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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177857
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】仮想空間管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241217BHJP
【FI】
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096225
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敬志郎
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050DA05
5B050DA07
5B050EA07
5B050EA12
5B050FA05
5B050FA10
(57)【要約】
【課題】コンテンツの種類に応じて、アバターの移動先の位置を変更する。
【解決手段】仮想空間サーバ10は、ユーザの仮想空間又は現実空間における活動に関連する履歴オブジェクトを生成する生成部114と、仮想空間上の位置を示す位置情報を生成するための複数の条件と履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類との対応関係を定めた関係情報を参照することによって、履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、複数の条件の中から一つの条件を選択する条件選択部116と、条件選択部116によって選択された一の条件に従って、履歴オブジェクトに対応する仮想空間上の位置を示す位置情報を決定する決定部117と、履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、位置情報が示す位置に、アバターを移動する移動部118と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの仮想空間又は現実空間における活動に関連する履歴オブジェクトを生成する生成部と、
前記仮想空間上の位置を示す位置情報を生成するための複数の条件と前記履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類との対応関係を定めた関係情報を参照することによって、前記履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、前記複数の条件の中から一つの条件を選択する条件選択部と、
前記条件選択部によって選択された一の条件に従って、前記履歴オブジェクトに対応する前記仮想空間上の位置を示す位置情報を決定する決定部と、
前記履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、前記位置情報が示す位置に、前記アバターを移動する移動部と、
を備える仮想空間管理装置。
【請求項2】
前記履歴オブジェクトのコンテンツの種類は、写真、前記仮想空間上の1以上の仮想オブジェクトを縮小したミニチュア、前記ユーザの活動の特徴部分を示すハイライト画像、及び前記ユーザの活動の特徴部分を示すハイライト動画のうち、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の仮想空間管理装置。
【請求項3】
前記履歴オブジェクトのコンテンツには、前記写真が含まれ、
前記関係情報は、前記コンテンツの種類が写真である場合、前記位置情報が示す位置として前記写真の撮影位置を示す、請求項2に記載の仮想空間管理装置。
【請求項4】
前記履歴オブジェクトのコンテンツには、前記ミニチュアが含まれ、
前記関係情報は、前記コンテンツの種類が前記ミニチュアである場合、前記位置情報が示す位置として、前記1以上の仮想オブジェクトが地面に接する領域の中心位置から所定距離内、且つ、前記アバターが移動した場合に危険が無い位置を示す、請求項2に記載の仮想空間管理装置。
【請求項5】
前記履歴オブジェクトのコンテンツには、前記ハイライト画像が含まれ、
前記関係情報は、前記コンテンツの種類が前記ハイライト画像である場合、前記位置情報が示す位置として、前記ハイライト画像が生成されたタイミングにおいて前記ユーザに対応するアバターの位置を示す、請求項2に記載の仮想空間管理装置。
【請求項6】
前記履歴オブジェクトのコンテンツには、前記ハイライト動画が含まれ、
前記関係情報は、前記コンテンツの種類が前記ハイライト動画である場合、前記位置情報が示す位置として、前記ハイライト動画の開始タイミングから終了タイミングまでに前記ユーザに対応するアバターが移動した経路上のいずれかの位置を示す、請求項2に記載の仮想空間管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたシステムは、3次元仮想現実空間をユーザに提供する。ユーザがサービスにログインした場合、ユーザの端末装置にはエントリールームが表示される。エントリールームには、3次元仮想現実空間を表す複数の3次元アイコンが配置される。各3次元アイコンは、対応する3次元仮想現実空間が縮小されたデザインになっている。
各3次元アイコンには3次元仮想現実空間上の位置が対応付けられている。ユーザが複数の3次元アイコンのうち、第1の3次元アイコンをクリックすると、端末装置には第1の3次元アイコンに対応する3次元仮想現実空間が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-154244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、仮想空間におけるユーザの活動に関連した仮想オブジェクトを仮想空間に残すことができれば、ユーザは思い出を振り返ることができる。思い出となる仮想オブジェクトのコンテンツの種類としては、ユーザが仮想空間上で撮影することによって得られる写真、及び3次元アイコンのように仮想空間を縮小したミニチュア等が考えられる。このようにユーザが各種のコンテンツを仮想空間上に残す場合、コンテンツの種類に応じて、移動先を決定する条件を変更したい場合がある。
【0005】
しかし、従来のシステムでは、コンテンツの種類に応じて、移動先を決定する条件を変更することはできないといった問題があった。
【0006】
本開示は、仮想オブジェクトに対して何らかの操作をした場合、仮想オブジェクトによって示されるコンテンツの種類に応じて、ユーザに対応するアバターの移動先の位置を変更することが可能な仮想空間管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る仮想空間管理装置は、ユーザの仮想空間又は現実空間における活動に関連する履歴オブジェクトを生成する生成部と、前記仮想空間上の位置を示す位置情報を生成するための複数の条件と前記履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類との対応関係を定めた関係情報を参照することによって、前記履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、前記複数の条件の中から一つの条件を選択する条件選択部と、前記条件選択部によって選択された一の条件に従って、前記履歴オブジェクトに対応する前記仮想空間上の位置を示す位置情報を決定する決定部と、前記履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、前記位置情報が示す位置に、前記アバターを移動する移動部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、履歴オブジェクトに対して所定の操作がなされた場合、履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、ユーザに対応するアバターの移動先の位置を決定する条件を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る仮想空間システム1の全体構成を示すブロック図。
図2】仮想空間サーバ10によって提供される仮想空間の一例を示す説明図。
図3】仮想空間サーバ10の構成例を示すブロック図。
図4】第1テーブルTBL1のデータ構造の一例を示す説明図。
図5】第2テーブルTBL2のデータ構造の一例を示す説明図。
図6】履歴オブジェクトテーブルTBL4のデータ構造の一例を示す説明図。
図7】動画テーブルTBL5のデータ構造の一例を示す説明図。
図8】関係情報テーブルTBL6のデータ構造の一例を示す説明図。
図9】写真のコンテンツの生成方法の説明図。
図10】写真のコンテンツの一例を示す図。
図11】履歴オブジェクトXの一例を示す斜視図。
図12】ユーザ装置20-kの構成例を示すブロック図。
図13】履歴オブジェクトに関連する仮想空間サーバ10の動作の一例を示すフローチャート。
図14】履歴オブジェクトX1~X3を配置した個別空間の一例を示す説明図。
図15】履歴オブジェクトX1~X3を配置した個別空間の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
1.1:実施形態の構成
1.1.1:全体構成
図1は、実施形態に係る仮想空間システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示されるように、仮想空間システム1は、仮想空間サーバ10及びユーザ装置20-1、20-2、…20-k、…20-jを備える。kは1以上j以下の任意の整数である。ユーザ装置20-1、20-2、…20-k、…20-jは、ユーザU[1]、U[2]、…U[k]、…U[j]によって使用される。仮想空間サーバ10は、通信網NWを介して、ユーザ装置20-1、20-2、…20-jと互いに通信可能に接続される。仮想空間サーバ10は、仮想空間管理装置の一例である。以下の説明では、ユーザ装置20-1、20-2、…20-jを代表してユーザ装置20-kを用いて説明する。また、ユーザU[1]、U[2]、…U[j] を代表してユーザU[k]を用いて説明する。
【0011】
ユーザ装置20-kは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、又はヘッドマウントディスプレイ等の画像を表示する機能を備えた情報処理装置によって構成される。ユーザ装置20-kは、タブレット端末又はスマートフォンとヘッドマウントディスプレイとを組み合わせて構成されてもよい。
【0012】
ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイを含む場合、ユーザ装置20-kは3次元の仮想空間を示す3次元画像をユーザU[k]に提供する。ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイを含まない場合、ユーザ装置20-kは仮想空間を示す2次元画像をユーザU[k]に提供する。2次元画像は、仮想空間上のある点からある方向を見た画像である。換言すれば、2次元画像は、仮想空間上の仮想カメラによって撮像された仮想空間を示す。
【0013】
仮想空間サーバ10がユーザ装置20-kに提供する仮想空間には、現実空間に対応しない第1空間と、現実空間に対応する第2空間とが存在する。第1空間は、例えば、仮想的に生成された仮想テーマパーク、仮想オフィス、及び空中都市等が該当する。また、第1空間には、各ユーザが管理する個別空間が含まれる。個別空間には、管理者であるユーザの嗜好が反映される。個別空間は、アイデンティティワールドとも呼ばれる。ユーザは、自身の好みで個別空間に配置する各種の仮想オブジェクトを選択できる。個別空間に配置される仮想オブジェクトには、家具、壁紙、写真及びポスター等が含まれる。
【0014】
第2空間は、現実空間の街並みを仮想的に再現した空間である。例えば、日本の東京、米国のニューヨーク等を再現した仮想空間が該当する。第2空間は、例えば、フォトグラメトリ法又はLiDARセンサを用いる方法によって生成される。フォトグラメトリ法は被写体を異なる角度から撮影した複数の2次元画像から3次元モデルを生成する。LiDARセンサを用いる方法は、撮像対象物の2次元画像の撮像とLiDARセンサによるスキャンとを同時に行うことで、3次元モデルを生成する。
【0015】
仮想空間において、ユーザU[k]は、アバターA[k]を用いて活動する。図2は、仮想空間サーバ10によって提供される仮想空間の一例を示す説明図である。図2に示されるアバターA[k]は、仮想空間を移動できる。
【0016】
1.1.2:仮想空間サーバ10の構成
図3は、仮想空間サーバ10の構成例を示すブロック図である。図3に示されるように仮想空間サーバ10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、表示装置14及び入力装置15を備える。仮想空間サーバ10が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
【0017】
処理装置11は、仮想空間サーバ10の全体を制御するプロセッサである。処理装置11は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。また、処理装置11は、例えば、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成される。なお、処理装置11が有する機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0018】
記憶装置12は、処理装置11による読取及び書込が可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。また、記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムP1、第1テーブルTBL1、第2テーブルTBL2、位置変換テーブルTBL3、履歴オブジェクトテーブルTBL4、動画テーブルTBL5、関係情報テーブルTBL6、ユーザテーブルTBL7及び仮想オブジェクトデータDvを含む各種のデータを記憶する。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。仮想オブジェクトデータDvは仮想オブジェクトを三次元で表現するデータである。
【0019】
第1テーブルTBL1は、ユーザ識別子UIDと仮想空間におけるユーザの活動履歴に関する第1活動履歴情報とを対応付けて記憶する。第1テーブルTBL1は、複数のレコードを含む。ユーザ識別子UID(以下、「UID」と称する)は、ユーザを一意に識別する識別子である。図4は、第1テーブルTBL1のデータ構造の一例を示す説明図である。図4に示されるように、第1活動履歴情報は、日時情報、第1位置情報、第1音声情報、第1メッセージ情報、第1購買情報及びエモート情報を含む。
【0020】
日時情報は各種の情報が生成された日時を示す。第1位置情報は、ユーザに対応するアバターの仮想空間上の位置を示す。第1音声情報は仮想空間におけるユーザの会話の音声を示す。仮想空間ではユーザ同士がアバターを介して会話する。第1メッセージ情報は仮想空間においてユーザ間で送受信されるテキストメッセージの内容を示す。第1購買情報は仮想空間においてユーザが購入した仮想オブジェクト又はユーザが提供を受けたサービスを示す。サービスは、例えば、仮想空間上で開催されるコンサートが該当する。エモート情報は、ユーザに対応するアバターが実行したエモートの種別を示す。エモートとは、アバターの定型的な動作を意味する。エモートには、例えば、ジャンプ、回転、うなだれ、逆立ち等の動作が含まれ得る。
【0021】
第2テーブルTBL2は、UIDと現実空間におけるユーザの活動履歴に関する第2活動履歴情報とを対応付けて記憶する。第2テーブルTBL2は、複数のレコードを含む。図5は、第2テーブルTBL2のデータ構造の一例を示す説明図である。図5に示されるように、第2活動履歴情報は、日時情報、第2位置情報、第2音声情報、第2メッセージ情報、及び第2購買情報を含む。
【0022】
日時情報は各種の情報が生成された日時を示す。第2位置情報は、ユーザの現実空間上の位置を示す。第2音声情報は現実空間におけるユーザの会話の音声と会話の相手とを示す。第2メッセージ情報は現実空間においてユーザ間で送受信されるテキストメッセージの内容とテキストメッセージの宛先を示す。会話の相手及び宛先はUIDで示される。第2購買情報は現実空間においてユーザが購入した物品又はユーザが提供を受けたサービスを示す。サービスには、例えば、マッサージが該当する。
【0023】
上述したように仮想空間には、現実空間に対応しない第1空間と、現実空間に対応する第2空間とが存在する。位置変換テーブルTBL3は、第2空間における第1位置情報と現実空間における第2位置情報とを対応付けて記憶する。従って、処理装置11は、位置変換テーブルTBL3を参照することによって、現実空間上の位置が仮想空間に存在するかを知ることが可能となる。
【0024】
図6は、履歴オブジェクトテーブルTBL4のデータ構造の一例を示す説明図である。図6に示されるように履歴オブジェクトテーブルTBL4は、UID、オブジェクト識別子XID、日時情報、履歴オブジェクトデータ、コンテンツ情報、位置情報、配置情報及び制御情報を対応付けて記憶する。
【0025】
オブジェクト識別子XIDは履歴オブジェクトを一意に識別する識別子である。履歴オブジェクトデータは履歴オブジェクトを示すデータである。履歴オブジェクトは、ユーザの仮想空間又は現実空間の活動に基づいて生成される。履歴オブジェクトの示すコンテンツには複数の種類がある。本実施形態の履歴オブジェクトの示すコンテンツとしては、ミニチュア、写真、ハイライト画像及びハイライト動画がある。なお、コンテンツの種類は、上記4種類に限定されない。また、コンテンツの種類は2種類以上あればよい。コンテンツ情報は、履歴オブジェクトのコンテンツの種類を示す。
【0026】
ミニチュアは、ユーザU[k]が活動した仮想空間又はユーザU[k]が活動した現実空間に対応する仮想空間に配置された1以上の仮想オブジェクトが縮小されて構成される。1以上の仮想オブジェクトは、例えば、仮想空間に配置される1以上の建物が該当する。写真は、ユーザによって撮像される。写真は2次元の画像情報である。ハイライト画像は、所定期間内におけるユーザの仮想空間上の活動において、特徴部分を示す静止画像である。また、ハイライト動画は、所定期間内におけるユーザの仮想空間上の活動において、特徴部分を示す動画である。所定期間は、例えば、ユーザが仮想空間サービスにログインしてからログアウトするまでの期間である。所定期間は、上記期間に限定されず、例えば、1週間であってもよい。
【0027】
ここで、写真のコンテンツは、ユーザU[k]がユーザ装置20-kを操作することを契機に生成される。具体的には、後述する写真情報が、ユーザ装置20-kから仮想空間サーバ10に送信される。写真情報は写真を示す画像情報を含む。また、ミニチュア、ハイライト画像及びハイライト動画の履歴オブジェクトデータは、生成部114によって生成される。
【0028】
位置情報は、ユーザのアバターが履歴オブジェクトに対して所定の操作を行った場合に、アバターの移動先の位置を示す。
【0029】
日時情報は履歴オブジェクトを生成した日時を示す。履歴オブジェクトは個別空間に配置される。配置情報は履歴オブジェクトが配置される個別空間上の位置を示す。配置情報は、仮想空間全体の位置を表すワールド座標系を用いて表現されてもよいし、個別空間内の位置を表すローカル座標系を用いて表現されてもよい。
【0030】
制御情報は履歴オブジェクトに対してアバターが所定の動作を行った場合に、アバターを、後述の決定部117によって決定された位置に移動可能か否かを示す情報である。制御情報は、処理装置11によって設定される場合と、ユーザによって設定される場合がある。例えば、仮想空間上にアクセス可能な期間が限定された特別な空間が設定される場合がある。履歴オブジェクトが、特別な空間上の1以上の仮想オブジェクトが縮小されて構成される場合、処理装置11は、限定された期間に限って、制御情報を移動可能に設定する。また、ユーザは履歴オブジェクトごとにアバターが移動可能か否かを変更できる。履歴オブジェクトが生成された直後の初期状態において、制御情報は移動可能に設定される。その後、ユーザが移動不能に制御情報を変更できる。この場合、処理装置11は通信装置13を介してユーザ装置20-kから変更要求を受信する。変更要求には、UID、XID及び制御情報が含まれる。処理装置11は、変更要求に基づいて、履歴オブジェクトテーブルTBL4を更新する。
【0031】
図7は、動画テーブルTBL5のデータ構造の一例を示す説明図である。図7に示されるように動画テーブルTBL5は、UID、日時情報、及び動画データを対応付けて記憶する。
動画データは、ユーザU[k]が仮想空間サービスにログインしてからログアウトするまで期間において、後述する画像制御部119によって生成された画像情報である。この画像情報は、通信装置13を介してユーザ装置20-kに送信される。日時情報はログイン日時とログアウト日時を示す。後述する生成部114は、動画データに基づいて、ハイライト画像及びハイライト動画を示す履歴オブジェクトデータ生成し、履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納する。
【0032】
図8は、関係情報テーブルTBL6のデータ構造の一例を示す説明図である。関係情報テーブルTBL6は関係情報の一例である。図8に示されるように関係情報テーブルTBL6は、履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類と決定条件と対応付けて記憶する。決定条件とは、履歴オブジェクトに対応付けられた移動先の位置を示す位置情報をどのように決定するかを示す。履歴オブジェクトに対応付けられた移動先の位置とは、当該履歴オブジェクトに対して、所定の操作が、ユーザU[k]のアバターA[k]によってなされた場合、アバターA[k]が移動する位置である。
【0033】
決定条件Cxは、コンテンツの種類がミニチュアである場合の条件である。ミニチュアは仮想空間上の1以上の仮想オブジェクトが縮小されて構成される。決定条件Cxは、例えば、移動先の位置として、1以上の仮想オブジェクトが地面に接する領域の中心位置から所定距離内、且つ、アバターAが着地した場合に危険が無い位置を決定することを示す。例えば、中心位置が車道である場合、中心位置が池である場合、又は中心位置が建物の外壁の中である場合、決定条件Cxによって中心位置からズレた位置がアバターの移動先を示す位置として決定される。移動先の位置は、1以上の仮想オブジェクトが地面に接する領域の中心位置から最も近く、且つ、アバターAが着地した場合に危険が無い位置であってもよい。
【0034】
決定条件Cyは、コンテンツの種類が写真である場合の条件である。決定条件Cxは、例えば、移動先の位置として、写真の撮影位置を決定することを示す。なお、写真が仮想空間において撮影された場合、決定条件Cxは、移動先の位置として、写真を撮影した位置からアバターの後方から前方に向かう方向に所定距離だけ離れた位置を決定することを示してもよい。所定距離は、例えば、3m以上10m未満である。
【0035】
決定条件Cwは、コンテンツの種類がハイライト画像である場合の条件である。決定条件Cwは、例えば、移動先の位置としてハイライト画像が生成されたタイミングにおけるアバターの位置を決定することを示す。ハイライト画像は、動画データのあるフレームの画像である。従って、ハイライト画像が生成されたタイミングとは、ユーザの活動が記録された動画データのあるフレームのタイミングである。
【0036】
決定条件Czは、コンテンツの種類がハイライト動画である場合の条件である。決定条件Czは、例えば、移動先の位置として、ハイライト動画の開始タイミングから終了タイミングまでにユーザに対応するアバターが移動した経路上のいずれかの位置を決定することを示す。
【0037】
図3において、ユーザテーブルTBL7は、UIDと属性情報とを対応付けて記憶する。属性情報は、ユーザの氏名、年齢、住所、及び性別を含む。また、属性情報は、ユーザの友人のUID及びユーザの家族のUIDを含む。友人のUIDは、ユーザ自身が登録したUIDであってもよいし、ユーザが利用するSNS(Social Networking Service)において友人関係にある人物のUIDであってもよい。更に、属性情報は、ユーザが利用するSNSにおいて、ユーザが「いいね」を付与した人物のUIDを含んでもよい。属性情報に記録されたUIDは、後述する判定部113が所定の人物を判定する場合に利用されることがある。
【0038】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。また、通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクター及び無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0039】
表示装置14は、画像を表示するデバイスである。表示装置14は、処理装置11の制御のもとで各種の画像を表示する。
【0040】
入力装置15は、サーバの管理者の操作を受け付ける装置である。入力装置15は、管理者の操作に応じた操作信号を処理装置11に出力する。入力装置15は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによって構成される。
【0041】
以上の構成において、処理装置11は、制御プログラムP1を記憶装置12から読み出す。処理装置11は、読み出した制御プログラムP1を実行することによって、取得部111、分析部112、判定部113、生成部114、配置部115、条件選択部116、決定部117、移動部118、及び画像制御部119として、機能する。
【0042】
取得部111は、通信装置13を介してユーザ装置20-kから送信される送信情報、及び写真情報を取得する。送信情報は、ユーザU[k]のUIDと活動履歴を示す活動履歴情報との組、及びユーザU[k]のUIDとアバターA[k]に対するユーザU[k]の操作を示す操作情報を含む。活動履歴情報は、上述した第1活動履歴情報と第2活動履歴情報とを含む。即ち、取得部111は、ユーザU[k]の活動履歴を示す活動履歴情報を取得する。更に、取得部111は、第1活動履歴情報をユーザU[k]のUIDと対応付けて、第1テーブルTBL1に格納する。取得部111は、第2活動履歴情報をユーザU[k]のUIDと対応付けて、第2テーブルTBL2に格納する。
【0043】
写真情報は、UID、写真が撮影された日時情報、写真の画像情報、及び写真を撮影した仮想空間上の位置を示す第1位置情報又は写真を撮影した現実空間上の位置を示す第2位置情報を含む。取得部111は、写真情報が第2位置情報を含む場合、位置変換テーブルTBL3を参照して、第2位置情報を第1位置情報に変換する。但し、仮想空間に現実空間に対応する位置が存在しない場合、取得部111は、取得した写真情報を破棄してもよい。仮想空間に現実空間に対応する位置が存在しない場合は、アバターの移動先の位置を特定できないからである。
【0044】
取得部111は、写真情報が含む画像情報を履歴オブジェクトデータとして、UID、日時情報、位置情報及び写真を示すコンテンツ情報と対応付けて、履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納する。履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納される位置情報は、写真情報に含まれる第1位置情報又は、写真情報に含まれる第2位置情報が変換された第1位置情報である。
【0045】
例えば、図9に示されるように、ユーザU[k]が仮想空間サービスにログイン中に、ユーザU[k]がユーザ装置20-kを操作することで、フレームFLを表示させる。フレームFLの位置及び大きさは調整可能である。ユーザU[k]は、更にユーザ装置20-kを操作することで、図10に示されるフレームFL内の画像をキャプチャーする。この場合、ユーザ装置20-kから、写真情報として、ユーザU[k]のUID、日時情報、キャプチャー画像を示す画像情報、及びアバターA[k]の位置を示す第1位置情報を含む写真情報が仮想空間サーバ10に送信される。
【0046】
分析部112は、第1テーブルTBL1及び第2テーブルTBL2を参照して、ユーザU[k]の活動履歴を分析する。
【0047】
分析部112は、ユーザU[k]のUIDに対応する時間情報と第1位置情報との組を第1テーブルTBL1から読み出す。分析部112は、読み出された時間情報と第1位置情報とに基づいて、ユーザU[k]が仮想空間上で滞在した場所と滞在時間を算出する。仮想空間上の場所とは、ある面積を有する区域の意味である。例えば、仮想テーマパーク、仮想店舗、仮想オフィス、及び地名などが仮想空間上の場所に該当する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第1条件を判定する場合に用いられる。
【0048】
分析部112は、ユーザU[k]のUIDに対応する時間情報と第2位置情報との組を第2テーブルTBL2から読み出す。分析部112は、位置変換テーブルTBL3を参照して、読み出された第2位置情報に対応する第1位置情報が存在するかを判定する。分析部112は、判定結果が肯定である場合、読み出された時間情報と読み出された第2位置情報に対応する第1位置情報とに基づいて、ユーザU[k]が現実空間で滞在した場所に対応する仮想空間上の場所と滞在時間を算出する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第1条件を判定する場合に用いられる。
【0049】
分析部112は、ユーザU[k]のUIDに対応する第1位置情報と第1音声情報及び第1メッセージ情報との組を第1テーブルTBL1から読み出す。分析部112は、読み出された第1音声情報及び第1メッセージ情報と、に基づいて、ユーザU[k]が抱いた感情を特定する。特定される感情の種類としては、「喜び」、「怒り」、「哀しみ」、「楽しみ」、「平穏」、「ポジティブ」、及び「ネガティブ」を含み得る。分析部112は、ユーザU[k]のUIDに対応する第1位置情報とエモート情報との組を第1テーブルTBL1から読み出す。分析部112は、読み出されたエモート情報に含まれるエモートの種類に応じてユーザU[k]が抱いた感情を特定してもよい。分析部112は、ユーザU[k]が、仮想空間上のどの場所で、どのような感情を抱いたかを特定する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第2条件を判定する場合に用いられる。
【0050】
分析部112は、ユーザU[k]のUIDに対応する第2位置情報と第2音声情報及び第2メッセージ情報との組を第2テーブルTBL2から読み出す。分析部112は、位置変換テーブルTBL3を参照して、読み出された第2位置情報に対応する第1位置情報が存在するかを判定する。分析部112は、判定結果が肯定である場合、読み出された第2音声情報及び第2メッセージ情報と、読み出された第2位置情報に対応する第1位置情報とに基づいて、ユーザU[k]が現実空間の場所に対応する仮想空間上の場所でどのような感情を抱いたかを特定する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第2条件を判定する場合に用いられる。
【0051】
分析部112は、第1テーブルTBL1を参照することによってユーザU[k]と仮想空間上で活動を共にした他のユーザUを特定する。分析部112は、所定時間継続してユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザをユーザU[k]と仮想空間上で活動を共にした他のユーザUとして特定する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第3条件を判定する場合に用いられる。
【0052】
分析部112は、第2テーブルTBL2を参照することによってユーザU[k]と現実空間上で活動を共にした他のユーザUを特定する。分析部112は、所定時間継続してユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザをユーザU[k]と現実空間上で活動を共にした他のユーザUとして特定する。以上の分析結果は、後述する判定部113が第3条件を判定する場合に用いられる。
【0053】
判定部113は、活動履歴情報が示すユーザの活動が、所定条件を充足するかを判定する。
所定条件には、第1条件、第2条件、及び第3条件のうち少なくとも一つである。
【0054】
第1条件は、仮想空間の場所又は現実空間の場所において、ユーザU[k]が所定時間以上、滞在したことである。判定部113は、分析部112によって分析された、ユーザU[k]が仮想空間上で滞在した場所の滞在時間が所定時間以上であるかを判定する。また、判定部113は、分析部112によって分析された、ユーザU[k]が現実空間で滞在した場所に対応する仮想空間上の場所の滞在時間が所定時間以上であるかを判定する。
【0055】
第2条件は、ユーザU[k]が所定の感情を抱いたことである。所定の感情とは、例えば、「喜び」又は「ポジティブ」である。判定部113は、分析部112によって分析された、ユーザU[k]が仮想空間上の場所で抱いた感情が、所定の感情であるかを判定する。判定部113は、分析部112によって分析された、ユーザU[k]が現実空間の場所に対応する仮想空間上の場所で抱いた感情が、所定の感情であるかを判定する。
【0056】
第3条件は、仮想空間又は現実空間におけるユーザU[k]の活動において、所定の人物と一緒に活動したことである。所定の人物とは、例えば、友人、又は家族、又は仮想空間若しくは現実空間においてユーザU[k]と会話した人物が該当する。判定部113は、分析部112によって分析された、所定時間継続して仮想空間上のユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザが、所定の人物であるかを判定する。判定部113は、分析部112によって分析された、所定時間継続して現実空間に対応する仮想空間上のユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザが、所定の人物であるかを判定する。
【0057】
生成部114は、ユーザU[k]の仮想空間又は現実空間における活動に関連する履歴オブジェクトを生成する。
【0058】
一例として、生成部114は、判定部113の判定結果が肯定の場合、ミニチュア、ハイライト画像及びハイライト動画の履歴オブジェクを生成する。より具体的には、生成部114は、判定部113が第1条件を充足すると判定した場合、ユーザU[k]が所定時間以上、仮想空間上で滞在した場所に位置する1以上の仮想オブジェクトを縮小することでミニチュアの履歴オブジェクトを生成する。生成部114は、ユーザU[k]のUIDに対応する動画データを動画テーブルTBL5から読み出す。生成部114は、動画データに基づいて、ユーザU[k]の活動の特徴部分を示すハイライト画像を生成する。生成部114は、動画データに基づいて、ユーザU[k]の活動の特徴部分を示すハイライト動画を生成する。
【0059】
図11は、履歴オブジェクトXの一例を示す図である。図11に示されるように履歴オブジェクトXは、複数の建物を示す1以上の仮想オブジェクトが縮小されたミニチュアである。例えば、ユーザU[k]のアバターA[k]が、図2に示される仮想空間上のビル群に所定時間以上滞在した場合、図10に示される履歴オブジェクトXが生成される。
【0060】
また、生成部114は、第1条件、第2条件、及び第3条件のうち、判定部113によって肯定された判定条件の組み合わせに基づいて、生成する履歴オブジェクトのコンテンツの種類を決定してもよい。例えば、第1条件のみを充足する場合に、ミニチュアの履歴オブジェクトを生成してもよい。また、第1条件と第2条件を充足する場合に、ハイライト動画の履歴オブジェクトとミニチュアの履歴オブジェクトを生成してもよい。更に、第3条件のみを充足する場合に、生成部114はハイライト画像の履歴オブジェクトを生成してもよい。即ち、生成部114は、仮想空間又は現実空間におけるユーザU[k]の活動に基づいて、履歴オブジェクトのコンテンツの種類を決定してもよい。
【0061】
生成部114は、履歴オブジェクトXのコンテンツの種類がハイライト画像又はハイライト動画である場合、動画テーブルTBL5から動画データを読み出す。生成部114は、読み出された動画データに基づいてハイライト画像又はハイライト動画を示す履歴オブジェクトデータを生成する。生成部114は、第1条件を充足する期間、第2条件を充足する期間、及び第3条件を充足する期間のうち少なくとも1つの期間の動画データからハイライト画像又はハイライト動画を示す履歴オブジェクトデータを生成してもよい。
【0062】
また、第1条件、第2条件、及び第3条件のうち、判定部113によって肯定された判定条件の組み合わせに基づいて、生成部114が生成する履歴オブジェクトのコンテンツの種類を決定することがある。この場合、生成部114は、履歴オブジェクトのコンテンツの種類と対応する条件が充足される期間の動画データからハイライト画像又はハイライト動画を示す履歴オブジェクトデータを生成してもよい。
【0063】
更に、生成部114は、履歴オブジェクトデータを、ユーザU[k]のUID、日時情報、コンテンツ情報、及び履歴オブジェクトXに対応する仮想空間上の位置を示す位置情報を対応付けて履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納する。なお、位置情報は後述する決定部117によって決定された決定条件に従って、生成部114が生成する。
【0064】
配置部115は、ユーザU[k]が管理する個別空間に履歴オブジェクトXを配置する。配置するとは、履歴オブジェクトXの個別空間上の位置を決定することを意味する。
【0065】
上述したように履歴オブジェクトXは、ユーザU[k]の活動履歴に基づいて生成される。従って、ユーザU[k]が仮想空間又は現実空間において活動すると、履歴オブジェクトXが順次生成される。配置部115は、生成部114によって履歴オブジェクトXが順次生成された場合、順次生成された複数の履歴オブジェクトXを所定の規則に従って配置する。
【0066】
配置部115は、複数の履歴オブジェクトXを生成された順に基準位置からの距離が短くなる位置関係で個別空間に配置する。また、配置部115は、仮想空間の場所又は現実空間の場所においてユーザU[k]が滞在した時間が長い順に基準位置からの距離が短くなる位置関係で個別空間に複数の履歴オブジェクトXを配置してもよい。更に、配置部115は、ユーザU[k]の活動の種類に応じて個別空間に複数の履歴オブジェクトXを配置してもよい。
【0067】
基準位置は、個別空間内の座標を示す。基準位置は、固定の座標であってもよいし、変動する座標であってもよい。例えば、ユーザU[k]のアバターA[k]が個別空間に位置する場合、基準位置はアバターA[k]の位置であってもよい。
【0068】
図3に示される条件選択部116は、関係情報テーブルTBL6を参照することによって、履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類に応じて、複数の条件の中から決定条件を選択する。コンテンツの種類がミニチュアである場合、条件選択部116は決定条件Cxを選択する。コンテンツの種類が写真である場合、条件選択部116は決定条件Cyを選択する。コンテンツの種類がハイライト画像である場合、条件選択部116は決定条件Cwを選択する。コンテンツの種類がハイライト動画である場合、条件選択部116は決定条件Czを選択する。
【0069】
決定部117は、条件選択部116が選択した決定条件に従って、履歴オブジェクトに対応する仮想空間上の位置を示す位置情報を決定する。
【0070】
移動部118は、履歴オブジェクトに対してアバターAが所定の動作を行う場合、履歴オブジェクトに紐づけられた位置情報が示す位置にアバターAを移動させる。具体的には、移動部118は、取得部111が取得した操作情報に基づいて、仮想オブジェクトに対してアバターAが所定の動作を行ったかを判定する。移動部118は、判定結果が肯定の場合、履歴オブジェクトテーブルTBL4を参照して、履歴オブジェクトのXIDに対応する位置情報を読み出さす。移動部118は、読み出された位置情報が示す位置にアバターAを移動させる。所定の動作とは、例えば、アバターAが仮想オブジェクトにタッチする動作である。
【0071】
画像制御部119は、ユーザ装置20-kにおいて表示すべき画像情報を生成する。ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイ等の3次元画像を表示可能な装置である場合、画像情報は3次元画像を示す。一方、ユーザ装置20-kが3次元画像を表示不能な装置である場合、画像情報は2次元画像を示す。画像制御部119は、ユーザ装置20-kが3次元画像を表示可能であるか否かに応じて、画像情報の種類を切り替える。画像制御部119によって生成された画像情報は、通信装置13を介してユーザ装置20-kに送信される。
【0072】
1.1.3:ユーザ装置の構成
図12は、ユーザ装置20-kの構成例を示すブロック図である。ユーザ装置20-kは、処理装置21、記憶装置22、通信装置23、表示装置24、入力装置25、撮像装置26、マイクロフォン27、スピーカ28及びGPS装置29を備える。ユーザ装置20-kの各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。
【0073】
処理装置21は、ユーザ装置20-kの全体を制御するプロセッサである。また、処理装置21は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置21が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0074】
記憶装置22は、処理装置21による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置22は、処理装置21が実行する制御プログラムP2を含む複数のプログラムを記憶する。また、記憶装置22は、処理装置21のワークエリアとして機能する。
【0075】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インターフェースを備えていてもよい。
【0076】
表示装置24は、画像を表示するデバイスである。表示装置24は、処理装置21の制御のもとで各種の画像を表示する。ユーザ装置20-kがヘッドマウントディスプレイである場合、表示装置24は、左目用のディスプレイと右目用のディスプレイとを備える。2個のディスプレイに視差に応じた異なる画像が表示されることによって、ユーザU[k]は、3次元の画像を認識できる。
【0077】
入力装置25は、ユーザU[k]の操作を受け付ける装置である。入力装置25は、ユーザU[k]の操作に応じた操作信号を処理装置21に出力する。入力装置25は、例えば、タッチパネルによって構成される。また、入力装置25は、後述の撮像装置26を含んでもよい。入力装置25が撮像装置26を含む場合、入力装置25は撮像装置26によって撮像された画像に基づいて、ユーザU[k]のジェスチャーを検出し、検出されたジェスチャーを示す操作信号を処理装置21に出力する。
【0078】
撮像装置26は、外界を撮像して得られた撮像データを出力する。また、撮像装置26は、例えば、レンズ、撮像素子、増幅器、及びAD変換器を備える。レンズを介して集光された光は、撮像素子がアナログ信号である撮像信号に変換する。増幅器は撮像信号を増幅した上でAD変換器に出力する。AD変換器はアナログ信号である増幅された撮像信号をデジタル信号である撮像データに変換する。変換された撮像データは、処理装置21に出力される。処理装置21に出力された撮像データは、通信装置23を介して、処理装置11に出力される。
【0079】
マイクロフォン27は音を電気信号に変換するデバイスである。マイクロフォン27はDA変換装置を備える。マイクロフォン27は、ユーザU[k]の発話に基づく音を音声信号に変換し、DA変換装置を用いて音声信号を音声データに変換する。音声データは処理装置21に出力される。
【0080】
スピーカ28は、電気信号を音に変換するデバイスである。スピーカ28はAD変換装置を備える。処理装置21から出力される音データは、AD変換装置によって音信号に変換される。スピーカ28は、入力される音信号を音に変換して、音を放音する。スピーカ28は、イヤホンに内蔵されてもよい。
【0081】
GPS装置29は、GPS衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に基づいて、ユーザ装置20-kの位置を示す位置データを生成する。生成された位置データは、処理装置11に出力される。
【0082】
1.2:仮想空間サーバ10の動作
以下、履歴オブジェクトに関する仮想空間サーバ10の動作を説明する。
【0083】
図13は、履歴オブジェクト生成時における仮想空間サーバ10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図13に示されるステップS10において、処理装置11は、通信装置13を介してユーザ装置20-kから活動履歴情報を取得する。
【0085】
ステップS11において、処理装置11は、通信装置13を介してユーザ装置20-kから仮想空間を撮像した写真を示す写真情報を取得したかを判定する。
【0086】
ステップS11の判定結果が肯定である場合、処理装置11は処理をステップS21に進める。ステップS11の判定結果が否定である場合、処理装置11は処理をステップS12に進める。
【0087】
ステップS12において、処理装置11は、通信装置13を介してユーザ装置20-kから現実空間を撮像した写真を示す写真情報を取得したかを判定する。
【0088】
ステップS12の判定結果が否定である場合、処理装置11は処理をステップS13に進める。ステップS13において、処理装置11は、ステップS10で取得した活動履歴情報が第1活動履歴情報であるか否かを判定する。ステップS11の判定結果が肯定である場合、処理装置11は処理をステップS14に進める。
【0089】
ステップS14において、処理装置11は、第1テーブルTBL1を更新する。この更新において、処理装置11は、ステップS10で取得した第1活動履歴情報をユーザU[k]のUIDと対応付けて第1テーブルTBL1に格納する。
【0090】
ステップS15において、処理装置11は、第1活動履歴情報を分析する。この分析において、処理装置11は、第1条件に関連する第1分析処理と、第2条件に関連する第2分析処理と、第3条件に関連する第3分析処理とを実行する。
【0091】
処理装置11は、第1分析処理において、第1活動履歴情報に含まれる時間情報と第1位置情報とに基づいて、ユーザU[k]が仮想空間において滞在した場所と滞在時間を算出する。
【0092】
処理装置11は、第2分析処理において、第1活動履歴情報に含まれる第1位置情報、第1音声情報、第1メッセージ情報、又はエモート情報に基づいて、ユーザU[k]が抱いた感情と感情を抱いた場所とを特定する。
【0093】
処理装置11は、第1音声情報が示す音声をテキストに変換し、変換されたテキストに形態要素分析を施して、分析結果に基づいて音声に含まれる感情を特定してもよい。更に、処理装置11は、第1音声情報が示す音声のイントネーションを分析し、イントネーションの分析結果と形態要素の分析結果とに基づいてユーザU[k]が抱いた感情を特定してもよい。
【0094】
処理装置11は、第1メッセージ情報が示すメッセージに形態要素分析を施して、分析結果に基づいてメッセージに含まれる感情を特定してもよい。
【0095】
処理装置11は、エモート情報に含まれるエモートの種類に応じてユーザU[k]が抱いた感情を特定してもよい。例えば、エモート情報がジャンプを示す場合、処理装置11は、ユーザU[k]の抱いた感情が喜びであると分析してもよい。
【0096】
処理装置11は、第1位置情報に基づいて、ユーザU[k]が感情を抱いた仮想空間上の場所を特定する。
【0097】
処理装置11は、第3分析処理において、第1テーブルTBL1を参照することによってユーザU[k]と仮想空間において活動を共にした他のユーザUを特定する。処理装置11は、所定時間継続してユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザをユーザU[k]と仮想空間において活動を共にした他のユーザUとして特定する。処理装置11は、ステップS15の処理が終了すると、処理をステップS19に進める。
【0098】
ステップS12の判定結果が肯定である場合、又はステップS13の判定結果が否定である場合、処理装置11は処理をステップS16に進める。ステップS16において、処理装置11は、第2テーブルTBL2を更新する。この更新において、処理装置11は、ステップS10で取得した第2活動履歴情報をユーザU[k]のUIDと対応付けて第2テーブルTBL2に格納する。
【0099】
ステップS17において、処理装置11は、第2活動履歴情報に含まれる第2位置情報が示す現実空間においてユーザU[k]が活動した場所に対応する仮想空間上の場所が存在するかを判定する。具体的には、処理装置11は、位置変換テーブルTBL3を参照して、第2位置情報に対応する第1位置情報が存在するかを判定する。また、処理装置11は、第2位置情報に対応する第1位置情報が存在する場合、変換された第1位置情報を用いて、後述するステップS22及びステップS23の処理を実行する。
【0100】
ステップS17の判定結果が肯定である場合、処理装置11は、処理をステップS18に進める。一方、ステップS17の判定結果が肯定である場合、現実空間におけるユーザU[k]の活動した場所に対応する仮想空間上の場所が存在しない。この場合、履歴オブジェクトXを生成することができないので、処理装置11は、処理を終了する。ステップS17の判定処理をステップS18より前に実行することによって、処理装置11の処理負荷を削減できる。
【0101】
ステップS18において、処理装置11は第2活動情報を分析する。この分析において、処理装置11は、ステップS15と同様に、第1条件に関連する第1分析処理と、第2条件に関連する第2分析処理と、第3条件に関連する第3分析処理とを実行する。
【0102】
処理装置11は、第1分析処理において、第2活動履歴情報に含まれる時間情報と変換された第1位置情報とに基づいて、ユーザU[k]が現実空間において滞在した場所に対応する仮想空間上の場所と滞在時間を算出する。
【0103】
処理装置11は、第2分析処理において、第2活動履歴情報に含まれる第2音声情報又は第2メッセージ情報に基づいて、ユーザU[k]が抱いた感情を特定する。第2音声情報又は第2メッセージ情報に基づく感情の分析方法は、ステップS15で説明した第1音声情報又は第1メッセージ情報に基づく感情の分析方法と同様である。
【0104】
処理装置11は、第3分析処理において、第2テーブルTBL2を参照することによってユーザU[k]と現実空間において活動を共にした他のユーザUを特定する。処理装置11は、所定時間継続してユーザU[k]の位置から所定範囲に位置するユーザを、ユーザU[k]と現実空間において活動を共にした他のユーザUとして特定する。処理装置11は、ステップS18の処理が終了すると、処理をステップS19に進める。
【0105】
ステップS19において、処理装置11は、第1条件、第2条件又は第3条件を充足したか否かを判定する。具体的には、処理装置11は、第1条件の判定においてステップS15の第1分析処理で得られた仮想空間上の滞在した場所における滞在時間が所定時間以上であるかを判定する。また、処理装置11は、第1条件の判定においてステップS18の第1分析処理で得られた現実空間に仮想空間上の滞在した場所における滞在時間が所定時間以上であるかを判定する。この滞在時間は、ユーザU[k]が現実空間において滞在した場所に対応する仮想空間上の場所における滞在時間である。
【0106】
処理装置11は、第2条件の判定において、ステップS15の第2分析処理で得られた仮想空間においてユーザU[k]が抱いた感情が所定の感情であるかを判定する。また、処理装置11は、第2条件の判定においてステップS18の第2分析処理で得られた現実空間上においてユーザU[k]が抱いた感情が所定の感情であるかを判定する。
【0107】
処理装置11は、第3条件の判定においてステップS15の第3分析処理で得られたユーザU[k]と仮想空間上で活動を共にした他のユーザUが所定の人物であるかを判定する。所定のユーザは、例えば、友人又は家族である。処理装置11は、ユーザテーブルTBL7からユーザU[k]のUIDに対応する属性情報を読み出し、読み出された属性情報に基づいて、他のユーザUが所定の人物であるかを判定する。また、処理装置11は、ステップS18の第3分析処理で得られたユーザU[k]と現実空間において活動を共にした他のユーザUが所定の人物であるかを判定する。
【0108】
ステップS19の判定結果が否定である場合、処理装置11は、処理を終了する。一方、ステップS19の判定結果が肯定である場合、処理装置11は、処理をステップS20に進める。
【0109】
ステップS20において、処理装置11は、コンテンツの種類を決定する。処理装置11は、決定したコンテンツの種類を示すコンテンツ情報を生成する。具体的には、処理装置11は、仮想空間において撮影された写真情報を取得して、ステップS11の判定結果が肯定となる場合、履歴オブジェクトのコンテンツの種類を写真に決定する。また、処理装置11は、現実空間において撮影された写真情報を取得し、且つ、写真を撮影した位置が仮想空間に存在する場合、履歴オブジェクトのコンテンツの種類を写真に決定する。
【0110】
更に、処理装置11は、第1条件、第2条件、及び第3条件のうち、ステップS19の判定処理において、肯定された判定条件の組み合わせに基づいて、生成する履歴オブジェクトのコンテンツの種類を決定する。
【0111】
ステップS21において、処理装置11は、関係情報テーブルTBL6を参照することによって、履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類に応じて、複数の条件の中から決定条件を選択する。処理装置11は、コンテンツの種類がミニチュアである場合、決定条件Cxを選択する。処理装置11は、コンテンツの種類が写真である場合、決定条件Cyを選択する。処理装置11は、コンテンツの種類がハイライト画像である場合、決定条件Cwを選択する。処理装置11は、コンテンツの種類がハイライト動画である場合、決定条件Czを選択する。
【0112】
ステップS21において、処理装置11は、ステップS20で決定された種類のコンテンツを示す履歴オブジェクトデータを生成する。処理装置11は、ステップS21で選択された決定条件に従って、アバターの移動先の位置を示す位置情報を生成する。また、処理装置11は、生成された履歴オブジェクトデータ、生成された位置情報、ステップS20で生成されたコンテンツ情報、及び日時情報を、UID及びXIDと対応付けて、履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納する。
【0113】
ステップS23において、処理装置11は、例えば、以下の処理を実行することによって、配置情報を生成する。処理装置11は、履歴オブジェクトテーブルTBL4に記憶されているユーザU[k]のUIDに対応するレコードを全て抽出する。処理装置11は、抽出されたレコードの日時情報に基づいて、複数の履歴オブジェクトXを生成された順に基準位置からの距離が短くなる位置関係で個別空間に配置する。
【0114】
例えば、以下の条件1から条件4を想定する。
条件1:基準位置は個別空間の床面の中央であり、基準位置の座標は(x、y、z)=(100、100、0)である。
条件2:複数の履歴オブジェクトXとして、履歴オブジェクトX1、履歴オブジェクトX2、及び履歴オブジェクトX3が抽出された。
条件3:履歴オブジェクトX1、履歴オブジェクトX2、及び履歴オブジェクトX3の大きさは、1辺の長さが「10」の立方体である。
条件4:履歴オブジェクトX1の日時情報はt1、履歴オブジェクトX2の日時情報はt2、履歴オブジェクトX1の日時情報はt3である。t1はt2よりも前の日時であり、t2はt3よりも前に日時である。
【0115】
この場合、処理装置11は、例えば、履歴オブジェクトX1の配置情報として(100、100、5)、履歴オブジェクトX2の配置情報として(100、100、15)、履歴オブジェクトX3の配置情報として(100、100、25)を生成する。処理装置11は、生成した履歴オブジェクトX1の配置情報、履歴オブジェクトX2の配置情報、及び履歴オブジェクトX3の配置情報を履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納する。なお、履歴オブジェクトX1~X3の配置情報は、各履歴オブジェクトX1~X3の中心の座標を示す。
【0116】
図14に履歴オブジェクトX1~X3を配置した個別空間の一例を示す。図14に示される例では、基準位置Pref(100、100、0)からZ軸方向に履歴オブジェクトX1~X3が配置される。なお、図14に示される履歴オブジェクトX1~X3のコンテンツの種類はミニチュアである。
【0117】
処理装置11は、抽出されたレコードに対応する複数の履歴オブジェクトXが、第1条件を充足することで生成された履歴オブジェクトXである場合、履歴オブジェクトXに対応する場所に滞在した時間が長い順に基準位置からの距離が短くなる位置関係で個別空間に複数の履歴オブジェクトXを配置してもよい。例えば、履歴オブジェクトX1に対応する場所に滞在した時間が30分であり、履歴オブジェクトX2に対応する場所に滞在した時間が2時間であり、履歴オブジェクトX3に対応する場所に滞在した時間が1時間である場合を想定する。また、基準位置は、個別空間のアバターAの位置であるとする。この場合、履歴オブジェクトX1~X3が配置された個別空間は、例えば、図15に示される。
【0118】
以上の処理において、処理装置11は、ステップS10~ステップS14、及びステップS150において、取得部111として機能する。処理装置11は、ステップS15及びステップS18において、分析部112として機能する。処理装置11は、ステップS17及びステップS19において、判定部113として機能する。また、処理装置11は、ステップS20、ステップS22において、生成部114として機能する。処理装置11は、ステップS21において、条件選択部116として機能する。処理装置11は、ステップS22において配置部115として機能する。
【0119】
1.3:実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、仮想空間サーバ10は、生成部114と、条件選択部116と、決定部117と、移動部118と、を備える。生成部114は、ユーザU[k]の仮想空間又は現実空間における活動に関連する履歴オブジェクトを生成する。条件選択部116は、仮想空間上の位置を示す位置情報を生成するための複数の条件と履歴オブジェクトの示すコンテンツの種類との対応関係を定めた関係情報テーブルTBL6を参照することによって、履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、複数の条件の中から一つの条件を選択する。決定部117は、条件選択部116によって選択された一の条件に従って、履歴オブジェクトに対応する仮想空間上の位置を示す位置情報を決定する。移動部118は、履歴オブジェクトに対して、所定の操作がアバターA[k]によってなされた場合、位置情報が示す位置に、アバターA[k]を移動する。
【0120】
仮想空間サーバ10は、以上の構成を備えるので、履歴オブジェクトに対して所定の操作がなされた場合、履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、ユーザに対応するアバターの移動先の位置を決定する条件を変更できる。また、コンテンツの種類に応じたアバターA[k]の移動先の位置を変更したい場合には、条件選択部116が参照する関係情報テーブルTBL6を更新するのみで良いので、作業コストが抑制される。
【0121】
履歴オブジェクトのコンテンツの種類は、写真、仮想空間上の1以上の仮想オブジェクトを縮小したミニチュア、ユーザの活動の特徴部分を示すハイライト画像、及びユーザの活動の特徴部分を示すハイライト動画のうち、少なくとも1つを含む。履歴オブジェクトは複数種類のコンテンツに対応するので、ユーザは多様な形態で思い出を仮想空間に残すことができる。
【0122】
履歴オブジェクトのコンテンツには、写真が含まれ、関係情報テーブルTBL6は、コンテンツの種類が写真である場合、位置情報が示す位置として写真の撮影位置を示す。これにより、履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、写真の撮影位置にアバターを移動することができる。よって、ユーザは、単に写真をみるだけでなく仮想空間上の撮影位置に移動できるので、容易に過去の出来事を振り返ることができる。
【0123】
履歴オブジェクトのコンテンツには、ミニチュアが含まれ、関係情報テーブルTBL6は、コンテンツの種類がミニチュアである場合、前記位置情報が示す位置として、前記1以上の仮想オブジェクトが地面に接する領域の中心位置から所定距離内、且つ、アバターが移動した場合に危険が無い位置を示す。これにより、中心位置が川又は車両が通行する道路であっても、アバターに危険が無い位置が設定される。よって、アバターが移動しても移動先の環境に不都合は無い。
【0124】
履歴オブジェクトのコンテンツには、ハイライト画像が含まれ、関係情報テーブルTBL6は、コンテンツの種類がハイライト画像である場合、位置情報が示す位置として、ハイライト画像が生成されたタイミングにおいてユーザに対応するアバターの位置を示す。ハイライト画像は、ユーザの活動の特徴部分を示すので、ハイライト画像が生成されたタイミングは、ユーザにとって印象深いタイミングである。履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、ユーザにとって印象深い場所に移動できるので、ユーザは容易に過去の出来事を振り返ることができる。
【0125】
履歴オブジェクトのコンテンツには、ハイライト動画が含まれ、関係情報テーブルTBL6は、コンテンツの種類がハイライト動画である場合、位置情報が示す位置として、ハイライト動画の開始タイミングから終了タイミングまでにユーザに対応するアバターが移動した経路上のいずれかの位置を示す。ハイライト動画は、ユーザの活動の特徴部分を示すので、ハイライト動画の開始タイミングから終了タイミングまでの期間は、ユーザにとって印象深い体験をした期間である。履歴オブジェクトに対して所定の操作がアバターによってなされた場合、ユーザにとって印象深い場所に移動できるので、ユーザは容易に過去の出来事を振り返ることができる。
【0126】
2.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0127】
2.1:変形例1
上述した実施形態は、アバターの移動先を示す位置情報が、履歴オブジェクトデータと共に生成されたが、本開示はこれに限定されない。履歴オブジェクトに対して、所定の操作がアバターA[k]によってなされたこと契機として、条件選択部116は、履歴オブジェクトのコンテンツの種類に応じて、複数の条件の中から一つの条件を選択し、決定部117は、条件選択部116によって選択された一の条件に従って、履歴オブジェクトに対応する仮想空間上の位置を示す位置情報を決定してもよい。更に、決定部117は、位置情報を履歴オブジェクトテーブルTBL4に格納してもよい。
【0128】
2.2:変形例2
上述した実施形態において、配置部115は、複数の履歴オブジェクトXを時系列順、又は滞在時間順に配置したが、本開示はこれに限定さない。配置部115は、例えば、複数の履歴オブジェクトの仮想空間における位置関係を保持して、複数の履歴オブジェクトXを個別空間に配置してもよい。
【0129】
2.3:変形例3
上述した実施形態において、配置部115は、複数の履歴オブジェクトXを所定の規則に従って複数のカテゴリーに分類し、同じカテゴリーに属する履歴オブジェクトXを、他のカテゴリーに属する履歴オブジェクトXよりも近くに配置してもよい。カテゴリーとしては、例えば、「友人との思い出」、及び「知的体験の思い出」等が該当する。また、履歴オブジェクトのコンテンツの種類をカテゴリーとしてもよい。この場合は、写真又は、ミニチュアといったカテゴリーで分類されるので、個別空間が整理される。
【0130】
2.4:変形例4
上述した実施形態において、判定部113は、第3条件の所定の人物は、ユーザU[k]の友人又はユーザU[k]の家族であったが、本開示はこれに限定されない。所定の人物は、ユーザU[k]が指定する人物であれば、どのような人物であってもよい。取得部111は、ユーザU[k]が指定する人物を示す指定情報を、通信装置を介してユーザ装置20-kから取得してもよい。判定部113は、取得された指定情報を用いて、所定の人物を判定すればよい。なお、指定情報は、いわゆるフレンド登録に関する情報であってもよい。
【0131】
第3条件の所定の人物は、仮想空間又は現実空間において、ユーザ装置20-kを用いてユーザU[k]が所定回数以上、会話した人物であってもよい。この場合、判定部113は、活動履歴情報に含まれる第1音声情報及び第2音声情報の宛先に基づいて、ユーザU[k]が所定回数以上、会話した人物を特定してもよい。また、第3条件の所定の人物は、仮想空間又は現実空間において、ユーザ装置20-kを用いてユーザU[k]が所定回数以上、メッセージを送信又は受信した人物であってもよい。この場合、判定部113は、活動履歴情報に含まれる第1メッセージ情報及び第2メッセージ情報の宛先に基づいて、ユーザU[k]が所定回数以上、メッセージを送信又は受信した人物を特定してもよい。
【0132】
第3条件の所定の人物は、仮想空間又は現実空間において、ユーザU[k]と所定の近さで活動を共にした人物であってもよい。
【0133】
第3条件の所定の人物は、仮想空間において、所定回数以上、ユーザU[k]と同時にエモートを行った人物であってもよい。判定部113は、第1テーブルTBL1に格納される日時情報及びエモート情報に基づいて、所定の人物を特定してもよい。
【0134】
3:その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12及び記憶装置22は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NWから送信されてもよい。
【0135】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上述した説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0136】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0137】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0138】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0139】
(6)図1から図15までに例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0140】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0141】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0142】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0143】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0144】
(10)上述した実施形態において、ユーザ装置20-1~20-jは、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0145】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことが可能となる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることが可能となる。
【0146】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0147】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0148】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0149】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0150】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0151】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0152】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0153】
1…仮想空間システム、10…仮想空間サーバ、11…処理装置、12…記憶装置、13…通信装置、14…表示装置、15…入力装置、20…ユーザ装置、21…処理装置、22…記憶装置、23…通信装置、24…表示装置、25…入力装置、26…撮像装置、27…マイクロフォン、28…スピーカ、29…GPS装置、111…取得部、112…分析部、113…判定部、114…生成部、115…配置部、116…条件選択部、117…決定部、118…移動部、119…画像制御部、X…履歴オブジェクト、TBL1…第1テーブル、TBL2…第2テーブル、TBL3…位置変換テーブル、TBL4…履歴オブジェクトテーブル、TBL5…動画テーブル、TBL6……関係情報テーブル、TBL7…ユーザテーブル。
図1
図2
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図8
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図10
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