(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017763
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】フィルム加熱延伸装置およびフィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 55/06 20060101AFI20240201BHJP
B65H 23/025 20060101ALI20240201BHJP
B65H 27/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B29C55/06
B65H23/025
B65H27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120618
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】増田 友昭
【テーマコード(参考)】
3F104
4F210
【Fターム(参考)】
3F104AA03
3F104BA01
3F104BA09
3F104JA03
3F104JB01
3F104JB05
4F210AG01
4F210AJ08
4F210AK04
4F210AR01
4F210AR06
4F210AR07
4F210AR09
4F210AR12
4F210AR20
4F210QA03
4F210QC02
4F210QD25
4F210QD36
4F210QG01
4F210QG18
4F210QM01
4F210QM06
4F210QM11
4F210QM15
(57)【要約】
【課題】コンパクトな構成で、加熱延伸プロセスに拡幅機能を追加する。
【解決手段】フィルム加熱延伸装置(100)は、クラウンローラである第1搬送ローラ(R1)、第1搬送ローラ(R1)より下流においてコンケイブローラである第2搬送ローラ(R2)、第1搬送ローラ(R1)と第2搬送ローラ(R2)との間の第1領域(A1)を加熱する赤外線ヒータ10、および、第1領域(A1)を搬送方向に延伸させる張力をフィルム(F)に付与する延伸部(20)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に搬送されるフィルムをガイドし、クラウンローラである第1搬送ローラ、
前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において前記フィルムをガイドし、コンケイブローラである第2搬送ローラ、
搬送される前記フィルムの、前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱するように配置された赤外線ヒータ、および、
前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに付与する延伸部、を備えるフィルム加熱延伸装置。
【請求項2】
前記第1搬送ローラは、前記赤外線ヒータの直前に位置し、
前記第2搬送ローラは、前記赤外線ヒータの直後に位置する、請求項1に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項3】
前記第1搬送ローラのクラウン量を示すC値は、0.2以下であり、
前記第2搬送ローラのクラウン量を示すC値は、-0.2以上である、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項4】
前記第1搬送ローラのクラウン量を示すC値の絶対値は、前記第2搬送ローラのクラウン量を示すC値の絶対値と、同等である、請求項3に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項5】
前記第1搬送ローラおよび前記第2搬送ローラは、芯の外周をゴム材料で被覆したゴムローラである、請求項3に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項6】
前記第1搬送ローラに対する前記フィルムの抱き角度は、30°以上120℃以下であり、
前記第2搬送ローラに対する前記フィルムの抱き角度は、30°以上120℃以下である、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項7】
前記第1搬送ローラの表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下であり、
前記第2搬送ローラの表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下である、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項8】
前記第1搬送ローラの幅方向における中央部の直径は、150mm以上600mm以下であり、
前記第2搬送ローラの幅方向における中央部の直径は、150mm以上600mm以下である、請求項1に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項9】
前記第1搬送ローラの内部に、第1流体の流路が設けられており、
前記第2搬送ローラの内部に、第2流体の流路が設けられている、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項10】
前記第1流体および前記第2流体の温度を調整する温度調整部をさらに備える、請求項9に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項11】
前記延伸部は、前記フィルムを駆動する第1駆動ローラと、前記フィルムを駆動する第2駆動ローラとを、備え、
前記第1駆動ローラは、前記第1搬送ローラを兼ねたローラであるか、または前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置されたローラであり、
前記第2駆動ローラは、前記第2搬送ローラを兼ねたローラであるか、または前記第2搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置されたローラであり、
前記第2駆動ローラの幅方向における中央部の周速度は、前記第1駆動ローラの幅方向における中央部の周速度の90%以上600%以下である、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項12】
前記第2搬送ローラは、前記第2駆動ローラである、請求項11に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項13】
前記第1搬送ローラは、前記第1駆動ローラである、請求項11に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項14】
前記赤外線ヒータは、遠赤外線ヒータである、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項15】
前記赤外線ヒータは、
前記フィルムの前記第1領域のうちの第1部分を加熱するように配置された第1赤外線ヒータと、
前記フィルムの前記第1領域のうちの前記第1部分よりも前記搬送方向の下流側の第2部分を加熱するように配置された第2赤外線ヒータと、を含み、
第1赤外線ヒータの温度は、前記フィルムのガラス転移温度より低く、
第2赤外線ヒータの温度は、前記フィルムのガラス転移温度より高い、請求項1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項16】
第1赤外線ヒータの温度と第2赤外線ヒータの温度との差は、摂氏0.5度以上30度以下である、請求項15に記載のフィルム加熱延伸装置。
【請求項17】
搬送方向に搬送されるフィルムを、クラウンローラである第1搬送ローラでガイドし、
前記フィルムを、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において、コンケイブローラである第2搬送ローラでガイドし、
搬送される前記フィルムの前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱し、
前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに印加する、フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルム加熱延伸装置およびフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3は、搬送方向にフィルムを加熱延伸するプロセスについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-221722(2008年9月25日公開)
【特許文献2】特開2017-197386(2017年11月2日公開)
【特許文献3】特開平10-217342(1998年8月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の加熱延伸プロセスでは、フィルムの昇温に長時間の加熱を要する問題がある。生産効率の向上のために生産速度を向上すると、必要な加熱時間に応じて、オーブンが非常に長大となる。このため、生産設備にかかる固定費が肥大する。加えて、長時間の加熱が、製品特性を低下させることがある。
【0005】
一方で、短時間でフィルムを昇温すると、フィルムが収縮し、シワが誘発される問題がある。このため、加熱延伸プロセスにコンパクトな構成で拡幅機能を追加することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るフィルム加熱延伸装置は、搬送方向に搬送されるフィルムをガイドし、クラウンローラである第1搬送ローラ、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において前記フィルムをガイドし、コンケイブローラである第2搬送ローラ、搬送される前記フィルムの、前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱するように配置された赤外線ヒータ、および、前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに付与する延伸部、を備える構成である。
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るフィルムの製造方法は、搬送方向に搬送されるフィルムを、クラウンローラである第1搬送ローラでガイドし、前記フィルムを、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において、コンケイブローラである第2搬送ローラでガイドし、搬送される前記フィルムの前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱し、前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに印加する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、コンパクトな構成で、加熱延伸プロセスに拡幅機能を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図1に示した第1搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図1に示した第2搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図4】クラウン量を算出するための実測方法を示す模式図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るフィルムの製造方法の一例を示すフロー図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【
図8】
図7に示した第1搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図9】
図7に示した第2搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
(フィルム加熱延伸装置)
以下、本開示の一実施形態に係るフィルム加熱延伸装置について、
図1~
図5を参照して、説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図1は、フィルムFの長さ方向に平行かつ、フィルムFの幅方向に直交する面に直交する方向から見た図であり、フィルムFの搬送の上流側を左側に、下流側を右側に示す。
図1において、搬送方向はフィルムFの長さ方向である。
【0012】
図1に示すように、フィルム加熱延伸装置100は少なくとも、フィルムFを搬送方向に搬送し、第1搬送ローラR1と第2搬送ローラR2と赤外線ヒータ10と延伸部20とを備える。第1搬送ローラR1は、フィルムFをガイドし、クラウンローラである。第2搬送ローラR2は、第1搬送ローラR1よりも搬送方向の下流側においてフィルムFをガイドし、コンケイブローラである。赤外線ヒータ10は、フィルムFの第1搬送ローラR1と第2搬送ローラR2との間に位置する第1領域A1を加熱するように配置されている。延伸部20は、第1領域A1を搬送方向に延伸させる張力をフィルムFに付与する。
【0013】
第1搬送ローラR1は、赤外線ヒータ10の直前に位置し、第2搬送ローラR2は、赤外線ヒータ10の直後に位置する。第1搬送ローラR1と第2搬送ローラR2との間の搬送経路には、別の搬送ローラが設けられておらず、フィルムFの第1領域A1は宙に浮いている。したがって、フィルムFは、第1搬送ローラR1に接した後、宙に浮いた状態で加熱され、次に、第2搬送ローラR2に接する。フィルム加熱延伸装置100は、その間にフィルムFを挟むように、赤外線ヒータ10と対向する反射板11または追加の赤外線ヒータを備えてもよい。フィルム加熱延伸装置100は、第1搬送ローラR1よりも搬送方向の上流側に位置する搬送ローラR3、および、第2搬送ローラR2よりも搬送方向の下流側に位置する搬送ローラR4を備えてよい。
【0014】
延伸部20は少なくとも、第1駆動ローラ21と第2駆動ローラ22とを備える。第1駆動ローラ21および第2駆動ローラ22は各々、フィルムFの搬送を駆動する。第1駆動ローラ21は、第1搬送ローラR1よりも搬送方向の上流側に配置されたローラである。第2駆動ローラ22は、第2搬送ローラR2よりも搬送方向の下流側に配置されたローラである。延伸部20は、ニップローラ23,24を備えてよい。ニップローラ23,24は各々、第1駆動ローラ21および第2駆動ローラ22へフィルムFを押し付けるように配置される。
【0015】
第2駆動ローラ22の幅方向における中央部の周速度は、第1駆動ローラ21の幅方向における中央部の周速度より大きくてよい。例えば、第2駆動ローラ22の周速度は、第1駆動ローラ21の周速度の100.01%以上である。なぜならば、周速度の比率が100.01%未満のとき、フィルムFの伸張分を、第1駆動ローラ21と第2駆動ローラ22との間で吸収することが難しいからである。吸収されなかった伸張分に起因して、フィルムFに作用する張力が著しく低下する現象が起こりうる。加えて、延伸部20の制御誤差を考慮すれば、周速度の比率が100.01%未満のとき、第2駆動ローラ22の実際の周速度が第1駆動ローラ21の実際の周速度を下回る現象が起こり易いからである。
【0016】
フィルムFが収縮する場合、第2駆動ローラ22の幅方向における中央部の周速度は、第1駆動ローラ21の幅方向における中央部の周速度以下であってもよい。フィルムFが残留応力を有し、赤外線ヒータ10による加熱によってフィルムFが収縮することがある。この場合、延伸部20による延伸が赤外線ヒータ10による収縮に打ち消されて、延伸部20の通過前と比較して通過後のフィルムFが、延伸していなくてもよく、収縮していてもよい。例えば、フィルムFを自由状態で加熱したときの収縮率が10%超であり、第2駆動ローラ22の周速度が第1駆動ローラ21の周速度の90%以上である場合、延伸部20は、第1領域A1を搬送方向に延伸させる張力をフィルムFに付与する。
【0017】
第2駆動ローラ22の周速度は、第1駆動ローラ21の周速度の600%以下でよい。なぜならば、周速度の比率が600%超のとき、フィルムFが破断したときのフィルム加熱延伸装置100および周辺設備に対する被害が大きいからである。周速度の比率が大きいほど、フィルムFに作用する張力が大きく、破断したときの被害が大きい。周速度の比率の上限は、フィルムFの材料に応じて決定される。
【0018】
したがって、第1駆動ローラ21に対する第2駆動ローラ22の周速度の比率は、90%以上600%以下でよい。延伸部20の通過前と比較して通過後のフィルムFが、延伸している場合、延伸していない場合、何れの場合も、張力の印加によって通過後のフィルムFの機械的特性が向上する。
【0019】
図2は、
図1に示した第1搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
図3は、
図1に示した第2搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図である。
図2および
図3はそれぞれ、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2の回転軸Sに直交する方向から見た図である。本開示において、「クラウンローラ」は、
図2に示すように、幅方向の中央部Mが最も大きく、中央部Mから端部E1,E2に向かって直径が徐々に小さくなるローラを意味する。また、「コンケイブローラ」は、
図3に示すように、幅方向の中央部Mが最も小さく、中央部Mから端部E1,E2に向かって直径が徐々に大きくなるローラを意味する。また、中央部Mから端部E1,E2まで直径が一定であるローラを「ストレートローラ」と称する。
【0020】
仮に、第1搬送ローラR1と第2搬送ローラR2との両方がコンケイブローラであった場合、フィルムFの幅および厚みの精度に応じてフィルムFが蛇行し易く、フィルムFの蛇行を修正困難であるという問題がある。また仮に、両方がクラウンローラであった場合、第1駆動ローラ21と第2駆動ローラ22との間でフィルムFの端部E1,E2に作用する張力が低下する。この張力低下によって、フィルムFを不均一に延伸し易いという問題がある。また仮に、第1搬送ローラR1がコンケイブローラであり、第2搬送ローラR2がクラウンローラであった場合、上流から下流にかけてフィルム幅方向のテンションの均一性が下がるため、延伸に伴ったトタン皺ができやすいという問題がある。対して、前述したように、本開示に係る第1搬送ローラR1はクラウンローラであり、本開示に係る第2搬送ローラR2はコンケイブローラである。このため、本開示に係る構成は、フィルムFが蛇行し難く、かつ、フィルムFを均一に延伸し易いという利点を有する。
【0021】
第1搬送ローラR1は、そのクラウン形状によって、フィルムFを中央部Mから端部E1,E2に押し広げて、フィルムFを拡幅する。第2搬送ローラR2は、そのコンケイブ形状によって、フィルムFの端部E1,E2を両方把持し、フィルムFを拡幅する。これらの拡幅機能は、フィルムFの第1領域A1における昇温による幅方向の収縮を低減または防止する。したがって、シワの発生が低減または防止される。また、シワが発生したとしても、第2搬送ローラR2による拡幅によって、発生したシワが解消される。この構成は、赤外線ヒータ10の前後の搬送ローラをクラウン形状またはコンケイブ形状にしただけであり、コンパクトである。したがって、拡幅延伸プロセスに、コンパクトな構成で拡幅機能を追加している。
【0022】
第1搬送ローラR1のクラウン量を示すC値は、0.2以下であり、第2搬送ローラR2のクラウン量を示すC値は、-0.2以上である。ここで、ローラのクラウン量を示すC値は、実測値に基づき、次式によって算出される。クラウンローラのC値は、0より大きく、コンケイブローラのC値は、0より小さい。第1搬送ローラR1のクラウン量を示すC値の絶対値は、第2搬送ローラR2のクラウン量を示すC値の絶対値と、略同等であることが好ましい。なぜならば、C値の絶対値が0.2よりも小さいとき、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2による拡幅機能の効果が、小さいからである。特に、C値の絶対値が0.2よりも小さく、かつ、フィルムFを搬送方向に延伸する場合、拡幅が打ち消されるため、拡幅機能の効果を確認困難である。なぜならば、第1搬送ローラR1と第2搬送ローラR2とのC値の絶対値が略同等であるとき、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2はそれぞれ、フィルムFを不均一に拡幅および延伸するが、両者が合わさった結果、フィルムFが略均一に拡幅および延伸されるからである。
【0023】
絶対値が異なる場合、第1搬送ローラR1のクラウン量を示すC値の絶対値よりも、第2搬送ローラR2のクラウン量を示すC値の絶対値が大きいことが望ましい。なぜならば、C値の和がプラスである場合と比較して、マイナスである場合に、第1搬送ローラR1及び第2搬送ローラR2の組合せによる蛇行修正の効果が大きいからである。コンケイブローラは、搬送するフィルムFを幅方向に引っ張って拡幅する効果を有し、このため、フィルムFの蛇行を修正する効果を有する。第1搬送ローラR1及び第2搬送ローラR2の幅方向の中心からフィルムFの幅方向の中心がずれたとしても、この組合せによる蛇行修正の効果は発現する。蛇行修正の効果は大きいほど望ましい。
【0024】
【数1】
ここで、
C:ローラのクラウン量
N
1:ローラの中央部におけるニップ幅
N
2:ローラの端部におけるニップ幅
D:ローラの中央部における直径
である。
【0025】
図4は、クラウン量を算出するための実測方法を示す模式図である。
図4の左側に示すように、2つのローラRXおよびローラRYの回転軸Sを互いに平行に離れて配置し、ローラRXおよびローラRYの間に、カーボン紙CPを配置する。ここで、ローラRXは、クラウンローラまたはコンケイブローラであり、ゴムローラである。ローラRYは、ストレートローラであり、金属ローラである。クラウン量を測定する対象は、ローラRXである。ローラRYの幅は、ローラRXの幅と同等以上であり、ローラRYの直径は、ローラRXの中央部Mの直径と略同等である。
【0026】
次に、ローラRYをローラRXに近づけ、ローラRYによってカーボン紙CPをローラRXに押し付ける。ここで、ローラRXの中央部Mおよび端部E1,E2の各々にカーボン紙CPの跡が付くまで、ローラRYをカーボン紙CPおよびローラRXに押し付ける。
【0027】
次に、ローラRYをローラRXから離し、
図4の右側に示すように、ローラRXにカーボン紙CPの跡が付いた幅(いわゆる「ニップ幅」)を、ローラRXの周方向に沿って測定する。ローラRXの幅方向の中央部Mと端部E1,E2の各々とにおいて、ニップ幅N
1,N
2を測定する。中央部Mでの測定位置は、第1ローラRXの回転軸Sに沿って、ローラRXの両端面から略等距離である。端部E1,E2での測定位置は、ローラRXの回転軸Sに沿って、ローラRXの端面から約50mmだけ中央よりの位置で測定する。端部E1,E2でニップ幅が異なる場合、その平均をニップ幅N
2として用いる。
【0028】
第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2は各々、表面に金属材料が露出している金属ローラであっても、芯の外周をゴム材料で被覆したゴムローラであってもよい。第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2が金属ローラである場合、同一形状を有するゴムローラに置き換えて、
図4を参照して説明した方法でニップ幅N
1,N
2を測定し、クラウン量を算出する。ゴムローラである場合、張力を印加されているフィルムFからの圧力によってゴムローラが変形することがないように、硬いゴム材料を用いる。例えば、JIS6253のショアAで65°以上の硬度を有するゴム材料を用いる。
【0029】
第1搬送ローラR1に対するフィルムFの抱き角度θ1は、30°以上120°以下であり、第2搬送ローラR2に対するフィルムFの抱き角度θ2は、30°以上120°以下である。なぜならば、30°未満のとき、フィルムFと第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2との間の摩擦が小さく、フィルムFを保持する力が小さいからである。特に、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2の間のフィルムFに延伸するための張力が掛かっている場合を考慮すると、フィルムFを十全に保持するために、30°以上が好ましい。なぜならば、120°超のとき、フィルム加熱延伸装置100(および、場合に応じて、周辺設備)に亘るフィルムFの連続する搬送経路を構築しにくいからである。第1搬送ローラR1の表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下であり、第2搬送ローラR2の表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下である。なぜならば、静止摩擦係数が0.1未満のとき、フィルムFが第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2の上でスリップし易く、スリップによる搬送傷がフィルムFに発生し易いからである。なぜならば、静止摩擦係数が0.2超のとき、フィルムFの幅方向に発生したシワを第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2の上で修正し難いからである。フィルムFの搬送方向の延伸に起因して、シワがフィルムFの幅方向に発生することがある。静止摩擦係数は、JISのK7125に基づき測定する。
【0030】
第1搬送ローラR1の幅方向における中央部Mの直径は、150mm以上600mm以下であり、第2搬送ローラR2の幅方向における中央部Mの直径は、150mm以上600mm以下である。なぜならば、直径が150mm未満のとき、張力を印加されているフィルムFからの圧力によって、第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2それ自体が撓むことがあるからである。フィルムFを搬送方向に延伸するために、フィルムFに印加される張力が大きく、フィルムFからの圧力は、大きい。なぜならば、直径が600mm超のとき、第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2それ自体が大きく重くなり、機械的損失が大きくなり、追従性が低下するからである。追従性の低下は、例えば、第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2の周速度の制御値(または目標値)と、実際の周速度との差が大きいという問題を引き起こす。また例えば、第1搬送ローラR1または第2搬送ローラR2の周速度とその上のフィルムFの搬送速度との不一致という問題を引き起こす。
【0031】
赤外線ヒータ10は、遠赤外線ヒータを含む。遠赤外線ヒータは、近赤外線ヒータと比較して、フィルムFの昇温に要する加熱時間を、短縮することができる。これは特に、フィルムFがガラス転移温度(Tg)の高温な熱可塑性樹脂を含むときに、有益である。例えば、ポリイミド(PI)のガラス転移温度は、摂氏200°以上である。
【0032】
図5は、本実施形態に係るフィルムの製造方法の一例を示すフロー図である。
図5に示すように、本開示に係るフィルムFの製造方法は、フィルムFを第1搬送ローラR1でガイドする工程(ステップS1)と、フィルムFの第1領域A1を加熱する工程と(ステップS2)と、フィルムFを第2搬送ローラR2でガイドする工程(ステップ3)と、を含む。本開示に係るフィルムFの製造方法は同時に、フィルムFを搬送方向に搬送すると共に、第1領域A1を延伸させる張力をフィルムFに印加する(ステップS4)。これらが連続的に行われて、長尺のフィルムFが連続的に生産される。
【0033】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0034】
図6は、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置100は、第1駆動ローラ21が第1搬送ローラR1を兼ねたローラであり、第2駆動ローラ22が第2搬送ローラR2を兼ねたローラである点を除いて、前述の実施形態1に係るフィルム加熱延伸装置100と同様の構成を有する。換言すると、第1搬送ローラR1が第1駆動ローラ21であり、第2搬送ローラR2が第2駆動ローラ22である。
【0035】
本開示は、本実施形態に係る構成と前述の実施形態1に係る構成との中間的な構成を含む。例えば、第1駆動ローラ21が、第1搬送ローラR1よりも搬送方向の上流側に配置されたローラであり、第2駆動ローラ22が第2搬送ローラR2を兼ねたローラである構成も、本開示の範囲に含まれる。例えば、第1駆動ローラ21が第1搬送ローラR1を兼ねたローラであり、第2駆動ローラ22が、第2搬送ローラR2よりも搬送方向の下流側に配置されたローラである構成も、本開示の範囲に含まれる。
【0036】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
【0037】
図7は、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図8は、
図7に示した第1搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図であり、A-A断面図に相当する。
図9は、
図7に示した第2搬送ローラの概略構成の一例を示す模式図であり、B-B断面図に相当する。
図7~
図9に示すように、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置100は、温度調整部30,40をさらに備える点を除いて、前述の実施形態1,2に係るフィルム加熱延伸装置100と同様の構成を有する。
【0038】
図8および
図9に示すように、第1搬送ローラR1の内部に、第1流体31の流路32が設けられており、第2搬送ローラR2の内部に、第2流体41の流路42が設けられている。第1流体31は、温度調整部30で温度を調整されて、第1搬送ローラR1内部に導入され、流路32を流れて、第1搬送ローラR1から出て、温度調整部30に戻る。第2流体41は、温度調整部40で温度を調整されて、第2搬送ローラR2内部に導入され、流路42を流れて、第2搬送ローラR2から出て、温度調整部30に戻る。例えば、第1流体31および第2流体41はそれぞれ、水、アンモニア、および代替フロンなど任意の熱媒体を含む。
【0039】
このような循環によって、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2の温度を調整できる。例えば、温度調整部30,40が各々、第1流体31および第2流体41を冷却することによって、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2の昇温を防止できる。また、第1搬送ローラR1および第2搬送ローラR2を介してフィルムFを冷却することができる。
【0040】
本開示は、本実施形態に係る構成と、前述の実施形態1,2に係る構成との中間的な構成も含む。例えば、第1流体31が流れる流路32が設けられ、第2流体の流路が設けられていない構成も、本開示の範囲に含まれる。例えば、第1流体の流路が設けられず、第2流体41の流路42が設けられている構成も、本開示の構成に含まれる。例えば、温度調整部30,40を備えない構成も本開示の範囲に含まれる。
【0041】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
【0042】
図10は、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図10に示すように、本実施形態に係るフィルム加熱延伸装置100は、赤外線ヒータ10が、複数の赤外線ヒータを含む点を除いて、前述の実施形態1~3に係るフィルム加熱延伸装置100と同様の構成を有する。
【0043】
赤外線ヒータ10は、少なくとも第1赤外線ヒータ12および第2赤外線ヒータ13を含む。第1赤外線ヒータ12は、フィルムFの第1領域A1のうちの第1部分B1を加熱するように配置されており、第1赤外線ヒータ12の温度は、フィルムFのガラス転移温度よりも低い。一方、第2赤外線ヒータ13は、フィルムFの第1領域A1のうちの第1部分B1よりも搬送方向の下流側の第2部分B2を加熱するように配置されており、第2赤外線ヒータ13の温度は、フィルムFのガラス転移温度よりも高い。
【0044】
赤外線ヒータ10が1つの赤外線ヒータのみから成る構成では、第1領域A1がガラス転移温度を越えて昇温し過ぎないように、第1領域A1をガラス転移温度(あるいはその近傍の目標温度)まで急速に加熱することが難しい。これと比較して、本実施形態に係る構成によれば、第1領域A1が昇温し過ぎないように、第1領域A1を急速に加熱し易い。なぜならば、第1赤外線ヒータ12の温度がガラス転移温度より低いので、第1赤外線ヒータ12が第1部分B1を急速に加熱しても、第1部分B1が昇温し過ぎないからである。そして、フィルムFの搬送によって、第1部分B1は第2部分B2に移動し、第2赤外線ヒータ13が第2部分B2を温和に加熱する。第2赤外線ヒータ13の温度がガラス転移温度より高いので、第2部分B2は、ガラス転移温度(あるいはその近傍の目標温度)まで昇温する。
【0045】
第1赤外線ヒータ12と第2赤外線ヒータ13との温度差は、摂氏0.5度以上30度以下であることが好ましい。なぜならば、温度差が摂氏0.5度未満のとき、許容誤差が小さすぎるため、正確な温度制御が困難かもしれないからである。第1赤外線ヒータ12の温度制御における許容誤差は、第1赤外線ヒータ12の温度の制御値(または目標値)とフィルムFのガラス転移温度との差よりも小さい。なぜならば、温度差が摂氏30度超のとき、温度差が大きすぎるため、第2赤外線ヒータ13における加熱が急速かもしれないからである。第2赤外線ヒータ13の温度は、前述したように、フィルムFのガラス転移温度よりも高い。このため、第2赤外線ヒータ13における急速加熱によって、第1領域A1がガラス転移温度を越えて昇温し過ぎ、急速に延伸し得る。なお、赤外線ヒータ10は3つ以上の赤外線ヒータを含んでよい。例えば、ガラス転移温度よりも低い温度の第3赤外線ヒータが、第1赤外線ヒータ12よりも上流側、あるいは、第1赤外線ヒータ12と第2赤外線ヒータ13との間に設けられてよい。
【0046】
〔まとめ〕
本開示の態様1は、搬送方向に搬送されるフィルムをガイドし、クラウンローラである第1搬送ローラ、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において前記フィルムをガイドし、コンケイブローラである第2搬送ローラ、搬送される前記フィルムの、前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱するように配置された赤外線ヒータ、および、前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに付与する延伸部、を備えるフィルム加熱延伸装置。
【0047】
態様2は、前記第1搬送ローラは、前記赤外線ヒータの直前に位置し、前記第2搬送ローラは、前記赤外線ヒータの直後に位置する、態様1に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0048】
態様3は、前記第1搬送ローラのクラウン量を示すC値は、0.2以下であり、 前記第2搬送ローラのクラウン量を示すC値は、-0.2以上である、態様1または2に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0049】
態様4は、前記第1搬送ローラのクラウン量を示すC値の絶対値は、前記第2搬送ローラのクラウン量を示すC値の絶対値と、同等である、態様1~3の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0050】
態様5は、前記第1搬送ローラおよび前記第2搬送ローラは、芯の外周をゴム材料で被覆したゴムローラである、態様1~4の何れか1かに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0051】
態様6は、前記第1搬送ローラに対する前記フィルムの抱き角度は、30°以上120℃以下であり、前記第2搬送ローラに対する前記フィルムの抱き角度は、30°以上120℃以下である、態様1~5の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0052】
態様7は、前記第1搬送ローラの表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下であり、前記第2搬送ローラの表面の静止摩擦係数は、0.1以上0.2以下である、態様1~6の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0053】
態様8は、前記第1搬送ローラの幅方向における中央部の直径は、150mm以上600mm以下であり、前記第2搬送ローラの幅方向における中央部の直径は、150mm以上600mm以下である、態様1~7の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0054】
態様9は、前記第1搬送ローラの内部に、第1流体の流路が設けられており、前記第2搬送ローラの内部に、第2流体の流路が設けられている、態様1~8の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0055】
態様10は、前記第1流体および前記第2流体の温度を調整する温度調整部をさらに備える、態様9に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0056】
態様11は、前記延伸部は、前記フィルムを駆動する第1駆動ローラと、前記フィルムを駆動する第2駆動ローラとを、備え、前記第1駆動ローラは、前記第1搬送ローラを兼ねたローラであるか、または前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置されたローラであり、前記第2駆動ローラは、前記第2搬送ローラを兼ねたローラであるか、または前記第2搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置されたローラであり、前記第2駆動ローラの幅方向における中央部の周速度は、前記第1駆動ローラの幅方向における中央部の周速度の90%以上600%以下である、態様1~10の何れかにに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0057】
態様12は、前記第2搬送ローラは、前記第2駆動ローラである、態様11に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0058】
態様13は、前記第1搬送ローラは、前記第1駆動ローラである、請求項11または12に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0059】
態様14は、前記赤外線ヒータは、遠赤外線ヒータである、請求項1~13の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0060】
態様15は、前記赤外線ヒータは、前記フィルムの前記第1領域のうちの第1部分を加熱するように配置された第1赤外線ヒータと、前記フィルムの前記第1領域のうちの前記第1部分よりも前記搬送方向の下流側の第2部分を加熱するように配置された第2赤外線ヒータと、を含み、第1赤外線ヒータの温度は、前記フィルムのガラス転移温度より低く、第2赤外線ヒータの温度は、前記フィルムのガラス転移温度より高い、態様1~14の何れかに記載のフィルム加熱延伸装置。
【0061】
態様16は、第1赤外線ヒータの温度と第2赤外線ヒータの温度との差は、摂氏0.5度以上30度以下である、態様15に記載のフィルム加熱延伸装置。
【0062】
態様17は、搬送方向に搬送されるフィルムを、クラウンローラである第1搬送ローラでガイドし、前記フィルムを、前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側において、コンケイブローラである第2搬送ローラでガイドし、搬送される前記フィルムの前記第1搬送ローラと前記第2搬送ローラとの間に位置する第1領域を加熱し、前記第1領域を前記搬送方向に延伸させる張力を前記フィルムに印加する、フィルムの製造方法。
【0063】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 赤外線ヒータ
12 第1赤外線ヒータ
13 第2赤外線ヒータ
20 延伸部
21 第1駆動ローラ
22 第2駆動ローラ
30、40 温度調整部
31 第1流体
32、42 流路
41 第2流体
100 フィルム加熱延伸装置
A1 第1領域
B1 第1部分
B2 第2部分
F フィルム
M 中央部
R1 第1搬送ローラ
R2 第2搬送ローラ
θ1、θ2 抱き角度