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特開2024-177820音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置
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  • 特開-音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177820
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20241217BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241217BHJP
   G10K 11/175 20060101ALI20241217BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H04R3/00 310
G06Q50/10
G10K11/175
G10K15/04 302M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096167
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】奥野 達也
(72)【発明者】
【氏名】菅原 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤 大地
【テーマコード(参考)】
5D061
5D220
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5D061FF02
5D220AA01
5D220AA03
5D220AA31
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすくすること。
【解決手段】音環境提供方法では、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得し(S101)、取得した要望情報に基づいて、音源制作者から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデルにより生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得し(S102)、取得した音源情報に基づいて音環境を生成し(S103)、生成した音環境に関する音環境情報を出力する(S104)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得し、
取得した前記要望情報に基づいて、音源制作者から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデルにより生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得し、
取得した前記音源情報に基づいて前記音環境を生成し、
生成した前記音環境に関する音環境情報を出力する、
音環境提供方法。
【請求項2】
取得した前記要望情報に基づいて、役務提供者から提供される音響に関する役務情報を更に取得し、
前記音環境を生成する処理では、取得した前記役務情報に更に基づいて、前記音環境を生成する、
請求項1に記載の音環境提供方法。
【請求項3】
前記役務情報は、前記音環境が提供される対象空間における音場の設計に関する情報である、
請求項2に記載の音環境提供方法。
【請求項4】
前記音環境を生成する処理は、前記2以上の音源を1つの音源に結合する処理を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の音環境提供方法。
【請求項5】
前記音環境を生成する処理は、複数の時間帯それぞれで互いに異なる音源が再生される前記音環境を生成する処理を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の音環境提供方法。
【請求項6】
前記音環境は、ジャズ又はボサノバに分類される音楽が再生される環境と、自然環境音が再生される環境と、マスキングノイズが再生される環境と、のうちのいずれか1つを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の音環境提供方法。
【請求項7】
1以上のプロセッサに、
請求項1~3のいずれか1項に記載の前記音環境提供方法を実行させる、
プログラム。
【請求項8】
音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部で取得した前記要望情報に基づいて、音源制作者から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデルにより生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部で取得した前記音源情報に基づいて前記音環境を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記音環境に関する音環境情報を出力する提供部と、を備える、
音環境提供システム。
【請求項9】
請求項8に記載の前記音環境提供システムとの間で通信する通信部と、
音環境に対するユーザの要望の入力を受け付ける入力受付部と、
前記通信部を介して、前記入力受付部で受け付けた前記要望に関する要望情報を前記音環境提供システムへ送信し、前記音環境提供システムから前記音環境情報を取得する処理部と、
前記処理部で取得した前記音環境情報を出力する出力部と、を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、曲提供装置が開示されている。この曲提供装置は、依頼者からの依頼に応じた曲を提供するための装置であって、受付手段と、募集手段と、提供手段と、を有する。受付手段は、依頼者が作曲を依頼する曲の特徴を表す特徴情報を受け付ける。募集手段は、登録された特徴情報を作曲者が認識できる形態で提供することにより曲データの募集を行い、応募された曲データを受け付ける。提供手段は、応募された曲データを依頼者に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-296604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る音環境提供方法では、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する。前記音環境提供方法では、取得した前記要望情報に基づいて、音源制作者から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデルにより生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する。前記音環境提供方法では、取得した前記音源情報に基づいて前記音環境を生成する。前記音環境提供方法では、生成した前記音環境に関する音環境情報を出力する。
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記音環境提供方法を実行させる。
【0007】
本発明の一態様に係る音環境提供システムは、第1取得部と、第2取得部と、生成部と、提供部と、を備える。前記第1取得部は、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する。前記第2取得部は、前記第1取得部で取得した前記要望情報に基づいて、音源制作者から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデルにより生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する。前記生成部は、前記第2取得部で取得した前記音源情報に基づいて前記音環境を生成する。前記提供部は、前記生成部が生成した前記音環境に関する音環境情報を出力する。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、通信部と、入力受付部と、処理部と、出力部と、を備える。前記通信部は、前記音環境提供システムとの間で通信する。前記入力受付部は、音環境に対するユーザの要望の入力を受け付ける。前記処理部は、前記通信部を介して、前記入力受付部で受け付けた前記要望に関する要望情報を前記音環境提供システムへ送信し、前記音環境提供システムから前記音環境情報を取得する。前記出力部は、前記処理部で取得した前記音環境情報を出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の音環境提供方法、プログラム、音環境提供システム、及び情報処理装置は、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る音環境提供システムを含む全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る音環境提供システムの動作例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施の形態の変形例に係る音環境提供システムを含む全体構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態の変形例に係る音環境提供システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る音環境提供システム100の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る音環境提供システム100を含む全体構成を示すブロック図である。実施の形態では、音環境提供システム100は、サーバ装置により実現されている。なお、音環境提供システム100は、サーバ装置に限らず、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の情報端末により実現されてもよい。
【0014】
実施の形態では、音環境提供システム100は、インターネット等のネットワークN1を介して情報処理装置200と通信可能に構成されている。情報処理装置200は、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等であって、音環境提供システム100を利用する人が使用する装置である。実施の形態では、音環境システム100を利用する人は、例えば音環境の提供を受ける顧客であるユーザ、又は音環境提供システム100を用いたサービスを提供するサービス事業者である。また、音環境とは、例えばオフィス等の対象空間に設置された1以上の音響装置が音を出力することにより、対象空間に音響が提供されている環境である。
【0015】
各音響装置は、対象空間の天井、壁、床、又はデスク等に設置される。実施の形態では、各音響装置は、一例として無指向性のスピーカである。各音響装置は、音環境提供システム100が提供する音環境であって、ユーザが選択した音環境を実現するためのコンテンツを再生する。なお、各音響装置は、例えばパラメトリック・スピーカ、超音波を用いたスピーカ、又は筐体をホーン構造にしたスピーカ等の指向性を有するスピーカであってもよい。指向性を有するスピーカを用いた場合、一部の音が他の空間へ漏れ出る割合を小さくしやすい、という効果が期待できる。また、上述のように対象空間に音環境を提供することにより、いわゆるゾーニング効果が期待できる。
【0016】
ここで、ゾーニング効果とは、例えば、空間の認知上の区切れ感を意味し、外観上複数の空間が互いに異なる空間であるとユーザが認知しやすい効果を含み得る。また、ゾーニング効果は、ユーザによる認知をもって、ゾーニングの意図通りにユーザの行動又は動線の変化を促しやすくする効果を含み得る。例えば、任意の空間について、ユーザが集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングをした、と仮定する。この場合、当該空間を見たユーザが、集中力を要する作業を行うことを主目的として当該空間を使用すれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0017】
また、ゾーニング効果は、ユーザが実際にゾーニングされた空間を利用した場合に、ユーザの主観的な効果・実感、又は生理・心理・生体的作用がゾーニングの主旨に応じた傾向を示す効果を含み得る。例えば、任意の空間について、集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングを行い、当該空間をユーザが利用した、と仮定する。この場合、ユーザが当該空間を利用することで集中できたという実感を得たり、心理・生体的作用としてユーザが集中をしていたことを示唆する指標・データが得られたりすれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0018】
上述のように対象空間に音環境を提供することで、什器又は家具を用いることなく空間をゾーニングすることが可能である。このため、再生するコンテンツを変更する等の音響制御により瞬時に対象空間の雰囲気を変化させるようなゾーニングが可能となる。すなわち、上記制御によりゾーニングを行う場合、対象空間におけるコンテンツの変更は例えば数秒で完了する。この場合、結果として対象空間の雰囲気を数秒で変更することが可能である。ここで、什器又は家具を人力で移動させることで対象空間のレイアウトを変更する場合であれば、60分、数時間、又は一日、場合によっては数日を要する。この点から、上記制御によるゾーニングは、極めて顕著な効果を奏し得る。
【0019】
上記制御によるゾーニングにより、従来の什器又は家具の配置を変更することによる対象空間のレイアウトの変更と比較して、時間ごと、日ごと、又は月ごと等の短周期で対象空間の雰囲気を変化させることが可能である。
【0020】
<音環境提供システム>
まず、音環境提供システム100について説明する。音環境提供システム100は、図1に示すように、処理部1と、通信部2と、記憶部3と、を備えている。なお、音環境提供システム100は、少なくとも処理部1を備えていればよく、通信部2及び記憶部3を備えていなくてもよい。
【0021】
処理部1は、音環境提供システム100が備える種々の機能を実現する処理を行う。処理部1は、例えばプロセッサ又は専用回路によって実現される。処理部1は、プロセッサ等のハードウェアが記憶部3に記憶されているコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、種々の機能を実現する。なお、上記コンピュータプログラムは、上記ハードウェアが備えるメモリに記憶されていてもよい。実施の形態では、処理部1は、機能的な構成要素として、第1取得部11と、第2取得部12と、生成部13と、提供部14と、を有している。
【0022】
第1取得部11は、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する。音環境に対する要望は、例えば対象空間を利用する人がリラックスしやすい環境にしたい、対象空間を利用する人がリフレッシュしやすい環境にしたい、又は対象空間を利用する人が集中しやすい環境にしたい等の要望を含み得る。また、音環境に対する要望は、例えば音環境を構築するために出資し得る費用の上限又は下限等の要望を含み得る。
【0023】
実施の形態では、第1取得部11は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200で受け付けたユーザによる要望の入力に応じた信号を取得することで、要望情報を取得する。なお、例えば音環境提供システム100を用いたサービスを提供するサービス事業者とユーザとでヒアリングを行う場合であれば、当該ヒアリングに基づいてサービス事業者が情報処理装置200に入力することでも、第1取得部11は、要望情報を取得することが可能である。また、この場合であれば、第1取得部11は、当該ヒアリングの内容を録音したデータを取得し、取得したデータを適宜の音声解析アルゴリズムにより解析することで、要望情報を抽出して取得してもよい。また、例えば上記サービス事業者に対してユーザが要望について記載した電子メールを送信する場合であれば、第1取得部11は、当該電子メールを取得し、取得した電子メールを適宜の文字解析アルゴリズムにより解析することで、要望情報を抽出して取得してもよい。
【0024】
第2取得部12は、第1取得部11で取得した要望情報に基づいて、第1音源、第2音源、及び第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する。第1音源は、音源制作者4から提供される音源である。第2音源は、管理者5から提供される音源である。第3音源は、機械学習された学習済みモデル6により生成される音源である。
【0025】
音源制作者4は、業として音源を制作する個人又は事業者であって、音環境提供システム100を用いたサービスを提供するサービス事業者との間で契約を結んでいる。音源制作者4は、音環境提供システム100からの要望情報を受け付けると、当該要望情報に応じた音源を作成し、作成した音源を第1音源として音環境提供システム100に提供する。なお、音源制作者4は、予め作成してある複数の音源の中から当該要望情報に応じた音源を選択し、選択した音源を第1音源として音環境提供システム100に提供してもよい。実施の形態では、音源制作者4は、例えば電子楽器等により演奏される曲、機械音声を含む音声による歌、又は効果音等を音源として作成する。なお、音源制作者4が作成する音源は、上記の態様に限られない。
【0026】
管理者5は、条件付きで利用可能な著作物を管理する個人又は団体であって、上記サービス事業者との間で契約を結んでいる。実施の形態では、管理者5は、クリエイティブコモンズ(登録商標)である。管理者5は、音環境提供システム100からの要望情報を受け付けると、管理している複数の音源の中から当該要望情報に応じた音源を選択し、選択した音源を第2音源として音環境提供システム100に提供する。実施の形態では、管理者5が管理する音源は、例えば風の音、波の音、雷の音、動物の発する音、又は昆虫の発する音等、自然界において日常的な環境が発している音声及び音楽以外の音であって、ユーザの副交感神経を高めやすい自然環境音等である。なお、管理者5が管理する音源は、上記の態様に限られない。
【0027】
学習済みモデル6は、例えば多層構造を有するニューラルネットワークにより構成されており、要望情報に関する1以上のパラメータを入力すると、当該1以上のパラメータに基づく音源を生成して出力するように機械学習が完了したモデルである。学習済みモデル6は、例えばRNN(Recurrent Neural Network)、VAE(Variational Autoencoder)、又はGAN(Generative Adversarial Networks)等により構成されており、多数の学習用データセットを用いて、機械学習される。学習済みモデル6は、音環境提供システム100からの要望情報を受け付けると、当該要望情報に応じた音源を生成し、生成した音源を第3音源として音環境提供システム100に提供する。実施の形態では、学習済みモデル6が生成する音源は、例えばジャズ又はボサノバに分類される音楽等、楽器により演奏される曲等である。なお、学習済みモデル6が生成する音源は、上記の態様に限られない。
【0028】
実施の形態では、第2取得部12は、第1取得部11で取得した要望情報を、音源制作者4、管理者5、及び学習済みモデル6の各々に送信する。そして、第2取得部12は、音源制作者4から提供された第1音源、管理者5から提供された第2音源、及び学習済みモデル6で生成された第3音源の中から2以上の音源を選択することで、音源情報を取得する。例えば、第2取得部12は、第1音源、第2音源、及び第3音源の各々について、ユーザからの要望との一致度合いを評価する適宜の評価アルゴリズムにより評価し、評価値が閾値以上となる2以上の音源を選択してもよい。また、例えば、音環境の構築のためにユーザが出資し得る費用の上限又は下限が決まっている場合、第2取得部12は、当該費用を考慮して2以上の音源を選択してもよい。具体的には、費用の上限が決まっている場合、第2取得部12は、第1音源、第2音源、及び第3音源の各々の取得に要した金額を取得し、費用の上限を超えないように2以上の音源を選択してもよい。
【0029】
生成部13は、第2取得部12で取得した音源情報に基づいて音環境を生成する。実施の形態では、生成部13は、第2取得部12で選択した2以上の音源に基づいて、対象空間で再生される複合音源を生成することにより、音環境を生成する。以下、複合音源の具体例について列挙する。なお、複合音源は、以下に列挙する第1例及び第2例を組み合わせて生成されてもよい。また、複合音源は、以下に列挙する第1例及び第2例以外の態様で生成されてもよい。
【0030】
第1例では、複合音源は、第2取得部12で取得した2以上の音源を結合して生成される。言い換えれば、第1例では、生成部13が音環境を生成する処理は、2以上の音源を1つの音源に結合する処理を含む。第1例では、例えば2以上の音源が音楽と自然環境音とを含む場合、複合音源は、音楽と自然環境音とが同時に再生されるような音源である。
【0031】
第2例では、複合音源は、2以上の音源が時系列に沿って順に連続して再生されるような音源である。言い換えれば、第2例では、生成部13が音環境を生成する処理は、複数の時間帯それぞれで互いに異なる音源が再生される音環境を生成する処理を含む。第2例では、例えば2以上の音源が第1音楽、第2音楽、及び第3音楽を含む場合、複合音源は、朝の時間帯に第1音楽が再生され、昼の時間帯に第2音楽が再生され、夜の時間帯に第3音楽が再生されるような音源である。
【0032】
なお、複合音源を構成する2以上の音源の各々の特性により、2以上の音源の各々で再生音量が互いに異なる場合がある。このような場合、再生される音源によってユーザの聴感音圧が異なることで、音環境の快適性が損なわれる可能性がある。そこで、生成部13は、2以上の音源の各々の再生音量を均一化する処理を更に実行してもよい。この場合、再生される音源によってユーザの聴感音圧が異なる可能性が低くなり、音環境の快適性が損なわれにくい。
【0033】
ここで、生成部13が生成する音環境は、ジャズ又はボサノバに分類される音楽が再生される環境(以下、「第1環境」という)と、自然環境音が再生される環境(以下、「第2環境」という)と、マスキングノイズが再生される環境(以下、「第3環境」という)と、のうちのいずれか1つを含んでいてもよい。
【0034】
第1環境は、ジャズ又はボサノバに分類される音楽を含む音源と、野鳥の鳴き声を含む音源と、を結合して生成される複合音源が再生される音環境である。このような複合音源が対象空間にて再生されることで、ユーザが比較的リラックスしやすくなるというゾーニング効果が期待できる。
【0035】
第2環境は、川の流水音(自然環境音)を含む音源と、瞑想の際に再生され得るヒーリング音楽を含む音源と、を結合して生成される複合音源が再生される音環境である。このような複合音源が対象空間にて再生されることで、ユーザが比較的リフレッシュしやすくなるというゾーニング効果が期待できる。
【0036】
第3環境は、マスキングノイズを含む音源と、野鳥の鳴き声を含む音源と、を結合して生成される複合音源が再生される音環境である。マスキングノイズは、例えばホワイトノイズ又はカラードノイズであって、ユーザの副交感神経を高めやすい音である。このような複合音源が対象空間にて再生されることで、ユーザが比較的集中しやすくなるというゾーニング効果が期待できる。
【0037】
提供部14は、生成部13が生成した音環境に関する音環境情報を出力する。実施の形態では、提供部14は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200にて複合音源を再生させることにより、音環境情報をユーザに提供する。なお、音環境情報には、複合音源を選定した理由等を示す文字列又は画像等が含まれていてもよい。この場合、文字列又は画像等は、情報処理装置200のディスプレイに表示されることで、ユーザに提供される。また、提供部14は、対象空間に設置されている1以上の音響装置を制御して複合音源を再生させ、対象空間に存在するユーザに対して音環境を直接的に体験させることにより、音環境情報をユーザに提供してもよい。
【0038】
通信部2は、ネットワークN1を介して情報処理装置200との間で通信する通信モジュール(通信回路)である。通信部2が行う通信は、例えば無線通信であるが、有線通信であってもよい。また、通信部2は、例えばルータ等の中継器を更に介して情報処理装置200との間で通信してもよい。
【0039】
記憶部3は、処理部1が実行する処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部3に記憶される情報には、処理部1が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部3は、例えば半導体メモリ等によって実現される。記憶部3は、第1取得部11で取得した要望情報、第2取得部12で取得した音源情報、及び生成部13で生成した音環境に関する音環境情報等を、ユーザごとに記憶する。
【0040】
<情報処理装置>
次に、情報処理装置200について説明する。情報処理装置200は、図1に示すように、通信部21と、処理部22と、出力部23と、入力受付部24と、記憶部25と、を備えている。
【0041】
通信部21は、ネットワークN1を介して音環境提供システム100との間で通信する通信モジュール(通信回路)である。通信部21が行う通信は、例えば無線通信であるが、有線通信であってもよい。また、通信部21は、例えばルータ等の中継器を更に介して音環境提供システム100との間で通信してもよい。
【0042】
処理部22は、情報処理装置200が備える種々の機能を実現する処理を行う。処理部22は、例えばプロセッサ又は専用回路によって実現される。処理部22は、プロセッサ等のハードウェアが記憶部25に記憶されているコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、種々の機能を実現する。なお、上記コンピュータプログラムは、上記ハードウェアが備えるメモリに記憶されていてもよい。
【0043】
処理部22は、通信部21を介して、入力受付部24で受け付けた要望に関する要望情報を音環境提供システム100へ送信し、音環境提供システム100から音環境情報を取得する処理を実行する。当該処理は、入力受付部24でユーザの音環境に対する要望の入力を受け付けたことをトリガとして実行される。
【0044】
出力部23は、処理部22で取得した音環境情報を出力する。実施の形態では、出力部23は、情報処理装置200に備え付けのディスプレイ及びスピーカを含む。ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。出力部23は、音環境情報に含まれる複合音源をスピーカで再生させることにより、音環境情報をユーザに出力する。また、出力部23は、音環境情報に文字列又は画像等が含まれている場合、文字列又は画像等をディスプレイに表示させることにより、音環境情報をユーザに出力する。
【0045】
入力受付部24は、ユーザの音環境に対する要望の入力を受け付ける。入力受付部24は、例えばマウス等のポインティングデバイス、又はキーボード(ソフトウェアキーボードを含む)等により実現される。なお、情報処理装置200に備え付けのディスプレイがタッチパネルディスプレイである場合、当該タッチパネルディスプレイにより入力受付部24が実現されてもよい。
【0046】
記憶部25は、処理部22が実行する処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部25に記憶される情報には、処理部22が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部25は、例えば半導体メモリ等によって実現される。記憶部25は、例えば音環境提供システム100から受信した音環境情報を記憶する。
【0047】
[動作]
以下、実施の形態に係る音環境提供システム100の動作(音環境提供方法)の一例について説明する。図2は、実施の形態に係る音環境提供システム100の動作例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、第1取得部11は、要望情報を取得する(S101)。ステップS101では、第1取得部11は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200で受け付けたユーザの要望の入力に応じた信号を取得することで、要望情報を取得する。
【0049】
次に、第2取得部12は、第1取得部11で取得した要望情報に基づいて、第1音源、第2音源、及び第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する(S102)。ステップS102では、第2取得部12は、第1取得部11で取得した要望情報を、音源制作者4、管理者5、及び学習済みモデル6の各々に送信する。そして、第2取得部12は、音源制作者4から提供された第1音源、管理者5から提供された第2音源、及び学習済みモデル6で生成された第3音源の中から2以上の音源を選択することで、音源情報を取得する。
【0050】
次に、生成部13は、第2取得部12で取得した音源情報に基づいて音環境を生成する(S103)。ステップS103では、生成部13は、第2取得部12で選択した2以上の音源に基づいて、対象空間で再生される複合音源を生成することにより、音環境を生成する。
【0051】
そして、提供部14は、生成部13で生成した音環境に関する音環境情報をユーザに提供する(言い換えれば、音環境情報を出力する)(S104)。ステップS104では、提供部14は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200にて複合音源を再生させることにより、音環境情報をユーザに提供する。
【0052】
[利点]
以下、実施の形態に係る音環境提供システム100(音環境提供方法)の利点について説明する。上述のように、実施の形態に係る音環境提供システム100は、ユーザの要望に応じた2以上の音源に基づいて音環境を生成し、生成した音環境を出力している。このため、実施の形態に係る音環境提供システム100では、1つの音源のみで音環境を生成して提供する場合と比較して、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0053】
例えば、2以上の音源を結合した複合音源を対象空間にて再生した場合、1つの音源のみを対象空間にて再生した場合と比較して、2以上の音源の相乗効果が期待でき、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすくなることが期待できる。また、例えば、時間帯ごとに対象空間にて再生する音源を異ならせた場合、常に1つの音源のみを対象空間にて再生した場合と比較して、ユーザの音源に対する飽きが生じにくくなることが期待できる。
【0054】
(変形例)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下、実施の形態の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【0055】
図3は、実施の形態の変形例に係る音環境提供システム100Aを含む全体構成を示すブロック図である。本変形例に係る音環境提供システム100Aは、第3取得部15を更に備える点で、実施の形態に係る音環境提供システム100と相違する。以下では、実施の形態に係る音環境提供システム100と共通する点については適宜説明を省略する。
【0056】
第3取得部15は、第1取得部11で取得した要望情報に基づいて、役務提供者7から提供される音響に関する役務情報を取得する。役務提供者7は、業として役務を提供する個人又は事業者であって、音環境提供システム100Aを用いたサービスを提供するサービス事業者との間で契約を結んでいる。役務提供者7は、音環境提供システム100からの要望情報を受け付けると、当該要望情報に応じた役務情報を作成し、作成した役務情報を音環境提供システム100Aに提供する。
【0057】
本変形例では、役務情報は、音環境が提供される対象空間における音場の設計に関する情報である。つまり、本変形例では、役務提供者7は、業として音場を設計する個人又は事業者である。ここで、音場の設計は、例えば対象空間における残響に関する設計、音の指向性に関する設計、又は特定の周波数帯の音域を強調する設計等を含み得る。音環境提供システム100Aに提供される役務情報には、例えば設計図、設計された音場を擬似的に再現可能な仮想的な音響モデル等を含み得る。
【0058】
本変形例では、生成部13は、第2取得部12で取得した音源情報の他に、第3取得部15で取得した役務情報に更に基づいて、音環境を生成する。具体的には、生成部13は、第2取得部12で選択した2以上の音源に基づいて生成した複合音源と、第3取得部15で取得した役務情報に基づいて再現された仮想的な音場と、を含む音環境を生成する。
【0059】
そして、本変形例では、提供部14は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200にて複合音源を再生させることにより、音環境情報をユーザに提供する。ここでは、情報処理装置200は、単に複合音源を再生させるのではなく、音環境情報に含まれる仮想的な音場で複合音源を再生させた場合にユーザが聴取し得る擬似的な音源を再生させる。また、提供部14は、音環境情報に含まれる音場を再現した特定空間に設置されている1以上の音響装置を制御して複合音源を再生させ、特定空間に存在するユーザに対して音環境を直接的に体験させることにより、音環境情報をユーザに提供してもよい。
【0060】
以下、本変形例に係る音環境提供システム100Aの動作(音環境提供方法)の一例について説明する。図4は、実施の形態の変形例に係る音環境提供システム100Aの動作例を示すフローチャートである。以下では、実施の形態に係る音環境提供システム100の動作と共通する点については、適宜説明を省略する。
【0061】
まず、第1取得部11は、ステップS101と同様に、要望情報を取得する(S201)。次に、第2取得部12は、ステップS102と同様に、音源情報を取得する(S202)。
【0062】
次に、第3取得部15は、第1取得部11で取得した要望情報に基づいて、役務提供者7から提供される音響に関する役務情報を取得する(S203)。ステップS203では、第3取得部15は、第1取得部11で取得した要望情報を役務提供者7に送信する。そして、第3取得部15は、役務提供者7から提供された役務情報を取得する。
【0063】
次に、生成部13は、第2取得部12で取得した音源情報、及び第3取得部15で取得した役務情報に基づいて、音環境を生成する(S204)。ステップS204では、生成部13は、第2取得部12で選択した2以上の音源に基づいて生成した複合音源と、第3取得部15で取得した役務情報に基づいて再現された仮想的な音場と、を含む音環境を生成する。
【0064】
そして、提供部14は、生成部13で生成した音環境に関する音環境情報をユーザに提供する(言い換えれば、音環境情報を出力する)(S205)。ステップS205では、提供部14は、通信部2を介して情報処理装置200との間で通信し、情報処理装置200にて音環境情報に含まれる仮想的な音場で複合音源を再生させた場合にユーザが聴取し得る擬似的な音源を再生させることにより、音環境情報をユーザに提供する。
【0065】
上述のように、本変形例に係る音環境提供システム100Aでは、音響に関する役務を更に参照して音環境を生成するので、ユーザの要望により見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0066】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、音環境提供システム100の提供部14は、1つの音環境をユーザに対して提供しているが、これに限られない。例えば、提供部14は、複数の音環境をユーザに提供してもよい。つまり、生成部13は、複数の音環境を生成してもよい。この場合、ユーザは、提供された複数の音環境を比較し、最適と考えられる音環境を選択することが可能である。
【0067】
また、上記実施の形態において、音源制作者4は、1つの第1音源ではなく、複数の第1音源を音環境提供システム100に提供してもよい。同様に、管理者5は、1つの第2音源ではなく、複数の第2音源を音環境提供システム100に提供してもよい。同様に、学習済みモデル6は、1つの第3音源ではなく、複数の第3音源を音環境提供システム100に提供してもよい。
【0068】
また、上記実施の形態において、音源制作者4は、1人ではなく、複数人であってもよい。この場合、音環境提供システム100は、複数の音源制作者4からそれぞれ複数の第1音源の提供を受けることが可能である。同様に、管理者5は、1人(1団体)ではなく、複数人(複数団体)であってもよい。この場合、音環境提供システム100は、複数の管理者5からそれぞれ複数の第2音源の提供を受けることが可能である。同様に、学習済みモデル6は、1つではなく、複数であってもよい。この場合、音環境提供システム100は、複数の学習済みモデル6からそれぞれ複数の第3音源の提供を受けることが可能である。
【0069】
また、上記実施の形態では、音環境提供システム100は、単一の装置によって実現されたが、複数の装置として実現されてもよい。音環境提供システム100が複数の装置によって実現される場合、音環境提供システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態では、音環境提供システム100は、サーバ装置に備えられていてもよいし、閉空間に設置された情報端末に備えられてもよい。つまり、本発明は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0070】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0071】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0072】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0073】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0074】
例えば、本発明は、音環境提供システム100等のコンピュータが実行する音環境提供方法として実現されてもよいし、このような類似度判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0075】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0076】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る音環境提供方法では、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する(S101)。また、音環境提供方法では、取得した要望情報に基づいて、音源制作者4から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者5から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデル6により生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する(S102)。また、音環境提供方法では、取得した音源情報に基づいて音環境を生成する(S103)。また、音環境提供方法では、生成した音環境に関する音環境情報を出力する(S104)。
【0077】
このような音環境提供方法によれば、ユーザの要望に応じた2以上の音源に基づいて音環境を生成するので、1つの音源のみで音環境を提供する場合と比較して、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0078】
また、第2の態様に係る音環境提供方法では、第1の態様において、取得した要望情報に基づいて、役務提供者から提供される音響に関する役務情報を更に取得する(S203)。音環境を生成する処理では、取得した役務情報に更に基づいて、音環境を生成する(S204)。
【0079】
このような音環境提供方法によれば、音響に関する役務を更に参照して音環境を生成するので、ユーザの要望により見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0080】
また、第3の態様に係る音環境提供方法では、第2の態様において、役務情報は、音環境が提供される対象空間における音場の設計に関する情報である。
【0081】
このような音環境提供方法によれば、音場の設計を考慮して音環境を生成するので、ユーザの要望により見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0082】
また、第4の態様に係る音環境提供方法では、第1~第3のいずれか1つの態様において、音環境を生成する処理は、2以上の音源を1つの音源に結合する処理を含む。
【0083】
このような音環境提供方法によれば、2以上の音源の相乗効果が期待でき、ユーザの要望により見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0084】
また、第5の態様に係る音環境提供方法では、第1~第4のいずれか1つの態様において、音環境を生成する処理は、複数の時間帯それぞれで互いに異なる音源が再生される音環境を生成する処理を含む。
【0085】
このような音環境提供方法によれば、例えば、朝、昼、及び夜の各々の時間帯に適した音源が再生されることにより、ユーザの要望により見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0086】
また、第6の態様に係る音環境提供方法では、第1~第5のいずれか1つの態様において、音環境は、ジャズ又はボサノバに分類される音楽が再生される環境と、自然環境音が再生される環境と、マスキングノイズが再生される環境と、のうちのいずれか1つを含む。
【0087】
このような音環境提供方法によれば、比較的リラックスしやすくなる音環境、比較的リフレッシュしやすくなる音環境、又は比較的集中しやすくなる音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0088】
また、第7の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第1~第6のいずれか1つの態様の音環境提供方法を実行させる。
【0089】
このようなプログラムによれば、ユーザの要望に応じた2以上の音源に基づいて音環境を生成するので、1つの音源のみで音環境を提供する場合と比較して、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0090】
また、第8の態様に係る音環境提供システム100は、第1取得部11と、第2取得部12と、生成部13と、提供部14と、を備える。第1取得部11は、音環境に対するユーザの要望に関する要望情報を取得する。第2取得部12は、第1取得部11で取得した要望情報に基づいて、音源制作者4から提供される第1音源、条件付きで利用可能な著作物を管理する管理者5から提供される第2音源、及び機械学習された学習済みモデル6により生成される第3音源のうちの2以上の音源に関する音源情報を取得する。生成部13は、第2取得部12で取得した音源情報に基づいて音環境を生成する。提供部14は、生成部13が生成した音環境に関する音環境情報を出力する。
【0091】
このような音環境提供システム100によれば、ユーザの要望に応じた2以上の音源に基づいて音環境を生成するので、1つの音源のみで音環境を提供する場合と比較して、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【0092】
また、第9の態様に係る情報処理装置200は、通信部21と、入力受付部24と、処理部22と、出力部23と、を備える。通信部21は、第8の態様に係る音環境提供システム100との間で通信する。入力受付部24は、音環境に対するユーザの要望の入力を受け付ける。処理部22は、通信部21を介して、入力受付部24で受け付けた要望に関する要望情報を音環境提供システム100へ送信し、音環境提供システム100から音環境情報を取得する。出力部23は、処理部22で取得した音環境情報を出力する。
【0093】
このような情報処理装置200によれば、ユーザの要望に応じた2以上の音源に基づいて生成された音環境に関する音環境情報を出力するので、1つの音源のみで生成された音環境情報を出力する場合と比較して、ユーザの要望に見合った音環境を提供しやすい、という利点がある。
【符号の説明】
【0094】
100,100A 音環境提供システム
11 第1取得部
12 第2取得部
13 生成部
14 提供部
15 第3取得部
200 情報処理装置
21 通信部
22 処理部
23 出力部
24 入力受付部
4 音源制作者
5 管理者
6 学習済みモデル
7 役務提供者
図1
図2
図3
図4