(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177549
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】カートリッジ、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241212BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G03G21/18 125
G03G15/08 229
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024177454
(22)【出願日】2024-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉服 秀一
(72)【発明者】
【氏名】松丸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】浜田 孝俊
(72)【発明者】
【氏名】矢田 剛之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 行秀
(72)【発明者】
【氏名】厚 祐輔
(57)【要約】
【課題】従来の構成をさらに発展させる。
【解決手段】カートリッジは、感光体を有する第1ユニットと、現像部材を有し、当接位置と離間位置との間で第1ユニットに対し揺動可能に構成された第2ユニットと、離間位置にある第2ユニットを当接位置に向けて付勢する付勢力に抗して第2ユニットを離間位置で保持するための第1位置と、第2ユニットを当接位置で保持するための第2位置であって、第1位置から第1回動方向R1に回動した第2位置と、第2位置から第1回動方向R1にさらに移動した第3位置に回動可能な回動部材170と、回動部材170を第1回動方向R1に押圧可能に構成され、第1位置にある回動部材170に接触する第1面171dと、第1面171dに対して第1面171dが向く方向と反対の方向に凹み、回動部材170が第3位置に位置する場合に回動部材170に接触可能な第2面171eとが形成された押圧部材171と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能に構成されるカートリッジであって、
感光体を有する第1ユニットと、
前記感光体に形成された静電潜像を現像する現像部材を有し、前記現像部材が前記感光体に当接する当接位置と、前記現像部材が前記感光体から離間する離間位置との間で、第1ユニットに対し揺動可能に構成された第2ユニットと、
前記離間位置にある前記第2ユニットを前記当接位置に向けて付勢する付勢力に抗して前記第2ユニットを前記離間位置で保持するための第1位置と、前記第2ユニットを前記当接位置で保持するための第2位置であって、前記第1位置から第1回動方向に回動した第2位置と、前記第2位置から前記第1回動方向にさらに回動した第3位置に回動可能に構成された回動部材と、
前記回動部材を前記第1回動方向に押圧可能に構成された押圧部材であって、前記第1位置にある前記回動部材に接触する第1面と、前記第1面に対して前記第1面が向く方向と反対の方向に凹んだ第2面であって、前記回動部材が前記第3位置に位置する場合に前記回動部材に接触可能な第2面とが形成された押圧部材と、
を備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記押圧部材には、前記第1面と前記第2面を接続する接続面であって、前記第2面とのなす角が鈍角である接続面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記第2位置に位置する前記回動部材に前記接続面で接触することを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2面は、前記第1面よりも前記押圧部材の回動中心に近い側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第2ユニットは、前記現像部材、前記回動部材及び前記押圧部材を支持する現像枠体を有することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記押圧部材は、前記回動部材の回動軸線に平行な回動軸線を中心に第2回動方向に回動可能に構成され、
前記回動部材が前記第1位置にあるとき、前記回動部材と前記押圧部材の接触部から前記押圧部材の回動中心までの距離は、前記接触部から前記回動部材の回動中心までの距離より大きいことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記押圧部材は、前記第2回動方向に回動するための力を受ける力受け部を有し、
前記回動部材が前記第1位置にあるとき、前記力受け部から前記押圧部材の回動中心までの距離は、前記回動部材と前記押圧部材の接触部から前記押圧部材の回動中心までの距離より大きいことを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な請求項1~7のいずれか1項に記載のカートリッジと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な請求項7に記載のカートリッジと、
前記力受け部に力を付与する力付与部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジと、カートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、現像部材が感光ドラムに当接した状態で現像プロセスを行うものが知られている。このような画像形成装置において、感光ドラムと現像部材は互いに離間可能に構成される場合がある。特許文献1には、感光ドラムと現像部材が互いに当接した状態及び離間した状態に保持するための保持部材と、装置本体から力を受けて保持部材を移動させる当接力受け部材とを備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の構成をさらに発展させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明のカートリッジは、
画像形成装置に着脱可能に構成されるカートリッジであって、
感光体を有する第1ユニットと、
前記感光体に形成された静電潜像を現像する現像部材を有し、前記現像部材が前記感光体に当接する当接位置と、前記現像部材が前記感光体から離間する離間位置との間で、第1ユニットに対し揺動可能に構成された第2ユニットと、
前記離間位置にある前記第2ユニットを前記当接位置に向けて付勢する付勢力に抗して前記第2ユニットを前記離間位置で保持するための第1位置と、前記第2ユニットを前記当接位置で保持するための第2位置であって、前記第1位置から第1回動方向に回動した第2位置と、前記第2位置から前記第1回動方向にさらに回動した第3位置に回動可能に構成された回動部材と、
前記回動部材を前記第1回動方向に押圧可能に構成された押圧部材であって、前記第1位置にある前記回動部材に接触する第1面と、前記第1面に対して前記第1面が向く方向と反対の方向に凹んだ第2面であって、前記回動部材が前記第3位置に位置する場合に前記回動部材に接触可能な第2面とが形成された押圧部材と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来の構成をさらに発展させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】保持部材と力受け部材の係合位置の切り替え構成の説明図である。
【
図4】前ドアが開いた状態の画像形成装置の断面図である。
【
図5】トレイが装置本体の外側に位置する状態の画像形成装置の断面図である。
【
図6】プロセスカートリッジが取り外された状態の画像形成装置の断面図である。
【
図11】現像当接離間機構の構成を示す斜視図である。
【
図12】感光ドラムと現像ローラの当接離間動作の説明図である。
【
図15】突起部と力受け部材の配置関係の説明図である。
【
図17】実施例2に係る画像形成装置の模式的断面図である。
【
図18】標準プロセスカートリッジの説明図である。
【
図19】標準プロセスカートリッジの説明図である。
【
図20】標準プロセスカートリッジの説明図である。
【
図21】小容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図22】小容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図23】小容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図24】大容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図25】大容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図26】大容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図27】標準プロセスカートリッジの説明図である。
【
図28】小容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図29】大容量プロセスカートリッジの説明図である。
【
図30】標準プロセスカートリッジの断面図である。
【
図31】小容量プロセスカートリッジの断面図である。
【
図32】大容量プロセスカートリッジの断面図である。
【
図33】装置本体とプロセスカートリッジの駆動伝達構成の説明図である。
【
図34】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図35】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図36】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図37】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図38】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図39】現像ユニットのシール構成の説明図である。
【
図40】装置本体と現像ユニットとの間の電気接続の説明図である。
【
図41】装置本体とドラムユニットとの間の電気接続の説明図である。
【
図42】装置本体とメモリータグとの間の電気接続の説明図である。
【
図43】前ドアが開いた状態の画像形成装置の断面図である。
【
図44】トレイが装置本体の外側に位置する状態の画像形成装置の断面図である。
【
図45】プロセスカートリッジが取り外された状態の画像形成装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0009】
まず、本発明に係る画像形成装置について説明する。ここで、画像形成装置とは、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどの公知の各種の画像形成原理・方式を用いて記録媒体に画像を形成する装置である。例えば複写機、プリンタ(例えばレ
ーザープリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、画像表示装置(電子黒板や電子白板)等が含まれる。記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、OHTシート、画像表示体などが含まれる。
【0010】
[実施例1]
<画像形成装置の概略構成>
図2を用いて、実施例1に係る電子写真画像形成装置1(以下、画像形成装置1と称す)について説明する。
図2は、画像形成装置1の全体構成を示す模式的断面図である。画像形成装置1は、シート状の記録媒体Sに画像を形成する、電子写真方式のカラーレーザービームプリンタである。
【0011】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザービームプリンタであり、記録媒体3にカラー画像形成を行う。画像形成装置1はカートリッジを着脱可能に構成されたプロセスカートリッジ方式である。画像形成装置1の装置本体2には、プロセスカートリッジ100が取り外し可能に装着され、画像形成装置1は記録媒体3にカラー画像を形成する。
図3はプロセスカートリッジ100の断面図である。装置本体2には、プロセスカートリッジ100を装置本体2の内外に出し入れするための開口が形成されている。また、装置本体2は、当該開口を開閉する開閉部材として前ドア10を有する。
【0012】
以下の説明において、画像形成装置1に関して、前側(正面側)とは前ドア10が配設された側である。後側(背面側)とは、前側(正面側)の反対側である。前後方向とは、画像形成装置1の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置1を前側から見たときの左と右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。上と下とは重力方向(鉛直方向)における上と下である。上方向とは下から上に向かう方向、下方向とは上から下に向かう方向である。
図2は、画像形成装置1を右方向に見た図であり、上方向がZ1方向、下方向がZ2方向、後ろ方向がX1方向、前方向がX2方向として示されている。また、
図3には、装置本体2に装着された姿勢のプロセスカートリッジ100が示されている。
【0013】
画像形成装置1を正面から見て右側は画像形成装置1(プロセスカートリッジ100)の駆動側、左側は非駆動側である。すなわち、
図2は画像形成装置1を非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置1の非駆動側、紙面奥側が画像形成装置1の駆動側となる。プロセスカートリッジ100の駆動側とは、感光ドラム軸線方向で見ると、後述するドラムカップリング部材(感光体カップリング部材)が配置された側であり、現像ローラ(現像部材)軸線方向で見ると、後述する現像カップリング部材が配置された側である。
【0014】
画像形成装置1の装置本体2には、第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)が略水平方向に配置されている。第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下、トナーと称す)の色や充填量が各々異なるものである。したがって、以下において、特に区別を必要としない場合は、添え字であるY~Kを省略して総括的に説明する。
【0015】
プロセスカートリッジ100には、装置本体2に設けられた駆動出力部(詳細は後述)から回転駆動力が伝達され、装置本体2に設けられた接点(不図示)からバイアス電圧(帯電
バイアス、現像バイアス、静電残検バイアス等)が供給される。
【0016】
図3に示すように、実施例1のプロセスカートリッジ100は、感光ドラム101と、
この感光ドラム101に作用するプロセス手段としての帯電手段と、を備えたドラムユニット120(第1ユニット)を有する。ここで、ドラムユニット120はプロセス手段として帯電手段のみならずクリーニング手段を有する場合もある。
【0017】
また、プロセスカートリッジ100は、感光ドラム101上の静電潜像を現像する現像手段を備えた現像ユニット150(第2ユニット)を有する。現像手段は、例えば感光ドラム101にトナーを供給する現像部材である現像ローラ103を含む。ドラムユニット120と現像ユニット150は、互いに結合されている。また、感光ドラム101と現像ローラ103は互いに当接及び離間可能に構成されている。プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着されていない状態や現像プロセスが行われない状態において、感光ドラム101と現像ローラ103が離間されることで、現像ローラ103の弾性層の変形や感光ドラム101への不要なトナー付着を抑制できる。プロセスカートリッジ100のより具体的な構成については後述する。
【0018】
第1のプロセスカートリッジ100Yは、現像枠体内にイエロー(Y)のトナーを収容しており、感光ドラム101の表面にイエロー色のトナー像を形成する。第2のプロセスカートリッジ100Mは、現像枠体内にマゼンタ(M)のトナーを収容しており、感光ドラム101の表面にマゼンタ色のトナー像を形成する。第3のプロセスカートリッジ100Cは、現像枠体内にシアン(C)のトナーを収容しており、感光ドラム101の表面にシアン色のトナー像を形成する。第4のプロセスカートリッジ100Kは、現像枠体内にブラック(K)のトナーを収容しており、感光ドラム101の表面にブラック色のトナー像を形成する。
【0019】
第1~第4のプロセスカートリッジ100の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニット11が設けられている。レーザスキャナユニット11は、画像情報に対応してレーザ光12を出力する。そして、レーザ光12は、プロセスカートリッジ100の露光窓128を通過して感光ドラム101の表面を走査露光する。
【0020】
第1~第4のプロセスカートリッジ100の下方には、転写部材としての中間転写ユニット5が設けられている。中間転写ユニット5は、駆動ローラ5e、テンションローラ5b、可撓性を有する転写ベルト5aを有する。転写ベルト5aは、駆動ローラ5eとテンションローラ5bに掛け渡されている。
【0021】
各プロセスカートリッジ100の感光ドラム101は、その下面が転写ベルト5aの上面に接している。また、転写ベルト5aの内側には、感光ドラム101に対向させて一次転写ローラ5dが設けられている。感光ドラム101と転写ベルト5aの接触部は、感光ドラム101から転写ベルト5aにトナー像が転写される一次転写部である。一次転写部は、転写ベルト5aを介して感光ドラム101と転写ベルト5aが接触している部分ということもできる。
【0022】
駆動ローラ5eには、転写ベルト5aを介して二次転写ローラ6が当接されている。転写ベルト5aと二次転写ローラ6の接触部は、転写ベルト5aから記録媒体3にトナー像が転写される二次転写部である。二次転写部は、転写ベルト5aを介して駆動ローラ5eと二次転写ローラ6が接触している部分ということもできる。
【0023】
中間転写ユニット5の下方には、給送ユニット4が設けられている。給送ユニット4は、記録媒体3を積載して収容する給紙トレイ4aと、記録媒体3を給紙トレイ4aから搬送する給紙ローラ4bを有する。
【0024】
装置本体2内の正面側且つ上方側(
図2の右上方)には、定着装置7と排紙装置8が設
けられている。また、装置本体2の上面には、排紙トレイ9が形成されている。記録媒体3は、定着装置7に設けられた定着手段によりトナー像が定着された後、排紙トレイ9へ排出される。
【0025】
<画像形成動作>
次に、画像形成装置1によるフルカラー画像を形成するための画像形成動作について説明する。画像形成装置1の制御部は、外部ホスト装置から受け取った画像信号に基づいて、記録媒体3への画像形成動作を開始する。外部ホスト装置は、例えばパーソナルコンピュータ、イメージリーダ及びファクシミリ等である。
【0026】
画像形成動作に際しては、第1~第4の各プロセスカートリッジ100の感光ドラム101が所定の速度で
図3の矢印A方向に回転駆動される。また、転写ベルト5aが感光ドラム101の回転に対して順方向(
図2の矢印B方向)に感光ドラム101の速度に対応した速度で回転駆動される。
【0027】
レーザスキャナユニット11は、各感光ドラム101の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光12で走査露光する。そして、レーザスキャナユニット11の駆動に同期して、各プロセスカートリッジ100において、帯電ローラ102が感光ドラム101の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。これにより、各感光ドラム101の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光ドラム101の回転に対して順方向(
図3の矢印C方向)に所定の速度で回転駆動される現像ローラ103により現像される。
【0028】
以上の電子写真画像形成プロセス動作により、第1のプロセスカートリッジ100Yの感光ドラム101にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色のトナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写ベルト5a上に一次転写される。
【0029】
同様に、第2のプロセスカートリッジ100Mの感光ドラム101にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト5a上にすでに転写されているイエロー色のトナー像に重畳されて一次転写される。
【0030】
同様に、第3のプロセスカートリッジ100Cの感光ドラム101にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト5a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色のトナー像に重畳されて一次転写される。
【0031】
同様に、第4のプロセスカートリッジ100Kの感光ドラム101にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト5a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色のトナー像に重畳されて一次転写される。
【0032】
このようにして、転写ベルト5a上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。
【0033】
一方、所定の制御タイミングで記録媒体3が給送ユニット4から1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体3は、所定の制御タイミングで二次転写ローラ6と転写ベルト5aとの当接部である二次転写部に導入される。そして、記録媒体3が二次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト5a上の4色重畳のトナー像が記録媒体3の面に順次一括転写される。
【0034】
<プロセスカートリッジ着脱構成概略>
プロセスカートリッジ100を支持するカートリッジトレイ20(以下、トレイ20と称す)について、
図4~
図6を用いて更に詳細に説明する。
図4は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の内側に位置する画像形成装置1の断面図である。
図5は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の外側に位置し、トレイ20内部にプロセスカートリッジ100が収納された状態の画像形成装置1の断面図である。
図6は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の外側に位置し、トレイ20から第1のプロセスカートリッジ100Yが取り外された状態の画像形成装置1の断面図である。
【0035】
図4、
図5に示すように、トレイ20は、装置本体2に対して、実質的に水平方向である矢印X1方向(押し込み方向)及び矢印X2方向(引き出し方向)に移動可能に構成されている。すなわち、トレイ20は装置本体2に対して引き出し及び押し込み可能に設けられ、画像形成装置1が水平面上に設置された状態において、トレイ20は略水平方向に移動可能に構成されている。以下、前ドア10が開いた状態で、装置本体2の内側に位置するトレイ20の位置を内側位置と称し、トレイ20の状態を内側状態と称する。また、前ドア10が開いた状態で、装置本体2の外側に位置するトレイ20の位置を外側位置と称し、トレイ20の状態を外側状態と称する。
図4は、トレイ20が内側位置にあり、内側状態である様子を示し、
図5は、トレイ20が外側位置にあり、外側状態である様子を示す。トレイ20が内側状態、又は外側状態のとき、感光ドラム101と転写ベルト5aは互いに離間される。
【0036】
トレイ20は、第1のプロセスカートリッジ100Yが取り外し可能に装着される装着部20aを有する。同様に、トレイ20は、第2プロセスカートリッジ100M、第3のプロセスカートリッジ100C、第4のプロセスカートリッジ100Kのそれぞれが取り外し可能に装着される装着部20aを有する。
図6に示されるように、プロセスカートリッジ100は外側位置にあるトレイ20の装着部20aに対して取り付け、及び取り外し可能である。そして、プロセスカートリッジ100は、装着部20aに配置された状態で、トレイ20と共に装置本体2の内側と外側の間を移動する。
【0037】
実施例1において、中間転写ユニット5は、前ドア10を閉じることで不図示のリンク機構によって、矢印Z1方向に上昇し、画像形成時の位置(感光ドラム101と転写ベルト5aが接触する位置)まで移動する。また、前ドア10を開くことで、中間転写ユニット5は矢印Z2方向に下降し、感光ドラム101と転写ベルト5aは離間する。
【0038】
以上のように、トレイ20によって、複数のプロセスカートリッジ100をまとめて装置本体2の内側の画像形成が可能な位置に移動させること、及び、まとめて装置本体2の外側に引き出すことができる。
【0039】
<プロセスカートリッジの全体構成>
次に、プロセスカートリッジ100の構成について、
図7~
図10を用いてより詳細に説明する。
図7は、ドラムユニット120の分解斜視図である。
図8は、現像ユニット150の分解斜視図である。
図9は、プロセスカートリッジ100を感光ドラム101の軸方向の一端側である駆動側からみた組立斜視図である。
図10はプロセスカートリッジ100を駆動側から見た斜視図である。
【0040】
プロセスカートリッジ100は、感光ドラム101と、感光ドラム101に作用するプロセス手段を備える。ここで、プロセス手段は感光ドラム101を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ102、感光ドラム101に形成された潜像を現像する現像手段として
の現像ローラ103等を含む。プロセスカートリッジ100は、第1ユニットとしてのドラムユニット120と、第2ユニットとしての現像ユニット150とにより構成されている。
【0041】
以下の説明において、ドラムユニット120、及び現像ユニット150の長手方向Yとは、
図9に示される感光ドラム101の回転軸線aと略平行な方向である。また、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された状態において、長手方向Yは画像形成装置1の左右方向と略平行である。
【0042】
<ドラムユニットの構成>
次に、ドラムユニット120の詳細構成について説明する。
図7、
図9に示されるように、ドラムユニット120は、感光ドラム101、帯電ローラ102、ドラム枠体121などにより構成される。
【0043】
ドラムユニット120は、帯電ローラ102の駆動側の端部に配置される帯電ローラ用の軸受ユニット126と、非駆動側の端部に配置される帯電ローラ用の軸受ユニット127と、を備える。軸受ユニット126は、帯電ローラ102を回転可能に支持する軸受け126aと、帯電ローラ102を感光ドラム101に向けて付勢する加圧バネ126bを有する。同様に、軸受ユニット127は、帯電ローラ102を回転可能に支持する軸受け127aと、帯電ローラ102を感光ドラム101に向けて付勢する加圧バネ127bを有する。したがって、帯電ローラ102は、軸受け126a、127aによって回転可能に支持され、加圧バネ126b、127bによって感光ドラム101に向けて、
図3の矢印F方向に付勢される。
【0044】
また、帯電ローラ102の駆動側の端部には帯電ローラ離間部材129が取り付けられ、非駆動側の端部には帯電ローラ離間部材130が取り付けられている。これらの部材により、初期出荷状態において、帯電ローラ102は感光ドラム101と離間している。そして、使用時に感光ドラム101が回転することで離間状態は解除される。
【0045】
また、プロセスカートリッジ100の長手方向の駆動側の端部にはカートリッジカバー部材122が設けられ、非駆動側の端部にはカートリッジカバー部材123が設けられている。感光ドラム101は、カートリッジカバー部材122、123により回転自在に支持されている。
【0046】
図9に示されるように、感光ドラム101の長手方向の一端側(駆動側)には、感光ドラム101に駆動力を伝達するためのカップリング部材125が設けられている。カップリング部材125は、装置本体2に設けられたドラム駆動出力部としてのドラム駆動カップリング30と係合する。装置本体2の駆動モータ(不図示)の駆動力は、ドラム駆動カップリング30とカップリング部材125を介して感光ドラム101に伝達され、感光ドラム101は
図3の矢印A方向に回転される。また、感光ドラム101の長手方向の他端側(非駆動側)には、ドラムフランジ124が設けられている。帯電ローラ102を支持する軸受け126aと軸受け127aは、帯電ローラ102が感光ドラム101に対し接触して従動回転(
図3矢印E方向)できるように、ドラム枠体121に支持されている。
【0047】
<現像ユニットの構成>
次に、現像ユニット150の詳細構成について説明する。
図3、
図8に示されるように、現像ユニット150は、現像ローラ103、トナー搬送ローラ104、現像ブレード156、現像枠体などにより構成されている。現像枠体は、第1の現像枠体151と第2の現像枠体152を含む。第1の現像枠体151と第2の現像枠体152は、超音波溶着等で互いに結合されている。
【0048】
現像ユニット150の現像枠体には、現像ローラ103に供給するトナーを収容する空間としてトナー収容部162が形成されている。また、現像枠体は、現像ローラ103やトナー搬送ローラ104に対して駆動側に設けられる軸受153と、非駆動側に設けられる軸受154を備える。現像枠体は、駆動側の軸受153と非駆動側の軸受154を介して、現像ローラ103、トナー搬送ローラ104を回転自在に支持し、現像ローラ103周面のトナーの層厚を規制する現像ブレード156を保持する。
【0049】
現像ブレード156は、例えば、厚さ0.1mm程度のシート状金属である弾性部材156bを、L字断面を有する金属材料である支持部材156aに溶接等で取り付けたものである。現像ブレード156は、長手方向一端部と他端部の二箇所で、固定ビス156cにより、現像枠体に取り付けられる。
【0050】
現像ユニット150の長手方向の一端側(駆動側)には、現像ユニット150に駆動力を伝達するための現像駆動入力ギア159が設けられている。現像駆動入力ギア159には、装置本体2に設けられた現像駆動カップリング40から駆動を受ける現像入力カップリング部159aが設けられている。このような構成により、装置本体2の駆動モータ(不図示)の駆動力が現像ユニット150に入力される。
【0051】
現像ユニット150に入力された駆動力は、現像ローラギア157に伝達されることで、現像ローラ103を
図3の矢印C方向に回転させる。そして、トナー搬送ローラギア158に伝達されることで、トナー搬送ローラ104を
図3の矢印D方向に回転させることが可能である。
【0052】
また、現像ユニット150は、トナー収容部162の内部に配置される撹拌部材161と、撹拌部材161を駆動するための撹拌ギア160を備える。現像ユニット150に入力された駆動力が撹拌ギア160に伝達されることで、撹拌部材161は
図3の矢印G方向に回転させられ、トナー収容部162にあるトナーを撹拌する。
【0053】
撹拌部材161は、現像ローラ103の回転軸線方向に平行な回転軸161aと、搬送部材としての第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cを有する。第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cは、可撓性を有するシートである。第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cの一端は回転軸161aに取り付けられ、第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cの他端は自由端となっている。回転軸161aの回転に伴い、第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cも回転することで、第1の撹拌シート161b及び第2の撹拌シート161cによってトナー収容部162のトナーが撹拌される。
【0054】
また、現像ユニット150の長手方向の一端側(駆動側)には、現像駆動入力ギア159を支持及びカバーする現像カバー部材155が設けられている。
【0055】
<ドラムユニットと現像ユニットの係合構成>
図9を用いて、ドラムユニット120と現像ユニット150の係合構成(組み立て構成)について説明する。ドラムユニット120と現像ユニット150は、プロセスカートリッジ100の長手方向の駆動側の端部に設けられたカートリッジカバー部材122と、非駆動側の端部に設けられたカートリッジカバー部材123によって結合される。
【0056】
駆動側のカートリッジカバー部材122には、現像ユニット150を揺動(移動)可能に支持するための現像ユニット支持穴122bと、感光ドラム101を回転可能に支持するためのドラム支持穴122aが設けられている。同様に、非駆動側のカートリッジカバ
ー部材123には、現像ユニット150を揺動可能に支持するための現像ユニット支持穴123bと、感光ドラム101を回転可能に支持するためのドラム支持穴123aが設けられている。つまり、カートリッジカバー部材122、123は、現像ユニット150を揺動可能に支持し、且つ感光ドラム101を回転可能に支持する支持部材である。すなわち、カートリッジカバー部材122、123によって、現像ユニット150は、現像ローラ103が感光ドラム101に当接する現像位置と、現像ローラ103が感光ドラム101から離間位置とに揺動(移動)可能に支持されている。
【0057】
ドラムユニット120と現像ユニット150の係合に際しては、一端側(駆動側)で、カートリッジカバー部材122の現像ユニット支持穴122bに現像カバー部材155の円筒部155aの外径部が嵌合される。また、他端側(非駆動側)で、カートリッジカバー部材123の現像ユニット支持穴123bに、軸受154の円筒部(不図示)の外径部が嵌合される。
【0058】
また、感光ドラム101の長手方向の一端部はカートリッジカバー部材122のドラム支持穴122aに嵌合され、他端部はカートリッジカバー部材123のドラム支持穴123aに嵌合される。そして、カートリッジカバー部材122とカートリッジカバー部材123は、不図示のビスや接着剤等により、ドラムユニット120に固定される。これにより、現像ユニット150は、ドラムユニット120(感光ドラム101)に対して、カートリッジカバー部材122、123に揺動可能に支持され、画像形成時に現像ローラ103を感光ドラム101に作用する位置に位置決め可能である。
【0059】
以上の工程によって、ドラムユニット120と現像ユニット150が組立てられ、プロセスカートリッジ100として一体的に形成される。ドラムユニット120と現像ユニット150が組立てられた状態を
図10に示す。
図10は、プロセスカートリッジ100の斜視図である。
【0060】
以下、駆動側のカートリッジカバー部材122の現像ユニット支持穴122bの中心と、非動側のカートリッジカバー部材123の現像ユニット支持穴123bの中心とを結んだ軸線を揺動軸bと称する。ここで、プロセスカートリッジ100の駆動側の端部に設けられた現像カバー部材155の円筒部155aは、現像入力カップリング部159aと同軸である。すなわち現像ユニット150は、この揺動軸bにおいて装置本体2より駆動力を伝達される構成である。また、現像ユニット150は、揺動軸bを中心として揺動自在に支持されている。
【0061】
現像ユニット150は、現像ローラ103が感光ドラム101に当接する当接位置と、現像ローラ103が感光ドラム101から離間する離間位置とに揺動(移動)可能に構成されている。また、装置本体2には、現像ユニット150を離間位置から当接位置に向かう方向に付勢する付勢構成が設けられている。付勢構成は、例えば、現像ユニット150を付勢する引張バネ(不図示)や回転トルクを現像ユニット150に与える現像駆動入力ギア159を含む。
【0062】
<当接離間機構の構成>
次に、プロセスカートリッジ100の感光ドラム101と現像ユニット150の現像ローラ103とを当接及び離間させる当接離間機構について説明する。現像枠体を構成する非駆動側の軸受154に組み付けられる当接離間機構を
図11(a)、(b)に示す。
図11(a)、(b)は、当接離間機構の構成を示す斜視図である。
図11(a)は、当接離間機構が組み付け前の状態、
図11(b)は組み付け完了後の状態を示す。当接離間機構は、保持部材170、力受け部材171、引っ張りバネ172から構成される。
【0063】
保持部材170は、断面形状が略円状の孔である被支持部170aを有する。被支持部170aは、非駆動側の軸受154に設けられた第1支持部154bに係合する。第1支持部154bは、現像ユニット150の長手方向に突出する突起である。保持部材170は、被支持部170aが第1支持部154bに係合することで、軸受154に回動可能に支持される回動部材(第1回動部材)である。
【0064】
また、保持部材170は、被支持部170aから半径方向に突出した離間保持部170bを有する。
図12(a)に示すように離間保持部170bが非駆動側のカートリッジカバー部材123の被当接部123cと当接することで、保持部材170はプロセスカートリッジ100の現像離間状態を保持する。
【0065】
力受け部材171は、断面形状が長円状のスリットである被支持部171aを有する。被支持部171aは、軸受154に設けられた第2支持部154cに係合する。第2支持部154cは、現像ユニット150の長手方向に突出する突起である。力受け部材171は、被支持部171aが第2支持部154cに係合することで、軸受154に平行移動可能、且つ回動可能に支持される回動部材(第2回動部材)である。プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された姿勢において、被支持部171aは上下方向に延伸しており、力受け部材171は姿勢を保ったまま上下に移動可能である。また、力受け部材171が移動可能範囲の下方に位置するとき、すなわち第2支持部154cが被支持部171aの上端部に位置するとき、力受け部材171は回動可能に構成されている。
【0066】
また、力受け部材171は、装置本体2に設けられた当接離間制御部から力を受ける力受け部171bを有する。力受け部材171は、当接離間制御部から力を受けて回動することで、保持部材170を回動させるように押圧する。すなわち、力受け部材171は、保持部材170を押圧可能に構成された押圧部材であるということもできる。
【0067】
図11(b)に示すように、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された状態においては、力受け部材171の回動中心H(回動軸線)は、保持部材170の回動中心K(回動軸線)の上方に位置する。また、力受け部材171と保持部材170の接触部は、回動中心Kより下方であって、力受け部171bの上方に位置する。すなわち、当該接触部から回動中心Hまでの距離は、当該接触部から回動中心Kまでの距離より大きい。また、力受け部171bから回動中心Hまでの距離は、当該接触部から回動中心Hまでの距離より大きい。このような構成により、保持部材170を回動させるために力受け部材171に付与する力を小さくすることができる。
【0068】
引っ張りバネ172は、一端が保持部材170に固定され、他端が力受け部材171に固定されている付勢部材である。引っ張りバネ172は、力受け部材171を保持部材170に対して回動させる方向に付勢力を作用させる。
【0069】
<当接離間動作>
当接離間機構による感光ドラム101と現像ローラ103の当接離間動作について、
図12(a)~(d)を用いて詳細を説明する。
図12(a)~(d)は、感光ドラム101と現像ローラ103の当接離間動作の説明図である。
図12(a)~(d)は、非駆動側のカートリッジカバー部材123の被当接部123cと離間保持部170bの当接状態が示されたプロセスカートリッジ100の部分断面図である。
図12(a)~(d)は、画像形成装置1に装着された姿勢のプロセスカートリッジ100を示す。
【0070】
図12(a)は、前ドア10が開いた状態で画像形成装置1の装置本体2にプロセスカートリッジ100が装着された様子を示す。この状態において、保持部材170の離間保持部170bはカートリッジカバー部材123の被当接部123cに当接している。そし
て、プロセスカートリッジ100は、感光ドラム101と現像ローラ103が互いに離間した現像離間状態である。保持部材170がカートリッジカバー部材123に当接することで、現像ローラ103が感光ドラム101に近づくことが規制され、現像ユニット150(現像ローラ103)が離間位置に保持される。
【0071】
図12(b)は、
図12(a)の状態から画像形成装置1の前ドア10が閉じられた様子を示す。前ドア10を閉じると、力受け部材171は、前ドア10の閉動作に連動して駆動するリンク機構に上方から押圧されて、下方に移動する。力受け部材171は付勢部材(不図示)により上方に付勢されており、リンク機構は当該付勢部材の付勢力に抗して力受け部材171を下方に移動させる。このとき、力受け部材171の下方側の端部である力受け部171bが非駆動側の軸受154から下方に突出するように力受け部材171は移動する。この状態において、保持部材170の離間保持部170bはカートリッジカバー部材123の被当接部123cに当接している。そして、プロセスカートリッジ100は、感光ドラム101と現像ローラ103が互いに離間した現像離間状態である。
【0072】
図12(b)の状態においても、保持部材170がカートリッジカバー部材123に当接することで、付勢構成に付勢される現像ユニット150が離間位置から当接位置へと移動することが規制される。
図12(b)に示される位置であって、プロセスカートリッジ100が現像離間状態となるように現像ユニット150を保持するための保持部材170の位置を第1位置とする。
【0073】
図12(c)は、力受け部材171の力受け部171bが、装置本体2に設けられた離間制御部によって第1方向W1に押圧されて移動し始める様子を示す。第1方向W1は、力受け部171bがカートリッジカバー部材123に近づく方向であり、感光ドラム101や現像ローラ103の回転軸線と交差する方向である。力受け部171bが押され始めた状態において、保持部材170の離間保持部170bはカートリッジカバー部材123の被当接部123cに当接している。
【0074】
力受け部171bが第1方向W1に力を受けると、力受け部材171は回動する。そして、力受け部171bが回動すると、保持部材170は力受け部材171に押圧されて回動する。以下、第1方向W1の力を受けた力受け部171bが移動したときの保持部材170が回動する方向を第1回動方向R1とする。また、力受け部171bが第1方向W1の力を受けたときに力受け部材171が回動する方向を第2回動方向R2とする。
【0075】
図12(d)は、
図12(c)の状態から力受け部材171がさらに第2回動方向R2に回動し、保持部材170が更に第1回動方向R1に回動した様子を示す。保持部材170が第1回動方向R1に回動すると、保持部材170の離間保持部170bは上方に移動する。そして、離間保持部170bは、カートリッジカバー部材123の被当接部123cから離間する。
【0076】
保持部材170がカートリッジカバー部材123から離間すると、現像ローラ103が感光ドラム101に近づいて当接するように現像ユニット150が離間位置から当接位置へと揺動される。すなわち、離間保持部170bと被当接部123cの当接状態が解除されることで、感光ドラム101と現像ローラ103は互いに当接し、プロセスカートリッジ100は現像当接状態となる。言い換えると、保持部材170がカートリッジカバー部材123から離間する位置に移動することで、現像ユニット150が当接位置に保持される。
図12(d)に示される位置であって、プロセスカートリッジ100が現像当接状態となるように現像ユニット150を保持するための位置を第2位置とする。
【0077】
上述の通り、保持部材170は第1位置と第2位置とに回動可能に構成されている。ま
た、保持部材170は、第2位置から更に第1回動方向R1に回動して第3位置に回動可能に構成されている。第3位置の詳細については後述する。また、以下の説明において、
図12(b)に示される力受け部材171の位置を第4位置、
図12(a)に示される力受け部材171の位置を第5位置とする。すなわち、力受け部材171は、第2回動方向R2へ回動可能な第4位置と、第4位置より上方の第5位置とに平行移動可能に構成されている。
【0078】
以上の動作により、現像ユニット150は離間位置から当接位置へと移動し、プロセスカートリッジ100は現像離間状態から現像当接状態へと移行する。プロセスカートリッジ100が現像当接状態のとき、画像形成装置1は、画像形成動作を実行可能である。
【0079】
次に、力受け部材171に力を付与する当接離間制御部の力付与部材111について説明する。
図13(a)~(d)は、力付与部材111の説明図である。力付与部材111は、力受け部材171に力を付与する力付与部111aを有し、第1方向W1と第2方向W2に移動可能に装置本体2に設けられている。力付与部111aは、第1方向W1を向く面と第2方向W2を向く面を含み、保持部材170の回動軸線に直交する断面の形状がU字状に形成されている。力受け部材171が第4位置にあるとき、力付与部材111の第1方向W1を向く面と第2方向W2を向く面との間に力受け部材171の先端部が位置する。
【0080】
図13(a)は、第1位置にある保持部材170がカートリッジカバー部材123に当接し、現像ユニット150が離間位置に保持されている状態を示す。このとき、力付与部材111と力受け部材171との間には隙間が設けられている。
図13(a)に示される状態から力付与部材111が第1方向W1に移動することで、力付与部111aが力受け部171bを押圧して力受け部材171が第2回動方向R2に回動する。
図13(b)は、力受け部材171が力付与部材111に押圧されて第2回動方向R2に回動し、保持部材170が力受け部材171に押圧されて第2位置に移動した状態を示す。
【0081】
図13(c)は、
図13(b)の状態から力付与部材111が第2方向W2に移動して、力受け部材171から離間した状態を示す。保持部材170が第2位置に移動してカートリッジカバー部材123から離間し、現像ローラ103が感光ドラム101に当接した後は、力付与部材111は第2方向W2に移動して力受け部材171から離間する。力付与部材111の移動後、力付与部材111と力受け部材171との間には隙間が設けられている。また、力付与部材111が第2方向W2に移動して力受け部材171から離間すると、力受け部材171を上方に付勢する付勢部材の付勢力等により力受け部材171は第2回動方向R2と反対方向にわずかに回動する。そして、引っ張りバネ172の付勢力等により、保持部材170も第1回動方向R1と反対の方向に回動しようとするが、
図13(c)に示されるように、カートリッジカバー部材123により保持部材170の回動は規制される。このような構成により、力付与部材111を力受け部材171から離間させたとしても、保持部材170が意図せず第2位置から第1位置へと回動することが防止される。なお、画像形成装置1による画像形成動作時、保持部材170、力受け部材171、力付与部材111は
図13(c)に示される位置にある。このとき、保持部材170と力受け部材171は互いに離間している。
【0082】
一方、現像ユニット150が当接位置から離間位置へと移動し、プロセスカートリッジ100が現像当接状態から現像離間状態へと移行する際は、力付与部材111が第2方向W2に移動して力受け部材171を押圧する。力受け部材171の力受け部171bと反対側に形成された力受け部171gが、力付与部111aに第2方向W2に押圧されることで、力受け部材171は第2回動方向R2と反対の方向に移動する。すると、力受け部材171を支持する現像枠体ごと、現像ユニット150がドラムユニット120から離れ
る方向に揺動し、現像ローラ103が感光ドラム101から離間する。また、力受け部材171の移動に伴い、引っ張りバネ172の付勢力によって、保持部材170は第1回動方向R1と反対の方向に、第2位置から第1位置に回動する。その後、力付与部材111が第1方向W1に移動して力受け部材171から離間すると、付勢構成の付勢力により現像ユニット150はドラムユニット120に向かって揺動し、離間保持部170bが被当接部123cに当接する。そして、前ドア10が開かれ、力受け部材171が前ドア10の開閉動作に連動するリンク機構から押圧されていた状態から解放されると、力受け部材171は第4位置から第5位置に向かって上方に移動する。
【0083】
<カートリッジ個装状態における現像当接抑制構成>
上述の通り、プロセスカートリッジ100においては、力受け部材171の移動(回動)によって、現像当接状態と現像離間状態が切り替えられる。したがって、例えばユーザがプロセスカートリッジ100の取り付け取り外し動作を行う際に、力受け部材171が意図せず押圧等されて移動することにより、プロセスカートリッジ100が現像離間状態から現像当接状態に誤って切り替わるおそれがある。そこで、プロセスカートリッジ100には、画像形成装置1にプロセスカートリッジ100が装着されていない状態(個装状
態)においてユーザが意図せず現像離間状態を解除してしまうことを抑制する現像当接抑
制構成が設けられている。そこで、
図14(a)、(b)を用いて、現像当接抑制構成について説明する。
図14(a)、(b)は、現像当接抑制構成の説明図である。
【0084】
現像ユニット150は、保持部材170を第1位置から第2位置へと移動させるように、力受け部材171が第2回動方向R2に回動することを規制する規制部としての突起部154aを有する。実施例1において、突起部154aは非駆動側の軸受154に設けられており、現像ローラ103の回転軸線方向において力受け部材171側に突出する。すなわち、軸受154は突起部154aを有し、力受け部材171の回動を規制する規制部材であるということもできる。また、力受け部材171には、突起部154aと係合する被規制部171cが設けられている。
【0085】
図14(a)は、装置本体2に装着されていない状態のプロセスカートリッジ100を示す。このとき、力受け部材171は第5位置にある。力受け部材171が第5位置にあるとき、被規制部171cは第2回動方向R2(第1方向W1)において突起部154aの下流側に位置し、第1方向W1に見たときに突起部154aと重なる位置にある。つまり、突起部154aは被規制部171cの回動軌跡上に位置するため、力受け部材171が第2回動方向R2に移動しようとすると、被規制部171cが突起部154aに当接し、突起部154aが力受け部材171の第2回動方向R2への回動を規制する。このように、力受け部材171が第5位置にあるとき、突起部154aによって第2回動方向R2への回動が規制される。
【0086】
図14(b)は、装置本体2に装着されて前ドア10が閉じられた状態のプロセスカートリッジ100を示す。このとき、力受け部材171は上方から押圧され、第5位置より下方の第4位置に移動する。力受け部材171が第4位置にあるとき、被規制部171cは、突起部154aより下方に位置し、第1方向W1に見たときに突起部154aと重ならない位置にある。つまり、突起部154aは被規制部171cの回動軌跡外に位置するため、力受け部材171が第2回動方向R2に移動しても、被規制部171cは突起部154aに当接せず、突起部154aは力受け部材171の第2回動方向R2への回動を規制しない。上述の通り、前ドア10が閉じられる動作に連動して、力受け部材171は第5位置から第4位置へと移動する。
【0087】
図15は、突起部154aと力受け部材171の配置関係の説明図である。力受け部材171が第4位置に位置し、保持部材170が第1位置に位置するとき、力受け部材17
1の第1係合面171dが保持部材170の被押圧面170cに当接する。第1係合面171dは第2回動方向R2の下流側を向く面であり、被押圧面170cは第1回動方向R1の上流側を向く面である。
図15に示されるように、突起部154aは、第1係合面171dや被押圧面170c、すなわち力受け部材171と保持部材170の接触部に対して第2回動方向R2の上流側に位置する。このような配置関係により、画像形成装置1にプロセスカートリッジ100が装着された状態において、保持部材170の第1回動方向R1の回動や力受け部材171の第2回動方向R2の回動は、突起部154aによって妨げられない。
【0088】
ここまで説明したように、力受け部材171は、第4位置と第5位置に平行移動可能、且つ第4位置で回動可能に構成されている。そして、力受け部材171が第4位置にあるとき、力受け部材171は第2回動方向R2に回動することにより、保持部材170を第1回動方向R1に押圧する。また、力受け部材171が第5位置にあるとき、力受け部材171が第2回動方向R2へ回動すると被規制部171cが突起部154aに当接する。このような構成により、プロセスカートリッジ100が装置本体2から外されているときは、力受け部材171が第5位置にあるため、プロセスカートリッジ100の現像離間状態が保持される。一方、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着されて、力受け部材171が第5位置から第4位置に移動すると、力受け部材171は回動できる状態となる。そして、力受け部材171が回動して、保持部材170を回動させることで、プロセスカートリッジ100における感光ドラム101と現像ローラ103の当接離間動作が実行される。
【0089】
図16は、突起部154aの配置位置の説明図である。突起部154aは、力受け部材171が第5位置にあるとき、力受け部材171の回動中心Hと力受け部171bとを結んだ方向において、保持部材170の回動中心Kよりも、力受け部171bに近い位置に設けられている。言い換えると、力受け部材171が第5位置にあるとき、現像ユニット150の長手方向に見たときに、突起部154aから力受け部171bまでの距離D1は、保持部材170の回動中心Kから力受け部171bまでの距離D2より小さい。力受け部171bから突起部154aや被規制部171cまでの距離が大きい場合、被規制部171cが突起部154aに当接した状態で力受け部171bが力付与部材111から力を受けると力受け部材171の変形量は大きくなる。一方、突起部154a(被規制部171c)から力受け部171bまでの距離を小さくしておくことで、当該距離が大きい場合と比較して、力受け部171bが力を受けた際の力受け部材171の変形を抑制できる。したがって、力受け部材171の変形による保持部材170の第1回動方向R1への回動量(距離)を小さくすることができるため、より確実にプロセスカートリッジ100の現像離間状態の解除を抑制できる。
【0090】
以上の構成により、実施例1においては、プロセスカートリッジ100が個包装状態のときと、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された状態のときとで、力受け部材171の位置が異なる。そして、プロセスカートリッジ100が個包装状態のとき、力受け部材171の第2回動方向R2への回動は規制され、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された状態のとき、力受け部材171の第2回動方向R2への回動は規制されない。このような構成により、プロセスカートリッジ100が個包装状態のとき、力受け部材171が誤って移動され、プロセスカートリッジ100が現像離間状態から現像当接状態へと移行することを抑制できる。また、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された状態のとき、力受け部材171を意図通りに移動させ、プロセスカートリッジ100の現像離間状態と現像当接状態を切り替えることができる。
【0091】
<保持部材と力受け部材の係合位置の切り替え構成>
上述の通り、実施例1では、保持部材170が第1位置から第2位置へと移動すること
で、現像ユニット150が離間位置から当接位置へと揺動する。しかし、保持部材170の回動範囲が第1位置から第2位置までで設計された場合、部品の寸法バラツキや変形によっては、保持部材170が設計通りに第2位置まで回動せず、現像当接離間動作が正常に行われないおそれがある。一方、保持部材170の回動範囲を過度に広げると、力付与部材111の移動範囲が広がるため、力付与部材111のその他の部材に対する干渉するおそれがある。また、力付与部材111の移動範囲が広い場合、力付与部材111をドラムユニット120等から離して配置する必要があるため、画像形成装置1の大サイズ化をまねくおそれがある。そこで、実施例1では、画像形成装置1の大サイズ化を抑制しつつ、現像当接離間動作をより確実に実行できるように保持部材170と力受け部材171を構成した。以下、上記課題解決のための保持部材170と力受け部材171の構成について説明する。
【0092】
図1(a)、(b)を用いて、保持部材170と力受け部材171の係合位置EPの切り替え構成について説明する。
図1(a)、(b)は、保持部材170と力受け部材171の係合位置EPの切り替え構成の説明図である。係合位置EPとは、保持部材170と力受け部材171が係合している位置であり、両部材の接触箇所である。
【0093】
図1(b)に示すように、力受け部材171は、保持部材170と係合する面として、第1面としての第1係合面171d、第2面としての第2係合面171e、接続面としての斜面171fを有する。少なくとも現像ユニット150が離間位置にあるとき、第1係合面171d、第2係合面171e、斜面171fは、いずれも第1方向W1側を向く。より具体的には、保持部材170が第1位置にある状態において、第1係合面171dと第2係合面171eは、第1方向W1と略直交する。
【0094】
第1係合面171dは、力受け部材171の先端部(力受け部171b側の端部)に形成されている。第2係合面171eは、第1係合面171dに対して被支持部171a側(力受け部材171の回動中心側)であって、第1係合面171dより第2方向W2側に形成されている。すなわち、第2係合面171eは、第1係合面171dに対して、第1係合面171dが向く方向と反対の方向に凹むように形成されている。また、第2係合面171eは、第1係合面171dに対しておおよそ平行である。斜面171fは、第1係合面171dと第2係合面171eを接続する面であり、第1係合面171dと第2係合面171eに対して傾斜して形成されている。
【0095】
図1(a)は、保持部材170が第1位置から第2位置へと移行する途中の様子を示す。保持部材170が第1位置にあるとき、保持部材170の被押圧面170cは、力受け部材171の第1係合面171dに接触する。このとき、保持部材170と力受け部材171の係合位置EPは第1係合面171d上である。
【0096】
力受け部材171が第2回動方向R2に回動することで、保持部材170は第1回動方向R1に回動し、被押圧面170cは徐々に上方向に移動する。そして、保持部材170が第2位置に到達すると、被押圧面170cは斜面171fに接触する。このとき、保持部材170と力受け部材171の係合位置EPは斜面171f上である。なお、保持部材170が第2位置に位置するとき、係合位置EPが第1係合面171d上、又は第2係合面171e上にあるように構成することもできる。
【0097】
また、実施例1においては、保持部材170は第2位置からさらに第1回動方向R1に回動可能に構成されている。保持部材170が力受け部材171に押されて第2位置からさらに第1回動方向R1に移動したときの位置であって、保持部材170がドラムユニット120(感光体ユニット)に接触する位置を第3位置とする。すなわち、保持部材170は、第1位置と第2位置と第3位置に回動可能に構成されている。保持部材170が第
3位置にあるとき、現像ローラ103は感光ドラム101に当接しており、プロセスカートリッジ100は現像当接状態である。
【0098】
保持部材170が第2位置から第3位置へと第1回動方向R1に回動可能に構成されることで、部品の寸法にバラツキがある場合や部品が変形した場合でも、確実にプロセスカートリッジ100を現像離間状態から現像当接状態へと切り替えることができる。このように、プロセスカートリッジ100は、部品の寸法バラツキや変形を考慮して、より確実に現像離間状態から現像当接状態へと切り替えることができるように構成されている。
【0099】
図1(b)は、保持部材170が第3位置に移動した状態を示す。第2位置にある保持部材170がさらに第1回動方向R1に回動することで、被押圧面170cは斜面171f上から第2係合面171e上に移動する。そして、保持部材170が第3位置にあるとき、保持部材170の被押圧面170cは、力受け部材171の第2係合面171eに接触する。このとき、保持部材170と力受け部材171の係合位置EPは第2係合面171e上である。そして、保持部材170が第3位置にあるとき、保持部材170はドラムユニット120のカートリッジカバー部材123に接触する。したがって、保持部材170が第3位置を超えて過度に第2回動方向R2に回動することは、ドラムユニット120によって規制される。
【0100】
以上のように、実施例1においては、保持部材170が第1位置から第2位置へと移動する過程で係合位置EPは第1係合面171d上を上方向に移動し、斜面171fに到達する。そして、保持部材170が第2位置から第3位置へと移動する過程で係合位置EPは斜面171f上から第2係合面171e上へと移動する。したがって、保持部材170が第1位置から第3位置へと回動する過程で、被押圧面170cの接触対象が第1係合面171dから第1係合面171dより凹んだ第2係合面171eに切り替わる構成とされている。
【0101】
力受け部材171と保持部材170の係合位置EPが、第1係合面171d上から第2係合面171e上へと切り替わることで、力受け部材171の移動量に対する保持部材170の移動量(回動量)を小さくすることができる。保持部材170を第1回動方向R1に回動させるためには、力付与部材111を第1方向W1に移動して力受け部材171を第2回動方向R2に回動させる必要がある。しかし、上述の構成によれば、保持部材170の回動量が小さくなるため、力付与部材111が第1方向W1、すなわちドラムユニット120に近づく方向に移動する距離を小さくすることができる。したがって、力付与部材111をドラムユニット120により近接する位置に配置することが可能であり、画像形成装置1のサイズを小型化できる。つまり、保持部材170が第2位置から第3位置に回動可能な構成においても、保持部材170とドラムユニット120の意図しない接触を防止しつつ、力付与部材111の配置スペース(移動範囲)を小さくすることができる。そして、力付与部材111の配置スペースを縮小した分、画像形成装置1のサイズを小型化できる。
【0102】
また、上述の通り、第1係合面171dと第2係合面171eは斜面171fによって接続されている。斜面171fは、第2係合面171eとのなす角が鈍角となるように形成されている。このような構成とすることで、保持部材170が第3位置から第1位置に戻る際、斜面171fによって案内され、保持部材170は引っかかることなく第2係合面171eと接触する位置から第1係合面171dと接触する位置まで戻る。
【0103】
なお、上述の説明では、プロセスカートリッジ100の非駆動側の当接離間機構と現像当接抑制構成について説明したが、駆動側においても同様の機構や構成が設けられている。
【0104】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
画像形成装置に着脱可能に構成されるカートリッジであって、
感光体を有する第1ユニットと、
前記感光体に形成された静電潜像を現像する現像部材を有し、前記現像部材が前記感光体に当接する当接位置と、前記現像部材が前記感光体から離間する離間位置との間で、第1ユニットに対し揺動可能に構成された第2ユニットと、
前記離間位置にある前記第2ユニットを前記当接位置に向けて付勢する付勢力に抗して前記第2ユニットを前記離間位置で保持するための第1位置と、前記第2ユニットを前記当接位置で保持するための第2位置であって、前記第1位置から第1回動方向に回動した第2位置と、前記第2位置から前記第1回動方向にさらに回動した第3位置に回動可能に構成された回動部材と、
前記回動部材を前記第1回動方向に押圧可能に構成された押圧部材であって、前記第1位置にある前記回動部材に接触する第1面と、前記第1面に対して前記第1面が向く方向と反対の方向に凹んだ第2面であって、前記回動部材が前記第3位置に位置する場合に前記回動部材に接触可能な第2面とが形成された押圧部材と、
を備えることを特徴とするカートリッジ。
(構成2)
前記押圧部材には、前記第1面と前記第2面を接続する接続面であって、前記第2面とのなす角が鈍角である接続面が形成されていることを特徴とする構成1に記載のカートリッジ。
(構成3)
前記押圧部材は、前記第2位置に位置する前記回動部材に前記接続面で接触することを特徴とする構成2に記載のカートリッジ。
(構成4)
前記第2面は、前記第1面よりも前記押圧部材の回動中心に近い側に形成されていることを特徴とする構成1~3のいずれか一の構成に記載のカートリッジ。
(構成5)
前記第2ユニットは、前記現像部材、前記回動部材及び前記押圧部材を支持する現像枠体を有することを特徴とする構成1~4のいずれか一の構成に記載のカートリッジ。
(構成6)
前記押圧部材は、前記回動部材の回動軸線に平行な回動軸線を中心に第2回動方向に回動可能に構成され、
前記回動部材が前記第1位置にあるとき、前記回動部材と前記押圧部材の接触部から前記押圧部材の回動中心までの距離は、前記接触部から前記回動部材の回動中心までの距離より大きいことを特徴とする構成1~5のいずれか一の構成に記載のカートリッジ。
(構成7)
前記押圧部材は、前記第2回動方向に回動するための力を受ける力受け部を有し、
前記回動部材が前記第1位置にあるとき、前記力受け部から前記押圧部材の回動中心までの距離は、前記回動部材と前記押圧部材の接触部から前記押圧部材の回動中心までの距離より大きいことを特徴とする構成6に記載のカートリッジ。
(構成8)
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な構成1~7のいずれか一の構成に記載のカートリッジと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
(構成9)
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能な構成7に記載のカートリッジと、
前記力受け部に力を付与する力付与部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0105】
[実施例2]
図17~
図45を参照して、本発明の実施例2に係る画像形成装置について説明する。ここでは、実施例2において実施例1と異なる点について主として説明する。以下の説明において、実施例2の構成のうち実施例1の構成と共通する構成については実施例1と同じ符号を付して再度の説明を省略する。また、以下の説明において特に言及しない実施例2の構成は実施例1の構成と同様である。
【0106】
なお、
図17~
図45のうちの幾つかの図には、「〇〇mm」のスケール表示が含まれる。このスケール表示は、本実施例におけるプロセスカートリッジの形状構成の具体的な寸法を示す基準であり、各図に図示された構成の大きさに対応してスケール表示も各図において異なる大きさで示されている。
【0107】
<画像形成装置>
図17を参照して、本実施例に係る画像形成装置の全体構成について説明する。
図17は、本実施例に係る画像形成装置の模式的断面図である。
図17は、画像形成装置1bが備える感光ドラム等の回転部材の回転軸線に垂直な断面であって、画像形成装置1bを非駆動側から見た断面図である。
【0108】
画像形成装置1bの装置本体2には、実施例1と同様、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有し、トナーの色や充填量が各々異なる第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)が着脱可能に配置されている。実施例1と同様、本実施例におけるプロセスカートリッジ100も、現像ローラ103、供給ローラ104、現像ブレード156等を備えた現像ユニット150と、感光ドラム101、帯電ローラ102等を備えたドラムユニット120と、を備えている。
【0109】
各プロセスカートリッジ100は、画像形成装置1bが通常想定される設置状態として水平面上に載置された状態において、水平方向に対して若干の角度を有する傾斜方向に所定の間隔を空けて整列するように配置される。各プロセスカートリッジ100は、トレイ20に装着され、トレイ20が装置本体2の所定の装着位置に配置されることで、装置本体2における所定の装着位置(画像形成可能位置)に配置される。トレイ20において各プロセスカートリッジ100の並ぶ方向は、プロセスカートリッジ100の長手方向(感光ドラム101等の回転部材の回転軸線に沿った方向)と直交する方向である。各プロセスカートリッジ100は、トレイ20が装置本体2の所定の装着位置にある状態において、装着空間奥側のプロセスカートリッジ100Kが、装着空間手前側のプロセスカートリッジ100Yよりも下方に位置する傾斜方向に整列する。
【0110】
本実施例に係る画像形成装置1bは、実施例1と同様、各プロセスカートリッジ100を装置本体2に対して着脱可能に構成されている。トレイ20は、前ドア10が開かれることで、装置本体2の外部に引き出し可能となっている。トレイ20が装置本体2の外部の引き出し位置にある状態において、各プロセスカートリッジ100はトレイ20に対して着脱が可能となる。
図43は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の内側に位置する画像形成装置1bの断面図である。
図44は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の外側に位置し、トレイ20内部にプロセスカートリッジ100が収納された状態の画像形成装置1bの断面図である。
図45は、前ドア10が開いた状態で、トレイ20が装置本体2の外側に位置し、トレイ20からプロセスカートリッジ100Yが取り外された状態の画像形成装置1bの断面図である。
【0111】
本実施例に係る画像形成装置1bの装置本体2には、実施例1と同様、給送ユニット4、中間転写ユニット5、二次転写ローラ6、定着装置7、排紙装置8、排紙トレイ9、レ
ーザスキャナユニット11等が備えられている。給送ユニット4は、記録媒体3を積載して収容する給紙トレイ4aと、記録媒体3を給紙トレイ4aから搬送する給紙ローラ4bを有する。中間転写ユニット5は、駆動ローラ5eと、テンションローラ5bと、これらに掛け渡される可撓性を有する転写ベルト5aを有する。
【0112】
本実施例に係る画像形成装置1bの画像形成動作の内容は、実施例1に係る画像形成装置1と同様である。
【0113】
本実施例に係る画像形成装置1bは、以下で説明する三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yが着脱可能に構成されている。これら三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yは、現像ユニット150の構成、特にトナー収容部の形状が互いに異なっており、それぞれのトナーの収容量が互いに異なっている。三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yのうちプロセスカートリッジ100xは、トナー収容量が標準の収容量であるプロセスカートリッジである。プロセスカートリッジ100aは、プロセスカートリッジ100xよりもトナー収容量が小容量のプロセスカートリッジである。プロセスカートリッジ100yは、プロセスカートリッジ100xよりもトナー収容量が大容量のプロセスカートリッジである。
【0114】
<標準プロセスカートリッジ100x>
図18(a)~
図20(b)、
図27(a)、
図27(b)、
図30(a)、
図30(b)を参照して、三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yのうちの一つ目のプロセスカートリッジ100xについて説明する。
【0115】
図18(a)は、
図19においてプロセスカートリッジ100xを-Z方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100xの天面図)である。
図18(b)は、
図19においてプロセスカートリッジ100xを-X方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100xの背面図)である。
図19(a)は、プロセスカートリッジ100xの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100xを駆動側から非駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100xの駆動側側面図)である。
図19(b)は、プロセスカートリッジ100xの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100xを非駆動側から駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100xの非駆動側側面図)である。
図20(a)は、
図19においてプロセスカートリッジ100xをZ方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100xの底面図)である。
図20(b)は、
図20(a)においてプロセスカートリッジ100xをX方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100xの正面図)である。
図27(a)は、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)から、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)に向かって見降ろす角度で見たときのプロセスカートリッジ100xの斜視図である。
図27(b)は、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)から、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)に向かって見上げる角度で見たときのプロセスカートリッジ100xの斜視図である。
図30(a)は、
図18(b)におけるA1-A1断面図である。
図30(b)は、
図18(b)におけるB1-B1断面図である。
【0116】
ここで、
図18(a)以降の各図において示すXYZの座標系は、
図17に示す配置における水平面に対して、X軸とZ軸が若干傾斜した座標系となっている。具体的には、X軸が水平面に対して、Z軸が垂直方向に対して、それぞれ8度傾いた座標系となっている。XYZ座標は、プロセスカートリッジ100の各構成の配置関係をわかりやすく説明するための便宜的な座標系であり、実際の装着状態におけるプロセスカートリッジ100の姿勢を示すための座標系ではない。
【0117】
図18(a)、
図18(b)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、駆動側
の力受け部材1712と、非駆動側の力受け部材1713と、を有する。力受け部材1712、1713は、装置本体2に設けられた当接離間制御部から感光ドラム101と現像ローラ103を当接及び離間させるための作用力を受けるための構成として、実施例1の力受け部材171と同様に構成されている。すなわち、力受け部材1712、1713はそれぞれ、力受け部材171が備える被支持部171a、力受け部171b、被規制部171c、第1係合面171d、第2係合面171e、斜面171f、力受け部171g等と同様の構成を備えている。力受け部材1712は、プロセスカートリッジ100xの長手方向における駆動側の端部において現像カバー部材155に組付けられている。力受け部材1713は、プロセスカートリッジ100xの長手方向における非駆動側の端部において軸受154に組付けられている。
【0118】
図18(a)、
図18(b)、
図27(a)、
図30(a)、
図30(b)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、第1の現像枠体151にトナー収容室242と枠体外部とを連通するトナー充填口212を備え、充填口キャップ201により封止されている。トナー充填口212は、現像枠体151においてZ方向に面した上面におけるプロセスカートリッジ100xの長手方向中央部に、Z方向に開口するように設けられている。
【0119】
図18(a)、
図27(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、長手方向の非駆動側における、力受け部材1713よりも長手方向の外側に、メモリータグ202を備えている。メモリータグ202は、プロセスカートリッジ100xに関する情報を格納する記憶素子を含む。メモリータグ202は、カートリッジカバー部材123においてZ方向に面した上面に配置されている。
【0120】
図19(b)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、ドラムユニット120と現像ユニット150が、揺動回転軸線AX周りに互いに揺動可能に構成されている。揺動回転軸線AXは、
図19(a)に示す現像入力カップリング部159a(現像駆動入力ギア159)の回転中心と一致する。
【0121】
図19(b)、
図27(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、非駆動側に、各種接点部材を有する。具体的には、供給ローラ接点部材203、現像ブレード接点部材204、帯電ローラ電極板205、現像ローラ接点部材206、第1検知接点部材207、第2検知接点部材208が設けられている。プロセスカートリッジ100xの長手方向における軸受154の外側を覆うカートリッジカバー部材123には、上記各種接点部材を長手方向に露出させるための切欠き部乃至孔部が設けられている。
【0122】
供給ローラ接点部材203は、プロセスカートリッジ100xにおいて供給ローラ104に電気的に接続されるように設けられている。現像ブレード接点部材204は、プロセスカートリッジ100xにおいて現像ブレード156に電気的に接続されるように設けられている。帯電ローラ電極板205は、プロセスカートリッジ100xにおいて帯電ローラ102に電気的に接続されるように設けられている。現像ローラ接点部材206は、プロセスカートリッジ100xにおいて現像ローラ103に電気的に接続されるように設けられている。
【0123】
第1検知接点部材207は、プロセスカートリッジ100xにおいて第1導電シート240(
図30(b)参照)に電気的に接続されるように設けられている。第2検知接点部材208は、プロセスカートリッジ100xにおいて第2導電シート241(
図30(b)参照)に電気的に接続されるように設けられている。
図30(b)に示すように、第2の現像枠体152は、トナー収容部内のトナー残量を検知するための構成として、可撓性を有する導電シート240と導電シート241がインサート成形によってトナー収容部の
内側に固定されている。導電シート240、241には装置本体2から残検バイアスが印加され、撹拌部材161によりトナー収容部内を搬送されるトナーの残量に応じた静電容量が一対の電極としての導電シート240、241を介して検知される。これにより、トナー収容部内のトナー残量の検知が可能である。
【0124】
供給ローラ接点部材203、現像ブレード接点部材204、現像ローラ接点部材206、第1検知接点部材207、第2検知接点部材208は、それぞれ導電性樹脂からなり、軸受154のPC+ABS等からなるベース部材と、2色成形によって一体的に固定されるように設けられている。帯電ローラ電極板205は、板金で構成され、ドラム枠体121に一体的に組付けられている。
【0125】
上記各種接点部材は、プロセスカートリッジ100xが装置本体2に装着された状態において装置本体2に備えられた各種電極とそれぞれ接続可能に構成されている。
【0126】
図19(b)、
図27(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、長手方向の非駆動側において、感光ドラム101の非駆動側の端部を回転可能に支持するアースピン209を備える。アースピン209は、金属からなり、非駆動側のカートリッジカバー部材123に固定され、感光ドラム101に電気的に接続される。
【0127】
図19(b)、
図27(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、実施例1のプロセスカートリッジ100と同様、長手方向の非駆動側において、現像ローラ103を感光ドラム101に向けて付勢するための加圧バネ127bを備える。加圧バネ127bは、一端がカートリッジカバー部材123に接続され、他端が軸受154に接続された付勢部材の例である。加圧バネ127bは、現像ローラ103が感光ドラム101に向かって付勢されるようにカートリッジカバー部材123及び軸受154に力を作用させる。
【0128】
図20(a)、
図20(b)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、駆動側の保持部材1702と、非駆動側の保持部材1703と、を有する。保持部材1702、1703は、プロセスカートリッジ100xにおける感光ドラム101と現像ローラ103が互いに離間した現像離間状態を保持するための構成として、実施例1の保持部材170と同様に構成されている。すなわち、保持部材1702、1703はそれぞれ、保持部材170が備える被支持部170a、離間保持部170b、被押圧面170c等と同様の構成を備えている。
【0129】
図20(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、感光ドラム101と現像ローラ103が当接状態にあるときに、感光ドラム101に当接して現像ローラ103の変形量を規制するための規制コロ210を備える。規制コロ210は、プロセスカートリッジ100xの長手方向における現像ローラ103のシャフト両端部にそれぞれ設けられている。
【0130】
図30(a)、
図30(b)に示すように、現像枠体151、152の内部は、現像ローラ103、供給ローラ104が配置される現像室243と、撹拌部材161が配置されトナーが収容されるトナー収容室242とが、現像開口213を介して連通する構成となっている。現像開口213は、ユーザがプロセスカートリッジ100xを使用し始める前の新品状態において、封止部材214によって封止されている。プロセスカートリッジ100xは、工場から出荷される前の生産工程において、現像開口213を封止部材214で封止した状態でトナー充填口212からトナーが充填される。
【0131】
封止部材214は、シート状の部材であり、一端側で現像開口213を封止し、他端が
、第1の撹拌シート161bのトナー撹拌面の裏側に固定されている。封止部材214は、プロセスカートリッジ100xが初めて使用される際に、トナー収容室242内の撹拌部材161がH方向に回転することで、現像開口213から剥離される。
【0132】
現像枠体151、152は、現像ローラ103が配置される現像室243を外部と連通させる開口部を有し、該開口部を塞ぐように現像ローラ103が配置される。この開口部の縁部に沿って、現像ブレード156、吹き出し防止シート216、現像端部シール2232、2233(
図35(a)、
図35(b)参照)が、開口部を環状に囲むように連なった配置で設けられる。これら複数の部材によって、現像ローラ103の外周面のうち、現像室243に対して露出する(面する)領域と、現像枠体151、152の外部に対して露出する領域と、がそれぞれ画定される。現像ローラ103の外周面において現像室243に露出する領域を囲むように、現像ブレード156、吹き出し防止シート216、現像端部シール2232、2233(
図35(a)、
図35(b)参照)が、現像ローラ103の外周面に密接する。
【0133】
図30(a)、
図30(b)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、長手方向の駆動側において、帯電ローラ102を回転可能に支持する帯電ローラ軸受2192と、帯電ローラ102を感光ドラム101に向けて付勢する帯電ローラ加圧バネ2182と、を有する。同様に、プロセスカートリッジ100xは、長手方向の非駆動側において、帯電ローラ102を回転可能に支持する帯電ローラ軸受2193と、帯電ローラ102を感光ドラム101に向けて付勢する帯電ローラ加圧バネ2183と、を有する。帯電ローラ軸受2192と帯電ローラ軸受2193は、ドラム枠体121に取り付けられ、帯電ローラ加圧バネ2182、帯電ローラ加圧バネ2183によって感光ドラム101に対して付勢される。
【0134】
図30(a)に示すように、プロセスカートリッジ100xは、感光ドラム101の非駆動側に、ドラムアース板217を備える。
図30(a)、
図30(b)に示すように、感光ドラム101は、長手方向において感光ドラム101のシリンダ101a(
図41(a)参照)の駆動側に配置されるドラムフランジ1242と、非駆動側に配置されるドラムフランジ1243と、を有する。ドラムアース板217は、アースピン209と感光ドラム101のシリンダ101a(
図41(a)参照)とを電気接続する。
【0135】
<小容量プロセスカートリッジ100a>
図21(a)~
図23(b)、
図28(a)、
図28(b)、
図31(a)、
図31(b)を参照して、三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yのうちの二つ目のプロセスカートリッジ100aについて説明する。プロセスカートリッジ100aは、プロセスカートリッジ100xよりもトナー収容量が小容量のプロセスカートリッジである。
【0136】
図21(a)は、
図22においてプロセスカートリッジ100aを-Z方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100aの天面図)である。
図21(b)は、
図22においてプロセスカートリッジ100aを-X方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100aの背面図)である。
図22(a)は、プロセスカートリッジ100aの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100aを駆動側から非駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100aの駆動側側面図)である。
図22(b)は、プロセスカートリッジ100aの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100aを非駆動側から駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100aの非駆動側側面図)である。
図23(a)は、
図22においてプロセスカートリッジ100aをZ方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100aの底面図)である。
図23(b)は、
図23(a)においてプロセスカートリッジ100aをX方向に見たときの図(プロセスカートリッジ10
0aの正面図)である。
図28(a)は、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)から、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)に向かって見降ろす角度で見たときのプロセスカートリッジ100aの斜視図である。
図28(b)は、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)から、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)に向かって見上げる角度で見たときのプロセスカートリッジ100aの斜視図である。
図31(a)は、
図21(b)におけるA2-A2断面図である。
図31(b)は、
図21(b)におけるB2-B2断面図である。
【0137】
図31(a)、
図31(b)に示すように、プロセスカートリッジ100aは、トナー収容室242の断面積が、
図30(a)、
図30(b)に示すプロセスカートリッジ100xの収容室242の断面積よりも狭い。すなわち、プロセスカートリッジ100aは、プロセスカートリッジ100xよりもトナー収容量が小容量となっている。その他のプロセスカートリッジ100aの構成はプロセスカートリッジ100xと同様であり、説明は省略する。
【0138】
<大容量プロセスカートリッジ100y>
図24(a)~
図26(b)、
図29(a)、
図29(b)、
図32(a)、
図32(b)を参照して、三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yのうちの三つ目のプロセスカートリッジ100yについて説明する。
【0139】
図24(a)は、
図25においてプロセスカートリッジ100yを-Z方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100yの天面図)である。
図24(b)は、
図25においてプロセスカートリッジ100yを-X方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100yの背面図)である。
図25(a)は、プロセスカートリッジ100yの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100yを駆動側から非駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100yの駆動側側面図)である。
図25(b)は、プロセスカートリッジ100yの長手方向に沿って、プロセスカートリッジ100yを非駆動側から駆動側に向かって見たときの図(プロセスカートリッジ100yの非駆動側側面図)である。
図26(a)は、
図25においてプロセスカートリッジ100yをZ方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100yの底面図)である。
図26(b)は、
図26(a)においてプロセスカートリッジ100yをX方向に見たときの図(プロセスカートリッジ100yの正面図)である。
図29(a)は、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)から、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)に向かって見降ろす角度で見たときのプロセスカートリッジ100yの斜視図である。
図29(b)は、X方向上流側かつY方向上流側かつZ方向上流側(下方側)から、X方向下流側かつY方向下流側かつZ方向下流側(上方側)に向かって見上げる角度で見たときのプロセスカートリッジ100yの斜視図である。
図32(a)は、
図24(b)におけるA3-A3断面図である。
図32(b)は、
図24(b)におけるB3-B3断面図である。
【0140】
図32(a)、
図32(b)に示すように、プロセスカートリッジ100yは、トナー収容室242の断面積が、
図30(a)、
図30(b)に示すプロセスカートリッジ100xの収容室242の断面積よりも広い。すなわち、プロセスカートリッジ100yは、プロセスカートリッジ100xよりもトナー収容量が大容量となっている。その他のプロセスカートリッジ100yの構成はプロセスカートリッジ100xと同様であり、説明は省略する。
【0141】
図33(a)~
図42(c)を参照して、三種類のプロセスカートリッジ100x、100a、100yにおいて共通する構成について説明する。
【0142】
<駆動伝達構成>
図33(a)は、装置本体2に設けられた現像駆動カップリング40とドラム駆動カップリング30を示す斜視図である。
図33(b)は、プロセスカートリッジ100の駆動側端部に設けられた現像入力カップリング部159a(現像駆動入力ギア159)とカップリング部材125(ドラムフランジ1242)を示す斜視図である。現像入力カップリング部159a、カップリング部材125は、プロセスカートリッジ100の駆動側端部において、カートリッジカバー部材122から長手方向に露出するように設けられている。プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着されると、現像入力カップリング部159aが現像駆動カップリング40と駆動連結し、カップリング部材125がドラム駆動カップリング30と駆動連結する。これにより、装置本体2の不図示の動力源から供給される駆動力が現像駆動カップリング40から現像入力カップリング部159aへ伝達され、現像ローラ103等の現像ユニット150内の回転体が回転駆動される。同様に、装置本体2の不図示の動力源から供給される駆動力がドラム駆動カップリング30からカップリング部材125へ伝達され、感光ドラム101等のドラムユニット120内の回転体が回転駆動される。
【0143】
<現像ユニット150のシール構成>
図34(a)~
図39を参照して、現像ユニット150のシール構成を説明する。
【0144】
図34(a)は、駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図である。
図34(b)は、非駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図である。
図35(a)は、駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図であって、
図34(a)に対して、現像ローラ103を不図示にした図である。
図35(b)は、非駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図であって、
図34(b)に対して、現像ローラ103を不図示にした図である。
図36(a)は、駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図であって、
図34(a)に対して、現像ローラ103、現像ブレード156、吹き出し防止シート216を不図示にした図である。
図36(b)は、非駆動側端部周辺のシール構成を示す斜視図であって、
図34(b)に対して、現像ローラ103、現像ブレード156、吹き出し防止シート216を不図示にした図である。
図37(a)は、
図19においてドラムユニット120等を不図示とし現像ユニット150のみをZ方向に見た図(現像ユニット150の底面図)である。
図37(b)は、
図37(a)におけるC1-C1断面図である。
図37(c)は、
図37(a)におけるC2-C2断面図である。
図37(d)は、
図37(a)におけるC3-C3断面図である。
図38(a)は、駆動側における第1の現像枠体151と第2の現像枠体152との間のシール構成を示す斜視図である。
図38(b)は、非駆動側における第1の現像枠体151と第2の現像枠体152との間のシール構成を示す斜視図である。
図39は、現像ユニット150における撹拌部材161のシール構成を示す分解斜視図である。
【0145】
図34(a)、
図34(b)に示すように、現像ユニット150の駆動側端部、非駆動側端部の各部の隙間は、ホットメルト220によって封止されている。詳細は後述する。
図34(b)に示すように、現像ユニット150の非駆動側には、現像ブレード156と現像ブレード接点部材204とを電気的に接続する現像ブレードバネ222が設けられている。
【0146】
図35(a)、
図35(b)に示すように、現像枠体151、152の開口部244の縁部のうち現像枠体151、152の長手方向(現像ローラ103の回転軸線方向)に沿った部分には、現像ブレード156と吹き出し防止シート216が開口部244を挟んで平行に配置される。現像ブレード156は、開口部244に対して現像ローラ103の回転方向の下流側に配置され、吹き出し防止シート216は、開口部244に対して現像ローラ103の回転方向の上流側に配置される。吹き出し防止シート216は、両面テープ221によって第2の現像枠体152に固定される。
【0147】
図35(a)~
図36(b)に示すように、現像ユニット150は、駆動側の供給ローラシャフトシール2252と、非駆動側の供給ローラシャフトシール2253と、を備える。供給ローラシャフトシール2252は、駆動側における供給ローラ104のシャフト端部に設けられ、第1の現像枠体151と軸受153の間で軸方向に圧縮され、現像枠体151、152内のトナーが供給ローラ104の駆動側の端部から漏れ出すのを防止する。供給ローラシャフトシール2253は、非駆動側における供給ローラ104のシャフト端部に設けられ、現像端部シール座面部材224と軸受154の間で軸方向に圧縮され、現像枠体151、152内のトナーが供給ローラ104の非駆動側の端部から漏れ出すのを防止する。
【0148】
図36(a)、
図36(b)、
図37(c)に示すように、現像ブレード156と現像枠体151の間には、現像ブレード下シール215が介在し、現像ブレード156と現像枠体151の間の隙間が封止される。すなわち、現像ブレード下シール215は、長手シール部材として、現像枠体151の長手方向に沿って配置される。
【0149】
現像ユニット150の組立において、現像枠体151、152に各部材を取り付けた後に、駆動側と非駆動側のホットメルト溝226からそれぞれホットメルト220を注入する。ホットメルト220は、ホットメルト溝226を埋めるように注入される。これにより、現像枠体151と、駆動側現像端部シール2232、非駆動側現像端部シール2233、現像ブレード156、現像ブレード下シール215の間の隙間空間がホットメルト220で埋まることになる。
【0150】
また、
図20(b)、
図37(a)、に示すように、長手方向における現像枠体152の両端部において、駆動側現像端部シール2232、非駆動側現像端部シール2233の先端近傍には、ホットメルト孔211がそれぞれ設けられている。現像ユニット150の組立において、現像枠体151、152に各部材を取り付けた後に、駆動側と非駆動側のホットメルト孔211からそれぞれホットメルト220を注入する。ホットメルト220は、ホットメルト孔211を埋めるように注入される。これにより、現像枠体151と、駆動側現像端部シール2232、非駆動側現像端部シール2233、吹き出し防止シート216の間の隙間空間がホットメルト220で埋まることになる。
【0151】
ホットメルト220は、例えば、熱可塑性ゴムや粘着付与樹脂等の混合物からなり、加熱により液化し冷却によって弾性を有した固体へ硬化する特徴を有している。ホットメルト溝226に注入されたホットメルト220が硬化することで、上述した隙間空間を埋める封止部材が形成される。これにより、現像室243内から現像ユニット150の外部へトナーが漏れ出ることが抑制される。
【0152】
図37(a)~
図38(b)に示すように、現像ユニット150は、第1の現像枠体151と第2の現像枠体152の間に挟み込まれるシール部材として、駆動側に現像枠体間シール2272、非駆動側に現像枠体間シール2273を備える。また、
図36(b)、
図38(b)に示すように、現像ユニット150は、非駆動側に現像端部シール座面部材224を備える。現像端部シール座面部材224は、第1の現像枠体151に接着され、現像端部シール2233の貼付け座面を形成する。また、現像端部シール座面部材224は、供給ローラ104のシャフトを通す貫通孔を有する。供給ローラ104の長手両端をそれぞれ軸支する軸孔のうち片方の軸孔を現像枠体151、152とは別部材である現像端部シール座面部材224で形成するように構成することで、供給ローラ104の現像枠体151、152への組付けを容易としている。
【0153】
図39に示すように、第1の現像枠体151の内部に配置される撹拌部材161と外部に配置される撹拌ギア160との間の駆動連結部は、第1の現像枠体151の貫通孔を挿
通され、貫通孔との隙間は撹拌シール228によって封止されている。撹拌シール228は、環状のシール部材であり、撹拌部材161の端部に設けられ、内周側と外周側の双方から圧縮されるように圧入して組付けられており、現像枠体151、152内のトナーが撹拌部材161の端部から漏れ出るのを防止する。
【0154】
<現像ユニット150の電気接続>
図40(a)~
図40(e)を参照して、現像ユニット150と装置本体2との間の電気接続について説明する。装置本体2は、現像ユニット150との接点構成として本体接点ホルダ230を備える。
【0155】
図40(e)は、本体接点ホルダ230の斜視図である。
図40(e)に示すように、本体接点ホルダ230は、本体側供給ローラ接点部材233、本体側現像ブレード接点部材234、本体側現像ローラ接点部材236、本体側第1検知接点部材237、本体側第2検知接点部材238を備える。本体接点ホルダ230は、装置本体2に設けられており、プロセスカートリッジ100が装置本体2における所定の装着位置にあるときに各接点部材が、プロセスカートリッジ100の各接点部材とそれぞれ電気的に接続されるように構成されている。
【0156】
図40(a)は、プロセスカートリッジ100と本体接点ホルダ230を、プロセスカートリッジ100の長手方向に沿って非駆動側から駆動側に向かって見たときの図である。
図40(b)は、
図40(a)のE1-E1断面図である。E1-E1断面図は、本体側供給ローラ接点部材233、本体側現像ブレード接点部材234、本体側現像ローラ接点部材236の近傍の断面である。
図40(b)は、本体側供給ローラ接点部材233と供給ローラ接点部材203との接続、本体側現像ブレード接点部材234と現像ブレード接点部材204との接続、本体側現像ローラ接点部材236と現像ローラ接点部材206との接続の様子を示す。
【0157】
図40(c)は、プロセスカートリッジ100と本体接点ホルダ230を、プロセスカートリッジ100の長手方向に沿って非駆動側から駆動側に向かって見たときの図である。
図40(d)は、
図40(c)のE2-E2断面図である。E2-E2断面図は、本体側第1検知接点部材237、本体側第2検知接点部材238の近傍の断面である。
図40(d)は、本体側第1検知接点部材237と第1検知接点部材207との接続、本体側第2検知接点部材238と第2検知接点部材208との接続の様子を示す。本体側の各接点部材は、例えば線バネで構成されており、プロセスカートリッジ100の各接点部材とそれぞれ電気的に接続するための先端部が略U字形状に形成されている。
【0158】
<ドラムユニット120の電気接続>
図41(a)~
図41(c)を参照して、ドラムユニット120と装置本体2との間の電気接続について説明する。装置本体2は、ドラムユニット120との接点構成として、本体側ドラムアース接点231、本体側帯電ローラ接点235を備える。
【0159】
図41(a)は、
図41(b)のF-F断面図である。F-F断面図は、本体側ドラムアース接点231、本体側帯電ローラ接点235を通る断面である。
図41(b)は、プロセスカートリッジ100、本体接点ホルダ230、カートリッジトレイ20を、プロセスカートリッジ100の長手方向に沿って非駆動側から駆動側に向かって見たときの図である。
図41(c)は、本体接点ホルダ230とカートリッジトレイ20の斜視図である。
【0160】
図41(a)は、本体側ドラムアース接点231とアースピン209との接続、本体側帯電ローラ接点235と帯電ローラ電極板205との接続の様子を示す。
図41(a)に
示すように、感光ドラム101のシリンダ101aの非駆動側の端部に取り付けられたドラムフランジ1243に、板金で構成されるドラムアース板217が組付けられている。アースピン209は、ドラムアース板217に対して、拡径部分が圧入されるように感光ドラム101の長手方向に沿って差し込まれて取り付けられている。本体側ドラムアース接点231は、例えば線バネで構成されており、アースピン209と電気的に接続するための先端部がリング状に形成されている。
【0161】
<メモリータグ202の電気接続>
図42(a)~
図42(c)を参照して、メモリータグ202と装置本体2との間の電気接続について説明する。装置本体2は、メモリータグ202との接点構成として、本体側タグ接点ホルダ239を備える。本体側タグ接点ホルダ239は、プロセスカートリッジ100が装置本体2に装着された際に、メモリータグ202と電気的に接続可能な本体側タグ接点232を備える。
【0162】
図42(a)は、
図42(b)のG-G断面図である。G-G断面図は、本体側タグ接点232、メモリータグ202を通る断面である。
図42(b)は、プロセスカートリッジ100、本体側タグ接点ホルダ239を、プロセスカートリッジ100の長手方向に沿って非駆動側から駆動側に向かって見たときの図である。
図42(c)は、本体側タグ接点ホルダ239の斜視図である。
【0163】
図42(a)に示すように、プロセスカートリッジ100のメモリータグ202と、装置本体2の本体側タグ接点ホルダ239の本体側タグ接点232は、感光ドラム101の長手方向と直交する方向に互いに当接して電気的接続を形成する。プロセスカートリッジ100の装置本体2への装着時において、本体側タグ接点ホルダ239は、プロセスカートリッジ100の挿入方向と直交する上方向に退避した位置にある。プロセスカートリッジ100が装置本体2に挿入され前ドア10が閉じられると、本体側タグ接点232がメモリータグ202と接触可能な位置まで、本体側タグ接点ホルダ239が退避位置から下りてくるように構成されている。
【符号の説明】
【0164】
1…画像形成装置、100…プロセスカートリッジ(カートリッジ)、101…感光ドラム(感光体)、120…ドラムユニット(第1ユニット)、150…現像ユニット(第2ユニット)、170…保持部材(回動部材)、171…力受け部材(押圧部材)、171d…第1係合面(第1面)、171e…第2係合面(第2面)