IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メタクロシスの特許一覧

特開2024-177855衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム
<>
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図1
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図2
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図3
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図4
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図5
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図6
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図7
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図8
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図9
  • 特開-衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177855
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】衣服の3Dモデル生成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241217BHJP
   A41H 3/00 20060101ALI20241217BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
G06T19/00 A
A41H3/00 A
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096221
(22)【出願日】2023-06-12
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)独立行政法人情報処理推進機構2022年度未踏 アドバンスト事業(あらゆる衣服をバーチャル試着可能にする3Dモデリングシステム)に関する委託契約、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】523037990
【氏名又は名称】株式会社メタクロシス
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 康平
(72)【発明者】
【氏名】松下 日昇
【テーマコード(参考)】
5B050
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA12
5B050EA07
5B050EA13
5B050FA05
5L030BB47
5L030BB66
5L049BB47
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】要求される品質に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に生成することでできる衣服の3Dモデル生成装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】3Dモデル生成装置1は、衣服のカテゴリ情報および諸元情報が含まれる衣服情報を取得する衣服情報取得部10と、衣服情報に基づき衣服の型紙データを生成する型紙データ生成部20と、型紙データに基づき衣服の3Dモデルデータを生成する衣服3Dモデルデータデータ生成部30とを備える。衣服情報取得部10は、衣服3Dモデルデータデータ生成部30で生成される3Dモデルデータが所定の品質要求を満たし、且つ、型紙データ生成部20における型紙データの生成に要求される諸元情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服の3Dモデルデータを生成する装置において、
前記衣服のカテゴリ情報および前記衣服の外観を規定する諸元情報が含まれる衣服情報を取得する衣服情報取得手段と、
前記衣服情報に基づき衣服の型紙データを生成する型紙データ生成手段と、
前記型紙データに基づき衣服の3Dモデルデータを生成する衣服3Dモデルデータ生成手段とを備え、
前記衣服情報取得手段は、前記衣服3Dモデルデータ生成手段で生成される3Dモデルデータが所定の品質要求を満たし、且つ、前記型紙データ生成手段における型紙データの生成に要求される諸元情報を取得する
ことを特徴とする衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項2】
前記衣服情報取得手段は、前記型紙データ生成手段における型紙データの生成に要求される一部の諸元情報を外部データから取得するとともに、前記型紙データ生成手段における型紙データの生成に要求される残余の諸元情報をユーザからの入力により取得する
ことを特徴とする請求項1記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項3】
前記衣服情報取得手段は、ユーザに対して前記残余の諸元情報の名称を提示し、ユーザからの当該残余の諸元情報の入力を受け付ける
ことを特徴とする請求項2記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項4】
前記衣服情報取得手段は、衣服に係る文字列が含まれる外部データを取得し、当該文字列から諸元情報として第1の寸法情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項5】
前記衣服情報取得手段は、衣服に係る画像が含まれる外部データを取得し、当該画像から諸元情報として第2の寸法情報を抽出する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項6】
前記衣服情報取得手段は、衣服に係る文字列及び画像が含まれる外部データを取得し、前記文字列から諸元情報として第1の寸法情報を抽出するとともに、前記画像から諸元情報として第2の寸法情報を抽出し、第1の寸法情報とスケールが一致するよう第2の寸法情報を補正する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項7】
前記衣服情報取得手段は、衣服が投影されている画像が含まれる外部データを取得し、ユーザに対して前記画像を提示するとともにユーザから前記画像上に衣服の複数の採寸点を入力させ、入力された複数の採寸点の座標に基づき第2の寸法情報を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項8】
衣服のカテゴリに対応した複数の前記型紙データ作成手段を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項9】
前記衣服の着用者の体形情報を取得する体形情報取得手段と、
前記体形情報に基づきアバターの3Dモデルデータを生成するアバター3Dモデル生成手段と、
衣服の3Dモデルデータ及びアバターの3Dモデルデータに基づきアバターが衣服を着用した様相の着用画像を生成する着用画像生成手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の衣服の3Dモデル生成装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1記載の衣服の3Dモデル生成装置の各部として機能させる
ことを特徴とする衣服の3Dモデル生成プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服の3Dモデルを生成する装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衣服を販売するEC(Electronic Commerce)サイトが多数登場してきている。ECサイトには衣服単体の写真、モデルが着用した様相の写真、サイズに関する各種情報などが多数掲載されている。消費者はこれらの情報を参照して商品の購入を行う。しかし、例えば電化製品などの他のカテゴリの商品と比較して、ECサイトでの衣服の販売は活発ではないのが現状である。その理由の1つは、消費者の体形は様々であり、消費者にとって自分がその衣服を実際に着用した際のイメージを掴むことが困難だからである、と考えられる。このような問題を解決するために、仮想試着システムが提案されている。仮想試着システムは、消費者の体形を模したアバターの3Dモデルと衣服の3Dモデルを用意し、アバターの3Dモデルに衣服の3Dモデルを着用した様相の画像を生成し、この画像をECサイトにおいて消費者に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-170394号公報
【特許文献2】特許第6659901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の仮想試着システムを運用するには、衣服の3Dモデルデータを用意する必要がある。しかし、衣服のデザインは多種多様であり、デザインによって3Dモデルデータは異なる。また、全体デザインが同じであってもサイズが異なれば3Dモデルデータも異なる。このため、仮想試着システムを円滑に運用するために必要な3Dモデルデータは大量なものとなり、現実的な運用が困難であった。そこで、衣服の3Dモデルデータを容易に入手する手段が求められていた。
【0005】
衣服の3Dモデルデータを取得する方法の1つは、モデルやマネキンに衣服を着用させた状態で3Dスキャナを用いてスキャニングして3Dモデルデータを生成することである。しかし、この手法で生成した3Dモデルデータは、モデルやマネキンの体形に応じて衣服に皺や陰影が生じた状態のものとなる。このため、この衣服の3Dモデルをアバターの3Dモデルに着用させた画像は、現実の衣服を現実の人間に着用した様相とは異なるものになってしまう。具体的には、衣服のシルエットや質感が現実とは大きく異なるものとなる。また、3Dスキャナによる3Dモデルデータの生成には現実の衣服が必要となるため、多数の3Dモデルデータを用意することはやはり現実的ではない。
【0006】
衣服の3Dモデルデータを取得する他の方法の1つは、衣服を構成するパーツの型紙データを取得し、仮想空間内においてパーツの組み合わせ(裁縫)をシミュレートすることにより3Dモデルデータを生成することである(特許文献1参照)。この手法では、衣服の3Dモデルをアバターの3Dモデルに着用させた画像は、3Dスキャナを用いた手法と比較して、現実の衣服を現実の人間に着用した様相により近いものとなる。
【0007】
この型紙データは衣服の製造現場では必要なものである。しかし、近年はOEM(Original Equipment Manufacturing)や生産の外注が進んでいるため型紙データはOEM供給元や外注先の工場が所有しており、衣服の製造メーカですら型紙データを所有していないことが多い。特に、OEM供給元や外注先の工場は型紙データを一種の資産とみなしており、このような資産をなるべく外部に供給したくないという傾向がある。このため、仮想試着システムの運営者にとってはすべての商品の型紙データを入手することは現実的ではない。また、型紙データの生成にはパタンナーと呼ばれる者の経験則や暗黙知に依存するので、仮想試着システムの運営者が自身で型紙データを生成することも現実的ではない。
【0008】
また、衣服の3Dモデルデータは、その利用用途、衣服の種別など各種状況に応じて当該3Dモデルデータに対して要求される品質が異なる。例えば、衣服のデザインの細部まで表現したい場合と、大まかなシルエットが表現されれば足りる場合とでは、要求される3Dモデルデータの精度が異なる。また、例えば、衣服の3DモデルデータをECサイトの仮想試着システムで用いる場合と、メタバースにおけるアバターの衣装データとして用いたい場合とでも、要求される3Dモデルデータの精度が異なる。このため、要求される品質に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に入手したという要望がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、要求される品質に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に生成することでできる衣服の3Dモデル生成装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願発明は、衣服の3Dモデルデータを生成する装置において、前記衣服のカテゴリ情報および前記衣服の外観を規定する諸元情報が含まれる衣服情報を取得する衣服情報取得手段と、前記衣服情報に基づき衣服の型紙データを生成する型紙データ生成手段と、前記型紙データに基づき衣服の3Dモデルデータを生成する衣服3Dモデルデータ生成手段とを備え、前記衣服情報取得手段は、前記衣服3Dモデルデータ生成手段で生成される3Dモデルデータが所定の品質要求を満たし、且つ、前記型紙データ生成手段における型紙データの生成に要求される諸元情報を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、衣服情報取得手段により型紙データの生成に必要な衣服の諸元情報および衣服のカテゴリが取得され、型紙データ生成手段により前記諸元情報およびカテゴリに基づき型紙データが生成され、衣服3Dモデルデータ生成手段により前記型紙データに基づき3Dモデルデータが生成される。ここで、衣服情報取得手段により取得される諸元情報は、衣服3Dモデルデータ生成手段で生成される3Dモデルデータが所定の品質要求を満たし、且つ、前記型紙データ生成手段における型紙データの生成に要求されるものである。したがって、要求される品質に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に生成することでできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る3Dモデル生成装置の機能ブロック図
図2】カテゴリ情報記憶部のデータ構造の一例
図3】品質情報記憶部のデータ構造の一例
図4】外部データとしてのECサイトにおける販売ページの一例
図5】画像から諸元情報を抽出する処理の一例
図6】衣服情報取得部の動作を説明するフローチャート
図7】仮想試着装置の機能ブロック図
図8】生成された試着画像の一例
図9】第2の実施の形態に係る3Dモデル生成装置の機能ブロック図
図10】第3の実施の形態に係る3Dモデル生成装置の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る3Dモデル生成装置について図面を参照して説明する。図1は3Dモデル生成装置のシステム構成図である。
【0014】
本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1は、衣服のカテゴリ情報および諸元情報を取得し、このカテゴリ情報および諸元情報に基づき型紙データを生成し、この型紙データに基づき衣服の3Dモデルデータを生成する。ここで、諸元情報とは、衣服の外観を規定する各種情報である。諸元情報は、着丈、身幅、ウエストなどの寸法を少なくとも含む。諸元情報は、衣服の素材、皺の入り方や脇線の丸み、その他デザイン的な特徴など、寸法以外のメタ的な情報を含むことができる。型紙データの生成に必要な諸元情報の種類および数は、衣服のカテゴリによって異なる。また型紙データの生成に必要な諸元情報の種類および数は、3Dモデルデータから生成する衣服の外観画像に要求される品質区分によって異なる。
【0015】
図1に示すように、3Dモデル生成装置1は、衣服情報取得部10と、型紙データ生成部20と、衣服3Dモデルデータ生成部30と、カテゴリ情報記憶部40と、品質情報記憶部41と、諸元情報記憶部50と、型紙データ記憶部60と、衣服3Dモデルデータ記憶部70とを備えている。3Dモデル生成装置1には、ユーザが各種情報を入力するための入力装置1aと、表示装置(図示省略)が接続されている。
【0016】
3Dモデル生成装置1は、主演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークインタフェースなどを備えた周知の情報処理装置により構成される。3Dモデル生成装置1の実装形態は不問である。例えば、3Dモデル生成装置1は、各部を複数のハードウェア装置に分散して実装してもよい。3Dモデル生成装置1は、情報処理装置にプログラムをインストールすることにより実装してもよい。3Dモデル生成装置1は、専用のハードウェアとして実装してもよい。3Dモデル生成装置1は、インターネット上に配置されたクラウドサーバに実装してもよい。
【0017】
衣服情報取得部10は、3Dモデル生成装置1の外部から諸元情報が含まれるデータ(以下「外部データ」と言う。)を取得し、後段の型紙データ生成部20において型紙データの生成に必要な諸元情報を抽出する。型紙データ生成部20において型紙データの生成に必要な諸元情報は衣服のカテゴリによって異なる。そこで、衣服情報取得部10は、カテゴリ情報記憶部40に記憶されているカテゴリ情報に基づき衣服情報取得処理を行う。
【0018】
カテゴリ情報記憶部40のデータ構造の一例を図2に示す。図2の例では、カテゴリ情報は、カテゴリ名称、品質区分、1以上の諸元情報の名称が含まれる。ここで、カテゴリとは、Tシャツ、パンツ、スカート、シャツ、ワンピース、ジャケット等の衣服の種類を意味する。カテゴリは、運用形態や用途等に応じてユーザにより適宜設定することができるものである。すなわち、図2に例示したカテゴリはその一例に過ぎず、他のカテゴリであっても本発明を実施できる点に留意されたい。
【0019】
また、品質区分とは、後段の衣服3Dモデルデータ生成部30で生成される3Dモデルデータに要求される品質の区分を意味する。当該要求品質区分は、3Dモデルデータそのもの利用用途や3Dモデルデータから生成される衣服の外観画像の利用用途に依存する。前者については、要求品質区分は、例えば3Dモデルデータのメッシュ数・色数・サイズなどに応じて設定することができる。また、後者の場合、要求品質区分は、3Dモデルデータから生成される画像の品質に応じて設定することができる。より詳しくは、3Dモデルデータから生成される画像の解像度、画像に投影されている衣服の解像度、粒度や精度などに応じて設定することができる。
【0020】
本実施の形態では、品質区分の例として「シンプル」、「詳細」、「メタバース」という3つの区分を設定した。品質区分「シンプル」及び「詳細」は、洋服の形状やデザインポイントなどの特徴をどの程度リアルに表現したいかという用途に応じて設定したものである。例えば3Dモデルデータを試着システムで用いる場合には、シルエットだけを見たい試着の場合用に「シンプル」を設定するとともに、デザインを詳細に反映した上での試着の場合用に「詳細」を設定している。また、品質区分を「メタバース」は、メタバース空間の仕様やアバターサイズに沿った洋服に係る3Dモデルデータを生成したい場合用に設定している。なお、図2に例示した品質区分はその一例に過ぎず、他の品質区分であっても本発明を実施できる点に留意されたい。
【0021】
型紙データ生成部20において型紙データの生成に必要な諸元情報は、カテゴリだけでなく、前記品質区分によっても異なる。そこで、本実施の形態では、カテゴリ情報記憶部40にはカテゴリおよび品質区分ごとに諸元情報を記憶している。なお、品質区分が固定の場合は品質区分の項目は不要である。また、ユーザが品質区分に応じてカテゴリ情報記憶部40に記憶されているカテゴリ情報を適宜更新する場合も品質区分の項目は不要である。
【0022】
例えば、カテゴリが「Tシャツ」であり且つ品質区分が「シンプル」の場合は、諸元情報が「着丈、袖丈、肩幅、身幅」となる。カテゴリが「Tシャツ」であり且つ品質区分が「詳細」の場合は、諸元情報が「素材、着丈、袖丈、肩幅、身幅、各リブ幅、袖幅、天巾、前下がり、後ろ下がり、ポケットの有無と位置、スリットの数と位置、ステッチ幅」となる。カテゴリが「Tシャツ」であり品質区分が「メタバース」の場合は、「着丈、袖丈、肩幅、身幅」となる。
【0023】
さらに、カテゴリが「パンツ」であり且つ品質区分が「シンプル」の場合は、諸元情報が「股上、股下、ウエスト、ヒップ」となる。カテゴリが「パンツ」であり且つ品質区分が「詳細」の場合は、諸元情報が「素材、股上、股下、ウエスト、ヒップ、裾幅、パンツのタイプ、ポケットの数と位置、ベルトループの数と位置、ダーツの有無、スリットの有無、タックの有無、ステッチ幅」となる。
【0024】
さらに、カテゴリが「スカート」であり且つ品質区分が「シンプル」の場合は、諸元情報が「スカート丈、ウエスト、ヒップ」となる。カテゴリが「スカート」であり且つ品質区分が「詳細」の場合は、諸元情報が「素材、スカート丈、ウエスト、ヒップ、裾幅、プリーツの数と位置、ギャザーの数と位置、スリットの数と位置、ステッチ幅」となる。カテゴリが「スカート」であり且つ品質区分が「メタバース」の場合は、「スカート丈、ウエスト、ヒップ、裾幅」となる。
【0025】
さらに、カテゴリが「シャツ」であり且つ品質区分が「シンプル」の場合は、諸元情報が「着丈、身幅、肩幅、裄丈」となる。カテゴリが「シャツ」であり且つ品質区分が「詳細」の場合は、諸元情報が「素材、着丈、身幅、肩幅、裄丈、前立ての幅、天巾、前下がり、後ろ下り、タックの数と位置、ヨークの長さ、ケンボロの有無と位置、ポケットの数と位置、襟の形、ボタンの数と位置、ステッチ幅」となる。カテゴリが「シャツ」であり且つ品質区分が「メタバース」の場合は、「着丈、身幅、肩幅、裄丈」となる。
【0026】
いずれのカテゴリの場合も、品質区分が「シンプル」と「詳細」の場合の違いは、「詳細」では、3Dモデルにおける、洋服の形状やデザインポイントなどの特徴をよりリアルに表現できる点にあるので、例えば3Dモデルデータを試着システムで用いる場合には、シルエットだけを見たい試着の場合には「シンプル」とし、デザインを詳細に反映した上での試着の場合には「詳細」とすることができる。また、メタバース空間の仕様やアバターサイズに沿った洋服に係る3Dモデルデータを生成したい場合に、品質区分を「メタバース」として生成してもよい。なお、図2に例示した各カテゴリ及び品質区分に対応する諸元情報はその一例に過ぎず、他の諸元情報であっても本発明を実施できる点に留意されたい。
【0027】
品質情報記憶部45は、品質区分に対応する品質情報を記憶する。この品質情報は、型紙データ生成部20における型紙データ生成処理における生成処理の制御や出力データの制御に用いることができる。また、この品質情報は、衣服3Dモデルデータ生成部30における3Dモデルデータの生成処理の制御や出力データの制御で用いることができる。この品質情報は、例えば、衣服3Dモデルデータ生成部30で生成する衣服のサイズ情報を含むことができる。また、品質情報は、例えば、型紙データ生成部20や衣服3Dモデルデータ生成部30における出力データの制約情報を含むことができる。例えば、品質区分「シンプル」「詳細」「メタバース」のそれぞれに対して、必要に応じて、衣服3Dモデルデータ生成部30において生成する3Dモデルデータのメッシュ上限数、ポリゴン上限数、データサイズ上限などの制約情報を品質情報として設定することができる。また、例えば、型紙データ生成部20において生成する型紙データが3Dモデル形式の場合、品質区分「シンプル」「詳細」「メタバース」のそれぞれに対して、必要に応じて、型紙データ生成部20において生成する型紙データのメッシュ上限数、ポリゴン上限数、データサイズ上限などの制約情報を品質情報として設定することができる。なお、型紙データ生成部20や衣服3Dモデルデータ生成部30においては予め設定した既定の品質情報を用いて処理を行うものとし、規定の品質情報以外の品質情報を用いて処理したい品質区分についての品質情報のみを品質情報記憶部45に記憶するようにしてもよい。
【0028】
図3に、本実施の形態における品質情報記憶部のデータ構造の一例を示す。図3は、型紙データ生成部20や衣服3Dモデルデータ生成部30は品質区分「シンプル」「詳細」については既定の品質情報を用いて処理を行うものとし、品質区分「メタバース」については品質情報記憶部45に記憶した品質情報(ここでは制約情報)を用いて処理を行う場合の例である。図3の例では、品質区分「メタバース」については、衣服3Dモデルデータ生成部30で生成する衣服のサイズ及びメッシュ上限数を規定している。なお、図3に例示した品質情報はその一例に過ぎず、他の品質情報であっても本発明を実施できる点に留意されたい。
【0029】
衣服情報取得部10は、外部データ取得部11と、文字情報解析部12と、画像解析部13と、ユーザ入力部14とを備えている。衣服情報取得部10は、外部データを取得し、予めユーザから受け付けた品質区分に応じて、又は、既定の品質区分に応じて、後段の型紙データ生成部20において型紙データの生成に必要な諸元情報を抽出する。
【0030】
外部データ取得部11は、3Dモデル生成装置1の外部から諸元情報が含まれる外部データを取得する。外部データの取得経路は不問である。例えば、外部データ取得部11は、ネットワークを介して他のコンピュータ2から外部データを取得する。他の例では、3Dモデル生成装置1に接続されている記憶媒体3から外部データを取得する。外部データのデータ形式は不問である。外部データはテキスト形式で文字を含むことができる。また外部データは衣服が投影された画像を含むことができる。また外部データは画像化したテキストが含まれる画像を含むことができる。また外部データは諸元情報とともにカテゴリ情報を含んでいてもよい。また外部データは複数のファイルにより構成することができる。例えば、外部データはHTML(Hyper Text Markup Language)により記述されたファイル群からなる。
【0031】
本実施の形態では、外部データ取得部11は、衣服の販売ページを提供するECサイト2から、ネットワークを介して、HTMLで記述された当該販売ページを構成するファイル群を外部データとして取得することができる。また、本実施の形態では、外部データ取得部11は、ローカルに接続された記憶媒体3から1又は複数のファイルからなる外部データを取得することができる。外部データの取得元は、ユーザからの指示により選択することができる。
【0032】
図4にECサイト2における販売ページ200の一例を示す。販売ページ200は、図4に示すように、衣服の外観が投影された衣服画像210、テキスト形式で記述された衣服のカテゴリ220、テキスト形式で記述された衣服の寸法230を含む。ここで、寸法230は、着丈である。すなわち、外部データとしての販売ページ200は、文字情報として記述されたカテゴリと着丈を含む。なお、図4の例では、文字情報として記述された諸元情報は着丈のみであるが、複数含まれていてもよい。また、衣服画像210は、画像解析を行うことにより衣服の着丈や身幅などを算出可能である。したがって、販売ページ200の衣服画像210は、着丈や身幅などの寸法情報が潜在的に埋め込まれていると解釈できる。
【0033】
文字情報解析部12は、取得した外部データから文字として記述されたカテゴリおよび諸元情報を抽出する。図4の例では、文字情報解析部12は、販売ページ200に含まれるカテゴリ220と着丈230を抽出する。
【0034】
画像解析部13は、取得した外部データに含まれる画像を解析し、当該画像に潜在的に含まれているカテゴリおよび諸元情報を抽出する。例えば、画像解析部13は、画像としてカテゴリや諸元情報に係るテキストが埋め込まれている場合、OCR(Optical Character Recognition)技術を用いて当該テキストを抽出する。また例えば、画像解析部13は、画像に投影されている衣服の複数の採寸点を特徴点として抽出し、複数の採寸点の座標間の距離から寸法に係る諸元情報を算出する。
【0035】
また、画像解析部13は、ユーザ入力部14を介して、画像をユーザに提示し、ユーザから前記画像上に衣服の複数の採寸点を入力させ、入力された複数の採寸点の座標に基づき寸法に係る諸元情報を算出する。図5はTシャツが投影された画像210の一例である。図5の例では、画像210に投影されたTシャツの両肩にユーザが採寸点211,212を入力する。画像解析部13は、画像データ上の採寸点211,212の座標間の距離を算出する。画像解析部13は、算出した既に取得した寸法に係る他の諸元情報(図4の例では身丈)とスケールを合わせるために、計測した距離を補正して諸元情報として身幅を算出する。なお、衣服が人間のモデルに着用されている画像の場合、スケール合わせの補正処理における基準となる寸法は、既に取得した寸法に係る他の諸元情報のほか、画像内に映るモデルの体型にかかる寸法(例えば身長)を用いることができる。また、衣服が人間のモデルに着用されている画像の場合や衣服が平置きされていない画像の場合、すなわち画像が3D空間の投影画像である場合、当該3D空間の座標系を認識し、この認識結果に基づき2D画像データ上の採寸点211,212の座標間の距離から、3D空間内の距離すなわち衣服の寸法を算出して諸元情報としてもよい。3D空間の座標系を認識は、画像内の複数の特徴点を抽出することにより推定することができる。なお、ユーザに画像を提示して採寸点を入力させ、入力された採寸点から寸法を算出する具体的な手法は、特許文献2に記載されたものを用いることができる。
【0036】
ユーザ入力部14は、ユーザからの諸元情報の入力を受け付けるインタフェースとして機能する。ユーザ入力部14は、諸元情報の入力を受け付ける際に、ユーザに対して諸元情報の名称を提示することができる。ユーザ入力部14は、諸元情報の入力を受け付ける際に、ユーザに対して外部データに含まれる画像を提示することができる。
【0037】
衣服情報取得部10の動作について図6のフローチャートを参照して説明する。ここでは、ユーザによって品質区分が予め指定されているものとする。
【0038】
衣服情報取得部10は、外部データ取得部11を用いて外部データを取得する(ステップS1)。衣服情報取得部10は、文字情報解析部12を用いて外部データからカテゴリを抽出する(ステップS2)。文字情報解析部12においてカテゴリの抽出ができなかった場合、衣服情報取得部10は、ユーザ入力部14を用いてユーザにカテゴリの入力を促し、ユーザからのカテゴリの入力を受け付ける(ステップS3,S4)。
【0039】
次に、衣服情報取得部10は、取得したカテゴリ及び予め指定された品質区分をキーとしてカテゴリ情報記憶部40に記憶されているカテゴリ情報を参照することにより型紙データの生成に必要な諸元情報を認識し、文字情報解析部12を用いて外部データから各諸元情報を抽出する(ステップS5)。全ての諸元情報を抽出できなかった場合、衣服情報取得部10は、画像解析部13を用いて外部データから残りの諸元情報を自動抽出する(ステップS6,S7)。
【0040】
以上までのステップによっても型紙データの生成に必要な全ての諸元情報を抽出できなかった場合、衣服情報取得部10は、ユーザからの入力により残りの諸元情報を補完する。補完手法としては、(a)ユーザによる諸元情報の直接入力と、(b)画像を用いたユーザからの入力がある。どちらを用いるか或いは両者を併用するかはユーザが任意に選択できる。
【0041】
前記(a)の場合、衣服情報取得部10は、ユーザ入力部14を用いてユーザが補完すべき諸元情報の入力を促し、ユーザからの諸元情報の入力を受け付ける(ステップS8,S9)。
【0042】
前記(b)の場合、画像解析部13は、ユーザ入力部14を介して、外部データに含まれ衣服が投影された画像をユーザに提示し、ユーザから前記画像上に衣服の複数の採寸点を入力させる(ステップS8,S10~S11)。次に、画像解析部13は、入力された複数の採寸点の座標の距離を計測する(ステップS12)。次に、画像解析部13は、既に取得した寸法に係る諸元情報とスケールを合わせるために、計測した距離を補正して諸元情報を算出する(ステップS13)。
【0043】
以上の処理により型紙データの生成に必要な全ての諸元情報が取得される。衣服情報取得部10は取得した各諸元情報を諸元情報記憶部50に記憶する(ステップS14)。諸元情報記憶部50のデータ形式は不問である。
【0044】
型紙データ生成部20は、カテゴリおよび品質区分ならびに諸元情報記憶部50に記憶された諸元情報に基づき衣服の型紙データを生成し、型紙データ記憶部60に記憶する。ここで、型紙データ生成部20は、品質区分に対応する品質情報が品質情報記憶部45に記憶されている場合、当該品質情報に応じた品質で型紙データを生成する。型紙データ生成部20は、衣服のカテゴリ毎に異なる生成部を備えている。図1の例では、型紙データ生成部20は、Tシャツ用生成部21と、パンツ用生成部22とを備えている。型紙データ生成部20は、カテゴリに対応する生成部21,22を実行することにより型紙データを生成する。ここで、型紙データは、衣服を構成する複数のパーツの形状情報と、各パーツの組み立て情報とを含む。型紙データのデータ形式は不問である。
【0045】
カテゴリ毎の各生成部21,22は、それぞれパタンナーと呼ばれる者による現実の型紙作成工程をロジック化したものである。例えば、パンツ用生成部22は、まず、諸元情報に基づきベルトパーツのデータを生成する。その後、身頃パーツの上部を作るために、高さと幅を定めた上で、諸元情報に基づき股ぐり部分の位置と曲線の傾斜を定める。その後、諸元情報に基づき下部のパーツを作る事によって、身頃パーツのデータが完成する。
【0046】
衣服3Dモデルデータ生成部30は、型紙データ記憶部60に記憶された型紙データに基づき衣服の3Dモデルデータを生成し、衣服3Dモデルデータ記憶部70に記憶する。より詳細には、衣服3Dモデルデータ生成部30は、型紙データに含まれる各パーツの形状データおよび各パーツの組み立て情報に基づき、仮想空間内で衣服を組み立てることにより衣服の3Dモデルデータを生成する。ここで、衣服3Dモデルデータ生成部30は、品質区分に対応する品質情報が品質情報記憶部45に記憶されている場合、当該品質情報に応じた品質で3Dモデルデータを生成する。衣服の3Dモデルデータには、衣服の諸元情報のうち任意の情報を付加することができる。衣服の3Dモデルデータに付加する諸元情報としては、当該3Dモデルデータから衣服に係る外観画像を生成する際にパラメータとして有用なものが挙げられる。例えば、素材など寸法以外のメタ的な情報である。3Dモデルデータのデータ形式は不問である。
【0047】
次に、3Dモデル生成装置1により生成された3Dモデルを用いた仮想試着装置400について図7を参照して説明する。ここでは、3Dモデル生成装置のユーザを「試着装置のユーザ」と呼び、上記3Dモデル生成装置1のユーザと区別する。なお、3Dモデル生成装置1のユーザと仮想試着装置400のユーザは同一のものであってもよい。
【0048】
仮想試着装置400は、図7に示すように、体形情報入力部410と、アバター3Dモデル生成部420と、衣服3Dモデルデータ記憶部430と、試着画像生成部440とを備えている。
【0049】
仮想試着装置400は、主演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークインタフェースなどを備えた周知の情報処理装置により構成される。仮想試着装置400の実装形態は不問である。例えば、仮想試着装置400は、各部を複数のハードウェア装置に分散して実装してもよい。仮想試着装置400は、情報処理装置にプログラムをインストールすることにより実装してもよい。仮想試着装置400は、専用のハードウェアとして実装してもよい。仮想試着装置400は、インターネット上に配置されたクラウドサーバに実装してもよい。
【0050】
体形情報入力部410は、仮想試着装置400のユーザから当該ユーザの体形情報の入力を受け付ける。体形情報としては、例えば身長、胸囲など人間の各部の寸法データが挙げられる。また体形情報としては、例えば、ユーザの全身又は衣服に対応する部位が投影された画像を用いることもできる。
【0051】
アバター3Dモデル生成部420は、体形情報入力部410により入力された体形情報に基づきアバターの3Dモデルデータを生成する。ここでアバターとは衣服の着用者である試着装置のユーザの仮想空間における化身である。体形情報入力部410から入力された体形情報が寸法データの場合、アバター3Dモデル生成部420は、当該寸法データに基づきアバターの3Dモデルデータを生成する。体形情報入力部410から入力された体形情報が画像データの場合、当該画像データを解析して投影人物の各部の寸法データを抽出する。そして、アバター3Dモデル生成部420は、抽出寸法データに基づきアバターの3Dモデルデータを生成する。
【0052】
衣服3Dモデルデータ記憶部430は、3Dモデル生成装置1で生成された衣服3Dモデルデータを記憶する。仮想試着装置400が、3Dモデル生成装置1から3Dモデルデータを取得する方法は不問である。例えば、ネットワークを介して3Dモデルデータを取得することができる。また例えば、所定の記憶媒体を介して3Dモデルデータを取得することができる。
【0053】
試着画像生成部440は、衣服の3Dモデルデータ及び着用者の3Dモデルデータに基づきアバターが衣服を着用した様相の着用画像を生成する。衣服の3Dモデルデータに諸元情報が付加されている場合、試着画像生成部440は、当該諸元情報を加味して着用画像を生成する。例えば衣服の3Dモデルデータに諸元情報に素材情報が付加されている場合、試着画像生成部440は、当該素材に対応する所定のテクスチャで着用画像を生成する。着用画像の画角・サイズ等は試着装置のユーザにより適宜設定される。生成された着用画像は、所定の表示装置(図示省略)に表示したり、所定の記憶装置(図示省略)に記憶したりできる。試着画像生成部440により生成された着用画像450の一例を図8に示す。図8に示すように、着用画像450には、アバター451が衣服452を着用した様相で投影されている。特に、衣服451の皺や質感は現実に近い様相で表現することができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1によれば、衣服情報取得部10により型紙データの生成に必要な衣服の諸元情報および衣服のカテゴリが取得され、型紙データ生成部20により前記諸元情報およびカテゴリに基づき型紙データが生成され、衣服3Dモデルデータデータ生成部30により前記型紙データに基づき3Dモデルデータが生成される。ここで、衣服情報取得部10により取得される諸元情報は、衣服3Dモデルデータデータ生成部30で生成される3Dモデルデータが所定の品質要求を満たし、且つ、前記型紙データ生成部20における型紙データの生成に要求されるものである。したがって、要求される品質に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に生成することでできる。
【0055】
また、本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1によれば、型紙データを生成するために必要な諸元情報を外部データから自動的に取得することができる。すなわち、型紙データを生成するために必要な諸元情報の入力作業を最小限に抑えることができる。したがって、衣服の3Dモデルデータを容易に生成することでできる。
【0056】
また、本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1によれば、適切なカテゴリ情報を設定することにより、所望の品質の衣服の3Dモデルデータを生成することができる。換言すれば、利用用途に応じた衣服の3Dモデルデータを容易に生成することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では3Dモデル生成装置1と試着画像生成部440とを別装置として実装したが、試着画像生成部440の機能を3Dモデル生成装置1に組み込んで実装してもよい。この場合、衣服の3Dモデルの作成を行うユーザがその3Dモデルの仕上がり等を確認できるので好適である。
【0058】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る3Dモデル生成装置について図面を参照して説明する。図9は3Dモデル生成装置のシステム構成図である。
【0059】
本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1′が第1の実施の形態と異なる点は、型紙データ変換部80を備えている点にある。その他の構成については第1の実施の形態と同様なので、ここでは相違点のみを説明する。
【0060】
型紙データ変換部80は、型紙データ生成部20で生成された型紙データの寸法の変換処理を行う。具体的には、型紙データ変換部80は、衣服の型紙データを、所定のメタバースにおけるアバターの体型にあうように変形や歪曲させる。例えば、幾つかのメタバースでは、アバターの体型が3頭身など現実の人間と比較してデフォルメされている。型紙データ変換部80は、このようなアバターの体型にあう衣服の3Dモデルデータとなるように型紙データをデフォルメする。型紙データ変換部80により変換された型紙データは、型紙データ記憶部60に記憶される。
【0061】
なお、本実施の形態の3Dモデル生成装置1′は、上記型紙データ変換部80を活性化するか否かを切り替えることにより、機能的に、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1と本実施の形態の3Dモデル生成装置1′との間を切り替え可能に構成しても良い。この場合、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1における品質区分として、当該品質区分に応じて上記型紙データ変換部80を活性化するか否かを切り替えるようにすることができる。例えば、品質区分として、他の品質区分と区別する「メタバース(デフォルメ)」を設定すればよい。あるいは、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1におけるカテゴリとして、衣服の種類による区別だけでなく、利用用途に応じた区別を行うようにしてもよい。「Tシャツ」のカテゴリを例にすると、これを「Tシャツ(通常用)」(ここでいう「通常用」の意味は、現実の人間が着用する用途を意味する。)と「Tシャツ(メタバース用)」とに分けることによって、カテゴリが「Tシャツ(メタバース用)」の場合には、上記型紙データ変換部80が活性化されるように(例えば、本実施の形態の3Dモデル生成装置1′に切り替わるように)構成してもよい。
【0062】
本実施の形態にかかる3Dモデル生成装置によれば、現実の衣服の3Dモデルデータだけでなく当該衣服をデフォルメした衣服の3Dモデルデータが得られる。したがって、例えば、現実の衣服を販売するとともに、メタバース内で利用できる当該衣服と同様のデザインの衣服データを販売する場合などに活用することができる。
【0063】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る3Dモデル生成装置について図面を参照して説明する。図10は3Dモデル生成装置のシステム構成図である。
【0064】
本実施の形態に係る3Dモデル生成装置1″が第1の実施の形態と異なる点は、3Dモデルデータ変換部90を備えている点にある。その他の構成については第1の実施の形態と同様なので、ここでは相違点のみを説明する。
【0065】
3Dモデルデータ変換部90は、衣服3Dモデルデータ生成部30で生成された衣服の3Dモデルデータの寸法の変換処理を行う。具体的には、3Dモデルデータ変換部90は、衣服の3Dモデルデータを、所定のメタバースにおけるアバターの体型にあうように変形や歪曲させる。例えば、幾つかのメタバースでは、アバターの体型が3頭身など現実の人間と比較してデフォルメされている。3Dモデルデータ変換部90は、このようなアバターの体型にあうように衣服の3Dモデルデータをデフォルメする。3Dモデルデータ変換部90により変換された衣服の3Dモデルデータは、変換前の3Dモデルデータとともに衣服3Dモデルデータ記憶部70に記憶される。
【0066】
なお、本実施の形態の3Dモデル生成装置1″は、上記3Dモデルデータ変換部90を活性化するか否かを切り替えることにより、機能的に、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1と本実施の形態の3Dモデル生成装置1″との間を切り替え可能に構成しても良い。この場合、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1における品質区分として、当該品質区分に応じて上記3Dモデルデータ変換部90を活性化するか否かを切り替えるようにすることができる。例えば、品質区分として、他の品質区分と区別する「メタバース(デフォルメ)」を設定すればよい。あるいは、第1の実施の形態の3Dモデル生成装置1におけるカテゴリとして、衣服の種類による区別だけでなく、利用用途に応じた区別を行うようにしてもよい。「Tシャツ」のカテゴリを例にすると、これを「Tシャツ(通常用)」(ここでいう「通常用」の意味は、現実の人間が着用する用途を意味する。)と「Tシャツ(メタバース用)」とに分けることによって、カテゴリが「Tシャツ(メタバース用)」の場合には、上記3Dモデルデータ変換部90が活性化されるように(例えば、本実施の形態の3Dモデル生成装置1′に切り替わるように)構成してもよい。
【0067】
本実施の形態にかかる3Dモデル生成装置によれば、現実の衣服の3Dモデルデータとともに当該衣服をデフォルメした衣服の3Dモデルデータが得られる。したがって、例えば、現実の衣服を販売するとともに、メタバース内で利用できる当該衣服と同様のデザインの衣服データを販売する場合などに活用することができる。
【0068】
以上、本発明の第1および第2の実施の形態について詳述したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
【0069】
例えば、上記実施の形態では、諸元情報が直接的又は潜在的に含まれる外部データをネットワークを介してECサイトから取得していたが、他のサイトから取得するようにしてもよい。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、外部データから諸元情報を抽出する手段として、文字情報からの抽出、画像からの抽出、ユーザからの入力という3つの手段を備えているが、これらの手段を実施する順序は不問である。また、これらの手段は、ユーザの選択により任意に実施するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、画像解析部13における画像から諸元情報を取得する手法においてユーザから衣服の採寸点位置の入力をさせていたが、機械学習または所定のアルゴリズムを用いて自動的に採寸点を設定するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態における仮想試着装置400では、身長、胸囲などの体形情報をユーザに入力させ、入力された体形情報からアバター3Dモデルデータを生成していたが、予め複数の体形テンプレートを記憶しておき、どの体型テンプレートを用いるかをユーザに選択させ、選択された体型テンプレートからアバター3Dモデルデータを生成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…3Dモデル生成装置
10…衣服情報取得部
11…外部データ取得部
12…文字情報解析部
13…画像解析部
14…ユーザ入力部
20…型紙データ生成部
21…Tシャツ用生成部
22…パンツ用生成部
30…衣服3Dモデルデータ生成部
40…カテゴリ情報記憶部
45…品質情報記憶部
50…諸元情報記憶部
60…型紙データ記憶部
70…衣服3Dデータ記憶部
80…型紙データ変換部
90…3Dモデルデータ変換部
400…仮想試着装置
410…体形情報入力部
420…アバター3Dモデル生成部
430…衣服3Dモデルデータ記憶部
440…試着画像生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10