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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177850
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096215
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】重村 丈留
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】金澤 一弘
(72)【発明者】
【氏名】堀木 紗英
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】村中 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松井 彰
(72)【発明者】
【氏名】石橋 卓也
(72)【発明者】
【氏名】酒向 正義
(72)【発明者】
【氏名】浅野 博昭
(72)【発明者】
【氏名】下畑 壮史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美裕
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE13
(57)【要約】
【課題】流出側口金に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じても、この歪による内機ケースユニットの破損を防止することができるガスメータを提供する。
【解決手段】本発明のガスメータ1は、内機ケースユニット30を樹脂材で形成し、内機ケースユニット30には、流出側口金60の内部に挿入される排気筒33を形成し、排気筒33の端部には、上流側Oリング止め35と下流側Oリング止め36とを形成し、上流側Oリング止め35と下流側Oリング止め36とによって、Oリング37を配置するOリング溝38を形成し、上流側Oリング止め35の上流側外周縁に上流側テーパー面35uを形成し、下流側Oリング止め36の下流側外周縁に下流側テーパー面36dを形成したことを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量計測ユニットと、
前記ガス流量計測ユニットで計測したガスを流出側口金に導く内機ケースユニットと
を内部に有する筐体が鉄材で形成されるガスメータであって、
前記内機ケースユニットを樹脂材で形成し、
前記内機ケースユニットには、前記流出側口金の内部に挿入される排気筒を形成し、
前記排気筒の端部には、上流側Oリング止めと下流側Oリング止めとを形成し、
前記上流側Oリング止めと前記下流側Oリング止めとによって、Oリングを配置するOリング溝を形成し、
前記上流側Oリング止めの上流側外周縁に上流側テーパー面を形成し、
前記下流側Oリング止めの下流側外周縁に下流側テーパー面を形成した
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
前記筐体の内部には、前記筐体に取り付けられる内機固定板を有し、
前記内機ケースユニットをゴムブッシュによって前記内機固定板に取り付ける
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記ガス流量計測ユニットの下流側端部を前記内機ケースユニットに固定し、
前記ガス流量計測ユニットの上流側端部を変位可能とした
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流量計測部を内部に有するガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス流量計測ユニットで計測したガスを流出側口金に導く内機ケースユニットを樹脂材で形成する場合には、流出側口金に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じると、この歪によって内機ケースユニットが破損してしまう。
ところで、特許文献1は、ガス流量計測ユニットで計測したガスを流出側口金に導く連通部材に筒状の蛇腹部材を設けることで、部材間での位置ずれを吸収することを提案している。
特許文献2は、ガスメータの交換時に生じる口金とメータ本体との位置ずれを吸収するためにベローズを設けることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-124653号公報
【特許文献2】特開2014-169958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2で提案している蛇腹部材やベローズを用いることでも、口金に接続されたガス配管からの歪が内機ケースユニットに伝わることを緩和することができるが、内機ケースユニットを樹脂材としたものではない。
【0005】
本発明は、内機ケースユニットを樹脂材とした場合に、流出側口金に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じても、この歪による内機ケースユニットの破損を防止することができるガスメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のガスメータ1は、ガス流量計測ユニット20と、前記ガス流量計測ユニット20で計測したガスを流出側口金60に導く内機ケースユニット30とを内部に有する筐体40が鉄材で形成されるガスメータ1であって、前記内機ケースユニット30を樹脂材で形成し、前記内機ケースユニット30には、前記流出側口金60の内部に挿入される排気筒33を形成し、前記排気筒33の端部には、上流側Oリング止め35と下流側Oリング止め36とを形成し、前記上流側Oリング止め35と前記下流側Oリング止め36とによって、Oリング37を配置するOリング溝38を形成し、前記上流側Oリング止め35の上流側外周縁に上流側テーパー面35uを形成し、前記下流側Oリング止め36の下流側外周縁に下流側テーパー面36dを形成したことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のガスメータ1において、前記筐体40の内部には、前記筐体40に取り付けられる内機固定板80を有し、前記内機ケースユニット30をゴムブッシュ90によって前記内機固定板80に取り付けることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のガスメータ1において、前記ガス流量計測ユニット20の下流側端部20dを前記内機ケースユニット30に固定し、前記ガス流量計測ユニット20の上流側端部20uを変位可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上流側Oリング止めの上流側外周縁に上流側テーパー面を形成し、下流側Oリング止めの下流側外周縁に下流側テーパー面を形成しているので、排気筒の仮想排気筒軸心に対して流出側口金の仮想口金軸心が所定角度傾くことができる。従って、流出側口金に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じても、この歪による内機ケースユニットの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例によるガスメータの外観斜視図
図2】同ガスメータの流出側口金と排気筒とを示す要部拡大図
図3図2に示す流出側口金と排気筒とが傾いた状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるガスメータは、内機ケースユニットを樹脂材で形成し、内機ケースユニットには、流出側口金の内部に挿入される排気筒を形成し、排気筒の端部には、上流側Oリング止めと下流側Oリング止めとを形成し、上流側Oリング止めと下流側Oリング止めとによって、Oリングを配置するOリング溝を形成し、上流側Oリング止めの上流側外周縁に上流側テーパー面を形成し、下流側Oリング止めの下流側外周縁に下流側テーパー面を形成したものである。
本実施の形態によれば、上流側Oリング止めの上流側外周縁に上流側テーパー面を形成し、下流側Oリング止めの下流側外周縁に下流側テーパー面を形成しているので、排気筒の仮想排気筒軸心に対して流出側口金の仮想口金軸心が所定角度傾くことができる。従って、流出側口金に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じても、この歪による内機ケースユニットの破損を防止できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるガスメータにおいて、筐体の内部には、筐体に取り付けられる内機固定板を有し、内機ケースユニットをゴムブッシュによって内機固定板に取り付けるものである。
本実施の形態によれば、流出側口金に生じる歪が更に大きく、内機ケースユニットに負荷が加わった場合には、内機ケースユニットをゴムブッシュによって内機固定板に取り付けているため、ゴムブッシュが変形することで、内機ケースユニットの破損を防止できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるガスメータにおいて、ガス流量計測ユニットの下流側端部を内機ケースユニットに固定し、ガス流量計測ユニットの上流側端部を変位可能としたものである。
本実施の形態によれば、流出側口金に生じる歪が更に大きく、内機ケースユニットに負荷が加わった場合に、ガス流量計測ユニットの上流側端部を変位可能としているため、ガス流量計測ユニットと内機ケースユニットとの固定箇所の破損を防止し、ガス流量計測ユニットと内機ケースユニットとの固定箇所からのガス漏れの発生を抑制することができる。
【実施例0012】
以下本発明の一実施例によるガスメータについて説明する。
図1は本実施例によるガスメータの外観斜視図であり、図1(a)はガスメータの断面図、図1(b)は図1(a)に示すB部の一部断面斜視図、図1(c)は図1(a)に示すC部の一部断面斜視図、図1(d)は図1(a)に示すD部の一部断面斜視図である。
【0013】
図1(a)に示すように、ガスメータ1は、ガス流路遮断機構10、ガス流量計測ユニット20、及び内機ケースユニット30を内部に有し、筐体40には流入側口金50及び流出側口金60を設けている。ガス流路遮断機構10は、流入側口金50の下流側に配置され、遮断弁(図示せず)を設けている。ガス流路遮断機構10は、遮断弁が開状態で、流入側口金50からガスが筐体40の内部に導入される。
筐体40の内部に導入されたガスは、ガス流量計測ユニット20を通過して内機ケースユニット30に導かれる。
内機ケースユニット30は、ガス流量計測ユニット20で計測したガスを流出側口金60に導く。
内機ケースユニット30は、内機ケース31と排気管32とで形成している。
内機ケース31の下流側端部には内機ケースフランジ31dを形成している。
排気管32の上流側端部には、排気管フランジ32uを形成している。
内機ケースフランジ31dと排気管フランジ32uとを当接させて締結具によって固定している。
【0014】
図1(a)及び図1(b)に示すように、排気管32の下流側には排気筒33を形成している。排気筒33の下流側端部は流出側口金60の内部に挿入される。
流出側口金60には、フランジ部61が形成され、フランジ部61より上流側に位置する筒部62の外周にはねじ溝が形成されている。フランジ部61は筐体40の外面に当接し、筒部62は筐体40内に挿入され、筒部62にナット63をねじ込むことで、流出側口金60は、筐体40に固定される。
フランジ部61より下流側に位置する筒部64の外周にはねじ溝が形成され、筒部64のねじ溝によってガス配管(図示せず)が接続される。
【0015】
図1(a)及び図1(c)に示すように、筐体40の内部には、筐体40に取り付けられる内機固定板80を有している。
内機ケースユニット30は、ゴムブッシュ90によって内機固定板80に取り付けている。ゴムブッシュ90は、軸方向に所定隙間を開けて2つの拡大部が形成され、拡大部の間に内機ケースユニット30の脚部板34と内機固定板80とを挟み込む。ゴムブッシュ90は、拡大部が形成されている軸部を空洞としている。2つの拡大部はこの空洞によって変形しやすくなっている。
本実施例によれば、流出側口金60に生じる歪が更に大きく、内機ケースユニット30に負荷が加わった場合には、内機ケースユニット30をゴムブッシュ90によって内機固定板80に取り付けているため、ゴムブッシュ90が変形することで、内機ケースユニット30の破損を防止できる。なお、内機ケースユニット30に加わる負荷が更に大きい場合には、ゴムブッシュ90が外れることで、内機ケースユニット30の破損を防止できる。
【0016】
図1(a)及び図1(c)に示すように、内機ケース31の上流側となる側面31uには、シールパッキン70を介してガス流量計測ユニット20の下流側端部20dを嵌合させることで、ガス流量計測ユニット20の下流側端部20dを内機ケースユニット30に固定している。
ガス流量計測ユニット20の上流側端部20uは、載置台71で下方から支えているだけで変位可能としている。なお、載置台71は無くてもよい。
本実施例によれば、流出側口金60に生じる歪が更に大きく、内機ケースユニット30に負荷が加わった場合に、ガス流量計測ユニット20の上流側端部20uを変位可能としているため、ガス流量計測ユニット20と内機ケースユニット30との固定箇所でのパッキンずれを防止し、ガス流量計測ユニット20と内機ケースユニット30との固定箇所からのガス漏れの発生を抑制することができる。
【0017】
筐体40は鉄材で形成され、内機ケースユニット30は樹脂材で形成され、流入側口金50、流出側口金60、及びガス配管(図示せず)は金属材で形成される。
【0018】
図2は本実施例によるガスメータの流出側口金と排気筒とを示す要部拡大図である。
図2(a)は流出側口金60に排気筒33が挿入された状態を示し、図2(b)は排気筒33の端部を示している。
【0019】
排気筒33の端部には、上流側Oリング止め35と下流側Oリング止め36とを形成し、
上流側Oリング止め35と下流側Oリング止め36とによって、Oリング37を配置するOリング溝38を形成している。
上流側Oリング止め35の上流側外周縁に上流側テーパー面35uを形成し、下流側Oリング止め36の下流側外周縁に下流側テーパー面36dを形成している。
なお、上流側テーパー面35u及び下流側テーパー面36dは、図示のような傾斜面であってもよいが、曲面で形成されていてもよい。
【0020】
図3図2に示す流出側口金と排気筒とが傾いた状態を示している。
図3(a)は、排気筒33の仮想排気筒軸心33sに対して流出側口金60の仮想口金軸心60sが2度傾いた状態、図3(b)は、排気筒33の仮想排気筒軸心33sに対して流出側口金60の仮想口金軸心60sが4度傾いた状態、図3(c)は、排気筒33の仮想排気筒軸心33sに対して流出側口金60の仮想口金軸心60sが5度傾いた状態である。
【0021】
このように、本実施例によれば、上流側Oリング止め35の上流側外周縁に上流側テーパー面35uを形成し、下流側Oリング止め36の下流側外周縁に下流側テーパー面36dを形成しているので、排気筒33の仮想排気筒軸心33sに対して流出側口金60の仮想口金軸心60sが所定角度傾くことができる。従って、流出側口金60に接続されたガス配管が地震や地盤沈下などによって歪が生じても、この歪による内機ケースユニット30の破損を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、特に業務用の超音波式のガスメータに適している。
【符号の説明】
【0023】
1 ガスメータ
10 ガス流路遮断機構
20 ガス流量計測ユニット
20d 下流側端部
20u 上流側端部
30 内機ケースユニット
31 内機ケース
31d 内機ケースフランジ
31u 側面
32 排気管
32u 排気管フランジ
33 排気筒
33s 仮想排気筒軸心
34 脚部板
35 上流側Oリング止め
35u 上流側テーパー面
36 下流側Oリング止め
36d 下流側テーパー面
37 Oリング
38 Oリング溝
40 筐体
50 流入側口金
60 流出側口金
60s 仮想口金軸心
61 フランジ部
62 筒部
63 ナット
64 筒部
70 シールパッキン
71 載置台
80 内機固定板
90 ゴムブッシュ
図1
図2
図3