(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177889
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20241217BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F3/04886
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096278
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 真人
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA07
5E555AA13
5E555BA02
5E555BA82
5E555BB02
5E555BC19
5E555BD01
5E555BE09
5E555CA22
5E555CC03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】微分記号を用いた数式の入力を円滑に行えるようにする。
【解決手段】サーバ10のCPU11は、関数が定義された計算入力ボックス411cの入力欄Fにおいて、微分を指定する入力操作がなされた場合に、微分記号の表記候補のサジェスチョン(候補リスト)412(
図8、
図10参照)を表示させる。また、CPU11は、上記の関数から導出された微分係数または導関数を表示する場合に、サジェスチョン412からユーザにより選択された微分記号の表記候補で当該微分記号を表示させる(
図9、
図11参照)。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微分係数または導関数を導出すべく所定の関数に対して微分が指定された場合に、微分記号の表記法の候補リストを表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記微分係数または前記導関数を表示する場合に、前記候補リストからユーザにより選択された表記法で前記微分記号を表示させる、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記候補リストを表示させる場合は前記表記法での微分記号を前記関数で定義された記号を適用して表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記関数での独立変数の明記の有無に対応させて前記候補リストを異ならせる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
微分を指定するための操作キーであって微分記号が記載された操作キーを含むソフトウェアキーボードを表示させ、
前記候補リストからいずれかの表記法がユーザにより選択された場合には、前記操作キーに記載されている微分記号を前記ユーザにより選択された表記法での微分記号に切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
ユーザが学習する対象を特定する特定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記特定手段により特定された対象に対応するソフトウェアキーボードを表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の学習支援装置。
【請求項6】
学習支援装置のコンピュータにより実行する学習支援方法であって、
微分係数または導関数を導出すべく所定の関数に対して微分が指定された場合に、微分記号の表記法の候補リストを表示させる表示工程を含み、
前記表示工程では、前記微分係数または前記導関数を表示する場合に、前記候補リストからユーザにより選択された表記法で前記微分記号を表示させる、
ことを特徴とする学習支援方法。
【請求項7】
学習支援装置のコンピュータを、
微分係数または導関数を導出すべく所定の関数に対して微分が指定された場合に、微分記号の表記法の候補リストを表示させる表示制御手段として機能させ、
前記表示制御手段は、前記微分係数または前記導関数を表示する場合に、前記候補リストからユーザにより選択された表記法で前記微分記号を表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置、学習支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置が学習支援装置から提供された問題情報に対する解答情報の入力を受け付ける際に数式を用いたものを扱えるようにした学習支援方法等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている学習支援方法等では、端末装置において数式入力ツールが起動されると数式を入力するための専用のウインドウが表示される。このウインドウ内には、各種の数式入力用ボタン等が表示される。各種の数式入力用ボタンには、数学の特殊記号入力用キーがある。ここで、特殊記号入力用キーとして微分記号に関する入力用キーが用意されている場合において、当該入力用キーがユーザにとって馴染みの薄い表記法(例えば、オイラーの記法など)のものであると、微分記号を用いた数式が入力し難いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、微分記号を用いた数式の入力を円滑に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る学習支援装置は、
微分係数または導関数を導出すべく所定の関数に対して微分が指定された場合に、微分記号の表記法の候補リストを表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記微分係数または前記導関数を表示する場合に、前記候補リストからユーザにより選択された表記法で前記微分記号を表示させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、微分記号を用いた数式の入力を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】サジェスチョン表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図12】ソフトウェアキーボード表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図17】ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
<学習支援システムの構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の学習支援システム100の概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、学習支援システム100は、サーバ(学習支援装置)10と、端末装置20と、を備える。サーバ10は、端末装置20と通信ネットワークNを介して情報通信可能に接続される。なお、
図1では1台の端末装置20が示されているが、端末装置20の台数は特に限定されない。
【0012】
サーバ10は、クラウド型の学習支援サービスを提供するためのものである。サーバ10は、学習支援サービスとして、例えば、デジタルノート機能、オンライン辞書機能、数学ツール、授業支援機能などを提供可能となっている。
【0013】
端末装置20は、上述の学習支援サービスを利用するユーザ(例えば、先生や生徒など)が使用する端末装置である。以下では、端末装置20はタブレットPC(Personal Computer)であるものとして説明を行うが、デスクトップPC、ノートPC、スマートフォン等であってもよい。
【0014】
通信ネットワークNは、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0015】
<サーバの構成>
次に、
図2を参照して、サーバ10の機能構成について説明する。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、通信部14と、バス15などを備える。サーバ10の各部は、バス15を介して接続されている。なお、サーバ10は、サーバ10の管理者等により使用される操作部や表示部などをさらに備えていてもよい。
【0017】
CPU(表示制御手段、特定手段)11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、サーバ10の各部の動作を制御するプロセッサである。なお、
図2では単一のCPU11が図示されているが、これに限られない。CPU等のプロセッサが2以上設けられていてもよく、本実施形態のCPU11が実行する処理を、これらの2以上のプロセッサが分担して実行してもよい。
【0018】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0019】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。プログラム131は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13に記憶されるデータとしては、例えば、学習支援サービスを利用するユーザに関するユーザ情報(ログインID、パスワード、基本情報等)を格納するユーザデータベース(図示省略)や、各ユーザによって作成された学習データ(例えば、デジタルノード機能により作成された電子ノードデータ、数学ツールを使用して定義された関数など)を格納する学習データベース(図示省略)、オンライン辞書機能で使用される辞書データを格納する辞書データベース(図示省略)などがある。
【0020】
通信部14は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部14は、この通信動作により、通信ネットワークNを介して端末装置20との間で情報の送受信を行う。
【0021】
<端末装置の構成>
次に、
図3を参照して、端末装置20の機能構成について説明する。
図3は、端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0022】
図3に示すように、端末装置20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26と、バス27などを備える。端末装置20の各部は、バス27を介して接続されている。
【0023】
CPU21は、記憶部23に記憶されているプログラム231を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置20の各部の動作を制御するプロセッサである。
【0024】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0025】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム231及び各種データを記憶する。プログラム231は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。
【0026】
操作部24は、ユーザの入力操作を受け付けて、入力操作に応じた入力信号をCPU21に出力する。操作部24は、表示部25の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネルを備え、このタッチパネルによりスタイラスやユーザの指などの接触を入力操作として検知する。操作部24は、タッチパネルとともに、又はタッチパネルに代えて、ハードウェアボタンを備えていてもよく、このハードウェアボタンにより入力操作を受け付け可能であってもよい。
【0027】
表示部25は、CPU21による制御下で、後述の数学ツール画面41(
図5参照)等を表示する。表示部25としては、例えば、ドットマトリクス方式で表示を行う液晶表示装置を用いることができるが、これに限られない。
【0028】
通信部26は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部26は、この通信動作により、通信ネットワークNを介してサーバ10との間で情報の送受信を行う。
【0029】
<学習支援システムの動作>
(サジェスチョン表示処理)
次に、
図4を参照して、学習支援システム100の動作について説明する。
図4は、サーバ10により実行されるサジェスチョン表示処理の制御手順を示すフローチャートである。このサジェスチョン表示処理では、後述の関数が定義された計算入力ボックス411c(
図7(b)、
図8、
図10参照)に微分を指定する入力操作がなされた場合に、当該関数で定義された記号を適用した微分記号の表記候補をサジェスチョンとして表示することが可能となっている。サジェスチョン表示処理は、例えば、端末装置20の操作部24による所定の操作に基づいて、学習支援サービスの一種である数学ツールが起動されたことを契機として開始される。
【0030】
図4に示すように、サジェスチョン表示処理が開始されると、まず、サーバ10のCPU11は、
図5に示すように端末装置20の表示部25に数学ツール画面41を表示させる(ステップS1)。
【0031】
次いで、CPU11は、端末装置20の操作部24により、数学ツール画面41に計算入力ボックス411aを表示するための指示操作がなされたか否かを判定する(ステップS2)。
【0032】
ステップS2において、上記の指示操作がなされたと判定された場合(ステップS2;YES)、CPU11は、数学ツール画面41に計算入力ボックス411aを表示させる(ステップS3)。そして、CPU11は、処理をステップS4へ進める。
【0033】
図6は、計算入力ボックス411aが表示された状態の数学ツール画面41の例を示す図である。
図6に示すように、計算入力ボックス411aでは、操作部24を介したユーザ操作により、数字や文字、数学記号などを入力可能となっており、所望の演算を行ったり関数を定義したりすることができるようになっている。
【0034】
具体的には、
図7(a)に示すように、計算入力ボックス411aの入力欄Fに数式“1+1”が入力された状態で「実行」を指示する所定の操作がなされると、計算結果である“2”が表示された状態の計算入力ボックス411bが表示されるようになっている。この計算入力ボックス411bでは、上記計算結果の下に入力欄Fが新たに表示され、続けて所望の演算を行ったり関数を定義したりすることができるようになっている。
【0035】
また、
図7(b)に示すように、計算入力ボックス411aの入力欄Fに独立変数xを明記した関数f(x)を定義する数式“f(x):=x
2 +3x+2”が入力された状態で「実行」を指示する所定の操作がなされると、定義された関数f(x)が表示されるとともに定義が正常に行われたことを示す“done”の文字が表示された状態の計算入力ボックス411cが表示されるようになっている。この計算入力ボックス411cでは、定義された関数f(x)の下に入力欄Fが新たに表示されるようになっている。この計算入力ボックス411cに新たに表示された入力欄Fでは、定義された関数f(x)を反映させた微分等の演算を行うことができるようになっている。
【0036】
なお、関数の定義が行われると、すなわち、計算入力ボックス411cにおいて定義が正常に行われたことを示す“done”の文字が表示されると、定義された関数に係る情報がサーバ10の記憶部13の学習データベース(図示省略)に登録されるようになっている。つまり、“done”の文字が表示された状態の計算入力ボックス411cが数学ツール画面41から削除されると、定義された関数に係る情報が上記の学習データベース(図示省略)から削除されるようになっている。
【0037】
図4に戻り、ステップS2において、数学ツール画面41に計算入力ボックス411aを表示するための指示操作がなされていないと判定された場合(ステップS2;NO)、CPU11は、ステップS3をスキップして、処理をステップS4へ進める。
【0038】
次いで、CPU11は、端末装置20の操作部24により、当初の計算入力ボックス411a(
図6参照)、演算が行われた状態の計算入力ボックス411b(
図7(a)参照)又は関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)のいずれかへの入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS4)。
【0039】
ステップS4において、当初の計算入力ボックス411a(
図6参照)、演算が行われた状態の計算入力ボックス411b(
図7(a)参照)又は関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)のいずれかへの入力操作がなされていないと判定された場合(ステップS4;NO)、CPU11は、処理をステップS9に進める。
【0040】
また、ステップS4において、当初の計算入力ボックス411a(
図6参照)、演算が行われた状態の計算入力ボックス411b(
図7(a)参照)又は関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)のいずれかへの入力操作がなされたと判定された場合(ステップS4;YES)、CPU11は、当該入力操作が、関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)への入力操作であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0041】
ステップS5において、関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)への入力操作ではないと判定された場合(ステップS5;NO)、CPU11は、処理をステップS9に進める。
【0042】
また、ステップS5において、関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照)への入力操作であると判定された場合(ステップS5;YES)、CPU11は、当該入力操作が微分を指定する入力操作であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、微分を指定する入力操作の一例としては、例えば、“d”などの微分を予測させる文字の入力が挙げられる。
【0043】
ステップS6において、微分を指定する入力操作ではないと判定された場合(ステップS6;NO)、CPU11は、処理をステップS9に進める。
【0044】
また、ステップS6において、微分を指定する入力操作であると判定された場合(ステップS6;YES)、CPU11は、計算入力ボックス411cにおいて定義されている関数に対応する微分記号の表記候補を生成する(ステップS7)。続けて、CPU11は、ステップS7で生成された微分記号の表記候補をサジェスチョン(候補リスト)412として一覧表示させる(ステップS8)。
【0045】
例えば、
図8に示すように、関数“f(x):=x
2 +3x+2”が定義されている計算入力ボックス411cの入力欄Fにおいて微分を指定する入力操作が行われた場合(ステップS6;YES)、CPU11は、当該関数で定義されている記号“f(x)”及び“x”を適用した微分記号の表記候補として、“df(x)/dx”(ライプニッツの記法)と、“f´(x)”(ラグランジュの記法)と、“D
xf”(オイラーの記法)と、を生成する。そして、CPU11は、当該微分記号の表記候補とともにデフォルトの微分記号の表記候補“d□/d■”をサジェスチョン412として、上記の入力欄Fの下部に表示させる。ここで、上記関数で定義されている記号“f(x)”には独立変数xが明記されているため、当該独立変数xを表記する形で上述の各表記候補が生成されるようになっている。つまり、例えば、図示は省略するが、独立変数xの代わりに独立変数aを明記した関数f(a)を定義する数式“f(a):=a
2 +3a+2”が計算入力ボックス411cに入力されている場合には当該関数で定義されている記号“f(a)”及び“a”を適用した微分記号での表記候補が生成されてリスト表示されるようになっている。具体的には、例えばラグランジュの記法であれば“f´(a)”のように表記される。このように、CPU11は、定義された関数での独立変数に用いられた記号の違いに対応させてサジェスチョン(候補リスト)412で適用される記号が異なるようにサジェスチョン(候補リスト)412を表示させる。
【0046】
サジェスチョン412から所望の表記候補(例えば、“f´(x)”)が選択されると、
図9に示すように、計算入力ボックス411cには、選択された微分記号の表記候補“f´(x)”による導関数“2・x+3”が表示される。なお、図示は省略するが、この計算入力ボックス411cにおいて、独立変数xに関して所望の数が指定されると、指定された数に基づく微分係数が表示されることとなる。
【0047】
なお、例えば、
図10に示すように、関数“y:=t
2+3t+2”が定義されてこの関数“y:=t
2+3t+2”が計算入力ボックス411cに入力されているときに計算入力ボックス411cの入力欄Fにおいて微分を指定する入力操作が行われた場合(ステップS6;YES)、CPU11は、当該関数で定義されている記号“y”及び“t”を適用した微分記号の表記候補として、“dy/dt”(ライプニッツの記法)と、“y´”(ラグランジュの記法)と、“D
y”と(オイラーの記法)、記号“y”の上部にドット符号を記したもの(ニュートンの記法)と、を生成する。そして、CPU11は、当該微分記号の表記候補とともにデフォルトの微分記号の表記候補“d□/d■”をサジェスチョン412として、上記の入力欄Fの下部に表示させる。ここで、上記のようにニュートンの記法による表記候補が生成されているのは、定義された関数yの独立変数tが時間変数の可能性があるためである。また、かかる場合には、定義された関数“y:=t
2+3t+2”の従属変数“y”には独立変数tが明記されていないため、当該独立変数tを表記しない形で上述の各表記候補が生成されるようになっている。つまり、CPU11は、定義された関数での独立変数の明記の有無に対応させて表記法の種類の組み合わせが異なるようにサジェスチョン(候補リスト)412を表示させる(
図8、
図10参照)。
【0048】
サジェスチョン412から所望の表記候補(例えば、ニュートンの記法による表記候補(記号“y”の上部に微分の階数と同数(例えば、1つ)のドット符号を記したもの)が選択されると、
図11に示すように、計算入力ボックス411cには、選択された表記候補(記号“y”の上部に微分の階数と同数(例えば、1つ)のドット符号を記したもの)による導関数“2・t+3”が表示される。なお、図示は省略するが、この計算入力ボックス411cにおいて、独立変数tに関して所望の数が指定されると、指定された数に基づく微分係数が表示されることとなる。
【0049】
図4に戻り、CPU11は、ステップS8の処理の実行後、端末装置20の操作部24により、数学ツール画面41を閉じるための操作(終了操作)がなされたか否かを判定する(ステップS9)。
【0050】
ステップS9において、終了操作がなされていないと判定された場合(ステップS9;NO)、CPU11は、処理をステップS2に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0051】
また、ステップS9において、終了操作がなされたと判定された場合(ステップS9;YES)、CPU11は、サジェスチョン表示処理を終了する。
【0052】
(ソフトウェアキーボード表示制御処理)
次に、サーバ10により実行されるソフトウェアキーボード表示制御処理について説明する。
図12は、ソフトウェアキーボード表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0053】
ここで、ソフトウェアキーボードとは、学習支援サービスの一種であるデジタルノート機能を利用して所望の電子ノートを作成したり編集したりする際に用いられるものである。このソフトウェアキーボード表示制御処理は、例えば、端末装置20の操作部24による所定の操作に基づいて、上記のデジタルノート機能が起動されたことを契機として開始される。なお、電子ノートに関しては、作成された電子ノートの内容を表す電子ノートデータに「科目」、「授業名」、「学年」などの各項目の情報(授業情報)が紐付けられてサーバ10の記憶部13の学習データベース(図示省略)に登録されるようになっている。
【0054】
図12に示すように、ソフトウェアキーボード表示制御処理が開始されると、まず、サーバ10のCPU11は、端末装置20の表示部25に電子ノート一覧画面42を表示させる(ステップS21)。
【0055】
図13は、電子ノート一覧画面42の例を示す図である。
図13に示すように、電子ノート一覧画面42には、既に作成された「速度と加速度(物理)」の電子ノートに対応するアイコン421や、「数学I(数学)」の電子ノートに対応するアイコン422、「地理(社会)」の電子ノートに対応するアイコン423が表示されている。
【0056】
図12に戻り、CPU11は、電子ノート一覧画面42において、所望の電子ノートに対応するアイコンの操作がなされたか否かを判定する(ステップS22)。
【0057】
ステップS22において、所望の電子ノートに対応するアイコンの操作がなされていないと判定された場合(ステップS22;NO)、CPU11は、当該アイコンの操作がなされるまでの間、ステップS22の判定処理を繰り返し行う。
【0058】
ステップS22において、所望の電子ノートに対応するアイコンの操作がなされたと判定された場合(ステップS22;YES)、CPU11は、当該電子ノートに係る電子ノート画面を端末装置20の表示部25に表示させ、当該電子ノートに対応するデフォルトのソフトウェアキーボードを当該電子ノート画面に表示させる(ステップS23)。例えば、電子ノート一覧画面42において、「速度と加速度(物理)」の電子ノートに対応するアイコン421の操作がなされた場合には、「速度と加速度(物理)」の電子ノートに係る電子ノート画面43が端末装置20の表示部25に表示され、当該電子ノートに対応するデフォルトのソフトウェアキーボード431が電子ノート画面43に表示される。
【0059】
図14は、「速度と加速度(物理)」の電子ノートに対応するアイコン421の操作がなされた直後に端末装置20の表示部25に表示される電子ノート画面43の例を示す図である。
図14に示すように、電子ノート画面43には、「速度と加速度(物理)」の電子ノートの内容(図示省略)が表示されるようになっている。また、電子ノート画面43には、「速度と加速度(物理)」の電子ノートに紐付けられている「科目」の情報“物理”に対応したデフォルトのソフトウェアキーボード431が表示されるようになっている。したがって、例えば、「数学I(数学)」の電子ノートに係る電子ノート画面が端末装置20の表示部25に表示された直後は、「数学I(数学)」の電子ノートに紐付けられている「科目」の情報“数学”に対応したデフォルトのソフトウェアキーボードが表示されることとなる。また、「地理(社会)」の電子ノートに係る電子ノート画面が端末装置20の表示部25に表示された直後は、「地理(社会)」の電子ノートに紐付けられている「科目」の情報“社会”に対応したデフォルトのソフトウェアキーボードが表示されることとなる。
【0060】
ソフトウェアキーボード431は、上述したように「科目」の情報“物理”に対応したデフォルトのソフトウェアキーボードである。ソフトウェアキーボード431は、タブ表示領域431aと、入力キー表示領域431bと、で構成されている。タブ表示領域431aには、「数字」、「数学記号」、「abc(アルファベット)」等の項目に係るタブTBが設けられている。このタブTBが操作されると、操作されたタブTBに対応する入力キー群が入力キー表示領域431bに表示されるようになっている。
図14では、「数字」の項目に係るタブTBが指定された状態にあり、入力キー表示領域431bには「数字」の項目に関する入力キー群が表示されている。
【0061】
図12に戻り、CPU11は、ステップS23の処理の実行後、電子ノート画面43に表示された「速度と加速度(物理)」の電子ノートに関する授業情報を記憶部13の学習データベース(図示省略)から取得する(ステップS24)。
【0062】
次いで、CPU11は、取得した授業情報に基づいて、ソフトウェアキーボード431の変更が可能であるか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、授業情報である「科目」及び「学年」の各情報から特定される授業が特有の記号等が頻出する授業である場合には、ソフトウェアキーボード431の変更が可能であると判定される。一方、授業情報である「科目」及び「学年」の各情報から特定される授業が特有の記号等が頻出しない授業である場合には、ソフトウェアキーボード431の変更が可能ではないと判定される。
【0063】
ここで、記憶部13には、授業情報である「科目」及び「学年」の各情報の組み合わせのそれぞれに対して、特有の記号等が頻出する授業を示す情報または特有の記号等が頻出しない授業を示す情報のいずれかが紐付けられた授業識別テーブル(図示省略)が予め記憶されているものとする。例えば、「科目」の情報“物理”と「学年」の情報“高校1年”の組み合わせに対しては、特有の記号等が頻出する授業を示す情報が紐付けられている。更に、特有の記号等が頻出する授業を示す情報については頻出する記号等の情報が対応付けられて記憶されているものとする。例えば、上述の「科目」の情報“物理”と「学年」の情報“高校1年”の組み合わせに対しては、特有の記号等が頻出する授業を示す情報が紐付けられるとともに、頻出する記号(例えば、位置、重力加速度、時間、速度、初速度、加速度、微分などを表す記号)等の情報が対応付けられて記憶されている。本実施形態において、「速度と加速度(物理)」の電子ノートの「科目」の情報は“物理”であり、「学年」の情報は“高校1年”であるため、この「速度と加速度(物理)」は、上記の授業識別テーブル(図示省略)に基づき、特有の記号等が頻出する授業であると識別される。したがって、「速度と加速度(物理)」の電子ノートの電子ノート画面43では、ソフトウェアキーボード431の変更が可能であると判定される。
【0064】
図12に戻り、ステップS25において、ソフトウェアキーボード431の変更が可能ではないと判定された場合(ステップS25;NO)、CPU11は、ソフトウェアキーボード表示制御処理を終了する。
【0065】
また、ステップS25において、ソフトウェアキーボード431の変更が可能であると判定された場合(ステップS25;YES)、CPU11は、当該ソフトウェアキーボード431の変更の要否を受け付けるダイアログ432を電子ノート画面43上に表示させる(ステップS26)。
【0066】
図15は、ダイアログ432の例を示す図である。
図15に示すように、ダイアログ432には、ソフトウェアキーボード431の変更の要否をユーザに確認させるためのメッセージ情報(例えば“「速度と加速度」用のキーボードに変更しますか?”の文字情報)432aが表示される。また、ダイアログ432には、ソフトウェアキーボード431の変更不要をユーザが指示する際に用いられる「いいえ」ボタン432bと、ソフトウェアキーボード431の変更をユーザが指示する際に用いられる「はい」ボタン432cと、が設けられている。
【0067】
図12に戻り、CPU11は、ステップS26の処理の実行後、ダイアログ432において、ソフトウェアキーボード431の変更を指示する操作、すなわち「はい」ボタン432cの操作がなされたか否かを判定する(ステップS27)。
【0068】
ステップS27において、ソフトウェアキーボード431の変更を指示する操作がなされていない、すなわち、ダイアログ432(
図15参照)において「いいえ」ボタン432bの操作がなされたと判定された場合(ステップS27;NO)、CPU11は、ソフトウェアキーボード表示制御処理を終了する。
【0069】
また、ステップS27において、ソフトウェアキーボード431の変更を指示する操作がなされた、すなわち、ダイアログ432(
図15参照)において「はい」ボタン432cの操作がなされたと判定された場合(ステップS27;YES)、CPU11は、上記の授業識別テーブル(図示省略)を参照して、電子ノート画面43に表示された「速度と加速度(物理)」の電子ノートに関する授業情報に応じたソフトウェアキーボード433を生成する(ステップS28)。「速度と加速度(物理)」の電子ノートの場合、上述したように授業識別テーブル(図示省略)には、頻出する記号(例えば、位置、重力加速度、時間、速度、初速度、加速度、微分などを表す記号)等の情報が対応付けられて記憶されているため、この頻出する記号等を入力キー群に含むソフトウェアキーボード433が生成される。
【0070】
次いで、CPU11は、電子ノート画面43に表示されているソフトウェアキーボード431を、ステップS28で生成されたソフトウェアキーボード433に変更して表示させる(ステップS29)。そして、CPU11は、ソフトウェアキーボード表示制御処理を終了する。
【0071】
図16は、「速度と加速度(物理)」の電子ノート用に生成されたソフトウェアキーボード433の例を示す図である。
図16に示すように、「速度と加速度(物理)」の電子ノート用に生成されたソフトウェアキーボード433では、例えば、「数字」の項目の入力キー表示領域433bには、授業(高校1年の物理)で頻出する位置を表す記号“x”,“y”を入力するための入力キーK1,K2や、重力加速度を表す記号“g”を入力するための入力キーK3、時間を表す記号“t”を入力するための入力キーK4、速度を表す記号“v” を入力するための入力キーK5、初速度を表す記号“v
0”を入力するための入力キーK6、加速度を表す記号“a” を入力するための入力キーK7、1階微分を表す記号“d□/d■”を入力するための入力キーK8、高階微分を表す記号“d
□□/d■”を入力するための入力キーK9が設けられている。なお、これらの入力キーK1~K9が設けられることにより、デフォルトのソフトウェアキーボード431(
図14、
図15参照)に表示されていた“<”、“>”、“ans”、“π”を入力するための入力キーなどが入力キー表示領域433bに表示されなくなる。このため、「速度と加速度(物理)」の電子ノート用に生成されたソフトウェアキーボード433では、「数字」の項目の入力キー表示領域433bにおいて、ページ切り替えを可能とし、2ページ目に上記の“<”、“>”、“ans”、“π”を入力するための入力キーなどが設けられるようになっている。
【0072】
(ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理)
次に、サーバ10により実行されるソフトウェアキーボードカスタマイズ処理について説明する。ここで、ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理の説明を行うにあたり、ソフトウェアキーボードが表示される電子ノート画面上では、上述した計算入力ボックス(例えば、当初の計算入力ボックス411a(
図6参照)、演算が行われた状態の計算入力ボックス411b(
図7(a)参照)、関数が定義された状態の計算入力ボックス411c(
図7(b)参照))を表示可能であるものとする。つまり、電子ノート画面上においても、計算入力ボックスを表示させて、所望の演算を行ったり関数を定義したりすることが可能となっている。このソフトウェアキーボードカスタマイズ処理では、計算入力ボックスにおいて関数が定義された場合に、電子ノート画面上に表示されているソフトウェアキーボードの微分記号に係る入力キーを、当該関数で定義された記号を適用した微分記号に係る入力キーにカスタマイズすることが可能となっている。
【0073】
図17は、ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理の制御手順を示すフローチャートである。このソフトウェアキーボードカスタマイズ処理は、例えば、端末装置20の操作部24による所定の操作に基づいて、上述した電子ノート画面が当該端末装置20の表示部25に表示されたことを契機として開始される。
【0074】
図17に示すように、ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理が開始されると、まず、サーバ10のCPU11は、計算入力ボックスにおいて関数が定義されたか否かを判定する(ステップS41)。
【0075】
ステップS41において、計算入力ボックスにおいて関数が定義されていないと判定された場合(ステップS41;NO)、CPU11は、処理をステップS45に進める。
【0076】
また、ステップS41において、計算入力ボックスにおいて関数が定義されたと判定された場合(ステップS41;YES)、CPU11は、このときに端末装置20の表示部25に表示されているソフトウェアキーボードに微分記号に係る入力キーがあるか否かを判定する(ステップS42)。
【0077】
ステップS42において、端末装置20の表示部25に表示されているソフトウェアキーボードに微分記号に係る入力キーがないと判定された場合(ステップS42;NO)、CPU11は、処理をステップS45に進める。
【0078】
また、ステップS42において、端末装置20の表示部25に表示されているソフトウェアキーボードに微分記号に係る入力キーがあると判定された場合(ステップS42;YES)、CPU11は、計算入力ボックスにおいて定義されている関数に対応する入力キーを生成する(ステップS43)。例えば、
図18に示すように、計算入力ボックス434において、関数y(y:=0.5・t
2+3・t)の定義がなされており、ソフトウェアキーボード433に1階微分を表す記号“d□/d■”に係る入力キーK8と高階微分を表す記号“d
□□/d■”に係る入力キーK9とがある場合(ステップS42;YES)には、上記の関数yに対応する入力キーとして、上記の1階微分を表す記号“d□/d■”に係る入力キーK8の代わりとなる記号“y”の上部に微分の階数と同数(1)のドット符号を記した記号(ニュートン法の記法による記号)に係る入力キーK21が生成される。また、上記の高階微分を表す記号“d
□□/d■”に係る入力キーK9の代わりとなる記号“y”の上部に微分の階数と同数(例えば、2)のドット符号を記した記号(ニュートン法の記法による記号)に係る入力キーK22が生成される。ここで、ニュートン法の記法による記号に係る入力キーK21,K22が生成されるのは、上記関数yの独立変数tが時間変数である可能性を考慮したためである。
【0079】
次いで、CPU11は、電子ノート画面に表示されているソフトウェアキーボードを更新する(ステップS44)。例えば、上述したようにステップS43において、記号“y”の上部に微分の階数と同数(1)のドット符号を記した記号に係る入力キーK21が生成された場合、
図19に示すように、それまで1階微分を表す記号“d□/d■”を入力するための入力キーK8(
図18参照)が表示されていた領域に当該入力キーK21を表示させる。また、ステップS43において、記号“y”の上部に微分の階数と同数(例えば、2)のドット符号を記した記号を入力するための入力キーK22が生成された場合、それまで高階微分を表す記号“d
□□/d■”を入力するための入力キーK9(
図18参照)が表示されていた領域に当該入力キーK22を表示させる。これにより、例えば、
図19に示すように、関数y(y:=0.5・t
2+3・t)の定義がなされた計算入力ボックス434の入力欄Fがフォーカスされた状態で上記の入力キーK21の操作が行われた後、「実行」の入力キーK23の操作が行われると、
図20に示すように、当該計算入力ボックス434には、定義された関数yの表記に合わせた形で1階微分の演算が行われ、その演算結果が導出される。
【0080】
次いで、CPU11は、端末装置20の操作部24により、電子ノート画面43を閉じるための操作(終了操作)がなされたか否かを判定する(ステップS45)。
【0081】
ステップS45において、終了操作がなされていないと判定された場合(ステップS45;NO)、CPU11は、処理をステップS41に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0082】
また、ステップS45において、終了操作がなされたと判定された場合(ステップS45;YES)、CPU11は、ソフトウェアキーボードカスタマイズ処理を終了する。
【0083】
以上説明したように、サーバ10のCPU11は、関数が定義された計算入力ボックス411cの入力欄Fにおいて、微分を指定する入力操作がなされた場合に、微分記号の表記候補のサジェスチョン(候補リスト)412(
図8、
図10参照)を表示させる。また、CPU11は、上記の関数から導出された微分係数または導関数を表示する場合に、サジェスチョン412からユーザにより選択された微分記号の表記候補で当該微分記号を表示させる(
図9、
図11参照)。
したがって、CPU11によれば、ユーザにとって馴染みのある微分記号の表記法で微分演算を行ったり、授業で使用する教科書どおりの表記法で微分演算を行ったりすることができるので、微分記号を用いた数式の演算作業を円滑にすることができる。
【0084】
また、CPU11は、サジェスチョン(候補リスト)412(
図8、
図10参照)を表示させる場合は微分記号の表記候補を上記関数で定義された記号を適用して表示させる。
したがって、CPU11によれば、サジェスチョン412から所望の微分記号の表記候補を選択し易くなるので、微分記号を用いた数式の演算作業をより円滑にすることができる。
【0085】
また、CPU11は、上記関数での独立変数の明記の有無に対応させてサジェスチョン(候補リスト)412(
図8、
図10参照)を異ならせる。
したがって、CPU11によれば、サジェスチョン412から所望の微分記号の表記候補を選択し易くなるので、微分記号を用いた数式の演算作業をより円滑にすることができる。
【0086】
また、CPU11は、電子ノート(ユーザが学習する対象)を特定し、特定された電子ノートに対応するソフトウェアキーボード(例えば、ソフトウェアキーボード433;
図16参照)を表示させる。
したがって、CPU11によれば、電子ノートを用いて学習する際に、当該学習に適したソフトウェアキーボードを使用することができるので、ソフトウェアキーボードの使い勝手を向上させることができる。
【0087】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0088】
例えば、上記実施形態において、ソフトウェアキーボード表示制御処理(
図12参照)のステップS25では、授業識別テーブル(図示省略)を用いてソフトウェアキーボード431の変更が可能であるか否かを判定しているが、上記実施形態で説明した判定方法はあくまでも一例に過ぎず、例えば、機械学習の技術を用いるなどした他の方法でソフトウェアキーボード431の変更が可能であるか否かを判定してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、ソフトウェアキーボード表示制御処理(
図12参照)のステップS29でソフトウェアキーボードが変更された場合であっても、ユーザ操作に基づいて、デフォルトのソフトウェアキーボード431に戻せるようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態において、例えば、
図18に示すように、ソフトウェアキーボード433の入力キー表示領域433bに1階微分を表す記号“d□/d■”を入力するための入力キーK8や、高階微分を表す記号“d
□□/d■”を入力するための入力キーK9等が表示されている際に、“d”の文字(微分を予測させる文字)が計算入力ボックス434の入力欄Fへ入力され、微分記号の変換候補(表記法)が一覧表示されたサジェスチョンが表示された場合において、当該サジェスチョンから所望の変換候補が選択されると、上記の入力キーK8,K9に記されている微分記号が、選択された変換候補での微分記号に切り替えられるようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13の非一時的な記録媒体を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【符号の説明】
【0092】
100 学習支援システム
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
14 通信部
20 端末装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
231 プログラム
24 操作部
25 表示部
26 通信部