(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177787
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】電動リールのモータ制御装置
(51)【国際特許分類】
A01K 89/017 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096121
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】森 成秀
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108GA21
2B108GA27
2B108GA35
2B108GA38
(57)【要約】
【課題】電動リールにおけるさそい動作の操作性を向上させる。
【解決手段】
電動リール100のモータ制御装置は、第1押圧部11と、第1操作部13と、モータ制御部17と、増加度設定部18とを備える。モータ制御部17は、第1制御モードを少なくとも含む複数の制御モードから選択された制御モードでモータ3の出力を制御するように構成される。モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第1押圧部11への押圧操作が継続されている間だけ第1押圧部11を押圧する押圧力に応じてモータ3の出力を制御する。増加度設定部18は、第1制御モードにおける第1押圧部11を押圧する押圧力に応じたモータ3の出力に到達するまでのモータ3の出力の増加度を第1操作部13の操作に応じて変更する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に回転自在に装着されるスプールをモータで駆動する電動リールのモータ制御装置であって、
押圧操作されるように前記リール本体に設けられる押圧部と、
前記リール本体に設けられる第1操作部と、
前記押圧部への押圧操作が継続されている間だけ前記押圧部を押圧する押圧力に応じた前記モータの出力を制御する第1制御モードを少なくとも含む複数の制御モードから選択された制御モードで前記モータの出力を制御するように構成されるモータ制御部と、
前記第1制御モードにおける前記押圧力に応じた前記モータの出力に到達するまでの前記モータの出力の増加度を前記第1操作部の操作に応じて変更する増加度設定部と、
を備える、
電動リールのモータ制御装置。
【請求項2】
前記増加度設定部は、前記第1制御モードが選択されている状態において、前記増加度を前記第1操作部の操作に応じて変更する、
請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
【請求項3】
前記第1制御モードにおける前記モータの出力の上限値を変更する上限設定部をさらに備える、
請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
【請求項4】
前記リール本体に設けられる第2操作部をさらに備え、
前記モータ制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記押圧部への押圧操作がされていなければ、前記第2操作部が操作されたことに応じて前記モータの出力を前記上限設定部によって設定された上限値まで増加させる、
請求項3に記載の電動リールのモータ制御装置。
【請求項5】
前記モータ制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記第2操作部が操作されたことに応じて前記モータの出力を上限値で維持している状態のときに、前記第2操作部が再度操作されたことに応じて前記モータの出力を停止させる、
請求項4に記載の電動リールのモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置、特に、リール本体に回転自在に装着されるスプールをモータで駆動する電動リールのモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、押圧部を押圧する押圧力に応じてモータの出力を増加させる電動リールのモータ制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電動リールにおいて、押圧部の押圧操作によるさそい動作の操作性の向上が望まれている。
【0005】
本発明の課題は、電動リールにおけるさそい動作の操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面の電動リールのモータ制御装置は、リール本体に回転自在に装着されるスプールをモータで駆動する。モータ制御装置は、第1押圧部と、第1操作部と、モータ制御部と、増加度設定部とを備える。第1押圧部は、押圧操作されるようにリール本体に設けられる。第1操作部は、リール本体に設けられる。モータ制御部は、第1制御モードを少なくとも含む複数の制御モードから選択された制御モードでモータの出力を制御するように構成される。モータ制御部は、第1制御モードにおいて、押圧部への押圧操作が継続されている間だけ押圧部を押圧する押圧力に応じてモータの出力を制御する。増加度設定部は、第1制御モードにおける押圧力に応じたモータの出力に到達するまでのモータの出力の増加度を第1操作部の操作に応じて変更する。
【0007】
この電動リールのモータ制御装置では、第1制御モードにおいて、第1制御モードにおける押圧力に応じたモータの出力に到達するまでのモータの出力の増加度を、第1操作部の操作に応じて変更することができるので、第1押圧部の押圧操作によるさそい動作の操作性を向上させることができる。
【0008】
本発明の第1側面に従う第2側面の電動リールのモータ制御装置の増加度設定部は、第1制御モードが選択されている状態において、第1制御モードにおける押圧力に応じたモータの出力に到達するまでのモータの出力の増加度を第1操作部の操作に応じて変更する。この場合は、例えば、第1制御モードが選択されているときに、押圧力に応じたモータの出力に到達するまでのモータの出力の増加度を迅速に変更することができるので、さそい動作の操作性がさらに向上する。
【0009】
本発明の第1側面又は第2側面に従う第3側面の電動リールのモータ制御装置は、第1制御モードにおけるモータの出力の上限値を変更する上限設定部をさらに備える。この場合は、押圧部の押圧操作によるさそい動作中に、釣り人が想定した以上にモータの出力が増加することを防止できる。
【0010】
本発明の第3側面に従う第4側面の電動リールのモータ制御装置は、リール本体に設けられる第2操作部をさらに備え、モータ制御部は、第1制御モードにおいて、押圧部への押圧操作がされていなければ、第2操作部が操作されたことに応じてモータの出力を上限設定部によって設定された上限値まで増加させる。この場合は、第1制御モードにおいて、上限設定部によって設定された上限値に対応するモータの出力で釣り糸を自動で巻き上げることが可能になるので、第1制御モードにおける電動リールの操作性が向上する。
【0011】
本発明の第4側面に従う第5側面の電動リールのモータ制御装置のモータ制御部は、第1制御モードにおいて、第2操作部が操作されたことに応じてモータの出力を上限値で維持している状態のときに、第2操作部が再度操作されたことに応じてモータの出力を停止させる。この場合は、第1制御モードにおける電動リールの操作性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電動リールにおけるさそい動作の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態が採用された電動リールの斜視図。
【
図2】電動リールの制御系の構成を示すブロック図。
【
図3】第1制御モードの特性の一部を説明するための図。
【
図4】第1制御モードが選択されている状態における表示部の平面図。
【
図5】第1制御モードの特性の一部を説明するための図。
【
図6】第1制御モードの特性の一部を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を採用した電動リール100は、
図1に示すように、外部電源から供給された電力によりモータ駆動される電動リールである。
【0015】
電動リール100は、リール本体1と、スプール2と、モータ3と、ハンドル4と、カウンタケース5と、第1押圧部11と、第2押圧部12と、モータ制御部17とを備えている。第1押圧部11、第2押圧部12、及びモータ制御部17は、モータ制御装置の一部を構成する。
【0016】
リール本体1は、フレーム6と、フレーム6の一方側を覆う第1側カバー7と、フレーム6の他方側を覆う第2側カバー8と、フレーム6の前部を覆う図示しない前カバーと、を有している。リール本体1の内部には、スプール2に連動して動作する図示しないレベルワインド機構や、モータ3及びハンドル4の回転をスプール2に伝達する図示しない回転伝達機構等が配置されている。
【0017】
スプール2は、リール本体1の内部に配置されている。スプール2は、第1側カバー7と第2側カバー8との間で、リール本体1に回転自在に装着されている。
【0018】
モータ3は、リール本体1の内部に配置されている。モータ3は、モータ制御部17によってPWM制御され、第1押圧部11及び第2押圧部12の押圧操作に応じて、スプール2を糸巻き取り方向に回転駆動する。
【0019】
ハンドル4は、第1側カバー7の回転自在に支持されている。
【0020】
カウンタケース5は、リール本体1の上部に配置されている。カウンタケース5は、フレーム6に固定されている。カウンタケース5には、液晶ディスプレイを有する表示部10と、第1押圧部11と、第2押圧部12と、第1~第3操作部13~15が設けられている。第1押圧部11は、押圧部の一例である。
【0021】
第1~第3操作部13~15は、主に電動リール100の各種設定をする際に使用される。第1~第3操作部13~15は、押圧操作される。第1~第3操作部13~15は、表示部10に設けられたタッチパネルであってもよい。カウンタケース5の内部には、各種の制御を行う制御部16(
図2参照)が収容されている。
【0022】
第1押圧部11及び第2押圧部12は、押圧操作されるようにリール本体1に設けられる。第1押圧部11及び第2押圧部12は、シーソー式の感圧スイッチである。第1押圧部11は、圧力センサ11aを有している。圧力センサ11aは、第1押圧部11を押圧操作する押圧力(以下、第1押圧力と記す)の大きさに応じた検出値を電気信号としてモータ制御部17に出力する。第2押圧部12は、圧力センサ12aを有している。圧力センサ12aは、第2押圧部12は、第2押圧部12を押圧操作する押圧力(以下、第2押圧力と記す)の大きさに応じた検出値を電気信号としてモータ制御部17に出力する。
【0023】
制御部16は、
図2に示すように、機能構成としてモータ3を制御するモータ制御部17と、増加度設定部18と、上限設定部19と、表示部10を制御する表示制御部20と、を有している。モータ制御部17は、モータ3をPWM駆動するモータ駆動回路21を介して、第1押圧部11への押圧操作又は第2押圧部12への押圧操作に応じてモータ3の出力(以下、モータ出力と記す)を制御する。
【0024】
制御部16には、第1押圧部11、第2押圧部12、及び第1~第3操作部13~15が接続されている。また、制御部16には、表示部10、スプール2の回転速度及び回転方向を検出するためのスプールセンサ22及び記憶部23が接続されている。記憶部23は、例えば不揮発性メモリであり、棚位置の情報及び船縁停止位置の情報などの電動リール100の各種設定情報が記憶されている。
【0025】
モータ制御部17は、モータ出力を停止状態から最大出力まで段階的に制御する。モータ制御部17は、モータ3をPWM方式で制御しており、最大出力はデューティ比100%である。モータ出力は、例えばモータ3の回転速度である。なお、ここでは負荷がかかってスプール2の回転速度が低下した時は、所定の回転速度を保つようにフィードバック制御されている。
【0026】
本実施形態では、モータ出力は0からNmaxまでの複数の段階(Nmax+1段階)に段階的に調整されている。0段階はモータ3の停止状態であり、Nmax段階はモータ3が最大出力で駆動されている状態である。モータ出力は、例えば31段階に調整されている。
【0027】
モータ制御部17は、第1制御モードを少なくとも含む複数の制御モードのうち、いずれかの制御モードでモータ出力を制御するように構成される。モータ制御部17は、複数の制御モードから選択された制御モードでモータ出力を制御するように構成される。モータ制御部17は、例えば、第3操作部15の押圧操作に応じて制御モードを切り換える。
【0028】
複数の制御モードは、通常制御モードを含む。モータ制御部17は、通常制御モードにおいて、第1押圧力に応じてモータ出力(例えば、モータ3の回転速度)を増加させ、第2押圧力に応じてモータ出力(例えば、モータ3の回転速度)を減少させる。モータ制御部17は、通常制御モードにおいて、第1押圧部11への押圧操作或いは第2押圧部12への押圧操作が解除されたときのモータ出力を維持する。
【0029】
なお、圧力センサ11a,12aから出力される押圧力の下限値及び上限値(例えば、下限値30グラム、上限値2キログラム)が設定されている。そして、その下限値と上限値の範囲内を任意の段階に分割(例えば、31等分)したうえで、それぞれの段階に対応するモータ出力の段階増加数及び段階減少数が設定されている。
【0030】
モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第1押圧部11への押圧操作が継続されている間だけ第1押圧力に応じてモータ出力を制御する。モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第1押圧部11への押圧操作が解除されたことに応じて、モータ出力を0段階まで減少させる。
【0031】
モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第1押圧力の大きさに比例してモータ出力を増加させる。なお、第1制御モードでは、圧力センサ11aから出力される第1押圧力の下限値及び上限値の範囲内を任意の段階に分割(例えば、31等分)したうえで、それぞれの段階に対応するモータ出力(ここでは、モータ3の回転速度)が設定されている。
【0032】
図3に示すように、第1制御モードにおいて第1押圧部11が押圧操作されると、モータ制御部17は、第1制御モードにおける第1押圧力の大きさに対応するモータ出力段階N1までモータ出力を増加させる。このとき、モータ制御部17は、増加度設定部18で設定された増加度でモータ出力を増加させる。ここでの増加度は、例えば、モータ3の回転が停止した状態からモータ出力段階N1に対応するモータ3の回転速度に到達させるときの加速度(角加速度)である。
図3において、横軸は時間を示し、縦軸はモータ出力段階Nを示す。
【0033】
増加度設定部18は、第1制御モードにおける第1押圧力に応じたモータ出力に到達するまでのモータ出力の増加度を第1操作部13の操作に応じて変更する。ここでは、増加度設定部18は、第1制御モードにおけるモータ出力段階N1に対応するモータ3の回転速度に到達するまでのモータ3の加速度を第1操作部13の操作に応じて変更する。
【0034】
図3に示すように、増加度設定部18が設定可能な加速度の設定値は、例えば、高加速度H、中加速度M、低加速度Lの3段階である。高加速度Hに対応するデューティ比は、中加速度Mに対応するデューティ比よりも高い。中加速度Mに対応するデューティ比は、低加速度Lに対応するデューティ比よりも高い。
【0035】
加速度の設定値は、記憶部23に記憶されている。増加度設定部18は、第1制御モードが選択されている状態において、第1制御モードにおけるモータ出力段階N1に対応するモータ3の回転速度に到達するまでの加速度を第1操作部13への押圧操作に応じて変更する。
【0036】
図4は、第1制御モードが選択されている状態における表示部10の平面図である。表示制御部20は、第1制御モードが選択されている状態において、増加度設定部18で設定された加速度の設定値を表示部10に表示させる。表示制御部20は、
図4に示すように、高加速度Hが選択されているときにおいて、表示部10に[H]と表示させる。
【0037】
上限設定部19は、第1制御モードにおけるモータ出力の上限値を変更する。すなわち、モータ制御部17は、
図5に示すように、第1制御モードにおいて、モータ出力の最大値を上限設定部19で設定された値に制限する。ここでは、モータ制御部17は、モータ出力の段階を上限設定部19で設定された上限段階NMに制限する。具体的には、第1制御モードにおいて、上限段階NMに対応する第1押圧力よりも大きい押圧力で第1操作部13が押圧操作された場合、モータ出力は、上限段階NMに制限される。
図5において、横軸は第1押圧力を示す。
【0038】
制御部16は、例えば、第3操作部15の押圧操作に応じて上限設定部19の設定用モードに切り替える。このとき、表示制御部20は、上限段階NMの設定用モードを表示部10に表示させる。そして、例えば、第1操作部13又は第2操作部14を押圧操作して、上限段階NMを任意の段階に選択し、第3操作部15を再度操作することで上限段階NMが変更される。
【0039】
表示制御部20は、第1制御モードが選択されている状態において、上限設定部19で設定された上限値を表示部10に表示させる。なお、
図4では、上限値に対応する上限段階NMの値が22に設定されている状態を示している。
【0040】
図6に示すように、モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第1押圧部11への押圧操作がされていなければ、第2操作部14が操作されたことに応じてモータ出力を上限設定部19によって設定された上限値(ここでは、上限段階NM)まで増加させて、上限設定部19によって設定された上限値でモータ出力を維持する。モータ制御部17は、スプール2から繰り出された釣り糸が停止糸長に到達したときに、モータ出力を停止させる。停止糸長は、例えば、釣り糸に取り付けられた仕掛けが掴み易い位置に設定される。モータ制御部17は、例えば、第3操作部15が長押しされたときの糸長を停止糸長として設定する。
【0041】
モータ制御部17は、第1制御モードにおいて、第2操作部14が操作されたことに応じてモータ出力を上限値(ここでは、上限段階NM)で維持している状態のときに、第2操作部14が再度操作されたことに応じてモータ出力を停止させる。
【0042】
この電動リールのモータ制御装置では、第1制御モードにおいて、第1制御モードにおける第1押圧力に応じたモータ出力に到達するまでのモータ出力の増加度を、第1操作部13の操作に応じて変更することができるので、第1押圧部11の押圧操作によるさそい動作の操作性を向上させることができる。
【0043】
第1制御モードが選択されているときに、第1操作部13を操作することで、第1押圧力に応じたモータ出力に到達するまでのモータ出力の増加度を迅速に変更することができるので、さそい動作の操作性がさらに向上する。
【0044】
モータ制御装置は、上限設定部19を備えているので、第1制御モードにおいて、第1押圧部11の押圧操作によるさそい動作中に、釣り人が想定した以上にモータ出力が増加することを防止できる。
【0045】
第1制御モードにおいて、上限設定部19によって設定された上限段階NMに対応するモータ出力で釣り糸を自動で巻き上げることが可能になるので、第1制御モードにおける電動リールの操作性が向上する。
【0046】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0047】
第1~第3操作部13~15の操作に応じて、第1押圧部11と第2押圧部12の機能が互いに入れ替わる構成であってもよい。
【0048】
圧力センサ11a,12aは感圧素子のような単体部品でなく、大きなばね定数のばねで押圧された部材の微小な変位量に応じて出力するものであってもよい。
【0049】
前記実施形態では、モータ出力としてスプール2の回転速度を検出してフィードバック制御していたが、モータ3に供給される電流値を制御して巻き上げトルクが所定値となるようにしてもよい。あるいはスプール2の糸巻径を算出して張力が所定値になるように制御してもよい。
【0050】
前記実施形態における、圧力センサ11a,12aから出力されている電気信号に応じてモータ3を回転させるときの制御方法を、所定のスプール回転速度で制御するか、所定のトルク値で制御するか、の2つから任意に選択できるようにしてもよい。
【0051】
前記実施形態において、圧力センサ11a,12aから出力される押圧力の下限値と上限値の範囲内を任意の段階で分割するときは、その範囲を均等に分割しなくてもよい。モータ3の出力段階の段階増加数及び段階減少数が低い段階に対応する押圧力の範囲を、高い段階の範囲に比べて大きくしてもよい。
【0052】
前述したモータ制御部17のモータ制御処理を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、記録媒体に記録されたプログラムを、例えばCPU(Central Processing Unit)が実行することでモータ制御処理が行われてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 リール本体
2 スプール
3 モータ
11 第1押圧部(押圧部の一例)
13 第1操作部
14 第2操作部
17 モータ制御部
18 増加度設定部
19 上限設定部
100 電動リール