(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177561
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241212BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20241212BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024177751
(22)【出願日】2024-10-10
(62)【分割の表示】P 2024004602の分割
【原出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】荻原 秀治
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 耕史
(57)【要約】
【課題】配送車両の停車位置を考慮したルートを作成する。
【解決手段】ルートを作成する際に、一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得し、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と前記配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の配送先に荷物を配達するためのルートの経由地を決定する情報処理装置であって、
前記一以上の配送先の各々に対して、一以上の配達員により当該配送先に行なわれた一以上の配達における少なくとも配送車両の停車位置を含む移動軌跡を取得する移動軌跡取得部と、
前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なわれた一以上の配達の各々における停車位置のうち一の停車位置を当該配送先のための経由地として決定する経由地決定部と、を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の配送先を巡回するルートを作成するために、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、時間指定配達にも対応した集配ルートを設定する集配ルート設定方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送先によっては、配送先の前に配送車両を停車することができず、配送車両を配送先から離れた位置に停車する必要がでてくる。このようなとき、配送車両をどこに停車するかによって、配送効率が変わってくる。しかしながら、従来の方法では、配送先自体を経由地とし、この経由地を効率的に巡回することが可能なルートを作成しているだけであり、配送車両の停車位置を考慮したルートは作成されていない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、配送車両の停車位置を考慮したルートを作成することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一以上の配送先に荷物を配達するためのルートの経由地を決定する情報処理装置であって、前記一以上の配送先の各々に対して、一以上の配達員により当該配送先に行われた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する移動軌跡取得部と、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する経由地決定部と、を有する。
【0007】
請求項6に記載の発明は、一以上の配送先に荷物を配達するためのルートの経由地を作成するために、コンピュータで実行される情報処理方法であって、一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する移動軌跡取得工程と、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と前記配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する経由地決定工程と、有する。
【0008】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理方法を、コンピュータにより実行させる。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理プログラムを記憶している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例に係る情報処理装置100を示す図である。
【
図2】配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を説明する図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る情報処理装置100における処理動作の一例を示す図である。
【
図4】ルート作成部140により作成されるルートを説明する図である。
【
図5】ルート作成部140により作成されるルートを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、一以上の配送先に荷物を配達するためのルートの経由地を決定する情報処理装置であって、前記一以上の配送先の各々に対して、一以上の配達員により当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する移動軌跡取得部と、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する経由地決定部と、を有する。このため、本実施形態では、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡に基づいて、ルートの経由地を決定しており、配送車両の停車位置に基づいた経由地を決定することが可能である。結果、本実施形態では、配送車両の停車位置を考慮したルートを作成することが可能である。
【0012】
前記情報処理装置は、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達の各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡の差異により、前記一以上の配達の各々における配送車両の停車位置を導出する停車位置導出部と、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達の各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡の差異により、前記一以上の配達の各々における配達員の徒歩移動時間を導出する移動時間導出部と、をさらに有し、前記経由地決定部は、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達のうちの徒歩移動時間が最短である配達における停車位置を、当該配送先のための経由地として決定するようにしても良い。このようにすることで、配達員が徒歩で移動する時間が最短になるように、ルートを作成することが可能になる。
【0013】
前記情報処理装置は、前記一以上の配送先に配送する際の天気を取得する天気情報取得部をさらに有し、前記移動軌跡取得部は、前記一以上の配送先の各々に対して、前記天気情報取得部により取得された天気であったときに当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、その日の天気に即したルートを作成することが可能になる。
【0014】
前記情報処理装置は、前記一以上の配送先に配送する際の曜日を取得する曜日情報取得部をさらに有し、前記移動軌跡取得部は、前記一以上の配送先の各々に対して、前記曜日情報取得部により取得された曜日に当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、曜日ごとの道路事情の変化などを考慮した上で、効率的なルートを作成することが可能になる。
【0015】
前記情報処理装置は、前記一以上の配送先に配送する際の時間帯を取得する時間帯情報取得部をさらに有し、前記移動軌跡取得部は、前記一以上の配送先の各々に対して、前記時間帯情報取得部により取得された時間帯に当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、時間帯ごとの道路事情の変化などを考慮した上で、効率的なルートを作成することが可能になる。
【0016】
また、本発明の一実施形態にかかる情報処理方法は、一以上の配送先に荷物を配達するためのルートの経由地を作成するために、コンピュータで実行される情報処理方法であって、一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する移動軌跡取得工程と、前記一以上の配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と前記配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する経由地決定工程と、有する。このため、本実施形態では、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡に基づいて、ルートの経由地を決定しており、配送車両の停車位置に基づいた経由地を決定することが可能である。結果、本実施形態では、配送車両の停車位置を考慮したルートを作成することが可能である。
【0017】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、上記の情報処理方法を、コンピュータに実行させる。このため、本実施形態では、コンピュータを用いて、配送車両の停車位置を考慮したルートを作成することが可能である。
【0018】
また、本発明の一実施形態に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記の情報処理プログラムを記憶している。このため、本実施形態では、上記の情報処理プログラムを、機器に組み込む以外にも単体で流通することが可能であり、バージョンアップ等を容易に行うことが可能である。
【実施例0019】
<情報処理装置100>
図1は、本発明の一実施例に係る情報処理装置100を示す図である。情報処理装置100は、コンピュータにより構成され、配送先情報取得部110と、移動軌跡取得部120と、経由地決定部130と、ルート作成部140と、を有する。
【0020】
配送先情報取得部110は、配送先情報を取得する。配送先情報は、巡回する配送先に関する情報であり、配送先の顧客を特定する情報(例えば、顧客名や顧客IDなど)や、配送先の住所、位置などの情報を含む。配送先情報取得部110は、例えば、配送先情報を、外部の装置から受信することで取得しても良いし、ユーザからの入力を受けることで取得するようにしても良いし、情報処理装置100が配送先情報を記憶した記憶装置を有するようにし、配送先情報取得部110は、この記憶装置から配送先情報を取得するようにしても良い。
【0021】
移動軌跡取得部120は、配送先情報取得部110により取得された配送先情報に含まれる配送先の各々に対して、一以上の配達員により当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する。つまり、移動軌跡取得部120は、過去に配送先の各々に対して行われた配達における配達員と配送車両の移動軌跡を取得する。ここで、配達員の移動軌跡は、配達員が配達の際に移動した軌跡であり、配達員が配達の際に時間ごとにどの位置にいたのかを示す情報であり、配送車両の移動軌跡は、配送車両が配達の際の際に移動した軌跡であり、配達車両が配達の際に時間ごとにどの位置にいたのかを示す情報である。
【0022】
配達員が配送車両から降り、徒歩で移動しているとき、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡の間は差異が生じる。このため、配達員の移動軌跡の配送車両の移動軌跡により、配送車両の停車位置を知ることができる。
図2は、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を説明する図である。
図2(A)には、配送先Aに対して行われた配達A1における配達員の移動軌跡(破線)と配送軌跡(実線)を示している。配達A1において、配達員が配送車両を位置SP1に停車し、その後、配達員が、この停車位置と配送先Aとの間を徒歩で移動したとすると、位置SP1と配送先Aとの間において、配達員の移動軌跡(破線)と配送車両の移動軌跡(実線)との間に差異が生じる。
【0023】
過去に2回以上の配達が行われた配送先では、配達ごとに、配送車両の停車位置が異なるかもしれない。また、過去に2人以上の配達員により配達が行われた配送先では、配達員ごとに、停車位置が異なるかもしれない。例えば、
図2(B)、(C)は、配送先Aに行われた配達A2、A3での配達員の移動軌跡(破線)と配送車両の移動軌跡(実線)を示している。配達A2(A3)において、配達員が位置SP1とは異なる位置SP2(SP3)に配送車両の停車した場合、配達A1とは異なる区間(位置SP2(SP3)と配送先Aとの間)において、配達員の移動軌跡DP(破線)と配送車両の移動軌跡DC(実線)の間に差異が生じる。
【0024】
配達員の移動軌跡は、例えば、配達員が携帯するスマートフォンなどのGPSを備えた端末から収集され、記憶装置に蓄積される。また、配送車両の移動軌跡は、配送車両に設置されたナビゲーションシステムなどのGPSを備えた端末から収集され、記憶装置に蓄積される。配達員と配送車両の移動軌跡は、例えば、配達した際の天気や、曜日、時間帯などの情報も付加して蓄積されるようにすると良い。移動軌跡取得部120は、この記憶装置から配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得する。この記憶装置は、情報処理装置100が有するようにしても良いし、情報処理装置100とは別個の装置が有するようにしても良い。
【0025】
経由地決定部130は、配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達に各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先のための経由地を決定する。経由地決定部130は、例えば、下記で詳述するように、配送先の各々に対して、過去に当該配送先に対して行われた配達における配送車両の停車位置のうちから最適な停車位置を導出し、この最適な停車位置を、当該配送先のための経由地として決定する。なお、経由地決定部130は、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得することができなかった配送先に対しては、例えば、配送先自体を、経由地として決定する。
【0026】
ルート作成部140は、経由地決定部140により決定された経由地を巡回するルートを作成する。ルート作成部140が用いるルート作成方法は、複数の経由地を巡回するための効率的なルートが作成することができるのであれば、どのような方法であっても良い。
【0027】
このように、本実施例では、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡に基づいて、ルートの経由地を決定しており、配送車両の停車位置に基づいた経由地を決定することが可能である。結果、本実施例では、配送車両の停車位置を考慮したルートを作成することが可能である。
【0028】
図3は、本発明の一実施例に係る情報処理装置100における処理動作の一例を示す図である。配送先情報取得部110が、配送先情報を取得する(ステップS301)。移動軌跡取得部120が、配送先情報に含まれる配送先の各々に対して、過去に当該配送先に対して行われた配達における配達員と配送車両の移動軌跡を取得する(ステップS302)。経由地決定部130が、配送先の各々に対して、取得された配達員と配送車両の移動軌跡とに基づき、当該配送先に配達を行うための経由地を決定する(ステップS303)。ルート作成部140が、決定された経由地を巡回するルートを作成する(ステップS304)。
【0029】
<徒歩移動時間に基づく経由地の決定>
配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡とに基づいた経由地を決定する方法として、様々な方法が考えられる。例えば、配達員が徒歩で移動する時間を短くすることで、配達員の負荷を減らし、配送効率を上げることが可能である。よって、例えば、配達員の徒歩移動時間が最小になるように、配送車両の停車位置である経由地を決定すると良い。
【0030】
そこで、情報処理装置100は、配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達の各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡の差異により、一以上の配達の各々における配送車両の停車位置を導出する停車位置導出部150を有するようにすると良い。さらに、情報処理装置100は、配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達の各々における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡の差異により、配達の各々における配達員の徒歩移動時間を導出する移動時間導出部160を有するようにすると良い。このようにすることで、過去に配送先の各々に対して行われた一以上の配達における配達員の徒歩移動時間を得ることが可能になる。ここで、配達員の徒歩移動時間は、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡との間に差異が生じている間の時間でも良いし、配送車両の停車位置から配送先までの移動にかかった時間でも良い。
【0031】
そして、経由地決定部130は、配送先の各々に対して、当該配送先に行なれた一以上の配達のうちの徒歩移動時間が最短である配達における停車位置を、当該配送先のための経由地として決定するようにすると良い。このようにすることで、配達員が徒歩で移動する時間が最短になるように、ルートを作成することが可能になる。
【0032】
例えば、
図2の例の場合、停車位置導出部150は、配達A1~A3の各々において、配達員の移動軌跡DP(破線)と配送車両の移動軌跡DC(実線)との間に差異が生じ始める位置SP1~SP3を、配達A1~A3における配送車両の停車位置として導出する。
【0033】
また、
図2の例の場合、移動時間導出部160は、配達員の移動軌跡DP(破線)と配送車両の移動軌跡DC(実線)との間に差異が生じている間の時間を、配達員の徒歩移動時間として導出する。つまり、移動時間導出部160は、配達A1における配達員の徒歩移動時間として、停車位置SP1から配送先Aに移動し、停車位置SP1まで戻ってくるまでの配達員の移動時間WT1を導出し、移動時間導出部160は、配達A1における配達員の徒歩移動時間として、停車位置SP2から配送先Aに移動し、停車位置SP2まで戻ってくるまでの配達員の移動時間WT2を導出し、移動時間導出部160は、配達A3における配達員の徒歩移動時間として、停車位置SP3から配送先Aに移動し、停車位置SP3まで戻ってくるまでの配達員の移動時間WT3を導出する。
【0034】
そして、
図2の例の場合、移動時間WT1~WT3のうち、移動時間WT2が最短であるならば、経由地決定部130は、配達A1~A3のうちの徒歩移動時間が最短である配達A2における配送車両の停車位置である位置SP2を、配送先Aのための経由地として決定する。結果、
図2の例の場合、ルート作成部140は、
図4(A)に示すように、位置SP2を、配送先Aのための経由地としたルートを作成する。
【0035】
<移動軌跡の取得>
配達員は、天気によって、停車位置を変えることがある。例えば、天気が雨であるときは、効率が悪くなったとしても、荷物が濡れるのを防ぐためには、配送車両をなるべく配送先の近くに停車するのが良い。
【0036】
そこで、情報処理装置100は、配送先に配送する際の天気に関する情報を取得する天気情報取得部171をさらに有するようにし、移動軌跡取得部120は、配送先の各々に対して、天気情報取得部171により取得された情報に示された天気であったときに当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、その日の天気に即したルートを作成することが可能になる。
【0037】
混雑状況などの道路事情は、曜日によって異なることがあり、効率良い配達を行うための配送車両の停車位置が、曜日ごとに変わることがある。
【0038】
そこで、情報処理装置100は、配送先に配送する際の曜日に関する情報を取得する曜日情報取得部172をさらに有するようにし、移動軌跡取得部120は、配送先の各々に対して、曜日情報取得部172により取得された情報に示された曜日に当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、曜日ごとの道路事情の変化などを考慮した上で、効率的なルートを作成することが可能になる。
【0039】
混雑状況などの道路事情は、時間帯によって異なることがあり、効率良い配達を行うための配送車両の停車位置が、時間帯ごとに変わることがある。
【0040】
そこで、情報処理装置100は、配送先に配送する際の時間帯に関する情報を取得する時間帯情報取得部173をさらに有するようにし、移動軌跡取得部120は、配送先の各々に対して、時間帯情報取得部173により取得された時間帯に当該配送先に行なれた一以上の配達における配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得するようにしても良い。このようにすることで、時間帯ごとの道路事情の変化などを考慮した上で、効率的なルートを作成することが可能になる。
【0041】
<徒歩ルート作成部180>
情報処理装置100は、配送先の各々に対して、当該配送先のための経由地から当該配送先までの徒歩ルート作成部180を有するようにしても良い。このようにすることで、配達員に、徒歩ルートを示すことが可能になり、配達の効率をより向上することが可能になる。例えば、上述した
図4に示した例の場合、
図5に示したように、配送車両が巡回するルート(実線)の他に、配達員が徒歩で移動する徒歩ルート(破線)を示すことが可能になる。
【0042】
<配送車両の移動時間に基づく経由地の決定>
配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得することができない配送先に対する経由地の決定の例として、配送先自体を経由地として決定する例を示した。しかしながら、配達員の移動軌跡と配送車両の移動軌跡を取得することができないが、過去に行われた配達における配送車両の移動軌跡と配送車両の停車位置が取得できる配送先に対しては、経由地決定部130は、この過去に行われた配達における配送車両の移動軌跡と配送車両の停車位置に基づいて、経由地を決定すると良い。
【0043】
具体的には、記憶装置には、過去に配送先の各々に対して行われた配達における配送車両の移動軌跡として、配送車両が移動した道路リンクと道路ノードと、各道路ノードを通過した時刻と、を記憶しておく。そして、経由地決定部130は、新たに配送する際に配送先に対応する道路(例えば、配送先に隣接し、配送先にアクセスすることができる道路:
図2に示した例において、SP2が存在する道路)である対応道路が、
図2のように、T字の交差点から延びる行き止まりの道である場合には、当該対応道路に相当する道路リンクに接続する2つの道路リンク(
図2に示した例において、SP1が存在する道路に相当する道路リンクとSP3が存在する道路に相当する道路リンク)を特定し、この特定された2つの道路リンクの各々において、当該道路リンクの両端に存在する道路ノードのうちの当該対応道路に相当する道路リンクに接続していない道路ノードを特定する。結果、2つの道路ノードが特定される。その後、経由地決定部130は、過去に当該配送先に行われた配達の各々に対して、配送車両の移動軌跡に基づいて、この特定された2つの道路ノードの間を移動する際の配送車両の移動時間を算出し、過去に行われた配達のうち、算出された移動時間が最短である配達における配送車両の停車位置を、当該配送先のための経由地として決定する。
【0044】
また、対応道路に相当する道路リンクの両端に他の道路リンクが接続している場合(つまり、対応道路が行き止まりの道でない場合)、経由地決定部130は、過去に当該配送先に行われた配達の各々に対して、配送車両の移動軌跡に基づいて、対応道路に対応する道路リンクの両端に存在する道路ノードの間を移動する際の配送車両の移動時間を算出し、過去に行われた配達のうち、算出された移動時間が最短である配達における配送車両の停車位置を、当該配送先のための経由地として決定する。
【0045】
移動時間が最短である際の停車位置は、効率が良い停車位置であることが推定される。このため、その停車位置を経由地として用いることで、効率的なルートが作成できる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。