(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177713
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報共有システム及び情報共有方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096001
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン インジャ
(72)【発明者】
【氏名】厚沢 輝佳
(72)【発明者】
【氏名】野中 久典
(72)【発明者】
【氏名】五嶋 匡
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA02
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】ユーザーが適切な対応担当者にコメントを届けることを可能とする情報共有システム及び情報共有方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様の情報共有システム100は、ダッシュボードに表示された特定の図表又は数値に対応付けられた、図表又は数値に関連するコメントの入力を受け付ける顧客コメント受付部132aと、特定の図表又は数値の情報、及び/又は、サービスの享受者であるユーザーによって設定された情報に基づいて、コメントを、コメントへの対応を行う対応担当に割り当てる表示先割当部1321と、を備える
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが操作するユーザー端末に情報共有サービスを提供する情報共有システムであって、
前記ユーザー端末に表示された特定の図表及び/又は数値に対応付けられた、前記図表又は数値に関連するコメントの入力を受け付けるコメント受付部と、
特定の前記図表又は数値の情報、及び/又は、前記サービスの享受者であるユーザーによって設定された情報に基づいて、前記コメントを、前記コメントへの対応を行う対応担当に割り当てる割当部と、を備える
情報共有システム。
【請求項2】
前記ユーザーによって設定された情報は、前記コメントの表示範囲の情報、前記ユーザーが前記ユーザー端末に表示する内容を絞り込むために設定した絞り込み条件の情報、前記コメントに対する対応の重要度を示す情報のうち、少なくとも1つを含む
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項3】
前記割当部は、前記コメント受付部が受け付けたコメントが、対応担当による対応が必要なコメントであるか否かを判定し、必要であると判定した場合に、前記コメントを、前記コメントへの対応を行う対応担当に割り当てる
請求項2に記載の情報共有システム。
【請求項4】
前記割当部によって割り当てられた前記対応担当による対応内容に対して、前記対応担当の上位管理者による承認が必要であるか否かを判定する対応内容承認部をさらに備え、
前記対応内容承認部は、前記承認が必要であると判定した場合、前記対応内容の承認を依頼する通知を前記上位管理者が操作する端末に送信する
請求項3に記載の情報共有システム。
【請求項5】
前記コメントの表示範囲には、複数の個人及び/又は一つ以上の部門を設定可能であり、
前記割当部によって前記コメントの表示先の対象に割り当てられた複数の個人、又は、前記部門に所属する複数の個人には、それぞれ、同一の前記コメントへの対応を行う権限が付与される
請求項4に記載の情報共有システム。
【請求項6】
前記対応内容承認部は、前記対応担当の上位管理者として、複数の個人及び/又は一つ以上の部門を設定可能であり、
前記対応内容承認部によって前記対応担当の上位管理者に割り当てられた複数の個人、又は、前記部門に所属する複数の個人には、それぞれ、前記対応担当による前記対応内容の承認を行う権限が付与され、
権限が付与された前記複数の個人による承認のうち、最初行われた承認が優先される
請求項5に記載の情報共有システム。
【請求項7】
前記割当部によって割り当てられた前記対応担当が前記コメントの対応を行う画面には、匿名での回答を可能とするインターフェースが設けられる
請求項6に記載の情報共有システム。
【請求項8】
前記情報共有サービスは、前記ユーザーが管理する建物の保全サービスに関する情報を共有するサービスであり、前記ユーザー端末に表示される図表又は数値は、前記建物内の設備の稼働状況に関する図表又は数値である
請求項6に記載の情報共有システム。
【請求項9】
ユーザーが操作するユーザー端末に情報共有サービスを提供する情報共有システムによる情報共有方法であって、
前記ユーザー端末に表示された特定の図表又は数値に対応付けられた、前記図表又は数値に関連するコメントの入力を受け付ける手順と、
特定の前記図表又は数値の情報、及び/又は、前記サービスの享受者であるユーザーによって設定された情報に基づいて、前記コメントを、前記コメントへの対応を行う対応担当に割り当てる手順と、を含む
情報共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有システム及び情報共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各企業において、顧客からの問い合わせに対応するカスタマセンタなどの窓口があり、該窓口において、電話、FAX、メール、チャット等の形式で顧客からの問い合わせに対応していた。しかし、受電業務の担当者による作業内容は、例えば、問い合わせ中の顧客の特定、問い合わせ内容の分類、適切な回答者の検索、回答者へ接続後に再度問い合わせ内容の説明を行うなど、多岐にわたり、時間と手間とがかかる。また、受電の数のピーク時には顧客の待ち時間が長くなることもあり、この場合、顧客の不満を招く可能性がある。
【0003】
このような課題を解決する技術として、例えば、特許文献1には、顧客からの電子メールから単語を抽出して、単語に対応する回答者を選定して該回答者に電子メールを自動配信し、回答者からの回答を顧客に送信する対顧客システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、顧客等からの問い合わせに対する回答とコメント入力欄とが記載されたレビュー専用Webページを提供する製品知識共有サーバと、問い合わせに関わる複数部門の担当者によるコメントを参照して、回答作成担当者が回答の修正内容を入力可能なクライアント端末と、を備えた問い合わせ管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-189849号公報
【特許文献2】特開2005-50157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、特許文献1、2等に記載の技術を実現するプラットフォームとして、ダッシュボードが用いられる機会が増えている。ダッシュボードにより、経営、生産、物流、交通、人流、設備稼働状況などが可視化されることにより、利用者は、ダッシュボードに示された情報を介して、現状把握、情報共有、監視管理、運行制御などを行うことができる。
【0007】
また、ダッシュボードを活用することによって、利用者は、課題抽出や問い合わせなどを行うことができる。さらに、ダッシュボードは、情報共有を可能とするプラットフォームであるため、特許文献2に記載の技術のように、ダッシュボードを介して複数回答者による共同回答を問い合わせ元の顧客に伝えることも可能となる。ダッシュボードによりこのようなサービスが提供されることにより、顧客による問い合わせ時間の短縮や顧客満足度の向上などを図ることが可能となる。
【0008】
ところで、従来のダッシュボードにおいては、問い合わせを行う顧客は、特定図面や特定の数値などを指定してコメントを記入することができない。これにより、顧客は、問い合わせ内容を正確に伝えられなかったり、また、問い合わせへの回答担当者が適切に選択されなかったりするという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の状況を考慮してなされたものであり、ユーザーが適切な対応担当者にコメントを届けることを可能とする情報共有システム及び情報共有方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報共有ステムは、ユーザーが操作するユーザー端末に情報共有サービスを提供する情報共有システムである。本発明の一態様に係る情報共有ステムは、ユーザー端末に表示された特定の図表又は数値に対応付けられた、図表又は数値に関連するコメントの入力を受け付けるコメント受付部と、特定の図表又は数値の情報、及び/又は、サービスの享受者であるユーザーによって設定された情報に基づいて、コメントを、コメントへの対応を行う対応担当に割り当てる割当部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の少なくとも一態様によれば、ユーザーが適切な対応担当者にコメントを届けることを可能とする情報共有システム及び情報共有方法が提供される。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報共有システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るログイン画面及びホーム画面の構成例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る設備稼働状況表示画面の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る詳細情報表示画面の構成例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るコメント入力画面の構成例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る回答コメント入力画面の構成例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る承認コメント入力画面の構成例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る顧客コメント受付処理の手順の例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る社内コメント受付処理の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)の例について、添付図面を参照しながら説明する。本発明は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値等は例示である。また、本明細書及び図面において、同一の構成要素又は実質的に同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することとし、重複する説明は省略する。
【0014】
<情報共有システムの概略構成>
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報共有システム100の構成について説明する。
図1は、情報共有システム100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、情報共有システム100は、情報共有装置1と、ユーザー端末2と、対応者端末3と、を含む。情報共有装置1、ユーザー端末2及び対応者端末3は、インターネット又は専用線等の通信ネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続される。通信ネットワークNは、有線であっても無線であってもよい。
【0016】
情報共有装置1は、例えば、保全サービスを顧客に提供する企業により運用される装置である。保全サービスには、例えば、顧客が管理する建物の遠隔管理サービスや、ダッシュボードを介した建物の施設の設備稼働情報等の提供サービス(情報共有サービスの一例)などがある。情報共有装置1は、例えば、サーバ装置又はコンピュータ装置等により構成される。
【0017】
本実施形態では、情報共有装置1は、ダッシュボードを介して、顧客が管理するエレベーター等の設備の稼働情報等を、表やグラフなどを用いて顧客に提示する。また、情報共有装置1は、ユーザー(顧客)に対して、ダッシュボードにおける図表又は数値等の表示部分を指定して、指定箇所に対するコメントを入力可能な機能を提供する。
【0018】
また、情報共有装置1は、ダッシュボードを介して顧客から入力されたコメントの対応者として、適切な担当者又は担当部門に割り当てる機能、及び、担当者からの回答を提示する機能等を有する。
【0019】
さらに、本実施形態では、情報共有装置1は、顧客からの問い合わせ又はコメント(以下、「顧客コメント」とも称する)に対する回答コメントに対して社内の承認が必要とされる場合に、回答コメントの承認依頼を承認者に通知する機能を提供する。
【0020】
ユーザー端末2は、ダッシュボードを利用するユーザーによって操作される端末であり、例えば、スマートフォンやタブレット、ラップトップPC(Personal Computer)等により構成される。ダッシュボードを利用するユーザーは、エレベーター等の設備を管理するビル管理会社における管理者等であり、ダッシュボードを用いた保全サービスを提供する会社の顧客でもある。顧客は、ダッシュボードを介して、管理対象のビルにおける設備状況等を確認し、ビルの設備を管理することができる。本実施形態において、ユーザーには、ユーザーを一意に識別可能なユーザーIDが予め付与されている。なお、
図1にはユーザー端末2を一つのみ図示するが、実際には、情報共有装置1には複数台のユーザー端末2が接続されているものとする。
【0021】
対応者端末3は、保全サービスの提供元の会社の担当者であり、ダッシュボードを介して入力された顧客コメントに対する対応を行う対応者が操作する端末である。対応者には、顧客コメントに対する回答コメントの記入者、回答コメントの承認者、回答コメント及び/又は顧客コメントの閲覧者等がいる。
【0022】
対応者端末3は、ユーザー端末2と同様に、スマートフォンやタブレット、ラップトップPC等により構成される。本実施形態において、情報共有サービスのユーザーには、対応者を一意に識別可能なユーザーIDが予め付与されている。また、
図1には対応者端末3を一つのみ図示するが、実際には、情報共有装置1には複数台の対応者端末3が接続されているものとする。
【0023】
なお、本実施形態に係る情報共有システム100には、ユーザー端末2及び対応者端末3の他の端末として、情報共有装置1に対してインプットデータを供給したり、情報共有装置1からのアウトプットデータを受信したりする各種のサーバ装置又はコンピュータ装置(不図示)が、通信ネットワークNを介してさらに接続されてもよい。また、本実施形態に係る情報共有装置1は、ユーザー端末2、は対応者端末3が有する各機能の一部又は全てを有する構成とされてもよい。
【0024】
[情報共有装置]
図1に示すように、情報共有装置1は、ユーザーインタフェース部11と、通信部12と、制御部13と、記憶部14と、を含む。
【0025】
(ユーザーインタフェース部)
ユーザーインタフェース部11は、入力部111と、出力部112と、を含む。入力部111は、ユーザーインタフェースに関する処理のうち、情報共有装置1のユーザーからの入力操作の受け付けなど、入力に関する処理を担当する。入力部111は、例えばキーボードやポインティングデバイス、タッチパネルなどで構成され、ユーザーから入力される各種操作を検出し、検出した操作に応じた操作信号を生成して制御部13に供給する。
【0026】
出力部112は、ユーザーインタフェースに関する処理のうち、各種画面の表示や音声出力など、出力に関する処理を担当する。出力部112は、例えば、液晶ディスプレイやタッチスクリーンなどで構成される。なお、情報共有装置1は、ユーザーインタフェース部11を備えない構成とされてもよい。
【0027】
通信部12は、通信ネットワークNを介して行われる、ユーザー端末2などの他の機器との通信処理を担当する。通信部12は、例えばNIC(Network Interface Card)やHBA(Host Bus Adapter)などで構成される。もしくは、通信部12は、二つ以上の異種の通信インターフェースデバイスで構成されてもよい。
【0028】
制御部13は、顧客連絡部131と、顧客コメント受付部132aと、社内コメント受付部132bと、社内連絡部133と、を含む。
【0029】
顧客連絡部131は、ダッシュボードに表示された内容に関するコメントを受送信する。ダッシュボードに表示された内容に関するコメントには、顧客コメント、顧客コメントに対する回答コメント等がある。顧客連絡部131は、例えば、通信部12が受信した顧客コメントを、顧客コメント受付部132aに出力する処理や、社内コメント受付部132bから入力された回答コメントを、通信部12を介してユーザー端末2に送信する処理などを行う。
【0030】
顧客コメント受付部132aは、顧客連絡部131から入力された顧客コメントの表示先及び/又は通知先の対象の割り当て処理、顧客コメントの表示処理等を行う。
【0031】
社内コメント受付部132bは、顧客コメントに対する回答コメントの、社内における承認の要否の判定処理や、承認者の割り当て処理、回答コメントの表示先及び/又は通知先の割り当て処理、回答コメントの表示処理などを行う。
【0032】
顧客コメント受付部132aは、表示先割当部1321と、通知先割当部1322と、コメント表示部1325と、を含む。社内コメント受付部132bは、通知先割当部1322と、コメント承認部1323と、表示先割当部1324と、コメント表示部1325と、を含む。通知先割当部1322及びコメント表示部1325は、顧客コメント受付部132aと顧客コメント受付部132aとにおいて共有して設けられる機能部である。なお、これらの機能ブロックは共有されずに、顧客コメント受付部132aと社内コメント受付部132bとにそれぞれ設けられてもよい。
【0033】
表示先割当部1321(割当部の一例)は、顧客連絡部131から入力された顧客コメントを、適切な表示先の対象に割り当てる。表示先の対象には、顧客コメントを画面に表示させて閲覧可能な担当者、担当部門等がある。顧客コメントが、ダッシュボードに表示された特定の図表又は数値などを対象として行われたものである場合、表示先割当部1321は、該図表又は数値に対して関連を有する対象を、顧客コメント等の表示先の対象に割り当てる。該図表又は数値に対して関連を有する対象には、例えば、図表や数値などによって示される設備稼働情報等を管理する部門などがある。
【0034】
顧客コメントに対して、特定の図表又は数値が対応付けられていない場合、表示先割当部1321は、顧客が情報表示の際に設定した情報抽出用のフィルタ条件等に基づいて、適切な表示先を割り当てる。情報抽出用のフィルタ条件としては、例えば、地域や、表示させたい情報のカテゴリ(種類)、担当部門等がある。
【0035】
通知先割当部1322は、顧客連絡部131から入力された顧客コメントを、適切な通知先の対象に割り当てる。通知先の対象には、顧客からの問い合わせ、コメント等に対する回答を行う担当者、担当部署(部門)等がある。また、通知先割当部1322は、社内連絡部133から入力された回答コメント(対応内容の一例)を、適切な通知先の対象に割り当てる。適切な通知先の対象には、既にその顧客コメントに対する対応を行っている担当者や、コメント承認部1323によって割り当てられた回答コメントの承認者などがある。通知は、顧客コメントに対する注視が特に必要とされる対象等に対して行われるため、通知先割当部1322によって通知先に割り当てられる対象の範囲は、表示先に割り当てられる対象の範囲よりも狭くなることが想定される。
【0036】
コメント承認部1323(対応内容承認部の一例)は、回答コメントの記入者の権限等の情報に基づいて、回答コメントに対する上位管理者による承認が必要であるか否かの判定を行う。そして、コメント承認部1323は、承認が必要であると判定した場合、承認者である上位管理者に対して、承認を依頼するメッセージ等を通知する。
【0037】
表示先割当部1324は、承認者により承認された回答コメント、又は、承認が不要である回答コメント等を、適切な表示先の対象に割り当てる。表示先の対象には、回答コメントの記入担当者、担当部署、承認者、承認部門、問い合わせを行った顧客等がある。
【0038】
コメント表示部1325は、表示先割当部1321で割当られた対象が閲覧可能なダッシュボードのコメント欄に、顧客コメント、回答コメントなどを表示させる処理を行う。
【0039】
社内連絡部133は、顧客コメント、及び、顧客コメントに対する回答コメントに関して、社内との連絡を行う機能を提供する。すなわち、社内連絡部133は、回答コメントの記入者が操作する対応者端末3、承認者が操作する対応者端末3等の間において、顧客コメント及び回答コメントを受送信する処理を行う。また、社内連絡部133は、顧客コメント及び回答コメントを、記憶部14の表示内容情報DB(データベース)144に記録する。
【0040】
制御部13は、不図示のプロセッサ及びメモリを用いて構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及び各種コプロセッサ(Co-processor)等のプロセッサデバイスである。メモリは、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子からなる主記憶デバイスや、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリなどで構成される。
【0041】
プロセッサは、ROMに格納された情報共有プログラムを読み出して、RAM等に展開して実行することにより、情報共有装置1が有する上述の各機能ブロックの機能を実現し、本実施形態に係る情報共有処理を実行する。本実施形態に係る情報共有処理を実行する情報共有プログラム(以下、「情報共有プログラム」とも称する)は、情報共有システム100に必要な機能を情報共有装置1、ユーザー端末2、対応者端末3に実装するためのコンピュータプログラムである。
【0042】
また、制御部13は、ユーザーインタフェース部11、通信部12、記憶部14に対するインターフェースとしても機能し、これらの各機能部の動作を制御する。
【0043】
なお、制御部13は、プロセッサの代わりに、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いて構成されてもよい。また、プロセッサとこれらの論理回路との組合せによって制御部13が構成されてもよい。
【0044】
なお、本実施形態に係る情報共有プログラムは、不図示のプログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラムの配布を行う不図示の計算機や、該計算機が読み取り可能な記録媒体などであってもよい。また、情報共有プログラムは、不図示のデバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、又は、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリ等によって構成されてもよい。さらに、二つ以上のプログラムが一つの情報共有プログラムとして実現されてもよいし、一つの情報共有プログラムが二つ以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0045】
記憶部14は、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の不揮発性記憶素子からなる補助記憶デバイスである。記憶部14は、例えば、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、SCM(Storage Class Memory)などで構成される。記憶部14には、情報共有プログラムが格納されてもよい。つまり、ROM又は記憶部14は、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取り可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0046】
記憶部14には、ユーザー情報DB141、組織情報DB142、通知表示範囲DB143及び表示内容情報DB144が格納される。
ユーザー情報DB141には、顧客のアカウントIDの情報、保全サービス(情報共有サービス)の契約時に登録されたお客様番号又はメールアドレス、パスワード、サービスの契約内容に関する情報等が格納される。サービスの契約内容に関する情報には、例えば、顧客が所属又は運営する会社の業種、受注番号、契約している設備の製造番号、機種、設備が設置された建物の用途、建物の仕様等がある。
【0047】
組織情報DB142には、情報共有サービスを提供する会社の支社の情報、部署名、各部署に所属する個人の氏名、役職、資格等の情報が格納される。組織情報DB142においては、回答コメントの承認が必要となる個人やその部署の情報、承認を行う承認者やその部署の情報も管理される。
【0048】
通知表示範囲情報DB143には、表示先割当部1321、通知先割当部1322、表示先割当部1324によって割り当てられた、通知範囲及び/又は表示範囲の情報が格納される。
【0049】
表示内容情報DB144には、顧客コメント、顧客コメントに対応付けられた図表又は数値、顧客コメントの入力時に顧客によって指定されたタグの情報、回答コメントの内容、顧客コメント及び/又は回答コメントに対応付けられた通知範囲及び/又は表示範囲の情報等が格納される。
【0050】
[ユーザー端末]
図1に示すように、ユーザー端末2は、ユーザーインタフェース部21と、制御部22と、記憶部23と、通信部24と、を含む。
【0051】
ユーザーインタフェース部21は、ユーザー端末2のユーザーからの入力操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザーインタフェースに関する処理を担当する。ユーザーインタフェース部21は、入力部211と、出力部212と、を含む。ユーザーインタフェース部21のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備えるユーザーインタフェース部11が有する機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0052】
制御部22は、記憶部23に格納されたプログラムやデータ、通信部24が取得したデータ、ユーザーインタフェース部21から入力された操作信号の情報に基づいて、各種データ処理を実行する。制御部22は、ユーザーインタフェース部21、記憶部23、通信部24に対するインターフェースとしても機能し、これらの各機能部の動作を制御する。
【0053】
例えば、制御部22は、入力部211に入力されたユーザーによる操作の内容に基づいて、出力部212にダッシュボードの画面を表示させたり、ダッシュボードの入力欄に入力された顧客コメント等を、通信部24を介して情報共有装置1に送信したりする制御を行う。また、制御部22は、情報共有装置1から送信された、顧客コメントに対する回答コメントを、出力部212のダッシュボードの画面に表示させる制御も行う。制御部22のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備える制御部13の機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0054】
記憶部23には、制御部22に各種処理命令を供給するプログラム、制御部22が実行する処理において用いられる各種情報、データ等が格納される。
【0055】
通信部24は、通信ネットワークNを介して行われる、情報共有装置1、対応者端末3等の他の装置との通信処理を担当する。通信部24のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備える通信部12の機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0056】
[対応者端末]
図1に示すように、対応者端末3は、ユーザーインタフェース部31と、制御部32と、記憶部33と、通信部34と、を含む。
【0057】
ユーザーインタフェース部31は、対応者端末3のユーザー(対応者)からの入力操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザーインタフェースに関する処理を担当する。ユーザーインタフェース部31は、入力部311と、出力部312と、を含む。ユーザーインタフェース部31のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備えるユーザーインタフェース部11が有する機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0058】
制御部32は、記憶部33に格納されたプログラムやデータ、通信部34が取得したデータ、ユーザーインタフェース部31から入力された操作信号の情報に基づいて、各種データ処理を実行する。制御部32は、ユーザーインタフェース部31、記憶部33、通信部34に対するインターフェースとしても機能し、これらの各機能部の動作を制御する。
【0059】
例えば、制御部32は、入力部311に入力された対応者による操作の内容に基づいて、出力部312にダッシュボードの画面を表示させたり、ダッシュボードの入力欄に入力された回答コメントに対する承認コメント等を、通信部34を介して情報共有装置1に送信したりする制御を行う。制御部32のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備える制御部13の機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0060】
記憶部33には、制御部32に各種処理命令を供給するプログラム、制御部32が実行する処理において用いられる各種情報、データ等が格納される。
【0061】
通信部34は、通信ネットワークNを介して行われる、情報共有装置1等の他の装置との通信処理を担当する。通信部34のハードウェア面における機能は、情報共有装置1が備える通信部12の機能と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0062】
なお、上述した情報共有装置1、ユーザー端末2、対応者端末3が有する各機能ブロックの区分は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0063】
<ダッシュボードの画面構成>
次に、情報共有装置1によって提供されるダッシュボードの画面の構成例について、
図2~
図9を参照して説明する。
【0064】
[ユーザー端末に表示されるダッシュボードの画面の構成例]
(ログイン画面及びホーム画面)
まず、
図2を参照して、ユーザー端末2の出力部212(
図1参照)に表示されるダッシュボードのログイン画面及びホーム画面の構成例について説明する。
図2は、ログイン画面及びホーム画面の構成例を示す図である。
図2Aには、ログイン画面Sc1の構成例を示し、
図2Bには、ホーム画面Sc2の構成例を示す。
【0065】
図2Aに示すログイン画面Sc1には、ユーザーID入力部Fm1、パスワード入力部Fm2、ログインボタンBn1及び新規登録ボタンBn2が配置される。
【0066】
ユーザーID入力部Fm1は、ユーザーIDの入力を受け付けるフォームであり、パスワード入力部Fm2は、パスワードの入力を受け付けるフォームである。ログインボタンBn1は、ダッシュボードにユーザーがログインするためのボタンである。新規登録ボタンBn4は、アカウントの情報を新規登録するためのアカウント登録画面(図示略)を表示するためのボタンである。
【0067】
ダッシュボードを新規に利用するユーザーによって新規登録ボタンBn4が押下された場合、不図示のアカウント登録画面への入力内容に基づいて、情報共有装置1の制御部13(
図1参照)は、ユーザー登録処理を開始する。ユーザー登録処理が正常に完了すると、当該顧客のアカウントが作成される。アカウント登録画面を介して入力された顧客の情報は、情報共有装置1の記憶部14内のユーザー情報DB141に格納される。
【0068】
ユーザー登録処理が完了後、顧客は、ユーザーID入力部Fm1にユーザーIDを入力し、パスワード入力部Fm2にパスワードを入力し、ログインボタンBn1を押下することにより、システムにログインすることができる。ユーザーによるログインボタンBn1の押下後、画面は
図2Bに示すホーム画面Sc2に遷移する。
【0069】
図2Bに示すホーム画面Sc2には、アラーム通知部Am、設備稼働状況表示ボタンBn11、人流情報表示ボタンBn12、セキュリティ情報表示ボタンBn13、災害情報表示ボタンBn14、掲示板表示ボタンBn15及びよくある質問表示ボタンBn16が設けられる。
【0070】
アラーム通知部Amは、ログイン中のユーザーに対する通知の件数を示す欄である。ユーザーに対するアラーム通知部Amによる通知は、例えば、該ユーザーが回答可能な顧客コメントや、ユーザーが記入した回答コメントに対する修正依頼などを、顧客連絡部131が通信部12を介して受信した場合に行われる。
【0071】
設備稼働状況表示ボタンBn11は、エレベーター等のユーザーが管理する設備の稼働状況を表示する設備稼働状況表示画面Sc3(
図3参照)を表示するためのボタンである。人流情報表示ボタンBn12は、ユーザーが管理する建物内のエリアごとの混雑度などの人流データの表示画面(図示略)を表示するためのボタンである。セキュリティ情報表示ボタンBn13は、建物の監視状況情報の表示画面(図示略)を表示するためのボタンである。監視状況情報には、例えば、ユーザーが管理する建物に設けられた不図示のカードリーダーによって取得された、建物への入館及び退館情報や、建物に設けられた不図示の監視カメラ等による、建物内の監視状況情報などがある。
【0072】
災害情報表示ボタンBn14は、発生中の災害に関する情報や、建物における災害被害の状況などを示す災害情報表示画面(図示略)を表示するためのボタンである。掲示板表示ボタンBn15は、掲示板のページ(図示略)を表示するためのボタンである。よくある質問表示ボタンBn16は、ダッシュボードのプラットフォームを提供する、保全サービスの提供元企業に対して多く寄せられる質問とその答えとを掲載したページを表示させるためのボタンである。
【0073】
なお、ホーム画面Sc2を構成する情報は、
図2Bに示す情報に限定されない。例えば、ホーム画面Sc2に、お知らせやキャンペーン情報、PR商品に関するトピックスなどを表示するための表示領域が設けられてもよい。
【0074】
(設備稼働状況表示画面)
図3は、設備稼働状況表示画面Sc3の構成例を示す図である。設備稼働状況表示画面Sc3には、設備の稼働状況を示す設備稼働状況表示領域Ar1が設けられる。設備稼働状況表示領域Ar1の左側には、“Aビルディング”、“Bタワー”等の、顧客が管理する建物、すなわち、保全サービスの対象となっている建物の名称が表示される。
【0075】
設備稼働状況表示領域Ar1の中央には、建物における機器異常アラート発生状況が表示される。
図3には、機器異常アラート発生状況として、「発生中(件)」、「温度」、「照明機器」、「エレベーター」及び「湿度」の各項目の情報が示される。
【0076】
「発生中(件)」の項目には、異常アラートが発生している件数の情報が数字により示される。
「温度」、「照明機器」、「エレベーター」及び「湿度」の各項目においては、それぞれの項目に対応する異常アラートの発生状況が、実線又は破線等によって示されるマークの種類や、マークに付加される斜線の有無などによって示される。
【0077】
設備稼働状況表示領域Ar1の右側には、建物における電力使用状況が半円グラフによって示される。なお、
図3に示す設備稼働状況は一例であり、設備稼働状況表示画面Sc3はこれら以外の情報で構成されてもよい。ユーザーは、設備稼働状況表示領域Ar1において詳細を確認したい箇所を選択することにより、設備稼働状況の詳細情報を示す詳細情報表示画面Sc4(
図4参照)を表示させることができる。例えば、ユーザーによって、“Dビルディング”電力使用状況を示す領域As1が選択された場合、
図4に示す詳細情報表示画面Sc4が表示される。
【0078】
(詳細情報表示画面)
図4は、詳細情報表示画面Sc4の構成例を示す図である。
図4に示すように、詳細情報表示画面Sc4には、絞り込み条件設定領域Ar2、設備稼働状況詳細表示領域Ar3及び統計情報表示領域Ar4等が設けられる。
【0079】
絞り込み条件設定領域Ar2には、統計情報表示領域Ar4に表示させる情報の絞り込み条件を設定するためのプルダウンリスト、選択ボタン等が設けられる。
図4に示す例では、絞り込み条件として、「Year」、「Month」、「Day of week」の各項目構成される対象期間、「カスタマー」、「技術」、「自家発電」の各項目で構成される建物のカテゴリが設けられている。なお、
図4に示される絞り込み条件は一例であり、絞り込み条件にはこれら以外の情報が含まれてもよい。
【0080】
設備稼働状況詳細表示領域Ar3には、絞り込み条件設定領域Ar2に設定された絞り込み条件に対応する期間における建物の電力消費量(kwh)が、半円グラフにより表示される。
【0081】
統計情報表示領域Ar4には、絞り込み条件設定領域Ar2に設定された絞り込み条件に対応する期間及び建物における統計情報が表示される。統計情報には、顧客が管理する建物のカテゴリごと、「空調」又は「照明」等の設備の区分ごと、設定された期間ごとの使用量が、横棒グラフにより示される。
図4には、絞り込み条件に基づいて、“技術センター”の“空調”における“月”ごとの電力使用量が、使用量が多い月から順に表示されている。
【0082】
ここで、ユーザーによって、1月の空調の使用量の表示領域As2が選択され、不図示のマウスの右クリック等の操作が入力されたとする。この場合、情報共有装置1の制御部13(
図1参照)による制御に基づいて、図中の破線の矢印の先に示すポップアップ画面Pmが表示される。ポップアップ画面Pmには、「コメントの追加」、「データのエクスポート」、「テーブルとして表示」の各項目が表示される。
【0083】
「コメントの追加」の項目は、選択した箇所に対するコメント、問い合わせ等を入力するコメント入力画面Sc5(
図5参照)の表示を可能とする項目であり、「コメントの追加」のテキストの記載箇所には、コメント入力画面Sc5へのリンクが貼られている。詳細情報表示画面Sc4がこのように構成されることにより、ユーザーは、自分が気になる箇所の図表又は数値をピンポイントで指定して、指定箇所に対応するコメントを入力することが可能となる。
【0084】
「データのエクスポート」の項目は、設備稼働状況詳細表示領域Ar3及び/又は統計情報表示領域Ar4に表示された内容の、csv形式等のフォーマットでのエクスポートを可能にする項目である。「テーブルとして表示」の項目は、設備稼働状況詳細表示領域Ar3及び/又は統計情報表示領域Ar4に表示された内容を、テーブルとして表示することを可能とする項目である。
【0085】
(コメント入力画面)
図5は、コメント入力画面Sc5の構成例を示す図である。
図5Aには、コメント入力前のコメント入力画面Sc5の構成例を示し、
図5Bには、コメント入力後のコメント入力画面Sc5の構成例を示す。
【0086】
図5A及び
図5Bに示すように、コメント入力画面Sc5には、選択内容表示領域Ar5、コメント記入領域Ar6、タグ設定領域Ar7、表示範囲及び/又は通知範囲設定領域Ar8、プラスボタンBn17及び確定ボタンBn18が設けられる。
【0087】
選択内容表示領域Ar5には、
図4に示した詳細情報表示画面Sc4において、ユーザーによって、コメントの入力対象として選択された領域に表示されていた内容が表示される。
【0088】
コメント記入領域Ar6は、ユーザーがコメントを入力可能なテキストボックスである。
タグ設定領域Ar7には、ユーザーがコメントに対して設定したいタグの選択肢が表示される。タグは、コメントに対する対応の重要度に関する情報等で構成され、例えば、コメントに対する対応の緊急度を示す“緊急”タグや、要返答であることを示す“返答要”タグなどがある。なお、タグにはこれら以外の種類のものが設けられてもよい。
【0089】
表示範囲及び/又は通知範囲設定領域Ar8は、コメント記入領域Ar6に入力したコメント、問い合わせ等の表示範囲、通知範囲を指定可能なプルダウンリストが表示される。表示範囲のプルダウンリストには、コメントが表示される範囲、すなわち、コメントを閲覧可能な組織(部門)、個人等のリストが表示される。通知範囲のプルダウンリストには、コメントへの対応を促す通知が送られる範囲、すなわち、通知の送信先の組織、個人等のリストが表示される。
【0090】
表示範囲及び/又は通知範囲設定領域Ar8に表示された各プルダウンリストの右側には、プラスボタンBn17が設けられる。ユーザーは、プラスボタンBn17を押下することにより、自らが入力した回答コメントを表示させたい部門又は個人(担当者)、あるいは、回答コメントに対する対応の要請を通知する部門又は個人を、追加することができる。ユーザーによって、複数の個人又は一つ以上の部門が追加された場合、複数の個人又は一つ以上の部門に属する複数の個人のそれぞれに、回答コメントを記入する権限が付与される。
【0091】
したがって、回答を行う担当者は、他の担当者による回答コメントを参照して、より良い回答コメントを記入したり、もしくは、別の観点からの回答コメントを記入したりすることができる。一つの顧客コメントに対して、複数の回答コメントが入力された場合には、社内での協議等に基づいて、最適な回答コメントを一つ選択する処理が行われるものとする。
【0092】
確定ボタンBn18は、コメント入力画面Sc5に対する記入内容及び/又は設定内容を確定させるためのボタンである。確定ボタンBn18がユーザーによって押下されると、画面は、
図5Bに示すコメント入力画面Sc5に画面が遷移する。
【0093】
図5Bに示すコメント入力画面Sc5のコメント記入領域Ar6には、顧客番号“10239”の顧客による「1月の空調電力使用量が非常に高いですが、…(中略)…情報はありますか?」というコメントが記入されている。また、タグ設定領域Ar7においては、“緊急”及び”返信要”のタグが設定されている。さらに、表示範囲及び/又は通知範囲設定領域Ar8においては、表示範囲として“担当営業所・全員”が選択されている。
【0094】
最終確定ボタンBn19は、コメント入力画面Sc5に対する記入内容及び/又は設定内容を最終確定させ、情報共有装置1に送信するためのボタンである。
【0095】
本実施形態によれば、ユーザーは、ダッシュボードに表示された情報のうちの特定の情報を、図表や数値などを指定すること等により特定し、特定した箇所に関連するコメントを記入することができる。また、ユーザーは、コメントの閲覧を許可する範囲(表示範囲)、及び/又は、コメントへの対応を促す通知の送信範囲を指定して、コメントを送信することができる。
【0096】
また、本実施形態では、図表や数値などの情報、及び/又は、表示範囲や通知範囲などのユーザーによる設定内容に基づいて、コメントへの対応(回答)行う担当者が決定されるため、コメントへの対応に適した担当者の選出が可能となる。したがって、適切な担当者の選出に要する時間を節減でき、その結果、顧客の待ち時間を減らすこともできるため、顧客の満足度を向上させることができる。
【0097】
[対応者端末に表示されるダッシュボードの画面の構成例]
(ホーム画面及び通知リスト表示画面)
次に、
図6を参照して、対応者端末3の出力部312(
図1参照)に表示されるダッシュボードのホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例について説明する。
図6は、ホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例を示す図である。
図6Aには、ホーム画面Sc11の構成例を示し、
図6Bには、通知リスト表示画面Sc12の構成例を示す。
【0098】
図6Aに示すホーム画面Sc11の構成は、
図2Bに示すホーム画面Sc2と同一であるため、重複する説明は省略する。
図6Aのホーム画面Sc11のアラーム通知部Amがユーザーによって選択された場合、
図6Bに示す通知リスト表示画面Sc12に画面が遷移する。なお、
図6Aに示すホーム画面Sc11の構成と、
図2Bに示したホーム画面Sc2の構成とは、同一でなくてもよく、それぞれ異なる項目を含んでもよい。
【0099】
図6Bに示す通知リスト表示画面Sc12の上部には、絞り込み条件設定ボタンBn21、並び替え順設定ボタンBn22が配置され、その下方に、通知リストが表示される。
絞り込み条件設定ボタンBn21は、通知リストに表示させるリストに対して絞り込み条件を設定可能なプルダウンリストであり、並び替え順設定ボタンBn22は、通知リストに表示させるリストの並び順を設定可能なプルダウンリストである。
【0100】
図6Bには、絞り込み条件設定ボタンBn21によって、通知リストの表示内容が“全部”に設定され、並び替え順設定ボタンBn22によって、通知リストの並び順が“最新”に設定されている例が示されている。
【0101】
また、
図6Bに示す通知リスト表示画面Sc12においては、ログイン中のユーザーが確認すべきコメントが、新しいコメントから順に(最新順に)一覧で表示されている。通知リストの一番上には、“緊急”及び“返答要”のタグが付加されたコメントが表示されている。対応者端末3を操作する対応者によって、対応を行うコメント、又は、詳細を確認したいコメントの表示領域(例えば、領域As11)が選択された場合、情報共有装置1の制御部13(
図1参照)による制御に基づいて、画面は、回答コメント入力画面Sc13(
図7参照)に遷移する。
【0102】
(回答コメント入力画面)
図7は、回答コメント入力画面Sc13の構成例を示す図である。
図7に示すように、回答コメント入力画面Sc13には、関連図表表示領域Ar11、タグ設定内容表示領域Ar12、コメント表示領域Ar13、通知範囲設定情報表示領域Ar14、回答コメント記入領域Ar15、匿名で返信ボタンBn23及び返信ボタンBn24が設けられる。
【0103】
関連図表表示領域Ar11は、顧客コメントに対応付けられた図表の内容が表示される領域である。
タグ設定内容表示領域Ar12には、顧客コメントに対応付けて設定されたタグがある場合に、そのタグの情報が示される。
コメント表示領域Ar13には、顧客コメントの内容が表示される。
【0104】
通知範囲設定情報表示領域Ar14には、コメントに対して設定された通知範囲に関する情報が表示される。
図7に示す例では、通知範囲設定情報表示領域Ar14に“未指定”の情報が表示されている。つまり、表示中の顧客コメントにおいては、通知範囲が設定されていないことを示す。
【0105】
回答コメント記入領域Ar15は、顧客コメントに対する回答コメントを入力可能なテキストボックスである。
図7に示す例では、回答コメント記入領域Ar15に、「お問い合わせ有難うございます。所有ビルの…(中略)…空調利用集中…(後略)」との回答コメントが入力されている。
【0106】
匿名で返信ボタンBn23は、回答コメント記入領域Ar15に入力された回答コメントを、匿名で返信(送信)するためのボタン(匿名での回答を可能とするインターフェースの一例)である。返信ボタンBn24は、回答コメント記入領域Ar15に入力された回答コメントを、記名で返信(送信)するためのボタンである。回答コメントの記入者が、例えば管理職等の担当者であり、上位管理者が設定されていない場合、匿名で返信ボタンBn23又は返信ボタンBn24が押下されることにより、回答コメントは、匿名又は記名入りでユーザー端末2に送信される。
【0107】
本実施形態では、匿名で回答コメントを送信可能な仕組みが設けられることにより、対応者は、回答コメントとして忌憚のない意見を述べることが可能となる。なお、匿名で回答コメントを送信可能な仕組みは、匿名で返信ボタンBn23の設置に限定されず、他の手法によって実現されてもよい。
【0108】
回答コメントに対して、上位管理者による承認を要する設定がされている場合、返信ボタンBn24が押下されることにより、回答コメントは、上位管理者が操作する対応者端末3に送信される。回答コメントの記入者に対して、部門、又は、複数の上位管理者が設定されている場合には、回答コメントは、部門に属する複数の上位管理者、又は、設定された複数の上位管理者のすべてに対して送信される。そして、回答コメントが送信されたこれらの上位管理者には、該回答コメントに対する承認を行う権限が付与される。該回答コメントに対する承認は、承認処理を最初に行った上記管理者による承認の内容が優先される。したがって、本実施形態によれば、担当者によって記入された回答コメントの内容を、複数の上位管理者が確認することが可能となるため、回答コメントの質を向上させることができる、という効果が得られる。
【0109】
[回答コメントの承認を行う対応者端末に表示されるダッシュボードの画面の構成例]
(ホーム画面及び通知リスト表示画面)
次に、
図8を参照して、回答コメントの承認を行う対応者端末3の出力部312(
図1参照)に表示されるダッシュボードにおける、ホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例について説明する。
図8は、ホーム画面及び通知リスト表示画面の構成例を示す図である。
図8Aには、ホーム画面Sc21の構成例を示し、
図8Bには、通知リスト表示画面Sc22の構成例を示す。
【0110】
図8Aに示すホーム画面Sc21の構成は、
図2Bに示すホーム画面Sc2と同一であるため、重複する説明は省略する。なお、
図8Aに示すホーム画面Sc21の構成と、
図2Bに示すホーム画面Sc2の構成とは、同一でなくてもよく、それぞれ異なる項目を含んでもよい。
【0111】
ホーム画面Sc11のアラーム通知部Amがユーザーによって選択された場合、
図8Bに示す通知リスト表示画面Sc22に画面が遷移する。
図8Bに示す通知リスト表示画面Sc22の構成は、
図6Bに示した通知リスト表示画面Sc12と同一であるため、重複する説明は省略する。なお、
図8Bに示す通知リスト表示画面Sc22の構成と、
図2Bに示す通知リスト表示画面Sc12の構成とは、同一でなくてもよく、それぞれ異なる項目を含んでもよい。
【0112】
図8Bに示す通知リスト表示画面Sc22において、最下段の匿名の投稿者による回答コメントが、承認者によって選択されたとする。この場合、情報共有装置1の制御部13(
図1参照)による制御に基づいて、承認コメント入力画面Sc23(
図9参照)が表示される。
【0113】
(承認コメント入力画面)
図9は、承認コメント入力画面Sc23の構成例を示す図である。
図9に示すように、承認コメント入力画面Sc23には、関連図表表示領域Ar11、タグ設定内容表示領域Ar12、コメント表示領域Ar13、回答コメント表示領域Ar16、フィードバック入力領域Ar17、変更依頼ボタンBn25及び承認ボタンBn26が設けられる。
【0114】
関連図表表示領域Ar11、タグ設定内容表示領域Ar12、コメント表示領域Ar13は、
図7に示す回答コメント入力画面Sc13におけるこれらの領域と同一であるため、重複する説明は省略する。
【0115】
回答コメント記入領域Ar16には、回答者によって記入された回答コメントが表示される。フィードバック入力領域Ar17は、承認者による回答者へのフィードバックのコメントを入力可能なテキストボックスである。承認者は、回答者に対してフィードバックがある場合、フィードバックのコメントをフィードバック入力領域Ar17に記入することができる。
図9に示す例では、フィードバック入力領域Ar17には“特になし。”のコメントが入力されている。
【0116】
変更依頼ボタンBn25は、回答者に対して回答コメントの修正を依頼したい承認者によって押下されるボタンであり、このボタンが押下された場合、情報共有装置1の制御部13(
図1参照)による制御に基づいて、回答者に対して、回答コメントの修正依頼が通知される。すなわち、回答コメントが、回答コメントの記入者に差し戻される。
【0117】
承認ボタンBn26は、回答コメントを承認し、回答コメントを顧客のユーザー端末2の出力部212(
図1参照)に表示可能とするボタンである。
【0118】
<情報共有システムによる情報共有処理>
次に、本実施形態に係る情報共有システム100による情報共有処理について説明する。
[顧客コメント受付処理]
まず、
図10を参照して、情報共有システム100による情報共有処理に含まれる顧客コメント受付処理について説明する。
図10は、顧客コメント受付処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0119】
まず、情報共有システム100の情報共有装置1の顧客コメント受付部132a(
図1参照)は、顧客連絡部131が収集した顧客コメントに関連する情報を、記憶部14より読み込む(ステップSA1)。顧客コメントに関連する情報には、例えば、表示内容情報DB144に格納された顧客コメントの詳細内容、顧客コメントに対応付けられ関連図表、顧客が情報の抽出用に設定したフィルタの設定情報等がある。また、顧客コメントに関連する情報には、通知表示範囲DB143に格納された、コメントの表示範囲及び通知範囲の情報、顧客によって設定されたタブの情報等がある。
【0120】
次いで、情報共有装置1の顧客コメント受付部132aは、ステップSA1で収集した各種情報に基づき、顧客コメントへの回答が必要であるか否かを判定する(ステップSA21)。ステップSA21で、回答は必要でないと判定された場合、顧客コメント受付部132aは、担当の割り当ては行わず、顧客コメントを掲示板に表示する(ステップSA3)。このような処理が行われることにより、対応を必要としていない顧客コメントが不要に担当に割り当てられてしまうことを防げるため、担当が、対応が必要な顧客コメントを探す等の作業を行わずに済む。つまり、担当は、顧客コメントへの対応処理を効率的に行うことができるようになる。
【0121】
一方、ステップSA21で、回答が必要であると判定された場合(ステップSA21がYES判定の場合)、顧客コメント受付部132aは、ステップSA1で収集した各種情報に基づき、顧客コメントにおいて通知範囲が設定されているか否かを判定する(ステップSA22)。
【0122】
ステップSA22で、通知範囲は設定されていないと判定された場合(ステップSA22がNO判定の場合)、顧客コメント受付部132aは、顧客コメントにおいて表示範囲が設定されているか否かを判定する(ステップSA23)。ステップSA23で、表示範囲は設定されていると判定された場合(ステップSA23がYES判定の場合)、顧客コメント受付部132aは、表示範囲の割当先の担当者又は部署を対象として、顧客コメントを表示する(ステップSA4)。
【0123】
一方、ステップSA23で、表示範囲は設定されていないと判定された場合(ステップSA23がNO判定の場合)、顧客コメント受付部132aは、ステップSA1で収集した各種情報に基づき、顧客コメントの回答担当として適切な担当者又は部署を、回答担当に割り当てる(ステップSA24)。次いで、顧客コメント受付部132aは、回答担当の割り当てができたか否かを判定する(ステップSA25)。
【0124】
ステップSA25で、割り当てはできなかったと判定された場合(ステップSA25がNO判定の場合)、顧客コメント受付部132aの通知先割当部1322は、回答担当を、顧客問合せ対応部門へ割り当てる(ステップSA26)。顧客問合せ対応部門には、例えば、カスタマセンタや、テクニカルサポートセンタなどが該当する。
【0125】
ステップSA26の処理後、又は、ステップSA22がYES判定の場合、社内連絡部133は、ステップSA24又はステップSA26で回答担当に割り当てられた担当者又は部署(の対応者端末3)に対して、回答担当に割り当てられた旨を通知する(ステップSA5)。
【0126】
ステップSA6の処理後、顧客コメント受付部132aのコメント表示部1325は、ダッシュボードにおいて、ステップSA24又はステップSA26で回答担当に割り当て先(担当者又は部署)を対象として、顧客コメントを表示する(ステップSA6)。ステップSA3の処理後、ステップSA4の処理後、又は、ステップSA6の処理後、顧客コメント受付処理を終了する。
【0127】
[社内コメント受付処理]
次に、情報共有システム100による情報共有処理に含まれる社内コメント受付処理の手順について、
図11を参照して説明する。
【0128】
図11は、社内コメント受付処理の手順の例を示すフローチャートである。
まず、情報共有装置1の社内コメント受付部132bは、社内連絡部133が収集した、社内のコメントに関連する情報を読み込む(ステップSB1)。社内コメントに関連する情報には、顧客コメントに関連する情報、及び、顧客コメントに対する回答コメントに関する情報が含まれる。
【0129】
顧客コメントに関連する情報は、
図10のステップSA1で顧客コメント受付部132aが収集する情報と同一である。回答コメントに関する情報には、表示内容情報DB134に格納された回答コメントの詳細内容、組織情報DB132に格納された回答担当の組織情報等が含まれる。
【0130】
次いで、ステップSB1で収集した情報に基づき、コメント承認部1323は、回答コメントに対する承認は必要であるか否かを判定する(ステップSB21)。つまり、コメント承認部1323は、回答コメントの記入者に対して、回答コメントの承認を行う上位管理者が設定されているか否かを判定する。
【0131】
ステップSB21で、承認は必要であると判定された場合(ステップSB21がYES判定の場合)、コメント承認部1323は、ステップSB1で収集した情報に基づき、回答者の回答コメントを承認できる上位管理者の情報を取得する(ステップSB22)。次いで、社内連絡部133は、ステップSB22で情報が取得された上位管理者に、回答コメントの承認を依頼する(ステップSB23)。つまり、社内連絡部133は、上位管理者の対応者端末3に、回答コメントの承認を依頼する通知を送信する。
【0132】
次いで、コメント承認部1323は、ステップSB23で回答コメントは承認されたか否かを判定する(ステップSB24)。ステップSB24で、承認されていないと判定された場合(ステップSB24がNO判定の場合)、コメント承認部1323は、回答コメントを回答者に差し戻す(ステップSB25)。つまり、コメント承認部1323は、回答者の対応者端末3に対して、回答コメントの修正を依頼する通知を送信する。ステップSB25の処理後であり、かつ、回答者による修正が行われた場合、処理はステップSB22に戻る。
【0133】
一方、ステップSB24で、承認されたと判定された場合(ステップSB24がYES判定の場合)、又は、ステップSB21がNO判定の場合、社内コメント受付部132bは、承認内容の通知が必要であるか否かを判定する(ステップSB3)。ステップSB3で、通知は必要であると判定された場合(ステップSB3がYES判定の場合)、通知範囲に設定された担当者又は部署、顧客に対して、承認完了の通知を行う(ステップSB4)。
【0134】
ステップSB4の処理後、又は、ステップSB3がNO判定の場合、コメント表示部1325は、通知範囲に設定された担当者又は部署、顧客を対象として、回答コメントを表示する(ステップSB5)。ステップSB5の処理後、社内コメント受付処理は終了する。
【0135】
上述した実施形態によれば、顧客コメントに対して回答を行う担当者や、回答コメントの承認者のみを対象として、顧客コメントが表示される。これにより、不適切な担当者による不適切な回答コメント等が書き込まれてしまうことを防ぐことができるため、不適切な回答コメントによって顧客信頼度が低下してしまう状況の発生を防ぐことができる。また、本実施形態では、顧客コメント及び回答コメントの表示範囲が管理されるため、情報漏洩等がおきることがなくなり、情報漏洩による損害等が発生することを防ぐことができる。
【0136】
なお、上述した実施形態では、ダッシュボードのサービスの提供元が、建物の保全サービスの提供主であり、サービスの享受者であるユーザーがビル管理会社である例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。ビル管理会社がサービスの提供者となってもよく、建物(ビル)内の設備の利用者がユーザーとなってもよい。
【0137】
また、上述した実施形態では、ダッシュボードを介してユーザーに提供される情報が、建物内の設備の稼働状況や、監視状況情報、災害状況などである例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。ダッシュボードを介してユーザーに提供される情報は、社内又は社外を対象としたヘルプデスク業務に関連するQ&Aの情報等、他の情報であってもよい。
【0138】
なお、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0139】
また、
図1において実線で示した制御線又は情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0140】
また、上述した実施形態に係る情報共有システム100の各種機能部や各種データベースなどの配置形態は一例に過ぎない。各種機能部や各種データベースなどの配置形態は、情報共有システム100が備えるハードウェアやソフトウェアの性能、処理効率、通信効率などの観点から最適な配置形態に変更し得る。
【0141】
また、上述した実施形態では、情報共有システム100の各機能が一台のサーバ装置又はコンピュータ装置により一体的に実現されているものとして説明した。しかしながら、これらの各機能は相互に接続された複数台のコンピュータ装置またはサーバ装置によって実現されてもよい。また、情報共有システム100は、ラップトップPCなどの汎用コンピュータ装置と、これにインストールされたウェブブラウザとを含む構成とされてもよい。
【0142】
また、本発明に係る「情報共有システム」は、一つ以上の物理的な計算機で構成されたシステムによって構成されてもよいし、物理的な計算リソース群(例えば、クラウド基盤)上に実現されたシステム(例えば、クラウドコンピューティングシステム)であってもよい。情報共有システムが表示用の情報を「表示する」ことは、計算機が有する表示デバイスに表示用情報を表示することであってもよいし、計算機が表示用計算機に表示用情報を送信することであってもよい(後者の場合は表示用計算機によって表示用情報が表示される)。
【0143】
また、上述した実施形態では、「xxx部」の表現を用いて機能を説明したが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC等)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサによって実行されることによって機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置などを用いながら行われるため、機能はプロセッサの少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、プロセッサあるいはそのプロセッサを有する装置が行う処理としてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1…情報共有装置、2…ユーザー端末、3…対応者端末、100…情報共有システム、131…顧客連絡部、112…出力部、132a…顧客コメント受付部、132b…社内コメント受付部、133…社内連絡部、144…表示内容情報DB、1321…表示先割当部、1322…通知先割当部、1323…コメント承認部、1324…表示先割当部、1325…コメント表示部