(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024177914
(43)【公開日】2024-12-24
(54)【発明の名称】流量計
(51)【国際特許分類】
G01F 1/00 20220101AFI20241217BHJP
【FI】
G01F1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096316
(22)【出願日】2023-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】酒向 正義
(72)【発明者】
【氏名】各務 亮
(72)【発明者】
【氏名】浅野 博昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 慎治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】金澤 一弘
(72)【発明者】
【氏名】堀木 紗英
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】村中 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松井 彰
(72)【発明者】
【氏名】石橋 卓也
(72)【発明者】
【氏名】重村 丈留
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄太
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA03
2F030CC13
2F030CE11
2F030CF15
(57)【要約】
【課題】取付け方向が規定されている流量計測ユニットを規定されている方向に間違いなく取り付けることが可能となる流量計を提供する。
【解決手段】流量計は、被計測流体が流れる計測流路部11を有し、計測流路部11を流れる被計測流体の流量を計測する流量計測ユニット10と、流量計測ユニット10の周囲の、被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、被計測流体の流れの上流側には取り付けられないパッキン30と、パッキン30の取り付けられた流量計測ユニット10を外側から取り付け、流量計測ユニット10の計測流路部11を流れてきた被計測流体を流入し、その被計測流体を排出する排出路に向けて中継する内機ケース50と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測流体が流れる計測流路部を有し、前記計測流路部を流れる前記被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、
前記流量計測ユニットの周囲の、前記被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、前記被計測流体の流れの上流側には取り付けられないパッキンと、
前記パッキンの取り付けられた前記流量計測ユニットを外側から取り付け、前記流量計測ユニットの前記計測流路部を流れてきた前記被計測流体を流入し、その被計測流体を排出する排出路に向けて中継する中継ケースと、
を備えたことを特徴とする流量計。
【請求項2】
前記流量計測ユニットは、
その周囲の前記下流側及び前記上流側のそれぞれに形成された、前記パッキンを嵌め込み可能な溝部と、
前記上流側の溝部と前記下流側の溝部との間に位置し、前記上流側の溝部との間隔が前記下流側の溝部との間隔より狭い位置に設けられた突起部と、
を有し、
前記パッキンは、
前記中継ケースに取り付ける際に対向する面と反対側の面に形成した、所定長のリブ
を有し、
前記パッキンを前記上流側の溝部に嵌め込む際には、前記リブが前記突起部に当接し、前記パッキンを前記上流側の溝部に嵌め込むことができない、
ことを特徴とする請求項1に記載の流量計。
【請求項3】
前記パッキンは、平面視円形状をなし、
前記中継ケースは、
前記円形状の前記パッキンを取り付けるための円形状の孔と、
前記孔の周りに形成された複数のボス部であって、前記パッキンを取り付ける際の前記孔に対する前記パッキンの回転角を規定するボス部と、
を有し、
前記パッキンは、
前記円形状の周縁に形成された複数のフランジ部
を有し、
前記複数のフランジ部のそれぞれには、前記複数のボス部のそれぞれに対応する位置に、各ボス部と嵌合する孔が形成された、
ことを特徴とする請求項2に記載の流量計。
【請求項4】
平面視円形状をなしたパッキンであって、
前記円形状の周縁に形成された複数のフランジ部
を有し、
前記複数のフランジ部のそれぞれには、前記パッキンの被取付部材であって、前記パッキンを取り付けるために形成された孔と、前記孔の周りに形成された複数のボス部であって、前記パッキンを取り付ける際の前記孔に対する前記パッキンの回転角を規定するボス部と、を有する被取付部材における、前記複数のボス部のそれぞれに対応する位置に、各ボス部と嵌合する孔が形成された、
ことを特徴とするパッキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、被計測流体の流量を計測する流量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流量計測ユニットを筐体に組み込んで構成した超音波流量計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の超音波流量計では、流量計測ユニットを組み込む際に、組み込み方向が規定されている場合、上流側と下流側とを逆向きに組み込んでしまう虞があった。
【0005】
本願は、取付け方向が規定されている流量計測ユニットを規定されている方向に間違いなく取り付けることが可能となる流量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の流量計は、被計測流体が流れる計測流路部を有し、計測流路部を流れる被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、流量計測ユニットの周囲の、被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、被計測流体の流れの上流側には取り付けられないパッキンと、パッキンの取り付けられた流量計測ユニットを外側から取り付け、流量計測ユニットの計測流路部を流れてきた被計測流体を流入し、その被計測流体を排出する排出路に向けて中継する中継ケースと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本願の流量計では、パッキンは、流量計測ユニットの周囲の、被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、被計測流体の流れの上流側には取り付けられないので、流量計測ユニットの周囲にパッキンを誤って取り付けることを防止できる。そして、中継ケースには、パッキンの取り付けられた流量計測ユニットが外側から取り付けられるので、つまり、パッキンの取り付けられていない流量計測ユニットは、中継ケースに外側から取り付けられないので、結果的に、取付け方向が規定されている流量計測ユニットを規定されている方向に間違いなく取り付けることが可能となる。
【0008】
また、流量計測ユニットは、その周囲の下流側及び上流側のそれぞれに形成された、パッキンを嵌め込み可能な溝部と、上流側の溝部と下流側の溝部との間に位置し、上流側の溝部との間隔が下流側の溝部との間隔より狭い位置に設けられた突起部と、を有し、パッキンは、中継ケースに取り付ける際に対向する面と反対側の面に形成した、所定長のリブを有し、パッキンを上流側の溝部に嵌め込む際には、リブが突起部に当接し、パッキンを上流側の溝部に嵌め込むことができない、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、パッキンを流量計測ユニットに取り付けている操作者は、パッキンを間違った方向から取り付けていることを知ることができるので、誤取付けを防止することができる。
【0010】
また、パッキンは、平面視円形状をなし、中継ケースは、円形状のパッキンを取り付けるための円形状の孔と、孔の周りに形成された複数のボス部であって、パッキンを取り付ける際の孔に対するパッキンの回転角を規定するボス部と、を有し、パッキンは、円形状の周縁に形成された複数のフランジ部を有し、複数のフランジ部のそれぞれには、複数のボス部のそれぞれに対応する位置に、各ボス部と嵌合する孔が形成された、ことを特徴とする。
【0011】
これにより、流量計測ユニットを、パッキンを介して中継ケースに取り付けている操作者は、複数のフランジの各孔に各ボス部を嵌合させた状態で、流量計測ユニットを中継ケースに取り付けるという簡単な操作だけで、流量計測ユニットを回転方向の正確な角度で中継ケースに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願の一実施形態に係る流量計に含まれる流量計測ユニットと内機ケースを接続した状態の外観を示す斜視図である。
【
図2】流量計測ユニットと内機ケースを接続する前の状態を示す斜視図である。
【
図3】流量計測ユニットにパッキンを正しく取り付けた状態を示す断面斜視図((a))と領域Aの拡大斜視図((b))である。
【
図4】流量計測ユニットにパッキンを間違って取り付けた状態を示す断面斜視図((a))と領域Bの拡大斜視図((b))である。
【
図5】流量計測ユニットを内機ケースに正しく取り付けた状態を示す斜視図((a))と領域Cの拡大斜視図((b))である。
【
図6】流量計測ユニットを内機ケースに間違って取り付けた状態を示す斜視図((a))と領域Cの拡大斜視図((b))である。
【
図7】本願の他の実施形態に係る流量計に含まれる流量計測ユニットと内機ケースを接続した状態の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面では、基本的構成の一部が省略されて描かれていることがあり、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。各図において、前後方向D1、上下方向D2、及び左右方向D3は、各図に記載された通りである。
【0014】
図1は、本願の一実施形態に係る流量計に含まれる流量計測ユニット10と内機ケース50を、パッキン30を介して接続した状態を示している。
図2は、パッキン30が取り付けられた流量計測ユニット10を内機ケース50に接続する前の状態を示している。
【0015】
流量計測ユニット10は、略角筒状の計測流路部11を備えている。計測流路部11は、上下方向D2と左右方向D3とからなる平面で切断したときの切断面が矩形状である。計測流路部11の両端には、入口部12と出口部13とが設けられている。計測流路部11内では、入口部12から出口部13に向かって被計測流体(例えば、都市ガスやLPガス等の燃料ガス)が流れる。
【0016】
計測流路部11の前後方向D1の中央上側に、回路ケース14が設けられている。回路ケース14は、一対の超音波振動子(図示せず)を内蔵している。流量計測ユニット10は、その一対の超音波振動子が測定した値に基づいて、計測流路部11内を流れる被計測流体の流量を計測する。
【0017】
回路ケース14の前端部14Aと出口部13との間の計測流路部11の矩形状外周には、第1溝部15(
図4(a)参照)が形成され、回路ケース14の後端部14Bと入口部12との間の計測流路部11の矩形状外周には、第2溝部16が形成されている。また、回路ケース14の後端部14Bには、後方に向けて突起部17が設けられている。
【0018】
パッキン30は、平面視円形状をなし、その周縁部31には間隔をおいて3つのフランジ部32A~32Cが形成されている。フランジ部32A~32Cのそれぞれには、孔33A~33Cが穿孔されている。フランジ部32Aは、平面視円形状のパッキン30の中心から上下方向D2の上側に延ばした半径を基準として反時計方向に45°の位置に形成され、フランジ部32Bは、その半径を基準として時計方向に45°の位置に形成され、フランジ部32Cは、パッキン30の中心から上下方向D2の下側に延ばした半径を基準として反時計方向に30°の位置に形成されている。なお、フランジ部32Cは、パッキン30の中心から真下の位置に形成してもよい。
【0019】
パッキン30には、
図3(b)に示すように、計測流路部11の矩形状外周に取り付けるための矩形状の孔34が形成されている。そして、孔34を形成する周壁34Aには、第1溝部15と嵌合する嵌合凸部35が形成されている。
【0020】
またパッキン30の表面30Aには、
図2に示すように、リブ36が(
図2では後方に)立設されている。リブ36は、パッキン30の表面30Aから所定の高さを有している。さらにパッキン30の裏側(
図2では前側)には、互いに対向した一対のリブ37が円形状外周に亘って形成されている。そして、一対のリブ37によって円形状溝部38が形成されている。
【0021】
内機ケース50は、略直方体状をなし、その上面51は開口している。内機ケース50は、4つの側壁52A~52Dを備え、後側側壁52Aには、パッキン30の裏側に形成された円形状溝部38に嵌合する孔53が穿孔されている。孔53の周りには、3つのボス部54A~54Cが(
図2では後方に)立設されている。ボス部54Aは、孔53の中心から上下方向D2の上側に延ばした半径を基準として反時計方向に45°の位置に形成され、ボス部54Bは、その半径を基準として時計方向に45°の位置に形成され、ボス部54Cは、孔53の中心から上下方向D2の下側に延ばした半径を基準として反時計方向に30°の位置に形成されている。なお、ボス部54Cは、孔53の中心から真下の位置に形成してもよい。
【0022】
図1に示すように、流量計測ユニット10がパッキン30を介して内機ケース50に接続された状態で、内機ケース50は、その上縁部55から外方に張り出して形成されたフランジ部56を介して排気管(図示せず)と接続される。そして、排気管と、流量計測ユニット10が接続された内機ケース50とが締結された状態で、図示しない外側ケース内に収納される。
【0023】
被計測流体は、外側ケースに設けられた流入口(図示せず)から外側ケース内に流入し、流量計測ユニット10を通って内機ケース50内に流入し、排気管を通って外側ケースに設けられた流出口(図示せず)から外側ケース外へ流出する。この過程で、被計測流体の流量が、流量計測ユニットによって計測される。このように、内機ケース50は、流量計測ユニット10の計測流路部11を流れてきた被計測流体を流入し、その被計測流体を排気する排気管に向けて中継する機能を果たしている。
【0024】
以上のように構成された流量計測ユニット10、パッキン30及び内機ケース50の組立について、以下説明する。
【0025】
図3は、流量計測ユニット10にパッキン30を正しく取り付けた状態を示している。
図3(a)に示すように、パッキン30をその表面30Aが回路ケース14の前端部14Aと対向する状態で、流量計測ユニット10の出口部13から入口部12に向けて移動させると、
図3(b)に示すように、パッキン30は、その表面30Aに形成されたリブ36が回路ケース14の前端部14A近傍の部材と干渉せずに、パッキン30の孔34の周壁34Aに形成された嵌合凸部35が計測流路部11の第1溝部15と嵌合する位置まで移動する。
【0026】
これに対して、
図4(a)に示すように、パッキン30をその表面30Aが回路ケース14の後端部14Bと対向する状態で、流量計測ユニット10の入口部12から出口部13に向けて移動させると、
図4(b)に示すように、パッキン30は、その表面30Aに形成されたリブ36が回路ケース14の後端部14Bに形成された突起部17と干渉し、パッキン30の孔34の周壁34Aに形成された嵌合凸部35が計測流路部11の第2溝部16と嵌合する位置まで移動しない。これにより、パッキン30を流量計測ユニット10に取り付けている操作者は、パッキン30を間違った方向から取り付けていることを知ることができる。
【0027】
図5は、パッキン30を正しく取り付けた流量計測ユニット10を内機ケース50に正しく取り付けた状態を示している。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、パッキン30のフランジ部32A~32Cの各孔33A~33Cに、内機ケース50の後側側壁52Aに形成された各ボス部54A~54Cを挿通させた状態で、パッキン30を内機ケース50に取り付けると、流量計測ユニット10は、回転方向の正しい角度を保持したまま、内機ケース50に取り付けられる。
【0028】
これに対して、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、パッキン30のフランジ部32A~32Cの各孔33A~33Cに、内機ケース50の後側側壁52Aに形成された各ボス部54A~54Cを挿通させない状態で、パッキン30を内機ケース50に取り付けると、流量計測ユニット10は、回転方向の間違った角度で、内機ケース50に取り付けられる。これにより、流量計測ユニット10を、パッキン30を介して内機ケース50に取り付けている操作者は、流量計測ユニット10を回転方向の間違った角度で取り付けていることを知ることができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の流量計は、被計測流体が流れる計測流路部11を有し、計測流路部11を流れる被計測流体の流量を計測する流量計測ユニット10と、流量計測ユニット10の周囲の、被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、被計測流体の流れの上流側には取り付けられないパッキン30と、パッキン30の取り付けられた流量計測ユニット10を外側から取り付け、流量計測ユニット10の計測流路部11を流れてきた被計測流体を流入し、その被計測流体を排出する排出路に向けて中継する内機ケース50と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
このように、本実施形態の流量計では、パッキン30は、流量計測ユニット10の周囲の、被計測流体の流れの下流側に取り付けられ、被計測流体の流れの上流側には取り付けられないので、流量計測ユニット10の周囲にパッキン30を誤って取り付けることを防止できる。そして、内機ケース50には、パッキン30の取り付けられた流量計測ユニット10が外側から取り付けられるので、つまり、パッキン30の取り付けられていない流量計測ユニット10は、内機ケース50に外側から取り付けられないので、結果的に、取付け方向が規定されている流量計測ユニット10を規定されている方向に間違いなく取り付けることが可能となる。
【0031】
また、流量計測ユニット10は、その周囲の下流側及び上流側のそれぞれに形成された、パッキン30を嵌め込み可能な第1及び第2溝部15,16と、上流側の第2溝部16と下流側の第1溝部15との間に位置し、上流側の第2溝部16との間隔が下流側の第1溝部15との間隔より狭い位置に設けられた突起部17と、を有し、パッキン30は、内機ケース50に取り付ける際に対向する面と反対側の表面30Aに形成した、所定長のリブ36を有し、パッキン30を上流側の第2溝部16に嵌め込む際には、リブ36が突起部17に当接し、パッキン30を上流側の第2溝部16に嵌め込むことができない、ことを特徴とする。
【0032】
これにより、パッキン30を流量計測ユニット10に取り付けている操作者は、パッキン30を間違った方向から取り付けていることを知ることができるので、誤取付けを防止することができる。
【0033】
また、パッキン30は、平面視円形状をなし、内機ケース50は、円形状のパッキン30を取り付けるための円形状の孔53と、孔53の周りに形成された複数のボス部54A~54Cであって、パッキン30を取り付ける際の孔53に対するパッキン30の回転角を規定するボス部54A~54Cと、を有し、パッキン30は、円形状の周縁部31に形成された複数のフランジ部32A~32Cを有し、複数のフランジ部32A~32Cのそれぞれには、複数のボス部54A~54Cのそれぞれに対応する位置に、各ボス部54A~54Cと嵌合する孔33A~33Cが形成された、ことを特徴とする。
【0034】
これにより、流量計測ユニット10を、パッキン30を介して内機ケース50に取り付けている操作者は、フランジ部32A~32Cの各孔33A~33Cに各ボス部54A~54Cを嵌合させた状態で、流量計測ユニット10を内機ケース50に取り付けるという簡単な操作だけで、流量計測ユニット10を回転方向の正確な角度で内機ケース50に取り付けることができる。
【0035】
また、パッキン30は、平面視円形状をなし、円形状の周縁部31に形成された複数のフランジ部32A~32Cを有し、複数のフランジ部32A~32Cのそれぞれには、パッキン30の被取付部材である内機ケース50であって、パッキン30を取り付けるために形成された孔53と、孔53の周りに形成された複数のボス部54A~54Cであって、パッキン30を取り付ける際の孔53に対するパッキン30の回転角を規定するボス部54A~54Cと、を有する内機ケース50における、複数のボス部54A~54Cのそれぞれに対応する位置に、各ボス部54A~54Cと嵌合する孔33A~33Cが形成された、ことを特徴とする。
【0036】
これにより、流量計測ユニット10を、パッキン30を介して内機ケース50に取り付けている操作者は、フランジ部32A~32Cの各孔33A~33Cに各ボス部54A~54Cを嵌合させた状態で、流量計測ユニット10を内機ケース50に取り付けるという簡単な操作だけで、流量計測ユニット10を回転方向の正確な角度で内機ケース50に取り付けることができる。
【0037】
(他の実施形態)
図7は、上記実施形態とは異なる他の実施形態に係る流量計に含まれる流量計測ユニット10と内機ケース50′を、パッキン30を介して接続した状態を示している。
図1と
図7とを見比べれば分かるように、上記実施形態の内機ケース50が、流量計測ユニット10を1台のみ接続可能に構成されていたのに対して、本実施形態の内機ケース50′は、流量計測ユニット10を、例えば2台接続することができるように構成されている。そして、
図7には、内機ケース50′に流量計測ユニット10を1台接続した例が示されている。
【0038】
図7に示すように、内機ケース50′の後側側壁52A′には、パッキン30を取り付けるための、孔53′を含む2個の孔が穿孔され、孔53′でない方の孔(図示せず)にパッキン30が取り付けられて、パッキン30を介して、流量計測ユニット10と内機ケース50′とが接続されている。したがって、
図7の例では、孔53′はパッキン30により閉じられない状態となるため、パッキン30と同様の形状のパッキン30′を用いて孔53′を閉じるようにしている。ただし、パッキン30′には、パッキン30と異なり、矩形状の孔34(
図3(b)参照)は形成されていない。パッキン30′は、単に孔53′を閉じる役割を果たすものだからである。
【0039】
このように本実施形態では、内機ケース50′として、例えば汎用性のあるものを用いたときに、流量計測ユニット10を取り付けるための孔53′が余った場合でも、パッキン30′をその孔53′に嵌合させて孔53′を閉じることができるので、便利である。
【0040】
なお、本実施形態では、流量計測ユニット10を取り付けるための孔として、2個を例に挙げたが、この個数は3個以上であってもよい。孔の個数が、例えば3個である場合、3個のうち、1個のみに流量計測ユニット10を取り付けるようにしてもよいし、2個に流量計測ユニット10を取り付けるようにしてもよい。その取付位置は、任意に選択すればよい。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0042】
(1)上記実施形態では、フランジ部32A~32Cの孔33A~33Cとボス部54A~54Cの個数を3個にしたが、3個より多くても少なくてもよい。ただし、1個を採用した場合、その1個の孔に1個のボス部を嵌合させた状態で、流量計測ユニット10を内機ケース50に取り付けたとき、回転方向の正確な角度からずれが生ずることがあるので、好ましいとは言えない。
【0043】
(2)上記実施形態では、パッキン30として、平面視円形状のものを採用したが、これに限らず、例えば、楕円形状でもよい。ただし、矩形状は、頂点近傍のシールが甘くなるため、好ましいとは言えない。
【符号の説明】
【0044】
10…流量計測ユニット、11…計測流路部、15…第1溝部、16…第2溝部、17…突起部、30…パッキン、30A…表面、32A~32C…フランジ部、33A~33C,53…孔、36…リブ、50…内機ケース(中継ケース)、54A~54C…ボス部。