(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177880
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】購入支援装置、購入支援方法、及び購入支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241217BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20241217BHJP
【FI】
G06Q30/0601 332
G06Q50/04
G06Q30/0601 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096264
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】真保 陽一
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 潤也
(72)【発明者】
【氏名】當房 誠
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB58
5L049BB58
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】流体搬送システムを構成する複数のプラント部品及び電気部品をユーザに提供すること。
【解決手段】購入支援装置1は、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する条件入力支援部31と、サプライヤ部品データベース22から流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定するサプライヤ部品選定部33と、選定された複数のプラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する電気関連部品抽出部34と、電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する電気部品特定部35と、特定した電気部品の情報をクライアント端末に表示させる電気システム生成部36とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援装置であって、
ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する条件入力支援部と、
流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する部品選定部と、
選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する電気関連部品抽出部と、
前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する電気部品特定部と、
特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる電気システム生成部と、
を備える購入支援装置。
【請求項2】
前記電気システム生成部は、前記電気部品特定部によって特定された前記電気部品によって前記電気関連部品と前記電気設備とが接続された電気系統図を作成し、作成した電気系統図を前記クライアント端末に表示させる請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項3】
前記選定条件には、既設の電気設備に関する情報が含まれ、
前記電気システム生成部は、前記電気系統図において、既設の電気設備に備えられている電気部品と、新たに購入が必要な電気部品とを識別可能に表示させる請求項2に記載の購入支援装置。
【請求項4】
前記電気系統図に含まれる電気部品は、既設設備に設置されている電気部品をユーザが指定可能に構成されており、
前記電気システム構成部は、ユーザによって前記電気部品が指定された場合に、表示態様を変化させる請求項2に記載の購入支援装置。
【請求項5】
前記電気部品特定部は、複数の電気部品の各々について識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている電気部品データベースから、前記電気関連部品の仕様データに基づいて、該前記電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項6】
前記電気部品として複数の部品候補が存在する場合に、前記電気部品特定部は、複数の前記部品候補を特定し、
前記電気システム生成部は、前記電気系統図においてユーザによっていずれかの前記電気部品が指定された場合に、該電気部品の部品候補を選択可能に表示させる請求項2に記載の購入支援装置。
【請求項7】
前記電気系統図において、前記電気関連部品から前記電気設備までの距離をユーザが入力可能に構成されている請求項2に記載の購入支援装置。
【請求項8】
前記電気システム生成部は、流体搬送システムを構成する複数の前記プラント部品を繋ぎ合わせた流体搬送システム構成図に、前記電気関連部品と前記電気設備とを繋ぐ配線ルートを描画し、前記配線ルートを含む前記システム構成図を前記クライアント端末に表示させる請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項9】
前記システム構成図において、前記配線ルートはユーザによって調整可能に構成されている請求項8に記載の購入支援装置。
【請求項10】
前記部品選定部によって特定された複数の前記プラント部品の中から計装配管が必要なプラント部品を計装配管関連部品として抽出する計装関連部品抽出部と、
前記計装配管関連部品の仕様データに基づいて当該計装配管関連部品とプロセス接続部とを接続するための計装配管部品を特定する計装配管部品特定部と、
特定した前記計装配管部品の情報をクライアント端末に表示させる計装配管構成生成部と、
を備える請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項11】
前記部品選定部は、
流体搬送システムに関する複数の標準部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている標準部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数の標準部品を特定する標準部品選定部と、
サプライヤが販売する複数のサプライヤ部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されているサプライヤ部品データベースから、標準部品選定部によって選定された複数の標準部品にそれぞれ対応するサプライヤ部品を選定するサプライヤ部品選定部とを備え、
前記電気関連部品抽出部は、前記標準部品選定部によって選定された複数の前記標準部品の中から前記電気関連部品を抽出する請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項12】
前記部品選定部は、サプライヤが販売する複数のサプライヤ部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されているサプライヤ部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のサプライヤ部品を選定するサプライヤ部品選定部を備え、
前記電気関連部品抽出部は、前記サプライヤ部品選定部によって選定された複数の前記サプライヤ部品の中から前記電気関連部品を抽出する請求項1に記載の購入支援装置。
【請求項13】
複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援方法であって、
ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する工程と、
流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する工程と、
選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する工程と、
前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する工程と、
特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる工程と、
をコンピュータが実行する購入支援方法。
【請求項14】
コンピュータを請求項1から12のいずれかに記載の購入支援装置として機能させるための購入支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、購入支援装置、購入支援方法、及び購入支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、購入希望者(以下、「ユーザ」という場合もある。)がプラント部品を購入する場合、一般的に、サプライヤとの間で以下のような工程を経る必要がある。ここで、購入希望者の一例として、プラントメーカやプラントを運用している工場等が挙げられる。
まず、購入希望者が、部品の注文仕様書を作成し、作成した注文仕様書を提示してサプライヤに対して見積依頼を行う。サプライヤでは、注文仕様書に基づいて見積書を作成し、購入希望者へ提示する。購入希望者は、仕様の調整を行い、見積依頼を行ったサプライヤに対して発注を行う。
【0003】
このように、従来、発注までに多くの工程を必要とすることから、部品の発注に時間と労力を要していた。また、見積りは、購入希望者が自ら問い合わせを行ったサプライヤからしか得ることができない。このため、例えば、更にいい条件(例えば、価格が安い、納期が短い、サービスがよい等)で同様の部品を提供しているサプライヤがあったとしても、そのサプライヤにたどり着くことができないといった不都合があった。更に、サプライヤ側としても、小口の案件で、単価が安い部品の場合、見積りを作成する手間に対して売上や利益が少なく、割に合わないことがある。このため、他の案件に対して対応が後回しになる、提供価格が比較的高く見積もられる等の購入希望者の不利益につながるおそれがあった。
【0004】
従来、部品の調達の工程や手間を低減するシステムとして、例えば、特許文献1に開示される製造委託支援装置がある。この製造委託支援装置は、製造業者から部品の図面データを受信すると、受信した図面データの分析を行って部品の加工可能性を判定し、部品の加工が可能な複数の加工業者に対して見積もり依頼を行い、その見積価格を製造業者に回答するというものである。このように、特許文献1に開示される製造委託支援装置は、製造業者と加工業者とのやり取りを仲介するため、部品調達に関する両者の負担を軽減することが可能となる。
また、特許文献2には、機械装置を構成する複数の部品一式の価格又は納期を自動的に見積り、ユーザに提供することのできる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6462945号公報
【特許文献2】特許第6415492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に開示される装置は、加工品に特化したシステムであり、プラント部品の手配にただちに適用することはできない。すなわち、プラント部品は、設計圧力、運転圧力、設計温度、運転温度などの制約条件に加えて、流量や圧力損失などの流体搬送システム特有のパラメータを考慮した上で、購入部品を決定する必要がある。このため、特許文献1、2に開示される装置では、複数のプラント部品からなる流体搬送システム全体の見積りにおいて、制約条件などを全て満足する部品を選定することは不可能であった。更に、流体搬送システムの運用には、流体を搬送するプラント部品だけでなく、ポンプや計器などに駆動電源としての電気を供給するための電気部品についても必要となる。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、流体搬送システムを構成する複数のプラント部品及び電気部品をユーザに提供することのできる購入支援装置、購入支援方法、及び購入支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る購入支援装置は、複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援装置であって、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する条件入力支援部と、流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する部品選定部と、選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する電気関連部品抽出部と、前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する電気部品特定部と、特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる電気システム生成部とを備える。
【0009】
本開示の一態様に係る購入支援方法は、複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援方法であって、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する工程と、流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する工程と、選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する工程と、前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する工程と、特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる工程と、をコンピュータが実行する。
【0010】
本開示の一態様に係る購入支援プログラムは、コンピュータを上記のいずれかの購入支援装置として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の購入支援装置、購入支援方法、及び購入支援プログラムによれば、流体搬送システムを構成する複数のプラント部品及び電気部品をユーザに提示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係る購入支援装置のネットワーク構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る購入支援装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る購入支援装置が備える機能の一例を示した機能構成図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る標準部品データベースに格納される情報の一例を示した図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るサプライヤ部品データベースに格納されるサプライヤ部品情報の一例を示した図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図13】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図14】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図15】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図16】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図17】本開示の一実施形態に係る条件入力画面の一例を示した図である。
【
図18】本開示の一実施形態に係る標準システム構成調整画面の一例を示した図である。
【
図19】本開示の一実施形態に係る標準システム記憶部に格納される情報の一例を示した図である。
【
図20】本開示の一実施形態に係る計算ブロックチェーンの一例を示した図である。
【
図21】本開示の一実施形態に係る標準システム選定画面の一例を示した図である。
【
図22】本開示の一実施形態に係る部品候補記憶部に格納されるデータの一例を示した図である。
【
図23】本開示の本実施形態に係る比較選定画面の一例を示した図である。
【
図24】本開示の一実施形態に係る個別選択画面の一例を示した図である。
【
図25】本開示の一実施形態に係る選定部品記憶部に格納されるデータの一例を示した図である。
【
図26】本開示の一実施形態に係るシステム構成調整画面の一例を示した図である。
【
図27】本開示の一実施形態に係る最終確認画面の一例を示した図である。
【
図28】本開示の一実施形態に係る電気系統図の一例を示した図である。
【
図29】本開示の一実施形態に係る電気系統図の他の一例を示した図である。
【
図30】本開示の一実施形態に係る配線ルートを含むシステム構成図の一例を示した図である。
【
図31】本開示の一実施形態に係る注文予約画面の一例を示した図である。
【
図32】本開示の一実施形態に係る購入支援方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の一実施形態に係る購入支援装置1、購入支援方法、及び購入支援プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る購入支援装置1は、例えば、流体搬送システムにおけるエンジニアリングを伴うプラントエンジニアリングにおいて、流体搬送システムを構成する部品群(部品一式)を購入する場合に適した装置である。
ここで、「流体搬送システムにおけるエンジニアリング」とは、例えば、プラント中に組み込まれている、気体、液体、固体などの媒体を搬送する系統の企画・設計・調達を行うことを意味する。媒体には、気体液体混合系(例えば、蒸気とドレンの混合系)、気体固体混合系(例えば、微粉炭の空気による搬送)、液体固体混合系(例えば、スラリ)等も含まれる。
【0014】
また、「プラント部品」とは、例えば、流体搬送システムに用いられている流体伝導要素および機器を意味する。流体伝導要素として、例えば、配管、伸縮・可撓管(ベローズ、フレキシブルチューブ等)、ベンド管、エルボ、継手、弁(手動弁、電動弁、電磁弁、調節弁、安全弁、逆止弁等)が挙げられる。機器として、例えば、計器、搬送機器、ストレーナ、アキュムレータ、スチームトラップ、減温器等が挙げられる。計器の一例として、圧力計、温度計、流量計等が挙げられる。搬送機器の一例として、ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサ、コンベア等が挙げられる。また、周辺部品として、保温機器(保温部材)、配管支持部材、機器の支持架台、鉄骨等が挙げられる。さらに拡張すると、ボイラ、冷凍機、脱水機、乾燥機などの流体を受け入れて流体を吐き出す産業機械なども対象とできる。
【0015】
図33にプラント部品の関係を示す。
プラント部品には、流量の変化範囲等、プラントの運用を考慮した設計を行った後でなければ仕様を選定できない部品が存在する。このようなプラント部品として、例えば、安全弁、制御弁(空動、油動を含む)、熱交換器、減温器、オリフィス、スチームトラップなどの配管部品、ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサ等の搬送機器が挙げられる。
また、電気設備(電源装置等の電源設備、計測・制御信号などを取り扱う制御装置・計測装置・データ入出力装置等の計装設備等)との電気的な取り合いを必要とするプラント部品(以下「電気関連部品」という。)があり、このようなプラント部品として、例えば、電磁弁、電動弁、制御弁(空動、油動を含む)、ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサ、コンベア等の搬送機器、計器が挙げられる。
【0016】
以下、本実施形態に係る購入支援装置1について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る購入支援装置1のネットワーク構成を示す図である。
図1に示すように、購入支援装置1は、クライアント端末70、及びサプライヤ端末80とネットワークを介して接続可能とされ、相互に情報の送受信が可能な構成とされている。ネットワークの一例として、Wi-Fi、移動通信システム(3G、4G、5G、6G、LTE等)、無線LAN(Local Area Network)、有線LANなどが挙げられる。
【0017】
図1では、1台のクライアント端末70、1台のサプライヤ端末80を例示しているが、購入支援装置1に接続されるクライアント端末70、サプライヤ端末80の台数は、この例に限定されない。
また、
図1では、同じネットワークによって、購入支援装置1、クライアント端末70、サプライヤ端末80がそれぞれ接続されているが、この例に限られない。例えば、購入支援装置1とクライアント端末70とが接続されるネットワークと、購入支援装置1とサプライヤ端末80とが接続されるネットワークとは異なっていてもよい。
【0018】
図2は、購入支援装置1のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。購入支援装置1は、いわゆるサーバ(コンピュータ)であり、
図2に一例を示すように、CPU(プロセッサ)11、CPU11が実行するプログラム(例えば、購入支援プログラム)等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ13、ネットワークに接続するための通信デバイス14を主な構成として備え、これら各部はバス18を介して接続されている。また、購入支援装置1は、キーボード等の入力部15や表示部16等を更に備えていてもよい。補助記憶装置12には、例えば、購入支援装置1全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、当該購入支援装置1を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。上記補助記憶装置12の一例として、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスク等が挙げられる。
【0019】
クライアント端末70は、プラント部品、本実施形態では、複数のプラント部品から構成される流体搬送システムの購入を希望するユーザが利用する情報処理装置である。クライアント端末70は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯電話端末、スマートフォン等である。クライアント端末70の構成は公知であるため、詳細な説明は省略するが、上述した購入支援装置1と同様に、CPU、補助記憶装置、メインメモリ、通信デバイス、入力部を備えている。更に、クライアント端末70は、表示部(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)を備えている。更に、クライアント端末70は、マイクロホン、スピーカを備えていてもよい。補助記憶装置には、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のクライアント端末70の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、後述するクライアント端末70の機能を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。
【0020】
サプライヤ端末80は、プラント部品を販売するサプライヤが利用する情報処理装置である。ここで、「サプライヤ」とは、例えば、プラント部品を製造・販売している会社を意味する。プラント部品の製造会社が商社を代理店として自社製品を販売している場合、プラント部品の製造会社と商社の組み合わせを「サプライヤ」という。
【0021】
サプライヤ端末80は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯電話端末、スマートフォン等である。サプライヤ端末80の構成は公知であるため、詳細な説明は省略するが、上述した購入支援装置1と同様に、CPU、補助記憶装置、メインメモリ、通信デバイス、入力部を備えている。更に、サプライヤ端末80は、表示部(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)を備えている。更に、サプライヤ端末80は、マイクロホン、スピーカを備えていてもよい。補助記憶装置には、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のサプライヤ端末80全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、後述するサプライヤ端末80の機能を実現するためのアプリケーション及び各種データやファイル等が格納されている。
【0022】
次に、本実施形態に係る購入支援装置1の機能について説明する。
図3は、本実施形態に係る購入支援装置1が備える機能の一例を示した機能構成図である。以下に示す各機能を実現するための一連の処理は、一例としてプログラム(例えば、購入支援プログラム)として、購入支援装置1が備える補助記憶装置12に格納されており、このプログラムをCPU11がメインメモリ13に読み出して実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、購入支援装置1が備える補助記憶装置12に予めインストールされている形態、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0023】
図3に示すように、購入支援装置1は、標準部品データベース21、サプライヤ部品データベース22、及び電気部品データベース23を備えていてもよい。また、購入支援装置1は、流体計算ブロックデータベース24及び発注データベース25を備えていてもよい。また、購入支援装置1は、例えば、条件入力支援部31、部品選定部、電気関連部品抽出部34、電気部品特定部35、電気システム生成部36等を備えていてもよい。また、購入支援装置1は、発注支援部37を備えていてもよい。
また、購入支援装置1は、システム部品を選定する上で、各種データを格納する記憶領域として、選定条件記憶部41、標準システム記憶部42、部品候補記憶部43、及び選定部品記憶部44を備えていてもよい。
以下、各部について説明する。なお、ここでは、分かりやすさのため、ある既存(既設)のタンクから別の既存のタンクまで水を送る流体搬送システムを新たに設置する場合を例に挙げて説明するが、これに限るものではなく、あらゆる流体、および、流体が出入りするあらゆる機器、部品について同様の取り扱いが可能である。
また、本実施形態では、部品選定部として、標準部品選定部32及びサプライヤ部品選定部33を備える場合を例示して説明する。
【0024】
〔標準部品データベース21〕
標準部品データベース(部品データベース)21には、流体搬送システムに関する複数の標準部品の情報が格納されている。例えば、標準部品データベース21には、各プラント部品について、代表的な仕様の情報である代表仕様情報とその部品が備える機能とが関連付けられて格納されている。代表仕様情報は、例えば、各サプライヤが提供する各プラント部品(サプライヤ部品)の仕様に基づいて事前に決定される。例えば、ポンプの場合、口径(入口/出口)とモータ出力に基づいて代表仕様が予め決定される。このように、標準部品とは、代表仕様のプラント部品を意味する。
【0025】
図4に、本実施形態に係る標準部品データベース21に格納される情報の一例を示す。
図4に示すように、標準部品データベース21には、標準部品名、部品種別、代表仕様情報、及び機能が互いに関連付けられて登録されている。また、ここでは、部品種別と代表仕様情報とを区別しているが、代表仕様情報に部品種別を組み入れ、部品種別を代表仕様情報の一部としてもよい。
ここで、「機能」とは、後述する条件入力支援部31で入力等される「要求機能」に対応している。ユーザが後述する条件入力支援部31において選択した「要求機能」に対応する「機能」に関連付けられている標準部品が流体搬送システムの構成部品として選定されることとなる。
標準部品データベース21には、これらの情報を容易に抽出できるよう、例えば、標準部品名をキー(目印になる名称)として、そのキーに紐づけて代表仕様情報を保管、処理する方法(以下、「マップ形式」という。)を取ってもよい。
【0026】
〔サプライヤ部品データベース22〕
サプライヤ部品データベース(部品データベース)22には、サプライヤが販売するプラント部品(以下「サプライヤ部品」という。)の情報が格納されている。サプライヤ部品データベース22には、例えば、サプライヤ毎に、そのサプライヤが販売するプラント部品の型番と仕様データとが関連付けられて格納されている。またプラント部品の型番には、製品名、価格、及び納期の情報が更に関連付けられていてもよい。また、プラント部品の型番には、オプション情報が更に関連付けられていてもよい。
図5に、本実施形態に係るサプライヤ部品データベース22に格納されるサプライヤ部品情報の一例を示す。
図5に示すように、サプライヤ部品データベース22には、サプライヤ毎に、型番、製品名、仕様情報、価格、及び納期が互いに関連付けられて登録されている。サプライヤ部品データベース22には、これらの情報が、例えば、マップ形式でデータ管理されていてもよい。
【0027】
価格及び納期の情報は、各サプライヤによって随時更新可能とされている。これにより、最新のデータを用いて見積書を作成することが可能となり、信頼性の高い見積書をユーザに提供することが可能となる。また、価格には、プラント部品の価格の他、商品の発送に必要となる諸経費などが登録されていてもよい。
【0028】
〔電気部品データベース23〕
電気部品データベース23には、複数の電気部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている。電気部品の一例として、入出力モジュール、ブレーカ(開閉器)、ヒューズ(遮断器)、配線(電源ケーブル、通信ケーブル等)等が挙げられる。入出力モジュールの一例として、アナログ入力(AI)モジュール、アナログ出力(AO)モジュール、デジタル入力(DI)モジュール、デジタル出力(DO)モジュール、入出力(I/O)システム等が挙げられる。
【0029】
〔流体計算ブロックデータベース24〕
流体計算ブロックデータベース24には、標準部品(例えば、標準部品名)と標準的な演算式とが関連付けられた複数の計算ブロックが格納されている。また、流体計算ブロックデータベース24には、各サプライヤが提供するサプライヤ部品(例えば、サプライヤの型番)とサプライヤ独自の演算式とが関連付けられた複数の計算ブロックが格納されている。
各計算ブロックには、例えば、部品入口の流体圧力から出口圧力を算出するための圧力損失演算式が登録されている。
【0030】
〔発注データベース25〕
発注データベース25には、例えば、ユーザ別に発注に関する情報が格納されている。発注に関する情報として、過去の発注履歴や、現在の発注予約情報、発注状況等が挙げられる。発注データベース25の内容を確認することで、各ユーザがどのようなプラント部品や電気部品を購入したのか、また、これから購入しようとしているのかを把握することができる。
【0031】
〔条件入力支援部31〕
条件入力支援部31は、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求仕様及び要求機能を選定条件として取得する。例えば、要求仕様には、入口側設計温度、入口側設計圧力、出口側設計温度、及び出口側設計温度の少なくともいずれか一つが含まれる。また、要求仕様には、既設の運転条件が含まれていてもよい。既設の運転条件として、例えば、入口側のタンク圧力、水面高さ、及び流体温度並びに出口側タンク内圧力の少なくとも一つが挙げられる。
要求機能は、ユーザが流体搬送システムに備えさせたい機能であり、一例として、逆流防止機能、入口仕切機能、出口仕切機能、ポンプ入口圧力計測機能、ポンプ出口圧力計測機能、流量計測機能、ポンプへの異物流入防止機能、ドレン抜き機能等が挙げられる。
【0032】
更に、選定条件には、搬送する流体の種類、流体の駆動源、流体の搬送始点及び搬送終点に関する情報、適用規格、配管継手仕様の少なくともいずれか一つが含まれてもよい。また、選定条件には、プラント部品の選定希望条件及び優先する検討条件が含まれていてもよい。例えば、優先する検討条件の選択肢の例として、流量、または、配管径がある。配管径を大きくするほど、流体が流れる際の圧力損失が小さく、運転時のロスを小さくできるというメリットがある一方で、配管径が大きくなるほど、材料費が大きくなり、また、必要な空間も大きくなるというデメリットがある。流体搬送系を計画する際は、運転時の性能、材料コスト、空間的な成立性、納期などを総合的に評価し、最適解を判断する必要があり、本選定希望条件および優先する検討条件は、ユーザが所望する条件に近い検討結果を早期に得ることを目的とするものである。
【0033】
流体の種類として、例えば、空気、ガス、水、飽和水、飽和蒸気、過熱蒸気等が挙げられる。流体の駆動源として、例えば、ファン、ポンプ、位置エネルギー等が挙げられる。
流体の搬送始点の情報として、例えば、始点座標、接続先、接続仕様が挙げられる。液体を搬送する場合の接続先として、例えば、タンク底の管台(液面下)、タンク胴の管台(液面下)、弁出口(液面下)が挙げられる。接続仕様として、例えば、フランジ、ねじ込み、ユニオン、溶接が挙げられる。
流体の搬送終点の情報として、例えば、終点座標、接続先、接続仕様が挙げられる。液体を搬送する場合の接続先として、例えば、タンク天の管台(液面上)、タンク胴の管台(液面上)、タンク胴の管台(液面下)、弁入口(液面上)、弁入口(液面下)が挙げられる。接続仕様として、例えば、フランジ、ねじ込み、ユニオン、溶接が挙げられる。
【0034】
適用規格として、例えば、JIS、ASME、ANSI、JPI等が挙げられる。
継手仕様として、例えば、フランジ、ねじ込み、ユニオン、溶接が挙げられる。
プラント部品の選定希望条件として、例えば、必要流量、設計圧力、設計温度、希望配管径、希望最小配管径、希望最大配管径が挙げられる。
優先する検討条件として、例えば、流量、配管径が挙げられる。
【0035】
また、選定条件には、許容できる最遅納期、許容できる最高価格、希望送り先・梱包仕様・輸送方法等の納品に関する各種情報等が含まれていてもよい。このように、許容できる最遅納期や許容できる最高価格を選定条件として入力させることで、ユーザの希望に合わない納期や価格を排除することが可能となる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができるとともに、購入支援装置1における演算処理負担を軽減させることが可能となる。
【0036】
例えば、条件入力支援部31は、これらの選定条件を入力するための条件入力画面をクライアント端末70に表示させるための画面データを生成し、クライアント端末70に送信する。選定条件の入力は、例えば、対話形式で行うこととしてもよい。また、経験の浅いユーザでも容易に入力できるように、また、イメージをつかみやすいように、図などを用いながら入力を促すこととしてもよい。
【0037】
図6~
図17は、条件入力支援部31が生成する対話型の条件入力画面の一例を示した図である。条件入力支援部31は、
図6~
図17に示す条件入力画面を順番にクライアント端末70に表示させることで、必要な条件をユーザに入力させ、流体搬送システムを構成するプラント部品を選定するために必要な情報を取得する。
【0038】
図6は、購入対象を選定させる条件入力画面、
図7は、流体種類を選択させる条件入力画面、
図8は、流体の駆動源を選択させる条件入力画面、
図9は、流体の搬送始点及び搬送終点の座標を入力するための条件入力画面、
図10は、流体の搬送始点の接続先及び接続仕様を選択させるための条件入力画面、
図11は、流体の搬送終点の接続先及び接続仕様を選択させるための条件入力画面、
図12は、適用規格を選択させるための条件入力画面、
図13は、継手仕様を選択させるための条件入力画面、
図14は、追加機能(要求機能)を選択させるための条件入力画面、
図15は、既設の設計条件を入力させるための条件入力画面、
図16は、既設の運転条件を入力させるための条件入力画面、
図17は、選定希望条件及び優先する検討条件を入力させるための条件入力画面である。なお、ここでは、分かりやすさのため、ある既存(既設)のタンクから別の既存のタンクまで水を送る流体搬送システムを新たに設置する場合を例に挙げて説明しているため、
図15、
図16において既設の設計条件、既設の運転条件を入力しているが、新設の場合には、新設の設計条件、新設の運転条件を入力することとしてもよい。また、上述した条件入力画面に加えて、電気部品を手配するために必要となる情報をユーザに入力させる条件入力画面を更に提示することとしてもよい。例えば、既設の電気設備の情報を入力させる条件入力画面を提示することとしてもよい。この条件入力画面は、例えば、既設の電気設備の図面などを添付できるような構成とされていてもよい。
【0039】
なお、選定条件の入力については、複数の入力モードが設けられていてもよい。例えば、ユーザに、複数の入力モードを提示し、そのうちのいずれかをユーザに選択させるようにしてもよい。そして、条件入力支援部31がユーザによって選択された入力モードに応じた条件入力画面を生成して、クライアント端末70に送信することとしてもよい。
【0040】
入力モードの一例として、詳細入力モード、簡易入力モード、型番入力モード等が挙げられる。詳細入力モードは、一般的に、サプライヤが部品を選定する際に必要となる全ての条件を入力するモードである。このモードは、流体搬送システムにおけるエンジニアリングに精通しているユーザ向けである。簡易入力モードは、不慣れなユーザ向けに入力事項を主要なものに絞ったモードである。例えば、詳細入力モードで入力する条件のうちのいくつかが省略されたモードとされている。型番入力モードは、サプライヤ名又は型番を入力するモードであり、既設のプラント部品と同じものを購入したいユーザや、予めサプライヤのカタログ等を調査して欲しい型番が決まっているユーザを対象としたモードである。
このように、複数の入力モードを設け、ユーザが所望の入力モードを選択できるように構成することで、ユーザのエンジニアリングの能力とニーズに応じたサービスを提供することが可能となる。
【0041】
〔入力補助部〕
条件入力支援部31は、例えば、入力補助部311(
図3参照)を備えていてもよい。入力補助部311は、複数の選定条件のうち、ユーザによって入力されなかった選定条件を過去の蓄積データ又は予め設定されている初期値に基づいて仮入力する。
例えば、入力補助部311は、設計条件や運転条件に関する初期値を予め保有しており、設計条件や運転条件に選定条件が入力されなかった場合に、それらの初期値を仮入力する。また、初期値に代えて、過去の実績値等に基づく代表値を仮入力することとしてもよい。
【0042】
更に、入力補助部311は、所定の質問フローに従ってユーザに質問を投げかけ、その質問に対してユーザが回答する対話形式により、不足している選定条件をユーザに入力させることとしてもよい。また、入力補助部311によって仮入力が行われた場合、仮入力した条件をユーザに提示し、ユーザの想定から外れていないかをユーザに確認させるようにしてもよい。
【0043】
例えば、プラント部品は形状、強度などの部品自体に紐づく制約条件だけでなく、内部を流れる流体に対する制約条件もあることから、適切な部品を選定するにはある程度の経験が必要となる。このため、経験に乏しいユーザは、どのような条件を設定すればよいかわからず、自主的に条件を設定することが難しい場合がある。このような場合に、入力補助部311を設け、ユーザの入力を支援することにより、流体搬送システムにおけるエンジニアリングの経験に乏しいユーザでも、プラント部品の手配に必要となる適切な条件を入力することが可能となる。
【0044】
〔選定条件記憶部41〕
条件入力支援部31によって取得された要求仕様及び要求機能等の選定条件は、選定条件記憶部41に格納される。例えば、選定条件は、マップ形式で格納されてもよい。例えば、選定条件には、入口条件、出口条件、要求機能、設計圧力温度、要求仕様等の各主項目に対して、ユーザによって入力された条件がそれぞれ関連付けられて格納される。また、この選定条件には、ユーザから取得した条件に基づいて所定の演算を行うことにより、新たな情報が追加されてもよい。例えば、プラント部品の選定においては、設定圧力及び設定温度から呼び圧力(温度圧力レーティング)を算出し、呼び圧力を用いて部品選定を行う。このため、選定条件には、クライアント端末70から取得した設定圧力及び設定温度に基づく呼び圧力(温度圧力レーティング)が含まれていてもよい。
【0045】
〔標準部品選定部32〕
標準部品選定部32は、標準部品データベース21から、選定条件に基づいて流体搬送システムを構成する複数の標準部品(プラント部品)を選定する。
例えば、標準部品選定部32は、標準システム生成部321及び標準システム選定部322を備えている。
【0046】
〔標準システム生成部321〕
標準システム生成部321は、選定条件記憶部41に格納された選定条件に基づいて、標準部品データベース21から流体搬送システムを構成する複数の標準部品を特定し、特定した複数の標準部品を繋ぎ合わせた標準システム構成図を生成する。具体的には、標準システム生成部321は、特定した複数の標準部品を搬送始点から搬送終点までの流体搬送路に配置することにより、流体搬送システムのシステム構成図である標準システム構成図を生成する。
【0047】
より具体的には、標準システム生成部321は、選定条件(例えば、要求機能、配管径、レーティング、接続様式)の情報に基づいて適合する標準部品を標準部品データベース21から取得する。そして、取得した標準部品を流体搬送路上に順番に配置することで標準システム構成図を生成する。このとき、流体搬送路は、始点座標、終点座標及び既設仕様等に基づいて生成され、また、始点から終点までは希望配管径として入力された値に基づく配管で接続される。
【0048】
標準システム生成部321は、標準システム構成図を生成すると、この標準システム構成図を含む標準システム構成調整画面を生成し、この画面データをクライアント端末70の表示部に表示させる。
図18は、標準システム構成調整画面の一例を示した図である。標準システム構成調整画面には、選定条件に基づいて生成された標準システム構成図が表示されるとともに、この標準システム構成図の選定条件とされた要求機能、要求仕様、既設仕様等の情報が併せて表示される。
図18に示した標準システム構成図において、一点鎖線で囲われたそれぞれのブロックが各標準部品に対応する部品ブロックである。
【0049】
この標準システム構成調整画面において、標準システム構成図は、配管の追加、ルートの変更、部品ブロックの位置及び配置順序の変更、並びに要求機能の追加及び削除等の少なくとも一つをユーザが行えるように構成されている。なお、
図18では、2次元のシステム構成図として示されているが、例えば、等角投影図を用いたアイソメ図や3D表示などの3次元のシステム構成図として表示されてもよい。
ユーザは、このシステム構成調整画面において部品ブロックを動かす、部品ブロック同士を繋ぐ配管の寸法を変更する等の操作を行うことにより所望のシステム構成図を作図し、作図が完了すると、送信ボタンBT1を押下する。これにより、ユーザによって確定されたシステム構成図の情報が購入支援装置1に送信される。
【0050】
また、流体搬送システムが設置される周辺部品の図面(例えば、2次元CADデータ、3次元CADデータ等)などが購入支援装置1に与えられた場合には、背景としてこれらの周辺部品などを標準システム構成図に含めて表示することとしてもよい。このように、周辺部品などを背景として併せて表示することにより、周辺部品との配置などを考慮して、適切な位置に標準部品を配置することが可能となる。
【0051】
また、例えば、プラント部品には、上流下流の設備構成や直管長に制約のあるケースがある。例えば、オリフィス式流量計は、計測誤差を基準内に収めるために、その前後に一定長の直管長を確保するという制約がある。また、異なる種類の計器を並べる場合、望ましい設置順がある。例えば、温度計は計測点を流体内に差し込むため、流体の流れを乱す要因となり、圧力や流量の計測結果に影響を与え得る。このため、圧力計や流量計の下流側に温度計を設置する等の制約がある。また、電磁式流量計では、流量計測部が常に流体に満たされている必要があるため、配管ルートに制約がある。また、安全弁では、後流の圧力損失が高すぎると、換言すると、配管が細すぎたり長すぎたりすると、計画の吹出量を確保できなくなるため、配管の長さや径に制約がある。
【0052】
このため、標準システム生成部321は、上記のような制約条件を考慮して、標準部品の配置や周囲の部品との位置関係の適切さを判定し、標準システム構成図において、変更を要する標準部品や変更した方が良い標準部品を重要度に応じて色別表示する機能を有していてもよい。このように、ユーザによる標準部品の位置変更等を支援することにより、不具合の防止、検討工数の低減に貢献することが可能となる。
【0053】
また、標準システム生成部321は、標準部品の変更を提案する機能を有していてもよい。例えば、フランジ継手だと寸法が合わないが、溶接継手に変更すると寸法が規定範囲内に収まるなどの提案が挙げられる。
【0054】
更に、標準システム生成部321は、現在の標準システム構成調整画面において、価格がより安くなる、または、ほとんど変わらない配管ルートの改良案を図示提案する機能を備えても良い。なお、ここでの評価軸はユーザが1つまたは複数選択できるようにし、価格に限らず、納期、低圧力損失、適合度、おすすめ度、配管長の短さ、等を選ぶことができるようにしてもよい。また、機械学習の結果に基づき、改良案を図字提案してもよい。これにより、最適な配管ルートをユーザに提供することが可能となり、ユーザの労力を軽減することが可能となる。
【0055】
更に、標準システム生成部321は、あるプラント部品の位置を動かすにあたり、プラント部品を選択すると、予め決めた評価軸の評価の変化の予想結果が、選択したプラント部品の周りに色の違いとして表現される機能を備えていてもよい。このように、プラント部品の移動先を視覚的に提示することで、ユーザは標準部品の配置を容易に決定することが可能となる。評価軸の一例として、価格改善の可能性あり、価格変動なし、価格変動の懸念レベル:小、中、大などがある。また、計器仕様に基づいて移動できない領域がある場合には、その領域を視覚的に提示することとしてもよい。
【0056】
更に、標準システム生成部321は、予め設定した評価軸の評価を高くする、あるいは、評価軸の改良案を提案する機能を備えていてもよい。これにより、空間的な配置の最適化に寄与する工夫点のみならず、プラント部品の仕様見直しによる改良が期待できる。例えば、このような提案は、購入支援装置1が蓄積している過去の事例や機械学習の結果、または、予め登録してある典型的な改良パターンにより実現することが可能である。
【0057】
更に、標準システム生成部321は、選定されている各標準部品の継手の仕様や配管ルートの情報から、典型的な工数を見積もり、一般的な工数単価を以って計算することで、工事費用を見積もり、システム手配の価格との合算として表示する機能を有していてもよい。更に、見積工数を上記評価軸の一つとしてもよい。このように、工事費用も含めた評価軸を用意することで、ユーザがシステム導入する際の総費用低減に寄与することが可能となる。
【0058】
〔標準システム記憶部42〕
標準システム記憶部42には、ユーザによって確定された標準システム構成図に基づく情報が格納される。
図19は、標準システム記憶部42に格納される情報の一例を示した図である。
図19に示すように、標準システム記憶部42には、流体搬送システムを構成する各標準部品の情報がその接続順に上から順番にリスト化されて格納される。各標準部品の情報は、ブロック名、標準部品名、配管呼び径(寸法)、呼び圧力(温度圧力レーティング)、始点の座標、終点の座標、及び長さを含んでいてもよい。これらの情報は、標準部品データベース21に格納されている各標準部品の代表仕様情報等に基づいて作成される。また、標準システム記憶部42には、更に、参考納期、参考価格などが関連付けられて格納されてもよい。
このように、標準システム記憶部42には、後続の処理である部品選定に必要な情報(寸法(呼び径)、呼び圧力(温度圧力レーティング)、座標情報等)が関連付けられて登録される。
【0059】
〔標準システム選定部322〕
標準システム選定部322は、標準システム記憶部42に格納された各標準部品のうち、予め設定されている主要標準部品については仕様のそれぞれ異なる複数の標準部品を選定し、複数の標準システム構成候補を生成する。主要標準部品の一例として、ポンプ、配管が挙げられる。
【0060】
更に、標準システム選定部322は、複数の標準システム構成候補のそれぞれについて、その構成部品である標準部品に対応する計算ブロックを流体計算ブロックデータベース24から取得し、取得した計算ブロックを接続順序に従ってつなぎ合わせることにより、計算ブロックチェーンを生成する。そして、標準システム選定部322は、計算ブロックチェーンに対して入力条件、例えば、圧力、温度、流量の入口条件を与えることにより、流体搬送システムの出口条件、例えば、圧力、温度、流量の出口条件を算出する。
【0061】
図20に、計算ブロックチェーンの一例を示す。
図20において、例えば、「Piping」は、標準配管計算ブロック、「Bv」は標準ボール弁計算ブロック、「Tpiece」は標準Tピース計算ブロック、「Pump」は標準ポンプ計算ブロック(口径調整用のレデューサを含む)、「FT」は標準流量計計算ブロック、「Elbow」は、標準エルボ計算ブロックを示している。
【0062】
標準システム選定部322は、計算ブロックチェーンの最初の計算ブロックBL1に流体の入力条件、具体的には、圧力、温度、流量を入力する。最初の計算ブロックBL1において算出された出口条件は、次の計算ブロックBL2に入力条件として与えられる。そして、計算ブロックをつなぎ合わされた順番で、出口条件の計算が順次行われることにより、最終的に終点となる計算ブロックBLnにおいて出力条件が算出される。この出力条件が、当該標準システム構成候補におけるシステム全体の出口条件となる。なお、入口条件として、温度、流量、圧力を入力することとしたが、温度、流量については、入口から出口まで一定であると仮定し、圧力損失のみを計算することとしてもよい。
標準システム選定部322は、複数の標準システム構成候補のそれぞれに対して計算ブロックチェーンを生成し、各流体搬送システムの出口条件を算出する。
【0063】
また、標準システム選定部322は、例えば、最高到達点での流体流れ診断機能、NPSH(Net Positive Suction Head:正味吸込ヘッド)計算機能、ハンマー診断機能、騒音計算機能、各部品の設計圧力温度の妥当性診断機能などの他の計算機能を有していてもよい。
最高到達点での流体流れ診断機能は、各標準部品の座標情報から流体搬送システムの最高到達点の座標情報及びその部品を特定し、その部品に対応する計算ブロックにおいて入口条件及び出口条件の圧力条件が所定の閾値以上であるかを判定する。これにより、選定した標準部品によって流体を搬送する際に、最高到達点にある部品において最低流量以上の流量が確保できるのかを確認することができる。また、最低流量が確保できていないと判定した場合には、例えば、その標準システム構成候補におけるポンプの仕様を変更することにより、最高到達点にある部品において最低流量が確保できるように調整してもよい。
【0064】
また、NPSH計算機能は、ポンプや圧縮機の吸込側の制約条件を満たしているか否かを判定する機能、騒音計算は騒音が所定の閾値以下であるか否かを判定する機能、ハンマー診断機能は、ハンマー現象(水撃現象)が発生する可能性があるか否かを判定する機能である。
また、各部品の設計圧力温度の妥当性診断機能は、各部品における運転圧力温度が設計圧力温度を下回っているか、換言すると、運転条件が各部品の呼び圧力の範囲内に入っているか否かを判定する機能である。例えば、ポンプで昇圧すると、ポンプの性能によっては、ポンプ以後のプラント部品の呼び圧力が変わる場合がある。このような場合を考慮して、各部品の設計圧力温度の妥当性を診断することで、適切な部品、例えば、より高圧に耐える部品等を選定する必要性をユーザに伝えることができる。
標準システム選定部322は、各標準システム構成候補について、主要標準部品の情報(ポンプの仕様、流量、基準配管呼び径)と、流量及び揚程(ヘッド)の関係特性とが示された標準システム選定画面を生成し、クライアント端末70に送信する。
【0065】
図21は、標準システム選定画面の一例を示した図である。標準システム選定画面には、各標準システム構成候補について、想定される運転条件が表示される。具体的には、標準システム選定画面には、各標準システム構成候補について、ポンプの型式、流量、基準配管呼び径、流速の値が表示される。また、上述した各計算機能による診断結果、例えば、最高到達点において最低流量が確保できるか否かの診断結果、NPSHの計算結果、ハンマー危険性、騒音レベル、各部品の設計圧力温度の妥当性診断結果等についても判断材料の一つとして表示されてもよい。
このように各計算機能による診断結果を表示することにより、ユーザに様々な観点に基づく判断材料を与えることができ、最もニーズに合った標準システム構成候補を選定させることが可能となる。
更に、標準システム選定画面には、価格、納期などの情報が併せて表示されてもよい。
【0066】
また、標準システム選定画面には、システム全体の運転点を表示してもよい。
図21では、システム全体の運転点がグラフ上に(例えば、Q(流量)-H(ヘッド)平面における性能曲線と抵抗曲線との交点として)表示されている。この運転点は、上記計算ブロックチェーンにおいて算出されたシステムの出力条件を考慮して演算される。
このように、システム全体の運転点、仕様情報をユーザに提示することにより、ユーザは流体搬送システムを構成する複数のプラント部品一式をそのプラント部品単体を選定するのと同じ感覚で選定及び調達することが可能となる。また、周辺の設備構成を含めた検討も可能となる。
【0067】
更に、標準システム選定画面には、提示された各標準システム構成候補に希望するものがなかった場合に、流量条件の増減を指示するための入力部や配管の口径条件を増減させるための入力部が設けられていてもよい。これらの入力部が操作された場合には、その入力指示に従って、標準部品の特定が再度行われ、複数の標準システム構成候補が改めて生成されるとともに、各標準システム構成候補について上述した出口条件などの計算が行われる。
標準システム選定画面において、ユーザはニーズに合ういずれかの標準システム構成候補を選択し、送信ボタンBT2を押下する。これにより、ユーザによって選択された標準システム構成候補の情報が購入支援装置1に送信される。
【0068】
標準システム選定部322は、ユーザによって選択された標準システム構成候補の情報に基づいて標準システム記憶部42の情報を更新する。すなわち、
図19に示した各種情報(流体搬送システムを構成する各標準部品名および仕様データ等)がユーザによって選定された標準システム構成候補、換言すると、ユーザによって選定された代表仕様のプラント部品の情報に基づいて更新される。
【0069】
〔サプライヤ部品選定部33〕
サプライヤ部品選定部33は、サプライヤ部品データベース22から、標準部品選定部32によって選定された複数の標準部品にそれぞれ対応するサプライヤ部品を選定する。具体的には、サプライヤ部品選定部33は、標準システム記憶部42に格納されている各標準部品に対応するサプライヤ部品を選定する。
サプライヤ部品選定部33は、例えば、部品候補特定部331、システム候補生成部332、システム調整部333、及び仕様確認部334を備えている。
【0070】
〔部品候補特定部331〕
部品候補特定部331は、サプライヤ部品データベース22から標準システム構成図を構成する標準部品毎にそれぞれ対応する1又は複数のサプライヤ部品を特定する。具体的には、部品候補特定部331は、標準システム記憶部42に格納されている各標準部品に対応するサプライヤ部品をサプライヤ部品データベース22から特定する。このとき、部品候補特定部331は、各標準部品に対して、異なるサプライヤが販売する複数のサプライヤ部品を部品候補として特定するとよい。
より具体的には、部品候補特定部331は、標準部品毎に、その標準部品名および仕様データ(例えば、設計圧力、設計温度、呼び径等)に基づいて条件に合致する複数のサプライヤ部品を部品候補として特定するとともに、そのサプライヤ部品の価格、納期、オプション情報をサプライヤ部品データベース22から取得する。例えば、バルブの場合、呼び圧力とサイズ(例えば、呼び径)に基づいてサプライヤ部品が選定される。
【0071】
ここで、サプライヤによっては、サプライヤ部品を選定する際に、独自の要件を必要とする場合があり、この場合には、ユーザにその情報について問い合わせる必要がある。このような場合には、部品候補特定部331は、必要な情報を入力させる入力フォーム等をクライアント端末70に表示させることにより、追加入力をユーザに問い合わせることとしてもよい。
【0072】
このようにして、部品候補特定部331は、配管、ボール弁、ポンプなどの各標準部品のそれぞれに対応する1又は複数のサプライヤ部品(例えば、A社、B社、C社等のサプライヤ部品)を特定すると、特定したサプライヤ部品の情報を各標準部品と関連付けて部品候補記憶部43に格納する。
【0073】
〔部品候補記憶部43〕
部品候補記憶部43には、標準システム構成図を構成するブロック毎にサプライヤ部品の情報が関連付けられて格納される。
図22は、部品候補記憶部43に格納されるデータの一例を示した図である。
図22に示すように、部品候補記憶部43には、構成要素(ブロック名)に関連付けられてサプライヤ、型番、製品名、仕様情報、価格及び納期情報が格納される。ここで、サプライヤ、型番、製品名、仕様情報、価格及び納期情報は、サプライヤ部品データベース22から取得した情報(
図5参照)を書き込めばよい。
【0074】
〔システム候補生成部332〕
システム候補生成部332は、部品候補記憶部43に格納された複数のサプライヤ部品に基づいて、流体搬送システムを構成するサプライヤ部品の組み合わせであるシステム構成候補を少なくとも一つ生成し、クライアント端末70に表示させる。
具体的には、システム候補生成部332は、部品候補記憶部43に格納された複数のサプライヤ部品の中から所定の評価基準に従って複数のシステム構成候補を生成する。評価基準として、例えば、最安値、最短納期、低価格及び短納期、及びおすすめが挙げられる。
【0075】
最安値は、流体搬送システムを構成するプラント部品のトータル金額が最も安いサプライヤ部品の組み合わせ候補であり、最短納期は、流体搬送システムを構成するプラント部品の納期が最も早いサプライヤ部品の組み合わせである。また、低価格及び短納期は、価格と納期の両方から評価したものであり、例えば、価格と納期をパラメータとして含む評価演算式にそれぞれの値を代入することにより得た評価値が最も高いサプライヤ部品の組み合わせである。また、おすすめは、例えば、価格及び納期に加えて他の評価指標を加えた総合的評価値が最も高い部品の組み合わせである。例えば、価格、納期、口コミ(ユーザによる過去の評価情報)のそれぞれの評価値を所定の評価値演算式に代入することにより、サプライヤ部品毎にそれぞれ総合評価値を算出し、算出した総合評価値が最も高いサプライヤ部品の組み合わせを特定する。
【0076】
評価値演算式は、任意に設定できる。例えば、各項目の評価を10点満点で評価し、それぞれを加算した値としてもよいし、各項目に重み係数を設定し、各項目における点数と重みづけ係数とを乗じたものを加算した値としてもよい。また、購入支援装置1の運営者の過去の実績又は過去の類似設計実績、若しくは購入支援装置1の運用による過去の実績等を用いて機械学習し、機械学習結果に近いものから、おすすめ順として示しても良い。
【0077】
システム候補生成部332は、各評価基準に基づいて、複数のシステム構成候補を生成すると、これらが比較可能に示された比較選定画面を生成し、クライアント端末70に送信する。
【0078】
図23は、比較選定画面の一例を示した図である。
図23に示した比較選定画面では、パターン1として最安値のシステム構成候補が、パターン2として最短納期のシステム構成候補が、パターン3として低価格及び短納期の両面から評価されたシステム構成候補が、パターン4としておすすめのシステム構成候補が示されている。また、各システム構成候補について、各プラント部品のサプライヤ、製品名、価格、納期、及びユーザ評価が表示される。
図23では、プラント部品の一例として、配管、ボール弁、ポンプが表示されている。この比較選定画面において、ユーザは所望のパターンを選択することができる。
【0079】
また、比較選定画面には、個別選択ボタンBT3が設けられている。この個別選択ボタンBT3は、各プラント部品をユーザが選定できる個別選択画面に遷移するためのボタンである。
図24に、個別選択画面の一例を示す。個別選択画面では、流体搬送システムを構成する構成要素毎、換言すると、標準システム構成図に示されたブロック毎に、サプライヤ部品の情報が表示される。また、各サプライヤ部品は、価格順、納期順、おすすめ順に表示することが可能である。表示順序の切り替えは、タブを切り替えることにより可能となる。
【0080】
ユーザは、比較選定画面においていずれかのシステム構成候補を選択すると、又は、個別選択画面において各構成要素のサプライヤ部品を特定することにより、流体搬送システムを構成する各構成要素に対応するサプライヤ部品を選定すると、確定ボタンBT4(
図23参照)を押下する。
これにより、ユーザによって選定された各構成要素に対応するサプライヤ部品の情報が購入支援装置1に送信される。このようにしてユーザによって選定されたサプライヤ部品の情報は、各構成要素の情報に関連付けられて選定部品記憶部44に格納される。
【0081】
〔選定部品記憶部44〕
選定部品記憶部44には、流体搬送システムを構成する構成要素毎に対応するサプライヤ部品の情報が格納される。更に、選定部品記憶部44には、各サプライヤ部品に対応して座標情報が格納される。
図25は、選定部品記憶部44に格納されるデータの一例を示した図である。
図25に示すように、選定部品記憶部44には、各プラント部品に対応するサプライヤ部品の情報及び座標情報が関連付けられて登録される。サプライヤ部品の情報は、例えば、部品候補記憶部43から取得した情報であり、座標情報は、標準システム記憶部42から取得した情報である。
また、選定部品記憶部44において、各サプライヤ部品は、例えば、
図18に示したシステム構成図における搬送始点から搬送終点までのプラント部品の配置順にリスト化されて格納されてもよい。
【0082】
〔システム調整部333〕
システム調整部333は、選定部品記憶部44に格納されたサプライヤ部品の情報及び座標情報に基づいて、搬送始点から搬送終点までをつなぐシステム構成図を生成し、生成したシステム構成図を含むシステム構成調整画面を生成し、この画面データをクライアント端末70に表示させる。
図26にシステム構成調整画面の一例を示す。
図26に示すように、システム構成調整画面には、サプライヤ部品を用いて生成されたシステム構成図とともに、選定部品の詳細情報が表示される。
図26に示されるシステム構成図には、配管調整用部品(modification部品)が含まれている。これは、標準部品に代えてサプライヤ部品を採用したことによる配管誤差分を示したものである。
【0083】
すなわち、
図18に示した標準システム構成図は、標準部品を用いて作成されているのに対し、
図26に示したシステム構成図は、サプライヤ部品を用いて作成されている。このため、標準部品の代表的仕様とサプライヤ部品の仕様との誤差により、搬送終点の位置がユーザの要求した搬送終点の座標と異なる可能性がある。そこで、その誤差分を配管調整用部品としてシステム構成図に示し、ユーザに、この配管調整用部品が不要となるように各構成部品(ポンプ等)の位置や配管の長さを調整させる。これにより、サプライヤ部品を使用した場合の誤差を解消でき、要求入力画面(
図9参照)において入力された搬送始点及び搬送終点の条件を満たすことが可能となる。
ユーザは、調整が終了すると、送信ボタンBT5を押下する。これにより、調整後のシステム構成図の情報、具体的には、各構成要素の調整後の座標情報及び長さが購入支援装置1に送信される。システム調整部333は、調整後の情報を受信すると、この情報に基づいて選定部品記憶部44に格納されている各構成部品の座標情報や長さを更新する。
【0084】
〔仕様確認部334〕
仕様確認部334は、調整後のシステム構成図のデータ、すなわち、選定部品記憶部44に格納されている更新後のデータに基づいて、改めて性能計算を行う。例えば、仕様確認部334は、流体計算ブロックデータベース24に格納されている複数の計算ブロックの中から、選定部品記憶部44に格納されている各サプライヤ部品に対応する計算ブロックを取得し、取得した計算ブロックを配置順序に基づいてつなぎ合わせて、計算ブロックチェーンを生成する。そして、仕様確認部334は、作成した計算ブロックチェーンに対して入力条件(例えば、圧力、温度、流量)を与えることにより、流体搬送システムの出口条件(例えば、圧力、温度、流量)を算出する。また、仕様確認部334は、例えば、最高到達点での流体流れ診断機能、NPSH計算機能、ハンマー診断機能、騒音計算機能、各部品の設計圧力温度の妥当性診断結果などの他の計算機能を有していてもよい。
【0085】
仕様確認部334は、性能計算が終了すると、この性能計算結果等を含む最終確認画面を生成し、クライアント端末70に送信する。これにより、クライアント端末70の表示部には、最終確認画面が表示される。
図27は、最終確認画面の一例を示した図である。最終確認画面には、選定部品(ユーザによって選定されたサプライヤ部品)を用いて流体搬送システムを構成したときの運転点が表示される。具体的には、最終確認画面には、ポンプの型式、流量、基準配管呼び径、流速の値が表示される。また、上述した各計算機能による診断結果、例えば、最高到達点において最低流量が確保できるか否かの診断結果、NPSH、ハンマー危険性、騒音レベル、各部品の設計圧力温度の妥当性診断結果等についても表示されてもよい。更に、最終確認画面には、価格、納期情報が併せて表示されるとともに、選定部品の詳細情報(例えば、サプライヤ、型番、製品名、価格、個数等)が表示される。
そして、ユーザにより確認ボタンBT6が押下されると、流体搬送システムを構成する各種プラント部品の選定が確定されて、注文予約が完了される。このようにして、最終的に選定されたサプライヤ部品の情報は、発注予約情報として発注データベース25に格納される。
【0086】
〔電気関連部品抽出部34〕
電気関連部品抽出部34は、サプライヤ部品選定部33によって選定された複数のサプライヤ部品(プラント部品)、すなわち、選定部品記憶部44に格納されているサプライヤ部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるサプライヤ部品(以下、便宜上「電気関連部品」という。)を抽出する。例えば、電気関連部品抽出部34は、仕様データに、電源の種類(直流電源または交流電源)、必要電圧、必要電流、相の数(交流電源における単相もしくは三相)などの電気に関連するデータが含まれているサプライヤ部品を電気関連部品として抽出してもよい。また、仕様データに、電気関連部品であることを判別するための情報(例えば、電気関連フラグなど)を予め含めておき、電気関連部品抽出部34が、この情報に基づいて電気関連部品か否かを判定することとしてもよい。
【0087】
〔電気部品特定部35〕
電気部品特定部35は、電気関連部品の仕様データに基づいて、各電気関連部品と電気設備とを接続するために必要な電気部品を電気部品データベース23から特定する。
例えば、サプライヤ部品データベース22において、電気関連部品については、仕様データとして、電源の種類(直流電源または交流電源)、必要電圧、必要電流、相の数(交流電源における単相もしくは三相)、電気的な取り合いの数等の情報が登録されている。また、サプライヤ部品データベース22において、電気関連部品については、電気系統の接続に必要となる電気機器の情報が予め登録されている。電気部品特定部35は、例えば、サプライヤ部品データベース22に格納されている仕様データ及び電気機器の情報に基づいて電気部品データベース23から仕様に合致する電気機器を特定する。また、電気部品特定部35は、電気部品として複数の部品候補が存在する場合、換言すると、電気関連部品の仕様データに合致する複数の部品候補が存在する場合には、複数の部品候補を特定することとしてもよい。
【0088】
また、電気部品の一つであるケーブルは、電流とケーブルの長さによって太さなどを調整する必要がある。例えば、電気関連部品と電気設備(例えば、電源)との間の距離が長い場合に、細いケーブルを誤って選んでしまうと、電圧降下が起こり、電気関連部品に必要な電圧が供給できない可能性がある。このため、ケーブルを選定する場合には、ユーザに電気関連部品と電源との間の距離を問い合わせる機能を設け、入力された距離に応じた適切な径のケーブルを選定することとしてもよい。
【0089】
〔電気システム生成部36〕
電気システム生成部36は、電気部品特定部35によって特定された電気部品の情報をクライアント端末70に表示させる。具体的には、電気システム生成部36は、電気部品特定部35によって特定された電気部品によって電気関連部品と電源とが接続された電気系統図を作成し、作成した電気系統図をクライアント端末70に表示させる。
【0090】
図28に、電気系統図の一例を示す。
図28には、電気関連部品として、流量伝送器、温度伝送器、制御弁の弁開度を制御するバルブポジショナー、ポンプを駆動するポンプ駆動モータが抽出された場合の電気系統図が示されている。そして、これらの各電気関連部品が、電気部品(例えば、通信ケーブル、電源ケーブル、ブレーカ、ヒューズ、AIモジュール、AOモジュール、DIモジュール、DOモジュール、I/Oシステム等)を介してそれぞれ電源と接続されている。
【0091】
この電気系統図に含まれる電気部品は、例えば、既設設備に設置されている電気部品をユーザが指定可能に構成されている。この電気系統図において、ユーザが電気部品を指定した場合には、電気システム生成部36は、ユーザによって指定された電気部品の表示態様(例えば、色を変える、線種を変える、点滅させる等)を変化させる。これにより、ユーザは、今回の流体搬送システムの購入に際して、新たに購入しなければならない電気部品を直感的に把握することが可能となる。更に、各電気部品について、既設の電気設備に設けられている部品か否かを確認する作業をユーザに行わせることで、ユーザに漏れのない確認作業を行わせることが可能となる。
【0092】
なお、ここでは、ユーザが既設の電気部品を指定することとしたが、これに限られない。例えば、条件入力支援部31による条件入力画面において、既設の電気設備をユーザに入力又は選択させる欄を設け、ユーザに既設の電気設備の情報を予め入力させることとしてもよい。この場合、既設設備に配置されている電気部品の情報が選定条件記憶部41に登録されることとなる。したがって、この選定条件記憶部41に格納されている既設の電気部品の情報に基づいて、既設の電気部品について電気系統図に表示することとしてもよい。このとき、電気システム生成部36は、電気系統図において、既設の電気設備に備えられている電気部品と、新たに購入が必要な電気部品とを識別可能に表示させることとしてもよい。例えば、色を変える、線種を変える、点滅させる等の表示態様を用いればよい。
このように、電気系統図をユーザに提示することで、ユーザは、既設電気設備と手配しようとしているシステムの電気的取り合いが整合しているかを直感的に漏れなく確認することが可能となる。
【0093】
また、電気システム生成部36は、既設の電気設備の情報が選定条件記憶部41に記憶されている場合には、例えば、
図29に例示するように、電気関連部品に関連のない既設の電気部品についても電気系統図に表示することとしてもよい。また、この場合、電気システム生成部36は、電気関連部品に関係のある既設の電気部品と、関係のない既設の電気部品とを異なる表示態様で表示させるとよい。なお、
図29では、一例として、電気関連部品に関係のない電気部品を点線で示している。このように、電気関連部品を電源と接続するのに必要となる電気部品以外の電気部品についても電気系統図に含めることにより、電気設備の全体像を把握することができる。
【0094】
また、電気部品特定部35によって、複数の部品候補が特定されていた場合には、換言すると、電気部品として複数の部品候補が存在する場合には、電気システム生成部36は、電気系統図においてユーザによっていずれかの電気部品が指定された場合に、指定された電気部品の部品候補を選択可能に表示させることとしてもよい。これにより、ユーザは、複数の部品候補の中から所望の電気部品を選択することができる。
【0095】
なお、
図28、
図29に示した画面には、電気系統図のみが表示されているが、この電気系統図においてユーザがいずれかの電気部品を指定した場合には、電気システム生成部36は、ユーザによって指定された電気部品の詳細(例えば、仕様、納期、値段等)をクライアント端末70の表示画面に表示(電気系統図上のポップアップもしくは他画面へ遷移)させることとしてもよい。
【0096】
また、電気系系統図には、表示態様を切り替えるための表示切替ボタンBT7が設けられていてもよい。例えば、表示切替ボタンBT7がユーザによって操作された場合には、電気システム生成部36は、
図30に示すように、等角投影図を用いたアイソメ図や3D表示などの3次元のシステム構成図において、電気関連部品と電気設備とを繋ぐ配線ルートを描画し、配線ルートを含むシステム構成図をクライアント端末70に表示させることとしてもよい。これにより、流体搬送システムを構成する他のサプライヤ部品との関係におけるケーブルの配線ルートをユーザに確認させることが可能となる。
更に、このシステム構成図は、ユーザがケーブルの配線ルートの変更を行えるように構成されている。これにより、ユーザは周辺機器との取り合いを視覚的に確認しながらケーブルの配線ルートを検討・変更することが可能となる。また、ケーブルの配線ルートが変更された場合には、変更後の配線ルートに基づいて距離を演算することも可能となるので、距離に応じた適切な径(太さ)のケーブルを選定することが可能となる。
【0097】
ユーザは、電気系統図及びシステム構成図を確認し、必要な箇所を変更等することにより、購入する電気部品の確認が完了すると、確定ボタンBT8(
図28、
図29参照)を押下する。これにより、ユーザによって確定された電気部品の情報が購入支援装置1に送信される。
【0098】
なお、電気部品に関しては、プラント部品を選定する機械側の設計者と電気設備を担当する電気側の設計者など、複数の設計者が確認した方が好ましい場合がある。このような場合には、確認する設計者の識別番号などを予め登録しておき、登録されている全ての設計者によって確定ボタンBT8が押下された場合に、発注予約が行われることとしてもよい。このように、機械側の設計者と電気側の設計者との合意が取れた上で発注予約を行うので、発注後に両者の意見が異なるなどのリスクを回避することができる。
【0099】
〔発注支援部37〕
発注支援部37は、最終確認が行われたサプライヤ部品及び電気部品の発注を支援する。
まず、発注支援部37は、ユーザによって最終確認が行われたサプライヤ部品及び電気部品の情報を発注予約情報として発注データベース25に格納する。発注データベース25には、ユーザ別に発注に関する情報が格納されている。発注に関する情報として、発注予約情報、発注履歴、発注状況等が挙げられる。発注予約情報には、選定部品記憶部44に格納されているサプライヤ部品のデータ(
図25参照)及び電気部品のデータが登録されている。
【0100】
続いて、発注支援部37は、発注データベース25に格納されている当該流体搬送システムの発注予約情報に基づいて注文予約画面を生成し、クライアント端末70に表示させる。
注文予約画面には、流体搬送システムの価格及び納期、発注予約日が表示される。また、注文予約画面には、ユーザによるシステム発注を支援するための各種機能が表示されてもよい。
図31は、注文予約画面の一例を示した図である。
図31に示した注文予約画面では、システム発注を支援するための機能の一例として、見積書確認、仕様書確認、見積更新が表示されている。
【0101】
注文予約画面において、ユーザにより発注ボタンBT9が押下されると、発注を指示する発注指示情報が購入支援装置1に送信される。発注支援部37は、発注指示情報を受信すると、発注予約情報に基づいて各サプライヤ端末80(
図1参照)に対してサプライヤ部品の発注を行うとともに、当該発注予約情報を発注完了情報に変更する。
【0102】
次に、本実施形態に係る購入支援方法について、
図32を参照して簡単に説明する。以下に示す一連の処理は、プログラム(例えば、購入支援プログラム)として購入支援装置1が備える補助記憶装置12に格納されており、このプログラムをCPU11がメインメモリ13に読み出して実行することにより実現される。
【0103】
図32は、本実施形態に係る購入支援方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下、説明の便宜上、あるタンクからあるタンクまで水を搬送する流体搬送システムの購入を希望する場合の購入支援方法について説明する。
【0104】
まず、購入支援装置1は、
図6~
図17に示したような対話型の条件入力画面をクライアント端末70に送信し、表示させることにより、流体搬送システムのプラント部品購入において必要となる各種情報をユーザに入力させる(SA1:条件入力支援工程)。条件入力支援工程において入力された情報は選定条件として選定条件記憶部41に格納される。
【0105】
続いて、購入支援装置1は、選定条件に基づいて流体搬送システムを構成する標準部品を特定し、特定した標準部品に基づいて標準システム構成図を生成する。そして、ユーザに標準システム構成図を提示することにより、標準システム構成の調整を行わせる(SA2:標準システム生成工程)。具体的には、購入支援装置1は、選定条件記憶部41に格納された選定条件に基づいて、流体搬送システムを構成する標準部品を標準部品データベース21から取得し、搬送始点から搬送終点までをつなぐ配管ルート上に標準部品を順番に配置することで標準システム構成図を生成する。そして、標準システム構成図を含む標準システム構成調整画面(
図18参照)をクライアント端末70の表示部に表示させ、ユーザに標準システム構成図の調整を行わせる。ユーザによって確定された標準システム構成図に基づく情報は、標準システム記憶部42に格納される(
図19参照)。
【0106】
続いて、購入支援装置1は、複数の標準システム構成候補を生成し、これらを比較可能に示した標準システム選定画面を生成し(
図21参照)、ユーザに所望の標準システム構成候補を選択させる(SA3:標準システム選定工程)。このとき、購入支援装置1は、標準システム構成候補毎に計算ブロックチェーンを生成してシステムの出口条件を算出し、出口条件を標準システム選定画面に表示することとしてもよい。購入支援装置1は、ユーザによっていずれかの標準システム構成候補が選択されると、選択された標準システム構成候補の情報に基づいて標準システム記憶部42の情報を更新する。
【0107】
次に、購入支援装置1は、標準システム記憶部42に格納されている各標準部品に対応する1又は複数のサプライヤ部品をサプライヤ部品データベース22から特定し、特定したサプライヤ部品の情報を各標準部品と関連付けて部品候補記憶部43に格納する(SA4:部品候補特定工程)。
【0108】
続いて、購入支援装置1は、部品候補記憶部43に格納された複数のサプライヤ部品の中から所定の評価基準に従って複数のシステム構成候補を生成し、これらを比較可能に示した比較選定画面を生成し(
図23参照)、ユーザに所望の選定パターン候補を選択させる(SA5:システム候補生成工程)。購入支援装置1は、ユーザによっていずれかのシステム構成候補が選択されると、選択されたシステム構成候補の情報を座標情報と共に選定部品記憶部44に格納する。
【0109】
続いて、購入支援装置1は、選定部品記憶部44に格納されたサプライヤ部品の情報および座標情報に基づいて、搬送始点から搬送終点までをつなぐシステム構成図を生成し、生成したシステム構成図を含むシステム構成調整画面を生成し(
図26参照)、ユーザにシステム構成を調整させる(SA6:システム調整工程)。購入支援装置1は、ユーザによってシステム構成が調整されると、調整後のシステム構成に基づいて選定部品記憶部44の情報を更新する。
【0110】
次に、購入支援装置1は、調整後のシステム構成図に基づいて性能計算を行い、性能計算結果等を含む最終確認画面(
図27参照)を生成し、ユーザに確認させる(SA7:仕様確認工程)。購入支援装置1は、ユーザによって注文予約が確定されると、最終確認が行われたサプライヤ部品の情報を発注予約情報として発注データベース25に格納する。
【0111】
続いて、購入支援装置1は、選定部品記憶部44に格納された複数のサプライヤ部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるサプライヤ部品を電気関連部品として抽出する(SA8:電気関連部品抽出工程)。
続いて、購入支援装置1は、電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定し(SA9:電気部品特定工程)、特定した電気部品の情報をクライアント端末に表示させる(SA10:電気システム生成工程)。これにより、例えば、
図28~29に示したような電気系統図や
図30に示したようなシステム構成図がクライアント端末70の表示画面に表示される。この表示画面において、電気部品の変更や調整がユーザによって行われ、最終的な電気部品が確定されると、購入支援装置1は、確定された電気部品の情報(例えば、サプライヤ、識別番号、仕様情報等)をプラント部品と関連付けて選定部品記憶部44に格納するとともに、発注データベース25に格納されている発注予約情報に追加登録する。
【0112】
続いて、購入支援装置1は、発注データベース25に格納されている当該流体搬送システムの発注予約情報(選定されたサプライヤ部品の情報及び電気部品の情報)に基づいて注文予約画面を生成し、ユーザに提供する(SA11:発注支援工程)。そして、購入支援装置1は、ユーザから発注指示を受信すると、発注予約情報に基づいて各サプライヤに対してサプライヤ部品の発注を行うとともに、当該発注予約情報を発注完了情報に変更する。
【0113】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る購入支援装置1、購入支援方法、及び購入支援プログラムによれば、流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定するとともに、選定した複数のプラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出し、抽出した電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定し、特定した電気部品の情報をクライアント端末に表示させる。
これにより、流体搬送システムを構成する各プラント部品を容易に選定できるとともに、電気的な接続に必要となる電気部品についても容易に選定することが可能となる。これにより、電気部品も含めたシステム全体の部品発注を容易に行うことが可能となる。
【0114】
また、本実施形態によれば、ユーザは、選定条件を入力するという簡単な操作を行うだけで、選定条件に適合する複数の標準部品が特定され、特定された複数の標準部品からなる標準システム構成図が生成される。そして、標準システム構成図を構成する標準部品毎にそれぞれ対応する1又は複数のサプライヤ部品が選定され、選定された複数のサプライヤ部品に基づいて流体搬送システムを構成するサプライヤ部品の組み合わせであるシステム構成候補が少なくとも一つ生成され、ユーザに選択候補として提示される。
【0115】
例えば、プラント部品の選定を行う場合、サプライヤ毎に選定基準、計算式が異なる場合があり、一度に各サプライヤの計算を実行しようとすると、計算量が膨大となり、仕様の検討や見積に時間を要する可能性がある。これに対し、本実施形態に係る購入支援装置1によれば、まずは、第1段階として、選定条件に合致する標準部品を用いて標準システム構成図を生成し、次の第2段階として、各標準部品に対応する各サプライヤ部品を特定することとしている。これにより、サプライヤ部品の絞り込みを行うことができるので、ユーザのニーズを汲みつつ計算量を最小限に抑えることができ、処理時間を短縮することが可能となる。
また、ユーザは選択候補として提示されたシステム構成候補の中から所望のものを選択することで、容易に流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を一括で選定することが可能となる。これにより、複数のプラント部品を容易にかつ効率的に手配することが可能となる。よって、条件入力から購入までの期間を効果的に短縮することが可能となる。
【0116】
以上、本開示について実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0117】
例えば、上述した実施形態では、サプライヤ部品が選定された後に、選定されたサプライヤ部品に対応する電気部品を特定していたがこれに限られない。例えば、標準部品選定部32によって標準部品が選定されたときに、選定された標準部品に対応する電気部品を特定することとしてもよい。
【0118】
また、上述した実施形態では、プラント部品について、システム構成の調整が行われた後に、電気部品を特定していたが、これに限られない。例えば、標準システム構成調整画面(
図18参照)、システム構成調整画面(
図26参照)において、電気機器の配線ルートなども一緒に表示させ、配管ルートとともに電気部品の配線ルートについても同時に調整できるような構成としてもよい。これにより、ユーザは、プラント機器の配置や配管ルートと、電気関連部品の配線ルートの両方を考慮してシステム設計を行うことができる。これにより、システム設計の効率を向上させることができる。
【0119】
また、上述した実施形態では、電気部品の選定を行う場合について説明したが、これに加えて、計装配管を選定及び発注できるような構成としてもよい。この場合、例えば、購入支援装置は、標準部品選定部32又はサプライヤ部品選定部33によって選定された複数のプラント部品の中から計装配管が必要なプラント部品を計装配管関連部品として抽出する計装関連部品抽出部と、計装配管関連部品の仕様データ(例えば、プロセス接続口、計器の取付方向、計測する流体の情報等)に基づいて当該計装配管関連部品とプロセス接続部とを接続するための計装配管部品(例えば、管、継手、弁、等)を特定する計装配管部品特定部と、特定した計装配管部品の情報をクライアント端末に表示させる計装配管構成生成部とを備える。なお、計装配管には、例えば、空気作動式の弁やシリンダを作動させるための指令値を伝達させる計装空気を搬送する配管がある。この場合の計装配管内を流通する流体としては、除湿された計装空気となる。その指令値を受けて実際に弁本体やシリンダを駆動させる作動部に使用される流体としては、除湿された計装空気の他に、作動油やイナートガス等が挙げられる。また、ケーブルを保護するためのケーブル保護管(電線管)も計装配管の例として挙げられる。
【0120】
また、上述した実施形態では、最初に標準部品を特定し、その後、標準部品に対応するサプライヤ部品を特定することとしたが、これに限られない。例えば、購入支援装置1は、
図3に示した全ての機能を備えている必要はなく、一部の機能を省略することが可能である。例えば、標準部品選定部32を省略し、サプライヤ部品選定部33が、選定条件に適合するサプライヤ部品の選定を行うこととしてもよい。
【0121】
また、
図32に示した一連の処理については、全てを実行する必要はなく、一部の処理を省略することが可能である。例えば、標準システム生成工程(SA2)、標準システム選定工程(SA3)を省略し、部品候補特定工程(SA4)において選定条件に適合するサプライヤ部品の選定を行うこととしてもよい。
【0122】
また、本実施形態において、購入支援装置1は、プラント部品の選定結果に基づいて保温の計画及び手配を可能な構成とされていてもよい。保温選定の際は、例えば、保温材自体の仕様(厚さ、熱伝導率等)、保温内面の温度≒流体の温度、周囲の温度、表面熱伝達率(例:無風なのか風があるのか、など)などのパラメータから、保温最表面の温度を計算し、その温度が閾値以下となるよう選定してもよい(安全保温)。また、これに流体の流量又は流速をかけ合わせることで、単位時間当たりの系からの放散熱量を計算し、これが閾値以下となるように選定することとしてもよい(プロセス保温)。従来は、システムの運転条件の検討結果がまとめられた図面から該当する情報を抽出し、個別に計算をする必要があり、(また、一般的には部署をまたいだ検討となり)、手間がかかっていた。また、データの受け渡しミスによる選定ミスが生じることがあった。これに対し、本実施形態に係る購入支援装置1は、条件を連携させるだけで一気通貫に保温の選定ができるようになるため、ユーザの負担を低減させることができる。また選定ミスも未然に防ぐことが可能となる。また、購入支援装置1は、このようにして選定した結果を元に、保温手配の注文仕様書を作成したり、購入したりする構成を備えていてもよい。
【0123】
以上説明した一実施形態に記載の購入支援装置1、購入支援方法、及び購入支援プログラムは、例えば以下のように把握される。
【0124】
本開示の第1態様に係る購入支援装置(1)は、複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援装置(1)であって、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する条件入力支援部(31)と、流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベース(21,22)から、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する部品選定部(32,33)と、選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する電気関連部品抽出部(34)と、前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する電気部品特定部(35)と、特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる電気システム生成部(36)と、を備える購入支援装置である。
【0125】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、ユーザは、流体搬送システムを構成する各プラント部品を容易に選定できるとともに、電気的な接続に必要となる電気部品についても容易に選定することが可能となる。これにより、電気部品も含めたシステム全体の部品発注を容易に行うことが可能となる。
上記「電気設備」は、例えば、電源装置等の電源設備、計測・制御信号などを取り扱う計装設備等を意味する。計装設備の一例として、制御装置、計測装置、データ入出力装置等が挙げられる。
【0126】
本開示の第2態様に係る購入支援装置(1)は、上記第1態様において、前記電気システム生成部は、前記電気部品特定部によって特定された前記電気部品によって前記電気関連部品と前記電気設備とが接続された電気系統図を作成し、作成した電気系統図を前記クライアント端末に表示させる。
【0127】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、電気系統図をユーザに提示することが可能となる。これにより、ユーザは、各電気関連部品について、どのような電気部品が必要となるかを容易に確認することが可能となる。
【0128】
本開示の第3態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様において、前記選定条件には、既設の電気設備に関する情報が含まれ、前記電気システム生成部は、前記電気系統図において、既設の電気設備に備えられている電気部品と、新たに購入が必要な電気部品とを識別可能に表示させる。
【0129】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、ユーザは、手配しようとしている電気機器が既設の電気設備に整合しているかを直感的に、かつ、漏れなく確認することが可能となる。
【0130】
本開示の第4態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様において、前記電気系統図に含まれる電気部品は、既設設備に設置されている電気部品をユーザが指定可能に構成されており、前記電気システム構成部は、ユーザによって前記電気部品が指定された場合に、表示態様を変化させる。
【0131】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、ユーザは、今回の流体搬送システムの購入に際して、新たに購入しなければならない電気部品を直感的に把握することが可能となる。更に、各電気部品について、既設の電気設備に設けられている部品か否かを確認する作業をユーザに行わせることで、ユーザに漏れのない確認作業を行わせることが可能となる。
【0132】
本開示の第5態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様から第4態様のいずれかにおいて、前記電気部品特定部は、複数の電気部品の各々について識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている電気部品データベース(23)から、前記電気関連部品の仕様データに基づいて、該前記電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する。
【0133】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、電気関連部品の仕様に合致する電気部品を容易に特定することが可能となる。
【0134】
本開示の第6態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様において、前記電気部品として複数の部品候補が存在する場合に、前記電気部品特定部は、複数の前記部品候補を特定し、前記電気システム生成部は、前記電気系統図においてユーザによっていずれかの前記電気部品が指定された場合に、該電気部品の部品候補を選択可能に表示させる。
【0135】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、複数の電気部品の選択肢がユーザに提示されるので、ユーザは、複数の部品候補の中から所望の電気部品を選択することができる。
【0136】
本開示の第7態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様から第6態様のいずれかにおいて、電気系統図において、前記電気関連部品から前記電気設備までの距離をユーザが入力可能に構成されている。
【0137】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、ユーザによって入力された距離に基づいて適切な径の電気部品を部品候補として特定することが可能となる。
【0138】
本開示の第8態様に係る購入支援装置(1)は、上記第2態様から第6態様のいずれかにおいて、前記電気システム生成部は、流体搬送システムを構成する複数の前記プラント部品を繋ぎ合わせた流体搬送システム構成図に、前記電気関連部品と前記電気設備とを繋ぐ配線ルートを描画し、前記配線ルートを含む前記システム構成図を前記クライアント端末に表示させる。
【0139】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、流体搬送システムを構成する他のプラント部品との関係におけるケーブルの配線ルートをユーザに確認させることが可能となる。
【0140】
本開示の第9態様に係る購入支援装置(1)は、上記第8態様において、前記システム構成図において、前記配線ルートはユーザによって調整可能に構成されている。
【0141】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、ユーザは周辺機器との位置関係を視覚的に確認しながらケーブルの配線ルートを検討・変更することが可能となる。
【0142】
本開示の第10態様に係る購入支援装置(1)は、上記第1態様から第9態様のいずれかにおいて、前記部品選定部によって特定された複数の前記プラント部品の中から計装配管が必要なプラント部品を計装配管関連部品として抽出する計装関連部品抽出部と、前記計装配管関連部品の仕様データに基づいて当該計装配管関連部品とプロセス接続部とを接続するための計装配管部品を特定する計装配管部品特定部と、特定した前記計装配管部品の情報をクライアント端末に表示させる計装配管構成生成部と、を備える。
【0143】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、プラント部品及び電気部品だけでなく、計装配管についても容易に選定することが可能となる。
【0144】
本開示の第11態様に係る購入支援装置(1)は、上記第1態様から第9態様のいずれかにおいて、前記部品選定部は、流体搬送システムに関する複数の標準部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている標準部品データベース(21)から、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数の標準部品を特定する標準部品選定部(32)と、サプライヤが販売する複数のサプライヤ部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されているサプライヤ部品データベース(22)から、標準部品選定部によって選定された複数の標準部品にそれぞれ対応するサプライヤ部品を選定するサプライヤ部品選定部(33)とを備え、前記電気関連部品抽出部は、前記標準部品選定部によって選定された複数の前記標準部品の中から前記電気関連部品を抽出する。
【0145】
上記態様に係る購入支援装置(1)によれば、まずは、第1段階として、選定条件に合致する標準部品を用いて標準システム構成図を生成し、次の第2段階として、各標準部品に対応する各サプライヤ部品を選定することとしている。これにより、サプライヤ部品の絞り込みを行うことができるので、ユーザのニーズを汲みつつ計算量を最小限に抑えることができ、処理時間を短縮することが可能となる。
また、標準部品が選定された段階で電気関連部品の抽出、電気部品の特定等を行うので、後になって大幅な配線ルートの変更などが発生するリスクを軽減することが可能となる。
【0146】
前記部品選定部は、サプライヤが販売する複数のサプライヤ部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されているサプライヤ部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のサプライヤ部品を選定するサプライヤ部品選定部を備え、前記電気関連部品抽出部は、前記サプライヤ部品選定部によって選定された複数の前記サプライヤ部品の中から前記電気関連部品を抽出する。
【0147】
このように、流体搬送システムを構成するサプライヤ部品が選定された後に、電気関連部品の抽出、電気部品の特定等を行うので、実際に手配するプラント部品の仕様に合わせて電気部品を特定することが可能となる。
【0148】
本開示の第13態様に係る購入支援方法は、複数のプラント部品を含む流体搬送システムの購入を支援する購入支援方法であって、ユーザが購入を希望する流体搬送システムに関する要求機能及び要求仕様を含む選定条件を取得する工程と、流体搬送システムに関する複数のプラント部品の各々について、識別情報と仕様データとが関連付けられて格納されている部品データベースから、前記選定条件に基づいて前記流体搬送システムを構成する複数のプラント部品を選定する工程と、選定された複数の前記プラント部品の仕様データに基づいて、電気設備への接続が必要とされるプラント部品を電気関連部品として抽出する工程と、前記電気関連部品の仕様データに基づいて当該電気関連部品と前記電気設備とを接続するために必要な電気部品を特定する工程と、特定した前記電気部品の情報をクライアント端末に表示させる工程と、をコンピュータが実行する。
【0149】
本開示の第14態様に係る購入支援プログラムは、コンピュータを上記第1態様から第12態様のいずれかに記載の購入支援装置として機能させるための購入支援プログラムである。
【符号の説明】
【0150】
1 :購入支援装置
11 :CPU
12 :補助記憶装置
13 :メインメモリ
14 :通信デバイス
15 :入力部
16 :表示部
18 :バス
21 :標準部品データベース(部品データベース)
22 :サプライヤ部品データベース(部品データベース)
23 :電気部品データベース
24 :流体計算ブロックデータベース
25 :発注データベース
31 :条件入力支援部
32 :標準部品選定部(部品選定部)
33 :サプライヤ部品選定部(部品選定部)
34 :電気関連部品抽出部
35 :電気部品特定部
36 :電気システム生成部
37 :発注支援部
41 :選定条件記憶部
42 :標準システム記憶部
43 :部品候補記憶部
44 :選定部品記憶部
70 :クライアント端末
80 :サプライヤ端末
311 :入力補助部
321 :標準システム生成部
322 :標準システム選定部
331 :部品候補特定部
332 :システム候補生成部
333 :システム調整部
334 :仕様確認部