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特開2024-177871容器、循環流路体付き容器、温度調節装置及び温度調節用セット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177871
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】容器、循環流路体付き容器、温度調節装置及び温度調節用セット
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A41D13/005 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096254
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 享亮
(72)【発明者】
【氏名】寺戸 章人
(72)【発明者】
【氏名】大久保 祐甫
(72)【発明者】
【氏名】田口 将隆
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AB01
3B211AC01
(57)【要約】
【課題】容器に対する第1温度調節体の出し入れの際に流体が容器から出るリスクを低減することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に基づく容器は、外装と、第1仕切り部と、流入口と、流出口と、出入口とを備える。外装は、流体と、流体の温度を調節する第1温度調節体とが収容される収容空間を有する。第1仕切り部は、収容空間に、流体が収容される第1収容空間と、第1温度調節体が収容される第2収容空間とを区分する。流入口は、流体を循環させるための循環流路体から流体が第1収容空間に流入するためのものである。流出口は、第1収容空間から流体が循環流路体に流出するためのものである。出入口は、第2収容空間に対して第1温度調節体を出し入れするためのものである。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体と、前記流体の温度を調節する第1温度調節体とが収容される収容空間を有する外装と、
前記収容空間に、前記流体が収容される第1収容空間と、前記第1温度調節体が収容される第2収容空間とを区分する第1仕切り部と、
前記流体を循環させるための循環流路体から前記流体が前記第1収容空間に流入するための流入口と、
前記第1収容空間から前記流体が前記循環流路体に流出するための流出口と、
前記第2収容空間に対して前記第1温度調節体を出し入れするための出入口と
を備える、容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
前記出入口を開閉することが可能な開閉部をさらに備える、容器。
【請求項3】
請求項2に記載の容器であって、
前記開閉部は、線ファスナーである、容器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第1仕切り部は、前記第1温度調節体と面接触する、容器。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第1仕切り部は、少なくとも前記第1温度調節体の端部及び中央部と接触する、容器。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第1収容空間は、前記第1温度調節体をらせん状に取り囲む内部流路を有する、容器。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第1収容空間は、
前記流体が流入する第3収容空間と、
前記第3収容空間と繋がり、前記第3収容空間から前記流体が流入する第4収容空間と
を有し、
前記第3収容空間及び前記第4収容空間は前記第2収容空間を挟む、容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器であって、
前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、
前記外装は平袋状であって、
前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記第3収容空間及び前記第4収容空間は前記第2収容空間よりも横側または下側で繋がっている、容器。
【請求項9】
請求項7に記載の容器であって、
前記第3収容空間は、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と有し、
前記第4収容空間は、前記第2端部と繋がる第3端部と、前記第3端部とは反対側の第4端部とを有し、
前記流体は、
前記第3収容空間において前記第1端部から前記第2端部に向かって流れ、
前記第4収容空間において前記第3端部から前記第4端部に向かって流れる、容器。
【請求項10】
請求項7に記載の容器であって、
前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、
前記第4収容空間は、前記第3収容空間よりも、前記衣服を着ける人の側に位置する、容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器であって、
前記流体は、前記流入口から前記第3収容空間に流入し、前記第3収容空間を流れて前記第4収容空間に流入し、前記第4収容空間を流れて前記流出口から流出する、容器。
【請求項12】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されている、容器。
【請求項13】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記第1仕切り部の前記第1収容空間側の面の一部は、前記外装の内面に接続されている、容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器であって、
前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されており、
前記第1仕切り部の前記第1収容空間側の前記面は、前記第5収容空間と前記第6収容空間とを仕切る第2仕切り部上で、前記外装の前記内面に接続されている、容器。
【請求項15】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記外装は平袋状であって、
前記外装は、前記外装の外周縁に、前記外装を折り曲げ可能とするための対となる第1切り欠き部及び第2切り欠き部を有する、容器。
【請求項16】
請求項15に記載の容器であって、
前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されており、
前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部は、前記第5収容空間と前記第6収容空間とを仕切る第2仕切り部上で前記外装が折り曲るように、前記外装の前記外周縁に位置する、容器。
【請求項17】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、
前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とした場合、前記出入口は、前記流入口よりも上側に位置する、容器。
【請求項18】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記外装は平袋状であって、
前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、
前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記流入口及び前記流出口は、前記容器の横側に向かって開口している、容器。
【請求項19】
請求項18に記載の容器であって、
前記流入口は、前記容器の前記横方向の一方側に位置し、
前記流出口は、前記容器の前記横方向の他方側に位置する、容器。
【請求項20】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記外装は平袋状であって、
前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記循環流路体の前記容器に対する着脱方向は、前記横方向に沿った方向である、容器。
【請求項21】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記外装は平袋状であって、
前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記循環流路体は、前記容器から前記横方向に沿って引き出される、容器。
【請求項22】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器であって、
前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、
前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とした場合、前記第1仕切り部は、前記流出口より上側に位置する、容器。
【請求項23】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器と、
前記容器が収容する前記流体を循環させるための循環流路体と
を備える、循環流路体付き容器。
【請求項24】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器と、
前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体と
を備える、温度調節装置。
【請求項25】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の容器と、
前記容器が収容する前記流体を循環させるための循環流路体と
前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体と
を備える、温度調節装置。
【請求項26】
請求項23に記載の循環流路体付き容器と、
前記循環流路体付き容器が備える前記循環流路体が取り着けられる、人と接触する接触体と、
を備える、温度調節用セット。
【請求項27】
請求項26に記載の温度調節用セットであって、
前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体をさらに備える、温度調節用セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作業服に冷却通路を形成し、その冷却通路に水等の流体を流すことによってその作業着を着た人の暑さを軽減する水冷服に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、貯留部に凍らせたペットボトルを入れ、その凍らせたペットボトルにより冷却された流体が、貯留部から衣服内側に這わされたチューブを流通することによって、人体を冷却することが可能な冷却衣服が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-21957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷却衣服は、流体が入った貯留部に対して、凍らせたペットボトルを直接出し入れする構成になっているが、これらの構成に関しては更なる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に基づく容器は、外装と、第1仕切り部と、流入口と、流出口と、出入口とを備える。外装は、流体と、流体の温度を調節する第1温度調節体とが収容される収容空間を有する。第1仕切り部は、収容空間に、流体が収容される第1収容空間と、第1温度調節体が収容される第2収容空間とを区分する。流入口は、流体を循環させるための循環流路体から流体が第1収容空間に流入するためのものである。流出口は、第1収容空間から流体が循環流路体に流出するためのものである。出入口は、第2収容空間に対して第1温度調節体を出し入れするためのものである。
【発明の効果】
【0006】
第2収容空間に対する第1温度調節体の出し入れの際に流体が容器から出るリスクが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】温度調節用セットの一例を示す概略図である。
図2】温度調節用セットの一例を示す概略図である。
図3】温度調節用セットが人に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
図4】温度調節装置、バッテリ及びポンプの一例を示す概略図である。
図5】温度調節体が出入口から容器に収容される様子の一例を示す概略図である。
図6】容器の一例を示す概略図である。
図7】容器の一例を示す概略図である。
図8】容器の一例を示す概略図である。
図9】容器を構成する2つのシート部材の一例を示す概略図である。
図10】一方のシート部材が他方のシート部材に重ねられている様子の一例を示す概略図である。
図11】一方のシート部材と他方のシート部材との接合箇所の一例を示す概略図である。
図12】他方のシート部材の接合箇所の一例を示す概略図である。
図13】温度調節体の表側の面における仕切り部と接触する接触領域の一例を示す概略図である。
図14】温度調節体の裏側の面における仕切り部と接触する接触領域の一例を示す概略図である。
図15】容器の一例を示す概略図である。
図16】容器の一例を示す概略図である。
図17】容器の一例を示す概略図である。
図18】容器の一例を示す概略図である。
図19】容器の一例を示す概略図である。
図20】容器の一例を示す概略図である。
図21】内部流路の一例を示す概略図である。
図22】容器の一例を示す概略図である。
図23】容器の一例を示す概略図である。
図24】容器の一例を示す概略図である。
図25】容器の一例を示す概略図である。
図26】容器の一例を示す概略図である。
図27】容器の一例を示す概略図である。
図28】容器の一例を示す概略図である。
図29】容器の一例を示す概略図である。
図30】容器の一例を示す概略図である。
図31】容器の一例を示す概略図である。
図32】容器の一例を示す概略図である。
図33】容器の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の容器、循環流路体付き容器、温度調節用装置及び温度調節用セットについて、それぞれ図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、各実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本開示の容器等は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0009】
図1及び図2は温度調節用セット1の一例を示す概略図である。温度調節用セット1は、例えば、人の温度を調節することが可能である。温度調節用セット1は、例えば、人(言い換えれば人体)を冷却して当該人の温度を調節することが可能である。温度調節用セット1は、例えば、伝熱用セットまたは伝熱システムともいえる。また、人100を冷却する温度調節用セット1は、冷却用セットまたは冷却システムともいえる。温度調節用セット1は、例えば、人に取り付けられる。図3は温度調節用セット1が人100に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
【0010】
図1~3に示されるように、温度調節用セット1は、例えば、人100に接触する接触体2と、温度調節装置3とを備える。また、温度調節用セット1は、例えば、バッテリ8及びポンプ9(図1参照)を備える。
【0011】
接触体2は例えば衣服である。接触体2として衣服(衣服2ともいう)は、上衣であってもよいし、ズボンであってもよい。図1~3の例では、衣服は、ベストであるが、ベスト以外の衣服であってもよい。図2には、図1に示される衣服2を反対側から見た様子が示されている。
【0012】
図4は、温度調節装置3、バッテリ8及びポンプ9の一例を示す概略図である。温度調節装置3は、例えば、人100の温度を調節することが可能である。温度調節装置3は、例えば、人100(言い換えれば人体)を冷却して当該人100の温度を調節することが可能である。温度調節装置3は、例えば伝熱装置であるともいえる。また、人100を冷却する温度調節装置3は、冷却装置であるともいえる。温度調節装置3は例えば衣服2に設けられる。
【0013】
温度調節装置3は、例えば、容器4と、容器4に収容される流体7及び温度調節体6と、流体7を循環させるための循環流路体5とを備える。容器4及び循環流路体5は例えば衣服2に設けられる。
【0014】
循環流路体5は、例えば、細長い部材であって、その内部に流体7が流れる流路(循環流路ともいう)を備える。循環流路体5は、例えば、図1~4に示されるようにチューブであってもよいし、他の形状の部材であってもよい。循環流路体5の両端は容器4に接続されている。
【0015】
循環流路体5は、図1~3に示されるように、例えば、衣服2に取り付けられる。具体的には、循環流路体5は、例えば、衣服2の内側の面(言い換えれば、人100側の面)に取り付けられる。循環流路体5は、例えば、衣服2の後ろ身頃20の内側の面と、衣服2の前身頃25の内側の面とに、蛇行するように取り付けられる。なお、循環流路体5が取り付けられる場所は図1~3の例に限られない。また、衣服2に取り付けられた循環流路体5の形状は図1~3の例に限られない。
【0016】
流体7は例えば液体である。流体7としての液体は、例えば、水であってもよいし、塩水であってもよい。
【0017】
温度調節体6は、流体7の温度を調節することが可能である。温度調節体6は、例えば、流体7を冷却して流体7の温度を調節することが可能である。温度調節体6は、例えば、ハードタイプの板状の保冷剤である。温度調節体6は、例えば、冷蔵庫等で冷やされた後に使用される。
【0018】
なお、温度調節体6は上記の例に限られない。例えば、温度調節体6は、棒状のハードタイプの保冷剤であってもよいし、ソフトタイプの平たい保冷剤であってもよいし、氷であってもよし、凍らせたペットボトルであってもよい。
【0019】
容器4は、例えば、平袋状の外装40を備える。流体7及び温度調節体6は外装40内に収容される。外装40の平面視外形は例えば略四角形である。
【0020】
容器4は、容器4に対して温度調節体6を出し入れするための出入口480を備える。例えば、出入口480は外装40に外周縁495に設けられている。本例では、外周縁495が部分的に開口しており、その開口している部分が出入口480を構成している。温度調節体6は、図5に示されるように、出入口480から容器4に入れられて収容される。容器4内の温度調節体6は、容器4内の流体7を冷却する。温度調節体6は、その厚み方向が、外装40の厚み方向に沿うように外装40内に収容される。
【0021】
なお、図5では、接続部491及び492の記載が省略されている。また、以下に説明する、容器4が示される図においては、図5と同様に、接続部491及び492の記載が省略されている。
【0022】
容器4は、図4に示されるように、循環流路体5から流体7が外装40内に流入するための流入口481と、外装40から流体7が循環流路体5に流出するための流出口482とを備える。循環流路体5内の流体7は流入口481を通って外装40内に流入する。外装40内の流体7は、流出口482を通って循環流路体5に流出する。
【0023】
流入口481には、循環流路体5の一端が接続される中空の接続部491が設けられている。接続部491の内部空間は流入口481と繋がっている。循環流路体5は、その一端に、接続部491と接続される中空の接続部51を備える。接続部51は、例えば、接続部491に対して着脱可能である。これにより、循環流路体5の一端は容器4に対して着脱可能である。接続部51は接続部491に対して例えばネジ嵌合してもよい。接続部51が接続部491に接続されているとき、接続部51の内部空間は接続部491の内部空間に繋がっている。循環流路体5内の流体7は、接続部51、接続部491及び流入口481を通って外装40内に流入する。
【0024】
流出口482には、循環流路体5の他端が接続される中空の接続部492が設けられている。接続部492の内部空間は流出口482と繋がっている。循環流路体5は、その他端に、接続部492と接続される中空の接続部52を備える。接続部52は、例えば、接続部492に対して着脱可能である。これにより、循環流路体5の他端は容器4に対して着脱可能である。接続部52は接続部492に対して例えばネジ嵌合してもよい。接続部52が接続部492に接続されているとき、接続部52の内部空間は接続部492の内部空間に繋がっている。容器4内の流体7は、流出口482、接続部492及び接続部52を通って外装40内から循環流路体5に流出する。
【0025】
なお、接続部51と接続部491との間の接続方式はネジ嵌合に限られない。また、接続部52と接続部492との間の接続方式はネジ嵌合に限られない。また、循環流路体5の一端は、容器4に対して着脱不可に接続されてもよい。また、循環流路体5の他端は、容器4に対して着脱不可に接続されてもよい。
【0026】
ポンプ9は、容器4及び循環流路体5内において流体7を循環させることができる。ポンプ9の位置は特に限定されないが、例えば、ポンプ9は循環流路体5の途中に位置する。循環流路体5はポンプ9に接続されているともいえる。ポンプ9は、バッテリ8と接続されている。ポンプ9は、バッテリ8から供給される電力に基づいて動作する。バッテリ8は、充電可能であってもよいし、充電不可であってもよい。
【0027】
衣服2は、例えば、後ろ身頃20の外側の面に、2つのポケット21及び22を有する。ポケット21の口は、例えば、線ファスナー21aによって開閉可能となっている。同様に、ポケット22の口は、例えば、線ファスナー22aによって開閉可能となっている。
【0028】
流体7及び温度調節体6を収容している容器4は、例えばポケット21に収容される。ポケット21は容器4を収容する収容部ともいえる。図1及び3に示されるように、容器4は、例えば、その出入口480が、衣服2の首回り側、言い換えれば、衣服2を着た人100の頭側に向くように、ポケット21に収容される。また、容器4は、例えば、平袋状の外装40の厚み方向が衣服2の後ろ身頃20の厚み方向(言い換えれば衣服2を着た人100の厚み方向)に沿うように、ポケット21に収容される。容器4は、ポケット21に対して出し入れ可能である。バッテリ8及びポンプ9は、例えばポケット22に収容される。バッテリ8及びポンプ9は、例えば、ポケット22に対して出し入れ可能である。
【0029】
以上のような構成を有する温度調節用セット1では、容器4内において温度調節体6で冷却された流体7が、ポンプ9の働きにより、容器4から循環流路体5に流出する。そして、ポンプ9の働きにより、流体7は、取り付けられた循環流路体5を流れて容器4内に戻ってくる。衣服2に取り付けられた循環流路体5を冷たい流体7が流れることによって、衣服2を着た人100の体が冷却される。流体7が循環流路体5内を流れる場合、人100の体の熱が流体7に伝わり、流体7の温度が上昇する。循環流路体5から容器4内に戻ってきた流体7は、容器4内の温度調節体6によって再び冷却され、冷却された流体7が容器4から循環流路体5に流出し、その後、循環流路体5から容器4に再び戻ってくる。このように、流体7が、流体7を冷却する温度調節体6を収容する容器4及び循環流路体5の中を循環することによって、温度調節装置3によって(言い換えれば温度調節用セット1によって)人100の体が継続して冷却される。
【0030】
なお、容器4と循環流路体5とを合わせて循環流路体付き容器11(図4参照)と呼んでもよい。この場合、循環流路体付き容器11は、容器4と、容器4に収容される流体7を循環させるための循環流路体5とを備える。
【0031】
また、循環流路体5は、温度調節装置3に含まれずに、温度調節装置3とは別体と見なしてもよい。また、流体7は、温度調節装置3に含まれずに、温度調節装置3とは別体と見なしてもよい。
【0032】
バッテリ8は、温度調節装置3に含まれると見なしてもよい。また、ポンプ9は、温度調節装置3に含まれると見なしてもよい。
【0033】
温度調節体6は、温度調節用セット1に含まれずに、温度調節用セット1とは別体と見なしてもよい。この場合、例えば、温度調節用セット1を取得したユーザは、ホームセンタ及びドラッグストア等で温度調節体6を購入してもよい。また、流体7は、温度調節用セット1に含まれずに、温度調節用セット1とは別体と見なしてもよい。この場合、例えば、温度調節用セット1を取得したユーザは自ら容器4内に流体7を入れてもよい。
【0034】
<容器の構成例の詳細説明>
次に容器4の構成例について詳細に説明する。以下では、温度調節体6を収容している容器4をポケット21に収容している衣服2を調節体及び容器付き衣服2と呼ぶことがある。
【0035】
また、以下では、説明の便宜上、調節体及び容器付き衣服2を人100が着けている場合において、容器4及び温度調節体6の人100の頭側を容器4及び温度調節体6の上側とし、容器4及び温度調節体6の人100の足側を容器4及び温度調節体6の下側とする。つまり、容器4及び温度調節体6の上側といえば、調節体及び容器付き衣服2を人100が着けている場合の容器4及び温度調節体6の人100の頭側を意味し、容器4及び温度調節体6の下側といえば、調節体及び容器付き衣服2を人100が着けている場合の容器4及び温度調節体6の人の足側を意味する。
【0036】
また、説明の便宜上、容器4の上下方向及び平袋状の外装40の厚み方向に垂直な方向を容器4の横方向(左右方向ともいう)とし、温度調節体6の上下方向及び温度調節体6の厚み方向に垂直な方向を温度調節体6の横方向(左右方向ともいう)とする。外装40の厚み方向は容器4の厚み方向ともいえる。
【0037】
また、説明の便宜上、調節体及び容器付き衣服2を人100が着けている場合において、容器4及び温度調節体6の人100の左腕側を容器4及び温度調節体6の左側とし、容器4及び温度調節体6の人100の右腕側を容器4及び温度調節体6の右側とする。
【0038】
そして、説明の便宜上、調節体及び容器付き衣服2を人100が着けている場合において、外装40及び温度調節体6における厚み方向のうち人100に近い側を容器4及び温度調節体6の裏側とし、当該裏側の反対側を容器4及び温度調節体6の表側とする。つまり、調節体及び容器付き衣服2を背中側から見た場合の手前側及び奥側を、それぞれ、容器4及び温度調節体6の表側及び裏側とする。
【0039】
図6及び図7は容器4の一例を示す概略平面図である。図6には容器4を表側から見た様子の一例が示されており、図7には容器4を裏側から見た様子の一例が示されている。図8図6に示される矢視A-Aの断面構造の一例を拡大して示す概略図である。図8では、温度調節体6が容器4に収容された場合の温度調節体6の外形が一点鎖線で示されている。また図8では、容器4において流体7が収容される空間に斜線が示されている。
【0040】
容器4の流入口481及び流出口482は、例えば、容器4の横側に向かって開口している。例えば、流入口481は右側(言い換えれば人100の右腕側)に向かって開口し、流出口482は左側(言い換えれば人100の左腕側)に向かって開口している。流入口481は容器4の右側に位置し、流出口482は容器4の左側に位置する。流入口481は外装40の外周縁495の右縁に位置し、流出口482は外装40の外周縁495の左縁に位置する。流入口481と流出口482は左右方向において互いに対向している。流出口482の開口面積は、例えば、流入口481の開口面積よりも大きくなっている。
【0041】
循環流路体5の接続部51についての容器4の接続部491に対する着脱方向51a(図4参照)は、横方向(言い換えれば左右方向)に沿った方向である。同様に、循環流路体5の接続部52についての容器4の接続部492に対する着脱方向52a(図4参照)は、横方向(言い換えれば左右方向)に沿った方向である。循環流路体5は、容器4から横方向に沿って引き出される。循環流路体5は、容器4の接続部491から右側に引き出され、容器4の接続部492から左側に引き出される。
【0042】
なお、流入口481は左側に向かって開口し、流出口482は右側に向かって開口してもよい。この場合、流入口481は容器4の左側に位置し、流出口482は容器4の右側に位置してもよい。また、流出口482の開口面積は、流入口481の開口面積と同じであってもよいし、流入口481の開口面積よりも小さくてもよい。
【0043】
容器4の出入口480は、例えば、上側(言い換えれば人100の頭側)に向かって開口している。温度調節体6は容器4に対して上側から入れられる。出入口480は、例えば、流入口481及び流出口482よりも上側に位置する。
【0044】
外装40は、例えば、上下方向及び左右方向に広がる平袋状となっている。出入口480は、例えば、外装40の外周縁495の上縁に位置する。外周縁495の上縁は開口しており、外周縁495の上縁の開口が出入口480を構成する。外装40は、流体7及び温度調節体6が収容される収容空間400(図8参照)を有する。平袋状の外装40の内部空間が収容空間400を構成する。
【0045】
また、容器4は、収容空間400に、流体7が収容される第1収容空間410(流体収容空間410ともいう)と、温度調節体6が収容される第2収容空間420(調節体収容空間420ともいう)とを区分する仕切り部41(第1仕切り部41ともいう)を備える。流体収容空間410は調節体収容空間420と繋がっていない。仕切り部41は、流体収容空間410内に収容される流体7が、調節体収容空間420内に入り込みにくくすることができる。出入口480は調節体収容空間420と繋がっている。例えば、調節体収容空間420の上端は開口しており、調節体収容空間420の上端の開口が出入口480を構成する。
【0046】
流体収容空間410は、例えば、容器4に設けられた、流体7が流れる内部流路410aを構成する。内部流路410aは、例えば、外装40の内側の面に沿って蛇行している。内部流路410aはジグザク状に曲がっているともいえる。流体7は、内部流路410a内を蛇行するように流れる。図6及び7では、流体収容空間410の外形が破線で示されており、流体7が流れる方向70(流れ方向70ともいう)が二点鎖線で示されている。
【0047】
本例では、例えば、容器4を表側または裏側から平面透視した場合、容器4内の温度調節体6は、流体収容空間410が構成する内部流路410aと重なっている。
【0048】
流体収容空間410は、例えば、流体7を収容する複数の収容空間を備える。流体収容空間410は、例えば、互いに繋がる2つの収容空間413及び414を有する。例えば、収容空間413は表側に位置し、収容空間414は裏側に位置する。以後、表側に位置する収容空間413を表側収容空間413という。また、裏側に位置する収容空間414を裏側収容空間414という。
【0049】
表側収容空間413及び裏側収容空間414は、調節体収容空間420を挟んでいる。調節体収容空間420に温度調節体6が収容された場合、表側収容空間413及び裏側収容空間414は温度調節体6を挟む。裏側収容空間414は、表側収容空間413よりも、衣服2を着ける人100の側に位置する。
【0050】
表側収容空間413及び裏側収容空間414は、例えば、流入口481及び流出口482にそれぞれ繋がっている。表側収容空間413及び裏側収容空間414は、例えば、調節体収容空間420よりも横側で互いに繋がっている。例えば、表側収容空間413及び裏側収容空間414は、調節体収容空間420よりも右側であり、かつ容器4の下部で互いに繋がっている。表側収容空間413及び裏側収容空間414の接続箇所415(図6及び7参照)は、調節体収容空間420よりも右側であり、かつ容器4の下部に位置する。接続箇所415は、表側収容空間413と裏側収容空間414との境界であるともいえる。
【0051】
循環流路体5を流れる流体7は、流入口481から表側収容空間413に流入し、その後、容器4の横側かつ下側に位置する接続箇所415を通って、表側収容空間413から裏側収容空間414に流入する。そして、流体7は、裏側収容空間414に繋がる流出口482から循環流路体5に流出する。
【0052】
表側収容空間413は、例えば、容器4に設けられた、流体7が流れる内部流路413a(表側内部流路413aともいう)を構成する。表側内部流路413aは、例えば、外装40の表側部分40aの内面に沿って蛇行している。表側内部流路413aは、表側収容空間413において、上端部から下端部に向かって(言い換えれば下端部から上端部に向かって)蛇行しながら延びている。表側内部流路413aを上側から下側にかけて見た場合、表側内部流路413aは、右側の流入口481から左側へ延び、次に左側から右側へ延び、次に右側から左側へと延び、これを繰り返しながら容器4の右側下端部の接続箇所415まで延びる。容器4を表側または裏側から平面透視した場合、容器4内の温度調節体6は、表側内部流路413aと重なっている。
【0053】
裏側収容空間414は、例えば、容器4に設けられた、流体7が流れる内部流路414a(裏側内部流路414aともいう)を構成する。裏側内部流路414aは、例えば、外装40の裏側部分40bの内面に沿って蛇行している。裏側内部流路414aは、裏側収容空間414において、上端部から下端部に向かって(言い換えれば下端部から上端部に向かって)蛇行しながら延びている。裏側収容空間414の下端部は表側収容空間413の下端部と繋がっている。裏側内部流路414aを下側から上側にかけて見た場合、裏側内部流路414aは、容器4の右側下端部の接続箇所415から左側へ延び、次に左側から右側へ延び、次に右側から左側へと延び、これを繰り返しながら容器4の左側の流出口482まで延びる。容器4を表側または裏側から平面透視した場合、容器4内の温度調節体6は、裏側内部流路414aと重なっている。本例では、裏側内部流路414aは、表側内部流路413aよりも細かく蛇行しているが、表側内部流路413aと同じように蛇行してもよい。
【0054】
容器4の上部に位置する流入口481から流入した流体7は、表側収容空間413において、上端部から下端部に向けて蛇行しながら流れる(図6参照)。そして、流体7は、表側収容空間413から裏側収容空間414に流入し、裏側収容空間414において、下端部から上端部に向けて蛇行しながら流れる(図7参照)。そして、流体7は、容器4の上部に位置する流出口482から流出する。
【0055】
外装40は、例えば、1枚のシート部材450から形成される。また、仕切り部41は、1枚のシート部材460で構成される。図9は、シート部材450及び460の一例を示す概略図である。
【0056】
シート部材450及び460のそれぞれは、例えば、ポリウレタンシート等の柔軟性及び弾力性が高い樹脂シートで構成される。シート部材450は、例えば、外装40の表側部分40aを構成する第1シート部分451と、第1シート部分451に繋がり、外装40の裏側部分40bを構成する第2シート部分452とを備える。第1シート部分451と第2シート部分452とが互いに対向するように、第1シート部分451と第2シート部分452との接続箇所453でシート部材450が2つに折り曲げられた後、第1シート部分451の周縁部と、第2シート部分452の周縁部とが接合されることによって、外装40が形成される。
【0057】
シート部材460は、シート部材450に接合されることによって、仕切り部41として機能する。流体収容空間410(言い換えれば内部流路410a)は、シート部材450とシート部材460とで構成される。シート部材460は、シート部材450の第1シート部分451に接合される第1シート部分461と、第1シート部分461に繋がり、シート部材450の第2シート部分452に接合される第2シート部分462とを備える。
【0058】
図10に示されるように、例えば、シート部材450の第1シート部分451及び第2シート部分452に、シート部材460の第1シート部分461及び第2シート部分462がそれぞれ重なるように、シート部材460がシート部材450に重ねられる。その後、シート部材460の所定箇所がシート部材450に接合されることによって、シート部材460とシート部材450とで、流体収容空間410(言い換えれば内部流路410a)が形成される。さらに、シート部材460とシート部材450とで、流入口481及び流出口482が形成される。
【0059】
図11は、シート部材460とシート部材450との接合箇所470の一例を示す概略図である。図11では、右下がりの斜線で接合箇所470が示されている。また、図11では、流体7が収容される流体収容空間410(言い換えれば内部流路410a)が右上がりの斜線で示されている。また、図11には、流体収容空間410において流体7が流れる方向70が示されている。シート部材460とシート部材450との接合方式は、例えば、溶着であってもよいし、接着剤を使用した接合であってもよいし、他の方式であってもよい。
【0060】
シート部材450の第1シート部分451と、シート部材460の第1シート部分461とで、表側収容空間413(言い換えれば表側内部流路413a)が構成される。そして、第1シート部分451と第1シート部分461とで流入口481が構成される。流入口481は、外装40の表側部分40aと仕切り部41とで構成されるともいえる。
【0061】
シート部材450の第2シート部分452と、シート部材460の第2シート部分462とで、裏側収容空間414(言い換えれば裏側内部流路414a)が構成される。そして、第2シート部分452と第2シート部分462とで流出口482が構成される。流出口482は、外装40の裏側部分40bと仕切り部41とで構成されるともいえる。
【0062】
図12は、シート部材450の第1シート部分451と、シート部材450の第2シート部分452との接合箇所の一例を示す概略図である。図12では、第1シート部分451での第2シート部分452との接合箇所451aが右下がりの斜線で示されている。また、図12では、第2シート部分452での第1シート部分451との接合箇所452aが右上がりの斜線で示されている。シート部材450が2つに折り曲げられた後、接合箇所451aと接合箇所452aとが互いに接合されることによって、外装40が完成する。第1シート部分451と第2シート部分452とは、例えば、溶着で接合されてもよいし、接着剤が使用されて接合されてもよいし、他の方法で接合されてもよい。
【0063】
なお、表側収容空間413の形状は上記の例に限られない。例えば、表側収容空間413は、細長い流路ではなく、上下方向及び左右方向に面状に広がる空間であってもよい。この場合、容器4を表側から平面透視した場合、表側収容空間413の面積は、温度調節体6の面積よりも大きくてもよい。また、収容空間414の形状は上記の例に限られない。例えば、収容空間414は、細長い流路ではなく、上下方向及び左右方向に面状に広がる空間であってもよい。この場合、容器4を裏側から平面透視した場合、裏側収容空間414の面積は、温度調節体6の面積よりも大きくてもよい。また、流体収容空間410は、収容空間413及び414のどちらか一方を備えなくてもよい。
【0064】
また、上記の例では、仕切り部41は、シート状であるが、袋状であってもよい。この場合、袋状の仕切り部41内に温度調節体6が収容され、袋状の仕切り部41の外側周囲に流体7が存在してもよい。
【0065】
また、流出口482が収容空間413に繋がり、流入口481が収容空間414に繋がっていてもよい。つまり、第1シート部分451と第1シート部分461とで流出口482が構成され、第2シート部分452と第2シート部分462とで流入口481が構成されてもよい。
【0066】
調節体収容空間420に収容された温度調節体6は、図8に示されるように、仕切り部41(言い換えればシート部材460)と接触してもよい。仕切り部41は、例えば、温度調節体6の端部及び中央部に接触してもよい。
【0067】
図13は、温度調節体6の表側の面61における仕切り部41と接触する接触領域61aの一例を示す概略図である。図14は、温度調節体6の裏側の面62における仕切り部41と接触する接触領域62aの一例を示す概略図である。
【0068】
本例では、仕切り部41は、例えば、温度調節体6の右側端部、左側端部及び中央部と接触している。例えば、仕切り部41は、温度調節体6の表側の面61の右側端部及び中央部と接触し、温度調節体6の裏側の面62の右側端部、左側端部及び中央部と接触している。
【0069】
また、仕切り部41は温度調節体6と面接触してもよい。ここで、面接触とは、例えば、5cm四方の単位面積あたりにおいて仕切り部41が温度調節体6と接触する割合が50%以上であることをいう。例えば、仕切り部41の一部は、温度調節体6の一部と面接触してもよい。例えば、温度調節体6が、表側内部流路413a及び裏側内部流路414aを押しつぶすように調節体収容空間420に収容される場合、仕切り部41は、温度調節体6と面接触する。
【0070】
なお、仕切り部41は、温度調節体6と点接触してもよいし、線接触してもよい。また、仕切り部41は、温度調節体6と接触しなくてもよい。また、仕切り部41は、温度調節体6の上側端部に接触してもよいし、温度調節体6の下側端部に接触してもよい。また、仕切り部41は、温度調節体6の中央部だけに接触してもよいし、温度調節体6の端部だけに接触してもよい。また、仕切り部41は、温度調節体6の表側の面61の大部分または全領域と接触してもよい。例えば、表側収容空間413が、細長い流路ではなく、上下方向及び左右方向に面状に広がる空間である場合、仕切り部41(具体的には第1シート部分461)は、温度調節体6の表側の面61の大部分または全領域と接触することが可能となる。また、仕切り部41は、温度調節体6の裏側の面62の大部分または全領域と接触してもよい。例えば、裏側収容空間414が、細長い流路ではなく、上下方向及び左右方向に面状に広がる空間である場合、仕切り部41(具体的には第2シート部分462)は、温度調節体6の裏側の面62の大部分または全領域と接触することが可能となる。
【0071】
上記の例では、温度調節体6は流体7を冷却していたが、流体7を加熱して流体7の温度を調節してもよい。この場合、温度調節用セット1及び温度調節装置3は、人100の体を温めることができる。流体7を加熱する温度調節体6としては、例えば、ペルチェ素子または電熱線が採用されてもよい。
【0072】
以上のように、本例では、流体7及び温度調節体6が収容される収容空間400に、流体7が収容される第1収容空間410と、温度調節体6が収容される第2収容空間420とが仕切り部41で区分される。このように、流体7が収容される第1収容空間410と、温度調節体6が収容される第2収容空間420とが分けられることによって、第2収容空間420に対する温度調節体6の出し入れの際に、流体7が容器4から出るリスクが低減する。
【0073】
また、仕切り部41が温度調節体6と面接触する場合、容器4内の流体7において温度調節体6に近い部分を大きくすることができる。これにより、流体7に対する温度調節体6の温度調節効果が向上する。例えば、温度調節体6が流体7を冷却する場合、流体7に対する温度調節体6の冷却効果が向上する。また。温度調節体6が流体7を加熱する場合、流体7に対する温度調節体6の加熱効果が向上する。
【0074】
また、仕切り部41が、少なくとも温度調節体6の端部及び中央部と接触する場合、温度調節体6での仕切り部41との接触面積を大きくすることができる。これにより、容器4内の流体7において温度調節体6に近い部分を大きくすることができることから、流体7に対する温度調節体6の温度調節効果を向上させることができる。
【0075】
また、本例では、流体7を収容する収容空間413と、流体7を収容する収容空間414とが、温度調節体6を収容する第2収容空間420を挟むことから、容器4内の流体7において温度調節体6に近い部分を大きくすることができる。これにより、流体7に対する温度調節体6の温度調節効果が向上する。
【0076】
また、本例では、収容空間414が収容空間413よりも人100側に位置することから、収容空間414内の温度調節された流体7を人100に近づけることができる。これにより、循環流路体5内の流体7だけではなく、収容空間414内の流体7によっても人100の温度を調節することが可能となる。
【0077】
また、本例では、流体7が、流入口481から表側収容空間413に流入し、表側収容空間413を流れて裏側収容空間414に流入し、裏側収容空間414を流れて流出口482から流出する。これにより、表側収容空間413内で温度調節された流体7が、人100に近い裏側収容空間414に流入することから、裏側収容空間414内の流体7による人100の温度調節効果が向上する。
【0078】
また、本例では、図11に示されるように、流体7が、収容空間413において上端部から下端部に向かって流れ、収容空間414において下端部から上端部に向かって流れる。これにより、容器4内の流体7が温度調節体6によって温度調節される時間(例えば冷却される時間または加熱される時間)を長くすることができる。その結果、流体7に対する温度調節体6の温度調節効果が向上する。
【0079】
また、本例では、収容空間413及び収容空間414は調節体収容空間420よりも横側で互いに繋がっている。これより、例えば、容器4に対して温度調節体6が上側から出し入れされる場合において、収容空間413及び収容空間414の接続箇所415が容器4に対する温度調節体6の出し入れの邪魔をしにくくなる。
【0080】
また、本例では、仕切り部41として機能するシート部材460が、外装40として機能するシート部材450に接合されることによってシート部材460とシート部材450との間に蛇行する内部流路410aが形成されている。したがって、仕切り部41の流体収容空間410側の面(外面ともいう)の一部は、外装40の内面に接続されているといえる。このように、仕切り部41の外面の一部が、外装40の内面に接続されることによって、流体収容空間410に流体7が収容された場合に、例えば、外装40がその厚み方向に大きくなりにくくなる。つまり、容器4がその厚み方向に大きくなりにくくなる。
【0081】
なお、上記の例では、仕切り部41の外面の一部は、外装40の内面に対して接合されることによって外装40の内面に接続されているが、外装40の内面に対する仕切り部41の外面の一部の接続方法はこの限りでない。例えば、仕切り部41の外面から外装40の内面まで延びる壁状の接続部を設けてもよい。また、表側収容空間413が、蛇行する内部流路413aを構成するのではなく、上下方向及び左右方向に広がる面状の空間を構成する場合であっても、仕切り部41の表側収容空間413側の面の一部が、外装40の表側部分40aの内面に接続されてもよい。また、裏側収容空間414が、蛇行する内部流路414aを構成するのではなく、上下方向及び左右方向に広がる面状の空間を構成する場合であっても、仕切り部41の裏側収容空間414側の面の一部が、外装40の裏側部分40bの内面に接続されてもよい。
【0082】
収容空間413及び収容空間414は、調節体収容空間420よりも下側で互いに繋がってもよい。図15及び16は、収容空間413及び収容空間414が調節体収容空間420よりも下側で繋がっている場合の容器4の一例を示す概略図である。図15図6に相当し、図16図7に相当する。図15及び16の例では、収容空間413(言い換えれば表側内部流路413a)と収容空間414(言い換えれば裏側内部流路414a)の接続箇所415が、調節体収容空間420よりも下側に位置する。
【0083】
図15及び16の例のように、収容空間413及び収容空間414が調節体収容空間420よりも下側で繋がっている場合、例えば、容器4に対して温度調節体6が上側から出し入れされる場合において、接続箇所415が容器4に対する温度調節体6の出し入れの邪魔をしにくくなる。
【0084】
流体7が流体収容空間410において流れる方向は上記の限りではない。例えば、図17及び18に示されるように、流体7が、収容空間413において下端部から上端部に向かって流れ、収容空間414において上端部から下端部に向かって流れてもよい。図17図6に相当し、図18図7に相当する。
【0085】
また、図19及び20に示されるように、流体7が、収容空間414において左端部から右端部に向かって蛇行するように流れ、収容空間413において右端部から左端部に向かって蛇行するように流れてもよい。図19図6に相当し、図20図7に相当する。図19及び20の例では、流出口482は収容空間413に繋がり、流入口481は収容空間414に繋がっている。また、流入口481及び流出口482はともに容器4の左側に位置する。
【0086】
また、流体収容空間410が構成する内部流路410aは、温度調節体6をらせん状に取り囲んでもよい。図21は、内部流路410aが温度調節体6をらせん状に取り囲む様子の一例を示す概略図である。図21の矢印は、流体7が流れる方向の一例を示している。内部流路410aが温度調節体6をらせん状に取り囲むことによって、容器4内の流体7が温度調節体6によって温度調節される時間(例えば冷却される時間または加熱される時間)を長くすることができる。これにより、流体7に対する温度調節体6の温度調節効果が向上する。
【0087】
上記の例では、温度調節体6を容器4に対して出し入れするための出入口480が、流入口481よりも上側に位置する。具体的には、出入口480全体が流入口481全体よりも上側に位置する。また、出入口480が、流出口482よりも上側に位置する。具体的には、出入口480全体が流出口482全体よりも上側に位置する。このように、出入口480が比較的上側に位置することによって、温度調節体6の出し入れが容易になる。
【0088】
また、上記の例では、流入口481及び流出口482が、容器4の横側に向かって開口している。これにより、循環流路体5を容器4から横方向に沿って引き出しやすくなる。循環流路体5を容器4から横方向に沿って引き出すことによって、容器4の上下方向及び厚み方向において循環流路体5が邪魔になりにくくなる。
【0089】
また、上記の例では、流入口481は容器4の横方向の一方側に位置し、流出口482は、容器4の横方向の他方側に位置する。このように、流入口481及び流出口482が横方向において互いに反対側に位置することにより、循環流路体5の引き回しが容易となる。
【0090】
また、上記の例では、循環流路体5の容器4に対する着脱方向が横方向に沿った方向であることから、容器4の上下方向及び厚み方向において循環流路体5が邪魔になりにくくなる。
【0091】
出入口480、流入口481及び流出口482の位置及び向きは上記の例に限られない。例えば、出入口480、流入口481及び流出口482の少なくとも一つは、容器4の表側または裏側に設けられてもよい。図22は、出入口480及び流入口481が容器4の表側に設けられ、流出口482が容器4の裏側に設けられている様子の一例を示す概略図である。
【0092】
図22の例では、出入口480及び流入口481が外装40の表側部分40aに設けられ、流出口482が外装40の裏側部分40bに設けられている。出入口480及び流入口481は表側に向かって開口し、流出口482は裏側に向けて開口している。出入口480は、流入口481及び流出口482よりも上側に位置する。図22の例では、例えば、表側の流入口481から流入した流体7は、表側収容空間413を通って裏側収容空間414に流入し、裏側収容空間414を通って裏側の流出口482から流出する。
【0093】
図23は容器4の他の例を示す概略図である。図23の例では、出入口480及び流出口482が外装40の表側部分40aに設けられ、流入口481が外装40の裏側部分40bに設けられている。出入口480は、流出口482よりも上側に位置し、流入口481よりも下側に位置する。図23の例では、例えば、裏側の流入口481から流入した流体7は、裏側収容空間414を通って表側収容空間413に流入し、表側収容空間413を通って表側の流出口482から流出する。
【0094】
図24は容器4の他の例を示す概略図である。図24の例では、出入口480、流入口481及び流出口482が外装40の表側部分40aに設けられている。出入口480は、流入口481及び流出口482よりも上側に位置する。図24の例では、例えば、表側の流入口481から流入した流体7は、表側収容空間413を通って裏側収容空間414に流入し、裏側収容空間414を通って表側収容空間413に戻ってきた後、表側の流出口482から流出する。
【0095】
容器4は、出入口480を開閉することが可能な開閉部490を備えてもよい。開閉部490は、例えば、面ファスナーであってもよいし、線ファスナーであってもよいし、蓋部材であってもよい。また、開閉部490に使用される線ファスナーとしては、止水ファスナーであってもよい。
【0096】
図25は、開閉部490として線ファスナー490aを備える容器4の一例を示す概略図である。図25には、図24に示される容器4に対して線ファスナー490aを設けた様子の一例が示されている。
【0097】
容器4が出入口480を開閉することが可能な開閉部490を備える場合、温度調節体6が誤って容器4から出ることが発生しにくくなる。また、開閉部490が線ファスナーである場合には、出入口480の開閉が容易となる。
【0098】
上記の例では、容器4には、1つの温度調節体6が収容されているが、複数の温度調節体6が収容されてもよい。図26は、容器4の調節体収容空間420が2つの温度調節体6(温度調節体6a及び6bともいう)を収容する様子の一例を示す概略図である。図26の例では、2つの温度調節体6a及び6bが左右方向に並ぶように調節体収容空間420に収容されているが、例えば、2つの温度調節体6a及び6bが上下方向に並ぶように調節体収容空間420に収容されてもよい。また、3つ以上の温度調節体6が調節体収容空間420に収容されてもよい。
【0099】
調節体収容空間420に複数の温度調節体6が収容される場合、調節体収容空間420に、複数の温度調節体6の少なくとも一部がそれぞれ個別に収容される複数の収容空間421が区分されてもよい。
【0100】
図27は、調節体収容空間420に、2つの温度調節体6a及び6bの少なくとも一部がそれぞれ個別に収容される2つの収容空間421(収容空間421a及び421bともいう)が区分されている様子の一例を示す概略図である。図27には、図22に示される容器4に2つの収容空間421a及び421bが設けられている様子の一例が示されている。図28は、図27に示される矢視B-Bの断面構造の一例を示す概略図である。
【0101】
図27及び28の例では、容器4は、調節体収容空間420に2つの収容空間421a及び421bを区分する仕切り部42を備える。仕切り部42は、例えば、仕切り部41(言い換えればシート部材460)において、表側部分41aの一部と裏側部分41bの一部とが接合されることによって形成される。つまり、表側部分41aと裏側部分41bとの接合箇所41abが仕切り部42を構成している。表側部分41aと裏側部分41bとは、例えば、溶着で接合されてもよいし、接着剤が使用されて接合されてもよいし、他の方法で接合されてもよい。仕切り部42は、仕切り部41の一部で構成されていると見ることもできる。調節体収容空間420は、仕切り部42によって、例えば2つの収容空間421a及び421bに分けられている。仕切り部42は、例えば、上下方向に延びている。
【0102】
収容空間421aは、例えば、温度調節体6aの一部を収容することができる。収容空間421bは、例えば、温度調節体6bの一部を収容することができる。図27及び28の例では、収容空間421aは温度調節体6aの下側の2/3を収容し、収容空間421bは温度調節体6bの下側の2/3を収容している。
【0103】
なお、収容空間421aは、温度調節体6aの少なくとも一部を収容できればよく、温度調節体6aのすべてを収容してもよいし、温度調節体6aの下側半分を収容してもよいし、温度調節体6aの下側の1/3を収容してもよい。収容空間421bについても同様である。
【0104】
また、調節体収容空間420が備える収容空間421の数は2つに限られない。例えば調節体収容空間420は、3つの収容空間421を備えてもよいし、4つ以上の収容空間421を備えてもよい。
【0105】
このように、それぞれが温度調節体6の少なくとも一部を収容する複数の収容空間421が容器4に設けられる場合には、容器4内において複数の温度調節体6が重なりにくくなる。これにより、例えば、容器4内において複数の温度調節体6が重なることで容器4のサイズが大きくなることが発生しにくくなる。
【0106】
また、図27及び28の例のように、複数の温度調節体6が、それらの厚み方向に垂直な方向に沿って並べられる場合、複数の温度調節体6が重なりにくくすることによって、複数の温度調節体6と仕切り部41との対向面積を大きくすることができる。つまり、複数の温度調節体6と流体7との対向面積を大きくすることができる。その結果、流体7に対する複数の温度調節体6の温度調節効果が向上する。
【0107】
上記の例では、仕切り部41の表側部分41aと裏側部分41bとの接合部分が仕切り部42となっているが、仕切り部42はこれに限られない。例えば、表側部分41aの一部から裏側部分41bの一部まで延びる壁状またはブロック状等の仕切り部42を設けてもよい。
【0108】
仕切り部41の流体収容空間410側の面41xx(言い換えれば外面41xx)は、収容空間421aと収容空間421bとを仕切る仕切り部42上で、外装40の内面40xxに接続されてもよい。図29はこの場合の容器4の構成の一例を示す概略図である。図29図28に相当する。図30図29の部分Cを拡大して示す概略図である。
【0109】
図29及び30の例では、仕切り部42を構成する、仕切り部41の表側部分41aと裏側部分41bとの接合箇所41abに対して、外装40の内面40xxが溶着等で接合されることによって、仕切り部41の外面41xxが仕切り部42上で外装40の内面40xxに接続されている。図29及び30の例では、仕切り部42に対して外装40の内面40xxが接続されているともいえる。また、図29及び30の例では、仕切り部41の外面41xxは、外装40の厚み方向(図29及び30の上下方向)において仕切り部42の少なくとも一部と重なる部分において、外装40の内面40xxと接続されているともいえる。
【0110】
図29及び30の例では、仕切り部41の表側部分41aの流体収容空間410側の面41aa(外面41aaともいう)が外装40の表側部分40aの内面40aaに溶着等で接合されており、仕切り部41の裏側部分41bの流体収容空間410側の面41bb(外面41bbともいう)が外装40の裏側部分40bの内面40bbに溶着等で接合されている。
【0111】
また、容器4に仕切り部42が設けられる場合において、仕切り部41の外面41xxが外装40の内面40xxに接続される場所は、仕切り部42上でなくてもよい。また、仕切り部41の表側部分41aの外面41aaは外装40の表側部分40aの内面40aaに接続されなくてもよい。また、仕切り部41の裏側部分41bの外面41bbは外装40の裏側部分40bの内面40bbに接続されなくてもよい。
【0112】
図31は、仕切り部41の表側部分41aの外面41aaが、仕切り部42上以外で外装40の表側部分40aの内面40aaに溶着等で接続され、仕切り部41の裏側部分41bの外面41bbが外装40の裏側部分40bの内面40bbに接続されていない様子の一例を示す概略図である。
【0113】
なお、仕切り部41の外面41xxが外装40の内面40xxに接続される方法は、溶着等の接合に限られない。例えば、仕切り部41の外面41xxから外装40の内面40xxまで延びる壁状またはブロック状等の接続部が設けられてもよい。
【0114】
図29及び30の例のように、容器4に仕切り部42が設けられる場合において、仕切り部41の外面41xxが、つまり、仕切り部41の流体7側の面が、仕切り部42上で、外装40の内面40xxに接続されることによって、流体7に対する温度調節体6及び6bの温度調節効果を保ちつつ、外装40が厚み方向に大きくなりにくくすることができる。
【0115】
外装40は、その外周縁495に、外装40を折り曲げ可能とするための対となる2つの切り欠き部496を有してもよい。図32は、外装40が外周縁495に対となる2つの切り欠き部496を有する様子の一例を示す概略図である。図32の例では、外周縁395の上縁及び下縁に2つの切り欠き部496がそれぞれ設けられている。2つの切り欠き部496は上下方向で対向する。切り欠き部496は外装40が存在しない空間であるといえる。
【0116】
図32の例では、外装40の表側部分40aの内面40aaの周縁部と、外装40の裏側部分40bの内面40bbの周縁部とが溶着等で接合されている。2つの切り欠き部496は、例えば、表側部分40aの内面40aaの周縁部と裏側部分40bの内面40bbの周縁部との接合箇所に設けられている。切り欠き部496は接合箇所が存在しない空間であるといえる。外装40は、2つの切り欠き部496を通る直線499に沿って左右に2つに折り曲げ可能となっている。
【0117】
図32の例では、2つの切り欠き部496は、収容空間420aと収容空間420bとを仕切る仕切り部42上で外装40が折り曲るように、外装40の外周縁495に位置する。図32の例では、仕切り部42をその長手方向に延ばした延長線上に2つの切り欠き部496が位置する。2つの切り欠き部496を通る直線499は仕切り部42を通る。
【0118】
図32の例のように、外装40が、外周縁495に、外装40を折り曲げ可能とするための対となる2つの切り欠き部496を有する場合、外装40を折り曲げた状態でも容器4を使用することができる。これにより、例えば、図1及び3の例のように、衣服2の後ろ身頃20に設けられたポケット21に容器4が収容される場合、外装40は、衣服2を着た人100の背中に沿って曲がりやすくなる。その結果、容器4を収容した衣服2の着心地を向上させることができる。
【0119】
また、2つの切り欠き部496が、仕切り部42上で外装40が折り曲るように、外装40の外周縁495に位置する場合、外装40が折り曲るときに、温度調節体6a及び6bが邪魔になりにくくなる。
【0120】
仕切り部41は、流出口482よりも上側に位置してもよい。この場合、例えば、流体7が循環している場合に、仕切り部41が流出口482を塞ぐリスクが低減される。その結果、流体7が循環しにくくなるリスクが低減する。
【0121】
図33は、仕切り部41が流出口482よりも上側に位置する様子の一例を示す概略図である。図33には、容器4の上下方向に沿った断面形状の一例が示されている。
【0122】
図33の例では、仕切り部41は袋状を成しており、仕切り部41と外装40との間の空間が流体収容空間410を構成する。出入口480、流入口481及び流出口482は外装40に設けられている。仕切り部41の全領域が、流出口482の全領域よりも上側に位置する。なお、仕切り部41は流入口481よりも上側に位置してもよい。
【0123】
上記の例では、容器4、バッテリ8及びポンプ9は衣服2に設けられていたが、容器4、バッテリ8及びポンプ9の少なくとも一つは衣服2以外に設けられてもよい。例えば、容器4、バッテリ8及びポンプ9の少なくとも一つは、人100が身に付けるウェストポーチまたはリュックに収容されてよい。
【0124】
また、上記の例では、循環流路体5が取り付けられる接触体2は、衣服であったが、衣服以外の物体であってもよい。例えば、接触体2は、椅子の座面部分であってもよいし、椅子の背もたれ部分であってもよい。
【0125】
以上、本開示に係る発明のいくつかの態様について、諸図面および実施形態に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は前述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。加えて、本開示における方向は、あくまで説明の便宜の観点から表示しているにすぎず、例えば、上下方向を反対にした場合であっても、本開示に係る発明に影響を与えるものではない。
【0126】
本開示には以下の内容が含まれる。
【0127】
一実施形態において、(1)容器は、流体と、前記流体の温度を調節する第1温度調節体とが収容される収容空間を有する外装と、前記収容空間に、前記流体が収容される第1収容空間と、前記第1温度調節体が収容される第2収容空間とを区分する第1仕切り部と、前記流体を循環させるための循環流路体から前記流体が前記第1収容空間に流入するための流入口と、前記第1収容空間から前記流体が前記循環流路体に流出するための流出口と、前記第2収容空間に対して前記第1温度調節体を出し入れするための出入口とを備える。
【0128】
(2)上記(1)の容器において、前記出入口を開閉することが可能な開閉部をさらに備える。
【0129】
(3)上記(2)の容器において、前記開閉部は、線ファスナーである。
【0130】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一つの容器において、前記第1仕切り部は、前記第1温度調節体と面接触する。
【0131】
(5)上記(1)から(4)のいずれか一つの容器において、前記第1仕切り部は、少なくとも前記第1温度調節体の端部及び中央部と接触する。
【0132】
(6)上記(1)から(5)のいずれか一つの容器において、前記第1収容空間は、前記第1温度調節体をらせん状に取り囲む内部流路を有する。
【0133】
(7)上記(1)から(6)のいずれか一つの容器において、前記第1収容空間は、前記流体が流入する第3収容空間と、前記第3収容空間と繋がり、前記第3収容空間から前記流体が流入する第4収容空間とを有し、前記第3収容空間及び第4収容空間は前記第2収容空間を挟む。
【0134】
(8)上記(7)の容器において、前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、前記外装は平袋状であって、前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記第3収容空間及び前記第4収容空間は前記第2収容空間よりも横側または下側で繋がっている。
【0135】
(9)上記(7)または(8)の容器において、前記第3収容空間は、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と有し、前記第4収容空間は、前記第2端部と繋がる第3端部と、前記第3端部とは反対側の第4端部とを有し、前記流体は、前記第3収容空間において前記第1端部から前記2端部に向かって流れ、前記第4収容空間において前記第3端部から前記第4端部に向かって流れる。
【0136】
(10)上記(7)から(9)のいずれか一つに記載の容器であって、前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、前記第4収容空間は、前記第3収容空間よりも、前記衣服を着ける人の側に位置する。
【0137】
(11)上記(10)の容器において、前記流体は、前記流入口から前記第3収容空間に流入し、前記第3収容空間を流れて前記第4収容空間に流入し、前記第4収容空間を流れて前記流出口から流出する。
【0138】
(12)上記(1)から(11)のいずれか一つの容器において、前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されている。
【0139】
(13)上記(1)から(12)のいずれか一つの容器において、前記第1仕切り部の前記第1収容空間側の面の一部は、前記外装の内面に接続されている。
【0140】
(14)上記(13)の容器において、前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されており、前記第1仕切り部の前記第1収容空間側の前記面は、前記第5収容空間と前記6収容空間とを仕切る第2仕切り部上で、前記外装の前記内面に接続されている。
【0141】
(15)上記(1)から(14)のいずれか一つの容器において、前記外装は平袋状であって、前記外装は、前記外装の外周縁に、前記外装を折り曲げ可能とするための対となる第1切り欠き部及び第2切り欠き部を有する。
【0142】
(16)上記(15)の容器において、前記第2収容空間には、前記第1温度調節体の少なくとも一部が収容される第5収容空間と、前記流体の温度を調節する第2温度調節体の少なくとも一部が収容される第6収容空間とが区分されており、前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部は、前記第5収容空間と前記6収容空間とを仕切る第2仕切り部上で前記外装が折り曲るように、前記外装の前記外周縁に位置する。
【0143】
(17)上記(1)から上記(16)のいずれか一つの容器において、前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とした場合、前記出入口は、前記流入口よりも上側に位置する。
【0144】
(18)上記(1)から上記(17)のいずれか一つの容器において、前記外装は平袋状であって、前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記流入口及び前記流出口は、前記容器の横側に向かって開口している。
【0145】
(19)上記(18)の容器において、前記流入口は、前記容器の前記横方向の一方側に位置し、前記流出口は、前記容器の前記横方向の他方側に位置する。
【0146】
(20)上記(1)から上記(19)のいずれか一つの容器において、前記外装は平袋状であって、前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記循環流路体の前記容器に対する着脱方向は、前記横方向に沿った方向である。
【0147】
(21)上記(1)から上記(20)のいずれか一つの容器において、前記外装は平袋状であって、前記衣服を着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とし、上下方向及び前記外装の厚み方向に垂直な方向を横方向とした場合、前記循環流路体は、前記容器から前記横方向に沿って引き出される。
【0148】
(22)上記(1)から上記(21)のいずれか一つの容器において、前記循環流路体及び前記容器は衣服に設けられ、前記衣服を身に着ける人の頭側及び足側をそれぞれ上側及び下側とした場合、前記第1仕切り部は、前記流出口より上側に位置する。
【0149】
(23)循環流路体付き容器は、上記(1)から上記(22)のいずれか一つの容器と、前記容器が収容する前記流体を循環させるための循環流路体とを備える。
【0150】
(24)温度調節装置は、上記(1)から(22)のいずれか一つに記載の容器と、前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体とを備える。
【0151】
(25)温度調節装置は、上記(1)から(22)のいずれか一つに記載の容器と、前記容器が収容する前記流体を循環させるための循環流路体と、前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体とを備える。
【0152】
(26)温度調節用セットは、上位(23)の循環流路体付き容器と、前記循環流路体付き容器が備える前記循環流路体が取り着けられる、人と接触する接触体とを備える。
【0153】
(27)上記(26)の温度調節用セットであって、前記容器に収容される少なくとも一つの温度調節体をさらに備える。
【符号の説明】
【0154】
1 温度調節用セット
2 接触体(衣服)
3 温度調節装置
4 容器
5 循環流路体
6,6a,6b 温度調節体
7 流体
40 外装
41,42 仕切り部
40xx 内面
41xx 外面
410,420,420a,420b 収容部
410a 内部流路
480 出入口
481 流入口
482 流出口
490 開閉部
490a 線ファスナー
495 外周縁
496 切り欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33