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特開2024-177896現像カートリッジおよびフレームの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177896
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】現像カートリッジおよびフレームの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G03G15/08 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096291
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】雨池 拓也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃治
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD17
2H077AD23
2H077BA08
2H077EA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】離間シャフトを覆うリブを有する筐体を、容易に製造するための技術を提供する。
【解決手段】現像カートリッジ1の筐体10は、外表面151に第1溝17、第2溝18、およびリブ19を有する。第1溝17は、第1方向に延びる。離間シャフト63は、第1溝17に配置される。第1溝17は、第2方向における第1縁と、第1縁から第2方向に離れた第2縁と、を有する。リブ19は、第1縁から離間シャフト63へ向けて、第2方向に延びる。リブ19は、離間シャフト63の一部を覆う。第2溝18は、第1溝17の第2縁から、第2方向においてリブ19から離れる向きに延びる。第2溝18は、第1方向においてリブ19と同じ位置に位置する部分を含む。筐体10の製造時には、第2溝18に沿ってスライドコアを抜くことにより、リブ19を成型する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容可能な筐体と、
第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラであって、前記第1方向に交差する第2方向における前記筐体の一端部に位置する現像ローラと、
前記筐体に対して前記第1方向に移動可能な離間シャフトと、
を備え、
前記筐体は、前記第1方向および前記第2方向に広がる外表面を有し、
前記外表面は、
前記第1方向に延び、前記離間シャフトが配置される第1溝であって、前記第2方向における第1縁と、前記第1縁から前記第2方向に離れた第2縁と、を有する第1溝と、
前記第1縁から前記離間シャフトへ向けて前記第2方向に延び、前記離間シャフトの一部を覆うリブと、
前記第1方向において前記リブと同じ位置に位置する部分を含む第2溝であって、前記第2縁から前記第2方向において前記リブから離れる向きに延びる第2溝と、
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の現像カートリッジであって、
前記第2溝は、前記筐体の製造時において、前記リブを成型するための金型としてのスライドコアを前記第2方向に開く際に前記スライドコアが通過することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向における前記第2溝の幅は、前記第1方向における前記リブの幅よりも大きいことを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第2縁は、前記第1縁よりも前記現像ローラに近く、
前記リブは、前記第1縁から前記第2縁へ向けて前記第2方向に延び、
前記第2溝は、前記第2縁から前記現像ローラへ向けて前記第2方向に延びることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1溝は、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に突出する凸部を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載の現像カートリッジであって、
前記第1溝は、
前記凸部である第1凸部と、
前記凸部である第2凸部であって、前記第1凸部から前記第1方向に離れた位置にある第2凸部と、
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載の現像カートリッジであって、
前記第1方向において、前記第1凸部と前記第2凸部の間に、前記第2溝が位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記筐体は、
前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向において、前記外表面から突出するボス
を有し、
前記第2溝は、前記第1方向において前記ボスとは異なる位置にあることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載の現像カートリッジであって、
前記ボスは、前記第3方向に延びる円筒状であり、内面にねじ溝を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載の現像カートリッジであって、
前記現像ローラの外周面に接触するブレードと、
前記筐体に前記ブレードを固定するねじと、
をさらに備え、
前記ねじ溝に前記ねじが挿入されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項11】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記離間シャフトは、
前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に前記離間シャフトを貫く凹部であって、前記第1方向の長さが前記リブよりも大きい凹部
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記離間シャフトは、樹脂によって形成されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項13】
請求項1に記載の現像カートリッジの前記筐体に使用される前記外表面を含むフレームの製造方法であって、
a)第1コアと、前記第1コアに対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に移動可能な第2コアと、前記第1コアおよび前記第2コアに対して前記第2方向に移動可能なスライドコアと、により構成される金型内の空洞に、溶融された樹脂を流し込む工程と、
b)前記金型内において前記樹脂を硬化させることにより、前記フレームを形成する工程と、
c)前記第1コアに対して前記第2コアを前記第3方向に開くとともに、前記第1コアおよび前記第2コアに対して前記スライドコアを、前記第2溝を通って前記第2方向に開くことにより、前記金型から前記フレームを取り出す工程と、
を有し、
前記リブの少なくとも一部分が、前記スライドコアにより成型されることを特徴とする、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジおよびフレームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタやLEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置は、現像カートリッジと、ドラムユニットとを有する。現像カートリッジは、現像ローラを有する。ドラムユニットは、感光体ドラムを有する。現像カートリッジがドラムユニットに装着されると、現像ローラが感光体ドラムに接触する。
【0004】
また、特許文献1の現像カートリッジは、離間部材を有する。離間部材は、シャフトを有する。ドラムユニットに現像カートリッジが装着された状態で、画像形成装置がシャフトを軸方向に押圧すると、現像カートリッジの筐体に対して、離間部材が軸方向に移動する。そして、離間部材が、ドラムユニットのフレームに接触することにより、ドラムユニットに対して現像カートリッジが、離間方向に移動する。その結果、感光体ドラムから現像ローラを離間させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-179128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の構造では、画像形成装置が離間シャフトを押圧するときに、離間シャフトが撓んだ場合、感光体ドラムから現像ローラを離間させることが困難となる。そこで、離間シャフトの撓みを抑制するために、筐体に、離間シャフトの一部を覆うリブを設けることが考えられる。しかしながら、筐体のフレームに、離間シャフトの一部を覆うリブを設けると、フレームの成型が困難となる。
【0007】
本開示の目的は、離間シャフトを覆うリブを有する筐体を、容易に製造するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1開示は、トナーを収容可能な筐体と、第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラであって、前記第1方向に交差する第2方向における前記筐体の一端部に位置する現像ローラと、前記筐体に対して前記第1方向に移動可能な離間シャフトと、を備え、前記筐体は、前記第1方向および前記第2方向に広がる外表面を有し、前記外表面は、前記第1方向に延び、前記離間シャフトが配置される第1溝であって、前記第2方向における第1縁と、前記第1縁から前記第2方向に離れた第2縁と、を有する第1溝と、前記第1縁から前記離間シャフトへ向けて前記第2方向に延び、前記離間シャフトの一部を覆うリブと、前記第1方向において前記リブと同じ位置に位置する部分を含む第2溝であって、前記第2縁から前記第2方向において前記リブから離れる向きに延びる第2溝と、を有することを特徴とする。
【0009】
第2開示は、第1開示の現像カートリッジであって、前記第2溝は、前記筐体の製造時において、前記リブを成型するための金型としてのスライドコアを前記第2方向に開く際に前記スライドコアが通過することを特徴とする。
【0010】
第3開示は、第1開示または第2開示の現像カートリッジであって、前記第1方向における前記第2溝の幅は、前記第1方向における前記リブの幅よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第2縁は、前記第1縁よりも前記現像ローラに近く、前記リブは、前記第1縁から前記第2縁へ向けて前記第2方向に延び、前記第2溝は、前記第2縁から前記現像ローラへ向けて前記第2方向に延びることを特徴とする。
【0012】
第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記第1溝は、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に突出する凸部を有することを特徴とする。
【0013】
第6開示は、第5開示の現像カートリッジであって、前記第1溝は、前記凸部である第1凸部と、前記凸部である第2凸部であって、前記第1凸部から前記第1方向に離れた位置にある第2凸部と、を有することを特徴とする。
【0014】
第7開示は、第6開示の現像カートリッジであって、前記第1方向において、前記第1凸部と前記第2凸部の間に、前記第2溝が位置することを特徴とする。
【0015】
第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記筐体は、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向において、前記外表面から突出するボスを有し、前記第2溝は、前記第1方向において前記ボスとは異なる位置にあることを特徴とする。
【0016】
第9開示は、第8開示の現像カートリッジであって、前記ボスは、前記第3方向に延びる円筒状であり、内面にねじ溝を有することを特徴とする。
【0017】
第10開示は、第9開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラの外周面に接触するブレードと、前記筐体に前記ブレードを固定するねじと、をさらに備え、前記ねじ溝に前記ねじが挿入されることを特徴とする。
【0018】
第11開示は、第1開示から第10開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記離間シャフトは、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に前記離間シャフトを貫く凹部であって、前記第1方向の長さが前記リブよりも大きい凹部を有することを特徴とする。
【0019】
第12開示は、第1開示から第11開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記離間シャフトは、樹脂によって形成されることを特徴とする。
【0020】
第13開示は、第1開示から第12開示のいずれか一開示の現像カートリッジの前記筐体に使用される前記外表面を含むフレームの製造方法であって、a)第1コアと、前記第1コアに対して前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に移動可能な第2コアと、前記第1コアおよび前記第2コアに対して前記第2方向に移動可能なスライドコアと、により構成される金型内の空洞に、溶融された樹脂を流し込む工程と、b)前記金型内において前記樹脂を硬化させることにより、前記フレームを形成する工程と、c)前記第1コアに対して前記第2コアを前記第3方向に開くとともに、前記第1コアおよび前記第2コアに対して前記スライドコアを、前記第2溝を通って前記第2方向に開くことにより、前記金型から前記フレームを取り出す工程と、を有し、前記リブの少なくとも一部分が、前記スライドコアにより成型されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1開示~第13開示によれば、筐体の製造時に、第2溝に沿ってスライドコアを抜くことにより、リブを成型できる。これにより、リブを有する筐体を容易に製造できる。
【0022】
また、第5開示によれば、筐体の成型時に、第1溝のパーティングライン部にバリが生じたとしても、離間シャフトとバリが接触することを抑制できる。
【0023】
また、第6開示によれば、離間シャフトを2箇所の凸部で支えることにより、離間シャフトの姿勢を安定させることができる。
【0024】
また、第11開示によれば、リブに凹部を重ねた状態で、第1溝に離間シャフトを配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】画像形成装置の概略図である。
図2】現像カートリッジの斜視図である。
図3】現像カートリッジの正面図である。
図4図3のA-A線の位置における現像カートリッジの断面図である。
図5】第1フレームの斜視図である。
図6図3のB-B線の位置における第1フレームの断面図である。
図7】現像カートリッジが装着されたドラムユニットの、離間部材を含む断面図である。
図8】現像カートリッジが装着されたドラムユニットの、離間部材を含む断面図である。
図9】第1フレームの製造手順を示すフローチャートである。
図10】第1フレームの製造時の様子を示した図である。
図11】第1フレームの製造時の様子を示した図である。
図12】第1フレームの製造時の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
なお、以下では、現像ローラ30の現像軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像カートリッジ1の筐体10の現像ローラ30が位置する一端部と筐体10の他端部とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。また、筐体10の製造時に第2コア92が移動する方向を「第3方向」と称する。
【0028】
第1方向と第2方向とは互いに交差する。例えば、第1方向と第2方向とは互いに直交する。第2方向と第3方向とは互いに交差する。例えば、第2方向と第3方向とは互いに直交する。第3方向と第1方向とは互いに交差する。例えば、第3方向と第1方向とは互いに直交する。
【0029】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概略図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置100は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。図1に示すように、画像形成装置100は、本体フレーム101、ドラムユニット2、および4つの現像カートリッジ1を備える。
【0030】
4つの現像カートリッジ1は、ドラムユニット2に対して装着可能である。また、4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2は、本体フレーム101に対して装着可能である。
【0031】
4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色のトナーを収容する。例えば、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ1と、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ1と、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ1と、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジ1と、がドラムユニット2に対して装着可能である。画像形成装置100は、現像カートリッジ1から供給されるトナーにより、印刷用紙の表面に画像を印刷する。
【0032】
<2.現像カートリッジの構成>
図2は、現像カートリッジ1の斜視図である。図3は、現像カートリッジ1を第3方向に視た、現像カートリッジ1の正面図である。図4は、図3のA-A線の位置における現像カートリッジ1の断面図である。図2図4に示すように、現像カートリッジ1は、筐体10、アジテータ20、現像ローラ30、供給ローラ35、ギア部40、および離間部材60を備えている。
【0033】
<2-1.筐体>
筐体10は、トナーを収容可能な容器である。筐体10は、第1端面11と第2端面12とを有する。第1端面11は、第1方向における筐体10の一端部に位置する。第2端面12は、第1方向における筐体10の他端部に位置する。第1端面11と第2端面12とは、第1方向において互いに離れている。
【0034】
筐体10の内部には、収容室13が設けられている。トナーは、収容室13に収容される。また、筐体10は、開口14を有する。開口14は、第2方向における筐体10の一端部に位置する。筐体10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。また、図4に示すように、現像カートリッジ1は、第2方向における筐体10の他端部にハンドル161を有する。
【0035】
筐体10は、第1フレーム15と第2フレーム16とを有する。第1フレーム15と第2フレーム16とは、第3方向に並んでいる。第2フレーム16は、カップ状である。具体的には、第2フレーム16は、第3方向において、第1フレーム15から離れる向きに凹んでいる。第1フレーム15は、板状である。第1フレーム15は、第2フレーム16を覆う。
【0036】
第1フレーム15は、外表面151を有する。外表面151は、第1方向および第2方向に広がる面である。すなわち、外表面151は、第3方向に対して交差する面である。第1フレーム15と第2フレーム16とは、互いに固定されている。収容室13は、第1フレーム15と第2フレーム16とに囲まれた空間である。
【0037】
<2-2.アジテータ>
アジテータ20は、筐体10内のトナーを撹拌する部材である。図4に示すように、アジテータ20は、アジテータシャフト21と、アジテータ羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、筐体10内において、第1方向に延びる。アジテータシャフト21は、第1方向に延びるアジテータ軸について回転可能な状態で、第2フレーム16に支持される。アジテータ羽根22は、アジテータシャフト21からアジテータシャフト21の径方向外側へ向けて広がる。アジテータ20は、画像形成装置100から供給される駆動力により、アジテータ軸について回転する。これにより、筐体10内のトナーが攪拌される。
【0038】
<2-3.現像ローラ>
現像ローラ30は、第1方向に延びる現像軸について回転可能なローラである。現像ローラ30は、筐体10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、第2方向における筐体10の一端部に位置する。図1に示すように、ドラムユニット2は、感光体ドラム70を有する。ドラムユニット2に現像カートリッジ1が装着されると、現像ローラ30は、感光体ドラム70に接触する。
【0039】
図4に示すように、現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31は、例えば、弾性を有するゴムからなる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して固定される。現像ローラシャフト32は、金属または導電性を有する樹脂からなる。
【0040】
現像ローラ30は、第1方向に延びる現像軸について回転可能な状態で、第2フレーム16に支持される。現像ローラ30は、画像形成装置100から供給される駆動力により、現像軸について回転する。筐体10内のトナーは、現像ローラ30の外表面に担持される。
【0041】
また、図4に示すように、現像カートリッジ1は、ブレード33を有する。ブレード33は、開口14に位置する。ブレード33は、ブレード部331と、ブレード部331を支持するホルダ部332と、を有する。ブレード部331とホルダ部332とは、互いに別部品であってもよいし、一体で成型されていてもよい。なお、ブレード部331は、ホルダ部332に対して溶着されていてもよいし、例えばネジによって取り付けられていてもよい。ブレード部331は、弾性を有する板である。
【0042】
ブレード33の一端は、筐体10に固定される。詳細には、ホルダ部332の第2方向における端が、筐体10に固定される。ブレード33の他端は、現像ローラ30の外周面に接触する。詳細には、ブレード部331の第3方向の端が、現像ローラ30の外表面に接触する。より具体的には、ブレード33の他端は、現像ローラ30の外周面に担持されたトナーに接触する。ブレード33は、現像ローラ30の外周面に沿って、第1方向に延びる。ブレード33は、現像ローラ30の外周面に担持されたトナーを、所定の厚みに成形する。
【0043】
図2図4に示すように、筐体10の第1フレーム15は、ボス152を有する。ボス152は、第1フレーム15の外表面151から、第3方向に突出する。ボス152は、第3方向に延びる円筒状である。ボス152は、内周面にねじ溝を有する。また、図2図4に示すように、画像形成装置100は、ねじ153を有する。ねじ153は、筐体10にブレード33を固定するための部品である。ねじ153は、ボス152に挿入されて、ねじ溝に締結される。ブレード33の一端は、第3方向において、第1フレーム15の外表面151と、ねじ153の頭部との間に挟まれる。詳細には、ブレード33のホルダ部332の第2方向における端が、第3方向において、第1フレーム15の外表面151と、ねじ153の頭部との間に挟まれる。これにより、第1フレーム15に対してブレード33が固定される。
【0044】
<2-4.供給ローラ>
供給ローラ35は、第1方向に延びる供給軸について回転可能なローラである。供給ローラ35は、筐体10内に位置する。より具体的には、供給ローラ35は、第2方向において、現像ローラ30とアジテータ20との間に位置する。
【0045】
図4に示すように、供給ローラ35は、供給ローラ本体36と供給ローラシャフト37とを有する。供給ローラ本体36は、第1方向に延びる円筒状の部材である。供給ローラ本体36は、例えば、弾性を有するゴムからなる。供給ローラ本体36の外周面は、現像ローラ本体31の外周面と接触する。供給ローラシャフト37は、供給ローラ本体36を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。供給ローラ本体36は、供給ローラシャフト37に対して固定される。供給ローラシャフト37は、金属または導電性を有する樹脂からなる。
【0046】
供給ローラ35は、第1方向に延びる供給軸について回転可能な状態で、第2フレーム16に支持される。供給ローラ35は、画像形成装置100から供給される駆動力により、供給軸について回転する。筐体10内のトナーは、供給ローラ35の外周面を介して、現像ローラ30の外周面へ供給される。
【0047】
<2-5.ギア部>
ギア部40は、筐体10の第1端面11に位置する。ギア部40は、第1カバー41と、カップリング42と、複数のギアとを有する。第1カバー41は、筐体10の第1端面11に取り付けられている。具体的には、第1カバー41は、筐体10の第1端面11に、ねじにより固定されている。
【0048】
カップリング42および複数のギアは、それぞれ、第1方向に延びる軸について回転可能である。複数のギアの少なくとも一部は、第1方向において、筐体10の第1端面11と第1カバー41との間に位置する。すなわち、複数のギアの少なくとも一部は、第1カバー41に覆われる。
【0049】
カップリング42は、第1カバー41から露出する。現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、画像形成装置100に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトが、カップリング42に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング42および複数のギアを介して、アジテータ20、現像ローラ30、および供給ローラ35へ伝達される。
【0050】
<2-6.離間部材>
4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、画像形成装置100に装着された状態において、画像形成装置100は、各現像カートリッジ1に対して、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム70に対して現像ローラ30を、感光体ドラム70に接触する接触位置から、感光体ドラム70から離れる離間位置へ、移動させる動作である。画像形成装置100は、4つの現像カートリッジ1のうち、使用しない現像カートリッジ1に対して、離間動作を行う。これにより、使用しない現像カートリッジ1の現像ローラ30を、感光体ドラム70から離れた状態とする。
【0051】
離間部材60は、現像ローラ30を、上述した接触位置と離間位置との間で切り替えるための部材である。つまり、現像カートリッジ1は、離間部材60によって、現像ローラ30が接触位置にある状態と、現像ローラ30が離間位置にある状態とに切り替わる。離間部材60は、第2方向における筐体10の一端部と他端部との間に位置する。図2および図3に示すように、離間部材60は、第1カム61、第2カム62、および離間シャフト63を有する。
【0052】
離間部材60は、例えば樹脂製である。具体的には、第1カム61、第2カム62、および離間シャフト63が、樹脂により一体に成型される。ただし、第1カム61、第2カム62、および離間シャフト63は、互いに別部品であってもよい。その場合、第1カム61および第2カム62のみを樹脂製とし、離間シャフト63は金属製としてもよい。
【0053】
図5は、第1フレーム15の斜視図である。図6は、図3のB-B線の位置における第1フレーム15の断面図である。図5および図6に示すように、筐体10の第1フレーム15は、第1溝17および第2溝18を有する。第1溝17および第2溝18は、第1フレーム15の外表面151に位置する。
【0054】
第1溝17は、第1フレーム15の外表面151において、第3方向に凹む溝である。第1溝17は、第1方向に延びる。第1溝17は、第1縁171および第2縁172を有する。第1縁171および第2縁172は、第2方向における第1溝17の縁である。第1縁171と第2縁172とは、第2方向に離れている。第2縁172は、第1縁171よりも現像ローラ30に近い。
【0055】
図2に示すように、第1カバー41は、シャフト孔410を有する。シャフト孔410は、第1溝17と第1方向に重なる位置において、第1カバー41を第1方向に貫通する。また、図2および図3に示すように、現像カートリッジ1は、第2カバー51を有する。第2カバー51は、筐体10の第2端面12に取り付けられている。具体的には、第2カバー51は、筐体10の第2端面12に、ねじにより固定されている。図2に示すように、第2カバー51は、シャフト溝510を有する。シャフト溝510は、第1溝17と第1方向に重なる位置において、第2カバー51を第1方向に貫通する。
【0056】
離間シャフト63は、第1溝17内に配置されている。離間シャフト63は、第1溝17に沿って、第1方向に延びる。第1方向における離間シャフト63の一端部は、シャフト孔410に挿入される。これにより、第1方向における離間シャフト63の一端部が、第1カバー41に支持される。第1方向における離間シャフト63の他端部は、シャフト溝510に挿入される。これにより、第1方向における離間シャフト63の他端部が、第2カバー51に支持される。
【0057】
また、図2図3、および図5に示すように、筐体10は、リブ19を有する。リブ19は、第1フレーム15の外表面151に位置する。リブ19は、第1溝17の第1縁171から離間シャフト63へ向けて、第2方向に延びる突起である。すなわち、リブ19は、第1溝17の第1縁171から第2縁172へ向けて、第2方向に延びる突起である。リブ19は、第1方向における第1溝17の中央付近に位置する。
【0058】
リブ19は、第1溝17に配置された離間シャフト63の一部分を覆う。これにより、離間シャフト63が筐体10の外側へ向けて第3方向に撓むことが抑制される。特に、離間シャフト63が樹脂によって形成される場合、離間シャフト63が金属によって形成される場合よりも剛性が小さいため、離間シャフト63に撓みが生じやすくなる。しかしながら、リブ19が、第1方向における離間シャフト63の中央付近を覆うことにより、第1方向における離間シャフト63の中央付近が、筐体10の外側へ向けて第3方向に撓むことを抑制できる。
【0059】
図2および図3に示すように、離間シャフト63は、薄肉部631を有する。薄肉部631は、離間シャフト63の第2方向における側部に位置する。薄肉部631は、第2方向において第1縁171と向かい合う。また、薄肉部631は、第1方向における離間シャフト63の中央付近に位置する。薄肉部631の第3方向の厚みは、離間シャフト63の薄肉部631以外の部分の第3方向の厚みよりも、薄い。リブ19は、薄肉部631を覆う。これにより、リブ19が第1フレーム15の外表面151から第3方向に突出することを抑制できる。
【0060】
また、離間シャフト63は、凹部632を有する。凹部632は、薄肉部631の一部分を、第3方向に貫く。凹部632は、薄肉部631において、第1縁171から第2縁172へ向かう方向に凹む。凹部632の第1方向の長さは、リブ19の第1方向の長さよりも長い。
【0061】
筐体10に離間シャフト63を取り付けるときには、まず、リブ19と凹部632を第3方向に重ねた状態で、第1溝17に離間シャフト63を配置する。すなわち、リブ19と凹部632とが、第1方向において同じ位置にある状態で、第1溝17に離間シャフト63を配置する。このとき、リブ19は、凹部632を第3方向に通過する。その後、筐体10に対して離間シャフト63を、第1方向に移動させる。そうすると、リブ19と凹部632とが、第1方向において異なる位置に配置される。これにより、リブ19が薄肉部631を覆う状態となる。その結果、第1溝17から離間シャフト63が外れることを抑制できる。
【0062】
第2溝18は、第1フレーム15の外表面151において、第3方向に凹む溝である。第2溝18は、第1溝17の第2縁172から現像ローラ30へ向けて、第2方向に延びる。すなわち、第2溝18は、第1溝17の第2縁172から、第2方向においてリブ19から離れる向きに延びる。
【0063】
第2溝18は、第1フレーム15を射出成型により製造する時に、リブ19を成型するスライドコア93を抜くための溝である。したがって、第2溝18は、第1方向において、リブ19と同じ位置に位置する部分を含む。第1方向における第2溝18の幅は、第1方向におけるリブ19の幅よりも大きい。
【0064】
第1カム61は、第1方向における離間部材60の一端部に位置する。第1カム61は、筐体10の第1端面11に位置する。第1カム61は、第1傾斜面611を有する。第1傾斜面611は、離間シャフト63を中心とする周面の一部である。第1傾斜面611は、第1方向に対して傾斜する。より具体的には、第1傾斜面611は、第1方向において離間部材60の他端部へ近づくにつれて、第2方向において現像ローラ30から離れるように、傾斜する。
【0065】
第2カム62は、第1方向における離間部材60の他端部に位置する。第2カム62は、筐体10の第2端面12に位置する。第2カム62は、第2傾斜面621を有する。第2傾斜面621は、離間シャフト63を中心とする周面の一部である。第2傾斜面621は、第1方向に対して傾斜する。より具体的には、第2傾斜面621は、第1方向において離間部材60の他端部へ近づくにつれて、第2方向において現像ローラ30から離れるように、傾斜する。
【0066】
また、図2に示すように、離間部材60は、位置決め突起64を有する。位置決め突起64は、第1方向における離間部材60の一端部に位置する。位置決め突起64は、第1カム61から、離間シャフト63の径方向外側へ突出する。現像カートリッジ1がドラムユニット2に装着された状態において、位置決め突起64は、ドラムユニット2のフレームと、第1方向に接触する。これにより、ドラムユニット2に対して離間部材60が、第1方向に位置決めされる。
【0067】
離間部材60は、第1方向において、第1位置と第2位置との間で、筐体10および現像ローラ30に対して移動可能である。第1位置は、位置決め突起64がドラムユニット2のフレームに接触した状態における離間部材60の第1方向の位置である。第1位置から第2位置への移動は、第1カム61から第2カム62へ向かう方向の移動である。つまり、第1方向において離間部材60が第1位置よりも他端部側に移動した位置が、第2位置である。
【0068】
また、現像カートリッジ1は、戻しばね66(図7および図8参照)を有する。戻しばね66は、第1方向に伸縮可能な弾性部材である。戻しばね66には、例えば、圧縮コイルばねが使用される。戻しばね66は、筐体10の第1端面11に位置する。戻しばね66は、第1カバー41に覆われる。戻しばね66は、第1方向において、筐体10の第1端面11と、第1カム61との間に位置する。
【0069】
戻しばね66は、自然長よりも第1方向に圧縮されている。このため、戻しばね66は、離間部材60を、第2位置から第1位置へ向けて、第1方向に付勢する。言い換えると、戻しばね66は、離間部材60を、第2カム62から第1カム61へ向かう方向に付勢する。したがって、離間部材60は、後述する押圧シャフト102に押圧されていない状態では、第1位置に位置する。
【0070】
<3.離間動作について>
続いて、画像形成装置100の離間動作について、説明する。図7および図8は、現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2の、離間部材60を含む断面図である。図7は、離間動作が行われていない状態を示している。図8は、離間動作が行われている状態を示している。
【0071】
図7および図8に示すように、画像形成装置100は、押圧シャフト102を有する。4つの現像カートリッジ1が装着されたドラムユニット2が、本体フレーム101に装着された状態において、押圧シャフト102は、現像カートリッジ1の第1カム61と第1方向に向かい合う。
【0072】
押圧シャフト102は、退避位置と、退避位置よりも現像カートリッジ1に近い突出位置との間で、第1方向に移動可能である。なお、図7は、押圧シャフト102が退避位置に位置する状態を示し、図8は、押圧シャフト102が突出位置に位置する状態を示している。画像形成装置100は、離間動作を行う場合、押圧シャフト102を、退避位置から突出位置へ移動させる。これにより、押圧シャフト102が、第1カム61に接触する。そして、押圧シャフト102は、離間部材60を、第1方向において、第1カム61から第2カム62へ向かう方向に、押圧する。そうすると、戻しばね66が縮むことにより、筐体10に対して離間部材60が、第1位置から第2位置へ、第1方向に移動する。
【0073】
離間部材60が第1位置から第2位置へ移動すると、第1カム61の第1傾斜面611は、ドラムユニット2のフレームに接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、第1カム61は、ドラムユニット2のフレームから受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、第2方向に移動する。より具体的には、第1カム61は、ドラムユニット2のフレームから受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、感光体ドラム70から離れる向きに移動する。
【0074】
同様に、離間部材60が第1位置から第2位置へ移動すると、第2カム62の第2傾斜面621は、ドラムユニット2のフレームに接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、第2カム62は、ドラムユニット2のフレームから受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、第2方向に移動する。より具体的には、第2カム62は、ドラムユニット2のフレームから受ける抗力によって、ドラムユニット2に対して、感光体ドラム70から離れる向きに移動する。
【0075】
これにより、筐体10および現像ローラ30は、離間部材60とともに、ドラムユニット2に対して、第2方向に移動する。より具体的には、筐体10および現像ローラ30は、ドラムユニット2に対して、感光体ドラム70から離れる向きに移動する。その結果、現像ローラ30が、感光体ドラム70に接触する接触位置から、感光体ドラム70から離れる離間位置へ、第2方向に移動する。
【0076】
<4.第1フレームの製造方法>
続いて、上記の現像カートリッジ1の筐体10に使用される第1フレーム15の製造方法について、説明する。図9は、第1フレーム15の製造手順を示すフローチャートである。図10図12は、第1フレーム15の製造時の様子を示した図である。なお、図10図12は、第1方向に対して直交する断面を示している。
【0077】
第1フレーム15は、樹脂の射出成型により製造される。第1フレーム15を製造するときには、まず、製造者は、金型90を準備する。金型90は、第1コア91、第2コア92、およびスライドコア93を有する。第1コア91は、第1フレーム15の内面を成型するためのコアである。第2コア92は、第1フレーム15の外面を成型するためのコアである。第2コア92は、第1コア91に対して、第3方向に移動可能である。スライドコア93は、リブ19の少なくとも一部分を成型するためのコア(入れ子)である。スライドコア93は、第1コア91および第2コア92に対して第2方向に移動可能である。
【0078】
図10に示すように、金型90の内部には、第1フレーム15の形状に対応する空洞94が形成される。なお、第1コア91、第2コア92、およびスライドコア93は、それぞれ、複数のコアにより構成されていてもよい。
【0079】
製造者は、金型90内の空洞94に、溶融された樹脂を流し込む(ステップS1)。金型90には、図示を省略したゲート(孔)が設けられている。溶融された樹脂は、ゲートを介して空洞94へ供給される。図11のように、金型90内の空洞94に樹脂が行き渡ると、製造者は、金型90内において樹脂を硬化させる(ステップS2)。例えば、熱硬化性樹脂を使用する場合、金型90内の樹脂を加熱することにより、樹脂を硬化させる。これにより、第1フレーム15が形成される。
【0080】
その後、製造者は、金型90を開いて、金型90から第1フレーム15を離型する(ステップS3)。具体的には、図12のように、第1コア91に対して第2コア92を、第3方向に開くとともに、第1コア91および第2コア92に対してスライドコア93を、第2方向に開く。このとき、スライドコア93の少なくとも一部分が、第2溝18を通って、第2方向に移動する。これにより、金型90から第1フレーム15が取り出される。
【0081】
リブ19は、第2方向に突出した形状であるため、リブ19と第1溝17の一部分とが、第3方向に向かい合う。このため、リブ19の第1溝17に向かい合う面、および、第1溝17のリブ19と向かい合う面は、第3方向に開く第1コア91および第2コア92だけでは成型できない。しかしながら、上記のように、第2方向に開くスライドコア93を使用することにより、リブ19の第1溝17に向かい合う面、および、第1溝17のリブ19と向かい合う面を成型することが可能となる。
【0082】
また、上記のように、第1フレーム15に第2溝18を設けることにより、スライドコア93を、第1コア91および第2コア92に対して、第2方向に抜くことが可能となる。これにより、リブ19を有する第1フレーム15を、容易に製造できる。
【0083】
第2溝18は、第1方向において、上述したボス152とは、異なる位置にある。このため、スライドコア93を第2方向に抜く際に、スライドコア93とボス152とが干渉しない。このようにすれば、第1フレーム15に、ボス152と第2溝18の両方を設けることができる。したがって、第1フレーム15にブレード33を固定することと、スライドコア93を第2方向に抜いてリブ19を成型することとを、両立できる。
【0084】
第1溝17のうち、第2コア92とスライドコア93との境界に相当するパーティングライン部には、バリが生じる場合がある。バリは、薄肉状の突起である。バリが離間シャフト63に接触すると、離間シャフト63が第1方向に移動しにくくなる場合がある。そこで、図5に示すように、第1溝17は、2つの第1凸部173および第2凸部174を有する。第1凸部173および第2凸部174は、第1溝17の表面から第3方向に突出する。このようにすれば、離間シャフト63は、第1凸部173および第2凸部174に接触する。したがって、第1フレーム15の成型時に、第1溝17のパーティングライン部にバリが生じたとしても、離間シャフト63がバリに接触することを抑制できる。
【0085】
第1凸部173と第2凸部174とは、第1方向に離れた位置にある。具体的には、第1凸部173は、第2溝18よりも、第1方向における一方側に位置する。第2凸部174は、第2溝18よりも、第1方向における他方側に位置する。すなわち、第1方向において、第1凸部173と第2凸部174の間に、第2溝18が位置する。このようにすれば、離間シャフト63を、第1方向に離れた2箇所の凸部で支持できる。したがって、離間シャフト63の姿勢を安定させることができる。
【0086】
<5.変形例>
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0087】
上記の実施形態では、リブ19の一部分がスライドコア93により成型され、リブ19の他の部分が第2コア92により成型されていた。しかしながら、スライドコア93は、リブ19の全体を成型してもよい。
【0088】
また、上記の実施形態では、リブ19が、第1溝17の第1縁171から第2縁172へ向けて延び、第2溝18が、第1溝17の第2縁172から第2方向における筐体10の一端部へ向けて延びていた。しかしながら、リブ19が、第1溝17の第2縁172から第1縁171へ向けて延び、第2溝18が、第1溝17の第1縁171から第2方向における筐体10の他端部へ向けて延びていてもよい。
【0089】
また、上記の実施形態では、ドラムユニット2に装着可能な現像カートリッジ1の数が、4つであった。しかしながら、ドラムユニット2に装着可能な現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0090】
その他、現像カートリッジの細部の形状や構造は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変更してもよい。また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 現像カートリッジ
2 ドラムユニット
10 筐体
15 第1フレーム
17 第1溝
18 第2溝
19 リブ
30 現像ローラ
60 離間部材
61 第1カム
62 第2カム
63 離間シャフト
70 感光体ドラム
90 金型
91 第1コア
92 第2コア
93 スライドコア
100 画像形成装置
152 ボス
171 第1縁
172 第2縁
173 第1凸部
174 第2凸部
632 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12