわたって整列させられる拡張可能部材(例えば、バルーン)とを含む。拡張可能部材の外部表面は、羽根車筐体の外部表面に物理的に結合され得る。好ましくは、拡張可能部材の外部表面は、羽根車筐体の外部表面に直接、すなわち、拡張可能部材の外部表面と羽根車筐体の外部表面との間にいずれの膜、シース、またはデバイスも伴わずに、物理的に結合される。拡張可能部材は、羽根車筐体を包囲し得る。
【0008】
拡張可能部材がバルーンである場合、バルーンは、膨張可能であり得、羽根車筐体を包囲し得る。いくつかの実施形態において、羽根車筐体は、金属から成り、拡張可能部材の一部は、接着剤によって金属の表面に固定される。金属の表面の少なくとも一部は、接着剤への接合を促進するように、ポリマーを含浸され得る。デバイスの実施形態は、モータ筐体内に配置されたモータを伴って、カテーテルの近位部分に接続されるモータ筐体を含み得る。駆動ケーブルが、カテーテルに沿って拡張可能部材まで延びている膨張管腔を伴って、カテーテルを通してモータから羽根車まで延び得る。関連実施形態は、浮腫を治療するためのデバイスを使用する方法を提供する。方法は、カテーテルの遠位部分を患者の腕頭静脈の中に挿入することと、羽根車を動作させることと、拡張可能部材を拡張し、それによって、リンパ管における圧力を減少させることとを含む。
【0009】
本発明の側面は、近位部分および遠位部分を伴うカテーテルであって、遠位部分は、患者の管腔の中への挿入のために寸法を決定され、ポンプを備えている、カテーテルと、ポンプに接続される拡張可能部材とを含む浮腫治療デバイスを提供する。拡張されたとき、拡張可能部材は、環状形の近位表面が流体をポンプの中に導く、環状形を備えている。好ましくは、環状形の内側半径は、ポンプの近位端の半径と実質的に同じである。拡張可能部材は、ポンプ上に搭載される膨張可能バルーンを含み得る。いくつかの実施形態において、ポンプは、その中に羽根車を伴う羽根車筐体を備え、バルーンは、羽根車筐体の近位端の少なくとも一部の周囲に搭載される。ある実施形態において、羽根車筐体は、拡張可能部材が、拡張されていないとき、羽根車筐体の近位部分の周囲に配置されるように、近位部分の外径が、遠位部分の外径より小さい、遠位部分と、近位部分とを有する。羽根車は、羽根車の遠位部分から近位部分まで減少する、羽根車の軸からブレードの外縁まで測定される半径を伴って、シャフト上に1つ以上のブレードを有し得る。各ブレードの外縁は、羽根車筐体の遠位部分と近位部分との間の移行部に隣接して位置する、半径の逓減を画定するドッグレッグを含み得る。好ましい実施形態において、羽根車筐体の遠位部分は、出口を有し、羽根車シャフトは、羽根車が回転されるとき、羽根車が、羽根車筐体を通して1つ以上の出口から外に血液を圧送するように、羽根車の遠位端の近傍で外向きに広がる。
【0010】
ポンプは、羽根車筐体内に配置される、羽根車を含み得、拡張可能部材は、羽根車筐体の外部表面に接続された膨張可能バルーンを含み得る。ある実施形態において、バルーンが膨張させられるとき、環状体を画定する。バルーンが膨張させられるとき、環状体の表面が、羽根車筐体の表面に取り付けられ得る。好ましくは、拡張可能部材が、拡張されないとき、カテーテルの遠位部分は、12Fr導入器シースに通され得る。
【0011】
本開示の側面は、ポンプによって誘発される流動に起因する圧力変化への補償のための制限器を使用するデバイスおよび関連付けられる方法を提供する。流動補償側面のための制限器では、本発明は、浮腫を治療する方法を提供する。方法は、ポンプを動作させ、患者の腕頭静脈を通して流動を増加させることと、動作ことに続いて、ポンプの上流に制限器を展開し、それによって、ポンプの下流の圧力の平衡を保つために、頸静脈から腕頭静脈までの流動を制限することとを含む。方法は、ポンプを動作させることと、次いで、いったん腕頭静脈を通した増加した流動が頸静脈内の圧力に影響を及ぼすと、流動を制限することとを含み得る。方法はさらに、圧力センサを用いて、増加した流動に起因する頸静脈内の圧力の増加を感知することと、頸静脈内の増加した圧力を感知することに応答して、流動を制限することとを含み得る。流動の制限は、感知された圧力に従って調節され得る。好ましくは、方法は、動作ことに先立って、患者の血管系内にポンプを備えているデバイスを設置することを含む。デバイスは、少なくとも部分的に血管系内に埋め込まれるように寸法を決定されるカテーテルを備え、ポンプは、カテーテルの遠位部分に配置される羽根車アセンブリを備えている。いくつかの実施形態において、カテーテルの近位部分が、モータ筐体に接続され、デバイスは、圧力センサと、ポンプの近位でカテーテルに取り付けられた展開可能制限器とを含む。好ましくは、制限器は、膨張可能バルーンを含み、流動を制限することは、制限器を膨張させることを含む。感知することは、圧力センサに通信可能に接続されるコンピュータシステムを使用して、実施され得る。制限器の膨張は、感知された圧力に従って、周期的に、または継続的に調節され得る。
【0012】
本発明の他の側面は、浮腫を治療する方法を提供する。方法は、ポンプを動作させ、患者の腕頭静脈を通して流動を増加させることと、増加した流動に起因する、患者の頸静脈内の圧力変化を感知することと、感知された圧力に基づいて、制限器を調節し、頸静脈から腕頭静脈までの流動を制限することとを含む。方法はさらに、カテーテルを腕頭静脈の中に挿入することを含み得、カテーテルは、ポンプと、圧力センサと、制限器とを備えている。好ましくは、制限器は、膨張可能バルーンを含み、制限器を調節することは、バルーンを少なくとも部分的に膨張させることを含む。感知することは、圧力センサを使用して実施され得る。方法は、感知された圧力に従って、制限器の膨張を周期的に、または継続的に調節することを含み得る。好ましくは、方法は、ポンプの下流の圧力の平衡を保つために、膨張を調節することを含む。随意に、ポンプは、カテーテルの遠位部分に配置される羽根車アセンブリを備えている。カテーテルの近位部分が、羽根車アセンブリに動作可能に結合されたモータをその中に有するモータ筐体に接続され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルは、圧力を読み取る、または膨張を制御するように動作可能なコンピュータシステムに結合される。
【0013】
本発明の側面は、浮腫の治療のためのパージのないシステム、デバイス、および方法を提供する。例えば、側面は、近位部分および遠位部分を伴うカテーテルと、カテーテルの遠位部分に接続される、羽根車と、カテーテルの近位部分に接続される、モータと、カテーテルを通してモータから羽根車まで延びている駆動ケーブルと、カテーテルを通して駆動ケーブルにわたって延びている不透過性スリーブとを含むパージのないデバイスを提供する。スリーブは、スリーブの外部の流体が、スリーブに進入し、駆動ケーブルに接触することを防止されるように、羽根車における遠位シールおよびモータにおける近位シールを特徴とする。スリーブおよび少なくとも遠位シールは、駆動ケーブルから流体を除外する。いずれかのシール(または両方)は、1つ以上のOリングを含み得る。デバイスは、両方ともカテーテルを通して延びている第1の管腔と、第2の管腔とを含み得、第1および第2の管腔は、モータ筐体の外側でアクセス可能なそれぞれの第1および第2の近位端を有する。好ましくは、第1の管腔および第2の管腔は、平衡をデバイスに付与するように、駆動ケーブルを中心として対称的に配置される。カテーテルは、好ましくは、パージシステムまたはパージ流体を含まない。いくつかの実施形態において、羽根車は、羽根車筐体内に着座し、デバイスはまた、カテーテルの遠位部分に接続される少なくとも1つの拡張可能部材を有する。拡張可能部材は、羽根車筐体に接続され得、デバイスはまた、カテーテルに沿って配置された第2の拡張可能部材を含み得る。好ましくは、第1の拡張可能部材は、羽根車筐体の表面に直接接続された環状形バルーンを備えている。デバイスはまた、羽根車の近位でカテーテルに沿って配置された少なくとも1つの圧力センサを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、近位シールは、付属品が、流体を除外し、羽根車および駆動ケーブルがデバイス内で回転することを可能にするように、不透過性スリーブと羽根車の一部との間に付属品を備えている。
【0015】
関連側面は、パージのないデバイスを使用する方法を提供する。パージのないデバイスは、浮腫を治療する方法で使用され得る。方法は、患者の腕頭静脈の中にカテーテルの遠位部分を挿入することと、カテーテルの近位部分におけるモータを用いて、カテーテルの遠位部分に接続される羽根車を駆動することとを含む。モータは、カテーテルを通して延びている駆動ケーブルによって、羽根車に接続される。羽根車を駆動することは、リンパ管における圧力を減少させる。不透過性スリーブは、不透過性スリーブの外部の体液が、不透過性スリーブに進入し、駆動ケーブルに接触することを防止されるように、カテーテルを通して駆動ケーブルにわたって延びている。方法はさらに、カテーテルの遠位部分に沿って配置される制限器を膨張させ、頸静脈から腕頭静脈の中への流動を制限することを含み得、膨張は、不透過性スリーブの外側でカテーテルを通して延びている膨張管腔を使用する。リンパ管における減少した圧力は、リンパ系から循環系の中への排出を促進する。
【0016】
好ましくは、不透過性スリーブは、モータの筐体における近位シールと、羽根車における遠位シールとを有する。近位シールは、血液および体液が、モータ筐体またはカテーテルの近位部分を通して患者から逃散することを防止する。遠位シールは、不透過性スリーブと羽根車の一部との間に付属品を含み得、付属品は、流体を除外し、羽根車および駆動ケーブルがデバイス内で回転することを可能にする。不透過性スリーブは、テフロン(登録商標)等のポリマーから作製され得る。
【0017】
方法は、カテーテルの遠位部分が腕頭静脈の中に挿入されている間、モータ筐体の外側でアクセス可能な近位端を有する膨張管腔を用いて、カテーテルに沿って配置された少なくとも1つのバルーンを膨張させることを含み得る。血液および体液は、好ましくは、パージ流体またはパージシステムを使用することなく、駆動ケーブルから除外される。
【0018】
本開示の他の側面は、抗凝固剤を使用および送達し、浮腫の治療のデバイスの効果的な動作を促進する、方法およびデバイスに関連する。例えば、本開示の側面は、抗凝固剤のための(すなわち、抗凝固剤をポンプの可動部品に送達するための)内蔵送達機構を伴う血管内ポンプを含むデバイスを提供する。したがって、本発明は、カテーテルと、カテーテルの遠位部分に搭載される、羽根車アセンブリと、薬剤管腔から放出される薬剤が、入口および羽根車アセンブリを通して流動するように、カテーテルを通して延び、実質的に羽根車アセンブリの入口で終端する、薬剤管腔とを含む浮腫治療デバイスを提供する。好ましくは、カテーテルおよび羽根車アセンブリは、患者の頸静脈を通した挿入のために寸法を決定される。デバイスはさらに、薬剤管腔と流体連通するリザーバを含み得る。羽根車アセンブリは、その中に回転可能に配置された羽根車を伴う羽根車筐体を備え得る。デバイスは、カテーテルの近位端に接続され、カテーテルを通して延びている駆動ケーブルを介して、羽根車に動作可能に接続される、モータを含み得る。好ましくは、ポートは、羽根車の近位で羽根車筐体に位置する。
【0019】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、管の末端部分の周囲に接続されたキャップを伴って、それを通して延びている駆動ケーブルを伴う管を備えている。羽根車筐体は、羽根車筐体の中への入口を画定するように、複数の支柱によってキャップに搭載される。キャップは、可撓性管の末端を羽根車のシャフトにシールし、ポートは、キャップ内に位置し得る。羽根車筐体は、血管内の羽根車の動作が、入口を介して羽根車アセンブリの中に、かつ出口を介して羽根車アセンブリから外に血液を駆動するように、羽根車の遠位部分の周囲に1つ以上の出口を有し得る。
【0020】
デバイスは、リザーバ内に抗凝固剤(例えば、チロフィバン、ヘパリン、ワルファリン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、エドキサバン、エノキサパリン、またはフォンダパリヌクス)を含み得る。デバイスが、患者の血管の中に挿入され、羽根車が、動作されるとき、抗凝固剤は、羽根車ケージ内のポートから放出され、放出された抗凝固剤は、血液と混合し、回転羽根車にわたって越流する。
【0021】
本発明の関連側面は、浮腫を治療する方法を提供する。方法は、ポンプを動作させ、患者の腕頭静脈を通して流動を増加させることと、ポンプの入口において、またはそれに隣接して、抗凝固剤を放出することとを含む。ポンプは、カテーテルの遠位部分におけるケージ内に羽根車を含み得、抗凝固剤は、ケージの近位部分内またはそれに隣接するポートから放出され得る。随意に、カテーテルの近位端は、モータを備えている筐体で終端し、モータは、カテーテルを通して延びている駆動ケーブルによって、羽根車に動作可能に結合される。カテーテルは、それを通して延び、ポートで終端する、薬剤管腔を含み得る。方法は、薬剤管腔と流体連通するリザーバ内に抗凝固剤を提供することと、カテーテルを患者の血管系の中に挿入し、腕頭静脈内に羽根車を位置付けることと、モータを動作させ、羽根車を駆動することと、ポートから抗凝固剤を放出することによって、羽根車にわたって抗凝固剤を越流させることとを含み得る。好ましくは、ポンプを動作させることは、リンパ管における圧力を減少させ、それによって、患者のリンパ系からリンパ液を排出する。
【0022】
ある実施形態において、ポンプは、カテーテルの遠位部分上に羽根車を含み、抗凝固剤は、羽根車の近位部分におけるポートから放出される。
【0023】
抗凝固剤の放出によって、凝固または血栓症が、羽根車の動作に干渉することを防止される。随意に、方法は、頸静脈から腕頭静脈までの流動を制限し、それによって、鎖骨下静脈から腕頭静脈までの流動を促進することを含み得る。
【0024】
本発明は、患者の血管内に設置され、血液を圧送し、リンパ管の出口において圧力の減少を引き起こすために使用される留置カテーテルを用いて、浮腫を治療するために有用なデバイスおよび方法を提供する。カテーテルは、羽根車を用いて血液を圧送するが、カテーテルがパージ流体でカテーテル構成要素をパージまたは洗浄するためのシステムを含まないという点で、パージがない。パージのないカテーテルは、羽根車駆動システムの可動部品を保護する不透過性スリーブまたはシュラウドを用いて、凝固または血栓症等の血液関連の機械的合併症を回避する。例えば、羽根車への駆動ケーブルが、羽根車の近傍の遠位シールによって遠位端において閉鎖され、また、羽根車を定位置にナビゲートし、羽根車を駆動するために使用されるモータ筐体および/またはカテーテルハンドルに嵌合されるOリング等によって、近位シールによって近位端において(例えば、患者の外側で)閉鎖され得る、不透過性スリーブによって保護され得る。不透過性スリーブまたはシュラウドおよび適切なシールは、血液および体液が、カテーテルシステムの動作可能部品に進入しないように除外する。したがって、不透過性スリーブまたはシュラウドおよび任意の関連付けられるシールは、カテーテルの動作可能部品から血液または体液を除外することによって、カテーテルの円滑で確実な動作を維持する、パージのないシステムを提供する。
【0025】
浮腫は、頸静脈等の血管にアクセスし、それを通してカテーテルをナビゲートすることによって、治療され得る。カテーテルは、リンパ管の出口の近傍に羽根車を位置付けるようにナビゲートされる。例えば、羽根車は、腕頭静脈内に位置し得る。カテーテルおよび羽根車の実質的な長さが、血管内に着座するように位置付けられてもよく、したがって、血液によって包囲され、その内側で動作し得る。羽根車の可動部品内の凝固またはそれらの可動部品によって誘発される溶血に起因するであろう問題を回避するために、カテーテルは、羽根車および関連付けられる可動部品から血液を除外する、シールされたスリーブまたはシュラウドを含む。カテーテルはさらに、血液が後退し、患者の外側に流動することを防止する、近位シールを外部モータ筐体に含み得る。シールされたスリーブまたはシュラウドは、パージ管腔によって送達されるパージ流体を使用し、血液がデバイス動作に干渉することを防止する、精巧なパージシステムよりも動作および維持がはるかに簡単である。また、パージ流体を使用しないことによる、本発明のデバイスおよび方法のパージのないシステムは、外部流体を血流の中に放出しないため、血液化学または浸透圧に影響を及ぼさない。故に、本発明は、血液ポンプまたは羽根車と血管内カテーテル上のシールされたスリーブまたはシュラウドを使用し、リンパ管の出口における圧力を低減させる一方、凝固または溶血等の悪影響も防止する、デバイスおよび方法を提供する。本発明のデバイスおよび方法は、リンパ出口における圧力を低減させるため、リンパ系からのリンパ液の排出を促進する。したがって、本発明のデバイスおよび方法は、浮腫または鬱血性心不全を治療するために使用され得る。
【0026】
本発明は、留置カテーテルを使用し、リンパ管の出口の近傍で患者の血管内に羽根車を設置する、浮腫を治療するためのデバイスおよび方法を提供する。羽根車を動作させることは、血圧の局所低下を生成し、これは、リンパ系からのリンパ液の排出を促進する。カテーテルはまた、ヘパリン等の抗凝固剤を放出し、羽根車を洗浄および潤滑するためにも使用される。具体的に、抗凝固剤は、凝固、溶血、または血栓症が生じ、羽根車の円滑な動作に干渉することを阻止する。抗凝固剤は、カテーテルに沿って、羽根車のちょうど上流にある、またはちょうど近位にある放出ポートまで延びている薬剤管腔を使用して、放出され得る。抗凝固剤の懸濁液または溶液が、管腔を辿って流動させられ、羽根車ブレード、駆動ケーブル、および羽根車と周辺羽根車筐体との間の軸受面等の羽根車の可動部品にわたって洗浄するように、放出される。抗凝固剤は、血液がそれらの場所および表面において凝固することを防止し、したがって、血栓症または溶血の悪影響を回避する。
【0027】
抗凝固剤を羽根車に放出することによって、本発明のデバイスは、患者の血管内で円滑および確実に動作する。羽根車を使用して、血流を駆動し、リンパ出口における圧力を軽減することによって、本発明のデバイスは、リンパ系から循環系へのリンパ液の排出を促進する。好ましくは、羽根車は、羽根車ケージの入口またはその近傍でヘパリン等の抗凝固剤を放出する、カテーテルによって提供される。リンパ液の排出に起因して、本発明のデバイスおよび方法は、浮腫および鬱血性心不全を治療するために有用である。それらのデバイスは、抗凝固剤を使用し、羽根車の円滑で確実な動作を維持するので、デバイスは、凝固または他の影響によって悪影響を及ぼされることを回避する。したがって、本発明のデバイスおよび方法は、浮腫および鬱血性心不全を治療するために有用である。
【0028】
本発明は、リンパ系から循環系の中への出口において圧力を軽減するような様式で、血管内ポンプを使用し、循環系を通して血液を圧送する、浮腫を治療するためのデバイスおよび方法を提供する。本発明のデバイスおよび方法はさらに、ポンプの上流で、循環系内で流動制限器を使用し、ポンプによって誘発される圧力変化の平衡を保ち、かつ下流の流動を補償する。デバイスは、羽根車等の機械的ポンプおよび膨張可能バルーン等の選択的に展開可能な制限器を伴う留置血管内カテーテルとして提供され得る。鬱血性心不全または浮腫は、カテーテルを挿入し、リンパ管の出口のちょうど下流で、循環系内で(例えば、腕頭静脈内で)ポンプを動作させることによって、治療される。リンパ管の出口から離れるように血液を圧送することは、出口における圧力を低下させる傾向がある。本発明の方法はさらに、流動補償のために制限器を使用し、上流の流動を制限し、したがって、リンパ出口における圧力低減を増幅または維持する。
【0029】
アクセスが、頸静脈を通して行われ得、カテーテルは、リンパ出口のちょうど下流にポンプを位置付けるように、(例えば、放射線画像下で)定位置にナビゲートされ得る。カテーテルの近位端は、駆動ケーブルによって羽根車に接続されるモータを収納し得る。いったん羽根車が腕頭静脈内に位置付けると、モータを動作させ、羽根車を駆動することは、心臓に向かって、かつリンパ出口から離れるように血液を圧送し、リンパ出口における圧力を低減させる。本発明の方法およびデバイスがないと、頸静脈を通した血液帰還または血流は、単に、増加し、静力学的平衡を復元し得る。その影響を補償するために、カテーテルは、カテーテルに沿って延びている膨張管腔を介して膨張可能なバルーン等の選択的に展開可能な制限器を含む。バルーンが膨張させられるとき、頸静脈を通した帰還流を阻止し、それによって、リンパ出口において局所圧力低下を維持する。リンパ出口における低い圧力に起因して、リンパ液が、身体組織内の間質腔から流出し、そこで圧力を軽減し、したがって、浮腫を軽減し、鬱血性心不全から保護する。
【0030】
したがって、本発明のデバイスおよび方法は、血管内ポンプおよび流動制限器を使用し、それぞれ、リンパ圧を減少させ、増加した循環を補償する。それらの手段は、リンパ系からリンパ液を排出し、したがって、浮腫を軽減するために効果的である。故に、本発明のデバイスおよび方法は、鬱血性心不全を予防するために有用である。
【0031】
本発明は、再循環を伴わずに流動を促進する構造を伴う羽根車アセンブリを提供する。羽根車が、回転されるとき、羽根車アセンブリの構造特徴は、流動を導き、羽根車を通して流体の円滑な流動を誘導する羽根として機能する。羽根車アセンブリの構造を構成する羽根様特徴に起因して、羽根車アセンブリを通した流体流は、全体的な流動パターンがいずれの渦または再循環も呈さないように、円滑で継続的な流動ラインに沿って誘導される。羽根車アセンブリは、血管内治療カテーテルの遠位部分に接続され得、浮腫を治療するために使用され得る。
【0032】
浮腫を患っている患者の頸静脈の中にカテーテルをナビゲートし、リンパ管の近傍で羽根車を動作させることによって、デバイスは、頸静脈に沿って血流を促進および増加させ、これは、ベルヌーイの原理により、リンパ管の出口における圧力を減少させる。圧力が、リンパ管の出口において減少されるため、リンパ液が、リンパ系から循環系の中に排出し、それによって、浮腫の悪影響および症状の軽減を提供する。
【0033】
さらに、羽根車アセンブリは、それを通した流動を促進するための構造の特殊な組み合わせを含むことができる。例えば、羽根車アセンブリは、その上に配置された膨張可能バルーンを有し得る。膨張管腔が、カテーテルを辿って延び、カテーテルから羽根車筐体まで延びている剛直性支柱を通過する。それらの剛直性支柱のうちのいくつかは、集合的に、カテーテルに対して筐体を支持する。それらの剛直性支柱のうちの1つまたは任意の数の各々は、それを通して延設される膨張管腔を有し得る。しかし、管腔は、支柱内に同心円状に配置される必要はなく、好ましい実施形態において、支柱と偏心性であり、管腔に対して、羽根車筐体の内側空間の中に立つ過度の材料を支承する。各支柱から内向きに延びているその過度の材料は、流動を、渦または再循環を伴わない円滑なパターンに導く、流動誘導羽根として機能する。血管内羽根車の主要な利益が、それを通して血液を効率的に圧送するその能力であるため、再循環または渦を伴わない効率的な動作が、浮腫の影響および症状を軽減するための最適化された治療ツールを提供する。
【0034】
ある側面では、本発明は、浮腫を治療するためのデバイスを提供する。デバイスは、近位部分および遠位部分を伴うカテーテルを含む。羽根車アセンブリが、遠位部分に接続される。羽根車アセンブリは、その内側に動作可能に配置された羽根車を有する。羽根車アセンブリの近位部分は、再循環を伴わずに羽根車アセンブリの入口の中への流動を促進するように構成される。羽根車が、血管内で動作するとき、血液は、再循環を伴わずに羽根車アセンブリの筐体を通して流動する。
【0035】
羽根車アセンブリは、遠位部分に固定される、キャップと、キャップから筐体まで延びている1つ以上の支柱とを含み得る。筐体は、筐体の近位基部、キャップ、および1つ以上の支柱が、入口を画定するように、キャップの直径を上回る直径を有し得る。いくつかの実施形態において、支柱は、羽根車アセンブリ上に搭載されるバルーンを膨張させるために、それを通して延びている膨張管腔を含む。好ましくは、支柱は、羽根車の軸と略平行であり、羽根車筐体の内側表面の少なくとも一部から半径方向内向きに突出する。そのような支柱は、羽根車が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する、羽根車アセンブリ内の羽根を画定し得る。支柱は、それを通して延びている流体管腔を含み得、流体管腔は、羽根車アセンブリ内の羽根を形成する支柱の材料に起因して、支柱の本体の少なくとも一部と非同心性である。デバイスは、支柱のうちのいくつか、例えば、3つを有し得、いくつかの支柱の各々は、羽根車が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する羽根車アセンブリ内の羽根を画定する。デバイスは、随意に、薬剤管腔から放出される薬剤が、入口および羽根車アセンブリを通して流動するように、カテーテルを通して延び、実質的に羽根車アセンブリの近位部分内で終端する、薬剤管腔を含み得る。
【0036】
ある実施形態において、カテーテルは、羽根車筐体が、羽根車アセンブリを通した流体の層流を促進する羽根を画定する複数の支柱によってキャップに搭載された状態で、管の末端部分の周囲に接続されたキャップを伴って、それを通して延びている駆動ケーブルを伴う管を含む。羽根車筐体は、血液が、再循環または渦を伴わずに円滑な層流を呈するように、血管内の羽根車の動作が、入口を介して羽根車アセンブリの中に、かつ出口を介して羽根車アセンブリから外に血液を駆動するように、羽根車の遠位部分の周囲に1つ以上の出口を有し得る。
【0037】
本発明の側面は、浮腫を治療する方法を提供する。方法は、患者の腕頭静脈の中にカテーテルの遠位部分を挿入することを含む。カテーテルは、遠位部分上に羽根車アセンブリを含む。羽根車アセンブリ内に配置される羽根車を駆動することは、リンパ管における圧力を減少させる。羽根車アセンブリの近位部分は、再循環を伴わずに羽根車アセンブリの入口の中への流動を促進するように構成される。
【0038】
カテーテルは、遠位部分に固定される、キャップと、キャップから延び、羽根車アセンブリの筐体を支持する、1つ以上の支柱とを含み得る。筐体は、キャップの直径を上回る直径を有し得、筐体の近位基部、キャップ、および1つ以上の支柱は、入口を画定し得る。支柱は、羽根車の軸と略平行に延び、羽根車筐体の内側表面の少なくとも一部から半径方向内向きに突出し得る。支柱は、羽根車が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する、羽根車アセンブリ内の羽根を画定し得る。支柱のうちの1つ以上のものは、羽根車アセンブリ内の羽根を形成する支柱の材料に起因して、支柱の本体の少なくとも一部と非同心性である、流体管腔を含み得る。
【0039】
方法は、カテーテルを通して延びている膨張管腔を介して、膨張流体を制限器に送達することによって、羽根車アセンブリ上に搭載される膨張可能流動制限器を膨張させることを含み得る。羽根車筐体は、血液が、再循環または渦を伴わずに円滑な層流を呈するように、血管内の羽根車の動作が、入口を介して羽根車アセンブリの中に、かつ出口を介して羽根車アセンブリから外に血液を駆動するように、羽根車の遠位部分の周囲に1つ以上の出口含み得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
デバイスであって、前記デバイスは、
近位部分と遠位部分とを備えているカテーテルと、
前記カテーテルの遠位部分に取り付けられた羽根車筐体であって、前記羽根車筐体は、その中に配置された羽根車を有する、羽根車筐体と、
前記羽根車筐体の外側の上に整列させられた拡張可能部材と
を備えている、デバイス。
(項目2)
前記拡張可能部材の外部表面は、前記羽根車筐体の外部表面に物理的に結合されている、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記拡張可能部材の前記外部表面は、前記拡張可能部材の外部表面と前記羽根車筐体の外部表面との間にどんな膜、シース、またはデバイスも伴わずに前記羽根車筐体の前記外部表面に物理的に直接結合されている、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記拡張可能部材は、前記羽根車筐体を包囲している、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記拡張可能部材は、バルーンである、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記バルーンは、膨張可能であり、さらに、前記バルーンは、前記羽根車筐体を包囲している、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記羽根車筐体は、金属を備え、前記拡張可能部材の一部は、接着剤によって前記金属の表面に固定されている、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記金属の前記表面の少なくとも一部は、前記接着剤への接合を促進するためのポリマーを含浸されている、項目7に記載のデバイス。
(項目9)
前記カテーテルの近位部分に接続されたモータ筐体と、
前記モータ筐体内に配置されたモータと、
前記カテーテルを通して前記モータから前記羽根車まで延びている駆動ケーブルと、
前記カテーテルに沿って前記拡張可能部材まで延びている膨張管腔と
をさらに備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
浮腫を治療するための項目1に記載のデバイスを使用する方法であって、前記方法は、前記カテーテルの前記遠位部分を患者の腕頭静脈の中に挿入することと、前記羽根車を動作させることと、前記拡張可能部材を拡張させ、それによって、リンパ管における圧力を減少させることとを含む、方法。
(項目11)
デバイスであって、前記デバイスは、
近位部分および遠位部分を有するカテーテルであって、前記遠位部分は、患者の管腔の中への挿入のために寸法を決定され、前記遠位部分は、ポンプを備えている、カテーテルと、
前記ポンプに接続された拡張可能部材と
を備え、
拡張されると、前記拡張可能部材は、環状形を備え、前記環状形の近位表面は、流体を前記羽根車筐体の中に導く、デバイス。
(項目12)
前記環状形の内側半径は、前記羽根車筐体の近位端の半径と実質的に同じである、項目11に記載のデバイス。
(項目13)
前記拡張可能部材は、前記ポンプ上に搭載された膨張可能バルーンを備えている、項目11に記載のデバイス。
(項目14)
前記ポンプは、羽根車筐体を備え、前記羽根車筐体は、その中に羽根車を有し、前記バルーンは、前記羽根車筐体の近位端の少なくとも一部の周りに搭載されている、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
前記羽根車筐体は、遠位部分と近位部分とを備え、近位部分の外径は、前記遠位部分の外径より小さく、前記拡張可能部材は、拡張されていないとき、前記羽根車筐体の前記近位部分の周りに配置されている、項目14に記載のデバイス。
(項目16)
前記羽根車は、シャフト上の1つ以上のブレードを備え、前記羽根車の軸から前記ブレードの外縁まで得られる半径の測定値は、前記羽根車の遠位部分から近位部分まで減少する、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
各ブレードの外縁は、前記羽根車筐体の前記遠位部分と前記近位部分との間の移行部に隣接して位置している半径の逓減を画定するドッグレッグを含む、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記羽根車筐体の前記遠位部分は、1つ以上の出口を備え、前記羽根車シャフトは、前記羽根車の遠位端の近傍で外向きに広がり、それによって、前記羽根車が回転させられると、前記羽根車は、前記羽根車筐体を通して前記1つ以上の出口から外に血液を圧送する、項目15に記載のデバイス。
(項目19)
前記ポンプは、羽根車筐体内に配置された羽根車を備え、前記拡張可能部材は、前記羽根車筐体の外部表面に接続された膨張可能バルーンを備えている、項目11に記載のデバイス。
(項目20)
前記バルーンが膨張させられると、前記バルーンは、環状体を画定する、項目19に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、浮腫の治療のためのデバイスを示す。
【
図2】
図2は、羽根車アセンブリの詳細図を挙げる。
【
図4】
図4は、カテーテルに接続されたモータ筐体を示す。
【
図5】
図5は、浮腫を治療するためのデバイスを使用する方法のステップを示す。
【
図6】
図6は、展開状態時の拡張可能部材を伴う羽根車アセンブリの詳細図である。
【
図7】
図7は、制限器を使用して圧力の平衡を保ち、下流の流動を補償する浮腫を治療する方法を図解する。
【
図8】
図8は、平衡および補償方法のための制限器および圧力センサを示す。
【
図9】
図9は、患者の血管系の中に挿入されたデバイスを示す。
【
図10】
図10は、平衡/補償のための制限器を使用して、浮腫を治療するための関連方法を図解する。
【
図11】
図11は、パージのないシステムを提供する特徴の詳細図である。
【
図12】
図12は、パージのないデバイスを使用して浮腫を治療する方法を図解する。
【
図13】
図13は、血管内ポンプにおいて抗凝固剤を放出する浮腫の治療のための血管内デバイスの一部を図示する。
【
図15】
図15は、コンピュータ化された流動モデルの結果を示す。
【
図18】
図18は、羽根車アセンブリの例示的入口領域を示す。
【
図21】
図21は、長方形の近位入口を伴う羽根車アセンブリの側面図を示す。
【
図22】
図22は、弓状近位支柱を伴う羽根車アセンブリを示す。
【
図23】
図23は、羽根車アセンブリの近位部分の側面図を示す。
【
図27】
図27は、静脈の内側の羽根車アセンブリの断面図である。
【
図28-1】
図28A-Fは、拡張可能部材の取り付けおよび折り畳みを図示する。
【
図28-2】
図28A-Fは、拡張可能部材の取り付けおよび折り畳みを図示する。
【
図28-3】
図28A-Fは、拡張可能部材の取り付けおよび折り畳みを図示する。
【
図29】
図29は、血管壁に界面接触するための細長い表面を有する拡張可能部材を伴う羽根車アセンブリを示す。
【
図30】
図30は、2部品拡張可能部材を伴う羽根車アセンブリを示す。
【
図31】
図31は、カテーテルの遠位部分の部分断面図である。
【
図32】
図32は、自己拡張式羽根車アセンブリの部分断面図である。
【
図36】
図36は、カテーテルのシャフトに沿って摺動可能に搭載された拡張可能部材を伴うカテーテルを示す。
【
図37】
図37は、制御された量の血流を可能にする、拡張可能部材を横断する流体チャネルを示す。
【
図38】
図38は、代替バイパスチャネルを伴うカテーテルを示す。
【
図39】
図39は、原位置にシースを伴う患者インターフェースを示す。
【
図40】
図40は、接着膜によって原位置で保持されたシースを伴う患者インターフェースを示す。
【
図43】
図43は、療法中にカテーテルシャフトをシースのハブに固定するための係止機構を図示する。
【
図44】
図44は、カテーテルシャフトと係合された係止機構を示す。
【
図47】
図47は、その中に挿入された流動制御シースを示す、頸静脈の部分切断図である。
【
図55】
図55は、異なる実施形態による、留置カテーテルの遠位洗浄を図示する。
【
図56】
図56は、パージシステムを伴う留置カテーテルを示す。
【
図57】
図57は、本発明の一実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔の断面図を示す。
【
図58】
図58は、本発明の異なる実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔の断面図を示す。
【
図59】
図59は、本発明の別の実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔の断面図を示す。
【
図60】
図60は、ケージ入口の最適化されたガイド表面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、浮腫または鬱血性心不全を治療するためのデバイスおよび方法に関する。本開示のデバイスは、頸静脈を通した挿入のために寸法を決定されるカテーテルを含み、カテーテルは、本明細書に説明されるように、種々の特徴をそれぞれ単独で、または組み合わせて使用するか、または、含む。デバイスの実施形態は、バルーン等の流動制限器が、血管内ポンプまたは羽根車のケージまたは筐体に搭載された治療デバイスを含む。それらの実施形態のうちのいくつかにおいて、展開状態時のバルーンの形状は、羽根車の入口の中に血流を導き、および促進する。ある実施形態において、本開示のデバイスは、サイズにおいて羽根車ケージ上のバルーンの位置付けを補償するように、遠位端と比較してより小さい直径の近位端を有する羽根車を含む。本発明の側面は、パージのないシステム、またはパージ流体を使用せず、血栓症または凝固から羽根車を保護する、パージのない血管内治療カテーテルに関する。ある実施形態において、本開示のデバイスおよび方法は、羽根車ケージの入口におけるヘパリン等の抗凝固剤の放出を使用する。本開示の他の実施形態は、バルーン等の制限器を使用し、圧力の平衡を保ち、かつ羽根車がリンパ管を排出するように動作されるとき、下流の流動を補償する、デバイスおよび方法に関する。本開示の特徴および実施形態は、平衡を駆動シャフトに付与するように、駆動シャフトを中心として対称である、管腔の配列を含む浮腫治療デバイスを含む。いくつかの実施形態において、それらの管腔は、モータ筐体の外側に近位末端を有し、カテーテルの遠位部分まで下方に延びている。本開示のデバイスは、円滑な材料移行部を可能にするようにその中にねじ山を伴う非外傷性先端を含み得る。本開示の実施形態は、羽根車ケージを通して延設されるガイドワイヤを含み得る。それらの実施形態は、本明細書にさらに詳細に説明および示され、本開示のデバイスに任意の組み合わせで存在し得る。
【0042】
図1は、浮腫の治療のためのデバイス101を示す。デバイス101は、近位部分109と、遠位部分115とを備えている、カテーテル105を含む。羽根車筐体203が、その中に配置された羽根車を伴って、カテーテル105の遠位部分115に取り付けられる。拡張可能部材301が、羽根車筐体203の外側にわたって整列させられ得る。拡張可能部材301は、圧潰構成で描写され、したがって、羽根車筐体203の円滑な継続にすぎないように見える。
【0043】
デバイス101は、制限器801と、少なくとも1つの圧力センサ805とを含み得る。描写される実施形態において、制限器801は、拡張可能部材301の近位にある。好ましくは、制限器801および拡張可能部材301の各々は、デバイス101の関連性がある部分の周囲に流体流を制限、妨害、誘導、または導くように、独立して選択的に展開可能である。好ましい実施形態において、制限器801および拡張可能部材301の各々は、カテーテル105の長さに沿って延設される専用膨張管腔と流体連通する。
【0044】
デバイス101の1つの特徴は、好ましくは、羽根車筐体203と、患者の血管内で血液および流体を圧送するために有用なポートおよび開口部等の他の機械的特徴とを提供する、羽根車アセンブリ201内に提供される羽根車205である。
【0045】
図2は、羽根車アセンブリ201の詳細図を挙げる。羽根車アセンブリ201は、その中に回転可能に配置された羽根車205を伴う羽根車筐体203を含む。拡張可能301部材が、羽根車筐体203の外側にわたって整列させられる。拡張可能部材は、鎖線(デバイス101の他の特徴を見ることを補助するための想像線)を使用して、
図2に表される。鎖線は、その圧潰または非展開状態時の拡張可能部材301の場所および配置を表す。羽根車筐体203は、その中に配置された羽根車を伴って、カテーテル105の遠位部分115に取り付けられる。拡張可能301が、羽根車筐体203の外側にわたって整列させられる。拡張可能部材は、鎖線(デバイス101の他の特徴を見ることを補助するための想像線)を使用して、
図2に表される。鎖線は、その圧潰または非展開状態時の拡張可能部材301の場所および配置を表す。
【0046】
示されるように、羽根車205は、シャフト207上にブレード206を有する。羽根車205の軸からブレード206の外縁まで測定される半径は、羽根車の遠位部分から近位部分まで減少する。これは、各ブレード206の外縁が、羽根車筐体203の遠位部分と近位部分との間の移行部に隣接して位置する、半径の逓減を画定するドッグレッグ209を含むという点で分かり得る。
【0047】
デバイス101の遠位部分115が、患者の血管系の中に挿入され、モータ筐体401内のモータが動作されるとき、羽根車205は、回転し、羽根車筐体203を通して流体(すなわち、血液)を駆動する。その目的で、羽根車筐体203の近位端は、1つ以上の入口255を含み、羽根車筐体203の遠位部分は、1つ以上の出口227を備えている。羽根車シャフト207は、羽根車205が回転されるとき、羽根車が、羽根車筐体203を通して1つ以上の出口227から外に血液を圧送するように、羽根車205の遠位端の近傍で外向きに広がる。
【0048】
図14は、デバイス101の遠位部分115上の羽根車アセンブリ201を通した断面図である。羽根車アセンブリ201は、その中に回転可能に配置された羽根車205を伴う羽根車筐体203を含む。
【0049】
羽根車アセンブリ201は、カテーテルの遠位部分115に接続される。羽根車アセンブリは、アセンブリ内に動作可能に配置された羽根車205を有する。羽根車アセンブリ201の切断図は、羽根車アセンブリの近位部分が、再循環を伴わずに羽根車アセンブリの入口の中への流動を促進するように構成されることを示す。
【0050】
羽根車205が、血管内で動作するとき、血液は、再循環を伴わずに羽根車アセンブリ201の筐体203を通して流動する。
【0051】
断面図によって図示されるように、描写される実施形態において、羽根車アセンブリ201は、遠位部分115に固定されるキャップ249と、キャップ249から筐体203まで延びている1つ以上の支柱1405とを備えている。支柱1405のうちのいずれか1つ以上のものは、管腔415を含み得る。筐体203は、キャップ249の直径を上回る直径を有する。特徴的に、筐体203の近位基部、キャップ249、および1つ以上の支柱105は、羽根車筐体201の中への1つ以上の入口を画定することが分かり得る。
【0052】
描写される実施形態において、支柱1405は、羽根車アセンブリ上に搭載されるバルーンを膨張させるために、それを通して延びている膨張管腔415を含む。支柱1405は、羽根車205の軸と略平行であり、羽根車筐体203の内側表面の少なくとも一部から半径方向内向きに突出する。そのように構造化されたとき、各支柱1405は、羽根車205が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する、羽根車アセンブリ201内の羽根を画定する。
【0053】
示されるように、支柱1405は、それを通して延びている流体管腔415を有する。流体管腔415は、羽根車アセンブリ201内の羽根を形成する支柱1405の材料に起因して、支柱1405の本体の少なくとも一部と非同心性である。例えば、
図3を参照すると、デバイス101は、複数、少なくとも3つの支柱を含み得ることが分かり得る。ともに、支柱は、羽根車が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する、羽根車アセンブリ内の羽根を画定する。
【0054】
羽根車筐体201は、羽根車205の遠位部分の周囲に1つ以上の出口258を含む。血管内の羽根車205の動作は、血液が、再循環または渦を伴わずに円滑な層流を呈するように、入口255を介して羽根車アセンブリ201の中に、かつ出口258を介して羽根車アセンブリ201から外に血液を駆動する。
【0055】
図15は、血液が、再循環または渦を伴わずに円滑な層流を呈するように、血液が、入口255を介して羽根車アセンブリ201を通して、かつ出口258を介して羽根車アセンブリ201から外に流動する様子を示す。画像は、コンピュータ化された流動モデルの結果を描写する。流動モデルは、本発明の構造を伴う羽根車アセンブリを通した流動が、円滑であり、再循環を呈さないことを示す。
【0056】
モデル検査結果が、円滑で効率的な流動を示すため、本発明のデバイスは、本明細書に示されるような構造が欠けている他のデバイスよりも効率的に血圧を圧送する。
【0057】
コンピュータモデル検査結果は、流動が円滑であり、流動内に渦または再循環がないことを示す。
【0058】
本発明のデバイスが、他のデバイスよりも効率的であり、渦または再循環を伴わずに血圧を圧送するので、本発明のデバイスは、浮腫がある患者を治療するために有益である。したがって、本発明のデバイスを使用して、臨床医が、浮腫を治療する方法を実施し得る。方法は、患者の腕頭静脈の中にカテーテルの遠位部分115を挿入するステップを含む。カテーテルは、遠位部分115上に羽根車アセンブリ201を有する。方法は、羽根車アセンブリ201内に配置される羽根車205を駆動し、それによって、リンパ管における圧力を減少させるステップを含む。羽根車アセンブリ201の近位部分は、描写されるコンピュータ流動モデルに明確に示されるように、再循環を伴わずに羽根車アセンブリの入口の中への流動を促進するように構成される。カテーテルは、本明細書に開示される他の特徴のうちのいずれか(例えば、筐体が、キャップの直径を上回る直径を有し、筐体の近位基部、キャップ、および1つ以上の支柱が、入口を画定するキャップから延び、羽根車アセンブリの筐体を支持する1つ以上の支柱を伴って、遠位部分に固定されるキャップ)を有し得る。
【0059】
コンピュータ流動モデルからの結果の画像によって示されるように、支柱は、羽根車が動作するときに流体流を導き、それによって、再循環または渦を防止する、羽根車アセンブリ内の羽根を画定する。コンピュータ流動モデルに明確に出現する流動ラインは、流動が再循環または渦を有した場合に出現するであろう、任意のループを回避する。羽根車アセンブリ201を通した流動が、再循環または渦を有していなかったため、コンピュータ流動モデルからの画像は、ループ、円、螺旋等を有していない流動ラインのみを示す。
【0060】
羽根車筐体は、羽根車の遠位部分の周囲に1つ以上の出口を含む。羽根車が、血管内で動作されるとき、羽根車は、血液が、再循環または渦を伴わずに円滑な層流を呈するように、入口を介して羽根車アセンブリの中に、かつ出口を介して羽根車アセンブリから外に血液を駆動する。
【0061】
本開示のデバイスおよび方法は、他の特徴を含み得る。
【0062】
本開示のデバイス101はさらに、カテーテル105を通して延び、実質的に羽根車アセンブリ201の入口255で終端する、薬剤管腔251を含み得る。いくつかの実施形態において、羽根車アセンブリ201はまた、剛直性羽根車ケージ203(例えば、金属)と非外傷性先端239のより軟質の材料との間の材料性質の平滑移行部を可能にするように、その中にねじ山付き備品237を伴う非外傷性先端231も含む。先端239は、好ましくは、ポリマー等の好適な軟質材料を含む。材料は、例えば、Arkema Inc.(King of Prussia,PA)によって商標PEBAXの下で販売されているもの等のポリエーテルブロックアミドを含み得る。ポリエーテルブロックアミドが、詳細に述べられるが、ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリウレタン、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリアミド、エラストマポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、シリコーン、ポリエチレン、Marlex高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、またはポリエーテルイミド(PEI)等の任意の数の他のポリマーから成ることができる。ねじ山付き備品237は、羽根車筐体203および非外傷性先端231の両方に螺合して嵌合される、(例えば、金属またはポリカーボネート等のプラスチックの)ねじ山付きポストを含み得る(例えば、その独自の最大直径よりも長い、好ましくは、少なくとも約2または3倍長い)備品237のための長いポストを含むことによって、先端231は、変形し得るが、いずれのねじれまたは不連続性も帯びない、または呈することを防止される。さらに、示されるように、先端231は、ガイドワイヤ管腔239を含み得る。
【0063】
羽根車アセンブリ201上の拡張可能部材301は、鎖線を用いて圧潰構成で描写される。羽根車アセンブリ201は、ポンプとして動作し、羽根車筐体203内に配置される羽根車205を含む。好ましい実施形態において、拡張可能部材301は、羽根車筐体203の外部表面に接続された膨張可能バルーンを備えている。
【0064】
図3は、展開状態時の拡張可能部材301を示す。描写される実施形態において、拡張可能部材301は、バルーンとして提供される。示されるように、バルーンが膨張させられるとき、環状体を画定する。拡張可能部材301の外部表面が、羽根車筐体203の外部表面に物理的に結合される(例えば、バルーンは、接着剤を用いて筐体203に接着され得る)。
【0065】
好ましくは、拡張可能部材301の外部表面は、拡張可能部材301の外部表面と羽根車筐体203の外部表面との間にいずれの膜、シース、またはデバイス101も伴わずに、羽根車筐体203の外部表面に物理的に直接結合される。拡張可能部材301は、羽根車筐体203を部分的に、または完全に包囲し得る。拡張可能部材301は、羽根車筐体203を包囲する膨張可能バルーンとして提供され得る。
【0066】
本開示のデバイスは、羽根車筐体203へのバルーンの接合を促進するための特徴を含み得る。例えば、羽根車筐体は、金属(例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、アルミニウム、チタン、ニッケルチタン合金等)を含み得、拡張可能部材301の一部が、接着剤によって金属の表面に固定されてでもよい。接合を促進するために、金属の表面の少なくとも一部が、ポリマーを含浸され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも羽根車ケージ203の外部近位部分における金属表面は、少なくとも3μmの深度までポリウレタンで含浸される。
【0067】
羽根車ケージ203に搭載される拡張可能部材301を使用して、デバイス101は、身体血管内の設置のために構成される。羽根車筐体は、血管の軸と略平行に設置され得る、軸を備えている。好ましくは、拡張可能部材301は、拡張可能部材を横断した流動に対して不浸透性である。拡張可能部材301は、使用時に血管壁に並置し、そうする際に、流体流を羽根車筐体203の入口に導くように構成される。
【0068】
使用時、拡張可能部材301は、血管の軸に対して固定位置で羽根車アセンブリ201を係留または保持する。その係留状態で、拡張可能部材301は、並置の領域において血管壁に共形化し、並置の領域は、血管壁の略円筒形区画を備えている。拡張可能部材の中心軸および羽根車筐体の中心軸は、好ましくは、実質的に同じである。
【0069】
拡張可能部材は、使用時に、羽根車筐体の軸がバルーンの軸に対して関節動作することを可能にするように構成される。バルーンに対する羽根車の関節動作は、好ましくは、2自由度を備えている。
【0070】
いくつかの実施形態において、拡張可能部材301は、バルーンを備え、バルーンの膜は、断面にオメガ形状を備えている。
【0071】
羽根車筐体203は、管状部材を含み得、管状部材の壁は、管状部材の壁を通して延び、バルーンのための膨張ポートを少なくとも部分的に画定する孔を含み得る。好ましくは、膨張ポートは、カテーテルを介して、患者の外部の膨張システムに接続される。接続は、膨張ポートに結合し、それとシールを形成する(すなわち、「密閉状態でそれに結合される」)、成形金属管または管類を含み得る。ある実施形態において、羽根車筐体への拡張可能部材の結合は、筐体の外径の周囲に少なくとも1つの円周方向シールを備えている。より好ましくは、羽根車筐体への拡張可能部材の結合は、筐体の外径の周囲の第1の円周方向シールと、外径の周囲の第2の円周方向シールとを備え、第2の円周方向シールは、第1の円周方向シールから軸方向に離間される。いくつかの実施形態において、円周方向シールは、軸方向長を有し、シールの一部は、羽根車筐体および拡張可能部材の壁を横断して延びている膨張ポートを包囲する。羽根車筐体は、第1の円周方向シールと第2の円周方向シールとの間に位置付けられる、膨張ポートを含み得る。
【0072】
図2および
図3に戻って参照すると、好ましくは、バルーンは、送達および回収のための圧潰状態(
図2)と、拡張状態(
図3)とを有する。いくつかの実施形態において、圧潰状態では、バルーン材料の少なくとも一部が、羽根車筐体の軸に対して摺動することができる(すなわち、羽根車筐体に対して軸方向に摺動可能である)。例えば、バルーン材料の少なくとも一部は、送達の間に近位に摺動するように、かつ回収の間に遠位に摺動するように構成され得る。バルーンは、羽根車筐体に結合された第1の縮径部および第2の縮径部を伴う環状形を備えていることが、規定され得る。好ましくは、第1の縮径部と第2の縮径部との間の距離は、環状形バルーンの円周より小さい。
【0073】
拡張可能部材301と羽根車筐体203との間の結合部は、界面層を含み得る。例えば、界面層は、相互貫通層を含み得る。ある実施形態において、羽根車筐体は、隙間を備え、相互貫通層は、羽根車筐体の隙間の中への材料の相互貫通を含む。相互貫通層は、アクリレート材料を含み得る、タイ層を含み得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、拡張可能部材301は、半径方向外向きの力を血管壁に加えるように構成される。デバイスは、該外向きの半径方向力の該印加が、羽根車筐体203の少なくとも一部を血管の中心軸に実質的に固定するように、構成され得る。羽根車筐体は、羽根車筐体の近位区分から筐体の遠位区分または出口まで延びている内側管腔であって、羽根車205を収納するように構成された内側管腔を備えている。羽根車筐体は、近位区分に隣接する第1の直径と、遠位区分に隣接する第2の直径とを備えている。ある実施形態において、羽根車筐体の内側管腔の直径は、該近位区分と該遠位区分との間で変動する。同様に、羽根車ブレード206の半径方向寸法は、該近位区分と該遠位区分との間で変動し得る。羽根車筐体の内側管腔直径の変形例の直径は、テーパ状、階段、複数の階段、複数のテーパ、ドッグボーン、放物線、またはこれらの組み合わせを画定し得る。羽根車ブレードは、羽根車筐体の内側管腔と流体係合するように構成される。好ましくは、羽根車ブレード206は、羽根車筐体の内側管腔と遊隙があるするように構成される。羽根車アセンブリ201は、少なくとも1つの入口開口部と、少なくとも1つの出口開口部とを有する。少なくとも1つの入口開口部および少なくとも1つの出口開口部は、1~40ミリメートルの距離によって分離され得る。好ましくは、少なくとも1つの入口開口部および少なくとも1つの出口開口部は、約5ミリメートル離れ、入口の遠位縁から約0.5ミリメートルに羽根車205の近位端を位置付けてもよい。本構成は、入口から羽根車205への移行部において再循環を最小限にすることに役立つため好ましい。例えば、
図25で、本明細書に議論されるいくつかの実施形態において、入口と出口との間の距離は、約25~30ミリメートルまで延在され得る。本構成は、羽根車205の中にさらなる層流を提供する。他の実施形態において、少なくとも1つの入口開口部および少なくとも1つの出口開口部は、羽根車205を入口のより近傍に、またはそのちょうど内側に運ぶように、約3ミリメートル離れ得る。少なくとも1つの入口開口部は、近位端と、遠位端とを備えている。環状体の近位部分が、近位入口開口部の遠位端の近位に延び、入口開口部の中への進入漏斗を画定する。カテーテル101の遠位部分115は、患者の血管の中への挿入のために構成され、カテーテル101の近位部分109は、患者の外部に延びているように構成される。
【0075】
カテーテル101の近位部分109は、モータ筐体401で終端し得る。
【0076】
図4は、カテーテル105の近位部分109に接続されたモータ筐体401を示す。モータ405は、モータ筐体401内に配置される。駆動ケーブル411が、カテーテル105を通してモータ405から羽根車からまで延びている。好ましい実施形態において、膨張管腔415が、カテーテル105に沿って拡張可能部材301まで延びている。駆動ケーブル411は、好ましくは、不透過性スリーブ121等のカテーテル101内でスリーブを通して延びている。パージのない実施形態において、不透過性スリーブ121は、駆動ケーブル411から流体を除外するためのシールを一方または両方の端部に含み得る。不透過性スリーブ121は、近位シール433においてモータ筐体401に衝合する。
【0077】
ある実施形態において、モータ405は、高速で回転するように動作可能な回転子を含み、カテーテル101は、カテーテル101を通して該回転速度を羽根車205に伝達するための駆動ケーブル411を含む。駆動ケーブル411は、5,000rpmを上回る回転速度(例えば、>10,000rpm、>15,000rpm、または>20,000rpm)を羽根車205に伝達することが可能であり得る。最も好ましくは、カテーテルは、高回転速度を羽根車に伝達しながら、熱のない動作のために構成される。
【0078】
不透過性スリーブ121は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の材料を含み得る。例えば、不透過性スリーブ121は、厚壁PTFE管類によって提供され得る。厚壁PTFE管類は、75マイクロメートルを上回る、好ましくは、>100ミクロン、>125ミクロン、または150ミクロンを上回る壁厚を有し得る。随意に、駆動シャフトは、値を伴う断面二次モーメントを有する。駆動ケーブル411は、駆動シャフトの長さの少なくとも一部にわたって円筒形の超弾性部材を含み得る。駆動シャフトの間の遊隙は、数マイクロメートル未満であり得る。いくつかの実施形態において、不透過性スリーブ121は、疎水性材料から成る。不透過性スリーブ121は、16MPa∧(0.5)未満のヒルデブラント溶解度パラメータ(δ)を伴う材料を含み得る。不透過性スリーブ121は、4MPa∧(0.5)未満のヒルデブラント溶解度パラメータを伴う材料を含み得る。例えば、ナイロンのδは、約15.7Mpa∧0.5であり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のδは、約6.2MPa∧0.5である。不透過性スリーブ121は、PTFE材料を含み得、駆動ケーブル411は、ニチノールロッドを含み得、ロッドとスリーブとの間の間隙は、数ミクロン未満であり得る。好ましくは、ロッドの同心度は、95%を上回る。駆動ケーブルは、第1の直径と、第2の直径とを有し得、第1の直径は、第2の直径よりわずかに大きい。不透過性スリーブは、0.08未満、または0.07、0.06、または0.05未満の動的摩擦係数を伴うポリマー材料を含み得る。
【0079】
本開示のデバイスは、浮腫または鬱血性心不全を治療するために有用である。本開示のデバイスを使用して、ポンプを動作させ、腕頭静脈内の流動を促進し、リンパ系からリンパ液を排出する、リンパ管の出力における圧力の減少をもたらし得る。そうでなければ、ポンプを動作させることに起因するであろう循環系内の圧力の変化となるであろうものを補償するために、本開示は、圧力変化を補償する方法を提供する。
【0080】
図5は、浮腫を治療するためのデバイス101を使用する方法501のステップを示す。
【0081】
方法501は、カテーテル105の遠位部分115を患者の腕頭静脈939の中に挿入するステップ510と、羽根車を動作させるステップ515と、拡張可能部材301を拡張し517、それによって、リンパ管907における圧力を減少させるステップとを含む。
【0082】
方法501は、近位部分109および遠位部分115を伴うカテーテルを含むデバイス101の使用を含み得、遠位部分115は、患者の管腔の中への挿入のために寸法を決定される。デバイス101は、ポンプ(例えば、羽根車アセンブリ201)と、ポンプに接続される拡張可能部材301とを含む。拡張されたとき、拡張可能部材301は、環状形を備え、環状形の近位表面は、流体を羽根車筐体203の中に導く。好ましくは、環状形の内側半径は、羽根車筐体203の近位端の半径と実質的に同じである。いくつかの実施形態において、拡張可能部材301は、ポンプ上に搭載される膨張可能バルーンを備えている。ポンプは、その中に羽根車を伴う羽根車筐体203を備え、バルーンは、羽根車筐体203の近位端の少なくとも一部の周囲に搭載される。羽根車筐体203は、遠位部分と、近位部分とを含み得、近位部分の外径は、遠位部分の外径より小さい。拡張可能部材301は、拡張されていないとき、羽根車筐体203の近位部分の周囲に配置される。バルーンが膨張させられるとき、環状体の表面が、羽根車筐体203の表面に取り付けられる。拡張可能部材301が、拡張されていないとき、カテーテル105の遠位部分115は、12Fr導入器シースに通され得る。
【0083】
図6は、展開状態時の拡張可能部材301を伴う羽根車アセンブリ201の詳細図である。羽根車205は、実質的に展開された制限器内に、および/またはそのちょうど下流に着座する。膨張管腔415が、カテーテルの遠位部分115を通して延し、拡張可能部材301の中へのポート601で終端する。羽根車筐体203の近位側および内側表面上の拡張可能部材301の表面の目視検査は、それらの表面が、羽根車筐体203を通して、羽根車の推進力下で流体を流し込む、平滑連続表面を形成することを明らかにする。これは、血管を通して血液を駆動し、近傍の流体圧力を変調させる。実質的に腕頭静脈内で動作されたとき、リンパ管の出口における圧力は、減少し、これは、リンパ液の排出および浮腫の軽減を促進する。
【0084】
図7は、浮腫を治療する方法701を図解する。方法701は、ポンプを動作させ710、患者の腕頭静脈939を通して流動を増加させるステップと、動作ステップに続いて、ポンプの上流に制限器を展開し717、それによって、ポンプの下流の圧力の平衡を保つ729ために、頸静脈から腕頭静脈939までの流動を制限するステップとを含む。方法701は、ポンプを動作させるステップと、次いで、いったん腕頭静脈939を通した増加した流動が頸静脈内の圧力に影響を及ぼすと、流動を制限するステップとを含み得る。
【0085】
方法701は、好ましくは、圧力センサ805を用いて、増加した流動に起因する頸静脈内の圧力の増加を感知するステップ715と、頸静脈内の増加した流動を感知することに応答して、流動を制限するステップとを含む。
【0086】
図8は、制限器801および圧力センサ805を示す。実際、
図8に示されるように、デバイス101は、制限器801の近位および遠位の両方の場所においてカテーテル105に沿って圧力センサ805を含む。描写される実施形態において、圧力センサ805は、カテーテル105に沿って延び、カテーテル105の側面に沿ったスカイブ切断感知開口で終端する、圧力感知管腔を含む。感知管腔は、カテーテルに沿ってモータ筐体401まで近位に延び、感知管腔は、好ましくは、筐体401から退出し、圧電圧力センサ等の機械的圧力センサデバイスと流体接触する。圧力感知管腔の内部は、好ましくは、感知バイスからの読取値が、制限器801の周囲の面積内の圧力を知らせるように、スカイブ切断開口からカテーテル105の側面に沿って機械的圧力センサデバイスまで、少なくとも実質的な流体静力学的平衡を確立する。したがって、圧力センサ805は、方法701にフィードバックし、制限器801の展開717を制御するために情報として使用され得る、情報を提供する。方法701は、好ましくは、動作710ステップに先立って、ポンプを備えているデバイス101を患者の血管系の中に挿入するステップ705を含む。
【0087】
図9は、患者の血管系の中に挿入された705デバイス101を示す。デバイス101は、部分的に血管系内に埋め込まれるように寸法を決定されるカテーテル105を備え、ポンプは、カテーテル105の遠位部分115に配置される羽根車アセンブリ201を備えている。遠位部分115は、頸静脈を通して、腕頭静脈939を辿り、かつその中に挿入される。好ましくは、カテーテル105の近位部分109が、モータ筐体401に接続され、デバイス101は、1つ以上の圧力センサ805と、ポンプの近位でカテーテル105に取り付けられた展開可能制限器801とを含む。
【0088】
いったん羽根車アセンブリが少なくとも部分的に腕頭静脈939内に入ると、羽根車205は、回転され、羽根車筐体203を通して血液を圧送する。これは、リンパ管907の出口の周囲の圧力の減少を引き起こす。圧力の減少は、リンパ液をリンパ管907から循環系の中に排出させる。リンパ液の排出は、浮腫を軽減するか、または、鬱血性心不全を緩和する。方法701はさらに、羽根車アセンブリ201の上流に制限器801を展開し717、それによって、羽根車アセンブリ201の下流の圧力の平衡を保つ729ために、頸静脈から腕頭静脈939までの流動を制限するステップを含む。方法701はさらに、圧力を感知するステップ715と、圧力センサ805のうちの1つ以上のものを介して感知される715圧力に従って、流動の制限を調節するステップ735とを含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、制限器801は、膨張可能バルーンを含み、流動を制限するステップ717は、制限器を膨張させるステップを含む。随意に、感知するステップ715は、圧力センサ805に通信可能に接続されるコンピュータシステムを使用して、実施される。方法701は、感知された圧力に従って、制限器の膨張を周期的に、または継続的に調節するステップ735を含み得る。
【0090】
図10は、浮腫を治療するための関連方法1001を図解する。方法1001は、ポンプを腕頭静脈の中に挿入するステップ1005と、ポンプを動作させ1010、患者の腕頭静脈939を通して流動を増加させるステップとを含む。増加した流動に起因する、患者の頸静脈内の圧力変化が、感知され1015、制限器801が、感知された圧力に基づいて、頸静脈から腕頭静脈939までの流動を制限するように調節される1029。好ましくは、方法1001は、カテーテル105を腕頭静脈939の中に挿入するステップ1005を含む。カテーテル105は、ポンプと、圧力センサ805と、制限器801とを備えている。制限器は、膨張可能バルーンを含み得、制限器を調節するステップ1029は、バルーンを少なくとも部分的に膨張および/または収縮させるステップを含み得る。感知するステップ1015は、圧力センサ805を使用して実施され得る。方法1001は、好ましくは、感知された圧力に従って、制限器の膨張を周期的に、または継続的に調節するステップを含む。方法1001は、ポンプの下流の圧力の平衡を保つために、膨張を調節するステップ1029を含み得る。好ましい実施形態において、ポンプは、カテーテル105の遠位部分115に配置される羽根車アセンブリ201を備えている。カテーテル105の近位部分109が、羽根車アセンブリに動作可能に結合されたモータをその中に有するモータ筐体401に接続される。ある実施形態において、カテーテル105は、圧力を読み取る、または膨張を制御するように動作可能なコンピュータシステムに結合される。
【0091】
本開示の側面および実施形態は、パージシステムまたはパージ液体を使用しない、浮腫の治療のための方法およびデバイスを指す、または含むと理解され得る、パージのないシステムに関する。
【0092】
図11は、パージのないシステムを提供する特徴の詳細図である。パージのないシステムは、近位部分109と、遠位部分115とを備えている、カテーテル105と、カテーテル105の遠位部分115に接続される、羽根車205と、カテーテル105の近位部分109に接続される、モータ405と、カテーテル105を通してモータ405から羽根車205まで延びている駆動ケーブル411と、カテーテル105を通して駆動ケーブル411にわたって延びている不透過性スリーブ121とを含むデバイス101によって提供され得る。
【0093】
スリーブ121は、羽根車に遠位シール435を有する。
図4に戻って参照すると、スリーブ121は、モータ405に近位シール433を有し得る。スリーブ121および少なくとも遠位シール435に起因して、不透過性スリーブ121の外部の体液が、不透過性スリーブ121に進入し、駆動ケーブル411に接触することを防止される。スリーブ121および少なくとも遠位シール435は、駆動ケーブル411から流体を除外する。
【0094】
図4に戻って参照すると、近位シール433(
図4参照)は、1つ以上のOリングを含み得る。同様に、スリーブ121と駆動ケーブル411との間の遠位シール435は、Oリング、またはカラー、または圧入、または延在摩擦嵌合管によって提供され得る。血液または体液が、スリーブに進入し、駆動ケーブル121と接触することを防止する、任意の好適なシールが、含まれてもよい。駆動ケーブル121は、例えば、ニッケルチタン合金または編組鋼鉄ケーブルを含む任意の好適な材料によって提供され得る。血液との接触は、スリーブ121内およびカテーテル105内で自由に(例えば、>5,000rpmにおいて)回転する駆動ケーブル411の能力に干渉し得る、溶血または凝固の危険性を提示するであろう。スリーブは、血液を除外し、したがって、凝固または溶血についての懸念を排除し、駆動ケーブル411および羽根車205が、障害を伴わずに自由に動作することを可能にする。
【0095】
デバイス101の実施形態は、複数の管腔を含み得る。例えば、デバイス101は、第1および第2の膨張管腔415(または単一の膨張管腔415)を含み得る。デバイスは、カテーテル105を通して延びている薬剤管腔251を含み得る。好ましい実施形態において、デバイス101は、両方ともカテーテル105を通して延びている少なくとも、第1の膨張管腔415と、第2の膨張管腔415とを含む。第1の膨張管腔415および第2の膨張管腔415は、モータ筐体401の外側でアクセス可能なそれぞれの第1および第2の近位端416(
図1参照)を有する。第1の管腔および第2の管腔は、好ましくは、平衡をデバイス101に付与するように、駆動ケーブル411を中心として対称的に配置される。示されるように、カテーテルは、パージシステムまたはパージ流体を含まない。
【0096】
図1および3に戻って参照すると、デバイス101は、羽根車筐体203内に着座する羽根車205を含み得る。デバイス101は、少なくとも、カテーテル105の遠位部分115に接続される、第1の拡張可能部材301を含む。第1の拡張可能部材301は、羽根車筐体203に接続され得、デバイス101はさらに、カテーテル105に沿って配置された第2の拡張可能部材801を備えている。第1の拡張可能部材301は、羽根車筐体203の表面に直接接続された環状形バルーンを使用し得る。デバイス101はさらに、羽根車の近位でカテーテル105に沿って配置された少なくとも1つの圧力センサ805を含み得る。パージのない実施形態において、遠位シール435は、不透過性スリーブ121と羽根車205の一部との間の付属品1107を使用して、提供され得、付属品1107は、流体を除外し、羽根車205および駆動ケーブル411が、デバイス101内で回転することを可能にする。描写されるデバイス101は、浮腫の治療のために有用であり、パージのないデバイスとして特徴付けられ得る。パージのないデバイスは、浮腫を治療する方法で使用され得る。
【0097】
図12は、パージのないデバイスを使用して、浮腫を治療する方法1201を図解する。方法1201は、患者の腕頭静脈939の中にカテーテル105の遠位部分115を挿入するステップ1205と、カテーテル105の近位部分109におけるモータ405を用いて、カテーテル105の遠位部分115に接続される羽根車205を駆動するステップ1210とを含む。モータ405は、カテーテル105を通して延びている駆動ケーブル411によって、羽根車に接続205され、それによって、リンパ管907における圧力1217を減少させる。不透過性スリーブ121は、不透過性スリーブの外部の体液が、不透過性スリーブに進入し、駆動ケーブルに接触することを防止されるように、カテーテル105を通して駆動ケーブル411にわたって延びている。不透過性スリーブ121および少なくとも遠位シール435は、流体が不透過性スリーブ121の中に進入し、駆動ケーブル411と接触しないように除外する1215。
【0098】
方法1201は、カテーテル105の遠位部分115に沿って配置される制限器を膨張させ1229、頸静脈から腕頭静脈939の中への流動を制限するステップを含み得る。膨張1229は、不透過性スリーブ121の外側でカテーテル105を通して延びている膨張管腔415をして、実施され得る。いくつかの実施形態において、血液および体液は、駆動ケーブル411と不透過性スリーブ121との間の反発間隙を使用して、駆動ケーブル411から除外される1215。例えば、反発間隙は、間隙の片側の疎水性材料(PTFE)と、反対側の平滑金属シャフト411と、血液成分の流入を防止する間隙寸法とを含み得る。例えば、約0.5μmの間隙寸法が、赤血球、白血球、および血小板の流入を防止するべきである。0.1μmの間隙寸法が、全ての血液および体液を除外する1215ことが見出され得る。駆動ケーブル411は、スリーブ121と同心性ではない場合があるため、好ましくは、間隙寸法は、2つの間の最大間隙である。
【0099】
リンパ管907における減少した圧力は、リンパ系から循環系の中への排出を促進する。好ましくは、不透過性スリーブ121は、モータ405の筐体における近位シール433と、羽根車205における遠位シール435とを備えている。近位シール433は、血液および体液が、モータ筐体401またはカテーテル105の近位部分109を通して患者から逃散することを防止する。いくつかの実施形態において、遠位シール435は、不透過性スリーブと羽根車の一部との間に付属品を備え、付属品は、流体を除外し、羽根車および駆動ケーブルがデバイス101内で回転することを可能にする。
【0100】
方法1201は、カテーテル105の遠位部分115が腕頭静脈939の中に挿入されている間、モータ筐体401の外側でアクセス可能な近位端を有する膨張管腔415を用いて、カテーテル105に沿って配置された少なくとも1つのバルーン301、801を膨張させるステップを含み得る。種々の実施形態において、近位シール433は、Oリングを使用し、不透過性スリーブ121は、PTFEから成り、駆動ケーブル411は、ニッケルチタン合金等の金属から成り、バルーン301および制限器801のいずれか一方または両方は、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはナイロンから成り得る、またはそれらの材料の任意の組み合わせが、含まれる。方法1201を採用して、血液および体液が、パージ流体またはパージシステムを使用することなく、駆動ケーブル411から除外される1215。
【0101】
他の特徴および利益も、本開示の範囲によって提供される、またはその範囲内である。
【0102】
本開示の方法およびデバイスは、そうでなければ機械的システムの機能に干渉するか、または、他の合併症につながる表面不規則性を形成し得る、血栓症または溶血に関する問題を回避する。例えば、機械的システムは、血液が凝固するときに医学的に最も有益であり得る、または他の凝固関連現象が回避される。故に、凝固、血栓症、溶血、または浮腫を治療するときに存在し得る他の問題を阻止する、本開示のデバイスおよび方法の実施形態が、提供される。
【0103】
ある実施形態は、抗凝固剤からの利益とともに動作するデバイスを提供する。デバイスは、例えば、ヘパリン等の抗凝固剤から成る溶液または懸濁液を用いて洗浄される、ポンプ(例えば、羽根車アセンブリ)を含み得る。ポンプまたは羽根車アセンブリが、カテーテルを介して提供される場合、カテーテルは、ポンプまたはその近傍で抗凝固剤を放出するための管腔、リザーバ、ポート、または他のそのような特徴を含み得る。
【0104】
図13は、血管内ポンプにおいて抗凝固剤を放出する、浮腫の治療のための血管内デバイス101の一部を図示する。デバイス101は、カテーテル105と、カテーテル105の遠位部分115に搭載される、羽根車アセンブリ201と、カテーテル105を通して延び、実質的に羽根車アセンブリ201の入口255で終端する、薬剤管腔251とを含む。デバイス101が、使用されるとき(例えば、羽根車205が、患者の血管内で動作されるとき)、薬剤管腔251から放出される薬剤が、入口255および羽根車アセンブリ201を通して流動する。好ましくは、カテーテル105および羽根車アセンブリは、患者の頸静脈を通した挿入のために寸法を決定される。デバイス101は、薬剤管腔251と流体連通するリザーバを含み得る。リザーバは、例えば、治療ガーニの近傍のラック上にあり、(例えば、ルアーロックを介して)薬剤管腔251と流体連通する、溶液バッグ(別名「IVバッグ」)であり得る。
【0105】
抗凝固剤送達デバイス101のある実施形態において、羽根車アセンブリ201は、その中に回転可能に配置された羽根車205を伴う羽根車筐体203を有する。デバイス101は、好ましくは、カテーテル105の近位端に接続され、カテーテル105を通して延びている駆動ケーブル411を介して、羽根車205に動作可能に接続される、モータ405を含む。薬剤管腔241は、好ましくは、(例えば、駆動ケーブル411を包囲するスリーブ121の外側で)カテーテル105を通して延び、そこから放出される抗凝固剤が、羽根車205または羽根車アセンブリ201を洗浄するように、ポート252で終端し得る。好ましくは、ポート252は、羽根車の近位で羽根車筐体203に位置する。
【0106】
入口255を画定するために、カテーテル105は、管の末端部分の周囲に接続されたキャップ249を伴って、それを通して延びている駆動ケーブルを伴う管を含み得、羽根車筐体203は、羽根車筐体203の中への入口255を画定するように、複数の支柱によってキャップに搭載される。いくつかの実施形態において、キャップ249は、可撓性管の末端を羽根車のシャフトにシールし、ポート252は、キャップ内249に位置する。好ましくは、羽根車筐体は、血管内の羽根車205の動作が、入口255を介して羽根車アセンブリ201の中に、かつ出口258を介して羽根車アセンブリから外に血液を駆動するように、羽根車の遠位部分115の周囲に1つ以上の出口258を含む。
【0107】
デバイス101は、リザーバ内に抗凝固剤を含み得る。デバイス101が、患者の血管の中に挿入され、羽根車205が、動作されるとき、抗凝固剤は、羽根車ケージ201内のポート252から放出され、放出された抗凝固剤は、血液と混合し、回転羽根車205にわたって越流する。任意の好適な抗凝固剤が、使用され得る。例えば、抗凝固剤は、ヘパリン、チロフィバン、ワルファリン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、エドキサバン、エノキサパリン、およびフォンダパリヌクスのうちの1つまたは任意の組み合わせを含み得る。抗凝固剤に起因して、デバイス101は、リンパ管または血管の排出を引き起こすための羽根車を使用して、浮腫の治療のために使用され得る。
【0108】
そのようなデバイスを使用して、本発明の側面は、浮腫を治療する方法を提供する。方法は、ポンプを動作させ、患者の腕頭静脈939を通して流動を増加させるステップと、ポンプの入口において、またはそれに隣接して、抗凝固剤を放出するステップとを含む。ポンプは、カテーテル105の遠位部分115におけるケージ203内に羽根車205を含み得、抗凝固剤は、ケージの近位部分内またはそれに隣接するポート252から放出される。好ましくは、カテーテル105の近位端は、モータ405を備えている筐体で終端し、モータ405は、カテーテル105を通して延びている駆動ケーブルによって、羽根車に動作可能に結合される。方法では、カテーテル105は、それを通して延び、ポートで終端する、薬剤管腔を含む。方法は、薬剤管腔と流体連通するリザーバ内に抗凝固剤を提供するステップと、カテーテル105を患者の血管系の中に挿入し、腕頭静脈939内に羽根車を位置付けるステップと、モータ405を動作させ、羽根車を駆動するステップと、ポートから抗凝固剤を放出することによって、羽根車にわたって抗凝固剤を越流させるステップとを含み得る。好ましくは、ポンプを動作させるステップを含む方法は、リンパ管907における圧力を減少させ、それによって、患者のリンパ系からリンパ液を排出する。ポンプは、カテーテル105の遠位部分115上に羽根車を含み得る。方法は、羽根車の近位部分における109ポートから抗凝固剤を放出するステップ、凝固または血栓症が、抗凝固剤の放出によって羽根車の動作に干渉することを防止するステップ、または両方を含み得る。抗凝固剤は、ヘパリン、ワルファリン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、エドキサバン、エノキサパリン、またはフォンダパリヌクスを含み得る。制限器801、301を使用して、方法は、頸静脈から腕頭静脈939までの流動を制限し、それによって、鎖骨下静脈から腕頭静脈939までの流動を促進するステップを含み得る。
【0109】
図16は、羽根車アセンブリ1601の部分切断図である。羽根車アセンブリ1601は、その中に回転可能に配置された羽根車1605を伴う羽根車筐体1603を含む。拡張可能部材1607が、羽根車筐体1603の外側に取り付けられる。拡張可能部材1607は、拡張状態で描写される。
【0110】
羽根車アセンブリ1601は、羽根車筐体1603を通して血流を促進するように設計され得る。血流を促進するために、羽根車筐体1603は、近位入口1655を含み得る。好ましくは、羽根車筐体1603は、少なくとも4つの近位入口1655を含む。近位入口1655は、略長方形であり得、丸みを帯びた角を含み得る。羽根車アセンブリ1601はまた、遠位出口1658を含み得る。例えば、羽根車アセンブリ1601は、4~5つの遠位出口1658を含み得る。好ましくは、近位入口1655および遠位出口1658は、丸みを帯びた角等の略丸みを帯びた特徴を含む。丸みを帯びた特徴が、羽根車筐体1603を通して流動する血液のための平滑接触表面を提供するため、丸みを帯びた特徴が、好ましい。これは、血液が鋭い表面に衝打するときに生じる血液中の粒子、例えば、血液細胞への損傷の発生を低減させ得る。
【0111】
好ましい実施形態において、拡張可能部材1607が、羽根車筐体1603の外側表面に取り付けられる。拡張可能部材1607は、拡張可能部材1607が拡張状態であるとき、羽根車筐体1603の中への血流を促進する形状を備え得る。いくつかの実施形態において、拡張可能部材1607は、羽根車筐体1603の円周の周囲にD字形リングを形成する。他の実施形態において、拡張可能部材1607は、羽根車筐体1603の円周の周囲にオメガ形リングを形成する。他の実施形態において、拡張可能部材1603は、羽根車筐体1603の周囲に略円形リングを形成する。
【0112】
拡張状態では、拡張可能部材1607の近位面1613が、近位入口1655の遠位部分1615と実質的に整列させられ得る。拡張可能部材1607の遠位面1617が、遠位出口1658の近位範囲1619と実質的に整列させられ得る。
【0113】
好ましい実施形態において、拡張可能部材1607は、エラストマ膜、例えば、ポリウレタン膜を備えている。拡張可能部材1607は、バルーンであり得る。バルーンは、低デュロメータ材料、例えば、<80ショアD硬度、または<70ショアD硬度、または60ショアD硬度未満、または60ショアA硬度~60ショアD硬度のデュロメータから成り得る。
【0114】
拡張可能部材1607は、羽根車筐体1603に対して半径方向に拡張可能である流体的にシールされた空間、すなわち、膨張空間1623を含み得る。羽根車アセンブリ1601は、膨張空間1623をカテーテル1602の管腔に接続する、膨張管1627を含み得る。膨張管1627は、例えば、近位支柱1633と平行に、カテーテル1602と膨張空間1623との間に延び得る。膨張管1627は、(示されるように)近位支柱1633の外部に延び得る。代替として、膨張管1627は、近位支柱1633の内部に延び得る。膨張管1627は、拡張可能部材1607の壁を通して延びていることによって、膨張空間1623と接続し得る。代替として、膨張管1627は、拡張可能部材1607と羽根車筐体1603との間のインターフェースを通して延びていることによって、または羽根車筐体1603の壁を通して延びていることによって、膨張空間1623と接続し得る。流体的にシールされた空間1623は、拡張可能部材1607を拡張するための膨張ポートを備え得る。
【0115】
膨張管1627は、外側表面と、管腔とを備え得る。膨張管1627は、好ましくは、膨張空間1623の中への密閉状態での貫通を提供する。膨張空間1623の中への膨張管1627の貫通は、貫通の領域のシールを備え得る。シールは、溶融または接合動作を含み得る。
【0116】
図17は、羽根車アセンブリ1701の側面図である。拡張可能部材1707、例えば、バルーンが、羽根車筐体1703の外側表面に取り付けられる。拡張可能部材1707は、形状が略環状体であり得る。拡張可能部材1707は、拡張可能部材1707の下の構造を露見させるように目立たない線で描写される。拡張可能部材1707の近位面1713が、遠位入口領域1715にわたって延びている。本構成では、拡張可能部材1707の近位面1713は、漏斗を提供し、羽根車筐体1703の入口に向かって血流を収束させ、それによって、デバイスを通して血流を促進する。
【0117】
羽根車アセンブリ1701は、腕頭静脈の中への挿入のために寸法を決定される。拡張可能部材1707は、展開状態では、拡張可能部材1707が、腕頭静脈の壁に対向し、羽根車筐体1703の中への血流を妨害、誘導、または導くように、寸法を決定される。いくつかの実施形態において、拡張可能部材1707の内径は、羽根車筐体1703の外径と実質的に同等である。拡張可能部材1707の内径は、近位入口の一部にわたって延び得る。本配列は、入口の遠位縁が血流を妨害することなく、血液を羽根車アセンブリ1701の中に流し込むことに役立つ。いくつかの実施形態において、近位入口は、血液細胞の剪断を防止するように丸みを帯びた特徴を伴って略D字形である。
【0118】
拡張可能部材1707は、接合された領域であって、拡張可能部材1707が羽根車アセンブリ1701に接合される、略円筒形区分を備えている、接合された領域を備え得る。いくつかの実施形態において、入口領域は、羽根車と同軸である円錐形要素1737を備え得る。円錐形要素1737は、羽根車の近位にあり得、流動再循環領域を最小限にするように構成され得る。
【0119】
図18は、羽根車アセンブリ1801の例示的入口領域1855を示す。入口領域1855は、円錐形要素1837の表面から半径方向外向きに突出する流動誘導特徴を伴う円錐形要素1837を備えている。流動誘導特徴は、近位支柱と整列させられ得る。駆動要素1839が、円錐形要素1837を通して延び、羽根車アセンブリ1601の内側に配置される羽根車と接続し得る。示される実施形態において、膨張管腔1827が、羽根車アセンブリ1801の外部にある。
【0120】
図19は、内部膨張管腔を伴う入口領域1955を示す。膨張管腔は、羽根車筐体1903の内部にある。膨張管腔は、円錐形要素1937に接続し、それを通して延び得る。膨張管腔は、例えば、羽根車筐体1903の壁を通して延び得る。代替として、膨張管腔は、羽根車筐体1903内で内部に位置し得る。
【0121】
図20は、近位入口2055の詳細図である。近位入口2055は、近位支柱2033によって画定される。近位支柱2033は、互いに平行に延び、羽根車筐体2003の近位部分2041を羽根車筐体2003の遠位部分2043に接続する。近位支柱2033は、カテーテルが患者の身体の内側で動作しているとき、近位支柱2033が、再循環流動パターンを誘発することなく、羽根車筐体2003の中に血流を分離および導き得るように、設計される。近位支柱2033は、近位および遠位周縁2045、2047を含み得る。近位支柱2033および周縁2045、2047は、例えば、略長方形の入口領域2055を画定し得る。いくつかの実施形態において、略長方形の入口領域2055は、曲線長方形の入口を備えている。曲線長方形の入口は、例えば、入口2055の周縁2045、2047の少なくとも一部の周囲に斜角を有し得る。斜角は、血液が羽根車筐体2003の中に流入するための緩やかな移行領域を提供し得る。
【0122】
いくつかの実施形態において、近位支柱2033は、近位支柱2033の長さに沿って実質的に一定の幅を備えている。他の実施形態において、近位支柱2033の幅は、変動し得、例えば、近位支柱2033の幅は、遠位端におけるよりも近位端において大きくあり得る、または逆も同様である。近位支柱2033は、第1の壁厚と、第2の壁厚とを備え得、該第1の壁厚は、該第2の壁厚を上回る。いくつかの実施形態において、近位支柱2033は、テーパ状壁厚を備え得る。
【0123】
好ましくは、羽根車筐体2003は、腕頭静脈を通した容易な通過のために、形状が略円筒形である。羽根車筐体2003は、血流が、羽根車アセンブリ2001内または近傍で再循環または渦等の最小限の擾乱を被るように、羽根車筐体2003を通して血流を操作するための複数の内径を備え得る。例えば、羽根車筐体2003は、第1の内径D1と、少なくとも第2の内径D2とを備え得、第1の内径は、該少なくとも第2の直径を上回る。いくつかの実施形態において、羽根車筐体2003は、内径の変化によって画定される、段階状部分を備え得る。いくつかの実施形態において、羽根車筐体2003は、例えば、一方の端部に向かって羽根車筐体2003の長さに沿った減少または縮小した内径によって画定される、テーパ状直径を備え得る。
【0124】
図21は、長方形の近位入口2155を伴う羽根車アセンブリ2101の側面図を示す。本構成は、入口2147の最遠位領域において、より大きい入口面積を提供することによって、羽根車アセンブリ2101の近位面積における血液の再循環を低減させ得る。
【0125】
図22は、弓状近位支柱2233を伴う羽根車アセンブリ2201を示す。弓状近位支柱2233は、縦方向および半径方向に延びている。いくつかの実施形態において、弓状近位支柱2233は、管状部材を備えている。管状部材は、羽根車筐体2203の近位部分2241を羽根車筐体2203の遠位部分2243に接続して、羽根車アセンブリ2201に溶接され得る。弓状近位支柱2233は、カテーテルシャフトと一体的に羽根車筐体2203の近位部分2241に接続し得る。弓状近位支柱2233は、モノリシック構造を備え得る。モノリシック構造は、3D印刷構造を備え得る。
【0126】
羽根車アセンブリ2201は、複数の管腔を備えている、カテーテルシャフト(図示せず)に遠位に搭載され得、管腔のうちの少なくとも1つは、羽根車筐体2203の外側表面に取り付けられた拡張可能部材2207に密閉状態で接続される。
【0127】
図23は、羽根車アセンブリ2301の近位部分の側面図を示す。羽根車アセンブリ2301の近位部分は、近位ハブ2383と、近位入口2355と、本体区分2385とを含む。近位ハブ2383は、流体、例えば、血液が、近位入口2355の中に導かれるにつれて、円滑な流動パターンを促進するように構成され得る。ハブ2383は、静脈内の容易な移動のために、軸方向断面に略円形外側幾何学形状を備え得る。ハブ2383は、テーパ状幾何学形状を備え得る。例えば、ハブ2383の断面直径は、第1の端部から第2の端部までハブ2383の長さに沿って減少し得る。ハブ2383は、近位直径と、中間直径と、遠位直径とを備え得る、テーパ状外側幾何学形状を有し得、中間直径は、近位直径または遠位直径のいずれかを上回り、近位、中間、および遠位直径の間の移行部は、略平滑である。近位、中間、および遠位直径の間の曲線は、変曲点を伴わなくてもよい。
【0128】
図24は、羽根車アセンブリ2401を図示する。羽根車アセンブリ2401は、その中に回転可能に配置された羽根車2405を伴う羽根車筐体2403を含む。想像線で描写される拡張可能部材2407が、羽根車筐体2403の外側表面に取り付けられ、拡張可能部材2407は、拡張状態で示される。
【0129】
羽根車アセンブリ2401は、羽根車筐体2403を通して血流を促進するように設計される。羽根車アセンブリ2401は、近位支柱2433の近位端の下にフィレット2435を含み、機械的支持を提供し、カテーテルが静脈の内側にあるとき、これらの領域内の血液の再循環を防止し得る。いくつかの実施形態において、近位支柱2433は、それらの遠位端に向かってテーパ化する。
【0130】
図25は、細長い羽根車アセンブリ2501を示す。細長い羽根車アセンブリ2501は、近位入口領域2555から離間された拡張可能部材2507を含む。拡張可能部材2507は、例えば、近位入口領域2555から約1~25cmであり得る。好ましくは、拡張可能部材は、近位入口領域2555から少なくとも1cmである。
【0131】
図26は、羽根車アセンブリ2601の断面図を示す。羽根車アセンブリ2601は、その中に回転可能に配置された羽根車2605を伴う羽根車筐体2603を含む。羽根車アセンブリ2601は、遠位部分2645を含む。遠位部分2645は、略円盤形である先端2647を含み得る。遠位部分2645は、少なくとも部分的に平坦な表面を有し得る。円盤形先端2647は、遠位部分2645の近位表面から離間され得る。
【0132】
羽根車2605は、羽根車筐体2603に対して実質的に固定された軸方向位置を備え得る。遠位部分2645は、羽根車筐体2603に対して実質的に固定された軸方向位置を備え得る。羽根車2605および遠位部分2645の固定された軸方向位置は、遠位部分2645と羽根車2605との間に遠位間隙2651を画定し得る。間隙2651は、好ましくは、5μmを上回る。間隙2651は、10μmまたは20μmを上回り得る。間隙2651は、好ましくは、150μm、120μm、または100μm未満であり得る。理想的に、間隙2651は、25μm~50μmである。
【0133】
図27は、静脈2756の内側の羽根車アセンブリ2601の断面図である。羽根車アセンブリ2701は、内側に羽根車2705を伴う羽根車筐体2703を備えている。羽根車筐体2703は、羽根車筐体2703の外側表面に取り付けられた拡張可能部材2707を有する。
【0134】
羽根車2705は、少なくとも1つのブレード2753を含む。ブレード2753は、近位端と、遠位端とを備えている。羽根車2705のコア径は、近位端と、遠位端とを備えている。コア径近位端は、ブレード2753の近位端の近位にある。コア径遠位端およびブレード遠位端は、実質的に同じの軸方向領域で終端する。コア径は、羽根車2705の近位端において最小であり、コア径の遠位端の近傍で最大である。コア径は、曲線テーパ状表面を備え得る。
【0135】
羽根車2705コア径の近位端は、カフ2761の遠位端から離間され得る。羽根車2705コア径の近位端およびカフ2761の遠位端は、制御された近位間隙を備えている。間隙2751は、好ましくは、5μmを上回る。間隙2751は、10μmまたは20μmを上回り得る。間隙2751は、好ましくは、150μm、120μm、または100μm未満であり得る。理想的に、間隙2751は、25μm~50μmである。
【0136】
羽根車2705は、内径であって、羽根車2705の長さの少なくとも一部を通して延び、羽根車2705と同軸である、内径を備え得る。羽根車2705は、遠位表面の遠位に軸受配列を備え得る。軸受表面は、玉軸受配列、例えば、セラミック軸受配列、またはPTFEまたはPEEK軸受表面配列を含み得る。
【0137】
図28A-Fは、拡張可能部材2807の取り付けおよび折り畳みを図示する。特に、これらの図面は、羽根車筐体2803の外側表面への拡張可能部材2807の取り付け、および拡張可能部材が膨張させられるとき、またはカテーテルが送達または回収されているときの拡張可能部材2807の折り畳みを詳述する。
【0138】
図28Aは、羽根車アセンブリ2801の部分断面図である。鎖線によって区切られ、Bと標識された断面の一部は、拡張可能部材2807の一部を示し、
図28Bで拡大される。拡張可能部材2807は、拡張可能部材2807を羽根車筐体2803と取り付ける、少なくとも1つの結合部2863を含む。結合部2863は、拡張可能部材2807内にシールされた環状空間を生成し得る。
【0139】
結合部2863は、レーザ溶接継手、溶媒溶接継手、接着溶接継手、熱気または加熱表面溶接継手、または任意の他の類似タイプの取り付けを備え得る。結合部2863は、その上に拡張可能部材2807が取り付けられる、羽根車筐体2803の調製された外側表面を備え得る。例えば、羽根車筐体2803は、羽根車筐体2803が、プライミングされた表面、化学的活性化表面、プラズマ活性化表面、機械的研磨表面、レーザアブレーション表面、およびエッチングされた表面、またはテクスチャ加工表面のうちの少なくとも1つを含むように、調製され得る。羽根車筐体2803の調製された外側表面は、表面粗度、パターン化された表面、または高エネルギー表面を備え得る。
【0140】
図28Bを参照すると、拡張可能部材2807は、少なくとも1つの縮径部2867を含み得、縮径部2867は、羽根車筐体2803と接合するために寸法を決定され得る。拡張可能部材2807は、継手遠位端2831と、継手近位端2832とを備え得る。遠位端2831の形状は、拡張可能部材が膨張/収縮されるにつれて(
図28B、28D、および28Eを比較する)、またはカテーテルが静脈の内側で移動されるとき、変化するように構成され得る。特に、継手遠位端2831は、羽根車筐体2803に接合される遠位縮径区画と、縮径部2867と一体的であるが羽根車筐体2803に取り付けられない、遠位移行区画2845とを備え得る。拡張可能部材2807が膨張させられるにつれて、遠位移行区画2867は、内向きに折り畳み得る。継手近位端は、羽根車筐体2803に接合される、縮径部2832と、縮径部と一体的であるが羽根車筐体に取り付けられない、近位移行区画とを備え得る。拡張可能部材2807は、拡張構成で実質的に剛直性であるように構成され得る。拡張可能部材2807は、拡張構成で共形化可能であるように構成され得る。拡張可能部材2807は、ポリウレタン、またはぺバックス、またはナイロン材料から作製され得る。拡張可能部材2807は、ポリテトラフルオロエチレンから作製され得る。
【0141】
図28Cは、拡張可能部材2807が部分的に膨張させられる、羽根車アセンブリ2801の部分断面図である。拡張可能部材2807を示す部分断面図の一部(Dと標識される)が、
図28Dで拡大される。着目すべきこととして、遠位縮径部の形状は、拡張可能部材2807が膨張させられるにつれて変化する(拡張可能部材が部分的に膨張させられる
図28Dを、拡張可能部材が完全に膨張させられる
図28Bと比較する)。
【0142】
図28Eは、適度に膨張させられた拡張可能部材2807を伴う羽根車アセンブリ2801の部分断面図である。拡張可能部材2807を示す部分断面図の一部(Fと標識される)が、
図28Fで拡大される。特に、拡張可能部材2807は、
図28Dに図示される拡張可能部材2807よりも膨張させられる。拡張可能部材2807を膨張させることに応じて、遠位移行区画2845は、外向きに折り畳み、バルーンと筐体2803との間のインターフェースにおける潜在的再循環ゾーンを排除し得る。
【0143】
図29は、血管壁に界面接触するための細長い表面2974を有する拡張可能部材2907を伴う羽根車アセンブリ2901を示す。細長い表面2974は、血管と羽根車アセンブリ2901との間の相互作用を増加させ、血管の内側の羽根車アセンブリの移動を制限する。拡張可能部材2907は、柔軟材料から成り得る。柔軟材料は、ポリウレタンまたはシリコーンであり得る。柔軟材料は、100%~800%伸張し、したがって、細長い表面2974を生成し得る。他の実施形態において、拡張可能部材2907は、内部圧力が増加しても、1つの具体的サイズまたはサイズ範囲まで拡張し得る、非柔軟材料から成り得る。
【0144】
図30は、2部品拡張可能部材3007を伴う羽根車アセンブリ3001を示す。2部品拡張可能部材3007は、柔軟材料から成る第1の部品3065と、非柔軟材料から成る第2の部品3066とを含む。第1の部品3065および第2の部品3066は、膨張のための環状空間を画定するように、相互および羽根車筐体3003に取り付けられ得る。好ましくは、拡張可能部材3007の第1の部品3065は、カテーテルの動作の間に血液静脈壁と相互作用する、拡張可能部材3007の一部を備えている。
【0145】
図31は、カテーテル3101の遠位部分の部分断面図である。カテーテル3101の遠位部分は、羽根車筐体3103の外側表面に搭載された拡張可能部材3107を伴って、羽根車筐体3103に取り付けられる。羽根車筐体3103は、複数の近位支柱3133によってカテーテル3101の遠位部分に接続される。近位支柱3133は、好ましくは、患者の静脈の内側でより容易なナビゲーションを提供するように、可撓性材料、例えば、ラテックス、シリリコーン、またはテフロン(登録商標)から成る。近位支柱3133は、解剖学的曲率に共形化するように構成され得る。モータを羽根車筐体3103の内側に配置される羽根車に接続する、駆動シャフト3139は、可撓性駆動ケーブルを備え得る。
【0146】
図32は、自己拡張式羽根車アセンブリ3201の部分断面図である。羽根車アセンブリ3201は、その中に配置された羽根車3205を伴う羽根車筐体3203を備えている。拡張可能本体3207が、近位入口3255と遠位出口3258との間の羽根車筐体3203の表面に取り付けられる。
【0147】
拡張構成では、拡張可能本体3207は、静脈の縦方向区画にわたって静脈壁に対向するように構成される。並置の縦方向区画は、近位入口3255の近位に延びている。並置の縦方向区画は、遠位入口3258の遠位に延びている。拡張可能本体3207は、血管壁との並置の領域から入口3255の遠位端まで延びている近位流動誘導漏斗を提供するように構成される。近位流動誘導漏斗は、近位入口3255への進入において収束流動パターンを促進するように構成される。拡張可能本体3207は、出口3258の近位領域から血管壁との並置の領域から入口3255の遠位端まで延びている遠位流動誘導漏を出口3258の遠位端に提供するように構成され得る。遠位流動誘導漏斗は、出口3258の退出において分岐流動パターンを促進するように構成され得る。分岐流動パターンは、出口の遠位で流体の段階的減速を付与し、再循環を低減させること、または負の速度流動パターンによって、羽根車3205によって発現される、より大きい割合の圧力獲得を維持するように構成され得る。
【0148】
拡張可能本体3207は、ニチノール膜、非柔軟膜、または多孔質膜を備え得る。拡張可能本体3207の縦方向区画は、柔軟材料から成り得る。好ましくは、拡張可能本体3207の流動誘導漏斗は、比較的にあまり柔軟ではない材料(または半柔軟材料または非柔軟材料)から成る。
【0149】
カテーテル3200は、拡張可能本体3207に取り付けられ、身体からのカテーテル3200の除去に備えて拡張可能本体3207の圧潰を促進する促進する、複数のプルワイヤ3279を備え得る。
【0150】
図33は、羽根車アセンブリ3301の部分断面図を示す。羽根車アセンブリ3301は、羽根車アセンブリ3301の近位部分3341を羽根車アセンブリ3301の遠位部分3343に取り付ける、近位支柱3333を備えている。少なくとも1つの近位支柱3333は、近位支柱3333を通して、羽根車アセンブリ3301の外側表面に取り付けられる拡張可能部材3307の内部まで延びている膨張管腔、すなわち、統合膨張チャネルを備えている。膨張管腔は、拡張可能部材3307を膨張させるための構造を提供する。膨張管腔は、好ましくは、筐体の内側の流動への妨害を最小限にするように、入口内で終端される。これは、より近位に位置付けられた拡張可能部材3307によって促進される。
【0151】
図34は、羽根車アセンブリ3401の入口3433を示す。入口3433は、アセンブリ3401の中へのより容易な流体流を提供するように構成される。本構成は、少なくとも1つの流域3481を伴う近位ハブ3480を含む。流域3481は、近位ハブ3480の近位領域から延び、入口3433で終端する。流域3481は、第1および第2の支柱3433、3434の間に延びている。流域3481は、入口の上流の血流を変調させるように構成され得る。例えば、流域3481は、入口3433に向かって流域3481の長さに沿って次第に内向きに傾斜し得る。
【0152】
図35は、例示的カテーテルシステム3500である。特に、
図35は、本発明の側面による、カテーテル3500を図示し、カテーテル3500の羽根車アセンブリ3501と血管壁3556との間の相互作用を示す。カテーテル3500は、羽根車アセンブリ3501と、カテーテルシャフト3581と、近位拡張可能部材3508と、ハブ3583と、モータ(図示せず)とを含む。
【0153】
羽根車アセンブリ3501は、羽根車アセンブリ3501から患者の外部の位置まで延びているシャフト3581を伴って、血管の内側に設置するために寸法を決定される。シャフト3581は、多重管腔シャフトを備え得る。第1の近位拡張可能部材3508が、シャフト3581に取り付けられ、羽根車アセンブリ3501への血流を制限するように構成され得る。
【0154】
モータが、羽根車アセンブリ3501内に収納される羽根車に接続され得、高RPMにおいて羽根車を駆動するように構成され得る。羽根車アセンブリ3501は、羽根車筐体3503の外側表面上に搭載され、例えば、拡張可能リングのように、羽根車筐体3503に巻着する、遠位拡張可能部材3507を備え得る。遠位拡張可能部材3503は、カテーテルの動作の間に血管壁3556に並置するように構成され得る。
【0155】
近位拡張可能部材3508は、羽根車アセンブリ3501の近位でカテーテルシャフト3581上に搭載され得る。近位拡張可能部材3508は、羽根車アセンブリ3501から離間され得る。例えば、近位拡張可能部材3508は、羽根車アセンブリ3501の上流で1~10cm、好ましくは、約5cm以下の距離であり得る。
【0156】
近位拡張可能部材3508は、血管アクセス部位と胸管3585の流出ポートとの間の設置(膨張)のために寸法を決定され得る。拡張可能部材3507、3508は、好ましくは、血管壁に非外傷的に接触するように構成される。
【0157】
いくつかの実施形態において、近位拡張可能部材3508は、血流を妨害することによって、血管内で流動する血液の体積を低減させるように構成され得る。近位拡張可能部材3508は、血流を妨害、制限、誘導、または導くことによって、血管内で流動する血液の体積を調節するように構成され得る。例えば、近位拡張可能部材3508は、拡張可能部材3508が拡張状態である間、流体が拡張可能部材3508を横断して流動するためのオリフィスを含み得る。例えば、オリフィスは、実質的に、拡張可能部材3508の本体を通して管腔を伴う環状リングまたは三日月形のうちの1つを備え得る。オリフィスは、拡張可能部材3508の外側表面内に谷または陥凹を備え得る。オリフィスは、拡張可能部材3508の下にチャネルを備え得る。拡張可能部材3508は、オリフィスを画定する形状を備え得る。例えば、拡張可能部材3508は、少なくとも部分的に球形、円錐形、または円筒形として成形され得、オリフィスは、環状リングまたは三日月形を備えている。拡張可能部材3508の形状は、例えば、二重D字形を備え得、オリフィスは、2つの接合形状の間の表面によって画定され得る。拡張可能部材3508は、カテーテルシャフト3581に巻着される螺旋形を備え得、オリフィスは、隣接する螺旋の間の空間によって画定されるチャネルを備え得る。
【0158】
近位拡張可能部材3581は、柔軟材料から成り得、柔軟材料は、柔軟性・圧力関係を備え得る。拡張可能部材3581は、柔軟性・圧力関係が繰り返し可能であるように、処理され得る。拡張可能部材3581は、焼鈍された部材を備え得る。拡張可能部材3581は、所与の圧力において精密な直径を達成するように構成され得る。拡張可能部材3581は、膨張させられ、収縮され、再び膨張させられるとき、最小限のヒステリシスを有するように構成され得る。
【0159】
ハブ3583は、遠位拡張可能部材3507の膨張を促進するように構成され得、近位拡張可能部材3508を少なくとも部分的に膨張させるように構成され得る。例えば、ハブ3583は、カテーテルシャフト3581を通して延び、近位および/または遠位拡張可能部材3508、3507に接続する、1つ以上の管腔へのアクセスを含み得る。拡張可能部材は、ハブ3583において管腔の中に流体を注入することによって、膨張させられることができる。ハブ3583は、腕頭血管と並置するように近位拡張可能部材3508を膨張させるように構成され得る。
【0160】
デバイスは、カテーテルをコンソール(図示せず)に接続するように構成される、コネクタケーブル3585を備え得、コンソールは、ハードウェア、ソフトウェア、およびユーザインターフェースを伴うコンピュータを備え得る。コンソールは、デバイスを動作させるように構成されることができる。
【0161】
図36は、カテーテル3600のシャフト3681に沿って摺動可能に搭載された拡張可能部材3608を伴うカテーテル3600を示す。カテーテル3600は、第1のカテーテルシャフト3681と、第2のカテーテルシャフト3682とを備えている。カテーテル3600は、第1のカテーテルシャフト3681の遠位端に取り付けられた羽根車アセンブリ3601を含む。近位拡張可能部材3608は、該第2のカテーテルシャフト3682の遠位端の近傍に搭載される。
【0162】
第1のカテーテルシャフト3681は、第1の管腔が、遠位拡張可能部材3607の膨張を促進するように構成され、第2の管腔が、機械または電気エネルギーを伝達し、羽根車アセンブリ3601内に配置される羽根車の動作および制御を促進するように構成される、多重管腔管類を備え得る。
【0163】
第2のカテーテルシャフト3682は、第1の管腔が、第1のカテーテルシャフト3681をカプセル化するように構成され、第2の管腔が、近位拡張可能部材3608を膨張させるように構成される、多重管腔管類を備え得る。第1および第2のカテーテルシャフト3681、3682は、遠位拡張可能部材3607と近位拡張可能部材3608との間の相対軸方向移動(矢印によって示される)を促進するように構成され得る。相対軸方向移動は、遠位に限定され得る。相対軸方向移動は、近位に限定され得る。カテーテル3600は、第1の停止部と、第2の停止部とを含み得、第2のシャフト3682の軸方向移動が、第1および第2の停止部によって限定され得る。第1のおよび第2の停止部は、患者の外部で(ハブの内側または周囲で)第1のシャフト3681上に搭載され得る。軸方向移動は、微細な移動を含み得る。微細な移動は、例えば、ねじ山またはラチェット機構を備え得る。
【0164】
遠位拡張可能部材3607と近位拡張可能部材3608との間の相対軸方向移動が、より良好な解剖学的設置、すなわち、腕頭静脈内の遠位拡張可能部材3607の正確な設置、次いで、血管壁アクセス部位と胸管との間の近位拡張可能部材3608の正確な設置を提供し得る。
【0165】
第1および第2のシャフト3681、3682は、患者の外部に延び得る。第2のシャフト3682は、使用の間に第1のシャフトに結合および分断され得る。圧潰状態では、カテーテルは、弁およびシースの管腔を通した前進のために寸法を決定され得る。第2のシャフト3682は、遠位区画と、近位区画とを備え得る。遠位区画は、近位拡張可能部材が、膨張管腔と流体連通する拡張可能部材3607内に膨張空間を生成するように、遠位区画に密閉状態で溶接(接合)された状態で、管状部材と、膨張管腔とを備え得る。
【0166】
第2のシャフトの近位区画は、膨張管腔と、軸方向押動および引動力を第2のシャフト3682の遠位区画に伝達するように構成される部材とを備え得る。第2のシャフトの近位区画は、第1のシャフトと同心性または偏心性であり得る。近位区画の膨張管腔は、第2のシャフトの近位区画の壁と一体的であり得る。
【0167】
図37は、制御された量の血流を可能にする、拡張可能部材3708を横断する流体チャネルを示す。近位拡張可能部材3708は、血管壁に対向するように構成され得る。近位拡張可能部材3708は、流動チャネル3706であって、拡張可能部材3708の本体を通して管腔を画定する流動チャネル3706を備え得る。流動は、黒色矢印によって示される。流動チャネル3706は、圧潰状態と、拡張構成とを備え得る。流動チャネル3706は、拡張可能部材3708が膨張させられるときに拡張するように構成され得る。拡張可能部材3708は、少なくとも1つの内側膜を備え得、内側膜は、拡張状態で本体流動チャネル3706を支持するように構成され得る。近位拡張可能部材3708は、1分あたり100mlまたはそれを上回る流体が拡張可能部材3708を横断することを可能にするように構成され得る。
【0168】
図38は、代替バイパスチャネル3806を伴うカテーテル3800を示す。第2のシャフト3882は、遠位端および近位端を伴う管状部材と、遠位および近位端の両方を通して延びている管腔3883とを備えている。管腔3883は、遠位区画内の膨張させられた拡張可能部材3808の下に流体流経路を提供するように定寸され得る。第2のシャフト3882は、第2のシャフト3882の遠位区画の近位端に進入ポート3885を備え得、進入ポートは、該流体流経路の中への血流を促進するように構成され得る。
【0169】
図39は、原位置にシース3904を伴う患者インターフェース3900を示す。近位拡張可能部材、流動進入ポート、および圧力センサが、シース上にあり得る。カテーテルシステムは、カテーテルと、流動制御シース3904とを備え得、カテーテルは、伸長シャフトの遠位端に羽根車アセンブリを備え、流動制御シース3904は、流動制限器と、流体チャネルと、圧力センサとを備えている。
【0170】
システムは、患者3908の静脈の中への経皮挿入のために構成され得る。カテーテルの挿入は、頸部の領域の経皮挿入を含む。流動制御シース3904は、システムの他の構成要素のためのアクセスプラットフォームを提供するように、設置のために構成され得る。流動制御シース3904は、先端に隣接して流動制限器を備え得る。流動制限器は、拡張状態と、圧潰状態とを備え得る。圧潰状態では、流動制限器は、シースのシャフト上に完全に圧潰するように構成され得る。圧潰状態では、流動制限器のODは、シースのシャフトと実質的に同じであり得る。制限器は、圧潰構成時の流動制御シースのシャフトの直径内の環状陥凹内に着座し得る。拡張構成では、流動制限器は、頸静脈を通して流体流を少なくとも部分的に制限するように構成され得る。流動制限器は、頸静脈を通した流量を制御するように構成され得る。流動制限器は、手技の間に流動制御シースの不慮の変位を防止するように構成され得る。
【0171】
流動制御シースは、圧力センサを備え得、圧力センサは、制限器の上流の静脈内の圧力を測定するように構成され得る。シースは、シースの壁内に管腔を備え得、圧力センサは、該管腔内に位置付けられ得る。圧力感知管腔は、ポートを備え得、ポートは、静脈内の血液と圧力センサとの間に流体静力学接続を確立するように構成され得る。圧力センサおよび圧力感知管腔は、圧力感知管腔の中への血流浸入を防止するように定寸され得る。
【0172】
図40は、接着膜4010によって原位置で保持されたシース4004を伴う患者インターフェース4000を示す。接着部材4010は、アクセス部位の周囲の無菌領域を維持することに役立ち、シース4004のハブ4080を皮膚に固着させる。これは、偶発的な力によって生じさせられる4080の移動による患者への刺激を低減させる。膜4010は、第2または三次層が追加されることを可能にし、シース4004またはカテーテルの種々のシステム要素の全てをともに、または皮膚に結び付けるように、成形され得る。
【0173】
図41は、流動制御シース4150を示す。示されるものは、いくつかの好ましい実施形態による、流動制御シース4150の種々の特徴である。特に、流動制御シース4150は、制限器4151(膨張状態で示される)と、シース先端4152と、ポート4153と、圧力センサ4154と、シースシャフト4155と、ハブ4159であって、圧力センサ導線4156と、膨張側ポート4157と、洗浄および注入側ポート4158とを含むハブ4159とを含み得る。少なくとも1つの縫合孔が、患者への固定を促進するように、ハブ4159に追加され得る。
【0174】
図42は、カテーテルシステム4200の近位部分を示す。
図40に説明されるカテーテルに類似するカテーテル4269が、カテーテルシース4280内に配置される。カテーテル4269は、シャフト4270と、近位拡張可能部材4271(拡張状態で描写される)と、カテーテル圧力センサ4273とを含む。シース4280は、シース先端4272と、シース圧力センサ4274と、シースシャフト4275と、圧力センサ導線4276と、膨張側ポート4277と、ハブ4278とを含む。
【0175】
図43は、療法中にカテーテルシャフト4392をシース4390のハブ4391に固定するための係止機構4300を図示する。係止機構4300は、アーム4396の遠位端に取り付けられたカテーテルシャフトグリップ4395を伴うアーム4396を含む。係合されたとき、カテーテルシャフトグリップ4395は、カテーテルシャフト4392に取り付けられ、移動を防止する。係止機構4300は、療法の間、上で説明されるカテーテルシステムの遠位拡張可能部材の移行を防止するので、有利である。係止機構4300は、手技の少なくとも一部の間、カテーテルシャフト4392をシース4390に係止するように構成される。
【0176】
係止機構4300は、容易な係合および係脱のために構成され得る。係止機構は、カテーテル遠位バルーンとアクセスシース4390との間の相対移動を防止するように構成され得る。係止機構4300は、係止機構4300上にクリップ4395を備え得、構4300上のクリップは、シャフト4392の片側からカテーテルシャフト4392上にクリップ留めされるように構成され得る。係止機構4300は、固定が要求されるとき、係止機構4300が定位置に摺動し得るように、カテーテルシャフト4392上に事前搭載され得る。
【0177】
係止機構は、シースと一体的であり得る。係止機構は、随意に、シースに取り付けられ得る。好ましくは、係止機構は、Tuohy Borst型係止機構であり得る。
【0178】
図44は、カテーテルシャフトと係合された係止機構4300を示す。
【0179】
図45は、プッシュロック機構4500の概略図を示す。
【0180】
図46は、代替係止機構4600を示す。係止機構4600は、シース4690のハブ4691に取り付けられたアーム4696を含む。アーム4696は、アーム4696の遠位端に取り付けられたカテーテルシャフトグリップ4695を含む。係合されたとき、カテーテルシャフトグリップ4695は、カテーテルシャフト4692に取り付けられ、移動を防止する。係止システムのさらなる実施形態は、シースの近位でカテーテルシャフトにわたって固定され得る、C字形シャフトを含み得る。シャフトは、シャフトがシースハブの中に摺動されるとき、カテーテルシャフトODとシースIDとの間に締まり嵌めを生成するように、構成されるであろう。
【0181】
図47は、その中に挿入された流動制御シース4750を示す、頸静脈4752の部分切断図である。シース4750の制限器4751は、制限器4751が頸静脈4752の壁に対向している展開状態で示される。好ましい位置では、シース4750のシャフト4755は、鎖骨下静脈4753および胸管4756の接合点に隣接して終端する。ハブ4759は、頸静脈4752の外部にある。
【0182】
図48は、本発明の側面による、留置カテーテルシステム4800を示す。留置カテーテルシステム4800は、その遠位部分に搭載された羽根車アセンブリ4861を伴うカテーテルシャフト4851を含む。カテーテルシャフト4851は、カテーテルシャフト4851の外側表面に取り付けられた近位拡張可能部材4850を含む。近位拡張可能部材4850は、流体が制御可能な率において近位拡張可能部材4850を迂回することを可能にする、流動チャネル4854を備えている。
【0183】
図49は、カテーテルシャフト4851の内部管腔を露見させるように
図48の線A-Aに沿って得られた断面図である。内部管腔が、カテーテルシャフト4851を通して内部に延びている。示されるものは、近位拡張可能部材4850を膨張させるために使用される流体、すなわち、ガスまたは液体を送達するための近位拡張可能部材管腔4901である。別個の遠位拡張可能部材管腔4902が、流体を送達し、遠位拡張可能部材4862を膨張させるために提供される。別個の管腔は、近位および遠位拡張可能部材4850、4862が、療法的治療の間に相互から独立して操作されることを可能にする。圧力センサ管腔4966が、カテーテルシステム4800上に配置される1つ以上の圧力センサを用いて、電気信号を感知および受信するために提供される。1つ以上の補強管腔4930が、カテーテル4800が身体を通してより容易にナビゲートされ得るように、カテーテル4800を補強するために提供され得る。
【0184】
図50は、留置カテーテル5000である。カテーテル5000は、機械的構成要素、例えば、羽根車5005および/または駆動シャフト5007と、パージシステムとを含む。パージシステムは、動作し、カテーテル5000およびカテーテル5000内で動作する機械的構成要素から生物学的流体および物質を除外する。そのように、体液が、カテーテル5000の割れ目に進入することを防止され、カテーテル5000内で、機械的部品、例えば、羽根車5005および駆動シャフト5007の円滑で効率的な動作を確実にする一方、また、患者の体液が、カテーテルから漏出し得る、患者の身体の外側のカテーテル5000の近位部分まで進行することを防止する。パージシステムはさらに、空気が同じのチャネルを通して静脈に進入することを防止するであろう。
【0185】
カテーテル5000は、静脈系の領域内の圧力を低減させるために使用され得る。カテーテル5000は、カテーテル5000の遠位端に搭載される羽根車アセンブリ5009を含む。羽根車アセンブリ5009は、拡張可能部材5013と、入口領域5017および出口領域5019を伴うケージ5015と、その中の羽根車とを備えている。羽根車5005は、ケージ5015内で高RPMにおいて回転し得る。羽根車5005はさらに、遠位表面と、近位表面と、羽根車ブレード表面とを含み得る。遠位表面、近位表面、および羽根車ブレード表面は、ケージの内側の隣接表面に近接近するが、該隣接表面に接触することなく、回転するように構成される。
【0186】
羽根車アセンブリ5009はさらに、カフ5023を備え得る。カフ5023は、遠位表面5025と、近位表面5027とを含み得る。羽根車5005は、カフ5023の遠位表面の遊隙内で回転し得る。
【0187】
カフ遠位表面5025と羽根車5005との間の遊隙は、近位間隙5029を備え、近位間隙5029は、動作の間に固定されたままであるように構成される。近位間隙5029は、静的カフと回転羽根車5005との間に移行部を画定するように構成される。近位間隙5029は、血液が、流動擾乱、流動再循環、または渦を伴わずに、近位間隙5029を横断して流動することを可能にするように構成される。近位間隙5029は、患者の外部の流体リザーバと流体連通する、カテーテル管腔と流体連通し得る。近位間隙5029は、血流が近位間隙5029に進入することを防止するように構成され得る。
【0188】
好ましい実施形態において、近位間隙5029は、血液が近位間隙に進入することを防止するように構成される、抵抗流体圧力を含む。例えば、抵抗流体は、流体リザーバから患者の外部に送達されるパージ流体であり得る。パージ流体は、例えば、共同所有された米国仮出願第62/629,914号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、近位間隙5029をパージまたは洗浄し、残渣を一掃するために使用されることができる。抵抗流体圧力は、流体圧力のパルスを含み得る、流体静水圧を含み得る。流体圧力は、生理食塩水、デキストロース、またはヘパリン溶液を含み得る、溶液を含む。
【0189】
パージ溶液の粘度は、小さい間隙およびオリフィスを効果的にパージするように合わせられ得る。溶液はまた、パージ表面との血液接触を防止するように、血液と非混合性であり得る。例えば、溶液は、疎水性溶液であり得る。いくつかの実施形態において、近位間隙5029は、例えば、ばね荷重シール等のシールを含み得る。
【0190】
羽根車5005の最遠位表面と軸受筐体5033を備えている先端5031との間の遊隙は、遠位間隙5041を備え得、遠位間隙5041は、動作の間に固定されたままであるように構成され得る。遠位間隙5041は、回転羽根車5005と静的先端5031との間に移行部を画定するように構成され得る。遠位間隙5041は、血液が、流動擾乱、再循環、または渦を伴わずに、遠位間隙を横断して流動することを可能にするように構成され得る。
【0191】
好ましい実施形態において、遠位間隙5041は、患者の外部の流体リザーバと流体連通する、カテーテル管腔と流体連通する。遠位間隙5041は、例えば、上記に議論されるように、流体リザーバからパージを提供することによって、血流が遠位間隙に進入することを防止するように構成され得る。遠位間隙5041は、血液が遠位間隙に進入することを防止するように構成される、抵抗流体圧力を備え得る。抵抗流体は、流体静水圧を備えている。抵抗流体圧力は、流体圧力のパルスを備えている。流体圧力は、溶液、例えば、生理食塩水、デキストロース、またはヘパリン溶液から成る。パージ溶液の粘度は、小さい間隙およびオリフィスを効果的にパージするように合わせられ得る。溶液はまた、パージ表面との血液接触を防止するように、血液と非混合性であり得る。溶液は、疎水性溶液であり得る。遠位間隙5041は、例えば、ばね荷重シール等のシールを備え得る。
【0192】
図51は、本発明のある実施形態による、
図50の点線の円Bの拡張図である。本実施形態において、流体が、デバイスの中心管腔に沿って延びているパージチャネル5101から送達される。パージチャネルは、カテーテルの中心管腔を包囲する、PTFEライナの外部にあり得る。
【0193】
図52は、本発明の別の実施形態による、
図50の点線の円Bの拡張図である。本実施形態において、パージ流体が、拡張可能部材5013を膨張させるために使用される管腔を通して進行するパージチャネル5201を介して、患者の外部のリザーバから送達される。パージチャネル5201は、駆動ケーブルのPTFEライナの外部にある。
【0194】
図53は、本発明の異なる実施形態による、
図50の点線の円Bの拡張図である。本実施形態において、パージ流体が、パージチャネル5301から送達され、パージチャネル5301は、駆動管腔を包囲するPTFEライナを通して延びている。
【0195】
図54は、留置カテーテル5400の遠位洗浄を図示する。洗浄、すなわち、パージ流体が、拡張可能部材5407の管腔5403を介して送達される。パージは、管腔5403を通し、遠位軸受筐体5411を通して進行し、カテーテルの軸受の中への血液溢流を防止する。パージ流体は、遠位間隙5431の中に流入し、血液を洗い流し、遠位間隙5431を充填することを防止する。パージ流体は、第2の管腔5437を辿って近位間隙5439まで進行し、近位間隙5439から血液を洗い流す。
【0196】
図55は、異なる実施形態による、留置カテーテル5500の遠位洗浄を図示する。本実施形態において、パージ流体は、拡張可能部材5507を膨張させるための管腔と別個かつ明確に異なる、パージ管腔5505を介して送達される。パージは、パージ管腔5505を通して遠位軸受筐体5511の中に進行し、それによって、カテーテルの軸受の中への血液溢流を防止する。パージ流体は、遠位間隙5531の中に流入し、血液を洗い流し、遠位間隙5531を充填することを防止する。パージ流体は、次いで、第2の管腔5537を辿って近位間隙5539まで進行し、近位間隙5539から血液を洗い流す。
【0197】
図56は、パージシステムを伴う留置カテーテル5600を示す。カテーテル5600は、パージ流体を運搬し、カテーテル5600アセンブリの同心性を維持するために最適化される、中心管腔5603を含む。中心管腔5306の内部構造は、種々の構成を有することができ、そのうちのいくつかは、線A-Aに沿ってカフ5606を通して得られた断面図で下記に詳述される。
【0198】
図57は、本発明の一実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔5603の断面図を示す。本実施形態において、パージチャネル5709が、モータをデバイスの羽根車に接続する、駆動シャフト5711の外部にある。パージチャネルと駆動シャフト5711との間に、外形押し出し部5713がある。外形押し出し部押し出し5713は、いくつかの突起5715、例えば、少なくとも2つの突起5715、好ましくは、3つの突起5715を含み、突起5715は、駆動シャフト5711を包む中心ハブ5717から外向きに延びている。外形押し出し部5713は、パージ断面積を最適化し、また、アセンブリ同心性を維持することにも役立つ。
【0199】
図58は、本発明の異なる実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔5603の断面図を示す。本実施形態において、パージチャネル5809が、モータをデバイスの羽根車に接続する、駆動シャフト5711と関連する。パージチャネル5809は、外形押し出し部5813によって画定される。外形押し出し部押し出し5813は、いくつかの突起5815、例えば、少なくとも2つの突起5815、好ましくは、3つの突起5815を含み、突起5815は、駆動シャフト5711を包む外側ハブ5817から内向きに延びている。外形押し出し部5813は、パージ断面積を画定および最適化し、アセンブリ同心性を維持する。
【0200】
図59は、本発明の別の実施形態による、
図56の線A-Aに沿って得られた中心管腔5603の断面図を示す。本実施形態において、中心管腔5603は、モータをデバイスの羽根車に接続する、コイル駆動シャフト5905を収納する。パージチャネル5909が、コイル駆動シャフト5905を包囲する。パージチャネル5909は、コイル駆動シャフト5905を包む外側ハブ5911によって画定される。
【0201】
図60は、ケージ入口6003の最適化されたガイド表面6001を示す。
図27を参照すると、最適化されたガイド表面6001は、外側境界表面6015と調和して羽根車6011に向かってテーパ化する、カフ6007の一部を備えている。最適化されたガイド表面6001は、軸方向運動量を維持し、ケージアセンブリ6021の中に流入する流体6017の再循環を防止する。特に、最適化されたガイド表面6001は、流動場収束を生成し、入口領域6003内の流体収束を最小限にする様式でテーパ化する。最適化されたガイド表面6001は、曲線テーパ状区分を備え得る。最適化されたガイド表面6001は、入口6003の長さに沿って断面積を円滑に低減させるように構成され得る。例えば、入口6003の長さに沿った最適化されたガイド表面6001の断面積の変化は、約1mm
2未満またはそれと等しくあり得る。最適化されたガイド表面6001は、曲線テーパを備え得る。最適化されたガイド表面6001は、円筒形区分を備え得る。最適化されたガイド表面6001は、略円錐形区分を備え得る。
【0202】
いくつかの実施形態において、外側境界表面6015は、入口領域6003の少なくとも一部にわたってテーパ化する。
図17を参照すると、外側境界表面6015は、拡張可能部材の近位表面を備え得る。代替として、外側境界表面6015は、ケージの内側表面を備え得る。
【0203】
図61は、準最適ガイド表面6105を示す。準最適ガイド表面6105は、入口領域6111の中に流入する流体の流動6107に擾乱を引き起こし得る。特に、準最適ガイド表面6105は、
図60の最適化されたガイド表面6017と比較して、より急勾配の外形を備えている。より急勾配の外形は、軸方向運動量および、入口領域6111の中に流入する血液の流体収束に変化を引き起こす。流動6107のこれらの擾乱は、最適化されたガイド表面6017によって防止される。
【0204】
図62は、ケージ入口6201を示す。図示されるものは、流体流6207が最適化されたガイド表面6017に沿って入口6201と整列させられる、最適な構成である。流動6207は、主に、円滑に流動する入口6201を促進する回転成分を伴わずにX方向にある。
【0205】
図63は、準最適入口6301構成を示す。この準最適構成は、再循環を引き起こし、入口内の流動を失速させる、急勾配のガイド表面6105を含む。速度の回転成分が、入口支柱6215の下の流動を支配および搬送する。この現象は、入口6301内に妨害された流動6217を生成し、羽根車に向かって流動を誘導する入口6301の有効性を低減させる。
【0206】
(参照による組み込み)
特許、特許出願、特許公開、定期刊行物、書籍、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書の参照および引用が、本開示の全体を通して行われている。全てのそのような文書は、あらゆる目的のために参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0207】
(均等物)
本発明およびその多くのさらなる実施形態の種々の修正が、本明細書に示され、説明されるものに加えて、本明細書で引用される科学および特許文献の参照を含む本書の全内容から当業者に明白であろう。本明細書の主題は、その種々の実施形態およびその均等物において本発明の実践に適合され得る重要な情報、例示、および指針を含む。