(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177754
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ブラインド用取付ブラケット
(51)【国際特許分類】
E06B 9/323 20060101AFI20241217BHJP
A47H 1/144 20060101ALI20241217BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
E06B9/323
A47H1/144
E06B9/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096076
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 英希
【テーマコード(参考)】
2E043
2E182
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA02
2E043DA01
2E182AC15
2E182DD11
2E182DF02
2E182DF27
2E182DF29
(57)【要約】
【課題】室内側に露出する部分の意匠性の低下を招くことなく、スライドブロックの材料の選択幅を広げること。
【解決手段】ブラインド用取付ブラケットは、固定面に固定されるブラケット本体と、前記ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、前記スライドブロックを前記スライド方向の一側に付勢する付勢手段と、を具備する。前記ブラケット本体は、前記スライド方向の一端に第1係止部を有し、前記スライドブロックは、前記スライド方向の他端に第2係止部を有し、前記ブラインド用取付ブラケットは、前記第1係止部と前記第2係止部と前記付勢手段の付勢力とによってブラインド支持部材の短手方向両端部を支持可能である。前記スライドブロックは、前記第2係止部を有する第1構成部材と、前記第1構成部材と一体にスライド可能に設けられ、前記付勢手段の付勢力に抗する方向に操作可能な操作部を有する第2構成部材と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定面に固定されるブラケット本体と、
前記ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、
前記スライドブロックを前記スライド方向の一側に付勢する付勢手段と、
を具備し、
前記ブラケット本体は、前記スライド方向の一端に第1係止部を有し、
前記スライドブロックは、前記スライド方向の他端に第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部と前記付勢手段の付勢力とによってブラインド支持部材の短手方向両端部を支持可能なブラインド用取付ブラケットであって、
前記スライドブロックは、
前記第2係止部を有する第1構成部材と、
前記第1構成部材と一体にスライド可能に設けられ、前記付勢手段の付勢力に抗する方向に操作可能な操作部を有する第2構成部材と、
を有する、
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項2】
請求項1に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記第1構成部材及び前記第2構成部材の各々は、互いに異なる素材で構成される
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項3】
請求項2に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記第1構成部材は、前記第2構成部材よりも強度の高い素材で形成される
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項4】
請求項3に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記第2構成部材は、樹脂系の透明、半透明又は白色素材で形成される
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項5】
請求項1に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記第1構成部材及び前記第2構成部材の各々は、互いに係合可能な係合部を有する
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項6】
請求項5に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記ブラケット本体は、前記第1構成部材と前記第2構成部材をスライド可能に保持する保持部を有し、
前記第1構成部材と前記第2構成部材は、前記保持部に保持される位置に各々前記係合部を有する
ブラインド用取付ブラケット。
【請求項7】
請求項5に記載のブラインド用取付ブラケットであって、
前記係合部は、前記スライド方向に垂直かつ前記ブラインド支持部材の長手方向に垂直な方向に係合可能である
ブラインド用取付ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド用取付ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラインド用取付ブラケットとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
同文献に示されるブラインド用取付ブラケットは、ブラケット本体と、ブラケット本体にスライド可能に支持されるスライドブロックと、スライドブロックを付勢する付勢手段とを備え、ブラケット本体及びスライドブロックの各々に設けられた係止部によりブラインドのヘッドボックス(支持部材)を支持可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のブラインド用取付ブラケットでは、スライドブロックの一部が室内側に露出するため、意匠性の点からスライドブロックをヘッドボックスと同系色とすることが好ましい。しかし、ヘッドボックスの色数に応じてスライドブロックを多数用意することは部品管理上好ましくないため、透明樹脂で形成されたスライドブロックを用いるのが一般的である。
【0006】
しかしながら、スライドブロックを透明樹脂で形成すると、スライドブロックの材料の選択幅が狭くなってしまうという課題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、室内側に露出する部分の意匠性の低下を招くことなく、スライドブロックの材料の選択幅を広げることが可能なブラインド用取付ブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るブラインド用取付ブラケットは、固定面に固定されるブラケット本体と、前記ブラケット本体にスライド可能に保持されるスライドブロックと、前記スライドブロックを前記スライド方向の一側に付勢する付勢手段と、を具備する。前記ブラケット本体は、前記スライド方向の一端に第1係止部を有し、前記スライドブロックは、前記スライド方向の他端に第2係止部を有し、前記ブラインド用取付ブラケットは、前記第1係止部と前記第2係止部と前記付勢手段の付勢力とによってブラインド支持部材の短手方向両端部を支持可能である。前記スライドブロックは、前記第2係止部を有する第1構成部材と、前記第1構成部材と一体にスライド可能に設けられ、前記付勢手段の付勢力に抗する方向に操作可能な操作部を有する第2構成部材と、を有する。
【0009】
前記第1構成部材及び前記第2構成部材の各々は、互いに異なる素材で構成されてもよい。
【0010】
前記第1構成部材は、前記第2構成部材よりも強度の高い素材で形成されてもよい。
【0011】
これらの構成によれば、第2係止部を有する第1構成部材の素材を第2構成部材の素材に関わらず適宜選択することができるようになるため、スライドブロックの材料の選択の幅を広げることができる。またこれにより、第1構成部材に強度の高い素材を選択することで、ブラインド用取付ブラケットの強度を向上させることができる。
【0012】
前記第2構成部材は、樹脂系の透明素材で形成されてもよい。
【0013】
これにより、ブラインドを天井付けして第2構成部材の一部が室内側に露出する場合であっても、従来同様の意匠性を保ちつつ上記効果を得ることができる。
【0014】
前記第1構成部材及び前記第2構成部材の各々は、互いに係合可能な係合部を有してもよい。
【0015】
これにより、第1構成部材及び第2構成部材を係合させた状態で一体的にスライド動作させることができる。
【0016】
前記ブラケット本体は、前記第1構成部材と前記第2構成部材をスライド可能に保持する保持部を有し、前記第1構成部材と前記第2構成部材は、前記保持部に保持される位置に各々前記係合部を有してもよい。
【0017】
これにより、一体に係合させた状態でブラケット本体に取り付けた第1構成部材及び第2構成部材がスライド動作中に分離してしまうことを防止できる。
【0018】
前記係合部は、前記スライド方向に垂直かつ前記ブラインド支持部材の長手方向に垂直な方向に係合可能であってもよい。
【0019】
これにより、ブラケット本体が保持部を有さなくても第1構成部材と第2構成部材とを一体に係合させた状態でブラケット本体に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、室内側に露出する部分の意匠性の低下を招くことなく、スライドブロックの材料の選択幅を広げることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るブラインド用取付ブラケットの取付状態の側面図である。
【
図2】上記ブラインド用取付ブラケットの底面側斜視図(同図(a))及び平面側斜視図(同図(b))である。
【
図3】上記ブラインド用取付ブラケットの分解斜視図である。
【
図4】上記ブラインド用取付ブラケットのスライドブロックの分解斜視図である。
【
図5】上記ブラインド用取付ブラケットの平面側断面図である。
【
図7】上記ブラインド用取付ブラケットへの支持部材の取り付け手順を示した側面側断面図である。
【
図8】上記ブラインド用取付ブラケットからの支持部材の取り外し手順を示した側面側断面図である。
【
図9】本発明の変形例に係るブラインド用取付ブラケットの分解斜視図である。
【
図10】
図9のブラインド用取付ブラケットの平面側断面図である。
【
図12】本発明の別の変形例に係るブラインド用取付ブラケットの平面側断面図である。
【
図13】
図12のブラインド用取付ブラケットのC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
[ブラインド用取付ブラケットの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るブラインド用取付ブラケットの取付状態の側面図である。
図2は、上記ブラインド用取付ブラケットの底面側斜視図(同図(a))及び平面側斜視図(同図(b))である。
図3は、上記ブラインド用取付ブラケットの分解斜視図であり、
図4は、上記ブラインド用取付ブラケットのスライドブロックの分解斜視図である。
図5は、上記ブラインド用取付ブラケットの平面側断面図であり、
図6は、
図5のA-A断面図である。
【0024】
図1に示すように、ブラインド用取付ブラケット100(以下、単にブラケット100という)は、ブラインドの支持部材Sを建物内部の窓枠の天井面C等の固定面に固定するための取付部材である。
【0025】
支持部材Sは、例えばロールスクリーンのセットフレームや、ベネシャンブラインド・プリーツスクリーン・ハニカムスクリーンのヘッドボックスであり、ブラインドの遮蔽材(スクリーンやスラット;図示せず)を支持する。支持部材Sは横長平板形状または横長直方体形状を有し、その上面が、上記ブラケット100を介して天井面C等にネジ等により固定される。
【0026】
ブラケット100は、天井面Cに固定されるブラケット本体1と、ブラケット本体1にスライド可能に保持されるスライドブロック2とを有する。
【0027】
図1に示すように、スライドブロック2は、ブラケット100が天井面Cに取り付けられた場合に、ブラインドの前(室内側)後(室外側)方向(同
図Z方向)にスライド可能に取り付けられている。
【0028】
ブラケット本体1は、上記室内側の端部に第1係止部11を有し、スライドブロック2は、上記室外側の端部に第2係止部23を有する。またブラケット100の室外側におけるブラケット本体1とスライドブロック2との間には、スライドブロック2を室内側方向に付勢する付勢手段3(
図5参照)が設けられる。これによりブラケット100は、第1係止部11と第2係止部23と付勢手段3の付勢力とによって、ブラインドの支持部材Sの短手方向(Z方向)の両端部を支持可能である。
【0029】
ブラケット本体1は、例えば金属プレス部材で形成される。
図2及び
図3に示すように、ブラケット本体1は、天井面Cにブラケット100を取り付けるためのネジを挿通させる複数(例えば3つ)の取付孔14をその天面に有する。
【0030】
またブラケット本体1は、
図1乃至
図5に示すように、その側面に開口部13を有し、
図2、
図5及び
図6に示すように、当該側面の開口部13近傍から底面側に、断面L字状に折り曲げられた保持部12を有する。
【0031】
図2乃至
図6に示すように、本実施形態に係るスライドブロック2は、従来のスライドブロックが単一の部材で構成されるのと異なり、第1構成部材21と第2構成部材22とで構成され、両者が一体にスライド可能となっている。
【0032】
第1構成部材21は、上記天井面Cへの取付状態において室外側に位置し、その室外側の端部に上記第2係止部23を有する。
【0033】
第2構成部材22は、上記天井面Cへの取付状態において室内側に位置し、その室内側の端部に、上記付勢手段3の付勢力に抗する方向に押圧操作が可能な操作部24を有する。
【0034】
また
図3乃至
図6に示すように、第1構成部材21はその室内側の端部にフック状の第1係合部26を有し、第2構成部材22はその室外側の端部に上記第1係合部26の係合に合致するフック状の第2係合部27を有する。当該第1係合部26と第2係合部27とが上下方向(Y方向;スライド方向に垂直かつ支持部材Sの長手方向に垂直な方向)に係合することで第1構成部材21と第2構成部材22とが一体に構成される。
【0035】
第1構成部材21と第2構成部材22は、互いに異なる素材で構成される。例えば、第1構成部材21は、第2構成部材22よりも強度の高い素材とすることができる。この場合、第1構成部材21が例えば金属やガラス繊維強化樹脂で形成され、第2構成部材22が例えばポリカーボネートやポリアセタール等の樹脂系の透明、半透明又は白色素材で形成され得る。
【0036】
これにより、ブラインドを天井付けして第2構成部材22の一部(操作部24)が室内側に露出する場合であっても、従来同様の意匠性を保つことができるとともに、スライドブロック2の材料の選択の幅を広げることができる。
【0037】
図3及び
図5に示すように、付勢手段3は、例えばコイルバネ等の付勢部材31と、スライドブロック2の第1構成部材21の室外側の端部に形成された凹部32と、ブラケット本体1の室外側の端部内面に形成された凸部33とを有する。付勢部材31の一端側は凹部32に収容され、その他端側は凸部33に係合している。
【0038】
またスライドブロック2の第2構成部材22は、その側面に爪部25を有する。スライドブロック2は、第1構成部材21と第2構成部材22とが係合して一体になった状態で第1係止部11側からブラケット本体1にスライド挿入され、爪部25がブラケット本体1の開口部13に係合し、かつその底面がブラケット本体1の保持部12に保持される。これによりスライドブロック2は、爪部25が開口部13内を移動する範囲で、ブラケット本体1に対し、上記付勢手段3の付勢力に抗してスライド可能となっている。
【0039】
また上記第1構成部材21の第1係合部26と、第2構成部材22の第2係合部27とは、両者が上記ブラケット本体1の保持部12に保持される位置に設けられる。これにより、第1構成部材21と第2構成部材22とを係合させた状態で第1係合部26と第2係合部27が保持部12に位置するようにスライドブロック2をブラケット本体1にスライド挿入するだけで、スライドブロック2を容易に取り付けることができる。
【0040】
[支持部材の取り付け・取り外し時の動作]
次に、以上のように構成されたブラケット100の、支持部材Sの取り付け・取り外し時の動作について説明する。
【0041】
図7は、ブラケット100への支持部材Sの取り付け手順を示した側面側断面図である。
【0042】
ブラケット100に支持部材Sを取り付ける場合、まず、同図(a)に示すように、支持部材Sの室内側の端部をブラケット本体1の第1係止部11に係止させた状態で、同図(b)に示すように、当該第1係止部11を支点として支持部材Sの室外側の端部を同図矢印方向(反時計回り方向)に回動させる。
【0043】
そして、上記回動により支持部材Sの室外側の端部が第1構成部材21の第2係止部23に当接すると、当該当接させた状態で支持部材Sをさらに回動させる。すると、スライドブロック2が付勢部材31の付勢力に抗して同図矢印方向(Z方向)に押圧される。
【0044】
さらに支持部材Sを回動させると、スライドブロック2がさらに押圧され、同図(c)に示すように、支持部材Sの室外側の端部が第2係止部23上に乗り上がっていき、最終的に、同図(d)に示すように、支持部材Sの室外側の端部が第2係止部23に完全に乗り上がると、付勢部材31の付勢力によりスライドブロック2が同図左側の元の位置に戻るとともに第2係止部23に支持部材の室外側の端部が係止され、取り付けが完了する。
【0045】
図8は、ブラケット100からの支持部材Sの取り外し手順を示した側面側断面図である。
【0046】
ブラケット100から支持部材Sを取り外す場合、まず、同図(a)の取り付け状態から、同図(b)に示すようにスライドブロック2の操作部24を同図矢印方向(Z方向)に押圧操作する。すると、付勢部材31の付勢力に抗してスライドブロック2が上記矢印方向にスライドし、支持部材Sの室外側の端部が第2係止部23から徐々に離れていく。
【0047】
そして操作部24をさらに押圧すると、同図(c)に示すように、支持部材Sの室外側の端部が第2係止部23から完全に外れた状態となる。この状態から、支持部材Sの室外側の端部を、室内側の端部を支点として同図矢印方向(時計回り方向)に回動させる。
【0048】
そして、同図(d)に示すように、付勢部材31の付勢力によりスライドブロック2が同図左側の元の位置に戻り、支持部材Sの室内側の端部を第1係止部11から取り外すことで作業が完了する。
【0049】
このように、支持部材Sの取り付け・取り外し動作中、スライドブロック2の第1構成部材21と第2構成部材22とが分離しないため、スライドブロック2を2つの部材で構成しても、従来と同様の手順で容易に支持部材Sの取り付け・取り外しを行うことができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、スライドブロック2の第1構成部材21の素材を第2構成部材22の素材に関わらず適宜選択することができるようになるため、室内側に露出する第2構成部材22を透明素材等、意匠性の低下を招かない素材で構成しながらも、スライドブロック2の材料の選択の幅を広げることができる。またこれにより、第1構成部材21に強度の高い素材を選択することで、ブラケット100の強度を向上させることができる。
【0051】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0052】
図9は、本発明の第1変形例に係るブラケット100の分解斜視図である。
図10は、
図9のブラケット100の平面側断面図であり、
図11は、
図10のB-B断面図である。
【0053】
上述の実施形態では、第1構成部材21の第1係合部26と第2構成部材22の第2係合部27とは、フック形状により上下方向(Y方向)に係合可能な構造とされた。これに対して本変形例では、第1係合部26と第2係合部27とは、フック形状ではなく断面L字状とされ、スライド方向(Z方向:支持部材Sの短手方向)には係合しておらず、左右方向(X方向:支持部材Sの長手方向)に係合可能とされている。したがって、第1構成部材1と第2構成部材22とは、ブラケット本体1に取付けられていない状態では、スライド方向(Z方向:支持部材Sの短手方向)に対しては一体化されていない。
【0054】
この構成により、上記実施形態と比べて第1係合部26と第2係合部27の形状を単純化して製造コストを抑えることができる。第1構成部材1と第2構成部材22とをブラケット本体1に対して順番に別々に組み込むことができる。またこの構成によっても、第1係合部26及び第2係合部27が保持部12に保持されているとともに、付勢部材31の付勢力によって第1構成部材21が第2構成部材22方向に押圧されているため、ブラケット本体1に取り付けた第1構成部材21及び第2構成部材22がスライド動作中に分離してしまうことを防止できる。
【0055】
図12は、本発明の第2変形例に係るブラケット100の平面側断面図である。
図13は、
図12のブラケット100のC-C断面図である。
【0056】
同図に示すように、本変形例では、スライドブロック2の全体形状は上述の実施形態と同様であるが、スライドブロック2のうち操作部24を構成する部分のみを第2構成部材22とし、その他の部分を第1構成部材21として構成している。
【0057】
第1係合部26と第2係合部27の構造は上述の実施形態と同様であるが、両者はブラケット本体1の保持部12には保持されず、係合状態でブラケット本体1の天面に当接することでその係合状態の解除を規制されている。また第2係止部23の他、爪部25も第1構成部材21側に設けられる。
【0058】
この構成の場合、第1構成部材21と第2構成部材22の各素材は上述の実施形態と同様でも構わないが、それに代えて、第1構成部材21をポリアセタール等の比較的安価な素材を用いて形成し、第2構成部材22をポリカーボネート等の透明樹脂で形成してもよい。
【0059】
スライドブロック2の大部分を占める第1構成部材21をポリアセタール等の安価な素材により形成することで、製造コストを抑えることができる。また第1構成部材21をポリアセタール等の耐アルコール性が高い素材とすることで、ブラインドをアルコール消毒した場合でも、第1構成部材21にクラック(亀裂)が生じず、ブラケット100が破損することを防ぐことができる。
【0060】
その他、第1構成部材21と第2構成部材の材質、大きさ、形状、係合構造は上述または図示したものに限られず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
1………ブラケット本体
2………スライドブロック
3………付勢手段
11……第1係止部
12……保持部
13……開口部
14……取付孔
21……第1構成部材
22……第2構成部材
23……第2係止部
24……操作部
25……爪部
26……第1係合部
27……第2係合部
31……付勢部材(コイルバネ)
32……凹部
33……凸部
100…ブラインド用取付ブラケット