(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017775
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】仲介装置、仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240201BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120639
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004411
【氏名又は名称】日揮ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171583
【弁理士】
【氏名又は名称】梅景 篤
(72)【発明者】
【氏名】白澤 光純
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】発注者が信頼できる人に仕事を依頼することを可能とする仲介装置、仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体を提供すること。
【解決手段】仲介装置20は、ユーザを登録する登録部22と、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供する提供部23と、複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信する受信部21と、探索要求を受信したことに応じて、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成する生成部25と、発注者の端末装置に候補者情報を出力する出力部26と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを登録する登録部と、
登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供する提供部と、
前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信する受信部と、
前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成する生成部と、
前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力する出力部と、
を備える、仲介装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記候補者の中から前記発注者によって選択された対象ユーザに前記仕事を依頼する発注情報を生成し、
前記出力部は、前記対象ユーザの端末装置に前記発注情報を出力する、請求項1に記載の仲介装置。
【請求項3】
前記スケジュール情報は、前記候補者の所定時間単位のスケジュールを示し、
前記発注情報は、前記発注者によって指定された前記所定時間単位の依頼時間帯を含む、請求項2に記載の仲介装置。
【請求項4】
前記登録部は、登録されているユーザからの紹介を受けている場合に、新規のユーザを登録する、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項5】
前記コミュニケーションサービスは、前記複数のユーザのそれぞれの前記コミュニケーションサービスにおける繋がりを示す繋がり情報を閲覧可能に構成されている、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項6】
前記コミュニケーションサービスは、前記複数のユーザによる過去の投稿情報を閲覧可能に構成されている、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザのうち、前記過去の投稿情報に基づいて前記候補者を選択する、請求項6に記載の仲介装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザのうち、前記発注者によって指定された選択条件を満たすユーザを、前記候補者として選択する、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項9】
前記候補者情報は、前記候補者にメッセージを送信するための情報を更に含む、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の仲介装置。
【請求項10】
ユーザを登録することと、
登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、
前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、
前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、
前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、
を含む、仲介方法。
【請求項11】
ユーザを登録することと、
登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、
前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、
前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、
前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、
をコンピュータに実行させるための仲介プログラム。
【請求項12】
仲介プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記仲介プログラムは、
ユーザを登録することと、
登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、
前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、
前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、
前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである、記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仲介装置、仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発注者と職人とのマッチングを行うサービスが知られている。例えば、特許文献1には、職人の職種と同一の職種が指定され、かつ、職人の居住地と所定の関係にある場所が就労場所として指定されている募集案件を、現場候補として通知する就労支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の就労支援装置においては、発注者は、応募者の中から実際に仕事を依頼する職人を選択する。したがって、信頼できる職人が応募しない限り、発注者はそのような職人に仕事を依頼することができない。さらに、特許文献1に記載の就労支援装置においては、職人を客観的に評価する仕組みが存在しないので、発注者が信頼できる職人を見つけることは困難である。
【0005】
本開示は、発注者が信頼できる人に仕事を依頼することを可能とする仲介装置、仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(条項1) 本開示の一側面に係る仲介装置は、ユーザを登録する登録部と、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供する提供部と、前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信する受信部と、前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成する生成部と、前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
この仲介装置においては、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者が選択され、候補者のスケジュール情報を含む候補者情報が発注者の端末装置に出力される。コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザは、発注者から信頼されているとみなされ得る。したがって、発注者から信頼されている人が応募しなくても、発注者は信頼できる人に仕事を依頼することができる。
【0008】
(条項2) 条項1に記載の仲介装置において、前記生成部は、前記候補者の中から前記発注者によって選択された対象ユーザに前記仕事を依頼する発注情報を生成してもよく、前記出力部は、前記対象ユーザの端末装置に前記発注情報を出力してもよい。この場合、対象ユーザに仕事を依頼することができる。
【0009】
(条項3) 条項2に記載の仲介装置において、前記スケジュール情報は、前記候補者の所定時間単位のスケジュールを示してもよく、前記発注情報は、前記発注者によって指定された前記所定時間単位の依頼時間帯を含んでもよい。この構成によれば、長期の空き時間を有していなくても、発注の単位である所定時間以上の空き時間を有するユーザであれば、仕事の依頼を受けることができる。したがって、候補者の数を増やすことができる。
【0010】
(条項4) 条項1~条項3のいずれか一項に記載の仲介装置において、前記登録部は、登録されているユーザからの紹介を受けている場合に、新規のユーザを登録してもよい。この場合、新規のユーザの登録が紹介制であるので、不特定多数の人が利用できるわけではない。したがって、信頼できる人が集まる可能性を高めることができる。
【0011】
(条項5) 条項1~条項4のいずれか一項に記載の仲介装置において、前記コミュニケーションサービスは、前記複数のユーザのそれぞれの前記コミュニケーションサービスにおける繋がりを示す繋がり情報を閲覧可能に構成されてもよい。コミュニケーションサービスにおいて繋がっているユーザ同士は、互いに信頼関係を有していると考えられる。したがって、発注者が信頼できると考えるユーザとコミュニケーションサービスにおいて繋がっているユーザは、発注者によって信頼できる人とみなされ得る。このように、信頼できるユーザを介して、間接的に信頼性を担保することが可能となる。
【0012】
(条項6) 条項1~条項5のいずれか一項に記載の仲介装置において、前記コミュニケーションサービスは、前記複数のユーザによる過去の投稿情報を閲覧可能に構成されてもよい。この場合、ユーザの過去の投稿情報から、当該ユーザの技能などを判断することが可能となる。したがって、発注者は、例えば、技能を有すると判断したユーザとコミュニケーションサービスにおいて繋がることができる。
【0013】
(条項7) 条項6に記載の仲介装置において、前記生成部は、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザのうち、前記過去の投稿情報に基づいて前記候補者を選択してもよい。この場合、発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの過去の投稿情報から、当該ユーザの技能が推測されて、候補者が選択される。この構成により、発注者は、より適した人に仕事を依頼することができる。
【0014】
(条項8) 条項1~条項7のいずれか一項に記載の仲介装置において、前記生成部は、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザのうち、前記発注者によって指定された選択条件を満たすユーザを、前記候補者として選択してもよい。例えば、仕事の内容に応じた職種、及び繋がっているユーザの中でも特にお気に入りのユーザといった条件が選択条件として指定され得る。この構成により、発注者は、より適した人に仕事を依頼することができる。
【0015】
(条項9) 条項1~条項8のいずれか一項に記載の仲介装置において、前記候補者情報は、前記候補者にメッセージを送信するための情報を更に含んでもよい。例えば、発注者が候補者と事前に条件交渉を行うことができる。したがって、受発注の成約率を高めることが可能となる。
【0016】
(条項10) 本開示の別の側面に係る仲介方法は、ユーザを登録することと、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、を含む。
【0017】
(条項11) 本開示の更に別の側面に係る仲介プログラムは、ユーザを登録することと、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
(条項12) 本開示の更に別の側面に係る記録媒体は、仲介プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。前記仲介プログラムは、ユーザを登録することと、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークを介したコミュニケーションサービスを提供することと、前記複数のユーザのうちの仕事を発注する発注者の端末装置から、前記仕事を受注可能なユーザを探すための探索要求を受信することと、前記探索要求を受信したことに応じて、前記コミュニケーションサービスにおいて前記発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、前記候補者のスケジュール情報を含む候補者情報を生成することと、前記発注者の端末装置に前記候補者情報を出力することと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0019】
これらの仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体においては、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者が選択され、候補者のスケジュール情報を含む候補者情報が発注者の端末装置に出力される。コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザは、発注者から信頼されているとみなされ得る。したがって、発注者から信頼されている人が応募しなくても、発注者は信頼できる人に仕事を依頼することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の各側面及び各実施形態によれば、発注者が信頼できる人に仕事を依頼することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る仲介装置を含む仲介システムを概略的に示す構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される仲介装置のハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、
図1に示される仲介装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される仲介システムにおける登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、プロフィール画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、受注可能な時間帯を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図1に示される仲介システムにおける受発注処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、選択条件を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、候補者のスケジュールを表示する画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、候補者の詳細情報を表示する画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、仕事の依頼時間帯を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、労働条件を設定するための画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、労働条件を表示する画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、記録媒体に記録された仲介プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。
【0023】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、一実施形態に係る仲介装置を含む仲介システムを説明する。
図1は、一実施形態に係る仲介装置を含む仲介システムを概略的に示す構成図である。
図2は、
図1に示される仲介装置のハードウェア構成図である。
【0024】
図1に示される仲介システム1は、ユーザ間における仕事の受発注の仲介を行うシステムである。以下の説明では、仲介システム1として、建設業の仕事の受発注を仲介するシステムを例示する。仲介システム1のユーザには、仕事の発注のみを行うユーザ、仕事の受注のみを行うユーザ、及び仕事の受発注の両方を行うユーザが含まれ得る。ユーザには、技能者(職人)が含まれる。技能者とは、技能を有する労働者である。建設業における技能者の例としては、大工、電気工事士、左官、及び配管技能士が挙げられる。技能者は、別の技能者に仕事を発注してもよい。
【0025】
仲介システム1は、複数の端末装置10と、仲介装置20と、を含む。端末装置10と、仲介装置20とは、通信ネットワークNWによって互いに通信可能に接続されている。通信ネットワークNWは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。通信ネットワークNWの例としては、インターネット、移動体通信網、及びWAN(Wide Area Network)が挙げられる。
【0026】
端末装置10は、ユーザによって用いられ、ユーザの操作に基づいて各種処理を行う。端末装置10の例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォンが挙げられる。ユーザは、例えば、端末装置10において仲介アプリケーションを用いて、仕事の受発注に関する操作、及び後述のコミュニケーションサービスに関する操作を行う。仲介アプリケーションは、例えば、ウェブベースのアプリケーションである。
【0027】
仲介装置20は、ユーザ間における仕事の受発注の仲介を行う装置である。仲介装置20は、サーバ装置などの情報処理装置によって構成される。
【0028】
図2に示されるように、仲介装置20は、物理的には、プロセッサ201、主記憶装置202、補助記憶装置203、及び通信装置204などのハードウェアを備えるコンピュータとして構成され得る。仲介装置20は、
図2に示される1台のコンピュータから構成されてもよく、複数台のコンピュータから構成されてもよい。
【0029】
プロセッサ201の例としては、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。主記憶装置202は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などで構成される。補助記憶装置203の例としては、半導体メモリ、及びハードディスク装置が挙げられる。補助記憶装置203は、仲介プログラムP(
図16参照)を格納している。通信装置204は、通信ネットワークNWを介して他の装置とデータの送受信を行う装置である。通信装置204は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)又は無線通信モジュールで構成される。
【0030】
プロセッサ201が、補助記憶装置203に格納されている仲介プログラムPを、主記憶装置202に読み出して実行することにより、プロセッサ201の制御のもとで各ハードウェアが動作し、主記憶装置202及び補助記憶装置203におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、仲介装置20の
図3に示される各機能部が実現される。なお、各端末装置10も仲介装置20と同様のコンピュータによって構成されている。
【0031】
次に、
図3を参照しながら、仲介装置20の機能構成を説明する。
図3は、
図1に示される仲介装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、仲介装置20は、機能的要素として、受信部21と、登録部22と、提供部23と、管理部24と、生成部25と、出力部26と、記憶部30と、を含む。後述の各処理の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
【0032】
記憶部30は、各種情報を格納する機能的要素である。記憶部30は、例えば、各ユーザの登録情報、繋がり情報、及びスケジュール情報を格納している。登録情報は、ユーザの基本情報である。登録情報の例としては、ユーザの氏名(名称)、会社名、会社の住所、希望条件、職歴、保有資格、及び加入している保険名が挙げられる。繋がり情報は、後述のコミュニケーションサービスにおけるユーザ間の繋がりを示す情報である。繋がり情報は、ユーザごとに設定されており、コミュニケーションサービスにおいて当該ユーザと直接的に繋がっているユーザのユーザID(identifier)と、当該ユーザがお気に入りタグTg(
図5参照)を付与したユーザのユーザIDと、を含む。ユーザIDは、ユーザを一意に識別可能な情報である。スケジュール情報は、ユーザのスケジュールを示す情報である。スケジュール情報は、ユーザごとに設定されており、当該ユーザが受注可能な時間帯、及び仕事を受注している時間帯を含む。
【0033】
受信部21は、端末装置10からの各種情報を受信する機能的要素である。登録部22は、ユーザを登録する機能的要素である。登録部22は、登録されているユーザからの紹介を受けている場合に、新規のユーザを登録する。具体的には、登録部22は、新規のユーザの登録情報を記憶部30に格納する。
【0034】
提供部23は、登録されている複数のユーザの間での通信ネットワークNWを介したコミュニケーションサービスを提供する機能的要素である。通信ネットワークNWを介したコミュニケーションサービスとは、いわゆるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である。各ユーザは、コミュニケーションサービスにおいて、別のユーザと繋がることができる。「繋がる」は、フォローする、又は友達になるなどに言い換えられてもよい。提供部23は、コミュニケーションサービスにおいてユーザ間で繋がりが生じた場合に、当該ユーザの繋がり情報を更新する。コミュニケーションサービスは、各ユーザの繋がり情報をいずれのユーザも閲覧可能に構成されている。各ユーザは、コミュニケーションサービスにおいて、メッセージ及び画像などを投稿することができる。コミュニケーションサービスは、各ユーザによる過去の投稿情報を閲覧可能に構成されている。
【0035】
管理部24は、各ユーザのスケジュールを管理する機能的要素である。管理部24は、各ユーザのスケジュールが設定又は更新された場合に、当該ユーザのスケジュール情報を更新する。生成部25は、各種情報を生成する機能的要素である。生成部25は、例えば、候補者情報及び発注情報を生成する。候補者情報は、候補者に関する情報であり、候補者のユーザID、氏名(又は名称)、及びスケジュール情報を含む。候補者は、発注者が仕事を依頼する候補となるユーザである。発注情報は、対象ユーザに仕事を依頼するための情報である。対象ユーザは、候補者の中から発注者によって選択された候補者である。出力部26は、各種情報を出力する機能的要素である。
【0036】
次に、
図4~
図7を参照しながら、仲介システム1における事前準備を説明する。
図4は、
図1に示される仲介システムにおける登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図5は、プロフィール画面の一例を示す図である。
図6は、一覧画面の一例を示す図である。
図7は、受注可能な時間帯を設定するための画面の一例を示す図である。
【0037】
図4に示される登録処理は、未登録のユーザ(新規のユーザ)が端末装置10において仲介アプリケーションを起動し、登録申請を行うことによって開始される。このとき、新規のユーザは、既に登録されているユーザから紹介されたことを示す紹介情報を入力する。紹介情報の例としては、紹介者であるユーザの氏名、及び登録されているユーザから紹介を受けた際に発行される紹介コードが挙げられる。紹介情報が入力されると、端末装置10は、登録要求を仲介装置20に送信する(ステップS1)。登録要求は、新規のユーザを登録するための要求である。紹介情報が入力されている場合には、登録要求は紹介情報を含む。
【0038】
続いて、仲介装置20の受信部21は、端末装置10から登録要求を受信すると、登録要求を登録部22に出力する。そして、登録部22は、登録要求に基づいて、新規のユーザが登録されているユーザからの紹介を受けているか否かを判定する(ステップS2)。登録されているユーザからの紹介を受けていないと判定された場合には(ステップS2:NO)、登録部22は、登録要求を拒否し、当該新規のユーザの登録を行わない。そして、出力部26は、登録拒否を示す情報を新規のユーザの端末装置10に出力(送信)する(ステップS3)。一方、ステップS2において、登録されているユーザからの紹介を受けていると判定された場合には(ステップS2:YES)、登録部22は、登録情報を入力するための登録画面情報を出力部26に出力し、出力部26は、登録画面情報を新規のユーザの端末装置10に出力(送信)する(ステップS4)。
【0039】
続いて、端末装置10は、登録画面情報を受信したか否かを判定する(ステップS5)。端末装置10は、登録拒否を示す情報を受信し、登録画面情報を受信していない場合には(ステップS5:NO)、登録拒否を示す情報をディスプレイに表示する。そして、以降の処理は行われることなく、登録処理が終了する。一方、ステップS5において、登録画面情報を受信したと判定された場合には(ステップS5:YES)、端末装置10は、登録画面をディスプレイに表示する(ステップS6)。端末装置10のユーザは、登録画面において登録情報を入力する。登録情報の例としては、ユーザの氏名、会社名、会社の住所、希望条件、職歴、保有資格、及び加入している保険名が挙げられる。そして、端末装置10は、入力された登録情報を仲介装置20に送信する(ステップS7)。
【0040】
続いて、仲介装置20の受信部21は、端末装置10から登録情報を受信すると、登録情報を登録部22に出力する。そして、登録部22は、登録情報を記憶部30に格納する(ステップS8)。以上により、登録処理が終了する。登録処理が行われることにより、新規のユーザにユーザIDが付与され、繋がり情報及びスケジュール情報が生成されて記憶部30に格納される。新規のユーザはコミュニケーションサービスにおいて直接的に繋がっているユーザはいないので、新規のユーザの繋がり情報は、有効なユーザIDを含まない。新規のユーザはスケジュールを入力していないので、新規のユーザのスケジュール情報は、有効なスケジュールを含まない。
【0041】
登録処理が行われることによって、
図5に示されるようなプロフィール画面Gpが生成される。プロフィール画面Gpは、登録情報を表示する領域の他、領域Ra、領域Rb、及びボタンBcを含む。領域Raは、受注した仕事の実績数を表示する領域である。領域Rbは、直接的に繋がっているユーザの数を表示する領域である。ボタンBcは、繋がりを要求するためのボタンアイコンである。領域Rbをタップすることによって、
図6に示されるような一覧画面Gwが表示される。一覧画面Gwは、直接的に繋がっているユーザの一覧を示す画面である。なお、登録されているユーザは、仲介アプリケーションにおいて、登録情報の変更を行うことができる。
【0042】
登録後、各ユーザは、仲介アプリケーションにおいて、コミュニケーションサービスを利用して別のユーザと繋がる。各ユーザは、
図5に示されるようなプロフィール画面Gpを閲覧してもよい。各ユーザは、コミュニケーションサービス上のコミュニティに参加することによって、別のユーザと知り合ってもよい。ユーザが別のユーザと繋がりたい場合には、例えば、別のユーザのプロフィール画面Gpにおいて、ボタンBcを操作することによって別のユーザに繋がり要求を送信する。繋がり要求を受けた別のユーザが承認することによって、繋がりが生じる。ユーザは、プロフィール画面Gpにおいて、お気に入りタグTgを付与してもよい。提供部23は、コミュニケーションサービスにおいて新たな繋がり又はお気に入りタグTgの付与が生じるごとに、各ユーザの繋がり情報を更新する。
【0043】
図7に示されるように、仕事の受注を希望するユーザは、仲介アプリケーションにおいて、受注可能な時間帯を設定するための画面Grsを表示する。画面Grsは、例えば、1週間分のスケジュールを表示する。画面Grsには、バーBfとバーBaとが表示されている。バーBfは、受注可能な(仕事を募集している)時間帯を示すバーである。バーBaは、仕事を受注している(承認済みの)時間帯を示すバーである。ユーザが画面Grsにおいて受注可能な時間帯を入力することによって、当該時間帯にバーBfが表示される。受注可能な時間帯は、所定時間単位で入力可能である。所定時間は、例えば、1時間である。管理部24は、ユーザによって新たに入力された受注可能な時間帯を含めるように、当該ユーザのスケジュール情報を更新する。
【0044】
次に、
図8~
図15を参照しながら、仲介システム1における受発注処理を説明する。
図8は、
図1に示される仲介システムにおける受発注処理の一例を示すシーケンス図である。
図9は、選択条件を設定するための画面の一例を示す図である。
図10は、候補者のスケジュールを表示する画面の一例を示す図である。
図11は、候補者の詳細情報を表示する画面の一例を示す図である。
図12は、仕事の依頼時間帯を設定するための画面の一例を示す図である。
図13は、労働条件を設定するための画面の一例を示す図である。
図14は、労働条件を表示する画面の一例を示す図である。
図15は、回答画面の一例を示す図である。
【0045】
図8に示される受発注処理は、発注者となるユーザが、端末装置10Aにおいて仲介アプリケーションを起動し、
図9に示される発注者用の画面Goを表示することにより開始される。発注者は、登録されている複数のユーザのうちの仕事を発注するユーザである。つまり、各ユーザは、発注者及び受注者のいずれにもなり得る。なお、
図8では、発注者の端末装置10を端末装置10Aと称し、対象ユーザの端末装置10を端末装置10Bと称することとする。
【0046】
まず、発注者が、仕事の依頼日と選択条件とを指定する。本実施形態では、選択条件としてユーザの属性が用いられる。ユーザの属性の例として、職種(技能)、及び発注者がお気に入りタグTgを付与したユーザが挙げられる。
図9の例では、ユーザの属性を指定するためのリストLaが表示され、リストLaから所望の属性が選択条件として選択される。ここでは、職種が電気工事士であるユーザという選択条件が指定されている。発注者が仕事の依頼日と選択条件とを指定すると、端末装置10Aは、探索要求を仲介装置20に送信する(ステップS11)。探索要求は、仕事を受注可能なユーザを探すための要求である。探索要求は、仕事の依頼日及び選択条件を含む。
【0047】
続いて、仲介装置20の受信部21は、端末装置10A(発注者)から探索要求を受信すると、探索要求を生成部25に出力する。そして、生成部25は、探索要求を受信したことに応じて、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択し、候補者情報を生成する(ステップS12)。具体的に説明すると、生成部25は、記憶部30に格納されている繋がり情報を参照することによって、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザを抽出する。発注者と間接的に繋がっているユーザとは、発注者と直接的に繋がっていないものの、発注者と1又は複数のユーザを介して繋がっているユーザを意味する。そして、生成部25は、抽出されたユーザのうち、発注者によって指定された選択条件を満たすユーザを候補者として選択する。そして、生成部25は、記憶部30から候補者の登録情報及びスケジュール情報を取得し、登録情報及びスケジュール情報に基づいて、候補者情報を生成する。
【0048】
候補者情報は、例えば、候補者の登録情報及びスケジュール情報を含む。本実施形態では、候補者のスケジュール情報は、依頼日の所定時間単位のスケジュールを示す。所定時間は、例えば、1時間である。候補者情報は、候補者にメッセージを送信するための情報を更に含んでいてもよい。そして、生成部25は、候補者情報を出力部26に出力し、出力部26は、候補者情報を端末装置10Aに出力(送信)する(ステップS13)。
【0049】
続いて、端末装置10Aは、仲介装置20から候補者情報を受信すると、候補者情報をディスプレイに表示する(ステップS14)。
図10に示されるように、候補者情報として、画面Gcが表示される。画面Gcは、領域Rcと領域Rdとを含む。領域Rcは、候補者ごとに設けられ、当該候補者を表示する領域である。領域Rcには、例えば、候補者のプロフィール画像及び候補者の名称が表示される。領域Rdは、候補者の依頼日におけるスケジュールを所定時間単位(ここでは、1時間単位)で表示する領域である。
図10の例では、受注できない時間帯がグレー表示されている。
【0050】
発注者は、候補者の詳細を知りたい場合には、当該候補者の領域Rcをタップする。これにより、
図11に示されるように、画面Gcに候補者の詳細を示す領域Reが重畳表示される。領域Reには、ボタンBmが含まれている。ボタンBmは、候補者にメッセージを送信するためのボタンアイコンである。ボタンBmがタップされることにより、例えば、コミュニケーションサービスにおけるメッセージ送受信用の画面が表示される。発注者は、候補者にメッセージを送ることにより、労働条件の条件交渉を行ってもよい。
【0051】
そして、発注者は、候補者の中から仕事を依頼する対象ユーザを決定すると、対象ユーザに仕事を依頼する依頼時間帯を指定する。
図12に示されるように、対象ユーザのスケジュールにおいて、依頼時間帯を示すバーBrを設定することによって、対象ユーザ及び依頼時間帯を指定する。依頼時間帯は、例えば、1時間単位で指定される。
【0052】
そして、発注者が決定ボタンBdを操作することによって、
図13に示される設定画面Gcsが表示される。設定画面Gcsは、労働条件を設定するための画面である。労働条件の例としては、依頼時間帯、休憩時間、労働単価、及び交通費が挙げられる。発注者は、設定画面Gcsにおいて労働条件を設定する。なお、依頼時間帯は既に指定されているが、発注者は、指定された依頼時間を修正することができる。労働条件が設定されると、端末装置10Aは、発注指示を仲介装置20に送信する(ステップS15)。発注指示は、対象ユーザのユーザID及び労働条件情報を含む。労働条件情報は、労働条件を示す情報である。
【0053】
続いて、仲介装置20の受信部21は、端末装置10Aから発注指示を受信すると、発注指示を生成部25に出力する。そして、生成部25は、発注指示に基づいて、発注情報を生成する(ステップS16)。具体的には、生成部25は、発注指示に含まれる労働条件情報に、発注者を示す情報(ここでは、発注者の名称及びプロフィール画像)と対象ユーザを示す情報(ここでは、対象ユーザの名称及びプロフィール画像)とを追加することによって、発注情報を生成する。そして、生成部25は、発注情報を出力部26に出力し、出力部26は、発注情報を対象ユーザの端末装置10Bに出力(送信)する(ステップS17)。
【0054】
続いて、端末装置10Bは、仲介装置20から発注情報を受信すると、発注情報をディスプレイに表示する(ステップS18)。
図14に示されるように、発注情報として、画面Godが表示される。画面Godは、発注内容の詳細を示す画面である。画面Godは、領域Rf及び領域Rgを含む。領域Rfは、発注者と対象ユーザとを表示する領域である。領域Rgは、労働条件を表示する領域である。対象ユーザは、発注内容を確認し、
図15に示されるような回答画面Gaを端末装置10Bに表示させる。回答画面Gaは、発注に回答するための画面である。
図15に示される例では、回答画面Gaには、承諾するか辞退するかを選択するためのラジオボタンが含まれている。そして、対象ユーザは、承諾するか辞退するかいずれかを選択する。これにより、端末装置10Bは、承諾又は辞退を示す回答情報を仲介装置20に送信する(ステップS19)。
【0055】
続いて、仲介装置20の受信部21は、端末装置10Bから回答情報を受信すると、回答情報を管理部24に出力する。そして、管理部24は、回答情報が承諾を示す場合には、当該発注された仕事を確定し、対象ユーザのスケジュール情報を更新する(ステップS20)。具体的には、管理部24は、依頼時間帯が仕事を受注している(承認済みの)時間帯となるように、スケジュール情報を更新する。さらに、管理部24は、仕事に関する仕事情報を記憶部30に格納してもよい。仕事情報は、例えば、発注者のユーザID、対象ユーザのユーザID、及び労働条件情報を含む。以上により、受発注処理が終了する。なお、仕事情報は、賃金の支払いが完了したことに応じて削除されてもよい。
【0056】
次に、
図16を参照しながら、コンピュータを仲介装置20として機能させるための仲介プログラムP及び仲介プログラムPを記録する記録媒体MDを説明する。
図16は、記録媒体に記録された仲介プログラムの構成を示す図である。
【0057】
図16に示されるように、仲介プログラムPは、メインモジュールP20、受信モジュールP21、登録モジュールP22、提供モジュールP23、管理モジュールP24、生成モジュールP25、及び出力モジュールP26を含む。メインモジュールP20は、受発注の仲介に係る処理を統括的に制御する部分である。受信モジュールP21、登録モジュールP22、提供モジュールP23、管理モジュールP24、生成モジュールP25、及び出力モジュールP26を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記実施形態における受信部21、登録部22、提供部23、管理部24、生成部25、及び出力部26の機能と同様である。
【0058】
仲介プログラムPは、記録媒体MDによって提供される。記録媒体MDは、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体(non-transitory recording medium)である。記録媒体MDの例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及び半導体メモリが挙げられる。仲介プログラムPは、データ信号として通信ネットワークNWを介して提供されてもよい。コンピュータ上で仲介プログラムPを実行することにより、コンピュータを仲介装置20として機能させ、仲介装置20が仲介方法を実施する。仲介方法は、上述の登録処理及び受発注処理のうちの仲介装置20が行う処理を含む。
【0059】
以上説明した仲介装置20、仲介方法、仲介プログラムP、及び仲介プログラムPを記録した記録媒体MDにおいては、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者が選択され、候補者のスケジュール情報を含む候補者情報が発注者の端末装置10Aに出力される。コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザは、発注者から信頼されているとみなされ得る。したがって、発注者から信頼されている人が応募しなくても、発注者は信頼できる人に仕事を依頼することができる。
【0060】
発注情報が対象ユーザの端末装置10Bに送信される。この構成によれば、対象ユーザに仕事を依頼することができる。
【0061】
スケジュール情報は、候補者の所定時間単位(例えば1時間単位)のスケジュールを示す。発注情報は、発注者によって指定された所定時間単位(例えば1時間単位)の依頼時間帯を含んでいる。この構成によれば、発注者は所定時間単位で仕事を依頼することができる。このため、長期の空き時間を有していなくても、発注の単位である所定時間以上の空き時間を有するユーザであれば、仕事の依頼を受けることができる。したがって、候補者の数を増やすことができるので、より適した人に仕事を依頼することが可能となる。
【0062】
登録部22は、新規のユーザが登録されているユーザからの紹介を受けている場合に、当該新規のユーザを登録する。この構成によれば、新規のユーザの登録が紹介制であるので、不特定多数の人が仲介装置20を利用できるわけではない。したがって、信頼できる人が集まる可能性を高めることができる。
【0063】
例えば、ユーザを点数などで評価する場合には、主観的な評価となりやすく、また、人間関係などを考慮して正確に評価できないおそれがある。これに対して、仲介装置20においては、コミュニケーションサービスが提供される。このコミュニケーションサービスは、各ユーザのコミュニケーションサービスにおける繋がりを示す繋がり情報を閲覧可能に構成されている。このため、発注者は、発注者自身と繋がっているユーザと繋がっているユーザを閲覧することができる。コミュニケーションサービスにおいて繋がっているユーザ同士は、互いに信頼関係を有していると考えられる。したがって、発注者が信頼できると考えるユーザとコミュニケーションサービスにおいて繋がっているユーザは、信頼できる人とみなされ得る。このように、信頼できるユーザを介して、間接的に信頼性を担保することが可能となる。発注者は、発注者自身と繋がっているユーザと繋がっているユーザとコミュニケーションサービスにおいて繋がることができる。その結果、候補者の数を増やすことができ、より適した人に仕事を依頼することが可能となる。
【0064】
コミュニケーションサービスは、各ユーザによる過去の投稿情報を閲覧可能に構成されている。このため、ユーザの過去の投稿情報から、当該ユーザの技能、素性、又は人柄を判断することが可能となる。したがって、発注者は、例えば、技能を有すると判断したユーザとコミュニケーションサービスにおいて繋がることができる。その結果、技能などを有するユーザが候補者として選択される可能性を高めることができる。
【0065】
例えば、仕事の内容に応じて必要な技能が異なり得る。仕事の内容によっては、資格が必要となる場合もある。発注者が特に気に入っている(信頼している)ユーザに依頼したい場合もある。仲介装置20では、仕事の内容に応じた職種、及び繋がっているユーザの中でも特にお気に入りのユーザといった条件が選択条件として指定される。この構成により、発注者は、より適した人に仕事を依頼することができる。
【0066】
候補者情報は、候補者にメッセージを送信するための情報を含んでいる。例えば、発注者は、候補者にメッセージを送信することで、候補者と事前に条件交渉を行うことができる。したがって、受発注の成約率を高めることが可能となる。
【0067】
なお、本開示に係る仲介装置、仲介方法、仲介プログラム、及び記録媒体は上記実施形態に限定されない。
【0068】
例えば、仲介装置20は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、仲介装置20は、クラウドコンピューティングのように通信ネットワークNW上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0069】
仲介システム1が受発注を仲介する仕事は、建設業の仕事に限られず、他の業種の仕事でもよく、複数の業種の仕事を含んでもよい。
【0070】
発注者は、仲介アプリケーションを用いて、現場情報を登録してもよい。現場情報は、依頼する仕事に関する情報である。現場情報は、労働条件情報を含む。ユーザは、仲介アプリケーションを用いて、登録されている現場情報を閲覧することにより、所望の仕事に応募することができる。
【0071】
発注者は、仲介アプリケーションとは別の手段を用いて、対象ユーザに仕事を依頼してもよい。この場合、生成部25は、発注情報を生成する機能を有していなくてもよく、出力部26は、対象ユーザの端末装置10Bに発注情報を送信する機能を有していなくてもよい。
【0072】
登録部22は、登録されているユーザからの紹介が無くても、新規のユーザが高い技能を有することを示す情報(過去の実績及び保有資格など)が提示された場合には、当該新規のユーザを登録してもよい。
【0073】
発注者は、選択条件を指定しなくてもよい。この場合、生成部25は、発注者と直接的に又は間接的に繋がっているすべてのユーザを候補者として選択する。
【0074】
生成部25は、予め定められた介在者数の範囲内で、発注者と直接的又は間接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択してもよい。介在者数とは、発注者と、発注者と直接的又は間接的に繋がっているユーザとの間に介在するユーザの数である。例えば、介在者数が0に設定されている場合には、生成部25は、発注者と直接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択する。介在者数が1に設定されている場合には、生成部25は、発注者と直接的に繋がっているユーザ、及びそのユーザと直接的に繋がっているユーザの中から候補者を選択する。介在者数が大きくなると、発注者が信頼できる可能性が低下し得る。したがって、介在者数を適切な値に設定することにより、発注者によって信頼できるとみなされ得るユーザを候補者として選択することが可能となる。
【0075】
生成部25は、発注者と直接的又は間接的に繋がっているユーザであって、繋がっているユーザ(交友関係)の類似度が高いユーザの中から候補者を選択してもよい。発注者とあるユーザとの類似度は、繋がっているユーザの重複度合いを示す指標であり、例えば、発注者と当該ユーザとが共通に繋がっているユーザの数を、発注者と繋がっているユーザの総数で除算することによって得られる。生成部25は、予め設定された閾値と上記類似度とを比較し、類似度が閾値以上である(又は閾値よりも大きい)場合に、当該ユーザを抽出する。生成部25は、閾値と類似度とを比較し、類似度が閾値未満(又は閾値以下)である場合には、当該ユーザを抽出しない。そして、生成部25は、抽出したユーザの中から選択条件を満たすユーザを候補者として選択する。生成部25は、抽出したユーザを候補者として選択してもよい。
【0076】
なお、類似度の算出に用いられる「繋がっているユーザ」は、直接的に繋がっているユーザであってもよく、予め設定された介在者数の範囲内で繋がっているユーザであってもよい。生成部25は、予め定められた介在者数の範囲内で発注者と直接的又は間接的に繋がっているユーザであり、かつ、類似度が閾値以上である(又は閾値よりも大きい)ユーザの中から候補者を選択してもよい。
【0077】
候補者情報は、候補者にメッセージを送信するための情報を含まなくてもよい。
【0078】
生成部25は、コミュニケーションサービスにおいて発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザのうち、過去の投稿情報に基づいて候補者を選択してもよい。例えば、生成部25は、過去の投稿情報を解析することによって、ユーザの技能レベルを数値化する。具体的には、生成部25は、RNN(Recurrent Neural Network)などの自然言語解析によって投稿されたメッセージを解析し、CNN(Convolutional Neural Network)などの機械学習技術を用いて投稿された画像及び動画を解析して、ユーザの技能レベルを数値化する。この場合、発注者と直接的に又は間接的に繋がっているユーザの過去の投稿情報から、当該ユーザの技能などが推測されて、候補者が選択される。この構成により、発注者は、より適した人に仕事を依頼することができる。
【0079】
生成部25は、コミュニケーションサービスにおいて、発注者と共通の繋がっているユーザと会話した数(メッセージ数)が所定数よりも多いユーザを候補者として選択してもよい。発注者と繋がっているユーザとのメッセージ数が多いことは、そのユーザが発注者と繋がっているユーザと仲が良いことを意味すると考えられる。したがって、そのようなユーザは、発注者によって信頼できるとみなされ得る。
【符号の説明】
【0080】
1…仲介システム、10,10A,10B…端末装置、20…仲介装置、21…受信部、22…登録部、23…提供部、24…管理部、25…生成部、26…出力部、30…記憶部、201…プロセッサ、202…主記憶装置、203…補助記憶装置、204…通信装置、MD…記録媒体、NW…通信ネットワーク、P…仲介プログラム。