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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177853
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/04 20060101AFI20241217BHJP
   B65C 3/16 20060101ALI20241217BHJP
   B65C 9/40 20060101ALI20241217BHJP
   B65C 9/18 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B65C9/04
B65C3/16
B65C9/40
B65C9/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096219
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早野 善久
(72)【発明者】
【氏名】川戸 太郎
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA06
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA35
3E095DA42
3E095DA54
3E095DA82
3E095DA86
3E095EA03
3E095EA09
3E095EA13
3E095EA24
3E095EA26
3E095FA18
(57)【要約】
【課題】ラベルの枚数および長さにかかわらずラベルを容器に綺麗かつ効率的に貼ることが可能なラベル貼付装置を提供する。
【解決手段】ラベル貼付装置は、容器が中心軸周りに回転可能なように容器に当接する複数の当接部材を有し、かつ、容器が各当接部材に当接した状態で容器を中心軸の軸方向に垂直な所定方向に搬送する機構を備える。ラベル貼付装置は、ラベルを所定方向に搬送する機構をさらに備える。ラベル貼付装置は、容器が各当接部材に当接した状態で外周面が容器に圧接するベルトと、ベルトの内周面側からラベルを吸引する吸引装置とを備える。ラベル貼付装置は、ラベルをベルトに吸着させた状態でベルトを駆動して、ラベルを所定方向に移動させるとともに容器を中心軸周りに回転させて、ベルトに吸着したラベルを容器に貼り付ける。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されたラベルを容器に貼り付けるラベル貼付装置であって、
各々が前記容器の底部から上部に伸びる中心軸周りに前記容器が回転可能なように前記容器の側面に当接する第1および第2の当接部材を有し、かつ、前記容器の側面が前記第1および第2の当接部材に当接した状態で前記容器を前記中心軸の軸方向に垂直な第1の方向に搬送する容器搬送機構と、
前記容器に対して前記容器搬送機構とは反対側に配置され、かつ、前記ラベルを前記第1の方向に搬送するラベル搬送機構とを備え、
前記ラベル搬送機構は、
内周面と外周面とを有し、かつ、前記容器の側面が前記第1および第2の当接部材に当接した状態において前記外周面が前記容器の側面に圧接する無端状のベルトと、
前記内周面側から前記ベルトを吸引する吸引装置とを含み、
前記ベルトには、前記外周面の周方向に沿って、前記外周面から前記内周面に通じる複数の貫通孔が形成され、
前記吸引装置は、前記複数の貫通孔を介して空気を吸い込むことにより、前記ラベルをラベル面側から前記ベルトに吸着させ、
前記ラベル貼付装置は、前記ラベルを前記ベルトに吸着させた状態で前記ベルトを駆動して、前記ラベルを前記第1の方向に移動させるとともに前記容器を前記中心軸周りに回転させることにより、前記ベルトに吸着した前記ラベルを前記容器の側面に貼り付ける、ラベル貼付装置。
【請求項2】
前記第1および第2の当接部材の各々は、前記中心軸の軸方向と平行な第2の方向に延びたローラであり、
前記ラベル貼付装置の上面視において、前記第1の当接部材は、前記中心軸よりも前記第1の方向側で前記容器に当接し、かつ、前記第2の当接部材は、前記中心軸よりも前記第1の方向とは反対側で前記容器に当接する、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ベルトの駆動速度を設定する第1の入力と、前記容器搬送機構による前記容器の搬送速度を設定する第2の入力とを受け付ける入力受付装置と、
前記ベルトを前記第1の入力の駆動速度で駆動させ、かつ、前記容器搬送機構を前記第2の入力の搬送速度で移動させる制御装置とをさらに備える、請求項1または2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
複数の種類の異なる前記ラベルを、前記容器の胴回り方向における異なる位置に貼り付ける、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベル繰出装置から繰り出されたラベルを筒状容器に貼付するラベル貼付装置が知られている。特開2016-150752号公報(特許文献1)、特開2011-93582号公報(特許文献2)、および特開2022-18897号公報(特許文献3)には、このようなラベル繰出装置とラベル貼付装置とを備えた装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の装置は、(i)筒状容器が複数のローラ部材に当接した状態で、筒状容器の軸方向に直交する移動方向に第1速度で移動可能な移動当接部と、(ii)筒状容器の軸方向の移動を規制する一対のガイド部材と、(iii)筒状容器の周面における粘着シールが貼り付けられる部分である貼付部分を受ける受け部材と、(iv)筒状容器に対して受け部材と反対側に配置され、移動方向に延びると共に貼付部分を受け部材側に押圧した状態で第1速度よりも速い第2速度で移動する移動ベルトと、(v)貼付部分に向けて粘着シールを繰り出す粘着シール繰り出し装置とを備える([要約]参照)。
【0004】
特許文献2,3の装置は、ラベルをベルトに吸着させた状態でラベルを筒状容器の位置まで搬送する。詳しくは、特許文献2の装置では、筒状容器の側面を互いに対向する2つのベルトで支持しながら、2つのベルトの速度差により筒状容器を回転させる。特許文献3の装置では、筒状容器を停止させた状態でラベルを筒状容器に貼り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-150752号公報
【特許文献2】特開2011-93582号公報
【特許文献3】特開2022-18897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置では、ベルトと筒状容器の側面とでラベルを挟持する。それゆえ、特許文献1の装置では、長いラベルを筒状容器に貼る場合には、当該ラベルの後端部分が固定されない状況が発生する。したがって、特許文献1の装置では、長いラベルを筒状容器に綺麗に貼れない虞がある。詳しくは、ラベルの貼り付け後に、ラベルにシワが発生したり、ラベルの位置ズレが生じたりする虞がある。特許文献1の装置では、移動当接部を移動させながらラベルを筒状容器に貼る。したがって、特許文献1の装置では、複数のラベルを1つの筒状容器の周方向なる位置に貼ることが困難である。
【0007】
特許文献2の装置では、筒状容器と2つのベルトの少なくとも一方との間でスリップが起こりやすい。それゆえ、特許文献2の装置では、一定の生産能力を超える設定にすると、ラベルを筒状容器に綺麗に貼ることができない虞がある。したがって、特許文献2の装置では、貼り付け精度の確保の観点から生産性を高めることができない。特許文献3の装置では、ラベルの貼り付けの際に筒状容器の搬送を一時的に停止しなければならない。それゆえ、特許文献3の装置は、生産性に劣る。
【0008】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ラベルの枚数および長さにかかわらずラベルを容器に綺麗かつ効率的に貼ることが可能なラベル貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に従うと、供給されたラベルを容器に貼り付けるラベル貼付装置は、各々が容器の底部から上部に伸びる中心軸周りに容器が回転可能なように容器の側面に当接する第1および第2の当接部材を有し、かつ、容器の側面が第1および第2の当接部材に当接した状態で容器を中心軸の軸方向に垂直な第1の方向に搬送する容器搬送機構と、容器に対して容器搬送機構とは反対側に配置され、かつ、ラベルを第1の方向に搬送するラベル搬送機構とを備える。ラベル搬送機構は、内周面と外周面とを有し、かつ、容器の側面が第1および第2の当接部材に当接した状態において外周面が容器の側面に圧接する無端状のベルトと、内周面側からベルトを吸引する吸引装置とを含む。ベルトには、外周面の周方向に沿って、外周面から内周面に通じる複数の貫通孔が形成されている。吸引装置は、複数の貫通孔を介して空気を吸い込むことにより、ラベルをラベル面側からベルトに吸着させる。ラベル貼付装置は、ラベルをベルトに吸着させた状態でベルトを駆動して、ラベルを第1の方向に移動させるとともに容器を軸周りに回転させることにより、ベルトに吸着したラベルを容器の側面に貼り付ける。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ラベルの形状および数にかかわらずラベルを容器に綺麗かつ効率よく貼ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ラベラの上面図である。
図2】容器搬送機構の移動体の斜視図である。
図3】ラベル搬送機構の内部構造を説明するための図である。
図4】ラベル搬送機構のさらなる内部構造を示した図である。
図5】ラベルを容器に貼り付ける局面を説明するための図である。
図6】ラベラの機能的構成を説明するためのブロック図である。
図7】ラベラの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態に係るラベラについて説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<A.ラベラの全体構成>
図1は、ラベラの上面図である。図1を参照して、ラベラ100は、複数の容器900の各々の側面902にラベルSを順に貼り付ける。本例では、ラベラ100は、キャップ901を有する容器900の胴部(詳しくは、外周面)にラベルSを貼り付ける。ただし、キャップ901を必ずしも備える必要はない。
【0014】
容器900は、本例では、筒状容器である。しかしながら、容器900の形状は、これに限定されない。容器900は、たとえば、横断面が円形ではなく、多角形となる形状であってもよい。あるいは、容器900は、一部が平面となった略筒状であってもよい。容器900は、底部から上部に延びる中心軸を有し、かつ、容器900に加わる外力によって当該中心軸を中心に回転可能であれば、特に形状は限定されない。
【0015】
本例では、ラベルSは、タック(粘着)性のある粘着剤があらかじめ裏面に塗布してあるラベルである。ラベルSは、ラベルに圧力を加えてラベルを容器に接着させるため、「感圧ラベル」とも称される。また、ラベルSは、「シール」、「タックラベル」とも称される。
【0016】
ラベラ100は、ラベル貼付装置1と、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3とを備える。ラベル貼付装置1と、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3とは、後述する制御装置5(図6参照)によって制御される。以下、ラベル繰出装置2とラベル貼付装置1との詳細を、この順に説明する。なお、図中のZ軸正方向は、鉛直上向き方向である。
【0017】
なお、コンベヤ3は、容器900を直動させて搬送できる装置であればよく、コンベヤ3として、ローラーコンベヤ、メッシュコンベヤ、ベルトコンベヤ、トップチェーンコンベヤ等の種々のコンベヤを用いることができる。たとえばトップチェーンコンベヤを用いた場合には、ベルトコンベアを用いた場合よりも高速搬送が可能となる。
【0018】
(ラベル繰出装置)
ラベル繰出装置2は、フレーム21を備える。フレーム21には、ピールプレート22と、支持ローラ23と、ガイドローラ24,25と、駆動ローラ26と、ピンチローラ27と、回収ローラ28とが設けられている。
【0019】
ピールプレート22は、フレーム21からラベル貼付装置1側に延びている。支持ローラ23は、原反Rをロール状に巻回して支持する。原反Rでは、剥離シートL(シール台紙,ライナ)上にラベルSが所定の間隔で配置されている。ガイドローラ24,25は、剥離シートLとラベルSとを案内する。駆動ローラ26は、フレーム21の内部に収容されたモータ(図示せず)によって駆動する。ピンチローラ27は、駆動ローラ26との間に剥離シートLを挟み込む。回収ローラ28は、モータの駆動によって剥離シートLを回収する。
【0020】
ピールプレート22は、先端部22aを有する。先端部22aは、後述するベルト204の近傍に設置されている。ピールプレート22は、先端部22aにおいて、ガイドローラ25に掛け回された剥離シートLを駆動ローラ26に向かって折り返す。これにより、ラベル繰出装置2は、ラベルSを剥離シートLから剥離してラベル貼付装置1に向かって繰り出す。詳しくは、ラベル繰出装置2は、後述するベルト204の駆動速度V1(図5)と同じ速度でラベルSを繰り出す。このように、ラベル繰出装置2によって、ラベルSがラベル貼付装置1に供給(搬送)される。ラベル繰出装置2は、ラベルSをラベル貼付装置1に供給するラベル供給装置の一例である。
【0021】
本例では、ラベル繰出装置2は、異なる種類のラベルSを交互に繰り出す。ただし、これに限定されず、ラベル繰出装置2は、同じ種類のラベルSを繰り出す構成であってもよい。繰り出されるラベルの長さは、特に限定されない。
【0022】
(ラベル貼付装置)
ラベル貼付装置1は、ラベル繰出装置2から繰り出されたラベルSを容器900に貼り付ける。ラベル貼付装置1は、容器搬送機構11と、ラベル搬送機構12とを有する。ラベル貼付装置1は、ラベルS(感圧ラベル)に圧を与えてラベルSを容器900に貼り付ける感圧式の装置である。
【0023】
容器搬送機構11は、本体部101と、可動部102と、複数の移動体103とを備える。本例では、複数の移動体103の各々は、可動部102に取り付けられている。詳しくは、複数の移動体103の各々は、等間隔に可動部102に固定されている。可動部102は、本体部101の周囲を矢印951の方向(上面視において時計回り方向)に回転可能である。これにより、移動体103は、本体部101の周りを時計回り方向に移動する。
【0024】
各移動体103は、容器900の中心軸900Zの延伸方向に平行なZ軸方向(第2の方向)に延び、かつ、容器900が中心軸900Z周りに回転可能なように各々が容器900に当接する複数のローラ部材131,132を有する。本例では、移動体103は、2つのローラ部材131を有する。なお、各ローラ部材131,132は、中心軸900Z周りに容器900が回転可能なように容器900の側面902に当接する部材(以下、「当接部材」と称する)の一例である。なお、ローラ部材の数は、2つ以上であればよい。
【0025】
容器搬送機構11は、容器900が2つのローラ部材131,132に当接した状態で容器900をZ軸方向に垂直なX軸正方向(第1の方向)に搬送する。詳しくは、容器900は、容器搬送機構11の上流側では、容器900の底面がコンベヤ3に接触した状態で、コンベヤ3によって搬送される。なお、コンベヤ3のうち図示したベルト部分は、矢印953の方向(X軸正方向)に移動している。
【0026】
容器900は、コンベヤ3によって上流側から容器搬送機構11の位置まで送られると、移動体103によって保持される。容器900は、移動体103の2つのローラ部材131,132によって、コンベヤ3の速度に関係なく、移動体103の移動速度でX軸正方向に移動する。
【0027】
なお、詳細については後述するが、ラベル貼付装置1は、容器900を回転させることによって、ラベルSを容器900に貼る。このため、コンベヤ3の速度と、移動体103の移動速度とを同じにすることが、ラベルSを容器900に綺麗に貼る観点と、ラベル貼付装置1の下流側で容器900の転倒を防止する観点とから好ましい。
【0028】
ラベル搬送機構12は、容器900に対して容器搬送機構11とは反対側に配置され、かつ、ラベルSをX軸正方向(第1の方向)に搬送する。ラベル搬送機構12は、ベルト駆動装置201と、駆動ローラ202と、従動ローラ203と、ベルト204と、吸引装置205と、上部蓋体206と、フレーム207とを備える。駆動ローラ202は、回転軸202Zを有する。従動ローラ203は、回転軸203Zを有する。ベルト駆動装置201は、内部にベルト駆動用モータ211(図3)を有する。
【0029】
フレーム207は、ラベル貼付装置1の台座部(図示せず)に、ラベル搬送機構12を固定するための部位である。本例では、フレーム207上に、吸引装置205が設置されている。なお、吸引装置205の設置位置は、これに限定されるものではない。
【0030】
ベルト204は、無端状である。ベルト204は、駆動ローラ202と従動ローラ203とによってテンションを掛けられた状態で張架されている。ベルト204は、駆動ローラ202および従動ローラ203と噛み合っている。
【0031】
ベルト駆動装置201は、駆動ローラ202を、上面視において反時計回りの方向に回転させる。これにより、ベルト204が、矢印952の方向(上面視において反時計回りの方向)に回転する。ベルト204の回転に伴い、従動ローラ203も駆動ローラ202と同じ方向に回転する。なお、従動ローラ203は、駆動ローラ202よりも、容器900の搬送方向の上流側に設けられている。
【0032】
吸引装置205は、本体251と、ダクト252,253とを含む。本体251は、ファン(図示せず)と、ファンを回転させるモータ(図示せず)とを有する。ダクト252の一端と、ダクト253の一端は、本体251に接続されている。なお、ダクト252,253の各他端の接続先については、後述する。吸引装置205は、ベルト204の内周面側からベルト204を吸引する。吸引装置205は、ラベル搬送機構12の内部の空気を吸い込み、外部に吐き出す。
【0033】
詳しくは、容器900は、ベルト204と2つのローラ部材131,132との3つの部材で挟持される。容器900は、ベルト204と2つのローラ部材131,132とによって少なくともY軸方向に力が加わった状態で保持される。
【0034】
ローラ部材131は、ラベル貼付装置1の上面視(図1)において、容器900中心軸900ZよりもX軸正方向側かつY軸負方向側で容器900の側面902に当接する。ローラ部材132は、ラベル貼付装置1の上面視において、中心軸900ZよりもX軸負方向側かつY軸負方向側で容器900の側面902に当接する。より詳しくは、ベルト204に対向した移動体103側からベルト204側を視て、各ローラ部材131,132の一部が容器900と重なっている。
【0035】
<B.ラベル貼付装置の詳細構成>
図2は、容器搬送機構11の移動体103の斜視図である。図2に示されるように、移動体103は、上述した2つのローラ部材131,132に加えて、取付部材133と、背面部材134と、ローラ支持部材135,136とを備える。
【0036】
取付部材133は、移動体103を可動部102(図1)に取り付けるための部材である。背面部材134は、ローラ支持部材135,136を固定する部材である。ローラ支持部材135,136は、2つのローラ部材131,132を回転可能に支持する部材である。ローラ支持部材135は、2つのローラ部材131,132の上端を支持する。ローラ支持部材136は、2つのローラ部材131,132の下端を支持する。
【0037】
容器900は、2つのローラ部材131,132の外周面に当接しながら、搬送される。詳細については後述するが、2つのローラ部材131,132が同方向に回転しながら容器900が搬送される。なお、ローラ部材131は、軸131Zを中心に回転する。ローラ部材132は、軸132Zを中心に回転する。
【0038】
図3は、ラベル搬送機構12の内部構造を説明するための図である。図3に示されるように、ラベル搬送機構12は、ラベルSをベルト204に吸着させる。ラベル搬送機構12は、駆動ローラ202と、従動ローラ203と、ベルト204とに加えて、ベルト駆動用モータ211と、接続部材254,255と、空気チャンバ256と、側板257,258とをさらに備える。
【0039】
駆動ローラ202は、駆動ローラ202の上端側に、ギア部223を有する。従動ローラ203は、従動ローラ203の上端側に、ギア部233を有する。さらに、駆動ローラ202と従動ローラ203とは、下端側にも、それぞれ、ギア部223,233を有する(図4)。
【0040】
ベルト204は、ラベルSを吸着させる吸着ベルトとして機能する。ベルト204は、歯付きベルトである。ベルト204は、外周面241と、内周面242とを有する。内周面242には、周方向に沿って、ギア部243が形成されている。ベルト204は、容器900がローラ部材131,132に当接した状態において外周面241が容器900の側面902に圧接する。ベルト204には、外周面241の周方向に沿って、外周面241から内周面242に通じる複数の貫通孔244が形成されている。
【0041】
ギア部243は、複数のリブから構成される。ギア部243は、ベルト204の上端側と下端側とに、内周面242の周方向に沿って形成されている。ギア部243は、駆動ローラ202のギア部223と、従動ローラ203のギア部233と噛み合っている。
【0042】
接続部材254は、ダクト252(図1)を空気チャンバ256に接続する。接続部材255は、ダクト253を従動ローラ203の回転軸203Zに接続する。回転軸203Zは、管状となっている。回転軸203Zは、内周面に連通する開口が外周面側から形成されている。なお、接続部材254は、回転軸203Zの一部として構成されてもよい。
【0043】
空気チャンバ256内の空気は、矢印954の方向に吸引される。従動ローラ203内の空気は、矢印955の方向に吸引される。従動ローラ203の構成については、後述する。
【0044】
ベルト駆動用モータ211は、駆動ローラ202を矢印956の方向に回転させる。駆動ローラ202が回転すると、ギア部223とギア部243との噛み合わせにより、ベルト204が矢印958,959の方向に回転する。これにともない、従動ローラ203も矢印957の方向に回転する。これにより、ラベル搬送機構12は、ラベルSをベルト204に吸着させながら、ラベルSをX軸正方向に搬送する。
【0045】
図4は、ラベル搬送機構12のさらなる内部構造を示した図である。図4に示されるように、駆動ローラ202は、外周面221と、内周面222とを有する。駆動ローラ202は、外周面221の上端側と下端側とに、上述したギア部223が形成されている。内周面222は、回転軸202Zの外周面と係合する。
【0046】
従動ローラ203は、外周面231と、内周面232とを有する。従動ローラ203は、外周面231の上端側と下端側とに、上述したギア部233が形成されている。従動ローラ203には、外周面231に沿って、内周面232に通じる複数の貫通孔2313が形成されている。上端側のギア部233と下端側のギア部233との間に、複数の貫通孔2313が形成されている。
【0047】
内周面232は、上端側と下端側とで回転軸203Zの外周面と係合する。内周面232は、貫通孔2313が連通する中央部側の内径が、上端および下端側の内径よりも広くなっている。内周面232は、中央部側において、回転軸203Zと離間している。中央側において、内周面232と回転軸203Zとの間に空気の流路(筒状の隙間)が形成されている。このような構成により、貫通孔2313から吸引された空気を、回転軸203Zを含む従動ローラ203の内部を通じて、図3の矢印955の方向に送ることができる。
【0048】
吸引装置205を動作させると、ベルト204の貫通孔244と、従動ローラ203の貫通孔2313とを、この順に介して、ラベル搬送機構12の外部の空気が回転軸203Z(図3)の内部空間に吸引される。その後、当該空気は、ダクト253(図1)を介して、本体251に送られる。その後、当該空気は、本体251から外部に排気される。
【0049】
空気チャンバ256は、側板257と、側板258とで挟まれている。側板258は、空気チャンバ256に対して側板257とは反対側に位置する。空気チャンバ256には、接続部材254に繋がる貫通孔2561が形成されている。本例では、空気チャンバ256は、側板257側において、全面開口している。
【0050】
側板257には、空気チャンバ256に連通する複数の貫通孔2571が横方向(Z軸方向)と縦方向(Z軸方向)とに形成されている。本例では、側板258には、空気チャンバ256に連通する複数の貫通孔は形成されていない。側板258は、少なくとも、ベルト204のガイドとして機能する。側板258により、ラベル搬送機構12の剛性も向上する。
【0051】
吸引装置205を動作させると、ベルト204の貫通孔244と、側板257の貫通孔2571とを、この順に介して、ラベル搬送機構12の外部の空気が空気チャンバ256内に吸引される。その後、当該空気は、貫通孔2561と、ダクト252(図1)とを介して、本体251に送られる。その後、当該空気は、本体251から外部に排気される。
【0052】
以上のように、ラベル搬送機構12は、ベルト204のうち、従動ローラ203に当接した部位と、側板257に当接した部位とにおいて、外部の空気を吸引装置205の本体251側に吸引することができる。
【0053】
特に、ラベル搬送機構12によれば、従動ローラ203からも吸引が行われるため、ラベル繰出装置2から繰り出されたラベルSを、確実にベルト204に吸着させることができる。
【0054】
図5は、ラベルSを容器900に貼り付ける局面を説明するための図である。図5に示すように、吸引装置205によってラベルSがベルト204の外周面241に吸着した状態で、ベルト204は、駆動ローラ202の回転駆動により、矢印961の方向へ移動する。
【0055】
詳しくは、ラベルSは、粘着性がないラベル面Saと、粘着性のある粘着面Sbとを有する。吸引装置205は、ベルト204に形成された複数の貫通孔244(図3)を介して空気を吸い込むことにより、ラベルSをラベル面Sa側からベルト204に吸着させる。ラベルSは、ラベルSのラベル面Saが外周面241に吸着した状態で、矢印961の方向へ搬送される。
【0056】
移動体103は、容器900が移動体103の2つのローラ部材とベルト204の外周面241(一部は、ラベルS)とに当接した状態で、容器900を矢印962の方向に搬送する。なお、矢印962と矢印961とは同じ方向である。
【0057】
本例では、後述する制御装置5(図6)によって、ベルト204を駆動速度V1で駆動させ、かつ、容器搬送機構11の移動体103を駆動速度V1よりも遅い搬送速度V2(V2>0)で移動させる。搬送速度V2は、典型的には、駆動速度V1の半分の速度である。
【0058】
このような駆動速度V1と搬送速度V2との速度差により、容器900は中心軸900Zを中心に矢印963の方向に回転する。容器900が矢印963の方向に回転すると、各ローラ部材131,132は、矢印964の方向に従動回転する。すなわち、移動体103では、ローラ部材131,132の回転により、容器900の矢印963の方向への回転が阻害されることがない。
【0059】
このため、容器搬送機構11では、移動体103によって容器900を矢印962の方向へ搬送しつつも、容器900に圧接したベルト204によって、容器900を矢印963の方向へ容易に回転させることができる。
【0060】
特に、移動体103は、ベルト204の外周面241に対向する位置に送らてくる。それゆえ、移動体103の2つのローラ部材131,132と、ベルト204の外周面241とで、容器900を支持できる。このように、ラベル貼付装置1は、3つの箇所で容器900を支持できる。したがって、容器搬送機構11によれば、安定した状態で、容器900を回転させながら下流側へと搬送することができる。
【0061】
このような安定した容器搬送状態において、上述した速度差(V1-V2)によって、ラベルSがベルト204に吸着した状態で容器900の側面902に順次貼り付けられる。本例では、2つの異なる種類のラベルSが、容器900の周方向(胴回り方向)の異なる位置に貼り付けられる。
【0062】
以上のように、ラベル貼付装置1は、ラベルSをベルト204に吸着させた状態でベルト204を駆動して、ラベルSを矢印961(X軸正方向)に移動させるとともに容器900を中心軸900Z周りに回転させることにより、ベルト204に吸着したラベルSを容器900の側面902に貼り付ける。
【0063】
このような構成を有するラベル貼付装置1によれば、ラベルSの容器900への貼り付けが完了するまで、ベルト204にラベルSを吸着し続けることができる。このため、ラベル貼付装置1によれば、複数のラベルSを容器900の周方向の異なる位置に貼り付けることができる。また、ラベルSの代わりに、たとえば容器900の周長の半分以上の長さのラベルを用いる場合であっても、容器900に綺麗に貼り付けることができる。
【0064】
さらに、ラベル貼付装置1によれば、容器搬送機構11によって容器900を搬送しながら、容器900にラベルSを貼り付けることができる。それゆえ、ラベル貼付装置1によれば、容器を停止させてラベルを容器に貼り付ける構成に比べて、ラベルSを効率よく容器900に貼り付けることができる。
【0065】
特に、ベルト204の駆動速度V1と容器搬送機構11による容器900の搬送速度V2(移動体103の移動速度)とを速くすることにより、さらに効率よく、ラベルSを効率よく容器900に貼り付けることができる。
【0066】
このように、ラベル貼付装置1によれば、ラベルSの枚数および長さにかかわらずラベルSを容器900に綺麗かつ効率的に貼ることができる。詳しくは、ラベルSを容器900にシワが生じることなく貼り付けることができる。
【0067】
より詳しくは、ラベラ100のユーザが、ベルト204の駆動速度V1と容器900の搬送速度V2とを調整することにより、ユーザが狙った速度で容器900を回転させることができる。このため、ラベルSを容器900に、シワなく綺麗に貼り付けることが可能となる。
【0068】
図6は、ラベラ100の機能的構成を説明するためのブロック図である。図6に示すように、ラベラ100は、ラベル貼付装置1と、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3と、センサ4と、制御装置5と、入力受付装置6とを備える。
【0069】
ラベル貼付装置1は、上述したように、容器搬送機構11と、ラベル搬送機構12とを含む。容器搬送機構11は、上述したように、可動部102を含む。可動部102は、移動体103を移動させるアクチュエータで構成される。アクチュエータは、電気で移動体103を動作させる構成であってもよいし、エアーで移動体103を動作させる構成であってもよい。
【0070】
ラベル搬送機構12は、上述したように、ベルト駆動装置201と、吸引装置205とを含む。ベルト駆動装置201は、ベルト駆動用モータ211と、モータドライバ212とを有する。
【0071】
制御装置5は、ラベル貼付装置1と、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3との各々に対して、指令を送る。制御装置5からの指令により、ラベル貼付装置1と、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3とが動作する。詳しくは、ラベル貼付装置1については、制御装置5は、可動部102と、吸引装置205と、モータドライバ212との各々に対して、指令を送る。モータドライバ212は、制御装置5から指令を受けると、ベルト駆動用モータ211を駆動させる。
【0072】
詳しくは、制御装置5は、センサ4からの出力に基づき、ラベル繰出装置2からラベルSを繰り出す。センサ4は、本例では、投光器と反射板とを有する回帰反射型のセンサである。容器900が所定位置(図1の位置P)に到達すると、光が容器900で遮られ、センサ4がオンする。
【0073】
センサ4は、オンすると、オン信号を制御装置5に送る。制御装置5は、オン信号を受信すると、ラベル繰出装置2の先端からラベルSをベルト204に繰り出す。ラベル繰出装置2は、間欠的に、ラベルSを繰り出す。このように、容器900が所定位置に到達したタイミングで、ラベルSがベルト204に吸着される。
【0074】
なお、センサ4は、投光器と受光器とを有する透過型のセンサであってもよい。また、センサは、これに限定されず、容器900が所定位置に到達したことを検知できる構成であればよい。
【0075】
入力受付装置6は、ベルト204の駆動速度V1と容器900の搬送速度V2(すなわち、移動体103の移動速度)とを設定する入力を受け付ける。入力受付装置6は、受け付けた駆動速度V1と搬送速度V2との情報を制御装置5に送る。制御装置5は、受け付けた駆動速度V1でベルト204を駆動するように、ラベル搬送機構12のモータドライバ212に指令を送る。制御装置5は、受け付けた搬送速度V2で移動体103を移動させるよう、容器搬送機構11に指令を送る。
【0076】
駆動速度V1と搬送速度V2との入力は、入力受付装置6に対するユーザの手入力(操作キー等を用いたユーザ入力)であってもよい。この場合、入力受付装置6は、操作キーを含む操作盤として構成され得る。たとえば、入力受付装置6は、タッチパネルとディスプレイとを有するタッチスクリーンとして構成され得る。
【0077】
あるいは、入力受付装置6は、駆動速度V1と搬送速度V2とを、ラベラ100に通信可能に接続された情報処理装置(図示)から取得する構成であってもよい。この場合、入力受付装置6は、通信インターフェイスとして構成され得る。情報処理装置は、典型的には、外付けPC(Personal Computer)である。情報処理装置にアプリケーションプログラムが予め格納されており、情報処理装置は、当該プログラムを実行することにより、所定のユーザインタフェイスを提供する。ユーザが、当該ユーザインタフェイスを用いて、駆動速度V1と搬送速度V2とを入力する。これにより、駆動速度V1と搬送速度V2とが、情報処理装置からラベラ100に送信される。
【0078】
このような構成により、ユーザは、手入力または情報処理装置への事前の手入力により、ベルト204の駆動速度V1と容器900の搬送速度V2とを、ユーザが所望する値に設定することが可能となる。
【0079】
<C.変形例>
(第1の変形例)
図7は、ラベラ100の変形例を説明するための図である。図7に示されるように、ラベラ100Aは、ラベル貼付装置1Aと、ラベル繰出装置2と、コンベヤ3とを備える。ラベル貼付装置1Aは、容器搬送機構11Aと、ラベル搬送機構12とを備える。このように、ラベラ100Aは、容器搬送機構11Aを備える点において、容器搬送機構11を備えるラベラ100とは異なる。
【0080】
容器搬送機構11Aは、複数のローラ部材131Aが所定の間隔で配置されている。各ローラ部材131Aは、ローラ支持部材135Aにより回転可能に支持されている。ローラ支持部材135Aは、可動部102に取り付けられている。
【0081】
各ローラ部材131Aは、可動部102により、矢印964の方向に移動する。隣り合う2つのローラ部材131Aにより、1つの容器900をX軸正方向に搬送する。なお、本変形でも、ラベル搬送機構12のベルト204によって容器900は回転する。
【0082】
このような構成であっても、ラベル貼付装置1と同様、ラベルSの長さおよび数にかかわらずラベルSを容器900に綺麗かつ効率的に貼ることができる。
【0083】
(第2の変形例)
上記においては、容器搬送機構11の移動体103を移動させながら、容器900にラベルSを貼り付ける構成を説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。容器搬送機構11の移動体103の移動を一時的に停止させた状態で、ラベルSを容器900に貼り付けてもよい。この場合には、移動体103を一時的に停止させない構成に比べて、より綺麗にラベルSを容器900に貼り付けることができる。
【0084】
(第3の変形例)
上記においては、複数の移動体103の各々は、等間隔に可動部102に固定されている構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0085】
容器搬送機構11を、リニアモータ方式の搬送システムとして構成してもよい。この場合、可動部102の代わりに、各移動体103の搬送経路を構成するトラック装置を用いる。トラック装置は、リニアモータの固定子として機能する。各移動体103を、リニアモータの可動子として搬送経路に沿って移動させる。
【0086】
なお、トラック装置は、直線の搬送経路を構成するセグメントと、直線および曲線の搬送経路を構成するセグメントと、曲線(非直線)の搬送経路を構成するセグメントとにより構成し得る。
【0087】
詳しくは、トラック装置を構成する各セグメントにコイルが内蔵されている。各コイルに電流を流すことにより、各コイルを電磁石として機能させる。移動体103には、搬送方向に沿ってN極とS極とが形成された永久磁石が内蔵されている。トラック装置の各コイルに流す電流を制御することによって、電磁石に対して反発する力と引き合う力とが永久磁石に生じる。これにより、各移動体103は、搬送経路に沿って移動する。
【0088】
制御装置5は、予め準備されたプログラムに基づき、各移動体103の位置を個別に制御する。このような構成によっても、ラベルSの長さおよび数にかかわらずラベルSを容器900に綺麗かつ効率的に貼ることができる。
【0089】
(第4の変形例)
上記においては、容器900を立てた状態で容器900にラベルSを貼り付ける構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。容器900を寝かせた状態で容器900にラベルSを貼り付ける構成であってもよい。
【0090】
具体的には、図1に示したXYZ座標系のX軸とZ軸(鉛直方向の軸)とを入れ替えた構成であってもよい。この場合、コンベヤ3は不要となる。ただし、ラベラは、上流側からラベル搬送機構12の位置まで容器900を搬送するコンベヤと、ラベル搬送機構12よりも下流側で容器900を次工程に搬送するためのコンベヤとが必要となる。
【0091】
(第5の変形例)
上記においては、当接部材として、容器900の中心軸900Z方向に平行に伸びた円柱形状のローラ部材131,132を用いているが、これに限定されない。ローラ部材131,132の代わりに、当接部材として、少なくともローラ部材131,132と同方向に回転する球体を用いてもよい。すなわち、容器900に当接する部材を球体としてもよい。当接部材として球体を用いる場合には、中心軸900Z方向に容器900がずれないように、当該球体を抑える部材などを配置することが好ましい。
【0092】
当接部材は、軸を中心に回転する部材に限定されない。当接部材は、容器900の側面902に当接した状態で容器900を回転可能に支持する部材であれば、特に限定されない。すなわち、当接部材は、ローラまたは球体のような回転するものに限定されない。この場合、当接部材は、表面が滑らかな部材(静止摩擦係数および動摩擦係数が小さい部材)であることが好ましい。ただし、ローラ部材131,132のように当接部材を軸を中心に回転する部材とする方が、容器900を中心軸900Z周りに回転させやすい。
【0093】
(第6の変形例)
上記においては、ラベラ100が、剥離シートL上において互いに離間して配置されたラベルSを順次繰り出すラベル繰出装置2を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ラベラ100は、ラベル繰出装置2の代わりに、複数のラベルが繋がった原反から各ラベルを切り取り、切り取った各ラベルをラベル貼付装置1に順次供給(搬送)する機構を有するラベル供給装置を備えていてもよい。
【0094】
このように複数のラベルが繋がった原反から各ラベルを切り取りる構成の場合、ラベルおよびラベラ100を以下のような構成(i),(ii)とすることもできる。
【0095】
(i)容器900に貼り付けるラベルは、搬送時点では粘着性がなくあるいは粘着性が低く、かつ、搬送途中(少なくとも貼り付け直前)において粘着性が出る(あるいは高まる)ものであってもよい。詳しくは、ラベルは、外部からのエネルギーを受けることより、粘着層を発現させるものであってもよい。
【0096】
具体的には、ラベルSの代わりに、剥離シート(ライナ)Lを具備しない、いわゆる「ライナレスラベル」を用いてもよい。この場合、ラベラは、ライナレスラベルに含まれる接着剤層を活性化させる活性化機構をさらに備える。接着剤層を活性化は、ライナレスラベルが容器900に当接するまでに行えばよい。典型的には、ライナレスラベルがベルト204に吸着する前に接着剤層を活性化すればよい。活性化機構は、光エネルギー、熱エネルギー等のエネルギーを接着剤層に与えるものであればよい。典型的には、活性化機構は、紫外線または赤外線を照射する機構である。
【0097】
(ii)ラベルSの代わりに、接着剤層を具備しないラベルを用いてもよい。この場合、ラベラは、接着剤塗布機構をさらに備える。接着剤塗布機構は、ラベルの裏面または容器900の表面に接着剤(ホットメルト等)を塗布する。ラベラは、ラベルまたは容器900に接着剤を塗布した後に、ラベルを容器900に当接させる。これにより、接着剤層を具備しないラベルを容器900に貼り付けることができる。
【0098】
<付記>
(1)前記ベルトを第1の速度で駆動させ、かつ、前記容器搬送機構を前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記第1の方向に移動させた状態で、前記ラベルを前記容器の側面に貼り付ける、ラベル貼付装置。
【0099】
(2)前記ベルトを所定の速度で駆動させ、かつ、前記容器搬送機構の前記第1の方向への移動を一時的に停止させた状態で、前記ラベルを前記容器の側面に貼り付ける、ラベル貼付装置。
【0100】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1,1A ラベル貼付装置、2 ラベル繰出装置、3 コンベヤ、4 センサ、5 制御装置、6 入力受付装置、11,11A 容器搬送機構、12 ラベル搬送機構、21,207 フレーム、22 ピールプレート、23 支持ローラ、24,25 ガイドローラ、26,202 駆動ローラ、27 ピンチローラ、28 回収ローラ、100,100A ラベラ、101 本体部、102 可動部、103 移動体、131,131A,132 ローラ部材、133 取付部材、134 背面部材、135,135A,136 ローラ支持部材、201 ベルト駆動装置、202Z,203Z 回転軸、203 従動ローラ、204 ベルト、205 吸引装置、206 上部蓋体、211 ベルト駆動用モータ、212 モータドライバ、221,231,241 外周面、222,232,242 内周面、223,233,243,2311 ギア部、244,2313,2561,2571 貫通孔、251 本体、252,253 ダクト、254,255 接続部材、256 空気チャンバ、257,258 側板、900 容器、131Z,132Z,900Z 中心軸、901 キャップ、902 側面、L 剥離シート、P 位置、S ラベル、Sa ラベル面、Sb 粘着面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7