(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177828
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20241217BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A47G29/122 Z
B65G1/00 511G
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096182
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】城戸 涼
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘之
【テーマコード(参考)】
3F022
3K100
【Fターム(参考)】
3F022BB02
3F022FF01
3F022MM22
3F022MM55
3F022PP06
3F022QQ12
3K100CA02
3K100CA05
3K100CA15
3K100CA24
3K100CA45
3K100CD03
3K100CD05
(57)【要約】
【課題】冷却される箱体内部に発光部と受光部とを配置可能な収容装置を提供する。
【解決手段】筐体13と、筐体13の内部に設けられる複数の箱体20と、箱体20の内部を冷却する冷却機ユニット4と、を備える収容装置1において、複数の箱体20の内部に、発光部70と受光部80を備える収容物検出器36がそれぞれ設けられ、それぞれの箱体20の内部の発光部70と受光部80との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、
前記箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器が設けられ、前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、
収容装置。
【請求項2】
前記発光部は、
発光素子が第1透明部材により覆われ、前記発光素子が実装される発光部基板の全体が第2透明部材により覆われる、
請求項1に記載の収容装置。
【請求項3】
前記発光部基板に、前記発光素子を囲む枠体が設けられ、前記枠体の内側に前記第1透明部材が設けられる、
請求項2に記載の収容装置。
【請求項4】
前記受光部は、
受光素子と前記受光素子が実装される受光部基板の全体が、第3透明部材により覆われる、
請求項1に記載の収容装置。
【請求項5】
前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、箱状の収容体に収められる
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項6】
前記箱体には、前記箱体の底部を形成する底板と、前記底板を上方から覆い、前記箱体に収容される収容物が載置される載置板とが設けられ、
前記載置板には、貫通孔が設けられ、
前記底板には、平面視で前記貫通孔に重なる位置に、前記発光部と、前記受光部とのいずれか一方が設けられる
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項7】
前記載置板は、前記底板から着脱可能に設けられる
請求項6に記載の収容装置。
【請求項8】
前記箱体には、前記箱体の天面を形成する天板が設けられ、
前記天板には、前記天板から、前記箱体の内部の空間に向かって、前記発光部と、前記受光部とのいずれか一方が突出して設けられる
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項9】
前記天板は、少なくとも一方向に向かうにつれて、前記箱体の底部に接近するように傾斜して設けられる
請求項8に記載の収容装置。
【請求項10】
収容装置の各部を制御する制御基板を備え、
前記制御基板から延びる複数の配線は、前記発光部と前記受光部とのそれぞれに防水コネクタで接続される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項11】
前記発光部に接続される前記防水コネクタは、前記箱体に収容される収容物が載置される載置板の内側に配置される、
請求項10に記載の収容装置。
【請求項12】
前記受光部に接続される前記防水コネクタは、前記箱体の天板に設けられる配線パネルの内側に配置される、
請求項10に記載の収容装置。
【請求項13】
前記発光部は、前記箱体の底部に配置され、
前記受光部は、前記箱体の天面に配置される
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項14】
筐体と、前記筐体の内部に設けられる複数の箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、
前記複数の箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器がそれぞれ設けられ、それぞれの箱体の内部の前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、
収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、筐体と、前記筐体の内部に設けられる複数の箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備えるロッカー装置を開示する。
このロッカー装置は、箱体の底部に荷物センサと取り外し自在のトレーを備え、トレーには、荷物センサのためのセンサ窓が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、発光部や受光部の駆動の不具合を抑制できる収容装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、前記箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器が設けられ、前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、収容装置である。
【0006】
また、本開示は、筐体と、前記筐体の内部に設けられる複数の箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、前記複数の箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器がそれぞれ設けられ、それぞれの箱体の内部の前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、収容装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、発光部や受光部の駆動に生じる不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、箱体の内部が冷却される収容装置において、箱体の内部に発光部と受光部を備え、箱体に収められる荷物によって光が遮られることで、荷物の検知を行う荷物センサの技術があった。
しかしながら、この技術では、冷却される箱体の温度帯によっては、発光部や受光部の駆動に不具合が生じる虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、冷却される箱体の温度帯によって生じる、発光部や受光部の駆動の不具合を抑制できる収容装置を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図7を用いて、実施の形態1を説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ収容装置1に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは、収容装置1の前方を示し、符号UPは、収容装置1の上方を示し、符号RHは、収容装置1の右方を示す。
[1-1.構成]
[1-1-1.収容装置の構成]
図1は、本開示の実施形態に係る収容装置1の斜視図である。
収容装置1は、食品等の収容物Pを冷蔵、あるいは冷凍状態で収容可能な収容装置である(
図2)。
収容装置1は、
図1に示すように、装置本体3と、装置本体3の上部に載置された冷却機ユニット4とを備える。
【0012】
図2は、収容装置1の縦断面図である。
図2では、左右方向に直交する平面で切断された収容装置1の切断面を右方から視た図である。
図2において、当該平面は、発光部70、及び受光部80の右方を通る。
図2では、制御基板30と、連通開口53と、収容物Pとを二点鎖線で示し、冷却空気を矢印で示す。
装置本体3は、
図2に示すように、断熱材11が設けられる筐体13を備える。断熱材11は、例えば硬質ウレタンフォームである。筐体13は、外板7と内板9とを備える。外板7と内板9とは、いずれも一面が開放される箱状に組み立てられ、外板7の内側に内板9が配置される。外板7と内板9との間には、断熱材11が挟まれる。これによって、筐体13は、内部が断熱される断熱筐体として形成される。筐体13は、前方が開放される構造を備える。
【0013】
筐体13の内部には、一対の側板22と、背板24とが設けられる。側板22の各々は、左右方向に位置する内板9の各々から所定の間隔を空けて、当該内板9に対向して配置される。背板24は、後方に位置する内板9から所定の間隔を空けて、当該内板9に対向して配置される。一対の側板22と、背板24とは、各々の長手方向において、略同一の長さ寸法を備え、当該長手方向が筐体13の上端部から下端部にかけて延びるように配置される。側板22の各々において、後方に位置する辺は、背板24の左右方向に位置する辺の各々に連結される。
【0014】
このように配置される一対の側板22及び背板24と、内板9との間には、流路S1が設けられる。
【0015】
筐体13の内部には、複数の底板26と、複数の天板28とが設けられる。底板26の各々は、一対の側板22と、背板24との内側において、一対の側板22と、背板24との下端から上端部にかけて、上下方向に互いに所定の間隔を空けて配置される。
同様に、天板28の各々は、一対の側板22と、背板24との内側において、一対の側板22と、背板24との下端部から上端部にかけて、上下方向に互いに所定の間隔を空けて配置される。底板26と、天板28とは、互いに所定の間隔を空けて、上下方向に沿って交互に配置される。
【0016】
筐体13の内部には、一対の側板22と、背板24と、底板26と、天板28とが連結されることで、複数の箱体20が形成される。箱体20の各々は、側板22の各々によって左右方向に位置する側面が形成され、背板24によって背面が形成され、底板26によって底面が形成され、天板28によって天面が形成される。これによって、箱体20の各々は、前面が開放され、内部に収容物Pを収容可能な収容空間S2を備える箱状に形成される。
複数の箱体20は、上下方向に沿って一列に配置される。
収容空間S2は、本開示の「箱体の内部の空間」に相当する。
【0017】
一対の側板22と、背板24とには、収容空間S2の各々に対向する位置に、複数の通気孔29が設けられる。通気孔29は、流路S1と、収容空間S2とを連通させる貫通孔である。
【0018】
箱体20の各々の前面には、断熱扉21が設けられる。断熱扉21の各々は、例えばヒンジ等を介して、箱体20の前面に開閉可能に連結される扉部材である。断熱扉21は、内部に断熱材11が充填され、例えばパッキン等の箱体20の前面に密着可能なシール部材23を備える。断熱扉21によって箱体20の前面が閉塞されることで、収容空間S2は、断熱される。
【0019】
断熱扉21の前面側には、使用者が把持可能な取手25が設けられる。本実施の形態において、断熱扉21は、例えばばね部材等の付勢部材によって、箱体20の前面を閉塞するように付勢される。これによって、断熱扉21は、使用者によって操作されない場合に、箱体20の前面を閉塞する。このため、箱体20では、断熱扉21が開放された状態を維持することが抑制される。
【0020】
図1、
図2に示すように、筐体13の前面部には、複数の外扉14が設けられる。外扉14の各々は、例えばヒンジ等を介して、箱体20の前面に開閉可能に連結される扉部材である。外扉14の各々は、断熱扉21の各々から所定の間隔を空けて、当該断熱扉21の各々の前面側に配置される。外扉14の各々は、前面が互いに面一となるように筐体13の前面部に設けられ、外扉14の全てが閉じられることで、筐体13の前面を閉塞する。
本実施の形態において、外扉14は、例えばばね部材等の付勢部材によって、筐体13の前面を開放するように付勢される。
【0021】
図1に示すように、筐体13の前面部には、電子錠16が設けられる。電子錠16は、外扉14が閉じられた状態で施錠されることで、当該外扉14を閉じられた状態で固定する。
上述のように、外扉14は、筐体13の前面を開放するように付勢されて設けられる。このため、外扉14は、電子錠16が解錠されると、筐体13の前面を開放する方向に回動する。このように、収容装置1は、箱体20の各々が施解錠可能な所謂ロッカー装置として機能する。
【0022】
[1-1-2.冷却機ユニットの構成]
次いで、冷却機ユニット4について説明する。
冷却機ユニット4は、作動することで収容空間S2を所定の温度帯に冷却する。本実施の形態では、冷却機ユニット4は、使用者の操作に従って、収容物Pを冷凍状態で収容可能な冷凍温度帯、あるいは収容物Pを冷蔵状態で収容可能な冷蔵温度帯のいずれかの温度帯となるように、収容空間S2を冷却可能である。なお、冷却機ユニット4が作動しない場合、収容空間S2の温度帯は、外気温度相当となる。また、冷却機ユニット4は、冷蔵温度帯より高く外気温度より低い温度帯となるように、収容空間S2を冷却可能であってもよい。
このように、箱体20の各々は、冷凍庫、あるいは冷蔵庫として機能する。
【0023】
冷却機ユニット4は、
図2に示すように、圧縮機41と、凝縮器42と、凝縮器ファン43と、蒸発器45と、蒸発器ファン46とを備える。蒸発器45と、圧縮機41と、凝縮器42とは、冷媒配管によって互いに接続され、冷凍サイクルを形成する。
【0024】
圧縮機41と、凝縮器42と、凝縮器ファン43とは、装置本体3の天面上に配置され、
図1、
図2に示すように、箱形のユニットカバー40で覆われる。
ユニットカバー40には、
図1に示すように、前面に吸込み口47が設けられ、背面に吹出し口48が設けられる。
【0025】
装置本体3の上端部には、
図2に示すように、ドレンパン50が設けられる。ドレンパン50の上方には、ドレンパン50によって流路S1から仕切られる空間であるユニット空間S3が形成される。当該ドレンパン50の上には、蒸発器45と、蒸発器ファン46とが配置される。ドレンパン50の後端部には、ドレンパン50の上部と流路S1とを連通させる吹き出し開口52が形成される。ユニット空間S3の左右方向の少なくとも一方には、流路S1と、ユニット空間S3とを連通させる貫通孔である連通開口53が設けられる。
【0026】
ユニットカバー40の内部には、制御基板30が設けられる。制御基板30は、収容装置1の各部を制御する。なお、制御基板30は、ユニットカバー40に限らず、収容装置1の他の箇所に設けられてもよい。また例えば、制御基板30は、収容装置1の外部に、当該収容装置1とは別体に設けられてもよい。
【0027】
[1-1-3.箱体の構成]
次いで、箱体20について詳述する。
図2に示すように、箱体20において、天板28は、前方から後方に向かうにつれて、下方に向かうように、傾斜して設けられる。
これによって、箱体20では、収容空間S2の冷却に伴って、天板28に結露が付着した場合に、当該天板28の傾斜によって、当該結露を収容空間S2の後方に流すことができる。このため、箱体20では、天板28に結露が滞留することが抑制されると共に、当該結露が収容物Pや、使用者の手等に落下することを抑制できる。加えて、箱体20では、断熱扉21の開時に侵入する湿気が天板28に接触することが抑制され、庫内着霜の抑制を図ることができる。
なお、天板28は、前方から後方に限らず、左右いずれかの方向等、少なくとも一方向に向かうにつれて、箱体20の底部に接近するように配置されてもよい。
【0028】
図3は、天板28の斜視図である。
図3に示すように、天板28には、貫通孔27が設けられる。貫通孔27は、受光部パネル32と、配線パネル34とによって覆われる。受光部パネル32と、配線パネル34とは、天板28から着脱可能に設けられる。
受光部パネル32には、貫通孔である挿通孔38が設けられる。挿通孔38には、受光部80が挿通される。
【0029】
図2に示すように、箱体20は、載置板60を備える。載置板60は、底板26の上面に載置される板状部材である。載置板60は、平面視で底板26と略同一形状に形成される平面部62を備える。平面部62は、上面が平坦面に形成される。
【0030】
図4は、載置板60の斜視図である。
図4に示すように、平面部62の略中央には、出射孔61が設けられる。出射孔61は、平面部62の板厚方向に貫通する貫通孔である。
平面部62において、前方側には、操作孔63が設けられる。操作孔63は、平面部62の板厚方向に貫通する貫通孔である。
【0031】
載置板60には、支持部64が設けられる。支持部64は、平面部62の少なくとも対向する2辺から、上面とは反対側に起立し、所定の長さ寸法で突出する。本実施の形態では、支持部64は、載置板60の前方と、後方とに位置する辺から延びる。
【0032】
載置板60は、支持部64の先端が底板26の上面に当接するように、当該底板26に載置される。このように載置されると、載置板60は、底板26の上面全体を覆い、側板22の各々と、背板24とに当接する。このため、箱体20は、所謂二重底構造を備える。箱体20において、収容物Pが収められる場合には、当該収容物Pは、載置板60の上面に載置される。
【0033】
載置板60を取り外す場合、使用者は、操作孔63にドライバ等の棒状部材を差し込み、引っ掛けた状態で持ち上げることで、当該載置板60を取り外すことができる。
【0034】
[1-1-4.収容物検出器の構成]
図2に示すように、箱体20には、収容物検出器36が設けられる。
収容物検出器36は、収容空間S2において、収容物Pを検出する。収容物検出器36は、例えば、底板26に設けられる発光部70と、天板28に設けられる受光部80とを備える光学式のセンサである。発光部70と、受光部80とは、収容空間S2を挟んで、対向して配置される。すなわち、発光部70と、受光部80とは、平面視で略同一の位置に配置される。
【0035】
収容物検出器36は、制御基板30の制御に従って駆動する。具体的には、発光部70は、制御基板30の制御に従って発光し、受光部80は、所定の光を受光したか否かの検知結果を、所定の信号で制御基板30に送信する。
【0036】
なお、発光部70は、天板28に設けられ、受光部80は、底板26に設けられてもよい。また例えば、発光部70は、一方の側板22に設けられ、受光部80は、他方の側板22に設けられてもよい。
【0037】
図5は、箱体20の底部の縦断面図である。
図5では、左右方向に直交する平面で切断された箱体20の底部の切断面を右方から視た図である。
図5では、説明の便宜上、端子79と、接着剤R4とを2点鎖線で示し、透明部材R1には、ドットを付して示す。
図5に示すように、発光部70は、基板ケース90を備える。基板ケース90は、発光部基板72が内部に収められる箱状の部材である。基板ケース90は、透明且つ所定の剛性を備える樹脂材等で形成される。
【0038】
基板ケース90は、素子側ケース部92と、端子側ケース部94とを備える。素子側ケース部92と、端子側ケース部94とは、一つの面が開放され、当該開放面とは反対側に窪む槽状に形成される。基板ケース90は、素子側ケース部92、端子側ケース部94との各々が備える開放面を互いに塞ぐように、素子側ケース部92と端子側ケース部94とが組み合わされることで、形成される。
【0039】
基板ケース90において、端子側ケース部94の開放面に対向する面には、貫通孔である配線孔91が設けられる。当該配線孔91には、発光部基板72に接続される基板配線78が挿通される。
本実施の形態では、受光部80も同様に、受光部基板82を内部に収める基板ケース90を備える。
基板ケース90は、本開示の「収容体」に相当する。
【0040】
図6は、発光部基板72の平面図である。
図6では、説明の便宜上、透明部材R1を2点鎖線で示し、枠体76にハッチングを付して示す。
図6に示すように、発光部70は、発光部基板72を備える。発光部基板72は、各種の配線や電気部品が実装される基板である。
【0041】
発光部70の一方の実装面73には、複数の発光素子74が実装される。発光素子74には、例えばLED(Light-emitting diode)が用いられる。
発光素子74、及び発光部基板72は、いずれも冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で駆動可能な電気部品が用いられる。
発光素子74、及び発光部基板72は、上方に光を出射するように配置される。このため、発光素子74の光軸は、いずれも上下方向に沿って延びる。
なお、発光部70は、LEDに限らず、半導体レーザー等の他の発光素子を備えてもよい。
【0042】
実装面73には、複数の抵抗素子77が実装される。これらの抵抗素子77は、発光部基板72に流れる電流を制限する電気部品である。
【0043】
発光部基板72の一方の実装面73には、枠体76が設けられる。枠体76は、平板に貫通孔が設けられることで形成される枠状部材である。枠体76は、発光素子74、及び抵抗素子77を囲むと共に、発光素子74、及び抵抗素子77が実装される箇所以外の一方の実装面73を覆う。枠体76は、所定の厚さ寸法を備え、一方の実装面73に取り付けられると、枠体76の上面は、発光素子74よりも上方に突出する。なお、枠体76には、抵抗素子に限らず、コンデンサ等の他の電気部品が囲まれてもよい。
【0044】
枠体76で囲まれる箇所には、透明部材R1が設けられる。透明部材R1は、発光素子74が発する光を透過可能な透明の部材である。透明部材R1は、発光部基板72に塗布可能な流体であると共に、乾燥、あるいは光照射等によって硬化する部材である。透明部材R1は、冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で変質せず、クラックが生じるような膨脹、あるいは収縮が抑制される部材であることが望ましい。本実施の形態において、透明部材R1には、例えばフロロサーフ等の樹脂材が用いられる。
透明部材R1は、本開示の「第1透明部材」に相当する。
【0045】
上述のように、枠体76に囲まれる箇所に透明部材R1が塗布されると、発光素子74の各々が透明部材R1に覆われる。発光素子74の各々は、この透明部材R1によって気密封止されることが望ましい。本実施の形態において、透明部材R1が硬化すると、発光素子74は、いずれも液密、及び気密状態で透明部材R1に封止される。
このように、発光部70は、枠体76が設けられることで、より確実に発光素子74を透明部材R1で覆うことができる。加えて、発光部70では、透明部材R1をより効率よく発光素子74に塗布することができる。
【0046】
発光部基板72には、基板配線78が接続される。この基板配線78は、電源線や、信号線等であってもよい。本実施の形態の発光部基板72には、発光素子74の電源線と、発光素子74の電圧出力線と、グランド線との3本の基板配線78が設けられる。
図5に示すように、基板配線78の一端には、端子79が設けられる。端子79は、発光部基板72の他方の実装面75に、例えばはんだ付け等によって接続される。
【0047】
端子79は、他方の実装面75に接続された状態で、接着剤R4によって覆われる。端子79から延びる基板配線78は、当該端子79の反対側に位置する他端部側が接着剤R4を貫通し、接着剤R4の外部に露出する。接着剤R4は、発光部基板72に塗布可能な流体であると共に、乾燥、あるいは光照射等によって硬化し、冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で変質し難い材料であることが望ましい。本実施の形態において、接着剤R4は、例えばシリコン樹脂が用いられる。
なお、端子79は、透明部材R1によって覆われてもよい。
また例えば、基板配線78は、例えばフレキシブル基板のように、複数が一体に形成されたものであってもよい。
【0048】
図6に示すように、発光部基板72は、全体が透明部材R2に覆われる。透明部材R2は、透明部材R1と同様に、発光部基板72に塗布可能な流体であると共に、乾燥、あるいは光照射等によって硬化し、冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で変質し難く、発光素子74が発する光を透過可能な透明の部材である。本実施の形態では、透明部材R2は、透明部材R1と同一の樹脂材が用いられる。
【0049】
透明部材R2が硬化すると、発光部基板72は、実装される発光素子74、及び当該発光素子74に塗布される透明部材R1も含め、全体が透明部材R2によって覆われる。すなわち、発光素子74は、透明部材R1と、透明部材R2とによって、二重に覆われる。
この場合、発光部基板72は、実装される発光素子74、及び当該発光素子74に塗布される透明部材R1も含め、全体が透明部材R2に液密、及び気密状態で覆われることが望ましい。
【0050】
これによって、発光部70では、発光部基板72全体が気密封止されると共に、発光素子74に結露水等が付着することが抑制される。さらに、発光部70では、発光部基板72に対する温度による影響の軽減を図ることができる。
なお、基板配線78の他端部は、発光部基板72の全体を覆う透明部材R2から延び、配線孔91を介して、外部に延びる。
透明部材R2は、本開示の「第2透明部材」に相当する。
【0051】
基板配線78の他端には、防水コネクタ96が設けられる。本実施の形態では、2つの基板配線78の他端の各々が1つの防水コネクタ96に接続される。基板配線78は、この防水コネクタ96を介して、他の配線99の一端に接続される。
他の配線99は、例えば制御基板30と通信可能に接続する信号線や、電源から電力を供給する電力線である。本実施の形態において、収容装置1は、複数の他の配線99を備え、これらの複数の他の配線99は、他端がいずれも制御基板30に接続される。制御基板30から延びる他の配線99の各々は、筐体13の内部を引き回される。他の配線99の各々の一端は、箱体20の各々に、それぞれが延びる。
他の配線99は、本開示の「配線」に相当する。
【0052】
他の配線99の一端には、防水コネクタ98が設けられる。本実施の形態では、2つの他の配線99が備える他端の各々が1つの防水コネクタ98に接続される。他の配線99の防水コネクタ98と、基板配線78の防水コネクタ96とが接続されることで、基板配線78と他の配線99とが接続される。
これによって、発光部70は、防水された状態で、制御基板30に電気的に接続される。このため、発光部70は、例えば他の配線99に接続される箇所に結露等が付着した場合であっても、不具合が生じることが抑制される。
【0053】
図2に示すように、発光部基板72に接続される防水コネクタ96と、当該防水コネクタ96に接続される防水コネクタ98とは、箱体20に収容される収容物が載置される載置板60の内側にいずれも配置される。具体的には、防水コネクタ96、98は、載置板60と、底板26との間に配置される。
載置板60は、上述のように、底板26から取り外すことが可能である。この載置板60を取り外すことで、防水コネクタ96、98が露出するため、メンテナンスが容易になる。
【0054】
上述のように、透明部材R2に封止される発光部基板72は、基板ケース90に収められる。
図5に示すように、発光部基板72は、基板ケース90において、一方の実装面73が基板ケース90の上面に略平行に対向し、他方の実装面75が基板ケース90の下面に対向するように配置される。発光部70では、素子側ケース部92が基板ケース90の上面側を形成し、端子側ケース部94が基板ケース90の下面側を形成する。
【0055】
素子側ケース部92の開放面は、発光部基板72によって閉塞される。換言すれば、素子側ケース部92の下端は、発光部基板72の一方の実装面73の周囲を囲む。基板ケース90の上面は、発光部基板72から離間した位置に配置される。これによって、基板ケース90の内部において、基板ケース90と、発光部基板72との間には、空間が設けられる。
発光部基板72は、発光部基板72の他方の実装面75において、発光部基板72の全体を覆う透明部材R2が基板ケース90の底面に当接するように、基板ケース90に配置される。
【0056】
このように、透明部材R2で覆われる発光部基板72が基板ケース90に覆われることで、発光部基板72、及び透明部材R2に他の部材等が接触することが抑制される。加えて、発光部70では、結露水等の付着や、発光部基板72の駆動に対する温度による影響の軽減を図ることができる。
【0057】
本実施の形態では、発光部70は、支持体66に取り付けられる。支持体66は、底板26の上面に配置され、当該上面から上方に突出する部材である。発光部70は、この支持体66の上端に取り付けられ、これによって、載置板60に下方から接近する位置に配置される。支持体66に取り付けられる発光部70において、基板ケース90の上面、及び一方の実装面73は、出射孔61に平行に対向し、且つ当該出射孔61の直下に位置する。すなわち、発光部70は、平面視で、出射孔61に重なる位置に配置される。
【0058】
図2、
図4に示すように、発光部70は、載置板60の下方、且つ底板26の上面に配置される。発光部70は、平面視で出射孔61に重なる位置に配置される。当該位置では、出射孔61が発光素子74の光軸上に位置する。すなわち、発光部70から出射する光は、出射孔61を介して、収容空間S2に出射する。
【0059】
上述のように、基板ケース90の上面と、発光部基板72とは、間に空間を設けて配置される。これによって、収容装置1では、例えば載置板60や、出射孔61を介して、物理的衝撃や冷気等が基板ケース90に伝わる場合であっても、当該物理的衝撃や冷気等が発光部基板72に伝わることを抑制可能である。加えて、収容装置1では、当該空間が設けられることで、発光部基板72の駆動に伴って発生する熱が収容空間S2伝わることを抑制可能である。
【0060】
底板26に配置される発光部70において、当該発光部70が備える基板配線78は、底板26の上面に配置される。
これによって、収容装置1では、載置板60を取り外すことで、発光部70の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を行うことができる。
さらに、発光部70は、載置板60の下方に配置され、出射孔61を介して光を出射することで、収容物Pに接触することなく、当該収容物Pの検知を行うことができる。
【0061】
図7は、受光部基板82の平面図である。
図7では、説明の便宜上、透明部材R3を2点鎖線で示す。
図7に示すように、受光部80は、受光部基板82を備える。受光部基板82は、各種の配線や電気部品が実装される基板である。
受光部80の一方の実装面83には、受光素子84が実装される。受光素子84には、例えばフォトトランジスタやフォトIC、フォトダイオード等が用いられる。本実施の形態において、受光素子84は、所定値以上の信号強度の光を受光した場合に、受光量に応じて、当該受光量を示す出力値として、検出電圧を出力する。受光素子84が受光する光の信号強度とは、例えば照度である。
【0062】
受光素子84、及び受光部基板82は、いずれも冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で駆動可能な電気部品が用いられる。
受光素子84、及び受光部基板82は、下方に光を出射するように配置される。このため、受光素子84の光軸は、いずれも上下方向に沿って延びる。
なお、本実施形態で、受光素子84の光軸とは、受光素子84に入射する光の方向のうち、最も感度が高い方向である。
【0063】
受光部基板82には、発光部基板72と同様に、基板配線78が接続される。この基板配線78は、電源線や、信号線等であってもよい。本実施の形態の発光部基板72には、受光素子84の電源線と、受光素子84の電圧出力線と、グランド線との3つの基板配線78との3本が設けられる。
基板配線78は、受光部基板82のいずれかの基板面に接続されてもよい。また例えば、基板配線78は、例えばフレキシブル基板のように、複数が一体に形成されたものであってもよい。
【0064】
受光部基板82には、発光部基板72と同様に、全体が透明部材R3に覆われる。透明部材R3は、透明部材R1と同様に、受光部基板82に塗布可能な流体であると共に、乾燥、あるいは光照射等によって硬化し、冷凍温度帯、及び冷蔵温度帯で変質し難く、発光素子74が発する光を透過可能な透明の部材である。本実施の形態では、透明部材R3は、透明部材R1と同一の樹脂材が用いられる。
受光部基板82は、実装される受光素子84も含め、全体が液密、及び気密状態で透明部材R3に封止されることが望ましい。
【0065】
これによって、受光部80では、受光部基板82全体が気密、及び液密状態で覆われると共に、受光素子84に結露水等が付着することが抑制される。さらに、受光部80では、受光部基板82の駆動に対する温度による影響の軽減を図ることができる。
なお、受光部基板82には、枠体76を備える発光部基板72と同様に、受光素子84や各種の電気部品を囲む枠体を備え、受光素子84を覆う透明部材R1が塗布されてもよい。
透明部材R3は、本開示の「第3透明部材」に相当する。
【0066】
基板配線78の他端部は、受光部基板82の全体を覆う透明部材R3から外部に延びる。受光部基板82に接続される基板配線78は、他端に設けられる防水コネクタ96を介して、発光部基板72と同様に、制御基板30から延びる他の配線99の防水コネクタ98に接続される。
これによって、受光部80は、防水された状態で、制御基板30に電気的に接続される。このため、受光部80は、例えば他の配線99に接続される箇所に結露等が付着した場合であっても、不具合が生じることが抑制される。
【0067】
受光部基板82に接続される防水コネクタ96と、当該防水コネクタ96に接続される防水コネクタ98とは、は、箱体20の天板28に設けられる配線パネル34(
図3参照)の内側に配置される。
これによれば、収容装置1では、配線パネル34を取り外すことで、防水コネクタ96、98が露出するため、受光部80の交換や点検、あるいは配線に関わる作業等のメンテナンスが容易になる。
なお、防水コネクタ96、98は、配線パネル34に載置されてもよい。また例えば、防水コネクタ96、98は、配線パネル34に取り付けられてもよい。
【0068】
受光部80は、発光部70と同様に基板ケース90を備える。受光部基板82は、発光部基板72と同様に、基板ケース90の内部に収められる。受光部80において、受光部基板82は、基板ケース90において、一方の実装面83が基板ケース90の下面に略平行に対向し、他方の実装面85が基板ケース90の上面に対向するように、配置される。発光部70では、素子側ケース部92が基板ケース90の下面側を形成し、端子側ケース部94が基板ケース90の上面側を形成する。
【0069】
素子側ケース部92の開放面は、受光部基板82によって閉塞される。換言すれば、素子側ケース部92の下端は、受光部基板82の一方の実装面83の周囲を囲む。基板ケース90の下面は、受光部基板82から離間した位置に配置される。
受光部基板82は、受光部基板82の他方の実装面85において、受光部基板82の全体を覆う透明部材R3が基板ケース90の上面に当接するように、基板ケース90に配置される。
【0070】
図2、
図3に示すように、受光部80は、挿通孔38に挿通されて受光部パネル32に固定される。この場合、受光部80は、少なくとも一方の実装面83が収容空間S2に配置されるように、受光部パネル32に取り付けられる。素子側ケース部92が収容空間S2に配置されるように、受光部パネル32に取り付けられる。このため、受光部80は、素子側ケース部92が天板28から、収容空間S2に膨出するように当該天板28に取り付けられる。
【0071】
これによって、受光素子84の全体が収容空間S2に配置される。このため、受光素子84は、より確実に発光部70からの光を受光可能である。
受光部80は、受光部パネル32に固定されると、発光部70から出射する光を所定の強度で受光可能な位置に配置される。
受光部80は、受光素子84の光軸が発光素子74の光軸の少なくとも一部に重なる位置に配置されることが望ましい。
【0072】
[1-2.動作]
以上のように構成された収容装置1について、その動作を以下説明する。
[1-2-1.冷却機ユニットの動作]
まず、
図2に基づいて、冷却機ユニット4の動作を説明する。
冷却機ユニット4が作動すると、圧縮機41から冷媒が吐出され、この冷媒が凝縮器42で外気と熱交換することで凝縮された後に減圧され、蒸発器45に供給される。蒸発器45で蒸発した冷媒は、圧縮機41に流れ込む。
【0073】
冷却機ユニット4において、凝縮器ファン43が作動すると、吸込み口47から外気が吸引される。この外気は、凝縮器42で熱交換した後、圧縮機41を冷却しながら、吹出し口48から吹出される。
【0074】
蒸発器ファン46が作動すると、筐体13の内部の空気がユニット空間S3に吸引される。この吸引された空気は、蒸発器45を通り、冷媒と熱交換する。
蒸発器45で熱交換することで冷却された空気は、吹き出し開口52から、筐体13の背面側に位置する流路S1に供給される。
流路S1を流れる冷却空気は、背板24に設けられる通気孔29の各々を介して、収容空間S2の各々に流れ込む。収容空間S2に流れ込んだ冷却空気は、側板22の各々に設けられる通気孔29を介して筐体13の側面側に位置する流路S1に流出する。流路S1に流出した冷却空気は、収容空間S2を冷却した後、連通開口53を介してユニット空間S3に流れ込む。
このように、冷却機ユニット4の作動によって生成された冷却空気は、筐体13の内部を循環する。そして、収容空間S2に収容物Pが収められる場合、当該収容物Pは、冷却空気によって冷却される。
【0075】
[1-2-2.収容物検出器の動作]
次いで収容物検出器36の動作について説明する。
収容物検出器36では、発光部70から出射した光を所定の信号強度で受光部80が受光可能な位置に、発光部70と、受光部80とが配置される。
上述の通り、出射孔61は、載置板60の略中央に配置される。このため、出射孔61は、収容物Pが収容空間S2に収容される場合に、少なくとも一部が当該収容物Pによって覆われ易い位置に配置される。
【0076】
この場合、受光素子84の受光量を示す出力値は、収容物Pによって出射孔61の全体、あるいは一部が閉塞される場合と、収容物Pが収容空間S2に収容されない場合とで異なる。このため、収容物検出器36は、受光素子84の受光量を示す出力値によって、収容物Pが収容空間S2に収められているか否かを検知可能である。
【0077】
上述の通り、箱体20は、冷却空気によって冷却される。本実施の形態において、発光素子74及び発光部基板72と、受光素子84及び受光部基板82とは、いずれも透明部材R1~R3によって覆われる。これによって、収容装置1では、発光部70と、受光部80に対して、結露水等の付着や、発光部基板72の駆動に対する温度による影響の軽減を図ることができる。
【0078】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、収容装置1は、筐体13と、筐体13の内部に設けられる複数の箱体20と、箱体20の内部を冷却する冷却機ユニット4と、を備える。箱体20の内部には、光を出射する発光部70と、発光部70から出射する光を受光する受光部80とを備える収容物検出器36が設けられる。発光部70と、受光部80とは、光を透過可能な透明部材R1~R3によって覆われる。
【0079】
これにより、収容装置1では、例えば結露水等が発光部70と、受光部80とに付着することが抑制される。そのため、収容装置1では、ヒータや断熱材等の部材を追加することなく収容物検出器36を設けることができると共に、当該収容物検出器36に不具合が生じることを抑制できる。
【0080】
本実施の形態のように、発光部70は、発光素子74と、発光素子74が設けられる発光部基板72とを備え、受光部80は、受光素子84と、受光素子84が設けられる受光部基板82とを備える。発光素子74と受光素子84とは、透明部材R1~R3に覆われる。発光部基板72と、受光部基板82とは、発光素子74と、受光素子84と、発光素子74と受光素子84とを覆う透明部材R1と共に、さらに透明部材R2に覆われてもよい。
これにより、発光素子74と受光素子84とは、透明部材R1~R2によって、二重に覆われる。そのため、発光部70と、受光部80とは、発光部基板72と、受光部基板82との全体が覆われると共に、発光素子74と、受光素子84とに結露水等が付着することが抑制される。
【0081】
本実施の形態のように、発光部基板72には、発光素子74を囲む枠体76が設けられてもよい。
これにより、枠体76に囲まれる箇所に透明部材R1が塗布されると、発光素子74の各々が透明部材R1に覆われる。そのため、発光部70は、枠体76が設けられることで、より確実に発光素子74を透明部材R1で覆うことができる。
【0082】
本実施の形態のように、受光部80は、受光素子84と受光素子84が実装される受光部基板82の全体が、透明部材R3により覆われてもよい。
これにより、受光部80では、受光部基板82の全体が覆われる。そのため、受光部80では、受光部基板82と受光素子84とに結露水等が付着することが抑制される。
【0083】
本実施の形態のように、発光部70と、受光部80とは、箱状の基板ケース90に収められてもよい。
これにより、収容装置1では、発光部基板72、受光部基板82、及び透明部材R2に他の部材等が接触することが抑制される。そのため、発光部70と、受光部80とでは、結露水等の付着や、温度による影響の軽減を図ることができる。
【0084】
本実施の形態のように、箱体20には、箱体20の底部を形成する底板26と、底板26を上方から覆い、箱体20に収容される収容物が載置される載置板60とが設けられ、載置板60には、出射孔61が設けられる。底板26には、平面視で出射孔61に重なる位置に、発光部70が設けられてもよい。
これにより、発光部70は、載置板60の下方に配置される。そのため、収容物検出器36は、出射孔61を介して光を出射することで、収容物Pに接触することなく、当該収容物Pの検知を行うことができる。
【0085】
本実施の形態のように、載置板60は、底板26から着脱可能に設けられてもよい。
これにより、収容装置1では、載置板60を取り外すことで、作業者が発光部70にアクセスできる。そのため、収容装置1では、発光部70の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0086】
本実施の形態のように、箱体20には、箱体20の天面を形成する天板28が設けられ、天板28には、天板28から、箱体20の収容空間S2に向かって、受光部80が突出して設けられてもよい。
これにより、受光素子84の全体が収容空間S2に配置される。そのため、受光素子84は、より確実に発光部70からの光を受光可能である。
【0087】
本実施の形態のように、天板28は、いずれか一方向に向かうにつれて箱体20の底部に接近するように、傾斜して設けられてもよい。
これにより、箱体20では、収容空間S2の冷却に伴って、天板28に結露が付着した場合に、当該天板28の傾斜によって、当該結露を収容空間S2の後方に流すことができる。そのため、箱体20では、天板28に結露が滞留することが抑制されると共に、当該結露が収容物Pに落下することを抑制できる。
【0088】
本実施の形態のように、収容装置1は、発光部70と、受光部80とに接続される他の配線99を備え、発光部70と、受光部80とは、他の配線99と接続可能な防水コネクタ96を備え、防水コネクタ96は、箱体20に設けられてもよい。
これによって、収容装置1では、箱体20で、発光部70と、受光部80との配線作業を行うことができる。そのため、収容装置1では、発光部70と受光部80との交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0089】
本実施の形態のように、収容装置1の各部を制御する制御基板30を備え、制御基板から30延びる複数の他の配線99は、発光部70と受光部80とのそれぞれに防水コネクタ96、98で接続されてもよい。
これによって、発光部70と、受光部80とは、防水された状態で、制御基板30と電気的に接続される。このため、発光部70と、受光部80とは、結露が付着した場合であっても、不具合が生じることが抑制される。
【0090】
本実施の形態のように、発光部70に接続される防水コネクタ96、98は、箱体20に収容される収容物が載置される載置板60の内側に配置されてもよい。
これによって、収容装置1では、箱体20で発光部70の配線作業を行うことができる。そのため、収容装置1では、発光部70の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0091】
本実施の形態のように、受光部80に接続される防水コネクタ96、98は、箱体20の天板に設けられる配線パネルの内側に配置されてもよい。
これによって、収容装置1では、箱体20で受光部80の配線作業を行うことができる。そのため、収容装置1では、受光部80の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0092】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0093】
上述した実施形態では、発光部70は、底板26に配置され、受光部80は、天板28に配置されるとした。しかしながらこれに限らず、発光部70は、天板28に配置され、受光部80は、底板26に配置されてもよい。
【0094】
上述した実施形態では、収容物検出器36は、発光部70と受光部80とを備えるとした。しかしながらこれに限らず、収容物検出器36は、重量センサ等の他のセンサを備えてもよい。この場合当該センサは、透明部材R1~R3によって覆われてもよい。
【0095】
上述した実施形態では、発光部基板72と、受光部基板82とは、いずれも基板ケース90に収められるとした。しかしながらこれに限らず、発光部70と、受光部80との少なくとも一方は、基板ケース90が省略されてもよい。
【0096】
また例えば、発光部70と、受光部80との少なくとも一方は、基板ケース90が省略されてもよい。この場合、他方は、基板ケース90を備えると共に、透明部材R1~R3が省略されてもよい。
【0097】
また例えば、収容物検出器36は、発光素子74と受光素子84とが同一の基板上に実装される光センサを備えてもよい。このような光センサは、発光素子74から出射した光の反射光を受光素子84が受光することで収容物を検知する。この場合当該光センサは、透明部材R1~R3によって覆われてもよい。
【0098】
また例えば、載置板60の上面には、収容物Pが出射孔61を覆う位置に配置されるように誘導するマーク等が設けられてもよい。これによって、収容装置1では、収容物検出器36が収容物Pを検知可能な位置に、当該収容物Pが配置されやすくなる。このため、収容装置1では、より確実に収容物Pを検知可能となる。なお、当該マークは、発光部70と、受光部80とが一対の側板22に配置される場合にも設けられてもよい。
【0099】
上述した実施形態では、収容装置1は、複数の箱体20を備えるとした。しかしながらこれに限らず、収容装置1は、1つの箱体20のみを備えてもよい。この場合、収容装置1は、例えば、住宅等に設置される宅配ボックスとして機能する。
【0100】
上述した実施形態では、収容装置1は、複数の箱体20を備えるとした。しかしながらこれに限らず、収容装置1は、1つの箱体20のみを備えてもよい。
【0101】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0102】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0103】
(技術1)箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、前記箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器が設けられ、前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、収容装置。
これにより、収容装置では、例えば結露水等が発光部と、受光部との少なくとも一方に付着することが抑制される。そのため、収容装置では、当該収容物検出器に不具合が生じることを抑制できる。
【0104】
(技術2)前記発光部は、発光素子が第1透明部材により覆われ、前記発光素子が実装される発光部基板の全体が第2透明部材により覆われる、技術1に記載の収容装置。
これにより、発光素子は、透明部材によって、二重に覆われる。そのため、発光部は、発光部基板の全体が覆われると共に、発光素子に結露水等が付着することが抑制される。
【0105】
(技術3)前記発光部基板に、前記発光素子を囲む枠体が設けられ、前記枠体の内側に前記第1透明部材が設けられる、技術2に記載の収容装置。
これにより、発光部基板では、枠体に囲まれる箇所に透明部材が塗布されると、発光素子の各々が透明部材に覆われる。そのため、発光部は、枠体が設けられることで、より確実に発光素子を透明部材で覆うことができる。
【0106】
(技術4)前記受光部は、受光素子と前記受光素子が実装される受光部基板の全体が、第3透明部材により覆われる、技術1に記載の収容装置。
これにより、受光部は、受光部基板の全体が覆われる。そのため、受光部では、受光部基板と受光素子とに結露水等が付着することが抑制される。
【0107】
(技術5)前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、箱状の収容体に収められる技術1から技術4のいずれか一項に記載の収容装置。
これにより、収容装置では、発光部基板と受光部基板との少なくとも一方、及び透明部材に他の部材等が接触することが抑制される。そのため、発光部と、受光部との少なくとも一方では、結露水等の付着や、温度、あるいは収容物の出し入れによる影響の軽減を図ることができる。
【0108】
(技術6)前記箱体には、前記箱体の底部を形成する底板と、前記底板を上方から覆い、前記箱体に収容される収容物が載置される載置板とが設けられ、前記載置板には、貫通孔が設けられ、前記底板には、平面視で前記貫通孔に重なる位置に、前記発光部と、前記受光部とのいずれか一方が設けられる技術1から技術5のいずれか一項に記載の収容装置。
これにより、発光部、または受光部は、載置板の下方に配置される。そのため、収容物検出器は、貫通孔を介して光を出射、または受光することで、収容物に接触することなく、当該収容物の検知を行うことができる。
【0109】
(技術7)前記載置板は、前記底板から着脱可能に設けられる技術6に記載の収容装置。
これにより、収容装置では、載置板を取り外すことで、作業者が発光部、または受光部にアクセスできる。そのため、収容装置では、発光部、または受光部の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0110】
(技術8)前記箱体には、前記箱体の天面を形成する天板が設けられ、前記天板には、前記天板から、前記箱体の内部の空間に向かって、前記発光部と、前記受光部とのいずれか一方が突出して設けられる技術1から技術7のいずれか一項に記載の収容装置。
これにより、発光素子、または受光素子が収容空間に配置される。そのため、受光素子は、より確実に発光部からの光を受光することができる。
【0111】
(技術9)前記天板は、少なくとも一方向に向かうにつれて、前記箱体の底部に接近するように傾斜して設けられる技術8に記載の収容装置。
これにより、箱体では、収容空間の冷却に伴って、天板に結露が付着した場合に、当該天板の傾斜によって、当該結露を収容空間の後方に流すことができる。そのため、箱体では、天板に結露が滞留することが抑制されると共に、当該結露が収容物に落下することを抑制できる。
【0112】
(技術10)収容装置の各部を制御する制御基板を備え、前記制御基板から延びる複数の配線は、前記発光部と前記受光部とのそれぞれに防水コネクタで接続される、技術1から技術9のいずれか一項に記載の収容装置。
これによって、発光部と、受光部とは、防水された状態で、制御基板と電気的に接続される。このため、発光部と、受光部とは、結露が付着した場合であっても、不具合が生じることが抑制される。
【0113】
(技術11)前記発光部に接続される前記防水コネクタは、前記箱体に収容される収容物が載置される載置板の内側に配置される、技術10に記載の収容装置。
これによって、収容装置では、箱体で発光部の配線作業を行うことができる。そのため、収容装置では、発光部の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0114】
(技術12)前記受光部に接続される前記防水コネクタは、前記箱体の天板に設けられる配線パネルの内側に配置される、技術10または11に記載の収容装置。
これによって、収容装置では、箱体で受光部の配線作業を行うことができる。そのため、収容装置では、受光部の交換や点検、あるいは配線に関わる作業を容易に行うことができる。
【0115】
(技術13)前記発光部は、前記箱体の底部に配置され、前記受光部は、前記箱体の天面に配置される技術1から技術12のいずれか一項に記載の収容装置。
これによって、収容装置では、箱体に収容される収容物が底部に載置された場合に、発光部からの光を受光部が検知されなくなる。そのため、収容装置では、収容物の検知ができる。
【0116】
(技術14)筐体と、前記筐体の内部に設けられる複数の箱体と、前記箱体の内部を冷却する冷却機ユニットと、を備える収容装置において、前記複数の箱体の内部に、発光部と受光部を備える収容物検出器がそれぞれ設けられ、それぞれの箱体の内部の前記発光部と前記受光部との少なくとも一方は、光を透過可能な透明部材によって覆われる、収容装置。
これにより、収容装置では、例えば結露水等が発光部と、受光部との少なくとも一方に付着することが抑制される。そのため、収容装置では、当該収容物検出器に不具合が生じることを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本開示は、冷蔵・冷凍機能を備え、収容物を収容可能な装置に適用可能である。具体的には、宅配用収容装置や、冷蔵、冷凍一般の冷却庫装置などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 収容装置
3 装置本体
4 冷却機ユニット
13 筐体
20 箱体
26 底板
27 貫通孔
28 天板
36 収容物検出器
60 載置板
61 出射孔
70 発光部
72 発光部基板
74 発光素子
76 枠体
80 受光部
82 受光部基板
84 受光素子
90 基板ケース(収容体)
96、98 防水コネクタ
99 他の配線(配線)
R1~R3 透明部材(第1~第3透明部材)
R4 接着剤
S2 収容空間(箱体の内部の空間)