IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図1
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図2
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図3
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図4
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図5
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図6
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図7
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図8
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図9
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図10
  • 特開-電子機器およびアクセサリ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177911
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】電子機器およびアクセサリ
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20241217BHJP
【FI】
G03B17/56 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096310
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晋作
【テーマコード(参考)】
2H105
【Fターム(参考)】
2H105EE21
(57)【要約】
【課題】アクセサリを電子機器に装着する際に互いに対応しない接点または端子同士の接触を防止する。
【解決手段】アクセサリ100は、電子機器1に設けられた装着部1に着脱可能に装着される。アクセサリは、装着部190に対して第1の位置に配置されたアクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、アクセサリを装着部に係合保持させる係合部125a,125bと、第2の位置において、装着部に第1の方向に配置された複数の端子185のうち対応する端子にそれぞれに接触するように第1の方向に配置された複数の接点310とを有する。複数の接点のうち隣り合う接点間の間隔角度Aが、アクセサリの第1の位置から第2の位置までの回転角度Bよりも大きい。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に設けられた装着部に着脱可能に装着されるアクセサリであって、
前記装着部に対して第1の位置に配置された前記アクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、前記アクセサリを前記装着部に係合保持させる係合部と、
前記第2の位置において、前記装着部に前記第1の方向に配置された複数の端子のうち対応する端子にそれぞれに接触するように前記第1の方向に配置された複数の接点とを有し、
前記複数の接点のうち隣り合う接点間の間隔角度が、前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とするアクセサリ。
【請求項2】
前記複数の接点は、前記複数の端子のうちグランド用の第1の端子に接触する第1の接点と、電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1、第2および第3の接点が前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、前記第1、第2および第3の接点が前記第1、第2および第3の端子のそれぞれに同時に接触することを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ。
【請求項3】
前記複数の接点は、前記複数の端子のうちグランド用の第1の端子に接触する第1の接点と、電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1、第2および第3の接点が前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第1の接点が前記第1の端子に接触し、次に前記第3の接点が前記第3の端子に接触し、その後に前記第2の接点が前記第2の端子に接触することを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ。
【請求項4】
前記第1の方向において、前記第1の接点の長さが前記第3の接点の長さより長く、前記第3の接点の長さが前記第2の接点の長さより長いことを特徴とする請求項3に記載のアクセサリ。
【請求項5】
前記装着部は、前記複数の端子の配置中心にグランド用の第1の端子を有し、
前記アクセサリは、前記複数の接点の配置中心にグランド用の第1の接点を有し、
前記複数の接点は、前記複数の端子のうち電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1の接点が前記第1の端子に接触し、かつ前記第2および第3の接点は前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第3の接点が前記第3の端子に接触し、その後に前記第2の接点が前記第2の端子に接触することを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ。
【請求項6】
前記第1の方向において、前記第3の接点の長さが前記第2の接点の長さより長いことを特徴とする請求項5に記載のアクセサリ。
【請求項7】
前記複数の接点は、2つ以上の信号用の接点を含み、
前記アクセサリは、
前記第1の方向に回転操作が可能なダイヤル部材を有し、
前記ダイヤル部材の回転位置に応じた信号を前記信号用の接点から出力することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項8】
アクセサリが着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に対して第1の位置に配置された前記アクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、前記アクセサリを前記装着部に係合保持する保持部と、
前記第2の位置において、前記複数の接点のうち対応する接点にそれぞれに接触するように前記第1の方向に配置された複数の端子とを有し、
前記複数の端子のうち隣り合う端子間の間隔角度が、前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記複数の端子は、前記複数の接点のうちグランド用の第1の接点に接触する第1の端子と、電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1、第2および第3の端子が前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、前記第1、第2および第3の端子が前記第1、第2および第3の接点のそれぞれに同時に接触することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記複数の端子は、前記複数の接点のうちグランド用の第1の接点に接触する第1の端子と、電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1、第2および第3の端子が前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第1の端子が前記第1の接点に接触し、次に前記第3の端子が前記第3の接点に接触し、その後に前記第2の端子が前記第2の接点に接触することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項11】
前記装着部は、前記複数の端子の配置中心にグランド用の第1の端子を有し、
前記アクセサリは、前記複数の接点の配置中心にグランド用の第1の接点を有し、
前記複数の端子は、前記複数の接点のうち電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1の端子が前記第1の接点に接触し、かつ前記第2および第3の端子は前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第3の端子が前記第3の接点に接触し、その後に前記第2の端子が前記第2の接点に接触することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器とこれに対して着脱可能なアクセサリに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器とこれに着脱可能に装着されるアクセサリとの間の信号伝達方法として、電子機器に設けられた端子に対してアクセサリに設けられた対応する端子または接点を接触させることで信号伝達経路を構成する方法がある。このような信号伝達方法では、電子機器が衝撃等の外力を受けてもアクセサリとの正常な接続状態が維持されるように、電子機器とアクセサリとが物理的に外れることを防止する保持構成が設けられることが多い。
【0003】
特許文献1には、それぞれ円弧状に等間隔に配列された複数の端子を有する電子機器とアクセサリとを端子の接触方向とは異なる方向に相対回転させることで、電子機器とアクセサリに設けられた保持用爪部(バヨネット爪)同士が係合する保持構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-101656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように電子機器とアクセサリとが相対回転する際に、互いに対応しない端子同士が接触して電子機器が誤動作したり、端子が摩耗したりする。
【0006】
本発明は、アクセサリを電子機器に装着する際に互いに対応しない接点または端子同士の接触を防止できるようにしたアクセサリおよび電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としてのアクセサリは、電子機器に設けられた装着部に着脱可能に装着される。該アクセサリは、装着部に対して第1の位置に配置されたアクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、アクセサリを装着部に係合保持させる係合部と、第2の位置において、装着部に第1の方向に配置された複数の端子のうち対応する端子にそれぞれに接触するように第1の方向に配置された複数の接点とを有する。複数の接点のうち隣り合う接点間の間隔角度が、アクセサリの第1の位置から第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
また本発明の他の一側面としての電子機器は、アクセサリが着脱可能に装着される装着部と、装着部に対して第1の位置に配置されたアクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、アクセサリを装着部に係合保持する保持部と、第2の位置において、複数の接点のうち対応する接点にそれぞれに接触するように第1の方向に配置された複数の端子とを有する。複数の端子のうち隣り合う端子間の間隔角度が、アクセサリの第1の位置から第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アクセサリを電子機器に装着する際に互いに対応しない接点と端子同士の接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の撮像装置を示す図。
図2】実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図。
図3】実施例1の操作装置を示す斜視図。
図4】実施例1の操作装置の回路基板を示す図。
図5】実施例1の操作装置の分解斜視図。
図6】実施例1の撮像装置の装着部を示す斜視図。
図7】実施例1の操作装置の接点ランドを示す図。
図8】実施例2の操作装置の回路基板を示す図。
図9】実施例2の操作装置の接点ランドを示す図。
図10】実施例3の操作装置の回路基板を示す図。
図11】実施例3の操作装置の接点ランドを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例0012】
図1(a)は斜め前側から見た本発明の実施例1である電子機器としての撮像装置1を示し、図1(b)は斜め後側から見た撮像装置1を。表示部2は、画像や各種情報を表示する。タッチパネル3は、表示部2の表示面(操作面)に対するタッチ操作を検出することができる。
【0013】
電源スイッチ4は、撮像装置1の電源のONとOFFを切り替えるためにユーザにより操作される。シャッタボタン5は、撮影指示を行うためにユーザにより操作される。モード切替ダイヤル6は、各種モードを切り替えるためにユーザにより操作される。モード切替ダイヤル6は、撮像装置1に対して着脱可能なアクセサリとしての操作装置であり、その詳細については後述する。
【0014】
端子カバー7は、外部機器と撮像装置1とを接続するケーブル等が接続される不図示のコネクタを保護するために設けられている。メイン電子ダイヤル8は、シャッタ速度や絞り値等の設定値を変更するためにユーザにより回転操作される。切替スイッチ10は、静止画記録モードと動画記録モードとを切り替えるためにユーザにより操作される。
【0015】
サブ電子ダイヤル11は、AF枠等の選択枠の移動や表示画像送り等を行うためにユーザにより操作される。
【0016】
撮像装置1の背面側には、操作部9が構成されている。操作部9は、複数の押しボタンと操作ダイヤル12を含む。操作ダイヤル12は、シャッタ速度や絞り値等の設定値の変更を行うためにユーザにより回転操作される。SETボタン13は、選択項目を決定するため等にユーザにより操作される。選択部材26は、上部、下部、左部および右部分を押し込み操作可能な十字キー(4方向キー)であり、各種設定を行うためのメニュー項目を選択するためにユーザにより操作される。
【0017】
動画ボタン14は、動画撮像(記録)の開始と停止を指示するためにユーザにより操作される。AEロックボタン15は、撮像待機状態で露出値を固定するためにユーザにより操作される。AF位置切替ボタン16は、AF枠を選択させるためにユーザにより操作される。AFオンボタン35は、撮像待機状態で選択されたAF枠にピントを合わせるためにユーザにより操作される。拡大ボタン37は、撮像モードにおけるライブビュー(LV)画像の表示中に拡大モードのONとOFFを行うためにユーザにより操作される。拡大モードをONにしてからメイン電子ダイヤル8を操作することにより、LV画像の拡大と縮小を行うことができる。また、再生モードにおいては再生画像を拡大するための拡大ボタンとして機能する。
【0018】
情報ボタン38は、再生モードにおいて記録された画像データを再生表示させるためにユーザにより操作される。再生ボタン17は、撮像モードと再生モードとを切り替えるためにユーザにより操作される。撮像モード中に再生ボタン17が操作されることで再生モードに移行し、不図示の記録媒体に記録された画像データのうち最新の画像データを表示部2に表示させることができる。消去ボタン39は、再生モードにおいて選択された記録済み画像データを消去するためにユーザにより操作される。
【0019】
メニューボタン19は、各種設定を行うむためのメニュー画面を表示部2に表示させるためにユーザにより操作される。ユーザは、表示部2に表示されたメニュー画面を見ながら操作ダイヤル12やSETボタン13を操作して直感的に各種設定を行うことができる。 レーティングボタン18は、再生モードにおいて選択した記録済み画像データにフラグ情報を付与するためにユーザにより操作される。
【0020】
また撮像装置1には、マイク穴30とスピーカー穴31が設けられている。マイク穴30の内部に配置された不図示のマイクロフォンは、動画撮像中の音声データの記録に使用される。スピーカー穴31の内部に配置された不図示のスピーカーは、記録済み音声データや撮像装置1に内蔵された音声データの再生に使用される。
【0021】
接眼部21は、電子ビューファインダー(EVF)22を見るユーザが覗く部分である。ユーザは、接眼部21を通して内部に設けられたEVF22に表示された映像を見ることができる。接眼検知部23は、ユーザが接眼部21を覗いている(接眼している)か否かを検知する。蓋24は、記録媒体を格納したスロットを閉じるために設けられている。
【0022】
グリップ部25は、ユーザが撮像装置1を把持する際に右手で握り易い形状を有する。グリップ部25を右手の小指、薬指および中指で握って撮像装置1を保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッタボタン5とメイン電子ダイヤル8が配置されている。また同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置にサブ電子ダイヤル11と選択部材26が配置されている。
【0023】
撮像素子90は、CMOSセンサ等の光電変換素子であり、不図示の交換レンズ(図2中の70)により形成された被写体像を光電変換する。レンズマウント部28は、撮像装置1に着脱可能なレンズを装着する部分である。レンズマウント部28の内側には、撮像装置1とレンズ間での通信を可能とするための端子20が設けられている。
【0024】
ロックボタン27は、レンズマウント部28の外周近傍に配置され、撮像装置1にレンズが装着されることで機能する保持ロック機能を解除してレンズの取り外しを可能とするためにユーザにより操作される。
【0025】
ストラップ挿入部40、41には、撮像装置1を持ち運びする際に首等に掛けるためのストラップを通すことができる。
【0026】
図2は、撮像装置1と交換レンズ70の電気的構成を示している。交換レンズ70は、複数のレンズや絞りにより構成される撮像光学系74を備えている。交換レンズ70は、レンズ制御部72とレンズ駆動部73を有する。レンズ制御部72は、交換レンズ70の動作全体を制御する。レンズ制御部72は、端子20を介して撮像装置1のカメラ制御部81と通信可能である。レンズ駆動部73は、レンズ制御部72からの指示に応じて、撮像光学系74内のフォーカスレンズ、ズームレンズおよび絞り等を駆動する。
【0027】
撮像装置1は、カメラ制御部81と撮像素子90とを有する。カメラ制御部81は、撮像装置1および交換レンズ70の動作全体を制御する。撮像素子90は、撮像光学系74とシャッタ機構部89を介して被写体からの光(被写体像)を受光し、被写体像を光電変換して電気信号としての撮像信号を出力する。画像処理部83は、撮像素子90から出力された撮像信号に対して、A/D変換、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、補間演算等の画像処理を行って画像データを生成する。
【0028】
音声制御部82は、上述したマイクロフォンを通じて取得した音声データを画像処理部83に出力する。画像処理部83は、画像データに音声データを合成して記憶部84に出力する。記憶部84は、不揮発性メモリを備え、画像データや音声データ等の各種データを記憶する。また、画像処理部83から出力された画像データは、表示部2に表示される。
【0029】
カメラシステム制御部81は記憶部84へのデータの記憶処理や、記憶部84から読み出したデータを表示部85に出力してユーザに提示する処理を行う。なお、図2中の表示部85は、図1(a)、(b)中の表示部2とファインダー外表示部4に対応する。
【0030】
振れ検出部87は、ジャイロセンサ等を用いて手振れ等のカメラ振れを検出する。具体的には、振れ検出部87は、ピッチ方向、ヨー方向およびロール方向での回転振れを検出する。振れ検出部87から出力される振れ検出信号は、カメラ制御部81に入力される。
【0031】
カメラ制御部81は、上述した操作部材(押しボタンやダイヤル等)の操作を検出した操作検出部86から出力される操作信号に応じて、撮像装置1と交換レンズ70の制御を行う。カメラ制御部81は、CPUやMPUを備えており、プログラムに従って各種処理を行う。例えばカメラ制御部81は、撮像素子90から出力される撮像信号または画像データからピント評価値や輝度値の情報を取得し、これらの情報に基づいて撮像光学系74の光学調整処理を行う。
【0032】
振れ補正部88は、振れ検出部87からの振れ検出信号を受けたカメラ制御部81からの制御指令に応じて、撮像素子90を光軸99に直交する平面上で移動(シフト)させることで像振れ補正を行う。シャッタ機構部89は、図1(a)に示すシャッタ幕42を走行させることで、撮像素子90に対する露光時間を制御する。
【0033】
前述したモード切替ダイヤル6は、撮像装置1に対して着脱(交換)可能な操作装置100である。操作装置75は、通信端子79を介して撮像装置1と通信を行う。操作装置100は、該操作装置100に対するユーザの操作を検出する操作検出部76を有し、該操作検出部76からの操作信号を撮像装置1に出力する。なお、操作装置100としては、モード切替えダイヤル6以外にも、露出変更ダイヤルやサブダイヤル等、複数の種類がある。撮像装置1は、装着された操作装置100の種類に応じてモード切替え動作、露出変更動作およびサブダイヤル対応動作を行う。具体的には、撮像装置1に操作装置100が装着されると、操作装置100からその種類を示す種類情報77が通信端子79を介して信号切換部80に伝達される。信号切換部80は、種類情報77から装着された操作装置75の種類を判別すると、操作検出部76から通信端子79を介して入力される操作信号をカメラ制御部81の所定の端子に入力する。
【0034】
次に、操作装置100(モード切替ダイヤル6)の詳細について説明する。図3(a)、(b)はそれぞれ、斜め上側および斜め下側から見た操作装置100の外観を示している。
【0035】
操作装置100は、固定部を構成する上カバー部材110および下カバー部材120と、固定部に対して回転可能な回転操作部材としてのダイヤル部材101とを有する。ダイヤル部材101の天面には、複数の撮像モードを示す複数の指標103が設けられている。いずれかの指標103を撮像装置1に設けられた指標に合わせるようにダイヤル部材101を回転操作することで、その指標103に応じた撮像モ-ドが撮像装置1にて設定される。
【0036】
操作装置100の下面側には回路基板200が設けられている。回路基板200には、複数の接点ランド210が形成されており、これら接点ランド210は下カバー部材120から露出している。
【0037】
また下カバー部材120は、その外周における互いに反対側の2箇所に係合部としての凸部125a、125bを有する。凸部125aは、凸部125bよりも下カバー部材120の周方向にて幅広になるように形成されている。また凸部125aには、クリック溝部122が形成されている。
【0038】
図4(a)、(b)はそれぞれ、斜め上側(ダイヤル部材側)および斜め下側(下カバー部材側)から見た回路基板200を示している。図4(c)は、回路基板200の下面を示している。
【0039】
回路基板200は板状の配線基板であり、絶縁性を有するガラスエポキシ基材上に銅箔パターンが形成され、さらに銅箔パターン上に絶縁性レジストが設けられた構造を有する。絶縁性レジストに設けられた開口から露出する銅箔パターン上には金めっき処理が施されている。
【0040】
回路基板200の上面には、露出した銅箔パターンとしてのダイヤルパターン205が形成されている。また回路基板200の下面では、同様に絶縁性レジストの開口から銅箔パターンとしての複数の接点ランド310が露出している。ダイヤルパターン205の複数の接続部と後述する端子ブラシ130の2つの摺動部(これについては後述する)との接触の組み合わせでグレイコードが構成される。ダイヤルパターン205の複数の接触部と複数の接点ランド210は対応するもの同士が一対一で電気的に繋がっている。
【0041】
複数の接点ランド210は、回路基板200の下面において円周上に等間隔に並んで配置されている。複数の接点ランド210の配置間隔(隣り合う接点間の間隔角度または角度ピッチ)は、図4(c)に示すように角度Aである。複数の接点ランド210は、1つのグランド用の第1の接点であるGND(基準電圧)ランド2101と、1つの電源用の第2の接点である電源ランド2102と、1つの検出信号ランド2103と、5つの操作信号ランド2104を有する。検出信号ランド2103と操作信号ランド2104は、信号用の第3の接点である。
【0042】
検出信号ランド2103は、回路基板200上に実装された電子部品220からの信号出力用のランドである。電子部品220は、電源ランド2102から駆動電源の供給を受けて信号(ここでは種類情報77を示す信号)を検出信号ランド2103に出力する。撮像装置1は、検出信号ランド2103からの信号を受けて操作装置100の種類を判別する。
【0043】
また回路基板200は、その外周部に位置決め穴部203a、203bと凹部204とを有する。
【0044】
図5は、操作装置100を分解して示している。ダイヤル部材101は、樹脂モールドにより成型された上方から見て円形の部材である。ダイヤル部材101の中央下側には、ビス穴部102が形成されている。
【0045】
上カバー部材110は、樹脂モールドで成型された上方から見て円形の部材である。上カバー部材110は中央に穴部111を有し、その周囲には収納部112a、112bが形成されている。収納部112a、112b内には、圧縮ばね170a、170bが配置されている。圧縮ばね170a、170bは、クリックボール171a、171bをダイヤル部材101の下面に周方向に複数設けられた不図示の凹部に向けて付勢している。ダイヤル部材101の回転操作によりクリックボール171a、171bが凹部に出入りすることでクリック感が発生する。
【0046】
回転部材140は、カシメ部142a、142bを有する。端子ブラシ130は、導電性を有する金属により形成されている。端子ブラシ130は、摺動部131a、131bを有する。端子ブラシ130は、その穴部132a、132bを介して回転部材140のカシメ部142a、142bに熱溶着等で固定される。回転部材140と端子ブラシ130は、それらの中心部を通るビス162が上カバー部材110を介してダイヤル部材101のビス穴部102に締結されることで、ダイヤル部材101に一体回転可能に固定される。以上の構成により、ダイヤル部材101、回転部材140および端子ブラシ130は、上カバー部材110に対して回転可能に保持される。
【0047】
下カバー部材120は、樹脂モールドで成型された部材であり、その中央に開口部121を有する。下カバー部材120に形成された位置決めボス127a、127bが回路基板200の位置決め穴部203a、203bに挿入されることで、回路基板200が下カバー部材120に対して位置決めされる。このとき回路基板200は、ダイヤルパターン205が上側に位置するように配置される。回路基板200は、その凹部204と、下カバー部材120の外周付近に設けられたビス穴部128とがビス161によって締結されることで下カバー部材120に固定される。
【0048】
回路基板200が固定された下カバー部材120は、その位置決めボス129a、129bが上カバー部材110の位置決め穴部114a、114bに挿入されることで上カバー部材110に対して位置決めされる。下カバー部材120の穴部126a、126b、126cに挿入されたビス160a、160b、160cは、上カバー部材110のビス穴部113a、113b、113cに締結される。
【0049】
この構成により、ダイヤル部材101、回転部材140および端子ブラシ130は、上カバー部材110、下カバー部材120および回路基板200に対して回転可能に保持される。すなわち、ダイヤル部材101の回転と連動して端子ブラシ130の摺動部131a、131bが回路基板200のダイヤルパターン205上を摺動する。そしてダイヤルパターン205と端子ブラシ130との接触の組み合わせが切り替わることで、ダイヤル部材101の回転操作が検出される。そしてダイヤルパターン205と端子ブラシ130との接触により生じた信号は、接点ランド210と後述する端子185を介して撮像装置1に伝達される。すなわち、ダイヤル部材101の回転位置に応じた信号が撮像装置1に伝達される。
【0050】
図6(a)は、撮像装置1に設けられた、操作部材100を装着する装着部190を示している。図6(a)は、斜め上側から見た装着部190を示している。図6(b)は、装着部190への操作装置100の装着を示している。
【0051】
トップカバー180は、撮像装置1の上面の外装部材である。トップカバー180には上方から見て円形の凹部181が形成されており、該凹部181内に装着部190が設けられている。凹部181(装着部190)の底面188には、円周上に等間隔(等角度ピッチ)に並んだ複数の端子185が配置されている。端子185は、撮像装置1の内部から外部に向けて不図示のばねによって付勢されている。また端子185は、操作装置100が装着されると、操作装置100の接点ランド210によって撮像装置1の内部の方向に一定量だけ押されるように構成されている。すなわち、装着部190に操作装置100が装着されると、端子185が操作装置100の接点ランド210に付勢された状態で電気的に接続される。端子185は、撮像装置1の内部に設けられた不図示の回路基板と電気的に接続されており、操作装置100からの信号は、端子185を介して回路基板に伝達される。
【0052】
凹部181の側面には、周方向に延びる保持部としてのレール部183a、183bが形成されており、レール部183aとレール部183bとの間には開口部182a、182bが形成されている。開口部182aは開口部182bよりも周方向にて幅広になるように形成されている。
【0053】
開口部182aには操作装置100の凸部125aが挿入可能であり、開口部182bには操作装置100の凸部125bが挿入可能である。一方、凸部125bよりも幅広に形成された凸部125aは、開口部182bに物理的に挿入することができない。これにより、装着部190に対する操作装置100の所定の装着位相と異なる位相での装着を防止している。
【0054】
次に、操作装置100の装着部190への装着について説明する。操作装置100をトップカバー180の凹部181に向けて、図6(b)の矢印X方向に移動させる。そして、操作装置100の凸部125aを開口部182aに、凸部125bを開口部182bに挿入する。このときの操作装置100の位置が第1の位置に相当する。さらに操作装置100を図6(b)の矢印Y方向に回転させる。これにより、凸部125aがレール部183aの内側を、凸部125bがレール部183bの内側を周方向に移動する。凸部125aが突き当て部184に到達すると、不図示のクリックボールが図3(b)に示したクリック部122に付勢されて落ち込んで、クリック感が発生するとともに、操作装置100が装着位置(第2の位置)に固定される。装着位置では、凸部125a、125bがレール部183a、183bにより係合保持(バヨネット結合)され、操作装置100の装着部190からの矢印X方向(挿入方向)とは反対方向への外れが物理的に阻止される。
【0055】
図7(a)、(b)は、操作装置100の接点ランド210と撮像装置1の端子185との関係を示している。図7(a)は、操作装置100がトップカバー180の凹部181に挿入された回転前の(第1の位置にある)状態を、図7(b)は操作装置100がトップカバー180に挿入された後に回転されて装着位置に到達した状態をそれぞれ示している。
【0056】
前述したように操作装置100の接点ランド210は、円周上に等間隔に並んで配置されており、それらの配置間隔は角度Aである。また、端子185も円周上に等間隔(等ピッチ)に並んで配置され、それらの配置間隔(隣り合う端子間の間隔角度または角度ピッチ)は角度Aである。
【0057】
図7(a)の状態では、各接点ランド210は、隣り合う端子185の間に位置し、いずれの端子185に接触しない。また、トップカバー180のレール部183aは、開口部182aから突き当て部184まで角度Bの長さを有する。すなわち、操作装置100は、装着部190に対して回転角度Bだけ回転が可能である。角度Aは、角度Bよりも大きい。
【0058】
操作装置100が図7(b)の矢印Y方向に角度Bだけ回転して凸部125aが突き当て部184に到達すると、操作装置100が装着位置となり、複数の接点ランド210と複数の端子185のうち互いに対応するもの同士が同時に接触する。すなわち、第1、第2および第3の接点がそれぞれ、第1、第2および第3の端子に同時に接触する。ここにいう同時は、厳密な同時でなくてもよく、同時とみなせる程度の微差があってもよい。
【0059】
また、接点ランド210と端子185は、角度Aが角度Bよりも大きいことで、操作装置100が回転しても互いに対応しない接点ランド210と端子185が接触しない。このように操作装置100の装着過程における互いに対応しない接点ランド210と端子185の接触が防止される。
【0060】
本実施例によれば、操作装置100を撮像装置1に装着する際に互いに対応しない端子同士が接触しないようにすることができる。
【実施例0061】
次に実施例2について説明する。実施例2では、実施例1との差異を中心に説明する。図8(a)、(b)はそれぞれ、斜め上側(ダイヤル部材側)および斜め下側(下カバー部材側)から見た回路基板300を示している。図8(c)は、回路基板300の下面を示している。
回路基板300は、実施例1の回路基板200と同様に、板状の配線基板であり、絶縁性を有するガラスエポキシ基材上に銅箔パターンが形成され、さらに銅箔パターン上に絶縁性レジストが設けられた構造を有する。絶縁性レジストに設けられた開口から露出する銅箔パターン上には金めっき処理が施されている。
【0062】
回路基板300の上面には、露出した銅箔パターンとしてのダイヤルパターン205が形成されている。また回路基板300の下面では、同様に絶縁性レジストの開口から銅箔パターンとしての複数の接点ランド310が露出している。ダイヤルパターン205の複数の接続部と後述する端子ブラシ130の2つの摺動部との接触の組み合わせでグレイコードが構成される。ダイヤルパターン205の複数の接触部と複数の接点ランド310は対応するもの同士が一対一で電気的に繋がっている。
【0063】
複数の接点ランド310は、回路基板300の下面において円周上に等間隔に並んで配置されている。複数の接点ランド310の配置間隔は、図8(c)に示すように角度Aである。複数の接点ランド310は、1つのGNDランド3101と、1つの電源ランド3102と、1つの検出信号ランド3103と、5つの操作信号ランド3104を有する。検出信号ランド3103は、回路基板300上に実装された電子部品220からの信号出力用のランドである。電子部品220は、電源ランド2102から駆動電源の供給を受けて信号(種類情報)を検出信号ランド3103に出力する。撮像装置1は、検出信号ランド3103からの信号を受けて操作装置100の種類を判別する。
【0064】
また本実施例では、周方向において、GNDランド3101の大きさ、電源ランド3102の大きさ、検出信号ランド3103および操作信号ランド3104の大きさが互いに異なる。GNDランド3101は周方向寸法Cを有し、検出信号ランド3103および操作信号ランド3104は周方向寸法Dを有する。また電源ランド3102は、周方向寸法Eを有する。これらの寸法は、C>D>Eの関係を有する。
【0065】
図9(a)~(c)は、操作装置100の接点ランド310と撮像装置1の端子185との関係を示している。図9(a)は、操作装置100がトップカバー180に挿入された回転前の状態を、図9(b)は操作装置100がトップカバー180に挿入された後に回転されて装着位置に到達する前(回転途中)の状態をそれぞれ示している。図9(c)は回転された操作装置100が装着位置に到達した状態を示している。
【0066】
前述したように複数の接点ランド310は、円周上に並んで配置されており、それらの配置間隔は角度Aである。また、端子185も円周上に等間隔に並んで配置され、それらの配置間隔は角度Aである。
【0067】
図9(a)の状態では、寸法がDまたはEの電源ランド3102、検出信号ランド3103および操作信号ランド3104はそれぞれ端子185の間に位置し、端子185に接触しない。一方、寸法がCのGNDランド3101は、端子185のうちGND端子1851と接触してGND接続状態となる。
【0068】
本実施例でも、撮像装置1のトップカバー180のレール部183aは、開口部182aから突き当て部184まで角度B(>角度A)の長さを有する。
【0069】
操作装置100が図9(b)の矢印Y方向に角度Bより小さい角度だけ回転すると、寸法がDである検出信号ランド3103と操作信号ランド3104がそれぞれ、端子185のうち検出信号端子1853と操作信号端子1854に接触して電気的に接続状態となる。
【0070】
さらに操作装置100が図9(c)に示すように矢印Y方向に角度Bだけ回転して凸部125aが突き当て部184に到達すると、操作装置100が装着位置となる。このとき、寸法がEの電源ランド3102が端子185のうち電源端子1852に接触して電気的に接続状態となる。
【0071】
本実施例でも、操作装置100は、凸部125a、125bがレール部183a、183bにより係合保持されることにより、操作装置100の挿入方向とは反対方向への外れが物理的に阻止される。
【0072】
以上のように、本実施例では、操作装置100を装着位置に回転させる過程において、GNDランド3101をGND端子1851に接続した後に、検出信号ランド3103と操作信号ランド3104を検出信号端子1853と操作信号端子1854に接続する。そして最後に、電源ランド3102を電源端子1852に接続する。これにより、安定した信号接続が可能となり、操作装置100を装着する際の撮像装置1との通信接続の不具合を防止することができる。
【実施例0073】
次に実施例3について説明する。実施例3では、実施例1、2との差異を中心に説明する。図10(a)、(b)はそれぞれ、斜め上側(ダイヤル部材側)および斜め下側(下カバー部材側)から見た回路基板400を示している。図10(c)は、回路基板400の下面を示している。
【0074】
回路基板400は、実施例1、2の回路基板200、300と同様に、板状の配線基板であり、絶縁性を有するガラスエポキシ基材上に銅箔パターンが形成され、さらに銅箔パターン上に絶縁性レジストが設けられた構造を有する。絶縁性レジストに設けられた開口から露出する銅箔パターン上には金めっき処理が施されている。
【0075】
回路基板400の上面には、露出した銅箔パターンとしてのダイヤルパターン205が形成されている。また回路基板400の下面では、同様に絶縁性レジストの開口から銅箔パターンとしての複数の接点ランド410が露出している。ダイヤルパターン205の複数の接続部と後述する端子ブラシ130の2つの摺動部との接触の組み合わせでグレイコードが構成される。ダイヤルパターン205の複数の接触部と複数の接点ランド410は対応するもの同士が一対一で電気的に繋がっている。
【0076】
本実施例の操作装置100は、回路基板400の下面に配置された接点ランド410として、円周上に等間隔に並んで配置された複数の接点ランドと、それらの配置中心に位置する1つの接点ランドとを有する。円周上の接点ランド410の配置間隔は、図10(c)に示すように角度Aである。複数の接点ランド410は、中心に配置された1つのGNDランド4101と、円周上に配置された1つの電源ランド4102、1つの検出信号ランド4103および5つの操作信号ランド4104を有する。検出信号ランド4103は、回路基板400上に実装された電子部品220からの信号出力用のランドである。電子部品220は、電源ランド4102から駆動電源の供給を受けて信号(種類情報)を検出信号ランド4103に出力する。撮像装置1は、検出信号ランド4103からの信号を受けて操作装置100の種類を判別する。
【0077】
また本実施例では、周方向において、電源ランド4102の大きさ、検出信号ランド4103および操作信号ランド4104の大きさが互いに異なる。検出信号ランド4103および操作信号ランド4104は周方向寸法Dを有し、電源ランド4102は、周方向寸法Eを有する。これらの寸法は、D>Eの関係を有する。
【0078】
図11(a)~(c)は、操作装置100の接点ランド410と撮像装置1の端子185との関係を示している。図11(a)は、操作装置100がトップカバー180に挿入された回転前の状態を、図11(b)は操作装置100がトップカバー180に挿入された後に回転されて装着位置に到達する前(回転途中)の状態をそれぞれ示している。図11(c)は回転された操作装置100が装着位置に到達した状態を示している。
【0079】
前述したように複数の接点ランド410は、1つが中心に、他が円周上に並んで配置されており、円周上の接点ランド410の配置間隔は角度Aである。また、端子185も、1つが中心に、他が円周上に等間隔に並んで配置され、円周上の端子185の配置間隔は角度Aである。
【0080】
図11(a)の状態では、寸法がDまたはEの電源ランド4102、検出信号ランド4103および操作信号ランド4104はそれぞれ円周上の端子185の間に位置し、それら端子185に接触しない。一方、中心に配置されたGNDランド4101は、端子185のうち中心に配置されたGND端子1851と接触してGND接続状態となる。
【0081】
操作装置100が図11(b)の矢印Y方向に角度Bより小さい角度だけ回転すると、寸法がDである検出信号ランド4103と操作信号ランド4104がそれぞれ、端子185のうち検出信号端子1853と操作信号端子1854に接触して電気的に接続状態となる。
【0082】
さらに操作装置100が図11(c)に示すように矢印Y方向に角度Bだけ回転して凸部125aが突き当て部184に到達すると、操作装置100が装着位置となる。このとき、寸法がEの電源ランド4102が端子185のうち電源端子1852に接触して電気的に接続状態となる。
【0083】
本実施例でも、操作装置100は、凸部125a、125bがレール部183a、183bにより係合保持されることにより、操作装置100の挿入方向とは反対方向への外れが物理的に阻止される。
【0084】
以上のように、本実施例では、操作装置100を装着する過程において、GNDランド4101をGND端子1851に接続した後に、検出信号ランド4103と操作信号ランド4104を検出信号端子1853と操作信号端子1854に接続する。そして最後に、電源ランド4102を電源端子1852に接続する。これにより、安定した信号接続が可能となり、操作装置100を装着する際の撮像装置1との通信接続の不具合を防止することができる。
【0085】
以上の実施の形態は、以下の構成を含む。
【0086】
(構成1)
電子機器に設けられた装着部に着脱可能に装着されるアクセサリであって、
前記装着部に対して第1の位置に配置された前記アクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、前記アクセサリを前記装着部に係合保持させる係合部と、
前記第2の位置において、前記装着部に前記第1の方向に配置された複数の端子のうち対応する端子にそれぞれに接触するように前記第1の方向に配置された複数の接点とを有し、
前記複数の接点のうち隣り合う接点間の間隔角度が、前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とするアクセサリ。
(構成2)
前記複数の接点は、前記複数の端子のうちグランド用の第1の端子に接触する第1の接点と、電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1、第2および第3の接点が前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、前記第1、第2および第3の接点が前記第1、第2および第3の端子のそれぞれに同時に接触することを特徴とする構成1に記載のアクセサリ。
(構成3)
前記複数の接点は、前記複数の端子のうちグランド用の第1の端子に接触する第1の接点と、電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1、第2および第3の接点が前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第1の接点が前記第1の端子に接触し、次に前記第3の接点が前記第3の端子に接触し、その後に前記第2の接点が前記第2の端子に接触することを特徴とする構成1に記載のアクセサリ。
(構成4)
前記第1の方向において、前記第1の接点の長さが前記第3の接点の長さより長く、前記第3の接点の長さが前記第2の接点の長さより長いことを特徴とする構成3に記載のアクセサリ。
(構成5)
前記装着部は、前記複数の端子の配置中心にグランド用の第1の端子を有し、
前記アクセサリは、前記複数の接点の配置中心にグランド用の第1の接点を有し、
前記複数の接点は、前記複数の端子のうち電源用の第2の端子に接触する第2の接点と、信号用の第3の端子に接触する第3の接点とを含み、
前記第1の位置において、前記第1の接点が前記第1の端子に接触し、かつ前記第2および第3の接点は前記複数の端子のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第3の接点が前記第3の端子に接触し、その後に前記第2の接点が前記第2の端子に接触することを特徴とする構成1に記載のアクセサリ。
(構成6)
前記第1の方向において、前記第3の接点の長さが前記第2の接点の長さより長いことを特徴とする構成5に記載のアクセサリ。
(構成7)
前記複数の接点は、2つ以上の信号用の接点を含み、
前記アクセサリは、
前記第1の方向に回転操作が可能なダイヤル部材を有し、
前記ダイヤル部材の回転位置に応じた信号を前記信号用の接点から出力することを特徴とする構成1から6のいずれか1つに記載のアクセサリ。
(構成8)
アクセサリが着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に対して第1の位置に配置された前記アクセサリが第2の位置まで第1の方向に回転されることで、前記アクセサリを前記装着部に係合保持する保持部と、
前記第2の位置において、前記複数の接点のうち対応する接点にそれぞれに接触するように前記第1の方向に配置された複数の端子とを有し、
前記複数の端子のうち隣り合う端子間の間隔角度が、前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置までの回転角度よりも大きいことを特徴とする電子機器。
(構成9)
前記複数の端子は、前記複数の接点のうちグランド用の第1の接点に接触する第1の端子と、電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1、第2および第3の端子が前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、前記第1、第2および第3の端子が前記第1、第2および第3の接点のそれぞれに同時に接触することを特徴とする構成8に記載の電子機器。
(構成10)
前記複数の端子は、前記複数の接点のうちグランド用の第1の接点に接触する第1の端子と、電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1、第2および第3の端子が前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第1の端子が前記第1の接点に接触し、次に前記第3の端子が前記第3の接点に接触し、その後に前記第2の端子が前記第2の接点に接触することを特徴とする構成8に記載の電子機器。
(構成11)
前記装着部は、前記複数の端子の配置中心にグランド用の第1の端子を有し、
前記アクセサリは、前記複数の接点の配置中心にグランド用の第1の接点を有し、
前記複数の端子は、前記複数の接点のうち電源用の第2の接点に接触する第2の端子と、信号用の第3の接点に接触する第3の端子とを含み、
前記アクセサリが前記第1の位置にあるときは、前記第1の端子が前記第1の接点に接触し、かつ前記第2および第3の端子は前記複数の接点のいずれにも接触せず、
前記アクセサリの前記第1の位置から前記第2の位置への回転により、まず前記第3の端子が前記第3の接点に接触し、その後に前記第2の端子が前記第2の接点に接触することを特徴とする構成8に記載の電子機器。
【0087】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 撮像装置
100 操作装置
125 凸部
181 凹部
182a,182b 開口部
183a,183b レール部
185 通信端子
190 装着部
210,310,410 接点ランド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11