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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177721
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A63F5/04 602C
A63F5/04 611C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096017
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】西澤 暢
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB05
2C182CE26
(57)【要約】
【課題】設定確認に関する機能を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】コンプリート機能を備え、メインCPUは、電子化メダルの投入受付中に設定確認条件を満たすと設定確認モードに移行させ、コンプリート機能による遊技進行の制限中においても設定確認モードに移行可能とした。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備えた遊技機であって、
設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段を備え、
前記設定確認手段は、
遊技価値の投入受付中に所定の移行条件を満たすと前記設定確認モードに移行させ、
前記特定機能による遊技進行の停止中においても前記設定確認モードに移行可能とした、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者が所定の投入口に遊技媒体を投入して規定投入数の遊技媒体がベットされると、遊技開始操作が可能となり、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
また従来から、有利度合いを示す設定値を確認できる機能を備えた遊技機が知られており、例えば、遊技モードにおいて、設定キースイッチ25に設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに90度設定キーが回された状態で設定変更スイッチ26が押下されると、設定値を確認可能な設定確認モードにするスロットマシンが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また近年では、物理的なメダルを用いずに電子的な遊技価値を遊技媒体として用いて遊技を行うことができるスマートパチスロ(登録商標)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-10399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スマートパチスロでは、物理的なメダルを介在させないことに伴い新たな仕様が導入されるため、設定確認に関する機能も新たな仕様に対応させる必要があり、設定確認に関する機能の向上を図ることが望まれている。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定確認に関する機能を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備えた遊技機であって、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段を備え、前記設定確認手段は、遊技価値の投入受付中に所定の移行条件を満たすと前記設定確認モードに移行させ、前記特定機能による遊技進行の停止中においても前記設定確認モードに移行可能とした遊技機に関するものである。
【0009】
本発明では、遊技を実行可能な遊技価値の投入受付中のみならず特定機能による遊技進行の停止中においても設定確認モードに移行可能としたため、特定機能による遊技進行の停止中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。
【0010】
(2)本発明は、電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備えた遊技機であって、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段と、遊技価値数を記憶する記憶手段と、前記遊技価値数が特定数以上となったことを報知する特定報知を実行する演出制御手段と、を備え、前記設定確認手段は、遊技価値の投入受付中に前記所定の移行条件を満たすと前記特定報知の実行中であっても前記設定確認モードに移行させ、前記特定機能による遊技進行の停止中においても前記設定確認モードに移行可能とした遊技機に関するものである。
【0011】
本発明では、遊技を実行可能な遊技価値の投入受付中のみならず特定機能による遊技進行の停止中においても設定確認モードに移行可能としたため、特定機能による遊技進行の停止中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。また本発明では、遊技価値の投入受付中に所定の移行条件を満たすと特定報知の実行中であっても設定確認モードに移行させるため、特定報知の実行中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。
【0012】
(3)本発明は、電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備えた遊技機であって、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段と、遊技価値数を記憶する記憶手段と、前記遊技価値数が第1数以上となったことを報知する特定報知を実行する演出制御手段と、を備え、前記設定確認手段は、遊技価値の投入受付中に前記所定の移行条件を満たすと前記特定報知の実行中であっても前記設定確認モードに移行させ、前記特定機能による遊技進行の停止中においても前記設定確認モードに移行可能とし、前記遊技価値数が前記第1数よりも多い第2数に到達したことを示すエラー中は前記設定確認モードに移行させない遊技機に関するものである。
【0013】
本発明では、遊技を実行可能な遊技価値の投入受付中のみならず特定機能による遊技進行の停止中においても設定確認モードに移行可能としたため、特定機能による遊技進行の停止中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。また本発明では、遊技価値の投入受付中に所定の移行条件を満たすと特定報知の実行中であっても設定確認モードに移行させるため、特定報知の実行中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。また本発明では、遊技価値数が特定報知に係る第1数よりも多い第2数に達したことを示すエラー中は設定確認モードに移行させないため、エラーの解除を優先させることができる。
【0014】
(4)本発明は、電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備え、遊技価値の貸し出しを行う特定ユニットと接続可能な遊技機であって、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段を備え、前記設定確認手段は、遊技価値の投入受付中に所定の移行条件を満たすと前記設定確認モードに移行させ、前記特定機能による遊技進行の停止中においても前記設定確認モードに移行可能とし、前記特定ユニットとの未接続状態では前記設定確認モードに移行させない遊技機に関するものである。
【0015】
本発明では、遊技を実行可能な遊技価値の投入受付中のみならず特定機能による遊技進行の停止中においても設定確認モードに移行可能としたため、特定機能による遊技進行の停止中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。また本発明では、特定ユニットとの未接続状態では設定確認モードに移行させないため、特定ユニットとの未接続状態の解消を優先させることができる。
【0016】
(5)本発明は、電源投入からの遊技価値の増加数が予め定められた所定数に到達すると遊技進行を停止させる特定機能を備えた遊技機であって、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる設定確認手段と、を備え、前記設定確認手段は、遊技機筐体の前面扉が開放されていることを示すエラーとは異なるエラー中は前記設定確認モードに移行させないが、前記特定機能による遊技進行の停止中において前記設定確認モードに移行可能とした遊技機に関するものである。
【0017】
本発明では、遊技機筐体の前面扉が開放されていることを示すエラーとは異なる他のエラー中は設定確認モードに移行させないが、特定機能による遊技進行の停止中において設定確認モードに移行可能としたため、他のエラー中は設定値を確認できないが特定機能による遊技進行の停止中において設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態の遊技機および専用ユニットの概略的な電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図4】本発明の第1の実施形態の遊技機および専用ユニットの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
図5】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板のメイン起動処理を説明するフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板のメイン起動処理を説明するフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板のメイン起動処理を説明するフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板の遊技進行処理を説明するフローチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態の遊技機および専用ユニットにおける遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の通知タイミングを示したタイミングチャートである。
図10】本発明の第1の実施形態の遊技機における遊技機情報通知の送信タイミングを説明するための説明図である。
図11】本発明の第1の実施形態の遊技機における電源投入時の通信仕様を説明するフローチャートである。
図12】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメダル数制御基板の通信許可処理を説明するフローチャートである。
図13】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメダル数制御基板を説明する図である。
図14】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメダル数制御基板の遊技メダル数クリア処理を説明するフローチャートである。
図15】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメニュー演出において表示される画像を示す図である。
図16】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメニュー演出において表示される画像を示す図である。
図17】本発明の第1の実施形態の遊技機における特定エラー報知において表示される画像を示す図である。
図18】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるエラーを説明する図である。
図19】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板の投入処理を説明するフローチャートである。
図20】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板のコンプリートエラー処理およびエラー停止中処理を説明するフローチャートである。
図21】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるメイン基板のドア開放エラー監視処理および設定値確認処理を説明するフローチャートである。
図22】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるエラー履歴の表示を示す図である。
図23】本発明の第1の実施形態の遊技機における貸出計数履歴の表示を示す図である。
図24】本発明の第2の実施形態の遊技機における液晶ディスプレイについて説明する図である。
図25】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるデモ演出中に表示される表示について説明する図である。
図26】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるデモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
図27】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるデモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
図28】本発明の第2の実施形態の遊技機におけるデモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
図29】本発明の第2の実施形態の遊技機における下パネルの表示について説明する図である。
図30】本発明の第2の実施形態の遊技機における下パネルの構成について説明する分解斜視図である。
図31】本発明の第2の実施形態の遊技機における下パネルを構成するシートの概略断面図である。
図32】本発明の第2の実施形態の遊技機における下パネルの表示の別の例について説明する図である。
図33】本発明の第2の実施形態の遊技機における遊技機および専用ユニットを正面から見た図である。
図34】本発明の第2の実施形態の遊技機における下パネルを構成する前パネルのシボについて説明する図である。
図35】本発明を適用可能な別の遊技機の正面図である。
図36図35に示す遊技機の上パネルの表示について説明する図である。
図37】本発明の実施形態の変形例の遊技機における遊技メダル数の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0020】
1.第1の実施形態
1-1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【0021】
本実施形態の遊技機は、スマートパチスロと呼ばれるもので、スロットマシンの遊技性を維持しつつ実物のメダルに代えて電子的な遊技価値である電子化メダルを遊技に供する遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0022】
本実施形態の遊技機は、収納箱BX(遊技機本体の一例)、上部前面扉UD(前面扉の一例)、および下部前面扉(前面扉の一例)DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニット310が収められている。また筐体内のリールユニット310の下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチ、設定変更キーシリンダ、設定変更ボタン等の各種スイッチが備えられた電源ユニットが収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU(演算手段の一例)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM(一時記憶手段の一例)等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。なお本実施形態では、制御基板として遊技の進行を制御するメイン基板10と、メイン基板から送信される信号を受けて遊技の進行状況に合わせた遊技演出を実行するための制御を行うサブ基板20と、遊技機で電子的に保持されている、遊技の用に供することができる電子化メダルの数(遊技メダル数)を制御するメダル数制御基板30とを含む複数種類の電子回路基板が設けられている。なお以下において、遊技機で電子的に保持されている、遊技の用に供することが可能な電子化メダルの総数を「遊技メダル数」と称し、電子化メダルを保持する記憶部を「メダル保持部」と称する場合がある。
【0023】
収納箱BXの正面(前面の一例)を開閉可能に閉塞する上部前面扉UDおよび下部前面扉DDは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。
【0024】
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となる電子化メダルの数、いわゆる規定投入数に相当する電子化メダルが投入(ベット)されると、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0025】
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとして電子化メダルの払い出し等が行われる。
【0026】
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、1回の遊技における電子化メダルの払出数あるいは獲得数(電子化メダルの払出数と投入数との差)、ボーナス遊技での電子化メダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
【0027】
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDや台枠ランプALが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示され、台枠ランプALでは、遊技を盛り上げたりするための点灯動作や点滅動作が行われる。
【0028】
また本実施形態の遊技機では、下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカSPが複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0029】
また下部前面扉DDには、遊技メダル数表示装置70(表示装置の一例)が設けられている。遊技メダル数表示装置70は、メダル保持部に保持されている電子化メダルの総数、すなわち遊技メダル数(遊技価値数の一例)を表示する。ただし、遊技メダル数にはベットした電子化メダルは含まれない。したがって、遊技メダル数表示装置70には、遊技者が獲得した電子化メダルから、ベットした電子化メダルの数を減算した数が表示される。なお遊技メダル数の表示は、遊技者が視認できる位置に配された5桁または6桁の7セグメントの表示器等で0~16382の数値範囲で表される。ここで、その数値が15000(特定数、第1数の一例)以上となると、遊技者に計数(メダル保持部に保持されている電子化メダルの一部または全部を後述する専用ユニット50に送信すること)を促す報知を実行し、電子化メダルの貸出処理(後述する専用ユニット50から遊技機に電子化メダルを送信する処理)を制限するとともに、試験用計数信号(型式試験の際に出力される信号であって計数を促すための信号)を約3500msecの間出力する。ただし、遊技者は遊技を引き続き継続可能である。そして、その数値が16369(第2数の一例)以上となった場合、遊技の進行を制限する。具体的には、ベットボタンB0、スタートレバーSL、精算ボタンB4に対する操作を無効化する。なお、その数値が16369以上となった場合の代わりに、その数値が16369以上となりそうな場合に、遊技者により計数が実行されるまで電子化メダルの払出を禁止するとしてもよい。例えば、その数値が、16369から、1遊技で取得可能な最大差枚数である12枚(=最大払出枚数(例えば、15枚)-規定投入数(例えば、3枚))を減算した16357以上となった場合に遊技を停止させるとしてもよい。また遊技メダル数表示装置70は、メダル保持部に保持される遊技メダル数が更新されてから概ね300msec以内に、更新された遊技メダル数を反映して表示する。
【0030】
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、メダル保持部に保持されている電子化メダルを投入(ベット)する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段、遊技用操作手段)B0、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段、遊技用操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段、遊技用操作手段)B1~B3、投入(ベット)されている電子化メダルの全てをメダル保持部に返却する操作を行うための精算ボタン(所定の操作手段、精算操作手段、遊技用操作手段)B4、遊技機で行われる演出を変化させる契機となる操作を行うための演出ボタン(演出用操作手段)B5、メニュー画面の表示を開始または終了させる操作(遊技画面の表示とメニュー画面の表示との移行に関する操作)を行うためのメニューボタン(第1演出用操作手段)B6、および遊技機で行われる演出の設定を変更する操作(所定の変更操作)や遊技履歴を確認する操作や音量もしくは光量の設定を変更する操作(所定の変更操作)を行うための十字キー(第2演出用操作手段)B7などが設けられている。十字キーB7は、上ボタンB7A(光量操作手段の一例)、下ボタンB7B(光量操作手段の一例)、左ボタンB7C(音量操作手段の一例)、および右ボタンB7D(音量操作手段の一例)によって構成されている。
【0031】
また下部前面扉DDには、操作手段として、メダル保持部に保持されている電子化メダルの一部または全部を後述する専用ユニット50(特定ユニットの一例)に転送する操作を行うための計数ボタンB8が設けられている。本実施形態では、計数ボタンB8の操作として、500msec未満の短押し操作と500msec以上の長押し操作とを検出可能となっており、短押し操作では、操作毎に電子化メダルが1枚計数され、長押し操作では、300msec毎の計数通知を行うタイミングで電子化メダルが50枚ずつ計数される。
【0032】
また下部前面扉DDには、下パネル91が設けられている。詳細は後述するが、下パネル91の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル91が背後から照らされるようになっている。
【0033】
本実施形態の遊技機では、遊技が開始可能な状態において遊技者がベットボタンB0を押下する操作を行うことで規定投入数の電子化メダルが投入(ベット)されると、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされ、スタートレバーの押下操作が許可(有効化)される。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
【0034】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【0035】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0036】
そして制御基板は、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0037】
遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合には、電子化メダルがメダル保持部へ払い出され(貯留され)、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示が更新される。このように本実施形態の遊技機では、遊技の進行状況に応じて所定の操作手段に対する操作を有効化し、操作手段に対する有効な操作に基づいて遊技を進行させる。
【0038】
また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)と、下部前面扉DDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)とが設けられており、ドアセンサから制御基板(メイン基板)に入力される入力信号(検出信号)に基づいて、上部前面扉UDおよび下部前面扉DDのそれぞれの開閉を検知可能に構成されている。
【0039】
図2は、本実施形態の遊技機および専用ユニット50の概略的な電気的構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【0040】
本実施形態の遊技機は、遊技球等貸出装置接続端子板40を介して外部装置である専用ユニット50と電気的に接続される。専用ユニット50には、遊技機に対し電子化メダルを送受信する専用ユニット制御基板60が設けられている。
【0041】
また本実施形態の遊技機は、メイン基板10(主制御部、第1制御部)、サブ基板20(副制御部)、およびメダル数制御基板30(遊技価値数制御部、第2制御部)を含む制御基板によって制御される。メイン基板10は、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、精算スイッチ250等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310等の出力手段の動作制御を行う。またサブ基板20は、演出ボタンスイッチ270、メニューボタンスイッチ280、上ボタンスイッチ290A、下ボタンスイッチ290B、左ボタンスイッチ290C、右ボタンスイッチ290D等の入力手段からの入力信号やメイン基板10から送られてくる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。またメダル数制御基板30は、計数ボタンスイッチ255、遊技メダル数クリアスイッチ256、エラー解除スイッチ257等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技メダル数を管理するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて遊技メダル数表示装置70、状態表示装置80等の出力手段の動作制御を行う。またメイン基板10、サブ基板20、およびメダル数制御基板30等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0042】
そしてメイン基板10は、メインCPU10a、メインROM10b、メインRAM10c等を備え、メインCPU10aがメインROM10bに格納された各種のプログラムを実行することによって、メイン起動処理手段100、投入受付手段105(受付制御手段)、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態制御手段170、演出状態制御手段180(補助遊技制御手段)、通信制御手段190、設定確認手段195等として機能する。なおメインRAM10cは、電源が切断された場合であってもデータは消去されることなく保持されるが、出玉率が定められた設定値の変更が行われてRAMクリアが実行された場合には消去される。
【0043】
メイン起動処理手段100は、電源の投入時にメイン起動処理を行う。メイン起動処理では、各種初期設定や、電源の遮断時に記憶されたバックアップ情報に基づいて電源遮断前の状態に復帰させる状態復帰処理などが行われる。また本実施形態では、電源の遮断時にメイン基板10のメインRAM10cのバックアップが行われ、バックアップが正常に終了すると、バックアップが正常に終了したことを示すバックアップ正常終了情報(例えば、55H)がメインRAM10cに設けられた所定の記憶領域に記憶される。そして電源遮断後においてもバックアップ電源によってメインRAM10cに記憶されている情報は保持(バックアップ)される。
【0044】
またメイン起動処理手段100は、メインRAM10cに記憶されている情報に異常が発生した場合に、メインRAM10cの所定の記憶領域に記憶されている情報(例えば、役物比率など)を初期化する初期化処理を行う。
【0045】
またメイン起動処理手段100は、有利度合いが異なる複数段階(例えば、6段階)の設定値の中で設定値を変更する設定変更処理を行う。設定値を変更すると内部抽選の抽選確率が変動し、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の抽選確率が変動する。また本実施形態では、電源投入時の設定変更許可スイッチ262の状態に応じて遊技モード(遊技者が遊技可能な遊技可能状態の一例)で起動される場合と設定変更モード(遊技者が遊技不可能な遊技不能状態の一例)で起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに設定キーが回されると設定変更許可スイッチ262の信号状態がON状態となり、この状態で電源スイッチが作動することにより電源ユニットから電力が供給されると、設定変更モードで起動される。
【0046】
そして本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっており、メイン起動処理手段100は、設定変更モードにおいて設定変更ボタンを押下することにより設定変更スイッチ264が作動すると、設定変更スイッチ264からの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて設定値を確定させて、確定された設定値をメインRAM10cに設けられた所定の設定値記憶領域に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、設定変更キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更許可スイッチ262の信号状態をOFF状態に変更し設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
【0047】
またメイン起動処理手段100は、設定変更モードにおいて、メインRAM10cの所定の記憶領域に記憶されている遊技に関する所定の情報(例えば、遊技状態や演出状態など)を初期化する初期化処理を行う。なお設定値などの情報は、設定変更モードにおける初期化処理によっては初期化されずに保持される。
【0048】
また本実施形態では、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、設定変更許可スイッチ262の信号状態がOFF状態であることに基づいて遊技モードで起動される。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。このようにメイン基板10は、遊技モード(遊技可能状態)または設定変更モード(遊技不能状態)に制御可能となっている。なおメイン基板10は、遊技モードおよび設定変更モードに加えて、設定値を確認可能な設定確認モード(遊技不能状態)にも制御可能となっている。設定確認モード(設定値の確認)については後述する。
【0049】
メイン起動処理が完了すると、後述するVL接続信号がON状態であることを条件として、遊技が可能な遊技可能状態となり、電子化メダルを投入可能となる。遊技可能状態とは、ベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3、および精算ボタンB4に対する操作が有効であるとともにこれらの操作に基づく遊技進行のための処理を実行可能であり、計数ボタンB8に対する操作が有効であるとともに計数ボタンB8の操作に基づく計数処理が実行可能な状態である。
【0050】
投入受付手段105は、遊技毎に電子化メダルの投入を受け付けて、規定投入数(例えば、3枚)に相当する電子化メダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当する電子化メダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
【0051】
また投入受付手段105は、電子化メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタンB0に対する操作が行われると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、メダル保持部に保持されている電子化メダルを投入状態(ベット状態)に設定する投入処理(ベット処理)を行う。
【0052】
また投入受付手段105は、電子化メダルの投入を受け付けている状態において精算ボタンB4に対する操作が行われると、精算スイッチ250が作動することに伴って、投入状態に設定されている電子化メダルの全てをメダル保持部に返却する精算処理を行う。
【0053】
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0054】
内部抽選手段120は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、リプレイ、小役、およびボーナスなどの複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う。内部抽選で当選すると、当選した役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。
【0055】
リール制御手段130は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
【0056】
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、操作されたストップボタンに対する操作を無効化するとともに、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
【0057】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると役が入賞する。
【0058】
払出制御手段150は、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて電子化メダルの払出枚数を決定し、決定された払出枚数の電子化メダルをメダル保持部に払い出す。
【0059】
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有する電子化メダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分の電子化メダルを遊技者の手持ちの電子化メダルを使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
【0060】
遊技状態制御手段170は、複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。遊技状態の一例としては、通常状態、ボーナスの当選によって移行するボーナス成立状態、ボーナスの入賞によって移行するボーナス状態などがある。
【0061】
演出状態制御手段180は、複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、演出状態を別の演出状態へ移行させることができる。演出状態の一例としては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行しない非AT状態、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行するAT状態などがある。
【0062】
通信制御手段190は、サブ基板20に対して信号を送信する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板10とサブ基板20との間では、メイン基板10からサブ基板20への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板20からはメイン基板10へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0063】
そして通信制御手段190は、内部抽選の結果、入賞判定の結果、遊技者が行った操作(ベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3、精算ボタンB4に対する操作)等を通知する信号(コマンド)をサブ基板20に送信する。これにより本実施形態の遊技機では、メイン基板10からの各種の通知に基づいて、サブ基板20の演出制御手段210が内部抽選の結果、入賞判定の結果、遊技者が行った操作等に応じた演出を表示装置330や音響装置340などに実行させることができるようになっている。
【0064】
また通信制御手段190は、メダル数制御基板30に対して信号を送信する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板10とメダル数制御基板30との間では、双方向通信可能に通信接続されており、種々の情報を交換することで遊技可能状態やエラー状態を適切に判断可能としている。
【0065】
そして通信制御手段190は、電子化メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタンB0に対する操作が行われると、投入要求枚数を通知する遊技メダル投入コマンドをメダル数制御基板30に送信する。
【0066】
また通信制御手段190は、電子化メダルの投入を受け付けている状態において精算ボタンB4に対する操作が行われると、投入要求枚数を通知する遊技メダル投入コマンドをメダル数制御基板30に送信する。
【0067】
また通信制御手段190は、小役の入賞に伴い電子化メダルが払い出されると、電子化メダルの払出枚数を通知する払い出し終了コマンドをメダル数制御基板30に送信する。
【0068】
設定確認手段195は、有利度合いを示す設定値を表示する設定値表示処理を行う。設定値表示処理では、複数段階(例えば、6段階)の設定値のうち、現在の設定値を示す数値(例えば、「1」~「6」)を遊技情報表示部DSに表示させる。これにより設定値を確認することができる。
【0069】
また設定確認手段195は、電子化メダルの投入受付中または後述するコンプリート機能による遊技進行の制限中(遊技進行の停止中の一例)に設定確認条件(所定の移行条件の一例)を満たすと、設定値を確認可能な設定確認モードに移行させる。設定確認モードでは設定値の確認を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。ここで電子化メダルの投入受付中とは、電子化メダルの投入の受付を開始してからスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われるまでの間を意味し、電子化メダルが投入状態(ベット状態)に設定されている場合や、リプレイの入賞に伴う再遊技作動状態である場合も含まれる。すなわち本実施形態では、投入受付中であれば、電子化メダルが投入状態(ベット状態)に設定されている場合や再遊技作動状態である場合であっても設定確認モードへ移行できる。ただし投入受付中であっても、電子化メダルが投入状態(ベット状態)に設定されている場合や再遊技作動状態である場合には設定確認モードへ移行させないようにしてもよい。
【0070】
また設定確認手段195は、エラー種別がドア開放エラーに設定されている状態で、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに設定キーが回されることによって設定変更許可スイッチ262の信号状態がON状態となると、設定確認条件を満たしたと判定する。なお本実施形態では、設定変更許可スイッチ262の信号状態がON状態となってもエラー種別がドア開放エラーに設定されていなければ、設定確認条件は成立しない。
【0071】
設定確認モードに移行させると、設定確認手段195は設定値表示処理を行い、設定変更許可スイッチ262の信号状態がOFF状態に変更されると、設定値の表示を終了させて遊技モード(ドア開放エラー)に復帰させる。
【0072】
続いてサブ基板20について説明する。サブ基板20は、サブCPU20a、サブROM20b、サブRAM20c等を備え、サブCPU20aがサブROM20bに格納された各種のプログラムを実行することによって、サブ起動処理手段200、演出制御手段210等として機能する。なおサブRAM20cにもメインRAM10c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においてもデータが消去されることなく保持される。
【0073】
サブ起動処理手段200は、電源の投入時にサブ起動処理を行う。サブ起動処理では、各種初期設定や、液晶ディスプレイLCDの初期設定や、電源の遮断時に記憶されたバックアップ情報に基づいて電源遮断前の状態に復帰させる状態復帰処理などが行われる。
【0074】
演出制御手段210は、サブ基板20のサブROM20bに格納された演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出などに関する制御を行う。例えば、電子化メダルの投入(ベット)やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカSPから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出(例えば、入賞補助演出)の実行制御を行う。
【0075】
また演出制御手段210は、演出状態がAT状態である場合に、役の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
【0076】
また演出制御手段210は、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合に、デモ演出(待機演出)を表示装置330や音響装置340に実行させる。本実施形態では、遊技が継続して行われていない時間をサブRAM20bの監視タイマー(計時手段)によって計測しており、演出制御手段210は、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマーを常に作動させ、メイン基板10からの信号、演出ボタンスイッチ270、またはメニューボタンスイッチ280からの信号が入力される毎に、作動中の監視タイマーの計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して計時を再開する。そして監視タイマーが所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかったと判断する。
【0077】
またデモ演出では、デモ画像(デモンストレーション映像、デモ画面)を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、スピーカSPの音量を消音に制御する。
【0078】
続いてメダル数制御基板30について説明する。メダル数制御基板30は、メイン基板10と接続され、メダルCPU30a、メダルROM30b、メダルRAM30c等を備え、メダルCPU30aがメダルROM30bに格納された各種のプログラムを実行することによって、遊技に供する電子化メダルを管理し、メダルRAM30cが電子化メダルを保持する記憶部であるメダル保持部(記憶手段の一例)として機能する。なおメダルRAM30cにもメインRAM10c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においてもデータが消去されることなく保持される。また本実施形態の遊技機では、メダル数制御基板30は、遊技球等貸出装置接続端子板40を通じて専用ユニット50と双方向通信可能に通信接続される。またメダル保持部では、予め定められた上限数(例えば、16382枚)を限度として遊技メダル数を記憶する。
【0079】
そしてメダルCPU30aは、メイン基板10が送信した遊技メダル投入コマンドを受信すると、投入状態に設定されている電子化メダルの総数である投入メダル数、投入要求枚数、および遊技メダル数に基づいて、メダル保持部から投入(ベット)可能な電子化メダルの総数である投入可能枚数を決定し、決定された投入可能枚数に基づいて遊技メダル数を更新する。このためメイン基板10において、投入処理が行われた場合にはメダル保持部に保持されている遊技メダル数は減少し、精算処理が行われた場合には遊技メダル数は増加する。
【0080】
またメダルCPU30aは、投入可能枚数および更新後の遊技メダル数を通知する遊技メダル投入返信コマンドをメイン基板10に送信し、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を更新する。
【0081】
なお本実施形態では、遊技メダル投入返信コマンドなどによりメイン基板10でも投入メダル数および遊技メダル数を記憶しており、投入受付手段105は、投入処理を行う場合に、投入メダル数、投入要求枚数、および遊技メダル数に基づいて投入可能枚数を決定し、決定された投入可能枚数分の電子化メダルを投入する投入処理を行い、遊技メダル投入コマンドをメダル数制御基板30に送信する。メインCPU10aは、遊技メダル投入返信コマンドを受信すると、遊技メダル数等が遊技メダル数制御基板30と一致しているか否かを確認する。また本実施形態では、メインCPU10aは、投入処理を行う場合に、投入可能枚数を決定し、遊技メダル投入コマンドをメダルCPU30aに送信し、当該コマンドに対する返信コマンド(遊技メダル投入返信コマンド)を受信してから、当該返信コマンドに基づいて投入処理を行うようにしてもよい。
【0082】
また精算処理を行う場合にも投入受付手段105は、投入メダル数、投入要求枚数、および遊技メダル数に基づいて投入可能枚数を決定し、決定された投入可能枚数分の電子化メダルを返却する精算処理を行い、遊技メダル投入コマンド(精算コマンド)をメダル数制御基板30に送信する。メインCPU10aは、遊技メダル投入返信コマンドを受信すると、遊技メダル数等が遊技メダル数制御基板30と一致しているか否かを確認する。なお本実施形態では、メインCPU10aは、精算処理を行う場合に、投入可能枚数を決定し、遊技メダル投入コマンド(精算コマンド)をメダルCPU30aに送信し、当該コマンドに対する返信コマンド(遊技メダル投入返信コマンド)を受信してから、当該返信コマンドに基づいて精算処理を行うようにしてもよい。
【0083】
またメダルCPU30aは、メイン基板10が送信した払い出し終了コマンドを受信すると、払出枚数を遊技メダル数に加算し、加算後の遊技メダル数に基づいて遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を更新する。
【0084】
遊技球等貸出装置接続端子板40は、遊技機と専用ユニット50とを接続するための接続端子板であり、電子化メダルの貸し出しに係る信号の受信、電子化メダルの貸出受領結果の送信、電子化メダルの計数に係る信号の送信、遊技機の各情報の送信を行う。
【0085】
次に専用ユニット50について説明する。専用ユニット50は、遊技機の近傍に設置され、遊技者に電子化メダルを貸し出したり、遊技者が獲得した電子化メダルを計数するための装置である。専用ユニット50には、専用ユニット制御基板60が設けられ、専用ユニット制御基板60には、現金投入部61、カード挿入部62、貸出スイッチ63、返却スイッチ64、遊技スイッチ65、度数表示装置66、獲得メダル数表示装置67が接続される。
【0086】
現金投入部61は、現金を投入する投入口として機能する。カード挿入部62は、電子化メダルを蓄積可能なカード媒体の挿入および引出を可能とする。貸出スイッチ63は、専用ユニット50で保持する現金の度数に対応する電子化メダルを遊技機に転送する操作を検出する。返却スイッチ64は、専用ユニット50で保持する電子化メダルをカード媒体に転送し、そのカード媒体を、カード挿入部62を通じて専用ユニット50から引き出す操作を検出する。遊技スイッチ65は、専用ユニット50で保持する電子化メダルを遊技機に転送する操作を検出する。度数表示装置66は、専用ユニット50で保持する度数、すなわち、現金投入部61から投入された現金に相当する度数を表示する。獲得メダル数表示装置67は、専用ユニット50で保持する電子化メダルの総数である獲得メダル数を表示する。
【0087】
図4は、本実施形態の遊技機および専用ユニット50の概略的な機械的構成を説明するための外観図である。本実施形態の遊技機において遊技を開始する流れと遊技を終了する流れについて図4を参照しつつ説明する。
【0088】
遊技を行う場合には最初に図4に示す専用ユニット50の現金投入部61に現金を投入する。そうすると専用ユニット50の度数表示装置66に、投入した現金に相当する度数(例えば、千円の投入に対し「10」)が表示される。貸出ボタンB10を操作すると、貸出スイッチ63が作動することに伴って、専用ユニット50で保持する度数に対応する電子化メダル(例えば「50」)が遊技機に一度に転送される。そうすると転送された電子化メダルの枚数(例えば「50」)が遊技機の遊技メダル数表示装置70に表示される。
【0089】
続いて遊技機のベットボタンB0を操作すると、電子化メダルが投入(ベット)される。このとき遊技メダル数表示装置70には、投入(ベット)された電子化メダルの枚数(例えば「3」)が減算された値(例えば「47」)が表示される。こうして遊技者は、遊技を開始することが可能となる。仮に、遊技の結果、払出枚数が11枚となる小役が入賞した場合、払い出された電子化メダルの枚数(例えば「11」)が遊技情報表示部DSに表示されるとともに、遊技メダル数表示装置70には、払い出された電子化メダルの枚数が加算された値(例えば「58」)が表示される。
【0090】
なお電子化メダルが投入(ベット)されている状態で、スタートレバーSLが操作される(遊技開始)前に精算ボタンB4が操作されると、投入された電子化メダルの枚数(例えば「3」)が遊技メダル数表示装置70に加算され(例えば「50」となり)、電子化メダルの投入状態が解除される。
【0091】
遊技を終了する場合には、計数ボタンB8を操作し、メダル保持部に保持されている電子化メダルを専用ユニット50に転送する。そうすると専用ユニット50の獲得メダル数表示装置67に、メダル保持部に保持されていた遊技メダル数が表示されるとともに、遊技メダル数表示装置70には「0」が表示される。返却ボタンB11を操作すると、返却スイッチ64が作動することに伴って、専用ユニット50で保持する電子化メダルがカードに転送され、そのカードがカード挿入部62を通じて専用ユニット50から引き出される。こうして遊技者は、獲得した電子化メダルをカード媒体に蓄積できる。
【0092】
再度遊技を行う場合には現金の代わりにカード媒体をカード挿入部62に挿入することで、カード媒体に蓄積された電子化メダルで遊技することができる。カード媒体に蓄積されている電子化メダルは専用ユニット50に転送され、獲得メダル数表示装置67には、カード媒体に蓄積されていた電子化メダルの総数が表示される。遊技者は、貸出ボタンB10の代わりに遊技ボタンB12を操作すると、遊技スイッチ65が作動することに伴って、専用ユニット50で保持する電子化メダル(例えば「50」)が遊技機に一度に転送される。
【0093】
なお貸出ボタンB10や計数ボタンB8が操作されると、メダルCPU30aは、電子化メダルの貸出処理や計数処理を実行するとともに、メインCPU10aにその旨を通知するコマンドを送信し、当該コマンドを受信したメインCPU10aは、サブCPU20aにその旨を通知するコマンドを送信する。そしてサブCPU20aは、貸出処理や計数処理における、実際に電子化メダルが貸し出されるまたは計数されるのに伴って、電子化メダルの移動を表す所定の音をスピーカSPから出力させる。
【0094】
次にメイン基板10における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。図5図7は、本実施形態の遊技機におけるメイン基板10のメイン起動処理を説明するフローチャートであり、図8は、本実施形態の遊技機におけるメイン基板10の遊技進行処理を説明するフローチャートである。
【0095】
メインCPU10aは、電源が供給されると、メイン起動処理を行う。メイン起動処理では、メインCPU10aはまず、図5に示すように、メインROM10bからプログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な初期設定を行う初期設定処理を行う(ステップS100)。
【0096】
初期設定処理を行うと、起動ウェイト時間(例えば、10.5sec)を設定し、計時を開始する(ステップS101)。起動ウェイト時間は、電源が安定するのを待つための時間であるとともに、演出装置(特に液晶ディスプレイLCD)の起動を待つための時間である。
【0097】
起動ウェイト時間の計時を開始すると、電源断予告信号を検出したか否かを判定する(ステップS102)。本実施形態では、メイン基板10には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出すると(ステップS102でY)、起動ウェイト時間の計時を最初からやり直す。
【0098】
電源断予告信号を検出することなく起動ウェイト時間が経過すると(ステップS102でN、ステップS103でY)、メインRAM10cに対するアクセスを許可する(ステップS104)。
【0099】
続いてチェックサム確認処理を行う(ステップS105)。チェックサム確認処理では、チェックサムを算出し、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致しない(異常である)か、およびバックアップが異常であるか(具体的には、バックアップが正常に終了したことを示すバックアップ正常終了情報が保存されていないか)を判定する。チェックサムおよびバックアップのいずれか一方または双方が異常であると判定した場合には、バックアップ異常フラグをONし、チェックサムおよびバックアップの双方が異常でないと判定した場合には、バックアップ異常フラグをOFFする。
【0100】
次に、起動時に必要な情報(例えば、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード、内部状態、エラー種別などの情報)および役物比率等の情報を通知する起動時コマンドをセットし、メダルCPU30aに送信する(ステップS106)。
【0101】
続いてバックアップ異常フラグがONであるか否かを判定し(ステップS107)、バックアップ異常フラグがONである場合には(ステップS107でY)、コールドスタート処理を行う(ステップS108)。コールドスタート処理については後述する。
【0102】
一方バックアップ異常フラグがOFFである場合には(ステップS107でN)、設定値を変更する設定変更処理を行い(ステップS109)、電源遮断直前の状態に復帰させる状態復帰処理を行う(ステップS110)。設定変更処理については後述する。
【0103】
図5に示すステップS108のコールドスタート処理では、図6に示すように、メインRAM10cの使用領域について情報の読み出しおよび書き込みを正常に行うことができるか否かを確認するリードライトチェックを行う使用領域RAMチェック処理を行い(ステップS120)、メインRAM10cの別領域について情報の読み出しおよび書き込みを正常に行うことができるか否かを確認するリードライトチェックを行う別領域RAMチェック処理を行う(ステップS121)。使用領域とは、メイン起動処理や遊技進行処理を含む特定処理において用いられる領域であり、別領域とは、使用領域以外の領域であって役物比率などの比率を算出する比率処理において用いられる領域である。
【0104】
次にメインRAM10cのリードライトエラーを示すRWMエラーに対応するRWMエラーフラグをON状態に設定する(ステップS122)。
【0105】
そしてステップS120およびステップS121のチェック処理の結果、使用領域および別領域の双方について異常が検出されなかった場合に(ステップS123でN)、設定変更処理を行い(ステップS124)、メインRAM10cのバックアップ異常を示すバックアップエラーに対応するバックアップエラーフラグをON状態に設定する(ステップS125)。
【0106】
そして遊技情報表示部DSにおいてエラー種別に応じたエラー表示を行い、内部状態をエラー状態に設定して電源が遮断されるまで他の処理を停止して無限ループするエラー処理を行う(ステップS126)。
【0107】
図5に示すステップS109および図6に示すステップS124の設定変更処理では、図7に示すように、設定変更条件が成立しているか否かを判定する(ステップS130)。具体的には、設定変更許可スイッチ262がONである場合に設定変更条件が成立していると判定し、設定変更許可スイッチ262がOFFである場合に設定変更条件が成立していないと判定する。
【0108】
設定変更条件が成立している場合に(ステップS130でY)、内部状態を設定変更中(設定変更モード)に設定し(ステップS131)、設定値の変更を開始することを通知する設定変更開始コマンドをセットし、メダルCPU30aに送信し(ステップS132)、現在の設定値を示す設定値データをメインRAM10cの設定値記憶領域から取得する(ステップS133)。
【0109】
そして設定変更ボタンが操作されると(ステップS134でY)、設定値データを1インクリメントし(ステップS135)、スタートレバーSLが操作されると(ステップS136でY)、設定値データを設定値記憶領域に格納することによって設定値を確定し(ステップS137)、遊技に関する所定の情報(例えば、遊技状態や演出状態など)を初期化する初期化処理を行う(ステップS138)。
【0110】
図5に示すメイン起動処理が終了すると、遊技進行処理に移行し、遊技進行処理では、図8に示すように、ベットボタンB0に対する操作に基づいて電子化メダルを投入状態に設定する投入処理を行い(ステップS150)、スタートレバーSLに対する遊技開始操作に基づいて内部抽選を行う内部抽選処理を行い(ステップS151)、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始して所定速度で定常回転させるリール回転開始処理を行い(ステップS152)、ストップボタンB1~B3に対する停止操作に基づいて回転中のリールを内部抽選の結果に応じた態様で停止させるリール回転停止処理を行い(ステップS153)、役の入賞の有無を判定する入賞判定処理を行い(ステップS154)、小役が入賞した場合に電子化メダルを払い出す払出処理を行い(ステップS155)、遊技状態や演出状態を移行させる状態移行処理を行う(ステップS156)。
【0111】
ステップS150からステップS156までの一連の処理を通じて1回の遊技が実行され、以後は、ステップS150からステップS156までを繰り返すこととなる。
【0112】
また本実施形態では、遊技機と専用ユニット50との間で種々の情報を交換することで互いの正常な動作を確保するようにしている。例えば、遊技機(本実施形態では、メダル数制御基板30のメダルCPU30a)から専用ユニット50には、遊技機情報通知、計数通知、および貸出受領結果応答などが行われる。
【0113】
遊技機情報通知は、遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報の3つの遊技機情報のうち1の遊技機情報を専用ユニット50に伝達するものある。遊技機性能情報には、総投入枚数、総払出枚数、MY(最大差枚数)、役物総払出枚数、連続役物総払出枚数、役物比率、連続役物比率、有利区間比率、指示込役物比率、役物等状態比率、遊技回数、予備、予約1、予約2が含まれる。ここでMYは、電子化メダルの投入枚数(ベット枚数)と払出枚数との差である差枚数が最も低いときを0とした場合の差枚数である。またMYに代えてまたは加えて、電源がリセットされてからの差枚数を採用することもできる。
【0114】
遊技機設置情報には、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード、メダル数制御チップID番号、メダル数制御チップメーカコード、メダル数制御チップ製品コードが含まれる。
【0115】
ホールコン・不正監視情報には、遊技メダル数、投入メダル数、払出メダル数、主制御状態1、主制御状態2、遊技機エラー状態、遊技機不正1、遊技機不正2、遊技機不正3、遊技情報数、種別情報1、カウント情報1、種別情報2、カウント情報2が含まれる。ここで遊技メダル数、投入メダル数、払出メダル数の関係は、「遊技メダル数」=前回送信した「遊技メダル数」-「投入メダル数」+「払出メダル数」+前回送信した遊技メダル数の後に受信した「貸出メダル数」-前回送信した遊技メダル数の後に送信した「計数メダル数」となるので、かかる関係を満たさなければ、ホールコン・不正監視情報が異常であると判断することができる。また遊技機不正1の第1ビット(例えば、ビット0)には、不正防止信号としての設定変更中信号が割り当てられ、第2ビット(例えば、ビット1)には、不正防止信号としての設定確認中信号が割り当てられ、第3ビット~第5ビット(例えば、ビット2~ビット4)には、不正防止信号としての不正検知信号が割り当てられ、遊技機不正2の第1ビット(例えば、ビット1)には、不正防止信号としてのドアオープン信号が割り当てられ、第2ビット(例えば、ビット3)には、不正防止信号としての遊技メダル数クリア信号(特定信号の一例)が割り当てられている。設定変更中信号は、設定値の変更中であることを示し、設定確認中信号は、設定値の確認中であることを示し、不正検知信号は、任意に定められている不正を検知したことを示し、ドアオープン信号は、下部前面扉DD(または上部前面扉UD)が開放中であることを示し、遊技メダル数クリア信号は、遊技メダル数が0枚にクリアされたことを示す。設定変更中信号や遊技メダル数クリア信号などの不正防止信号を出力する場合には、当該信号が割り当てられているビット位置に「1」を設定することによって当該信号をON状態とし、信号出力を終了する場合には、当該信号が割り当てられているビット位置に「0」を設定することによって当該信号をOFF状態とする。またこれらの不正防止信号は、不正防止のため、所定時間以上(少なくとも3sec以上で例えば、5sec)出力する。また種別情報1とカウント情報1との組み合わせ、または種別情報2とカウント情報2との組み合わせからなる遊技情報は、種別情報1、2によって、規定数(スタートスイッチ118の操作時)か払出枚数(遊技終了時)かが示され、カウント情報1、2によってその枚数が示される。なおリプレイ入賞時は、再遊技作動時の規定数(投入枚数)を通知する。遊技情報数は、遊技情報の数を示し、遊技情報数が0の場合、種別情報1、カウント情報1、種別情報2、カウント情報2の4項目は送信されない。
【0116】
また計数通知は、計数メダル数および計数累積メダル数を専用ユニット50に伝達するものである。計数メダル数は、計数通知のタイミングで計数した電子化メダルの枚数であり、計数累積メダル数は、遊技機の電源投入時に0枚にクリアされてから累積された計数メダル数の値である。
【0117】
また貸出受領結果応答は、専用ユニット50から貸出通知があった場合にその受領結果(正常であるか否か)を応答するものである。
【0118】
また専用ユニット50から遊技機(本実施形態では、メダルCPU30a)には、貸出通知などが行われる。貸出通知は、専用ユニット50が遊技機から計数通知を受信した場合に、電子化メダルの貸出枚数である貸出メダル数を遊技機に伝達するものである。
【0119】
なお本実施形態では、遊技機内部で特定の異常が生じた場合に、専用ユニット50との通信を行わないとすることができる。例えば、遊技機の起動時に、特定の異常として、バックアップ異常、RAM(RWM)異常が生じた場合や、メーカコードが不一致である場合に、遊技機のメダルCPU30aは、メーカコード不一致エラー(動作停止エラー)を発し、専用ユニット50との通信開始を制限する。
【0120】
またメダルCPU30aは、メインCPU10aから設定変更開始コマンドを受信すると、設定値の変更中であることを専用ユニット50に通知する。
【0121】
図9は、本実施形態の遊技機および専用ユニット50における遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の通知タイミングを示したタイミングチャートである。図9に示すように、遊技機(本実施形態では、メダルCPU30a)は、遊技機の起動完了から300msec(300msec以上、310msec以内)周期で、遊技機情報通知を専用ユニット50に送信する。また遊技機(メダルCPU30a)は、遊技機情報通知開始から100msec(90msec以上、100msec以内)で計数通知を専用ユニット50に送信する。専用ユニット50は、計数通知の受信開始から170msec以内に貸出通知を遊技機に送信する。遊技機(メダルCPU30a)は、貸出通知の受信完了後、10msec以内に貸出受領結果応答を専用ユニット50に通知する。これにより遊技機が貸出受領結果応答を通知してから次の遊技機情報通知を行うまでに20msec以上の時間を確保することができる。
【0122】
図10は、本実施形態の遊技機における遊技機情報通知の送信タイミングを説明するための説明図である。遊技機情報通知は、上記のように300msec周期で専用ユニット50に通知される。遊技機情報通知には、遊技機情報として遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報の3つがあり、図10のように、それぞれ通知タイミングと優先順位が異なる。例えば、遊技機設置情報は、遊技機の起動が完了してから60sec経過後に通知され、それ以後は60sec周期で通知される。また、遊技機性能情報は、遊技機の起動が完了してから180sec経過後に通知され、それ以後は180sec周期で通知される。ホールコン・不正監視情報は、遊技機の起動が完了してから300msec周期で通知される。ただし3つの通知は、その送信タイミングが重なる場合がある。送信タイミングが重なった場合、遊技機情報通知は優先順位に従って順次通知される。例えば、180secにおいて、遊技機性能情報と、遊技機設置情報と、ホールコン・不正監視情報とが重なった場合、ホールコン・不正監視情報において主制御状態の更新がなく、かつ、遊技情報がなければ、まず優先順位が高い遊技機設置情報が通知され、次の300msec後に遊技機性能情報が通知され、次の300msec後にホールコン・不正監視情報が通知される。また、60secにおいて、遊技機設置情報と、ホールコン・不正監視情報とが重なった場合、ホールコン・不正監視情報において主制御状態の更新がなく、かつ、遊技情報がなければ、まず優先順位が高い遊技機設置情報が通知され、次の300msec後にホールコン・不正監視情報が通知される。ただしホールコン・不正監視情報において主制御状態の更新がある、または遊技情報があれば、まず優先順位が高いホールコン・不正監視情報が通知され、その後に遊技機設置情報、遊技機性能情報が通知される。かかる構成により遊技機と専用ユニット350とは、遊技機情報通知(遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報)、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答を、適切なタイミングかつ適切な優先度で確認し合うことができる。
【0123】
また本実施形態では、遊技球等貸出装置接続端子板40は、専用ユニット50から電力の供給を受け、かかる電力をフォトカプラ等の絶縁素子の入力とし、専用ユニット50との接続状態を示すVL接続信号を生成してメダル数制御基板30のメダルCPU30aに出力する。なおメダルCPU30aは、VL接続信号を受け取った旨のコマンドをメインCPU10aに送信してもよいし送信しないとしてもよい。メダルCPU30aがVL接続信号を受け取った旨のコマンドをメインCPU10aに送信する場合、メインCPU10aは、当該コマンドがVL接続信号の受信を示しているか否かに応じて、メイン基板10のみ、メダル数制御基板230のみ、またはメイン基板10およびメダル数制御基板30の起動を制限(禁止)したり、遊技の進行を停止することができる。またメダルCPU10aがVL接続信号を受け取った旨のコマンドをメインCPU10aに送信しない場合、メダルCPU10aは個別に、メダル数制御基板30の起動を制限(禁止)したり、遊技の進行を停止することができる。
【0124】
すなわちVL接続信号がON状態であれば、遊技機は、専用ユニット50と適切に接続されかつ専用ユニット50の電源がONであると判断できるので、メインCPU10aや専用ユニット50を対象とした各処理を遂行することができる一方で、VL接続信号がOFF状態であれば、遊技機は、専用ユニット50と適切に接続されていない(未接続状態)、または専用ユニット50の電源がOFFである(未接続状態)と判断し、遊技の進行を制限することができる。具体的に、ベットボタンB0、スタートレバーSL、および精算ボタンB4に対する操作を無効化するとともにこれらの操作に基づく遊技進行のための処理を全て制限(禁止)し、計数ボタンB8に対する操作を無効化するとともに計数ボタンB8の操作に基づく計数処理を制限(禁止)する。なおVL接続信号がOFF状態であれば、メインCPU10aおよびメダルCPU30aを立ち上げないとしてもよい。
【0125】
ここで計数処理とは、遊技者による計数ボタンB8に対する操作により計数ボタンスイッチ255が作動することに伴って、メダル保持部に保持されている電子化メダルの一部または全部を専用ユニット50に転送する処理をいう。具体的に、計数ボタンB8に対する操作が受け付けられていない場合、メダル保持部の遊技メダル数が0枚の場合、VL接続信号がOFF状態の場合、および計数不可状態の場合には、計数メダル数(計数価値数)として「0」が設定され、計数ボタンB8の短押し操作を受け付けた場合には、計数メダル数として「1」が設定される。計数ボタンB8の長押し操作を受け付けると、メダル保持部の遊技メダル数が50枚未満の場合、計数メダル数として全部の電子化メダル(遊技メダル数)が設定され、50枚以上の場合、計数メダル数として「50」が設定される。そして計数累積メダル数に当該計数メダル数が加算されるとともに、専用ユニット50に計数通知を行う。これと並行してメダル保持部で保持されている遊技メダル数から計数メダル数が減算される。
【0126】
またメダルCPU30aは、遊技が可能な間に計数ボタンB8が操作された場合、必ず計数処理を実行する。「遊技が可能な間」とは、遊技機と専用ユニット50とが接続され、かつ共に電源がONである状態(遊技者が電子化メダルを借り、遊技機で遊技を行い、当該遊技の結果を計数する一連の動作が可能な状態)を意味する。なお遊技機の電源はONであるが専用ユニット50の電源がONではない場合、または遊技機と専用ユニット50とが未接続状態であった場合は、計数処理を行うと計数メダル数が消失してしまうおそれがあるので、計数ボタンB8の操作を無効とし、その期間は「遊技が可能な間」に含めない。また遊技機が単体として遊技を進行しない(できない)状態となる、電源投入後の初期設定中、初期化処理中、設定値の変更中、設定値の確認中、ならびにリセット等による復帰処理が必要なエラー状態中も「遊技が可能な間」には含めない。なお電源投入後の初期設定中、初期化処理中、設定値の変更中、設定値の確認中、ならびにリセット等による復帰処理が必要なエラー状態中においては、計数処理を実行させるとしてもよいし実行させないとしてもよい。特に設定値の変更中および設定値の確認中については「遊技が可能な間」に含めて計数処理を実行可能としてもよい。
【0127】
このようにVL接続信号がON状態であれば、遊技機では、遊技を進行するとともに、遊技が可能な間、計数処理を受け付ける。一方、VL接続信号がOFF状態であれば、遊技機では、遊技の進行を停止し、計数処理を制限(禁止)する。これは上述したように、VL接続信号がOFF状態ということは、遊技機が専用ユニット50と適切に接続されていない、または専用ユニット50の電源がOFFであると判断できるからである。
【0128】
図9を用いて説明したように、遊技機(本実施形態では、メダルCPU30a)は、計数メダル数の情報を含む計数通知を専用ユニット50に送信する。ここで、例えば、遊技機と専用ユニット50とが適切に接続されていない(未接続状態)、または専用ユニット350の電源がOFFである(未接続状態)などのように、専用ユニット50において計数通知を受け付ける準備が適切に完了していない場合に、計数ボタンB8の入力操作(例えば、押圧操作)を受け付けて当該計数通知を遊技機から専用ユニット50に送信すると、当該入力操作に基づく計数メダル数が消失してしまうおそれがある。計数メダル数が消失すると、電子化メダルの総数が減少し、電子化メダルの不整合が生じる。本実施形態において、不整合とは、電子化メダルの意図しない消失や増量により、遊技メダル数と、専用ユニット50で保持する電子化メダルの総数である獲得メダル数とを合計した電子化メダルの総数が、計数ボタンB8の入力操作の前後で異なることをいう。例えば、計数ボタンB8の操作により遊技メダル数の全数を計数した場合に、遊技機に計数前に保持されていた遊技メダル数と、計数により専用ユニット50に転送された獲得メダル数とが異なった場合、不整合が生じたことになる。
【0129】
そこで遊技機(本実施形態では、メダルCPU30a)は、計数通知を専用ユニット50に送る前に、専用ユニット50との接続状態を示すVL接続信号のON/OFFを確認することによって、専用ユニット50の接続有無を判定する。VL接続信号が、専用ユニット50が接続されていないことを示すOFF状態の場合、計数処理自体を制限するため、遊技機は計数メダル数を「0」に設定する。
【0130】
計数メダル数が「0」に設定されると、遊技機は、遊技メダル数から計数メダル数「0」を減算して遊技メダル数を更新する。つまり更新後の遊技メダル数は実質的に更新前から変化しない。遊技機は、更新後の遊技メダル数を遊技メダル数表示装置70に表示するが、遊技メダル数が実質的に変化しないため、遊技メダル数表示装置70の表示も変化しない。
【0131】
また遊技機は、「0」に設定された計数メダル数の情報を含む計数通知を専用ユニット50に送信する。専用ユニット50が未接続であるとすると、専用ユニット50は当該計数通知を適切に受信できないため、獲得メダル数は変化しない。獲得メダル数が変化しないため、獲得メダル数表示装置67の表示も変化しない。
【0132】
このように計数メダル数を「0」に設定することで、遊技機の遊技メダル数および専用ユニット50の獲得メダル数の両方が変化しないため、電子化メダルの総数も変化しない。このため遊技機では、計数処理が実行されることはなく、計数ボタンB8の入力操作に応じて電子化メダルが消失してしまうことを回避することができる。これにより電子化メダルの不整合が生じることを回避することができる。
【0133】
また本実施形態では、メダルCPU30aは、遊技メダル数に関わらずに(遊技メダル数が「0」であっても)計数ボタンB8が連続的に操作された時間を計時するため、計数通知を送信する周期が到来したときに確実に長押し操作を判断することができる。これにより最終的な獲得メダル数を遊技者は早期に把握することができ、次の操作を迅速に開始できるため、遊技機の操作性を向上することが可能となる。またメダルCPU30aが実行するプログラム上、遊技メダル数が「0」であるか否かといった判定(分岐)が不要になるので、処理負荷を軽減するとともにメモリ容量を削減することが可能となる。
【0134】
なおメダルCPU30aが、計数通知を送信する周期(例えば、300msec)と、遊技メダル数表示装置70の表示を更新する周期(タイマ割込みによる所定の表示周期:例えば、1msec)は独立して管理されている。このため上述した電子化メダルの払出処理や計数処理のタイミングと、遊技メダル数表示装置70の表示更新タイミングとの時間関係によっては、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示内容が実際の遊技メダル数と異なる状況が生じ得る。
【0135】
ここで遊技メダル数表示装置70の表示内容が更新されるのを待って計数処理を行うとすると、その分計数処理が遅れてしまう。しかしながら本実施形態では、メダルCPU30aは、計数通知を送信する周期が到来したときに計数ボタンB8が所定時間(例えば500msec)以上連続して操作されていると、遊技メダル数表示装置70の表示更新を不要に待つことなく、遊技メダル数の少なくとも一部を専用ユニット50に送信するため、計数処理を速やかに行うことができ、最終的な遊技メダル数を遊技者は早期に把握することができる。これにより次の操作を迅速に開始できるため、遊技機の操作性を向上することが可能となる。
【0136】
また本実施形態では、メインCPU10aは、メダルCPU30aに対し、所定のコマンドを送信する。例えば、メインCPU10aは、ベットボタンB0の操作時に、投入要求枚数を通知する遊技メダル投入コマンドをメダルCPU30aに送信し、スタートレバーSLの操作時に、投入要求枚数を通知するスタートレバー押下コマンドをメダルCPU30aに送信し、払出終了時に、払出枚数を通知する払い出し終了コマンドをメダルCPU30aに送信し、1遊技の終了時に、役物比率等の情報を通知する1遊技終了コマンドをメダルCPU30aに送信し、起動時に、起動時に必要な情報および役物比率等の情報を通知する起動時コマンドをメダルCPU30aに送信し、内部状態の変更時、エラーの発生時、またはエラーの解除時に、状態移行時コマンドをメダルCPU30aに送信する。役物比率等の情報には、総投入枚数、総払出枚数、MY(最大差枚数)、役物総払出枚数、連続役物総払出枚数、役物比率、連続役物比率、有利区間比率、指示込役物比率、役物等状態比率、遊技回数などが含まれる。
【0137】
メダルCPU30aは、メインCPU10aから送信されたコマンドに基づいてエラーを判断することができる。例えば、メダルCPU30aは、遊技メダル投入コマンド、払い出し終了コマンド、および1遊技終了コマンドにおいて、電子化メダルの投入枚数や払出枚数を抽出し、電子化メダルの総投入枚数や総払出枚数との関係に不整合がないことを確認する。またメダルCPU30aは、スタートレバー押下コマンドに基づいて電子化メダルの投入枚数が0でないことを確認する。またメダルCPU30aは、遊技メダル投入コマンドに基づいて遊技状態に対応する電子化メダルの規定数に不整合がないことを確認する。
【0138】
またメダルCPU30aは、メインCPU10aに対し、所定のコマンドを送信する。例えば、メダルCPU30aは、メインCPU10aから遊技メダル投入コマンド、スタートレバー押下コマンド、払い出し終了コマンド、または起動時コマンドを受信すると、投入可能枚数および遊技メダル数を通知する返信コマンドをメインCPU10aに送信する。なおメダルCPU30aは、1遊技終了コマンドおよび状態移行時コマンドに対しては返信コマンドを送信しない。また返信コマンドには、メインCPU10aから送信されたコマンドをメダルCPU30aが正常に受信したか否かの情報が含まれ、メインCPU10aは、受信した返信コマンドに正常受信を示す情報が含まれていれば、メインCPU10aとメダルCPU30aとの通信が正常に完了したとして次の処理に移行することができる。なお返信コマンドに異常を示す情報が含まれていたり、返信コマンドを受信できなければエラー状態に移行するようにしてもよい。
【0139】
また本実施形態のようなメインCPU10aとメダルCPU30aとの通信は、常時実行するとしてもよいし、所定の制限を設けてもよい。例えば、メインCPU10aとメダルCPU30aとの双方向通信を、スタートレバーSLの操作に基づく内部抽選やAT抽選(AT状態への移行の有無を決定する抽選)の完了を契機として開始し、1遊技の終了に伴って制限するとしてもよい。本実施形態では、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、乱数値が取得され、取得された乱数値が内部抽選やAT抽選に用いられるため、遊技開始操作が行われた場合に、内部抽選やAT抽選が完了するまでメインCPU10aとメダルCPU30aとの間で通信を行わず、内部抽選やAT抽選の完了を契機として通信を開始する。これによりメインCPU10aとメダルCPU30aとの通信が乱数値の取得タイミングに影響を及ぼすおそれがなくなり、適切に乱数値を取得することが可能となる。
【0140】
次にメイン基板10とメダル数制御基板30との間の電源投入時の通信仕様について説明する。図11は、本実施形態の遊技機における電源投入時の通信仕様を説明するフローチャートであり、図12は、本実施形態の遊技機におけるメダル数制御基板30の通信許可処理を説明するフローチャートである。メダルCPU30aは、起動時コマンドの正常受信をもってメインCPU10aとの通信が確立したと判断する。
【0141】
電源が投入されると、メインCPU10aは、図5に示すように起動ウェイト時間が経過すると起動時コマンドをセットし(ステップS106)、図11に示すように、電源断予告信号を検出しなかった場合に(ステップS160でN)、起動時コマンドをメダルCPU30aに送信し(ステップS161)、通信タイマを設定し(ステップS162)、返信コマンドの待ち状態に移行する(ステップS163)。ここで起動時コマンドには、起動時に必要な情報(例えば、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード、内部状態、エラー種別などの情報)および役物比率等の情報が含まれる。設定変更条件が成立している場合には内部状態として設定変更中を示す情報が含まれるように起動コマンドを構成し、設定変更条件が成立していない場合には内部状態として遊技可能状態またはエラー状態を示す情報が含まれるように起動コマンドを構成してもよいし、設定変更条件が成立しているか否かに関わらずに内部状態として設定変更中を示す情報が含まれるように起動コマンドを構成してもよい。
【0142】
一方メダルCPU30aは、電源が投入されると、初期設定処理を行い(ステップS170)、起動処理を行い(ステップS171)、起動時コマンドの待ち状態に移行する(ステップS172)。
【0143】
そしてメダルCPU30aは、メインCPU10aから送信された起動時コマンドを正常受信すると(ステップS172でY)、返信コマンドをメインCPU10aに送信する(ステップS173)。なお返信コマンドには、起動時に必要な情報(例えば、遊技メダル数、計数・貸出情報)が含まれる。また起動時コマンドおよび返信コマンドは、スタートビット、コマンド種別情報、ストップビット、パリティビットのシリアル信号で構成されており、メダルCPU30aは、コマンド種別が起動時コマンドを示しており、かつパリティビットが正常な場合に、起動時コマンドが正常であると判断する。なお起動時コマンドが正常であるか否かを判断するのに用いるのは、パリティビットに限られるものではない。
【0144】
またメダルCPU30aは、メインCPU10aから送信された起動時コマンドを正常受信すると、メインCPU10aとの通信が確立したと判断する。
【0145】
そしてメダルCPU30aは、通信許可処理を行い(ステップS174)、専用ユニット50との通信を開始して計数可能状態に移行する。通信許可処理については後述する。
【0146】
メインCPU10aは、返信コマンドの待ち状態において、メダルCPU30aから送信された返信コマンドを正常受信すると(ステップS163でY)、設定変更処理、状態復帰処理、またはコールドスタート処理に移行する。メインCPU10aは、コマンド種別が返信コマンドを示しており、かつパリティビットが正常な場合に、返信コマンドが正常であると判断する。なお返信コマンドが正常であるか否かを判断するのに用いるのは、パリティビットに限られるものではない。
【0147】
なおメインCPU10aは、起動時コマンドをメダルCPU30aに送信したことをもってメダルCPU30aとの通信が確立したと判断してもよいし、メダルCPU30aから送信された返信コマンドを正常受信したことをもってメダルCPU30aとの通信が確立したと判断してもよい。またメインCPU10aは、起動時コマンドを送信した後、返信コマンドを待つことなく、設定変更処理、状態復帰処理、またはコールドスタート処理に移行し、設定変更処理または状態復帰処理の終了後に、返信コマンドの正常受信を確認できなければ、エラー状態に移行するようにしてもよい。
【0148】
またメインCPU10aは、返信コマンドの待ち状態において(ステップS163)、通信タイマによって所定時間を計時し(ステップS162)、返信コマンドを受信することなく所定時間が経過すると、メダルCPU30aとの通信が確立していない、または通信が確立されたがその後通信接続が切断されていると判断して、遊技の進行を制限するようにしてもよい。この場合には、電源を再投入しない限り復帰しないようにしてもよい。
【0149】
図11に示すステップS174の通信許可処理では、図12に示すように、起動時コマンドから主制御チップメーカコード(識別子)を抽出(取得)し(ステップS180)、メダル数制御基板30のメダルROM30bに予め記憶されている、当該メダル数制御基板30のメーカコード(特定識別子)と比較し、一致するか否か判定する(ステップS181)。メーカコードは、遊技機を製作したメーカを一意に特定可能な識別子である。したがって、メイン基板10とメダル数制御基板30とが同一のメーカの基板であれば、メーカコードは一致し、メイン基板10とメダル数制御基板30とがそれぞれ異なるメーカの基板であれば、メーカコードが異なることとなる。
【0150】
メーカコードを比較した結果、両者が一致すれば(ステップS181でY)、メダルCPU30aは、通信許可フラグをONし(ステップS182)、一方、両者が不一致であれば(ステップS181でN)、メダルCPU30aは、通信許可フラグをOFFし(既にOFFである場合はOFFを維持し)(ステップS183)、メダルCPU30aが管理するメーカコード不一致エラーを設定する(ステップS184)。
【0151】
通信許可フラグは、メダルCPU30aと専用ユニット50との通信可否を制御するためのフラグである。メダルCPU30aは、電源投入に伴い通信許可フラグをリセット(OFF)し、通信許可フラグがONであると(有効だと)、専用ユニット50との通信を実行可能とするが、通信許可フラグがOFFであると(無効だと)、メダルCPU30aは、専用ユニット50との通信を実行(開始)しない。
【0152】
このためメダルCPU30aは、図9で示した専用ユニット50へ通知(遊技機情報通知、計数通知、貸出受領結果応答)を送信するタイミングにおいて毎回、通信許可フラグを確認し、通信許可フラグがONである場合に通知を送信する。
【0153】
またメダルCPU30aは、専用ユニット50から貸出通知を受信した場合、そのタイミングが適切であり、かつ、通信許可フラグがONであれば、貸出通知に対する処理を実行する。しかしながら受信タイミングが適切ではない、または通信許可フラグがOFFであれば、メダルCPU30aは、貸出通知を無視(破棄)し、貸出通知に対する処理を実行しない。ここで、適切なタイミングは、図9で示したような、メダルCPU30aが計数通知を送信してから約170msec後、または、遊技機情報通知を送信してから約270msec後である。
【0154】
このようにメダルCPU30a(第2制御部)は、メインCPU10a(第1制御部)から起動時コマンド(情報)を受信すると、起動時コマンドからメーカコード(識別子)を取得する。そして本実施形態では、メダルCPU30aは、メーカコードが予め定められたメーカコード(特定識別子)と等しいと判断すると、専用ユニット50との通信を可能にするため、メダルCPU30aとメインCPU10aとの接続関係が正しく、通信が適切に行われている場合に、メダルCPU30aは専用ユニット50と通信を行うことができる。これによりメダルCPU30aとメインCPU10aとの通信が適切に行われていない状態では、メダルCPU30aと専用ユニット50との通信が開始されることがないので、メダルCPU30a、メインCPU10a、専用ユニット50間の処理を適切に行うことが可能となる。
【0155】
また本実施形態では、メダルCPU30aとメインCPU10aとの通信が適切に行われていることを、遊技機の電源投入時における起動時コマンドによって確認している。起動時コマンドは、メインCPU10aがメダルCPU30aに送信するコマンド(起動時コマンド、遊技メダル投入コマンド、スタートレバー押下コマンド、払い出し終了コマンド、1遊技終了コマンド、状態移行時コマンド)のうち最も早期に送信されるため、メダルCPU30aとメインCPU10aとの通信を、他のコマンド(遊技メダル投入コマンド、スタートレバー押下コマンド、払い出し終了コマンド、1遊技終了コマンド、状態移行時コマンド)に先立って早期に確認することができ、メダルCPU30aと専用ユニット50との通信を早期に開始することができる。
【0156】
なおメダルCPU30aとメインCPU10aとの通信が適切に行われていることを確認する情報は起動時コマンドに限られず、他のコマンド(遊技メダル投入コマンド、スタートレバー押下コマンド、払い出し終了コマンド、1遊技終了コマンド、状態移行時コマンド)であってもよい。このようにしてもいずれかのコマンドによってメダルCPU30aとメインCPU10aとの通信が適切に行われていることを確認することが可能となる。
【0157】
また本実施形態では、メダルCPU30aとメインCPU10aとの通信が適切に行われていることを、起動時コマンドに含まれるメーカコードによって確認しているが、メーカコードに限られず、メインCPU10aとメダルCPU30aとの接続関係(メイン基板10とメダル数制御基板30との接続関係)を特定できる識別子であれば足り、例えば、起動時コマンドに含まれる起動時に必要な情報である遊技機情報やチップID、または他のコマンド(遊技メダル投入コマンド、スタートレバー押下コマンド、払い出し終了コマンド、1遊技終了コマンド、状態移行時コマンド)に含まれる任意の識別子を用いることもできる。
【0158】
図13は、メダル数制御基板30を説明する図である。
【0159】
図13(A)に示すようにメダル数制御基板30には、第1コネクタ82と、第2コネクタ84と、状態表示装置80と、遊技メダル数クリアボタンB13と、エラー解除ボタンB14とが設けられている。第1コネクタ82は、専用ユニット50と通信するケーブルを接続するためのコネクタであり、第2コネクタは、メイン基板10と通信するケーブルを接続するためのコネクタである。状態表示装置80は、エラー状態や遊技メダル数クリアなどを表示する。遊技メダル数クリアボタンB13は、遊技メダル数を0枚にクリアする操作を行うためのものであり、エラー解除ボタンB14は、所定のエラー(例えば、バックアップエラーなど)を解除する操作を行うためのものである。
【0160】
またメダル数制御基板30は、ケース本体352およびケース蓋体354により構成される透明または半透明な基板ケース350に収納される。ケース本体352には連結ピン356(封印手段の一例)でケース蓋体354と連結される本体側連結部358(封印手段の一例)が設けられ、ケース蓋体354には連結ピン356でケース本体352と連結される蓋体側連結部360(封印手段の一例)が設けられており、メダル数制御基板30を基板ケース350に収納して閉じると、ケース本体352の本体側連結部358がケース蓋体354の蓋体側連結部360の内部に嵌まるように構成されており、この状態で、嵌合している本体側連結部358および蓋体側連結部360に連結ピン356を差し込むことでケース本体352およびケース蓋体354が連結されてメダル数制御基板30が封印されるようになっている。
【0161】
そしてメダル数制御基板30が収納されて封印された基板ケース350は、図13(B)に示すように、メダル数制御基板30上に設置された状態表示装置80の表示が上部前面扉UDを開放した状態で正面から視認可能となるように筐体内のリールユニット310の上部に設置される。このため本実施形態では、上部前面扉UDを開放することで状態表示装置80の表示を視認することができるようになっている。なおメダル数制御基板30を筐体内のリールユニット310の下部(例えば、電源ユニットの近傍)に配置するようにしてもよい。
【0162】
またケース蓋体354には、遊技メダル数クリアボタンB13およびエラー解除ボタンB14のそれぞれに対応する位置に開口部が設けられ、メダル数制御基板30を基板ケース350に収納すると、遊技メダル数クリアボタンB13およびエラー解除ボタンB14がケース蓋体354の開口部から露出し、操作(押下)可能に構成されている。
【0163】
また本実施形態では、メダルCPU30aは、所定の遊技メダル数クリア条件(所定のクリア条件の一例)を満たすと、メダル保持部の遊技メダル数(遊技価値数の一例)を0枚にクリア(初期化)する。本実施形態では、遊技メダル数クリアボタンB13を操作(押下)した状態(遊技メダル数クリアスイッチ256がON)で電源が投入されると、遊技メダル数クリア条件を満たしたと判断する。遊技メダル数を0枚にクリアすると、メダルCPU30aは、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を「0」に更新し、遊技メダル数を0枚にクリアしたことを報知する特定クリア報知(特定報知の一例)をメダル数制御基板30の状態表示装置80に行わせ、遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に所定時間(例えば、5sec)出力する。所定時間(例えば、5sec)が経過すると、遊技メダル数クリア信号の出力を終了するとともに、特定クリア報知も終了させる。
【0164】
状態表示装置80は、7セグメント表示器により構成され、メダルCPU30aは、7セグメント表示器の小数点等を表示するドット表示部DP(図13参照)を点灯させることにより特定クリア報知を行い、ドット表示部DPを消灯させることにより特定クリア報知を終了させる。なお特定クリア報知はこれに限られるものではなく、特定クリア報知では、ドット表示部DPを点滅させるようにしてもよいし、7セグメント表示器に所定の識別記号を表示させるようにしてもよい。
【0165】
なお本実施形態の遊技機の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。これらのシステムでは、本実施形態のメイン基板10やサブ基板20やメダル数制御基板30としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0166】
1-2.本実施形態の手法
以下、図14を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法について具体的に説明する。図14は、本実施の形態の遊技機におけるメダル数制御基板の遊技メダル数クリア処理を説明するフローチャートである。
【0167】
メダルCPU30aは、電源投入後、図11に示すステップS171の起動処理が終了すると、遊技メダル数クリア処理を行う。遊技メダル数クリア処理では、図14に示すように、遊技メダル数クリア条件が成立したか否かを判定する(ステップS190)。具体的には、遊技メダル数クリアスイッチ256のON状態を検出した場合に遊技メダル数クリア条件が成立したと判定し、遊技メダル数クリアスイッチ256のON状態を検出しなかった場合には遊技メダル数クリア条件が成立していないと判定する。
【0168】
遊技メダル数クリア条件が成立した場合には(ステップS190でY)、メダル保持部の遊技メダル数を0枚にクリアし(ステップS191)、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を「0」に更新し(ステップS192)、ホールコン・不正監視情報における遊技機不正2の第2ビット(例えば、ビット3)に「1」を設定することによって遊技メダル数クリア信号をON状態に設定し(ステップS193)、所定時間(例えば、5sec)をタイマ設定する(ステップS194)。ただしこの段階では、通信許可フラグがOFFであるので、遊技メダル数クリア信号が専用ユニット50に出力されることはなく、タイマも計時を開始しない。
【0169】
そして通信許可フラグがONになると(ステップS195)、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知を通じて遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に出力し(ステップS196)、メダル数制御基板30の状態表示装置80におけるドット表示部DPを点灯させることによって特定クリア報知を実行し(ステップS197)、所定時間(例えば、5sec)の計時を開始する。
【0170】
そして所定時間(例えば、5sec)が経過すると(ステップS198でY)、ホールコン・不正監視情報における遊技機不正2の第2ビット(例えば、ビット3)に「0」を設定することによって遊技メダル数クリア信号をOFF状態に設定し(ステップS199)、メダル数制御基板30の状態表示装置80におけるドット表示部DPを消灯させることによって特定クリア報知を終了する(ステップS200)。こうして所定時間(例えば、5sec)の間、遊技メダル数クリア信号のON状態が維持され、遊技メダル数クリア信号の出力が継続し、遊技メダル数クリア信号の出力が継続している間、特定クリア報知を実行する。なお専用ユニット50は、遊技メダル数クリア信号を受信すると、その旨をホールコンピュータなどに通知する。
【0171】
このように本実施の形態では、メダルCPU30aは、電源投入後、メインCPU10aから起動時コマンドを受信すると、メインCPU10aとの通信が確立したと判断し、メーカコードが一致したことに基づいて通信許可フラグをONすると、メインCPU10aの制御状況に関わらずに専用ユニット50との通信を開始する。メダルCPU30aから専用ユニット50へは、ホールコン・不正監視情報を含む遊技機情報通知を通じて遊技メダル数クリア信号を出力可能となっている。これにより本実施の形態によれば、メダルCPU30aは、メインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、メインCPU10aの制御状況に関わらずに遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に送信するため、遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に速やかに通知することができる。なおメインCPU10aの制御状況には、遊技可能状態や遊技不能状態などを含み、遊技不能状態には、電源投入後の初期設定中、初期化処理中、設定値の変更中、設定値の確認中、ならびにリセット等による復帰処理が必要なエラー状態中などが含まれる。
【0172】
ここで開始条件をメインCPU10aの内部状態が遊技可能状態となったこととすると、設定値の変更と遊技メダル数のクリアを同時に行った場合に設定値の変更が終了するまで遊技メダル数クリア信号が専用ユニット50に送信されなくなってしまうが、本実施の形態では、メインCPU10aとメダルCPU30aとの通信が確立したタイミングで遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に通知可能としたため、設定値の変更と遊技メダル数のクリアを同時に行った場合であっても遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に速やかに通知することができる。
【0173】
具体的には、電源投入時に設定変更条件を満たした場合には、メインCPU10aからメダルCPU30aに起動時コマンドを通じて設定値の変更中であることが通知され、メダルCPU30aが遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に送信する際にメインCPU10aが設定値の変更中である状況が起こり得るが、メダルCPU30aは、メインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、メインCPU10aが設定値の変更中(遊技不能状態)であっても遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に送信するため、設定値の変更が終了して遊技可能となるのを待つことなく遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に通知することができ、遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に速やかに通知することができる。これにより遊技メダル数をクリアしたことを速やかに把握することができる。
【0174】
なおメダルCPU30aは、メインCPU10aからの起動時コマンドを受信する前に専用ユニット50との通信を開始すると、主制御チップID番号や主制御チップメーカコードなどのメインCPU10aの情報がわからないため、専用ユニット50が正常受信できなかったりエラーとなったりするおそれがあるが、本実施の形態によれば、遊技メダル数をクリアしたことを、電源投入後の最も早いタイミングで専用ユニット50に適切に通知することができる。
【0175】
また本実施の形態では、メダルCPU30aは、メインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、メインCPU10aの制御状況に関わらずに特定クリア報知をメダル数制御基板30の状態表示装置80に実行させるため、遊技メダル数をクリアしたことを速やかに報知することができる。
【0176】
ここで開始条件をメインCPU10aの内部状態が遊技可能状態となったこととすると、設定値の変更と遊技メダル数のクリアを同時に行った場合に設定値の変更が終了するまで特定クリア報知を実行できなくなってしまうが、本実施の形態では、メインCPU10aとメダルCPU30aとの通信が確立したタイミングで特定クリア報知を実行可能としたため、設定値の変更と遊技メダル数のクリアを同時に行った場合であっても遊技メダル数をクリアしたことを速やかに報知することができる。
【0177】
具体的には、メダルCPU30aは、メインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、メインCPU10aが設定値の変更中(遊技不能状態)であっても特定クリア報知を状態表示装置80に実行させるため、設定値の変更が終了して遊技可能となるのを待つことなく遊技メダル数をクリアしたことを報知することができ、遊技メダル数をクリアしたことを速やかに報知することができる。これにより遊技メダル数をクリアしたことを速やかに把握することができる。
【0178】
また本実施の形態では、メダルCPU30aは、メインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、専用ユニット50との接続状況に関わらずに特定クリア報知を状態表示装置80に実行させるため、専用ユニット50と接続されていないことで遊技メダル数をクリアしたことを専用ユニット50に通知することができない状況であってもその旨を特定クリア報知によって遊技店の店員などに知らせることができ、遊技メダル数をクリアしたことを適切に報知することができる。
【0179】
また本実施の形態では、特定クリア報知を状態表示装置80に実行させるため、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を確認しなくても遊技メダル数をクリアしたことを把握することができる。
【0180】
図15図16は、本実施の形態の遊技機におけるメニュー演出において表示される画像を示す図であり、図17は、本実施の形態の遊技機における特定エラー報知において表示される画像を示す図である。
【0181】
本実施の形態では、サブCPU20a(演出制御手段210)は、デモ演出の実行中に演出ボタンB5またはメニューボタンB6に対する操作が行われると、演出ボタンスイッチ270またはメニューボタンスイッチ280が作動することに伴って、デモ演出を終了して所定のメニュー表示を行うメニュー演出に移行させる。メニュー演出では、演出ボタンB5またはメニューボタンB6に対する操作に応答して、図15に示すように、メニュー画面400(所定のメニュー画面)を液晶ディスプレイLCDに表示させる(メニュー表示)。メニュー画面400に移行すると、それまで表示していた画像は非表示となる。
【0182】
メニュー画面400では、図15に示すように、「音量」、「光量」、「演出カスタマイズ」、「遊技履歴」、および「終了」の項目が選択肢として表示され、十字キーB7の操作によりカーソルを移動させていずれかの項目を選択し、メニューボタンB6を押下操作して決定すると、選択された項目に対応する画面に移行する。
【0183】
メニュー画面400において「音量」が選択決定されると、図16(A)に示すように、スピーカSPから出力する音の音量を設定するための音量設定画面410に移行し、メニュー画面400において「光量」が選択決定されると、図16(B)に示すように、外周ランプALや液晶ディスプレイLCDの光量を設定するための光量設定画面430に移行し、メニュー画面400において「演出カスタマイズ」が選択決定されると、演出態様を設定するための演出カスタマイズ画面(図示省略)に移行し、メニュー画面400において「遊技履歴」が選択決定されると、ボーナスの当選回数などの遊技履歴を確認するための遊技履歴画面(図示省略)に移行する。本実施の形態では、「1」~「5」の5段階で音量を設定可能となっており、音量設定画面410では、図16(A)に示すように、5段階の音量に対応した音量バー画像420を表示させ、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作により音量バーの目盛りを増減させることによって音量を変更し、メニューボタンB6の操作により音量を決定する。光量についても「1」~「5」の5段階で光量を設定可能となっており、光量設定画面430では、図16(B)に示すように、5段階の光量に対応した光量バー画像440を表示させ、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作により光量バーの目盛りを増減させることによって光量を変更し、メニューボタンB6の操作により光量を決定する。また演出カスタマイズ画面では、特定キャラクターに対応した演出態様などを選択することができるようになっている。
【0184】
音量設定画面410、光量設定画面430、演出カスタマイズ画面、または遊技履歴画面においてメニューボタンB6が操作されると、メニュー画面400に戻り、メニュー画面400において「終了」が選択決定されると、メニュー画面400を終了して遊技演出(遊技画面)に復帰する(メニュー表示を終了する)。
【0185】
またメニュー画面400、音量設定画面410、光量設定画面430、演出カスタマイズ画面、または遊技履歴画面において、ベットボタンB0に対する操作が行われたり、精算ボタンB4に対する操作が行われたり、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われたり計数ボタンB8に対する操作が行われると、これらの表示を終了して遊技演出に復帰する。
【0186】
またサブCPU20a(演出制御手段210)は、遊技が可能な遊技可能状態(遊技が可能な状況)または遊技中(遊技が可能な状況)において左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dが操作されると、左ボタンスイッチ290Cまたは右ボタンスイッチ290Dが作動することに伴って、「1」~「5」の5段階の範囲内で音量を変更する音量変更処理を行い、現在の音量を示す(または示唆する)音量バー画像420を所定時間(例えば、2秒)だけ液晶ディスプレイLCDに表示させる音量表示処理と操作音(例えば、ポン等)を現在の音量でスピーカSPから出力させる操作音出力処理とを行う。音量設定画面410において音量バー画像420が表示されている場合も同様に、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dが操作されると、音量変更処理を行い、音量設定画面410から別の画面に遷移するまで音量バー画像420を表示させる音量表示処理と、操作音出力処理とを行う。これらの場合に音量表示処理では、変更後の現在の音量を示す音量バー画像420を表示し、操作音出力処理では、変更後の現在の音量で操作音を出力する。
【0187】
またサブCPU20a(演出制御手段210)は、遊技可能状態または遊技中において上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bが操作されると、上ボタンスイッチ290Aまたは下ボタンスイッチ290Bが作動することに伴って、「1」~「5」の5段階の範囲内で光量を変更する光量変更処理を行い、現在の光量を示す(または示唆する)光量バー画像440を所定時間(例えば、2秒)だけ液晶ディスプレイLCDに表示させる光量表示処理と操作音(例えば、ポン等)を現在の音量でスピーカSPから出力させる操作音出力処理とを行う。光量設定画面430において光量バー画像440が表示されている場合も同様に、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bが操作されると、光量変更処理を行い、光量設定画面430から別の画面に遷移するまで光量バー画像440を表示させる光量表示処理と、操作音出力処理とを行う。
【0188】
また本実施の形態では、メダルCPU30aは、VL接続信号がOFF状態である場合に、メダル数VL未接続信号をメインCPU10aに出力し、VL接続信号がON状態になるまで出力を継続する。メインCPU10aは、メダル数VL未接続信号のON状態が所定時間(例えば、154.96msec)以上継続した場合に、貸出装置接続エラー(特定エラー)に対応する貸出装置接続エラーフラグをON状態に設定してエラー状態とし、遊技の進行を制限する。貸出装置接続エラーが発生すると、メインCPU10aは、貸出装置接続エラーの発生を通知する特定エラー発生コマンドをサブCPU20aに送信する。サブCPU20aは、特定エラー発生コマンドによって専用ユニット50と未接続状態であることを把握することができる。
【0189】
またメインCPU10aは、貸出装置接続エラー中において、メダル数VL未接続信号のOFF状態が所定時間(例えば、655.60msec)以上継続した場合に、貸出装置接続エラーを解除し、その旨を通知する特定エラー解除コマンドをサブCPU20aに送信する。サブCPU20aは、特定エラー解除コマンドによって専用ユニット50と適切に接続されかつ専用ユニット50の電源がONであることを把握することができる。
【0190】
またメダルCPU30aは、起動時に、VL接続信号がOFF状態であれば、メダル数VL未接続信号の出力を開始し、VL接続信号がON状態になると、メダル数VL未接続信号の出力を終了する。メインCPU10aは、メイン起動処理が完了すると、メダル数VL未接続信号のOFF状態が所定時間(例えば、655.60msec)以上継続していれば、専用ユニット50と適切に接続されかつ専用ユニット50の電源がONであると判断し、遊技可能状態に移行させる。このときメインCPU10aは、VL接続信号の受信を通知する接続コマンドをサブCPU20aに送信する。サブCPU20aは、接続コマンドによってVL接続信号の受信および遊技可能状態であることを把握することができる。
【0191】
そして本実施の形態では、サブCPU30a(演出制御手段210)は、サブ起動処理が完了すると、メインCPU10aからのコマンドに基づいて演出処理を実行するが、特定エラー発生コマンドを受信した場合には、専用ユニット50と未接続状態であることを報知(または示唆)する特定エラー報知(特定報知)を表示装置330や音響装置340に実行させる。
【0192】
特定エラー報知では、図17に示すように、「貸出ユニット起動中」や「しばらくお待ちください。この作業には数分かかることがあります。」などの文字列を含む特定画像450を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定のエラーパターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定のエラー音をスピーカSPから出力させる。
【0193】
また本実施形態では、サブCPU20a(演出制御手段210)は、サブ起動処理が完了すると、メインCPU10aの内部状態(遊技可能状態やエラー状態など)に関わらずに、メニューボタンB6や十字キーB7に対する操作を有効化する(受け付ける)。すなわち本実施形態では、メインCPU10aの内部状態が貸出装置接続エラー状態であってもサブCPU20aは、メニューボタンB6や十字キーB7に対する操作を受け付ける。またサブCPU20aは、メニューボタンB6や十字キーB7に対する操作の有効化に伴い、メニューボタンB6や十字キーB7に内蔵されているLEDを点灯させ、メニューボタンB6や十字キーB7に対する操作が無効化されると、メニューボタンB6や十字キーB7に内蔵されているLEDを消灯させる。すなわち本実施形態では、メインCPU10aの内部状態が貸出装置接続エラー状態であってもサブCPU20aは、メニューボタンB6や十字キーB7に内蔵されているLEDを点灯させる。
【0194】
そして本実施形態では、サブCPU20a(演出制御手段210)は、特定画像450の表示中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dが操作されると、音量バー画像420を表示せずに図17に示す特定画像450の表示を継続しつつ操作音を出力する。具体的には、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作に応答して、音量変更処理を行い、音量表示処理と操作音出力処理とを行うが、音量表示処理では、特定画像450を描画したレイヤーよりも下位のレイヤーに音量バー画像420を描画するため、音量バー画像420は表示されない。すなわち音量バー画像420よりも特定画像450の表示を優先する。また操作音出力処理では、変更後の現在の音量で操作音を出力する。
【0195】
またサブCPU20a(演出制御手段210)は、特定画像450の表示中に上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bが操作されると、光量バー画像440を表示せずに図17に示す特定画像450の表示を継続しつつ操作音を出力する。具体的には、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bの操作に応答して、光量変更処理を行い、光量表示処理と操作音出力処理とを行うが、光量表示処理では、特定画像450を描画したレイヤーよりも下位のレイヤーに光量バー画像440を描画するため、光量バー画像440は表示されない。すなわち光量バー画像440よりも特定画像450の表示を優先する。
【0196】
またサブCPU20a(演出制御手段210)は、特定エラー報知の実行中に特定エラー解除コマンドを受信すると、特定エラー報知を終了させる。このとき音量バー画像420または光量バー画像440を下位のレイヤーに描画していた場合には、特定画像450の非表示に伴い音量バー画像420または光量バー画像440が表示される。
【0197】
このように本実施の形態では、専用ユニット50との未接続状態においてサブCPU20aは、専用ユニット50と未接続状態であることを報知(または示唆)する特定エラー報知を実行し、特定エラー報知では、図17に示すように、「貸出ユニット起動中」などの文字列を含む特定画像450を液晶ディスプレイLCDに表示させる。そして本実施の形態では、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dの操作により音量を変更可能となっており、特定画像450の表示中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われると、音量変更処理を行い、特定画像450の表示を継続しつつ操作音(所定音の一例)を現在の音量で出力するため、専用ユニット50との未接続状態においても音量を確認することができ、音量変更に関する機能を向上させることができる。
【0198】
また本実施の形態では、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bの操作により光量を変更可能となっており、特定画像450の表示中に上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bに対する操作が行われると、光量変更処理を行い、特定画像450の表示を継続しつつ操作音を現在の音量で出力するため、専用ユニット50との未接続状態においても、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dによる音量変更操作や上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bによる光量変更操作が有効であることを確認することができる。特に本実施の形態によれば、工場出荷時の動作確認などにおいて専用ユニット50を接続させなくても、十字キーB7が有効であることを確認することができる。
【0199】
また本実施の形態では、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dによる音量変更操作で変更可能な音量は、操作音、BGMや効果音などの演出音に対して適用され、エラー音や警告音に対しては適用されないため、専用ユニット50との未接続状態において音量変更操作で音量が変更されても特定エラー報知に係るエラー音の音量は変更されない。これによりエラー状態を適切に報知することができる。
【0200】
また本実施の形態では、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bによる光量変更操作で変更可能な光量は、遊技演出やデモ演出に対して適用され、特定エラー報知などの、エラーを報知または警告するための演出に対しては適用されないため、専用ユニット50との未接続状態において光量変更操作で光量が変更されても特定エラー報知の光量は変更されない。これによりエラー状態を適切に報知することができる。
【0201】
また本実施の形態では、メインCPU10aは、遊技の途中(リールの回転中)に貸出装置接続エラーが発生すると、貸出装置接続エラーが発生した遊技の終了後に遊技進行を制限する。特に本実施の形態では、遊技の途中(リールの回転中)に貸出装置接続エラーが発生し、当該遊技で小役が入賞した場合には電子化メダルの払い出しが終了してから遊技進行を制限する。具体的には、メインCPU10aは、貸出装置接続エラーが発生した遊技において小役の入賞に伴い払い出し終了コマンドをメダルCPU30aに送信し、当該遊技の終了後に電子化メダルの投入を新たに受け付ける投入処理においてエラー判定を行い、内部状態をエラー状態に設定して遊技の進行を制限する。払い出し終了コマンドを受信したメダルCPU30aは、払出枚数を遊技メダル数に加算し、加算後の遊技メダル数に基づいて遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示を更新するため、遊技の途中(リールの回転中)に貸出装置接続エラーが発生し、当該遊技で小役が入賞した場合には、遊技メダル数の表示が更新されてから遊技進行が制限される。ただし専用ユニット50との通信接続は切断されているため、メダルCPU30aから専用ニット50へは電子化メダルの払出枚数は通知されず、専用ユニット50との通信接続が回復すると、未通知の払出枚数が通知される。またサブCPU20aは、遊技の途中(リールの回転中)に特定エラー発生コマンドを受信すると、当該コマンドを受信した遊技の終了後に特定エラー報知を実行する。これにより本実施形態では、遊技の途中(リールの回転中)に貸出装置接続エラーが発生し、当該遊技で小役が入賞した場合には、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示が更新されてから特定エラー報知が実行されるため、特定エラー報知中において遊技者は、電子メダルの払い出しが完了していることを把握することができる。遊技メダル数の表示を更新することなく遊技進行を停止させて特定エラー報知を行うと、電子化メダルが払い出されていないといった誤解を遊技者に与えたり、払出枚数分の電子化メダルが消えたかもしれないといった疑念を遊技者が抱くおそれがあるが、本実施の形態によれば、遊技者に無用の誤解を与えたり、無用の疑念を抱かせないようにすることができる。なおメインCPU10aは、貸出装置接続エラーが発生したタイミングで内部状態をエラー状態に設定して遊技の進行を制限してもよい。このようにしても本実施の形態では、ストップボタンB1~B3に対する停止操作に基づく遊技進行を制限しないため、貸出装置接続エラーが発生した遊技の終了後に遊技進行が制限される。
【0202】
また本実施の形態では上述の如く、計数ボタンB8が操作されると、メダルCPU30aは、電子化メダルの計数処理を実行するとともに、メインCPU10aにその旨を通知するコマンドを送信し、当該コマンドを受信したメインCPU10aは、サブCPU20aにその旨を通知するコマンドを送信し、当該コマンドを受信したサブCPU20a(演出制御手段210)は、所定の計数音をスピーカSPから出力させる。またメダルCPU30aは、計数ボタンB8の押下状態が解放されたり、計数処理が終了すると、計数ボタンB8の押下状態の解放(操作終了)や計数処理の終了を通知するコマンドをメインCPU10aに送信し、当該コマンドを受信したメインCPU10aは、サブCPU20aにその旨を通知するコマンドを送信し、当該コマンドを受信したサブCPU20aは、所定の計数音の出力を終了する。具体的には、サブCPU20aは、計数ボタンB8の短押し操作が行われた場合には第1計数音をスピーカSPから出力させ、計数ボタンB8の長押し操作が行われた場合には第2計数音(例えば、所定の楽曲)をスピーカSPから出力させ、第2計数音の出力は長押し操作または計数処理が終了するまで継続し、長押し操作または計数処理が終了すると、第2計数音の出力を終了する。
【0203】
また本実施の形態では上述の如く、遊技が可能な間に計数ボタンB8が操作された場合には必ず計数処理を実行するため、例えば、遊技中(リールの回転中)であっても計数ボタンB8の操作により電子化メダルを計数可能となっている。このため本実施の形態では、BGMや効果音などの演出音と第1計数音や第2計数音などの計数音とが重複する場合がある。BGMや効果音などの演出音と第2計数音とが重複する場合には、サブCPU20a(演出制御手段210)は、演出音(例えば、BGM)の音量を低下させる。これにより第2計数音を聞き取り易くすることができる。そしてサブCPU20aは、長押し操作もしくは計数処理が行われてから所定時間が経過したこと、長押し操作もしくは計数処理が終了したこと、長押し操作もしくは計数処理が終了してから所定時間が経過したこと、第2計数音の出力が終了したこと、または第2計数音の出力が終了してから所定時間が経過したことを契機として、低下させた音量を元の音量に復帰させる。なおBGMや効果音などの演出音と第1計数音とが重複する場合には、第1計数音は短音であるため、演出音(例えば、BGM)の音量を低下させないが低下させてもよい。BGMや効果音などの演出音を低下させる場合には、重複する計数音の音量よりも低下させるようにしてもよいし、音量変更処理で設定されている音量よりも低下させるようにしてもよい。
【0204】
図18は、本実施の形態の遊技機におけるエラーを説明する図である。
【0205】
本実施の形態では、図18に示すように、メインCPU10aが検出可能なエラーとして、バックアップエラーや貸出装置接続エラーなどの複数種類のエラーが設定されており、メインCPU10aは、エラーを検出すると、当該エラーに対応するエラーフラグをON状態に設定して内部状態をエラー状態に設定し、遊技の進行を制限し、エラーの発生(検出)を通知するコマンドをサブCPU20aに送信し、当該コマンドを受信したサブCPU20a(演出制御手段210)は、エラーを報知するエラー報知を実行する。エラー報知では、図18に示すエラーコード(エラー種別を示す識別記号)を含む所定のエラー画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定のエラーパターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定のエラー音をスピーカSPから出力させる。またメインCPU10aは、エラーを検出すると、図18に示すエラーコードを遊技情報表示部DSに表示させる。そして本実施の形態では、エラーの種類によっては遊技の進行を制限している場合に計数処理を実行可能としてもよく、エラー状態において電子化メダルを計数可能とした場合には、エラー音と計数音とが重複する場合がある。サブCPU20aは、エラー音と計数音(第1計数音または第2計数音)とが重複する場合には、どちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させる。なおエラーの種類は図18に示すものに限られるものではない。
【0206】
また本実施の形態では、メインCPU10aは、複数種類のエラーフラグがON状態に設定されている場合には、そのなかで最も早く検出されたエラーを、検出中のエラー種別として設定してそのエラーコードを遊技情報表示部DSに表示させる。ただし、エラーコードに優先順位を予め設けて、最も優先順位の高いエラーコードを遊技情報表示部DSに表示するようにしてもよい。また発生したエラーが解消されると、当該エラーフラグはOFF状態に設定される。
【0207】
また本実施の形態では、所謂コンプリート機能(特定機能の一例)を備えている。コンプリート機能とは、図18に示すように、電源投入からの電子化メダルの増加数が予め定められた上限数(例えば、19000枚)に到達すると、遊技の進行を制限する(遊技進行を停止させる)機能である。メインCPU10aは、電源が投入されてからの電子化メダルの差枚数(投入枚数(ベット数)と払出枚数(付与数)との差)をカウントし、電子化メダルの差枚数が最も減少した最下点を基準として、最下点からの電子化メダルの差枚数(増加数、MY)が予め定められた上限数(例えば、19000枚)に到達すると、コンプリート作動条件が成立したと判定し、遊技の進行を制限するコンプリート機能を作動させる。またメインCPU10aは、電源がリセットされると、電子化メダルの差枚数を0枚に初期化(リセット)する。
【0208】
また本実施の形態では、コンプリート機能の作動もメインCPU10aが検出可能なエラーとして設定されており、メインCPU10aは、コンプリート作動条件が成立すると、コンプリート機能の作動を示すコンプリートエラーに対応するコンプリートエラーフラグをON状態に設定して内部状態をエラー状態に設定し、その旨を通知するコンプリート作動コマンドをサブCPU20aに送信し、コンプリート作動コマンドを受信したサブCPU20aは、コンプリート機能が作動したことを報知するコンプリート演出を実行する。コンプリート演出では、所定のコンプリート画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定のコンプリートパターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定のコンプリート作動音をスピーカSPから出力させる。
【0209】
またメインCPU10aは、電子化メダルの差枚数が上限数(例えば、19000枚)よりも所定枚数だけ少ない規定数(例えば、18900枚)を超えると、その旨を通知するコンプリート警告コマンドをサブCPU20aに送信し、コンプリート警告コマンドを受信したサブCPU20aは、コンプリート機能の作動が近づいていることを警告するコンプリート警告演出を実行する。コンプリート警告演出では、所定の警告画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定の警告パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定のコンプリート警告音をスピーカSPから出力させる。以下、コンプリート作動音およびコンプリート警告音を総称してコンプリート機能音という。
【0210】
そして本実施の形態では、メインCPU10aは、コンプリート機能による遊技進行の制限中において計数処理を実行可能とするため、コンプリート機能音と計数音とが重複する場合がある。サブCPU20aは、コンプリート機能音と計数音(第1計数音または第2計数音)とが重複する場合には、どちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させるが、いずれか一方の音量を低下させるようにしてもよい。
【0211】
またサブCPU20aは、BGMや効果音などの演出音とコンプリート機能音とが重複する場合には、どちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させるが、いずれか一方の音量を低下させるようにしてもよい。
【0212】
また本実施の形態では、メダルCPU30aは、遊技メダル数が15000枚(第1数の一例)以上となると、遊技メダル数が15000枚以上であることを通知するコマンドをメインCPU10aに送信し、当該コマンドを受信したメインCPU10aは、その旨を通知するコマンドをサブCPU20aに送信し、当該コマンドを受信したサブCPU20aは、遊技メダル数が上限(例えば、16382枚)に近づいていることを報知する計数警告演出(特定報知の一例)を実行する。計数警告演出では、所定の計数警告画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定の計数警告パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定の計数警告音をスピーカSPから出力させる。これにより遊技者に計数を促すことができる。
【0213】
そして本実施の形態では、計数警告音と計数音とが重複する場合があり、この場合にサブCPU20aは、計数警告音と計数音(第1計数音または第2計数音)のどちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させるが、いずれか一方の音量を低下させるようにしてもよい。
【0214】
またサブCPU20aは、BGMや効果音などの演出音と計数警告音とが重複する場合には、どちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させるが、いずれか一方の音量を低下させるようにしてもよい。
【0215】
またサブCPU20aは、コンプリート機能音と計数警告音とが重複する場合には、どちらの音量も低下させることなく両方をスピーカSPから出力させるが、いずれか一方の音量を低下させるようにしてもよい。
【0216】
図19は、本実施の形態の遊技機におけるメイン基板10の投入処理を説明するフローチャートであり、図20は、本実施の形態の遊技機におけるメイン基板10のコンプリートエラー処理およびエラー停止中処理を説明するフローチャートであり、図21は、本実施の形態の遊技機におけるメイン基板10のドア開放エラー監視処理および設定値確認処理を説明するフローチャートである。
【0217】
本実施の形態では、メインCPU10aは、投入処理においてドア開放エラーを監視するドア開放エラー監視処理を行い、ドア開放エラー監視処理から設定確認モードに移行可能となっている。また本実施の形態は、コンプリートエラーが発生すると、遊技の進行を制限するが、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放される可能性があるため、コンプリート機能による遊技進行の制限中においてもドア開放エラーを監視する。具体的には、メインCPU10aは、投入処理においてコンプリートエラーも監視し、コンプリートエラーが発生した場合にもドア開放エラー監視処理を行う。これにより本実施の形態では、電子化メダルの投入受付中に設定確認条件を満たした場合のみならず、コンプリート機能による遊技進行の制限中において設定確認条件を満たした場合にも設定確認モードに移行可能となっている。
【0218】
また本実施の形態では、メインCPU10aは、電子化メダルの投入受付中に設定確認条件を満たした場合には、計数警告演出の実行中であっても設定確認モードに移行させる。
【0219】
また本実施の形態では、メインCPU10aは、エラー種別がドア開放エラーおよびコンプリートエラーのいずれとも異なる他のエラーに設定されている場合には設定確認モードに移行させない。例えば、エラー種別がメダルオーバーエラーや貸出装置接続エラーやメダル数制御エラーなどの他のエラーに設定されている状況で上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放されてもエラー種別はドア開放エラーに変更されず現在のエラー種別が維持されるため、設定確認条件は成立しない。ただしメダルオーバーエラーなどの他のエラー中にドア開放エラーが発生した後にメダルオーバーエラーなどの他のエラーが解除されると、エラー種別がドア開放エラーに変更され、設定確認条件を満たし得ることになる。
【0220】
以下、図19図21を参照しながら設定確認モードへの移行について説明する。
【0221】
メインCPU10aは、図8に示すステップS150の投入処理では、図19に示すように、ドア開放エラーを監視するドア開放エラー監視処理を行う(ステップS210)。ドア開放エラー監視処理については後述する。
【0222】
またメダルオーバーエラーが発生すると(ステップS211でY)、エラーウェイト処理を行う(ステップS212)。エラーウェイト処理では、詳細な説明は省略するが、メダルオーバーエラーに対応するメダルオーバーエラーフラグをON状態に設定してエラー状態とし、エラー種別をメダルオーバーエラーに設定してメダルオーバーエラーを示すエラーコード(EH)を遊技情報表示部DSに表示させ、メダルオーバーエラーの解消を待機する。
【0223】
またコンプリートエラーが発生すると(ステップS213でY)、コンプリートエラー処理に移行する。コンプリートエラー処理については後述する。
【0224】
またメインCPU10aは、精算ボタンB4に対する操作を監視する精算ボタン監視処理を行い(ステップS214)、ベットボタンB0に対する操作を監視するベットボタン監視処理を行う(ステップS215)。これらの処理の詳細な説明は省略するが、精算ボタンB4に対する操作が行われると投入状態に設定されている電子化メダルの全てをメダル保持部に返却する精算処理が行われ、ベットボタンB0に対する操作が行われるとメダル保持部に保持されている電子化メダルを投入状態に設定する処理が行われる。
【0225】
そしてメインCPU10aは、規定投入数の電子化メダルが投入状態(ベット状態)に設定され(ステップS216でY)、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると(ステップS217でY)、投入処理を終了し、図8に示すステップS151の内部抽選処理に移行する。
【0226】
またコンプリートエラー処理では、メインCPU10aは、図20(A)に示すように、コンプリートエラーに対応するコンプリートエラーフラグをON状態に設定してエラー状態とし、エラー種別をコンプリートエラーに設定し(ステップS220)、エラー停止中処理に移行する。
【0227】
エラー停止中処理では、メインCPU10aは、図20(B)に示すように、エラー停止中設定処理を行う(ステップS230)。エラー停止中設定処理では、エラー中の設定や、設定中のエラー種別を示すエラーコードを遊技情報表示部DSに表示させる処理などが行われる。例えば、図20(A)に示すコンプリートエラー処理においてエラー種別がコンプリートエラーに設定された場合には、コンプリートエラーを示すエラーコード(EY)を遊技情報表示部DSに表示させる。
【0228】
またコンプリートエラーの発生時である場合に(ステップS231でY)、ドア開放エラー監視処理を行い(ステップS232)、ドア開放エラーの発生後である場合に(ステップS233でY)、図20(A)に示すコンプリートエラー処理に再び移行し、エラー種別をドア開放エラーからコンプリートエラーに再び設定する(ステップS220)。
【0229】
そして図19に示す投入処理のステップS210および図20(B)に示すエラー停止中処理のステップS232のドア開放エラー監視処理では、メインCPU10aは、図21(A)に示すように、ドア開放エラーが発生すると(ステップS240でY)、ドア開放エラーに対応するドア開放エラーフラグをON状態に設定してエラー状態とし、エラー種別をドア開放エラーに設定してドア開放エラーを示すエラーコード(E8)を遊技情報表示部DSに表示させ(ステップS241)、設定変更許可スイッチ262の信号状態がON状態となると(ステップS242でY)、設定値確認処理を行う(ステップS243)。
【0230】
設定値確認処理では、メインCPU10aは、図21(B)に示すように、設定確認モードに移行させ、現在の設定値を示す数値(例えば、「1」~「6」)を遊技情報表示部DSに表示させ(ステップS250)、設定変更許可スイッチ262の信号状態がOFF状態に変更されると(ステップS251)、設定値の表示を終了させて遊技モード(ドア開放エラー)に復帰させる(ステップS252)。
【0231】
このように本実施の形態では、遊技を実行可能な電子化メダルの投入受付中のみならずコンプリート機能による遊技進行の制限中においても設定確認モードに移行可能としたため、コンプリート機能による遊技進行の制限中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。特に本実施の形態によれば、コンプリート機能作動時の設定値を電源遮断や設定変更をすることなく確認することができる。
【0232】
また本実施の形態では、電子化メダルの投入受付中に設定確認条件を満たすと計数警告演出の実行中であっても設定確認モードに移行させるため、計数警告演出の実行中においても設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。
【0233】
また本実施の形態では、ドア開放エラーおよびコンプリートエラーとは異なる他のエラー(例えば、メダルオーバーエラー、貸出装置接続エラー、メダル数制御エラーなど)中は設定確認モードに移行させないが、コンプリート機能による遊技進行の制限中において設定確認モードに移行可能としたため、他のエラー中は設定値を確認でいないがコンプリート機能による遊技進行の制限中において設定値を確認することができ、設定確認に関する機能を向上させることができる。
【0234】
また本実施の形態では、メダルオーバーエラー中や貸出装置接続エラー(専用ユニット50との未接続状態)中は設定確認モードに移行させないため、メダルオーバーエラーの解除や専用ユニット50との未接続状態の解消を優先させることができる。
【0235】
また本実施の形態では、投入処理において実行するドア開放エラー監視処理を、コンプリート機能による遊技進行の制限中に共通して使用するため、プログラム容量を抑制しつつ設定確認に関する機能を向上させることができる。
【0236】
図22は、本実施の形態の遊技機におけるエラー履歴の表示を示す図であり、図23は、本実施の形態の遊技機における貸出計数履歴の表示を示す図である。
【0237】
本実施の形態では、メインCPU10aは、エラーに関する通知(エラー種別、エラーの発生や解除など)や電子化メダルの貸出処理や計数処理に関する通知(貸し出した電子メダルの枚数または計数した枚数など)をサブCPU20aに送信し、当該通知に基づいてサブCPU20a(演出制御手段210)は、サブRAM20cに設けられた所定の履歴記憶領域においてエラー履歴および貸出計数履歴に関する情報を記憶し、設定確認モードにおいて所定の操作が行われた場合に、図22および図23に示すように、エラー履歴および貸出計数履歴を液晶ディスプレイLCDに表示させる。
【0238】
サブCPU20aは、エラーの内容をその発生日時とともにエラー履歴情報として記憶し、エラー履歴表示では、図22(A)に示すように、上段から下段に向けて時系列順に並べて最新の10件分の履歴を表示させる。またはエラー履歴表示では、最大で10ページ分の履歴を表示可能となっており、エラー履歴の表示中に、右ボタンB7Dに対する操作が行われると、次のページに移動して次の10件分の履歴を表示させ、左ボタンB7Cに対する操作が行われると、前のページに移動して前の10件分の履歴を表示させる。具体的には、サブCPU20aは、エラー履歴の表示中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われる度にエラー履歴情報を参照してエラー履歴表示を行う。なお本実施の形態では、設定値の確認(設定確認処理)についてもエラー履歴に含めるようにしている。
【0239】
そして本実施形態では、サブCPU20aは、エラー履歴の表示中にエラーが発生しても現在のエラー履歴表示を更新せず、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われたタイミングでエラー履歴情報を参照してエラー履歴表示を更新する。例えば、図22(A)に示す1ページ目のエラー履歴の表示中に貸出装置接続エラーが発生したとすると、当該エラーの発生タイミングではエラー履歴表示を更新せず、一旦2ページ目に移行させて1ページ目に戻ると、最新のエラー履歴情報を参照することによって貸出装置接続エラーがエラー履歴に反映され、図22(B)に示すように、1ページ目の最上段に「貸出装置接続エラー」が追加される。これにより本実施の形態によれば、エラー履歴を適切に表示させることができる。
【0240】
また本実施の形態では、サブCPU20aは、貸出処理や計数処理の内容をその発生日時とともに貸出計数履歴情報として記憶し、貸出計数履歴表示では、図23(A)に示すように、上段から下段に向けて時系列順に並べて最新の10件分の履歴を表示させる。または貸出計数履歴表示では、最大で20ページ分の履歴を表示可能となっており、貸出計数履歴の表示中に、右ボタンB7Dに対する操作が行われると、次のページに移動して次の10件分の履歴を表示させ、左ボタンB7Cに対する操作が行われると、前のページに移動して前の10件分の履歴を表示させる。具体的には、サブCPU20aは、貸出計数履歴の表示を開始する際に貸出計数履歴情報を参照して貸出計数履歴表示を行い、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われたタイミングでは貸出計数履歴情報を参照しない。
【0241】
また本実施の形態では、貸出計数履歴の表示中は設定確認処理の実行中であるため、メダルCPU30aは、計数処理を実行しないが、専用ユニット50からの電子化メダルの貸し出しを受け付ける。そして本実施の形態では、サブCPU20aは、貸出計数履歴の表示中に専用ユニット50からの電子化メダルの貸し出しが発生しても現在の貸出計数履歴表示を更新せず、貸出計数履歴の表示を一旦終了させ、再度、貸出計数履歴を表示させるための操作が行われたタイミングで貸出計数履歴を参照して貸出計数履歴表示を行う。これにより貸出計数履歴表示が更新される。例えば、図23(A)に示す1ページ目の貸出計数履歴の表示中に専用ユニット50からの50枚の電子化メダルの貸し出しが発生したとすると、当該貸し出しの発生タイミングでは貸出計数履歴表示を更新せず、貸出計数履歴の表示を一旦終了させ、再度、貸出計数履歴を表示させると、最新の貸出計数履歴情報を参照することによって50枚の電子化メダルの貸し出しが貸出計数履歴に反映され、図23(B)に示すように、1ページ目の最上段に「貸出(50枚)計数(0枚)」が追加される。これにより本実施の形態によれば、貸出計数履歴を適切に表示させることができる。なお本実施の形態では、貸出計数履歴の表示中であってもメダルCPU30aが計数処理を実行可能としてもよい。
【0242】
2.第2の実施形態
本実施の形態では、第1の実施形態と共通する構成および制御手法については詳細な説明を省略し、主要な相違点について説明する。以下、図24図34を参照しながら本実施形態について説明する。図24は、本実施の形態の遊技機における液晶ディスプレイLCDを説明する図である。
【0243】
本実施形態の液晶ディスプレイLCDは、第1リールR1~第3リールR3を備えるリールユニットの前方側に配置されている。液晶ディスプレイLCDは、その表示面に所定の表示(表示物)を表示させることにより、演出を実行可能となっている。表示物(オブジェクト)とは、例えば、人物、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、背景、模様、図柄、その他の液晶ディスプレイLCD上に表示されるもの(画像)のことをいう。図24に示すように、液晶ディスプレイLCDは、表示領域として、正面(前方)から見た場合に第1リールR1~第3リールR3と重畳しない表示領域であるリール外表示領域と、正面(前方)から見た場合に第1リールR1~第3リールR3と重畳する表示領域であるリール前表示領域と、を有している。リール前表示領域(透過領域)は、表示物を表示可能であるとともに、その後方側に配置されている第1リールR1~第3リールR3の視認が可能となっている。リール外表示領域は、リール前表示領域を囲むように形成されている。
【0244】
またサブCPU20a(演出制御手段210)は、デモ演出として、デモ画像(演出画像)を液晶ディスプレイLCD(の表示面)に表示させることが可能である。デモ画像は、例えば、遊技機で展開される話のストーリー説明やキャラクタの説明(紹介)等、その遊技機に関するムービー(動画)となっている。本実施形態では、デモ画像は約60秒のムービーとなっていて、キャラクタの紹介を含む映像となっている。サブCPU20aは、例えば、デモ演出の前半における所定のタイミングで(デモ演出の開始時に)(デモ画像の表示前に)、メーカ名表示を所定時間にわたって表示させ、その表示の終了後、遊技機の機種名表示(機種タイトル)を所定時間にわたって表示させてもよい。また、サブCPU20aは、例えばデモ演出の後半における所定のタイミングで(デモ演出の最後に)(デモ画像の表示後に)、遊技の始め方や遊技の終わり方等の遊技機の操作(機能)に関する説明表示を所定時間にわたって表示させてもよい。一連(一回)のデモ演出が終了すると、デモ演出は再び最初から実行される(ループされる)ようになっている。
【0245】
サブCPU20aは、デモ演出の実行中に、デモ画像(ムービー)の表示が終了すると、図25に示す、背景Bと、ロゴ表示L1と、補足説明表示Eと、のめり込み防止表示Nと、を所定時間(例えば約3秒)にわたって液晶ディスプレイLCD(画像表示手段)に表示させる。本実施形態では、ロゴ表示L1、補足説明表示E、およびのめり込み防止表示Nは、所定の状況(デモ演出の実行中)(デモ演出中であって、背景が白色となっている状況)において、同時に表示され得るようになっている。また、背景Bは、単色となっており、本実施形態では白色となっている。背景Bを白色とし、比較的シンプルな表示とすることで、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが、より目立つ(強い印象を与える)ようになっている。なお、背景Bは、白以外の色であってもよい。
【0246】
また、本実施形態では、デモ画像(ムービー)の後に、図25に示す、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが表示されるものとしたが、これに限らず、デモ画像(ムービー)の前に、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが所定時間(例えば約3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
【0247】
(のめり込み防止表示N)
のめり込み防止表示N(第3画像表示)は、第1リールR1~第3リールR3の上方(直上)であって、画面の略中央部に表示される。のめり込み防止表示Nは、左右方向に長尺な(横長の)長方形状となっている。のめり込み防止表示Nは、遊技者に対する注意喚起表示の1つであって、遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを防止するための表示であり、「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字を含む表示となっている。のめり込み防止表示Nは、二段表記となっていて、上段は、赤く塗り潰された長方形状の領域に「のめり込みに注意しましょう。」という白抜き文字が表示され、下段は、赤枠の内側の白色領域に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字が赤文字で表示されている。なお、下段の文字サイズは、上段の文字サイズよりも大きくなっている。
【0248】
のめり込み防止表示Nは、赤色部分が占める割合が比較的大きいため、赤色であるということができる。のめり込み防止表示Nの上方に、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが表示される。のめり込み防止表示Nの色(色彩)は、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色と異なっている。
【0249】
(ロゴ表示L1)
ロゴ表示L1(第1画像表示)は、遊技機がスマートパチスロ(登録商標)であることを示す(報知する)表示となっている。換言すると、ロゴ表示L1は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数(付与)される仕様の遊技機(特定遊技機)であることを報知する表示となっている。さらに換言すると、ロゴ表示L1は、遊技媒体としての遊技メダル(物理的な(実物の)遊技メダル)を用いることなく遊技を行うことが可能な遊技機であることを示す表示となっている。
【0250】
ロゴ表示L1は、紫色部分と白色部分とを有しており、紫色部分の占める割合が比較的大きくなっている。このため、ロゴ表示L1は、紫色であるということができる。紫色部分についてRGB値は、R145、G72、B151となっている。また、白色部分についてRGB値は、R255、G255、B255となっている。ロゴ表示L1は、スマスロ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が紫色の白抜き文字)となっている。ロゴ表示L1は、液晶ディスプレイ13の中央(左右方向中央)に表示される。
【0251】
(補足説明表示E)
補足説明表示E(第2画像表示)は、ロゴ表示L1の下方であって、のめり込み防止表示Nの上方に表示される。換言すると、補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と、のめり込み防止表示Nの間に表示される。補足説明表示Eは、左右方向に長尺な(横長の)長方形状となっている。補足説明表示Eの左右方向の幅は、のめり込み防止表示Nの左右方向の幅と同一または略同一となっている。略同一とは、例えば差が約5mm以内であることをいう。換言すると、補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nは、横幅が同じ(略同じ)となっている。補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nの幅を揃えることで、統一感のある見た目を実現できる(見た目を美しくすることができる)。なお、補足説明表示Eは、一段表記となっていて、補足説明表示Eの上下方向の幅は、のめり込み防止表示Nの上下方向の幅よりも小さくなっている。
【0252】
補足説明表示Eは、例えば「計数(CREDIT精算)忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」という文字を含む表示となっている。補足説明表示Eは、スマスロ(登録商標)に関する表示となっていて、遊技者に対する注意喚起表示の1つということができる。また、補足説明表示Eは、紫色となっている。具体的には、紫色の枠の内側の白色領域に、紫色の文字が表示されている。補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と同じ色(配色)となっている。換言すると、補足説明表示Eとロゴ表示L1は、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。このように補足説明表示Eの色を、ロゴ表示L1の色と同じ色とすることで、一体感が生まれ、補足説明表示Eがロゴ表示L1(すなわちスマスロ(登録商標))に関する表示であることを、遊技者にとってわかりやすい(認識しやすい)ものとすることができる。
【0253】
ここで、ロゴ表示L1と補足説明表示Eとの距離(最短距離)を第1距離とし、ロゴ表示L1とのめり込み防止表示Nとの距離(最短距離)を第2距離とする。第1距離は、第2距離よりも小さくなっている。補足説明表示Eは、ロゴ表示L1により近い位置に設けられている。このため、補足説明表示Eがロゴ表示L1(すなわちスマスロ(登録商標))に関する表示であることを、遊技者にとってわかりやすい(認識しやすい)ものとすることができる。また、遊技者は、表示を上から順に読む傾向があることから、ロゴ表示L1および補足説明表示Eをのめり込み防止表示Nよりも上側に表示することで、スマスロ(登録商標)特有の注意事項を遊技者に認識されやすいようにすることができる。
【0254】
本実施形態では、補足説明表示Eにおける文字のフォントを、のめり込み防止表示Nにおける文字のフォントと、全く同一としていない。換言すると、補足説明表示Eの文字のフォントを、のめり込み防止表示Nの文字のフォントと異なるものとしている。フォントには、文字サイズ(垂直比率、水平比率)が含まれる。これにより、遊技者は、補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nを、より区別して把握することができる。
【0255】
本実施形態では、デモ演出において、ロゴ表示L1と、補足説明表示Eと、のめり込み防止表示Nとは、同じタイミングで表示が開始され、同じタイミングで表示が終了するようになっている。換言すると、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nの表示時間(表示期間)は、同じ長さとなっている(ずれがない)。
【0256】
ただし、のめり込み防止表示Nの表示タイミングと、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの表示タイミングと、は、ずれていてもよい(異なるタイミングで表示されてもよい)。例えば、デモ演出中に、まず、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。ただし、そのように表示タイミングにずれがあるように構成した場合(すなわち注意喚起表示の表示時間をより長くした場合)、相対的にデモ演出中におけるデモ画像(ムービー)の表示時間が減少してしまう。換言すると、遊技者の興味を惹き付け得るムービーの表示時間が減少してしまう。本実施形態では、のめり込み防止表示Nとともに(同時に)、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが表示されるように構成している。このため、ムービーの表示時間の減少を抑制できるという効果を奏する。
【0257】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、デモ演出の実行中(待機状態中)にのみ表示されるようになっている。一方、のめり込み防止表示Nは、デモ演出の実行中以外の場面でも表示され得るようになっている。例えば、所定の演出状態としてのAT状態の最後の遊技において、所定の契機で(最後のストップボタンの押下の開放が検知されたことを契機とし)、のめり込み防止表示Nが所定時間にわたって表示されるようになっている。この場合、例えば、のめり込み防止表示Nは画面の右上に表示される。また、この場合、デモ演出中とは異なり、背景は例えば、キャラクタや風景等を含んでいてもよく、単色(白色)となっていなくてもよい。また、のめり込み防止表示Nは、他の表示(例えば、一連のAT演出状態での遊技価値の獲得枚数(リザルト)を示す表示)とともに表示されてもよい。
【0258】
なお、AT状態の最後の遊技において、前記所定の契機で、のめり込み防止表示Nとともに補足説明表示Eが表示されるように構成されていてもよい。この場合、遊技を終える可能性がある遊技者に対し、のめり込みに対する注意喚起と、計数忘れやカードの取り忘れに関する注意喚起と、を行うことができる。
【0259】
(変形例1)
補足説明表示Eは、図26(a)に示すように、紫色の枠の内側に、「遊技メダルの取り忘れにご注意ください」という文字表示と、計数ボタンB8を模した画像と、が表示されるものであってもよい。当該文字表示は、縁が紫色の白抜き文字(ロゴ表示L1のスマスロ(登録商標)と同様の表記)となっている。そして、図26(b)に示すように、デモ演出中に、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
【0260】
換言すると、本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、異なる期間で表示されるようになっている。
【0261】
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示および前記第2画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示および前記第2画像表示以外に、メニュー画面に移行可能である旨を示唆するための表示や、音量調整が可能である旨を示唆するための表示が表示されていてもよい。
【0262】
また、背景が白色となっていて前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第3画像表示以外に、メニュー画面に移行可能である旨を示す表示や、音量調整が可能である旨を示す表示が表示されていてもよい。
【0263】
また、本例におけるのめり込み防止表示Nは、青く塗り潰された長方形状の領域に白抜き文字で「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と表示され、その下に「のめり込みに注意しましょう。」と青文字で表示されるものであってもよい。
【0264】
(変形例2)
補足説明表示Eは、図27(a)に示すように、紫色で塗り潰された長方形状の領域に、文字表示(計数忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。)が白抜き文字で表示されるものであってもよく、さらに、補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と一体(連続)となっていてもよい。そして、図27(b)に示すように、デモ演出中に、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
【0265】
換言すると、本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、異なる期間で表示されるようになっている。
【0266】
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示および前記第2画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示および前記第2画像表示以外に表示されているものはない。
【0267】
また、背景が白色となっていて前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第3画像表示以外に表示されているものはない。
【0268】
(変形例3)
また、図28に示すように、デモ演出中に、白背景とともに、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが、同じ表示期間の間、表示され、かつ、のめり込み防止表示Nよりも下方に、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが、左右に並べて表示されるものであってもよい。本例では、ロゴ表示L1が左側に表示され、補足説明表示Eが右側に表示されている。この場合であっても、ロゴ表示L1と補足説明表示Eとの距離(第1距離)は、ロゴ表示L1とのめり込み防止表示Nとの距離(第2距離)よりも小さくなっている。
【0269】
本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、同じ期間で表示されている。
【0270】
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示以外に、遊技の進行ゲーム数(実行された遊技回数)を示す表示があってもよい。
【0271】
また、本例では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの左右方向の幅(両者の幅の合計と)と、のめり込み防止表示Nの左右方向の幅と、が同一または略同一となっている。換言すると、ロゴ表示L1の左端とのめり込み防止表示Nの左端とが揃っていて、補足説明表示Eの右端とのめり込み防止表示Nの右端とが揃っている。また、補足説明表示Eの文字表示を2段表記とし、ロゴ表示L1の上下方向の幅と補足説明表示Eの上下方向の幅とが同一または略同一となっている。さらに、のめり込み防止表示Nの上下方向の幅と、ロゴ表示L1(および補足説明表示E)の上下方向の幅とが同一または略同一となっている。このように構成することで、統一感のある表示を実現し、見た目を美しくすることができる。
【0272】
(パネルにおけるロゴ表示)
図29は、下パネル91を正面側から見た図である。本実施形態では、下パネル91の右上に、ロゴ表示L2(第2ロゴ表示)が表示されている。ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1(第1ロゴ表示)と同様の表示であり、ロゴ表示L1と相似形となっていて、ロゴ表示L1とサイズ(大きさ、倍率、縮尺)が異なっている。本実施形態では、ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1よりも表示サイズが小さくなっている。なお、ロゴ表示L1とロゴ表示L2は、同じ大きさであってもよく、ロゴ表示L2がロゴ表示L1よりも大きくなっていてもよい。
【0273】
ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1と同じ色(紫色)となっている。換言すると、ロゴ表示L2とロゴ表示L1は、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。詳細は後述するが、ロゴ表示L2は、シート(フィルム)に印刷されて形成されており、紫色部分のCMYK値は、C50%、M80%、Y0%、K0%となっていて、白色部分のCMYK値は、C0%、M0%、Y0%、K0%となっている。
【0274】
なお、本実施形態では、下パネル91にロゴ表示L2が設けられているものとするが、これに限らず、例えば上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの上方や側方(側面)にパネル(上パネルやサイドパネル)が設けられている場合に、当該パネルにロゴ表示L2が設けられていてもよい。
【0275】
液晶ディスプレイLCDに表示されるロゴ表示L1は、デモ演出中に所定時間にわたって表示されるものであった。換言すると、常時表示されるものではなかった。これに対し、ロゴ表示L2は、常に表示されるもの(常時表示)となっている。遊技者は、遊技機の外観に常に現れているロゴ表示L2を見て、当該遊技機がスマスロ(登録商標)であることを認識できる。換言すると、ロゴ表示L2が設けられていることで、遊技場において、スマスロ(登録商標)をより容易に見つけることができる。なお、ロゴ表示L2をパネルロゴ表示と称し、ロゴ表示L1を液晶ロゴ表示と称してもよい。スマートパチスロ(すなわちスマスロ(登録商標))には、液晶のロゴ表示L1とパネルのロゴ表示L2の、少なくとも一方が表示されていればよい。
【0276】
液晶ディスプレイLCDの表示面(画面)には、実行される演出等に応じて、様々な表示物が表示される。当該表示物には、キャラクタ、乗り物、背景(風景)、文字(数字、記号を含む)、模様等が含まれ、文字を含む表示には、例えば、上述のロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示N等がある。上述のとおり、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nは、遊技者に対する注意喚起表示と言うことができる。
【0277】
液晶ディスプレイLCDにおいて、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、上述のとおり紫色(同じ色)で表示されるため、補足説明表示Eがロゴ表示L1に関する表示であることを、遊技者は認識しやすい。また、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、のめり込み防止表示Nとは異なる色となっている。補足説明表示Eの色が、のめり込み防止表示Nの色と異なっているため、遊技者は、それぞれが異なる内容の注意喚起であることを、より認識しやすい。換言すると、遊技者は両者を区別して認識することができる。
【0278】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、少なくともデモ演出の実行中に液晶ディスプレイLCDに表示される他の表示物とは異なる色となっている。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、デモ演出中に表示される他の表示物では使用されていない色となっている。このため、デモ演出中にロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に遊技者に与える印象を、より強いものとすることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。
【0279】
ここで、文字を含む表示(文字表示)であって、遊技者に対して所定の指示を行う表示を「メッセージ表示」と称する。メッセージ表示としては、エラーの発生を報知するエラー表示(エラー系のメッセージ表示)がある。遊技機において所定のエラーが発生した場合、当該エラーの発生を報知するエラー表示が液晶ディスプレイLCDに表示される。エラー表示は、例えば、エラーの種類を示す文字(エラーコード)とともに「係員をお呼びください。」という文字が、黒色の背景に白抜き文字(白文字)で表示される。換言すると、エラー表示は、白色となっている。
【0280】
また、メッセージ表示としては、回転中のリールの停止を指示するリール回転中警告表示がある。リール回転中の状態が所定時間(例えば60秒)にわたって継続すると、リール回転中警告表示が液晶ディスプレイ13に表示される。リール回転中警告表示は、例えば、「リールを停止して下さい。」という文字が、白色の枠の内側の紺色領域に白抜き文字(白文字)で表示される。換言すると、リール回転中警告表示は、白色となっている。
【0281】
また、メッセージ表示に、例えば、左押し推奨表示が含まれてもよい。左押し推奨表示は、左押しが推奨される期間(例えば通常の演出状態である非AT状態)が設定されている場合に、当該期間において変則押しで遊技が行われると表示される。左押し推奨表示は、例えば、白色の枠の内側の紺色領域に「左押し推奨です」という白抜き文字(白文字)が表示される。換言すると、左押し推奨表示は、白色となっている。
【0282】
なお、メッセージ表示に、入賞補助演出に係る表示(停止操作態様のナビ表示)が含まれてもよい。当該表示は、例えば、白色や黄色等となっている。
【0283】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、いずれのメッセージ表示(ロゴ表示L1および補足説明表示Eを除く他のメッセージ表示)の色とも異なっている。このようにロゴ表示L1および補足説明表示Eの色を、メッセージ表示(他のメッセージ表示)では使用されていない色とすることで、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に、遊技者に対して強い印象を与えることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。
【0284】
ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、液晶ディスプレイ13に表示される他のすべての文字表示の色と異なっていてもよい。ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色を、他のすべての文字表示で使用されていない色とすることで、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に、遊技者に対して強い印象を与えることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。また、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、液晶ディスプレイ13に表示される、他のすべての表示物の色と異なっていてもよい。
【0285】
本実施形態では、スマスロ(登録商標)であるスロットマシンにおいてデモ演出が実行され、ロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示Nが表示される場合について説明した。ただし、遊技機はこれに限らず、後述するスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000(図35)であってもよい。すなわち、パチンコ遊技機1000において、本実施形態のように、所定の状況で、ロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示Nが表示されるようになっていてもよい。その場合、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、色(色合い)が同じようになっていて(色合いを同じようにしていて)、両者の色は青色となっている。当該青色部分のRGB値は、R3、G110、B183となっている。ロゴ表示L1は、スマパチ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が青色の白抜き文字)となっている。なお、ロゴ表示L1の白色部分のRGB値は、R255、G255、B255となっている。
【0286】
本実施形態の遊技機は、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイLCD)と、
画像表示に関する制御行う演出制御手段(例えば演出制御手段180)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の状況で、第1画像表示と、第2画像表示と、第3画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記特定遊技機に関する注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第3画像表示は、のめり込みに対する注意喚起表示(例えばのめり込み防止表示N)であり、
前記第1画像表示と前記第2画像表示は、色が同じようになっている。
【0287】
前記第1画像表示と前記第2画像表示は、色が同じようになっているため、前記第2画像表示が前記第1画像表示と関連する表示であること、すなわち、前記第2画像表示が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機に関する注意喚起表示であることを、遊技者にとってわかりやすいもの(認識されやすいもの)とすることができる。換言すると、遊技者は、一見して、前記第2画像表示が前記第1画像表示に関連する表示であることを把握できる。これにより、所定の表示(前記第1画像表示および前記第2画像表示)に関して、遊技者の理解のしやすさを向上させることができる。
【0288】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1画像表示および前記第2画像表示の色は、前記第3画像表示の色と異なっている。このため、遊技者は、特定遊技機に関する表示(前記第1画像表示および前記第2画像表示)と、のめり込みに対する注意喚起表示(前記第3画像表示)と、が異なる表示であることを、より認識しやすい。換言すると、遊技者は、両者を区別して認識することができる。
【0289】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示は、背景が白色となっている状況で、同じ期間の間、表示される。このため、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示をより目立たせ、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。また、各表示の表示期間を同じ期間とせずに異なる期間とした場合における、演出画像等の他の表示の表示期間が減少してしまうという問題が生じるのを防ぐことができる。
【0290】
また、本実施形態の遊技機では、前記第2画像表示は、前記第3画像表示よりも前記第1画像表示の近くに表示される。このため、前記2画像表示が前記第1画像表示と関連する表示であることを、さらに認識されやすいものとすることができる。
【0291】
次に、下パネル91(パネルユニット)について説明する。
【0292】
図30に示すように、下パネル91は、前パネル102と、シート110(デザインシート)と、後パネル103と、を備えている。シート110は、前パネル102と、後パネル103と、に挟まれる(挟持される)ようになっている。下パネル91は、枠体120に嵌められて(周辺部分を前方から枠体120に覆われて)、下部前面扉DDに取り付けられる。枠体120は、有色の樹脂で形成されている。また、枠体120は、開口121を有しており、開口121を介して下パネル91が露出するようになっている。なお、図示を省略するが、下パネル91の後方に、スピーカSPが配置されている。下パネル91における、前方から見てスピーカSPと重なる位置には、複数の孔が設けられていてもよい。
【0293】
(シート110)
シート110は、透明な(透光性が高い)基材(フィルム)の裏面に、キャラクタ等の表示物が印刷されて形成された、シート状の部材(装飾部材)である。下パネル91の後方には複数のLED131(照明手段)(LED131が配置されたLED基板)が配置されており、LED131からの光がシート110(下パネル91)に照射されるようになっている。換言すると、シート110は発光(点灯)可能となっている。
【0294】
図29は、下パネル91を正面側から見た図であって、前パネル102の図示を省略している。シート110の右上部には、ロゴ表示L2(第1印刷表示)が印刷されている。下パネル91(シート110)にロゴ表示L2が表示されていることで、遊技者は、遊技機がスマスロ(登録商標)であることを外観から認識(識別)できる。
【0295】
ロゴ表示L2は、紫色部分と白色部分とで構成されている。ロゴ表示L2における紫色部分は、C50%、M80%、Y0%、K0%の配色の塗料が印刷されている。また、ロゴ表示L2おける白色部分は、C0%、M0%、Y0%、K0%の配色の塗料が印刷されている。ロゴ表示L2では、紫色部分が占める割合が比較的大きく、ロゴ表示L2は、紫色であるということができる。なお、当該紫色は、ロゴ表示L2における白色ではない部分の色(特定色)ということもできる。
【0296】
図29に示すように、ロゴ表示L2は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部W(白縁部W)を備えている。白縁部Wは、一定の幅となっており、例えば、約1.5mmの幅となっている。なお、ロゴ表示L2は、上下方向の幅が例えば約40mmとなっていて、左右方向の幅が例えば約50mmとなっている。
【0297】
シート110において、ロゴ表示L2の大きさ(面積)は、後述する機種名表示111の大きさや、背景112の大きさよりも相対的に小さくなっている。換言すると、シート110では、機種名表示111や背景112(キャラクタP)が、ロゴ表示L2よりも大きく表示されている。この場合に、ロゴ表示L2の視認性低下を抑制する必要がある。
【0298】
シート110には、機種名表示111(第2印刷表示)が印刷されている。機種名表示111は、スロットマシンの機種名(「ABC」とする)に関する表示であって、文字を含む表示となっている。機種名表示111は、ロゴ表示L2と異なる色となっている。換言すると、機種名表示111では、紫色(特定色)が使用されていない。また、機種名表示111は、ロゴ表示L2と重ならない位置に設けられている(重なる部分を有していない)。本実施形態では、機種名表示111は、シート110の左側(左上部)に印刷されている。換言すると、機種名表示111とロゴ表示L2は、所定の距離を離して配置されている。所定の距離を確保することで、両者を区別して認識することが、より容易となる。
【0299】
シート110には、背景112(第3印刷表示)が印刷されている。背景112は、例えば、キャラクタや風景等の表示物を含む。背景112は、例えば機種名表示111を主要題材とした背景となっている。本実施形態では、背景112は、キャラクタPを含んでいる。背景112(キャラクタP)は、ロゴ表示L2と異なる色となっている。換言すると、背景112では、紫色(特定色)が使用されていない。本実施形態では、背景112(背景112の少なくとも一部)は、ロゴ表示L2と重なっていて(互いに重なる位置に設けられていて)、ロゴ表示L2が背景112よりも手前側に視認されるようになっている。本実施形態では、キャラクタPの髪の毛の部分とロゴ表示L2とが重なっている。なお、当該重なる部分を、キャラクタPの顔部分ではなく、キャラクタPの髪の毛の部分とすることで、キャラクタPの顔部分がロゴ表示L2に覆われて、キャラクタPの視認性が低下するのを抑制できる。
【0300】
図31は、シート110の、ロゴ表示L2を含む部分の概略断面図である。シート110の透明な基材113(フィルム)の裏側(裏面)には、ロゴ表示L2およびキャラクタP(髪の毛の部分)が印刷されている。ロゴ表示L2の紫色部分は、まずC50%が印刷され、その上にM80%が印刷されている。なお、「上」とは、より裏側(後方側)を指す。シート110は、最も裏側(最も上側)に、白色の層が全体に印刷(裏打ち印刷)されるようになっている。ロゴ表示L2における白色部分(白縁部Wを含む)は、白色の裏打ち印刷により形成されている。なお、白色の層が全体に印刷されるとは、完全に全体を覆うように印刷されるものに限らず、白色が部分的に印刷されない箇所(例えば周縁部分)があってもよい。換言すると、白色の層が略全体に印刷されるものであればよい。
【0301】
シート110の透明な基材113の裏側には、キャラクタPの髪の毛の部分を表す黒色部分が印刷されている。この黒色部分(背景112)は、ロゴ表示L2の範囲内には印刷されていない。換言すると、黒色部分(背景112)は、ロゴ表示L2の範囲内では印刷が除外されている。仮に、ロゴ表示L2の範囲内に背景112(キャラクタPの髪の毛の部分)が印刷されていた場合、換言すると、ロゴ表示L2の裏(上)に背景112が印刷されていた場合、LED131からの光が照射された際に(発光した際に)、背景112の色が混ざってしまうことにより、ロゴ表示L2の視認性が低下してしまうという問題が生じる。本実施形態のように、ロゴ表示L2の範囲内では背景112の印刷を除外することで、そのような視認性低下の問題が生じるのを防止できる。
【0302】
図29に戻る。背景112について、白縁部W(縁取り部)の外側であって、白縁部Wに隣接する部分には、白縁部Wと同色(白色)の部分(印刷部)が存在しないようになっている。同色の部分が存在しないことで、ロゴ表示L2の輪郭(境界)をより明確にし、はっきりさせることができる。また、白縁部W(白色部分)を設けることで、仮に、印刷のずれが生じた場合に、背景112(キャラクタPの髪の毛の部分)が、白縁部Wと重なったとしても、ロゴ表示L2の紫色部分と重なるのを抑制できる。よって、LED131からの光が照射された際に、当該紫色部分の視認性が低下するのを抑制できる。
【0303】
図31に示すように、シート110の裏面(背面)は、最も裏側に、白色の層が全体に印刷(裏打ち印刷)されるようになっている。また、ロゴ表示L2における白色部分(白縁部Wを含む)は、当該印刷により形成されている。例えば、ロゴ表示L2における白色部分が裏打ち印刷ではなく、部分的に白色を印刷する方法により形成されていた場合、当該印刷が施され、かつ、最後に裏打ち印刷が施されることとなる。換言すると、白色部分が二重に印刷されることとなる。本実施形態では、部分的な白色の印刷は省略し、裏打ち印刷によりロゴ表示L2における白色部分を形成している(裏打ち印刷を兼用している)。このため、印刷の工程を減らすことができ、シート110の生産効率の向上や、シート110の低コスト化を実現できる。
【0304】
また、裏打ち印刷により、ロゴ表示L2における紫色部分の裏側、背景112(キャラクタP)の裏側、機種名表示111の裏側などにも、白色の層(白色部分)が設けられている。当該白色を印刷することで、裏面(背面)側から光を照射した際に透けないようにすることができる。
【0305】
本実施形態では、下パネル91のシート110にロゴ表示L2、機種名表示111および背景112を設けた場合について説明したが、下パネル91のシート110に限らず他のパネル(上パネルやサイドパネル)のシートに、ロゴ表示L2、機種名表示111および背景112が設けられていてもよい。
【0306】
(変形例)
図32に示すように、シート110の右下部にロゴ表示L2が設けられ、かつ、ロゴ表示L2の周囲(例えば下方)に、補足説明表示Eが表示(印刷)されていてもよい。本例における補足説明表示Eは、紫色で塗り潰された長方形状の領域に「計数忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」という文字(白抜き文字)が表示されたものとなっている。補足説明表示Eは、紫色となっている。ロゴ表示L2と補足説明表示Eは、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。換言すると、補足説明表示Eは、シート110の右下部に設けられ、ロゴ表示L2と同じ色の印刷となっている。また、補足説明表示Eにおける白抜き文字は、ロゴ表示L2の縁取り部(白縁部)を含む白色の部分と同様に、シート110の全体に印刷された白色の層によって形成されている。
【0307】
なお、本例では、ロゴ表示L2の周囲および補足説明表示Eの周囲に、外周に沿って黒色の縁取り(黒縁部)が形成されている。黒縁部の幅は、例えば約3~5mm程度となっている。黒縁部を設けることで、背景112との境界をより明確なものとし、ロゴ表示L2および補足説明表示Eを目立たせることができる。また、印刷ずれが生じた場合であっても、背景112とロゴ表示L2(補足説明表示E)とが重なりにくく、ロゴ表示L2(補足説明表示E)の視認性が低下するのを防ぐことができる。本例において、ロゴ表示L2は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部(白縁部)を備え、白縁部に隣接する部分(外側)は黒縁部となっていて、白縁部と同色(白色)の部分が存在しないようになっている。
【0308】
また、ロゴ表示L2は、背景112のみならず、機種名表示111と重なるように表示されてもよい。この場合、機種名表示111よりも手前にロゴ表示L2が視認されるようになっている。また、ロゴ表示L2の範囲内に、背景111も機種名表示111も印刷されていないようになっている。
【0309】
本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第3印刷表示の手前に、前記第1印刷表示が視認されるようになっていて、
前記第1印刷表示の範囲内に、前記第3印刷表示が印刷されていない。
【0310】
仮に、前記第1印刷表示の範囲内に前記第3印刷表示が印刷されている場合、前記シートに前記照明手段からの光が照射された際に、前記第3印刷表示が妨げとなって(前記第3印刷表示の色が混ざって)、前記第1印刷表示の視認性が低下するという問題が生じ得る。本実施形態では、前記第1印刷表示の範囲内に、前記第3印刷表示が印刷されていない。このため、光が照射された際に前記第1印刷表示(所定の表示)の視認性が低下する、という問題が生じるのを防ぐことができる。
【0311】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1印刷表示は、外周に沿って形成された縁取り部を備え、前記縁取り部の外側であって、前記縁取り部と隣接する部分には、前記縁取り部と同色の部分が存在していない。このため、前記第1印刷表示の輪郭(境界)をより明確にし、はっきりさせ、前記第1印刷表示を目立たせることができる。また、前記縁取り部を設けることで、印刷ずれが生じた場合に、前記第3印刷表示(背景)と、前記第1印刷表示における前記縁取り部よりも内側の部分と、が重なるのを抑制できる。これにより、光が照射された際における前記第1印刷表示の視認性が低下するのを防ぐことができる。
【0312】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1印刷表示は、白色の部分を備え、前記白色の部分が、前記シートの全体に印刷された白色の層によって形成されている。仮に、前記第1印刷表示における前記白色の部分が、前記白色の層ではなく、部分的な白色の印刷により形成されている場合、当該印刷と、前記白色の層の印刷とが2重で施されることとなる。本実施形態では、当該印刷は施されず、前記白色の部分が、前記白色の層で形成されている。このため、印刷の工程を減らし、シートの生産効率を向上させることができ、シートの低コスト化を実現することができる。
【0313】
上述のとおり、下パネル91にロゴ表示L2が設けられているため、遊技者は、遊技機がスマスロ(登録商標)であることを外観から認識(識別)できる。下パネル91には、ロゴ表示L2の他に、機種名表示111や背景112が設けられていることから、ロゴ表示L2が目立たなくなるのを抑制する必要がある。換言すると、ロゴ表示L2が、より目立つようにする必要がある。以下、ロゴ表示L2という場合、ロゴ表示L2が、図32で示した補足説明表示E(下パネル91の補足説明表示E)を含むものであってもよい。なお、図32で説明した黒縁部は、当該ロゴ表示L2に含まれないものとする。
【0314】
図29を用いて説明する。ここで、ロゴ表示L2における紫色(白色ではない部分の色)を特定色とする。機種名表示111では、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、ロゴ表示L2は、機種名表示111では用いられていない色(配色)で印刷されている。ロゴ表示L2と機種名表示111は、ともに文字を含んでいるが、ロゴ表示L2を紫色とすることで、機種名表示111と区別させ、より目立たせることができる。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0315】
また、背景112では、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、ロゴ表示L2は、背景112では用いられていない色で印刷されている。ロゴ表示L2は、背景112の手前に視認されるもの(背景112と重なっているもの)であるが、ロゴ表示L2を紫色とすることで、背景112と区別させ、より目立たせることができる。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0316】
シート110において、ロゴ表示L2、機種名表示111、背景112以外のその他の表示が設けられていてもよい。本実施形態では、ロゴ表示L2を含む(ロゴ表示L2が設けられている)1つのシート110(下パネル91)の全体において、ロゴ表示L2以外の部分で、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、当該特定色は、ロゴ表示L2でのみ使用されている。つまり、ロゴ表示L2は、その他の表示(機種名表示111や背景112)では用いられていない配色で印刷されている。このため、ロゴ表示L2を、その他の表示(機種名表示111や背景112)と区別させ、より目立たせることができる(紛れてしまうのを抑制できる)。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいもの(遊技者を惹き付けやすいもの)とすることができる。
【0317】
スロットマシンでは、下パネル91の他に、上パネルやサイドパネルが設けられていてもよい。その場合、上パネルやサイドパネルもシートを備えている。当該特定色(紫色)は、遊技機に設けられているすべてのシートにおいて使用されておらず、ロゴ表示L2を含むシートにおいて、ロゴ表示L2でのみ使用されている色であってもよい。このように構成することで、ロゴ表示L2を、より目立つものとし、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0318】
また、スロットマシンは、外観を構成する樹脂製の意匠部材等を備えている。当該特定色(紫色)は、当該スロットマシンの外観の全体において使用されておらず、ロゴ表示L2でのみ使用されている色であってもよい。
【0319】
図33に示すように、スロットマシンの傍ら(右側)(右隣)には専用ユニット50が配置されている。上述のとおり、遊技者は、専用ユニット50に対して、貸出ボタンB10による貸出操作や。返却ボタンB11によるカード返却操作等を行うことができる。ロゴ表示L2をシート110における右側(右端側)に設けて、ロゴ表示L2の位置を専用ユニット50に近い位置とすることで、ロゴ表示L2が専用ユニット50と関連性を有するものであることを示すことができる。
【0320】
また、スロットマシンは、計数ボタンB8(計数操作手段)を備えており、遊技者は、メダル保持部に保持されている電子化メダルを専用ユニット50に返却する(クレジットを計数する)際に計数ボタンB8を操作(押下)する。スロットマシンを前方(正面)から見た場合に、ロゴ表示L2は、計数ボタンB8の鉛直方向(鉛直下方側、真下側、前方から見た場合の下方側)に設けられている。ロゴ表示L2をシート110における右側(右端側)に設け、かつ、ロゴ表示L2の位置を計数ボタン212の下方の位置とすることで、ロゴ表示L2が計数ボタン212と関連性を有するものであることを示すことができる。また、ロゴ表示L2と、計数ボタン212と、専用ユニット50と、が関連性を有するものであることを示すことができる。
【0321】
また、スロットマシンは、計数される遊技価値数を表示可能な遊技メダル数表示装置70(遊技価値(数)表示手段)を備えている。遊技メダル数表示装置70は、計数ボタンB8の近傍に設けられており、遊技メダル数を表示可能な表示器となっている。ここで、計数ボタンB8と遊技メダル数表示装置70とを備える構成を、計数ボタンユニット213(計数手段)とすると、ロゴ表示L2は、計数ボタンユニット213の鉛直方向(鉛直下方、鉛直方向における下方側)に設けられている。ロゴ表示L2と計数ボタンユニット213は、前方(手前)から見た場合に、鉛直方向に沿う仮想直線上に位置する位置関係となっている。
【0322】
前パネル102(図30)は、透明な(透光性を有する)樹脂で板状に形成されている。前パネル102は、シート110の前面(表面)を覆い、シート110を保護している。また、後パネル103(図30)は、透明な(透光性を有する)樹脂で板状に形成されている。後パネル103は、シート110の後面(裏面)を覆い、シート110を保護している。また、後パネル103の裏側(後方側)には、複数のLED131が配置された基板(LED基板、バックライト基板)が設けられている。
【0323】
図34に示すように、前パネル102における前面には、シボ部102a(シボ加工部)が設けられている。シボ部102aは、前パネル102の外周(外縁)に沿って、前パネル102の縁部分(周縁部)に帯状に設けられている。シボ部102aは、外縁から内側に向かう所定距離dの範囲に設けられており、当該所定距離dは、例えば、約5mmとなっている。換言すると、シボ部102aの幅は、約5mmとなっている。なお、シボは、金型に細かい凹凸を設けることにより形成されているが、これに限らず、エッチングによる化学処理やサンドブラスト等により形成されてもよい。また、シボ部102aは、前パネル102の裏面側(背面側)に設けられているものであってもよい。
【0324】
前方から枠体120(図30)の開口121を介して下パネル91を見た場合に、開口121の内側に、帯状のシボ部102a(約5mm)がはみ出る(現れる)ようになっている。シボ部102aの内縁と開口121は、相似形となっていて、シボ部102aの内縁の方が開口121よりも小さく(内側に)形成されている。
【0325】
前パネル102の厚さは、約3mmとなっている。開口121から内側にシボ部102aがはみ出す距離(約5mm)は、前パネル102の厚さ(約3mm)よりも大きくなっている。このため、遊技者が前パネル102を介して、スロットマシン10の内部を覗こうとした場合であっても、スロットマシン10の内部(内部機器)や、シート110の外縁(端部)を視認できないようになっている。換言すると、遊技者がシボ部102aに対して、所定の角度(約45°~60°)で覗き込んだ場合であっても、スロットマシン10の内部や、シート110の外縁が視認できないようになっている。
【0326】
前パネル102のシボ部102aは、シート110(図29)の外縁部分と対向している(重なるようになっている)。図34に示すように、シート110のロゴ表示L2は、前方から見て、前パネル102のシボ部102aと重ならない位置に設けられている。ロゴ表示L2の縁と、シボ部102a(の内縁)との距離(最短距離)は、例えば、約5mmとなっている。このため、ロゴ表示L2がシボ部102aに覆われて(隠れて、埋もれて)、ロゴ表示L2の視認性が低下するのを抑制できる。
【0327】
また、前パネル102にシボ部102aを設けることで、針金等の部材を挿入しにくいものとし、不正対策性能を向上させることができる。
【0328】
本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第1印刷表示における白色ではない部分の色を特定色とすると、
前記第2印刷表示では、前記特定色が使用されていない。
【0329】
前記第2印刷表示(機種名表示)では、前記第1印刷表示に係る前記特定色が使用されていない。このため、前記シートにおいて、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)を、より目立たせることができる。これにより、前記第1印刷表示(所定の表示)を、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。
【0330】
また、本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第3印刷表示の手前に、前記第1印刷表示が視認されるようになっていて、
前記第1印刷表示における白色ではない部分の色を特定色とすると、
前記第3印刷表示では、前記特定色が使用されていない。
【0331】
前記第3印刷表示(背景)の手前に前記第1印刷表示が視認されるようになっているが、前記第3印刷表示(背景)では、前記第1印刷表示に係る前記特定色が使用されていない。このため、前記シートにおいて、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)を、より目立たせることができる。これにより、前記第1印刷表示(所定の表示)を、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。
【0332】
また、本実施形態の遊技機は、計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタンB8)と、計数される遊技価値数を表示する遊技価値表示手段(例えば遊技メダル数表示装置70)と、を有する計数手段(例えば計数ボタンユニット213)を備え、前記第1印刷表示は、遊技機の傍らに配置される所定の専用ユニット(例えば専用ユニット50)側に設けられており、かつ前記第1印刷表示は、前記計数手段の鉛直方向に設けられている。このため、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)と、前記計数手段(計数ボタンユニット213)と、が互いに関連性を有していることを、遊技者に認識されやすいようにすることができる。
【0333】
また、本実施形態の遊技機は、前記シートの前側に配置される前パネル(例えば前パネル102)を備え、前記前パネルは、周縁部に形成されたシボ部(例えばシボ部102a)を備え、前方から見た場合に、前記第1印刷表示が、前記シボ部と重ならない位置に設けられている。このため、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に付与される仕様の遊技機であることを報知する表示)が前記シボ部に覆われ、前記第1印刷表示の視認性が低下するのを抑制できる。
【0334】
以上、本実施形態では、スマスロ(登録商標)であるスロットマシンを例にとり説明したが、本発明は、スマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機にも適用可能である。図35に示すパチンコ遊技機1000は、スマートパチンコ(登録商標)である。パチンコ機1000では、電子的情報としての遊技価値が用いられ、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる。パチンコ遊技機1000は、遊技媒体としての遊技球(物理的な遊技球)を内部で循環させることで、遊技球に直接触らずに電子情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機となっている。
【0335】
図35に示すようにパチンコ遊技機1000は、上パネル(上部パネル)500を備えている。上パネル500は、上述の下パネル91と同様に構成されており、シート510(図36)を備えている。また、シート510は、上述のシート110と同様に形成されており、背面側から光が照射されるようになっている。シート510は、第1の表示(ロゴ表示L3)と、第2の表示(機種名表示111)と、第3の表示(背景112)と、を含んでいる。
【0336】
シート510において、第1の表示(ロゴ表示L3)と、第2の表示(機種名表示111)と、第3の表示(背景112)と、の関係は、上述のシート110における、第1の表示(ロゴ表示L1)と、第2の表示(機種名表示111)と、第3の表示(背景112)と、の関係と同様に構成されている。ただし、ロゴ表示L3がシート510における左側に設けられ、機種名表示111がシート510における右側に設けられている点が相違する。図35に示すようにパチンコ遊技機1000の左側(傍ら)には、遊技者が貸出操作やカード返却操作等を行うカードユニット(専用ユニット201)が配置されている。ロゴ表示L3は、専用ユニット201側に設けられている。このため、ロゴ表示L3と専用ユニット201とが関連性を有するものであることを示すことができる。
【0337】
ロゴ表示L3(図36)は、遊技機がスマートパチンコ(登録商標)であることを示す(報知する)表示となっている。換言すると、ロゴ表示L3は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数(付与)される仕様の遊技機(特定遊技機)であることを報知する表示となっている。ロゴ表示L3は青色となっている。ロゴ表示L3は、青色部分と白色部分とを有しており、青色部分の占める割合が比較的大きく、ロゴ表示L3は、青色であるこということができる。なお、当該青色は、ロゴ表示L3における白色ではない部分の色(特定色)ということもできる。
【0338】
青色部分のCMYK値は、C85%、M50%、Y0%、K0%となっている。また、白色部分のCMYK値は、C0%、M0%、Y0%、K0%となっている。ロゴ表示L3はスマパチ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が青色の白抜き文字)となっている。
【0339】
また、図36に示すように、ロゴ表示L3は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部W(白縁部W)を備えている。白縁部Wは、一定の幅となっており、例えば、約1.5mmの幅となっている。なお、ロゴ表示L3は、上下方向の幅が例えば約42mmとなっていて、左右方向の幅が例えば約46mmとなっている。
【0340】
図35において、符号Xで示した部分には、図示を省略しているが、パチンコ遊技機1000における計数ボタンユニット(計数手段)が設けられている。計数手段は、計数操作手段(計数ボタン)と遊技価値(数)表示装置(遊技メダル数表示装置)とを備えている。ロゴ表示L3は、計数ボタンユニットの鉛直方向(鉛直上方、鉛直方向における上方側)に設けられている。ロゴ表示L3と計数ボタンユニットは、前方(手前)から見た場合に、鉛直方向に沿う仮想直線上に位置する位置関係となっている。
【0341】
なお、図32で示した例と同様に、ロゴ表示L3の下方に、補足説明表示Eが設けられていてもよい。また、単にロゴ表示L3という場合に、当該補足説明表示Eを含むもの(当該補足説明表示Eと一体となったもの)であってもよい。
【0342】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略等が可能である。例えば、スロットマシン10の遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。
【0343】
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0344】
上記実施形態では、遊技メダル数クリア信号の出力開始タイミングと特定クリア報知の開始タイミングを同期させる場合を例に取り説明したが、同期させなくてもよく、遊技メダル数クリア信号の出力開始タイミングが特定クリア報知の開始よりも先であってもよいし後であってもよい。
【0345】
また上記実施形態では、遊技メダル数クリア信号の出力終了タイミングと特定クリア報知の終了タイミングを同期させる場合を例に取り説明したが、同期させなくてもよく、遊技メダル数クリア信号の出力終了タイミングが特定クリア報知の終了よりも先であってもよいし後であってもよい。
【0346】
また上記実施形態では、遊技メダル数クリア信号の出力と特定クリア報知を同一時間実行する場合を例に取り説明したが、遊技メダル数クリア信号の出力時間よりも長い時間または短い時間、特定クリア報知を実行するようにしてもよい。
【0347】
また上記実施形態では、遊技メダル数クリア信号の出力および特定クリア報知について所定時間(例えば、5sec)が経過したら終了する場合を例に取り説明したが、所定時間(例えば、5sec)が経過する前にエラー状態に移行した場合には、エラーの解除後、再度最初から計時を開始するようにしてもよい。
【0348】
また上記実施形態では、状態表示装置80のドット表示部DPを点灯させることによって特定クリア報知を実行する場合を例に取り説明したが、特定クリア報知では、所定の音声(例えば、「クレジットをクリアしました」などの音声)をスピーカSPから出力するようにしてもよい。
【0349】
また上記実施形態では、メダルCPU30aは、遊技メダル数をクリアしてから遊技メダル数クリア信号の出力と特定クリア報知を実行する場合を例に取り説明したが、遊技メダル数クリア信号の出力または特定クリア報知を開始してから遊技メダル数をクリアしてもよい。
【0350】
また上記実施形態では、特定クリア報知に用いる状態表示装置80をメダル数制御基板30上に設けた場合を例に取り説明したが、状態表示装置80を筐体内の他の場所に設けてもよく、リールユニット310の上方や下方に設けてもよいし、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの裏面に設けてもよい。
【0351】
また上記実施形態では、状態表示装置80を用いて特定クリア報知を実行する場合を例に取り説明したが、メダル数制御基板30が制御するデバイスであれば状態表示装置80に限られるものではなく、例えば、遊技メダル数表示装置70を用いて特定クリア報知を実行するようにしてもよい。
【0352】
また上記実施形態では、メダルCPU30aは、専用ユニット50との通信を開始する前に通信許可処理を行う場合を例に取り説明したが、通信許可処理は実行しなくてもよく、通信許可フラグを設けなくてもよい。この例では、図14に示すステップS195の処理を設けなくてもよい。すなわちメインCPU10aとの通信が確立したことを開始条件として、遊技メダル数クリア条件を満たしかつ開始条件を満たすと、遊技メダル数クリア信号を専用ユニット50に送信し、特定クリア報知をメダル数制御基板30の状態表示装置80に実行させるようにしてもよい。
【0353】
また上記実施形態では、設定変更許可スイッチ262、設定変更スイッチ264を電源ユニットに設けた場合を例に取り説明したが、メイン基板10に設けてもよい。
【0354】
また上記実施形態では、メダルCPU30aは、図11に示すように、メインCPU10aから送信された起動時コマンドを正常受信するとメインCPU10aとの通信が確立したと判断する場合を例に取り説明したが、受信した起動時コマンドが正常であることを要件とせず、メインCPU10aから送信された起動時コマンドを受信したことをもってメインCPU10aとの通信が確立したと判断するようにしてもよい。この例では、メダルCPU30aは、起動時コマンドのパリティビットが正常であるか否かを判定しなくてもよい。
【0355】
同様に、メインCPU10aは、図11に示す返信コマンドの待ち状態において、メダルCPU30aから送信された返信コマンドを正常受信すると設定変更処理、状態復帰処理、またはコールドスタート処理に移行する場合を例に取り説明したが、受信した返信コマンドが正常であることを要件とせず、メダルCPU30aから送信された返信コマンドを受信すると次の処理に移行するようにしてもよい。この例では、メインCPU10aは、返信コマンドのパリティビットが正常であるか否かを判定しなくてもよい。
【0356】
また上記実施形態では、メインCPU10aは、電源投入時に、起動時コマンドをメダルCPU30aに送信した後に設定変更処理、状態復帰処理、またはコールドスタート処理に移行させる場合を例に取り説明したが、設定変更処理、状態復帰処理、またはコールドスタート処理に移行させた後に起動時コマンドをメダルCPU30aに送信するようにしてもよい。
【0357】
また上記実施形態では、特定画像450の表示中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dによる音量変更操作が行われると、音量変更処理を行い、特定画像450の表示を継続しつつ変更後の現在の音量で操作音を出力する場合を例に取り説明したが、音量を変更せずに操作音を出力するようにしてもよい。
【0358】
また上記実施形態では、特定画像450の表示中に上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bによる光量変更操作が行われると、光量変更処理を行い、特定画像450の表示を継続しつつ操作音を現在の音量で出力する場合を例に取り説明したが、光量を変更せずに操作音を出力するようにしてもよい。
【0359】
また上記実施形態では、メインCPU10aは、メダル数VL未接続信号のON状態が所定時間(例えば、154.96msec)以上継続した場合に、内部状態をエラー状態として遊技の進行を制限する場合を例に取り説明したが、内部状態をエラー状態に設定することなく遊技の進行を制限するようにしてもよい。すなわちメインCPU10aが検出可能なエラーとして貸出装置接続エラーを設定しなくてもよい。またメインCPU10aは、エラー状態に設定した場合には、エラー種別を示す識別記号(エラーコード)を遊技情報表示部DSに表示させ、サブCPU20aは、エラー種別を示す識別記号を液晶ディスプレイLCDに表示させるようにしてもよいが、メインCPU10aが検出可能なエラーとして貸出装置接続エラーを設定していない場合には、貸出装置接続エラーが発生した場合に貸出装置接続エラーを示す識別記号を表示せずに特定エラー報知を実行するようにしてもよい。
【0360】
また上記実施形態では、計数通知を送信する周期(例えば、300msec)と、遊技メダル数表示装置70の表示を更新する周期(タイマ割込みによる所定の表示周期:例えば、1msec)は独立して管理されているため、電子化メダルの計数処理のタイミングと、遊技メダル数表示装置70の表示更新タイミングとの時間関係によっては、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示内容が実際の遊技メダル数と異なる状況が生じ得る場合を例に取り説明したが、計数ボタンB8の長押し操作が行われている間は、実際の遊技メダル数に関わらずに、遊技メダル数表示装置70における遊技メダル数の表示として所定のカウントダウン演出表示を行うようにしてもよい。例えば、計数ボタンB8の長押し操作が行われている間は、遊技メダル数表示装置70の5桁の表示部のうち一の位の数字を表示する第1表示部510と十の位の数字を表示する第2表示部520において「0」~「9」の数字を高速で循環させるカウントダウン表示を行い、百、千、万のそれぞれの位の数字を表示する第3表示部530~第5表示部550では、実際の遊技メダル数に基づいて数字を更新するようにしてもよい。計数ボタンB8の長押し操作により150枚の電子化メダルを専用ユニット50に転送する場合を例に挙げて説明すると、図37(A)に示すように、例えば、250枚の電子化メダルを保持している状態で計数ボタンB8の長押し操作が行われたとすると、図37(B)に示すように、第3表示部530の表示「2」を維持しつつ、第1表示部510および第2表示部520においてカウントダウン表示が開始され、50枚の電子化メダルが専用ユニット50に転送されると、図37(C)に示すように、遊技メダル数は200枚であることから第3表示部530の表示は「2」に維持され、さらに50枚(合計100枚)の電子化メダルが専用ユニット50に転送されると、図37(D)に示すように、遊技メダル数は150枚となることから第3表示部530の表示が「2」→「1」に更新され、さらに50枚(合計150枚)の電子化メダルが専用ユニット50に転送され、計数ボタンB8の長押し操作が終了したとすると、図37(E)に示すように、遊技メダル数は100枚となることから「100」の数字が表示される。このようにしても遊技メダル数表示装置70の表示更新を不要に待つことなく計数処理を速やかに行うことができる。
【0361】
また上記実施形態では、特定画像450の表示中に左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われると、音量変更処理を行い、特定画像450の表示を継続しつつ操作音を現在の音量で出力する場合を例に取り説明したが、貸出装置接続エラーとは異なる所定のエラー中(例えば、ドア開放エラー)では、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dによる音量変更操作を無効とし、左ボタンB7Cまたは右ボタンB7Dに対する操作が行われても音量変更処理を実行せず操作音を出力しないようにしてもよいし、音量変更処理を実行しないが操作音は出力するようにしてもよい。同様に貸出装置接続エラーとは異なる所定のエラー中(例えば、ドア開放エラー)では、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bによる光量変更操作を無効とし、上ボタンB7Aまたは下ボタンB7Bに対する操作が行われても光量変更処理を実行せず操作音を出力しないようにしてもよいし、光量変更処理を実行しないが操作音は出力するようにしてもよい。この例では、メインCPU10aは、専用ユニット50との未接続状態において内部状態をエラー状態に設定しなくてもよい。
【0362】
また複数種類のエラーのうち音量変更操作や光量変更操作を無効とするエラーと音量変更操作や光量変更操作を有効とするエラーとが存在するようにしてもよい。
【0363】
また上記実施形態では、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合にデモ演出に移行させる場合を例に取り説明したが、精算ボタンB4に対する操作が行われた場合にもデモ演出(デモ画面)に移行させるようにしてもよいし、精算ボタンB4に対する操作に伴う精算処理が終了した場合にデモ演出(デモ画面)に移行させるようにしてもよい。
【0364】
また上記実施形態では、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマーを常に作動させる場合を例に取り説明したが、監視タイマーによる計時を中断させるまたは監視タイマーを停止させる場合があってもよい。例えば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開かれたことをドアセンサが検出した場合に監視タイマーによる計時を中断し、開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられたことをドアセンサが検出した場合に、中断した監視タイマーによる計時を再開するようにしてもよい。すなわち上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放に伴うドア開放エラー中(エラー状態中)は監視タイマーによる計時を一旦停止するようにしてもよい。このようにすれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中にデモ演出が開始されることを防ぐことができる。ここで、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中にデモ演出が開始されると上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることとなり違和感を与えるおそれがあるが、本変形例によれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることによる違和感を与えないようにすることができる。
【0365】
また例えば、1回の遊技に関する処理が全て終了したことを契機として監視タイマーを作動させ、電子化メダルが投入状態に設定されたことを契機として監視タイマーを停止させるようにしてもよい。このようにすれば、電子化メダルが投入状態に設定されてない遊技状況においてデモ演出に移行させ、電子化メダルが投入状態に設定されている遊技状況ではデモ演出に移行させないようにすることができる。
【0366】
また例えば、メニュー画面に移行させるために遊技演出(遊技画面)またはデモ演出(デモ画面)の実行中にメニューボタンB6に対する操作が行われると、監視タイマーの計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して監視タイマーによる計時を一旦停止し、遊技演出に復帰させるためにメニュー表示中にメニューボタンB6に対する操作が行われると、初期化(リセット)された監視タイマーによる計時を再開する(やり直す)ようにしてもよい。
【0367】
また上記実施形態では、メイン基板10からの信号が入力される毎に監視タイマーによる計時をリセットする場合を例に取り説明したが、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放された場合または開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられた場合には監視タイマーによる計時をリセットしないようにしてもよい。
【0368】
また上記実施形態では、いずれかのリールが回転している状況で監視タイマーが所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、デモ演出に替えてリール停止警告演出を実行させるようにしてもよい。この場合には、リール停止警告演出の実行とともに、スピーカSPの音量を消音に制御したり、スピーカSPの音量を低下させる制御を行うようにしてもよい。
【0369】
また上記実施形態では、設定確認モードでは遊技を行うことはできない場合を例に取り説明したが、設定確認モードでは、ベットボタンB0による電子化メダルの投入(ベット)、精算ボタンB4による電子化メダルの精算、計数ボタンB8による電子化メダルの計数などを実行可能としてもよい。
【0370】
また上記実施形態では、電子化メダルの投入受付中に設定確認モードに移行可能である場合を例に取り説明したが、精算処理の実行中に設定確認条件を満たすと設定確認モードに移行可能としてもよいし、精算処理の実行中は設定確認モードに移行させないようにしてもよい。
【0371】
また上記実施形態では、メインCPU10aは、コンプリート作動条件が成立した場合に内部状態をエラー状態として遊技の進行を制限する場合を例に取り説明したが、内部状態をエラー状態に設定することなく遊技の進行を制限するようにしてもよい。すなわちコンプリート機能の作動をメインCPU10aが検出可能なエラーとして設定しなくてもよい。またメインCPU10aは、エラー状態に設定した場合には、エラー種別を示す識別記号(エラーコード)を遊技情報表示部DSに表示させ、サブCPU20aは、エラー種別を示す識別記号を液晶ディスプレイLCDに表示させるが、メインCPU10aが検出可能なエラーとしてコンプリートエラーを設定していない場合には、コンプリート作動条件が成立した場合にエラーコードを遊技情報表示部DSに表示せずに、サブCPU20aがエラー報知を実行するようにしてもよい。
【0372】
また上記実施形態では、コンプリート機能による遊技進行の制限中に設定確認条件を満たすと設定確認モードに移行させる場合を例に取り説明したが、コンプリート機能による遊技進行の制限中は、設定確認モードに移行させないようにしてもよい。
【0373】
また上記実施形態では、ドア開放エラー監視処理において設定確認モードへの移行を管理する場合を例に取り説明したが、ドア開放エラー監視処理では、貸出装置接続エラーやメダル数制御エラーの監視も行い、コンプリート機能による遊技進行の制限中にこれらのエラーを検出可能としてもよい。
【0374】
また上記実施形態では、メイン基板10とサブ基板20とメダル数制御基板30とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配した場合を例に取り説明したが、メイン基板10の一部の機能部をサブ基板20やメダル数制御基板30に配しても、サブ基板20の一部の機能部をメイン基板10やメダル数制御基板30に配してもよく、メダル数制御基板30の一部の機能部をメイン基板10やサブ基板20に配してもよく、また全ての機能部を1の制御基板に纏めて配してもよい。またメダル数制御基板30の機能部の全てをメイン基板10に配し、メダル数制御基板30を設けなくてもよい。
【0375】
また上記実施形態の発明は、スマートパチスロに限られるものではなく、実物のメダル(遊技価値)を用いて遊技を行うスロットマシン、遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技を行う遊技機(弾球遊技機、スマートパチンコ(登録商標))などにも適用することができる。スマートパチンコでは、遊技の進行を制御するメイン基板(第1制御部)と、演出を制御するサブ基板と、メイン基板と通信可能であって遊技球の貸し出しを行う専用ユニット(特定ユニット)と通信可能な枠制御基板(第2制御部)とを設け、枠制御基板が遊技球数を管理するようにすることができる。またメイン基板は、電源投入時の設定変更スイッチの状態に応じて、遊技モード(遊技可能状態)で起動する場合と設定変更モード(遊技不能状態)で起動する場合とを切り替える。そして枠制御基板は、所定のクリア条件を満たした場合に、管理している遊技球数を0個にクリアし、メイン基板との通信が確立したことを開始条件とし、クリア条件および開始条件を満たすと、遊技球数をクリアしたことを報知する特定報知を枠制御基板上に設けた状態表示装置に実行させるようにしてもよく、特に専用ユニットとの接続状況に関わらずに特定報知を実行するようにしてもよいし、メイン基板が設定値の変更中(遊技不能状態)であっても特定報知を実行するようにしてもよい。また枠制御基板は、クリア条件および開始条件を満たすと、遊技球数クリア信号(遊技球数が0個にクリアされたことを示す信号:特定信号)を専用ユニットに送信するようにしてもよく、特にメイン基板が設定値の変更中(遊技不能状態)であっても遊技球数クリア信号を専用ユニットに送信するようにしてもよい。
【0376】
また上記第1の実施形態の発明と上記第2の実施形態の発明と上記各種変形例とは、適宜組み合わせて採用することができる。
【符号の説明】
【0377】
(第1の実施形態)
BX 収納箱、UD 上部前面扉、DD 下部前面扉、DW 表示窓、
L1 有効ライン、DS 遊技情報表示部、LCD 液晶ディスプレイ、
AL 台枠ランプ、R1 第1リール、R2 第2リール、R3 第3リール、
SL スタートレバー、B0 ベットボタン、B1~B3 ストップボタン、
B4 精算ボタン、B5 演出ボタン、B6 メニューボタン、B7十字キー、
B7A 上ボタン、B7B 下ボタン、B7C 左ボタン、B7D 右ボタン、
B8 計数ボタン、B10 貸出ボタン、B11 返却ボタン、B12 遊技ボタン、
B13 遊技メダル数クリアボタン、B14 エラー解除ボタン、DP ドット表示部、
10 メイン基板、
10a メインCPU、10b メインROM、10c メインRAM、
20 サブ基板、20a サブCPU、20b サブROM、20c サブRAM、
30 メダル数制御基板、30a メダルCPU、30b メダルROM、
30c メダルRAM、40 遊技球等貸出装置接続端子板、50 専用ユニット、
60 専用ユニット制御基板、61 現金挿入部、62 カード挿入部、
63 貸出スイッチ、64 返却スイッチ、65 遊技スイッチ、66 度数表示装置、
67 獲得メダル数表示装置、70 遊技メダル数表示装置、80 状態表示装置、
82 第1コネクタ、84 第2コネクタ、91 下パネル、
100 メイン起動処理手段、
105 投入受付手段、110 乱数発生手段、120 内部抽選手段、
130 リール制御手段、140 入賞判定手段、150 払出制御手段、
160 リプレイ処理手段、170 遊技状態制御手段、180 演出状態制御手段、
190 通信制御手段、195 設定確認手段、
200 サブ起動処理手段、210 演出制御手段、
220 ベットスイッチ、230 スタートスイッチ、240 ストップスイッチ、
250 精算スイッチ、255 計数ボタンスイッチ、
256 遊技メダル数クリアスイッチ、257 エラー解除スイッチ、
262 設定変更許可スイッチ、264 設定変更スイッチ、
270 演出ボタンスイッチ、280 メニューボタンスイッチ、
290A 上ボタンスイッチ、290B 下ボタンスイッチ、
290C 左ボタンスイッチ、290D 右ボタンスイッチ、
310 リールユニット、330 表示装置、340 音響装置、
350 基板ケース、352 ケース本体、354 ケース蓋体、356 連結ピン、
358 本体側連結部、360 蓋体側連結部、
400 メニュー画面、410 音量設定画面、420 音量バー画像、
430 光量設定画面、440 光量バー画像、450 特定画像
510 第1表示部、520 第2表示部、530 第3表示部、540 第4表示部、550 第5表示部、
(第2の実施形態)
B 背景、L1 ロゴ表示、E 補足説明表示、N のめり込み防止表示、
91 下パネル、102 前パネル、102a シボ部、103 後パネル、
110 シート、111 機種名表示、112 背景、120 枠体、121 開口、
131 LED、
L2 ロゴ表示、W 縁取り部(白縁部)、P キャラクタ、L3 ロゴ表示、
201 専用ユニット、500 上パネル、510 シート、1000 パチンコ遊技機
図1
図2
図3
図4
図5
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