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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177720
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】製函装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/26 20170101AFI20241217BHJP
   B31B 50/06 20170101ALI20241217BHJP
【FI】
B31B50/26
B31B50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096014
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】胸永 拓也
(72)【発明者】
【氏名】西尾 誠
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA04
3E075AA05
3E075BA01
3E075CA01
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC02
3E075DC42
3E075FA15
3E075FA32
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】ブランクシートの底面パネルのサイズ変更に際し、部品交換することなくブランクシートを製函することができる製函装置を提供する。
【解決手段】ブランクシートの底面パネルの四隅の夫々に対応する位置に、前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動可能な第1折曲げ部材18aおよび第2折曲げ部材18bを備える。底面パネルの上面の四隅の夫々を支持可能な支持部材19を、前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動可能に備える。折曲げ部材18a,18bと、支持部材19との間にブランクシートが臨む状態で、折曲げ部材18a,18bおよび支持部材19を相対的に接近することでブランクシートが製函される。折曲げ部材18a,18bおよび支持部材19を、ブランクシートの底面パネルのサイズに合わせて前後方向および左右方向に位置調節可能な第1調節手段20および第2調節手段21を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面パネルの両側に側面パネルが連設されると共に、一方の側面パネルにおける底面パネルとは反対側に天面パネルが連設されたブランクシートを箱状体に成形する製函装置であって、
複数の前記ブランクシートが積層されたシートホッパの最下部から、前記底面パネルの下面を吸着手段で吸着してブランクシートを取り出す取出し手段と、
該取出し手段で取り出したブランクシートにおける前記底面パネル、側面パネルおよび天面パネルが連設される第1方向および該第1方向と交差する第2方向に相対的に接近離間移動可能に支持され、前記吸着手段で吸着したブランクシートの側面パネルと、底面パネルにおける第2方向の前後に連設された第1フラップおよび側面パネルにおける第2方向の前後に連設された第2フラップの下面に当接可能な折曲げ手段と、
前記吸着手段で吸着した底面パネルの上面の四隅に対応する部位を支持可能で、前記第1方向および第2方向に相対的に接近離間移動可能な支持部材と、
前記折曲げ手段をブランクシートにおける底面パネルのサイズに合わせて第1方向および第2方向に位置調節可能な第1調節手段および前記支持部材をブランクシートにおける底面パネルのサイズに合わせて第1方向および第2方向に位置調節可能な第2調節手段と、を備え、
該第1調節手段および第2調節手段によって位置調節した折曲げ手段および支持部材を、前記吸着手段でブランクシートを吸着した状態で相対的に接近することで、支持部材で上面が支持された底面パネルに対して側面パネルと、第1および第2フラップを折曲げ手段で折り曲げてブランクシートを箱状体に成形するよう構成した
ことを特徴とする製函装置。
【請求項2】
前記第1調節手段は、前記底面パネルのサイズに合わせて前記折曲げ手段を、該底面パネルの四隅に対応する位置に位置付けるように位置調節するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の製函装置。
【請求項3】
前記折曲げ手段を、前記シートホッパの下方の取出し位置と、該取出し位置から離間した製函位置とに移動する移動機構と、
前記折曲げ手段を昇降移動する昇降手段と、を備え、
前記製函位置の上方に位置する前記支持部材に対し、前記昇降手段により折曲げ手段を上昇して接近することでブランクシートを製函するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の製函装置。
【請求項4】
前記取出し手段の吸着手段で吸着した底面パネルの上面を吸着する吸着手段を備え、底面パネルを上下の吸着手段で挟持した状態で、前記折曲げ手段と支持部材とを相対的に接近してブランクシートを製函するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の製函装置。
【請求項5】
前記底面パネルの上面を吸着する吸着手段を、前記製函位置の上方と、次工程の搬送コンベヤとの間で移動する箱移動機構を備え、
該箱移動機構によって吸着手段を搬送コンベヤに移動することで、製函された箱状体を搬送コンベヤに供給するよう構成したことを特徴とする請求項4記載の製函装置。
【請求項6】
前記折曲げ手段は、該折曲げ手段と支持部材との相対的な接近移動に伴い、前記第1フラップまたは第2フラップの一方を先に折り曲げる折曲げガイドを有し、
該折曲げガイドによって先に折り曲げられたフラップと、該フラップの外側に重なる他方のフラップとの対向面の少なくとも一方に接着剤を塗布する糊付け手段を備え、
該糊付け手段により対向面に接着剤が塗布された第1フラップと第2フラップとを、前記第1調節手段によって相対的に接近する折曲げ手段により押圧するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の製函装置。
【請求項7】
前記第1調節手段によって前記折曲げ手段を、前記第1方向に接近して対向する側面パネルを押した状態で第2方向に接近して第1フラップと第2フラップとを押圧するよう構成したことを特徴とする請求項6記載の製函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクシートを箱状体に成形する製函装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シートホッパから取り出したブランクシートを箱状体に成形する製函装置として、特許文献1に開示のように、シートホッパからロボットで取り出したブランクシートを、該ロボットに設けた折込み部材によって、成形型の上下に開口する収容部に押し込むことで、半製函された箱状体を成形する装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6262173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の製函装置は、ブランクシートにおける底面パネルのサイズに対応したサイズで成形型に形成した収容部に、同じく底面パネルのサイズに対応したサイズで形成した折込み部材によってブランクシートを押し込んで箱状体を成形している。このため、オーダ変更によって製函する箱状体の底面サイズ、すなわちブランクシートにおける底面パネルのサイズが変更される場合には、適合したサイズの収容部が形成された成形型および折込み部材に交換する煩雑な作業が必要となり、ロスタイムが長くなる問題が指摘される。また、底面パネルのサイズ毎に適合するサイズの収容部が形成された成形型および折込み部材が必要になることからコストが嵩むと共に、複数種類の成形型および折込み部材を保管管理する手間が掛かる難点も指摘される。
【0005】
本発明の目的は、ブランクシートの底面パネルのサイズ変更に際し、部品交換することなくブランクシートを製函することができる製函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明の製函装置は、
底面パネル(13)の両側に側面パネル(14)が連設されると共に、一方の側面パネル(14)における底面パネル(13)とは反対側に天面パネル(15)が連設されたブランクシート(10)を箱状体(12)に成形する製函装置であって、
複数の前記ブランクシート(10)が積層されたシートホッパ(11)の最下部から、前記底面パネル(13)の下面を吸着手段(16)で吸着してブランクシート(10)を取り出す取出し手段(17)と、
該取出し手段(17)で取り出したブランクシート(10)における前記底面パネル(13)、側面パネル(14)および天面パネル(15)が連設される第1方向および該第1方向と交差する第2方向に相対的に接近離間移動可能に支持され、前記吸着手段(16)で吸着したブランクシート(10)の側面パネル(14)と、底面パネル(13)における第2方向の前後に連設された第1フラップ(13a)および側面パネル(14)における第2方向の前後に連設された第2フラップ(14a)の下面に当接可能な折曲げ手段(18a,18b,58)と、
前記吸着手段(16)で吸着した底面パネル(13)の上面の四隅に対応する部位を支持可能で、前記第1方向および第2方向に相対的に接近離間移動可能な支持部材(19)と、
前記折曲げ手段(18a,18b,58)をブランクシート(10)における底面パネル(13)のサイズに合わせて第1方向および第2方向に位置調節可能な第1調節手段(20)および前記支持部材(19)をブランクシート(10)における底面パネル(13)のサイズに合わせて第1方向および第2方向に位置調節可能な第2調節手段(21)と、を備え、
該第1調節手段(20)および第2調節手段(21)によって位置調節した折曲げ手段(18a,18b,58)および支持部材(19)を、前記吸着手段(16)でブランクシート(10)を吸着した状態で相対的に接近することで、支持部材(19)で上面が支持された底面パネル(13)に対して側面パネル(14)と、第1および第2フラップ(13a,14a)を折曲げ手段(18a,18b,58)で折り曲げてブランクシート(10)を箱状体(12)に成形するよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、折曲げ手段および支持部材を夫々ブランクシートにおける底面パネルのサイズに応じて位置調節し得るよう構成したので、底面パネルのサイズ変更に際して部品交換を必要とせず、ロスタイムを短縮することができる。また、単一の折曲げ手段および支持部材を各種サイズで兼用することができるので、底面パネルのサイズ毎に対応する折曲げ手段および支持部材を用意する必要はなく、コストを低減し得ると共に保管管理の手間を省くことができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記第1調節手段(20)は、前記底面パネル(13)のサイズに合わせて前記折曲げ手段(18a,18b,58)を、該底面パネル(13)の四隅に対応する位置に位置付けるように位置調節するよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、底面パネルの四隅に対応する位置に折曲げ手段を当接してブランクシートを製函するようにしたので、底面パネルに対して折曲げ手段によって側面パネルおよびフラップを適正に折り曲げることができ、整った形状の箱状体が得られる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記折曲げ手段(18a,18b,58)を、前記シートホッパ(11)の下方の取出し位置(N1)と、該取出し位置(N1)から離間した製函位置(N3)とに移動する移動機構(43,47)と、
前記折曲げ手段(18a,18b,58)を昇降移動する昇降手段(57)と、を備え、
前記製函位置(N3)の上方に位置する前記支持部材(19)に対し、前記昇降手段(57)により(18a,18b,58)を上昇して接近することでブランクシート(10)を製函するよう構成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、支持部材に対して折曲げ手段を上昇してブランクシートを製函するよう構成したので、折曲げ手段の上方に位置する支持部材側に昇降手段を備える必要はなく、支持部材側の大型化、重量化を抑制することができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記取出し手段(17)の吸着手段(16)で吸着した底面パネル(13)の上面を吸着する吸着手段(71)を備え、底面パネル(13)を上下の吸着手段(16,71)で挟持した状態で、前記折曲げ手段(18a,18b,58)と支持部材(19)とを相対的に接近してブランクシート(10)を製函するよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、底面パネルを上下の吸着手段で挟持した状態で側面パネルやフラップを折り曲げるようにしたので、製函中に底面パネルが位置ずれすることなく該底面パネルに対して側面パネルおよびフラップを安定して折り曲げることができる。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記底面パネル(13)の上面を吸着する吸着手段(71)を、前記製函位置(N3)の上方と、次工程の搬送コンベヤ(59)との間で移動する箱移動機構(67)を備え、
該箱移動機構(67)によって吸着手段(71)を搬送コンベヤ(59)に移動することで、製函された箱状体(12)を搬送コンベヤ(59)に供給するよう構成したことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、ブランクシートを製函する際に底面パネルの上面を吸着する吸着手段によって、製函された箱状体を次工程の搬送コンベヤに移送するようにしたので、箱状体を搬送コンベヤへ移送する専用の手段を必要とせず、構成を簡単化することができる。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記折曲げ手段(18a,18b,58)は、該折曲げ手段(18a,18b,58)と支持部材(19)との相対的な接近移動に伴い、前記第1フラップ(13a)または第2フラップ(14a)の一方を先に折り曲げる折曲げガイド(58)を有し、
該折曲げガイド(58)によって先に折り曲げられたフラップ(14a)と、該フラップ(14a)の外側に重なる他方のフラップ(13a)との対向面の少なくとも一方に接着剤を塗布する糊付け手段(49)を備え、
該糊付け手段(49)により対向面に接着剤が塗布された第1フラップ(13a)と第2フラップ(14a)とを、前記第1調節手段(20)によって相対的に接近する折曲げ手段(18a,18b,58)により押圧するよう構成したことを特徴とする。
請求項6の発明によれば、底面パネルのサイズに合わせて折曲げ手段を位置調節する第1調節手段によって、糊付けされるために重なるフラップを押圧し得るようにしたので、簡単な構造でフラップを効果的に糊付けすることができる。
【0012】
請求項7に係る発明では、前記第1調節手段(20)によって前記折曲げ手段(18a,18b,58)を、前記第1方向に接近して対向する側面パネル(14,14)を押した状態で第2方向に接近して第1フラップ(13a)と第2フラップ(14a)とを押圧するよう構成したことを特徴とする。
請求項7の発明によれば、箱状体が歪んだ状態でフラップが糊付けされるのを防ぐことができ、整った形状の箱状体を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ブランクシートの底面パネルのサイズ変更に際し、部品交換することなくブランクシートを製函することができる製函装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】製函装置を示す要部概略正面図である。
図2】製函装置を示す要部概略背面図である。
図3】製函装置を示す要部概略平面図である。
図4】シートホッパを示す概略平面図である。
図5】製函ユニットを示す概略平面図である。
図6】製函ユニットを一部切欠いて示す概略正面図である。
図7】製函ユニットを縦断して示す概略側面図である。
図8】支持手段を示す概略側面図である。
図9】ブランクシートに対する製函時の折曲げ部材と支持部材の位置関係を示す説明図である。
図10】ブランクシートを製函する工程を示す説明図である。
図11】ブランクシートを製函する工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る製函装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0016】
図1に示す如く、実施例の製函装置は、展開された段ボールシートなどのブランクシート10が積層貯留されたシートホッパ11の最下部からブランクシート10を1枚ずつ取り出して箱状体12に成形する装置である。ブランクシート10は、製函した際に胴部を構成する底面パネル13の両側に側面パネル14,14が連設されると共に、一方の側面パネル14における底面パネル13とは反対側に天面パネル15が連設されたものであって、シートホッパ11に積層貯留された状態で、図4に示す如く、4枚のパネル13,14,14,15の並び方向を前後方向(第1方向)、該前後方向と直交(交差)する方向を左右方向(第2方向)と指称する。また、各パネル13,14,15における左右方向の前後端には、フラップ13a,14a,15aが夫々連設されている。各フラップ13a,14a,15aについて、底面パネル13のフラップを第1フラップ13a、側面パネル14のフラップを第2フラップ14a、天面パネル15のフラップを第3フラップ15aと指称する。なお、天面パネル15における側面パネル14との連設側とは反対側には糊付けフラップ15bが連設されている。また、ブランクシート10の各パネル13,14,15およびフラップ13a,14a,15a,15bの連設部には折罫Kが夫々形成されている(図3図9参照)。
【0017】
図1図5図8に示す如く、実施例の製函装置は、前記ブランクシート10の底面パネル13を第1吸着手段(吸着手段)16で吸着してシートホッパ11から取り出す取出し手段17と、該取出し手段17で取り出されたブランクシート10における前記前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動可能に支持され、第1吸着手段16が吸着したブランクシート10の各側面パネル14,14または底面パネル13に連設された2つの第1フラップ13a,13aの下面に当接可能な複数(実施例では8つ)の折曲げ部材(折曲げ手段)18a,18bおよび各側面パネル14に連設された2つの第2フラップ14a,14aの下面に当接可能な複数(実施例では4つ)の折曲げガイド(折曲げ手段)58と、第1吸着手段16で吸着した底面パネル13の上面の四隅に対応する部位を支持可能で、前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動可能な複数(実施例では4つ)の支持部材19と、複数の折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58をブランクシート10における底面パネル13のサイズに合わせて前後方向および左右方向に位置調節可能な第1調節手段20および複数の支持部材19を底面パネル13のサイズに合わせて前後方向および左右方向に位置調節可能な第2調節手段21と、を備え、第1調節手段20および第2調節手段21によって位置調節した折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58と支持部材19を、第1吸着手段16でブランクシート10を吸着した状態で相対的に接近することで、支持部材19で上面が支持された底面パネル13に対して側面パネル14,14、第1フラップ13aおよび第2フラップ14aを折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58で折り曲げてブランクシート10を、上方に開口する箱状体12に成形するよう構成される(図11参照)。
【0018】
図2図3に示す如く、前記シートホッパ11に隣り合って、ブランクシート10を積み重ねた積層シート22の集積ステーション23が設けられ、該集積ステーション23における積層シート22の最上部から、ブランクシート10がシート移送装置24によって1枚ずつ取り上げられてシートホッパ11に供給されるよう構成される。集積ステーション23には、シートホッパ11での積層姿勢と同じ姿勢でブランクシート10が積層されている。シート移送装置24は、最上部のブランクシート10の前後左右の位置を図示しない検出センサで検出し、ブランクシート10に設定されている適正なシート吸着位置を吸着部24aで吸着して取り上げ、該ブランクシート10をシートホッパ11に供給するよう構成される。
【0019】
図2図3に示す如く、前記シートホッパ11の上方に、前記シート移送装置24により供給されるブランクシート10を一時的に支持する受け部32と、該受け部32によって支持されているブランクシート10の中央がシートホッパ11の中央に整合するようにブランクシート10の前後左右の端を位置決めする整合手段33と、が設けられる。受け部32は、ブランクシート10の短手方向となる左右方向に離間して、シートホッパ11の後述する支え部材25,25で支持される積層シート上部への落下通路を閉鎖可能な、一対の水平移動バーからなるゲート32a,32aを備え、該ゲート32a,32aは、サーボモータ34によって駆動する開閉機構35によって相互に接近してブランクシート10を下方から支持可能な支持位置と、相互に離間してブランクシート10を落下させ得る開放位置とに移動される。整合手段33は、前後方向に対向する前後ガイド36,36と、左右方向に対向する左右ガイド37,37と、を備える。前後方向に対向する前後ガイド36,36は、サーボモータ38によって駆動される前後移動機構39によって、ゲート32a,32aで支持されているブランクシート10に干渉しない外方の退避位置から、シートホッパ11の前後方向の中央に向けた整合位置に移動するよう構成されて、シートホッパ11における前後方向の中央に、ゲート32a,32aで支持されているブランクシート10の前後方向の中央を、シート端を押して移動することで整合させ得るよう構成される。また、左右方向に対向する左右ガイド37,37は、前後方向に離間して2対備え、各対の左右ガイド37,37は、サーボモータ40によって駆動される左右移動機構41によって、ゲート32a,32aで支持されているブランクシート10に干渉しない外方の退避位置から、シートホッパ11の左右方向の中央に向けた整合位置に移動するよう構成されて、シートホッパ11における左右方向の中央に、ゲート32a,32aで支持されているブランクシート10の左右方向の中央を、シート端を押して移動することで整合させ得るよう構成される。
【0020】
図2図4に示す如く、前記シートホッパ11は、左右方向に離間してブランクシート10の左右端部を下側から支える一対の支え部材25,25と、該支え部材25,25より上方に延出し、前後方向に対向して離間配置される前後規制部材26,26と、支え部材25,25より上方に延出し、左右方向に対向して離間配置される左右規制部材27,27と、から上下方向に開放するよう形成されて、前後左右の規制部材26,26,27,27によってブランクシート10の対応する端の位置を規制することで、当該シートホッパ11の前後左右の中央に対してブランクシート10の前後左右の中央を整列させ得るよう構成される。
【0021】
前記前後規制部材26,26は、サーボモータ28によって駆動される前後スライド機構29によって相互に接近離間移動可能に支持されると共に、前記左右規制部材27,27は、サーボモータ30によって駆動される左右スライド機構31によって相互に接近離間移動可能に支持されており、ブランクシート10のサイズに応じて前後スライド機構29および左右スライド機構31によって前後規制部材26,26および左右規制部材27,27を位置調節して、各種サイズのブランクシート10の前後左右の端縁を位置決めし得るよう構成される。また、前記一対の支え部材25,25は、前記左右スライド機構31によって左右規制部材27,27と一体で移動するよう構成されており、支え部材25,25は、左右規制部材27,27で左右の端縁が規制されているブランクシート10のフラップ13a,14a,15aを支持する位置に位置決めされる。すなわち、両支え部材25,25の間には、ブランクシート10のパネル13,14,15が通過可能な空所が画成されており、前記取出し手段17によるブランクシート10の取り出しに際し、フラップ13a,14a,15aが折り曲がって空所からブランクシート10を下方に取り出し可能に構成される。
【0022】
図1に示す如く、前記シートホッパ11より下方に、サーボモータ42によって駆動される左右スライド機構43によって左右方向に移動される基台72が配設され、該基台72に、図示しないサーボモータによって駆動される前後スライド機構47によって前後方向に移動される支持台44が支持されている。支持台44には、前記取出し手段17、複数の折曲げ部材18a,18bおよび複数の折曲げガイド58から構成される雌型45が配設されて一体的に移動するよう構成されており、支持台44、取出し手段17、複数の折曲げ部材18a,18bおよび複数の折曲げガイド58を有する製函ユニット73は、左右スライド機構43および前後スライド機構47によって左右方向および前後方向に移動される。図3に示す如く、左右スライド機構43は、基台72を移動することで製函ユニット73(取出し手段17および雌型45)を、シートホッパ11の下方の取出し位置N1(図1の実線参照)と、該取出し位置N1から右方に離間した中間位置N2とに位置付けるよう構成される。また、前後スライド機構47は、中間位置N2に位置付けられた製函ユニット73を前後方向に移動することで、中間位置N2と、該中間位置N2から後方に離間した製函位置N3(図1の二点鎖線参照)とに位置付けるよう構成される。実施例では、左右スライド機構43および前後スライド機構47により、折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58を、取出し位置N1と、該取出し位置N1から離間した製函位置N3とに移動する移動機構が構成される。
【0023】
図5図6図7に示す如く、前記取出し手段17は、第1吸着手段16と、該第1吸着手段16を昇降移動するエアシリンダ48a,48bと、を備える。第1吸着手段16は、左右方向に離間する複数(実施例では2つ)の上向きの吸着カップ16aと、該吸着カップ16aの外周囲に位置して吸着カップ16aで吸着される底面パネル13の下面を支持可能な板状の支持体16bと、を備え、吸着カップ16aおよび支持体16bは、前記支持台44に配設されたエアシリンダ48a,48bによって一体で昇降するよう構成される。エアシリンダ48a,48bは、第1エアシリンダ48aと第2エアシリンダ48bとを直線的に連結して構成され、第1エアシリンダ48aは、前記取出し位置N1において吸着カップ16aを上昇してブランクシート10における底面パネル13の下面を吸着した後、該吸着カップ16aを下降することでシートホッパ11からブランクシート10を取り出して、該ブランクシート10を前記雌型45(折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58)の上方において、少なくとも各折曲げ部材18a,18bが底面パネル13の隅角に対応する外側位置に位置付けるよう構成される(図9参照)。また、第2エアシリンダ48bは、前記製函位置N3においてブランクシート10を吸着している第1吸着手段16を、前記支持部材19を備える後述する雄型60に設けた第2吸着手段71とでブランクシート10を上下から挟持する位置まで上昇するよう構成される(図10(b)参照)。シートホッパ11における中間位置側に、取出し手段17で取り出されて中間位置N2に向けて製函ユニット73と共に移送されるブランクシート10における2つの第1フラップ13aの上面(箱状体12での内側を向く面)に接着剤を塗布する糊付け手段49が設けられている(図1参照)。なお、糊付け手段49は、ブランクシート10が箱状体12に成形された際に第1フラップ13aにおける2つの第2フラップ14a,14aと対向する2箇所に接着剤を塗布する。
【0024】
図5に示す如く、前記製函ユニット73は、前記第1吸着手段16で底面パネル13を吸着した状態で、前記側面パネル14,14、第1フラップ13a,13aおよび第2フラップ14a,14aを折り曲げることで成形される箱状体12における四つの各隅に対応して位置し、前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動可能な4つの可動体50を備える。各可動体50には、箱状体12の各隅に対応する外側に位置する第1折曲げ部材18aおよび第2折曲げ部材18bが上方に向けて所定長さで延出するように配設されている。各折曲げ部材18a,18bは、図9に示す如く、ブランクシート10の製函に際し、第1折曲げ部材18aが、底面パネル13の隅角に接近して底面パネル13に連設される側面パネル14における折罫Kより側面パネル側の下面に当接すると共に、第2折曲げ部材18bが、底面パネル13の隅角に接近して底面パネル13に連設される第1フラップ13aにおける折罫Kより第1フラップ側の下面に当接するよう設定される。そして、折曲げ部材18a,18bと前記支持部材19とによる製函に際し、該支持部材19に対して折曲げ部材18a,18bを相対的に接近移動することで、各第1折曲げ部材18aによって底面パネル13に対して側面パネル14を折り曲げると共に、各第2折曲げ部材18bによって底面パネル13に対して第1フラップ13aを折り曲げるよう構成される。
【0025】
図6図7に示す如く、各可動体50には、側面パネル14の第2フラップ14aに下方から当接可能な折曲げガイド58が、第1および第2折曲げ部材18a,18bより上方に延出するように設けられており、ブランクシート10の製函に際し、底面パネル13の第1フラップ13aが第2折曲げ部材18bで折り曲げられる前に、折曲げガイド58によって第2フラップ14aを折り曲げることで、製函された際に第1フラップ13aの内側に第2フラップ14aが重なるよう構成される(図11参照)。なお、前記取出し手段17によってシートホッパ11から取り出されたブランクシート10の下面は、4つの折曲げガイド58の上端で支持されるようになっている。実施例では、可動体50に第1折曲げ部材18a、第2折曲げ部材18bおよび折曲げガイド58が配設された4組の折曲げ手段によって、ブランクシート10から箱状体12を成形する雌型45が構成される。なお、前記第1吸着手段16は、雌型45の中央に位置している。
【0026】
図5図6に示す如く、前記第1調節手段20は、前後方向に対向する可動体50,50を前後方向に接近離間移動する前後調節機構51と、左右方向に対向する可動体50,50を左右方向に接近離間移動する左右調節機構52と、を備える。前後調節機構51は、左右方向に離間して2基配置され、各前後調節機構51によって前後方向に対向する2つの可動体50,50が前後方向に接近離間移動され、2基の前後調節機構51,51が、1基の左右調節機構52によって左右方向に接近離間移動されることで、左右方向に対向する2組の可動体50,50が左右方向に接近離間移動される。左右調節機構52は、サーボモータ53と、2基の前後調節機構51,51が連繋されたスライド機構54と、を備え、サーボモータ53によってスライド機構54を駆動することで、前後調節機構51,51、すなわち左右方向に対向する可動体50,50の第2折曲げ部材18b,18bおよび折曲げガイド58,58が相対的に接近離間移動する。また、前後調節機構51は、サーボモータ55と、2つの可動体50,50が連繋されたスライド機構56と、を備え、サーボモータ55によってスライド機構56を駆動することで、前後方向に対向する可動体50,50の第1折曲げ部材18a,18aおよび折曲げガイド58,58が相対的に接近離間移動する。
【0027】
図6図7に示す如く、前記支持台44に対して左右調節機構52は上下方向に移動可能に支持され、支持台44に配設したエアシリンダなどの昇降手段57によって左右調節機構52を上下方向に移動することで、雌型45(折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58)が上下方向に移動するよう構成される。
【0028】
図1に示す如く、前記製函位置N3を挟んでシートホッパ11とは反対側に、箱状体12を次工程に搬送する搬送コンベヤ59が配置されている。該搬送コンベヤ59より上方に、前記雌型45と協働してブランクシート10を箱状体12に成形する前記支持部材19を備える雄型60が配設されている。雄型60は、製函位置N3に位置付けられたブランクシート10における底面パネル13の上面の四隅に対応する部位を上側から支持可能な4つの前記支持部材19を前後方向および左右方向に離間して備える。図9に示す如く、各支持部材19は、下面形状がL字状に形成されており、底面パネル13の隅角に対応して交差する折罫K,Kに接近した位置を支持可能に構成されている。4つの支持部材19を前後方向および左右方向に相対的に接近離間移動する前記第2調節手段21は、前後方向に対向する支持部材19,19を前後方向に接近離間移動する前後調節機構61と、左右方向に対向する支持部材19,19を左右方向に接近離間移動する左右調節機構62と、を備える。前後調節機構61は、左右方向に離間して2基配置され、各前後調節機構61によって前後方向に対向する2つの支持部材19,19が前後方向に接近離間移動され、2基の前後調節機構61,61が、1基の左右調節機構62によって左右方向に接近離間移動される。左右調節機構62は、サーボモータ63と、2基の前後調節機構61,61が連繋されたスライド機構64と、を備え、サーボモータ63によってスライド機構64を駆動することで、前後調節機構61,61、すなわち左右方向に対向する支持部材19,19が相対的に接近離間移動する。また、前後調節機構61は、図8に示す如く、サーボモータ65と、前後方向に対向する2つの支持部材19,19の一方の支持部材19が連繋されたスライド機構66と、を備える。前後方向に対向する他方の支持部材19は、定位置に固定されており、サーボモータ65によってスライド機構66を駆動することで、他方の支持部材19に対して一方の支持部材19が接近離間移動する。
【0029】
図1図8に示す如く、前記左右調節機構62は、箱移動機構67によって左右方向に移動するよう支持される。箱移動機構67は、サーボモータ68によって駆動されるスライド機構69に左右調節機構62のスライド機構64が連繋されており、スライド機構69によって左右調節機構62を左右方向に移動することで、雄型60を製函位置N3の上方と、搬送コンベヤ59の上方の箱供給位置N4とに位置付け得るよう構成される。また、左右調節機構62のスライド機構64は、箱移動機構67のスライド機構69に対して回転機構70によって水平方向に90度回転可能に支持されており、製函位置N3の上方で成形された箱状体12を、後述する第2吸着手段71で吸着した状態で90度水平回転して姿勢を変換して、搬送コンベヤ59に供給し得るよう構成される。
【0030】
図1に示す如く、前記雄型60における4つの支持部材19の中央位置に、ブランクシート10における底面パネル13の上面を吸着可能な第2吸着手段71を備える。第2吸着手段71は、左右方向に離間する複数(実施例では2つ)の下向きの吸着カップ71aと、該吸着カップ71aの外周囲に位置して吸着カップ71aで吸着される底面パネル13の上面を支持可能な板状の支持体71bと、を備え、前記製函位置N3においてブランクシート10が第1吸着手段16で持ち上げられた際に、第2吸着手段71で底面パネル13の上面を吸着すると共に、第1吸着手段16および第2吸着手段71の支持体16b,71bによって底面パネル13を上下方向に挟持するよう構成される(図10(b)参照)。
【0031】
次に、実施例に係る製函装置の作用について説明する。
【0032】
前記集積ステーション23に積層されているブランクシート10は、前記シート移送装置24によって最上部から1枚ずつ取り上げられて、シートホッパ11の上方に位置する受け部32に受け渡される。ブランクシート10が受け部32に受け渡されると、前記整合手段33の前後ガイド36,36および左右ガイド37,37が対応する移動機構39,41によってブランクシート10より外方の退避位置から中央側の整合位置まで移動され、ブランクシート10のサイズに合わせてブランクシート10の前後左右の端縁がガイド36,36,37,37に押し付けられ、ブランクシート10が水平面内で傾いていないように、かつシートホッパ中央とブランクシート中央とを整合させる。前後左右のガイド36,36,37,37による整合動作によってブランクシート10が位置合わせされると、前記受け部32のゲート32a,32aを相互に離間して開放位置に移動することで、ブランクシート10の支持が解除されて該ブランクシート10は落下し、前記シートホッパ11の支え部材25,25上に所定量積層されたブランクシート10の上部に移載される。
【0033】
図4に示す如く、前記シートホッパ11の前後および左右の規制部材26,26,27,27は、対応するスライド機構29,31によってブランクシート10のサイズに合わせて対応する端縁を規制する位置に位置付けられており、受け部32から落下するブランクシート10は、前後および左右の規制部材26,26,27,27に案内されて、シートホッパ11の中央にブランクシート10の中央が整列する状態で該ブランクシート10は、支え部材25,25上に所定量積層されたブランクシート10上に移載される。このようにして、前記シート移送装置24および受け部32によるシートホッパ11へのブランクシート10の供給が繰り返されて、製函装置で使用されてシートホッパ11内のブランクシート10が減少しても、シートホッパ11に対してブランクシート10が1枚ずつ良好に補充される。
【0034】
前記製函ユニット73は、ブランクシート10の取り出しに際し、前記左右スライド機構43および前後スライド機構47によって、当該ブランクシート10における底面パネル13のサイズに合わせて位置調節された折曲げ部材18a,18bが、底面パネル13の隅角に接近した外側位置の下方に臨む取出し位置N1に位置付けられる。そして、前記取出し手段17は、第1エアシリンダ48aによって第1吸着手段16を上昇し、該第1吸着手段16でブランクシート10における底面パネル13の下面を吸着した後、第1エアシリンダ48aによって第1吸着手段16を下降することで、シートホッパ11の最下部からブランクシート10が取り出される。第1吸着手段16は、前記雌型45の4つの折曲げガイド58の上端でブランクシート10が支持される位置で下降が停止される(図6,図7参照)。また、4つの折曲げガイド58は、ブランクシート10における4つの第2フラップ14aの下面に当接する。また、第1吸着手段16で吸着されているブランクシート10は、雌型45の各折曲げ部材18a,18bが、底面パネル13の各隅角に接近した外側位置に臨むように保持される。
【0035】
前記製函ユニット73は、前記左右スライド機構43によって取出し位置N1から中間位置N2まで移動された後、前後スライド機構47によって中間位置N2から製函位置N3まで移動される。取出し位置N1から中間位置N2に向けて製函ユニット73と共に移送されるブランクシート10の各第1フラップ13aの上面に、前記糊付け手段49によって接着剤が塗布される。図10(a)に示す如く、製函位置N3の上方に雄型60が位置付けられており、製函ユニット73によって移送されるブランクシート10は、製函位置N3において、底面パネル13の4隅に雄型60の支持部材19が当接可能な位置に位置付けられる。製函位置N3に移動した製函ユニット73は、前記第1吸着手段16を第2エアシリンダ48bによって上昇することで、第1吸着手段16で下面が吸着されている底面パネル13の上面が第2吸着手段71に下方から当接して吸着されると共に、第1吸着手段16および第2吸着手段71の支持体16b,71bによって底面パネル13は上下方向に挟持される(図10(b)参照)。また、底面パネル13の上面における四隅の夫々に支持部材19が当接して支持し、該底面パネル13の上方への移動は規制される。
【0036】
前記底面パネル13が吸着手段16,71で挟持されると共に、上面の四隅が支持部材19で当接支持されると、図11(a)に示す如く、前記昇降手段57によって雌型45が持ち上げられて支持部材19に接近し、ブランクシート10の側面パネル14、第1フラップ13aおよび第2フラップ14aの夫々が折罫Kで所定の順序で折り曲げられて上方に開口する箱状体12に成形される。すなわち、先ず折曲げガイド58によって各側面パネル14の第2フラップ14aが側面パネル14に対して折罫Kで折り曲げられ、次に第2折曲げ部材18bによって側面パネル14が底面パネル13に対して折罫Kで折り曲げられると共に第1折曲げ部材18aによって底面パネル13に対して第1フラップ13aが折罫Kで折り曲げられ、第2フラップ14aの外側に第1フラップ13aが重なるようにして箱状体12が成形される。
【0037】
前記ブランクシート10が箱状に成形された後、前記雌型45の前後方向に対向する第1折曲げ部材18a,18aが、前後調節機構51によって側面パネル14,14の折り曲げ時より接近するよう移動され、側面パネル14が底面パネル13に対して略直角で折り曲がる状態に保持された後、雌型45の左右方向に対向する第2折曲げ部材18b,18bが、左右調節機構52によって第1フラップ13a,13aの折り曲げ時より接近するよう移動されて、第2フラップ14aの外側に重なる第1フラップ13aの接着剤が塗布された面が第2折曲げ部材18bによって第2フラップ14aに向けて押し付けられて、両フラップ13a,14aが効果的に糊付けされる。
【0038】
図11(b)に示す如く、前記第2吸着手段71によって箱状体12の底面パネル13の上面が吸着されている状態で、前記第1吸着手段16による吸着を解除し、第2エアシリンダ48bによって第1吸着手段16を下降すると共に、前記昇降手段57によって雌型45を下降して箱状体12の外側から下方に離脱する。前記雄型60は、前記箱移動機構67によって前記搬送コンベヤ59の上方まで移動されると共に、前記回転機構70によって水平方向に90度回転して箱状体12の向きを変換した後、第2吸着手段71の吸着を解除することで箱状体12は搬送コンベヤ59に移載される。
【0039】
オーダ変更によってブランクシート10における底面パネル13のサイズが変更された場合は、図5に示す如く、前記第1調節手段20によって雌型45における第1折曲げ部材18aおよび第2折曲げ部材18bを、底面パネル13のサイズに応じて箱状体12における四隅(底面パネル13の隅角)に対応する外側位置に位置付けるように位置調節する。また、前記第2調節手段21によって雄型60の支持部材19を、ブランクシート10における底面パネル13のサイズに応じて該底面パネル13の四隅に対応する位置に位置付けるように位置調節する。そして、第1および第2調節手段20,21によって折曲げ部材18a,18bおよび支持部材19が位置調節された雌型45および雄型60を用いることで、サイズ変更後のブランクシート10を適切に製函することができる。
【0040】
実施例の製函装置では、ブランクシート10から箱状体12を製函する折曲げ部材18a,18b、折曲げガイド58および支持部材19を、ブランクシート10における底面パネル13のサイズに応じた位置に位置調節し得るよう構成したので、ブランクシート10における底面パネル13のサイズ変更に際して部品交換を必要とせず、ロスタイムを短縮することができる。また、折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58を備えた単一の雌型45および支持部材19を備えた単一の雄型60を、各種サイズで兼用することができるので、底面パネル13のサイズ毎に対応する雌型45および雄型60を用意する必要はなく、コストを低減し得ると共に保管管理の手間を省くことができる。また、雌型45を備える製函ユニット73に取出し手段17を設けているので、シートホッパ11から取り出したブランクシート10における底面パネル13の隅角に対応する適切な位置を、雌型45の各折曲げ部材18a,18bに対して位置付けることができる。また、ブランクシート10は、製函されるまで第1吸着手段16で吸着されているので、製函ユニット73が取出し位置N1から製函位置N3まで移動する間にブランクシート10と雌型45の各折曲げ部材18a,18bとの相対的な位置が変化することはなく、ブランクシート10を適正に製函することができる。
【0041】
実施例の製函装置では、製函時には、底面パネル13の四隅を支持部材19で支持したもとで、該底面パネル13に連設される側面パネル14および第1フラップ13aにおける底面パネル13の四隅に対応する外側位置に折曲げ部材18a,18bを当接してブランクシート10を製函するようにしたので、底面パネル13に対して折曲げ部材18a,18bによって側面パネル14および第1フラップ13aを適正に折り曲げることができ、整った形状の箱状体12を得ることができる。また、製函時には、底面パネル13を上下の吸着手段16,71で挟持した状態で側面パネル14や第1フラップ13aを折り曲げるようにしたので、底面パネル13の位置がずれることなく該底面パネル13に対して側面パネル14および第1フラップ13aを安定して折り曲げることができる。
【0042】
実施例の製函装置では、糊付けされる第1フラップ13aと第2フラップ14aとを、ブランクシート10における底面パネル13のサイズに合わせて第2折曲げ部材18bを位置調節する第1調節手段20を用いて押圧するよう構成したので、押圧するための専用の手段を必要とせず、簡単な構造でフラップ13a,14aを効果的に糊付けすることができる。また、第1折曲げ部材18a,18aによって側面パネル14,14を底面パネル13に対して直角となるように折り曲げた状態で、第1フラップ13aと第2フラップ14aとを第2折曲げ部材18b,18bで押圧するようにしたので、第1フラップ13aと第2フラップ14aとが斜めの状態で糊付けされてしまうことはなく、整った形状の箱状体12を得ることができる。
【0043】
実施例の製函装置では、製函位置の上方に位置付けた雄型60(支持部材19)に対して雌型45(折曲げ部材18a,18bおよび折曲げガイド58)を上昇してブランクシート10を製函するよう構成したので、雌型45の上方に位置する雄型60側に昇降手段を備える必要はなく、雄型60側の大型化、重量化を抑制することができる。また、ブランクシート10を製函する際に底面パネル13の上面を吸着する第2吸着手段71によって、製函された箱状体12を次工程の搬送コンベヤ59へ移送するようにしたので、箱状体12を搬送コンベヤ59へ移送する専用の手段を必要とせず、構成を簡単化することができる。
【0044】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例では、折曲げ部材18a,18bを、箱状体12の四隅に対応する外側位置に位置付けるよう構成したが、支持部材19と協働して側面パネル14や第1フラップ13aを折り曲げることができる位置であれば、隅でなくてもよい。
(2) 実施例では、可動体50に第1折曲げ部材18aと第2折曲げ部材18bとを配設して一体で移動するよう構成したが、第1折曲げ部材18aと第2折曲げ部材18bとを夫々別の調節機構によって移動する構成を採用することができる。また、折曲げガイド58についても、折曲げ部材18a,18bとは別の調節機構によって移動する構成を採用することができる。なお、折曲げガイド58は、第2フラップ14aに当接可能であれば、底面パネル13の所定範囲のサイズ変更において共通位置に固定配置し、折曲げ部材18a,18bのみを底面パネル13のサイズに合わせて調節する構成を採用することができる。
(3) 実施例では、第1フラップ13aの折り曲げタイミングより先行して折曲げガイド58で第2フラップ14aを折り曲げることで、第2フラップ14aの外側に第1フラップ13aを重ねて糊付けするよう構成したが、折曲げガイド58による第2フラップ14aの折り曲げを、第1フラップ13aの折り曲げタイミングより後にすると共に、第1フラップ13aと第2フラップ14aの対向面の何れか一方に糊付け手段49により接着剤を塗布することで、第1フラップ13aの外側に第2フラップ14aを重ねて糊付けする構成を採用することができる。
(4) 実施例では、雌型45を取出し位置N1から右方に移動した後に後方に移動して製函位置N3に位置付けるよう構成したが、実施例の中間位置N2を製函位置N3として、該製函位置N3の上方に雄型60を位置付ける構成を採用することができる。
(5) 実施例では、雄型60に対して雌型45を上昇してブランクシート10を製函するよう構成したが、雌型45に対して雄型60を下降してブランクシート10を製函する構成を採用することができる。
(6) 第2調節手段21の前後調節機構61は、実施例では固定配置した一方の支持部材19に対して他方の支持部材19を接近離間移動するよう構成したが、前後に対向する2つの支持部材19,19を相互に接近離間移動する構成を採用することができる。
(7) 第1および第2吸着手段16,71における吸着カップ16a,71aの数は、吸着カップ16a,71aの形状や、その他の吸着条件や、シートサイズに応じて1個または3個以上であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 ブランクシート,11 シートホッパ,12 箱状体,13 底面パネル
13a 第1フラップ,14 側面パネル,14a 第2フラップ,15 天面パネル
16 第1吸着手段(吸着手段),17 取出し手段
18a 第1折曲げ部材(折曲げ手段),18b 第2折曲げ部材(折曲げ手段)
19 支持部材,20 第1調節手段,21 第2調節手段
43 左右スライド機構(移動機構),47 前後スライド機構(移動機構)
49 糊付け手段,57 昇降手段,58 折曲げガイド(折曲げ手段)
59 搬送コンベヤ,67 箱移動機構,71 第2吸着手段(吸着手段)
N1 取出し位置,N3 製函位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11