IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ playground株式会社の特許一覧

特開2024-177538電子チケットシステムおよびプログラム
<>
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図1
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図2
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図3
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図4
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図5
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図6
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図7
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図8
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図9
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図10
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図11
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図12
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図13
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図14
  • 特開-電子チケットシステムおよびプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177538
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電子チケットシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241212BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241212BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06F3/041 590
G06F3/044 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024177100
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2022181543の分割
【原出願日】2014-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2013120218
(32)【優先日】2013-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517201127
【氏名又は名称】playground株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上西 培智
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭史
(72)【発明者】
【氏名】大原 亜貴
(57)【要約】
【課題】使用状況の確認・追跡が容易な電子チケットシステムを提供する。
【解決手段】情報を表示する表示手段、および表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルを備え、電子チケットを表示手段に表示するユーザ端末と、入力手段に対する同時接触が検出可能な複数の按部を有するスタンプと、を備え、ユーザ端末は表示手段に電子チケットを表示している状態で、スタンプの按部により同時に接触されると、複数の接触位置を入力手段により検出し、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合、電子チケットを使用済みである旨を示す描画を行うサービス情報提供システムを提供する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段、および前記表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルを有し、電子チケットを前記表示手段に表示するユーザ端末と、
前記入力手段に対する同時接触が検出可能な複数の按部を有するスタンプと、を備え、
前記ユーザ端末は、前記表示手段に前記電子チケットを表示している状態で、前記スタンプの按部により同時に接触されると、複数の接触位置を前記入力手段により検出し、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合、前記電子チケットを使用済みである旨を示す描画を行うことを特徴とする電子チケットシステム。
【請求項2】
前記ユーザ端末と通信可能なサーバ装置をさらに備え、
前記ユーザ端末は、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合に、前記電子チケットが使用されたことを前記サーバ装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の電子チケットシステム。
【請求項3】
前記ユーザ端末と通信可能なサーバ装置をさらに備え、前記サーバ装置は、前記スタンプの前記複数の按部の配置に関する情報と当該スタンプが対応する前記電子チケットとを対応付けて格納し、
前記ユーザ端末は、前記表示手段に前記電子チケットを表示している状態で、前記スタンプが有する全ての按部が同時に接触したことを前記入力手段により検出すると、検出した接触位置が表示している電子チケットに対応するかを前記サーバ装置に照会し、対応する旨の応答があった場合に、前記表示手段において前記電子チケットが使用済みである旨を示す描画を行うことを特徴とする、請求項1に記載の電子チケットシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記ユーザ端末からの照会に対し対応する旨の応答をする際に、当該ユーザ端末のユーザにより当該電子チケットが利用されたことを記録することを特徴とする請求項3に記載の電子チケットシステム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記ユーザに宛てて電子チケットを提供する情報提供部をさらに備えることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の電子チケットシステム。
【請求項6】
前記ユーザ端末は、前記表示手段に前記電子チケットを要求する旨の表示をしている状態で、前記スタンプの全ての按部により同時に接触されると、複数の接触位置を前記入力手段により検出し、検出した接触位置に対応する前記電子チケットの提供を前記サーバ装置に要求し、
前記サーバ装置は、前記ユーザ端末からの要求に応じて、接触位置に対応する電子チケットを、要求元の前記ユーザ端末に提供することを特徴とする請求項5に記載の電子チケットシステム。
【請求項7】
情報を表示する表示手段、および前記表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルと、
電子チケットを前記タッチパネルの表示手段に表示するべく格納する情報記憶部とを備えるユーザ端末において実行されるプログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記電子チケットを前記表示手段に表示させる段階と、
前記表示手段に前記電子チケットが表示されている状態で、前記入力手段の複数の位置に同時になされた接触の接触位置を検出する段階と、
検出した接触位置が表示されている電子チケットに対応している場合に、前記表示手段において前記電子チケットが使用済みである旨を示す描画を行う段階と
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チケットをスマートフォン等の携帯端末に向けて発行し、当該電子チケットを使用したことを認識する電子チケットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品の販売や集客を目的とした販売促進活動としてクーポンやポイントを付与するサービスが従来から様々な形態で実施されている。一例として、クーポンを紙やインターネットを介して配布する形態が挙げられる(たとえば特許文献1を参照)。この形態では、小売店において顧客が購入するときにその小売店が発行したクーポンを店員に提示することで、当該クーポンの内容に応じた優待サービスが受けられる。なお、ポイントを付与する形態として、購入証明印紙(シール)と印紙貼付用台紙を利用したものもある。これらの形態のサービスは、その実施に多額の費用を必要としないため、小売店単独でも容易に実施できるという長所がある。
【0003】
また、音楽、映画、スポーツ等の各種イベントの入場券、交通機関の利用券、事前に購入された商品の引換券などもインターネット等を介して電子チケットという形態で利用者の携帯端末に発行され、電子チケットを提示することでイベント会場への入場や交通機関の利用といったサービスを享受できる仕組みが実現されつつある。以下の説明では、電子的に発行されるクーポン、スタンプカード、イベントチケット、商品引換券等、インターネット等を介して電子的に発行されるクーポンやチケットを総称して「電子チケット」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-157102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような形態ではどの顧客がいつ・どこで・どのクーポンを利用したか、顧客1人当たりの売上及びそれに応じて発行されたポイント等のデータを把握することが容易ではない。このため、小売店側がクーポンやポイントを販売促進の方法として効果的かつ効率的に利用することは実際には困難である。また、イベントチケットの使用状況を確認・追跡することも同様に困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は上記の課題を解決することのできる電子チケットシステムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の形態に係る電子チケットシステムは、情報を表示する表示手段、および表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルを有し、電子チケットを表示手段に表示するユーザ端末と、入力手段に対する同時接触が検出可能な複数の按部を有するスタンプと、を備え、ユーザ端末は、表示手段に電子チケットを表示している状態で、スタンプの按部により同時に接触されると、複数の接触位置を入力手段により検出し、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合、電子チケットを使用済みである旨を示す描画を行う。
【0008】
電子チケットシステムは、ユーザ端末と通信可能なサーバ装置をさらに備えるとよい。そして、ユーザ端末は、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合に、電子チケットが使用されたことをサーバ装置に通知するように構成するとよい。
【0009】
また電子チケットシステムが、ユーザ端末と通信可能なサーバ装置をさらに備える場合において、サーバ装置は、スタンプの複数の按部の配置に関する情報と当該スタンプが対応する電子チケットとを対応付けて格納し、ユーザ端末は、表示手段に電子チケットを表示している状態で、スタンプが有する全ての按部が同時に接触したことを入力手段により検出すると、検出した接触位置が表示している電子チケットに対応するかをサーバ装置のスタンプデータベースに照会し、対応する旨の応答があった場合に、表示手段において電子チケットが使用済みである旨を示す描画を行ってもよい。この場合、サーバ装置は、ユーザ端末からの照会に対し対応する旨の応答をする際に、当該ユーザ端末のユーザにより当該電子チケットが利用されたことを記録するとよい。また、サーバ装置は、ユーザに宛てて電子チケットを提供する情報提供部をさらに備えるとよい。
【0010】
ユーザ端末は、表示手段に電子チケットを要求する旨の表示をしている状態で、スタンプの全ての按部により同時に接触されると、複数の接触位置を入力手段により検出し、検出した接触位置に対応する電子チケットの提供をサーバ装置に要求し、サーバ装置は、ユーザ端末からの要求に応じて、接触位置に対応する電子チケットを、要求元のユーザ端末に提供するとよい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第2の形態に係るプログラムは、情報を表示する表示手段、および前記表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルと、電子チケットを前記タッチパネルの表示手段に表示するべく格納する情報記憶部とを備えるユーザ端末において実行されるプログラムであって、前記ユーザ端末に、前記電子チケットを前記表示手段に表示させる段階と、前記表示手段に前記電子チケットが表示されている状態で、前記入力手段の複数の位置に同時になされた接触の接触位置を検出する段階と、検出した接触位置が表示されている電子チケットに対応している場合に、前記表示手段において前記電子チケットを使用済みである旨を示す描画を行う段階とを実行させる。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】クーポン発行システム10の構成を示す図である。
図2】携帯端末20の構成を示す図である。
図3】スタンプ30の構造を示す図である。
図4】サーバ40の構成を示すブロック図である。
図5】クーポン情報のデータベースに格納されるデータの一例を示す図である。
図6】クーポン発行システム10を発行する手順を示すフローチャートである。
図7】携帯端末20に表示されるクーポン発行前の画面の一例を示す図である。
図8】携帯端末20に表示される未使用のクーポンの一例を示す図である。
図9】クーポン発行システム10を使用する手順を示すフローチャートである。
図10】使用済みのクーポンの表示例を示す図である。
図11】スタンプラリーシステムを使用する手順を示すフローチャートである。
図12】携帯端末20に表示されるスタンプ押印前の画面の一例を示す図である。
図13】携帯端末20に表示されるスタンプ押印後の画面の一例を示す図である。
図14】携帯端末20に表示されるスタンプ押印前の画面の他の例を示す図である。
図15】第3実施形態におけるサーバ40の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態:クーポン発行システムへの適用例]
以下、図面を参照して本発明の電子チケットシステムに係る第1の実施形態であるクーポン発行システム10を説明する。
【0015】
[クーポン発行システム10の構成]
図1は、クーポン発行システム10の構成を示す図である。クーポン発行システム10は、携帯端末20、スタンプ30、およびサーバ40を備える。携帯端末20およびサーバ40は、それぞれ本発明のクーポン発行システム10の構成要素として機能するためのアプリケーションを実行する。携帯端末20とサーバ40とは、インターネット等のネットワークを介して通信可能とされる。スタンプ30は、クーポン発行システム10により発行されるクーポンを利用可能な店舗に配置され、クーポンを発行するため、及び/または、使用済みとするために用いられる。
【0016】
図2は、携帯端末20の構成を示す図である。携帯端末20は、アプリケーションの演算処理を実行するCPUなどの演算装置21と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置22と、ディスプレイ(画面)などの表示装置23と、演算装置21の処理結果や記憶装置22に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置24と、スタンプ30が有する配列情報を識別するマルチタッチ対応のタッチパネルディスプレイ25を備える。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行するための命令(群)が演算装置21に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置22に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置22から読み出し、読みだした情報を適宜、演算装置21における処理に用いる。
【0017】
マルチタッチ対応のタッチパネルディスプレイとは、指やペン先などによる複数の点への接触を検出することができるタッチパネルのことである。このマルチタッチ対応のタッチパネルディスプレイを搭載している携帯端末20に対して本発明のスタンプ30を接触させる。なお、表示装置23がマルチタッチ対応のタッチパネルディスプレイ25の機能を兼ねてもよい。なお、タッチパネルには種々の接触検知方式があるが、本実施形態ではタッチパネルディスプレイが、静電容量方式である場合を例に説明する。
【0018】
図3は、スタンプ30の構造を示す図である。スタンプ30は、本体部30aと、電極31と、持ち手32と、押印面33と、を備える。スタンプ30の本体部30aは、上部に持ち手32が設けられるとともに、持ち手32が設けられた側とは反対の底面が押印面33となる。押印面33および本体部30aにおける押印面33と平行な断面は四角形の角印の形状に形成される。
【0019】
スタンプ30は、携帯端末20のマルチタッチ対応のタッチパネルディスプレイ25に同時に接触させることによりスタンプ30の配列情報を検出させる按部である電極31を5つ備える。5つの電極31は押印面33に固定して設けられることで互いに所定の位置関係を維持しており、携帯端末20に同時に接触するとその位置関係が認識される。5つの電極31のうち3つが押印面33の四角形の3つの頂点付近に配置される。このような電極31の配置により、スタンプ30の押印面33がどのような向きでタッチパネルディスプレイ25に接触されても、スタンプ30の上下左右を認識することができる。電極31は円形で、導電性の素材で形成され、押印面33に対して凸の構造となる。電極31は導電性の素材で形成される。また、電極31および本体部30aは半透明の素材であることが望ましい。電極31および本体部30aが導電性かつ半透明の素材であることにより、押印面33にスタンプ30をタッチパネルディスプレイ25に押し当てたときに表示される画像を描画することで、スタンプ30を携帯端末20に接触させたときにあたかも描画した画像が携帯端末上に押印されたように見せることができる。電極以外の部分は樹脂等の絶縁性(非導電性)の素材で充填し、押印面が略平坦となるようにすることが好ましい。これにより、電極が配置されない頂点があることによる、押印時のがたつきを防ぐことができ、全ての電極を確実にタッチパネルディスプレイに同時に接触させることができる。電極の色と電極以外の部分を充填する素材の色は同色(例えば透明)とすることが好ましい。これにより、電極位置を視認しにくくなり、スタンプの不正コピーを防ぐことができる。
【0020】
持ち手32は、スタンプ30を押印する際に持つ箇所である。持ち手32は導電性の素材で形成される。押印面33は、電極31を配置するための箇所であり、導電性の素材で形成される。なお、上記のスタンプ30の構成は静電容量方式のタッチパネルを用いたタッチパネルディスプレイに対して用いるスタンプ30として好適な素材および構成である。携帯端末20が他の方式のタッチパネルディスプレイを採用する場合には、スタンプ30はタッチパネルの方式に適した特性の素材および構成を採用すればよい。導電性を要さない場合には、タッチパネルディスプレイへの同時接触を可能とする複数の非導電性の按部がスタンプ30の押印面33に設けられてもよい。
【0021】
上述のとおり、スタンプ30には指やペン先などで複数の点に触れたのと同様の効果をタッチパネルディスプレイ25に与えるように、押印面33に電極31が配置される。この電極31の配列情報はクーポン毎に異なるように設けられる。このため、電極31の配列情報によりクーポンの種類を識別することができる。また、携帯端末20にクーポンを表示させ、表示されているクーポンの画面に電極31を接触させることでクーポンを使用済みとして識別することができる。スタンプ30の電極31でタッチパネルディスプレイ25に触れるのと同様の接触を指先で行うことも可能であるが、携帯端末20へ直接触れることは衛生面や他者に携帯端末20の画面を直接触れられるということに対するユーザのストレスを考慮すると、指先で配列情報を識別するのは適切ではない。また、スタンプ30で接触したのと同様の接触をペン先で行うことも可能であるが、ペン先で配列情報を識別するのは適切ではない。上記のクーポン発行からクーポンの使用済み確認までは、スタンプ30を用いて実行することに意味がある。
【0022】
図4は、サーバ40の構成を示す機能ブロック図である。サーバ40は、端末情報記憶部41、配列情報検索処理部42、クーポン情報検索処理部44、クーポン情報記憶部45、クーポン情報提供部46を有する。これらの機能ブロックは、その処理を実行するための命令(群)がCPU等の演算装置に読み込まれ実行されることにより、当該演算装置、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置、ネットワークインターフェース等の通信装置を利用して実現される。
【0023】
端末情報記憶部41は、ユーザの携帯端末20の情報を記憶する。ユーザの携帯端末20の情報としては、携帯端末20の識別情報、携帯端末20から通信を受けた日時、携帯端末20の位置情報等がある。
【0024】
配列情報検索処理部42は、ユーザの携帯端末20から送信された電極31の配列情報を受け付け、電極31より受け取った配列情報をクーポン情報検索処理部44へ送る。また、配列情報検索処理部42は、クーポン情報記憶部45に記憶されている配列情報から、リクエストされた配列情報を検索して抽出する。
【0025】
クーポン情報検索処理部44は、ユーザの携帯端末20から送信されるクーポン取得のリクエスト又は配列情報検索処理部42から送信される配列情報を受け付け、クーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報のうち、リクエストされたクーポン情報を検索して抽出する。クーポン情報の検索の条件としては、ユーザの携帯端末20から、当該ユーザの携帯端末20に接触したスタンプ30に配されている電極31の配列情報を取得し、これを用いるとよい。そして、取得した配列情報に対応するクーポン情報をクーポン情報記憶部45から検索する。
【0026】
クーポン情報記憶部45は、クーポンに関する情報(単に「クーポン情報」ともいう)を記憶する。図5にクーポン情報記憶部45の一例を模式的に示す。クーポンに関する情報としては、クーポンを識別するクーポン識別情報(スタンプ30に配された電極31の配列情報、クーポンを識別するIDやクーポン名など)、クーポンを利用できる店舗識別情報(店舗名や店舗を識別するIDなど)、クーポンで享受できるサービスの内容(たとえば20%OFF、1品サービス、ドリンク1杯サービス、一人分料金無料など)、クーポンを利用できる店舗に関する情報(住所、電話番号など)、当該クーポンが対応づけられているイベント情報、イベントが開催されている場所の位置情報、イベントが開催されている場所から店舗までの経路を示す地図情報、未使用時のクーポンの券面画像、使用後の券面画像、クーポンの配信期間、クーポンの利用期間、クーポンの利用上限(当該クーポンを利用できるユーザの数であり、当該クーポンの累積利用者数がこの数に達すると、以後の利用ができなくなる)、クーポンの累積利用者数などがある。
【0027】
クーポン情報提供部46は、ユーザの携帯端末20からのクーポン情報の取得要求を受け取り、当該取得要求に応じて、クーポン情報検索処理部44が検索して抽出したクーポン情報を、ユーザの携帯端末20に送る。
【0028】
[クーポン情報記憶部45へのクーポン情報の登録]
サーバ40は、クーポン情報記憶部45にクーポン情報を登録するための登録画面をクーポンの発行者等の管理者に提供する。管理者は例えばインターネットを介して登録画面にアクセスし、上述のクーポン情報をクーポン情報記憶部45に登録する。
【0029】
スタンプ30に配された電極31の配列情報は、管理者が携帯端末20を介してクーポン情報記憶部45に登録する。サーバ40は、スタンプ30に配された電極31の配列情報を登録するためのスタンプ登録画面を管理者に提供する。管理者は、携帯端末20を用いて例えばインターネットを介してスタンプ登録画面にアクセスする。スタンプ登録画面には登録しようとするスタンプを押し当てるための押印領域、スタンプを対応付けようとするクーポンのクーポン識別情報の入力欄、登録を開始するための登録ボタン等が表示される。管理者は、クーポン識別情報を入力欄に入力し、登録ボタンに触れてスタンプの登録が可能な状態とした後、スタンプを押印領域に押し当てる。携帯端末20は、押し当てられたスタンプ30の電極31の配列をタッチパネルディスプレイ25により認識し、クーポン識別情報と配列情報とを対応付けてサーバ40に送信する。サーバ40は、管理者の携帯端末20から受け取ったクーポン識別情報に対応付けて配列情報をクーポン情報記憶部45に登録する。
【0030】
なお、上述の例ではクーポン情報とスタンプの配列情報をクーポン情報記憶部45にて一括して管理したが、クーポン情報とスタンプの配列情報を別々に管理すると共に、クーポン情報記憶部45において、クーポン識別情報に、当該クーポンに対応するスタンプの識別情報を紐づけるようにしてもよい。クーポン情報とスタンプの配列情報を分けて管理することで、既に登録してあるスタンプを複数のクーポンに割り当てたり、クーポンの有効期間が過ぎた後に他のクーポンのスタンプとして再利用したりすることが容易となる。
【0031】
[クーポン発行時の動作]
次に、図6を参照して、クーポン発行システム10にクーポンを発行するときの動作を説明する。図6はクーポン発行システム10によりクーポンを発行する手順を示すフローチャートである。まず、ユーザが携帯端末20上でアプリケーションを起動させる(ステップS100)。そして、アプリケーションを操作し、図7に示したようなクーポン発行前の画面を携帯端末20上に表示させ(ステップS101)、アプリケーションを操作し、サーバにクーポン発行のリクエストを要求する。具体的には、スタンプを携帯端末20に接触させることによりリクエストを要求する(ステップS102)。そして、携帯端末20からサーバ40へ電極31の配列情報に紐付くクーポン発行のリクエストをする(ステップS104)。サーバ40では、クーポン情報提供部46により当該リクエストを受け取り、配列情報検索処理部42によって配列情報に対応するクーポン情報を検索して、要求されているクーポン情報がサーバ40に登録済みのものかを判定する(ステップS106)。登録済みのクーポン情報であれば、サーバ40はクーポン情報提供部46により携帯端末20へクーポン情報を送信し(ステップS108)、携帯端末20が当該情報を受け取る(ステップS110)。携帯端末20がクーポン情報を受け取ると、携帯端末20のタッチパネルディスプレイ25上に図8に示されるようなクーポン発行後の画面を表示させる(ステップS112)。
【0032】
一方、サーバ40に未登録のクーポン情報の場合にはクーポンの認識ができないため(ステップS114)、サーバ40から携帯端末20へ当該クーポンが利用できない旨の通知がされ、携帯端末20はこれを受け取る(ステップS116)。通知を受け取った携帯端末20は、クーポンが未登録である旨の表示をし(ステップS118)、処理を終了する。未登録のクーポンをリクエストした場合には、ユーザはクーポンを利用できない。したがって、例えばクーポンが利用可能な期間外である場合のような誤った利用を防ぐことができる。またクーポンを偽造する等の不正を防止することができる。
【0033】
このように、クーポンの発行に本発明の電子スタンプを利用すると、ユーザにとってプレミアム感のあるクーポンを発行することができる。例えば、事前に来店した場合に限りクーポンを配布する旨告知しておき、本発明の電子スタンプを店舗に備え付けておくことで、実際に店舗に来た人限定でクーポンを発行することができる。これにより、顧客が店舗へ足を運ぶ動機づけを積極的に与えることが可能である。また、来店したユーザ限定でのクーポンの発行が可能となる。これにより、来店しないとクーポンがもらえないというプレミアム感をユーザに与えることができる。
【0034】
クーポン情報の検索条件としては、ユーザの携帯端末20にスタンプ30を接触させたときに、ユーザの携帯端末20がスタンプ30に配してある電極31の配列情報を取得し、その配列情報からクーポン情報をクーポン情報記憶部45から検索する。また検索条件として、携帯端末20の位置情報を含めてよい。また検索条件としては、これ以外の条件を設定できてもよい。
【0035】
クーポン情報検索処理部44は、ユーザの携帯端末20からのクーポン情報の検索処理要求を受け付け、クーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報のうち、該当するクーポン情報を検索結果としてクーポン情報提供部46がユーザの携帯端末20に送る。クーポン情報の検索の条件としては、以下3つがある。
【0036】
1つ目は、ユーザが来店した際に店員がユーザの携帯端末20にスタンプ30を接触させ、ユーザの携帯端末20がスタンプ30に配してある電極31の配列情報を取得し、配列情報検索処理部42が配列情報の検索処理要求を受け付け、クーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報のうち、該当するクーポン情報を検索結果としてクーポン情報提供部46がユーザの携帯端末20に送る。
【0037】
2つ目は、ユーザが来店した際にユーザの携帯端末20からクーポン情報検索処理部44へクーポン取得要求を送信し、クーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報のうち、該当するクーポン情報を検索結果としてクーポン情報提供部46がユーザの携帯端末20へ送る。
【0038】
3つ目は、クーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報をサーバからユーザの携帯端末20へプッシュ通知する。通知する際の条件としては、端末情報記憶部41に送信される携帯端末20の位置情報等のユーザの携帯端末20の情報とクーポン情報記憶部45に記憶するクーポン情報を突合させ、合致する情報がある場合にユーザの携帯端末20へサーバ40からクーポン情報の通知が送信されろ。例えば、携帯端末20で取得した携帯端末20の位置情報が渋谷駅前とすると、クーポン情報記憶部45が記憶するクーポン情報のうちクーポンを発行している店舗の位置情報が渋谷駅前のクーポンを携帯端末20へ送る。その他、ユーザが希望するクーポンの種類(たとえば料理のジャンル(和食、中華、イタリアン、フランス料理など)、飲食店の種類(ファミリーレストラン、ファーストフード、丼屋、居酒屋、割烹、バー、中華料理店、イタリア料理店など)、飲食店の価格帯など)をあらかじめ登録しておけば、それらを検索条件として含めてもよい。
【0039】
クーポンの発行は、まずサーバ40にスタンプ情報であるスタンプ30の電極31の配列情報とクーポンの内容を登録する。そして、これらスタンプ情報を携帯端末20にインストールされたアプリケーションがサーバ40からインターネット等のネットワークを介して取得し、クーポン情報を受け取る。そうすると携帯端末20で起動しているアプリケーション上に該当のクーポンが表示される。
【0040】
また、上述のようなスタンプ30を押すことによるリクエストによる他、サーバ40から登録ユーザに電子メール等の手段を利用して、クーポン自体やクーポンのダウンロードページへのアクセス情報(URL等)を配信してもよい。配信先の登録ユーザを登録ユーザの属性情報や過去のクーポン利用履歴等に基づいて絞り込んでもよい。また、携帯端末20でアプリケーションを起動したときに、配信期間内のクーポンが自動的にダウンロードされるようにしてもよい。
【0041】
[クーポン利用時の動作]
次に図9を参照してクーポン発行システム10により発行されたクーポンを利用するときの動作を説明する。
【0042】
図9はクーポン発行システム10により発行されたクーポンを利用する手順を示すフローチャートである。まず、ユーザが携帯端末20上でアプリケーションを起動させる(ステップS200)。そして、アプリケーションを操作し、携帯端末20上に図8に示されるような未使用のクーポンの画面を表示させる(ステップS202)。クーポンの利用数に上限が設けられている場合には、画面内に例えば「残り5枚」等、残りの利用数を表示するようにしてもよい。そして、クーポンが利用できる店舗でその画面を提示する。店舗の従業員は、店舗独自の配列情報を配したスタンプの押印面を携帯端末20の画面に接触させる。すなわち、未使用のクーポンの画面が表示された状態で、タッチパネルディスプレイ25に、本発明のスタンプ30を接触させる(ステップS204)。すると、図3に示したようなスタンプ30に配されている配列情報を携帯端末20が認識する(ステップS206)。認識された配列情報は携帯端末20からサーバ40へインターネット等のネットワークを介して送信される(ステップS208)。サーバ40は配列情報検索処理部42により当該配列情報を受け取り、クーポン情報検索処理部44により配列情報に対応するクーポン情報を検索して、クーポン情報記憶部45に登録済みのクーポン情報か否かを判定する(ステップS210)。サーバ40に登録済みの配列情報の場合、登録されている配列情報から該当のクーポンを認識し(ステップS212)、サーバ40から携帯端末20へユーザが当該クーポンを使用したことをクーポン情報提供部46より通知し、携帯端末20はこれを受け取る(ステップS214)。通知を受け取った携帯端末20は、図10のようなクーポンが使用済みである旨の表示(描画)をし(ステップS216)、処理を終了する。これによりユーザは携帯端末20上に表示されたクーポンを利用することができる。このように、登録済みのクーポンが利用されると、クーポンをいつ・誰が・どこの店舗で利用したかを端末情報記憶部41が把握し、これらの情報を端末情報記憶部が蓄積する。店舗はこれらの情報を利用してマーケティングや販売促進活動を行ったり、新たなクーポンの企画に活かしたりすることができる。
【0043】
上述のステップS208~S216の変形例として、携帯端末20は、クーポン情報と当該クーポンに対応する配列情報とを予め(例えばクーポン発行時に)対応付けて記憶しておき、押し当てられたスタンプ30の配列情報を認識すると、表示中のクーポンに対応する配列情報と照合して、対応するスタンプ30が押し当てられたと判断した場合にクーポンが使用済みである旨の表示をするとともに、サーバにクーポンが使用された旨の通知を送信してもよい。
【0044】
さらに他の例として、携帯端末20は、表示中の(使用しようとする)クーポンのクーポン情報(例えばクーポン識別情報)と押し当てられたスタンプ30の配列情報をサーバ40に送信し、サーバ40において、使用しようとするクーポンに対応する配列情報を検索すると共に押し当てられたスタンプ30の配列情報と照合し、対応するスタンプ30が押し当てられたと判断した場合に、携帯端末20に当該クーポンが使用済みである旨の表示をするよう通知してもよい。
【0045】
一方、サーバ40に未登録の配列情報の場合にはクーポンの認識ができないため(ステップS218)、サーバ40から携帯端末20へ当該クーポンが利用できない旨の通知がされ、携帯端末20はこれを受け取る(ステップS220)。通知を受け取った携帯端末20は、クーポンが未登録である旨の表示をし(ステップS222)、処理を終了する。未登録のクーポンを提示した場合には、ユーザはクーポンを利用できない。したがって、例えばクーポンが利用可能な期間外である場合のような誤った利用を防ぐことができる。またクーポンを偽造する等の不正を防止することができる。
【0046】
[第2実施形態:スタンプラリーシステムへの適用例]
次に図11を参照して、本発明の第2の実施形態であるスタンプラリーシステムについて説明する。スタンプラリーシステムの構成は、第1の実施形態で説明したクーポン発行システム10と同様、携帯端末20、スタンプ30、及びサーバ40であり、動作・使用手順に差異はあるものの、それ以外についてはクーポン発行システム10と同様であるので共通部分についてここでの説明は省略する。
【0047】
スタンプラリーシステムは上述した第1の実施形態のクーポン発行システム10と同様、携帯端末20、スタンプ30、およびサーバ40を備える。上述した第1の実施形態と共通の事項については、ここでの説明を省略する。スタンプラリーの複数のチェックポイントにチェックポイント毎のスタンプ30が備え付けられる。
【0048】
図11はスタンプ30をスタンプラリーシステムに適用した場合の使用手順を示すフローチャートである。本手順の開始前に、スタンプラリーの参加者は、携帯端末20にインストールされたアプリケーションにおいて選択可能となっている参加可能な複数のスタンプラリーの中から、自分が参加するスタンプラリーを選択しておく。スタンプラリー参加者がチェックポイントに到着するとフローチャートに示された手順が開始される。まず、携帯端末20上でアプリケーションを起動させる(ステップS300)。そして、アプリケーションを操作し、携帯端末20上に図12に示されるような押印前のスタンプラリーの画面を表示させる(ステップS302)。参加者は、チェックポイントに置いてあるチェックポイント独自の配列情報を配したスタンプ30の押印面を携帯端末の画面に接触させる。すなわち、押印前のスタンプラリーの画面が表示された状態で、タッチパネルディスプレイ25に、スタンプ30を接触させる(ステップS304)。すると、図3に示したようなスタンプ30に配されている電極31の配列情報を携帯端末20が認識する(ステップS306)。認識された配列情報は携帯端末20からサーバ40へインターネット等のネットワークを介して送信される(ステップS308)。サーバ40は当該配列情報を受け取り、クーポン情報検索処理部44により配列情報に対応するクーポン情報を検索して、サーバ40に登録済みの配列情報か否かを判定する(ステップS310)。このとき、サーバ40は、配列情報とともに参加しているスタンプラリーを識別する情報、参加者を識別する情報、チェックポイントを識別する情報等を受け取ってもよい。サーバ40に登録済みの配列情報の場合、登録されている配列情報から該当のチェックポイントを認識し(ステップS312)、サーバ40から携帯端末20へユーザが当該チェックポイントへ到着したことを通知し、携帯端末20はこれを受け取る(ステップS314)。なお、配列情報に基づき認識されたチェックポイントが、携帯端末から受け取ったスタンプラリーを識別する情報やチェックポイントを識別する情報に対応しない場合、サーバ40は当該チェックポイントへ到着したことを通知しないようにしてもよい。サーバ40は、携帯端末20への通知とともに、いつ・誰が・どこのチェックポイントに到着したかを記録する。通知を受け取った携帯端末20は、図13のようなチェックポイント到着済みである旨の表示をし(ステップS316)、処理を終了する。これによりユーザは携帯端末20上に表示されたチェックポイントに到着したことを記録できる。このように、チェックポイントに到着すると、チェックポイントにいつ・誰が・どこのチェックポイントに到着したかをサーバ40が把握し、これらの情報を蓄積することができる。
【0049】
なお、図12および図13に示した携帯端末20に表示させる画面では、一つの画面内に1つのチェックポイントのみが表示されているが、図14に示す変形例のように、一つの画面に複数のチェックポイントを表示させてもよい。一画面に複数のチェックポイントを表示させることで、参加者にゴールまでの達成度を直感的に理解し易く提示することができる。
【0050】
スタンプラリーシステム11はスタンプを押印する際にインクが不要で、かつ押し間違いやスタンプの向きを考慮せずに、携帯端末20上に適切なスタンプを押したような描画を容易に行うことができる。また、チェックポイント自体に電源や通信装置等の設備を設ける必要がなく、チェックポイント場所を設定しやすい。上記の点から、小売店のようなスタンプラリーのためにスペースを設けることが困難な施設でも容易にかつ多数のチェックポイントを設定することができ、顧客を小売店内で回遊させることができる。
【0051】
一方、サーバ40に未登録の配列情報の場合にはチェックポイントの認識ができないため(ステップS318)、サーバ40から携帯端末20へ当該チェックポイントが認識できない旨の通知がされ、携帯端末20はこれを受け取る(ステップS320)。通知を受け取った携帯端末20は、チェックポイントが未登録である旨の表示をし(ステップS322)、処理を終了する。未登録のチェックポイントの画面を提示した場合には、参加者はスタンプ30を押印できない。したがって、例えば実際に到着しているチェックポイントと携帯端末20に表示されている画面で不整合がある場合に、誤ってスタンプ30が押印されることがない。またチェックポイントに到着したことを偽造する等の不正を防止することができる。
【0052】
図11に示した手順によってすべてのチェックポイントでスタンプ30を押した参加者に対し、スタンプラリーシステムは、クーポンや景品を与えるとよい。例えば、すべてのチェックポイントでスタンプ30が押されたことをサーバ40が確認すると、自動的にクーポンを当該参加者の携帯端末20に提供してもよい。また、すべてのスタンプが押されたことを示す画面をスタンプラリーの主催者等に提示したときに、景品やクーポンをもらえるようにしてもよい。全てのスタンプが押されると、サーバ40から携帯端末20に、全参加者の中で何番目に全チェックポイントへの到着を達成したかを示す順位情報が提供され、当該順位情報に応じたクーポンや景品が与えられるようにしてもよい。
【0053】
[第3実施形態:チケット処理システムへの適用例]
次に本発明の第3の実施形態であるチケット処理システムについて説明する。チケット処理システムは、音楽、映画、スポーツ等の各種イベントの入場券、交通機関の利用券などの各種チケットを発行し、使用済みとする消込を行うシステムである。チケット処理システムの構成は、第1の実施形態で説明したクーポン発行システム10と同様、携帯端末20、スタンプ30、及びサーバ40であり、動作・使用手順に差異はあるものの、それ以外についてはクーポン発行システム10と同様であるので共通部分についてここでの説明は省略する。
【0054】
図15に示したように、本実施形態のサーバ40は、端末情報記憶部41、チケット情報記憶部47、スタンプ情報記憶部48、チケット発行処理部49等を有する。
【0055】
チケット情報記憶部47は、チケット識別情報に対応付けて、チケットの名称、チケットの券面の情報(使用前後の画像や文字情報)、チケットの金額、チケットの利用期間、イベントにおける座席位置、当該チケットに対応付けられたスタンプ30のスタンプ識別情報等を格納する。個々のチケットには、複数のスタンプ識別情報が対応付けられてもよい。また、複数のチケットに共通のスタンプ識別情報が割り当てられてもよい。
【0056】
スタンプ情報記憶部48は、スタンプ識別情報とスタンプ30に配された電極の配列を示す配列情報とを対応付けて格納する。スタンプ情報記憶部48にスタンプ30を登録する方法は、第1実施形態のクーポン発行システムにおいてクーポン情報記憶部45にスタンプ30を登録する場合と同様の手法とするとよい。
【0057】
チケット発行処理部49は、チケット情報をユーザの携帯端末20に発行・送信する。チケット発行処理部49は、チケットを第1実施形態のクーポン発行システムと同様の手法により多数のユーザに無料で発行してもよいが、チケット購入の手続きを完了したユーザにのみ、チケットを発行するようにしてもよい。この場合、サーバ40のチケット発行処理部49は、購入手続きが完了したユーザに、チケット情報(例えば、チケットの名称、チケットの券面の情報(画像や文字情報)、チケットの金額、イベントにおける座席位置等)あるいはチケットデータのダウンロードサイトのURLを送信する。
【0058】
以下では音楽イベントの入場券を発行し、発行したチケットをイベント会場で利用する場合を例に、チケット処理システムの使用方法を説明する。
【0059】
ユーザは、所定の手続きを経てチケットを購入し、携帯端末20のアプリケーションに購入したチケットのチケット情報を取り込む。そしてチケットの提示が必要なタイミングで携帯端末20のタッチパネルディスプレイに当該チケットを表示して提示する。チケットが表示されたタッチパネルディスプレイに対し、入場券の消込を行うイベントスタッフが当該イベント用のスタンプを押し当てることで、入場券が使用済みとされる。消込の処理を行う際に、サーバ40と携帯端末20とは、消込が行われたチケットの情報、消込を行った日時、消込を行った場所、等を送受信する。そして、表示しているチケットと押し当てられたスタンプとが対応するか、消込が行われた時刻が入場券の利用期間内か、等が判定され、すべての条件が満たされたときのみ消込が実行される。条件の判定は、携帯端末20にて行ってもよいし、サーバ40で行ってもよい。また、判定の一部を携帯端末20にて行い、残りをサーバ40で行ってもよい。条件が満たされないときには、表示、音、振動などにより、エラーの通知を行うとよい。これにより、不正な入場を防ぐことができる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
例えば、上記の実施形態において、配列情報とそれに対応するクーポン情報、チェックポイント、あるいはチケット情報とは、サーバ40において対応付けて格納され、携帯端末20から受け取った配列情報とクーポン情報、チェックポイント、あるいはチケット情報との対応関係の適否をサーバ40において判定しているが、配列情報とそれに対応するクーポン情報やチェックポイントの情報を携帯端末20に格納しておき、携帯端末20が自ら対応関係の適否を確認するようにしてもよい。
【0062】
また、上記の各実施形態では、スタンプを押し当てることによりクーポンやチケットを使用済みとするための消込処理を行う場合を例に説明したが、消込処理を実行するための操作として、スタンプを押し当てる以外の方法を選択可能としてもよい。例えば、所定の暗証番号を入力する、バーコードや2次元コード(例えばQRコード(登録商標))を読み込む、所定のパターンや波長の音をマイクから入力する、携帯端末20のタッチパネルディスプレイに消込処理を実行するための予め定められた操作を行う、等の方法を選択可能としてもよい。例えば、クーポン情報記憶部45やチケット情報記憶部47において、クーポンやチケットの識別情報と対応付けて利用する消込方法を格納するとよい。
【符号の説明】
【0063】
10 クーポン発行システム
20 携帯端末
30 スタンプ
40 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段、および前記表示手段に重ねて設けられ、同時に複数の位置に接触されたときに個々の接触位置を検出可能な入力手段を有するタッチパネルを有し、電子チケットを前記表示手段に表示するユーザ端末と、
前記入力手段に対する同時接触が検出可能な複数の按部を有するスタンプと、を備え、
前記ユーザ端末は、前記表示手段に前記電子チケットを表示している状態で、前記スタンプの按部により同時に接触されると、複数の接触位置を前記入力手段により検出し、検出した接触位置が所定の条件を満たす場合、前記電子チケットを使用済みである旨を示す描画を行うことを特徴とする電子チケットシステム。