(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017762
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ステアリングロック装置
(51)【国際特許分類】
B60R 25/02 20130101AFI20240201BHJP
【FI】
B60R25/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120617
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】中山 弘隆
(72)【発明者】
【氏名】藤川 義満
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上する。
【解決手段】STロック装置10では、ロックアップ部材60が、ロックアップ収容部28によってガイドされる被ガイド部61と、被ガイド部61以外の部分である一般部62と、を含んで構成されている。また、一般部62には、荷重吸収部63が形成されており、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が変形し、カバー30に入力された荷重を吸収して、被ガイド部61の変形が抑制される。これにより、ロックアップ部材60の作動時に、被ガイド部61が、ロックアップ収容部28のガイド孔28Aの内周面に引っ掛かることを抑制することができる。その結果、不正アクセス時に前方側への荷重がカバー30の後壁に付与されても、カバー30のフレーム20からの取外時に、ロックアップ部材60を良好に後側へ移動させて、補助ロック部材52を作動させることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフトの回転を制限するロック位置と、前記ステアリングシャフトの回転を許可するロック解除位置と、の間を移動可能に構成されたロック部材と、
作動することで前記ロック位置における前記ロック部材と係合する係合位置へ移動して前記ロック部材の前記ロック位置に配置された状態を維持する補助ロック部材と、
前記補助ロック部材と係合して前記補助ロック部材を非作動状態に維持する初期位置に配置され、前記補助ロック部材の移動方向と交差する交差方向の一方側へ前記初期位置から移動することで前記補助ロック部材の作動を許可するロックアップ部材と、
前記ロック部材、前記補助ロック部材、及び前記ロックアップ部材を収容すると共に、前記ロックアップ部材の交差方向の一方側への移動をガイドするガイド部を有するフレームと、
前記フレームを覆うと共に、前記ロックアップ部材が当接して前記ロックアップ部材の前記交差方向の一方側への移動を制限するカバーと、
前記ロックアップ部材を前記交差方向の一方側へ付勢するロックアップ付勢バネと、
を備え、
前記ロックアップ部材は、前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部と、前記被ガイド部以外の部分である一般部と、を含んで構成されており、
前記一般部には、荷重吸収部が形成されており、所定値以上の前記交差方向の他方側への荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が変形して当該荷重を吸収し、前記被ガイド部の変形を抑制するステアリングロック装置。
【請求項2】
前記ロックアップ部材は、前記交差方向に延在された長尺板状に形成され、
前記一般部が、前記ロックアップ部材の交差方向一方側端部を構成している請求項1に記載のステアリングロック装置。
【請求項3】
前記荷重吸収部は、前記ロックアップ部材の板厚方向一方側へ突出し且つ板厚方向他方側へ開放された凹状に形成されており、前記荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が前記交差方向に曲げ変形する請求項2に記載のステアリングロック装置。
【請求項4】
前記荷重吸収部の交差方向中間部には、前記ロックアップ部材の板厚方向他方側へ開放されたV字形状に屈曲された屈曲部が形成されており、
前記荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が前記屈曲部を起点に曲げ変形する請求項3に記載のステアリングロック装置。
【請求項5】
前記一般部には、前記荷重吸収部を前記ロックアップ部材の幅方向に分断する孔部が形成されている請求項4に記載のステアリングロック装置。
【請求項6】
前記荷重吸収部は、前記ロックアップ部材の板厚方向から見て、一対の曲り部を有するクランク状に形成されており、前記荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が前記曲り部を起点に変形する請求項2に記載のステアリングロック装置。
【請求項7】
前記ロックアップ部材の板厚方向から見て、前記曲り部の角度が鋭角である請求項6に記載のステアリングロック装置。
【請求項8】
前記荷重吸収部は、前記一般部における交差方向一方側端部を構成すると共に、前記交差方向の一方側へ向かうに従い前記ロックアップ部材の板厚方向一方側へ傾斜する方向へ屈曲しており、
前記荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が前記交差方向の他方側へ曲げ変形する請求項2に記載のステアリングロック装置。
【請求項9】
前記荷重吸収部は、前記ロックアップ部材の幅方向から見て、前記交差方向の一方側へ開放されたU字形状に形成されている請求項8に記載のステアリングロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のステアリングロック装置では、ロックロッドが、ロック位置に移動し、ステアリングシャフトに係合することで、ステアリングシャフトがロック状態になる。また、例えば、ステアリングロック装置が不正にアクセスされても、ロックロッドのロック状態を維持するように構成されている。具体的には、長尺板状のロック制御部材が、フレーム本体内に移動可能に収容され、ロックロッドと係合可能に構成されたロックピンに係合している。不正アクセスによってカバーをフレーム本体から取外すと、カバーに保持されていたロック制御部材が、解除バネの付勢力によって移動し、ロック制御部材の移動に伴ってロックピンがロックロッド側へ移動して、ロックピンとロックロッドとが係合される。これにより、ステアリングロック装置の不正アクセス時においても、ロックロッドのロック状態を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のステアリングロック装置では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、例えば、不正アクセス時にケースを破壊するために、ロック制御部材の移動方向とは反対側の外力がケースに付与されると、当該外力がロック制御部材に入力され、ロック制御部材が座屈変形する可能性がある。仮に、ロック制御部材が座屈変形すると、カバーの取外時におけるロック制御部材の移動時に、ロック制御部材がフレーム本体に引っ掛かり、ロックピンが良好に作動しなくなる虞がある。この場合には、ステアリングロック装置の信頼性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、信頼性を向上することができるステアリングロック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ステアリングシャフトの回転を制限するロック位置と、前記ステアリングシャフトの回転を許可するロック解除位置と、の間を移動可能に構成されたロック部材と、作動することで前記ロック位置における前記ロック部材と係合する係合位置へ移動して前記ロック部材の前記ロック位置に配置された状態を維持する補助ロック部材と、前記補助ロック部材と係合して前記補助ロック部材を非作動状態に維持する初期位置に配置され、前記補助ロック部材の移動方向と交差する交差方向の一方側へ前記初期位置から移動することで前記補助ロック部材の作動を許可するロックアップ部材と、前記ロック部材、前記補助ロック部材、及び前記ロックアップ部材を収容すると共に、前記ロックアップ部材の交差方向の一方側への移動をガイドするガイド部を有するフレームと、前記フレームを覆うと共に、前記ロックアップ部材が当接して前記ロックアップ部材の前記交差方向の一方側への移動を制限するカバーと、前記ロックアップ部材を前記交差方向の一方側へ付勢するロックアップ付勢バネと、を備え、前記ロックアップ部材は、前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部と、前記被ガイド部以外の部分である一般部と、を含んで構成されており、前記一般部には、荷重吸収部が形成されており、所定値以上の前記交差方向の他方側への荷重が前記カバーに付与されたときに、前記荷重吸収部が変形して当該荷重を吸収し、前記被ガイド部の変形を抑制するステアリングロック装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係るステアリングロック装置を示す上側から見た平面図である。
【
図2】
図1に示されるステアリングロック装置の前側から見た正面図である。
【
図3】
図1に示されるステアリングロック装置を、カバーを取外した状態で示す平面図である。
【
図4】
図3に示されるステアリングロック装置の後側から見た後面図である。
【
図5】
図2に示されるステアリングロック装置の内部を示す上側から見た断面図(
図2の5-5線断面図)である。
【
図6】
図5に示されるロックアップ部材のフレームへの収容状態を示す右側から見た断面図(
図5の6-6線断面図)である。
【
図7】
図6に示される補助ロック部材とロックアップ部材との係合状態を示す前側から見た断面図(
図6の7-7線断面図)である。
【
図8】(A)は、
図4に示されるフレームのロックアップ収容部を拡大して示す後面図であり、(B)は、(A)のロックアップ収容部の右斜め後方から見た斜視図である。
【
図9】(A)は、
図6に示されるロックアップ部材の右側から見た側面図であり、(B)は、(A)のロックアップ部材の右斜め前方から見た斜視図である。
【
図10】
図9(B)に示されるロックアップ部材に孔部を追加した変形例を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【
図11】
図9(B)に示されるロックアップ部材における荷重吸収部のバリエーション1を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【
図12】
図9(B)に示されるロックアップ部材における荷重吸収部のバリエーション2を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【
図13】
図9(B)に示されるロックアップ部材における荷重吸収部のバリエーション3を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るステアリングロック装置10(以下、「STロック装置10」と記載する)について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれSTロック装置10の装置上側、装置前側、装置右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、STロック装置10の装置上下方向、装置前後方向、装置左右方向を示すものとする。
【0010】
図1及び
図2に示されるように、STロック装置10は、車両(自動車)のステアリングシャフトSFの径方向外側に配置されて、車両の車体に固定されている。STロック装置10は、車両(自動車)のエンジン停止時に作動して、ステアリングシャフトSFの回転を制限する装置として構成されている。
【0011】
STロック装置10は、STロック装置10の骨格を構成するフレーム20と、フレーム20の後部を覆うカバー30と、フレーム20内に収容されたロック機構40(
図3及び
図4参照)及び補助ロック機構50(
図6及び
図7参照)と、を含んで構成されている。以下、STロック装置10の各構成について説明する。
【0012】
(フレーム20について)
図1~
図7に示されるように、フレーム20は、本体フレーム22と、ロックフレーム24と、を含んで構成されており、ロックフレーム24が本体フレーム22に組付けられて、フレーム20が形成されている。本体フレーム22は、本体フレーム22の前端部を構成するベース部22Aを有している。ベース部22Aは、前後方向を板厚方向とする略矩形プレート状に形成されており、ベース部22Aの右端部が前方側へ隆起している。
【0013】
本体フレーム22は、後述するロック機構40及び補助ロック機構50を収容するためのインナフレーム部22Bを有している。インナフレーム部22Bは、後側から見て、上下方向を厚み方向とする略T字形ブロック状に形成されて、ベース部22Aから後側へ延出している(
図4参照)。具体的には、インナフレーム部22Bは、インナフレーム部22Bの上部を構成する第1インナフレーム部22B1と、インナフレーム部22Bの下部を構成する第2インナフレーム部22B2と、を含んで構成されており、第2インナフレーム部22B2が、第1インナフレーム部22B1の左右方向中間部から下側へ突出している。
【0014】
第1インナフレーム部22B1の左部には、後述するウォームホイール43を収容するギヤ収容部22C(
図3参照)が形成されている。ギヤ収容部22Cは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、上側から見た平面視で略円形状に形成されている。第1インナフレーム部22B1の右部には、後述するモータ41を収容するモータ収容部22D(
図3参照)が形成されている。モータ収容部22Dは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、平面視で略逆T字形状に形成されている。モータ収容部22Dは、平面視で後側へ向かうに従い左側へ傾斜する方向に沿って延在されており、モータ収容部22Dの後端部が、ギヤ収容部22Cの後端側の外周部に連通している。インナフレーム部22Bの上端部には、インナカバー26(
図4及び
図6参照)が組付けられており、インナカバー26によって、ギヤ収容部22C及びモータ収容部22Dが閉塞されている。
【0015】
ロックフレーム24は、前後方向を軸方向とする略矩形柱状に形成されており、ロックフレーム24の後端部が、ベース部22Aの下部における左右方向中間部に組付けられて、ロックフレーム24がベース部22Aから前方側へ突出している。具体的には、ロックフレーム24が、第2インナフレーム部22B2の前側に配置されている。ロックフレーム24の下部内には、後述するロックシャフト46を収容するシャフト収容部24A(
図2及び
図5参照)が形成されている。シャフト収容部24Aは、前後方向に貫通した孔状に形成されており、前側から見て、左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。ロックフレーム24の右端部における前後方向中間部には、後述する補助ロック部材52を収容するための補助ロック収容部24B(
図6及び
図7参照)が形成されている。補助ロック収容部24Bは、下側へ開放された孔状に形成され、下側から見て左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、補助ロック収容部24Bの左端部が、シャフト収容部24Aと連通している。
【0016】
第2インナフレーム部22B2の左端部には、後述するスライダ44を収容するスライダ収容部22E(
図4及び
図5参照)が形成されている。スライダ収容部22Eは、前後方向に貫通された筒状に形成されており、スライダ収容部22Eの前端部が、シャフト収容部24Aに連通している。スライダ収容部22Eは、ギヤ収容部22Cの下側に位置しており、インナフレーム部22Bの上壁には、ギヤ収容部22Cとスライダ収容部22Eとを連通する上側連通部22Fが形成されている。上側連通部22Fは、前後方向に延在された溝状に形成されており、上側連通部22Fの後端部が後側へ開放されている。インナフレーム部22Bには、後述するスライダ44の磁石保持部44Bを配置するための下側連通部22Gが形成されている。下側連通部22Gは、前後方向に延在された溝状に形成されており、下側連通部22Gの後端部が後側へ開放されている。
【0017】
図4~
図8に示されるように、フレーム20には、後述するロックアップ部材60を収容するためのロックアップ収容部28が設けられている。ロックアップ収容部28は、前後方向に延在されて、第2インナフレーム部22B2及びロックフレーム24の右端部に形成されている。ロックアップ収容部28は、後側へ開放されたガイド部としてのガイド孔28Aを有しており、ガイド孔28Aは、インナフレーム部22B及びロックフレーム24に亘って形成されている。すなわち、ガイド孔28Aの前端部が、ロックフレーム24に形成され、ガイド孔28Aの後端部が、第2インナフレーム部22B2に形成されると共に、後側へ開口している。ガイド孔28Aは、ロックフレーム24におけるシャフト収容部24Aの右側に配置されており、ガイド孔28Aの前端部が、補助ロック収容部24Bの右部に連通している。ガイド孔28Aは、後側から見て、上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
【0018】
ロックアップ収容部28の後部(第2インナフレーム部22B2に形成された部分)には、ガイド孔28Aの上部において、後側へ開放されたバネ収容凹部28Bが形成されている。バネ収容凹部28Bは、第2インナフレーム部22B2に形成されたガイド孔28Aの上部と重なって配置されて、後側から見て、略円形状に形成されている。バネ収容凹部28Bの底面を構成する第2インナフレーム部22B2の前端部は、後述する補助ロック付勢バネ54を受けるバネ受け部28Cとして構成されており、バネ受け部28Cが形成された部位では、ガイド孔28Aの上部が、バネ受け部28Cによって前後に分断されている(
図6参照)。
【0019】
ロックアップ収容部28の後部には、ガイド孔28Aの下部の一部を右側へ開放させるための第1開口部28Dが左右方向に貫通形成されている。第1開口部28Dは、前後方向に延在された溝状に形成されており、第1開口部28Dの前端面は、バネ収容凹部28Bの前端面と面一に配置されている。第1開口部28Dは、ガイド孔28Aの下面よりも上側に位置している。また、ロックアップ収容部28の後部には、第1開口部28Dの後側において、ガイド孔28Aの後端部の略全体を右側へ開放させるための第2開口部28Eが左右方向に貫通形成されており、第2開口部28Eが第1開口部28Dに連通している。
【0020】
(カバー30について)
図1、
図2、
図5、及び
図6に示されるように、カバー30は、前方側へ開放された略矩形箱形状に形成されている。カバー30は、後側から本体フレーム22に組付けられて、爪篏合によって本体フレーム22に固定されている。カバー30の本体フレーム22への組付状態では、インナフレーム部22Bがカバー30内に収容されており、カバー30の開口部が、本体フレーム22のベース部22Aによって閉塞されている。
【0021】
(ロック機構40について)
図2~
図7に示されるように、ロック機構40は、モータ41と、ウォームホイール43と、スライダ44と、ロック部材としてのロックシャフト46と、を含んで構成されている。ロック機構40は、作動することで、ステアリングシャフトSFの回転を許容するアンロック状態、又は、ステアリングシャフトSFと係合してステアリングシャフトSFの回転を制限するロック状態に遷移するようになっている。
【0022】
(モータ41について)
モータ41は、平面視で、フレーム20のモータ収容部22Dの延在方向に沿って配置され、モータ収容部22Dに収容されている。モータ41の出力軸41Aは、モータ本体41Bから後方側へ延出されており、出力軸41Aにおける先端側の部分には、ウォーム42が一体回転可能に設けられている。ウォーム42は、ギヤ収容部22C側へ露出しており、ウォーム42の外周部には、ウォームギヤが形成されている。
【0023】
なお、インナフレーム部22Bの下側には、基板32が設けられており、基板32は、上下方向を板厚方向として配置され、インナフレーム部22Bに固定されると共に、カバー30内に収容さている。基板32には、モータ41が電気的に接続されている。基板32には、コネクタ34が設けられており、コネクタ34はカバー30から外部へ露出している。コネクタ34には、車両側のコネクタ(図示省略)が嵌合されて、車両側のハーネス(図示省略)を介して、モータ41が車両の制御部に電気的に接続されている。
【0024】
(ウォームホイール43について)
ウォームホイール43は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されており、インナフレーム部22Bのギヤ収容部22Cに収容されている。ウォームホイール43の底部の中央部には、支持孔43Aが貫通形成されている。そして、インナカバー26に形成された支持軸(図示省略)がウォームホイール43の内部及び支持孔43Aの内部に挿入されて、支持軸によってウォームホイール43が回転可能に支持されている。ウォームホイール43の外周部には、複数の外歯によって構成されたギヤ部が設けられており、当該ギヤ部がウォーム42のウォームギヤに噛合されている。また、モータ41の下面には、後述するスライダを作動させるためのカム(図示省略)が形成されている。
【0025】
(スライダ44について)
スライダ44は、前後方向に延在された略矩形柱状に形成されて、インナフレーム部22Bのスライダ収容部22Eに前後方向にスライド可能に収容されている。スライダ44の後端部には、上側へ突出した連結突起44A(
図4参照)が設けられており、連結突起44Aは、インナフレーム部22Bの上側連通部22F内に挿入され、後述するロック付勢バネ47の付勢力によって、ウォームホイール43のカムに後側から当接している。そして、モータ41が正転又は逆転することで、ウォームホイール43が回転方向一方側又は他方側へ回転すると、スライダ44が前後方向に往復移動するように、ウォームホイール43のカムの形状が設定されている。具体的には、ロック機構40のアンロック状態では、スライダ44がロック解除位置(
図5の実線にて示される位置)に配置され、ロック機構40のロック状態では、スライダ44がロック解除位置から前進したロック位置(
図5の2点鎖線にて示される位置)に配置される。
【0026】
スライダ44の後端部には、下側へ突出した磁石保持部44B(
図4参照)が一体に形成されている。磁石保持部44Bには、磁石(図示省略)が保持されており、磁石は、基板32の上面に設けられた検出部(図示省略)の上側に配置されている。検出部は、ホールIC等によって構成されており、磁石の磁束密度に応じた検出信号を出力する。これにより、スライダ44の位置を検出することで、ロック機構40のロック状態又はアンロック状態を検出する。スライダ44の前端側部分には、係合溝44C(
図5参照)が形成されており、係合溝44Cは、右側へ開放され且つ前後方向に延在された溝状に形成されている。
【0027】
(ロックシャフト46について)
図2、
図5、及び
図7に示されるように、ロックシャフト46は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手方向とする略矩形プレート状に形成されて、ロックフレーム24のシャフト収容部24A内に前後方向に移動可能に収容されている。ロックシャフト46の左部の後端側部分には、左側へ開放され且つ前後方向に延在された第1切欠部46Aが形成されている。これにより、ロックシャフト46の後端部には、左側へ突出した係合突起46Bが形成されており、係合突起46Bがスライダ44の係合溝44C内に挿入されている。ロックシャフト46の右部の後端部には、右側且つ後側へ開放された第2切欠部46Cが形成されている。第2切欠部46C内には、ロック付勢バネ47が配置されている。ロック付勢バネ47は、圧縮コイルスプリングとして構成されて、ロックシャフト46を前側へ付勢している。これにより、ロックシャフト46の係合突起46Bが、スライダ44の係合溝44Cの前端部に当接して、ロックシャフト46が、スライダ44の前後方向の移動に連動して、前後方向に移動するようになっている。すなわち、ロックシャフト46が、ロック解除位置(
図5の実線にて示される位置)とロック位置(
図5の2点鎖線にて示される位置)との間を移動するように構成されている。
【0028】
ロック機構40(STロック装置10)のアンロック状態では、ロックシャフト46の前端部が、ロックフレーム24内に配置されて、ロックフレーム24から前側へ突出しない位置に配置されている。一方、ロック機構40(STロック装置10)のロック状態では、ロックシャフト46の前端部が、ロックフレーム24から前側へ突出して、ステアリングシャフトSFと係合するようになっている。
【0029】
ロックシャフト46の右端部には、前後方向中間部において、第1ロック溝部46Dが形成されている。第1ロック溝部46Dは、上側且つ右側へ開放された溝状に形成されており、ロックシャフト46のロック解除位置において、第1ロック溝部46Dが補助ロック収容部24Bの左側に配置される設定になっている(
図5参照)。ロックシャフト46の右端部には、第1ロック溝部46Dの後側において、第2ロック溝部46Eが形成されている。第2ロック溝部46Eは、上下方向に貫通し且つ右側へ開放された溝状に形成されており、ロックシャフト46のロック位置において、第2ロック溝部46Eが補助ロック収容部24Bの左側に配置される設定になっている。
【0030】
(補助ロック機構50について)
図4~
図7に示されるように、補助ロック機構50は、補助ロック部材52と、ロックアップ部材60と、を含んで構成されている。
【0031】
(補助ロック部材52について)
図6及び
図7に示されるように、補助ロック部材52は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在された略プレート状に形成されて、ロックフレーム24の補助ロック収容部24B内に下側から挿入されている。補助ロック部材52の非作動状態では、補助ロック部材52がロックシャフト46の右端部の上側に離間した退避位置(
図7の実線にて示される位置)に配置されている。一方、補助ロック部材52の作動時には、補助ロック部材52が退避位置から下側へ移動した係合位置(
図7の2点鎖線にて示される位置)に配置されて、補助ロック部材52の下端部が、ロックシャフト46の第1ロック溝部46D又は第2ロック溝部46E内に配置され、補助ロック部材52とロックシャフト46とが前後方向に係合する構成になっている。これにより、補助ロック機構50の作動時には、ロックシャフト46がロック位置又はロック解除位置に維持される構成になっている。なお、STロック装置10の車両への取付状態では、車体側部材が補助ロック収容部24B内に下側から挿入されており、車体側部材によって、係合位置における補助ロック部材52の下側への移動が阻止される構成になっている。
【0032】
補助ロック部材52の下端部には、右側へ突出したロック係合部52Aが一体に形成されており、ロック係合部52Aの下端部は補助ロック部材52の下端部よりも下側へ突出している。ロック係合部52Aが、後述するロックアップ部材60と係合して、退避位置における補助ロック部材52の下側への移動が制限されている。ロック係合部52Aの上側には、補助ロック付勢バネ54が設けられている。補助ロック付勢バネ54は、圧縮コイルスプリングとして構成されて、ロック係合部52Aを下側へ付勢している。
【0033】
(ロックアップ部材60について)
図4~
図7、及び
図9に示されるように、ロックアップ部材60は、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されている。ロックアップ部材60の前部の上部(幅方向一方側部分)には、切欠部60Aが形成されており、切欠部60Aは、上側且つ前側へ開放された凹状に形成されて、前後方向に延在されている。換言すると、切欠部60Aによって、ロックアップ部材60の前部の幅寸法がロックアップ部材60の後部の幅寸法よりも小さく設定されており、ロックアップ部材60の長手方向中間部には、段差部60Bが形成されている。
【0034】
ロックアップ部材60は、フレーム20のロックアップ収容部28のガイド孔28A内に前後方向にスライド可能に収容されており、ロックアップ部材60におけるロックアップ収容部28への収容位置を初期位置としている。ロックアップ部材60の初期位置では、ロックアップ部材60の前端部が、ロックフレーム24の補助ロック収容部24B内で且つ補助ロック部材52の下側に隣接して配置されている。これにより、補助ロック部材52が非作動状態に維持されている。また、ロックアップ部材60の段差部60Bが、バネ受け部28Cの後側へ離間して配置されている。さらに、ロックアップ部材60の後端部は、カバー30の前側に隣接配置されて、カバー30によってロックアップ部材60の後側への移動が制限されている。
【0035】
ロックアップ収容部28のバネ収容凹部28Bの前部には、ロックアップ部材60の段差部60Bの前側において、ロックアップ付勢バネ70が収容されている。ロックアップ付勢バネ70は、圧縮コイルスプリングとして構成されて、段差部60Bを後側へ付勢している。これにより、ロックアップ部材60が初期位置に保持されている。
【0036】
また、補助ロック機構50の作動時には、ロックアップ部材60が、ロックアップ収容部28のガイド孔28Aによってガイドされながら後側へ移動するようになっている。具体的には、ロックアップ部材60は、ロックアップ収容部28における第2開口部28Eよりも前側部分によって、ガイドされる設定になっている。すなわち、右側から見て、ロックアップ部材60における第2開口部28Eよりも前側部分が、ロックアップ収容部28によってガイドされる被ガイド部61(
図5及び
図9参照)とされており、ロックアップ部材60における被ガイド部61以外の部分が、一般部62(
図5及び
図9参照)とされている。
【0037】
一般部62の前後方向中間部には、荷重吸収部63が形成されている。荷重吸収部63は、ロックアップ部材60の幅方向から見て、ロックアップ部材60に対して右側へ突出し且つ左側へ開放された凹状に形成されており、荷重吸収部63の開口端部が、一般部62に接続されている。より詳しくは、荷重吸収部63は、略V字形状に屈曲されており、荷重吸収部63の長手方向中間部には、屈曲部63A(広義には、変形起点部として把握される要素である)が形成されている。そして、所定値以上の前方側への外力がカバー30を介してロックアップ部材60の後端部に入力されたときには、荷重吸収部63が屈曲部63Aを起点に曲げ変形するように、荷重吸収部63の幅寸法やロックアップ部材60の板厚寸法等が設定されている。すなわち、ロックアップ部材60では、ロックアップ部材60に入力された荷重を荷重吸収部63によって吸収して、被ガイド部61が変形することを抑制するようになっている。
【0038】
(作用及び効果)
次に、STロック装置10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0039】
STロック装置10のアンロック状態では、ロックシャフト46及びスライダ44が、ロック解除位置に配置されている。車両のエンジンを停止させると、制御部の制御によってモータ41が駆動して、モータ41の出力軸41Aが正転する。これにより、出力軸41Aに設けられたウォーム42が回転すると共に、ウォーム42に噛合されたウォームホイール43が回転方向一方側へ回転する。ウォームホイール43が回転すると、ウォームホイール43のカムによって、スライダ44及びロックシャフト46が、ロック解除位置から前側へ移動してロック位置に配置され、ロックシャフト46の前端部がステアリングシャフトSFと係合する。その結果、ロック機構40が、ステアリングシャフトSFの回転を制限するロック状態になる。
【0040】
この状態でSTロック装置10が不正アクセスされて、カバー30がフレーム20から取外しされると、ロックアップ部材60がロックアップ付勢バネ70の付勢力によって初期位置から後側へ移動する。これにより、ロックアップ部材60と補助ロック部材52との係合が解除され、補助ロック部材52が、補助ロック付勢バネ54の付勢力によって作動して下側へ移動する。その結果、補助ロック部材52の下端部が、ロックシャフト46の第2ロック溝部46Eに係合して、ロックシャフト46の前後方向の移動が制限される。すなわち、ロック機構40のロック状態が維持される。
【0041】
また、STロック装置10への不正アクセス時には、例えば、前方側への外力をカバー30の後壁に付与して、カバー30を破壊させることが考えられる。この場合には、カバー30を介して前方側への荷重が、ロックアップ部材60の後端部に作用する。ロックアップ部材60は、前後方向に延在された略長尺板状に形成されているため、前方側への荷重がロックアップ部材60の後端部に作用すると、ロックアップ部材60が前後方向に座屈変形する可能性がある。仮に、ロックアップ部材60が前後方向に座屈変形すると、カバー30をフレーム20から取外したときに、ロックアップ部材60がフレーム20のガイド孔28Aの内周面に引っ掛かり、ロックアップ部材60が初期位置から後側へ移動しなくなる虞がある。すなわち、補助ロック部材52の非作動状態が維持される可能性がある。
【0042】
ここで、STロック装置10では、ロックアップ部材60が、ロックアップ収容部28によってガイドされる被ガイド部61と、被ガイド部61以外の部分である一般部62と、を含んで構成されている。また、一般部62には、荷重吸収部63が形成されており、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が変形し、カバー30に入力された荷重を吸収して、被ガイド部61の変形が抑制される。これにより、ロックアップ部材60の作動時に、被ガイド部61が、ロックアップ収容部28のガイド孔28Aの内周面に引っ掛かることを抑制できる。その結果、不正アクセス時に前方側への荷重がカバー30の後壁に付与されても、カバー30のフレーム20からの取外時に、ロックアップ部材60を良好に後側へ移動させて、補助ロック部材52を作動させることができる。したがって、STロック装置10の信頼性を向上することができる。
【0043】
また、荷重吸収部63は、ロックアップ部材60の一般部62における前後方向中間部を構成すると共に、左側へ開放された凹状に形成されている。具体的には、荷重吸収部63は、ロックアップ部材60の幅方向から見て、左側へ開放されたV字形状に形成されており、長手方向中間部に屈曲部63Aが形成されている。そして、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が屈曲部63Aを起点に曲げ変形して、荷重吸収部63が前後方向内側に変形する。したがって、簡易な構成で、カバー30に入力された荷重を荷重吸収部63によって吸収することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、荷重吸収部63がロックアップ部材60の幅方向から見て、左側へ開放されたV字形状に形成されているが、荷重吸収部63を左側へ開放された略U字形状に形成してもよい。そして、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときに、荷重吸収部63が、曲線状に屈曲された部分を起点として曲げ変形するように、荷重吸収部63の長手方向の長さや幅寸法を適宜設定してもよい。
【0045】
また、
図10に示されるように、荷重吸収部63をロックアップ部材60の幅方向に分断するための孔部63Bを荷重吸収部63の幅方向中間部に貫通形成してもよい。この場合には、孔部63Bを、ロックアップ部材60の前後方向に沿った長孔状に形成して、荷重吸収部63の長手方向の全体に亘るように形成してもよい。これにより、例えば、孔部63Bの形状を適宜変更することで、前後方向における荷重吸収部63の剛性を容易に設定することができる。
【0046】
(ロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション1)
次に、
図11を用いてロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション1について説明する。荷重吸収部63のバリエーション1では、本実施の形態と同様に、荷重吸収部63が、ロックアップ部材60の一般部62における前後方向中間部を構成している。荷重吸収部63は、ロックアップ部材60の板厚方向から見て、略クランク状に形成されている。具体的には、ロックアップ部材60は、一般部62の後端部の上端部から前側へ延出された第1アーム部63Cと、一般部62の前端部の下端部から後側へ延出された第2アーム部63Dと、第1アーム部63C及び第2アーム部63Dの先端部同士を連結する連結部63Eと、を含んで構成されている。第1アーム部63C及び第2アーム部63Dと、連結部63Eと、の接続部が曲り部63Fとして構成されている。連結部63Eは、下側(ロックアップ部材60の幅方向一方側)へ向かうに従い後側へ若干傾斜している。これにより、ロックアップ部材60の板厚方向から見た曲り部63Fの角度A(第1アーム部63C又は第2アーム部63Dと連結部63Eとの間の角度)が、鋭角に設定されている。
【0047】
そして、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が、曲り部63Fを起点として変形するように、荷重吸収部63の幅寸法等が設定されている。これにより、本実施形態と同様に、不正アクセス時に前方側への荷重がカバー30の後壁に付与されたときには、荷重吸収部63が変形し、カバー30に入力された荷重を荷重吸収部63によって吸収して、被ガイド部61の変形を抑制することができる。したがって、カバー30のフレーム20からの取外時に、ロックアップ部材60を良好に後側へ移動させて、補助ロック部材52を作動させることができる。
【0048】
また、荷重吸収部63のバリエーション1では、荷重吸収部63の曲り部63Fの角度Aが鋭角に設定されている。このため、曲り部63Fの角度Aを直角又は鈍角に設定する場合と比べて、前側への荷重が荷重吸収部63に入力されたときに、曲り部63Fを起点として、荷重吸収部63を容易に変形させることができる。
【0049】
(ロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション2)
次に、
図12を用いてロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション2について説明する。荷重吸収部63のバリエーション2では、荷重吸収部63が一般部62の後端部を構成している。荷重吸収部63は、右側(ロックアップ部材60の板厚方向一方側)へ屈曲されると共に、ロックアップ部材60の幅方向から見て、後側へ向かうに従い右側へ直線状に傾斜している。すなわち、荷重吸収部63の前端部には、屈曲部63Gが形成されており、荷重吸収部63が右側へ屈曲している。また、荷重吸収部63のバリエーション2では、ロックアップ部材60の幅方向中央部において、孔部63Hが貫通形成されており、孔部63Hは、一般部62及び荷重吸収部63に跨るように前後方向に延在されている。これにより、孔部63Hによって、荷重吸収部63の前端部が、幅方向に分断されて、一対の屈曲部63Gによって、荷重吸収部63と一般部62とが連結されている。
【0050】
そして、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が、屈曲部63Gを起点として曲げ変形するように、屈曲部63Gの幅寸法等が設定されている。これにより、本実施形態と同様に、不正アクセス時に前方側への荷重がカバー30の後壁に付与されたときには、荷重吸収部63が変形し、カバー30に入力された荷重を荷重吸収部63によって吸収して、被ガイド部61の変形を抑制することができる。したがって、カバー30のフレーム20からの取外時に、ロックアップ部材60を良好に後側へ移動させて、補助ロック部材52を作動させることができる。
【0051】
(ロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション3)
次に、
図13を用いてロックアップ部材60の荷重吸収部63のバリエーション3について説明する。荷重吸収部63のバリエーション3では、バリエーション2と同様に、荷重吸収部63が一般部62の後端部を構成している。荷重吸収部63は、右側(ロックアップ部材60の板厚方向一方側)へ屈曲されると共に、ロックアップ部材60の幅方向から見て、前側へ開放された略C字形状に形成されている。
【0052】
そして、所定値以上の前方側への荷重がカバー30に付与されたときには、荷重吸収部63が一般部62との接続部を起点として曲げ変形するように設定されている。これにより、本実施形態と同様に、不正アクセス時に前方側への荷重がカバー30の後壁に付与されたときには、荷重吸収部63が変形して、カバー30に入力された荷重を荷重吸収部63によって吸収して、被ガイド部61の変形を抑制することができる。したがって、カバー30のフレーム20からの取外時に、ロックアップ部材60を良好に後側へ移動させて、補助ロック部材52を作動させることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 ステアリングロック装置
20 フレーム
28A ガイド孔(ガイド部)
46 ロックシャフト(ロック部材)
52 補助ロック部材
60 ロックアップ部材
61 被ガイド部
62 一般部
63 荷重吸収部
63A 屈曲部
63B 孔部
63F 曲り部
70 ロックアップ付勢バネ
A 曲り部の角度
SF ステアリングシャフト