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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177760
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】液浸プローブ
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01N21/59 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096083
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】寺田 大亮
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059CC09
2G059EE01
2G059FF07
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059JJ13
2G059JJ17
(57)【要約】
【課題】液体試料で満たされるギャップの間隔を小さくしたとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止し得る液浸プローブを提供する。
【解決手段】反射ミラー0221と液浸ギャップ構造部分であるギャップ0222とを含むセンサー構造体0220と、センサー構造体0220に光源0250からの光を導入すると共に反射ミラー0221で反射された光を光強度測定部0260に導出するための光ファイバー0211,0212を格納した光ファイバーチューブ構造体0210と、からなり、液体試料に吸収される光の量が多いためにギャップを吸収される量が少ない通常のギャップよりも小さくする必要がある測定を行う場合に用いられる短ギャップ用のセンサー構造体0224aとして、ギャップを構成する反射ミラー0221側と光導入側の構造を支持する支持柱部0226がギャップ面0224bから離間した部位に位置するようにしたものを用い得るようにした。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射ミラーと液浸ギャップ構造部分とを含むセンサー構造体と、
センサー構造体に光源からの光を導入するとともに、センサー構造体の反射ミラーで反射された光を光強度測定部に導出するための光ファイバーを格納した光ファイバーチューブ構造体と、からなり、
光がセンサー構造体を浸漬する液体に対して吸収される量が多いために前記液浸ギャップを吸収される量が少ない通常液浸ギャップよりも小さくする必要がある測定を行う場合に用いられる短ギャップ用のセンサー構造体として、
ギャップを構成するために反射ミラー側と、光導入側の構造を支持するための支持柱部がギャップ面から離間した位置にあるように構成したものを用いることができる液浸プローブ。
【請求項2】
光ファイバーチューブ構造体に対してセンサー構造体は着脱自在に構成されている請求項1に記載の液浸プローブ。
【請求項3】
前記吸収される量が多いとは、吸光度が500分の1以上である光と液体の関係を言う請求項1に記載の液浸プローブ。
【請求項4】
前記短ギャップとは、ギャップ間隔が1ミリメートル以下0.3ミリメートル以上のギャップを言う請求項1に記載の液浸プローブ。
【請求項5】
前記短ギャップの対向面積は3.14平方ミリメートル(注:半径1ミリメートル)以上28.26平方ミリメートル(注:半径3ミリメートル)以下である請求項1に記載の液浸プローブ。
【請求項6】
前記液体と光は透過率が10%以上で80%以下の関係の液体と光である請求項1~請求項5のいずれか一に記載の液浸プローブ。
【請求項7】
請求項1に記載の液浸プローブに利用できる短ギャップ用のセンサー構造体。
【請求項8】
請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて液体の吸光度を測定する吸光度測定方法。
【請求項9】
請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて液体の透過率を測定する透過率測定方法。
【請求項10】
請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて溶液の濃度を測定する濃度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料に光を照射して、液体試料の光の吸光度や透過率を測定するのに用いられる液浸プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記したような液浸プローブとしては、例えば、特許文献1に記載された吸光度測定用プローブがある。
【0003】
図1Aの断面図及び図1Bの斜視図に示すように、特許文献1に記載された吸光度測定用プローブ0100は、平凸レンズ0101と、この平凸レンズ0101と対向配置した反射ミラー0102とを備えており、平凸レンズ0101を保持する円筒形状を成すレンズホルダ0103及び反射ミラー0102を保持するキャップ形状を成すミラーホルダ0104の各端面間において、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過するギャップ(液浸ギャップ構造部分)0105が形成されるようにしている。この場合、レンズホルダ0103及びミラーホルダ0104は支持柱部0106により互いに支持されており、ギャップ0105を構成するレンズホルダ0103及びミラーホルダ0104の各端面には、カバーガラス0107,0108がそれぞれ配置されている。なお、レンズホルダ0103及びミラーホルダ0104の各端面に配置したカバーガラス0107,0108には無色透明の石英が用いられており、吸光度や透過率等の測定に及ぼす影響は無視することができる程度となっている。
【0004】
ここで、液体試料に照射する前の光の強度(照射強度)をI、光路長l(光が液体試料を往復透過する距離l)の液体試料を透過した後の光の強度をIとした場合、吸光度Aは、次の数1 (数式1)により求められる。
【0005】
【数1】
この数式1において、Eは比吸光度、Cは溶媒である液体試料の質量対容量パーセント濃度(溶液中の溶質の質量)、εはモル吸光係数、cは液体試料のモル濃度である。なお、モル吸光係数εは、溶質が光を吸収する能力を表す値であり、波長や溶質の種類によって異なる。具体的には、ある波長の光が溶液中を進んだ際に、その光の強度がどの程度減衰するかを示す。また、比吸光度Eは、溶液を透過する透過光の強度と溶液内で散乱する散乱光の強度との比を示す量である。吸光度が溶液中に存在する溶質が光を吸収することによって生じる光の減衰を表しているのに対して、比吸光度は溶質の濃度に依存せずに純粋な溶質の光学的性質を表す。この比吸光度は、通常、波長や溶媒や温度等の条件に依存するため、これらの条件を明示する必要がある。
【0006】
この数式1において、光路長lは、吸光度測定用プローブ0100のギャップ0105を構成するレンズホルダ0103及びミラーホルダ0104の各端面間の間隔d(以下、ギャップ0105の間隔dと呼称する。)の2倍に相当する。したがって、吸光度測定用プローブ0100では、図示しない光源から導入した光を平凸レンズ0101で集光してギャップ0105内の液体を透過させると共に、反射ミラー0102で反射した光をギャップ0105内の液体及び平凸レンズ0101を介して受光して、すなわち、間隔dが光路長l/2のギャップ0105内の液体試料に対して図示しない光源から光ファイバーを介して導いた光を往復透過させて、図示しない分光装置等の光強度測定部に光ファイバーを介して導出するように成すことで、吸光度を測定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-250825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような吸光度測定用プローブ0100を用いて、光、例えば波長が3マイクロメートル以上の遠赤外線の吸収量が多い液体試料、例えば水の吸光度を測定する場合、上記数式1のI/Iが極めて小さくなるので、吸光度の検出精度が低下する。そのため、液体試料である水が浸入して留まる乃至は通過するギャップ0105の間隔dであるレンズホルダ0103側のカバーガラス0106とミラーホルダ0104側のカバーガラス0107との間隔を狭める必要がある。この吸光度の測定において、測定に必要な光路長lとして、例えば、1ミリメートルの光路長lが要求された場合には、ギャップ0105の間隔dを光路長lの半分である0.5ミリメートルにする必要がある。
【0009】
しかしながら、従来の吸光度測定用プローブ0100において、上記したように、ギャップ0105の間隔dを小さくした場合には、このギャップ0105に液体試料である水が浸入し難くなって、図1Cに示すように、ギャップ0105内に気泡が溜まってしまう。つまり、吸光度の測定に必要な光路長を確保することができなくなってしまい、その結果、精度の良い測定を行うことができないという問題があり、これを解決することが従来の課題となっている。
【0010】
本発明は、上記した従来の課題を解決するために成されたものであり、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過するギャップの間隔を小さくする場合であったとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止することができ、その結果、液体試料の測定光の吸収率や透過率を高精度で測定することが可能である液浸プローブを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここで、本発明の発明者は、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過するギャップの間隔を小さくする必要がある場合において、ギャップを構成する反射ミラーを保持する反射ミラー側及び光源からの光を導入する光導入側の互いに対向する面の面積を小さくすると、ギャップ内に気泡が溜まり難くなるという結果を得た。
これは、ギャップがその周囲の液体試料から受ける圧力に対して、ギャップを構成する対向面とギャップ内に留まろうとする気泡との表面張力(界面張力)が相対的に小さいためと考えられる。
これにより、反射ミラーとともに液浸ギャップ構造部分を含む短ギャップセンサー構造体として、ギャップを構成する反射ミラー側と光導入側との構造を支持するための支持柱部をギャップ面から離間した部位に配置する構成の構造体を採用することで、すなわち、ギャップの周囲に液体試料が留まる乃至は通過する広い領域を確保することで、ギャップの間隔を小さくする場合であったとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを防ぎ得るという知見を得た。
【0012】
すなわち、本発明における第1の発明は、反射ミラーと液浸ギャップ構造部分とを含むセンサー構造体と、センサー構造体に光源からの光を導入するとともに、センサー構造体の反射ミラーで反射された光を光強度測定部に導出するための光ファイバーを格納した光ファイバーチューブ構造体と、からなり、光がセンサー構造体を浸漬する液体に対して吸収される量が多いために前記液浸ギャップを吸収される量が少ない通常液浸ギャップよりも小さくする必要がある測定を行う場合に用いられる短ギャップ用のセンサー構造体として、ギャップを構成するために反射ミラー側と、光導入側の構造を支持するための支持柱部がギャップ面から離間した位置にあるように構成したものを用いることができるようにしている。
【0013】
また、本発明における第2の発明は、光ファイバーチューブ構造体に対してセンサー構造体は着脱自在に構成されているものとしている。
【0014】
さらに、本発明における第3の発明において、前記吸収される量が多いとは、吸光度が500分の1以上である光と液体の関係を言う構成としている。
【0015】
さらにまた、本発明における第4の発明において、前記短ギャップとは、ギャップ間隔が1ミリメートル以下0.3ミリメートル以上のギャップを言う構成としている。
【0016】
さらにまた、本発明における第5の発明において、前記短ギャップの対向面積は3.14平方ミリメートル(注:半径1ミリメートル)以上28.26平方ミリメートル(注:半径3ミリメートル)以下である構成としている。
【0017】
さらにまた、本発明における第6の発明において、前記液体と光は透過率が10%以上で80%以下の関係の液体と光である構成としている。
【0018】
さらにまた、本発明における第7の発明に係る短ギャップ用のセンサー構造体は、請求項1に記載の液浸プローブに利用できるものとしている。
【0019】
一方、本発明における第8の発明に係る吸光度測定方法は、請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて液体の吸光度を測定する構成としている。
【0020】
また、本発明における第9の発明に係る透過率測定方法は、請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて液体の透過率を測定する構成としている。
【0021】
さらに、本発明における第10の発明に係る濃度測定方法は、請求項4又は請求項5に記載の液浸プローブを用いて溶液の濃度を測定する構成としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過するギャップを小さくする場合であったとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止することができ、その結果、液体試料の吸光度や透過率を高精度で測定することが可能であるという非常に優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】従来の液浸プローブの断面図
図1B図1Aにおける液浸プローブの斜視図
図1C図1Aにおける液浸プローブのギャップに気泡が溜まっている状態の断面図
図2A】本発明に係る実施形態1の液浸プローブの断面図
図2B図2Aにおける液浸プローブの斜視図
図2C図2Aにおける液浸プローブの部分拡大断面図
図2D図2CのX-X線位置に基く断面図
図2E】液浸プローブのギャップの対向面面積を狭くするのに伴う気泡の状態変化を説明するための模式図
図2F】液浸プローブのギャップの対向面面積と液体試料の粘度との関係を示すグラフ
図2G】液浸プローブのギャップの対向面面積と液体試料の粘度との関係を示すグラフ
図2H】液浸プローブのギャップの対向面面積と液体試料の粘度との関係を示すグラフ
図2I】液浸プローブのギャップの対向面面積と液体試料の粘度との関係を示すグラフ
図2J】実施形態1の液浸プローブを用いて液体試料の吸光度を測定する状況を示す全体斜視図
図2K】実施形態1に係る液浸プローブの一変形例を示す部分斜視図
図2L】実施形態1に係る液浸プローブの他の変形例の液浸ギャップ構造体を示す部分斜視図
図2M図2Iに示した液浸ギャップ構造体の側面図
図3】本発明に係る実施形態2の液浸プローブの断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を用いて説明する。実施形態と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1,3~10に関し、実施形態2は主に請求項2に関する。
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<液浸プローブ 前提>
【0025】
本発明に係る液浸プローブは、吸光度測定用の液浸プローブである。この吸光度測定用の液浸プローブによる吸光度の測定は、光路(ギャップ)に液体試料を満たして光を透過させ、この液体試料中の光の透過率を測定することで行われる。液体試料を透過する光は、液体試料中の溶質によって吸収されるため、透過光の強度が減少する。この透過光の強度を検出することで、上記数式1に基いて吸光度が算出される。
【0026】
この際、吸光度測定用の液浸プローブにおける測定に要する光路の長さである測定光路長は、液体試料中を光が透過する距離、すなわち、ギャップの間隔の2倍の距離を指し、この測定光路長は、測定する液体試料の特性や測定に使用する光の波長によって異なる。一般的に、液浸プローブの測定光路長は数ミリメートルから数十ミリメートル程度の範囲に調整されており、一例として、測定光路長が2ミリメートル,5ミリメートル,10ミリメートルに調整された液浸プローブが市販されている。
【0027】
また、吸光度測定用の液浸プローブにおいて、光路に満たされる液体試料と触れる面であって且つ光が透過する面の面積は、数平方ミリメートルから数十平方ミリメートル程度、例えば、3.0平方ミリメートルから30.0平方ミリメートルとするのが一般的である。
【0028】
このような吸光度測定用の液浸プローブで液体試料の吸光度等を測定する際には、測定光路長や液体試料と触れる面の接触面積や光の波長のパラメーターが重要な役割を担う。そして、測定光路長や液体試料と触れる面の接触面積を決定するにあたっては、ギャップに気泡が溜まり難くするうえで、液体試料の粘度の高低を考慮する必要がある。
【0029】
吸光度測定用の液浸プローブで一般的に利用される光の波長は、紫外線領域(200~400nm)または可視光領域(400~700nm)の範囲にあり、具体的な波長は測定対象の種類等によって異なるが、一般的に280nm,365nm,405nm,525nm,630nm等が使用されるほか、近赤外線領域(700~1600nm)の光を使用する液浸プローブもある。
【0030】
一方、測定対象である液体試料としては、半導体洗浄液、酒、半導体エッチング液、滅菌液及び消毒液等が考えられ、おおよそ以下のような粘度のものである。
1.酒(例えばウイスキー)
ウイスキーの粘度は、ウイスキーの種類や濃度、温度などによって異なるが、一般的に、ウイスキーの粘度は水よりも高く、スピリッツやビールよりも低い傾向がある。
・スコッチウイスキー:約1.0~1.5cP
・アイリッシュウイスキー:約1.0~1.3cP
・バーボンウイスキー:約1.2~1.7cP
・カナディアンウイスキー:約1.0~1.4cP
2.半導体洗浄液(例えばSC-1(半導体洗浄における有機物及びパーティクル除去の第1段階(Standard Clean-1)で用いられる洗浄液))
SC-1は、主にNHOHとHで構成されており、その粘度は一般的に非常に低く、通常は水と同等乃至はそれ以下の粘度を有している。ここで、水の粘度は温度や圧力等の条件によって異なるが、一般的には以下のような値となる。
・20℃の場合:1.002cP
・25℃の場合:0.890cP
・30℃の場合:0.798cP
3.半導体エッチング液
=酸性エッチング液=
・HF(フッ化水素酸):0.35cP(25℃)
・HNO(硝酸):1.2cP(25℃)
・HSO(硫酸):1.4cP(25℃)
4.消毒液及び滅菌液
消毒液及び滅菌液の粘度は、種類や温度、濃度によって異なるが、一般的には以下のような範囲になる。
・エタノール(アルコール):1.2cP
・次亜塩素酸水:1.0cP
ここで、cPとは、センチポアズと呼称される粘度の単位であり、1cPは1P(ポアズ)の1/100であり、SI単位で表すと、1cP= 0.01Pa・sである。
<実施形態1>
本実施形態は、主に請求項1,3~10に関する。
<実施形態1 液浸プローブ 概要>
【0031】
本実施形態に係る液浸プローブにおいて、反射ミラーとともにセンサー構造体に含まれるギャップ(液浸ギャップ構造部分)の間隔を通常のギャップの間隔よりも小さくする必要がある測定に用いられる短ギャップ用のセンサー構造体を、ギャップの構造を支持するための支持柱部がギャップ面から離間した部位に位置するように構成している。
ここで、「通常のギャップ」とは、上記した市販されている2ミリメートル,5ミリメートル,10ミリメートルに調整された測定光路長のことを指し、ギャップの間隔を「通常のギャップの間隔よりも小さくする必要がある測定」とは、例えば、溶質を含む水の吸光度の測定である。
【0032】
このような液浸プローブでは、液体試料が浸入して留まる乃至は通過するギャップを小さくする場合であったとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止し得ることとなる。
<実施形態1 液浸プローブ 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0033】
図2Aの断面図及び図2Bの斜視図に示すように、本実施形態の液浸プローブ0200は、光ファイバーチューブ構造体0210と、センサー構造体0220と、を備えている。
<実施形態1 光ファイバーチューブ構造体 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0034】
光ファイバーチューブ構造体0210は、2本の光ファイバー0211,0212と、平凸レンズ0213と、ファイバーホルダ0215を具備しており、ファイバーホルダ0215は円筒形状を成している。
<実施形態1 光ファイバーチューブ構造体 光ファイバー 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0035】
2本の光ファイバー0211,0212のうちの一方の光ファイバー0211は、光源0250に接続されてこの光源0250からの光を導いてセンサー構造体0220側に向けて照射する照射用光ファイバーとしてあり、他方の光ファイバー0212は、センサー構造体0220の後述する反射ミラー0221で反射して戻る反射光を受光して分光装置等の計測器0260に導出させる受光用光ファイバー0212としてある。これらの照射用光ファイバー0211及び受光用光ファイバー0212は、各々の先端部がファイバーホルダ0215の中心孔0215aの所定部位に位置するようにして固定されている。
<実施形態1 光ファイバーチューブ構造体 平凸レンズ 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0036】
平凸レンズ0213は、照射用光ファイバー0211及び受光用光ファイバー0212の各先端面に対向するようにして、ファイバーホルダ0215のセンサー構造体0220側の端部に固定されている。
<実施形態1 センサー構造体 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0037】
一方、本実施形態の液浸プローブ0200に利用されるセンサー構造体0220は、反射ミラー0221と、液浸ギャップ構造部分0222と、センサホルダ0225を具備しており、センサホルダ0225は、ファイバーホルダ0215と同径で且つ有底の円筒形状を成している。
<実施形態1 センサー構造体 反射ミラー 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0038】
反射ミラー0221は、センサホルダ0225の中心孔0225aの底部0225bに固定されている。
この場合、ファイバーホルダ0215のセンサー構造体0220側の端部0215cは断面凸状に形成され、センサホルダ0225の光ファイバーチューブ構造体0210側の端部0225cは断面凹状に形成されており、センサー構造体0220は、光ファイバーチューブ構造体0210に対して、ファイバーホルダ0215及びセンサホルダ0225の互いに対向する端部0215c,0225cを印籠継手の要領で嵌合することで固定されている。
<実施形態1 センサー構造体 液浸ギャップ構造部分 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0039】
液浸ギャップ構造部分0222は、カバーガラス0224,0224と、液浸ギャップ構造体0224a,0224aと、支持柱部0226,0226を有している。
<実施形態1 センサー構造体 液浸ギャップ構造部分 支持柱部 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0040】
支持柱部0226,0226は、センサホルダ0225の光ファイバーチューブ構造体0210側の端部0225cと、反射ミラー0221が固定されている底部0225bとの間において、互いに対向するようにして円周方向の2箇所に配置されており、このようにして支持柱部0226,0226を配置することにより、センサホルダ0225の端部0225cと底部0225bとの間に空間Sが形成されるようにしている。
<実施形態1 センサー構造体 液浸ギャップ構造部分 カバーガラス 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0041】
カバーガラス0224,0224は、センサホルダ0225の中心孔0225aにおける空間Sに面する両開口部分に嵌合配置されている。
<実施形態1 センサー構造体 液浸ギャップ構造部分 液浸ギャップ構造体 構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0042】
液浸ギャップ構造体0224a,0224aは、互いに同径の円柱形状を成しており、カバーガラス0224,0224の各中心において、いずれも空間S内に突出するようにして一体で設けられている。そして、空間S内で対向する液浸ギャップ構造体0224a,0224aの各端面0224b,0224b間において、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過する短い間隔のギャップ(短ギャップ;液浸ギャップ構造部分)0222が形成されるようにしている。
なお、液浸ギャップ構造体0224aが一体で設けられているカバーガラス0224には無色透明の石英を用いており、カバーガラス0224及び液浸ギャップ構造体0224aの液体試料との接触面を研磨面とすることで、吸光度等の測定に及ぼす影響を無視することができる程度に抑えるようにしている。
【0043】
つまり、上記間隔の短い短ギャップ0222を有する液浸プローブ0200において、短ギャップ0222を含む短ギャップ用のセンサー構造体0220を以下のように構成している。すなわち、空間S内で互いに対向して短ギャップ0222を構成する液浸ギャップ構造体0224a,0224aの各端面0224b,0224bに対して、支持柱部0226,0226が離間した部位であるファイバーホルダ0215及びセンサホルダ0225の各周縁部間に位置するように短ギャップ用のセンサー構造体0220を構成している。
<実施形態1 短ギャップ及び支持柱部の位置関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0044】
本実施形態において、液浸ギャップ構造体0224a,0224aの各端面0224b,0224b間に形成される液浸ギャップ構造部分である短ギャップ0222としては、図2Cの拡大断面図に示すように、例えば、センサー構造体0220のセンサホルダ0225に形成されている空間Sの液浸ギャップ軸心方向(図示上下方向)の間隔Dを短ギャップ0222の間隔dの10~15倍とすることが一例として考えられる。これは、空間Sの液浸ギャップ軸心方向の間隔Dが短ギャップ0222の間隔dの10倍よりも小さいと、短ギャップ0222に発生した気泡が抜けにくくなり、逆に、空間Sの液浸ギャップ軸心方向の間隔Dが短ギャップ0222の間隔dの15倍よりも大きいと、液浸ギャップ構造体0224a,0224aからの光の抜けが大きくなったり、液浸ギャップ構造体0224a,0224aによる光の吸収が大きくなったりすることにより、受光光量が小さくなってしまうからである。
【0045】
また、図2Dの断面図(図2CにおけるX-X線位置に基く断面図)に示すように、例えば、光ファイバーチューブ構造体0210のファイバーホルダ0215(センサー構造体0220のセンサホルダ0225)の半径Rを液浸ギャップ構造体0224aにおける端面0224bの半径rの3~5倍とすることが一例として考えられる。何故なら、ファイバーホルダ0215の半径Rが液浸ギャップ構造体0224aにおける端面0224bの半径rの3倍より小さいと、液浸ギャップ構造体0224a,0224aの各端面0224b,0224b間に発生した気泡が抜けにくくなり、液浸ギャップ構造体0224a周りの流路が制限されて、液浸ギャップ構造体0224aに負担がかかってしまう。一方、ファイバーホルダ0215の半径Rが液浸ギャップ構造体0224aにおける端面0224bの半径rの5倍より大きいと、ファイバーホルダ0215径が大きくなり、取り付け箇所が限定される問題があるからである。
<実施形態1 短ギャップと液体試料の粘度との関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0046】
ここで、液体試料に浸けた短ギャップ内の気泡の状況について考察すると、図2Eに示すように、図示左側の液浸プローブ0200の径M(対向面積)を小さくして、図示右側の径mの液浸プローブ0200にしたとすると、短ギャップ0222内が液体試料Lで満たされるようになって、気泡が最終的に消滅すると考えられる。つまり、液体試料の測定において、ギャップ0222内に気泡が溜まらないようにするには、液浸ギャップ構造体の端面の面積を小さくすることが効果的であることが判る。
【0047】
そこで、本実施形態における液浸プローブにおいて、波長が1500nmの近赤外線を使用して液体試料の吸光度を測定するにあたって、間隔が0.3~1.0ミリメートルのギャップを近赤外線が所定の反射強度で往復し得ることを前提として、短ギャップに気泡が溜まらない場合の液体試料の粘度と、液浸ギャップ構造体における端面の面積(対向面積)との関係を発明者の経験則に基づいて調べた。
<実施形態1 短ギャップの間隔が0.3ミリメートルの場合の液体試料の粘度とギャップ対向面積との関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0048】
図2Fのグラフに示すように、短ギャップの間隔を0.3ミリメートルとした場合において、液体試料の粘度(cP)Xが0.0<X≦0.5の範囲のとき、次の式Aを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式A Y≦-(22.0/0.5)・X+30.0
また、液体試料の粘度(cP)Xが0.5<X≦1.0の範囲のとき、次の式Bを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式B Y≦-(5.0/0.5)・X+8.0
さらに、液体試料の粘度(cP)Xが1.0<X≦1.5の範囲のとき、次の式Cを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式C Y≦-(1.0/0.5)・X+3.0
<実施形態1 短ギャップの間隔が0.5ミリメートルの場合の液体試料の粘度とギャップ対向面積との関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0049】
図2Gのグラフに示すように、短ギャップの間隔を0.5ミリメートルとした場合において、液体試料の粘度(cP)Xが0.0<X≦0.5の範囲のとき、次の式Dを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式D Y≦-(21.0/0.5)・X+30.0
また、液体試料の粘度(cP)Xが0.5<X≦1.0の範囲のとき、次の式Eを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式E Y≦-(5.0/0.5)・X+9.0
さらに、液体試料の粘度(cP)Xが1.0<X≦1.5の範囲のとき、次の式Fを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式F Y≦-(1.0/0.5)・X+4.0
<実施形態1 短ギャップの間隔が0.7ミリメートルの場合の液体試料の粘度とギャップ対向面積との関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0050】
図2Hのグラフに示すように、短ギャップの間隔を0.7ミリメートルとした場合において、液体試料の粘度(cP)Xが0.0<X≦0.5の範囲のとき、次の式Gを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式G Y≦-(20.0/0.5)・X+30.0
また、液体試料の粘度(cP)Xが0.5<X≦1.0の範囲のとき、次の式Hを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式H Y≦-(5.0/0.5)・X+10.0
さらに、液体試料の粘度(cP)Xが1.0<X≦1.5の範囲のとき、次の式Iを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式I Y≦-(1.0/0.5)・X+5.0
<実施形態1 短ギャップの間隔が1.0ミリメートルの場合の液体試料の粘度とギャップ対向面積との関係 主に請求項1,3~10に対応>
【0051】
図2Iのグラフに示すように、短ギャップの間隔を1.0ミリメートルとした場合において、液体試料の粘度(cP)Xが0.0<X≦0.5の範囲のとき、次の式Jを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式J Y≦-(18.0/0.5)・X+30.0
また、液体試料の粘度(cP)Xが0.5<X≦1.0の範囲のとき、次の式Kを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式K Y≦-(6.0/0.5)・X+12.0
さらに、液体試料の粘度(cP)Xが1.0<X≦1.5の範囲のとき、次の式Lを満たす対向面積とすることで、短ギャップに気泡が溜まらないことが判った。
式L Y≦-(1.0/0.5)・X+6.0
【0052】
したがって、本実施形態における液浸プローブにおいて、波長が1500nmの近赤外線を使用して液体試料の吸光度を測定するにあたっては、間隔が0.3~1.0ミリメートルのギャップを近赤外線が所定の反射強度で往復し得ることを前提とした場合に、短ギャップを構成する液浸ギャップ構造体の互いに対向する端面の面積が3.14平方ミリメートル(注:半径1ミリメートル)以上28.26平方ミリメートル(注:半径3ミリメートル)以下であるようにすることが好適であると考えられる。
このような構成とした短ギャップを有する本実施形態に係る液浸プローブは、例えば、吸光度が500分の1以上である液体試料の測定や、液体と光の関係が、透過率が10%以上で80%以下の関係である場合の透過率の測定に用いることができる。
<実施形態1 吸光度の測定 主に請求項1,3~10に対応>
【0053】
このような構成を成す液浸プローブを用いて、例えば、吸光度の測定を行う場合には、図2Jの斜視図に示すように、ビーカー0270内に収容した液体試料Lに対して、液浸プローブ0200の短ギャップ0222が浸かるようにして液浸プローブ0200を図示しないスタンド等を用いてセットする。
【0054】
そして、この状態で照射用光ファイバーを介して光源0250から導入した光を光ファイバーチューブ構造体の平凸レンズで集光して短ギャップ0222内に満たされている液体を透過させると共に、センサー構造体の反射ミラーで反射した光を短ギャップ0222内の液体試料及び平凸レンズを介して受光して、分光装置等の光強度測定部0260に導出し、上記数式1に基づいて吸光度を算出するようになっている。
<実施形態1 透過率及び濃度の測定 主に請求項1,3~10に対応>
【0055】
ここで、吸光度は、液体試料が光を吸収する度合いを表しているのに対して、透過率は、光が液体試料を通過する割合を表している。液体試料が光を全く吸収しない場合(吸光度が0の場合)には透過率が1.0になるので、透過率は、上記数式1に基づいて吸光度を指数関数にしたものを1.0から引くことで求めることができる。
また、液体試料の濃度は、数式1のA=εclから判るように、上記で求めた吸光度と、モル吸光係数εと、液体試料のモル濃度cとに基づいて求めることができる。
<実施形態1 液浸プローブ 他の構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0056】
次に、本実施形態に係る液浸プローブの他の構成(変形例)について説明する。図2Kの拡大斜視図に示すように、この変形例に係る液浸プローブ0200Aでは、光ファイバーチューブ構造体0210Aのファイバーホルダ0215A及びセンサー構造体0220Aのセンサホルダ0225Aの各々の径を細くして、両ホルダ0215A,0225Aが液浸ギャップ構造部分を構成する液浸ギャップ構造体として機能するようにしている。すなわち、ファイバーホルダ0215A及びセンサホルダ0225Aの各端面0215Ab,0225Abの間隔であるギャップ0222Aの間隔を0.3~1.0ミリメートルとしたうえで、両ホルダ0215A,0225Aの互いに対向する端面0215Ab,0225Abの面積が3.14平方ミリメートル(注:半径1ミリメートル)以上28.26平方ミリメートル(注:半径3ミリメートル)以下であるようにしている。
そして、ギャップ0222Aの構造を支持するための支持柱部0226Aがギャップ0222Aを構成する両ホルダ0215A,0225Aの端面0215Ab,0225Abから離間した部位に位置するように構成している、すなわち、ギャップ0222Aの周囲に液体試料が留まる乃至は通過するための広い領域を確保するように構成している。
このように、本実施形態の他の構成(変形例)に係る液浸プローブ0200Aでも、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止することができる。
<実施形態1 液浸プローブ さらに他の構成 主に請求項1,3~10に対応>
【0057】
続いて、本実施形態に係る液浸プローブのさらに他の構成(他の変形例)について説明する。図2Lの斜視図及び図2Mの側面図は、この変形例に係る液浸プローブのカバーガラス0224B,0224B及びこれらのカバーガラス0224B,0224Bに一体で設けられている液浸ギャップ構造体0224Ba,0224Baを示している。この変形例に係る液浸プローブの液浸ギャップ構造体0224Ba,0224Baは、いずれも同径の円柱形状を成しており、液体試料が浸入して留まる乃至は通過する短い間隔のギャップ(短ギャップ;液浸ギャップ構造部分)0222Bを形成する液浸ギャップ構造体0224Ba,0224Baの各端面0224Bb,0224Bbが液浸プローブの軸心Cに対して互いに傾斜するように構成されている。
このような、短ギャップ0222Bを形成する液浸ギャップ構造体0224Ba,0224Baの各端面0224Bb,0224Bbを液浸プローブの軸心Cに対して互いに傾斜させている本実施形態の他の構成(変形例)に係る液浸プローブでは、短ギャップ0222B内から気泡がより一層出やすくなる。
<実施形態1 液浸プローブ 主に請求項1,3~10に対応 効果>
【0058】
本実施形態に係る液浸プローブでは、試料である液体が浸入して留まる乃至は通過するギャップを小さくする場合であったとしても、ギャップ内に気泡が溜まるのを阻止することができるので、液体試料の測定光の透過率や吸収率を高精度で測定することが可能であるという効果を奏する。
<実施形態2>
【0059】
本実施形態は、主に請求項2に関する。
<実施形態2 液浸プローブ 概要>
【0060】
本実施形態に係る液浸プローブは、実施形態1を基本とし、液浸ギャップ構造部分である短い間隔のギャップを有するセンサー構造体が光ファイバーチューブ構造体に対して着脱自在に構成されていることを特徴としている。
【0061】
このような液浸プローブでは、ギャップの間隔が互いに異なるセンサー構造体を複数揃えておくことで、液体試料の吸光度や透過率等の測定に際して、適切な間隔のギャップのセンサー構造体を選択して利用することができる。
<実施形態2 液浸プローブ 構成 主に請求項2に対応>
【0062】
図3に示すように、本実施形態の液浸プローブ0300が、実施形態1の液浸プローブと比べて特徴とするところは、ファイバーホルダ0315におけるセンサー構造体0320側の断面凸状に形成された端部0315cの外周面には雄ねじ0315dが形成され、一方、センサホルダ0325における光ファイバーチューブ構造体0310側の断面凹状に形成された端部0325cの内周面には雌ねじ0325dが形成されている点にある。つまり、ファイバーホルダ0315の雄ねじ0315d及びセンサホルダ0325の雌ねじ0325dを互いに螺合離脱させることで、光ファイバーチューブ構造体0310に対してセンサー構造体0320を着脱自在としたことを特徴としている。
<実施形態1 液浸プローブ 主に請求項1,3~10に対応 効果>
【0063】
本実施形態に係る液浸プローブでは、ギャップの間隔が互いに異なるセンサー構造体を複数揃えておき、液体試料の吸光度や透過率等の測定を行う場合において、液体試料の種類に応じて複数のセンサー構造体の中からその液体試料にとって適切な間隔のギャップのセンサー構造体を光ファイバーチューブ構造体に装着して利用することが可能であるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0064】
0200 液浸プローブ
0210 光ファイバーチューブ構造体
0211 照射用光ファイバー
0212 受光用光ファイバー
0220 センサー構造体
0221 反射ミラー
0222 ギャップ(液浸ギャップ構造部分)
0224a 短ギャップ用のセンサー構造体
0224b ギャップ面
0226 支持柱部
0250 光源
0260 光強度測定部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3