(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177552
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】車両管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024177529
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2022112465の分割
【原出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】515279739
【氏名又は名称】株式会社ソーリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 一也
(57)【要約】
【課題】
本発明は、新規な車両管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
車両の所有者が操作する所有者端末と、放置車両の撤去者が操作する撤去者端末と、所有者端末及び撤去者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える車両管理システムであって、所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、車両を識別できる車両識別情報を受け付ける第1識別情報受付手段と、前記識別情報と、前記車両識別情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、撤去者端末への操作により、撤去の対象となる車両に付された車両識別情報を受け付ける第2識別情報受付手段と、第2識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する識別情報特定手段とを備える、車両管理システムに関する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の所有者が操作する所有者端末と、第三者が操作する第三者端末と、所有者端末及び第三者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自転車管理システムにおいて実行される自転車管理方法であって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付ステップと、
第1情報受付ステップにて受け付けた識別情報と、第1情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶ステップと、
第三者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第3情報受付ステップと、
第3情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定ステップと、
第2識別情報特定ステップにて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が存在することを示す情報を通知する自転車情報通知ステップと
を有する、自転車管理方法。
【請求項2】
第三者端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップ
を有し、
自転車情報通知ステップにおいて、第2識別情報特定ステップにて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が存在することを示す情報とともに、取得した位置情報をもとにした自転車の位置に関する情報を通知する、
請求項1に記載の自転車管理方法。
【請求項3】
第三者端末への操作により、撮像した自転車の画像情報を受け付ける画像情報受付ステップを有し、
自転車情報通知ステップにおいて、第2識別情報特定ステップにて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が存在することを示す情報とともに、受け付けた画像情報を送信する、請求項1又は2に記載の自転車管理方法。
【請求項4】
紛失した自転車についての第三者からの情報を求めるための所有者端末への所定の操作入力を受け付けた場合に、自転車情報通知ステップにおいて、所有者端末へ自転車が存在することを示す情報を通知する、請求項1又は2に記載の自転車管理方法。
【請求項5】
放置された自転車の移動を依頼するための第三者端末への所定の操作入力を受け付けた場合に、自転車情報通知ステップにおいて、自転車の移動依頼がなされていることを示す情報を通知する、請求項1又は2に記載の自転車管理方法。
【請求項6】
自転車の所有者が操作する所有者端末と、第三者が操作する第三者端末と、所有者端末及び第三者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自転車管理システムであって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付手段と、
第1情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
第三者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第3識別情報受付手段と、
第3識別情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定手段と、
第2識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が存在することを示す情報を通知する自転車情報通知手段と
を備える、自転車管理システム。
【請求項7】
自転車の所有者が操作する所有者端末、及び、第三者が操作する第三者端末と通信接続が可能なコンピュータ装置であって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付手段と、
第1情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
第三者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第3識別情報受付手段と、
第3識別情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定手段と、
第2識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が存在することを示す情報を通知する自転車情報通知手段と
を備える、コンピュータ装置。
【請求項8】
自転車の所有者が操作する所有者端末と、放置自転車の撤去者が操作する撤去者端末と、所有者端末及び撤去者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自転車管理システムにおいて実行される自転車管理方法であって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付ステップと、
第1情報受付ステップにて受け付けた識別情報と、第1情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶ステップと、
撤去者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第2情報受付ステップと、
第2情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定ステップと、
第1識別情報特定ステップにて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が撤去され得ること、又は、自転車が撤去されたことを示す情報を通知する撤去情報通知ステップと
を有する、自転車管理方法。
【請求項9】
撤去者端末への操作により、撮像した自転車の画像情報を受け付ける画像情報受付ステップを有し、
撤去情報通知ステップにおいて、第1識別情報特定ステップにて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が撤去され得ること、又は、自転車が撤去されたことを示す情報とともに、受け付けた画像情報を送信する、請求項8に記載の自転車管理方法。
【請求項10】
第1情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号が、第1情報受付ステップにて受け付けた識別情報とは異なる、他の所有者端末を特定可能な識別情報と関連付けて記憶されているか否かを判定するステップと、
判定ステップにおいて、第1情報受付ステップにて受け付けた防犯登録番号が、前記他の所有者端末を特定可能な識別情報と関連付けて記憶されていると判定された場合、第1情報受付ステップにおける前記所有者端末へ、該防犯登録番号が記憶されていることを示す情報を通知する通知ステップと
を有する、請求項8又は9に記載の自転車管理方法。
【請求項11】
自転車の所有者が操作する所有者端末と、放置自転車の撤去者が操作する撤去者端末と、所有者端末及び撤去者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自転車管理システムであって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付手段と、
第1情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
撤去者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第2情報受付手段と、
第2情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定手段と、
第1識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が撤去され得ること、又は、自転車が撤去されたことを示す情報を通知する撤去情報通知手段と
を備える、自転車管理システム。
【請求項12】
自転車の所有者が操作する所有者端末、及び、放置自転車の撤去者が操作する撤去者端末と通信接続が可能なコンピュータ装置であって、
所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第1情報受付手段と、
第1情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
撤去者端末への操作により、自転車に貼付された防犯登録シールに印字された防犯登録番号を受け付ける第2識別情報受付手段と、
第2情報受付手段にて受け付けた防犯登録番号に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定手段と、
第1識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、自転車が撤去され得ること、又は、自転車が撤去されたことを示す情報を通知する撤去情報通知手段と
を備える、コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、公共の自転車放置禁止区域や私有地における放置自転車が問題となっている。放置自転車への対策としては、監視員が見回りを行い、自転車に警告書を貼り付け、一定時間が経過した後にも自転車が放置されたままの場合に、撤去作業員が保管場等へ放置自転車を撤去する方法があげられる。しかし、所有者が自転車を駐輪した場所まで戻らない限り、自転車が撤去され得ることを把握することができる。
【0003】
自転車の所有者に対し、放置自転車が撤去されたことを通知する方法としては、撤去の通知はがきを、防犯登録の際に登録された住所へ送付する方法が一般的である。しかし、撤去されてから通知はがきが送付されるまでには数週間を要することもあるため、放置自転車の所有者にとっては、通知はがきを受け取るまで、自らの自転車が盗難されたか、撤去されたかの判断がつかない。そのため、通知はがきを受け取る前に、別の自転車を購入してしまい、放置自転車を引き取りに来ないこともある。
【0004】
このような中、自転車の所有者が、防犯登録番号、メールアドレス、電話番号等の連絡先をデータベースに登録しておき、撤去の警告や、実際に撤去が行われた場合に、登録された連絡先に通知が届くシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、新規な車両管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、
[1]車両の所有者が操作する所有者端末と、放置車両の撤去者が操作する撤去者端末と、所有者端末及び撤去者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える車両管理システムであって、所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、車両を識別できる車両識別情報を受け付ける第1識別情報受付手段と、第1識別情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、撤去者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第2識別情報受付手段と、第2識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定手段とを備える、車両管理システム;
[2]第1識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、車両が撤去され得ること、又は、車両が撤去されたことを示す情報を通知する撤去情報通知手段とを備える、前記[1]に記載の車両管理システム;
[3]所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報が、所有者端末にて、車両管理システムを利用するためのアプリケーションプログラムをインストールした際に生成されたものであり、前記[1]又は[2]に記載の車両管理システム;
[4]識別情報記憶手段が、1の識別情報と関連付けて複数の車両識別情報を記憶することができるものであり、1の識別情報と関連付けて記憶できる車両識別情報の数に上限を有する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の車両管理システム;
[5]車両を識別できる車両識別情報が、防犯登録番号である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の車両管理システム;
[6]撤去者端末への操作により、撮像した車両の画像情報を受け付ける画像情報受付手段と、第1識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、受け付けた画像情報を送信する画像情報送信とを備える、前記[1]~[5]のいずれかに記載の車両管理システム;
[7]車両の所有者が操作する所有者端末と、放置車両の撤去者が操作する撤去者端末と、所有者端末及び撤去者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える車両管理システムにおいて実行される車両管理方法であって、所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、車両を識別できる車両識別情報を受け付ける第1識別情報受付ステップと、第1識別情報受付ステップにて受け付けた識別情報と、第1識別情報受付ステップにて受け付けた車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶ステップと、撤去者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第2識別情報受付ステップと、第2識別情報受付ステップにて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定ステップとを有する、車両管理方法;
[8]車両の所有者が操作する所有者端末、及び、放置車両の撤去者が操作する撤去者端末と通信接続が可能なコンピュータ装置であって、所有者端末への操作により、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報、及び、車両を識別できる車両識別情報を受け付ける第1識別情報受付手段と、第1識別情報受付手段にて受け付けた識別情報と、第1識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、撤去者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第2識別情報受付手段と、第2識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第1識別情報特定手段とを備える、コンピュータ装置;
[9]車両の所有者が操作する所有者端末と、第三者が操作する第三者端末と、所有者端末及び第三者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える車両管理システムであって、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報と、車両を識別できる車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、第三者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第3識別情報受付手段と、第3識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定手段とを備える、車両管理システム;
[10]第2識別情報特定手段にて特定した識別情報に対応する所有者端末へ、車両が存在することを示す情報を通知する車両情報通知手段とを備える、前記[9]に記載の車両管理システム;
[11]第三者端末の位置情報を取得する位置情報取得手段とを備え、車両情報通知手段が、取得した位置情報をもとにした車両の位置に関する情報を通知する、前記[10]に記載の車両管理システム;
[12]車両の所有者が操作する所有者端末と、第三者が操作する第三者端末と、所有者端末及び第三者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える車両管理システムにおいて実行される車両管理方法であって、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報と、車両を識別できる車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶ステップと、第三者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第3識別情報受付ステップと、第3識別情報受付ステップにて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定ステップとを備える、車両管理方法;
[13]車両の所有者が操作する所有者端末、及び、第三者が操作する第三者端末と通信接続が可能なコンピュータ装置であって、所有者端末への情報の送信を可能とするための識別情報と、車両を識別できる車両識別情報を関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、第三者端末への操作により、車両に付された車両識別情報を受け付ける第3識別情報受付手段と、第3識別情報受付手段にて受け付けた車両識別情報に対応する識別情報を特定する第2識別情報特定手段とを備える、コンピュータ装置;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な車両管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る車両管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る所有者端末、撤去者端末又は第三者端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る車両情報登録処理のフローチャートを示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る警告情報通知処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る撤去情報通知処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る情報提供処理のフローチャートを示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る捜索要求処理のフローチャートを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を用いて本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0011】
本発明において、車両は、陸上を移動可能な乗り物であれば特に限定されないが、車輪を有するものであることが好ましい。車両には、例えば、自転車、原動機付自転車、自動二輪車、自動車などが含まれる。以下では、主に、車両が自転車である場合について、説明をする。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態にかかる車両管理システムの構成を示すブロック図である。図示するように、車両管理システムは、所有者端末1と、サーバ装置4と、通信ネットワーク5とから構成されている。例えば、所有者端末1は、自転車の所有者のそれぞれが所有し、操作するものである。所有者端末1は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4と通信接続が可能である。ここで、自転車の所有者とは、自転車の所有権を有する者や、防犯登録の際に登録された者をいうが、所有者が未成年や高齢者であるような場合、所有者の親族など、保護監督責任を有するものも含む。また、法人や団体が自転車の所有権を有する場合は、法人に所属し自転車を実際に利用する者、管理を行う者をいう。
【0013】
また、車両管理システムは、撤去者端末2を備えていてもよい。撤去者端末2は、撤去者のそれぞれが所有し、操作するものである。撤去者端末2は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4と通信接続が可能である。放置自転車の撤去者とは、放置自転車の所有者に対し警告や撤去の通知を行う者、または、撤去された自転車を移送所にて管理する者も含まれる概念である。
【0014】
また、車両管理システムは、第三者端末3を備えていてもよい。第三者端末3は、第三者のそれぞれが所有し、操作するものである。第三者端末3は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4と通信接続が可能である。第三者とは、自転車の所有者とは異なる者であり、特に限定されない。盗難された自転車は、盗難車により利用された後、公園や駅前等に放置されることが多く、第三者による情報提供をもとに、自転車の行方を捜索することができる。
【0015】
所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3のそれぞれは、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されない。所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3のそれぞれは、所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3のそれぞれは、据え置き型であっても、携帯型で所有者が移動する際に携帯することができるものであってもよい。所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3のそれぞれは、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態にかかる所有者端末1、撤去者端末2又は第三者端末3の構成を示すブロック図である。所有者端末1、撤去者端末2又は第三者端末3は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、グラフィックス処理部14、通信インタフェース15、入力部16からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0017】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、所有者端末1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータ、並びに、入力部16にて入力されたデータを処理する。データ処理の結果、必要な描画命令をグラフィックス処理部14に出力する。
【0018】
グラフィックス処理部14は表示部17に接続されている。表示部17は表示画面18を有している。制御部11が描画命令をグラフィックス処理部14に出力すると、グラフィックス処理部14は、表示画面18上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部17はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この表示部17のタッチパネルが入力部16として機能する。
【0019】
通信インタフェース15は無線又は有線により通信ネットワーク5に接続が可能であり、通信ネットワーク5を介して、サーバ装置4とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース15を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0020】
所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3のそれぞれは、カメラ機能を有しておいてもよい。カメラ機能により撮像された画像データは、ストレージ部13に記憶することもでき、また、通信インタフェース15を介して、サーバ装置4に送信することもできる。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置4は、制御部21、RAM22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0022】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置4の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、所有者端末1、撤去者端末2、第三者端末3から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0023】
所有者は、車両管理システムを利用する前に、車両管理システムを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、所有者アプリという)を所有者端末1にインストールする。所有者アプリは、所定のWebサイト等からダウンロードできる。
【0024】
ここで、所有者端末1及び/又は所有者端末1にインストールされた所有者アプリを一意に識別するための識別番号を、所有者IDとすることができる。所有者IDは、所有者アプリをダウンロードし、インストールする際に付与される。例えば、所定のWebサイトから所有者端末Aに所有者アプリをダウンロードし、次に、同じWebサイトで異なる所有者端末Bに所有者アプリをダウンロードした場合、所有者端末Aと所有者端末Bでは、ことなる所有者IDが付される。このようにして、所有者端末ごとに、独自の所有者IDを付与することができる。付与された所有者IDは、所有者端末1において、所有者アプリと関連付けて所有者端末1のストレージ部13に記憶される。
【0025】
この他、所有者IDを付与する方法としては、所有者アプリをインストールした所有者端末1が、所有者アプリを初めて起動し、サーバ装置4にアクセスした際に、サーバ装置4にて所有者IDを生成し、所有者端末1へ所有者IDを付与する方法があげられる。
【0026】
なお、上では、所有者端末1及び/又は所有者端末1にインストールされた所有者アプリを一意に識別するための識別情報を、所有者IDとしたが、所有者又は所有者以外の所有者端末1の利用者を一意に識別するための識別情報を所有者IDとすることもできる。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態に係る車両情報登録処理のフローチャートを示す図である。まず、所有者が、所有者端末1にインストールされた所有者アプリを起動する。所有者は、所有者端末1に自転車の防犯登録番号を入力する(ステップS1)。
【0028】
ここで、防犯登録番号は、自転車を識別できる自転車識別情報として機能する。自転車には、通常、防犯登録シールが貼付されており、防犯登録シールに防犯登録番号が印字されている。防犯登録番号の入力は、所有者端末1のタッチパネル等に表示された操作ボタンを操作することで入力してもよく、防犯登録シールに印刷されたQRコード(登録商標)などを読み取ることで入力してもよい。また、防犯登録シールに印字された防犯登録番号を、所有者端末1のOCR機能により読取り、入力してもよい。
【0029】
入力された防犯登録番号は、所有者IDとともにサーバ装置4に送信される(ステップS2)。サーバ装置4は、防犯登録番号と所有者IDを受信し(ステップS3)、受信した防犯登録番号と所有者IDを関連付けて、所有者情報テーブルに記憶する(ステップS4)。ステップS4では、さらに、防犯登録番号と所有者IDを記憶した日時を、所有者情報テーブルに記憶してもよい。ステップS1~S4により、車両情報登録処理は終了する。
【0030】
このように、所有者端末1を特定することができる所有者IDと、自転車を識別できる自転車識別情報(防犯登録番号)を関連付けて記憶しておくことで、自転車識別情報さえ入力すれば、その自転車の所有者へ必要な通知をすることが可能となる。自転車の所有者は、車両管理システムを利用するにあたり個人情報等を入力することなく、必要な通知を受け取ることができる。
【0031】
ステップS1では、所有者は、防犯登録番号を入力することとしたが、防犯登録番号だけでなく、車体番号、メーカ名、車種、車体のカラー、自転車のその他の特徴、自転車保険の加入の有無、所有者の氏名、所有者の連絡先、所有者が撮影した自転車の画像(所有者端末1のカメラ機能により撮像されたものであってもよい)、所有者が撮影した防犯登録証の画像等の自転車情報を入力してもよい。ステップS1にて入力されたこれらの自転車情報は、ステップS2にてサーバ装置4へ送信され、ステップS4にて所有者情報テーブルにおいて、防犯登録番号と所有者IDに関連付けて記憶される。
【0032】
1つの所有者IDには、複数の自転車に関する防犯登録番号や自転車情報を関連付けて記憶することができる。また、1つの所有者IDに関連付けられる防犯登録番号の数には、上限を設けるものとしてもよい。例えば、サーバ装置4は、ステップS3において防犯登録番号と所有者IDを受信した際に、この所有者IDと関連付けて記憶されている防犯登録番号の数が上限の値に達していた場合は、ステップS4を実行しないものとしてもよい。また、この場合、記憶されている防犯登録番号の数が上限の値に達している旨を、所有者端末1に通知してもよい。このように、登録できる防犯登録番号の数の上限を設定しておくことで、いたずらで、多数の、所有もしていない自転車の防犯登録番号を登録することを防ぐことができる。
【0033】
同一の防犯登録番号を、複数の異なる所有者IDと関連付けて記憶することができるものとしてもよい。これにより、例えば、親の所有者端末1の所有者ID、子の所有者端末1の所有者IDに、子が利用する自転車の防犯登録番号を関連付けて記憶しておくことができる。
【0034】
ステップS4において自転車情報と所有者IDを記憶する際に、所有者情報テーブルから、該自転車情報に含まれる防犯登録番号が、該所有者IDとは異なる所有者IDに関連付けて記憶されているかを検索することもできる。また、既に記憶されている場合、ステップS2を行った所有者端末1に、同一の防犯登録番号が重複して記憶されている旨を通知することもできる。これにより、自らが所有する自転車の防犯登録番号が、いたずら等の目的で第三者に登録されている可能性があることを把握することができる。
【0035】
次に、警告情報通知処理について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る警告情報通知処理のフローチャートを表す図である。ここで、警告とは、撤去者が、このまま放置された状態が続けば、撤去の対象になる自転車が発見した場合に、実際に撤去をする前に撤去の対象となり得ることを、自転車の所有者に伝えることを指す。なお、警告をする撤去者と、実際に自転車を撤去する撤去者は必ずしも同一人物でなくてもよく、それぞれに用いられる撤去者端末2も同一でなくてもよい。
【0036】
撤去者は、車両管理システムを利用する前に、車両管理システムを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、撤去者アプリという)を所有者端末1にインストールする。撤去者アプリは、所定のWebサイト等からダウンロードできる。
【0037】
まず、撤去者は、放置自転車を発見すると、撤去者端末2にインストールされた撤去者アプリを起動し、放置自転車に貼付された防犯登録シールをもとに、撤去者端末2に防犯登録番号を入力する(ステップS11)。防犯登録番号の入力は、撤去者端末2のタッチパネル等に表示された操作ボタンを操作することで入力してもよく、防犯登録シールに印刷されたQRコード(登録商標)などを読み取ることで入力してもよい。また、防犯登録シールに印字された防犯登録番号を、撤去者端末2のOCR機能により読取り、入力してもよい。
【0038】
次に、撤去者端末2が有するカメラ機能により放置自転車を撮像する(ステップS12)。さらに、撤去者端末2の位置情報を取得する(ステップS13)。位置情報の取得方法としては特に限定されないが、撤去者端末2の有するGPS機能を利用することができる。また、撤去者が、撤去者端末2を操作して、現在の位置を文字入力することもできる。ステップS11にて入力された防犯登録番号、ステップS12にて撮像された放置自転車の画像データ、及び、ステップS13にて取得した位置情報などの自転車情報を、サーバ装置4に送信する(ステップS14)。なお、ステップS12の放置自転車の撮像は、行われなくてもよい。この場合、ステップS14では、ステップS11にて入力された防犯登録番号、及び、ステップS13にて取得した位置情報などの自転車情報を、サーバ装置4に送信する。
【0039】
サーバ装置4は、防犯登録番号、放置自転車の画像データ、位置情報などの自転車情報を受信する(ステップS15)。次に、所有者情報テーブルを参照して、ステップS15にて受信した防犯登録番号に対応する所有者IDを特定する(ステップS16)。サーバ装置4では、所有者情報テーブルにおいて、特定した所有者IDと関連付けて、放置自転車の画像データ、撤去者端末2の位置情報などの自転車情報を記憶する(ステップS17)。ステップS17では、さらに、ステップS15にて防犯登録番号等の情報を受信した日時を、所有者情報テーブルに記憶してもよい。
【0040】
サーバ装置4は、特定された所有者IDを有する所有者端末1へ、警告情報を送信する(ステップS18)。警告情報には、例えば、ステップS11にて入力された防犯登録番号、ステップS12にて撮像された放置自転車の画像データ、ステップS13にて取得した撤去者端末2の位置情報、撤去予定の日時が含まれている。
【0041】
撤去予定の日時は、例えば、ステップS15にて、防犯登録番号等を受信した日時をもとに、その日時から所定の時間が経過した時間を撤去予定の日時とすることができる。所定の時間は、いずれの撤去者が警告をした場合でも、またいずれの時間、時期に警告された場合にも同じ時間とすることもできるが、撤去者端末2を操作する撤去者の所属や地域ごとに応じて、警告をする時間帯、曜日、季節などの時間情報に応じて決定することもできる。また、撤去予定の日時は、ステップS14にて防犯登録番号等を撤去者端末2からサーバ装置4に送信する前に、撤去者が撤去者端末2に入力をし、ステップS14にて防犯登録番号等とともに、撤去予定の日時を送信してもよい。
【0042】
所有者端末1にて警告情報を受信すると(ステップS19)、受信した警告情報を基に、所定の時間の経過後に自転車が撤去されることと、その自転車の防犯登録番号、その自転車の画像、その自転車の位置(撤去者端末2の位置情報に対応)、撤去の予定日時などの警告情報が表示される(ステップS20)。自転車の位置は、その住所とともに、地図の表示が可能なアプリケーションと連動して、地図上に表示することもできる。自転車の所有者は、警告情報をもとに、所有する自転車が撤去される可能性があることを、早期に把握することができる。また、自転車の画像や位置が表示されることから、自身が所有する自転車について警告を受けているのかどうかを間違いなく確認することができる。
【0043】
ステップS11~S20を実行することにより、警告情報通知処理は終了する。なお、撤去の予定日時になった場合に、所有者端末1又は撤去者端末2のそれぞれに、撤去予定日時となったことを通知することも可能である。
【0044】
次に、撤去情報通知処理について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る撤去情報通知処理のフローチャートを表す図である。撤去者は、放置自転車について撤去の警告を行った後、自転車が放置された状態が続いた場合に、その自転車の撤去を実行する。撤去者は、撤去を実行する直前、或いは、撤去が実行され保管場所まで自転車を移送した後に、以下の処理を実行する。なお、撤去者は、警告を行わずに、自転車を撤去することも可能であり、警告情報通知処理を実行せずに、撤去情報通知処理を実行することも可能である。
【0045】
まず、撤去者は、撤去者端末2にインストールされた撤去者アプリを起動し、撤去する予定の自転車又はすでに撤去を実行し移送所まで移送した自転車に貼付された防犯登録シールをもとに、撤去者端末2に防犯登録番号を入力する(ステップS21)。防犯登録番号の入力は、撤去者端末2のタッチパネル等に表示された操作ボタンを操作することで入力してもよく、防犯登録シールに印刷されたQRコード(登録商標)などを読み取ることで入力してもよい。また、防犯登録シールに印字された防犯登録番号を、撤去者端末2のOCR機能により読取り、入力してもよい。
【0046】
次に、撤去者端末2が有するカメラ機能により自転車を撮像する(ステップS22)。さらに、撤去者端末2の位置情報を取得する(ステップS23)。位置情報の取得方法としては特に限定されないが、撤去者端末2の有するGPS機能を利用することができる。撤去者が移送所にて撤去情報通知処理を実行している場合は、GPSにより取得した位置情報が移送所の場所となる。また、撤去者が、撤去者端末2を操作して、現在の位置を文字入力することもできる。
【0047】
ステップS21にて入力された防犯登録番号、ステップS22にて撮像された放置自転車の画像データ、及び、ステップS23にて取得した位置情報などの自転車情報は、サーバ装置4に送信される(ステップS24)。なお、警告情報通知処理のステップS12において自転車が撮像されている場合は、ステップS22の処理を省略することも可能である。また、ステップS13において位置情報が取得されている場合は、ステップS23の処理を省略することも可能である。
【0048】
サーバ装置4は、防犯登録番号、自転車の画像データ、位置情報などの自転車情報を受信する(ステップS25)。次に、所有者情報テーブルを参照して、ステップS25にて受信した防犯登録番号に対応する所有者IDを特定する(ステップS26)。サーバ装置4では、所有者情報テーブルにおいて、特定した所有者IDと関連付けて、自転車の画像データ、撤去者端末2の位置情報などの自転車情報を記憶する(ステップS27)。ステップS27では、さらに、ステップS25にて防犯登録番号等の情報を受信した日時を、所有者情報テーブルに記憶してもよい。この受信した日時を撤去日時とすることができる。
【0049】
サーバ装置4は、特定された所有者IDを有する所有者端末1へ、撤去情報を送信する(ステップS28)。撤去情報には、例えば、ステップS21にて入力された防犯登録番号、ステップS22にて撮像された自転車の画像データ、ステップS23にて取得した撤去者端末2の位置情報(撤去者が移送所にて撤去情報通知処理を実行している場合は、移送所の住所)、撤去日時、移送所、保管期限が含まれている。
【0050】
撤去日時は、ステップS25にて防犯登録番号等の情報を受信した日時とすることができるが、防犯登録番号等を撤去者端末2からサーバ装置4に送信する前に、撤去者が撤去者端末2に撤去日時を入力し、ステップS14にて防犯登録番号等とともに、撤去日時をサーバ装置4へ送信してもよい。
【0051】
撤去情報に含まれる移送所とは、撤去された自転車が移送されて保管される場所である。移送所は、撤去者端末2又は撤去者を識別する撤去者IDなど、撤去者ごとに予め移送所が登録されていてもよい。そのため、撤去情報通知処理を実行している撤去者ごとに自動的に移送所を特定することができる。また、防犯登録番号等を撤去者端末2からサーバ装置4に送信する前に、撤去者が撤去者端末2に移送所を入力し、ステップS14にて防犯登録番号等とともに、移送所をサーバ装置4へ送信してもよい。
【0052】
撤去情報に含まれる保管期限とは、移送所に移送された自転車の保管が、いつまで行われるかの日時に関する情報である。保管期限は、移送所ごとに予め保管期限が登録されていてもよい。また、防犯登録番号等を撤去者端末2からサーバ装置4に送信する前に、撤去者が撤去者端末2に保管期限を入力し、ステップS14にて防犯登録番号等とともに、保管期限をサーバ装置4へ送信してもよい。
【0053】
所有者端末1にて撤去情報を受信すると(ステップS29)、受信した撤去情報を基に、自転車が撤去されること又はすでに撤去されてしまったことと、その自転車の防犯登録番号、その自転車の画像、その自転車の位置(撤去者が移送所にて撤去情報通知処理を実行している場合は、移送所の住所。撤去者端末2の位置情報に対応)、撤去日時、保管期限が表示される(ステップS30)。自転車の位置又は移送所の位置は、その住所とともに、地図の表示が可能なアプリケーションと連動して、地図上に表示することもできる。ステップS30では、自転車の画像が表示されることから、自身が所有する自転車が撤去されたのかどうかを間違いなく確認することができる。
【0054】
また、ステップS28にて所有者端末1へ送信され、ステップS30にて表示画面に表示される撤去情報には、撤去者の連絡先、移送所の連絡先、移送所における引き取りが可能な時間、自転車の引き取りにかかる費用、及び、自転車の引き取りに必要な物品の情報等を含めることができる。
【0055】
ステップS21~S30を実行することにより、撤去情報通知処理は終了する。
【0056】
なお、ステップS17、S27にて、サーバ装置4の所有者情報テーブルに記憶された情報は、移送所にて利用されている他の車両管理システムとデータの互換性を有していてもよい。この場合、ステップS17、S27にて記憶された情報が、移送所にて利用されている他の車両管理システムへ移行され、活用することができる。そのため、他の車両管理システムを利用するための新たなデータ入力等を省略することもできる。
【0057】
次に、情報提供処理について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る情報提供処理のフローチャートを表す図である。所有者とは異なる第三者は、自転車が路上等に放置されているのを発見すると、放置された自転車があることの情報を、車両管理システムに提供することができる。自転車が盗難等を理由として、所有者の手元から離れてしまった場合でも、この情報提供機能により、所有者は自転車を発見することが可能となる。
【0058】
第三者は、車両管理システムを利用する前に、車両管理システムを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、第三者アプリという)を第三者端末3にインストールする。第三者アプリは、所定のWebサイト等からダウンロードできる。なお、第三者アプリは、所有者アプリと同一のものであってもよく、1つのアプリケーションプログラムをインストールすることにより、所有者アプリ及び第三者アプリの両方のアプリの機能を利用できることとしてもよい。
【0059】
まず、第三者は、放置された自転車を発見すると、第三者端末3にインストールされた第三者アプリを起動する。そして、「見つけたボタン」を選択することで、放置された自転車についての情報提供が可能となる。放置された自転車に貼付された防犯登録シールをもとに、第三者端末3に防犯登録番号を入力する(ステップS31)。
【0060】
防犯登録番号の入力は、第三者端末3のタッチパネル等に表示された操作ボタンを操作することで入力してもよく、防犯登録シールに印刷されたQRコード(登録商標)などを読み取ることで入力してもよい。また、防犯登録シールに印字された防犯登録番号を、第三者端末3のOCR機能により読取り、入力してもよい。
【0061】
ステップS31にて防犯登録番号の入力の対象となる、放置された自転車は、後述する捜索要求処理において、所有者端末1から捜索要求がされた自転車に限定されない。つまり、任意の放置自転車について情報提供処理の対象とすることができる。
【0062】
次に、第三者端末3が有するカメラ機能により放置自転車を撮像する(ステップS32)。さらに、第三者端末3の位置情報を取得する(ステップS33)。位置情報の取得方法としては特に限定されないが、第三者端末3の有するGPS機能を利用することができる。また、第三者が、第三者端末3を操作して、現在の位置を文字入力することもできる。ステップS31にて入力された防犯登録番号、ステップS32にて撮像された放置自転車の画像データ、及び、ステップS33にて取得した位置情報などの自転車情報は、サーバ装置4に送信される(ステップS34)。
【0063】
サーバ装置4は、防犯登録番号、放置された自転車の画像データ、位置情報などの自転車情報を受信する(ステップS35)。次に、所有者情報テーブルを参照して、ステップS35にて受信した防犯登録番号に対応する所有者IDを特定する(ステップS36)。サーバ装置4では、所有者情報テーブルにおいて、特定した所有者IDと関連付けて、放置された自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報、ステップS35にて第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又はステップS34にて第三者端末3が自転車情報を送信した時間)等に関する時間情報などの自転車情報を記憶する(ステップS37)。
【0064】
サーバ装置4は、特定された所有者IDを有する所有者端末1へ、放置された自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報、ステップS35にて第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又はステップS34にて第三者端末3が自転車情報を送信した時間)等に関する時間情報などの自転車情報を送信する(ステップS38)。なお、所有者端末1にて後述する「探してボタン」が選択された後のみ、ステップS38にて所有者端末1へ自転車情報を送信することとしてもよい。
【0065】
所有者端末1にてサーバ装置4から自転車情報を受信すると(ステップS39)、受信した自転車情報をもとに、紛失した自転車が発見されたこと、その自転車の防犯登録番号、その自転車の画像、その自転車の位置(第三者端末3の位置情報に対応)、ステップS35にて第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又はステップS34にて第三者端末3が自転車情報を送信した時間)が表示される(ステップS40)。自転車の位置は、その住所とともに、地図の表示が可能なアプリケーションと連動して、地図上に表示することもできる。所有者は、表示された位置情報をたよりに、紛失した自転車を取り戻すことが可能となる。
【0066】
ステップS31~S40を実行することにより、情報提供処理は終了する。
【0067】
次に、捜索要求処理について説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る捜索要求処理のフローチャートを表す図である。所有者は、自転車を紛失してしまった場合に、第三者により自身の自転車についての情報が提供されていないかを確認することができる。
【0068】
まず、所有者は、所有者端末1にインストールされた所有者アプリを起動する。そして、「探してボタン」を選択することで、紛失してしまった自転車についての第三者からの情報提供がないかを確認することができる。まず、「探してボタン」が選択されると、所有者端末1から自転車の捜索要求とともに所有者IDがサーバ装置4へ送信される(ステップS41)。サーバ装置4では、捜索要求と所有者IDを受信する(ステップS42)。
【0069】
所有者情報テーブルを参照し、受信した所有者IDについて、ステップ37にて、放置された自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報などの第三者端末3から送信された自転車情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS43)。第三者端末3から送信された自転車情報が登録されている場合は(ステップS43にてYES)、所有者端末1へ、紛失した自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報などの自転車情報を送信する(ステップS44)。
【0070】
所有者端末1にてサーバ装置4から自転車情報を受信すると(ステップS45)、受信した自転車情報をもとに、紛失した自転車が発見されたこと、その自転車の防犯登録番号、その自転車の画像、その自転車の位置(第三者端末3の位置情報に対応)、第三者端末3から自転車情報を受信した時間等の時間情報(又は第三者端末3が自転車情報を送信した時間)などの自転車情報が、所有者端末1の表示画面に表示される(ステップS46)。自転車の位置は、その住所とともに、地図の表示が可能なアプリケーションと連動して、地図上に表示することもできる。所有者は、表示された位置情報をたよりに、紛失した自転車を取り戻すことが可能となる。
【0071】
第三者端末3から送信された自転車情報が登録されていない場合は(ステップS43にてNO)、第三者端末3へ自転車の捜索情報が送信される(ステップS47)。自転車の捜索情報としては、ステップS43にて受信した所有者IDに対応する自転車の防犯登録番号、その自転車の画像が含まれる。ここで用いられる自転車の画像は、ステップS1にて入力され、ステップS4にて所有者情報テーブルに登録された画像である。
【0072】
第三者端末3にて捜索情報を受信すると(ステップS48)、他者の自転車が紛失状態にある旨と、受信した自転車の防犯登録番号及び自転車の画像が、第三者端末3にて表示される(ステップS49)。第三者は、表示された情報を参照して、近くに該当する自転車があった場合は、上で述べた情報提供処理を実行することができ、サーバ装置4から所有者端末1へ自転車情報が送信される。所有者端末1の表示画面では、第三者端末3から送信された自転車情報が表示される。
【0073】
ステップS41~S49を実行することにより、捜索要求処理は終了する。
【0074】
ところで、上述した実施の形態では、第三者が「見つけたボタン」を選択して、放置された自転車についての情報提供ができることとしたが、この情報提供に代えて、第三者が自転車の移動依頼をすることができる。例えば、自転車が私有地に放置されているような場合に、私有地の所有者である第三者が移動依頼を行うことが有益である。
【0075】
まず、第三者は、放置された自転車を発見すると、第三者端末3にインストールされた第三者アプリを起動する。そして、「移動依頼ボタン」を選択することで、放置された自転車についての移動依頼が可能となる。そして、放置された自転車に貼付された防犯登録シールをもとに、第三者端末3に防犯登録番号を入力する。
【0076】
防犯登録番号の入力は、第三者端末3のタッチパネル等に表示された操作ボタンを操作することで入力してもよく、防犯登録シールに印刷されたQRコード(登録商標)などを読み取ることで入力してもよい。また、防犯登録シールに印字された防犯登録番号を、第三者端末3のOCR機能により読取り、入力してもよい。
【0077】
次に、第三者端末3が有するカメラ機能により放置自転車を撮像する。さらに、第三者端末3の位置情報を取得する。位置情報の取得方法としては、第三者端末3の有するGPS機能を利用することができる。入力された防犯登録番号、撮像された放置自転車の画像データ、及び、取得した位置情報などの自転車情報は、サーバ装置4に送信される。
【0078】
サーバ装置4は、防犯登録番号、放置された自転車の画像データ、位置情報などの自転車情報を受信する。次に、所有者情報テーブルを参照して、受信した防犯登録番号に対応する所有者IDを特定する。サーバ装置4では、所有者情報テーブルにおいて、特定した所有者IDと関連付けて、放置された自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報、第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又は第三者端末3が自転車情報を送信した時間)等に関する時間情報などの自転車情報を記憶する。
【0079】
サーバ装置4は、特定された所有者IDを有する所有者端末1へ、放置された自転車の画像データ、第三者端末3の位置情報、第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又は第三者端末3が自転車情報を送信した時間)等に関する時間情報などの自転車情報を送信する。
【0080】
所有者端末1にてサーバ装置4から自転車情報を受信すると、受信した自転車情報をもとに、自転車の移動依頼がなされていること、その自転車の防犯登録番号、その自転車の画像、その自転車の位置(第三者端末3の位置情報に対応)、第三者端末3から自転車情報を受信した時間(又は第三者端末3が自転車情報を送信した時間)が表示される。自転車の位置は、その住所とともに、地図の表示が可能なアプリケーションと連動して、地図上に表示することもできる。所有者は、表示された位置情報をたよりに、自転車を私有地や駐輪禁止区域から移動することが可能となる。
【0081】
ここまでは、主に、車両が自転車である場合について述べたが、その他の車両にも適用可能である。車両が自動車や自動二輪車である場合、車両情報登録処理、警告情報通知処理、撤去情報通知処理、情報提供処理、及び、捜索要求処理の各処理において、防犯登録番号に代わって、ナンバープレートに表記された車両番号や登録番号、又は、車体番号を用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 所有者端末、 2 撤去者端末、 3 第三者端末、 4 サーバ装置、
5 通信ネットワーク、 11 制御部、 12 RAM、 13 ストレージ部、
14 グラフィックス処理部、 15 通信インタフェース、
16 入力部、 17 表示部、 18 表示画面、 21 制御部、 22 RAM、
23 ストレージ部、 24 通信インタフェース