(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177706
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】物品収容容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/43 20060101AFI20241217BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B65D5/43
B65D5/66 301D
B65D5/66 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095989
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】391018743
【氏名又は名称】トーイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】塚田 康宏
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BB03
3E060BC02
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060CG12
3E060DA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不正に開封されたとしても、その痕跡(証拠)を確実に残すことができ、未開封に見える状態に戻すことが困難な改ざん防止機能を備えた物品収容容器を提供する。
【解決手段】物品収容容器10Aは、蓋パネル15と差込フラップ20とを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入したときに、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップの第3係入開口61に係入し、差込フラップの第1係入部62が折込フラップの第1係入開口に係入するとともに差込フラップの第2係入部63が折込フラップの第2係入開口に係入して蓋パネルが頂部開口17を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線78,79において差込フラップから切り離され、蓋パネルと差込フラップとが分離される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向へ離間対向する所定面積の正面パネル及び背面パネルと、横方向へ離間対向する所定面積の第1側面パネル及び第2側面パネルと、上下方向へ離間対向して頂部開口を塞ぐ蓋パネル及び底部開口を塞ぐ底パネルとを有する六面体の物品収容容器において、
前記物品収容容器が、前記正面パネル及び前記背面パネルのいずれか一方の上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な折込フラップと、前記蓋パネルの上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な差込フラップとを含み、
前記折込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて前記差込フラップを挿入可能な第1挿入スリットと、前記第1挿入スリットの一方の端縁と前記折込フラップの一方の側縁との間に形成された第1係入開口と、前記第1挿入スリットの他方の端縁と前記折込フラップの他方の側縁との間に形成された第2係入開口と、前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口の内縁によって囲繞されて該折込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに前後方向前方へ凸となる係入凸部とを有し、
前記差込フラップが、その下端縁の中央に形成された第3係入開口と、前記第3係入開口の他方の端縁から前記差込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第1ミシン目線を介して前記蓋パネルの上端縁に分離可能に繋がる第1係入部と、前記第3係入開口の一方の端縁から前記差込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2ミシン目線を介して前記蓋パネルの上端縁に分離可能に繋がる第2係入部とを有し、
前記物品収容容器は、前記蓋パネルと前記差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて該差込フラップを前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、前記折込フラップの係入凸部が前記差込フラップの第3係入開口に係入し、前記差込フラップの第1係入部が前記折込フラップの第1係入開口に係入するとともに該差込フラップの第2係入部が該折込フラップの第2係入開口に係入して前記蓋パネルが前記頂部開口を塞ぎ、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から該蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて前記頂部開口を開放すると、前記第1及び第2係入部が前記第1及び第2ミシン目線において前記差込フラップから切り離され、前記蓋パネルと前記差込フラップとが分離されることを特徴とする物品収容容器。
【請求項2】
前記折込フラップの第1係入開口が、前記第1挿入スリットの一方の端縁から前記折込フラップの上方へ向かって半円状に開口する第1半円状開口と、前記第1半円状開口の一方の開口端から前記折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口とから形成され、前記折込フラップの第2係入開口が、前記第1挿入スリットの他方の端縁から前記折込フラップの上方へ向かって半円状に開口する第2半円状開口と、前記第2半円状開口の他方の開口端から前記折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口とから形成され、前記差込フラップの第3係入開口が、その中央に位置して前記差込フラップの上方へ半円状に開口する第3半円状開口と、前記第3半円開口の他方の開口端から前記差込フラップの他方の側縁に向かって帯状に開口する第3帯状開口と、前記第3半円開口の一方の開口端から前記差込フラップの一方の側縁に向かって帯状に開口する第4帯状開口とから形成され、前記物品収容容器は、前記蓋パネルと前記差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて該差込フラップを前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、前記折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が前記差込フラップの第3帯状開口に解除困難に係入するとともに該折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が該差込フラップの第4帯状開口に解除困難に係入し、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記第3係入開口に対する前記係入凸部の係入を解除するように前記頂部開口を開放すると、前記折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が前記差込フラップの第3帯状開口の開口縁に引っ掛かり、前記折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が前記差込フラップの第4帯状開口の開口縁に引っ掛かり、前記第1及び第2係入部が前記第1及び第2ミシン目線において前記差込フラップから切り離される請求項1に記載の物品収容容器。
【請求項3】
前記差込フラップが、その他方の側縁から前記第1係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第1切欠き開口と、その一方の側縁から前記第2係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第2切欠き開口とを有し、前記物品収容容器は、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記第3係入開口に対する前記係入凸部の係入を解除するように前記頂部開口を開放すると、前記差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かり、前記差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、前記第1及び第2係入部が前記第1及び第2ミシン目線において前記差込フラップから切り離される請求項2に記載の物品収容容器。
【請求項4】
前記折込フラップが、前記第1帯状開口の一方の開口端から前記折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2挿入スリットと、前記第2帯状開口の他方の開口端から前記折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第3挿入スリットとを有し、前記物品収容容器は、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記第3係入開口に対する前記係入凸部の係入を解除するように前記頂部開口を開放すると、前記差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、前記差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、前記第1及び第2係入部が前記第1及び第2ミシン目線において前記差込フラップから切り離される請求項3に記載の物品収容容器。
【請求項5】
前後方向へ離間対向する所定面積の正面パネル及び背面パネルと、横方向へ離間対向する所定面積の第1側面パネル及び第2側面パネルと、上下方向へ離間対向して頂部開口を塞ぐ蓋パネル及び底部開口を塞ぐ底パネルとを有する六面体の物品収容容器において、
前記物品収容容器が、前記正面パネル及び前記背面パネルのいずれか一方の上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な折込フラップと、前記蓋パネルの上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な差込フラップとを含み、
前記折込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて前記差込フラップを挿入可能な第1挿入スリットと、前記第1挿入スリットの一方の端縁と前記折込フラップの一方の側縁との間に形成された第1係入開口と、前記第1挿入スリットの他方の端縁と前記折込フラップの他方の側縁との間に形成された第2係入開口と、前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口の内縁によって囲繞されて該折込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに前後方向前方へ凸となる係入凸部とを有し、
前記差込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて該差込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに前記折込フラップの係入凸部が係入する第3係入開口と、前記第3係入開口の他方の端縁と該差込フラップの他方の側縁との間に位置して横方向へ延びていて前記第1係入開口に係入する第1連結部と、前記第3係入開口の一方の端縁と該差込フラップの一方の側縁との間に位置して横方向へ延びていて前記第2係入開口に係入する第2連結部とを有し、
前記蓋パネルが、前記第1連結部の他方の端縁と前記第2連結部の一方の端縁とを結ぶとともに該蓋パネルの上端縁から上下方向下方に向かって凸となるミシン目線と、前記ミシン目線に囲繞されて該ミシン目線において前記蓋パネルから分離可能な切り離しエリアと、前記切り離しエリアのミシン目線から上下方向下方に向かって開口する指挿入開口とを有し、
前記物品収容容器は、前記蓋パネルと前記差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて該差込フラップを前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、前記係入凸部が前記第1係入開口に係入して前記蓋パネルが前記頂部開口を塞ぎ、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記指挿入開口に指を挿入した状態で前記切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、前記ミシン目線において該切り離しエリアが前記蓋パネルから分離されるとともに、前記差込フラップが該蓋パネルから分離され、前記蓋パネルのうちの前記切り離しエリアを除く残余エリアが上下方向上方へ旋回して前記頂部開口が開放されることを特徴とする物品収容容器。
【請求項6】
前記切り離しエリアを囲繞するミシン目線が、前記第1連結部の他方の端縁と前記第2連結部の一方の端縁との間において前記蓋パネルの上端縁から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画き、前記指挿入開口が、前記切り離しエリアの下方中央から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画いている請求項5に記載の物品収容容器。
【請求項7】
前記折込フラップの第1係入開口が、前記第1挿入スリットの一方の端縁から前記折込フラップの上方へ向かって凸状に開口する第1凸状開口と、前記第1凸状開口の一方の開口端から前記折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口とから形成され、前記折込フラップの第2係入開口が、前記第1挿入スリットの他方の端縁から前記折込フラップの上方へ向かって凸状に開口する第2凸状開口と、前記第2凸状開口の他方の開口端から前記折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口とから形成され、前記差込フラップの第3係入開口が、前記第1連結部の内端から該差込フラップの上端縁に向かって上下方向へ延びる第1縦切込線と、前記第2連結部の内端から該差込フラップの上端縁に向かって上下方向へ延びる第2縦切込線と、前記第1及び第2縦切込線の間において横方向へ延びる横切込線とに囲繞されて前後方向前方へ凸となる横長帯状に成形され、前記物品収容容器は、前記蓋パネルと前記差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて該差込フラップを前記第1挿入スリットと前記第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、前記折込フラップの係入凸部が前記横長帯状に成形された前記差込フラップの第3係入開口に解除困難に係入して前記蓋パネルが前記頂部開口を塞ぎ、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記指挿入開口に指を挿入した状態で前記切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、前記折込フラップの係入凸部が前記差込フラップの第3係入開口を囲繞する横切込線に引っ掛かり、前記切り離しエリアが前記蓋パネルから分離されるとともに前記差込フラップが該蓋パネルから分離される請求項6に記載の物品収容容器。
【請求項8】
前記差込フラップが、その他方の側縁から前記第1係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第1切欠き開口と、その一方の側縁から前記第2係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第2切欠き開口とを有し、前記物品収容容器は、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記指挿入開口に指を挿入した状態で前記切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、前記差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かるとともに、前記差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、前記切り離しエリアが前記蓋パネルから分離されるとともに前記差込フラップが該蓋パネルから分離される請求項7に記載の物品収容容器。
【請求項9】
前記折込フラップが、前記第1帯状開口の一方の開口端から前記折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2挿入スリットと、前記第2帯状開口の他方の開口端から前記折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第3挿入スリットとを有し、前記物品収容容器は、前記蓋パネルが前記頂部開口を塞いだ状態から前記指挿入開口に指を挿入した状態で前記切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、前記差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かるとともに、前記差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が前記折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、前記切り離しエリアが前記蓋パネルから分離されるとともに前記差込フラップが該蓋パネルから分離される請求項8に記載の物品収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容スペースに所定の物品を収納する改ざん防止機能付きの物品収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
前後方向へ離間対向する所定面積の正面パネル及び背面パネルと、横方向へ離間対向する所定面積の第1側面パネル及び第2側面パネルと、上下方向へ離間対向して頂部開口を塞ぐ蓋パネル及び底部開口を塞ぐ底フラップとを有する六面体の物品収容容器が不正に開封された場合、開封の痕跡を残す改ざん防止用の工夫がされた各種の改ざん防止機能付き物品収容容器が使用されている。
【0003】
改ざん防止用の工夫がされた容器の一例として、複数の側面板で形成された筒体の一端部に蓋部材が延設され、前記筒体の蓋部材と同じ側の端部に開封用破断線で囲まれた開封部が設けられ、蓋部材が開封部に連続し又は蓋部材の特定部位が開封部に固定された状態で、筒体の一端部が閉鎖され、開封用破断線が、開封部の輪郭と交差する角度に形成された複数の切れ目が所定のピッチで並設された第1破断部と、開封部の輪郭に沿う角度に形成された切れ目が設けられた第2破断部とを有し、第1破断部と第2破断部とが交互に配置されて開封部を囲んでいる改ざん防止機能付き物品収容容器が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改ざん防止機能付き物品収容容器は、不正に開封されたことを視認することができる必要があるが、不正開封された後、未開封に見えるように巧妙に戻されてしまう可能性がある。近年では、商品管理や品質管理等の理由から、開封されたことが確実に視認可能な物品収容容器が求められている。
【0006】
本発明の目的は、不正に開封されたとしても、その痕跡(証拠)を確実に残すことができ、未開封に見える状態に戻すことが困難な改ざん防止機能を備えた物品収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、前後方向へ離間対向する所定面積の正面パネル及び背面パネルと、横方向へ離間対向する所定面積の第1側面パネル及び第2側面パネルと、上下方向へ離間対向して頂部開口を塞ぐ蓋パネル及び底部開口を塞ぐ底パネルとを有する六面体の物品収容容器である。
【0008】
前記前提における本発明の第1の特徴は、物品収容容器が、正面パネル及び背面パネルのいずれか一方の上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な折込フラップと、蓋パネルの上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な差込フラップとを含み、折込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて差込フラップを挿入可能な第1挿入スリットと、第1挿入スリットの一方の端縁と折込フラップの一方の側縁との間に形成された第1係入開口と、第1挿入スリットの他方の端縁と折込フラップの他方の側縁との間に形成された第2係入開口と、第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口の内縁によって囲繞されて折込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに前後方向前方へ凸となる係入凸部とを有し、差込フラップが、その下端縁の中央に形成された第3係入開口と、第3係入開口の他方の端縁から差込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第1ミシン目線を介して蓋パネルの上端縁に分離可能に繋がる第1係入部と、第3係入開口の一方の端縁から差込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2ミシン目線を介して蓋パネルの上端縁に分離可能に繋がる第2係入部とを有し、物品収容容器は、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部が差込フラップの第3係入開口に係入し、差込フラップの第1係入部が折込フラップの第1係入開口に係入するとともに差込フラップの第2係入部が折込フラップの第2係入開口に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離され、蓋パネルと差込フラップとが分離されることにある。
【0009】
前記第1の特徴を有する本発明の一例としては、折込フラップの第1係入開口が、第1挿入スリットの一方の端縁から折込フラップの上方へ向かって半円状に開口する第1半円状開口と、第1半円状開口の一方の開口端から折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口とから形成され、折込フラップの第2係入開口が、第1挿入スリットの他方の端縁から折込フラップの上方へ向かって半円状に開口する第2半円状開口と、第2半円状開口の他方の開口端から折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口とから形成され、差込フラップの第3係入開口が、その中央に位置して差込フラップの上方へ半円状に開口する第3半円状開口と、第3半円開口の他方の開口端から差込フラップの他方の側縁に向かって帯状に開口する第3帯状開口と、第3半円開口の一方の開口端から差込フラップの一方の側縁に向かって帯状に開口する第4帯状開口とから形成され、物品収容容器は、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3帯状開口に解除困難に係入するとともに折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4帯状開口に解除困難に係入し、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3帯状開口の開口縁に引っ掛かり、折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4帯状開口の開口縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される。
【0010】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、差込フラップが、その他方の側縁から第1係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第1切欠き開口と、その一方の側縁から第2係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第2切欠き開口とを有し、物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かり、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される。
【0011】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、折込フラップが、第1帯状開口の一方の開口端から折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2挿入スリットと、第2帯状開口の他方の開口端から折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第3挿入スリットとを有し、物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される。
【0012】
前記前提における本発明の第2の特徴は、物品収容容器が、正面パネル及び背面パネルのいずれか一方の上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な折込フラップと、蓋パネルの上端縁に連接されて下端縁を中心に上下方向へ旋回可能な差込フラップとを含み、折込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて差込フラップを挿入可能な第1挿入スリットと、第1挿入スリットの一方の端縁と折込フラップの一方の側縁との間に形成された第1係入開口と、第1挿入スリットの他方の端縁と折込フラップの他方の側縁との間に形成された第2係入開口と、第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口の内縁によって囲繞されて折込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに前後方向前方へ凸となる係入凸部とを有し、差込フラップが、その下端縁の中央に形成されて横方向へ延びていて差込フラップを上下方向下方へ旋回させたときに折込フラップの係入凸部が係入する第3係入開口と、第3係入開口の他方の端縁と差込フラップの他方の側縁との間に位置して横方向へ延びていて第1係入開口に係入する第1連結部と、第3係入開口の一方の端縁と差込フラップの一方の側縁との間に位置して横方向へ延びていて第2係入開口に係入する第2連結部とを有し、蓋パネルが、第1連結部の他方の端縁と第2連結部の一方の端縁とを結ぶとともに蓋パネルの上端縁から上下方向下方に向かって凸となるミシン目線と、ミシン目線に囲繞されてミシン目線において蓋パネルから分離可能な切り離しエリアと、切り離しエリアのミシン目線から上下方向下方に向かって開口する指挿入開口とを有し、物品収容容器は、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、係入凸部が第1係入開口に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、ミシン目線において切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに、差込フラップが蓋パネルから分離され、蓋パネルのうちの切り離しエリアを除く残余エリアが上下方向上方へ旋回して頂部開口が開放されることにある。
【0013】
前記第2の特徴を有する本発明の一例としては、切り離しエリアを囲繞するミシン目線が、第1連結部の他方の端縁と第2連結部の一方の端縁との間において蓋パネルの上端縁から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画き、指挿入開口が、切り離しエリアの下方中央から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画いている。
【0014】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、折込フラップの第1係入開口が、第1挿入スリットの一方の端縁から折込フラップの上方へ向かって凸状に開口する第1凸状開口と、第1凸状開口の一方の開口端から折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口とから形成され、折込フラップの第2係入開口が、第1挿入スリットの他方の端縁から折込フラップの上方へ向かって凸状に開口する第2凸状開口と、第2凸状開口の他方の開口端から折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口とから形成され、差込フラップの第3係入開口が、第1連結部の内端から差込フラップの上端縁に向かって上下方向へ延びる第1縦切込線と、第2連結部の内端から差込フラップの上端縁に向かって上下方向へ延びる第2縦切込線と、第1及び第2縦切込線の間において横方向へ延びる横切込線とに囲繞されて前後方向前方へ凸となる横長帯状に成形され、物品収容容器は、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部が横長帯状に成形された差込フラップの第3係入開口に解除困難に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入して切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、折込フラップの係入凸部が差込フラップの第3係入開口を囲繞する横切込線に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される。
【0015】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、差込フラップが、その他方の側縁から第1係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第1切欠き開口と、その一方の側縁から第2係入部に向かって横方向内方へ切り欠かれた第2切欠き開口とを有し、物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される。
【0016】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、折込フラップが、第1帯状開口の一方の開口端から折込フラップの一方の側縁に向かって横方向へ延びる第2挿入スリットと、第2帯状開口の他方の開口端から折込フラップの他方の側縁に向かって横方向へ延びる第3挿入スリットとを有し、物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される。
【発明の効果】
【0017】
第1の特徴を有する本発明の物品収容容器によれば、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部が差込フラップの第3係入開口に係入し、差込フラップの第1係入部が折込フラップの第1係入開口に係入するとともに差込フラップの第2係入部が折込フラップの第2係入開口に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離され、蓋パネルと差込フラップとが分離されるから、蓋パネルによって頂部開口が塞がれた状態から物品収容容器の内部に収容された物品を取り出すために蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップが蓋パネルから切り離されて第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、差込フラップが切り離された蓋パネルのみが上下方向上方へ旋回する。従って、物品収容容器が不正に開封されたとしても、蓋パネルと差込フラップとが分離して蓋パネルから差込フラップが喪失され、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0018】
蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3帯状開口に解除困難に係入するとともに折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4帯状開口に解除困難に係入し、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3帯状開口の開口縁に引っ掛かり、折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4帯状開口の開口縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から頂部開口の開放時に、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3開口帯の開口縁に引っ掛かるとともに、折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4開口帯の開口縁に引っ掛かることで、第1及び第2ミシン目線において第1及び第2係入帯部が差込フラップから切り離されるから、蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップが蓋パネルから切り離されて第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルと差込フラップとが分離して蓋パネルから差込フラップが喪失され、物品収容容器が不正に開封されたとしても、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。物品収容容器は、折込フラップの係入凸部の一方の横方向角部分が差込フラップの第3開口帯に解除困難に係入し、折込フラップの係入凸部の他方の横方向角部分が差込フラップの第4開口帯に解除困難に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぐから、物品収容容器の頂部開口を容易に開けることができず、収容スペースに収容された物品の物品収容容器からの露出や不用意な抜脱を防ぐことができるとともに、収容スペースからの物品の抜き取りを防ぐことができる。
【0019】
蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かり、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から頂部開口の開放時に、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1開口帯の開口縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2開口帯の開口縁に引っ掛かることで、第1及び第2ミシン目線において第1及び第2係入帯部が差込フラップから確実に切り離されるから、蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップが蓋パネルから切り離されて第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルと差込フラップとが分離して蓋パネルから差込フラップが喪失され、物品収容容器が不正に開封されたとしても、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0020】
蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から第3係入開口に対する係入凸部の係入を解除するように頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、第1及び第2係入部が第1及び第2ミシン目線において差込フラップから切り離される物品収容容器は、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から頂部開口の開放時に、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かることで、第1及び第2ミシン目線において第1及び第2係入帯部が差込フラップから確実に切り離されるから、蓋パネルを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップが蓋パネルから切り離されて第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルと差込フラップとが分離して蓋パネルから差込フラップが喪失され、物品収容容器が不正に開封されたとしても、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0021】
第2の特徴を有する本発明の物品収容容器によれば、蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、係入凸部が第1係入開口に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入して切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、ミシン目線において切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに、差込フラップが蓋パネルから分離され、蓋パネルのうちの切り離しエリアを除く残余エリアが上下方向上方へ旋回して頂部開口が開放されるから、蓋パネルによって頂部開口が塞がれた状態から物品収容容器の内部に収容された物品を取り出すために蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、蓋パネルの切り離しエリアと蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップとが蓋パネルから切り離され、差込フラップが第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、差込フラップ及び切り離しエリアが切り離された蓋パネルの残余エリアのみが上下方向上方へ旋回する。従って、物品収容容器が不正に開封されたとしても、蓋パネルの切り離しエリア及び差込フラップが蓋パネルから分離して蓋パネルから切り離しエリア及び差込フラップが喪失され、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0022】
切り離しエリア切り離しエリアを囲繞するミシン目線が第1連結部の他方の端縁と第2連結部の一方の端縁との間において蓋パネルの上端縁から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画き、指挿入開口が切り離しエリアの下方中央から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画いている物品収容容器は、円弧を画く指挿入開口に指を容易に挿入することができ、指挿入開口に指を挿入した状態で蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、円弧を画くミシン目線において切り離しエリアが蓋パネルから容易に分離されるとともに、差込フラップが蓋パネルから容易に分離され、蓋パネルの切り離しエリア及び差込フラップが蓋パネルから分離して蓋パネルから切り離しエリア及び差込フラップが喪失されるから、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。
【0023】
蓋パネルと差込フラップとを上下方向下方へ旋回させて差込フラップを第1挿入スリットと第1及び第2の係入開口とに挿入したときに、折込フラップの係入凸部が横長帯状に成形された差込フラップの第3係入開口に解除困難に係入して蓋パネルが頂部開口を塞ぎ、蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、折込フラップの係入凸部が差込フラップの第3係入開口を囲繞する第1及び第2縦切込線及び横切込線に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される物品収容容器は、蓋パネルによって頂部開口が塞がれた状態から物品収容容器の内部に収容された物品を取り出すために蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、折込フラップの係入凸部が差込フラップの第3係入開口を囲繞する横切込線に引っ掛かり、蓋パネルの切り離しエリアと蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップとが蓋パネルから切り離され、差込フラップが第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルの切り離しエリア及び差込フラップが蓋パネルから分離して蓋パネルから切り離しエリア及び差込フラップが喪失されるから、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0024】
蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される物品収容容器は、蓋パネルによって頂部開口が塞がれた状態から物品収容容器の内部に収容された物品を取り出すために蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第1帯状開口の開口縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2帯状開口の開口縁に引っ掛かり、蓋パネルの切り離しエリアと蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップとが蓋パネルから切り離され、差込フラップが第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルの切り離しエリア及び差込フラップが蓋パネルから分離して蓋パネルから切り離しエリア及び差込フラップが喪失されるから、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0025】
蓋パネルが頂部開口を塞いだ状態から指挿入開口に指を挿入した状態で蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、切り離しエリアが蓋パネルから分離されるとともに差込フラップが蓋パネルから分離される物品収容容器は、蓋パネルによって頂部開口が塞がれた状態から物品収容容器の内部に収容された物品を取り出すために蓋パネルの切り離しエリアを上下方向上方へ旋回させて頂部開口を開放すると、差込フラップの第1切欠き開口の開口縁が折込フラップの第2挿入スリットのスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップの第2切欠き開口の開口縁が折込フラップの第3挿入スリットのスリット縁に引っ掛かり、蓋パネルの切り離しエリアと蓋パネルの上端縁に連接された差込フラップとが蓋パネルから切り離され、差込フラップが第1挿入スリット内と第1及び第2の係入開口内とに残り、蓋パネルの切り離しエリア及び差込フラップが蓋パネルから分離して蓋パネルから切り離しエリア及び差込フラップが喪失されるから、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器は、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器を見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】正面パネルの側から見た物品収容容器の一例を示す正面斜視図。
【
図2】組み立てる以前の状態の物品収容容器の展開平面図。
【
図5】蓋パネルによって頂部開口を塞いだ状態の物品収容容器の正面斜視図。
【
図6】蓋パネルを上下方向上方へ旋回させた状態の物品収容容器の正面斜視図。
【
図7】背面パネルの側から見た物品収容容器の他の一例を示す正面斜視図。
【
図8】組み立てる以前の状態の物品収容容器の展開平面図。
【
図11】蓋パネルによって頂部開口を塞いだ状態の物品収容容器の正面斜視図。
【
図12】蓋パネルを上下方向上方へ旋回させた状態の物品収容容器の正面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
正面パネル11の側から見た物品収容容器10Aの一例を示す正面斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る物品収容容器の詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、組み立てる以前の状態の物品収容容器10Aの展開平面図であり、
図3は、正面パネル11及び折込フラップ19の部分拡大図である。
図4は、蓋パネル15及び差込フラップ20の部分拡大図である。
図1では、差込フラップ20を挿入スリット49及び第1及び第2の係入開口に挿入する以前(頂部開口17を閉鎖する以前)の状態を示す。
図1,2では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
【0028】
物品収容容器10Aは、原反から箱用ブランク(ブランクシート)を切り離し、
図2に示す箱用ブランク(展開平面図)を組み立てることから作られる。物品収容容器10Aは、上下方向へ長い正四角柱状の六面体の容器(箱)である。尚、物品収容容器10Aが横方向へ長い四角柱状の六面体の容器(箱)であってもよい。
【0029】
物品収容容器箱10Aは、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された正面パネル11(正面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された背面パネル12(背面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された第1側面パネル13(第1側面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された第2側面パネル14(第2側面板)と、頂部開口17を塞ぐ蓋パネル15(蓋板)と、底部開口18を塞ぐ底フラップ16(底パネル)と、頂部開口17を塞ぐ折込フラップ19及び差込フラップ20と、糊代フラップ21及び第1頂フラップ22(サイドフラップ)並びに第2頂フラップ23(サイドフラップ)とから形成されている。
【0030】
図2の展開平面図では、横方向左方から右方に向かって糊代フラップ21→正面パネル11→第1側面パネル13→背面パネル12→第2側面パネル14の順で並んでいる。底フラップ16は、第1主底フラップ16a及び第1補助底フラップ16cと、第2主底フラップ16b及び第2補助底フラップ16dとから形成されている。第1主底フラップ16aには、第1主底フラップ16aと第1補助底フラップ16cとを連接(接合)する略三角形の糊代部24が作られている。第2主底フラップ16bには、第2主底フラップ16bと第2補助底フラップ16dとを連接(接合)する略三角形の糊代部24が作られている。第1主底フラップ16aと第2主底フラップ16bとは、同形同大であり、その平面形状が略三角形に成形されている。第1補助底フラップ16bと第2補助底フラップ16dとは、同形同大であり、その平面形状が略三角形に成形されている。
【0031】
物品収容容器10Aでは、正面パネル11と背面パネル12とが前後方向へ離間対向し、第1側面パネル13と第2側面パネル14とが横方向へ離間対向しているとともに、蓋パネル15と底フラップ16とが上下方向へ離間対向している。物品収容容器10Aには、それらパネル11~15と底フラップ16とに囲繞された所定容積の物品収容スペース25が画成されている。物品収容容器10Aは、物品収容スペース25に所定の物品(商品)を収容し、物品陳列棚や物品陳列ケース等の所定の箇所に載置される。
【0032】
物品収容容器10A(それらパネル11~15及び底フラップ16(第1主底フラップ16a、第1補助底フラップ16c、第2主底フラップ16b、第2補助底フラップ16d)、折込フラップ19、差込フラップ20、糊代フラップ21、第1及び第2頂フラップ22,23)(物品収容容器10Bを含む)の材質としては、紙(板紙)や合成樹脂シート(プラスチックシート)、複合シートが使用される。
【0033】
紙(板紙)には、チップボールやクラフトボール、コートボール、ノーコートボール、コートアイボリー、段ボール、高級板紙、特殊板紙、非木材紙、間伐材紙等が使用される。合成樹脂シートには、PPシートやPETシート等が使用される。合成樹脂シートは、有色透明や有色半透明、無色透明、無色半透明のいずれであってもよい。複合シートには、紙と合成樹脂シートとのラミネートシート、アルミ蒸着紙、ホイル紙、ファンシーペーパー、耐水・耐油紙、耐熱紙、抗菌板紙等が使用される。物品収容容器10A(物品収容容器10Bを含む)には、各種表面加工(プレスコートやUVコート、フィルムコート)が施される場合がある。尚、物品収容容器10A(物品収容容器10Bを含む)の材質に特に限定はなく、物品収容容器10Aの材質には現在使用されているもののみならず、将来使用されるあらゆる材質が含まれる。
【0034】
図2の展開平面図に示すように、糊代フラップ21は、正面パネル11の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁26(正面パネル11に対して糊代フラップ21が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。折込フラップ21は、正面パネル11の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁27(正面パネル11に対して折込フラップ21が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。折込フラップ21は、上端縁27(折込フラップ21の下端縁27)を中心に上下方向へ旋回可能である。第1主底フラップ16aは、正面パネル11の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁28(正面パネル11に対して第1主底フラップ16aが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。
【0035】
正面パネル11は、第1側面パネル13の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁29(第1側面パネル13に対して正面パネル11が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。第1頂フラップ22(第1サイドフラップ)は、第1側面パネル13の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁30(第1側面パネル12に対して第1頂フラップ22が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。第1補助底フラップ16cは、第1側面パネル13の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁31(第1側面パネル13に対して第1補助底フラップ16cが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。
【0036】
第1側面パネル13は、背面パネル12の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁32(背面パネル12に対して第2側面パネル14が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。蓋パネル15は、背面パネル12の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁33(背面パネル12に対して蓋パネル15が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。第2主底フラップ16bは、背面パネル12の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁34(背面パネル12に対して第2主底フラップ16bが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。差込フラップ20は、蓋パネル15の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁35(蓋パネル15に対して差込フラップ20が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して蓋パネル15に連接されている。差込フラップ20は、上端縁35(差込フラップ20の下端縁35)を中心に上下方向へ旋回可能である。
【0037】
背面パネル12は、第2側面パネル14の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁36(第1側面パネル13に対して背面パネル12が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。第2頂フラップ23(第2サイドフラップ)は、第2側面パネル14の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁37(第2側面パネル14に対して第2頂フラップ23が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。第2補助底フラップ16dは、第2側面パネル14の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁38(第2側面パネル14に対して第2補助底フラップ16dが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。
【0038】
折込フラップ19は、第1挿入スリット39及び第1係入開口40と、第2係入開口41及び係入凸部42と、第2挿入スリット43及び第3挿入スリット44とを有する。折込フラップ19は、その横方向の長さ寸法が蓋パネル15の横方向のそれと略同一である。第1挿入スリット39は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)の横方向中央に形成されて横方向へ延びている。第1挿入スリット39には、差込フラップ20が挿入される。
【0039】
第1係入開口40は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)であって第1挿入スリット43の一方の端縁45と折込フラップ19の一方の側縁46との間に形成されている。第1係入開口40には、差込フラップ20が挿入される。第1係入開口40は、折込フラップ19を横方向に二分したときに、折込フラップ19の一方の半分の略中央に位置している。第1係入開口40は、第1挿入スリット43の一方の端縁45から折込フラップ19の上方(上端縁)へ向かって凸となるように円弧を画いて半円状に開口する第1半円状開口47と、第1半円状開口47の一方の開口端48に繋がって一方の開口端48から折込フラップ19の一方の側縁46に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口49とから形成されている。
【0040】
折込フラップ19の第1半円状開口47は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)から上方(上端縁)へ向かって凸となるように円弧を画く円弧状第1切取り線50によって折込フラップ19が切り取られることにから作られている。折込フラップ19の第1帯状開口49は、第1半円状開口50の一方の開口端から横方向へ直状に延びる第1横切取り線51及び第1横切取り線51の一方の端縁から上下方向へ直状に延びる第1縦切取り線52によって折込フラップ19が切り取られることから作られている。
【0041】
第2係入開口41は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)であって第1挿入スリット39の他方の端縁53と折込フラップ19の他方の側縁54との間に形成されている。第2係入開口41には、差込フラップ20が挿入される。第2係入開口41は、折込フラップ19を横方向に二分したときに、折込フラップ19の他方の半分の略中央に位置している。第2係入開口41は、第1挿入スリット39の他方の端縁53から折込フラップ19の上方(上端縁)へ向かって凸となるように円弧を画いて半円状に開口する第2半円状開口55と、第2半円状開口55の他方の開口端56に繋がって他方の開口端56から折込フラップ19の他方の側縁54に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口57とから形成されている。
【0042】
折込フラップ19の第2半円状開口55は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)から上方(上端縁)に向かって凸となるように円弧を画く円弧状第2切取り線58によって折込フラップ19が切り取られることにから作られている。折込フラップ19の第2帯状開口57は、第2半円状開口58の他方の開口端から横方向へ直状に延びる第2横切取り線59及び第2横切取り線59の他方の端縁から上下方向へ直状に延びる第2縦切取り線60によって折込フラップ19が切り取られることから作られている。
【0043】
係入凸部42は、第1挿入スリット39と第1及び第2係入開口40,41の内縁(円弧状第1切取り線50の内縁及び円弧状第2切取り線58の内縁)によって囲繞されて横方向へ長い帯状に成形されている。係入凸部42は、折込フラップ19を上下方向下方へ旋回させて折込フラップ19が頂部開口17を塞いだときに前後方向前方へ向かって凸となる。第2挿入スリット43は、折込フラップ19の下端縁27に形成され、第1帯状開口49の一方の開口端に繋がって一方の開口端から折込フラップ19の一方の側縁46に向かって横方向へ延びている。第2挿入スリット43には、差込フラップ20が挿入される。第3挿入スリット44は、折込フラップ19の下端縁27に形成され、第2帯状開口57の他方の開口端に繋がって他方の開口端から折込フラップ19の他方の側縁54に向かって横方向へ延びている。第3挿入スリット44には、差込フラップ20が挿入される。
【0044】
差込フラップ20は、第3係入開口61と、第1係入部62及び第2係入部63と、第1切欠き開口64及び第2切欠き開口65とを有する。差込フラップ20は、その横方向の長さ寸法が蓋パネル15の横方向のそれよりも短い。第3係入開口61は、差込フラップ20の下端縁35(上端縁35)の中央に形成されている。第3係入開口61は、その中央(差込フラップ20の中央)に位置して差込フラップ20の上方へ向かって凸となるように円弧を画いて半円状に開口する第3半円状開口66と、第3半円開口66の他方の開口端67に繋がって他方の開口端67から差込フラップ20の他方の側縁68に向かって横方向へ帯状に開口する第3帯状開口69と、第3半円開口66の一方の開口端70に繋がって一方の開口端70から差込フラップ20の一方の側縁71に向かって横方向へ帯状に開口する第4帯状開口72とから形成されている。
【0045】
第3係入開口61の第3半円状開口66は、第3係入開口61の中心であって差込フラップ20の下端縁35の側から上方(上端縁)に向かって凸となるように円弧を画く円弧状第3切取り線73によって差込フラップ20が切り取られることにから作られている。第3係入開口61の第3帯状開口69は、第3半円開口66の他方の開口端67から横方向へ直状に延びる第3横切取り線74及び第3横切取り線74の他方の端縁から上下方向へ直状に延びる第3縦切取り線75によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。第3係入開口61の第4帯状開口72は、第3半円開口66の一方の開口端70から横方向へ直状に延びる第4横切取り線76及び第4横切取り線76の一方の端縁から上下方向へ直状に延びる第4縦切取り線77によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。
【0046】
第1係入部62は、第3係入開口61の他方の端縁(第3縦切取り線75)から横方向へ帯状に延びている。第1係入部62は、第3係入開口61の他方の端縁(第3縦切取り線75)から差込フラップ20の他方の側縁68に向かって横方向へ延びる第1ミシン目線78を介して蓋パネル15の上端縁35に繋がっている。第1係入部62は、第1ミシン目線78において蓋パネル15の上端縁35から分離可能である。第1係入部62は、差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入したときに、折込フラップ19の第1係入開口40に係入する。
【0047】
第2係入部63は、第3係入開口61の一方の端縁(第4縦切取り線77)から横方向へ帯状に延びている。第2係入部63は、第3係入開口61の一方の端縁(第4縦切取り線77)から差込フラップ20の一方の側縁71に向かって横方向へ延びる第2ミシン目線79を介して蓋パネル15の上端縁35に繋がっている。第2係入部63は、第2ミシン目線79において蓋パネル15の上端縁35から分離可能である。第2係入部63は、差込フラップ30を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入したときに、折込フラップ19の第2係入開口41に係入する。
【0048】
第1切欠き開口64は、差込フラップ20の他方の側縁68から第1係入部62に向かって横方向内方へ切り欠かれ、横方向へ帯状に開口している。第2切欠き開口65は、差込フラップ20の一方の側縁71から第2係入部63に向かって横方向内方へ切り欠かれ、横方向へ帯状に開口している。第1切欠き開口64は、第1係入部62の他方の端縁から縦方向へ延びる第5縦切取り線80及び第5縦切取り線80の上端縁から横方向へ直状に延びる第5横切取り線81によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。第2切欠き開口65は、第2係入部63の一方の端縁から縦方向へ延びる第6縦切取り線82及び第6縦切取り線82の上端縁から横方向へ直状に延びる第6横切取り線83によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。
【0049】
図5は、蓋パネル15によって頂部開口17を塞いだ状態の物品収容容器10Aの正面斜視図であり、
図6は、蓋パネル15を上下方向上方へ旋回させた状態の物品収容容器10Aの正面斜視図である。
図2に示す箱用ブランク(展開平面図)から物品収容容器箱10Aを組み立てる手順の一例は、以下のとおりである。糊代フラップ21が正面パネル11に対して略直交するように、糊代フラップ21を側縁26(正面パネル11に対して糊代フラップ21を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、正面パネル11が第1側面パネル13に対して略直交するように、正面パネル11を側縁29(第1側面パネル13に対して正面パネル11を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0050】
第1側面パネル13が背面パネル12に対して略直交するように、第1側面パネル13を側縁32(背面パネル12に対して第1側面パネル13を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、背面パネル12が第2側面パネル14に対して略直交するように、背面パネル12を側縁36(第2側面パネル14に対して背面パネル12を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0051】
第1主底フラップ16aが正面パネル11に対して略直交するように、第1主底フラップ16aを下端縁28(正面パネル11に対して第1主底フラップ16aを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第1補助底フラップ16cが第1側面パネル13に対して略直交するように、第1補助底フラップ16cを下端縁31(第1側面パネル13に対して第1補助底フラップ16cを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0052】
第2主底フラップ16bが背面パネル12に対して略直交するように、第2主底フラップ16bを下端縁34(背面パネル12に対して第2主底フラップ16bを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第2補助底フラップ16dが第2側面パネル14に対して略直交するように、第2補助底フラップ16dを下端縁38(第2側面パネル14に対して第2補助底フラップ16dを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0053】
糊代フラップ21、正面パネル11、第1側面パネル13、背面パネル12、第1主底フラップ16a、第1補助底フラップ16c、第2主底フラップ16b、第2補助底フラップ16dを順に折り曲げた後、糊代フラップ21の外面を第2側面パネル14の内面に重ね合わせ、糊代フラップ21の外面を第2側面パネル14の内面に糊や接着剤によって接合する。第1主底フラップ16aの糊代部24の内面を第1補助底フラップ16cの外面に重ね合わせ、第1主底フラップ16aの糊代部24の内面を第1補助底フラップ16cの外面に糊や接着剤によって接合する。第2主底フラップ16bの糊代部24の内面を第2補助底フラップ16dの外面に重ね合わせ、第2主底フラップ16bの糊代部24の内面を第2補助底フラップ16dの外面に糊や接着剤によって接合する。
【0054】
糊代フラップ21や第1主底フラップ16aの糊代部24、第2主底フラップ16bの糊代部24を接合すると、物品収容容器10Aには、正面パネル11、第1側面パネル13、背面パネル12、第2側面パネル14、底フラップ16(第1主底フラップ16a、第2主底フラップ16c、第1補助底フラップ16b、第2補助底フラップ16d)に囲繞された物品収容スペース25が形成される。底部開口18は、底フラップ16(第1主底フラップ16a、第2主底フラップ16c、第1補助底フラップ16b、第2補助底フラップ16d)によって塞がれる。尚、頂部開口17は開放された状態にある。頂部開口17から所定の物品を物品収容スペース25に収容する。
【0055】
物品を物品収容スペース25に収容した後、第2頂フラップ23が第2側面パネル14に対して略直交するように、第2頂フラップ23を上端縁37(第2側面パネル14に対して第2頂フラップ23を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第1頂フラップ22が第1側面パネル13に対して略直交するように、第1頂フラップ22を上端縁30(第1側面パネル13に対して第1頂フラップ22を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0056】
折込フラップ19が正面パネル11に対して略直交するように、折込フラップ19を上端縁27(正面パネル11に対して折込フラップ19を略直角に折り曲げる折曲罫線)において背面パネル11の側に向かって折曲する(折り曲げる)。折込フラップ19の内面が第1及び第2頂フラップ22,23の外面に重なる。折込フラップ19を背面パネル12の側に折曲すると、横長コ字状に延びる係入凸部42が前後方向前方へ向かって凸となる。更に、第1係入開口40(第1半円状開口47、第1帯状開口49)が上下方向へ開口し、第2係入開口41(第2半円状開口55、第2帯状開口57)が上下方向へ開口する。
【0057】
次に、差込フラップ20が蓋パネル15に対して略直交するように、差込フラップ15を上端縁35(蓋パネル15に対して差込フラップ20を略直角に折り曲げる折曲罫線)において上下方向下方へ折曲する(折り曲げる)。蓋パネル15に対して差込フラップ20を折曲すると、第3係入開口61(第3半円状開口66、第3帯状開口69、第4帯状開口72)と第1及び第2切欠き開口64,65が前後方向へ向かって開口し、第1及び第2係入部62,63が上下方向へ延在する。
【0058】
蓋パネル15に対して差込フラップ20を折曲した後、蓋パネル15が正面パネル11に対して略直交するように、蓋パネル15を上端縁33(正面パネル11に対して蓋パネル15を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、蓋パネル15を正面パネル11に向かって上下方向下方へ旋回させるとともに、差込フラップ20が正面パネル11の内側に位置するように、差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに次第に挿入する。差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入すると、差込フラップ20の外面(差込フラップ20の上端縁)が正面パネル11の内面に摺動しつつ差込フラップ20が物品収容スペース25に次第に進入する。
【0059】
差込フラップ20の全体が物品収容スペース26(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に進入すると、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61(第3半円状開口66、第3帯状開口69、第4帯状開口72)に位置し、折込フラップ19の前後方向前方へ延びる係入凸部42の一方の横方向角部分が差込フラップ20の前後方向へ開口する第3帯状開口69に解除困難に係入するとともに、係入凸部42の他方の横方向角部分が差込フラップ20の前後方向へ開口する第4帯状開口72に解除困難に係入する。
【0060】
更に、差込フラップ20の上下方向へ延びる第1係入部62が折込フラップ19の上下方向へ開口する第1係入開口40に解除困難に係入するとともに、差込フラップ20の上下方向へ延びる第2係入部63が折込フラップ19の上下方向へ開口する第2係入開口41に解除困難に係入し、差込フラップ20の第1切欠き開口64の開口縁(差込フラップ20の第1切欠き開口64を画成する開口縁)が折込フラップ19の第2挿入スリット43のスリット縁に解除困難に係入するとともに、差込フラップ20の第2切欠き開口65の開口縁(差込フラップ20の第2切欠き開口65を画成する開口縁)が折込フラップ19の第3挿入スリット44のスリット縁に解除困難に係入する。
【0061】
差込フラップ20の全体を物品収容スペース26(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に差し込むと、
図5の状態になり、蓋パネル15の内面が折込フラップ19の外面に当接し、第1及び第2頂フラップ22,23、折込フラップ19、蓋パネル15によって物品収容容器10Aの頂部開口17が閉鎖される。物品収容容器10Aは、
図5の状態で物品陳列棚や物品陳列ケース等の所定の箇所に載置される。差込フラップ20を第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41に挿入した後は、第1挿入スリット39や第1及び第2の係入開口40,41に対する差込フラップ20の係入(係合)を解除することが困難になる。
【0062】
物品収容容器10Aは、差込フラップ20を物品収容スペース26(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に差し込み、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップ20の第3半円状開口66、第3及び第4帯状開口69,72に係入し、差込フラップ20の第1及び第2係入部62,63が折込フラップ19の第1及び第2係入開口40,41に係入するとともに、差込フラップ20の第1及び第2切欠き開口64,65が折込フラップ18の第2及び第3挿入スリット43,44に係入することで、頂部開口17を閉鎖することができるのみならず、折込フラップ19と差込フラップ20との係入(係合)を解除することが困難であるから、物品収容容器10Aの頂部開口17を容易に開けることができず、物品収容スペース25に収容された物品の物品収容容器10Aからの露出や不用意な抜脱を防ぐことができるとともに、物品収容スペース25からの物品の抜き取りを防ぐことができる。
【0063】
折込フラップ19と差込フラップ20とが係合(係入)状態にある物品収容容器10Aにおいて、蓋パネル15を上下方向上方へ旋回させようとした場合、折込フラップ19の係入凸部42の一方の横方向角部分が差込フラップ20の第3帯状開口69の開口縁に引っ掛かるとともに、折込フラップ19の係入凸部42の他方の横方向角部分が差込フラップ20の第4帯状開口72の開口縁に引っ掛かり、差込フラップ20の第1切欠き開口64の開口縁が折込フラップ19の第2挿入スリット43のスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップ20の第2切欠き開口65の開口縁が折込フラップ19の第3挿入スリット44のスリット縁に引っ掛かり、蓋パネル15の上下方向上方への旋回が阻止され、蓋パネル15(頂部開口17)を旋回させる(開ける)ことができない。
【0064】
折込フラップ19と差込フラップ20とが係合した状態で、蓋パネル15を力任せに無理矢理に上下方向上方へ旋回させ、折込フラップ19と差込フラップ20との係合を強制的に解除しようとすると、その旋回力が第3係入開口61の横方向両側に位置する第1係入部62及び第2係入部63に作用する。第1係入部61及び第2係入部63に作用する旋回力が第1及び第2係入部61,63に形成された第1及び第2ミシン目線78,79を破断するほどになると、第1係入部61が第1ミシン目線78において差込フラップ20から切り離される(分断される)とともに、第2係入部63が第2ミシン目線79において差込フラップ20から切り離される(分断される)。
【0065】
第1及び第2係入部61,63が差込フラップ20から切り離されると、蓋パネル15と差込フラップ20とが第1及び第2係入部61,63において上下方向へ分離され、蓋パネル15のみが上下方向上方へ旋回する(
図6参照)。蓋パネル15のみを上下方向上方へ旋回させた後、折込フラップ19を上下方向上方へ旋回させるとともに、第1及び第2頂フラップ22,23を上下方向上方へ旋回させることで、頂部開口17が開放される。
【0066】
物品収容容器10Aでは、折込フラップ19と差込フラップ20との係合状態を強制的に解除するように頂部開口17を開放すると、第1係入部62に形成された第1ミシン目線78において第1係入部62が破断して第1係入部62が差込フラップ20から切り離され、第2係入部63に形成された第2ミシン目線79において第2係入部63が破断して第2係入部63が差込フラップ20から切り離され、蓋パネル15と差込フラップ20とが分離される。差込フラップ20が物品収容容器10Aの物品収容スペース26に残存し、蓋パネル15のみが上下方向上方へ旋回する。蓋パネル15と差込フラップ20とが分離して頂部開口17が開放された物品収容容器10Aは、再び差込フラップ20を折込フラップ19に係入させることができず、蓋パネル15によって頂部開口17を塞ぐことはできない。
【0067】
物品収容容器10Aは、差込フラップ20を物品収容スペース25(第1挿入スリット30、第1及び第2の係入開口40,41)に挿入すると、折込フラップ19の係入凸部42の横方向角部分が差込フラップ20の第3及び第4帯状開口69,72に解除困難に係入し、差込フラップ20の第1及び第2係入部62,63が折込フラップ19の第1及び第2係入開口40,41に係入するとともに、差込フラップ20の第1及び第2切欠き開口64,65の開口縁が折込フラップ19の第2及び第3挿入スリット43,44のスリット縁に係入して蓋パネル15が頂部開口17を塞ぎ、折込フラップ19と差込フラップ20との係合状態を強制的に解除するように頂部開口17を開放すると、第1係入開口40において第1係入部62の第1ミシン目線78が破断して第1係入部62が差込フラップ20から分断するとともに、第2係入開口41において第2係入部63の第2ミシン目線79が破断して第2係入部63が差込フラップ20から分断し、第1及び第2係入部62,63において蓋パネル15と差込フラップ20とが分離されるから、蓋パネル15を上下方向上方へ旋回させて頂部開口17を開封すると、蓋パネル15の上端縁35に連接された差込フラップ20が物品収容スペース25(第1挿入スリット39内)に残り、差込フラップ20が分離した蓋パネル15のみが上下方向上方へ旋回する。従って、物品収容容器10Aが不正に開封されたとしても、第1及び第2係入部62,63において蓋パネル15と差込フラップ20とが分離して蓋パネル15から差込フラップ20が喪失され、開封されたことの痕跡(証拠)を確実に残すことができる。物品収容容器10Aは、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器10Aを見ることで、容器10Aが開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【0068】
図7は、背面パネル12の側から見た物品収容容器10Bの他の一例を示す正面斜視図であり、
図8は、組み立てる以前の状態の物品収容容器10Bの展開平面図である。
図9は、背面パネル12及び折込フラップ19の部分拡大図であり、
図10は、蓋パネル15及び差込フラップ20の部分拡大図である。
図7では、差込フラップ20を挿入スリット49及び第1及び第2の係入開口40,41に挿入する以前(頂部開口17を閉鎖する以前)の状態を示す。
図7,8では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
【0069】
物品収容容器10Bは、原反から箱用ブランク(ブランクシート)を切り離し、
図8に示す箱用ブランク(展開平面図)を組み立てることから作られる。物品収容容器10Bは、上下方向へ長い正四角柱状の六面体の容器(箱)である。尚、物品収容容器10Bが横方向へ長い四角柱状の六面体の容器(箱)であってもよい。
【0070】
物品収容容器箱10Bは、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された正面パネル11(正面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された背面パネル12(背面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された第1側面パネル13(第1側面板)と、所定面積の上下方向へ長い矩形(四角形)に成形された第2側面パネル14(第2側面板)と、頂部開口17を塞ぐ蓋パネル15(蓋板)と、底部開口18を塞ぐ底フラップ16(底パネル)と、頂部開口17を塞ぐ折込フラップ19及び差込フラップ20と、糊代フラップ21及び第1頂フラップ22(サイドフラップ)並びに第2頂フラップ23(サイドフラップ)とから形成されている。
【0071】
図8の展開平面図では、横方向左方から右方に向かって糊代フラップ21→背面パネル12→第1側面パネル13→正面パネル11→第2側面パネル14の順で並んでいる。底フラップ16は、第1主底フラップ16a及び第1補助底フラップ16cと、第2主底フラップ16b及び第2補助底フラップ16dとから形成されている。第1主底フラップ16aには、第1主底フラップ16aと第1補助底フラップ16cとを連接(接合)する略三角形の糊代部24が作られている。第2主底フラップ16bには、第2主底フラップ16bと第2補助底フラップ16dとを連接(接合)する略三角形の糊代部25が作られている。第1主底フラップ16aと第2主底フラップ16bとは、同形同大であり、その平面形状が略三角形に成形されている。第1補助底フラップ16bと第2補助底フラップ16dとは、同形同大であり、その平面形状が略三角形に成形されている。
【0072】
物品収容容器10Bでは、正面パネル11と背面パネル12とが前後方向へ離間対向し、第1側面パネル13と第2側面パネル14とが横方向へ離間対向しているとともに、蓋パネル15と底フラップ16とが上下方向へ離間対向している。物品収容容器10Bには、それらパネル11~15と底フラップ16とに囲繞された所定容積の物品収容スペース25が画成されている。物品収容容器10Bは、物品収容スペース25に所定の物品(商品)を収容し、物品陳列棚や物品陳列ケース等の所定の箇所に載置される。
【0073】
図8の展開平面図に示すように、糊代フラップ21は、背面パネル12の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁26(背面パネル12に対して糊代フラップ21が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。折込フラップ19は、背面パネル12の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁27(背面パネル12に対して折込フラップ19が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。折込フラップ19は、上端縁27(折込フラップ19の下端縁27)を中心に上下方向へ旋回可能である。第1主底フラップ16aは、背面パネル12の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁28(背面パネル12に対して第1主底フラップ16aが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して背面パネル12に連接されている。
【0074】
背面パネル11は、第1側面パネル13の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁29(第1側面パネル13に対して背面パネル11が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。第1頂フラップ22(第1サイドフラップ)は、第1側面パネル13の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁30(第1側面パネル13に対して第1頂フラップ22が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。第1補助底フラップ16cは、第1側面パネル13の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁31(第1側面パネル13に対して第1補助底フラップ16cが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第1側面パネル13に連接されている。
【0075】
第1側面パネル13は、正面パネル11の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁32(正面パネル11に対して第1側面パネル13が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。蓋パネル15は、正面パネル11の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁33(正面パネル11に対して蓋パネル15が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。第2主底フラップ16bは、正面パネル11の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁34(正面パネル11に対して第2主底フラップ16bが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して正面パネル11に連接されている。差込フラップ20は、蓋パネル15の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁35(蓋パネル15に対して差込フラップ20が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して蓋パネル15に連接されている。差込フラップ20は、上端縁35(差込フラップ20の下端縁35)を中心に上下方向へ旋回可能である。
【0076】
正面パネル11は、第2側面パネル14の側方に位置し、上下方向へ延びる側縁36(第2側面パネル14に対して正面パネル11が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。第2頂フラップ23(第2サイドフラップ)は、第2側面パネル14の上方に位置し、横方向へ延びる上端縁37(第2側面パネル14に対して第2頂フラップ23が略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。第2補助底フラップ16dは、第2側面パネル14の下方に位置し、横方向へ延びる下端縁38(第2側面パネル14に対して第2補助底フラップ16dが略直角に折り曲がる折曲罫線)を介して第2側面パネル14に連接されている。
【0077】
折込フラップ19は、第1挿入スリット39及び第1係入開口40と、第2係入開口41及び係入凸部42と、第2挿入スリット43及び第3挿入スリット44とを有する。折込フラップ19は、その横方向の長さ寸法が蓋パネル15の横方向のそれと略同一である。第1挿入スリット39は、折込フラップ19の下端縁27(上端縁27)の横方向中央に形成されて横方向へ延びている。第1挿入スリット39には、差込フラップ20が挿入される。
【0078】
第1係入開口40は、折込フラップ19の下端縁27であって第1挿入スリット39の一方の端縁45と折込フラップ19の一方の側縁46との間に形成されている。第1係入開口40には、差込フラップ20が挿入される。第1係入開口40は、第1挿入スリット39の一方の端縁45から折込フラップ19の上方(上端縁)へ向かって凸となるように弧を画いて開口する第1凸状開口84と、第1凸状開口84の一方の開口端48に繋がって一方の開口端48から折込フラップ19の一方の側縁27に向かって横方向へ帯状に開口する第1帯状開口49とから形成されている。
【0079】
折込フラップ19の第1凸状開口84は、折込フラップ19の下端縁27から上方(上端縁)に向かって凸となるように弧を画く凸状第1切取り線85によって折込フラップ19が切り取られることにから作られている。折込フラップ19の第1帯状開口49は、第1凸状開口84の一方の開口端48から横方向へ直状に延びる第1横切取り線51及び第1横切取り線51の一方の端縁から上下方向へ延びる第1縦切取り線52によって折込フラップ19が切り取られることから作られている。
【0080】
第2係入開口41は、折込フラップ19の下端縁27であって第1挿入スリット39の他方の端縁53と折込フラップ19の他方の側縁54との間に形成されている。第2係入開口41には、差込フラップ20が挿入される。第2係入開口41は、第1挿入スリット39の他方の端縁53から折込フラップ19の上方(上端縁)に向かって凸となるように弧を画いて開口する第2凸状開口86と、第2凸状開口86の他方の開口端56に繋がって他方の開口端56から折込フラップ19の他方の側縁54に向かって横方向へ帯状に開口する第2帯状開口57とから形成されている。
【0081】
折込フラップ19の第2凸状開口86は、折込フラップ19の下端縁27から上方(上端縁)に向かって凸となるように弧を画く凸状第2切取り線87によって折込フラップ19が切り取られることにから作られている。折込フラップ19の第2帯状開口57は、第2凸状開口86の他方の開口端56から横方向へ直状に延びる第2横切取り線59及び第2横切取り線59の他方の端縁から上下方向へ延びる第2縦切取り線60によって折込フラップ19が切り取られることから作られている。
【0082】
係入凸部42は、第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41の内縁(凸状第1切取り線85の内縁及び凸状第2切取り線87の内縁)によって囲繞されて横方向へ長い帯状に成形されている。係入凸部42は、折込フラップ19を上下方向下方へ旋回させて折込フラップ19が頂部開口17を塞いだときに前後方向前方へ向かって凸となる。第2挿入スリット43は、第1帯状開口49の一方の開口端に繋がって一方の開口端から折込フラップ19の一方の側縁46に向かって横方向へ延びている。第2挿入スリット43には、差込フラップ20が挿入される。第3挿入スリット44は、第2帯状開口57の他方の開口端に繋がって他方の開口端から折込フラップ19の他方の側縁54に向かって横方向へ延びている。第3挿入スリット44には、差込フラップ20が挿入される。
【0083】
差込フラップ20は、第3係入開口61と、第1連結部88及び第2連結部89と、第1切欠き開口64及び第2切欠き開口65とを有する。差込フラップ20は、その横方向の長さ寸法が蓋パネル15の横方向のそれよりも短い。第3係入開口61は、差込フラップ20の下端縁35(蓋パネル15の上端縁35)の中央に形成されている。第3係入開口61は、第1連結部64の内端から差込フラップ20の上方(上端縁)に向かって上下方向へ延びる第1縦切込線90と、第2連結部89の内端から差込フラップ20の上方(上端縁)に向かって上下方向へ延びる第2縦切込線91と、第1及び第2縦切込線90,91の上端の間において横方向へ延びる横切込線92とに囲繞されて前後方向前方へ凸となる横長帯状に成形されている。
【0084】
第1連結部88は、第3係入開口61の他方の端縁から横方向へ帯状に延びている。第1連結部88は、蓋パネル15の上端縁35に繋がっている。第1連結部88は、差込フラップ42を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入したときに、折込フラップ19の第1係入開口40に係入する。第2連結部89は、第3係入開口61の一方の端縁から横方向へ帯状に延びている。第2連結部89は、蓋パネル15の上端縁35に繋がっている。第2連結部89は、差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入したときに、折込フラップ19の第2係入開口41に係入する。
【0085】
第1切欠き開口64は、差込フラップ20の他方の側縁68から第1連結部88に向かって横方向内方へ切り欠かれ、横方向へ帯状に開口している。第2切欠き開口65は、差込フラップ20の一方の側縁71から第2連結部89に向かって横方向内方へ切り欠かれ、横方向へ帯状に開口している。第1切欠き開口64は、第1連結部64の他方の端縁から縦方向へ延びる第5縦切取り線80及び第5縦切取り線80の上端から横方向へ直状に延びる第5横切取り線81によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。第2切欠き開口65は、第2連結部65の一方の端縁から縦方向へ延びる第6縦切取り線82及び第6縦切取り線82の上端から横方向へ直状に延びる第6横切取り線83によって差込フラップ20が切り取られることから作られている。
【0086】
蓋パネル15は、ミシン目線93と切り離しエリア94と指挿入開口95とを有する。ミシン目線93は、第1連結部の64他方の端縁と第2連結部65の一方の端縁とを結ぶとともに蓋パネル15の上端縁35から上下方向下方に向かって凸となるように円弧を画いている。ミシン目線93は、第1連結部64の他方の端縁と第2連結部65の一方の端縁との間において蓋パネル15の上端縁35から下方(下端縁33)に向かって半円に形成され、切り離しエリア94を囲繞している。切り離しエリア94は、ミシン目線93に囲繞された半円エリアであり、ミシン目線93において蓋パネル15から分離可能である。指挿入開口95は、切り離しエリア94のミシン目線93から上下方向下方に向かって開口し、切り離しエリア94の下方中央に位置してミシン目線93から蓋パネル15の下方(下端縁33)に向かって凸となるように円弧を画く半円の開口である。指挿入開口95には、指を挿脱可能に差し入れることが可能である。
【0087】
図11は、蓋パネル15によって頂部開口17を塞いだ状態の物品収容容器10Bの正面斜視図であり、
図12は、蓋パネル15を上下方向上方へ旋回させた状態の物品収容容器10Bの正面斜視図である。
図8に示す箱用ブランク(展開平面図)から物品収容容器箱10Bを組み立てる手順の一例は、以下のとおりである。糊代フラップ21が背面パネル12に対して略直交するように、糊代フラップ21を側縁26(背面パネル12に対して糊代フラップ21を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、背面パネル12が第1側面パネル13に対して略直交するように、背面パネル12を側縁29(第1側面パネル13に対して背面パネル12を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0088】
第1側面パネル13が正面パネル11に対して略直交するように、第1側面パネル13を側縁32(正面パネル11に対して第1側面パネル13を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、正面パネル11が第2側面パネル14に対して略直交するように、正面パネル11を側縁36(第2側面パネル14に対して正面パネル11を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0089】
第1主底フラップ16aが背面パネル12に対して略直交するように、第1主底フラップ16aを下端縁28(背面パネル12に対して第1主底フラップ16aを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第1補助底フラップ16cが第1側面パネル13に対して略直交するように、第1補助底フラップ16cを下端縁31(第1側面パネル13に対して第1補助底フラップ16cを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0090】
第2主底フラップ16bが正面パネル11に対して略直交するように、第2主底フラップ16bを下端縁34(正面パネル11に対して第2主底フラップ16bを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第2補助底フラップ16dが第2側面パネル14に対して略直交するように、第2補助底フラップ16dを下端縁38(第2側面パネル14に対して第2補助底フラップ16dを略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0091】
糊代フラップ21、背面パネル12、第1側面パネル13、正面パネル11、第1主底フラップ16a、第1補助底フラップ16c、第2主底フラップ16b、第2補助底フラップ16dを順に折り曲げた後、糊代フラップ21の外面を第2側面パネル14の内面に重ね合わせ、糊代フラップ21の外面を第2側面パネル14の内面に糊や接着剤によって接合する。第1主底フラップ16aの糊代部24の内面を第1補助底フラップ16cの外面に重ね合わせ、第1主底フラップ16aの糊代部24の内面を第1補助底フラップ16cの外面に糊や接着剤によって接合する。第2主底フラップ16bの糊代部24の内面を第2補助底フラップ16dの外面に重ね合わせ、第2主底フラップ16bの糊代部24の内面を第2補助底フラップ16dの外面に糊や接着剤によって接合する。底部開口18は、底フラップ16によって塞がれる。頂部開口17から所定の物品を物品収容スペース25に収容する。
【0092】
物品を物品収容スペース25に収容した後、第1頂フラップ22が第1側面パネル13に対して略直交するように、第1頂フラップ22を上端縁30(第1側面パネル13に対して第1頂フラップ22を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、第2頂フラップ23が第2側面パネル14に対して略直交するように、第2頂フラップ23を上端縁37(第2側面パネル14に対して第2頂フラップ23を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲する(折り曲げる)。
【0093】
折込フラップ19が背面パネル11に対して略直交するように、折込フラップ19を上端縁27(背面パネル11に対して折込フラップ19を略直角に折り曲げる折曲罫線)において正面パネル11の側に向かって折曲する(折り曲げる)。折込フラップ19の内面が第1及び第2頂フラップ22,23の外面に重なる。折込フラップ19を正面パネル11の側に折曲すると、横長コ字状を有する係入凸部42が前後方向前方へ向かって凸となる。更に、第1係入開口40(第1凸状開口84、第1帯状開口49)が上下方向へ開口し、第2係入開口41(第2凸状開口85、第2帯状開口57)が上下方向へ開口する。
【0094】
次に、差込フラップ20が蓋パネル15に対して略直交するように、差込フラップ15を上端縁35(蓋パネル15に対して差込フラップ20を略直角に折り曲げる折曲罫線)において上下方向下方へ折曲する(折り曲げる)。蓋パネル15に対して差込フラップ20を折曲すると、第3係入開口61と第1及び第2切欠き開口64,65とが前後方向へ向かって開口し、第1及び第2連結部88,89が上下方向へ延在する。
【0095】
蓋パネル15に対して差込フラップ20を折曲した後、蓋パネル15が正面パネル11に対して略直交するように、蓋パネル15を上端縁33(正面パネル11に対して蓋パネル15を略直角に折り曲げる折曲罫線)において折曲し(折り曲げ)、蓋パネル15を背面パネル12に向かって上下方向下方へ旋回させるとともに、差込フラップ20が背面パネル12の内側に位置するように、差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに次第に挿入する。差込フラップ20を第1挿入スリット39と第1及び第2の係入開口40,41とに挿入すると、差込フラップ20の外面(差込フラップ20の上端縁)が背面パネル12の内面に摺動しつつ差込フラップ20が物品収容スペース25に次第に進入する。
【0096】
差込フラップ20の全体が物品収容スペース25(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に進入すると、折込フラップ19の前後方向前方へ延びる係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61に位置し、係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61に解除困難に係入する。更に、差込フラップ20の上下方向へ延びる第1連結部88が折込フラップ19の上下方向へ開口する第1係入開口40に解除困難に係入するとともに、差込フラップ20の上下方向へ延びる第2連結部89が折込フラップ19の上下方向へ開口する第2係入開口41に解除困難に係入し、差込フラップ20の第1切欠き開口64の開口縁(差込フラップ20の第1切欠き開口64を画成する開口縁)が折込フラップ19の第2挿入スリット43のスリット縁に解除困難に係入するとともに、差込フラップ20の第2切欠き開口65の開口縁(差込フラップ20の第2切欠き開口65を画成する開口縁)が折込フラップ19の第3挿入スリット44のスリット縁に解除困難に係入する。
【0097】
差込フラップ20の全体を物品収容スペース25(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に差し込むと、
図11の状態になり、蓋パネル15の内面が折込フラップ19の外面に当接し、第1及び第2頂フラップ22,23、折込フラップ19、蓋パネル15によって物品収容容器10Bの頂部開口17が閉鎖される。物品収容容器10Bは、
図11の状態で物品陳列棚や物品陳列ケース等の所定の箇所に載置される。差込フラップ20を第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41に挿入した後は、第1挿入スリット39や第1及び第2の係入開口40,41に対する差込フラップ20の係入(係合)を解除することが困難になる。
【0098】
物品収容容器10Bは、差込フラップ20を物品収容スペース25(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に差し込み、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61に係入し、差込フラップ20の第1及び第2連結部88,89が折込フラップ19の第1及び第2係入開口40,41に係入するとともに、差込フラップ20の第1及び第2切欠き開口64,65が折込フラップ19の第2及び第3挿入スリット43,44に係入することで、頂部開口17を閉鎖することができるのみならず、折込フラップ19と差込フラップ20との係入(係合)を解除することが困難であるから、物品収容容器10Bの頂部開口17を容易に開けることができず、物品収容スペース25に収容された物品の物品収容容器10Bからの露出や不用意な抜脱を防ぐことができるとともに、物品収容スペース25からの物品の抜き取りを防ぐことができる。
【0099】
折込フラップ19と差込フラップ20とが係合(係入)状態にある物品収容容器10Bでは、蓋パネル15のみを上下方向上方へ旋回させようとした場合、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61を囲繞する第1及び第2縦切込線90,91や横切込線92に引っ掛かり、差込フラップ20の第1連結部88が折込フラップ19の第1凸状開口84及び第1帯状開口49の開口縁に引っ掛かるとともに、差込フラップ20の第2連結部89が折込フラップ19の第1凸状開口86及び第2帯状開口57の開口縁に引っ掛かり、差込フラップ20の第1切欠き開口64の開口縁が折込フラップ19の第2挿入スリット43のスリット縁に引っ掛かるとともに、差込フラップ20の第2切欠き開口65の開口縁が折込フラップ9の第3挿入スリット43のスリット縁に引っ掛かり、蓋パネル15の上下方向上方への旋回が阻止され、蓋パネル15(頂部開口17)を旋回させる(開ける)ことができない。
【0100】
物品収容容器10Bにおいて蓋パネル15の上下方向上方へ旋回させて頂部開口17を開放する手順は、以下のとおりである。蓋パネル15が頂部開口17を塞いだ状態から指挿入開口95に指を差し入れ、指で切り離しエリア94を上下方向上方へ旋回させる。指挿入開口95に指を挿入した状態において指で切り離しエリア94を上下方向上方へ旋回させると、その旋回力が切り離しエリア94に作用する。切り離しエリア94に作用する旋回力が切り離しエリア94を囲繞するミシン目線93を破断するほどになると、ミシン目線93において切り離しエリア94が蓋パネル15から切り離される(分離される)とともに、差込フラップ20が蓋パネル15から分離され(分断され)、蓋パネル20のうちの切り離しエリア94を除く残余エリア96が上下方向上方へ旋回する(
図12参照)。残余エリア96のみを上下方向上方へ旋回させた後、折込フラップ19を上下方向上方へ旋回させるとともに、第1及び第2頂フラップ22,23を上下方向上方へ旋回させることで、頂部開口17が開放される。
【0101】
物品収容容器10Bでは、折込フラップ19と差込フラップ20との係合状態から切り離しエリア94を上下方向上方へ旋回させて頂部開口17を開放すると、ミシン目線93において切り離しエリア94が蓋パネル15から切り離されるとともに、差込フラップ20が蓋パネル15から分離され、差込フラップ20が物品収容容器10Bの物品収容スペース25に残存し、蓋パネル15によって再び頂部開口17を塞ぐことはできない。
【0102】
物品収容容器10Bは、差込フラップ20を物品収容スペース25(第1挿入スリット39、第1及び第2の係入開口40,41)に挿入すると、折込フラップ19の係入凸部42が差込フラップ20の第3係入開口61に係入し、差込フラップ20の第1及び第2連結部88,89が折込フラップ19の第1及び第2係入開口40,41に係入するとともに、差込フラップ20の第1及び第2切欠き開口64,65が折込フラップ19の第2及び第3挿入スリット43,44に係入して蓋パネル15が頂部開口17を塞ぎ、指挿入開口95に指を挿入して蓋パネル15の切り離しエリア94を上下方向上方へ旋回させると、ミシン目線93において切り離しエリア94が蓋パネル15から切り離されるとともに、差込フラップ20が蓋パネル15から分離され、蓋パネル15のうちの切り離しエリア94を除く残余エリア96が上下方向上方へ旋回して頂部開口17が開放されるから、蓋パネル15によって頂部開口17が塞がれた状態から頂部開口17を開放したときに、差込フラップ20が第1挿入スリット39内と第1及び第2の係入開口40,41内とに残り、差込フラップ20及び切り離しエリア94が切り離された蓋パネル15の残余エリア96のみが上下方向上方へ旋回する。従って、物品収容容器10Bが不正に開封されたとしても、蓋パネル15の切り離しエリア94及び差込フラップ20が蓋パネル15から分離して蓋パネル15から切り離しエリア94及び差込フラップ20が喪失され、開封されたことの痕跡(証拠)を残すことができる。物品収容容器10Bは、未開封に見える状態に戻すことができず、開封された後の物品収容容器10Bを見ることで、開封されたことが容易に分かるから、優れた改ざん防止効果を有し、商品管理や品質管理の質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0103】
10A 物品収容容器
10B 物品収容容器
11 正面パネル
12 背面パネル
13 第1側面パネル
14 第2側面パネル
15 蓋パネル
16 底フラップ
16a 第1主底フラップ
16b 第2主底フラップ
16c 第1補助底フラップ
16d 第2補助底フラップ
17 頂部開口
18 底部開口
19 折込フラップ
20 差込フラップ
21 糊代フラップ
22 第1頂フラップ
23 第2頂フラップ
24 糊代部
25 物品収容スペース
26 側縁
27 上端縁
28 下端縁
29 側縁
30 上端縁
31 下端縁
32 側縁
33 上端縁
34 下端縁
35 上端縁
36 側縁
37 上端縁
38 下端縁
39 第1挿入スリット
40 第1係入開口
41 第2係入開口
42 係入凸部
43 第2挿入スリット
44 第3挿入スリット
45 一方の端縁
46 一方の側縁
47 第1半円状開口
48 一方の開口端
49 第1帯状開口
50 円弧状第1切取り線
51 第1横切取り線
52 第1縦切取り線
53 他方の端縁
54 他方の側縁
55 第2半円状開口
56 他方の開口端
57 第2帯状開口
58 円弧状第2切取り線
59 第2横切取り線
60 第2縦切取り線
61 第3係入開口
62 第1係入部
63 第2係入部
64 第1切欠き開口
65 第2切欠き開口
66 第3半円状開口
67 他方の開口端
68 他方の側縁
69 第3帯状開口
70 一方の開口端
71 一方の側縁
72 第4帯状開口
73 円弧状第3切取り線
74 第3横切取り線
75 第3縦切取り線
76 第4横切取り線
77 第4縦切取り線
78 第1ミシン目線
79 第2ミシン目線
80 第5縦切取り線
81 第5横切取り線
82 第6縦切取り線
83 第6横切取り線
84 第1凸状開口
85 凸状第1切取り線
86 第2凸状開口
87 凸状第2切取り線
88 第1連結部
89 第2連結部
90 第1縦切込線
91 第2縦切込線
92 横切込線
93 ミシン目線
94 切り離しエリア
95 指挿入開口
96 残余エリア