(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177588
(43)【公開日】2024-12-19
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイス用の圧力インジケータ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20241212BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20241212BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A61M5/168 516
A61M5/172
A61M5/142 522
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024179195
(22)【出願日】2024-10-11
(62)【分割の表示】P 2021544564の分割
【原出願日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】62/799,420
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ポリティス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ペレズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャコブ ワイナー
(72)【発明者】
【氏名】アレックス シャベス
(57)【要約】
【課題】薬剤送達ペンの提供。
【解決手段】薬剤送達ペンは、薬剤を保持するためのリザーバと、動作時にリザーバから薬剤を分配する加圧システムと、中空カニューレを収容する針ハブであって、中空カニューレは患者に挿入するための遠位端を有する、針ハブと、加圧システムと中空カニューレとの間に配置されて連通する流体送達経路と、前記加圧システムの外部にあり、前記ハブに配置された圧力センサであって、前記流体送達経路の背圧を感知し、前記加圧システムが動作を停止した後、前記背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する、圧力センサと、を備える。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を保持するためのリザーバと、
作動時に前記リザーバから薬剤を分配する加圧システムと、
中空カニューレを収容する針ハブであって、中空カニューレは患者に挿入するための遠位端を有する、針ハブと、
前記加圧システムと前記中空カニューレの遠位端との間に配置され、それらの間で薬剤を連通する、流体送達経路と、
前記加圧システムの外部にあり、前記ハブに配置された圧力センサであって、前記流体送達経路の背圧を感知し、前記加圧システムが動作を停止した後、前記背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する、圧力センサと、
を備えた、薬剤送達ペン。
【請求項2】
前記ハブが、前記ハブを通る一次流体チャネルを備え、前記一次流体チャネルは、前記流体送達経路の一部であり、前記中空カニューレの遠位端に接続され、
前記圧力センサが、
前記一次流体チャネルに流体的に接続されたゲージチャンバと、
前記ゲージチャンバ内に移動可能に配置されたゲージであって、前記流体供給経路の前記背圧を感知し、加圧システムの動作停止後に、前記背圧が前記所定の閾値を超えるとき、前記ハブの外側に伸び、前記背圧が前記所定の閾値を下回るとき、前記ハブに引き込まれる、ゲージと、
を備えた、
請求項1に記載の薬剤送達ペン。
【請求項3】
前記圧力センサは、前記本体に対して前記ゲージを内側にバイアスするバイアス部材をさらに備えた、請求項2に記載の薬剤送達ペン。
【請求項4】
前記一次流体チャネルに流体的に接続された、第2のゲージチャンバと、
第2のゲージチャンバ内に移動可能に配置された第2のゲージであって、前記流体送達経路の前記背圧を感知し、前記背圧がゼロより大きいとき、前記ハブの外側に伸び、前記背圧がゼロ以下の場合は前記ハブ内に引き込む、ゲージと、
をさらに備えた、請求項2に記載の薬剤送達ペン。
【請求項5】
前記ハブに対して前記ゲージを内側にバイアスするバイアス部材と、
前記ハブに対して前記第2のゲージを内側にバイアスする第2のバイアス部材と、
を前記圧力センサがさらに備えた、請求項4に記載の薬剤送達ペン。
【請求項6】
薬剤を保持するためのリザーバと、
作動時に前記リザーバから前記薬剤を分配する加圧システムと、
中空カニューレを収容する針ハブであって、前記中空カニューレは患者に挿入するための遠位端を有する、針ハブと、
前記加圧システムと前記中空カニューレの遠位端との間に配置され、それらの間で前記薬剤を連通する、流体送達経路と、
加圧システムの外部にあり、ハブ内に配置された圧力センサであって、前記流体送達経路の背圧を感知し、前記加圧システムの動作停止後、前記背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する。圧力センサと、
を備えた、薬剤送達シリンジ。
【請求項7】
前記ハブが、前記ハブを通る一次流体チャネルを備え、前記一次流体チャネルは前記流体送達経路の一部であり、前記中空カニューレに接続されており、
前記圧力センサが、
前記一次流体チャネルに流体的に接続されたゲージチャンバと、
前記ゲージチャンバ内に移動可能に配置されたゲージであって、前記流体供給経路の前記背圧を感知し、加圧システムの動作停止後に、前記背圧が前記所定の閾値を超えるとき、前記ハブの外側に伸び、前記背圧が前記所定の閾値を下回るとき、前記ハブに引き込まれる、ゲージと、を備えた、
請求項6に記載の薬剤送達シリンジ。
【請求項8】
前記圧力センサは、前記本体に対して前記ゲージを内側にバイアスするバイアス部材をさらに備えた、請求項7に記載の薬剤送達シリンジ。
【請求項9】
前記一次流体チャネルに流体的に接続された第2のゲージチャンバと、
前記第2のゲージチャンバ内に移動可能に配置された第2のゲージであって、前記流体送達経路の前記背圧を感知し、前記背圧がゼロより大きい場合は前記ハブの外側に伸び、背圧がゼロ以下の場合はハブ内に引き込まれる、第2のゲージと、
をさらに備えた、請求項7に記載の薬剤送達シリンジ。
【請求項10】
前記ハブに対して前記ゲージを内側にバイアスするバイアス部材と、
前記ハブに対して前記第2のゲージを内側にバイアスする第2のバイアス部材と、
を前記圧力センサがさらに備えた、請求項9に記載の薬剤送達シリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年1月31日に出願された米国仮特許出願シリアル番号62/ 799,420からの35USC§119(e)に基づく優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療機器、より具体的には、カニューレおよび加圧システムを備えた医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤送達デバイスの薬剤加圧システムが動作を停止した後、デバイスの流体送達経路内の圧力はすぐにはゼロに低下しない。流体送達経路の圧力が特定の閾値を下回るまで、薬剤の送達は継続する。例えば、ポンプ14(
図1)を使用するときのインスリン注入中に、システム内の残留圧力が蓄積し、ポンプ14が動作を停止した後に存在し得る。患者に挿入されたベースまたは注入部位80からのインスリン注入セットまたは流体コネクタ10の時期尚早な取り外しまたは切断(
図1を参照)は、セットの除去後にインスリンが流体コネクタ10(
図2を参照)から排出することにつながり得る。したがって、そのような状況では、ユーザは意図された投与量のすべてを受け取れないであろう。
【0004】
1単位のインスリンを送達するのに要求される圧力は0.7psiにほぼ等しい。したがって、除去または切断後の注入セットの低い残留圧力は、治療の重大な損失を意味する可能性がある。例えば、10単位のボーラスから1単位の損失は、結果として意図されたインスリン投与量の90%のみ送達する。改善が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の一態様は、薬剤送達デバイスを取り外しまたは切断することが安全であるときをユーザに知らせるためのインジケータを有する薬剤送達デバイスを提供する。
【0006】
本発明の前述のおよび/または他の態様は、薬剤を保持するためのリザーバと、動作時にリザーバから薬剤を分配する加圧システムと、患者に挿入するための中空カニューレと、および加圧システムと中空カニューレとの間に配置され、それらの間で薬剤を伝達する流体送達経路と、を有する薬剤送達デバイスを提供することによって達成される。薬剤送達デバイスはまた、加圧システムの外部に圧力センサを有し、流体送達経路の背圧を感知し、加圧システムが動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する。
【0007】
本発明の前述のおよび/または他の態様はまた、薬剤を保持するためのリザーバと、動作時にリザーバから薬剤を分配する加圧システムと、および中空カニューレを収容する針ハブであって、中空カニューレは患者に挿入するための遠位端を有する、針ハブと、を有する薬剤送達ペンを提供することによって達成される。薬剤送達ペンはまた、加圧システムと中空カニューレの遠位端との間に配置され、それらの間で薬剤を連通する流体送達経路と、および圧力センサであって、加圧システムの外部にあり、ハブに配置され、流体供給経路の背圧を感知し、加圧システムが動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する、圧力センサと、を有する。
【0008】
本発明の前述のおよび/または他の態様はまた、薬剤を保持するためのリザーバと、動作時にリザーバから薬剤を分配する加圧システムと、および中空カニューレを収容する針ハブであって、中空カニューレは患者に挿入するための遠位端を有する、針ハブと、を有する薬剤送達シリンジを提供することによって達成される。薬剤送達シリンジはまた、加圧システムと中空カニューレの遠位端との間に配置され、薬剤をそれらの間で連通する流体送達経路と、および圧力センサであって、加圧システムの外部にあり、ハブ内に配置され、流体供給経路内の背圧を感知し、加圧システムが動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する圧力センサと、を有する。
【0009】
本発明の追加的なおよび/または他の態様および利点は、以下の説明に記載されるか、説明から明らかとなり、または、本発明の実施によって知られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態の態様および利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【
図1】
図1は、薬剤注入流体コネクタの取り外しまたは切断を図示する。
【
図2】
図2は、
図1の流体コネクタからの薬剤の排出を図示する。
【
図3】
図3は、関連するアートの流体コネクタおよび関連するベースの様々な図である。
【
図4】
図4は、関連するアートの流体コネクタおよび関連するベースの様々な図である。
【
図5】
図5は、関連するアートの流体コネクタおよび関連するベースの様々な図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による圧力センサの位置を図示する。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による圧力センサの位置を図示する。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による圧力センサの位置を図示する。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図13】
図13は、薬剤送達デバイスの圧力対時間条件を図示するグラフである。
【
図14】
図14は、薬剤送達デバイスの圧力対時間条件を図示するグラフである。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図16】
図16は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図17】
図17は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図18】
図18は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図21】
図21は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図22】
図22は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【
図23】
図23は、本発明の別の実施形態による、圧力センサを備えた薬剤送達シリンジを図示する。
【
図25】
図25は、本発明の別の実施形態による圧力センサを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に図示されている本発明の実施形態が参照されており、同じ参照番号は、全体を通じて同じ要素を参照する。本明細書で説明される実施形態は、図面を参照することによって、本発明を例示するものであるが、これに限定するものではない。
【0012】
実施形態は相互に排他的であることを意図しておらず、一実施形態の特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0013】
本開示が、以下で説明にされるか、または図面に図示される、構造の詳細、および構成要素の配置に、その適用が限定されないことが当業者によって理解されよう。本明細書の実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。また、本明細書中で使用する表現および用語は、説明のためのものであって、限定するものと見なすべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」およりこれらの変形の使用は、それ以降に掲載されるアイテムおよびその同等物ならびに付加的なアイテムを包含することが意味される。別段の限定がない限り、本明細書における用語「接続された」、「結合された」、および「据え付けられた」、およびそれらの変形は、広く使用され、ならびに直接的および間接的な接続、結合、および据え付けを包含する。追加的に、用語「接続された」および「結合された」およびそれらの変形は、物理的または機械的な接続または結合に制限されない。さらに、「上がる」、「下がる」、「底」、「上」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「上向き」、「下向き」などの用語、および他の方向記述子は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にすることを意図し、本発明の例示的な実施形態の構造を任意の特定の位置または向きに限定することを意図するものではない。「実質的に」、または「約」のような程度の用語は、当技術分野に熟練した者によって、所与の値の周囲およびそれを含む合理的な範囲、ならびに所与の値の外側の範囲、例えば、実施形態の製造、組立、および使用に関連する一般的な許容範囲を指すように理解される。構造または特性を指す場合の「実質的に」という用語は、構造内に大部分または完全である特性を含む。
【0014】
図3は、PCT公開WO2013/086463に見られるような関連アートのツーピース流体コネクタ10および関連するベース80の斜視図であり、その開示は、この目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
図4は、流体コネクタ10の底面図であり、
図5は、ベース80に接続された流体コネクタ10の断面図である。流体コネクタ10は、2つの構成要素である、流体経路部分12と、およびラッチ部分14とを含む。一緒に、流体経路部分12およびラッチング部分14は、ハウジング15を形成する。ラッチ部分14は、作動レバー16、流体コネクタラッチ18、および剛性ストップ21を含む。
【0015】
流体経路部分12は、流体コネクタ10を管20に接続するための管コネクタ部分22を含む。流体経路部分12は、スナップフィット係合を介してラッチ部分14に固定することができる。
図3に示されるように、管20は、コネクタ22を介してポンプ14に接続される。ポンプ14は、送達される薬剤のためのリザーバ6を有する。リザーバ6は内部リザーバとして示されているが、当業者は、リザーバ6が、ポンプ14に接続された薬剤バイアルなどの外部リザーバ6であり得ることを理解するであろう。
【0016】
図4-6に示されるように、流体経路部分12は、ハウジング15の近位内面から遠位に延びる鈍いカニューレ23を有する。ユーザの皮膚に挿入された患者カニューレ84に対応するベース80に接続されると、鈍い(blunt)カニューレ23は、ベース80のキノコ形のヘッド82内の隔壁86を貫通して、ポンプをベース80の遠位側にある患者カニューレ84に流体接続する。患者カニューレ84は可撓性であり、金属くさびによってベース80に保持されている。典型的には、患者カニューレ84は、既知の挿入デバイスを使用して患者の皮膚に挿入される。
【0017】
本発明の一実施形態による圧力センサは、ポンプなどの加圧システムの外部にあり、複数の場所に配置することができる。例えば、後で説明するように、圧力センサは、セット10とベース80との間の接続/切断部位(例えば、位置A)において、またはチューブと列をなして(例えば、位置B)、またはペン針(
図8)またはシリンジの流路内で、管20(
図7)と列をなして、注入ライン20をポンプ14(
図3および6)に接続するコネクタ17または19または22内に配置することができる。
【0018】
図9ー12は、本発明の実施形態による圧力センサ100を図示する。圧力センサ100は、加圧システム(ポンプ14など)の外部に配置され、流体供給経路の背圧を感知する。圧力センサ100は、加圧システムが動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ったときに表示を提供する。
【0019】
図9-12に図示される圧力センサ100は、圧力センサ100を通る一次流体チャネル104を備えた本体102を含む。一次流体チャネル104は、加圧システム(例えば、ポンプ14)と中空カニューレ(例えば、患者カニューレ84)との間の流体送達経路の一部である。一次流体チャネル104の反対側の端部は、注入ラインセット10および/または管20に流体的に接続する。例えば、一実施形態によれば、一次流体チャネル104の一端は、管20に接続し、一次流体チャネル104の反対側の端部は、セットまたは流体コネクタ10(例えば、
図7の位置A)に接続する。別の実施形態によれば、一次流体チャネルの両端は、管20に接続する(例えば、
図7の位置B)。
【0020】
図10に最もよく見られるように、圧力センサ100は、一次流体チャネル104に流体的に接続されたゲージチャンバ106と、ゲージチャンバ106内に移動可能に配置されたゲージ108とを含む。ゲージまたは第1のゲージ108は、流体送達経路の一部である一次流体チャネル104内の背圧を感知し、背圧が所定の閾値を超えると、ゲージ108は本体102の外側に延びる。加圧システム(例えば、ポンプ14)が動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ると、ゲージ108は本体102内に引き込まれる。一実施形態によれば、圧力センサ100は、本体102に対してゲージ108を内側にバイアスするばね110などのバイアス部材110を含む。
【0021】
別の実施形態によれば、
図9―12に示されるように、圧力センサ100はまた、一次流体チャネル104に流体的に接続された第2のゲージチャンバ112と、および一次流体チャネル104内の背圧を感知し、背圧がゼロより大きい場合に本体102の外側に延び、背圧がゼロまたはゼロ以下の場合に本体102内に引き込まれる、第2のゲージチャンバ112内に移動可能に配置された第2のゲージ114と、を含む。
【0022】
好ましくは、圧力センサ100はまた、本体102に対して第2のゲージ114を内側にバイアスする第2のばね115などの第2のバイアス部材115も含む。一実施形態によれば、ばね110、115は、異なる所定の閾値に対応するために異なるばね定数を有する。例えば、第2のゲージ114を内側にバイアスするばね115は、第1のゲージ108を内側にバイアスするばね110よりも弱くすることができる。そのような実施形態では、第2のゲージ114は、第1のゲージ108を延ばすために必要とされるものよりも低い背圧で、一次流体チャネル104内で本体102から延びるであろう。
【0023】
そのような実施形態では、第1のゲージ108が本体102内に引き込まれるとき、圧力センサ100は、加圧システム(例えば、ポンプ14)が動作を停止した後、背圧が所定の閾値を下回ったので、流体コネクタまたはセットを部位またはベース12から安全に取り外すことができることをユーザに表示を提供する。一実施形態によれば、所定の閾値は約0.5psi以下である。より好ましくは、所定の閾値は約0.25psiである。最も好ましくは、所定の閾値は約0.1psiである。
【0024】
図13に示すように、ポンプ、管、流体コネクタ、およびベースの1つの組み合わせで、ポンプの動作中、最初のスパイクの後、ポンプは送達中に0.28 psiを提供し、ポンプが停止した後、圧力は漸減する。ポンプが停止した後の待機期間中、依然として薬剤送達の可能性があり、したがって、そのような組み合わせの場合、意図された投与量が受け取られ、ベースから流体コネクタを取り外すのに安全であることを示すために、所定の閾値は好ましくは約0.1psiである。
【0025】
図14に示すように、ポンプ、管、流体コネクタ、およびベースの別の組み合わせでは、ポンプの動作中に、ポンプはカットオフの前に約0.4psiを提供する。そのような組み合わせの場合、意図された投与量が受け取られ、ベースから流体コネクタを安全に取り外すことができることを示すために、所定の閾値は好ましくは約0.1-0.2psiである。
【0026】
図9―12に示される実施形態では、第2のゲージ108が本体102に引き込まれ、ポンプが作動しているとき、圧力センサ100は、皮膚へのベースの挿入、または一次流体チャネル104に背圧がないため誤った(faulty)ベースへの流体コネクタの接続をユーザに表示を提供する。言い換えると、ベースのカニューレが患者の皮膚に挿入されていない場合、または流体コネクタがベースに接続されていない場合、ポンプが作動していたとき、流体は抵抗なしに流体供給経路を流れ(たとえば、チューブの固有の抵抗以外)、したがって、一次流体チャネル104内の背圧はほとんどまたはまったくないであろう。
【0027】
ポンプが作動していて、第2のゲージ108が本体102から延びるとき、圧力センサ100は、一次流体チャネル104の背圧がゼロより大きいため、ベースが十分に挿入され、流体コネクタとベースとの間の接続が良好であることをユーザに表示を提供する。
【0028】
一実施形態によれば、圧力センサ100は、ゲージ108または第2のゲージ114のいずれかを選択的に覆うためのスライディングキャップ120(
図11および12に最もよく示される)を含み、その結果、ゲージ108および114のうちの覆われていない1つのみが与えられた時間で作動する。例えば、ベースをユーザの皮膚に挿入し、ポンプが最初に作動する間、ユーザは、第1のゲージ108を覆うスライディングキャップを有し得、その結果、第2のゲージ114は、挿入が成功したことの表示を提供することができる。続いて、ユーザが挿入および接続の成功を保証されると、ユーザは、スライディングキャップ120をスライドさせて第2のゲージ114を覆い、したがって第1のゲージ108の状態を監視して、適切な投与量の送達を確実にするために、流体コネクタ10をベース80からいつ安全に取り外すことができるかを決定することができる。
【0029】
一実施形態によれば、ユーザは、第2のゲージ114を押し下げて、スライディングキャップ120を第2のゲージ114上にスライドさせる必要がある。別の実施形態によれば、スライディングキャップは、第2のゲージ114の対応するランプと係合するランプを有し、その結果、スライディングキャップ120を第2のゲージ114上でスライドさせる行為は、第2のゲージ114を押し下げて、スライドキャップ120が第2のゲージ114を覆うことを可能にする。
【0030】
一実施形態によれば、スライディングキャップ120は、ゲージ108および114のいずれかを覆わないように配置されることができ、ゲージ108および114の両方は、同時に本体102から延びることができる。別の実施形態によれば、スライディングキャップはなく、ゲージ108および114の両方は、同時に本体102から延びることができる。
【0031】
図15に示される別の実施形態によれば、圧力センサ125は、単一のゲージチャンバ106および単一のゲージ108のみを含む。追加的に、圧力センサ125は、バイアス部材またはばねを含まない。一実施形態によれば、圧力センサ125は、作動中に直立に保たれるべきであり、加圧システム(例えば、ポンプ14)の動作停止後に、背圧が所定の閾値を下回ったとき、ゲージ108の重量は、本体102内でゲージ108を引っ込め、それにより、適切な投与量の送達、およびベース80から流体コネクタ10を安全に取り外すことができることを意味する。他の点では、圧力センサ125は、圧力センサ100と同様に動作し、簡潔にするために、そのさらなる説明は省略される。
【0032】
図16―18に示される別の実施形態によれば、圧力センサ130はまた、単一のゲージチャンバ106および単一のゲージ138のみを含むが、
図9―12の圧力センサ100の2つのゲージの機能を含む。より具体的には、この実施形態では、ゲージ108は、例えば、テクスチャまたは色などの区分の3つのバンド132、134、および136を有する。
【0033】
前述の圧力センサ100の第2のゲージ114と同様に、ばね110のバイアスに対して、ゲージ138は、背圧がゼロより大きい場合に本体102から第1の距離を延ばし、背圧が圧力がゼロまたはゼロ以下の場合に本体102に引き込む。
図16に示されるように、ゲージがこの第1の距離を延びるとき、第1のバンド132のみが本体102の外側に見える。
【0034】
背圧が所定の閾値を満たすか超えると、ゲージ138は本体102の外側に第2の距離だけ延び、3つのバンド132、134、および136はすべて本体102の外側に見える(
図17)。そして、ゲージチャンバ106内の背圧が所定の圧力よりも小さいが第1の非ゼロ圧力よりも大きい場合、加圧システムの動作停止後、背圧が所定の閾値を下回ったとき、ゲージ138は本体102から第3の距離だけ延び、
図18に示すように、第1および第2のバンド132および134のみが本体102の外側に見える。
図19および20に示されるような例示的なペン注射器250などのペン注射デバイスは、典型的には、投与ノブ/ボタン224、外側スリーブ213、およびキャップ221を備える。投与ノブ/ボタン224は、ユーザが注入される薬剤の投与量を設定することを可能にする。外部スリーブ213は、薬剤を注入する場合、ユーザによって把持される。キャップ221は、ペン型注射器250をシャツのポケット、財布、または他の適切な場所にしっかりと保持するためにユーザによって使用される。
【0035】
図20は、
図19に示される例示的な薬剤送達ペン250の分解図である。投与ノブ/ボタン24は二重の目的を有し、注入される薬剤の投与量を設定すること、および、投与される薬剤を、下部ハウジング217を通して薬物送達ペンに取り付けられた薬剤カートリッジ212から、リードねじ207およびストッパー215を介して注入することの両方で使用される。薬剤カートリッジ212は、典型的には、一端が隔壁216で密封され、他端がストッパー215で密封されたガラス管である。標準的な薬物送達ペンでは、投与および送達機構はすべて、外側スリーブ213内にある。これらの機構は、当業者に理解されているため、本明細書では詳細に説明しない。本発明の一実施形態によれば、圧力センサ140は、ペン針ハブ150を含む。
【0036】
図21および22は、明確にするために針211を省略して、圧力センサ140をより詳細に図示する。圧力センサ140は、圧力センサ140を通る一次流体チャネル152、ゲージチャンバ154、およびゲージチャンバ154内に移動可能に配置されたゲージ156を有する。好ましくは、圧力センサ140はまた、ハブ150に対してゲージ156を内側にバイアスするバイアス部材158を含む。一実施形態によれば、針211は、患者に挿入するための鋭利な遠位患者端部と、および、例えばカートリッジ212の隔壁を貫通するための鋭利な近位端部とを有する。針211の両端は、互いに流体連通している。そのような実施形態では、針211は、ゲージチャンバ154と連通する横方向の開口部を有する。別の実施形態によれば、針211は、例えばスパイクを介してカートリッジ212と連通する流体経路(例えば、一次流体チャネル152)と連通する鋭利な遠位患者端部のみを有する。そのような実施形態では、ゲージチャンバは流体経路と流体的に連通している。
【0037】
圧力センサ140の動作は、圧力センサ100、125または130の動作と実質的に同様であり、したがって、簡潔にするために省略されている。圧力センサ100と同様に、他の実施形態では、圧力センサ140はまた、第2のゲージチャンバ、第2のゲージ、第2のバイアス部材、およびスライディングキャップを含むことができるが、ユーザは通常、ペンの針が正常に挿入されたかどうかを確認できるため、好ましくは含まない。
【0038】
図23は、圧力センサ350を含む成形された針ハブ304内に配置され、近位端に針302を有する、プラスチック使い捨てシリンジ300などの薬剤送達デバイスの例示的な実施形態を図示する。
図24は、針302、針ハブ304、および圧力センサ350の断面図である。針ハブ304は、成形された円筒形バレル306の開いた近位端に留められ、プランジャ308は、円筒形バレル306の開いた遠位端に配置される。プランジャ308は、バレル306の遠位端を密封するように構成されたストッパー110を含む。ストッパー310は、プランジャ108と一体であり得る。プランジャ308の遠位端は、サムプレス(thumb press)311を含み、ユーザがプランジャ308をバレル106の軸方向に動かすためのインターフェースを提供する。プランジャを引くかまたは押すことによって、ユーザは、針302を介して注射器300の近位端で注射器300との間で流体を移送することができる。
【0039】
圧力センサ350は、圧力センサ350を通る一次流体チャネル352、ゲージチャンバ354、およびゲージチャンバ354内に移動可能に配置されたゲージ356を有する。好ましくは、圧力センサ350はまた、ハブ304に対してゲージ356を内側にバイアスするバイアス部材358を含む。
【0040】
圧力センサ350の動作は、圧力センサ100、125、130、または140の動作と実質的に同様であり、したがって、簡潔にするために省略されている。圧力センサ100と同様に、他の実施形態では、圧力センサ350はまた、第2のゲージチャンバ、第2のゲージ、第2のバイアス部材、およびスライディングキャップを含むことができるが、ユーザは通常、針302が正常に挿入されたかどうかを確認できるため、好ましくは含まない。
【0041】
管20をポンプ(例えば、ポンプ14)に接続するためのコネクタ402が
図25に図示され、本発明の別の実施形態による圧力センサ400を含む。圧力センサ400は、ポンプ14またはリザーバの隔壁を貫通するためのスパイク453を含む、圧力センサ400を通る一次流体チャネル452を有する。圧力センサ400はまた、ゲージチャンバ454およびゲージチャンバ454内に移動可能に配置されたゲージ456を含む。好ましくは、圧力センサ400はまた、コネクタ402に対してゲージ456を内側にバイアスするバイアス部材458を含む。
【0042】
圧力センサ400の動作は、圧力センサ100、125、130、または140の動作と実質的に同様であり、したがって、簡潔にするために省略されている。圧力センサ100と同様に、他の実施形態では、圧力センサ400はまた、第2のゲージチャンバ、第2のゲージ、第2のバイアス部材、およびスライディングキャップを含むことができる。
【0043】
本発明のほんの少数の実施形態が示されおよび説明されてきたが、本発明は、説明された実施形態に限定されない。代わりに、本発明の原則と精神から逸脱することなく、これらの実施形態に変更が行われ得ることは、当業者によって理解されよう。本明細書に開示される実施形態および/または要素のいずれも、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされて、具体的に開示されないさまざまな追加の実施形態を形成することができる。当業者は、他の多くの方法で上に記載された様々な例示的な実施形態の様々な要素の様々な技術的側面を容易に組み合わせることができ、それらはすべて本発明の範囲内であると考えられ、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義されることに特に留意されたい。
【0044】
複数の実施形態の様々な態様は、独立して、またはそれらの組み合わせで使用することができる。