(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177745
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】携帯端末装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241217BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F3/12 338
G06F3/12 322
G06F3/12 392
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096061
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】篠原 祐樹
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA37
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC38
5C062AE16
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】 セキュリティを維持しつつ、ロック状態の解除を行うことなく携帯端末装置に所定の処理を行わせることが可能な携帯端末装置およびプログラムを得る。
【解決手段】 アプリケーション22は、(a)無線通信装置11によって画像形成装置2に接続可能な状態になると、表示装置12に通知を表示し、(b)その通知に対する所定の操作が入力装置13により検出されると、ソフトキーを表示装置12に表示し、(c)そのソフトキーに対する操作が入力装置13により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、画像形成装置2に接続して所定の処理の実行を画像形成装置2に要求し、(d2)ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、その所定の処理の実行を画像形成装置2に要求しない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置と、
表示装置と、
入力装置と、
前記無線通信装置を使用して画像形成装置を操作するためのアプリケーションとを備え、
前記アプリケーションは、(a)前記無線通信装置によって前記画像形成装置に接続可能な状態になると、前記表示装置に通知を表示し、(b)前記通知に対する所定の操作が前記入力装置により検出されると、ソフトキーを前記表示装置に表示し、(c)前記ソフトキーに対する操作が前記入力装置により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、前記画像形成装置に接続して所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求し、(d2)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、前記所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求しないこと、
を特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記ユーザー認証処理における認証方法を指定するユーザー設定を記憶する記憶装置をさらに備え、
前記アプリケーションは、(a)前記ユーザー設定により指定された前記認証方法を特定し、(b)特定した前記認証方法に従って前記ユーザー認証処理を実行すること、
を特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記所定の処理は、ログイン処理またはプリント処理であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
無線通信装置と、表示装置と、入力装置と、コンピューターとを備えた携帯端末装置用のプログラムにおいて、
前記コンピューターを、前記無線通信装置を使用して画像形成装置を操作するためのアプリケーションとして機能させ、
前記アプリケーションは、(a)前記無線通信装置によって前記画像形成装置に接続可能な状態になると、前記表示装置に通知を表示し、(b)前記通知に対する所定の操作が前記入力装置により検出されると、ソフトキーを前記表示装置に表示し、(c)前記ソフトキーに対する操作が前記入力装置により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、前記画像形成装置に接続して所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求し、(d2)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、前記所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求しないこと、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある携帯端末装置は、ロック状態のときに画像形成装置に接続可能になった場合、(a)ロック画面上に通知を表示し、(b)その通知に対してスワイプ操作があると、ソフトキーを表示し、(c)そのソフトキーが操作されると、ロック状態の解除を行うことなく所定の処理を行っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の携帯端末装置では、ユーザー以外の者が上述の操作をしても、所定の処理を行わせることができるため、セキュリティレベルが低い。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、セキュリティを維持しつつ、ロック状態の解除を行うことなく携帯端末装置に所定の処理を行わせることが可能な携帯端末装置およびプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯端末装置は、無線通信装置と、表示装置と、入力装置と、前記無線通信装置を使用して画像形成装置を操作するためのアプリケーションとを備える。そして、前記アプリケーションは、(a)前記無線通信装置によって前記画像形成装置に接続可能な状態になると、前記表示装置に通知を表示し、(b)前記通知に対する所定の操作が前記入力装置により検出されると、ソフトキーを前記表示装置に表示し、(c)前記ソフトキーに対する操作が前記入力装置により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、前記画像形成装置に接続して所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求し、(d2)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、前記所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求しない。
【0007】
本発明に係るプログラムは、無線通信装置と、表示装置と、入力装置と、コンピューターとを備えた携帯端末装置用のプログラムであり、前記コンピューターを、前記無線通信装置を使用して画像形成装置を操作するためのアプリケーションとして機能させる。そして、前記アプリケーションは、(a)前記無線通信装置によって前記画像形成装置に接続可能な状態になると、前記表示装置に通知を表示し、(b)前記通知に対する所定の操作が前記入力装置により検出されると、ソフトキーを前記表示装置に表示し、(c)前記ソフトキーに対する操作が前記入力装置により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、前記画像形成装置に接続して所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求し、(d2)前記ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、前記所定の処理の実行を前記画像形成装置に要求しない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セキュリティを維持しつつ、ロック状態の解除を行うことなく携帯端末装置に所定の処理を行わせることが可能な携帯端末装置およびプログラムが得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を含む画像形成システムの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるアプリケーション22の操作画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2におけるアプリケーション22のユーザー設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2におけるアプリケーション22の認証方法選択画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2におけるアプリケーション22の一連の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図2に示す携帯端末装置1の動作についてフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を含む画像形成システムの構成を示す斜視図である。
図1に示すシステムは、ユーザーにより携帯される携帯端末装置1、および画像形成装置2(複合機、コピー機など)を備える。
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置1の構成を示すブロック図である。例えば
図2に示すように、携帯端末装置1は、内蔵バッテリーの電力で駆動する、例えばスマートフォンなどのポータブルデバイスであって、無線通信装置11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14、演算処理装置15などを備える。
【0013】
無線通信装置11は、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(登録商標)などの所定の無線通信規格でデータ通信を行う内部装置である。
【0014】
表示装置12は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどといった内部装置である。入力装置13は、ユーザー操作を検出するタッチパネルなどといった内部装置である。
【0015】
記憶装置14は、フラッシュメモリー、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置である。記憶装置14には、プログラム21などが記憶されている。
【0016】
演算処理装置15は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピューターであり、プログラム21をRAMにロードしCPUで実行することで、アプリケーション22として動作する。
【0017】
アプリケーション22は、無線通信装置11を使用して画像形成装置2を操作するためのアプリケーションである。
図3は、
図2におけるアプリケーション22の操作画面の一例を示す図である。
図4は、
図2におけるアプリケーション22のユーザー設定画面の一例を示す図である。
図5は、
図2におけるアプリケーション22の認証方法選択画面の一例を示す図である。
【0018】
この実施の形態では、ユーザー認証処理における認証方法を指定するユーザー設定が記憶装置14に記憶されている。具体的には、アプリケーション22は、例えば
図3に示すような操作画面を表示装置12に表示し、ソフトキー101への操作が検出されると、例えば
図4に示すようなユーザー設定画面を表示装置12に表示する。例えば
図4に示すように、ユーザー設定画面は、後述の通知(ログイン通知)を行うか否かを設定するスイッチ201、認証方法選択画面を表示させるためのソフトキー202などを含む。アプリケーション22は、ソフトキー202への操作が検出されると、例えば
図5に示すような認証方法選択画面を表示装置12に表示する。
図5に示す認証方法選択画面は、認証しない、パスワード認証、生体認証(指紋認証など)などの選択肢のソフトキー211~214を含む。ソフトキー211~214のうち、ユーザーにより操作されたソフトキー(
図5ではソフトキー213)に対応して、認証の有無および認証方法(
図5では、生体認証)が特定され、ユーザー設定として記憶装置14に記憶される。
【0019】
図6は、
図2におけるアプリケーション22の一連の表示画面の一例を示す図である。アプリケーション22は、(a)無線通信装置11によって画像形成装置2に接続可能な状態になると(例えば
図1に示すように当該携帯端末装置1が画像形成装置2の接続可能エリアに入ると)、ロック画面301に重畳させて通知302を表示装置12に表示し、(b)その通知に対する所定の操作(ここではスワイプ操作)が入力装置13により検出されると、ソフトキー303,304を表示装置12に表示し、(c)そのソフトキー303,304に対する操作が入力装置13により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)そのユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、画像形成装置に接続して所定の処理の実行を画像形成装置2に要求し、(d2)そのユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、その所定の処理の実行を画像形成装置2に要求しない。
【0020】
ここで、上述の所定の処理は、ソフトキー303,304に対応するログイン処理またはプリント処理である。具体的には、ソフトキー304は、プライベートプリント(セキュアプリント)などのために画像形成装置2に保存されている未実行のプリントジョブにについてのプリント処理をただちに実行させるためのソフトキーである。
【0021】
また、この実施の形態では、アプリケーション22は、(a)上述のユーザー設定により指定された認証方法を特定し、(b)特定した認証方法に従って前記ユーザー認証処理を実行する。ソフトキー303,304に対する操作が入力装置13により検出されると、例えば
図6に示すように、指定されたユーザー認証方法に応じたユーザー認証画面(ここでは、パスワード入力画面または指紋入力画面)が表示される。
【0022】
次に、この実施の形態に係る携帯端末装置1の動作について説明する。
図7は、
図2に示す携帯端末装置1の動作についてフローチャートである。
【0023】
携帯端末装置1がロック状態のとき、アプリケーション22は、画像形成装置2に接続可能であるか否かを監視し(ステップS1)、画像形成装置2に接続可能である場合、上述のように、例えば
図6に示すようなログイン通知をロック画面に重畳させて表示する(ステップS2)。
【0024】
そして、アプリケーション22は、ログイン通知に対する操作が検出されたか否か(ステップS3)、およびロック解除操作が検出されたか否か(ステップS4)を監視する。
【0025】
ログイン通知に対する操作(上述のソフトキー303,304のいずれかに対する操作)が検出された場合、アプリケーション22は、記憶装置14に記憶されているユーザー設定に基づいて認証方法を特定し(ステップS5)、特定した認証方法に対応するユーザー認証処理を実行する(ステップS6)。
【0026】
アプリケーション22は、ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功したか否かを判定し(ステップS7)、ユーザー認証に成功した場合には、自動的に、無線通信装置11を使用して、ユーザーIDなどのユーザー認証情報とともにログイン要求を画像形成装置2に送信する(ステップS8)。
【0027】
画像形成装置2は、ユーザー認証情報およびログイン要求を受信すると、ユーザー認証情報に基づいて、ログインの可否を判定し、ログインの可否の判定結果を携帯端末装置1に送信する。
【0028】
アプリケーション22は、無線通信装置11を使用して、ログインの可否の判定結果を受信すると、その判定結果に基づいてログインに成功したか否かを判定し(ステップS9)、ログインに成功した場合、上述のログイン通知の表示を終了し(ステップS10)、上述のソフトキーに対応する処理の要求を画像形成装置2に送信し、その処理(プリント処理など)を画像形成装置2に実行させる。なお、ログイン通知の表示終了後、ロック画面の表示は継続される。
【0029】
他方、ステップS4において、ロック解除操作が検出された場合、アプリケーション22は、例えば
図3に示すようなリモート制御画面を表示装置12に表示し(ステップS11)、ステップS8以降の処理を同様に実行する。
【0030】
また、ステップS7において、ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗したと判定した場合、およびステップS9において、ログインに失敗したと判定した場合には、アプリケーション22は、上述の処理の要求を画像形成装置2に送信せず、エラー処理(ユーザー認証の失敗やログインの失敗を示すメッセージの表示など)を行う。
【0031】
以上のように、上記実施の形態によれば、アプリケーション22は、(a)無線通信装置11によって画像形成装置2に接続可能な状態になると、表示装置12に通知を表示し、(b)その通知に対する所定の操作が入力装置13により検出されると、ソフトキー303,304を表示装置12に表示し、(c)そのソフトキー303,304に対する操作が入力装置13により検出されると、ユーザー認証処理を実行し、(d1)ユーザー認証処理においてユーザー認証に成功した場合には、画像形成装置2に接続して所定の処理の実行を画像形成装置2に要求し、(d2)ユーザー認証処理においてユーザー認証に失敗した場合には、その所定の処理の実行を画像形成装置2に要求しない。
【0032】
これにより、ユーザー認証処理によってセキュリティを維持しつつ、ロック状態の解除を行うことなく所定の処理を行わせることができる。
【0033】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0034】
例えば、上記の実施の形態において、プログラム21は、可搬性のある記録媒体に記録され、その記録媒体から読み出されて記憶装置14にインストールされるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えば、画像形成装置をリモート制御する携帯端末装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 携帯端末装置
2 画像形成装置
11 無線通信装置
12 表示装置
13 入力装置
14 記憶装置
15 演算処理装置(コンピューターの一例)
21 プログラム
22 アプリケーション