(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177834
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】デバイス管理装置、デバイス管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/51 20220101AFI20241217BHJP
H04L 41/0803 20220101ALI20241217BHJP
【FI】
H04L67/51
H04L41/0803
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096195
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 健
(57)【要約】
【課題】デバイスの登録変更作業を軽減するためのデバイス管理技術を提供することである。
【解決手段】本開示の一態様は、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報を管理する登録情報管理部と、物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記デバイス登録情報に登録されているか判定するデバイス登録部と、前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知する通知部と、を有するデバイス管理装置に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報を管理する登録情報管理部と、
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記デバイス登録情報に登録されているか判定するデバイス登録部と、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知する通知部と、
を有するデバイス管理装置。
【請求項2】
前記デバイス識別子は、論理識別子と物理識別子とを含み、
前記デバイス登録部は、前記第2のデバイスの論理識別子によって前記第1のデバイスの論理識別子を登録する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記物理デバイスが前記第2のデバイスと同一のテナントにおいて登録される場合、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスに対するデバイス登録情報を通知する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記物理デバイスが前記第2のデバイスと異なるテナントにおいて登録される場合、前記第2のデバイスのユーザとともに前記第1のデバイスのユーザに前記物理デバイスの登録を通知する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記物理デバイスの利用変更又は使用状況を通知する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記第1のデバイスのユーザと前記第2のデバイスのユーザとに前記物理デバイスの前記第1のデバイスとしての利用承認を確認し、前記デバイス登録部は、確認結果に応じて前記物理デバイスの登録適否を判定する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項7】
前記デバイス登録部は、前記第1のデバイスとして登録されている前記物理デバイスを前記第2のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記第2のデバイスのデバイス固有情報と一致しているか判定し、判定結果に応じて前記物理デバイスの登録適否を判定する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記物理デバイスを前記第1のデバイスとして登録した後、前記第1のデバイスのユーザに所定の照会タイミングで前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録維持の要否を照会し、
前記登録情報管理部は、不要であると回答されたデバイス登録情報を削除する、請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項9】
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けることと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報に登録されているか判定することと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知することと、
を有するコンピュータが実行するデバイス管理方法。
【請求項10】
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けることと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報に登録されているか判定することと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デバイス管理装置、デバイス管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ、センサなどのIoT(Internet of Things)デバイスの利用が拡大してきている。例えば、オフィスビルなどでは、監視カメラ、温度計、測定機器などの多数のIoTデバイスが、警備、空調調整、エレベータ制御などのため建物内に設置されている。また、工場では、スマートファクトリのための各種IoTデバイスが、製造ラインなどに設置されている。
【0003】
これらのIoTデバイスは、典型的には、クラウドサーバなどと通信接続され、クラウドサーバなどによって管理されている。このようなクラウドサーバによってIoTデバイスを効果的に管理及び運用するための各種技術が提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IoTプラットフォームでは、利用中のIoTデバイスが、他の利用目的で新たなデバイスとして一時的に利用されることがある。新たなデバイスとして利用中のIoTデバイスを再登録する際、当該IoTデバイスは、当初の登録情報においては非接続状態として認識されうる。しかしながら、この非接続状態は、一時的に他の利用目的で使用されていることによるものであるか、あるいは、IoTデバイスの不具合、通信状態の劣化などによるものであるか自動的に判別することは困難であり、この判別はユーザなどの手動による確認作業を要しうる。
【0006】
また、IoTデバイスの一時的な利用が完了し、再登録前に利用されていたデバイスとしてIoTデバイスを復帰させる際、当該IoTデバイスが再登録前に利用されていたデバイスでなく、他のデバイスに誤って関連付けされる事態が生じうる。あるいは、IoTデバイスが再登録後に継続使用され、当初の登録情報が不要になった場合、当初の登録情報が、削除されることなく残ってしまうこともある。このように、IoTデバイスの数が増加すると、ユーザのデバイス管理負担が増大しうる。
【0007】
上記問題点に鑑み、本開示の1つの課題は、デバイスの登録変更作業を軽減するためのデバイス管理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報を管理する登録情報管理部と、物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記デバイス登録情報に登録されているか判定するデバイス登録部と、前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知する通知部と、を有するデバイス管理装置に関する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によると、デバイスの登録変更作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施例によるデバイス管理システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施例によるデバイス登録通知処理を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施例によるデバイス管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施例によるデバイス管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施例によるデバイス登録情報を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施例によるデバイス使用状況情報を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施例によるデバイス管理処理を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。
【0012】
以下の実施例では、ネットワークを介しデバイスを管理するデバイス管理システムが開示される。
【0013】
[デバイス管理システム]
図1に示されるように、デバイス管理システム10は、物理デバイス20_1,20_2,・・・,20_N(以降、デバイス20と総称しうる)、及び、デバイス管理装置100を有する。図示されるように、物理デバイス20は、ネットワーク50を介しデバイス管理装置100に通信接続される。
【0014】
各物理デバイス20は、例えば、カメラ、センサなどである。各物理デバイス20は、デバイス識別子(ID)と関連付けされ、デバイスIDを利用してネットワーク50を介しデバイス管理装置100によって管理されている。図示された例では、物理デバイス20_1はデバイス#1のデバイスIDによって管理され、物理デバイス20_2はデバイス#2のデバイスIDによって管理され、以下同様にして、物理デバイス20_3~20_Nはそれぞれデバイス#3~#NのデバイスIDによって管理されている。例えば、カメラとして構成される物理デバイス20_iは、工場の製造ラインAの監視用のデバイス#iとして管理され、カメラとして構成される物理デバイス20_jは、製造ラインBの監視用のデバイス#jとして管理されうる。
【0015】
デバイス管理装置100は、デバイス管理システム10に登録されている物理デバイス20を管理する。例えば、デバイス管理装置100は、物理デバイス20が設置される際、物理デバイス20に関する各種情報を登録及び保持する。デバイス管理装置100は、以下で詳細に説明されるように、物理デバイス20に関する各種情報をデバイス管理情報として格納する。なお、デバイス管理情報は、デバイス管理装置100内に保持されてもよいし、及び/又は他のデータベースサーバ(図示せず)などに格納されてもよい。
【0016】
以下の実施例では、
図2に示されるように、工場の製造ラインAの監視用のデバイス#iとして利用されている物理デバイス20_iを一時的に製造ラインBの監視用のデバイス#jとして利用するため、物理デバイス20_iがデバイス#jとして登録される。物理デバイス20_iをデバイス#jとして再登録するための登録要求が、デバイス管理装置100に送信される。登録要求を受信すると、デバイス管理装置100は、物理デバイス20_iがデバイス登録情報に登録されているか検索する。物理デバイス20_iがデバイス登録情報に登録されている場合、デバイス管理装置100は、物理デバイス20_iを製造ラインBのデバイス#jとして登録することを製造ラインAのデバイス#iのユーザに通知し、当該ユーザから承認された後、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録してもよい。これにより、デバイス#iのユーザ(例えば、製造ラインAの管理者など)は、デバイス#iとして現在利用されている物理デバイス20_iのデバイス#jへの利用変更を事前に知ることができる。
【0017】
さらに、デバイス#iからデバイス#jへの登録変更の際、デバイス#iのデバイスIDの論理IDが、物理デバイス20_iとして登録されたデバイス#jのデバイスIDの論理IDに引き継がれてもよい。すなわち、デバイス#jの論理IDは、デバイス#iの論理IDと同一とされる。これにより、物理デバイス20_iのデバイス#jへの一時的な利用が完了した後、物理デバイス20_iをデバイス#iに復帰させる際、物理デバイス20_iとデバイス#iとの誤った関連付けを防ぐことができうる。
【0018】
ここで、デバイス管理装置100は、サーバ、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット等の計算装置によって実現されてもよく、例えば、
図3に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、デバイス管理装置100は、バスBを介し相互接続されるドライブ装置101、ストレージ装置102、メモリ装置103、プロセッサ104、ユーザインタフェース(UI)装置105及び通信装置106を有する。
【0019】
デバイス管理装置100における各種機能及び処理を実現するプログラム又は指示は、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。当該記憶媒体がドライブ装置101にセットされると、プログラム又は指示が記憶媒体からドライブ装置101を介しストレージ装置102又はメモリ装置103にインストールされる。ただし、プログラム又は指示は、必ずしも記憶媒体からインストールされる必要はなく、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードされてもよい。
【0020】
ストレージ装置102は、ハードディスクドライブなどによって実現され、インストールされたプログラム又は指示と共に、プログラム又は指示の実行に用いられるファイル、データ等を格納する。
【0021】
メモリ装置103は、ランダムアクセスメモリ、スタティックメモリ等によって実現され、プログラム又は指示が起動されると、ストレージ装置102からプログラム又は指示、データ等を読み出して格納する。ストレージ装置102、メモリ装置103及び着脱可能な記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(non-transitory storage medium)として総称されてもよい。
【0022】
プロセッサ104は、1つ以上のプロセッサコアから構成されうる1つ以上のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、処理回路(processing circuitry)等によって実現されてもよく、メモリ装置103に格納されたプログラム、指示、当該プログラム若しくは指示を実行するのに必要なパラメータなどのデータ等に従って、デバイス管理装置100の各種機能及び処理を実行する。
【0023】
ユーザインタフェース(UI)装置105は、キーボード、マウス、カメラ、マイクロフォン等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ、ヘッドセット、プリンタ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置から構成されてもよく、ユーザとデバイス管理装置100との間のインタフェースを実現する。例えば、ユーザは、ディスプレイ又はタッチパネルに表示されたGUI(Graphical User Interface)をキーボード、マウス等を操作し、デバイス管理装置100を操作する。
【0024】
通信装置106は、外部装置、インターネット、LAN(Local Area Network)、セルラーネットワーク等の通信ネットワークとの有線及び/又は無線通信処理を実行する各種通信回路により実現される。
【0025】
しかしながら、上述したハードウェア構成は単なる一例であり、本開示によるデバイス管理装置100は、他の何れか適切なハードウェア構成により実現されてもよい。
【0026】
[デバイス管理装置]
次に、本開示の一実施例によるデバイス管理装置100を説明する。
図4は、本開示の一実施例によるデバイス管理装置100を示すブロック図である。
【0027】
図4に示されるように、デバイス管理装置100は、登録情報管理部110、デバイス登録部120及び通知部130を有する。登録情報管理部110、デバイス登録部120及び通知部130の各機能部は、デバイス管理装置100のメモリ装置103に格納されているコンピュータプログラムがプロセッサ104によって実行されることによって実現されてもよい。
【0028】
登録情報管理部110は、デバイス#x(x=1,2,・・・)のデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報を管理する。例えば、デバイス固有情報は、デバイス管理システム10に登録されている各デバイス#xのMACアドレスなどの通信IDであってもよい。各デバイス#xは、典型的には、デバイス管理装置100に通信接続されたIoTデバイスであり、MACアドレスなどの何れかの通信IDが、デバイス#xに割り当てられている。また、デバイス識別子は、デバイス#xの論理識別子(ID)と物理識別子(ID)とを含んでもよい。
【0029】
例えば、デバイス登録情報は、
図5に示されるように、デバイスID、デバイス固有情報、論理ID及び物理IDから構成されてもよい。図示された例では、“デバイス#1”には、デバイス固有情報“X1”、論理ID“LID#1”及び物理ID“PID#1”が割り当てられ、“デバイス#2”には、デバイス固有情報“X2”、論理ID“LID#2”及び物理ID“PID#2”が割り当てられ、“デバイス#3”には、デバイス固有情報“X3”、論理ID“LID#3”及び物理ID“PID#3”が割り当てられ、以下同様に、デバイス管理システム10に登録された各デバイスに対して、デバイスID、デバイス固有情報、論理ID及び物理IDが登録されうる。
【0030】
デバイス登録部120は、物理デバイス20をデバイス#xとして登録するための登録要求を受け付けると、物理デバイス20のデバイス固有情報がデバイス登録情報に登録されているか判定する。例えば、
図2に示されるように、製造ラインAの監視用のデバイス#iとして登録されている物理デバイス20_iを、製造ラインBの監視用のデバイス#jとして登録するための登録要求を受け付けると、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス登録情報に登録されているか判断する。本例では、物理デバイス20_iは、デバイス#iとしてデバイス登録情報に登録済みであるため、物理デバイス20_iのデバイス固有情報(例えば、MACアドレスなどの通信ID)もまたデバイス#iのデバイス固有情報に登録されている。デバイス登録部120は、物理デバイス20_iがデバイス#iとしてデバイス登録情報に登録されている旨を通知部130に通知する。そして、後述されるように、物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録変更に対するユーザの承認を受け付けると、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録する。
【0031】
物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録する際、デバイス登録部120は、デバイス#iの論理IDによってデバイス#jの論理IDを登録してもよい。すなわち、デバイス#jの論理IDは、デバイス#iの論理IDと同一とされてもよく、デバイス管理システム10において、物理デバイス20_iは、登録済みのデバイス#iの論理IDを変更することなく、異なるデバイス#jに登録することができうる。
【0032】
他方、物理デバイス20_iがデバイス登録システム10に未登録であり、物理デバイス20_iのデバイス固有情報もまたデバイス登録情報に未登録である場合、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iがデバイス登録システム10に新規に登録されうると判断し、物理デバイス20_iをデバイス#jとしてデバイス登録情報に登録する。このとき、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iがデバイス登録情報に未登録である旨を通知部130に通知してもよい。このようにして、デバイス登録部120は、登録要求された物理デバイス20_iがデバイス登録情報に登録されているか否かの判定結果を通知部130に送信する。
【0033】
通知部130は、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス#iとしてデバイス登録情報に登録されているとき、デバイス#iのユーザに物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録を通知する。例えば、上述したように、物理デバイス20_iがデバイス登録情報に登録されていることをデバイス登録部120から通知されると、通知部130は、物理デバイス20_iを製造ラインBの監視用のデバイス#jとして登録することを、製造ラインAの監視用のデバイス#iのユーザに通知する。これにより、製造ラインAの監視用のデバイス#iとして物理デバイス20_iを利用していたユーザは、当該物理デバイス20_iが製造ラインBに以降に利用されることを知ることができる。
【0034】
ここで、通知部130は、物理デバイス20の利用変更又は使用状況を通知してもよい。具体的には、通知部130は、物理デバイス20の利用が変更されること、物理デバイス20の変更後の使用状況を通知してもよい。例えば、通知部130は、製造ラインAの監視用のデバイス#iとして使用されている物理デバイス20_iが製造ラインBに利用されることを通知してもよい。
【0035】
また、通知部130は、デバイス#jのユーザとデバイス#iのユーザとに物理デバイス20_iのデバイス#jへの利用承認を確認してもよい。例えば、通知部130は、物理デバイス20_iを製造ラインAから製造ラインBの監視用のデバイス#jとして使用することを承認するか、すなわち、物理デバイス20_iのデバイス#jへの利用が意図したものであるかについて、デバイス#jとデバイス#iの双方のユーザに照会してもよい。双方のユーザから承認を受け付けると、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iの登録が適切であると判定し、物理デバイス20_iをデバイス#jとしてデバイス登録情報に登録してもよい。他方、ユーザの一方又は双方から非承認の通知を受け付けると、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iの登録が適切でないと判定し、物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録を保留してもよい。
【0036】
一実施例では、登録情報管理部110は、デバイス#xの設置先のテナント(例えば、運営者、運用主体など)及び/又は使用状況をデバイス使用状況情報に登録してもよい。例えば、デバイス使用状況情報は、
図6に示されるようなテーブル形式のデータとして構成されてもよい。図示される例では、“デバイス#1”のデバイスIDには、テナント“TN#1”と使用状況“使用状況#1”とが関連付けされ、“デバイス#2”のデバイスIDには、テナント“TN#2”と使用状況“使用状況#2”とが関連付けされてもよい。ここで、デバイス使用状況情報は、デバイス登録情報に結合されてもよい。すなわち、デバイスID、デバイス固有情報、論理ID及び物理IDに加えて、テナント及び使用状況がデバイス登録情報に登録されてもよい。
【0037】
このとき、通知部130は、物理デバイス20_iがデバイス#iと同一のテナントにおいて登録される場合、デバイス#iのユーザに物理デバイス20_iのデバイス#jに対するデバイス登録情報を通知してもよい。具体的には、デバイス#jとデバイス#iとのテナントがデバイス使用状況情報において同じである場合、通知部130は、デバイス#iのユーザに物理デバイス20_iのデバイス#jに対するデバイス登録情報を通知してもよい。他方、通知部130は、物理デバイス20_iがデバイス#iと異なるテナントにおいて登録される場合、デバイス#iのユーザとともにデバイス#jのユーザに物理デバイス20_iの登録を通知してもよい。具体的には、デバイス#jとデバイス#iとのテナントがデバイス使用状況情報において異なっている場合、通知部130は、デバイス#iのユーザとデバイス#jのユーザとに、物理デバイス20_iのデバイス#jに対するデバイス登録情報を通知してもよい。
【0038】
すなわち、利用変更前後のデバイス#i,#jが同一のテナントに所属する場合、通知部130は、利用変更前のデバイス#iのユーザのみに、物理デバイス20_iがデバイス#jとして登録されることを通知してもよい。他方、利用変更前後のデバイス#i,#jが異なるテナントに所属する場合、通知部130は、利用変更前のデバイス#iのユーザだけでなく、利用変更後のデバイス#jのユーザにもまた、物理デバイス20_iがデバイス#jとして登録されることを通知してもよい。利用変更前後のデバイス#i,#jが同一のテナントに所属する場合、デバイス#i,#jのユーザもまた同一のテナントに所属していると考えられ、一方のユーザのみに通知することで十分でありうる。他方、利用変更前後のデバイス#i,#jが異なるテナントに所属する場合、デバイス#i,#jのユーザもまた異なるテナントに所属していると考えられ、双方のユーザに通知することが適切であると考えられうる。
【0039】
通知部130が、利用変更前のデバイス#iのユーザに物理デバイス20_iのデバイス#jへの利用変更を通知した後、当該利用変更の承認を受け取ると、デバイス登録部120は、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録する。例えば、この利用変更が一時的なものである場合、物理デバイス20_iを利用変更前のデバイス#iとして復帰させるための登録要求が、デバイス#i又はデバイス#jのユーザから送信されうる。この場合、デバイス登録部120は、デバイス#jとして登録されている物理デバイス20_iをデバイス#iとして登録するための登録要求を受け付けると、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス#iのデバイス固有情報と一致しているか判定し、判定結果に応じて物理デバイス20_iの登録適否を判定してもよい。すなわち、物理デバイス20_iを利用変更前のデバイス#iとして復帰させるための登録要求に誤りがあった場合でも、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス#iのデバイス固有情報と一致しているか判定することによって、登録の適否を判定することができる。
【0040】
また、通知部130は、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録した後、デバイス#jのユーザに所定の照会タイミングで物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録維持の要否を照会してもよい。すなわち、通知部130は、物理デバイス20_iの一時的な利用が完了したか、一時的に利用されているデバイス#jのユーザに照会してもよい。ここで、所定の照会タイミングは、所定の時間間隔であってもよいし、デバイス#iのユーザなどの何れかのユーザからの照会要求タイミングであってもよい。そして、登録情報管理部120は、ユーザから不要であると回答されたデバイス登録情報を削除してもよい。これにより、不要なデバイス登録情報が維持されるのを回避することが可能になる。
【0041】
[デバイス管理処理]
次に、本開示の一実施例によるデバイス管理処理を説明する。当該デバイス管理処理は、デバイス管理装置100によって実行され、より詳細には、デバイス管理装置100の1つ以上のプロセッサ104が1つ以上のメモリ装置103に格納された1つ以上のプログラム又は指示を実行することによって実現されてもよい。
図7は、本開示の一実施例によるデバイス管理処理を示すフローチャートである。
【0042】
図7に示されるように、ステップS101において、デバイス管理装置100は、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録するための登録要求を受け付ける。例えば、デバイス管理装置100は、製造ラインAの監視用のデバイス#iとして利用されている物理デバイス20_iを、製造ラインBの監視用のデバイス#jとして一時的に利用するため、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録するための登録要求を受け付けてもよい。物理デバイス20_iがデバイス#iとしてすでに利用されている場合、デバイス登録情報には、物理デバイス20_iがデバイス#iとして既に登録されている。
【0043】
ステップS102において、デバイス管理装置100は、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス登録情報に登録されているか判定する。物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス登録情報に登録されている場合(S102:YES)、デバイス管理装置100は、ステップS103に移行する。他方、物理デバイス20_iのデバイス固有情報がデバイス登録情報に登録されていない場合(S102:NO)、デバイス管理装置100は、ステップS104に移行する。
【0044】
例えば、物理デバイス20_iがデバイス#iとしてすでに利用されている場合、デバイス登録情報には、物理デバイス20_iがデバイス#iとして既に登録されており、物理デバイス20_iのデバイス固有情報はデバイス登録情報に登録されている。他方、物理デバイス20_iがデバイス管理システム10に新規に登録される場合、物理デバイス20_iのデバイス固有情報はデバイス登録情報に登録されていないと考えられうる。
【0045】
ステップS103において、デバイス管理装置100は、デバイス#iのユーザに物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録を通知する。例えば、デバイス管理装置100は、利用変更前のデバイス#iのユーザに、物理デバイス20_iをデバイス#jとして利用することに同意しているか確認してもよい。ここで、デバイス#iのユーザが、物理デバイス20_iをデバイス#jとして利用することに同意していない場合、デバイス管理装置100は、登録要求を提供したユーザに、物理デバイス20_iのデバイス#jへの登録について確認を求めるようにしてもよい。
【0046】
ステップS104において、デバイス管理装置100は、物理デバイス20_iをデバイス#jとして登録する。具体的には、デバイス管理装置100は、デバイス#jのデバイス登録情報のデバイス固有情報、論理ID及び物理IDに物理デバイス20_iを登録する。ここで、デバイス固有情報には、物理デバイス20_iのMACアドレスなどの通信IDが登録され、論理IDには、デバイス#iの論理IDが登録されてもよい。
【0047】
上述した実施例によると、デバイス#iのユーザは、デバイス#iとして現在利用されている物理デバイス20_iのデバイス#jへの利用変更を事前に知ることができる。また、デバイス#iのデバイスIDの論理IDがデバイス#jのデバイスIDの論理IDに引き継がれる。このため、デバイス20_iのデバイス#jへの一時的な利用が完了した後、物理デバイス20_iをデバイス#iに復帰させる際、物理デバイス20_iとデバイス#iとの誤った関連付けを防ぐことができうる。
【0048】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)
デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報を管理する登録情報管理部と、
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記デバイス登録情報に登録されているか判定するデバイス登録部と、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知する通知部と、
を有するデバイス管理装置。
(付記2)
前記デバイス識別子は、論理識別子と物理識別子とを含み、
前記デバイス登録部は、前記第2のデバイスの論理識別子によって前記第1のデバイスの論理識別子を登録する、付記1に記載のデバイス管理装置。
(付記3)
前記通知部は、前記物理デバイスが前記第2のデバイスと同一のテナントにおいて登録される場合、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスに対するデバイス登録情報を通知する、付記1又は2に記載のデバイス管理装置。
(付記4)
前記通知部は、前記物理デバイスが前記第2のデバイスと異なるテナントにおいて登録される場合、前記第2のデバイスのユーザとともに前記第1のデバイスのユーザに前記物理デバイスの登録を通知する、付記1~3の何れか1つに記載のデバイス管理装置。
(付記5)
前記通知部は、前記物理デバイスの利用変更又は使用状況を通知する、付記1~4の何れか1つに記載のデバイス管理装置。
(付記6)
前記通知部は、前記第1のデバイスのユーザと前記第2のデバイスのユーザとに前記物理デバイスの前記第1のデバイスとしての利用承認を確認し、前記デバイス登録部は、確認結果に応じて前記物理デバイスの登録適否を判定する、付記1~5の何れか1つに記載のデバイス管理装置。
(付記7)
前記デバイス登録部は、前記第1のデバイスとして登録されている前記物理デバイスを前記第2のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けると、前記物理デバイスのデバイス固有情報が前記第2のデバイスのデバイス固有情報と一致しているか判定し、判定結果に応じて前記物理デバイスの登録適否を判定する、付記1~6の何れか1つに記載のデバイス管理装置。
(付記8)
前記通知部は、前記物理デバイスを前記第1のデバイスとして登録した後、前記第1のデバイスのユーザに所定の照会タイミングで前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録維持の要否を照会し、
前記登録情報管理部は、不要であると回答されたデバイス登録情報を削除する、付記1~7の何れか1つに記載のデバイス管理装置。
(付記9)
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けることと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報に登録されているか判定することと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知することと、
を有するコンピュータが実行するデバイス管理方法。
(付記10)
物理デバイスを第1のデバイスとして登録するための登録要求を受け付けることと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が、デバイスのデバイス固有情報とデバイス識別子とを関連付けて登録するデバイス登録情報に登録されているか判定することと、
前記物理デバイスのデバイス固有情報が第2のデバイスとして前記デバイス登録情報に登録されているとき、前記第2のデバイスのユーザに前記物理デバイスの前記第1のデバイスへの登録を通知することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0049】
以上、本開示の実施例について詳述したが、本開示は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 デバイス管理システム
20 物理デバイス
50 ネットワーク
100 デバイス管理装置
110 登録情報管理部
120 デバイス登録部
130 通知部