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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177533
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】バスバーアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20241212BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/48 F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024177020
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2020169140の分割
【原出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】小谷 哲之
(57)【要約】
【課題】装着される半導体素子等の電気素子に対する陽極及び陰極として作用するバスバーアッセンブリであって、前記電気素子を保護する為の封止樹脂体用の枠体を有しつつ、平面方向及び厚み方向に関し小型化を図り得るバスバーアッセンブリを提供する。
【解決手段】本発明に係るバスバーアッセンブリは、平面状の導電性バスバーと、バスバーの上面に設けられた絶縁性樹脂フィルムと、バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するようにバスバーの上面に絶縁性樹脂フィルムを介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された導電性枠体とを備え、絶縁性樹脂フィルムには、バスバーの上面のうち収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口が設けられ、バスバー及び枠体は、それぞれの外表面全体が露出されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの上面に設けられた絶縁性樹脂フィルムと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記絶縁性樹脂フィルムを介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、
前記絶縁性樹脂フィルムには、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口が設けられ、
前記バスバー及び前記枠体は、それぞれの外表面全体が露出されていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項2】
導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの上面に設けられた絶縁性樹脂フィルムと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記絶縁性樹脂フィルムを介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、
前記絶縁性樹脂フィルムには、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口が設けられ、
前記バスバーは、外表面全体が露出され、
前記枠体は、前記絶縁性樹脂フィルムに接する下面以外の外表面が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、
前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記素子搭載領域に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項3】
導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの外表面全体を覆うバスバー側絶縁性樹脂塗膜と、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、
前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜には、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口と、前記バスバーの下面を露出させて、外部と電気的に接続可能なバスバー側外部接続部を形成する開口とが設けられ、
前記枠体は、外表面全体が露出されていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項4】
導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの外表面全体を覆うバスバー側絶縁性樹脂塗膜と、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、
前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜には、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口と、前記バスバーの下面を露出させて、外部と電気的に接続可能なバスバー側外部接続部を形成する開口とが設けられ、
前記枠体は、前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して固着される下面以外の外表面が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、
前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記素子搭載領域に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項5】
導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、
前記バスバーは、外表面全体が露出され、
前記枠体は、外表面全体が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、
前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記収容空間内において前記バスバーの上面に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられていることを特徴とするバスバーアッセンブリ。
【請求項6】
前記素子接続部を形成する開口は前記枠体の内側面の一部を露出させるように構成され、前記枠体側外部接続部を形成する開口は前記枠体の外側面の一部を露出させるように構成されていることを特徴とする請求項2、4及び5の何れかに記載のバスバーアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等の電気素子が装着可能なバスバーアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに対して電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結されている複数のバスバーを備えたバスバーアッセンブリが提案され、種々の分野において利用されている。
【0003】
例えば、一の平板状バスバーと他の平板状バスバーとが互いに対して平行状態で上下に積層されてなる積層型のバスバーアッセンブリが提案されている(下記特許文献1及び2参照)。
【0004】
前記積層型バスバーアッセンブリは、一の平板状バスバーの対向平面と他の平板状バスバーの対向平面とが絶縁性樹脂層を挟んで全面的に対向配置されている為、絶縁性に関する信頼性を十分には確保し難いという問題がある。
特に、上下方向に関し小型化を図る為に前記一の平板状バスバーと前記他の平板状バスバーとの間の絶縁性樹脂層の厚みを薄くすると、両バスバー間にリーク電流が流れる恐れがある。
【0005】
前記積層型バスバーアッセンブリの問題点を解決する為に、本願出願人は、導電性金属平板の第1及び第2バスバーが同一平面内で並列配置されている平面型バスバーアッセンブリに関する出願を行い、特許を受けている(下記特許文献3及び4参照)。
【0006】
図17に、前記平面型バスバーアッセンブリ500に半導体素子(LED)が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図を示す。
図17に示すように、前記平面型バスバーアッセンブリ500は、導電性金属平板の第1バスバー510(1)と、前記第1バスバー510(1)との間に間隙515を存しつつ前記第1バスバー510(1)と同一平面内に配置された導電性金属平板の第2バスバー510(2)と、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)を電気的には絶縁状態で且つ機械的には連結する絶縁性樹脂層520とを備えている。
【0007】
前記絶縁性樹脂層520は、前記間隙515内に充填された間隙充填部525と、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)が前記間隙充填部525によって連結されてなるバスバー連結体の表面上に積層された表面積層部527とを有している。
【0008】
前記表面積層部527は、前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面をそれぞれ覆う第1面側積層部530及び第2面側積層部540と、前記前記バスバー連結体の外側面を覆い、前記第1及び第2面側積層部530、540を連結する側面側積層部550とを有している。
【0009】
前記第1面側積層部530には、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)のそれぞれの上面の所定部分を露出させて第1及び第2素子接続領域511(1)、511(2)を形成する第1及び第2開口531(1)、531(2)が設けられている。
【0010】
前記半導体素子110は、素子本体115と、前記素子本体115の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された上側電極層111及び下側電極層112とを有しており、下側電極層112が前記第1及び第2素子接続領域511(1)、511(2)の一方(図17においては前記第1素子接続領域511(1))に、例えば、メッキ層(図示せず)を介して機械的且つ電気的に接続され、且つ、上側電極層111が前記第1及び第2素子接続領域511(1)、511(2)の他方(図17においては前記第2素子接続領域511(2))にワイヤ120を介して電気的に接続される。
【0011】
前記バスバーアッセンブリ500においては、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の一方(例えば前記第1バスバー510(1))が陽極として作用し、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の他方(例えば前記第2バスバー510(2))が陰極として作用し、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の下面の露出領域が外部との電気接続部を形成している。
【0012】
図17に示すように、前記バスバーアッセンブリ500は、さらに、少なくとも前記第1及び第2素子接続領域511(1)、511(2)を含む部分を平面視において囲むように、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)が前記絶縁性樹脂層520によって連結されてなるバスバー連結体の上面に固着される枠体550を備えている。
【0013】
前記枠体550は、前記半導体素子110及び前記ワイヤ120を囲繞することで保護する封止樹脂体130の為の部品である。
【0014】
前記封止樹脂体130は、前記半導体素子110及び前記ワイヤ120等の部品を囲繞するように当該封止樹脂体130を形成する絶縁性樹脂を前記バスバーアッセンブリ1の上面に塗布して、硬化させることによって設けられるが、塗布した後に硬化されるまでの間に前記樹脂が流れ出ることを防止する必要がある。
【0015】
前記枠体550は、前記樹脂の流出を堰き止めると共に、硬化後の前記封止樹脂体の脱離を防止する。
【0016】
図17に示された前記バスバーアッセンブリ500においては、前記枠体550は、平面視において前記バスバー連結体の外形状に対応した外形状を有し且つ平面視中央に少なくとも前記第1及び第2素子接続領域を囲む中央孔が設けられた所定厚みを有しており、前記枠体550の外周面は絶縁性樹脂層によって覆われている。
【0017】
前記特許文献3及び4に記載の平面型バスバーアッセンブリ500は、前記積層型バスバーアッセンブリの前記問題点を解決し得る点において有用であるが、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の平面方向に関し小型化を図り難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特許第4432913号公報
【特許文献2】特許第6487769号公報
【特許文献3】特許第6637002号公報
【特許文献4】特許第6637003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、装着される半導体素子等の電気素子に対する陽極及び陰極を有するバスバーアッセンブリであって、前記電気素子を保護する為の封止樹脂体用の枠体を有しつつ、平面方向及び厚み方向に関し小型化を図り得るバスバーアッセンブリの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するために、本発明の第1態様は、導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの上面に設けられた絶縁性樹脂フィルムと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記絶縁性樹脂フィルムを介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、前記絶縁性樹脂フィルムには、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口が設けられ、前記バスバー及び前記枠体は、それぞれの外表面全体が露出されているバスバーアッセンブリを提供する。
【0021】
また、本発明の第2態様は、導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの上面に設けられた絶縁性樹脂フィルムと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記絶縁性樹脂フィルムを介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、前記絶縁性樹脂フィルムには、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口が設けられ、前記バスバーは、外表面全体が露出され、前記枠体は、前記絶縁性樹脂フィルムに接する下面以外の外表面が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記素子搭載領域に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられているバスバーアッセンブリを提供する。
【0022】
また、本発明の第3態様は、導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの外表面全体を覆うバスバー側絶縁性樹脂塗膜と、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜には、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口と、前記バスバーの下面を露出させて、外部と電気的に接続可能なバスバー側外部接続部を形成する開口とが設けられ、前記枠体は、外表面全体が露出されているバスバーアッセンブリを提供する。
【0023】
また、本発明の第4態様は、導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、前記バスバーの外表面全体を覆うバスバー側絶縁性樹脂塗膜と、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜には、前記バスバーの上面のうち前記収容空間内の少なくとも一部を露出させて、電気素子が電気的に接続状態で機械的に装着可能な素子搭載領域を形成する開口と、前記バスバーの下面を露出させて、外部と電気的に接続可能なバスバー側外部接続部を形成する開口とが設けられ、前記枠体は、前記バスバーの上面に前記バスバー側絶縁性樹脂塗膜を介して固着される下面以外の外表面が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記素子搭載領域に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられているバスバーアッセンブリを提供する。
【0024】
また、本発明の第5態様は、導電性部材によって形成された平面状のバスバーと、導電性部材によって形成された枠体であって、前記バスバーの上面の中央に上方へ開く収容空間を画するように前記バスバーの上面に前電気的に絶縁状態で機械的に固着された枠体とを備え、前記バスバーは、外表面全体が露出され、前記枠体は、外表面全体が枠体側絶縁性樹脂層で覆われており、前記枠体側絶縁性樹脂層には、前記収容空間内において前記バスバーの上面に搭載される電気素子に対して電気的に接続可能な素子接続部を形成する開口及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部を形成する開口が設けられているバスバーアッセンブリを提供する。
【0025】
前記第2、第4及び第5態様においては、好ましくは、前記素子接続部を形成する開口は前記枠体の内側面の一部を露出させるように構成され、前記枠体側外部接続部を形成する開口は前記枠体の外側面の一部を露出させるように構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るバスバーアッセンブリによれば、装着される半導体素子等の電気素子を保護する為の封止樹脂体用の枠体を有しつつ、平面方向及び厚み方向に関し小型化を図ることができる。
また、本発明に係るバスバーアッセンブリの製造方法によれば、前記バスバーアッセンブリを効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1(a)は、本発明の実施の形態1に係るバスバーアッセンブリの平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるI(b)-I(b)線に沿った断面図である。
図2図2は、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図3図3(a)~(d)は、それぞれ、前記実施の形態1の第1変形例に係るバスバーアッセンブリの平面図、図3(a)におけるIII(b)-III(b)線に沿った断面図、前記第1変形例に係るバスバーアッセンブリの側面図、及び、図3(a)におけるIII(d)-III(d)線に沿った断面図である。
図4図4は、前記第1変形例に係るバスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図5図5(a)~(d)は、それぞれ、前記実施の形態1の第2変形例に係るバスバーアッセンブリの平面図、図5(a)におけるV(a)-V(a)線に沿った断面図、前記第2変形例に係るバスバーアッセンブリの側面図、及び、図5(a)におけるV(d)-V(d)線に沿った断面図である。
図6図6は、前記第2変形例に係るバスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図7図7は、前記実施の形態1に係るバスバーの製造方法において用いられるバスバー用平板の平面図である。
図8図8は、前記製造方法におけるバスバー側絶縁性樹脂層形成工程後の前記バスバー用平板の平面図である。
図9図9は、前記製造方法における枠体形成処理において用いられる枠体用平板の平面図である。
図10図10は、前記製造方法における平板固着工程後の前記バスバー用平板及び前記枠体用平板の平面図である。
図11図11は、前記製造方法における開口形成工程後の前記バスバー用平板及び前記枠体用平板の平面図である。
図12図12は、それぞれ、前記実施の形態1の第3~第5変形例に係るバスバーアッセンブリの縦断面図である。
図13図13(a)は、外周面に絶縁性樹脂塗膜が設けられた状態の前記バスバー用平板の平面図であり、図13(b)は、図13(a)におけるXIII(b)-XIII(b)線に沿った断面図でり、前記絶縁性樹脂塗膜に素子搭載領域及びバスバー側外部接続部をそれぞれ露出させる開口が形成された後の状態を示している。
図14図14(a)は、前記製造方法における枠体側絶縁性樹脂層形成工程後の前記枠体用平板の平面図であり、図14(b)及び(c)は、図14(a)におけるXIV-XIV線に沿った断面図である。図14(b)及び(c)は、それぞれ、下面が露出されている枠体側絶縁性樹脂層が設けられた状態、及び、下面を覆う枠体側絶縁性樹脂層が設けられた状態を示している。
図15図15(a)~(d)は、それぞれ、本発明の実施の形態2に係るバスバーアッセンブリの平面図、図15(a)におけるXV(a)-XV(a)線に沿った断面図、前記実施の形態2に係るバスバーアッセンブリの側面図、及び、図15(a)におけるXV(d)-XV(d)線に沿った断面図である。
図16図16は、前記実施の形態2に係るバスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
図17図17は、従来の平面型バスバーアッセンブリに半導体素子が装着されてなる半導体モジュールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態1
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1(a)に、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ1の平面図を示す。
また、図1(b)に、図1(a)におけるI(b)-I(b)線に沿った断面図を示す。
【0029】
前記バスバーアッセンブリ1は、導電性部材によって形成されたバスバー10と、導電性部材によって形成された枠体30とを備えている。
【0030】
図1(a)及び図1(b)に示すように、前記バスバー10は、上面11と、前記上面11とは反対側の下面12と、前記上面11及び前記下面12の周縁を連結する側面13とを有している。
前記バスバー10は、例えば、Cu等の導電性金属プレートによって形成される。
【0031】
前記バスバー10は、上面11の少なくとも一部に半導体素子等の電気素子が電気的かつ機械的に装着可能な素子搭載領域15を有し、且つ、下面12の少なくとも一部に外部と電気的に接続可能なバスバー側外部接続部16を有している。
【0032】
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1は、前記バスバー10の上面11に設けられたバスバー側絶縁性樹脂層20を有している。
【0033】
前記枠体30は、前記バスバー側絶縁性樹脂層20を介して前記バスバー10の上面11に固着されることで、前記バスバー10の上面11に電気的に絶縁状態で機械的に固着されている。
【0034】
本実施の形態においては、前記バスバー側絶縁性樹脂層20は絶縁性樹脂フィルム25によって形成されている。
前記絶縁性樹脂フィルム25は、絶縁性を有する種々の材質によって形成され、好適には、ポリアミドイミドが用いられる。
【0035】
前記バスバー側絶縁性樹脂層20には、前記素子搭載領域15を露出させる開口21が設けられる。
【0036】
図1(a)及び図1(b)に示すように、前記枠体30は、少なくとも前記素子搭載領域15を含む前記バスバー10の上面11の中央部分に上方へ開く収容空間Sを画するように前記バスバー10の上面11に、前記バスバー側絶縁性樹脂層20を介して電気的に絶縁状態で機械的に固着されている。
【0037】
前記枠体30は、前記素子搭載領域15に搭載される電気素子及び前記電子素子に接続されるワイヤ120等の電気接続部材(下記図2参照)を保護する封止樹脂体130(下記図2参照)の為の保護部材である。
好ましくは、前記枠体30は、前記バスバー10と同一の導電性部材によって形成される。
【0038】
図2に、前記バスバーアッセンブリ1に、前記電気素子としてLED等の半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール101の縦断面図を示す。
【0039】
前記半導体素子110は、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面にそれぞれ上側電極層及び下側電極層111、112を有し、前記上側電極層及び下側電極層111、112の間に素子本体115を有している。
【0040】
前記半導体素子110は、前記下面電極層112が前記素子搭載領域15に電気的に接続状態で接着等により固着される。
【0041】
図2に示すように、前記半導体モジュール101には、前記バスバーアッセンブリ1に装着される前記半導体素子110及び前記ワイヤ120等の部品を覆う前記封止樹脂体130が設けられる。
【0042】
前記封止樹脂体130は、前記半導体素子110及び前記ワイヤ120等の部品を囲繞するように当該封止樹脂体130を形成する樹脂を前記バスバーアッセンブリ1の前記収容空間S上面に塗布して、硬化させることによって設けられるが、塗布した後に硬化されるまでの間に前記樹脂が流れ出ることを防止する必要がある。
前記枠体30は、未硬化状態の前記樹脂の流出を堰き止めると共に、硬化後の前記封止樹脂体130の脱離を防止する。
【0043】
本実施の形態においては、前記枠体130は、平面視において前記バスバー10の周縁領域に沿うように構成されている。
【0044】
ここで、前述の通り、本実施の形態においては、前記枠体30は、導電性部材によって形成されており、前記枠体30は、前記素子搭載領域15に搭載される前記半導体素子110に対して電気的に接続可能な素子接続部36及び外部と電気的に接続可能な枠体側外部接続部38を有するように構成されている。
【0045】
図2に示すように、前記素子接続部36は、前記ワイヤ120を介して前記半導体素子110の上側電極層111に電気的に接続される。
【0046】
即ち、本実施の形態においては、前記バスバー10が前記半導体素子110の前記下側電極層112に電気的に接続されて、当該半導体素子110に対する陽極及び陰極の一方(例えば陽極)として作用し、且つ、前記封止樹脂体130の為に設けられる前記枠体30が前記半導体素子110の前記上側電極層111に電気的に接続されて、当該半導体素子110に対する前記陽極及び陰極の他方(例えば陰極)としても作用する。
【0047】
斯かる構成の前記バスバーアッセンブリ1は、第1平板状バスバーと第2平板状バスバーとが絶縁性樹脂層を挟んで互いに対して平行状態で上下に積層されてなる積層型のバスバーアッセンブリ(以下、従来構成1という)、並びに、間隙515を存しつつ同一平面内に並列配置された第1及び第2バスバー510(1)、510(2)と前記間隙515内並びに前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)の上面に設けられた絶縁性樹脂層520と前記絶縁性樹脂層520によって連結されてなる前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)のバスバー連結体の上面に前記絶縁性樹脂層520を介して固着された枠体550とを備えた平面型バスバーアッセンブリ500(図17参照、従来構成2という)に比して、下記効果を奏する。
【0048】
即ち、前記従来構成1においては、前記第1及び第2バスバーが全面に亘って対向配置される為、前記第1及び第2バスバー間の絶縁性に関する信頼性を十分には確保し難いという問題がある。
【0049】
また、前記従来構成1において枠体を備える場合には、前記第1バスバー、前記第2バスバー及び前記枠体が厚み方向に積層されることになり、厚み方向に関し小型化を図り難いという問題がある。
【0050】
これに対し、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、陽極及び陰極の一方として作用する前記バスバー10の平面の一部(図示の形態においては周縁領域)においてのみ、陽極及び陰極の他方として作用する前記枠体30が対向しており、従って、前記バスバー10及び前記枠体30の間の前記絶縁性樹脂層20を厚くすることなく、前記バスバー10及び前記枠体30間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0051】
また、封止樹脂体130用の前記枠体30が陽極又は陰極として兼用されている為、前記バスバーアッセンブリ1の厚み方向の小型化を図ることができる。
【0052】
前記従来構成2は、前記従来構成1に比して、厚み方向の小型化を図りつつ、前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)間の絶縁性に関する信頼性を十分に確保できるものの、陽極及び陰極の一方及び他方として作用する前記第1及び第2バスバー510(1)、510(2)が同一平面内に配置されている為、平面方向に関する小型化を図り難いという問題がある。
【0053】
これに対し、本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ1においては、封止樹脂体130用の前記枠体30が陽極又は陰極として兼用されている為、前記従来構成2と同様の効果、即ち、厚み方向の小型化を図りつつ、陽極及び陰極として作用する一対のバスバー間の絶縁性に関する信頼性を十分に確保できるという効果を得つつ、さらに、平面方向に関しても小型化を図ることができる。
【0054】
図1(b)及び図2に示すように、本実施の形態においては、前記枠体30は、外周面の全体が外部に露出されており、外周面の任意位置を前記素子接続部36及び前記枠体側外部接続部38として利用可能となっている。
【0055】
図3(a)~(d)に、それぞれ、本実施の形態の第1変形例に係るバスバーアッセンブリ1Aの平面図、図3(a)におけるIII(b)-III(b)線に沿った断面図、前記バスバーアッセンブリ1Aの側面図、及び、図3(a)におけるIII(d)-III(d)線に沿った断面図を示す。
また、図4に、前記第1変形例に係るバスバーアッセンブリ1Aに前記半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール101Aの縦断面図を示す。
【0056】
前記第1変形例に係るバスバーアッセンブリ1Aにおいては、前記枠体30の上面、内側面(前記収容空間Sを向く側面)及び外側面(前記収容空間Sとは反対側を向く側面)を覆う枠体側絶縁性樹脂層31Aが設けられている。
【0057】
前記枠体側絶縁性樹脂層31Aには、前記内側面の一部を露出させて前記素子接続部36を形成する開口、及び、前記外側面の一部を露出させて前記枠体側外部接続部38を形成する開口が形成されている。
【0058】
図5(a)~(d)に、それぞれ、本実施の形態の第2変形例に係るバスバーアッセンブリ1Bの平面図、図5(a)におけるV(a)-V(a)線に沿った断面図、前記バスバーアッセンブリ1Bの側面図、及び、図5(a)におけるV(d)-V(d)線に沿った断面図を示す。
また、図6に、前記第2変形例に係るバスバーアッセンブリ1Bに前記半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール101Bの縦断面図を示す。
【0059】
前記第2変形例に係るバスバーアッセンブリ1Bにおいては、前記枠体30の上面、内側面、外側面及び下面を覆う枠体側絶縁性樹脂層31Bが設けられている。
【0060】
前記枠体側絶縁性樹脂層31Bには、前記内側面の一部を露出させて前記素子接続部36を形成する開口、及び、前記外側面の一部を露出させて前記枠体側外部接続部38を形成する開口が形成されている。
【0061】
なお、前記開口を有する前記枠体側絶縁性樹脂層31A、31Bは、例えば、前記開口を形成すべき部位をマスクで覆った状態で前記枠体30に絶縁性樹脂塗料を塗布して、硬化させることにより、形成することができる。
【0062】
以下、前記バスバーアッセンブリ1の製造方法の一例について説明する。
図7に、前記製造方法において用いられる導電性金属製のバスバー用平板200の平面図を示す。
【0063】
前記製造方法は、前記バスバー10と同一厚みのバスバー形成領域210を有するバスバー用平板200を用意する工程を有している。
【0064】
本実施の形態においては、図7に示すように、前記バスバー用平板200は、当該バスバー用平板200が位置するX-Y平面内のY方向に沿って直列配列された複数の前記バスバー形成領域210と、Y方向に隣接するバスバー形成領域210の間を連結する連結領域230とを含むバスバー列205を有している。
【0065】
本実施においては、前記バスバー用平板200は、前記バスバー列205の長手方向(Y方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片207を有しており、前記一対の把持片207には位置合わせ孔208が設けられている。
【0066】
なお、複数の前記バスバー列205をX方向に並列配置させ、X方向に並列配置された複数のバスバー列205を前記一対の把持片207、207によって一体的に保持することも可能である。
【0067】
前記製造方法は、前記バスバー形成領域210の厚み方向一方側の第1面211(前記半導体素子110が装着される上面)に、前記バスバー側絶縁性樹脂層20を形成するバスバー側絶縁性樹脂層形成工程を有している。
【0068】
本実施の形態においては、前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程は、前記バスバー形成領域210の第1面に絶縁性樹脂フィルム25を接着するように構成されている。
図8に、前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程後の前記バスバー用平板200の平面図を示す。
【0069】
前記絶縁性樹脂フィルム25は、前記バスバー形成領域210と平面視同一外形状を有している。
【0070】
前記絶縁性樹脂フィルム20は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂材料によって形成される。
【0071】
前記製造方法は、前記バスバー用平板200を用意する工程から前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程までの処理に並行して、若しくは、前記処理の前又は後に、前記枠体30を形成する枠体形成処理を行うように構成されている。
【0072】
図9に、前記枠体形成処理において用いられる導電性金属製の枠体用平板300の平面図を示す。
前記枠体形成処理は、前記枠体30の厚みと同一厚みを有し且つ平面視において前記バスバー形成領域210に対応した外形状を有する枠体形成領域310を含む枠体用平板300を用意する工程と、前記枠体30に相当する枠体形成部位が残るように前記枠体形成領域310の中央を打ち抜く打ち抜き工程とを備えている。
図9は、前記打ち抜き工程後の状態を示している。
【0073】
前記枠体用平板300は、導電性を有する種々の材料によって形成される。
好ましくは、前記枠体用平板300は、前記バスバー用平板200と同一材料によって形成される。
【0074】
前記枠体用平板300は、前記バスバー用平板200に重合させた際に、前記枠体形成領域310が前記バスバー形成領域210に位置合わせされるように構成されている。
【0075】
詳しくは、前述の通り、前記バスバー用平板200は、Y方向に沿って直列配列された複数の前記バスバー形成領域210と、Y方向に隣接するバスバー形成領域210の間を連結する連結領域230とを含むバスバー列205を有している。
【0076】
従って、前記枠体用平板300は、図9に示すように、前記複数のバスバー形成領域210と同一ピッチでY方向に直列配置された複数の前記枠体形成領域310と、Y方向に隣接する枠体形成領域310の間を連結する連結領域330とを含む枠体列305を有している。
【0077】
なお、前述の通り、前記バスバー用平板200は、前記バスバー列205の長手方向(Y方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片207を有しており、前記一対の把持片207には位置合わせ孔208が設けられている。
【0078】
これに応じて、図9に示すように、前記枠体用平板300にも、前記枠体列305の長手方向(Y方向)一方側及び他方側にそれぞれ連結された一対の把持片307が設けられ、前記一対の把持片307には前記位置合わせ孔208に対応した位置合わせ孔308が設けられている。
【0079】
前記製造方法は、前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300を重合させて、前記枠体形成領域310を対応する前記バスバー形成領域210の第1面211に前記絶縁性樹脂層20(本実施の形態においては前記絶縁性樹脂フィルム25)を介して固着させる平板固着工程を有している、
図10に、前記平板固着工程後の状態の前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300の平面図を示す。
【0080】
前記平板固着工程は、例えば、前記枠体形成領域310を対応する前記バスバー形成領域210の第1面211上の前記絶縁性樹脂層20(本実施の形態においては前記絶縁性樹脂フィルム25)に接着剤によって接着させることによって行われる。
【0081】
前記製造方法は、さらに、前記バスバー側絶縁性樹脂層20に、前記素子装着領域15を露出させる為の前記開口21を形成する開口形成工程を有している。
【0082】
本実施の形態においては、前記開口形成工程は、前記平板固着工程後の前記絶縁性樹脂フィルム25にレーザー光を照射することで前記開口21を形成するように構成されている。
図11に、前記開口形成工程後の状態の前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300の平面図を示す。
【0083】
前記製造方法は、さらに、固着状態の前記バスバー形成領域210及び前記枠体形成領域310を前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300から切断する切断工程を有している。
【0084】
前記切断工程は、図11に示すように、前記バスバー形成領域210及び前記枠体形成領域のY方向一方側及び他方側のエッジにそれぞれ沿った切断線C1、C2で切断するように構成される。
【0085】
なお、本実施の形態においては、前記開口形成工程は、前記平板固着工程の後で且つ前記切断工程の前に行われているが、これに代えて、前記バスバー形成領域210に接着される前の前記絶縁性樹脂フィルム25に対して予め前記開口21を形成することも可能である。
この場合、前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程は、前記開口21が形成された状態の前記絶縁性樹脂フィルム25を前記バスバー形成領域210に接着させるように構成される。
【0086】
若しくは、前記絶縁性樹脂フィルム25へのレーザー光の照射を、前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程の後で且つ前記平板固着工程の前(図8に示す状態)、又は、前記切断工程の後に、行うことも可能である。
【0087】
また、本実施の形態においては、レーザー光照射によって前記開口21を形成しているが、これに代えて、エッチングによって前記開口21を形成することも可能である。
この場合、前記バスバー側絶縁性樹脂層20のうち前記開口21を形成すべき領域以外の領域にマスキングを行った状態でエッチングを行うことにより、前記開口21が形成される。
【0088】
さらには、前記絶縁性樹脂フィルム25を前記バスバー形成領域210に接着させる前に前記開口21が形成される場合においては、前記絶縁性樹脂フィルム25に対してパンチング加工を行うことによって、前記開口21を形成することも可能である。
【0089】
本実施の形態においては、前述の通り、前記バスバー側絶縁性樹脂層20は、前記絶縁性樹脂フィルム25によって形成されているが、これに代えて、前記バスバー側絶縁性樹脂層20を絶縁性樹脂塗膜27によって形成することも可能である。
【0090】
図12(a)~(c)に、それぞれ、本実施の形態、前記第1変形例及び前記第2変形例に係る前記バスバーアッセンブリ1、1A、1Bにおいて、前記バスバー側絶縁性樹脂層20が絶縁性樹脂フィルム25に代えて絶縁性樹脂塗膜27によって形成された第3~第5変形例に係るバスバーアッセンブリ1C~1Eの縦断面図を示す。
【0091】
前記第3~第5変形例に係るバスバーアッセンブリ1C~1Eの製造方法においては、前記バスバー側絶縁性樹脂層形成工程は、前記バスバー用平板200の外周面に絶縁性樹脂塗料を塗布し、硬化させるように構成される。
【0092】
図13(a)に、外周面に絶縁性樹脂塗膜27が設けられた状態の前記バスバー用平板200の平面図を示す。
【0093】
この場合、前記開口形成工程は、レーザー光照射又はエッチングによって、前記素子搭載領域15を露出させる前記開口21に加えて、前記バスバー側外部接続部16を露出させる開口22を形成するように構成される。
【0094】
図13(b)に、図13(a)におけるXIII(b)-XIII(b)線に沿った断面図であって、前記開口21、22を形成した状態の断面図を示す。
【0095】
なお、前記開口形成工程は、図13(b)に示すように、バスバー側絶縁性樹脂層形成工程の後で且つ平板固着工程の前に行うことも可能であるし、これに代えて、平板固着工程の後で且つ切断工程の前、又は、切断工程の後に行うことも可能である。
【0096】
また、前記枠体側絶縁性樹脂層31A、31Bを設ける構成(前記第1、第2、第4及び第5変形例)の製造方法ににおいては、前記枠体形成処理は、前記打ち抜き工程の後に、前記枠体形成部位の外表面のうち前記素子接続部36及び枠体側外部接続部38を形成する領域をマスキングした状態で絶縁性樹脂塗料を塗布し、硬化させる枠体側絶縁性樹脂層形成工程を有するものとされる。
【0097】
図14(a)に、前記枠体側絶縁性樹脂層形成工程後の前記枠体用平板300の平面図を示す。
また、図14(b)及び(c)に、図14(a)におけるXIV-XIV線に沿った断面図を示す。
図14(b)及び(c)は、それぞれ、前記枠体側絶縁性樹脂層31Aを設けた構成(前記第1及び第4変形例)及び前記枠体側絶縁性樹脂層31Bを設けた構成(前記第2及び第5変形例)を示している。
【0098】
なお、前記枠体30及び前記バスバー10の当接領域の少なくとも一方(即ち、少なくとも前記枠体30の下面及び前記バスバー10の上面のうち前記枠体30に当接する領域の一方)に、絶縁性樹脂塗膜が設けられている構成(前記第2~第5変形例)においては、絶縁性樹脂塗膜が半硬化状態の際に前記平板固着工程を行うことができる。
【0099】
斯かる構成によれば、前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300の固着を、接着剤の作用に代えて、又は、加えて、絶縁性樹脂塗膜の硬化作用を利用して行うことができる。
【0100】
実施の形態2
以下、本発明に係るバスバーアッセンブリの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図15(a)~(d)に、それぞれ、本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ2の平面図、図15(a)におけるXV(a)-XV(a)線に沿った断面図、前記バスバーアッセンブリ2の側面図、及び、図15(a)におけるXV(d)-XV(d)線に沿った断面図を示す。
また、図16に、前記バスバーアッセンブリ2に前記半導体素子110が装着されてなる半導体モジュール102の縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0101】
本実施の形態に係るバスバーアッセンブリ2は、前記バスバー側絶縁性樹脂層20が削除されており、枠体側絶縁性樹脂層30Bのみによって前記枠体30及び前記バスバー10が絶縁されている点において、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリ1と異なっている。
【0102】
即ち、本実施の形態においては、前記枠体30の少なくとも下面(前記バスバー10の上面11と対向する面)を覆う枠体側絶縁性樹脂層30Bが設けられており、導電性部材によって形成された前記枠体30は、前記枠体側絶縁性樹脂層30Bを介して前記バスバー10の上面11に電気的に絶縁状態で機械的に固着されている。
【0103】
斯かる構成の前記バスバーアッセンブリ2も、前記従来構成1及び2に比して、前記実施の形態1に係るバスバーアッセンブリ1と同様の効果を得ることができる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、前記枠体側絶縁性樹脂層30Bは前記枠体30の外周面全体を覆うように構成されており、前記枠体側絶縁性樹脂層30Bには前記素子接続部36を形成する開口及び前記枠体側外部接続部38を形成する開口が設けられている。
【0105】
本実施の形態に係る前記バスバーアッセンブリ2は下記製造方法によって効率よく製造される。
【0106】
即ち、前記製造方法は、前記バスバー用平板200を用意する工程と、前記バスバー用平板200を用意する工程の前又は後に、若しくは、前記バスバー用平板200を用意する工程と並行して行う枠体形成処理枠体形成処理とを有している。
【0107】
前記枠体形成処理は、前記枠体用平板300を用意する工程と、前記枠体形成領域310のうちの中央部分を打ち抜いて、枠体形成部位を形成する打ち抜き工程と、前記枠体形成部位の外表面のうち少なくとも前記バスバー10の第1面11と対向する面に絶縁性樹脂塗料を塗布して硬化させることにより前記枠体側絶縁性樹脂層30Bを形成する枠体側絶縁性樹脂層形成工程とを含むものとされる。
【0108】
前記製造方法は、さらに、前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300を重合させて、前記枠体形成領域310を対応する前記バスバー形成領域210の第1面211に固着させる平板固着工程と、固着状態の前記バスバー形成領域210及び前記枠体形成領域310を前記バスバー用平板200及び前記枠体用平板300から切断する切断工程とを含む。
【0109】
前記平板固着工程における前記枠体形成領域310と前記バスバー形成領域210との固着は、接着剤による接着作用によって行うことも可能であるし、接着剤による接着作用に代えて又は加えて、前記枠体30の対向面に設けられた前記絶縁性樹脂塗膜が半硬化状態の際に前記枠体形成領域310及び前記バスバー形成領域210を重合させて前記塗膜の硬化作用を利用して行うことも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1、1A~1E、2 バスバーアッセンブリ
10 バスバー
15 素子搭載領域
16 バスバー側外部接続部
20 バスバー側絶縁性樹脂層
25 絶縁性樹脂フィルム
27 絶縁性樹脂塗膜
30 枠体
31A、31B 枠体側絶縁性樹脂層
36 素子接続部
38 素子側外部接続部
S 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17