(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177791
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】自動運転車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20241217BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20241217BHJP
B60W 40/10 20120101ALI20241217BHJP
G01C 21/30 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W40/06
B60W40/10
G01C21/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096129
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(72)【発明者】
【氏名】芝池 悠志
(72)【発明者】
【氏名】井上 豪
(72)【発明者】
【氏名】青木 裕
(72)【発明者】
【氏名】長田 侑士
(72)【発明者】
【氏名】高平 将吾
(72)【発明者】
【氏名】小城 隆博
(72)【発明者】
【氏名】国弘 洋司
(72)【発明者】
【氏名】賎機 宏紀
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB22
2F129BB26
2F129BB33
2F129BB49
2F129DD13
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2F129EE95
2F129GG03
2F129GG04
2F129GG05
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2F129GG17
2F129GG18
2F129HH33
3D241BA11
3D241BB27
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DC41Z
(57)【要約】
【課題】車両の挙動や車両の外部状況に基づいて車両の走行を支援するときに、車両の挙動が搭乗者の意図しない挙動になることを抑制することが可能な自動運転車両の制御装置を提供する。
【解決手段】地図データと挙動検出センサと外部検出センサとによって推測された車両の地図データ上での現在位置に基づいて演算された目標軌道に基づいて車両を自動運転走行させる制御装置であって、走行路上での車両の相対位置に応じて、車両の地図データ上での位置を補正することで車両の現在位置を推測し、そのときの補正量を求め(ステップS1)、地図データおよび外部検出センサによって補正量の変化を予測し(ステップS2)、それらに応じて、車両を自動運転走行させるときの制御入力における制御ゲインを変更して走行制御の特性を変更する(ステップS3)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の挙動に関するパラメータを検出する複数の挙動検出センサと、
前記車両が走行している走行路の周囲に存在する対象物を検出する複数の外部検出センサと、を備え、
予め記憶されている地図データと、複数の前記挙動検出センサの検出結果と、複数の前記外部検出センサの検出結果とに基づいて前記車両の前記地図データ上での現在位置を推測し、推測された前記地図データ上での前記車両の前記現在位置に基づいて目標軌道を演算し、前記目標軌道に基づいて前記車両を自動運転走行させるように構成された自動運転車両の制御装置であって、
前記地図データ上での前記現在位置を推測し、かつ、前記車両が前記目標軌道に沿って前記自動運転走行するように設定された制御入力に基づいて前記車両の走行制御を実行するコントローラを備え、
前記コントローラは、
複数の前記外部検出センサの前記検出結果に基づいて求められた前記車両の前記走行路上での相対位置に応じて、前記地図データ上での前記車両の位置を補正することにより、前記地図データ上での前記車両の前記現在位置を推測し、
前記車両の前記現在位置を推測したときの前記地図データ上での前記車両の前記位置の補正量を算出し、
前記地図データおよび複数の前記外部検出センサの少なくとも一方によって検出された、前記車両が走行する予定の予定走行路に関するデータに基づいて前記予定走行路における前記補正量を予測し、
前記制御入力に基づいて前記走行制御を実行するときに、前記補正量および予測された前記補正量に応じて、前記制御入力における制御ゲインを変更するように前記走行制御の特性を変更する
ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動運転車両の制御装置であって、
前記コントローラは、前記補正量および予測された前記補正量が大きくなるほど前記制御ゲインを大きくするように前記走行制御の特性を変更するように構成されている
ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
前記補正量を、前記車両の縦方向、横方向、および、ヨー方向のそれぞれについて算出し、
前記縦方向、前記横方向および前記ヨー方向のそれぞれについての前記補正量および前記予測された前記補正量に基づいて、前記制御ゲインの大きさを変更するように前記走行制御の特性を変更して前記車両を自動運転走行させるように構成されている
ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、前記予定走行路に基づいて設定されたフィードフォワードの値を前記制御入力に用いて前記自動運転走行させるための前記走行制御を実行するように構成され、
前記走行制御の特性を変更するときに、前記補正量および予測された前記補正量に基づいて、前記フィードフォワードの値を変更する
ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両の制御装置であって、
前記コントローラは、
前記地図データ上での前記車両の前記現在位置から前記予定走行路における前記目標軌道の曲率に基づいて前記フィードフォワードの値を設定し、
前記フィードフォワードの値に基づいて前記車両の舵角についての前記制御入力を算出し、
前記走行制御の特性を変更するときに、前記地図データ上での前記車両の前記現在位置を推測する際の補正に前記車両の縦方向への補正が含まれている場合には、前記フィードフォワードの値を推測された前記現在位置に基づく適正値に変更する
ことを特徴とする自動運転車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサなどによって認識した車両の挙動と外部から取得した情報とに基づいて自動運転走行することが可能な車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車線数が変化する区間を走行する場合であっても、自己位置の推定精度を安定させることを目的とした自己位置推定装置が開示されている。特許文献1の自己位置推定装置は、車載カメラによる画像データ、センサなどから取得した自車両の状態量のデータ、GPSデータ、および地図データに基づいて自車両の位置を推定する。特許文献1の自己位置推定装置では、画像データに基づき、車線数が増えるあるいは減る区間である無車線区間を認識した場合には、無車線区間を認識していない場合と比較して、地図データの活用を制限して、つまり、地図データの重み付けを小さくして自車両の推定位置の補正を行うように構成されている。特許文献1では、このような構成により、道路のリンクデータが正確に作成されていないような無車線区間において自己位置の推定精度が低下することを抑制することができるので、自己位置推定精度の安定化を図ることができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の位置を特定する場合には、縦方向(前後方向)、横方向(左右方向)およびヨー方向(あるいは方位角)のそれぞれの成分について特定する。つまり、それぞれの成分について、特許文献1の装置のように、車両の状態量および地図データ等に基づいて推定される車両の位置と、カメラ等によって実測された実際の走行路上における車両の位置と、を所定の周期ごとに取得し、それらをマッチングさせて地図データ上における車両の位置を推測する。その推測された車両の位置から目標軌道に沿って車両の走行を支援するように車両を制御する。そのように推定される車両の位置を実測された車両の位置に基づいて補正して車両の位置を推測するときには、各成分に応じて重み付けするデータを変更するように構成されている場合がある。
【0005】
例えば、車両の横方向の位置を推測する場合には、車両に搭載されているカメラによって認識された情報に重み付けするように構成され、車両のヨー方向の位置を推測する場合には、車両に設けられている各種センサなどから検出された車両の挙動に関する情報に重み付けするように構成されている場合がある。そのような場合において、例えば、地図データと実際の走行路とにずれがある場合には、成分ごとに走行路における中心位置や目標位置から実際の車両位置の差異についての認知が異なる可能性がある。
【0006】
具体的には、横方向については、カメラによって認識された情報に重み付けしているので、そのような差異が生じたことを比較的早期に検出する。一方で、ヨー方向においては、そのような差異が生じたときに、車両の挙動に基づく情報に重み付けしている。そのため、ヨー方向については、地図データや車両の挙動に関するデータの誤差などにより、上述した差異が小さく検出される可能性がある。すなわち、横方向については、走行路上の中心位置や目標位置からの車両のずれを比較的正しく検出するのに対して、ヨー方向についてはそのずれを正しく検出できない可能性がある。車両の横方向およびヨー方向についての車両の挙動を変更する場合には、いずれも車両の操舵に関する操作量を変更することになる。したがって、車両の操舵に関する操作量の演算結果が、横方向とヨー方向とで異なってしまうことにより、車両の位置が走行路の中心位置や目標位置に直ちに戻らない可能性がある。その結果、車両の挙動に搭乗者の意図しない挙動が生じてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、車両の挙動や車両の外部状況に基づいて車両の走行を支援するときに、車両の挙動が搭乗者の意図しない挙動になることを抑制することが可能な自動運転車両の制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、車両の挙動に関するパラメータを検出する複数の挙動検出センサと、前記車両が走行している走行路の周囲に存在する対象物を検出する複数の外部検出センサと、を備え、予め記憶されている地図データと、複数の前記挙動検出センサの検出結果と、複数の前記外部検出センサの検出結果とに基づいて前記車両の前記地図データ上での現在位置を推測し、推測された前記地図データ上での前記車両の前記現在位置に基づいて目標軌道を演算し、前記目標軌道に基づいて前記車両を自動運転走行させるように構成された自動運転車両の制御装置であって、前記地図データ上での前記現在位置を推測し、かつ、前記車両が前記目標軌道に沿って前記自動運転走行するように設定された制御入力に基づいて前記車両の走行制御を実行するコントローラを備え、前記コントローラは、前記複数の外部検出センサの前記検出結果に基づいて求められた前記車両の前記走行路上での相対位置に応じて、前記地図データ上での前記車両の位置を補正することにより、前記地図データ上での前記車両の前記現在位置を推測し、前記車両の前記現在位置を推測したときの前記地図データ上での前記車両の前記位置の補正量を算出し、前記地図データおよび複数の前記外部検出センサの少なくとも一方によって検出された、前記車両が走行する予定の予定走行路に関するデータに基づいて前記予定走行路における前記補正量を予測し、前記制御入力に基づいて前記走行制御を実行するときに、前記補正量および予測された前記補正量に応じて、前記制御入力における制御ゲインを変更するように前記走行制御の特性を変更することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明においては、前記コントローラは、前記補正量および予測された前記補正量が大きくなるほど前記制御ゲインを大きくするように前記走行制御の特性を変更するように構成されていてよい。
【0010】
また、本発明においては、前記コントローラは、前記補正量を、前記車両の縦方向、横方向、および、ヨー方向のそれぞれについて算出し、前記縦方向、前記横方向および前記ヨー方向のそれぞれについての前記補正量および前記予測された前記補正量に基づいて、前記制御ゲインの大きさを変更するように前記走行制御の特性を変更して前記車両を自動運転走行させるように構成されていてよい。
【0011】
また、本発明においては、前記コントローラは、前記予定走行路に基づいて設定されたフィードフォワードの値を前記制御入力に用いて前記自動運転走行させるための前記走行制御を実行するように構成され、前記走行制御の特性を変更するときに、前記補正量および予測された前記補正量に基づいて、前記フィードフォワードの値を変更するように構成されていてよい。
【0012】
さらに、本発明においては、前記コントローラは、前記地図データ上での前記車両の前記現在位置から前記予定走行路における前記目標軌道の曲率に基づいて前記フィードフォワードの値を設定し、前記フィードフォワードの値に基づいて前記車両の舵角についての前記制御入力を算出し、前記走行制御の特性を変更するときに、前記地図データ上での前記車両の前記現在位置を推測する際の補正に前記車両の縦方向への補正が含まれている場合には、前記フィードフォワードの値を推測された前記現在位置に基づく適正値に変更するように構成されていてよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の自動運転車両の制御装置によれば、車両の外部検出センサの検出結果、例えば、車両と白線との相対距離に基づく車両の相対位置に応じて、地図データおよび車両の挙動検出センサに基づく車両の位置データを補正することにより車両の現在位置が推測され、その推測された車両の現在位置に応じて車両が自動運転走行するように制御される。車両を自動運転走行させるときには、その実測された相対位置に応じて位置データを補正するときの補正量と、予め記憶されている地図データや外部検出センサに基づく、予定走行路における予測された補正量と、を演算する。また、車両を自動運転走行させるときの走行制御は、車両を走行させるための機構への制御入力に基づいて実行される。そして、走行制御が実行されるときには、その補正量および予測された補正量に基づいてその走行制御における制御ゲインを変更するように自動運転走行の走行制御における特性が変更される。つまり、その位置データの補正量および予測された補正量の変化に応じて、車両を自動運転走行させるための制御入力が変更される。そのように車両の走行制御における制御ゲインを変更するので、目標軌道に基づいて車両の自動運転走行させるときの車両の追従性能の低下を抑制することができ、ひいては、搭乗者の意図しない挙動が生じることを抑制することができる。
【0014】
また、補正量および予測された補正量が大きくなるほど走行制御における制御ゲインを大きくして自動運転走行を実行するように構成されている。すなわち、補正量が大きい場合に制御ゲインを大きくするので、走行路における中心位置や目標位置に対する車両の位置のずれが生じることを抑制することができる。また、車両の位置のずれが生じてしまった場合でも、そのずれを速やかに小さくするように車両を自動運転走行させることができる。また、走行制御にフィードフォワードの値を用いている場合には、補正量に応じてフィードフォワードの値を変更する。目標軌道の曲率に基づいて設定されるフィードフォワードの値は、車両の舵角についての制御入力を算出するために用いられ、車両の縦方向への補正があった場合には、フィードフォワードの値を補正された車両の位置、つまり推測された現在位置に基づく適正値に変更される。したがって、車両を目標軌道に沿って走行させるときに、車両が目標軌道から逸れてしまうことを抑制する、あるいは、逸れてしまったとしても速やかに目標軌道に車両を戻すことができる。つまり、車両の目標軌道に対する追従性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態における自動運転車両の制御装置を搭載した車両の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における自動運転車両の制御装置の機能構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における自動運転車両の制御装置によって実行される制御の一例を示すフローチャートである。
【
図4】車両の地図データ上の位置データおよび車両の地図データ上の現在位置について説明するための説明図である。
【
図5】地図データが実際の道路と異なっている場合について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明を具体化した場合の一例に過ぎないのであって、本発明を限定するものではない。
【0017】
図1には、本発明の実施形態における制御装置が搭載された自動運転車両(以下、単に車両と記載する)1を示している。本発明の実施形態における車両1は、手動操作による走行だけでなく、運転者が運転操作することなく駆動力や制動力、操舵量などを制御することにより自動運転走行が可能な車両である。また、車両1は、外部から取得した周辺情報に基づいて走行環境の認識や周辺状況の監視などを行うことも可能に構成されている。
【0018】
車両1は、車両1の挙動に関するデータや外部から取得したデータに基づいて、自動運転走行が実行される。例えば、車両1は、推定あるいは実測された車両1の位置に関するデータを取得し、その車両1の位置に関するデータや地図データなどに基づいて予め定められた目標軌道に沿って車両1が走行することができるように、駆動力や制動力、操舵量などの操作量を演算して車両1を制御することにより自動運転走行が実行される。本発明の実施形態における車両1は、車両1の挙動を変更するための各装置の操作量を求めるときに基準となる車両1の現在位置を正確に推測し、車両1が目標となる軌道に沿って自動運転走行することができるように構成されている。なお、車両1は、自動運転による走行が可能な車両であればよく、例えば、エンジン車両、水素自動車、ハイブリッド車両、燃料電池車などの、既存の一般的な車両であってよい。
【0019】
そのような車両1の一例を
図1に示している。
図1に示す車両1は、駆動力源2、ブレーキ装置3、車輪4、ステアリング装置5、検出部6およびECU(電子制御装置)7を備えている。
【0020】
駆動力源2は、車両1を走行させるためのトルクを出力する。駆動力源2としては、例えば、従来知られているエンジン(内燃機関)やモータ・ジェネレータのいずれかを有し、あるいはそのいずれも有していてもよい。
【0021】
ブレーキ装置3は、従来知られているブレーキ装置と同様の装置であって、例えば、車両1における前後の各車輪4のそれぞれに設けられている。ブレーキ装置3の一例としては、ディスクブレーキやドラムブレーキあるいはパウダーブレーキなどの摩擦ブレーキであり、油圧や電磁力などによって摩擦力を生じて各車輪4の回転を止める方向の制動力を生じさせるように構成されている。
【0022】
ステアリング装置5は、方位角を変更して車両1の進行方向を調整する。ステアリング装置5は、従来知られているステアリング装置と同様の装置であり、例えば、電動のアシスト機構が設けられた、ラックアンドピニオン式の電動パワーステアリング装置などである。
【0023】
検出部6は、車両1を制御する際に必要な各種のデータや情報を取得するための機器あるいは装置である。検出部6は、車両1自体の走行に関するデータを取得するための内界センサ8および車両1の外部の情報を取得するための外界センサ9を備えている。内界センサ8には、車両1の加速度を検出する加速度センサ8a、車両1の姿勢や向き、例えばヨー角(方位角)の変化を角速度として検出するジャイロセンサ8bおよび車輪の回転速度等から車速を検出する車速センサ8cなどが含まれる。外界センサ9には、撮像画像を取得する車載カメラ9aおよびレーザー光の反射光のデータを元に対象物の情報を取得するLiDAR9bなどが含まれている。なお、内界センサ8が、本発明の実施形態における挙動検出センサに相当し、外界センサ9が、本発明の実施形態における外部検出センサに相当する。
【0024】
ECU7は、本発明の実施形態におけるコントローラに相当し、プロセッサ(CPU)や記憶素子(RAMやROM)ならびに入出力装置(入出力インターフェース)などからなるマイクロコンピュータを主体にして構成されている。ECU7は、車両1に設けられた各種センサ8,9や外部から入力されたデータ、予め記憶しているデータなどを使用して所定のプログラムに従って演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。例えば、ECU7は、プロセッサが記録媒体に記憶されたプログラムを記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じた各種の制御を行うことにより、所定の目的に合致した機能を実行するものである。また、ECU7は、
図1および
図2に示すように、車両位置推測部10、目標軌道演算部11およびトレース制御部12を備えている。
【0025】
車両位置推測部10は、車両1の挙動の変化および外部の情報などの検出結果に基づいて車両1の地図データ上の現在位置を推測する。車両位置推測部10は、上述した各種センサ8,9に基づいて車両1の状態量、例えば、車速や加速度、ヨーレートなどを検出および算出する。車両位置推測部10は、その検出された車両1の状態量や、過去の車両位置の推定結果、記憶されている地図データなどに基づき、車両1の地図データ上での位置データを求める。つまり、地図データ上において、車両1が現在走行している道路のどの位置を走行しているのか、曲線路であればどの程度の曲率あるいはヨーレートでその曲線路を走行しているのかなどを推定する。また、車両位置推測部10は、外界センサ9である車載カメラ9aやLiDAR9bなどに基づき、実際の走行路上における車両1の相対位置を取得する。例えば、車両位置推測部10は、車載カメラ9aによって認識した走行レーンにおける車両1と白線との相対距離や車両1と周囲の車両、あるいは、標識との相対距離などに基づいて、車両1が走行している車線や、走行レーン内におけるどの位置を車両1が走行しているかなどの相対的な位置を実測する。
【0026】
車両位置推測部10は、そのように実測された車両1の相対位置と、推定された地図データ上の車両1の位置との差異を求めるように構成されている。例えば、車両1が曲線路を走行するときに、推定された車両1の位置が地図データ上において走行レーンの中心に沿って走行しているのに対し、実測された車両1の相対位置が走行レーンの中心より右側の区画線(例えば、車道中央線)に寄って走行している場合がある。そのような場合に、車両位置推測部10は、推定された地図データ上の車両1の位置データと、実測された車両1の実際の位置との差異に基づいて、車両の地図データ上での現在位置を推測するときの位置データの補正量を求めるように構成されている。
【0027】
また、車両位置推測部10は、そのような車両1の推定された位置データと実測された位置との相違を、車両1の縦方向(前後方向)、横方向(左右方向)およびヨー方向のそれぞれの成分について算出する。車両位置推測部10は、車両1の位置を適切に推測することができるように、それらの成分の特性などに応じて成分ごとに重み付けするパラメータを変更している。例えば、車両位置推測部10は、車両1のヨー方向について、車両1に設けられている内界センサ8の検出値に基づくデータに重み付けして位置を推測する。つまり、車両位置推測部10は、主に、車両1の速度や加速度、操舵量などの挙動に基づいて地図データ上における車両1のヨー角を求める。また、車両位置推測部10は、車両1の横方向について、外界センサ9によって実測された車両1の位置に基づくデータに重み付けして地図データ上の位置を推測する。つまり、車両位置推測部10は、車両1の横方向について、ヨー方向と同様に車両1の挙動に基づく地図データ上の位置を推定するとともに、実測された車両1の相対位置に基づくデータに重み付けして位置を推測するように構成されている。車両位置推測部10は、上述したような演算を所定の周期ごとに繰り返し実行することにより、車両1の地図データ上での現在位置を推測する。
【0028】
目標軌道演算部11は、車両位置推測部10によって求められた車両1の地図データ上での現在位置および車両1が走行している走行路もしくは走行する予定の走行路である予定走行路に関する情報に基づき、車両1の目標となる走行軌道や目標曲率を演算する。走行路に関する情報は、例えば、記憶されている地図データおよび外界センサ9によって検出した走行路上の白線や標識、他の車両などの情報である。目標軌道演算部11は、それらの情報に基づき、地図データ上において、車両1が走行レーンにおける中央を適正な速度で走行するように、あるいは、車両1が曲線路の曲率に沿った曲率で進入するようになど、車両1が搭乗者にとって快適に自動運転走行するために目標となる軌道などを演算する。また、目標軌道演算部11は、車両1の地図データ上での現在位置が現在の車両1の目標軌道あるいは目標曲率と相違している場合には、そのような目標となる軌道や曲率に車両1が速やかに復帰することができるような走行軌道を求める。なお、白線や標識、他の車両が、本発明の実施形態における車両の周囲に存在する対象物に相当する。
【0029】
例えば、目標軌道演算部11は、地図データに基づく車線、区画線および道路境界線情報などを取得し、走行レーンの中心ラインを基準とする車両1の目標位置に基づいて目標軌道を算出するように構成されている。そのときに、車両1の地図データ上での現在位置が目標軌道から逸れていることが検出された場合には、目標軌道演算部11は、車両1の地図データ上での現在位置が現在設定されている目標軌道上の位置に向けて漸次的に一致するような走行軌道を求める。つまり、車両1の地図データ上での現在位置からの経過時間に対する車両1の目標位置、つまり、現在の目標軌道からの縦方向、横方向およびヨー方向の逸脱量や制御入力の大きさ、車両1の移動時間、許容される逸脱量などのパラメータ、および、最適制御における評価関数や制約条件に応じて目標軌道が求められる。
【0030】
トレース制御部12は、車両1の走行制御を実行するように構成され、車両位置推測部10および目標軌道演算部11から取得したデータなどに基づいて、フィードバックおよびフィードフォワードを組み合わせて車両1を自動運転走行させる。つまり、トレース制御部12は、車両1の駆動力や制動力、操舵量などの挙動を制御する駆動力源2、ブレーキ装置3、ステアリング装置5などの各装置の操作量や制御入力を演算する。トレース制御部12は、車両1の縦方向、横方向およびヨー方向のそれぞれについて、車両1の走行路上での相対位置あるいは実測位置に基づく地図データ上での位置データの補正量についてのデータを車両位置推測部10から取得する。また、トレース制御部12は、目標軌道演算部11において演算された車両1の目標となる軌道や曲率などを取得する。トレース制御部12は、取得したそれらのデータに基づいて、車両1が地図データ上での現在位置から目標となる軌道や曲率に応じて走行するために必要な、車両1の挙動を制御する各装置の操作量や制御入力を演算する。
【0031】
例えば、目標軌道に基づいて車両1の舵角に関する操作量を求める場合、トレース制御部12は、目標舵角を演算し、その目標舵角を得るための操舵トルクを演算する。目標舵角は、目標軌道の形状に基づいて求められた目標曲率、目標ヨー角および目標横偏差とそれらのパラメータについて予め定められた制御ゲインとを用いて算出される。その一例として、目標曲率、目標ヨー角と実ヨー角との偏差、目標横偏差と実横偏差との偏差、および、目標横偏差と実横偏差との偏差の積分値のそれぞれに、制御ゲインを乗算した値に基づいて目標舵角が求められる。このような目標舵角の演算は、所定の周期ごとに実行され、その度に演算結果がECU7に送信されてステアリング機構が制御されるように構成されている。このように、トレース制御部12によって演算された操作量に基づいて、車両1の挙動を制御する各装置が制御される。
【0032】
次に、このように構成された車両1のECU7によって実行される制御の一例について説明する。
図3に示すように、ステップS1では、車両1の地図データ上での位置データを車両1の走行路上での実測位置に基づいて補正するときの補正量が算出される。ステップS1では、上述したように、主に車両1の状態量に基づいて推定された車両1の地図データ上での位置データが、主に外界センサ9に基づいて実測された車両1の相対位置に対してずれている場合には、その位置データを相対位置に応じて補正して車両1の地図データ上での現在位置を求める。ステップS1では、そのときの車両1の縦方向、横方向およびヨー方向のそれぞれについての補正量が取得される。
【0033】
車両1の位置データの補正量を求めた後、処理がステップS2に進み、予測される位置データの補正量が演算される。ステップS2では、地図データおよび外界センサ9などのデータから取得した車両1の進行方向や走行予定経路の形状に基づき、その補正量が大きくなる、あるいは、小さくなるなどの変化が予測される。例えば、進行方向前方が直進道路である場合には、その補正量が小さくなることが予測される。反対に、車両1の進行方向前方が曲線路である場合や、路面の工事などにより仮設の道路を走行する場合などを走行する予定であるときには、地図データと実際の走行路との乖離が大きくなることが予測される。そのような場合には、位置データの補正量が大きくなることが予測される。ステップS2では、主に、地図データや外界センサ9から取得した進行方向や走行予定経路における道路形状に基づいて、その補正量の変化が予測されている。
【0034】
車両1の位置データの補正量の変化が予測された後、処理がステップS3に進み、自動運転走行を実行するときのトレース制御の特性が変更される。ステップS3では、車両1の縦方向、横方向およびヨー方向の各成分について、ステップS1において算出された補正量と、ステップS2において予測された補正量とに応じて、車両1を自動運転走行させるための操作量を求めるときのパラメータの比重が変更される。具体的には、ステップS3では、車両1の上述した各方向において、車両1の走行路上での実測位置に基づく車両1の地図データ上での位置データの補正量および予測される補正量が大きいほど、補正された位置データに基づく各方向の偏差に対する制御ゲイン、つまりフィードバックゲインが大きくされる。また、必要に応じて車両1の舵角についての制御入力を算出するためのフィードフォワードの値を走行路に基づく適正値あるいは目標値に近づけるように制御する。
【0035】
例えば、車両1の横方向において、ステップS1において算出された車両1の位置データの補正量が小さく、かつ、予測される車両1の位置データの補正量が小さい場合には、車両1の位置が走行路における中心位置や目標位置からずれる事態が生じにくい。つまり、補正量が小さい場合には、車両1の状態量および地図データ等に基づいて推定される車両1の位置データあるいは推定位置と、外界センサ9によって実測された実際の走行路上における車両1の実測位置との差異が小さい。すなわち、車両1の自己位置を精度良く推定できているため、その結果、車両1の位置が走行路における中心位置や目標位置からずれる事態が生じにくい。そのため、トレース制御における走行特性を特に変更しない。つまり、現在の走行特性を維持してトレース制御による車両1の自動運転走行を継続する。
【0036】
反対に、車両1の横方向において、車両1の位置データの補正量が大きく、かつ、予測される車両1の位置データの補正量が大きい場合には、車両1の横方向についてのフィードバックゲインを大きくして車両のトレース制御が実行される。車両1の位置データの補正量および予測される補正量のいずれも大きいときには、主に、車両1の横方向およびヨー方向において、車両1が走行路における中心位置や目標位置からのずれが生じやすい。そのため、予め横方向あるいはヨー方向についてフィードバックゲインを大きくするように構成されている。
【0037】
また、車両1の縦方向について補正する場合には、そのようなフィードバックゲインを大きくして補正することに併せて、地図データ上での車両1の現在位置から予定走行路における目標軌道の曲率に基づいて設定されるフィードフォワードの値を変更することにより操作量が変更される。例えば、車両1が左方向への曲線路に差し掛かったときに、車両1の走行路上での実測位置に対して地図データ上での位置データが後ろであることが検出された場合には、相対的な位置に基づき、車両1の位置データが縦方向において前方に補正され、かつ、横方向において右に補正される。その結果、車両1の地図データ上での位置データが、車両の走行路上での実測位置に即した位置に補正され、車両1の地図データ上での現在位置が走行路に対して右に寄っている状態になる。
【0038】
そのような場合には、車両1を走行レーンの中央などの目標位置に速やかに移動させるために、車両1の曲率フィードフォワードを左旋回側に増大させ、横偏差に対するフィードバックゲインを大きくする。すなわち、フィードバックゲインを大きくすることで車両1の走行路の中心位置や目標位置に対するずれを速やかに検知するとともに、そのずれを各装置の操作量に反映させることができる。そして、地図データ上での車両1の位置が前方に補正されることにより、フィードフォワードの値が、補正された車両1の現在位置に即した値に変更される。つまり、補正された車両1の現在位置に応じた走行路における目標軌道の曲率に基づいてフィードフォワードを左旋回側に大きくすることにより、そのようなフィードバック制御による操作量の変化を妨げないとともに、フィードフォワードの値を走行路に沿った適正値あるいは目標値に近づけるようにすることができる。そのため、実際の車両1の位置を速やかに中心位置や目標位置に戻すように制御される。
【0039】
このように、ステップS3では、縦方向、横方向およびヨー方向のいずれかの方向について、車両1の推定位置の補正量および予測される補正量が大きくなるほど、そのいずれかの方向におけるフィードバックゲインを大きくすることにより車両1のトレース制御の特性が変更される。また、必要に応じてフィードフォワードの値が変更される。そして、そのようにして変更されたトレース制御の特性に基づき、車両1の駆動力、制動力および操舵量が制御されることにより、車両1の自動運転走行が実行される。なお、縦方向の補正量および予測される補正量が大きい場合には、横方向やヨー方向についてもずれが生じている可能性が高いので、各方向の偏差に基づくフィードバックゲインを大きくするように構成されていてもよい。
【0040】
このように構成された自動運転車両1の制御装置では、車両1の挙動に基づいて推定された車両1の地図データ上での位置データと、車両1の周囲の対象物などを認識することによって相対的に実測された車両1の走行路上での実測位置と、に基づいて車両1の地図データ上での現在位置を推測する。そのようにして求められた車両1の現在位置と、地図データや外界センサ9によって検出した走行レーンの白線や道路形状などに基づいて車両1の走行すべき目標軌道を求め、その目標軌道に沿って車両1を自動運転走行させるために必要な駆動力源2やブレーキ装置3、ステアリング装置5などの操作量に応じて車両1を制御する。そのとき、車両1の地図データ上での位置データと車両1の走行路上での実測位置との差異が大きくなることが予測された場合には、ECU7は、フィードバックゲインを大きくして車両1を制御するように構成されている。また、必要に応じてフィードフォワードの値を適正値に近づけるように構成されている。
【0041】
例えば、車両1が左に湾曲した走行路を走行する場合には、車速が変化したり、湾曲している方向に向けて車両1の向きが変わったりする。
図4に示すように、そのような曲線路に差し掛かったとき、車両1の地図データ上での位置データが走行路上での実測位置に対して後ろ側に位置していると推定している場合、つまり、位置データの位置にある車両1で示すように、地図データ上では目標軌道に沿って走行しているものの、実際の走行路に対しては後ろ側かつ左側に推定している場合がある。その場合には、外界センサ9に基づく白線などの対象物との距離に応じて車両1の位置データを前方向かつ右方向に補正して車両の地図データ上での現在位置が求められる。つまり、実測された車両1の相対位置に基づいて地図データ上での車両1の現在位置が求められる。そのようにして求められた車両1の地図データ上での現在位置は、走行レーンにおける右側に寄っている。そのため、車両1の走行制御は、車両1を走行レーンにおける中央に寄せつつ左方向への旋回量を増大するように制御される。そして、目標軌道に戻って車両1が走行するために必要な車両1の駆動力もしくは制動力、および、操舵角などを演算し、その演算結果に基づいて各装置を制御する。
【0042】
このとき、本発明の実施形態では、車両1のトレース制御における走行特性を変更するように構成されている。つまり、上述したように、車両1の推定位置と実測位置との補正量および予測される補正量が大きくなるにつれて、フィードバックゲインを大きくするように構成されている。また、そのときに、フィードフォワードの値が、フィードバックを妨げないように、あるいは、適正値もしくは目標値に近づくように変更される。上述した例の場合には、横方向における車両1の実測された相対位置に基づく車両1の位置データの補正量が大きいほど、車両1の走行制御における横方向のフィードバックゲインを大きくする。そして、走行路の目標軌道における曲率に基づくフィードフォワードを左旋回側に大きくする、つまり、走行路に対して適正な値に近づけるように変更する。なお、このとき、車両1のヨー方向については、主に車両1の挙動に応じたパラメータに基づいて位置を求めているため、補正量が小さく検出されている可能性がある。そのため、ECU7は、ヨー方向におけるフィードバックゲインについては特段の変更をすることなく演算を継続するように構成されている。すなわち、走行路における中心位置や目標位置と車両1の実際の位置との偏差が速やかに小さくなるように、もしくは、そのような偏差が生じることを抑制するように車両1の挙動を制御することができる。
【0043】
また、
図5に示すように、走行路によっては、地図データの精度や、工事が行われているなどにより、地図データが実際の走行路を正確に反映できていない場合がある。そのような場合には、上述した車両1の位置データと実測位置との差異が増大する可能性が高い。その結果、車両1の位置が走行路の中心位置や目標位置に対してずれた位置を走行してしまう可能性が高い。具体的には、
図5に示すように、地図データ上(地図上)では、走行路の中心位置を走行しているにも関わらず、実際の走行路上(実路上)では次第に走行路の右側に寄ってしまうような事態が生じる可能性がある。これに対して上述した実施形態では、車両1の位置データの実測位置に対する補正量および予測される補正量が大きくなるにしたがってフィードバックゲインを大きくし、また、必要に応じてフィードフォワードの値を適正値に近づける。そのため、地図データ上での車両の位置データと実測された車両の相対位置とのずれが生じた場合に、そのずれを小さくするように車両1の挙動を制御する各装置の操作量を設定することができる。
【0044】
したがって、例えば、地図データ上の車両1の位置データと走行路における車両1の相対位置との相違により、車両1の走行位置が目標軌道から逸れてしまったとしても、車両1の走行位置を目標軌道上に戻すときに、車両1に急激な減速や操舵量の変化が生じることを抑制することができる。すなわち、車両1の走行位置を速やかに目標軌道に戻すことができる。また、車両1の挙動に搭乗者の意図しない挙動が生じることを抑制することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した例に限定されないのであって、本発明の目的を達成する範囲で適宜変更してもよい。例えば、トレース制御に基づく車両1の自動運転走行には、モデル予測制御などの、評価関数を最小化する制御入力を求めて制御する最適制御を用いてもよい。そのような場合には、上述した制御において、車両1の実測位置に基づく推定位置の補正量および予測される補正量が大きくなる場合に、軌道追従項である横偏差やヨー角偏差に関するパラメータへの重み付けを大きくしてトレース制御を実行するように構成されているとよい。
【符号の説明】
【0046】
1 車両
6 検出部
7 ECU
8 内界センサ
9 外界センサ
10 車両位置推測部
11 目標軌道演算部
12 トレース制御部