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特開2024-177757シート製造装置、およびクリーニング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177757
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】シート製造装置、およびクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/732 20120101AFI20241217BHJP
【FI】
D04H1/732
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096080
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田村 哲也
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA08
4L047AB02
4L047AB06
4L047EA03
(57)【要約】
【課題】清掃ローラーのクリーニング能力を持続させるシート製造装置、およびクリーニング装置を提供すること。
【解決手段】シート製造装置1は、繊維が含まれるウェブWを加工する処理ローラー72と、清掃ローラー部230、ブレード部241、およびハンマー部244を含む清掃部42と、制御部5と、を有し、清掃ローラー部230は、処理ローラー72を清掃し、ブレード部241は、清掃ローラー部230を清掃し、制御部5は、ハンマー部244を動作させて、ブレード部241に衝撃を加えることを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維が含まれるウェブを加工する処理ローラーと、
清掃ローラー部、ブレード部、およびハンマー部を含む清掃部と、
制御部と、を有し、
前記清掃ローラー部は、前記処理ローラーを清掃し、
前記ブレード部は、前記清掃ローラー部を清掃し、
前記制御部は、前記ハンマー部を動作させて、前記ブレード部に衝撃を加えることを特徴とするシート製造装置。
【請求項2】
前記清掃ローラー部は、前記処理ローラーに当接する第1清掃ローラーを有し、
前記第1清掃ローラーは、前記処理ローラーを清掃する清掃層を有することを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項3】
前記清掃ローラー部は、前記第1清掃ローラーに当接する第2清掃ローラーを有し、
前記第2清掃ローラーは、前記第1清掃ローラーを清掃するブラシ状の表面層を有することを特徴とする、請求項2に記載のシート製造装置。
【請求項4】
前記ブレード部は、前記第2清掃ローラーの前記表面層に当接することを特徴とする、請求項3に記載のシート製造装置。
【請求項5】
前記ハンマー部は、巻上げ部、レバー部、バネ部、および打撃部を有し、
前記巻上げ部は、前記レバー部を介して、前記バネ部へ圧縮力を加え、
前記打撃部は、前記巻上げ部による前記圧縮力が開放されると、前記圧縮力に対する前記バネ部の反発力によって前記ブレード部へ前記衝撃を加えることを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項6】
前記清掃部は、前記ブレード部に付設される衝撃受け部を有し、
前記ハンマー部の前記打撃部は、前記衝撃受け部を打撃し、
前記衝撃は、前記衝撃受け部を介して前記ブレード部へ伝播することを特徴とする、請求項5に記載のシート製造装置。
【請求項7】
前記清掃部は、動作部を有し、
前記制御部は、前記動作部を制御して、前記処理ローラーに対する前記第1清掃ローラーの当接および離間を切り替えることを特徴とする、請求項2に記載のシート製造装置。
【請求項8】
前記ウェブの加工は、前記処理ローラーに対して前記第1清掃ローラーが当接している間に行われ、
前記制御部は、前記処理ローラーに対して前記第1清掃ローラーが離間している間に、前記ハンマー部から前記ブレード部へ前記衝撃を加えることを特徴とする、請求項7に記載のシート製造装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第2清掃ローラーに付着した紙粉の量を検出するセンサー部を有し、
前記紙粉の量が所定値に達した場合に、前記第1清掃ローラーを前記処理ローラーから離間させて、前記ハンマー部から前記ブレード部へ前記衝撃を加えることを特徴とする、請求項8に記載のシート製造装置。
【請求項10】
清掃ローラー部、ブレード部、およびハンマー部を含み、紙粉が付着する成形部材を清掃する清掃部と、
制御部と、を有し、
前記清掃ローラー部は、前記成形部材を清掃し、
前記ブレード部は、前記清掃ローラー部を清掃し、
前記制御部は、前記ハンマー部を動作させて、前記ブレード部に衝撃を加えることを特徴とするクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート製造装置、およびクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙由来の繊維が含まれるウェブを圧縮成形して、シートなどを製造する装置が知られていた。例えば、特許文献1では、成形用のカレンダーローラーに付着した紙粉を除去するクリーニング機構が開示されている。上記機構は、繊維構造体製造装置において、カレンダーローラーにクリーニング用のフェルトローラーを当接させて、カレンダーローラーのクリーニングを行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-156155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、カレンダーローラーに対するクリーニング能力を維持することが難しいという課題があった。詳しくは、カレンダーローラーにフェルトローラーを当接させ、さらにフェルトローラーに除去部材を当接させている。カレンダーローラーに付着した紙粉は、カレンダーローラーからフェルトローラーへ移行して、フェルトローラーから除去部材へと移行する。そのため、除去部材に移行した紙粉が溜まると、除去部材のクリーニング能力が低下し、ひいてはフェルトローラーのクリーニング能力が低下する場合があった。すなわち、クリーニング用ローラーのクリーニング能力を持続させるシート製造装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート製造装置は、繊維が含まれるウェブを加工する処理ローラーと、清掃ローラー部、ブレード部、およびハンマー部を含む清掃部と、制御部と、を有し、前記清掃ローラー部は、前記処理ローラーを清掃し、前記ブレード部は、前記清掃ローラー部を清掃し、前記制御部は、前記ハンマー部を動作させて、前記ブレード部に衝撃を加えることを特徴とする。
【0006】
クリーニング装置は、清掃ローラー部、ブレード部、およびハンマー部を含み、紙粉が付着する成形部材を清掃する清掃部と、制御部と、を有し、前記清掃ローラー部は、前記成形部材を清掃し、前記ブレード部は、前記清掃ローラー部を清掃し、前記制御部は、前記ハンマー部を動作させて、前記ブレード部に衝撃を加えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るシート製造装置の構成を示す模式図。
図2】成形部および清掃部の配置を示す斜視図。
図3】第1クリーニング装置の清掃部の構成を示す斜視図。
図4】第1クリーニング装置の清掃部の配置を示す側面図。
図5】第2クリーニング装置の清掃部の構成を示す斜視図。
図6】第2クリーニング装置の清掃部の配置を示す側面図。
図7】ハンマー部などの構成および配置を示す拡大側面図。
図8】ハンマー部などの構成および配置を示す斜視図。
図9】ハンマー部のレバー部および打撃部などの外観を示す斜視図。
図10】第2クリーニング装置の歯車群およびハンマー部の配置を示す側面図。
図11】第2クリーニング装置における巻上げ部およびレバー部などの配置を示す斜視図。
図12】第2クリーニング装置における打撃動作の作動原理を示す斜視図。
図13】第2クリーニング装置における打撃動作の作動原理を示す斜視図。
図14】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図15】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図16】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図17】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図18】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図19】第2クリーニング装置の清掃部による清掃機能を示す側面図。
図20】第2クリーニング装置における清掃部の離間時の姿勢を示す側面図。
図21】第1クリーニング装置における清掃部の離間時の姿勢を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の実施形態では、乾式にて古紙などの紙片を再生するシート製造装置1を例示し、図面を参照して説明する。本発明のシート製造装置は、乾式であることに限定されず、湿式であってもよい。なお、本明細書において乾式とは、液体中で実施されずに、大気などの空気中で実施されることをいう。
【0009】
以下の各図においては、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。Z軸は鉛直方向に沿う仮想軸であって+Z方向を上方とし、-Z方向を下方とする。-Z方向は重力が作用する方向である。また、シート製造装置1において、原料、ウェブ、およびシートなどの搬送方向の先を下流、搬送方向を遡る側を上流ということもある。図示の便宜上、各部材の大きさを実際とは異ならせている。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係るシート製造装置1は、第1ユニット群101、第2ユニット群102、および第3ユニット群103を有する。第1ユニット群101、第2ユニット群102、および第3ユニット群103は、図示しないフレームに支持される。なお、図1においては、古紙C、シートP3、スリット片S、および不要な端材などが移動する方向を白抜きの矢印で示している。
【0011】
シート製造装置1は古紙CからシートP3を製造する。シート製造装置1では、-X方向からの側面視にて、-Y方向から+Y方向に向かって、第1ユニット群101、第3ユニット群103、および第2ユニット群102が配置される。
【0012】
古紙Cは、第1ユニット群101から、第3ユニット群103内を横断する配管21を介して第2ユニット群102へ搬送される。そして古紙Cは、第2ユニット群102にて解繊などが施されて繊維と成ってから、結着材などを含む混合物とされる。混合物は、配管24を介して第3ユニット群103へ搬送される。混合物は、第3ユニット群103にてウェブWとされてから、帯状のシートP1に成形される。帯状のシートP1は、第1ユニット群101にて切断されてシートP3と成る。
【0013】
第1ユニット群101は、バッファータンク13、定量供給部15、合流部17、および配管21を有する。第1ユニット群101では、上流から下流に向かって、これらの構成が上記の順番にて配置される。また、第1ユニット群101は、第1切断部81、第2切断部82、トレイ91、および細断部95も有する。第1切断部81および第2切断部82は、帯状のシートP1を所定の形状のシートP3に切断する。さらに、第1ユニット群101は給水部67を有する。給水部67は貯水タンクである。給水部67は、後述する第1加湿部65および第2加湿部66の各々へ、図示しない給水管にて加湿用の水を供給する。
【0014】
古紙Cは、原料投入口11からバッファータンク13へ投入される。古紙Cは、セルロースなどの繊維を含み、例えば細断された古紙の紙片である。バッファータンク13の内部には、第3ユニット群103に備わる第2加湿部66から、加湿された空気が供給される。
【0015】
解繊される古紙Cは、バッファータンク13にて一時的に貯留された後、シート製造装置1の稼働に応じて定量供給部15へ搬送される。シート製造装置1は、バッファータンク13の上流側に、古紙Cなどを細断するシュレッダーを備えてもよい。
【0016】
定量供給部15は、計量器15a、および図示しない供給機構を有する。計量器15aは古紙Cの質量を計量する。供給機構は、計量器15aにて計量された古紙Cを、下流の合流部17に供給する。すなわち、定量供給部15は、計量器15aにて古紙Cを所定の質量毎に計量して、供給機構にて下流の合流部17へ供給する。
【0017】
計量器15aには、デジタル式およびアナログ式の何れの計量機構も適用可能である。具体的には、計量器15aとして、ロードセルなどの物理センサー、およびバネ秤や天秤などが挙げられる。本実施形態では計量器15aとしてロードセルを用いる。計量器15aが古紙Cを計量する所定の質量とは、例えば、数gから数10g程度である。
【0018】
供給機構には、振動式フィーダーなどの公知の技術を適用可能である。供給機構は、計量器15aに含まれる構成であってもよい。
【0019】
定量供給部15での古紙Cの計量および供給はバッチ処理である。すなわち、定量供給部15から合流部17への古紙Cの供給は、間欠的に実施される。定量供給部15は、計量器15aを複数有してもよく、複数の計量器15aを時差稼働させて、計量の効率を向上させてもよい。
【0020】
合流部17では、定量供給部15から供給される古紙Cに対して、細断部95から供給されるスリット片Sの細断片が合流して混合される。スリット片Sおよび細断部95については後述する。上記細断片が混合された古紙Cは、合流部17から配管21へと流入する。
【0021】
配管21は、図示しないブロアーが発生させる気流によって、古紙Cを第1ユニット群101から第2ユニット群102へ搬送する。
【0022】
第2ユニット群102は、乾式解繊機である解繊部31、分離部32、配管23、混合部33、および配管24を有する。第2ユニット群102では、上流から下流に向かって、これらの構成が上記の順番にて配置される。また、第2ユニット群102は、分離部32に接続される配管25、回収部35、コンプレッサー38、および電源部39も有する。
【0023】
配管21を搬送された古紙Cは、解繊部31に流入する。解繊部31は、定量供給部15から供給される古紙Cを乾式にて解繊して繊維にする。解繊部31には、公知の解繊機構が適用可能である。
【0024】
解繊部31としては、例えば以下の構成が挙げられる。解繊部31は、ステーターおよびローターを備える。ステーターは略円筒状の内側面を有する。ローターは、ステーターの内部に設置されて、ステーターの内側面に沿って回転する。古紙Cの細片は、ステーターの内側面とローターとの間に挟まれて、これらの間に生じるせん断力によって解繊される。これにより、古紙Cは、紙片に含まれる絡まった繊維が解きほぐされる。古紙Cは繊維とされて分離部32に搬送される。
【0025】
分離部32は解繊された繊維を分別する。詳しくは、分離部32は、繊維に含まれる、シートP3の製造に不要な成分を取り除く。具体的には、分離部32は、比較的に長い繊維と、比較的に短い繊維とを分別する。比較的に短い繊維は、シートP3の強度低下を招く場合があるため、分離部32にて分別される。また、分離部32は、古紙Cに含まれる色材や添加剤なども分別して排除する。分離部32には、円盤メッシュ方式などの公知の技術が適用可能である。
【0026】
分離部32の内部には、第3ユニット群103の第2加湿部66から加湿された空気が供給される。
【0027】
解繊された繊維は、比較的に短い繊維などが排除されて、配管23を介して混合部33へ搬送される。比較的に短い繊維や色材などの不要分は、配管25を介して回収部35へ排出される。
【0028】
混合部33は、繊維に結着材などを空気中で混合して混合物とする。図示を省略するが、混合部33は、繊維が搬送される流路、ファン、ホッパー、供給管、およびバルブを備える。
【0029】
ホッパーは、供給管を介して繊維の流路に連通する。バルブは、ホッパーと流路との間の供給管に設けられる。ホッパーは、でんぷんなどの結着材を流路内へ供給する。バルブは、ホッパーから流路に供給される結着材の質量を調整する。これにより、繊維と結着材との混合比が調整される。
【0030】
混合部33は、結着材を供給する上記構成の他に、色材や添加剤などを供給する同様な構成を備えてもよい。
【0031】
混合部33のファンは、発生させる気流により、繊維を下流へ搬送しながら結着材などを空気中で混入させて混合物とする。混合物は、混合部33から配管24へ流入する。
【0032】
回収部35は、図示しないフィルターを備える。フィルターは、配管25を気流にて搬送された比較的に短い繊維などの不要分を濾し取る。
【0033】
コンプレッサー38は圧縮空気を生成する。上記フィルターでは、不要分のうちの微細な粒子などによって目詰まりが生じる場合がある。コンプレッサー38が生成する圧縮空気をフィルターに吹き付けて、付着した粒子を吹き飛ばしてフィルターをクリーニングすることが可能である。
【0034】
電源部39は、制御部5、およびシート製造装置1に電力を供給する図示しない電力供給装置を有する。電源部39は、外部から供給される電力をシート製造装置1の各構成に分配する。制御部5は、シート製造装置1の各構成と電気的に接続され、これらの構成の稼働を統合的に制御する。
【0035】
第3ユニット群103は、繊維を含む混合物を堆積させて圧縮し、再生紙である帯状のシートP1に成形する。第3ユニット群103は、堆積部50、第1搬送部61、第2搬送部62、第1加湿部65、第2加湿部66、排水部68、成形部70、および清掃部41,42を有する。
【0036】
第3ユニット群103では、上流から下流に向かって、堆積部50、第1搬送部61、第2搬送部62、第1加湿部65、成形部70および清掃部41,42が、上記の順番にて配置される。第2加湿部66は、第1加湿部65の下方に配置される。
【0037】
堆積部50は、分別された繊維が含まれる混合物を空気中で堆積させてウェブWを生成する。堆積部50は、ドラム部材53、ドラム部材53内に設置される羽根部材55、ドラム部材53を収容するハウジング51、吸引部59を有する。混合物は、配管24からドラム部材53の内部に取り込まれる。
【0038】
堆積部50の下方には、第1搬送部61が配置される。第1搬送部61は、メッシュベルト61a、メッシュベルト61aを張架する図示しない5つの張架ローラーを有する。吸引部59は、Z軸に沿う方向において、メッシュベルト61aを挟んでドラム部材53と対向する。
【0039】
羽根部材55は、ドラム部材53の内部にあって、図示しないモーターによって回転駆動される。ドラム部材53は半円柱状の篩である。ドラム部材53の下方を向く側面には、篩の機能を有する網が設けられる。ドラム部材53は、篩の網の目開きの大きさより小さい繊維や混合物などの粒子を、内部から外側に通過させる。
【0040】
混合物は、ドラム部材53内において、回転する羽根部材55に撹拌されながらドラム部材53の外側に放出される。ドラム部材53の内部には、第2加湿部66から加湿された空気が供給される。
【0041】
吸引部59はドラム部材53の下方に配置される。吸引部59は、メッシュベルト61aが有する複数の穴を介して、ハウジング51内の空気を吸引する。メッシュベルト61aの複数の穴は、空気を通し、混合物に含まれる繊維や結着材などを通し難い。これにより、ドラム部材53の外側に放出された混合物は、空気と共に下方に吸引される。吸引部59はブロアーなどの公知の吸引装置である。
【0042】
混合物は、ハウジング51内の空気中に分散されて、重力と吸引部59の吸引によって、メッシュベルト61aの上方の面に堆積してウェブWとなる。
【0043】
メッシュベルト61aは、無端ベルトであって、5つの張架ローラーによって張り架けられる。メッシュベルト61aは、張架ローラーの自転によって、図1において反時計回りに回動する。これにより、メッシュベルト61aに連続して混合物が堆積し、ウェブWが形成される。ウェブWは、空気を比較的に多く含み、柔らかく膨らんでいる。第1搬送部61は、形成されたウェブWを、メッシュベルト61aの回動により下流へ搬送する。
【0044】
第2搬送部62は、第1搬送部61の下流において、第1搬送部61に代わってウェブWを搬送する。第2搬送部62は、メッシュベルト61aの上方の面からウェブWを剥離させて、成形部70に向けて搬送する。第2搬送部62は、ウェブWの搬送経路の上方にあって、メッシュベルト61aのリターン側の起点よりもやや上流側に配置される。第2搬送部62の+Y方向と、メッシュベルト61aの-Y方向とは、鉛直方向において一部が重なる。
【0045】
第2搬送部62は、図示しない輸送ベルト、複数のローラー、およびサクション機構を有する。輸送ベルトには空気を通す複数の穴が設けられる。輸送ベルトは、複数のローラーによって張り架けられ、ローラーの回転により回動する。
【0046】
第2搬送部62は、サクション機構が発生させる負圧により、ウェブWの上方の面を輸送ベルトの下方の面に吸着させる。この状態にて輸送ベルトが回動することによって、ウェブWは、輸送ベルトに吸着されて下流へ搬送される。
【0047】
第1加湿部65は、第3ユニット群103の堆積部50にて堆積された繊維を含むウェブWを加湿する。詳しくは、第1加湿部65は、例えば、ミスト式加湿器であって、第2搬送部62によって搬送されるウェブWへ下方からミストMを供給して加湿する。第1加湿部65は、第2搬送部62の下方に配置され、第2搬送部62が搬送するウェブWとZ軸に沿う方向に対向する。第1加湿部65には、例えば超音波式などの公知の加湿装置が適用可能である。
【0048】
ウェブWがミストMにて加湿されることにより、でんぷんの結着材としての機能が促進されて、シートP3の強度が向上する。また、ウェブWに対して下方から加湿するため、ミスト由来の雫のウェブWへの落下が防止される。さらに、輸送ベルトとウェブWとの接触面の反対側から加湿するため、輸送ベルトに対するウェブWの貼り付きが低減される。第2搬送部62はウェブWを成形部70へ搬送する。
【0049】
成形部70は、処理ローラー71,72を有する。処理ローラー71,72は、繊維が含まれるウェブWを加工し、帯状のシートP1に成形する。処理ローラー71,72は対を成し、各々電熱ヒーターを内蔵して、ローラー表面の温度を上昇させる機能を備える。
【0050】
処理ローラー71,72は、各々略円柱状の部材である。処理ローラー71の回転軸および処理ローラー72の回転軸は、X軸に沿って配置される。ウェブWの搬送経路に対して、処理ローラー71は略上方に配置され、処理ローラー72は略下方に配置される。処理ローラー71の側面と、処理ローラー72の側面との間には、製造するシートP3の厚さに応じた隙間が設けられている。
【0051】
処理ローラー71,72は、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。ウェブWは、処理ローラー71と処理ローラー72との間に挟まれて加熱および加圧されながら、下流へ送り出される。つまり、ウェブWは、成形部70を連続的に通過して、加熱されながらプレス成形される。処理ローラー71,72を、一対の成形部材として用いることにより、ウェブWの加熱および加圧を効率よく行うことができる。
【0052】
ウェブWは、成形部70を通過することにより、比較的に空気を多く含んで柔らかい状態から、内包する空気が低減されると共に結着材によって繊維同士が結着されて、帯状のシートP1に成形される。帯状のシートP1は、図示しない搬送ローラーにより、第1ユニット群101へ搬送される。
【0053】
清掃部41は処理ローラー71に対応し、清掃部42は処理ローラー72に対応する。清掃部41と制御部5とは、後述するクリーニング装置401を構成する。清掃部42と制御部5とは、後述するクリーニング装置402を構成する。
【0054】
上述したように、処理ローラー71,72はウェブWを挟んで加圧する。そのため、処理ローラー71,72の各々の側面には、ウェブWに含まれる古紙Cに由来する紙粉や繊維などが付着し易い。紙粉などが付着したまま成形を続けると、製造されるシートP3において、表面の汚れや荒れ、あるいはシート強度の低下などの不具合が発生する場合がある。清掃部41は処理ローラー71を清掃し、清掃部42は処理ローラー72を清掃する。
【0055】
第2加湿部66は、第1加湿部65の下方に配置される。第2加湿部66には、公知の気化式の加湿装置が適用可能である。気化式の加湿装置としては、例えば、湿らせた不織布などに風をあてて水分を気化させ、加湿した空気を発生させるものが挙げられる。
【0056】
第2加湿部66は、シート製造装置1の所定の領域を加湿する。所定の領域とは、バッファータンク13、分離部32、および堆積部50のドラム部材53内のうちの1つ以上である。具体的には、図示しない複数の管を介して、第2加湿部66から上記領域へ加湿された空気が供給される。加湿された空気は、上記の各構成において、古紙Cや繊維などの帯電を抑制して、これらの静電気による部材への付着を抑える。
【0057】
排水部68は排水タンクである。排水部68は、第1加湿部65および第2加湿部66などで使用され、古くなった水分を集めて貯留する。排水部68は、必要に応じてシート製造装置1から取り外して、溜まった水を廃棄することが可能である。
【0058】
第1ユニット群101に搬送される帯状のシートP1は、第1切断部81に至る。第1切断部81は、帯状のシートP1を搬送方向と交差する方向、例えばX軸に沿う方向に切断する。帯状のシートP1は、第1切断部81にて単票状のシートP2に切断される。単票状のシートP2は、第1切断部81から第2切断部82へ搬送される。
【0059】
第2切断部82は、単票状のシートP2を搬送方向、例えばY軸に沿う方向に切断する。詳しくは、第2切断部82は、単票状のシートP2において、X軸に沿う方向の両側の辺近傍を切断する。これにより、単票状のシートP2は、例えばA4判やA3判などの所定の形状のシートP3と成る。
【0060】
第2切断部82にて、単票状のシートP2をシートP3に切断する際に、端材であるスリット片Sが生じる。スリット片Sは、略-Y方向へ搬送されてシュレッダーである細断部95に至る。細断部95は、スリット片Sを細断して細断片として、合流部17へ供給する。細断部95と合流部17との間には、スリット片Sの細断片を計量して合流部17へ供給する機構が設置されてもよい。
【0061】
シートP3は、略上方に搬送されてトレイ91に集積される。以上により、シート製造装置1にてシートP3が製造される。シートP3は、例えばコピー用紙などの代替品として適用可能である。
【0062】
図2に示すように、清掃部41は、処理ローラー71の-Y方向のやや上方にあって、処理ローラー71に沿って配置される。清掃部42は、処理ローラー72の下方の-Y方向寄りにあって、処理ローラー72に沿って配置される。
【0063】
クリーニング装置401は、上述した制御部5、および清掃部41を有する。クリーニング装置402は、制御部5および清掃部42を有する。なお、クリーニング装置401,402の各々は、個別に制御部を有してもよい。
【0064】
X軸に沿う方向において、清掃部41の長さは、処理ローラー71の側面の長さと略等しい。同様に、清掃部42の長さは、処理ローラー72の長さと略等しい。
【0065】
図3に示すように、清掃部41は、清掃ローラー部130、ブレード部141、動作部120、歯車群110、紙粉回収部153、支持部材135、およびフレーム部115を含む。清掃部41は、後述するハンマー部144も含む。なお、図3では、制御部5に含まれる清掃ローラー駆動モーター541も図示している。
【0066】
清掃ローラー部130は、第1清掃ローラー131および第2清掃ローラー133を有する。清掃ローラー部130は、上記処理ローラー71を清掃する。ハンマー部144は、ブレード部141を清掃する。
【0067】
第1清掃ローラー131は、略円柱状の部材であって、円柱の高さ方向がX軸に沿って配置される。第1清掃ローラー131は、X軸に沿う方向の両端が支持部材135に支持され、X軸に沿う回転軸を中心として回転する。第1清掃ローラー131は、歯車群110のうちの歯車の1つに回転駆動される。
【0068】
第2清掃ローラー133は、略円柱状の部材であって、円柱の高さ方向がX軸に沿うと共に、第1清掃ローラー131とY軸に沿う方向に並んで配置される。第2清掃ローラー133は、X軸に沿う方向の両端が支持部材135に支持され、X軸に沿う回転軸を中心として回転する。第2清掃ローラー133も、歯車群110のうちの歯車の1つに回転駆動される。
【0069】
ブレード部141は、第2清掃ローラー133の側面に沿って延在する。ブレード部141は支持部材135に支持される。
【0070】
動作部120は、シャフト部121、カム部材123a,123bを含む。シャフト部121は、X軸に沿って配置される棒状の部材である。シャフト部121において、+X方向の端部付近にカム部材123aが取り付けられ、-X方向の端部付近にカム部材123bが取り付けられる。
【0071】
シャフト部121は、フレーム部115に支持され、X軸に沿う回転軸を中心に回転する。シャフト部121の-X方向の端部は、歯車群110のうちの歯車の1つに直結されている。歯車群110が駆動されると、シャフト部121が回転駆動される。カム部材123a,123bは、シャフト部121の回転に連動して、シャフト部121を回転中心として回転する。
【0072】
歯車群110は、図示しない複数の歯車を含む。複数の歯車は、清掃ローラー駆動モーター541の駆動によって回転して、シャフト部121、第1清掃ローラー131、および第2清掃ローラー133を回転させる。歯車群110および清掃ローラー駆動モーター541は、フレーム部115の-X方向の端部に設置される。
【0073】
支持部材135は、上方からの平面視にて、XZ平面に沿う図示しない本体部と、本体部のX軸に沿う方向の両端から+Y方向に突出する支持部135a,135bを含む。支持部135a,135bはX軸に沿う方向に対向する。動作部120、第1清掃ローラー131、第2清掃ローラー133、およびブレード部141は、支持部135a,135bの間に配置される。すなわち、支持部135a,135bが動作部120、第1清掃ローラー131、第2清掃ローラー133、およびブレード部141を支持する。
【0074】
支持部材135は、フレーム部115に支持されながら、フレーム部115に対して相対的に姿勢が変更可能である。支持部材135の姿勢変化については後述する。
【0075】
フレーム部115は、上方からの平面視にて略枠状の部材であって、内側に支持部材135が配置される。フレーム部115の-X方向の端部に対して、外側である-X方向に歯車群110が配置され、内側である+X方向に清掃ローラー駆動モーター541が配置される。清掃ローラー駆動モーター541は、出力軸である図示しないシャフトを含む。該シャフトは、フレーム部115を貫通して-X方向に延在し、歯車群110の複数の歯車の1つに直結される。フレーム部115は、シート製造装置1の第3ユニット群103のフレームに支持される。
【0076】
図4に示すように、清掃部41において、第1清掃ローラー131は、処理ローラー71に対して-Y方向のやや上方にて当接して配置される。図4は、第1清掃ローラー131が処理ローラー71に当接して、処理ローラー71の側面の清掃が行われる状態を示している。ここで、図4の説明では、特に断りがない限り-X方向から側面視した状態を述べることとする。
【0077】
第1清掃ローラー131は処理ローラー71を清掃する。詳しくは、第1清掃ローラー131は、側面の外周に清掃層131aを有する。清掃層131aは、処理ローラー71の側面に当接して、処理ローラー71の側面を清掃する。
【0078】
清掃層131aによって、処理ローラー71に付着した紙粉などが清掃される。そのため、処理ローラー71に対する清掃ローラー部130のクリーニング能力が向上する。
【0079】
第1清掃ローラー131の清掃層131aはフェルト材である。そのため、紙粉などが清掃層131aに絡め取られ易くなる。また、清掃層131aが処理ローラー71の側面の形状に追従し易くなる。これらにより、第1清掃ローラー131による処理ローラー71のクリーニング能力がさらに向上する。
【0080】
第2清掃ローラー133は、第1清掃ローラー131を清掃する。詳しくは、第2清掃ローラー133は、側面の外周にブラシ状の表面層133aを有する。表面層133aでは、回転中心から略放射状に複数の毛材が設置される。第1清掃ローラー131の清掃層131aと表面層133aとは、互いに重なるように配置される。これにより、表面層133aは、第1清掃ローラー131の清掃層131aに当接して、第1清掃ローラー133を清掃する。
【0081】
表面層133aによって、処理ローラー71から第1清掃ローラー131に移行した紙粉などが清掃され、第1清掃ローラー131の清浄度が維持される。そのため、処理ローラー71に対する清掃ローラー部130のクリーニング能力が持続され易くなる。
【0082】
処理ローラー71、第1清掃ローラー131、および第2清掃ローラー133は時計回りに回転する。
【0083】
ブレード部141は、第2清掃ローラー133の下方に配置される。ブレード部141は、略矩形の板状部材であって、主面がXZ平面に沿う。ブレード部141は、第2清掃ローラー133の表面層133aに当接して、清掃ローラー部130における第2清掃ローラー133の表面層133aを清掃する。X軸に沿う方向において、ブレード部141の長さは、第2清掃ローラー133の表面層133aの長さに略等しい。
【0084】
ブレード部141は、固定部材143を介して支持部材135に支持され、上方の端部が表面層133aの複数の毛材の中に埋没するように配置される。表面層133aに対してブレード部141が埋没する距離は、例えば約1mmである。
【0085】
ブレード部141により、第2清掃ローラー133において、第1清掃ローラー131から移行した紙粉などが清掃されて清浄度が維持される。そのため、処理ローラー71に対する清掃ローラー部130のクリーニング能力が持続され易くなる。
【0086】
支持部材135は、回動軸137を回転中心として、回転可能にフレーム部115に支持される。支持部材135の-Y方向には、バネ部材151がZ軸に沿って配置される。バネ部材151において、上方の端部が支持部材135に固定され、下方の端部がフレーム部115に固定される。
【0087】
支持部材135は、バネ部材151により、回動軸137を回転中心とする反時計回り方向に付勢される。そのため、第1清掃ローラー131は、バネ部材151の付勢力によって処理ローラー71に当接する。
【0088】
動作部120は、支持部材135の上方の端部に対して、-Y方向に配置されてY軸に沿う方向に対向する。カム部材123aおよび図示しないカム部材123bは回動によって、処理ローラー71に対する第1清掃ローラー131の当接および離間を切り替える。すなわち、制御部5は、動作部120を制御して、処理ローラー71に対する第1清掃ローラー131の当接および離間を切り替える。
【0089】
これにより、処理ローラー71に対して第1清掃ローラー131を適宜離間させることが可能となる。処理ローラー71に第1清掃ローラー131が常時当接している場合と比べて、第1清掃ローラー131において清掃層131aの摩耗や変形の発生が抑制される。なお、上述したウェブWの加工は、処理ローラー71に対して第1清掃ローラー131が当接している間に行われる。
【0090】
カム部材123a,123bの各々は、回転中心となるシャフト部121に対して非対称な形状であり、図示しない突出部を有する。第1清掃ローラー131を処理ローラー71に当接させる際には、上記突出部を支持部材135の上方の端部の略反対方向に移動させて、カム部材123a,123bと支持部材135の上端とを離間させる。
【0091】
第1清掃ローラー131を処理ローラー71から離間させる際には、シャフト部121が回転して上記突出部が支持部材135の上端に接する。そのため、突出部が上記上端を略+Y方向へ付勢して、支持部材135が時計回りに一定距離回転する。これにより、支持部材135が姿勢変化して、処理ローラー71に対して第1清掃ローラー131が離間する。
【0092】
上記制御部5はセンサー部511を有する。センサー部511は、第2清掃ローラー133の表面層133aに付着した紙粉などの量を検出する。制御部5は、上記紙粉の量が所定値に達した場合、すなわち第2清掃ローラー133に紙粉が一定量移行した場合に、第1清掃ローラー131を処理ローラー71から離間させる。そして、制御部5はハンマー部144にブレード部141の清掃を実施させる。
【0093】
センサー部511としては、例えば公知のRGB画像センサーなどが挙げられる。また、第2清掃ローラー233に到達し付着した紙粉の量の所定量とは、例えば表面積である。
【0094】
紙粉回収部153は、第2清掃ローラー133およびブレード部141の下方に配置される。紙粉回収部153は、上方が開放された箱状の部材であって、主に第2清掃ローラー133およびブレード部141から落下する紙粉などを回収して貯留する。紙粉回収部153に貯留される紙粉などは、紙粉回収部153をシート製造装置1から取り外して除去することが可能である。
【0095】
図5に示すように、清掃部42は、清掃ローラー部230、ブレード部241、動作部220、歯車群210、紙粉回収部253、支持部材235、およびフレーム部215を含む。清掃部42は、後述するハンマー部244も含む。なお、図5では、制御部5に含まれる清掃ローラー駆動モーター542も図示している。
【0096】
清掃ローラー部230は、第1清掃ローラー231および第2清掃ローラー233を有する。清掃ローラー部230は、上記処理ローラー72を清掃する。ハンマー部244は、ブレード部241を清掃する。
【0097】
第1清掃ローラー231は、略円柱状の部材であって、円柱の高さ方向がX軸に沿って配置される。第1清掃ローラー231は、X軸に沿う方向の両端が支持部材235に支持され、X軸に沿う回転軸を中心として回転する。第1清掃ローラー231は、歯車群210のうちの歯車の1つに回転駆動される。
【0098】
第2清掃ローラー233は、略円柱状の部材であって、円柱の高さ方向がX軸に沿うと共に、第1清掃ローラー231とZ軸に沿う方向に並んで配置される。第2清掃ローラー233は、X軸に沿う方向の両端が支持部材235に支持され、X軸に沿う回転軸を中心として回転する。第2清掃ローラー233も、歯車群210のうちの歯車の1つに回転駆動される。
【0099】
ブレード部241は、第2清掃ローラー233の側面に沿って延在する。ブレード部241は支持部材235に支持される。
【0100】
動作部220は、シャフト部221、カム部材223a,223bを含む。シャフト部221は、X軸に沿って配置される棒状の部材である。シャフト部221において、+X方向の端部付近にカム部材223aが取り付けられ、-X方向の端部付近にカム部材223bが取り付けられる。
【0101】
シャフト部221は、フレーム部215に支持され、X軸に沿う回転軸を中心に回転する。シャフト部221の-X方向の端部は、歯車群210のうちの歯車の1つに直結されている。歯車群210が駆動されると、シャフト部221が回転駆動される。カム部材223a,223bは、シャフト部221の回転に連動して、シャフト部221を回転中心として回転する。
【0102】
歯車群210は、図示しない複数の歯車を含む。複数の歯車は、清掃ローラー駆動モーター542の駆動によって回転して、シャフト部221、第1清掃ローラー231、および第2清掃ローラー233を回転させる。歯車群210および清掃ローラー駆動モーター542は、フレーム部215の-X方向の端部に設置される。
【0103】
支持部材235は、上方からの平面視にて、XZ平面に沿う図示しない本体部と、本体部のX軸に沿う方向の両端から上方に突出する支持部235a,235bを含む。支持部235a,235bはX軸に沿う方向に対向する。動作部220、第1清掃ローラー231、第2清掃ローラー233、およびブレード部241は、支持部235a,235bの間に配置される。すなわち、支持部235a,235bが動作部220、第1清掃ローラー231、第2清掃ローラー233、およびブレード部241を支持する。
【0104】
支持部材235は、フレーム部215に支持されながら、フレーム部215に対して相対的に姿勢が変更可能である。支持部材235の姿勢変化については後述する。
【0105】
フレーム部215は、上方からの平面視にて略枠状の部材であって、内側に支持部材235が配置される。フレーム部215の-X方向の端部に対して、外側である-X方向に歯車群210が配置され、内側である+X方向に清掃ローラー駆動モーター542が配置される。清掃ローラー駆動モーター542は、出力軸である図示しないシャフトを含む。該シャフトは、フレーム部215を貫通して-X方向に延在し、歯車群210の複数の歯車の1つに直結される。フレーム部215は、シート製造装置1の第3ユニット群103のフレームに支持される。
【0106】
図6に示すように、清掃部42において、第1清掃ローラー231は、処理ローラー72に対して下方のやや-Y方向にて当接して配置される。図6は、第1清掃ローラー231が処理ローラー72に当接して、処理ローラー72の側面の清掃が行われる状態を示している。ここで、図6の説明では、特に断りがない限り-X方向から側面視した状態を述べることとする。
【0107】
第1清掃ローラー231は処理ローラー72を清掃する。詳しくは、第1清掃ローラー231は、側面の外周に清掃層231aを有する。清掃層231aは、処理ローラー72の側面に当接して、処理ローラー72の側面を清掃する。
【0108】
清掃層231aによって、処理ローラー72に付着した紙粉などが清掃される。そのため、処理ローラー72に対する清掃ローラー部230のクリーニング能力が向上する。
【0109】
第1清掃ローラー231の清掃層231aはフェルト材である。そのため、紙粉などが清掃層231aに絡め取られ易くなる。また、清掃層231aが処理ローラー72の側面の形状に追従し易くなる。これらにより、第1清掃ローラー231による処理ローラー72のクリーニング能力がさらに向上する。
【0110】
第2清掃ローラー233は、第1清掃ローラー231を清掃する。詳しくは、第2清掃ローラー233は、側面の外周にブラシ状の表面層233aを有する。表面層233aでは、回転中心から略放射状に複数の毛材が設置される。第1清掃ローラー231の清掃層231aと表面層233aとは、互いに重なるように配置される。これにより、表面層233aは、第1清掃ローラー231の清掃層231aに当接して、第1清掃ローラー231を清掃する。
【0111】
表面層233aによって、処理ローラー72から第1清掃ローラー231に移行した紙粉などが清掃され、第1清掃ローラー231の清浄度が維持される。そのため、処理ローラー72に対する清掃ローラー部230のクリーニング能力が持続され易くなる。
【0112】
処理ローラー72、第1清掃ローラー231、および第2清掃ローラー233は反時計回りに回転する。
【0113】
ブレード部241は、第2清掃ローラー233の下方に配置される。ブレード部241は、略矩形の板状部材であって、主面がXZ平面に沿う。ブレード部241は、第2清掃ローラー233の表面層233aに当接して、清掃ローラー部230における第2清掃ローラー233の表面層233aを清掃する。X軸に沿う方向において、ブレード部241の長さは、第2清掃ローラー233の表面層233aの長さに略等しい。
【0114】
ブレード部241は、固定部材243を介して支持部材235に支持され、上方の端部が表面層233aの複数の毛材の中に埋没するように配置される。表面層233aに対してブレード部241が埋没する距離は、例えば約1mmである。
【0115】
ブレード部241により、第2清掃ローラー233において、第1清掃ローラー231から移行した紙粉などが清掃されて清浄度が維持される。そのため、処理ローラー72に対する清掃ローラー部230のクリーニング能力が持続され易くなる。
【0116】
支持部材235は、回動軸237を回転中心として、回転可能にフレーム部215に支持される。支持部材235の下方には、バネ部材251がY軸に沿って配置される。バネ部材251において、-Y方向の端部が支持部材235に固定され、+Y方向の端部がフレーム部215に固定される。
【0117】
支持部材235は、バネ部材251により、回動軸237を回転中心とする反時計回り方向に付勢される。そのため、第1清掃ローラー231は、バネ部材251の付勢力によって処理ローラー72に当接する。
【0118】
動作部220は、支持部材235の下方の端部に対して、+Y方向に配置されてY軸に沿う方向に対向する。カム部材223aおよび図示しないカム部材223bは回動によって、処理ローラー72に対する第2清掃ローラー233の当接および離間を切り替える。すなわち、制御部5は、動作部220を制御して、処理ローラー72に対する第1清掃ローラー231の当接および離間を切り替える。
【0119】
これにより、処理ローラー72に対して第1清掃ローラー231を適宜離間させることが可能となる。処理ローラー72に第1清掃ローラー231が常時当接している場合と比べて、第1清掃ローラー231において清掃層231aの摩耗や変形の発生が抑制される。なお、上述したウェブWの加工は、処理ローラー72に対して第1清掃ローラー231が当接している間に行われる。
【0120】
カム部材223a,223bの各々は、回転中心となるシャフト部221に対して非対称な形状であり、図示しない突出部を有する。第1清掃ローラー231を処理ローラー72に当接させる際には、上記突出部を支持部材235の上方の端部の略反対方向に位置させて、カム部材223a,223bと支持部材235の下端とを離間させる。
【0121】
第1清掃ローラー231を処理ローラー72から離間させる際には、シャフト部221が回転して上記突出部が支持部材235の上端に接する。そのため、突出部が上記上端を略-Y方向へ付勢して、支持部材235が時計回りに一定距離回転する。これにより、支持部材235が姿勢変化して、処理ローラー72に対して第1清掃ローラー231が離間する。
【0122】
上記制御部5はセンサー部521を有する。センサー部521は、第2清掃ローラー233の表面層233aに付着した紙粉などの量を検出する。制御部5は、上記紙粉の量が所定値に達した場合、すなわち第2清掃ローラー233に紙粉が一定量移行した場合に、第1清掃ローラー231を処理ローラー72から離間させる。そして、制御部5はハンマー部244にブレード部241の清掃を実施させる。ブレード部241の清掃については後述する。
【0123】
センサー部521としては、例えば公知のRGB画像センサーなどが挙げられる。また、第2清掃ローラー233に到達し付着した紙粉の量の所定量とは、例えば表面積である。
【0124】
紙粉回収部253は、第2清掃ローラー233およびブレード部241の下方に配置される。紙粉回収部253は、上方が開放された箱状の部材であって、主に第2清掃ローラー233およびブレード部241から落下する紙粉などを回収して貯留する。紙粉回収部253に貯留される紙粉などは、紙粉回収部253をシート製造装置1から取り外して除去することが可能である。
【0125】
図7から図13を参照して、清掃部42に備わるハンマー部244の構成および動作などについて説明する。なお、清掃部41と清掃部42とは、配置こそ異なるものの基本的な構成および動作は同様である。そのため、清掃部42を代表例として述べ、清掃部41のハンマー部144などに関する説明は省略する。
【0126】
図7に示すように、清掃部42のハンマー部244は、軸部244a、アーム部244b、打撃部244c、およびバネ部244dを有する。また、図示を省略するが、ハンマー部244は、巻上げ部およびレバー部も有する。該巻上げ部は、上述した歯車群210の複数の歯車の1つである。ここで、図7は、ハンマー部244の後述する打撃動作が行われていない状態を示している。
【0127】
軸部244aは、X軸に沿って延在し、X軸に沿う回転軸を中心に回転可能にフレーム部215に支持される。軸部244aには、アーム部244bおよびバネ部244dが固定される。
【0128】
アーム部244bは、固定部材243とY軸に沿う方向に対向する。アーム部244bの上方の端部には、打撃部244cが配置される。
【0129】
固定部材243の上方の端部には、ブレード部241が上方に突出して固定される。ブレード部241の+Y方向には、衝撃受け部242が付設される。換言すれば、ブレード部241は、固定部材243と衝撃受け部242とに挟持されている。衝撃受け部242は、固定部材243に対して、打撃部244cと当接する位置に固定される。
【0130】
打撃部244cは、アーム部244bの上端にあって-Y方向を向き、衝撃受け部242と当接して配置される。ハンマー部244の打撃動作として、打撃部244cは、ハンマー部244による打撃動作の初期段階にて衝撃受け部242から一旦離間した後に、衝撃受け部242を打撃しながら当接する。これにより、打撃部244cの打撃の衝撃は、衝撃受け部242を介してブレード部241へ伝播する。上記衝撃は、ブレード部241に付着した紙片などを、ブレード部241から叩き落す作用を有する。
【0131】
衝撃受け部242によりブレード部241へ間接的に衝撃が加わるため、ブレード部241にて破損などが発生し難くなる。また、打撃部244cに対して、ブレード部241に付着した紙粉などが付き難くなり、打撃部244cへの汚染が抑制される。
【0132】
バネ部244dは、軸部244aに対して、軸部244aの回転軸に対する回転方向に付勢力を発生させるように配置される。詳しくは、バネ部244dは、例えばねじりコイルバネであり、一端が軸部244aに固定され、他端がフレーム部215に固定される。これにより、-X方向からの側面視にて、軸部244aは反時計回りに付勢されて、打撃部244cが衝撃受け部242に押し付けられる。
【0133】
図8に示すように、衝撃受け部242は、略板状の部材であってX軸に沿う方向に延在する。X軸に沿う方向において、ブレード部241、衝撃受け部242、およびアーム部244bの上端の各々の長さは略等しい。なお、図8では、打撃部244cと衝撃受け部242とが離間した状態を図示している。
【0134】
図9に示すように、レバー部244eは、軸部244aの-X方向の端部に固定される。打撃部244cは、-Y方向に突出する4箇所の突起である。4つの打撃部244cはX軸に沿って配列している。各打撃部244cは、-X方向からの側面視にて、-Y方向に円弧状に突出している。ハンマー部244の打撃動作では、上記の円弧状に突出した領域が衝撃受け部242を叩いて、ブレード部241へ衝撃が加えられる。なお、打撃部244cの形状、配置、および数は上記に限定されない。
【0135】
図10に示すように、歯車群210は歯車G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7、および歯車G14,G15,G16,G17を含む。歯車G1から歯車G7、および歯車G14から歯車G17は、各々上記の順番で互いにかみ合って配置される。歯車G1は清掃ローラー駆動モーター542の出力軸に直結される。歯車群210の各歯車は、X軸に沿う回転軸にて回転する。
【0136】
清掃ローラー駆動モーター542の回転駆動力は、歯車G1から歯車G2に伝達される。歯車G2は、歯車G1とかみ合う歯車の+X方向に、歯車G3とかみ合う図示しない歯車を含む。そのため、上記回転駆動力は、歯車G2から歯車G3に伝達され、さらに歯車G3から歯車G4、歯車G5、歯車G6、歯車G7へと順次伝達される。また、上記回転駆動力は、歯車G3から歯車G14、歯車G15、歯車G16,17へも順次伝達される。
【0137】
ハンマー部244のレバー部244eは、巻上げ部である歯車G5に対応して配置される。レバー部244eは、歯車G5の後述する凸部に当接して乗り上げることによって、軸部244aを回転軸として時計回りの方向に付勢される。
【0138】
上記第1清掃ローラー231の-X方向の端部は、歯車G16に固定される。上記第2清掃ローラー233の-X方向の端部は、歯車G17に固定される。
【0139】
-X方向からの側面視にて、清掃ローラー駆動モーター542を反時計回りに駆動させると、回転駆動力が順次伝えられ、歯車G5,G7が反時計回りに回転する。これにより、ハンマー部244の打撃動作、および動作部220による支持部材235の姿勢変化が行われる。
【0140】
図11に示すように、ハンマー部244の巻上げ部である歯車G5は、凸部G5aを有する。凸部G5aは歯車G5の-X方向に配置される。-X方向からの側面視にて、凸部G5aは、歯車G5の回転軸から歯車G5の動径方向に突出する形状を有する。ここで、以下の図11から図13の説明では、特に断りがない限り、-X方向から側面視した状態を述べることとする。
【0141】
上方からの平面視にて、凸部G5aは、歯車G5が回転するとレバー部244eの先端と交差、当接する位置にある。図11では、凸部G5aとレバー部244eとが離間している。このとき、バネ部244dの反時計回り方向への付勢により、打撃部244cが衝撃受け部242と当接している。
【0142】
次に、図12に示すように、歯車G5が反時計回りに回転すると、凸部G5aにレバー部244eの先端が当接する。この状態においても、打撃部244cは衝撃受け部242と当接している。
【0143】
次に、図13に示すように、歯車G5がさらに反時計回りに回転すると、凸部G5aにレバー部244eの先端が乗り上げる。これにより、レバー部244eは時計回りに付勢され、軸部244aに時計回り方向への回転力が作用する。つまり、歯車G5は、レバー部244eを介して、バネ部244dへ圧縮力を加える。
【0144】
軸部244aには、バネ部244dによる反時計回り方向への付勢力が働いているが、上記圧縮力は上記付勢力に勝る。そのため、軸部244aおよびアーム部244bは時計回りに回転して、打撃部244cが衝撃受け部242から離間する。
【0145】
次に、歯車G5がさらに反時計回りに回転すると、凸部G5aとレバー部244eの先端とが離間する。これにより、凸部G5aによってレバー部244eおよび軸部244aに作用していた回転力が解消され、歯車G5による上記圧縮力が開放される。そして、凸部G5aとレバー部244eとが離間した瞬間に、上記圧縮力に対するバネ部244dの反発力によって、軸部244aが反時計回りに素早く回転する。これにより、打撃部244cは、衝撃受け部242を打撃してブレード部241に衝撃を加える。以上がハンマー部244による打撃動作の原理である。
【0146】
図14から図19を参照して、清掃部42の清掃機能について説明する。清掃部41および清掃部42は、配置こそ異なるものの清掃機能は同様である。そのため、清掃部42を代表例として述べて、清掃部41の清掃機能に関する説明は省略する。なお、図14から図19の説明では、特に断りがない限り、-X方向から側面視した状態を述べることとする。
【0147】
図14に示すように、処理ローラー72の側面には、シート製造装置1の稼働によって上述したウェブWから紙粉Dが付着することがある。
【0148】
第1清掃ローラー231の清掃層231aは、処理ローラー72の側面に当接する。処理ローラー72に第1清掃ローラー231が当接している間には、処理ローラー72、第1清掃ローラー231および第2清掃ローラー233は、反時計回りに回転する。このとき、バネ部材251の付勢によって、第1清掃ローラー231の清掃層231aは処理ローラー72の側面に押し付けられている。
【0149】
次に、図15に示すように、処理ローラー72の側面に付着した紙粉Dは、処理ローラー72の回転により、処理ローラー72と清掃層231aとが当接する領域へ至る。そして、第1清掃ローラー231が回転しながら処理ローラー72と当接することによって、処理ローラー72の側面が清掃される。すなわち、処理ローラー72の側面に付着した紙粉Dは、清掃層231aに絡め取られて第1清掃ローラー231へ移行する。
【0150】
次に、図16に示すように、清掃層231aに移行した紙粉Dは、第2清掃ローラー233の表面層233aの毛材に絡め取られて、第2清掃ローラー233へ移行する。これにより、第1清掃ローラー231の清掃層231aが清掃されて、第1清掃ローラー231のクリーニング能力が維持される。
【0151】
次に、図17に示すように、第2清掃ローラー233の表面層233aに移行した紙粉Dは、第2清掃ローラー233の回転によってブレード部241にかき取られる。これにより、第2清掃ローラー233の表面層233aが清掃されて、第1清掃ローラー231に対する第2清掃ローラー233のクリーニング能力が維持される。
【0152】
ここで、図示を省略するが、上述したようにセンサー部521は、第2清掃ローラー233に付着した紙粉Dの量を検出する。制御部5は、上記紙粉Dの量が所定値に達した場合に、ハンマー部244を動作させて、上述した打撃動作によりブレード部241に衝撃を加える。ハンマー部244の打撃動作が制御部5の制御下で自動的に実施されるため、シート製造装置1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0153】
第2清掃ローラー233に紙粉Dが所定量付着した状態とは、例えば、ブレード部241に付着する紙粉Dが飽和した状態である。この状態では、ブレード部241による第2清掃ローラー233のクリーニング能力が低下して、第2清掃ローラー233による第1清掃ローラー231のクリーニング能力も低下している。そこで、ブレード部241に付着した紙粉Dを衝撃によって除去し、ブレード部241のクリーニング能力を回復させ、さらには第2清掃ローラー233のクリーニング能力をも回復させる。
【0154】
また、紙粉Dの上記所定量を低い値に設定して、ブレード部241に付着する紙粉Dが飽和する前に打撃動作を行わせてもよい。これによれば、第1清掃ローラー231のクリーニング能力を高く保持することができる。
【0155】
すなわち、図18に示すように、上記歯車G5を回転させて、軸部244aおよびアーム部244bを時計回りに一定距離だけ回転させる。これにより、打撃部244cは、衝撃受け部242から離間する。そして、さらに歯車G5を回転させて、図19に示すように、上記バネ部244dの反発力によって、瞬間的に軸部244aおよびアーム部244bを反時計回りに回転させる。そのため、打撃部244cが衝撃受け部242を打撃して、ブレード部241に衝撃が加えられる。これにより、ブレード部241に付着していた紙粉Dは、落下して図示しない紙粉回収部253に回収される。
【0156】
以上により、処理ローラー72に対する清掃部42のクリーニング能力が持続する。また、上述した通り、清掃部41の機能は清掃部42と同様である。そのため、清掃部42と同様にして、処理ローラー71に対応する清掃部41のクリーニング能力も持続する。
【0157】
図18および図19では、ハンマー部244の打撃動作は、処理ローラー72と第1清掃ローラー231とが当接した状態で行われているが、これに限定されない。上述した制御部5は、処理ローラー72に対して第1清掃ローラー231が離間している間に、ハンマー部244からブレード部241へ衝撃を加えることが好ましい。
【0158】
処理ローラー72から第1清掃ローラー231を離間させるには、動作部220を動作させる。具体的には、上述した図6の状態から、図20に示すように、動作部220によって支持部材235を姿勢変化させる。詳しくは、シャフト部221を回転させて、カム部材223aの突出部を支持部材235の下端に+Y方向から当接させる。図示を省略するが、カム部材223bはカム部材223aと連動し、カム部材223bに対応する支持部材235の下端に+Y方向から当接する。
【0159】
このとき、カム部材223a,223bの当接によって支持部材235の各下端が略-Y方向へ付勢される。この付勢力は。バネ部材251の付勢力よりも大きい。そのため、支持部材235は、回動軸237を回転中心として時計回りに一定距離だけ回転する。そして、第1清掃ローラー231が処理ローラー72から離間する。
【0160】
これによれば、ウェブWの加工が進行している際には、ハンマー部244からブレード部241へ衝撃は加えられない。そのため、ハンマー部244に加えられた衝撃や該衝撃の反力などの振動が、処理ローラー72などに伝播しなくなる。したがって、ウェブWから成形される帯状のシートP1において、厚さなどの品質の低下を防ぐことができる。
【0161】
また、清掃部41においても同様の理由から、処理ローラー71に対して第1清掃ローラー131が離間している間に、ハンマー部144からブレード部141へ衝撃が加えられることが好ましい。
【0162】
処理ローラー71から第1清掃ローラー131を離間させるには、動作部120を動作させる。具体的には、上述した図4の状態から、図21に示すように、動作部120によって支持部材135を姿勢変化させる。詳しくは、シャフト部121を回転させて、カム部材123aの突出部を支持部材135の上端に+Y方向から当接させる。なお、図示を省略するが、カム部材123bはカム部材123aと連動し、カム部材123bに対応する支持部材135の上端に+Y方向から当接する。
【0163】
このとき、カム部材123a,123bの当接によって支持部材135の各上端が略+Y方向へ付勢される。この付勢力は。バネ部材151の付勢力よりも大きい。そのため、支持部材135は、回動軸137を回転中心として時計回りに一定距離だけ回転する。そして、第1清掃ローラー131が処理ローラー71から離間する。
【0164】
本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0165】
清掃ローラー部130,230のクリーニング能力を持続させることができる。詳しくは、処理ローラー71に付着した紙粉Dなどが清掃されて、清掃ローラー部130へ移行する。清掃ローラー部130に移行した紙粉Dなどは、ブレード部141にかき取られて、ブレード部141へ移行する。ブレード部141に移行した紙粉Dなどは、ハンマー部144からの衝撃によってブレード部141から叩き落される。
【0166】
同様にして、処理ローラー72に付着した紙粉Dなどが清掃されて、清掃ローラー部230へ移行する。清掃ローラー部230に移行した紙粉Dなどは、ブレード部241にかき取られて、ブレード部241へ移行する。ブレード部241に移行した紙粉Dなどは、ハンマー部244からの衝撃によってブレード部241から叩き落される。
【0167】
そのため、清掃ローラー部130,230、およびブレード部141,241に紙粉Dなどが溜まり難くなり、清掃ローラー部130,230の清浄度が維持される。これにより、処理ローラー71,72に対応する清掃ローラー部130,230のクリーニング能力が持続する。したがって、清掃ローラー部130,230のクリーニング能力を持続させるシート製造装置1、およびクリーニング装置401,402を提供することができる。
【符号の説明】
【0168】
1…シート製造装置、5…制御部、401,402…クリーニング装置、41,42…清掃部、71,72…処理ローラー、120,220…動作部、130,230…清掃ローラー部、131,231…第1清掃ローラー、131a,231a…清掃層、133,233…第2清掃ローラー、133a,233a…表面層、141,241…ブレード部、144,244…ハンマー部、242…衝撃受け部、244c…打撃部、244d…バネ部、244e…レバー部、511,521…センサー部、D…紙粉、G5…巻上げ部としての歯車、W…ウェブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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