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特開2024-177831インクジェット記録装置及びインクジェットヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177831
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置及びインクジェットヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
B41J2/175 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096190
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EC16
2C056EC32
2C056FA09
2C056FB07
2C056KB16
2C056KB19
2C056KB35
(57)【要約】
【課題】高周波、高振幅の振動条件であっても流路内のインクの圧力変動を好適に低減できるインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドを提供すること。
【解決手段】インクを吐出するインクジェットヘッドと、インク供給源からインクジェットヘッド内を通り、インクジェットヘッドにインクを供給するとともにインクを排出するように構成されるインク流路と、有し、インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に延びる第1の連結部を介して接続され、且つ、正の向きの延長方向に配置される第1の空気保持部と、インク流路に、流れ方向に対して負の向きの延長方向に延びる第2の連結部を介して接続され、且つ、負の向きの延長方向に配置される第2の空気保持部とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するインクジェットヘッドと、
インク供給源から前記インクジェットヘッド内を通り、前記インクジェットヘッドにインクを供給するとともに前記インクを排出するように構成されるインク流路と、
有し、
前記インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に延びる第1の連結部を介して接続され、且つ、前記正の向きの延長方向に配置される第1の空気保持部と、
前記インク流路に、前記流れ方向に対して負の向きの延長方向に延びる第2の連結部を介して接続され、且つ、前記負の向きの延長方向に配置される第2の空気保持部と、
を備える、
インクジェット記録装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の空気保持部は、前記インク流路において前記インクジェットヘッドから前記インクを排出するインク排出流路に設けられている、
請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の連結部の断面積は、前記第1及び第2の連結部の夫々が接続する前記インク流路の接続部の断面積より小さい、
請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の連結部の延長方向は、前記インクの流れ方向に対して±30°以下の角度である、
請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の連結部は、前記第1及び第2の空気保持部と、鉛直上向き方向に連結されている、
請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の空気保持部は、前記第1及び第2の空気保持部が鉛直下向き方向に接続される前記第1及び第2の連結部に向かって下る傾斜面を含む、
請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
インク滴を吐出するノズルと、
インク供給源に接続されるとともに前記ノズルを通るように構成され、前記ノズルに前記インク供給源からのインクを供給するとともに、前記インクを排出するインク流路と、
前記インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に延びる第1の連結部を介して接続され、且つ、前記正の向きの延長方向に配置される第1の空気保持部と、
前記インク流路に、前記流れ方向に対して負の向きの延長方向に延びる第2の連結部を介して接続され、且つ、前記負の向きの延長方向に配置される第2の空気保持部と、
を備える、
インクジェットヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることによって記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
インクジェット記録装置では、インク供給用ポンプによる脈動や、インクジェットヘッドが搭載されたキャリッジのスキャン動作に伴う加減速や振動により、インクジェットヘッドへ供給されるインク圧力が変動する。インク圧力の変動が生じることにより、インクジェットヘッドのノズルのインクメニスカス位置がずれて濃度むらが発生し、吐出しにくくなるという問題がある。
【0003】
インクの圧力変動を低減するために、特許文献1-4に示すような空気ダンパを備えるインクジェット記録装置が知られている。これら特許文献1-4に示すインクジェット装置における空気ダンパは、インク流路上に、空気を保持可能な空気保持部を有し、この空気保持部において空気の膨張或いは収縮作用を用いて、インクジェットヘッドに流れるインク圧力の変動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-114737号公報
【特許文献2】特開平02-095863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、インクジェットの用途が多様化する中で、インクジェットヘッドの使用環境はより厳しくなり、急激な加減速や多軸方向の移動、振動や衝撃等による外乱により従来にない高周波、高振幅の振動を受ける条件下での使用が求められている。
【0006】
従来の空気ダンパでは、衝撃等によりインク流路内で生じるインクの圧力変動(動圧影響)のうち、インクのインクジェットヘッドへの供給方向に対して正負どちらか一方向への移動による圧力変動(動圧影響)を低減するものであった。このため、従来にない高周波、高振幅の振動を受ける条件下で用いられる場合、インク流路内に発生する圧力変動を十分に抑制できないという問題があった。
【0007】
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、高周波、高振幅の振動条件であっても流路内のインクの圧力変動を好適に低減できるインクジェット記録装置及びインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決する主たる本開示は、
インクを吐出するインクジェットヘッドと、
インク供給源から前記インクジェットヘッド内を通り、前記インクジェットヘッドにインクを供給するとともに前記インクを排出するように構成されるインク流路と、
有し、
前記インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に延びる第1の連結部を介して接続され、且つ、前記正の向きの延長方向に配置される第1の空気保持部と、
前記インク流路に、前記流れ方向に対して負の向きの延長方向に延びる第2の連結部を介して接続され、且つ、前記負の向きの延長方向に配置される第2の空気保持部と、
を備えるインクジェット記録装置である。
【0009】
また、前述した課題を解決する主たる本開示は、
インク滴を吐出するノズルと、
インク供給源に接続されるとともに前記ノズルを通るように構成され、前記ノズルに前記インク供給源からのインクを供給するとともに、前記インクを排出するインク流路と、
前記インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に延びる第1の連結部を介して接続され、且つ、前記正の向きの延長方向に配置される第1の空気保持部と、
前記インク流路に、前記流れ方向に対して負の向きの延長方向に延びる第2の連結部を介して接続され、且つ、前記負の向きの延長方向に配置される第2の空気保持部と、
を備えるインクヘッドである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、高周波、高振幅の振動条件であっても流路内のインクの圧力変動を好適に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す側面図
図2】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の正面図
図3】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッドユニットの構成を示す模式図
図4】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の主要な機能構成を示すブロック図
図5】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置においてエアダンパ部を有するインク循環装置の要部構成を示す模式図
図6】インクが正方向に流れるエアダンパ部の拡大模式図
図7】インクが負方向に流れるエアダンパ部の拡大模式図
図8】本発明の一実施のインクジェット記録装置におけるエアダンパ部の変形例を示す図
図9】本発明の一実施のインクジェット記録装置の変形例の概略構成を示す図
図10】本発明の一実施のインクジェットヘッドの概略構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
[インクジェット記録装置の全体構成]
以下、図1図4を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置1の構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置1の全体構成を示す側面図であり、図2は、同インクジェット記録装置の正面図である。
【0015】
インクジェット記録装置1は、例えば、多軸ロボットアームを用いて、インクの吐出により立体物等の対象物に着色、描画等を行う描画装置に用いられてもよい。インクジェット記録装置1は、複数のインクジェットヘッド240を有するヘッドユニット24と、ヘッドユニット24を保持するロボットアーム5と、ピニング装置6と、チャンバー7と、制御部40(図4参照)と、を主に備える。
【0016】
[ロボットアーム5]
ロボットアーム5は、垂直多関節型のロボットアームであり、ベース(土台)部51と、関節53で連結された複数のアーム52と、サーボモーター(図示省略)と、エンコーダー(図示省略)とを備える。
【0017】
ベース部51には、基端部側の関節53を介して複数のアーム52が連結されており、その先端部520で、インクジェットヘッド240及びピニング装置6が保持されている。
【0018】
各関節53は、アーム52の一端部を揺動可能として他端部を軸支する揺動関節と、アーム52自身をその長手方向を中心に回転可能に軸支する回転関節とのいずれかから構成される。
【0019】
サーボモーターは、各関節51に駆動源として設けられており、関節51毎に連結する複数のアーム52を回転又は回動する。エンコーダーは、複数のアーム52のアーム角度をそれぞれ検出する。なお、サーボモーターは制御部40により制御され、エンコーダーは制御部に接続され、検出結果を制御部40(図4参照)に出力する。
【0020】
ロボットアーム5は、例えば、六つの関節53を具備する。ロボットアーム5は、六軸によってその先端部520のインクジェットヘッド240及びピニング装置6を任意の位置に位置決めでき、任意の姿勢をとらせることができる。
【0021】
よって、ロボットアーム5は、印刷対象物の表面が、例えば、立体的な曲面であっても、ヘッドユニット24をその曲面上の任意の曲線に沿って走査して描画を行わせることができる。なお、「走査」は、本実施の形態では、ヘッドユニット24を移動させながら描画を行うことを意味する。
【0022】
なお、ロボットアーム5は、六軸に限らず、一つ、或いは二つ以上の関節を有するものであってもよい。例えば、ロボットアーム5は、七つの関節を有する七軸のものを採用してもよい。7軸以上のもの等を用いる場合など、冗長関節が生じる場合では、インクジェットヘッド240及びピニング装置6を任意の位置に位置決めし、任意の姿勢をとらせながら、途中の関節を移動させることができるようになる。これにより、ロボットアーム5は、周囲の他の物体との干渉を回避できるので、インクジェットヘッド240及びピニング装置6をより広い範囲で任意の位置に位置決めして、任意の姿勢をとらせることができる。
【0023】
[チャンバー7]
チャンバー7は、ロボットアーム5及び印刷対象物を密閉状態で格納する格納室である。チャンバー7内は、外気を遮断し、防塵、防湿が図られている。チャンバー7の内部には、印刷対象物を載置する作業台71が設けられている。なお、作業台71には、印刷対象物を所定の姿勢に保持する治具を設けてもよい。
【0024】
[ヘッドユニット24]
図3、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッドユニットの構成を示す模式図であり、具体的には、図3は、ヘッドユニット24をインクジェットヘッド240によるインク吐出方向から見た底面図であり、印刷対象物と対向する面を示している。
【0025】
以下で説明するヘッドユニット24及びインクジェットヘッド240については、便宜上、インクジェットヘッド240のノズル243の配列方向(X方向)である描画幅方向を左右方向とし、ノズル243の開口部からの吐出方向に垂直となる平面上で左右方向に直交する方向を前後方向(走査方向ともいう)とし、左右方向と前後方向とに直交する方向(吐出方向)を上下方向として説明する。なお、これらの前後左右上下方向は、ヘッドユニット24をインクジェットヘッド240について定めた方向であって、上述したロボットアーム5の説明における前後左右上下方向とは一致しない。
【0026】
ヘッドユニット24は、複数のインクジェットヘッド240を有し、インクジェットヘッド240を、その吐出方向を揃えた状態で一体的に保持してユニット化して構成されている。
【0027】
ここでは、ヘッドユニット24は、図3に示すように、取り付け部材244に取り付けられた4つのインクジェットヘッド240を有し、取付部材244において、左右方向に2つ並んだインクジェットヘッド240の列が前後に二本配置されている。
【0028】
ヘッドユニット24においては、ノズル列のX方向についての配置範囲が切れ目なく繋がるようにインクジェットヘッド240は配置されている。具体的には、前側の列の各インクジェットヘッド240のノズル243と後側の列の各インクジェットヘッド240のノズル243とが前後方向から見て重ならないように、各インクジェットヘッド240が千鳥状に配置されている。これにより、ヘッドユニット24は、ラインヘッドを構成し、左右方向に沿ったラインによる1パス方式の描画を行う。なお、インクジェットヘッド240の並び数や列数は、一例であり、上記記載に限定されない。
【0029】
[インクジェットヘッド240]
インクジェットヘッド240の各々には、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル243とを各々有する複数の画像形成素子が設けられている。この画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル243からインクを吐出する。なお、本実施形態では、取付部材244におけるノズル243の列数が2列である例について説明するが、ノズル243の一列における並び数や列数や配置は適宜変更可能であり、例えば、列数は、1列、4列、6列等、3列以上のいずれかであってもよい。
【0030】
インクジェットヘッド240は、インクジェットヘッド240内に貯留されるインクを加熱するインク加熱部(図示せず)を有することで加熱されてゲル状になるゲルインクなどにも用いることが出来る。
【0031】
[ピニング装置(照射部)6]
ピニング装置6は、ヘッドユニット24と共にロボットアーム5の先端部に保持されており、インクジェットヘッド240から吐出後のインクを増粘する。ピニング装置6は、例えば、インクジェットヘッドから吐出後のインクに、赤外線光(特に、近赤外線:波長0.7~2.5[μm]程度)、紫外線光(波長10~400[nm]程度)、エキシマ発光等のいずれかのエネルギー線照射を行う照射装置を有する。
【0032】
ピンニング装置6は、インクにエネルギー線を照射することで、インクを被描画体の表面上で増粘させる。なお、ピニング装置6は、各種のエネルギー線の照射装置である場合に限られず、吐出されたインクを加熱する加熱装置であってもよい。ピンニング装置6が加熱装置である場合、インクを加熱する熱源となるヒーター素子と、ヒーター素子で加熱された高温空気をインクの付着位置に吹き付けるファン等の送風部とを備える構成とすることが好ましい。これにより印刷対象物の表面上のインクに対して集中的に高温空気を当てて迅速な乾燥を行うことによりインクを効果的に固着できる。
【0033】
図4は、本実施形態に係るインクジェット記録装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、制御部40と、ヘッドユニット駆動部3と、ロボットアーム5と、ピニング装置6と、インク供給部100とを備える。
【0034】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43及び記憶部44を有し、記録装置1の全体動作を統括制御する。なお、CPUは、ROM等の記憶装置から処理内容に応じた各種のプログラムやデータ等を読み出して実行し、実行された処理内容に応じてインクジェット記録装置1の各部の動作を制御する。RAMは、CPUにより処理される各種のプログラムやデータ等を一時的に記憶する。ROMは、CPU等により読み出される各種のプログラムやデータ等を記憶する。
【0035】
制御部40は、印刷対象物に対する描画を実行するための基本的な制御として、印刷対象物の表面形状及び描画を行う範囲を定めた三次元データに基づいて、当該描画を行う範囲に描画を行う動作制御が実行される。この印刷対象物の表面形状及び描画を行う範囲を定めた三次元データは、予め用意されたものであってもよいし、測距装置(図示省略)に検出されたものであってもよい。
【0036】
具体的には、ヘッドユニット駆動部3、インク供給部100を駆動して、ヘッドユニット24の各ノズル243からインクを吐出させるとともにピニング装置6で近赤外線の照射を行いつつ、ロボットアーム5を動作制御してインクジェットヘッド240を前方又は後方へ走査する。インクジェットヘッド240の走査、つまり、ヘッドユニット24の走査は、左右方向にヘッドユニット24の位置を変えつつ繰り返し行ってもよい。
【0037】
また、例えば、制御部40は、印刷対象物の表面形状の三次元データを取得して、ロボットアーム5の座標系に印刷対象物の表面の座標が展開可能である場合、印刷対象物の表面位置座標に基づいて各ノズル243から印刷対象物の表面までの距離が適正な吐出距離を維持するように制御してもよい。
【0038】
この制御によれば、各ノズル243から印刷対象物の表面までの適正な距離を測定する装置、例えば、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)のような二次元又は三次元計測装置が不要となる。
【0039】
一方この三次元計測装置としての測距装置を有する構成であれば、測距装置により、各ノズル243から前方の印刷対象物の表面までの距離を所定の(適正な)吐出距離に維持して吐出を行うようにロボットアーム5の制御できる。これにより、ロボットアーム5の制御は、制御部40により、測距装置の検出による印刷対象物の表面の距離と、ロボットアーム5の座標系に展開された印刷対象物の表面の座標とを照合し、両方を利用して行うことができる。
【0040】
ヘッドユニット駆動部3は、制御部40の制御に基づいてヘッドユニット24の画像形成素子に対して適切なタイミングで描画する画像データ(例えば、三次元データ)に応じた駆動信号を供給する。これにより、ヘッドユニット24は、ノズル243から三次元データの画素値に応じた量のインクを吐出する。
【0041】
[インク供給部100]
インク供給部100は、例えば、メインタンクに接続されるインク貯留部120(図5参照)に貯留されたインクを、ヘッドユニット24に設けられた複数のインクジェットヘッド240の夫々に対して供給する。インク供給部100は、制御部40からの制御信号に従って、各部を用いて、複数のインクジェットヘッド240のそれぞれに対するインクの供給量を調整する。
【0042】
[インク供給部100の構成]
図5は、本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給部100の要部構成を示す図である。なお、図5では、説明の便宜として、1つのインクジェットヘッド240のみを示しているが、1つのヘッドユニット24には、複数(ここでは、図3に示すように4つ)のインクジェットヘッド240が設けられている。
【0043】
インク供給部100は、インク貯留部120、インク流路400(インク供給流路410、インク排出流路420)、インクジェットヘッド240、エアダンパ部300、廃液部160を備えている。なお、インク流路400は、インクを循環させる循環流路として用いられることが好ましい。その場合、図5に示す構成において、廃液部160に戻り管170を連通するように取り付けて、ポンプ等の吸引装置等を用いて、インクを廃液部160から戻り管170を介してインク貯留部120(メインタンク或いはサブタンク)に戻す構成にする。インク流路400は、例えば、ホースやパイプで形成された配管によって構成されている。
【0044】
<インク流路400>
インク流路400は、インク供給流路410、インク排出流路420(第1流路430、第2流路440、第3流路450)により連続し、一方向で、正方向でインクを流す一本の流路を構成する。この流路上に、インクジェットヘッド240(具体的にはノズル243が連続する圧力室)、廃液部160の他、エアダンパ部300が配設された状態に構成されている。
【0045】
インク供給流路410は、インク流路400においてインクジェットヘッド240の上流側の流路であり、インクをインク貯留部120からインクジェットヘッド240(インクジェットヘッド240内の圧力室)に供給する。インク供給流路410は、インク貯留部120とインクジェットヘッド240とを連通する管部により構成される。
【0046】
インク排出流路420は、インク流路400においてインクジェットヘッド240の下流側の流路である。なお、インク排出流路420は、便宜上、第1流路430、第2流路440、第3流路450に分けて説明するが、1本の流路を構成する管体により構成されている。
【0047】
排出流路420上(排出流路420途中)には、エアダンパ部300が配設される。排出流路420は、加圧メンテナンスによってノズル243から排出されずに残ったインクを、第1流路430、エアダンパ部300内の第2流路440及び第3流路450を介して廃液部160に排出する。なお、第3流路450は、エアダンパ部300と廃液部160とを接続する。廃液部160は、ノズル243で吐出されなかったインクを貯留する。
【0048】
<インク貯留部120>
インク貯留部120は、インクを貯留しておくための容器である。インク貯留部120は、メインタンクとインクジェットヘッド240に連通して配置され、インクジェットヘッド240で吐出されないインクの一部又は全てを回収、循環させるために用いられてもよい。なお、インク貯留部120は、メインタンクとしてもよい。
【0049】
インク貯留部120に貯留されているインクは、インク供給流路410を介してインクジェットヘッド240に供給される。この際、インク貯留部120に貯留されているインクは、インクジェットヘッド240に供給される。
【0050】
インク貯留部120は、例えば、密閉状態で配設されており、内部に所定量の空気層を残した状態でインクを貯留している。空気層は、インクジェットヘッド240のノズル背圧の負圧よりも、高い負圧状態が維持されるように、図示しないポンプによって吸引された状態で配されるようにしてもよい。なお、ポンプは、インクジェットヘッド240の背圧制御ポンプとして機能してもよい。
【0051】
ポンプは、インク貯留部120内の空気層を加減圧することによりインクジェットヘッド240の背圧を調整したり、インク供給流路410内の圧力を制御したりすることができる。このポンプは、制御部40により、インクジェットヘッド240の圧力、つまり、インクジェットヘッド240のノズル243開口部の圧力(メニスカス圧)が、当該インクジェットヘッド240の推奨メニスカス圧範囲に収まるように制御される。
【0052】
インクジェットヘッド240は、インク供給流路410に接続された圧力室に繋がるノズル243からインクを吐出し、加圧メンテナンスによってノズル243により吐出されなかった圧力室における吐出後のインクは、インク排出流路420を流れて廃液部160に排出する。
【0053】
<エアダンパ部>
エアダンパ部300は、インク流路400上に配置され、インク流路400内で変動するインクの圧力変動、具体的には、インク流路400内でのインクの流れの正方向及び負方向に発生する圧力変動(動圧影響)を低減する。
【0054】
エアダンパ部300は、インク流路400においてインクジェットヘッド240の下流側のインク排出流路420に配設されている。エアダンパ部300は、その機能上、インクジェットヘッド240に対して近い位置に配置することが好ましく、圧力室(図示省略)からの流路の長さが極力短くなるように、先端部520に配置されている。
【0055】
図6は、インクが正方向に流れるエアダンパ部の拡大模式図であり、図7は、インクが負方向に流れるエアダンパ部の拡大模式図である。
【0056】
エアダンパ部300は、インク排出流路420が挿通するダンパ本体310と、インク流路400に接続する第1の空気保持室(空気保持部)320及び第2の空気保持室(空気保持部)330と、第1の連結部340、第2の連結部360とを有する。
【0057】
ダンパ本体310には、インク排出流路420を構成する第2流路440が挿通されている。この第2流路440に、第1の連結部340を介して第1の空気保持室320が接続され、第2の連結部360を介して第2の空気保持室330が接続されている。
【0058】
第1の空気保持室(第1の空気保持部)320は、第2流路440において、第2流路440のインク流れ方向に対して正の向きの延長方向に配置されている。
【0059】
第1の空気保持室320は、第2流路440(インク流路400)を正の方向に発生するインクの圧力を低減する。第1の空気保持室320は、底面322の開口部324を介して第1の連結部340に接続された密閉空間である。底面322は開口部324に向かって下る下り勾配の傾斜面で構成されている。
【0060】
すなわち、第1の空気保持部である空気保持室320は、第1の空気保持部が鉛直下向き方向に接続される第1の連結部340に向かって下る傾斜面を含む。この傾斜面は、第1の空気保持室320に対する加圧メンテナンス時において、インクは傾斜面を流れるので、一時的に流入したインクの排出を容易に行うことができる。これにより、第1の空気保持室320の長寿命化を図ることができる。
【0061】
第1の連結部340は、第2流路440からインクの流れの正の向きの延長方向に延びる管状部であり、第2流路440に対して第2流路440からインクの流れの正方向に分岐して第1の空気保持室320を接続している。
【0062】
第1の連結部340の断面積は、第2流路440の断面積よりも小さくなるように形成されている。すなわち、第1の連結部340の断面積は、第1の連結部340が接続するインク流路である第2流路440の接続部の断面積より小さい。これにより、エアダンパ部300まわりのインクが循環される際、第1の空気保持室320へのインクの流れ込みを低減し、第1の空気保持室320内におけるインクへの空気の溶け込みが抑制され、第1の空気保持室320の長寿命化を図ることができる。
【0063】
第1の連結部340は、第1の空気保持室320と、鉛直上向き方向に連結されており、この構成からも、第1の空気保持室320へのインクの流れ込みを低減し、第1の空気保持室320内におけるインクへの空気の溶け込みを抑制している。
【0064】
第2の空気保持室(第2の空気保持部)330は、第2流路440において、第2流路440のインク流れ方向に対して負の向きの延長方向に配置されている。
【0065】
第2の空気保持室330は、図7に示すように、第2流路440(インク流路400)を負の方向に発生するインクの圧力を低減する。第2の空気保持室330は、底面332の開口部334を介して第2の連結部360に接続された密閉空間である。
【0066】
底面332は開口部334に向かって下る下り勾配の傾斜面で構成されている。すなわち、第2の空気保持部である空気保持室330は、空気保持室330が鉛直下向き方向に接続される第2の連結部360に向かって下る傾斜面を含む。この傾斜面は、第1の空気保持室320の傾斜面である底面322と同様に、第2の空気保持室330に対する加圧メンテナンス時において、インクが傾斜面を流れるので、一時的に流入したインクの排出を容易に行うことができる。これにより、第2の空気保持室330の長寿命化を図ることができる。この傾斜面により、第2の空気保持室330の内部へのインクの流れ込みを低減することができ、第2の空気保持室330の長寿命化が図られている。
【0067】
第2の連結部360は、第2流路からインクの流れの負の向きの延長方向に延びる管状部であり、第2流路440に対して第2流路440からインクの流れの負方向に分岐して第2の空気保持室330を接続している。
【0068】
第2の連結部360の断面積は、第2流路440の断面積、つまり、インク供給流路410の断面積よりも小さくなるように形成されている。すなわち、第2の連結部360の断面積は、第2の連結部360が接続するインク流路である第2流路440の接続部の断面積より小さい。これにより、エアダンパ部300まわりのインクが循環される際、第2の空気保持室330へのインクの流れ込みを低減し、第2の空気保持室330内におけるインクへの空気の溶け込みが抑制され、第2の空気保持室330の長寿命化を図ることができる。
【0069】
第2の連結部360は、第2の空気保持室330と、鉛直上向き方向に連結されており、この構成からも、第2の空気保持室330へのインクの流れ込みを低減し、第2の空気保持室360内におけるインクへの空気の溶け込みを抑制している。
【0070】
なお、第1の空気保持室320及び第2の空気保持室330は、開閉可能な開口弁を有してもよい。これにより、各空気保持室320、330の内部空気が減少している場合、第1の空気保持室320及び第2の空気保持室330に対して、メンテナンス時に、開口弁を介して内部のエアを加圧により補充、内部インクの除去等を行うことができる。
【0071】
<エアダンパ部300の動作>
インクジェット記録装置1のインク流路400を流れるインクに発生する圧力としては、一般的に、単位体積当りの圧縮エネルギーである静圧に加えて、単位体積当りの運動エネルギーである動圧が知られている。動圧は、流体が運動している間は圧力にはなり得ないが運動を遮るとそこで圧力に変わるものである。インクジェット記録装置1では、動圧として、急激な加減速や多軸方向の移動、振動や衝撃等による外乱により、インクが流路内を移動することによって生じる圧力変動が発生する。
【0072】
インク流路400内でのインクの移動(インクの流れ)は、インク供給方向である正方向と、逆方向の負の方向がある。
【0073】
先端部520に加わる衝撃等の外乱によりインク流路400に加わる高周波・高振幅の振動によって、インク流路400では、正方向のインクの圧力変動と、負方向のインクの圧力変動とが生じる場合がある。
【0074】
正方向の圧力変動が発生すると、エアダンパ部300では、図6に示すように、インク流路400の第2流路440に、インク流路400内のインクの流れの正方向に延びる第1の連結部340を介して接続された第1の空気保持室320により低減される。
【0075】
また、負方向の圧力変動が発生すると、エアダンパ部300では、図7に示すように、インク流路400の第2流路440に、インク流路400内のインクの流れの負方向に延びる第2流路440を介して接続された第2の連結部360を介して第2の空気保持室330により低減される。
【0076】
このようにエアダンパ部300では、インク流路400(第2流路440)においてインクの流れの正方向或いは負の方向に分岐して第1及び第2の空気保持室320、330が設けられている。
【0077】
これより、衝撃等によって先端部520に高周波、高振幅の外乱が加わることで、高周波、高振幅の加速度が加わるインク流路400内に生じる圧力変動(動圧の影響による)を低減できる。このように、先端部520に、高周波・高振幅の外乱による振動が加わる場合でも、インク流路400内の圧力変動を低減して、インクジェットヘッド240のノズル243のメニスカスが壊れることを抑制し、吐出状態を安定させることができる。
【0078】
インクジェット記録装置1において、ダンパ部300は、インク流路400とインクジェットヘッド240に加わる振動周期が10Hz未満である場合は勿論のこと、10Hz以上でも、有効に用いることができる。
【0079】
この範囲の周期の振動(動圧)がインク流路400とインクジェットヘッド240に加わる場合に発生するインクの圧力変動は、エアダンパ部300により、低減(減衰)して、インクジェットヘッド240おいて安定したインクの吐出を行うことができる。
また、インクジェット記録装置1において、インク流路400及びインクジェットヘッド240に加わる加速度が2G以上でも、これに対応して有効に用いることができる。
【0080】
この範囲の振動が先端部520、インク流路400に加わる場合でも、エアダンパ部300によりインク流路400内のインクの圧力変動を低減できる。
【0081】
なお、先端部520の通常のスキャン動作は、最大で周波数0.5Hz程度であり振幅は1~1.5G程度である。これらよりも高周波、高振幅の振動を受けても、発生するインクの変動動圧を効果的に低減して、インクジェットヘッド240のノズル243からインクを安定して吐出させることができる。
【0082】
<エアダンパ部の変形例>
図8は、エアダンパ部の変形例の説明に供する要部拡大図である。
図8に示すように、エアダンパ部300において、第1の連結部340及び第2の連結部360の第2流路440から延びる延長方向の向きは、インクの流れ方向に対して-αで示す-45°より大きく+αで示す+45°未満であることが好ましい。
【0083】
第1の連結部340及び第2の連結部360の延長方向の向きが、インクの流れ方向を0°とすると-45°以下、または、+45°以上である場合、インク流路400で発生するインク等の流体が連結部340、360を流れにくくなる。これにより、インクの圧力変動は低減しにくくなる。
【0084】
また、更に、第1の連結部340及び第2の連結部360の延長方向の向きは、-αより大きく+αより-βで示す-30°以上+βで示す+30°以下であることが好ましい。このように第1の連結部340及び第2の連結部360から延びる延長方向が、インクの流れと平行でなくても第1の空気保持室320及び第2の空気保持室330により同様の効果を奏することができる。
【0085】
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置1では、エアダンパ部300は、インクジェットヘッド240の下流の排出流路420に配置した構成としたが、これに限らない。エアダンパ部300は、インクジェットヘッド240の上流側の流路、具体的には、インク供給流路410に配置されてもよい。
【0086】
<インクジェット記録装置の変形例>
図9は、本発明の一実施のインクジェット記録装置の変形例の概略構成を示す図である。図9に示すインクジェット記録装置1Aは、インクジェット記録装置1の構成において、インク供給部100Aは、インク供給流路410Aの上流部412と下流部414との間にエアダンパ部300Aを有する。
【0087】
インクジェット記録装置1Aでは、先端部520Aのインクジェットヘッド240の上流側と下流側の流路の夫々にエアダンパ部300A、300を配置しているので、より効果的にインク流路400内で発生するインクの変動動圧を低減つまり減衰させることができる。
【0088】
また、本実施の形態では、エアダンパ部300、300Aは、インクジェットヘッド240に近い位置に配置することが好ましいので、近接する位置、隣接する位置に位置するように、インクジェット記録装置1、1Aでは、先端部520、520Aに設けているが、これに限らない。
【0089】
上述のエアダンパ部300をインクジェットヘッド240に設けた構成としてもよい。
【0090】
<インクジェットヘッド240B>
図10は、本発明の一実施のインクジェットヘッド240Bの概略構成を示す図である。図10に示すインクジェットヘッド240Bは、エアダンパ部300Bを有し、インクジェット記録装置1において、インクジェットヘッド240を変更して、エアダンパ部300外して用いることができる。
【0091】
インクジェットヘッド240Bは、インクジェットヘッド本体であるヘッド本体2402に、インク滴を吐出するノズル243と、インク流路400Bと、エアダンパ部300と同様の構成を有するエアダンパ部300Bとを有する。
【0092】
インク流路400Bは、両端部を外部機器或いは外部部材に接続可能であり、一端がインク供給源(例えば、インク貯留部120)に接続されるとともに、ヘッド本体2402内の圧力室に接続されている。なお、圧力室にはノズル(ノズル面243a)が繋がっている。
【0093】
インク流路400Bは、ノズル(ノズル面243a)にインク供給源からのインクを供給するインク供給路410Bと、ノズル(ノズル面243a)からインクを排出するインク排出流路430Bとを有する。
【0094】
エアダンパ部300Bは、エアダンパ部300と同様の構成要素を有しており、第1の空気保持室320B、第1の連結部340B、空気保持室320B、第2の連結部360Bを有する。
【0095】
第1の空気保持室320Bは、インク流路400(詳細には第2流路430B)上に、インク流れ方向に対して正の向き(正の方向)の延長方向に配置され、正の向きの延長方向に延びる第1の連結部340Bを介して接続されている。
【0096】
第2の空気保持室330Bは、前記インク流路400(詳細には第2流路430B)上に、インク流れ方向に対して負の向き(負の方向)の延長方向に配置され、負の向きの延長方向に延びる第2の連結部360Bを介して接続されている。すなわち、インクジェットヘッド240Bは、インク流路に、インクの流れ方向に対して正の向きの延長方向に配置され、第1の連結部を介して正の向きで連通する第1の空気保持部と、インク流路に、流れ方向に対して負の向きの延長方向に配置され、第2の連結部を介して、負の向きで連通する第2の空気保持部とを備える。
【0097】
これにより、インクジェットヘッド240Bは、インクジェット記録装置のインク供給部100においてインクをインクジェットヘッド240Bに供給する循環流路の一部として用いることで、循環流路内のインクの圧力変動を低減でき、上記インクジェット記録装置1と同様の作用効果をうることができる。
【0098】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本開示に係るインクジェット記録装置によれば、インク供給流路におけるインクの循環動作を停止させた際に、インクジェットヘッドのノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されることを抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
1、1A インクジェット記録装置
3 ヘッドユニット駆動部
5 ロボットアーム
6 ピニング装置
7 チャンバー
24 ヘッドユニット
40 制御部
44 記憶部
51 土台
52 アーム
53 関節
71 作業台
100 インク供給部
120 インク貯留部
160 廃液部
170 戻り管
240、240B インクジェットヘッド
243 ノズル
243a ノズル面
244 取り付け部材
300、300B エアダンパ部
310 ダンパ本体
320、320B 第1の空気保持室(空気保持部)
322 底面
324、334 開口部
330 第2の空気保持室(空気保持部)
340、340B 第1の連通部
360、360B 第2の連結部
400、400B インク流路
410、410B インク供給流路
420 インク排出流路
423 ノズル
430、430B 第1流路
440 第2流路
450 第3流路
2402 ヘッド本体
520 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10