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特開2024-177822撮像装置、撮像方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177822
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/532 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
H04N25/532
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096169
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】岩原 知永
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CY42
5C024GX02
(57)【要約】
【課題】
電荷を一括転送する際の消費電力を抑制することのできる撮像装置を提供する。
【解決手段】
撮像装置において、光電変換部を備える複数の画素と、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、複数の前記画素で発生した前記電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御する電流量制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部を備える複数の画素と、
前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、
前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、
複数の前記画素で発生した前記電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御する電流量制御部と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電流量制御部を複数の画素で共有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ソースフォロワ部を複数の画素で共有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画素は前面に夫々カラーフィルタを備え、前記カラーフィルタは赤、緑、青、非可視光の少なくとも1つの波長帯域の光を透過することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記電流量制御部は、異なる色のカラーフィルタを備える画素に対して前記電流量を異ならせることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記複数の画素において生成される電荷に応じた信号を増幅する増幅手段を備え、
前記電流量制御部は、前記増幅手段の増幅率に応じて前記電流量を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記電流量制御部は、前記電圧保持部から出力された出力信号のレベルに応じて前記電流量を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記画素は夫々複数の光電変換部を有し、前記複数の光電変換部の電荷を別々に読出す場合と、加算して読出す場合とで、前記電流量制御部は前記電流量を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
複数の前記画素の信号を間引いて読み出しを行う第1の読み出しモードと、
複数の前記画素の信号を間引かずに読み出しを行う第2の読み出しモードと、
を備え、
前記電流量制御部は、前記第1の読み出しモードと前記第2の読み出しモードとで前記電流量を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
光電変換部を備える複数の画素と、
前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、
前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、を有する撮像装置を制御する撮像方法であって、
複数の前記画素で発生した電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷に対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御することを特徴とする撮像方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の撮像装置の各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばCMOSイメージセンサにおいて、複数の画素間で信号電荷の蓄積期間(露光期間)を一致させるいわゆるグローバル電子シャッターが提案されている。グローバル電子シャッターは画素毎の信号を保持する保持部を有し、全画素同時に蓄積を開始し、蓄積終了に伴って電荷を同時に保持部へと転送する。
【0003】
特許文献1に記載された撮像装置は、光電変換及び電荷電圧変換を行って電圧を出力する複数の画素と、それらの画素夫々が出力した電圧を保持する複数の電圧保持容量を用いることでグローバル電子シャッター動作を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-108066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の撮像装置では、光電変換部から電圧保持容量に信号を一括転送する際に、全画素のソースフォロワ電流源が同時に動作するためピーク消費電力が大きくなってしまうという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的の1つは、電荷を一括転送する際の消費電力を抑制することのできる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの側面の撮像装置は、
光電変換部を備える複数の画素と、
前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、
前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、
複数の前記画素で発生した前記電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御する電流量制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電荷を一括転送する際の消費電力を抑制することのできる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る撮像素子のPD基板21の受光面の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態1に係る撮像素子のPD基板21の非受光面の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態1に係る撮像素子の積層基板22の構成例を示すブロック図である。
図5】撮像素子の画素及び読み出し回路の構成例を示す等価回路図である。
図6】本発明の実施形態1に係る撮像素子の駆動方法の例を示すタイミングチャートである。
図7】実施形態1に係る撮像装置を用いた撮像方法の例を説明するフローチャートである。
図8】本発明の実施形態2に係る撮像素子のPD基板の非受光面の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態2に係る撮像装置の動作例を説明する図である。
図10】(A)、(B)は、本発明の実施形態3に係る撮像素子のPDの構成例を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態4に係る撮像素子のPD基板の非受光面の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る撮像装置の構成を示す機能ブロック図である。尚、図1に示される機能ブロックの一部は、撮像装置に含まれる不図示のコンピュータとしてのCPU等に、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
【0012】
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
【0013】
又、図1に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。尚、以下に説明する実施形態の撮像装置は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラや車載カメラや監視カメラやスマートフォンなどに適用可能である。
【0014】
図1に示す撮像装置100は、光学系1、撮像素子2、信号処理部3、圧縮伸張部4、同期制御部5、操作部6、画像表示部7及び画像記録部8を備えている。光学系1は、レンズ、レンズ駆動機構、メカニカルシャッター機構、絞り機構などを備え、被写体の光学像を撮像素子2の受光面に結像する。これらのうちの可動部は、同期制御部5からの制御信号に基づいて駆動される。
【0015】
撮像素子2は、例えばXYアドレス方式のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであり、同期制御部5からの制御信号により撮像動作を行い、撮像信号を生成する。更に、撮像信号は、撮像素子2内に含まれるAD変換回路により、デジタル化され、画像信号として信号処理部3に出力される。
【0016】
信号処理部3は、同期制御部5の制御の下で、撮像素子2から入力されるデジタル化された画像信号に対して、ノイズ補正、ホワイトバランス処理等の画像処理を行う。又、信号処理部3はAF(Auto Focus)、AE(Auto Exposure)等の制御情報を生成する。
【0017】
信号処理部3において画像処理された画像信号や制御情報は同期制御部5に出力される。又、信号処理部3は、後述の電圧保持部から出力された出力信号をデジタルで増幅する増幅手段を備えており、ISO感度設定等に応じた増幅率制御を行う。
【0018】
圧縮伸張部4は、同期制御部5の制御の下で動作し、画像信号の圧縮符号化処理や、伸張復号化処理を実施する。
【0019】
同期制御部5は、例えば、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する。又、同期制御部5内のCPUは、ROMなどに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、撮像装置100の各部を統括的に制御する。
【0020】
操作部6は、例えばシャッタレリーズボタンなどの各種操作部材から構成され、ユーザーによる入力操作に応じた制御信号を同期制御部5に出力する。ユーザーによる入力操作は、例えば静止画や動画などの記録モードの設定、露出制御(絞り、シャッター速度、ISO感度)などを含む。
【0021】
画像表示部7は、画像信号をLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスに供給して画像を表示させる。画像記録部8は、例えば、可搬型の記録媒体を装着可能であり、圧縮符号化された画像データファイルを記憶する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態1に係る撮像素子のPD基板21の受光面の構成例を示すブロック図である。図2において、10(pq)は第p行目かつ第q列目に存在するPD(Photo Diode)を表す。図2では4行×4列の画素の配置例を示しているが、実際には例えば数千万個以上の画素が二次元状に配列されている。ここでPDは入射光に応じた電荷を生成する光電変換部として機能している。
【0023】
各画素の前面には夫々カラーフィルタが配置されている。図2の例では、R(赤)、G(緑)、B(青)の波長帯域を透過するカラーフィルタが、いわゆるベイヤー配列で配置されている。尚、カラーフィルタはこれに限られるものではなく、補色を用いたり、例えば一部のG(緑)をクリア(透明)に置き換えても良い。
【0024】
或いは、カラーフィルタの一部を、IR(赤外)などの、非可視光の波長帯域を透過するフィルタとしても良い。即ち、カラーフィルタは赤、緑、青、非可視光の少なくとも1つの波長帯域の光を透過するものであっても良い。
【0025】
図3は、本発明の実施形態1に係る撮像素子のPD基板21の非受光面の構成例を示すブロック図である。この非受光面は、夫々のPD10(pq)に接続された画素回路11(pq)が二次元状に配列されている。本実施形態では、夫々のPD10(pq)と画素回路11(pq)の対を画素と呼ぶ。即ち、各画素は光電変換部としてのPD10(pq)と画素回路11(pq)を含む。
【0026】
画素回路11(pq)の出力となる電圧信号は、画素毎の電気的な接点CONTを介して更に積層基板22に転送することができる。又、各画素は、積層基板22の垂直走査回路20に接続されており、垂直走査回路20からの制御信号が供給される。
【0027】
制御信号を供給するための信号線SLが各行に対して設けられ、同一行の全ての画素に共通の制御信号が供給されている。以上のPD基板21は、例えばN型シリコン基板とし、PDはN型半導体領域とし、光を受光した際に発生する電子正孔対のうち電子を蓄積する。
【0028】
図4は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の積層基板22の構成例を示すブロック図である。積層基板22にはPD基板21の夫々の画素回路11(pq)に接続された積層回路12(pq)が二次元状に配列されている。
【0029】
積層回路12(pq)と画素回路11(pq)とは各接点CONTで接続されており、画素回路11(pq)の出力である電圧信号を、対応する積層回路12(pq)に全画素一括で転送し、蓄積することができる。蓄積された画素信号は、積層回路12(pq)を走査するための垂直走査回路20によって行順次で垂直出力線VL(q0)を介してAD変換回路AD(q0)に伝達され、AD変換される。
【0030】
AD変換されたデジタル信号は、水平走査回路30によって列順次で水平出力線HLを介して出力部50に出力される。出力部50は、公知のパラレルシリアル変換手段(以下P/S変換手段)を含み、水平出力線HLに転送されたデジタル撮像信号を順次、LVDS等の高速シリアル伝送フォーマットに変換し、出力する。尚、LVDSはLow Voltage Differential Signalingの略である。
【0031】
タイミング発生回路40は、垂直走査回路20、AD変換回路AD(q0)、水平走査回路30を夫々制御するためのパルス信号を発生させる。
【0032】
本実施形態に係る撮像装置100において、垂直出力線VL(q0)は各列に1つずつ設けられ、同一列の全ての画素で共有されている。又、AD変換回路AD(q0)は各列に1つずつ設けられている。尚、信号読み出し高速化のため、垂直出力線とAD変換回路は各列に2つ以上備えることもできる。
【0033】
ここでAD変換回路AD(q0)には、垂直出力線VL(q0)からの画素信号と、時間に比例して信号レベルが変動する参照信号RAMPが入力される。そして、画素信号と参照信号RAMPを比較し、画素信号と参照信号RAMPの信号レベルが一致するまでの時間をカウントすることによりAD変換を行う。
【0034】
図5は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の画素及び読み出し回路の構成例を示す等価回路図である。PD10(pq)及び画素回路11(pq)において、PDで発生した電荷は転送トランジスタTXを介して電荷蓄積部(フローティングディフュージョン、以下FDと称する)に転送される。FDは浮遊容量を有し、光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能している。
【0035】
第1の増幅トランジスタSF1はFDと第1の電流源CCS1からなるソースフォロワ回路を構成する。ソースフォロワ回路は、FDに蓄積される電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部として機能している。第1のリセットトランジスタRES1はFDを所定の電圧VDDでリセットする。第1の選択トランジスタSEL1は第1の増幅トランジスタSF1のソースに接続されている。
【0036】
転送トランジスタTX、第1のリセットトランジスタRES1、第1の選択トランジスタSEL1は夫々垂直走査回路20から供給されるパルス信号PTX、PRES1、PSEL1により制御可能であり、PDからの電荷転送やリセットや読み出し動作等の制御が行われる。
【0037】
第1の電流源CCS1には電流量制御部111が接続されており、各画素の第1の増幅トランジスタSF1に流れる電流量を可変制御する。即ち、後述するように、FDの蓄積電荷量に応じて、ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御する。
【0038】
尚、第1の増幅トランジスタSF1、第1の電流源CCS1、電流量制御部111からなるソースフォロワ部は、その一部又はソースフォロワ部を複数の画素で共有する構造としても良い。例えば第1の電流源CCS1に2つの画素の第1の増幅トランジスタSF1を接続しても良い。それにより各画素に対応する回路領域の縮小や動作回路数(電力)の削減が可能となる。
【0039】
第1の選択トランジスタSEL1のソースは、接点CONTを介して積層回路12(pq)に接続される。積層回路12(pq)は、画素回路11(pq)からの電圧信号を蓄積する2つの電圧保持容量CN,CSを備える。ここで、電圧保持容量CN,CSは、ソースフォロワ部で生成された電圧を保持するための電圧保持部として機能している。
【0040】
電圧保持容量CNは、画素回路11(pq)のFDのリセット解除直後のノイズ電圧(以下、N信号と称する)を保持する。一方、電圧保持容量CSは、PDにおいて入射光により生成された信号電荷に対応するFDの信号電圧(以下、S信号と称する)を保持する。尚、電圧保持容量CN,CSはその容量が大きいほど、リセット動作に伴うkTCノイズを小さくすることができる。
【0041】
切り離しトランジスタDXは画素回路11(pq)と積層回路12(pq)との接続を制御するためのトランジスタである。書き込みトランジスタMWN,MWSは、電圧保持容量CN、CSに夫々電圧信号を書き込むためのトランジスタである。
【0042】
電圧保持容量CN、CSは、第2の増幅トランジスタSF2のゲートに対して、夫々書き込みトランジスタMWN,MWSを介して接続されており、第2の電流源CCS2とともにソースフォロワ回路を構成する。
【0043】
第2のリセットトランジスタRES2は電圧保持容量CN、CSを所定の電圧VDDでリセットする。第2の選択トランジスタSEL2は第2の増幅トランジスタSF2のソースに接続され、電圧信号を選択的に垂直出力線VL(q0)に伝達する。
【0044】
切り離しトランジスタDX、書き込みトランジスタMWN,MWS、第2のリセットトランジスタRES2、第2の選択トランジスタSEL2は、夫々垂直走査回路20から供給されるパルス信号PDX、PMWN、PMWS、PRES2、PSEL2により制御可能である。そして垂直走査回路20の制御により電圧信号の転送やリセットや読み出し動作等の制御が行われる。
【0045】
図6は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の駆動方法の例を示すタイミングチャートである。各パルス信号は夫々のトランジスタのゲートに印可され、Hi(High)でトランジスタをONとし,Lo(Low)でトランジスタをOFFとする。パルス信号名の括弧は前記ブロック図などにおける行番号に対応する。
【0046】
図6において、時刻t600から時刻t601において、PRES1、PRES2、PMWS、PMWNをHiとしてFDと電圧保持容量CS、CNの電荷をリセットする。
【0047】
時刻t602においてPSEL1、PDX、PMWNをHiとし、時刻t603においてPMWNをLoとすることで、FDのリセット解除後の電圧(N信号)を、積層回路12(pq)の電圧保持容量CNに書き込む。
【0048】
時刻t604においてPTXをHiとし、時刻t605においてPTXをLoとすることで、PDに蓄積された電荷をFDに転送する。
【0049】
PSEL1、PDXをHiとしたまま、時刻t605においてPMWSをHiとし、時刻t607おいてLoとすることで、PDの信号電荷に応じて変動したFDの電圧(S信号)を電圧保持容量CSに書き込む。
【0050】
時刻t608においてPSEL1、PDXをLoとし、画素回路11(pq)と積層回路12(pq)とを切り離す。このように、時刻t602から時刻t608は、各画素の信号電荷に基づく電圧信号を、積層基板の積層回路に全画素同時に転送するグローバル電子シャッター動作を表す。
【0051】
時刻t609から時刻t611において1行目のPSEL2(0)をHiとし、時刻t609から時刻t610において1行目のPMWN(0)をHiとすることで、1行目のN信号を垂直出力線VL(q0)を介してAD変換回路に転送しAD変換する。
【0052】
時刻t610から時刻t611において1行目のPMWS(0)をHiとすることで、1行目のS信号を垂直出力線VL(q0)を介してAD変換回路に転送しAD変換する。時刻t612において、垂直走査回路20は2行目の走査に移行する。
【0053】
時刻t612から時刻t614において2行目のPSEL2(1)をHiとし、時刻t612から時刻t613において2行目のPMWN(1)をHiとすることで、2行目のN信号を垂直出力線VL(q0)を介してAD変換回路に転送しAD変換する。
【0054】
時刻t613から時刻t614において2行目のPMWS(1)をHiとすることで、2行目のS信号を垂直出力線VL(q0)を介してAD変換回路に転送しAD変換する。以下同様の動作を3行目以降で繰り返し、全ての画素の読み出し走査が完了する。
【0055】
上記のように、時刻t609から時刻t614は、全画素同時転送後の積層基板の1行目(積層回路12(0q))と2行目(積層回路12(1q))の読み出し走査期間を表す。
【0056】
図7は、実施形態1に係る撮像装置を用いた撮像方法の例を説明するフローチャートである。尚、同期制御部5内のコンピュータとしてのCPUがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図7のフローチャートの各ステップの動作が順次行われる。
【0057】
ステップS701において、ユーザーからの指示や所定の自動的なアルゴリズムに基づいて、撮影モードやISO感度、露光時間等の撮影条件が設定される。
【0058】
ステップS702において、ISO感度が所定値A1より大きい場合はステップS703に進み、そうでない場合はステップS704に進む。ここで、ISO感度は被写体輝度などによって想定される電荷蓄積部の電荷量(信号レベル)に対応して自動または手動で設定される。
【0059】
ステップS703において、第1の電流源CCS1から供給される電流量を電流量制御部111により第1の電流量I1に設定する。ステップS703の処理後はステップS707に進む。
【0060】
一方、ステップS704において、第1の電流源CCS1から供給される電流量を電流量制御部111により第2の電流量I2に設定する。ここで、ステップS703における第1の電流量I1はS704における第2の電流量I2の例えば2分の1とする。
【0061】
このように、ステップS703、ステップS704において、電流量制御部111は、ISO感度に応じて設定された各画素で生成される電荷に応じたアナログ信号を増幅する撮像素子2内の増幅手段の増幅率、或いは信号処理部3内の増幅手段の増幅率に応じてソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせる。
【0062】
ステップS705において、撮像素子は図6のタイミングチャート等で説明した駆動方法により撮影を行う。即ち、複数の画素で発生した電荷を一括して電荷蓄積部に転送して、電荷に対応した電圧をソースフォロワ部で電圧に変換し、電圧保持部に保持させる。
【0063】
そして電圧保持部に保持された電圧を画素信号として順次読出す。尚、その際に電圧保持部CSに保持された電圧から電圧保持部CNに保持された電圧を減算することにより固定パターンノイズ等を除去した画素信号が出力される。
【0064】
そして信号処理部3で画素信号に対する所定の画像処理が施され、撮像データを画像表示部7でのライブビュー表示が行われる。或いは撮像データは画像記録部8に出力されて記録される。尚、所定の画像処理は、デジタルゲインでの信号レベル(増幅率)調整、ノイズ低減処理、ホワイトバランス調整、シェーディング補正処理などを含む。
【0065】
ステップS706において、ステップS705で取得した撮像データの所定領域の信号量(例えば平均値などの明るさに相当する値)を算出する。この信号量が所定値B1より大きい場合はステップS707に進み、そうでない場合はステップS703に進む。即ち、電流量制御部は、電荷蓄積部の蓄積電荷量に対応して電圧保持部から出力される出力信号のレベルに応じてソースフォロワ部に供給する電流量を異ならせる。
【0066】
ステップS707において、ステップS705と同様に、ライブビュー撮影や静止画像の撮影を行う。即ち、複数の画素で発生した電荷を一括して電荷蓄積部に転送して、蓄積電荷量に対応した電圧にソースフォロワ部で変換し、電圧保持部に保持させる。その際に電流量制御部は電荷蓄積部の蓄積電荷量に応じてソースフォロワ部に供給される電流量を第1の電流量I1又は第2の電流量I2のように異ならせるように制御する。
【0067】
そして電圧保持部の保持された電圧を画素信号として順次読出す。その際に、電圧保持部CSに保持された電圧から電圧保持部CNに保持された電圧を減算することにより固定パターンノイズ等を除去した画素信号が出力される。撮影後は所定の画像処理や出力動作を行い図7のフローを終了する。尚、図7のフローは例えば所定の周期で繰り返し実行される。
【0068】
このように、ステップS702で、ISO感度が所定値より高く設定されていると判定された場合には、被写体が暗く、PDに蓄積される電荷量及び電圧保持容量CSに書き込まれる電圧振幅が小さいことみなす。従ってこのとき、ステップS703で電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源CCS1から供給される電流量を第1の電流量I1に低減させることで、全画素同時転送時の電力を抑制することができる。
【0069】
又、ステップS706においても、所定領域の信号量により被写体の明るさを検出し、その信号量が所定値B1以下の場合には、被写体が暗いと判断される。従ってその場合には、電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源CCS1から供給される電流量を第1の電流量I1に低減させることで、全画素同時転送時の電力を抑制することができる。
【0070】
尚、本実施形態ではISO感度と出力信号量を夫々所定値、所定量と比較する判定を行い、それに基づき、被写体が相対的に暗い場合に、第1の電流源CCS1から供給される電流量を第1の電流量I1に低減している。しかし、どちらか一方のみを判定して第1の電流源CCS1から供給される電流量を第1の電流量I1に低減しても良い。
【0071】
又、電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源CCS1から供給される電流量を低減させる場合には、単位時間当たりの書き込み速度が低下するため、パルス信号PMWS、PMWNのHi期間を長くしても良い。
【0072】
尚、上記の例では、照度(被写体の明るさ)が低い場合(ISO感度が所定値A1より大きい場合又は所定領域の信号量が所定値B1以下の場合)に、第1の電流源CCS1から供給される電流量を第1の電流量I1に低減させている。
【0073】
しかし、照度(被写体の明るさ)が相対的に低下する場合(ISO感度が相対的に増大する場合、或いは所定領域の信号量が相対的に低下する場合等)に、第1の電流源CCS1から供給される電流量を、多段階で、或いは連続的に相対的に減少させても良い。
【0074】
尚、第1の電流源CCS1から電圧保持容量CSに供給される電流量を相対的に減少(増加)させる際には、その直前に第1の電流源CCS1から電圧保持容量CNに供給される電流量も同様に相対的に減少(増加)させる。
【0075】
以上のように、実施形態1によれば、入射光量(被写体の明るさ)に対応した蓄積電荷量に応じて第1の電流源CCS1から供給される電流量を可変制御することで、消費電力を抑制したグローバル電子シャッター型の撮像装置100を実現することができる。
【0076】
<実施形態2>
図8は、本発明の実施形態2に係る撮像素子のPD基板の非受光面の構成例を示すブロック図である。
【0077】
実施形態2においては、図8に示すように、信号線SL1、SL2が各行に存在し、SL1が同一行のR画素とB画素に接続され、SL2が同一行のG画素に接続されている。又、R画素とB画素の第1の電流源と、G画素の第1の電流源の電流量は互いに独立に制御される。
【0078】
図9は、本発明の実施形態2に係る撮像装置の動作例を説明する図である。実施形態2では、信号線SL1により選択されるR画素とB画素については、第1の電流源から供給される電流量を電流量制御部111により第1の電流量I1に設定する。
【0079】
一方、信号線SL2により選択されるG画素については、第1の電流源から供給される電流量を電流量制御部111により第2の電流量I2に設定する。ここで、例えば第1の電流量I1は第2の電流量I2の例えば2分の1とする。
【0080】
例えばグレーの被写体を撮像する場合、R画素、B画素のPDに蓄積される電荷量及び電圧保持容量CSに書き込まれる電圧振幅は、G画素のPDに蓄積される電荷量及び電圧保持容量CSに書き込まれる電圧振幅に対して相対的に小さくなる。従って実施形態2においては、R画素、B画素の電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源から供給される電流量を低減させることで、全画素同時転送時の消費電力を抑制することができる。
【0081】
本実施形態では、信号線SL1に対してR画素とB画素を接続し、信号線SL2に対してG画素を接続しているが、信号線SL1に対してB画素を接続し、信号線SL2に対してR画素とG画素を接続しても良い。即ち、B画素の電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源から供給される電流量を相対的に低減させるようにしても良い。
【0082】
尚、実施形態2のような制御を行う際に、色飽和度を検出し、色飽和度が所定値以下(即ち被写体が略グレーである)と判定された場合に上記のような色毎の電流量の制御を行うようにしても良い。そして、色飽和度が所定値より大きい場合には、上記のような色毎の電流量の制御は行わないようにしても良い。
【0083】
或いは、画像信号における色分布を検出し、所定の色の彩度が相対的に高い領域では、その色の画素について第1の電流源から供給される電流量を相対的に増加させても良い。或いは、所定の色の彩度が相対的に高い領域では、その色以外の画素について第1の電流源から供給される電流量を相対的に低減させても良い。
【0084】
或いは、画像信号における色温度を検出し、色温度が高い場合には、例えばBの画素について第1の電流源から供給される電流量を相対的に増加させる、或いはRの画素については第1の電流源から供給される電流量を相対的に低減させるようにしても良い。
【0085】
逆に色温度が低い場合には、例えばBの画素について第1の電流源から供給される電流量を相対的に低減させる、或いはRの画素については第1の電流源から供給される電流量を相対的に増加させるようにしても良い。
【0086】
またIR(赤外)フィルタなど、非可視光の分光特性を備える画素に応じて規定することも可能である。この場合は、IR画素はG画素などよりも信号量が多くなるため、G画素など可視域の電流量を低減することが望ましい。
【0087】
即ち、光透過率の高いフィルタなどによって光電変換量が相対的に多い画素については、電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に第1の電流源から供給される電流量を相対的に増加させるようにしても良い。
【0088】
尚、電圧保持容量CSに電圧を書き込む第1の電流源から供給される電流量を低減させる場合は、単位時間当たりの書き込み速度が低下する。従って、その分光特性の画素の電圧保持容量CSを小さく形成するか、容量を可変として、容量を小さく制御するようにしていても良い。
【0089】
このように、画素の分光特性に応じて電荷蓄積部の電荷量が変化するので、実施形態2においては、画素の分光特性に応じて第1の電流源から供給される電流量を制御する。即ち、異なる色のカラーフィルタを備える画素に対して第1の電流源から供給される電流量を互いに異ならせることで、消費電力を抑制したグローバル電子シャッター型の撮像装置100を実現することができる。
【0090】
<実施形態3>
図10(A)、(B)は、本発明の実施形態3に係る撮像素子のPDの構成例を示すブロック図である。図10(A)は、大きさ(感度)が略等しい一対の光電変換部PD101、PD102を1つの画素に備える例を示した図である。
【0091】
この構造は主に撮像面位相差検出に用いられ、PD101、PD102の前面には焦点検出のために共通の1つのマイクロレンズが配置されており、PD101、PD102には光学系の夫々異なる射出瞳からの光が入射するように構成されている。
【0092】
尚、撮像面位相差検出のための構成は複画素構造に限らず、光電変換部に入射する2つの射出瞳の一方からの光を遮光層によりカットした複数の画素と、他方からの光を遮光層によりカットした複数の画素をイメージセンサ内に配置する構造であっても良い。
【0093】
図10(B)は、大きさ(感度)が異なる一対の光電変換部PD101、PD102を1つの画素に備える例を示した図である。この構造は主にワイドダイナミックレンジを目的とした撮像に用いられる。例えば低輝度部分に対しては大きな光電変換部からの信号を用い、高輝度部分に対しては小さな光電変換部からの信号を用いてダイナミックレンジを広げる。
【0094】
このように図10(A)、(B)の、いずれにおいても、画素は夫々複数の光電変換部を有する。ここで、PD101の光電変換に基づく信号をA信号、PD102の光電変換に基づく信号をB信号とする。又、PD101とPD102の光電変換に基づく信号を加算(混合)した信号をA+B信号とする。
【0095】
図10(A)に示す構成においては、A信号又はB信号を読み出して電圧保持容量CSに電圧を書き込む際には、第1の電流源からソースフォロワ部に供給される電流量を相対的に低減させて第1の電流量とする。一方、A+B信号を読み出して電圧保持容量CSに電圧を書き込む際には、第1の電流源から供給される電流量を第2の電流量とする。
【0096】
又、図10(B)に示す構成においては、A信号を読み出して電圧保持容量CSに電圧を書き込む際には、第1の電流源からソースフォロワ部に供給される電流量を相対的に低減させて第1の電流量とする。B信号又はA+B信号を読み出して電圧保持容量CSに電圧を書き込む際には、第1の電流源から供給される電流量を第2の電流量とする。
【0097】
即ち、実施形態3においては、複数の光電変換部の電荷を別々に読出す場合と、加算して読出す場合とで、第1の電流源からソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせている。
【0098】
尚、第1の電流量I1は第2の電流量I2の例えば2分の1とする。即ち、第1の電流源に接続された電流量制御部をPDの大きさ(感度)に応じて夫々異ならせるようにしている。従ってPDに蓄積される電荷量及び電圧保持容量CSに書き込まれる電圧振幅が小さい場合には、電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に、第1の電流源から供給される電流量を低減させることで、全画素同時転送時の消費電力を抑制することができる。
【0099】
このように、PDの大きさ(感度)に応じて電荷蓄積部の電荷量が変化するので、実施形態3ではPDの大きさ(感度)に応じて電圧保持容量CSに電圧を書き込む際に、第1の電流源から供給される電流量を異ならせる。それにより、消費電力を抑制したグローバル電子シャッター型の撮像装置100を実現することができる。
【0100】
<実施形態4>
図11は、本発明の実施形態4に係る撮像素子のPD基板の非受光面の構成例を示すブロック図であり、信号読み出しを行う画素を限定(選択)する、いわゆる間引き読み出しをするための構成例を示している。
【0101】
尚、間引き読み出しは当該行の第1の選択トランジスタSEL1及び第2の選択トランジスタSEL2、又は転送トランジスタTXを常時Loとするなどで実現できる。また行だけでなく列を間引き読み出しすることも可能である。
【0102】
図11に示す実施形態4の構成においては、例えば所定のフレームにおいては、例えば1行目(11(0q))と4行目(11(3q))を出力し、ハッチングした2行目(11(1q))と3行目(11(2q))を出力しないように動作させることができる。これを第1の読み出しモードとする。一方、実施形態1~実施形態3までで説明したように、フレーム毎に全ての行を出力する構成を第2の読み出しモードとする。
【0103】
図11に示す実施形態4の構成においては、信号線SLが各行に対して設けられ、同じ行の全ての画素を同時に選択可能となっているため、第1の電流源CCS1に接続された電流量制御部111を行ごとに夫々制御することが可能である。
【0104】
第1の読み出しモードでは、出力しない行に接続された電流量制御部111により第1の電流源CCS1から供給される電流量を0とし、即ち出力しない行についての消費電力を削減する。出力する行に接続された電流量制御部111を第2の電流量I2に設定する。第2の読み出しモードでは、電流量制御部111を第1の電流量I1に設定する。ここで、第1の電流量I1は第2の電流量I2の例えば2分の1とする。
【0105】
第2の読み出しモードでは第1の読み出しモードに対して全画素同時転送される画素が多い。この時、電圧保持容量CSに電圧を書き込むために第1の電流源から供給される電流量を低減させることで、全画素同時転送時の電力を抑制することができる。
【0106】
即ち、実施形態4においては、複数の前記画素の信号を間引いて読み出しを行う第1の読み出しモードと、複数の前記画素の信号を間引かずに読み出しを行う第2の読み出しモードとで第1の電流源CCS1から供給される電流量を異ならせている。
【0107】
このように、駆動する画素数に応じて電荷蓄積部の電荷量が変化する場合があるので、実施形態4においては、駆動する画素数に応じて、第1の電流源から電圧保持容量CSに供給する電流量を制御する。それによって、消費電力を抑制したグローバル電子シャッター型の撮像装置100を実現することができる。
【0108】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、上記実施形態は、以下の組み合わせを含む。
【0109】
(構成1)光電変換部を備える複数の画素と、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、複数の前記画素で発生した前記電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御する電流量制御部と、を有することを特徴とする撮像装置。
【0110】
(構成2)前記電流量制御部を複数の画素で共有することを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
【0111】
(構成3)前記ソースフォロワ部を複数の画素で共有することを特徴とする構成1又は2に記載の撮像装置。
【0112】
(構成4)前記画素は前面に夫々カラーフィルタを備え、前記カラーフィルタは赤、緑、青、非可視光の少なくとも1つの波長帯域の光を透過することを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0113】
(構成5)前記電流量制御部は、異なる色のカラーフィルタを備える画素に対して前記電流量を異ならせることを特徴とする構成4に記載の撮像装置。
【0114】
(構成6)前記複数の画素において生成される電荷に応じた信号を増幅する増幅手段を備え、
前記電流量制御部は、前記増幅手段の増幅率に応じて前記電流量を異ならせることを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0115】
(構成7)前記電流量制御部は、前記電圧保持部から出力された出力信号のレベルに応じて前記電流量を異ならせることを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0116】
(構成8)前記画素は夫々複数の光電変換部を有し、前記複数の光電変換部の電荷を別々に読出す場合と、加算して読出す場合とで、前記電流量制御部は前記電流量を異ならせることを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0117】
(構成9)複数の前記画素の信号を間引いて読み出しを行う第1の読み出しモードと、複数の前記画素の信号を間引かずに読み出しを行う第2の読み出しモードと、を備え、前記電流量制御部は、前記第1の読み出しモードと前記第2の読み出しモードとで前記電流量を異ならせることを特徴とする構成1~8のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0118】
(方法)光電変換部を備える複数の画素と、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部における前記電荷に対応した電圧を生成するソースフォロワ部と、前記ソースフォロワ部で生成された前記電圧を保持するための電圧保持部と、を有する撮像装置を制御する撮像方法であって、複数の前記画素で発生した電荷を一括して前記電荷蓄積部に転送して、前記電荷に対応した前記電圧を前記ソースフォロワ部で生成して前記電圧保持部に保持させる際に、前記電荷蓄積部における電荷量に応じて前記ソースフォロワ部に供給される電流量を異ならせるように制御することを特徴とする撮像方法。
【0119】
(プログラム)構成1~9のいずれか1つに記載の撮像装置の各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【0120】
尚、上記実施形態における制御の一部又は全部を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して撮像装置等に供給するようにしてもよい。そしてその撮像装置等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がそのプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0121】
1:光学系
2:撮像素子
3:信号処理部
4:圧縮伸張部
5:同期制御部
6:操作部
7:画像表示部
8:画像記録部
10(pq)、101、102:フォトダイオード
11(pq):画素回路
111:電流量制御部
12(pq):積層回路
20:垂直走査回路
30:水平走査回路
40:タイミング発生回路
50:出力部
TX:転送トランジスタ
FD:電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)
RES1、RES2:リセットトランジスタ
SF1、SF2:増幅トランジスタ
SEL1、SEL2:選択トランジスタ
CCS1、CCS2:電流源
CONT:電気的接点
MWS、MWN:書き込みトランジスタ
CS、CN:電圧保持容量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11