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特開2024-177764車両サービス管理装置、車両サービス管理方法および車両サービス管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177764
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】車両サービス管理装置、車両サービス管理方法および車両サービス管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241217BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/10
H02J7/00 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096092
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】北川 和樹
(72)【発明者】
【氏名】辻 雄爾
(72)【発明者】
【氏名】芦邉 健太郎
【テーマコード(参考)】
5G503
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB05
5G503DA02
5G503DA13
5G503EA05
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させる。
【解決手段】車両に搭載される車両サービス管理装置であって、前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両サービス管理装置であって、
前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、
前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、
前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部とを備える、車両サービス管理装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記退避判断処理において、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量が前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に所定のマージン値を加算した値以下である場合、前記退避について肯定的な判断を行う、請求項1に記載の車両サービス管理装置。
【請求項3】
前記車両には、複数の車載装置が搭載され、
前記車両サービス管理装置は、さらに、
前記判断部によって前記退避判断処理において前記退避について肯定的な判断が行われた場合、前記複数の車載装置のうち、実行中の前記対象サービスに対応する前記車載装置であるサービス対応装置を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記サービス対応装置の動作を停止させる停止処理を行う停止処理部とを備える、請求項1または請求項2に記載の車両サービス管理装置。
【請求項4】
前記停止処理部は、さらに、前記対象サービスと、複数の前記サービス対応装置の動作を停止させる順序との対応関係を示す順序情報を取得し、
前記停止処理部は、取得した前記順序情報に基づいて、実行中の前記対象サービスに対応する前記順序である対応順序に従って前記停止処理を行う、請求項3に記載の車両サービス管理装置。
【請求項5】
前記車両サービス管理装置は、さらに、
各前記サービス対応装置の消費電力を計測する電力計測部と、
前記各サービス対応装置が動作を停止するために要する停止時間を計測する停止時間計測部と、
前記電力計測部によって計測された前記消費電力、および前記停止時間計測部によって計測された前記停止時間に基づいて、前記順序情報における前記対応順序を更新する順序情報更新部とを備える、請求項4に記載の車両サービス管理装置。
【請求項6】
前記退避容量取得部は、さらに、前記対象サービスと前記退避容量との対応関係を示す容量情報を取得し、
前記退避容量取得部は、取得した前記容量情報に基づいて、実行中の前記対象サービスに対応する前記退避容量を取得する、請求項1または請求項2に記載の車両サービス管理装置。
【請求項7】
前記車両サービス管理装置は、さらに、
前記監視部によって監視された前記バッテリ容量に基づいて、前記容量情報における、前記監視部が前記バッテリ容量を監視する際に実行中であった前記対象サービスに対応する前記退避容量を更新する容量情報更新部を備える、請求項6に記載の車両サービス管理装置。
【請求項8】
車両に搭載される車両サービス管理装置における車両サービス管理方法であって、
前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視するステップと、
前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得するステップと、
監視した前記バッテリ容量、および取得した前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行うステップとを含む、車両サービス管理方法。
【請求項9】
車両に搭載される車両サービス管理装置において用いられる車両サービス管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、
前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、
前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部、
として機能させるための、車両サービス管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両サービス管理装置、車両サービス管理方法および車両サービス管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において故障が発生した場合、車載装置への電力供給を停止する技術が開発されている。たとえば、特許文献1(特開2019-055667号公報)には、以下のような車載電子制御装置が開示されている。すなわち、車載電子制御装置は、車載バッテリから主電源開閉素子と前段定電圧回路及び後段定電圧回路を介して制御電圧が給電される演算制御部に対し、車載バッテリから第1逆流阻止ダイオード又は第2逆流阻止ダイオードを経て充電される停電補助コンデンサと退避電源開閉素子を介して得られる退避電源電圧を電源として、退避定電圧回路を介して制御電圧が給電され、電源線に地絡異常が発生しても後段定電圧回路内の出力トランジスタによって逆流阻止されて、停電補助コンデンサの逆流放電が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-055667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、車両の停車中または駐車中において周辺監視等のサービスが提供される場合がある。この場合、当該サービスに対応する車載装置は、たとえば、車両のバッテリにより供給される電力を用いて動作する。
【0005】
ここで、車両の停車中または駐車中においてサービスを実行中に、バッテリからの電力供給が停止した場合、実行中のサービスが正常に終了せず、当該サービスに対応する車載装置においてハングアップまたは故障等の不具合が発生する可能性がある。実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることが可能な技術が望まれる。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることが可能な車両サービス管理装置、車両サービス管理方法および車両サービス管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の車両サービス管理装置は、車両に搭載される車両サービス管理装置であって、前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部とを備える。
【0008】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える車両サービス管理装置として実現され得るだけでなく、車両サービス管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、車両サービス管理装置を含むシステムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る車載システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る車両サービス装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が保存する対応テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が保存する統計テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装による更新後の統計テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置による更新後の対応テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が退避判断処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図8図8は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が退避判断処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図9図9は、本開示の実施の形態に係る車載システムにおける車両サービス管理装置および車載装置の処理のシーケンスの一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車載システムの構成の一例を示す図である。
図11図11は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置の構成の一例を示す図である。
図12図12は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置による更新後の対応テーブルの一例を示す図である。
図13図13は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置による更新後の統計テーブルの一例を示す図である。
図14図14は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置による更新後の統計テーブルの他の例を示す図である。
図15図15は、本開示の実施の形態の変形例2に係る車両サービス管理装置が保存する対応テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置は、車両に搭載される車両サービス管理装置であって、前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部とを備える。
【0012】
このような構成により、車両の停車中または駐車中においてサービスを実行中に、バッテリの残容量および当該サービスの退避に要するバッテリの容量からサービスの退避に関する判断を行うことができるため、実行中のサービスが意図しないタイミングで停止することを抑制することができる。したがって、車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることができる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記判断部は、前記退避判断処理において、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量が前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に所定のマージン値を加算した値以下である場合、前記退避について肯定的な判断を行ってもよい。
【0014】
このような構成により、たとえば、バッテリの残容量に余裕がある状態において、実行中のサービスを退避させると判断することができるため、当該サービスの退避が途中で失敗する可能性を低減することができる。
【0015】
(3)上記(1)または(2)において、前記車両には、複数の車載装置が搭載されてもよく、前記車両サービス管理装置は、さらに、前記判断部によって前記退避判断処理において前記退避について肯定的な判断が行われた場合、前記複数の車載装置のうち、実行中の前記対象サービスに対応する前記車載装置であるサービス対応装置を特定する特定部と、前記特定部によって特定された前記サービス対応装置の動作を停止させる停止処理を行う停止処理部とを備えてもよい。
【0016】
このような構成により、退避対象のサービスに対応する車載装置の動作を停止することができるため、当該サービスの退避をより確実に行うことができる。
【0017】
(4)上記(3)において、前記停止処理部は、さらに、前記対象サービスと、複数の前記サービス対応装置の動作を停止させる順序との対応関係を示す順序情報を取得してもよく、前記停止処理部は、取得した前記順序情報に基づいて、実行中の前記対象サービスに対応する前記順序である前記対応順序に従って前記停止処理を行ってもよい。
【0018】
このような構成により、複数のサービス対応装置に対して停止処理を行う場合、順序情報を用いて、当該複数のサービス対応装置の動作を停止する順序を容易に決定することができる。
【0019】
(5)上記(4)において、前記車両サービス管理装置は、さらに、各前記サービス対応装置の消費電力を計測する電力計測部と、前記各サービス対応装置が動作を停止するために要する停止時間を計測する停止時間計測部と、前記電力計測部によって計測された前記消費電力、および前記停止時間計測部によって計測された前記停止時間に基づいて、前記順序情報における前記対応順序を更新する順序情報更新部とを備えてもよい。
【0020】
このような構成により、複数のサービス対応装置に対して停止処理を行う場合、各サービス対応装置の消費電力の実測値および停止時間の実測値に応じた、適切な順序に従って複数のサービス対応装置の動作を停止することができる。
【0021】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記退避容量取得部は、さらに、前記対象サービスと前記退避容量との対応関係を示す容量情報を取得してもよく、前記退避容量取得部は、取得した前記容量情報に基づいて、実行中の前記対象サービスに対応する前記退避容量を取得してもよい。
【0022】
このような構成により、容量情報を用いて、退避判断処理において用いる退避容量を容易に取得することができる。
【0023】
(7)上記(6)において、前記車両サービス管理装置は、さらに、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量に基づいて、前記容量情報における、前記監視部が前記バッテリ容量を監視する際に実行中であった前記対象サービスに対応する前記退避容量を更新する容量情報更新部を備えてもよい。
【0024】
たとえば、対象サービスの退避に必要なバッテリの容量は、バッテリの劣化等の影響によって変化する可能性がある。上記のように、対象サービスを実行中におけるバッテリの残容量の監視結果に応じて、容量情報における当該対象サービスに対応する退避容量を更新する構成により、バッテリの状態に応じた適切な退避容量を用いて退避判断処理を行うことができるため、対象サービスの退避に関する判断をより正確に行うことができる。
【0025】
(8)本開示の実施の形態に係る車両サービス管理方法は、車両に搭載される車両サービス管理装置における車両サービス管理方法であって、前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視するステップと、前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得するステップと、監視した前記バッテリ容量、および取得した前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行うステップとを含む。
【0026】
このような構成により、車両の停車中または駐車中においてサービスを実行中に、バッテリの残容量および当該サービスの退避に要するバッテリの容量からサービスの退避に関する判断を行うことができるため、実行中のサービスが意図しないタイミングで停止することを抑制することができる。したがって、車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることができる。
【0027】
(9)本開示の実施の形態に係る車両サービス管理プログラムは、車両に搭載される車両サービス管理装置において用いられる車両サービス管理プログラムであって、コンピュータを、前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視する監視部と、前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得する退避容量取得部と、前記監視部によって監視された前記バッテリ容量、および前記退避容量取得部によって取得された前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う判断部、として機能させるためのプログラムである。
【0028】
このような構成により、車両の停車中または駐車中においてサービスを実行中に、バッテリの残容量および当該サービスの退避に要するバッテリの容量からサービスの退避に関する判断を行うことができるため、実行中のサービスが意図しないタイミングで停止することを抑制することができる。したがって、車両の停車中または駐車中において実行中のサービスを適切なタイミングで退避させることができる。
【0029】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0030】
[車載システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る車載システムの構成の一例を示す図である。図1を参照して、車載システム301は、車両サービス管理装置101と、1または複数の車載装置202と、電源部51と、リレー71とを備える。図1では、一例として、車載システム301が複数の車載装置202を備える場合を示している。車載システム301は、車両1に搭載される。
【0031】
車載装置202は、たとえば車載ECU(Electronic Control Unit)である。具体的には、車載装置202は、TCU(Telematics Communication Unit)、エンジンECU、ボディ制御ECU、自動運転ECU、顔認証用ECU、およびドアロック用ECU等である。なお、車載装置202は、車載ECUに限らず、OTA(Over The Air)マスタ、センサ、ナビゲーション装置、ヒューマンマシンインターフェース、およびカメラ等であってもよい。
【0032】
車両サービス管理装置101および複数の車載装置202は、車載ネットワーク401を構成する。複数の車載装置202は、たとえば、CAN(Controller Area Network)の規格に従うCANバス2を介して車両サービス管理装置101と接続されている。
【0033】
車載装置202である車載装置202A,202Bは、CANバス2であるCANバス2Aを介して車両サービス管理装置101と接続されている。車載装置202である車載装置202C,202Dは、CANバス2であるCANバス2Bを介して車両サービス管理装置101と接続されている。
【0034】
たとえば、車両サービス管理装置101および各車載装置202は、車両1が行う自動運転を補助するための情報、およびエンターテイメントに用いる情報等の各種情報と、データの種別等を示すCAN-ID(Identifer)とを含むCANフレームを、他の車載装置202または車両サービス管理装置101へ送信する。
【0035】
車両サービス管理装置101および各車載装置202は、互いに通信を行うことにより、車両1において各種のサービス、すなわちアプリケーションを提供する。
【0036】
車両1では、車両1のヘッドライトの点灯タイミングを制御する点灯制御サービス、車両1の周辺を監視する周辺監視サービス、および車載ネットワーク401において用いられる各種ソフトウェアをOTA(Over The Air)により更新するソフトウェア更新サービス等が実行される。点灯制御サービスは、たとえば車両1が走行中である状態において実行される。周辺監視サービスおよびソフトウェア更新サービスは、たとえば車両1が駐車中である対象状態において実行される。
【0037】
(ウェイクアップモードおよびスリープモード)
車載装置202は、ウェイクアップモードからスリープモードへ遷移し、また、スリープモードからウェイクアップモードへ遷移する。車載装置202は、ウェイクアップモードにおいて、車載システム301における他の装置と通信を行い、スリープモードにおいて、車載システム301における他の装置との通信を停止する。ここで、スリープモードとは、車載装置202の一部の機能の停止、または車載装置202におけるクロック周波数の低下等により、ウェイクアップモードよりも消費電力が小さい状態である。たとえば、車載装置202は、自己の動作モードがスリープモードである場合、CANフレームを受信することは可能である。
【0038】
たとえば、車載装置202において、当該車載装置202をスリープモードへ遷移するための条件であるスリープ条件と、当該車載装置202をウェイクアップモードへ遷移するための条件であるウェイクアップ条件とが予め設定されている。
【0039】
スリープ条件は、車両1が駐車すること、車両1が停車すること、および車両1がイグニッションオフになること等である。また、ウェイクアップ条件は、車両1が走行を開始すること、および車両1がイグニッションオンになること等である。
【0040】
車載装置202は、ウェイクアップモードにおいて、たとえば、AUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture)(登録商標)に従うNM(Network Management)メッセージが格納されたCANフレーム(以下、「NMフレーム」とも称する。)を車載システム301における各装置へ送信する。具体的には、各車載装置202は、たとえば、ウェイクアップモードにおいて、死活監視のために、NMフレームを各装置へブロードキャストする。
【0041】
一方、車載装置202は、自己の動作モードがウェイクアップモードからスリープモードへ遷移した場合、NMフレームの送信を停止する。
【0042】
(電源部)
電源部51は、車両1において電力を供給する。電源部51は、電源線4を介して車両サービス管理装置101と接続されている。電源部51は、電源線4を介して車両サービス管理装置101に電力を供給する。
【0043】
電源部51は、電源線5を介して各車載装置202と接続されている。電源部51は、電源線5を介して各車載装置202に電力を供給する。
【0044】
より詳細には、電源部51は、たとえば、電源線5である電源線5Aを介して、CANバス2Aに接続された各車載装置202と接続されている。CANバス2Aに接続された各車載装置202は、電源部51により供給される電力を用いて動作する。
【0045】
また、電源部51は、たとえば、電源線5である電源線5Bを介して、CANバス2Bに接続された各車載装置202と接続されている。CANバス2Bに接続された各車載装置202は、電源部51により供給される電力を用いて動作する。
【0046】
電源部51は、たとえば、メインバッテリ61と、サブバッテリ62とを含む。車載システム301において、各装置への電力供給源は、車両1の状態等に応じて、メインバッテリ61またはサブバッテリ62に切り替えられる。
【0047】
より詳細には、たとえば、メインバッテリ61は、車両1の走行中において車載システム301における各装置に電力を供給する。また、たとえば、メインバッテリ61は、車両1の駐車中において、サブバッテリ62の容量(以下、「サブバッテリ容量」とも称する。)が所定の閾値Th1未満である場合、当該各装置に電力を供給する。サブバッテリ62は、車両1の駐車中において、サブバッテリ容量が閾値Th1以上である場合、当該各装置に電力を供給する。
【0048】
具体的には、たとえば、リレー71は、車載システム301における各装置への電力供給源をメインバッテリ61またはサブバッテリ62に切り替えるための機器である。車載システム301は、たとえば、リレーであるリレー71A,71Bを備える。
【0049】
リレー71Aは、メインバッテリ61と各車載装置202との間に接続されている。リレー71Bは、サブバッテリ62と各車載装置202との間に接続されている。
【0050】
リレー71A,71Bは、車載システム301における図示しないリレー制御装置による制御に従い、オン状態およびオフ状態を切り替える。
【0051】
たとえば、車両1のイグニッション電源がオンされた場合、リレー71Aの状態はオン状態であり、リレー71Bの状態はオフ状態である。また、たとえば、イグニッション電源がオフされ、かつサブバッテリ容量が閾値Th1未満である場合、リレー71Aの状態はオン状態であり、リレー71Bの状態はオフ状態である。また、たとえば、イグニッション電源がオフされ、かつサブバッテリ容量が閾値Th1より大きい場合、リレー71Aの状態はオフ状態であり、リレー71Bの状態はオン状態である。
【0052】
なお、車載システム301では、2つのCANバス2が設けられる構成に限らず、1つまたは3つ以上のCANバス2が設けられる構成であってもよい。
【0053】
また、車両サービス管理装置101および車載装置202は、CANの規格に従った通信の代わりに、または当該通信に加えて、CAN FD(CAN with Flexible Data Rate)、イーサネット(登録商標)、FlexRay(登録商標)、MOST(Media Oritend System Transport)(登録商標)、LIN(Local Interconnect Network)およびCXPI(Clock Extention Peripheral Interface)(登録商標)等の通信プロトコルに従った通信を行う構成であってもよい。
【0054】
[車両サービス管理装置]
図2は、本開示の実施の形態に係る車両サービス装置の構成の一例を示す図である。図2を参照して、車両サービス管理装置101は、通信部11と、処理部12と、記憶部13とを備える。処理部12は、管理部21と、特定部22と、制御部23と、監視部24と、退避容量取得部25と、電力計測部26と、停止時間計測部27と、更新部28とを含む。通信部11および処理部12の一方または両方は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部13は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。管理部21は、判断部の一例である。制御部23は、停止処理部の一例である。
【0055】
(対象サービスの実行)
管理部21は、車両1について対象状態であるか否かを判断する状態判断処理を行う。より詳細には、たとえば、管理部21は、状態判断処理において、車両1のイグニッション電源の出力電圧を監視する。
【0056】
具体的には、たとえば、管理部21は、車両1のイグニッション電源の出力電圧を計測し、計測した電圧値が所定の閾値Th2未満である場合、車両1が駐車中、すなわち対象状態であると判断する。この場合、各車載装置202は、スリープ条件が満たされることから、スリープモードへ遷移する。
【0057】
一方、管理部21は、当該電圧値が閾値Th2以上である場合、車両1が対象状態でないと判断する。
【0058】
たとえば、記憶部13は、対象状態において実行されるサービス(以下、「対象サービス」とも称する。)の種別を示す種別情報を記憶する。本実施の形態では、種別情報は、たとえば、対象サービスの種別として周辺監視サービスおよびソフトウェア更新サービスを示す。
【0059】
管理部21は、車両1が対象状態であると判断すると、記憶部13から種別情報を取得する。そして、管理部21は、取得した種別情報を特定部22および退避容量取得部25へ出力する。
【0060】
特定部22は、管理部21から種別情報を受けると、当該種別情報の示す対象サービスに対応する車載装置202(以下、「サービス対応装置」とも称する。)を特定する。
【0061】
より詳細には、たとえば、記憶部13は、対象サービスとサービス対応装置との対応関係E1を示す対応テーブルTb1を記憶する。対応テーブルTb1は、たとえば、車両1の出荷時に、車両1の製造事業者によって記憶部13に登録される。対応テーブルTb1は、順序情報の一例であり、かつ容量情報の一例である。
【0062】
図3は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が保存する対応テーブルの一例を示す図である。
【0063】
図3を参照して、対応テーブルTb1において、周辺監視サービスに対応するサービス対応装置(以下、「サービス対応装置S1」とも称する。)は、車載装置202A,202Bである。ソフトウェア更新サービスに対応するサービス対応装置(以下、「サービス対応装置S2」とも称する。)は、車載装置202C,202Dである。図3に示す「退避容量」、「停止順序」および「停止優先度」については後述する。
【0064】
特定部22は、管理部21から種別情報を受けると、記憶部13における対応テーブルTb1を参照することにより、サービス対応装置S1,S2を特定する。そして、特定部22は、特定したサービス対応装置S1,S2を示す装置情報D1を制御部23へ出力する。
【0065】
制御部23は、特定部22から装置情報D1を受けると、装置情報D1の示すサービス対応装置S1,S2をウェイクアップモードへ遷移させる制御を行う。
【0066】
具体的は、たとえば、記憶部13は、さらに、車載装置202とCAN-IDとの対応関係を示すCANテーブルを記憶する。
【0067】
制御部23は、特定部22から装置情報D1を受けると、記憶部13におけるCANテーブルを参照することにより、装置情報D1の示すサービス対応装置S1に対応するCAN-IDを特定する。具体的には、制御部23は、車載装置202Aに対応するCAN-ID、および車載装置202Bに対応するCAN-IDを特定する。
【0068】
また、制御部23は、装置情報D1の示すサービス対応装置S2に対応するCAN-IDを特定する。具体的には、制御部23は、車載装置202Cに対応するCAN-ID、および車載装置202Dに対応するCAN-IDを特定する。
【0069】
制御部23は、各サービス対応装置に対応するCAN-IDを特定すると、特定したCAN-IDとウェイクアップ要求とを含むCANフレーム(以下、「ウェイクアップ要求フレーム」とも称する。)を作成して通信部11へ出力する。
【0070】
記憶部13は、さらに、CAN-IDと、CANフレームの送信先が接続されているCANバス(以下、「送信先バス」とも称する。)との対応関係を示すルーティングテーブルを記憶する。
【0071】
通信部11は、制御部23からウェイクアップ要求フレームを受けると、記憶部13におけるルーティングテーブルを参照することにより、ウェイクアップ要求フレームに含まれるCAN-ID、に対応する送信先バスを特定し、当該ウェイクアップ要求フレームを特定した送信先バスへ出力する。
【0072】
各サービス対応装置は、車両サービス管理装置101からウェイクアップ要求フレームを受信すると、ウェイクアップモードへ遷移する。
【0073】
より詳細には、たとえば、各サービス対応装置は、車両サービス管理装置101からウェイクアップ要求フレームを受信した場合、ウェイクアップ要求フレームに自己のCAN-IDが含まれているか否かを確認する。
【0074】
対象状態において、スリープモードで動作するサービス対応装置は、自己のCAN-IDを含まないCANフレームを破棄する。一方、スリープモードで動作するサービス対応装置は、自己のCAN-IDを含むウェイクアップ要求フレームを受信した場合、当該サービス対応装置に設けられた図示しない電源IC(Integrated Circuitry)を起動し、ウェイクアップモードへ遷移する。これにより、サービス対応装置は、電源ICの出力電圧を用いて、車載システム301における他の装置との通信を行う。
【0075】
[課題の説明]
本願発明者らは、車両1の停車中または駐車中においては、メインバッテリ61およびサブバッテリ62の充電がなされないか、または当該充電が不十分となるため、メインバッテリ61の容量およびサブバッテリ62の容量の少なくともいずれか一方の低下により、対象サービスの維持が困難になり易いことを発見した。たとえば、対象サービスに対応する車載装置202への電力供給が意図しないタイミングで停止した場合、当該車載装置202においてハングアップまたは故障等の不具合が発生し、以降のサービスの提供に悪影響を与える可能性がある。
【0076】
そこで、本開示の実施の形態に係る車載システム301では、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
【0077】
[車両サービス管理装置]
(監視部)
再び図1および図2を参照して、車両サービス管理装置101における監視部24は、対象状態において、メインバッテリ61の容量(以下、「メインバッテリ容量」とも称する。)およびサブバッテリ容量を監視する。メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量は、バッテリの残量を意味する。
【0078】
より詳細には、たとえば、監視部24は、所定の時間Taごとに、メインバッテリ61の出力電流を計測する。また、監視部24は、メインバッテリ61の満充電時からの経過時間T2を計測する。そして、監視部24は、計測したメインバッテリ61の電流値に経過時間T2を乗算した値をメインバッテリ61の使用容量として算出する。
【0079】
また、たとえば、監視部24は、時間Taごとに、サブバッテリ62の出力電流を計測する。また、監視部24は、サブバッテリ62の満充電時からの経過時間T3を計測する。そして、監視部24は、計測したサブバッテリ62の電流値に経過時間T3を乗算した値をサブバッテリ62の使用容量として算出する。
【0080】
記憶部13は、たとえば、メインバッテリ61の満充電時における容量、およびサブバッテリ62の満充電時における容量を記憶する。
【0081】
監視部24は、メインバッテリ61の使用容量を算出すると、記憶部13に保存されているメインバッテリ61の満充電時における容量から、当該使用容量を減算した値をメインバッテリ容量として算出する。
【0082】
また、監視部24は、サブバッテリ62の使用容量を算出すると、記憶部13に保存されているサブバッテリ62の満充電時における容量から、当該使用容量を減算した値をサブバッテリ容量として算出する。
【0083】
そして、監視部24は、算出したメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量を示す算出結果情報を管理部21へ出力する。
【0084】
(退避容量取得部)
退避容量取得部25は、対象サービスの退避に要するメインバッテリ61およびサブバッテリ62の容量(以下、「退避容量」とも称する。)を取得する。
【0085】
より詳細には、たとえば、記憶部13における対応テーブルTb1は、対応関係E1に加えて、対象サービスと退避容量との対応関係E2を示す。
【0086】
図3に示す対応テーブルTb1において、周辺監視サービスに対応する退避容量C1は、「AAA」ミリアンペアアワーである。ソフトウェア更新サービスに対応する退避容量C2は、「BBB」ミリアンペアアワーである。
【0087】
退避容量取得部25は、管理部21から種別情報から情報を受けると、記憶部13から対応テーブルTb1を取得する。そして、退避容量取得部25は、取得した対応テーブルTb1に基づいて、実行中の対象サービスに対応する退避容量を取得する。
【0088】
具体的には、たとえば、退避容量取得部25は、管理部21から種別情報から情報を受けると、記憶部13における対応テーブルTb1を読み出す。そして、退避容量取得部25は、対応テーブルTb1を参照することにより、種別情報の示す周辺監視サービスに対応する退避容量C1、およびソフトウェア更新サービスに対応する退避容量C2を特定する。そして、退避容量取得部25は、特定した退避容量C1,C2を示す退避容量情報を管理部21へ出力する。
【0089】
(退避判断処理)
管理部21は、監視部24によって監視されたメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量、ならびに退避容量取得部25によって取得された退避容量に基づいて、実行中の対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う。
【0090】
より詳細には、たとえば、管理部21は、退避容量取得部25から退避容量情報を受けると、当該退避容量情報の示す退避容量C1および退避容量C2の合計値に所定のマージン値Mを加算した値(以下、「基準値A」との称する。)を算出する。
【0091】
たとえば、管理部21は、退避判断処理において、監視部24によって監視されたメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下である場合、実行中の対象サービスの退避について肯定的な判断を行う。
【0092】
具体的には、たとえば、管理部21は、監視部24から算出結果情報を受けると、当該算出結果情報の示すメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下である場合、実行中の周辺監視サービスおよびソフトウェア更新サービスを退避させると判断する。
【0093】
管理部21は、退避判断処理を完了すると、退避させると判断した対象サービスの種別、すなわち周辺監視サービスおよびソフトウェア更新サービスを示す退避判断情報を特定部22へ出力する。
【0094】
一方、管理部21は、監視部24から通知されたメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の少なくともいずれか一方が基準値Aより大きい場合、実行中の対象サービスを退避させないと判断する。
【0095】
(サービス対応装置の特定)
再び図2および図3を参照して、たとえば、特定部22は、管理部21による退避判断処理において、実行中の対象サービスの退避について肯定的な判断が行われた場合、サービス対応装置を特定する。
【0096】
より詳細には、たとえば、特定部22は、管理部21から退避判断情報を受けると、記憶部13における対応テーブルTb1を参照することにより、当該退避判断情報の示す周辺監視サービスに対応する複数のサービス対応装置S1を特定する。また、特定部22は、当該退避判断情報の示すソフトウェア更新サービスに対応する複数のサービス対応装置S2を特定する。
【0097】
そして、特定部22は、管理部21から受けた退避判断情報の示す対象サービスの種別と、当該対象サービスに対応する複数のサービス対応装置とを示す装置情報D2を制御部23へ出力する。
【0098】
(停止処理)
たとえば、制御部23は、特定部22によって特定された複数のサービス対応装置の動作を停止させる停止処理を行う。
【0099】
<順序情報>
より詳細には、たとえば、記憶部13における対応テーブルTb1は、対応関係E1,E2に加えて、対象サービスと、複数のサービス対応装置の動作を停止させる順序との対応関係E3を示す。
【0100】
図3に示す対応テーブルTb1において、周辺監視サービスに対応する停止順序は、1番目が車載装置202Aであり、2番目が車載装置202Bである。ソフトウェア更新サービスに対応する停止順序は、1番目が車載装置202Cであり、2番目が車載装置202Dである。
【0101】
たとえば、制御部23は、特定部22によって実行中の対象サービスに対応する複数のサービス対応装置が特定された場合、記憶部13から取得した対応テーブルTb1に基づいて、実行中の対象サービスに対応する順序(以下、「対応順序」とも称する。)を特定する。
【0102】
制御部23は、特定部22から装置情報D2を受けると、記憶部13から対応テーブルTb1を読み出す。そして、制御部23は、対応テーブルTb1を参照することにより、装置情報D2の示す周辺監視サービスに対応する対応順序、およびソフトウェア更新サービスに対応する対応順序を特定する。
【0103】
<停止処理の優先度>
制御部23は、特定部22から受けた装置情報D2が複数の対象サービスを示す場合、優先度の高い対象サービスから順に停止処理を行う。
【0104】
より詳細には、たとえば、記憶部13における対応テーブルTb1は、対応関係E1からE3に加えて、対象サービスと停止処理の優先度(以下、「停止優先度」とも称する。)との対応関係E4を示す。
【0105】
図3に示す対応テーブルTb1において、周辺監視サービスの停止優先度は低く、ソフトウェア更新サービスの停止優先度は高い。
【0106】
制御部23は、特定部22から受けた装置情報D2の示す各対象サービスの対応順序を特定すると、記憶部13における対応テーブルTb1を参照することにより、各対象サービスの停止優先度を確認する。
【0107】
<スリープ要求>
制御部23は、各対象サービスの停止優先度を確認すると、確認した停止優先度に従って停止処理を行う。
【0108】
より詳細には、たとえば、制御部23は、各対象サービスに対応する停止優先度を確認すると、停止優先度が最も高い対象サービスに対応する複数のサービス対応装置に対して、特定した対応順序に従って停止処理を行う。
【0109】
具体的には、たとえば、制御部23は、停止処理において、特定した対応順序に従って、スリープ要求フレームを通信部11および送信先バス経由で、停止優先度が最も高い対象サービスに対応する各サービス対応装置へ送信する。
【0110】
本実施の形態では、ソフトウェア更新サービスが最も停止優先度の高い対象サービスであるため、制御部23は、スリープ要求フレームを、ソフトウェア更新サービスに対応する車載装置202C,202Dへ送信する。
【0111】
制御部23は、スリープ要求フレームを車載装置202C,202Dへ送信すると、停止優先度が2番目に高い対象サービスに対応する複数のサービス対応装置に対して、特定した対応順序に従って停止処理を行う。ここでは、制御部23は、周辺監視サービスに対応する車載装置202A,202Bに対して、車載装置202C,202Dに対する停止処理と同様に、スリープ要求フレームを通信部11および送信先バス経由で車載装置202A,202Bへ送信する。
【0112】
制御部23は、スリープ要求フレームを各サービス対応装置へ送信すると、スリープ要求フレームを送信した旨を示す送信通知N1を監視部24および停止時間計測部27へ出力する。
【0113】
各サービス対応装置は、車両サービス管理装置101からスリープ要求フレームを受信すると、スリープモードへ遷移する。また、各サービス対応装置は、車両サービス管理装置101からスリープ要求フレームを受信すると、対象サービスを実行中における各種情報を図示しない記憶部に保存する。具体的には、たとえば、周辺監視サービスを実行するサービス対応装置の一例であるカメラは、車両サービス管理装置101からスリープ要求フレームを受信すると、周辺監視サービスを実行中における自己の起動時間を示す情報、および撮像画像等を当該カメラの記憶部に保存する。
【0114】
(電力計測部)
再び図1および図2を参照して、たとえば、電力計測部26は、各サービス対応装置の消費電力を計測する。
【0115】
より詳細には、電力計測部26は、対象状態において、たとえば定期的に、各サービス対応装置に接続される電源線5を通して流れる電流を計測する。
【0116】
また、電力計測部26は、対象状態において、たとえば定期的に、各サービス対応装置に接続される電源線5の電圧を計測する。たとえば、電力計測部26は、当該電源線5を通して流れる電流の計測タイミングと同じタイミングで当該電圧を計測する。
【0117】
そして、電力計測部26は、計測した電流値および電圧値を用いて、計測時刻における各サービス対応装置の消費電力を算出し、算出結果を示す電力算出情報G11を記憶部13に保存する。
【0118】
また、たとえば、電力計測部26は、対象状態となってから所定時間T11経過するごとに、各サービス対応装置の消費電力の統計値を算出する。
【0119】
具体的には、たとえば、電力計測部26は、記憶部13に所定時間T11の間に蓄積された電力算出情報G11を用いて、サービス対応装置ごとに、消費電力の平均値を算出する。そして、電力計測部26は、算出結果、すなわち各サービス対応装置の消費電力の平均値を示す電力統計情報G21を更新部28へ出力する。
【0120】
(停止時間計測部)
たとえば、停止時間計測部27は、各サービス対応装置が動作を停止するために要する停止時間を計測する。
【0121】
より詳細には、たとえば、停止時間計測部27は、制御部23からの送信通知N1を受けると、図示しないタイマを起動する。
【0122】
制御部23は、スリープ要求フレームを通信部11経由で複数のサービス対応装置へ送信してから一定時間経過しても、あるサービス対応装置から新たなNMフレームが到着しない場合、当該サービス対応装置が動作を停止した旨を示す停止通知N2を停止時間計測部27へ出力する。制御部23は、当該複数のサービス対応装置について、新たなNMフレームが到着しないことを確認し、サービス対応装置ごとに停止通知N2を停止時間計測部27へ出力する。
【0123】
また、たとえば、制御部23は、ある対象サービスごとに、すべてのサービス対応装置から新たなNMフレームが到着しなくなると、すべてのサービス対応装置が動作を停止した旨を示す終了通知N3を監視部24へ出力する。
【0124】
停止時間計測部27は、制御部23からの停止通知N2を受けると、タイマを起動してから当該停止通知N2を受けるまでの時間を、当該停止通知N2の示すサービス対応装置の停止時間として計測する。そして、停止時間計測部27は、サービス対応装置ごとの停止時間を示す停止時間情報K11を更新部28へ出力する。
【0125】
(統計テーブル)
図4は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が保存する統計テーブルの一例を示す図である。
【0126】
図2および図4を参照して、記憶部13は、さらに、対象サービスの種別と、サービス対応装置と、消費電力の相対値R1と、停止時間の相対値R2との対応関係を示す統計テーブルTb2を記憶する。統計テーブルTb2は、たとえば、車両1の出荷時に、車両1の製造事業者によって記憶部13に登録される。
【0127】
図4は、車両1の出荷時に、記憶部13に登録された統計テーブルTb2を示す。そのため、図4に示す統計テーブルTb2において、周辺監視サービスを実行する各サービス対応装置の、消費電力の相対値R1および停止時間の相対値R2は「該当なし」である。また、ソフトウェア更新サービスを実行する各サービス対応装置の、消費電力の相対値R1および停止時間の相対値R2は「該当なし」である。
【0128】
(統計テーブルの更新)
更新部28は、電力計測部26から電力統計情報G21を受けると、記憶部13における統計テーブルTb2を更新するか否かを判断する。
【0129】
より詳細には、たとえば、記憶部13は、サービス対応装置ごとの、対象状態における消費電力の予測値を記憶する。
【0130】
更新部28は、電力計測部26から電力統計情報G21を受けると、電力統計情報G21を記憶部13に保存する。また、更新部28は、サービス対応装置ごとに、電力統計情報G21の示す消費電力の平均値を記憶部13に保存されている消費電力の予測値で除算した値を消費電力の相対値R1として算出する。
【0131】
たとえば、更新部28は、電力計測部26から初回の電力統計情報G21を受けた場合、統計テーブルTb2を更新すると判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2において、算出した相対値R1をサービス対応装置と対応付けて登録する更新処理L1を行う。
【0132】
また、たとえば、更新部28は、電力計測部26から2回目以降の電力統計情報G21を受けた場合、今回算出した相対値R1と、記憶部13に保存されている統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の消費電力の相対値R1とが同じであるか否かを確認する。そして、更新部28は、今回算出した相対値R1と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の消費電力の相対値R1とが同じである場合、統計テーブルTb2を更新しないと判断する。
【0133】
一方、更新部28は、今回算出した相対値R1と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の消費電力の相対値R1とが異なる場合、統計テーブルTb2を更新すると判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2において更新処理L1を行う。
【0134】
図5は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装による更新後の統計テーブルの一例を示す図である。
【0135】
図5を参照して、更新後の統計テーブルTb2において、車載装置202Aの消費電力の相対値R1は「2」である。車載装置202Bの消費電力の相対値R1は「5」である。車載装置202Cの消費電力の相対値R1は「4」である。車載装置202Dの消費電力の相対値R1は「3」である。
【0136】
また、更新部28は、停止時間計測部27から停止時間情報K11を受けると、統計テーブルTb2を更新するか否かを判断する。
【0137】
より詳細には、たとえば、記憶部13は、サービス対応装置ごとの、停止時間の予測値を記憶する。
【0138】
更新部28は、電力計測部26から停止時間情報K11を受けると、停止時間情報K11を記憶部13に保存する。また、更新部28は、サービス対応装置ごとに、停止時間情報K11の示す停止時間を記憶部13に保存されている停止時間の予測値で除算した値を停止時間の相対値R2として算出する。
【0139】
たとえば、更新部28は、電力計測部26から初回の停止時間情報K11を受けた場合、統計テーブルTb2を更新すると判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2において、算出した相対値R2をサービス対応装置と対応付けて登録する更新処理L2を行う。
【0140】
また、たとえば、更新部28は、停止時間計測部27から2回目以降の停止時間情報K11を受けた場合、今回算出した相対値R2と、記憶部13に保存されている統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の停止時間の相対値R2とが同じであるか否かを確認する。そして、更新部28は、今回算出した相対値R2と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の停止時間の相対値R2とが同じである場合、統計テーブルTb2を更新しないと判断する。
【0141】
一方、更新部28は、今回算出した相対値R2と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の停止時間の相対値R2とが異なる場合、統計テーブルTb2を更新すると判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2において更新処理L2を行う。
【0142】
図5に示す統計テーブルTb2において、車載装置202Aの停止時間の相対値R2は「4」である。車載装置202Bの停止時間の相対値R2は「2」である。車載装置202Cの停止時間の相対値R2は「3」である。車載装置202Dの停止時間の相対値R2は「1」である。
【0143】
(対応テーブルの更新)
<停止順序の更新>
たとえば、更新部28は、電力計測部26によって計測された消費電力、および停止時間計測部27によって計測された停止時間に基づいて、対応テーブルTb1における対応順序を更新する。
【0144】
より詳細には、たとえば、更新部28は、統計テーブルTb2において消費電力の相対値R1および停止時間の相対値R2を新たに登録すると、サービス対応装置ごとに、対応する相対値R1および相対値R2を乗算した値(以下、「乗算値B」とも称する。)を算出する。
【0145】
更新部28は、サービス対応装置ごとに乗算値Bを算出すると、算出した複数の乗算値Bに基づいて、対応順序を決定する。
【0146】
具体的には、たとえば、更新部28は、値が小さい乗算値Bに対応するサービス対応装置から順に停止することを決定する。
【0147】
図5に示す例では、周辺監視サービスにおいて、車載装置202Aに対応する乗算値Bは8であり、車載装置202Bに対応する乗算値Bは10である。この場合、更新部28は、周辺監視サービスに対応する対応順序として、車載装置202Aを1番目に停止し、車載装置202Bを2番目に停止することを決定する。
【0148】
また、ソフトウェア更新サービスにおいて、車載装置202Cに対応する乗算値Bは12であり、車載装置202Dに対応する乗算値Bは3である。この場合、更新部28は、ソフトウェア更新サービスに対応する対応順序として、車載装置202Dを1番目に停止し、車載装置202Cを2番目に停止することを決定する。
【0149】
更新部28は、対象サービスごとに対応順序を決定すると、記憶部13における対応テーブルTb1を読み出す。そして、更新部28は、対応テーブルTb1を参照することにより、対象サービスごとに、決定した対応順序と、対応テーブルTb1の示す対応順序とが同じであるか否かを確認する。
【0150】
更新部28は、決定した対応順序と、対応テーブルTb1の示す対応順序とが同じである場合、対応テーブルTb1における対応関係E3を更新しないと判断する。一方、更新部28は、決定した対応順序と、対応テーブルTb1の示す対応順序とが異なる場合、対応テーブルTb1における対応関係E3を更新する。
【0151】
図6は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置による更新後の対応テーブルの一例を示す図である。
【0152】
図6を参照して、更新後の対応テーブルTb1では、図3に示す対応テーブルTb1と比べて、ソフトウェア更新サービス対応する対応順序は、1番目が車載装置202D、および2番目が車載装置202Cに変更されている。
【0153】
<退避容量の更新>
また、たとえば、更新部28は、監視部24によって監視されたメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量に基づいて、対応テーブルTb1における、監視部24がメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量を監視する際に実行中であった対象サービスに対応する退避容量を更新する。
【0154】
より詳細には、たとえば、監視部24は、制御部23からの送信通知N1を受けると、直近のメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量を示す算出結果情報P1を更新部28へ出力する。
【0155】
また、たとえば、監視部24は、制御部23からの終了通知N3を受けると、直近のメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量を示す算出結果情報P2を更新部28へ出力する。
【0156】
更新部28は、算出結果情報P1,P2を受けると、算出結果情報P1の示すメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の合計値から、算出結果情報P2の示すメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の合計値を減算した値を、退避容量として算出する。
【0157】
更新部28は、対象サービスごとの退避容量を算出すると、記憶部13における対応テーブルTb1を読み出す。そして、更新部28は、対応テーブルTb1を参照することにより、対象サービスごとに、算出した退避容量と、対応テーブルTb1の示す退避容量とが同じであるか否かを確認する。
【0158】
更新部28は、算出した退避容量と、対応テーブルTb1の示す退避容量とが同じである場合、対応テーブルTb1における対応関係E2を更新しないと判断する。一方、更新部28は、算出した退避容量と、対応テーブルTb1の示す退避容量とが異なる場合、対応テーブルTb1における対応関係E2を更新すると判断する。
【0159】
図6に示す更新後の対応テーブルTb1では、図3に示す対応テーブルTb1と比べて、周辺監視サービスに対応する退避容量が「CCC」ミリアンペアアワーに変更されている。
【0160】
[動作の流れ]
図7および図8は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置が退避判断処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0161】
図7を参照して、まず、車両サービス管理装置101は、車両1について対象状態であるか否かを判断し(ステップS101)、対象状態であると判断すると(ステップS101においてYES)、対象サービスに対応するサービス対応装置を特定する。ここでは、車両サービス管理装置101は、複数のサービス対応装置を特定したとする(ステップS102)。
【0162】
次に、車両サービス管理装置101は、特定した複数のサービス対応装置をウェイクアップモードへ遷移させるためのウェイクアップ要求フレームを各サービス対応装置へ送信する(ステップS103)。
【0163】
次に、車両サービス管理装置101は、各サービス対応装置の消費電力を計測する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、定期的に、各サービス対応装置の消費電力を計測し、計測結果を示す電力算出情報G11を記憶部13に保存する(ステップS104)。
【0164】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における統計テーブルTb2の示す消費電力の相対値R1を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置ごとに、消費電力の相対値R1を算出する。そして、車両サービス管理装置101は、算出した相対値R1と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の相対値R1と同じであるか否かを確認する(ステップS105)。
【0165】
次に、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2を更新すると判断すると(ステップS105においてYES)、統計テーブルTb2において、今回算出した相対値R1をサービス対応装置と対応付けて登録する更新処理L1を行う(ステップS106)。
【0166】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における対応テーブルTb1の示す対象サービスの種別と停止順序との対応関係E3を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置ごとに、対応する消費電力の相対値R1および停止時間の相対値R2を乗算した乗算値Bを算出し、算出した複数の乗算値Bに基づいて、停止順序を決定する。そして、車両サービス管理装置101は、決定した停止順序と、対応テーブルTb1の示す停止順序とが同じであるか否かを確認する(ステップS107)。
【0167】
次に、車両サービス管理装置101は、対応テーブルTb1を更新すると判断すると(ステップS107においてYES)、対応テーブルTb1における対応関係E3を更新する(ステップS108)。
【0168】
次に、車両サービス管理装置101は、メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下であるか否かを確認する(ステップS109)。
【0169】
次に、車両サービス管理装置101は、メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下である場合(ステップS109においてYES)、実行中の対象サービスを退避させると判断する(ステップS110)。
【0170】
次に、車両サービス管理装置101は、実行中の対象サービスに対応するサービス対応装置を特定する。ここでは、車両サービス管理装置101は、複数のサービス対応装置を特定したとする(ステップS111)。
【0171】
次に、車両サービス管理装置101は、特定したサービス対応装置の動作を停止させる停止処理を行う。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、スリープ要求フレームを、特定した各サービス対応装置へ送信する(ステップS112)。
【0172】
次に、車両サービス管理装置101は、各サービス対応装置が動作を停止するために要する停止時間を計測する(ステップS113)。
【0173】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における統計テーブルTb2の示す停止時間の相対値R2を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置ごとに、停止時間の相対値R2を算出する。そして、車両サービス管理装置101は、算出した相対値R2と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の停止時間の相対値R2とが同じであるか否かを確認する(ステップS114)。
【0174】
次に、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2の示す停止時間の相対値R2を更新すると判断すると(ステップS114においてYES)、統計テーブルTb2において、今回算出した相対値R2をサービス対応装置と対応付けて登録する更新処理L2を行う(ステップS115)。
【0175】
次に、車両サービス管理装置101は、実行中であった対象サービスの退避に要する退避容量を算出する(ステップS116)。
【0176】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における対応テーブルTb1を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2における消費電力の相対値R1と停止時間の相対値R2との乗算値Bに基づいて、複数のサービス対応装置の停止順序を決定する。そして、車両サービス管理装置101は、決定した停止順序と、対応テーブルTb1の示す停止順序とが同じであるか否かを確認する。また、車両サービス管理装置101は、算出した退避容量と、対応テーブルTb1の示す退避容量とが同じであるか否かを確認する(ステップS117)。
【0177】
次に、車両サービス管理装置101は、対応テーブルTb1を更新すると判断すると(ステップS117においてYES)、対応テーブルTb1における、サービス対応装置と停止順序との対応関係E3、およびサービス対応装置と退避容量との対応関係E2の少なくともいずれか一方を更新する(ステップS118)。
【0178】
図9は、本開示の実施の形態に係る車載システムにおける車両サービス管理装置および車載装置の処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0179】
図9を参照して、まず、車両サービス管理装置101は、車両1について対象状態であると判断する(ステップS201)。
【0180】
次に、車両サービス管理装置101は、対象状態において実行する対象サービスに対応するサービス対応装置を特定し、ウェイクアップ要求フレームを、特定したサービス対応装置へ送信する。ここでは、車両サービス管理装置101は、車載装置202A,202Bをサービス対応装置として特定し、ウェイクアップ要求フレームを車載装置202A,202Bへ送信する(ステップS202およびステップS203)。
【0181】
次に、車載装置202Aおよび車載装置202Bは、ウェイクアップモードへ遷移する(ステップS204およびステップS205)。
【0182】
次に、車両サービス管理装置101は、車載装置202Aおよび車載装置202Bの各々の消費電力を計測する(ステップS206)。
【0183】
次に、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2の示す消費電力の相対値R1を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置ごとに、消費電力の相対値R1を算出する。そして、車両サービス管理装置101は、算出した相対値R1と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の消費電力の相対値R1とが同じであるか否かを確認する。ここでは、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2の示す相対値R1を更新すると判断したものとする(ステップS207)。
【0184】
次に、車両サービス管理装置101は、対応テーブルTb1における、対象サービスの種別と停止順序との対応関係E3を更新するか否かを判断する。ここでは、車両サービス管理装置101は、対応関係E3を更新すると判断したものとする(ステップS208)。
【0185】
次に、車両サービス管理装置101は、メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下であるか否かを確認する。ここでは、車両サービス管理装置101は、メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の両方が基準値A以下であることを確認したとする(ステップS209)。
【0186】
次に、車両サービス管理装置101は、車載装置202A,202Bを実行中の対象サービスに対応するサービス対応装置として特定し、スリープ要求フレームを車載装置202A,202Bへ送信する(ステップS210およびステップS211)。
【0187】
次に、車載装置202A,202Bは、スリープモードへ遷移する(ステップS212およびステップS213)。
【0188】
次に、車両サービス管理装置101は、車載装置202Aおよび車載装置202Bの各々の停止時間を計測する(ステップS214)。
【0189】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における統計テーブルTb2の示す停止時間の相対値R2を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置ごとに、停止時間の相対値R2を算出する。そして、車両サービス管理装置101は、算出した相対値R2と、統計テーブルTb2における、対応するサービス対応装置の停止時間の相対値R2とが同じであるか否かを確認する。ここでは、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2の示す相対値R2を更新すると判断したものとする(ステップS215)。
【0190】
次に、車両サービス管理装置101は、実行中であった対象サービスの退避に要する退避容量を算出する(ステップS216)。
【0191】
次に、車両サービス管理装置101は、記憶部13における対応テーブルTb1を更新するか否かを判断する。たとえば、上述したように、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2における消費電力の相対値R1と停止時間の相対値R2との乗算値Bに基づいて、複数のサービス対応装置の停止順序を決定する。そして、車両サービス管理装置101は、決定した停止順序と、対応テーブルTb1の示す停止順序とが同じであるか否かを確認する。また、車両サービス管理装置101は、算出した退避容量と、対応テーブルTb1の示す退避容量とが同じであるか否かを確認する。ここでは、車両サービス管理装置101は、統計テーブルTb2における対応関係E3を更新すると判断したものとする(ステップS217)。
【0192】
なお、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、退避判断処理において、実行中の対象サービスの退避の要否を判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、対処状態において、メインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の合計値が実行中の対象サービスの退避容量以下となる確率を判断する構成であってもよい。この場合、車両サービス管理装置101は、退避判断処理において、対象サービスごとに、対象状態におけるメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量の合計値と、対応テーブルTb1の示す退避容量との差に応じた確率を算出し、算出した確率が所定の閾値以上である場合、停止処理を行う。
【0193】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、退避判断処理において、対象サービスの退避について肯定的な判断を行った場合、サービス対応装置を特定し、当該サービス対応装置に対して停止処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、対象サービスの退避について肯定的な判断を行った場合、たとえば、判断結果を車両1のユーザに通知する構成であってもよい。
【0194】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、複数のサービス対応装置に対して停止処理を行う場合、実行中の対象サービスに対応する停止順序を特定し、特定した停止順序に従って停止処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、複数のサービス対応装置の動作を同時に停止する構成であってもよい。
【0195】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、サービス対応装置の消費電力および停止時間に基づいて、対応テーブルTb1における、対象サービスの種別と停止順序との対応関係E3を更新する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、対応テーブルTb1における対応関係E3を更新しない構成であってもよい。
【0196】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101が、各サービス対応装置の、消費電力の相対値R1および停止時間の相対値R2を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101以外の装置、たとえば車両の外部におけるサーバが相対値R1,R2を算出する構成であってもよい。
【0197】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、退避判断処理において、対象サービスの種別と退避容量との対応関係E2を示す対応テーブルTb1を用いて、退避容量を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、退避判断処理において、たとえば所定の演算式を用いて、退避容量を算出する構成であってもよい。
【0198】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、車両サービス管理装置101は、対象サービスを実行中に監視したメインバッテリ容量およびサブバッテリ容量に基づいて、対応テーブルTb1における、対象サービスの種別と退避容量との対応関係E2を更新する構成であるとしたが、これに限定するものではない。車両サービス管理装置101は、対応テーブルTb1における対応関係E2を更新しない構成であってもよい。
【0199】
また、本開示の実施の形態に係る車載システム301において、電源部51は、2つのバッテリ、すなわちメインバッテリ61およびサブバッテリ62を含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。電源部51は、1つまたは3つ以上のバッテリを含む構成であってもよい。
【0200】
[変形例1]
図10は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車載システムの構成の一例を示す図である。図10を参照して、車載システム302は、図1に示す車載システム301と比べて、さらに、車載装置202である車載装置202Eを備える。車載装置202Eは、CANバス2Bを介して車両サービス管理装置101と接続されている。また、車載装置202Eは、電源線5Bを介して電源部51と接続されている。
【0201】
以下、車載ネットワーク401に新たに追加される車載装置202を「新規装置」とも称し、新規装置を含む車載ネットワーク401を「新規ネットワーク」とも称する。
【0202】
図11は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置の構成の一例を示す図である。図11を参照して、車両サービス管理装置101Aは、通信部11と、処理部12Aと、記憶部13とを備える。通信部11および処理部12Aの一方または両方は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路により実現される。記憶部13は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0203】
(追加検知部)
処理部12Aは、図2に示す処理部12と比べて、さらに、追加検知部29を含む。追加検知部29は、車載ネットワーク401への車載装置202の追加を検知する。変形例1では、追加検知部29は、車載装置202Eの車載ネットワーク401への追加を検知する。
【0204】
より詳細には、たとえば、車載装置202Eは、CANバス2Bに接続されると、車載ネットワーク401における通信接続を要求するためのCANフレーム(以下、「接続要求フレーム」とも称する。)を車両サービス管理装置101へ送信する。
【0205】
車両サービス管理装置101において、追加検知部29は、車載装置202Eから接続要求フレームを通信部11経由で受信すると、当該接続要求フレームに含まれる認証用IDおよび認証用パスワードを用いて、車載装置202Eの認証処理を行う。
【0206】
追加検知部29は、車載装置202Eの認証に成功すると、認証が成功した旨、および車載装置202Eに対応するサービスの種別の通知を要求する種別要求情報を通信部11およびCANバス2B経由で車載装置202Eへ送信する。
【0207】
車載装置202Eは、車両サービス管理装置101から種別要求情報を受信すると、受信した種別要求情報に対する応答として、自己に対応するサービスの種別を示すサービス情報を車両サービス管理装置101へ送信する。変形例1では、車載装置202Eは、たとえば、自己に対応するサービスの種別としてソフトウェア更新サービスを示すサービス情報を車両サービス管理装置101へ送信する。
【0208】
車両サービス管理装置101において、追加検知部29は、車載装置202Eからのサービス情報を通信部11経由で受信すると、記憶部13における種別情報を参照することにより、受信したサービス情報の示すサービスの種別が対象サービスであるか否かを確認する。
【0209】
そして、追加検知部29は、当該サービス情報の示すサービスが対象サービスである場合、車載ネットワーク401に追加された車載装置202Eと、当該対象サービスの種別とを示す装置追加情報を更新部28へ出力する。
【0210】
なお、追加検知部29は、たとえば定期的に、追加機能部を検知するための探索メッセージを通信部11経由でブロードキャストする構成であってもよい。この場合、追加機能部は、当該探索メッセージを受信し、受信した探索メッセージに対する応答として接続要求情報を送信する。
【0211】
(対応テーブルの更新)
更新部28は、追加検知部29から装置追加情報を受けると、図3に示す対応テーブルTb1における対象サービスとサービス対応装置との対応関係E1を更新する。
【0212】
より詳細には、たとえば、更新部28は、追加検知部29から装置追加情報を受けると、記憶部13における対応テーブルTb1および統計テーブルTb2を読み出す。そして、更新部28は、対応テーブルTb1および統計テーブルTb2において、当該装置追加情報の示すサービスの種別と同じ種別の対象サービス、すなわちソフトウェア更新サービスに対応するサービス対応装置として、当該装置追加情報の示す車載装置202Eを新たに登録する。
【0213】
また、更新部28は、統計テーブルTb2において、ソフトウェア更新サービスに対応する停止順序として、追加検知部29から受けた装置追加情報の示す車載装置202Eを最後に追加した停止順序に更新する。
【0214】
図12は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置による更新後の対応テーブルの一例を示す図である。
【0215】
図12を参照して、更新後の対応テーブルTb1では、図3に示す対応テーブルTb1と比べて、「ソフトウェア更新サービス」に対応するサービス対応装置として、「車載装置202E」が新たに登録されている。また、「ソフトウェア更新サービス」に対応する停止順序として、1番目が車載装置202A、2番目が車載装置202B、および3番目が車載装置202Eに変更されている。
【0216】
図13は、本開示の実施の形態の変形例1に係る車両サービス管理装置による更新後の統計テーブルの一例を示す図である。
【0217】
図13を参照して、更新後の統計テーブルTb2では、図5に示す統計テーブルTb2と比べて、「ソフトウェア更新サービス」に対応するサービス対応装置として、「車載装置202E」が新たに登録されている。車載装置202Eの、消費電力の相対値および停止時間の相対値は、「該当なし」である。
【0218】
再び図11を参照して、電力計測部26は、対象状態において、たとえば定期的に、新規ネットワークにおける各サービス対応装置の消費電力を算出し、算出結果を示す電力算出情報G12を記憶部13に保存する。
【0219】
また、たとえば、電力計測部26は、記憶部13に所定時間T11の間に蓄積された電力算出情報G12を用いて、新規ネットワークにおけるサービス対応装置ごとに、消費電力の平均値を算出する。そして、電力計測部26は、算出結果を示す電力統計情報G22を更新部28へ出力する。
【0220】
停止時間計測部27は、新規ネットワークにおけるサービス対応装置ごとの停止時間を計測し、計測結果を示す停止時間情報K21を更新部28へ出力する。
【0221】
(統計テーブルの更新)
更新部28は、電力計測部26から電力統計情報G22を受けると、統計テーブルTb2の示す消費電力の相対値R1を更新するか否かを判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2の示す相対値R1を更新すると判断すると、上述した更新処理L1を行う。
【0222】
また、更新部28は、停止時間計測部27から停止時間情報K21を受けると、統計テーブルTb2の示す停止時間の相対値R2を更新するか否かを判断する。そして、更新部28は、統計テーブルTb2の示す相対値R2を更新すると判断すると、上述した更新処理L2を行う。
【0223】
図14は、本開示の実施の形態に係る車両サービス管理装置による更新後の統計テーブルの他の例を示す図である。
【0224】
図14を参照して、更新後の統計テーブルTb2では、図13に示す統計テーブルTb2と比べて、車載装置202Eの消費電力の相対値R1である「5」、および車載装置202Eの停止時間の相対値R2である「3」が新たに登録されている。
【0225】
[変形例2]
車両サービス管理装置101において、管理部21は、車両1のユーザによって所定の操作が行われた場合、退避判断処理において、実行中の対象サービスを退避させると判断する構成であってもよい。
【0226】
より詳細には、たとえば、ユーザは、所望のサービスの開始を指示するための操作を、車両1に設けられた図示しないナビゲーション装置に対して行う。
【0227】
具体的には、たとえば、ユーザは、車両1における省電力機能を向上させるためのサービス(以下、「省電力サービス」とも称する。)の開始を指示するための操作を、ナビゲーション装置に対して行う。ナビゲーション装置は、ユーザからの当該操作を受け付けると、受け付けた操作の内容に基づいて、省電力サービスを開始すべき旨を示すサービス開始情報を車両サービス管理装置101へ送信する。
【0228】
車両サービス管理装置101における管理部21は、ナビゲーション装置からサービス開始情報を通信部11経由で受信すると、退避判断処理を行う。
【0229】
図15は、本開示の実施の形態の変形例2に係る車両サービス管理装置が保存する対応テーブルの一例を示す図である。
【0230】
図2および図15を参照して、対応テーブルTb11は、図3に示す対応テーブルTb1と比べて、対応関係E1からE4に加えて、退避フラグを含む。退避フラグは、実行中の対象サービスを退避させるか否かを示す。
【0231】
対応テーブルTb11において、退避フラグ「1」は、省電力サービスの実行時において退避させる対象サービスを示す。退避フラグ「0」は、省電力サービスの実行時において退避させない対象サービスを示す。
【0232】
対応テーブルTb11において、周辺監視サービスの退避フラグは「0」である。ソフトウェア更新サービスの退避フラグは「1」である。
【0233】
管理部21は、ナビゲーション装置からサービス開始情報を受信すると、記憶部13における対応テーブルTb11を読み出す。そして、管理部21は、退避判断処理において、対応テーブルTb11を参照することにより、退避フラグ「1」のソフトウェア更新サービスを退避させると判断する。
【0234】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0235】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0236】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
車両に搭載される車両サービス管理装置であって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
前記車両が停車中または駐車中である対象状態において、前記車両に設けられるバッテリの容量であるバッテリ容量を監視し、
前記車両において実行されるサービスの退避に要する前記バッテリの容量である退避容量であって、前記対象状態において実行される前記サービスである対象サービスの退避に要する前記退避容量を取得し、
監視した前記バッテリ容量、および取得した前記退避容量に基づいて、実行中の前記対象サービスの退避を判断する退避判断処理を行う、車両サービス管理装置。
【符号の説明】
【0237】
1 車両
2,2A,2B CANバス
4,5,5A,5B,5C,5D,5E 電源線
11 通信部
12,12A 処理部
13 記憶部
21 管理部
22 特定部
23 制御部
24 監視部
25 退避容量取得部
26 電力計測部
27 停止時間計測部
28 更新部
29 追加検知部
51 電源部
61 メインバッテリ
62 サブバッテリ
71,71A,71B リレー
101,101A 車両サービス管理装置
202,202A,202B,202C,202D,202E 車載機器
301,302 車載システム
401 車載ネットワーク
Tb1 対応テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15